僕は一人ぼっちの意味をまだ勘違いしていた

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一気に下まで行きたい

2000年

11月30日(木)

「プロレス・格闘技、縦横無尽」田中正志(1995、集英社)をやっと読了。
10月11日の日記に書いた「マーク」、「スマート」、「シュマーク」などのプロレス/格闘技用語を広めたヒトが書いている。最近話題になっているので過去の著作を読んでみたというわけ。しかし、私にとっては「平成版・私、プロレスの味方です」といった感じで、特別な印象はなかった。まあ最近の文章の方が面白いのかもしれん。
特徴は、アメプロをすごく賛美しているところくらいかな。「プロレスを観ることは頭の体操である」という言説も、今では珍しいことではないだろう。

しかし最近自分で気づいたのだが、私は「観ろ」と言われれば観るけど、やはり過剰なプロレスファンではない。「頭の体操」ったって、疲れちゃうもの。また、いくら考えても明確な答えが出ないときてる。かと言ってありのままを観て楽しむといっても、小さい頃から「ロープに降ってなぜ戻ってくるのか」が疑問でしかたがなかった。
……まあ打撃系の「ストーリーのある試合」には、スッカリだまされていたわけなんだが。

自問自答するに、自分は格闘技を広義の「武装」、一休さんのとんち、「生活笑百科的法律知識」、サバイバル術、等々と同じように考えているフシがある。要するに一人の人間が生きていくうえで使う思想であり道具であると(思想と道具はときに同義になる)。

だから「ここをこうするとこうなります」みたいな護身術とか、そういうのはテレビでわりと見たりするんだけど、プロレスマニア的な考え方というのは試合自体を一個の(田中正志氏の言葉を借りれば)スポーツ芸術と見なす、なんつーか構造的なモノであり、それは私にはそれほど切実なモノではなかったりする。

まず一人の人間が、強くなりたいとか、世の中に出たいとか、バカにされたくないとか考えたときに、何を選択するか。勉強するか、格闘技をするか、他のスポーツをするか、何かそういうところから興味があるってコトで。試合内容の機微まで考えたら、頭痛くなってくるもん。

そういう「読み」がめんどいから、競馬や競輪などのギャンブルもやらない私であった。要するに不精者なんだな……イヤな結論。

11月29日(水)

トルコで子供がポケモンのキャラクターになりきってベランダから飛び降り、大けがをした事件が続いた、っつー話。

おれ的に興味をひくのは、保健相が、番組差替えの検討を求めた、っつーくだり。

今の日本で、同じような事件が起こっているのか? 起こっていても「よくあること」だから報道されないだけなのか? それとも、そういう事件自体、起こっていないのか?
もうひとつは、日本でも過去に月光仮面だかスーパーマンのマネをして飛び降りたという騒ぎがあったのだが、それに対応して以後、番組の内容自体に変化があったのか?
いちおう私自身が確認したモノとしては、「快傑ズバット」で、悪人が女とガキをとらえてロープで宙づりにして、割れた竹かなんかでビシビシぶったたくというシーンがあったが、最近はそういうのはないようである。

子供側でのメディアの対応が変わってきているのか、それともどんなことをしても必ず子供ってのはマネをするものなのか。だとしたらやはりトルコでポケモンが児童に与える影響を検討してきた保健省の委員会が「仮想現実が子どもたちを混乱させる」と警告したことということは、トルコという国が子供向けメディアの大ブームに対する免疫を、現在に至るまで持ってこなかったということなのだろうか。

……なんかスパッとした考えが出てきそうで出てこなかった(笑)。アメリカもガキ向けに対しては規制が厳しいらしいしねえ。

TBS朝番組仮想敵説
「もしかして、TBS朝番組は中年男オタクをバカにしているのではないか!?」という疑念が沸いてから、そういう目で見るようになってしまった。
今日、たまたま見たときにやっていたのは「インターネットのエロサイトを見る」ことについての男女双方の意見のアンケート。

アナウンサーの木村郁美が過剰に「見ない方がいい、見ない方がいい」と言っていたり、女性(妻だったか?)のアンケートで「見てほしくない」という意見が濃厚だったが、そんなのあたりまえじゃねーか!! ……と言いつつ逆のことを言うようだが、この女子アナブームの中で、小川知子(女優ではなく女子アナの方)や木村郁美も、自分たちが全国の男性視聴者(まあ全部とは言わんが)に視姦されていることに、気づいていないわけではあるまい? いや、気づいているからイヤなのか。

アダルトサイトと「エキスプレス」を見ることが、まったく等価だったりする瞬間がある(もちろんエロの意味で)のが、人間の想像力の面白いところであって、それに気づかないで今からクリスマスをカレシ(ここ、語尾は上げるのね)とどうすごそうかしらん、などと考えているようなヤツには社会のボクタクたる朝のニュースなどやる資格ナシ!!(非論理的決めつけ)
ああむかつく。だいたいこいつらが高給取ってるっていうだけでむかつくよ。 おごってよなんか。天津丼くらい。

あ、よく女子アナが「クリスマスも仕事でーす」とか言うけど、どうせ後日あらためてなんか楽しいことするんだろ? 1億円くらいのプレゼントもらってみたり?(なんでこんなに女子アナに怒りをぶつけているのか、自分でもわからなくなってきたが)。

なんつーかこう、アダルトサイトを見ている人間自体を小馬鹿にしている番組姿勢と受け取った。……まあある意味小馬鹿にされても当然かもしれんが、朝やるな朝。モチベーションが下がるよ。

一方、昨日の「やじうまワイド」では、JRの料金表がことごとく間違っているという記事に対し、「全国の鉄道研究会よ、立ち上がれ!!」と言っていた。鉄道研究会に料金について詳細に研究してほしい、という意味ね。「鉄ちゃん」という言葉も出てきた……。まあこちらだって小馬鹿にしていることには変わりないが、TBSの「……冷笑」というトーンよりはずっといいであろう。
女子アナの徳永有美は「鉄道マニアのことを『鉄ちゃん』って言うんですかあ……」と感心していた。そういうことぜんぜん知らないで育ってきたかと思うと、それはそれで腹が立ってくるな。

