2000年7月31日(月)
刑務所の中 | 花輪和一 | 青林工藝社 | <漫画・単行本> | 1600円 |
これこれこれ、という感じでしょうか。「アックス」の中でも異彩を放ちまくっていた花輪くんの「刑務所シリーズ」がようやく本になりました。とにもかくにも面白いです。面白さのひとつは、われわれにとって伺い知ることが難しい拘置所/刑務所という場について、きわめて詳細な記述がなされていることによっています。花輪和一独特の細密画で、工場の様子や入浴の様子が描かれる。教養、という点でまずは興味を覚えるのですね。もうひとつは、刑務所という場所に対する花輪くんの態度が実に興味深いことです。えてして獄中ものは「闘争」の様相を呈することになります。獄中の不合理や非・人間性を訴えるために、声高にそのありさまを描くという。最近では見沢知廉などがいい例だといえましょう。こうした作品は、ムショの内情を知るという点では面白いのですが、必然的にイデオロギーの「臭さ」がつきまとうことになります。こんなの書く人はサヨクに決まってますしね。それはイデオロギーの前に、そこに存在する人々の存在が埋没してしまうことも意味しています。ですが花輪くんは決してそうした描き方をせずに、徹底的に周囲を観察します。同室の4人のこと、出所を前にして不安につぶされている人、甘いものに飢えるあまり盗み食いをする人…。そしてもう一方で偏執的といえるほど、詳細な記述がなされます。特に毎日の献立のしつこいばかりの描写は圧巻を通り越して背筋が寒くなります。他にも所持が許可されている雑誌のリスト、購入できる品物のリスト、一月の作業報奨金の表(最初は一月働いて440円しかもらえないのですね)など、圧倒されるばかりです。そんな花輪くんはまさに「ムショオタク」。それを自認しているところがまさに着目すべきところです。こうしたことは呉智英も指摘しているのですが、やはり他にまったく例を見ることができないたぐいの獄中記であることは間違いありません。必須の図書といえましょう。
CAT's WORLD 1 | OKAMA | 角川書店 | <漫画・単行本> | 960円 |
「コミックドラゴン」での連載をまとめたものです。さすがにこの雑誌は守備範囲外。その分新鮮な気はします。
内容は、テロ集団の手によって3万人の人間がネコにされてしまい、その結果ネコにも人権が認められるようになった世界。そのテロの唯一の生き残りのカカ・ホルン(半猫)が、相棒のサンとボディーガードのロボット・エスカルオが、様々な(へっぽこな)テロ集団と戦う。そのうち次第に、最初の猫化テロの黒幕が見えてくる…というものです。
まずはネタからしてちょっと特異なものです。加えて驚かされるのは、既存の漫画文脈とだいぶずれた表現がなされていることです。デッサンの方法といい、表情の付け方といい、構図の取り方といい。それは「スクール」の頃から比べても、かなりラディカルになっているように思います。ですからまあなんとも読みづらいし分かりづらいのですね。既存の漫画の読み方からすれば。
ですがこのことは、逆に漫画のこれからの有り様を指し示しているように思います。未来の漫画の先取りなのではないか、ということですね。ですから拒否反応を示すことなく、ちょっと様子を見てみたいと思っています。勢いという点では既存の漫画の文脈でも読めることですし。
快楽天 9月号 | ワニマガジン社 | <漫画・雑誌> | 314円 |
なんだか凄いことになっている、という印象です。巻頭カラーは米倉けんご先生「エヴァーグリーン」。兄弟同然に育った二人の少年の愛憎劇を予感させる導入部分。エロも実に達者。やっぱり上手い作家です。「エロなんて人生棒に振っているようだ」と編集に諭された、とのことですが、決してそんなことはありません。エロだからこそ描ける痛いオハナシはあるはずです。応援していますので頑張ってほしいところです。
続いては櫻見弘樹「個体のヴァリエーション」。男性と対等につき合っている、見た目も非常に男性っぽい女性。「可愛い」「美しい」というより「かっこいい」という形容が似合う。そんな彼女にホレている男…。ほとんどボーイズラブ、という展開なのが非常に興味深いです。その女性のジェンダーはほとんど男性のそれなのですから。すでにボーイズラブと男性向けエロ漫画の境界などはなくなっているのだな、と痛烈に感じさせる作品といえましょう。美しい作品です。
次には朔「酩酊文学少女」。人々が読むロゴスが「見える」ようになった少女。当然エロいロゴスも見えるようになるというわけで…。思索性とビジュアル性をこうした形で結合させるとは、と唸らせられるところです。
そのほか伊藤真美、月野定規(馬鹿漫画)、神寺千寿とハイテンションに続きますが、やはり目立つのは道満晴明。問答無用で異世界にたたき込まれる感触は気持ちよすぎ。犬にまでおねだりしますよ?
