枡野浩一さんとのやりとり(その5)
このメールに対しての枡野さんの返事は次のようなものでした。
追伸。
〈おそらく読んでおられるでしょうので枡野さんへ。この文章を読んでお怒りになっ
たところもあるでしょう。ですがこれが私の偽らざる感想です。ご意見がおありでし
たらメールでやりとりし、公開書簡の形にしませんか。私はこの発言に責任を負いた
いと思っていますから。〉
という一文を枡野浩一著「漫画嫌い」の書評の最後に付け足したり、
〈ただ大変申し訳ないのですが、私現在非常にせっぱ詰まっており
まして、ちょっと落ち着いて意見を交換できる状況にありません。
またあさってからは広島に行く用事があり、日曜はコミティアが
あります。月曜日までにっちもさっちも行かない状態なのですね。
ですので月曜日以降の対応になると思います。
こちらの都合で勝手を言って申し訳ありません。〉
というコメントを掲示板に書き込んだり、
そういった一連のたいまつさんの対応は、
たしかに「不誠実」な感じはまったくしませんが、
私から見ると「仲間うちに対しての対応」という感じがいたします。
たいまつさん(たち)の掲示板の「感じのよさ」は、
その仲間うちの優しさに支えられているのでしょうから、
それで全然いいのだとは思いますが……。
「こういうフォローの一文を書いておけば、
こちらの事情もわかってもらえるだろう」
というような言外の甘えたニュアンス(私の邪推ですが)に、
私はそれこそ、がっくりしました。
もっと、刺し違えるような覚悟で、刺されたかった。
たいまつさんに、期待しすぎていたのかもしれません。
お互いさまですね、「がっくり」は。
*
偏狭なことを長々と書いてしまいました。
最後に、余計なことをひとつ言います。
たいまつさんも漫画評を書いているのですから、
枡野浩一の「漫画嫌い」の前書きを読んであなたが失望したのなら、
「自分が漫画評の本を出すときには、
けっしてこういう前書きは書くまい」
と、強く決意すればよいのではと思います。
がっくり、
などという軽い一言で済ませてしまっていいのは、
シロウトさん(漫画評を書いたりしない純粋な一読者)だけではないでしょうか。
*
それでは、お元気で。
たいまつさんに宛てて私が書いた二通のメール、
勝手ながら私のホームページの掲示板に
アップさせていただきます。
ことの顛末を、私のページの読者にも伝えておきたいので。
今回のこのメールも、どうぞご自由におつかいください。
枡野浩一
http://talk.to/mass-no/
mass-no@jd5.so-net.ne.jp
(2000年11月12日13時14分発)
ここに来て私は枡野さんと意見を交わすことをあきらめました。議論は、それを行う両者に何らかのメリットをもたらすものであってほしいと私は考えていますが、こうしたすれ違いではそれは望めません。また、枡野さんへの反論を書いたことによって私が得るものは何もなく、私自身の労力を浪費するだけです。そしてなにより枡野さんの書き方や姿勢は私の発言を待っているようには思えないのです。反対意見を戦わせるディベートであっても、相手の話を聞く姿勢というものがあるはずです。そこで私はもはややりとりを打ち切る旨のメールを出しました。
ことの顛末は以上です。ですので意見交換用の掲示板を作ることはありません。また、枡野さんの『漫画嫌い』についても、これ以上語ることは何もありません。私の見解は、最初に挙げた書評の通りです。
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:53 JST