歯医者とコンビニ
……また歯医者へ行ったが、ここの若い方の女の先生がなんだか恐い。私に冷たい。あと自分を高学歴だと思って鼻にかけている(被害妄想)。

帰りに晩飯を買おうとコンビニに寄ったら、会社の研修かなんかか? 見慣れぬ中年オヤジがレジに立っていたが、あっためたマフィンを手渡しされ(熱いっつーの!)、ほうれん草のいためたヤツは「暖めますか?」と聞いてもくれず黙って袋に放り込んだので私が自分でそれをまた出して、「暖めてくれ」っつったらまたこれもレンジから出してそのまま手渡ししてきた(だから熱いんだよ!!)。

家に帰って酒飲んでいたら、たいして気にもならないはずのそんなことに対してメラメラと腹が立ってきた。だから家で飲むのはやめようと思っていたんだ。酒はきちがい水だから。

11月28日(火)

キムタクと工藤静香結婚? おれの興味ないことナンバーワンだー。
なんで「元おニャン子のおめでとうコメント」の中に、生稲晃子と斎藤真貴子(漢字表記忘れた。愛称マッキー)が入ってねーんだよー。「うしろ髪ひかれ隊」のメンバーなんだから、新田恵利や渡辺美奈代より人間関係的には近いハズだろー。

あと酒井プロデューサーとデヴィ夫人の対決っていうのも興味ねー。「パラサイトと言われたのは自分なのにもうパラサイトという言葉を使っているのがずうずうしい」とか酒井サンも言ってたけどー、「パラサイト」という言葉を積極的に使ったのは「寄生獣」と「パラサイト・イブ」だろうによー。
……買って積ん読してあった「パラサイト・イブ」、どこ行っちゃったかなあ。
「寄生獣」は、おれ昔カイシャに単行本持っていって「寄生獣」ブームを巻き起こしたね! 会社に対してした最大の貢献ってソレだな。

11月27日(月)

「歯医者に行くのに飽きた」とか書いたらバチがあたったのか、再び歯が痛くなってきたので歯医者へ行った。

マツナミケンシロウの水ぶっかけ事件に対しさまざまな意見があるが、私としては「ちょんまげを切る」より、「ちょんまげをもっとのばす。しかも腰のあたりまで」の方がいいと思う。

ここ1カ月の「仮面ライダークウガ」をまとめて見る。
後半戦に入り、いつまで経ってもグロンギの正体がはっきりせず、日常のエピソードもとってつけた感があり、全体的に冗漫で「見るのやめようかなー」と思うときも何度かあった。だけど、「クウガ」が怒りに身をまかせて戦いを続けるとやがて完全な戦闘マシンに変身してしまうおそれがある、という設定は定番ながら、五代という主人公のキャラクターがその設定の暗さを払拭していてなかなかイイ味だと思う。
いつの回だったか、「先生が未確認生命体に殺されたことが演技の役に立った」と言った友人をものすごく憎いと思った女の子(おやっさんのカレー屋でバイトしている)が「(その友人を)殺したいほど憎い」と言うのに対し、五代が説得する。自分の怒りを抑えながらクウガに変身して戦いに赴く五代と、どうしても許せない友達のもとへ走る女の子が交互に描かれる……というのはよかったなあ。

なんつーか、タイムレンジャーとはまた違ったヒーロー像&演出で。

11月26日(日)

朝、不意の来客があったため「アイディア対決ロボットコンテスト」を録画するのを忘れてしまい、見られなかった。後悔。

散財日和
給料も出たことだし、ということでインターネット通販で本を激買い。

仕事の帰りに渋谷に出て、再び「渋谷まんだらけ」へ。昨日買い逃した「下巻」を買う。よかった、まだあった。

つい、ついでにくだらなそうなマンガを再びジャケ買いしてしまう。
渋谷まんだらけは、中野と違ってかなり一般的評価の対象外のマンガを保管している。ここから、(あくまで私にとっての、だが)お宝をゲットしたこともないではない。しかし、おそらく地方の古書店では100円以下のモノが、300円というのは本の状態がいいことを考慮に入れても何か納得が行かない(具体的に言うと「金八先生」のコミカライズや、日本文華社の名も無き作品など)。何なんだろう。最近ではブックオフでもこのテのモノが残っていかないことへのアンチテーゼ&儲け魂なのだろうか。

レジへ行って総額を聞いて、少しうろたえる。

そしてその後、オソロシイことが待っているのであった。要は超大散財ってコトなんだけど。
この件については、一段落してから書きます……。

……と思っていたら、「ゲッターロボ&ゲッターロボG」の復刻版も予約していたんだった……。ぐああ!!

11月25日(土)

コミケチケットの受け渡しのため、吉田等に会う。
先日、泥酔した状態で電話にて話をしていたため、忘れないように待ち合わせ時間はしっかりメモしておいたのだが、後から手帳を見返すとある時間とその30分前と、両方に印がしてある。どちらにしたかどうしても思い出せなかったので、仕方がないからその間の時間に間に合うように新宿へ行くことにして、その前に渋谷へ行く。

吉田等ばかりがナードコアに詳しくなっては業腹なので、ナードコアやガバのCD、ミックステープなどがたくさん置いてある店GUHROOVYへ。レオパルドンスペランカーズパリッコなどのCDを買う。

レオパルドンは、おそらくジャッキー・チェンの映画の日本語吹き替え版からのサンプリング、

「ケーキと女とどっちが好き?」
「ケーキ。」
「何でおにいちゃんはケーキより女の方がいいんだろ?」
「腹がいっぱいだったんだろ。」
という、もうネタだけで大勝利の「cake or girl?」を始め、実にスバラシイアルバム。