2000年7月29日(土)
「みるく」完成後ヘタれていたせいと、コンピュータの不具合により大規模なアップデートが遅れていました。取り返すべく頑張りますよ!
OURs LITE 9月号(創刊号) | 少年画報社 | <漫画・雑誌> | 305円 |
待ちに待った、といってもいいような創刊号です。執筆者は犬上すくね、森見明日、石田敦子さま、鬼魔あづさ、やまむらはじめ、おがきちか、宮尾岳、ひぐちきみこ、TAGRO、伊藤伸平、樹るう、どざむら、小野寺浩二、磯本つよし、小田すま、西村竜。何を文句を言うことがありましょうや。「アワーズ」のなかでも私が好きだった部分、そしてアワーズ以外でも私が大好きな部分が集まって凝り固まったような雑誌なわけですから。執筆陣もそれに応えて非常に頑張っている様子が見受けられます。
詳しくはクロスレヴュで書くつもりですが、目立ったところを。すくね先生は相変わらず読者の骨を抜きまくってくれます。「手袋をしてない方が相手のぬくもりが伝わるでしょ」とは!そして大前田ドッグは大マジなのに、棗ちゃんのほうは単なる好奇心だったとは…男とは何と単純なんでしょ。かくいう私も「手袋を着けずに」やったりすると緊張してしまう方です。「ふたりエッチ」の真さんの気持ちが分かる、というものでしょうか。恐るべきはそれだけではなく、ちゃーんとハートウォーミングに持っていくところ。やられましたわい。続いては石田敦子さま。最近の石田さまの作品はどんどん多重的・多層的になってきていますが、この作品も非常に多層的で、いくつもの物語が平行して語られていくところが面白いと思います。フーガ的、あるいはポリフォニック的(スズキトモユさんの記述を参照してくださいね)といえましょうか。そしてもちろん私はこの内容にシビレまくっております。次はTAGRO。筆を使った描線で、実にさわやかな物語を描いています。旅には一方で「夜行」のようなものもありますが、出会いの場であったりもします。努めてポップに、さわやかに物語を紡ごうとする姿勢には非常に共感するところがあります。暑いさなかにダークなオハナシは参っちゃうところですし、辛くてもさわやかに生きようとし続けるところがポイントなのだと思うものですから。…ただ、作者近況で見事に落としてくれるのでやっぱり一筋縄じゃ行かないのですが。後は伊藤伸平。作家陣のなかではベテランのひとりなのですが、さすがに上手さが目立ちます。ベテランゆえの「つや」があるというのでしょうか、随分と引き込まれる内容になってます。やっぱり眼鏡でしょう。眼鏡。
私が好きだった部分がごっそりこちらに移動した結果、「アワーズ」本誌が寂しくなった感は否めませんが、こちらはこちらで今後語りぐさになるのは間違いない内容になっていると思います。予想していたとはいえ、それを上回る出来。「いま、ここにいる」私たちに強く訴えかける内容になっていると思います。後は魯介を加えれば完璧じゃないでしょうか。
サンデーGX(ジェネックス) 8月号(創刊号) | 小学館 | <漫画・雑誌> | 410円 |
ついに小学館も動き出したか、という印象です。たかしげ+皆川の「スプリガン」を筆頭に、執筆陣は細野不二彦、喜国/国樹、阿部潤、小野敏洋、陽気婢、萩原玲二、成沢円(=二階堂みづき)、こいずみまり、島本和彦など。扱われているネタといい、エロから漫画家を引っ張ってくる方法といい、「ウルジャン」などの「新・少年誌」と共通しています。ただ細野、島本、萩原などの、やや対象年齢層が高めの作家を持ってきているところは面白いところです。多少高めの年齢層に訴えることで棲み分けをはかるのか、などと考えてしまったところです。