山田芳裕単行本リスト

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■作家名:山田芳裕(やまだ・よしひろ)
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「いよっおみっちゃん」 [bk1]

「いよっおみっちゃん」 ■出版社:講談社
■シリーズ:モーニングKC780
■巻数:全1巻
■判型:B6
■ISBN:ISBN4-06-328780-7 C9979
■価格:524円(税別)
■初版発行:2001/11/22

 「度胸星」連載終了後、久しぶりに講談社、しかも古巣のモーニングでシリーズ連載された久しぶりの江戸時代モノ。

 腐りかけぎりぎりの「うまずい」という境地をこよなく愛する女浪人、「おみつ」の快刀乱麻の活躍を描く作品。旅の途中で訪れた爛熟していい具合にこなれた宿場町・梅ヶ原町を気に入り、おみつはしばらく腰を落ち着けることにする。しかし、その隣の大竹町を仕切る左門字一家は勤勉を最大の美徳としており、だらけた空気の漂っている梅ヶ原を何かと目の敵にしていた。おみつは左門字一家の討ち入りの切った張ったの修羅場に巻き込まれていくが……。といった感じのお話。

 刀でバッサリ敵を斬る様子は「考える侍」に通じるところがある。それからおみっちゃんの粋な立ち居振る舞いも見ていて気持ちいい。まあ正直、切れ味については「考える侍」のころのほうが鮮烈だったような気はするんだけど、これはこれでまた違った熟した味わいがある。まさに「うまずい」の境地といったところか。この「うまずい」というのは「うまい+まずい」なんだろうけれども、この概念を突き詰めた漫画にしちゃっても面白かったかも。