パリッコもすごい。深夜の通販番組や「羅刹の家」などからのサンプリングはまだ序の口で、「お江戸でござる」のOPテーマを勝手にREMIXしたモノや、電気グルーヴの「虹」のREMIX。とくに「虹」は、あそこまで荘厳な曲をピコポコな感じのテクノに変貌させ、自分の歌(あまりうまいとは言えない)を乗せるというすさまじくカッコいい内容だった。

スペランカーズもテレビ番組からのネタモノ多し。全体を「ドミノ倒し特番」でつなげて構成するというのが面白い。凝った構成が逆にフロア向けだと感じさせる。

次に、渋谷まんだらけへ。

「給料日だから」とくだらなそうなマンガをジャケ買い。しかし、これが後に強烈な空しさを誘うことになろうとは……。

新宿タイガーマスク
そして新宿へ。待ち合わせの前に時間が開いたので喫茶店に入ったら、新宿の名物新聞配達員、タイガーマスクのおじさんが入ってきた。アニメ「メガゾーン23」の新宿のシーンでも出てきたおじさんである。
タイガーマスクのお面(マスクではなく、お面)にド派手なマント、ラジカセで何か激しい音楽を流しながら新宿の街をチャリンコで疾走するおじさん。本人はものすごい腰の低い人で、しきりにカウンターのおじさんに「悪いね、悪いねェ」と何やらあやまっていた。

この「タイガーマスク」氏は、私が中学生くらいの頃からそのスタイルで新聞配達をしていた。本人がテレビに出たこともある。そのあまりにもド派手な格好に昔はみんな振り向いたものだったが、今は有名になりすぎたのかかなりなじんできている。
ウェイトレスの女の子たちもみんな知っているらしく、ニコニコして何か話していた。

喫茶店を出て吉田等と遭遇、コミケの打ち合わせなどもするが、吉田等はコミケにまったく思い入れがない人だと、打ち合わせをするたびに思う。逆に言えば、コミケは自分の本がめちゃめちゃ売れるか、ものすごくたくさんの本を買いたいか、明確な理由がなければ他の即売会より少々敷居が高いということなのかもしれない。

彼がトイレに行っている間に、まんだらけでの戦利品を確かめているとき、なんと全1巻だと思って買ったマンガが「上」と銘打たれているではないか。背表紙には何の表示もないのに、表紙にだけ「上」と入っている。そういえば、同じ本が2冊並んでいると思ったらあっちは「下」だったのか……一気におちこむ。

吉田等はそれほど飲む人間ではなく、私も飲んだつもりはなかったが5000円もとられた。飲むつもりなかったのでなんかすごく損した気分。

11月24日(金)

昨日の激飲がたたり、半日横になっていた。なんつー大人げない飲み方。翌日酒が残るような飲み方は、時間がもったいなくてしょうがない。
しかし珍しく外が静か。家の半径50メートルくらい、しゃきーん! と何かがしみわたっていくような静寂。こういうときは、素直にグースカ寝た方がいいのである。

夕方歯医者に行かねばならず、ウンウン言いながら起きて出かける。

今回の虫歯は何回も歯医者に通わねばならない性質のモノで、歯医者通いもいいかげん飽きてきた。

録画しておいたNHKの「プロジェクトX」をまとめて見る。
この番組、「知ってるつもり」や「驚き桃の木」と違い、一人の人間ではなく特定の「プロジェクト」にスポットを当てて紹介していくという視点が面白い。私が今まで見たのはH2ロケットのエンジンのサルベージ、コシヒカリの改良、ロータリーエンジンの開発、セブンイレブン誕生などなど。インターネットでネットウロウロしているとこの番組の名前をよく見かける。「ピース電器店」の作者も見ているらしい。
私が巡回しているところは広義のオタクの人のサイトが多いんだが、オタクってのはひときわ広義の「ものづくり」に敬意を抱く人々だと思うんで、そうした人たちの何かを刺激する番組だよなー。

また、傑出したヒーローが必要とされた(と私は考える)昔と違い、「プロジェクト」という考え方は現代人にはグッと来るものがあると思いますがいかがでしょうか。また田口トモロヲのナレーションがイイ味。

この番組でミニ四駆とかチョコエッグとかの開発はやらないでしょうか。まあやらないだろうけど、ぜったいパロディつくろうと狙ってるヤツがいるだろうなあ。何となく今から楽しみだぞ。

ひさしぶりに当HPの「ぶっとびマンガ」の項を更新。ほぼ月1回のペースは保たれている。

11月23日(木)

祭日。吉田等にコミケチケットを渡そうと電話をしたら、もう出かけたとのこと。本当は力学(ちから・まなぶ)をまじえて政治や哲学談義に花を咲かせようと思っていたのに〜(嘘。どうせ「常磐貴子はエロい」とかそんな話になるに決まってる)。
それと、明日のアンダーワールドなどが出演するライブに行くとか行かないとか言ってたんですけど。チケットとれなかったようだ。

で、力学(ちから・まなぶ)に連絡、夕方飲む。
ビールをグイグイ行ってしまい、何を話したかほとんど覚えていないという体たらく。イヤほんと、何話したんだっけかなあ。

ベロベロになって帰宅、吉田等から電話があったというのでこちらからかける。
なんと彼はこの間の「90年代ナイト」からナードコアにハマってしまい、さまざまなインディーズCDが置いてある店を回って、レオパルドンをはじめナードコア系のCDをあらかた揃えたらしい。いつの間にか私以上のナードコア通に(笑)。

30分くらい話したが、酔っぱらっていたためになんかよくわかんなかった。しかしなんかチェキッ娘(というよりアイドル一般)をバカにしていたのでムカついた。

11月21日(火)

