アレ！などに掲載された短編を集めたもの。このなかで僕の一番のお勧めは「何も始まらなかった一日の終わりに［チャリの巻］」。自分の自転車を愛し、自転車とともに生きる一人の男。定職にもつかず、一日中自転車でどこかに出かけてばかりいる彼を軽蔑を込めて「チャリ」と呼ぶ。「違う、ここは違う」。チャリは叫ぶ。自分の居場所はここではない。自転車とともに生きた男が、最後に愛車とともに、自分たちだけの場所を求めて飛び立っていく。
これ以外の短編もみな秀作揃い。なお、ここに貼ってある画像は、この単行本に付いていた愛読者葉書を送ったら、その感想がアレ！に掲載されて、掲載謝礼としてもらったテレカ。単行本の表紙はこれと同じ絵柄である。
ＩＳＢＮ：ＩＳＢＮ４−８３８７−０７５０−９ Ｃ００７９
価格：￥１１００（１９９５年１０月現在）
判型：Ａ５・モノクロのみ
●収録