内容的に目立つのはまずは陽気婢&成沢の美少女漫画出身組。上手くエロをオハナシに絡めることにより、求められている役割をきちんと果たしています。線の柔らかいこの二人を持ってきたところも良かったのではないでしょうか。次に萩原。スピード感といい、内戦後のロシア、という設定といい、円熟してきた感があります。ちょっとファンタジイが足りない気もしますが、この雑誌のなかでは渋く光っています。そして島本。「燃えよペン」の続編「吼えろペン」…ですか!内容的にはちょっと滑っているような気はしますが、アツいからいいんです。
マガジンZ 9月号 | 講談社 | <漫画・雑誌> | 457円 |
やっぱりウエダハジメ「フリクリ」でしょうか。アニメの方もハイテンションで進んでいますが、漫画もそれに負けないハイテンション。一時はどうなることかと思いましたが(それはそれでいいとも思いましたが)、オハナシを進めているのがいい感じです。やっぱりこれからは本音で語る先生が大切です。…あとは「おたく先生」。SF的リアリティを振りかざす着流しの男にいかに対抗するのか、とハラハラしていたのですが、ワイドスクリーンバロックの魅力で攻めるとは。そう、必要なのはやっぱりワンダーなのだ、燃える/萌えるこころなのだ、と痛感した次第です。それにしても、この人SFにまで手を染めているとは。まあ当然とはいえ感服する次第です。私の背中のサイモン教授も泣いています。
アフタヌーン 9月号 | 講談社 | <漫画・雑誌> | 457円 |
全体的に連載陣のテンションが高めなのに加えて、四季大賞「孤陋」(銀峰瑞穂)が実にいい感じです。やや思索的になりすぎている嫌いはありますが、それは強さ/弱さ、やさしさ/残酷さといった、人生においてわれわれが直面する大きな問題に対して、実に真摯に接していることの現れであるといえましょう。注目すべき作品です。絵もきれいですしね。後、気になるのは都築和彦の「ANGEL DOLL」。都築本人がすべてを作り上げるゲームになるというのですが…3Dになった都築キャラというのは、どうにももの凄いものなのですね。もちろん最初から立体になどなるわけがないのですが、それを無理やりにモデリングしてしまっている。感服する一方、何か薄ら寒いものを感じます。
フラミンゴ 9月号 | 三和出版 | <漫画・雑誌> | 743円 |
来月発売の10月号で休刊。本当に惜しいところですが、後継雑誌は基本的に同じ雑誌になるとのことなので、期待したいと思います。今回はやはり「奴隷立國」が圧巻。この國の憲法の三原則は、(1)権利としての人権は永久にこれを放棄する(2)権利と義務としての服従と奉仕(3)象徴としての国王。そして象徴であるとは、国民の規範・誇りとなるような、気品ある立派な家畜奴隷になること…。まさにめまいのするような作品といえましょう。後は鋭利菊先生、天竺浪人といったところでしょうか。
プチフラワー 9月号 | 小学館 | <漫画・雑誌> | 467円 |
新連載は木原敏江。舞台は18世紀のフランス。美貌であり、すべてにおいて天才を発揮する少年。そんなかれは、常に倦怠につきまとわれていた。何に対しても燃えるものがないのだ。だが貧困にあえぐ庶民を見、啓蒙思想の広がりのなか、かれの眠っていた炎が燃え上がりはじめる…。おお、革命家の話か、と思ってわくわくして読んでいたら、サン・ジュストじゃあないですか。ジャコバンですよ、ジャコバン!ポル・ポトの偉大な先祖ともいえる人々をどう描くのか、非常に楽しみなところです。後は吉野朔実「誰もいない野原で」、名香智子「温情が温室を満たす」が引っかかるところです。あ、アテネー!!