王様げーむ

「王様げーむ」(1998、ソシエッタ代官山)
セガサターンのゲーム。なんかネタにならんかと思って出してきたんだが、ちょい中途半端。せっかくだからここで公開。

ミニゲームに勝つと、女の子のサービスショットが見られるというだけの他愛ないシロモノで、「王様ゲーム」的なシチュエーションは皆無。ミニゲームはつまらない上にむずかしく、けっきょくすべてのムービーを見ることはできなかった。

奈良沙緒里

女の子は8人、中には三田佳子の次男と地下室で遊んだことがあるらしい吉田里深(上画面右。左は松田純)が入っていて、それで「王様げーむ」か、やっぱり地下室でも王様ゲームしてたんかな、とかふと思ったというツマラナイ連想で出してきたんですよ。スイマセン。

それと「王様ゲーム」のくせになぜか当時13歳の奈良沙緒里もメンバー(地下室じゃなくて、ゲームの)に入っており、ほんっとうにただ「ゲームで水着ショットかなんかを見る」というノーコンセプトなゲームであることがわかる。

奈良沙緒里ってのはアレね、新「ロボコン」での娘役とか、「おはスタ」のおはガールとかそういうことやってるコね。

ああ、書いててなんか落ち込んできた。ノーコンセプト、ノーフューチャー、イエー。

11月20日(月)

ユニクロ創設秘話(あるいはおれの才能の限界)
土曜日だったかな、力学(ちから・まなぶ)と電話で話をしていて、「日記にユニクロ創設物語(当然ウソの)を書いてください」と言われた。
でさー、考えたんだけど、もう自分の才能の限界を感じた。
おれの最後の輝き、見ていただきたい。

(ユニクロ創設秘話)
ユニクロの創設者・鈴木(名前知らねーから鈴木)は悩んでいた。新しい店の名前を何とするか……。
ホテルのレストランで2000円の高級モーニングを食べながらも、彼の頭の中は店の名前のことでいっぱいだった。
モーニングが2000円と高かったせいもあり、鈴木は食べ残したジャム(あの小さい入れ物に入ってるヤツね)をポケットにしまい込むと、レストランを出た。 鈴木は「2000円でもモーニングのジャムやバターはこのタグイか……」と、少し思った。

彼が部屋に帰ると、なんとだれもいないはずの風呂場から大声で斉藤由貴「卒業」を歌う声が聞こえるではないか。しかも男の声で。さらに「♪制服の〜 胸のボタンを〜?」の「を〜?」のところで声が裏返ってしまって、非常に聞き苦しい。

強盗かもしれない、と思った鈴木は、とっさに背広の内ポケットからズッシリと重い鉛の棒を取り出した。昨日の宴会のビンゴゲームでもらったものだ(鈴木は社員旅行でこのホテルに泊まっていた)。

「ウヘヘ、ゲームの景品が『重い鉛の棒』だなんて逆に面白いっスよねえ、ウヘヘ」
ビンゴゲームを主催した社員・中谷は、自分を「笑いをわかってる」ように見せるのが好きな男だった。そしてつまらぬ景品(彼だけは面白いと思っている)ばかりを用意していた。
鈴木はそのときしかたなく、「おいおい、鉛の棒だなんて、こりゃ持って帰るとき重いじゃないか、参ったな、アハハ」などと取り繕ったが、内心は「このバカ社員が! 降格してやる」と思ったものだった。
しかしこの「鉛の棒」が役に立つかもしれない。彼は昔見たジャッキー・チェンの映画を思い出しながら鉛の棒を身構えた。

右手に鉛の棒を持ち、左手でトイレと浴室のドアを開け、ユニットバスのカーテンを、1回深呼吸してから勢いよく開けた。
そこにいたのは、クロマティーだった。
もちろん、元巨人軍のクロマティー選手である。
クロマティーは「♪ああ卒業しても〜友達ね〜」と歌っていた最中だったが、本気で驚いて鈴木を見つめていた。

「いやあ、はっはっはっ、そういうことでしたか」
数分後、鈴木とクロマティーは部屋で差し向かいに座って談笑していた。

ことのいきさつはこうだった。クロマティーは鈴木の隣室に宿泊しており、カギをかけ忘れた鈴木の部屋に間違えて入ってしまい、さらに風呂にまで入ってしまったのだ。
クロマティーはスポーツ選手らしい潔さで鈴木にあやまり、「これはおどかしたお詫びです」と小切手を差し出した。
鈴木は驚いたが、外人一流のジョークだと思い、金額も確かめずにそれをポケットにしまった。
誤解の解けた二人は、チェックアウトまでの数十分、稲川淳二の語る恐い話の中には有名な古典的怪談が含まれているとか、クロマティーが現在やっているバンドでは「あっち向いてホイ」が流行っているとか、愚にも付かない話をして、別れた。

社員旅行の帰りのバスの中では、あいかわらず「自分はギャグがわかっている」と思っている中谷が仕切っていてたいへん不愉快な思いをした鈴木だったが、見かねた中谷の同僚・田中が、映画の撮影などで使うニセビール瓶を余興で持ってきていて、それで中谷の後頭部を後ろからいきなり叩いた。
もちろん、瓶はバラバラに飛散した。
中谷はそのとき本気でキョトンとした顔をしていて、それがおかしくて鈴木は爆笑した。

もっとも、鈴木は田中もあまり好きではない。
宴会ではチン毛を燃やせばみんな笑うと思っている単純なヤツだったからだ。
しかし、わかりもしないくせにダウンタウンのビデオを揃えているスノッブ・中谷と、性器やケツを見せれば万事解決と信じて疑わない単純志向の田中がバスの中で一緒にいるのが何だかおかしく、鈴木は少しヒステリックに笑い声をあげた。
当然、2人は自分たちが狙ってやったことがウケたのだと思いご満悦だった。

