枡野浩一さんとのやりとりについて(その4)
吉本松明が広島から自宅に帰り着いたのは、11日の午後11時を過ぎてからでした。早速掲示板の準備に取りかかりました。枡野さんの了解が必要な部分があると考えていましたので、枡野さんに次のようなメールを送りました。
吉本松明こと__です。ようやく広島から帰ってきました。
以前「ザ・掲示板」に書き込みしましたように、意見交換用の掲示板を作りたいと思
います。そこでご相談があります。この掲示板は私のスペースでも、枡野さんのス
ペースでも、どちらでもないところに作ろうかと思うのです。具体的にはレンタル掲
示板にしようかと考えています。そして両者が管理者用のパスワードを持つようにす
るというのはいかがでしょう。
なぜかといえば、第三者の目にバイアスがかかるのが嫌だからです。私か枡野さんの
ページか、どちらに掲示板をもうけるにしても、それだけで周りは力関係を感じるこ
とでしょう。なるべくニュートラルな場でやりたいのです。
このことについてご意見がありましたら、メールでお返事いただければと思います。
せっかくですから有意義な意見交換をしたいところですし。
それでは。
(2000年11月12日0:17発 私の本名と本名の入った署名は削除しました)
これについての枡野さんからのメールは次のようなものでした。
ごていねいなメール、ありがとうございました。
*
新たに意見交換の掲示板をつくりたい、
できるだけニュートラルな場として、
両者どちらのものでもない掲示板をつくりましょう(意訳)
……とのご提案ですが、
うーん、
私の正直な気持ちを申します。
こういう提案があることがすでに、
あまり「ニュートラル」ではないと思うのです。
たいまつさんがお忙しいという事情はわかったのですが、
たいまつさんの「漫画嫌い」評に枡野がリアクションし、
たいまつさんから「今はほかの用事があって、
たてこんでいるので、少々お待ちください(意訳)」
とのお返事をいただいた時点で、
私は、
もう特別にお返事をきかなくてもいい、
という気持ちになってしまいました。
私だったら、
自分の文章に責任をとろうと考える以上、
そんな悠長なことは絶対に言わないと思うからです。
*
わざわざメールのやりとりをして、
それを公開するという「お約束」めいた形をとるよりは、
互いの掲示板に意見を書き込んだほうがいい、
……というのは私が先に言ったことですが、
わざわざ新しい掲示板をつくる
という発想は、
私の中にはまったくなかったので驚きました。
ニュートラルな場、
などというものは、
厳密な意味では存在しえないと思っています。
〈なるべくニュートラルな場〉(たいまつさんのメールより)
などという「ニュートラル」なら、
私は欲しくありませんし。
*
たとえば、
たいまつさんの「漫画嫌い」評を読んでも、
枡野が何のリアクションもしない、
ということだってありえたわけだし。
あるいは、
「こんなことをインターネット上で言っている人がいたが、
私はその人の意見に頷けなかった。なぜなら……」
というコラムをどこか(紙メディア)に書いてもよかったわけですし。
(そこまでするほど重要なことだ、と私が感じた場合の話ですが)
もちろん、たいまつさんのほうにも、
「枡野のリアクションを無視する」
「枡野の書き込みを掲示板管理人としての判断で削除する」
というような選択だってありえたわけです。
文章を書いて他人に読ませるということは、
そういう「まったくニュートラルではない場」で、
いかに自分なりのスタンスを保ちつづけられるか、
そこの勝負だと私は考えています。
*
たいまつさんの「漫画嫌い」評に関する
私のほうの意見はすでに、
たいまつさん(たち)の掲示板で述べてしまいました。
その私の意見に対するリアクションは、
どのような形でしていただいてもかまいません。
新しい掲示板をつくるというのでしたら、
それはたいまつさんの自由です。
その掲示板はあくまで、
たいまつさんがつくりたいからつくった、
という認識の上で、
たいまつさんの責任においてつくってください。
そして、
私がその新しい掲示板に書き込みをしたいと思ったら、
私の責任において書き込みをします。
書き込みをしたくないと思ったら、
私の責任において書き込みをしません。
……こういうふうに考えることのほうが、
私にはまだしも「しっくりくる」のですが、いかがでしょう。
*
無論、
私は今このメールを、
たいまつさんに無視されても
しかたがないという気持ちで書いています。
このメールの全文は、
ご自由におつかいください。
私はふだんから、
どんなプライベートなメールも、
勝手に公表されてもかまわない、
という気持ちで書いています。
*
以上です。
最後に念のためくりかえしますが、
たいまつさんの「漫画嫌い」評、
私は有り難く拝読しました。
反論もありますが、
どんな好意的な批評であっても、
反論したい部分は必ずあるものです。
ただ、
いつもはすべての批評にいちいちリアクションしたりしない、
それだけのことです。
枡野浩一
mass-no@jd5.so-net.ne.jp
http://talk.to/mass-no/
(2000年11月12日4時54分発 この前に3時18分発のメールもありましたが、私のメールの内容に引用記号がついているだけのものだったので、ここでは取り上げませんでした)
私は枡野さんの意見に対し反論を考えていたのですが、
「私は、もう特別にお返事をきかなくてもいい、という気持ちになってしまいました。私だったら、自分の文章に責任をとろうと考える以上、そんな悠長なことは絶対に言わないと思うからです。(改行位置を変更しています)」
という部分に非常に引っかかりました。このような発言は、私の行動を全く無駄なものにします。また、「ザ・掲示板」や枡野さんの掲示板に書き込むことは、すでに別の場で行うと言明している以上出来ないことと考えました。また、「悠長な」といった発言は、あまりにも無神経なものであるように感じました。すでに述べたように、どうにもならない事情があったからです。そうしたこともあって、もはや議論は無理だと考え、私の考えを簡潔にまとめてそれを発表し、それで終わりにしようと考えました。
吉本こと__です。
…あの文面から、そのようにお考えであろうとは察していたのですが。残念です。
それならば了解しました。意見交換の場を持つのは得策ではありませんね。枡野さん
の書き込みについての私の考えについては、「OHP」に書き込んでそれで終わりにし
たいと思います。
一つだけ言い訳めいたことを。何日も連絡なく放置しておくよりは、ああいった書き
込みをしておく方が誠実であったと、私は考えています。
それではさようなら。
(2000年11月12日8時08分発 私の本名と本名の入った署名は削除しました)
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:53 JST