唐澤なをき

二十一世紀科學小僧
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 名義は「唐澤なをき」。
 古き良き少年向け漫画のごとき絵柄と言葉遣いで、一見ノスタルジックな雰囲気ながら下品なギャグをしてしまうという、唐沢なをきお得意のパターン。中身はオールカラー、化粧箱入りで中身も布張りのハードカバーと、実に凝った造りの単行本となっている。

 主人公は少年科学者の1太郎(ぴんたろう)。お人形様のようにあどけない顔をしていながら、その実は若き性欲が悶々とし爆発寸前のイヤな子供である。彼がメイドのぺゝ子さんを肉奴隷にしたり、不特定多数の婦女子にいやらしいことを仕掛けるべく、やらんでもいいような発明を繰り返しては下らない憂き目に遭うというのの繰り返し構造。
 絵柄と物語展開のギャップ、それからすでに自家薬籠中にある懐古趣味的な言葉遣いや雰囲気を楽しむと良い。先ほど触れた神経のゆきとどいた造本も、雰囲気を醸し出すのに貢献していて、完成度の高い一冊といえる。ああ、そうそう。言い忘れていたが、ぺゝ子さんのおかっぱ頭とエプロン、そして耳のついたずきんがたいへんにかわいく、ぼくもかのじょをにくどれいにしたいなあとおもったことであるよ。