疲れきって家に帰り、作務衣に着替えて録画しておいた「ミニスカポリス」でも見ようと思った鈴木は、背広の中の小切手を見て仰天した。
そこには「億」単位の金額が書き込まれていたからだ。
クロマティーは、ゼロをいくつか多く書きすぎてしまったのだ。

だが鈴木は商人である。もらったものはもらったものだ。返す義理はない。それに、野球選手は金持ちだと聞く。鈴木にとっては立派な運営資金となるこの金額、クロマティーにとってははした金に違いない、と勝手に解釈した鈴木は、これをありがたく使わせてもらうことにした。

会社の名前は、この時点で決定した。
「ユニットバスに入っていたクロマティーがもたらした幸運」、略して「ユニクロ」

豪快なクロマティーは、その後ユニクロが立ち上がっても、ホテルでの出来事などすっかり忘れていたが、彼の元には廉価なスラックスとネクタイ3本が、鈴木直筆のお礼の手紙とともに送られてきていた。
バンドの練習から帰ってきたクロマティーは、それらを一瞥すると何も思い出したようすはなく、録画しておいた「がんばれ! ベアーズ」「スタートレック」を連続して見るために2階へあがっていった。

子供たちがふざけてそのネクタイを頭に巻き付けようとしたりするので、クロマティーの妻がきつくたしなめた。
(ユニクロ創設秘話・了)

歯医者へ行く。当分治療は終わりそうにない。まいった。

11月19日(日)

と学会にお呼ばれ(正確には、会員の気楽院さんの紹介でビジター参加)。ただ漠然と飲んだり食ったりしていいわけではないので、キンチョー。
何か発表しなければならない(別にしなくてもいいらしい。しかし、10年前の私ならしなかったかもしれないが、なんというかスピルバーグ的成長、ジョジョ第一部的成長を遂げたオイラは発表することに決めたのだった)。

……ドッボーン(ジョジョと敵が同時に水に飛び込む)

スピードワゴン「ジョースターさん!」
ツェペリ「ま……まずいぞ! 水中では! 呼吸が! 呼吸ができない!
  つまり『波紋法』ができないッ!」
ジョジョ『吸い! そして吐くひと呼吸! ひと呼吸でいいのだ! 肺の底までしみ通る空気! そうすれば『波紋』を起こせるッ!』

断末魔の一瞬! ジョジョの精神に潜む爆発力がとてつもない冒険を産んだ!
普通の人間はおいつめられ息が苦しければ水面に出ようとばかり考える だが
ジョジョは違った! 逆に!

湖底へもぐった!

(ジョジョの回想に出てくる、死んでしまったお父さん)

『なにジョジョ? ダニー(犬)がおもちゃの鉄砲をくわえてはなさない?
ジョジョ それは無理矢理引き離そうとするからだよ
逆に考えるんだ 『あげちゃってもいいさ』と考えるんだ』

「ジョジョの奇妙な冒険」(4)77輪車(リング)の勇者の巻より
(1988、集英社)

……と、意味なく抜粋。

それで早めに家を出すぎて、新宿紀伊国屋によってマンガ「砂漠の勝負師 バード」2巻(青山広美)を買う。
もう面白くてドキドキして、ページをめくるのももどかしい(麻雀のルールがわからないところが少し困ったけど、そんなことは小問題)。

で、会場へ行って、イロイロ興味深い話を聞いて、発表をして、二次会へ行って、帰った。

自分にとっていろいろ思うところはあったが、そういうのはここに書いても仕方がないコトであろう(あまりにも内省的なコトなので)。

あと細かいミニマルな失敗をしてしまったことが悔やまれる。20代はこうした失敗を克服するために費やした。30代はそれをいかにあきらめるかに費やしている。
こういうのをこそ、「ミニマルテクノ的な生き方」というのだよ。ああ、ミニマル……。あとの人生は、いろんなことから逃げてまわることが主題かな(うわ、むちゃくちゃ後ろ向き)。
でも、逃げてまわるのも徹底するとそれなりに楽しいんだよな〜。

気楽院さんにメチャクチャ貴重な本(私にとって)を信じられない低価格で譲ってもらってしまった。コレ、ヤフオクで「ダイナミック系」ってことで出せばあわよくば万単位まで行きますぜ。大感謝。

11月18日(土)

あしたと学会にお呼ばれしているので、それの準備とか、あった。
まったくの初体験で、何をどうしたいいかわからず受験勉強みたいになった(笑)。
まあでもまとめてマンガ読めたからよかったかな。

テレビ見たいんだよな〜テレビ。アニメや特撮じゃなくて、バラエティー。

以下、なんかダークでいいセリフなので意味なく抜粋。

「……おまえ、まさかおたくじゃねえよな
『ネッケツ』がそういったとき、彼は一瞬、どきっとした。自分がおたくじゃ ないことを、彼は一番よくわかってはいた。だが、人から見ると、自分はおたくに見えるかもしれない。奴が『ネッケツ』に何ていうのか、そのときだけは、真剣に、奴を見た。
奴は何も言わなかった。ただちょっと悲しそうな顔をしただけだ。もし奴が『そうなんすよ、こいつおたくで』なんていったら、きっちり仏壇のことをばらしてやろうと、彼は覚悟を決めていた。」

大沢在昌「新宿鮫」より(1991、光文社)P59

イイよな〜ブルーカラーのおたくの怨念(おれも区分けすりゃブルーカラー)。これからはブルカラおたくの時代。

11月17日(金)

「昨日寝たから今日は眠くないだろう」とか思っていたら、やっぱり寝た。
しまった、なんもやってねー。

何で寝るんだろう。病気か。疲れか。そう考えている間にも眠くなってきた。

11月16日(木)