クリムゾン 9月号 | 創美社 | <漫画・雑誌> | 457円 |
本当は「少年進化論」とか語るべきなのでしょうが…すいません。TONO「ダスク ストーリィ」しか細かく読んでいません。ちょっと守備範囲を外れるもので。引っかかったのは祥寺はるか「終末天使」。主人公の精神科の医師のもとに連れてこられた少年は、集団変死事件の生き残りらしい。その子は喋ることができず、生肉を好んで食べる。その変死事件は、天使復活を目指すカルト教団が引き起こしたもので、どうやら少年はその事件と関係あるらしい…と。まあこの少年は実はホントーに天使だったりするのですが、これがまた可愛いのなんのって。可愛い少年少女は世界の宝であると信じている私のたましいを揺り動かす作品になってます。収穫、収穫。
少年エースA 9月号 | 角川書店 | <漫画・雑誌> | 419円 |
やっぱり小手川ゆあは堅実です。「ANNE・FREAKS」は一挙二話掲載で、上手くアピールしていると思います。ちょっと楚々としすぎかな、とも思いますが。後は「ケロロ軍曹(本格的に乳)」、「エヴァ」、「成恵の世界」、「低俗霊DAYDREAM」、「ANGELIC LAYER」ですね。「成恵」は大きなオハナシになりそうな予感。そっちに行かない方が面白くなるだろうことは予測できるのですが、まあ雑誌の性質上仕方ないことでしょう。その中でどれだけ作者が「踏ん張れる」か、期待しながら見てみたいと考えています。それから木村ひかげ「ジェット・レンチ・デイズ」のシリーズも気になるところです。眼鏡くん(類似キャラ=すげこま君、苺太)がセンス・オブ・ワンダーにあふれた発明をして、そこから登場人物たちがファンタジイの世界に誘われるという…。この人は伸びる、と思ったところです。
ヤングキングアワーズ 9月号 | 少年画報社 | <漫画・雑誌> | 342円 |
最初にも書いたとおりですが、私にとって少し魅力が薄くなってしまったのは仕方のないところです。「ジオブリ」「J」「トライガン」「朝霧の巫女」と、読める作品はまだまだ多いのですが。今回は読み切りで田口シゲオが登場。クローン技術が発達し、臓器移植が当たり前になった世界。逃げまどう女と少女。追いつめられたところを救うのはひとりの男。かれは金次第でなんでもやる男だが、結局その二人を助ける約束をすることになる…と。アワーズ本誌の向かう方向にぴたりと合った作品内容だと思います。これはこれでいいのですが、「LITE」に移籍した要素も、少しでいいですから持ち続けていてほしいと思います。
ヤングアニマル 15号 | 白泉社 | <漫画・雑誌> | 248円 |
笠原倫「豪振王」が登場。中村紀洋とはまたクセのあるバッターを。まあ、このクセが、作家の持ち味とフュージョンして、面白い展開になるのだと思います。あとは「セスタス」がなんかいい感じですね。
マンガエフ 9月号 | 太田出版 | <漫画・雑誌> | 552円 |
まだまだ「エロティクス」を引きずっているようで、全体的な方向性には引っかかるところがあります。なんちゅうのでしょうか、もう少し気負いを抜いてもいいのじゃないか、と思います。福山庸治とかやまだないととか、ややそう思ってしまうもので。また新人登用も同じ危惧を感じます。手塚ガロが持っていた、サブカル至上主義の不毛に何となくつながるような気がするもので。まあそれぞれの漫画はいい調子です。松本次郎、安田弘之、雁須磨子(…)、安彦麻理絵。とくに安彦はええ感じ。後述しますが「セックス貧乏性」が現れているのですから。カリスマ先生はもう歯の抜けた櫛のよう、という感じ。すべての意思力が奪われてしまうような印象です。危険な領域に入っているといえましょうか。
ホビージャパン 9月号 | ホビージャパン | <立体・雑誌> | 743円 |
ガンプラの仕上げ方について特集しています。成形色を生かした簡単フィニッシュ、銀光沢フィニッシュ、AFV風フィニッシュと、ガンプラにもいろいろな楽しみ方の可能性が含まれていることが分かり、なんだかこころ動かされるところです。もっと時間があればいろいろ塗ったり改造してみたりしたいんですが…。
小林誠との裁判問題やJAF-CONに見られるように、ホビージャパンの独占/独善的体質は気になったりもしますが(ガンダムインテグラルもその現れですね)、他の雑誌に比べると作例が綺麗なので、どうしてもこっちを選んでしまいますね。あさのまさひこはパルコ木下と同じ理由で大嫌いですし。
クーの世界 1 | 小田ひで次 | 講談社 | <漫画・単行本> | 505円 |
EDEN 5 | 遠藤浩輝 | 講談社 | <漫画・単行本> | 505円 |
KING OF BANDIT JING 2 | 熊倉裕一 | 講談社 | <漫画・単行本> | 505円 |
バガボンド 7 | 井上雄彦 | 講談社 | <漫画・単行本> | 524円 |
トライガン・マキシマム 4 | 内藤泰弘 | 少年画報社 | <漫画・単行本> | 495円 |
どれも説明不要、といった感じでしょうか。一つ目、「1」と銘打ってあるのが嬉しいところ。「拡散」と違い、積極的に作品を発表するようになってきているのが好ましいです。二つ目、やっぱり後見返しのあとがきが面白いです。三つ目、未発表作品の「ヨシュア・トゥリー」(U2!!)が収録されています。エンピツ描きの画面の美しさたるや!
First Kiss | 田中ユタカ | 蒼竜社 | <漫画・単行本> | 524円 |
ち、再録か。96年までの作品を集めたものなので、ネタ的には懐かしいものが多いです。でもやはり上手いですね、セックスに至る、またセックスしてからのこころの動きが。お気に入りはオタクの女の子とやっちゃうオハナシ。女の子がガッツポーズで「やったあ」と言うのですから。こうした細かいところへの配慮が、かの「愛人」を生んだのだな、と感じるところです。
3丁目の回覧板 | ひな。 | 蒼竜社 | <漫画・単行本> | 533円 |
…まだまともに読んではいないのですが。エロ漫画雑誌に掲載された作品を集めたもののようです。内容としては、まあこれが見事に「男少女まんが」。読者の男どもが転げ回るような作品になってます。もちろんエロはきれいに捨象され、絵柄は丁寧に可愛く描かれています。だからこそこの作品は危険であり、破壊力を持つのだと思います。
少女はそれをがまんできない | あじまる | 松文館 | <漫画・単行本> | 876円 |
そういえばこの人「ロリータ/みるくコミックさくら」で描いてる人でしたね。この作品の中心をなしているのは「…さくら」に掲載されたもので、結構ギャグ仕立てになっているものが多いです。くのいち修行で犬にさんざんにハメられたり、「後門道」と称する拳法を修行してみたり、などなど。ですが最後に収録されている作品「棒立てあそび」は違います。幼い姉妹二人が悪どいオジサンに手込めにされ…と、呵責のない展開なのですね。今月出た「燃絵」2号に痛い作品を描いていましたが、その流れが見えてくる作品となっているのですね。幼女の描き方といい、オハナシの広がりといい、今後期待できるロリ系作家だと思っています。随分トシだ、と描かれていますが、どのくらいなのでしょう?
しゃりばり | とり・みき | イースト・プレス | <漫画・単行本> | 952円 |
随分昔に出た本の再販です。ドタバタ劇になっているのですが、実はSF的に物語が展開していくという…。何とも80年代的作品になっているのが非常に面白くも痛いと思います。絵柄はこのころすでに完全に完成しているのですね。
よからぬ話 2 | TONO×うぐいすみつる | 朝日ソノラマ | <漫画・単行本> | 676円 |
内容としては「コワい話」ですね。私はこうした話には耐性があるのであまり楽しめなかったのですが、TONOといいうぐいすといい、線がいい感じなのですね。TONOの線の味は言うまでもないですし、うぐいすのすっきりした線も魅力的です。ちょっとうぐいすみつるも集めてみようかな、などと考えている次第です。
ひな菊 | 雁須磨子 | オークラ出版 | <漫画・単行本> | 571円 |
おお!カリスマ先生がかわかみじゅんこのモノマネをなさっている!
はちがつのうさぎ | 水原賢治 | 大都社 | <漫画・単行本> | 840円 |
イマイチ不遇であるように見受けられる作家ですが、こうして単行本が出たのは嬉しいところです。「ヤングHIP」や「パイナップリン」(高取英)に掲載された作品を集めたものです。そういやパイナップリンは三上寛がエッセイを書いてたから読んでましたっけ。それに載ってたセンシティブな作品が収められていたので、随分と懐かしい思いです。全体的にやっぱりエロなのですが、エロのなかにも少年漫画テイストがあふれていて、実に好感が持てます。CGを使った表紙絵の美しさも惹かれるところ。次回の「LITE」登場が楽しみです。
快楽であたしたちはできている | 安彦麻理絵 | 光文社 知恵の森文庫 | <一般・文庫> | 457円 |
これは漫画じゃなくて文章の本ですが。最近漫画をあまり見ないと思っていたらこういう仕事をしていたのですね。まあセックスについても恋愛にまつわる様々なマヌケなことについても、とにかくあけすけで実に気持ちがいいです。安彦の徳目はまさにここにあるわけであって、文章という形で濃縮されているためになおのこと面白くなっているのだと思います。ですがここはやっぱり漫画で読んでみたいもの。「マンガエフ」での連載もありますが、さらに読んでみたいと思っています。
水と銀 1 | 吉田基已 | 講談社 | <漫画・単行本> | 648円 |
さすがにくたびれ果てたのでまた後で書きます。
魅惑のビーム | こがわみさき | エニックス | <漫画・単行本> | 552円 |
これまた同様。いい加減なことは書きたくないもので。
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:48 JST