ひさしぶりに、国会図書館へ。
なんか行き方忘れちゃって、本来なら市ヶ谷から有楽町線で永田町、なんだけど、何を間違えたか国会議事堂前で降りてそこから歩いた。

週刊漫画アクション連載の、「オッパイファンド」の第1回から第3回までを読むためであった。できればコピーもしたい。

週刊少年チャンピオンで連載されていた「ぶかつどう」が単行本にならないと知ったとき、秋田書店にチャンピオンのバックナンバーを買いに行ったことはあるんだけど、そのときも実はかなり恥ずかしかった。

あれから数年経って、さすがに双葉社にアクションのバックナンバーを買いに行く気になれなくなっていたことが国会図書館へ行った理由のひとつ(老いたねオレも)。またコロコロコミックのバックナンバーが読みたかった、ってのもあって行ったんですけどね。

アクション借り出して「オッパイファンド」を読んで、腕組みして「う〜〜〜ん」とか思って(何思ってんだおれ)。で、コピーしようとカウンターへ。
国会図書館で本をコピーするときは、黄色い用紙に「何ページから何ページまで」と記入して本を持っていく。

「オッパイファンド」って、家で寝転がって読んでいるときには気にならないんだけど、国会図書館で読むと異様なまでにオッパイが出てくるマンガなんだよな。オッパイファンドなんだから当たり前なんだけど。

恥ずかしかったけどもう恥ずかしがるのもめんどくさくなって、すぐコピーもできた。

その後、84年頃のコロコロコミックを借り出して掲載作品の斉藤栄一「プラモ天才エスパー太郎」と、すがやみつる「ラジコンキャノンボール」をコピーする。
そしたら今度はカウンターのおねーさんが「ページ数だけでなくて、ちゃんと『らじこんきゃのんぼーる』とか『えすぱーたろう』とタイトルも記入してください」とか言ってきた。 オッパイファンドのときにこのおねーさんに頼まなくてよかったよ。

コピーがすんだのでさっさと帰ろうと思い図書館を出て電車に乗ったら、そのときに持ってきた本を忘れてきてしまったことに気づいた。

焦りすぎて次の駅で降りたときにいったん外に出てしまい、電車賃160円損した。
急いで図書館にとって返して、幸いあった本を持って家に帰って、どういうわけかそのまま夜7時頃まで寝てしまった。
そして梶原一騎の「懺悔録」という文庫本を読んでからまた11時くらいに寝てしまった。

ヒマなのに疲れてる。おれ、もう死ぬのか?

11月15日(水)

おれ、そんなにインターネットの日記って見て回った方じゃないと思うんだけど、ほぼ毎日更新しているところとたまにしかしないところとありますよね。
ほぼ毎日しているところって、すごい深刻な事態が進行している場合も書き続けなければいけないわけでしょ? それは恐いと思うんだー。
たとえば身体がどんどん弱っていくとか、借金が雪だるま式に増えていくとか、行方不明になった娘が見つからないとか……。

面白おかしく毎日を書く。でも着実に深刻な案件が進行していく……。

恐いっスよ。

やっぱり「この件が一段落してからまとめて日記はアップしたいなァ……」とか考えるのが人情だよね。
まあでもそんなことやってると、いつまで経っても更新できなかったりするとは思うんだけどね。

平野耕太ホームページ、もう閉鎖。よっぽど腹に据えかねることがあったらしいけど、こういう態度もカッコいく見えるのは私の贔屓目でしょうか?

こういう「すぐやって、すぐやめる」とか「きわめてマイナーなことをする」っていうのは、メジャーでなければできないことですしね。こういうの、5年くらい前はすごくうらやましかったもんなあ。
あ、匿名で即売会参加して行列ができちゃうとか、そういう現象ね。
今はもうあきらめもついたけど。

11月14日(火)

月曜日の「おはスタ」をビデオで鑑賞。
田中ひかる(元オリンピックの体操選手)が、「バナナジュースが健康にいい!」とアピールするため、首にバナナをぶらさげて「田中バナーナ」という名前になり(わざわざテロップが出る)、「バナナジュースを飲むと元気が出るよー!」とかいって、飲んだ直後にドラッグをやった者のように異常にハイな演技をするのが面白かった。

こういうのはお笑いタレントがやっても面白くもなんともないのであって、朝7時頃から生放送で、元オリンピック選手がやるから面白いのである(でも森末がやってもあまり面白くないだろう)。田中ひかるの「中途半端さ」に魅力がある。

11月13日(月)

わけあって月1回、ナニがアレするのである地域に行かなければならない。
そこのかなりうまいラーメン屋がかなりまずいラーメン屋に代わってしまったので嘆いていたら、今度はゲーセンが眼鏡屋に代わっていた。

店先に店員の手書きのゲームランキングみたいのが飾ってあったり、地方都市のゲーセンとしては頑張っていたように見えただけに残念だ。

そもそも、そこは都会とはほどとおい街並みなのだが、ゲーセン・マンガとHマンガ・ビデオ・中古CDの揃った店、プラモ&フィギュアショップ、マンガの揃った古書店といろいろ妙に楽しいものがあったのだが。

昨日の影響かすっごい疲れていて(身体弱い)、そこでHマンガ買って帰ってすぐ寝た(寝てばかり)。

11月12日(日)

11月11日の日記における「会話」の項、後で読み返したらかなりヒドかったので一部書き直した。

自由主義史観は司馬史観をかなり持ち上げていたから、「教科書が教えない歴史」が人物中心でも当然なのである。クダラナイことを書いてしまった。
そして、私は司馬史観については「まあみんなが面白いって言ってんだから、水を差すのにもTPOをわきまえましょうよ」程度の気持ちしかなく、自由主義史観については、司馬史観→自由主義史観、と直結して考えてはいないことは明記しておきたい。めんどくさくなってきちゃったねどうも。

コミティア当日。昨日からナニがアレしてアレがナニしたという事情により、朝3時起きでコピーの折り、そして4時半頃に残りのコピーをしにコンビニへ。
コピーを済ませ、うちに帰って折り、製本。
ナニがアレしたために朝6時前には家を出て、こんな時間には喫茶店も開いていないので中野坂上の松屋で飯食って、電車乗って、国際展示場についたのが7時10分頃。

だれもいない。何もない。

展示場前のコンビニで「Sabra」などを立ち読みした後(しかしこの「Sabra」っていう雑誌は表紙がスゴクいい。野村誠一だっけかな。毎回カバーガールの足をいかに美しく見せるか、に賭けている。実は記事内容は思い出せなかったりするのだが、この表紙だけは印象に残る。篠山紀信の表紙が胸を強調しているので新鮮に見えるのだろう。カバーガールが酒井若菜だったときだけ、足ではなく「胸」を強調していたのはご愛敬)、7時半に展示場近くのなんとかホテルの2階にある喫茶店が開くのを待って、そこで1時間ほど時間をつぶす。

さらに8時半までそこらをウロウロし、展示場に行って東6ホール前で並んでいる一般参加者(けっこうな数!)を見ながら椅子に横になる。

9時に参加サークル受付、やっと中に入れた。
……そして吉田等は来なかった。風邪で。
11時になっても来ないので電話したら、「熱が出てそれどころじゃない……」とのこと。今風邪流行ってるし、仕方がない。

その後いろんな人がスペースに来てムダ話をして、コミティア終了後、ウェブ関連の人十数名と飲みに行った。
このとき、「同じ人とばかりしゃべるのもナンだから」ということで席を入れ替えた。
私自身はとても気が利かない人間なので、こういう提案に感心するのだ(当たり前に行われていることなのかもしれないが、32才まで狼に育てられた私には常識がない)。

会話はすっごい刺激になった。何かマンガに対して「熱い」って感じ。やっぱりこうでなくちゃなあ。つくづく自分はいつも首をうなだれて生きてますな。反省。

その後、みんなカラオケに行ったみたいだけど、私は疲れていたので途中であがらしていただいた。

11月11日(土)

バドガール
明け方に、いちおう同人誌の原稿あがる。
仕事に行って、とつぜんナニがアレしたというので(説明がめんどくさいので省略)軽く驚きつつ仕事から帰って、ニフティサーブのFCOMICREのオフ会に行く。
明日のコミティアにFCOMICRE名義で参加を申し込んだので、その打ち合わせ的な意味も込めての集まりらしい。私は自分でスペース出しているので手伝えないけど、オフ会にはおじゃまさせていただいた。

で、新橋の「バドガールのいる店」というのに行った。どうでもいい話だが正式な「バドガール」は確か5人しかおらず、バドワイザーから認定された公式キャンペーンガールのようなものらしい。今でもそうなのか? 何代目襲名とかやってんのか? なんか車田正美のマンガの四天王みたいな感じで。全員マント着て出てきて、「フフッ」とかいってマントとるとバドガールの衣装着ているみたいな。

……ってことは「バドガールの店」のバドガールは、マモーの粗悪品、ってわけか(山田康夫の声で)。
いやぜんぜんそんなことないよな多分。

ただ気になったのは、あれだけのミニスカートで、たぶんバンザイしてもずり上がらないようになってると思うんですよね。実際バンザイするシーンは見られなかったけど(普通居酒屋で店員がバンザイすることはあまりないですな)。
で、ソレがあまりにもピッタリしているからなのか、何かストッパーみたいなものが付いているのかがわからなかったですよ。下はホットパンツ形状のものということも場合によってはありうると思ったが、さすがにソレはなかったようだ。
あと下におちてるものを拾うとき、パッとしゃがんでたけど、アレはたぶん客にはパンツ見えないね。同じ目線に立たないと(立ったら大問題)。

あと遠くのものを取るときとか、当然だけどパンツは見えないよ! ボディコンだからね。

あーあ。バドガールについて何でこんなに書いてんだ。おれは盗撮マニアじゃないんだよ〜。
私もパンツのことばっかり考えているヒマはないんだよ。世界情勢、宇宙とは何か、南斗聖拳は何で南斗の源流なのにあんなに地味なのかなどについて考えるのに忙しい。

あとガイジンの生バンドが「トップオブザワールド」とかモーニング娘。のなんかの曲を演奏していた。で、テーブル回ってきて客を煽るんだけどそういうのすごく苦手なんで、ヒいた。

さらに気になるのは新橋というサラリーマン主体の街のこの店で、リーサラしょくんがどんな会話をしているかなのだが演奏の音がうるさくて聞こえませんでしたな。
それにしても若いサラリーマンが楽しそうにしていると嫉妬心がメラメラと……。
やはり藤子不二雄A梶原一騎のルサンチマンは戦後が産み落とした必然的なものだったのですね。小池一夫先生の原作は、設定的にはかなりの恨みを感じるが妙に透明感がありますね。

ツマミは種類が多く、わりとおいしかった。

会話
そしてまだ同人誌作業終わってないので喫茶店に向かったみなさんと別れて帰宅、アレがナニしてソレの中で、「会話」。
まあ石器捏造事件についてなど、ちょい話していく流れで「文化人類学は追認実験ができないことが弱点」と言われた。今回の事件も石器そのものには簡便に検証する方法がないことから起こったらしいが、石器は地層などを詳細に調べれば明解な答えが出るものなのだろう。
しかしその他の文化系学問(基礎資料が定着していないもの)は、確かにその立証性とか追認実験についてはどう思っているのだろう。「できるだけ詳細に論文を書くしかない」というふうにも言われたが、それは結局「これだけ一生懸命やっています」というアピールのみに帰着しかねないのではないか。
だがよくよく考えれば、もっとも問題になるのは基礎資料の信憑性ということのみであって、その後は複数の優秀な人間が見方を付き合わせていけば「まあだいたいこういうことであろう」というコンセンサスのようなものが生まれてくるはず。
……というかものすごく大雑把に言えばその「納得」の仕方が問題になるのがブンカジンルイガクとかミンゾクガク系の学問であると思う、ということを自覚しておけばいいんだよな。……私も学者じゃないからね。学者は給料もらってんだからちゃんとやってほしいね。と勝手に結論を出してみる。

その他にも「司*遼*郎を史実として読んでいるヤツはアホ」という暴言も飛び出した(私が言ったのではナイ)。だれかが「司*遼*郎は『現代人がタイムスリップして過去の歴史の中で生きている小説』として読め」みたいなことも言っていたし。
確かに「司馬史観」なるものがあまりにも人物中心でありすぎ、またその影響力の大きさから問題点が指摘されていることも事実だが、それと同時に「司*遼*郎の、何が悪いんじゃ!! 勉強できんのが、何で悪いんじゃ!!」と思うのも事実。
史学に無知だという前提で書くけど、人物史観ではない歴史観は、専門家はともかく一般人にとっては運命論としてしか受け止められないと思うよ。人物中心史観よりよほどいい考えがあるのかもしれないけど、それは私も含めた一般人に到達するまでに骨ヌキにされて、一種の運命論に陥るしかない。
考えてみれば「教科書が教えない歴史」があんだけ売れたのも、アレは人物中心史観と明確には言い難いが、人物を中心にしていたことにあるのだろうと思うし(逆に言えばなぜ人物中心史観ととられかねない「教科書……」が自由主義史観云々以前に人物中心であると批判されなかったか(私の知るかぎり)の疑問は残る。やはりタイトルのインパクトの問題か)。

「人間、ある程度複雑なことは理解できない」というのが最近出た私の結論だから、たとえば司馬文学を読んでいるヤツはバカだ的発言をするのだとしたら、頭のいい方々が代わりの何かを提示するか、一般人の知らないところで一般人がそれをよりどころとできるような歴史観の創出に尽力してほしいもんですな。一般人はそれほどヒマじゃないんだし。

あ、それと司馬史観はたぶん梶原一騎にも共通するところがあると思う。

すなわち、「歴史=ちょっと高尚=司馬」、「プロレス、空手=裏現代史、バーバリズム=梶原」という表と裏の「史観」が戦後一般人に強く愛されていたということを理解せずには、ただバカだアホだとぬかしているだけでは、見えるものも見えなくなると思いますな。

11月10日(金)

まったくイイ年して何やってんだろうと思うが、引き続き同人誌製作。
ここで「イイ年して何やってんだろ。こんなことさっさとヤメて、『捨てる技術』でも読んだ方がいいのではないか」などと思ったら原稿のクォリティが三段階くらい落ちる。三段階落ちたら売り上げは九段階減る。
そういう思考が一種の罠である(まあ同人誌つくること自体が罠だとも考えられるが。いやきっとそうだ)。

それとレイアウトもメンドくさい。自分にデザインもレイアウトの才能もないとわかってから、さらにやる気のなさが増した。
表紙も、仕方ないから描いている。表紙まで既存のマンガの引用というわけにも行くまい。
だれか、絵のうまいヒトに表紙求む。いちおう指名としては、小松崎茂に頼みたい。

最近ビビアン・スーが「プーチ」のCMで歌っている「♪自由にならないもの ♪それは心」というフレーズが頭に焼き付いて離れない。「心があるのだ」と言いきるロボットというのもめずらしい。
それにしても「プーチ」は意外にダメオモチャだと思うのだがどうであろうか。変化の種類が少なすぎるのと、大問題は歩かないということ。やっぱり歩く! 走る! 光る! 回る! というのが子供心を引きつけるのであって。
歌としても秀逸である。だってホントに心って自由にならないもんな。でもこの歌ってこの後続くのかな。

連想で関係ないが、GON!あたりでそろそろいろんな「ニセアイボ」をひとつに集める特集をやってほしい(もうすでにやってるかもしれないけど)。

11月9日(木)

休みであったが、同人誌製作のため、行こうと思っていたイベント電撃ボディーに行けなかった。 しかも現時点で日曜日までにできるかどうかはっきりしていない。
何を捨てて何を取るかの基準が自分でもわからなくなってきた。

先週の「ミニスカポリス」をビデオで見る。
「ポリス身内大会」と称して、パチスロをポリスの兄とか弟とか従兄弟とかとやるのであるが、さすがに水着モデルの兄弟とあって、どいつもこいつもカッコいいヤツばかり、「血筋」である種のコミュニティを形成していることが察せられ、非常に嫉妬を覚えたのであった(ここで「斉藤由貴の弟」「安達祐実の兄」みたいなオッチョコチョイが出てきてくれると溜飲も下がるのであるが)。

11月8日(水)

歯が痛くてガマンできなくなり、歯医者へ。
時代も変わったモンで、歯医者の未来っぽい透明なめがねといい、デジカメみたいのでカラーで自分の歯のアップを見せられたことといい、未来気分満喫。
まああまりに痛いのでそれどころじゃなかったんだが。

待合室で「新潮45」の西*邁のエッセイをナナメ読み。昔はなんとか理解しようとしたのだが、最近は「頭がよろしいことでござんすねえ」という感想くらいしか出てこない。確かに正しいこと言っている部分もあるんだろうが、基本的にこのヒトの場合「大衆蔑視」がウリだから、おれ的立場からすれば「すいませんね大衆で」とか言うしかないもんな。
しかし文中で小*よし*りをチラリと持ち上げたりするのは、これは情けないよ。カッコ悪い。小*よし*り云々の問題ではなく、そうやってお互い内輪ぼめして結束を強化していくみたいな、そういうので何がどうなるポジションじゃねえでしょすでに西*邁ってのは。

それと「結局は本を買うのはタイシュウであり、タイシュウに食わしてもらっている」というトホホなジレンマみたいなものを棚上げしているのも、おれ的にはカッコ悪いと思うがどうでしょうか。
けっきょく西*邁のポジションとは、観客席に向かって「おまえらバカヤロウだー!!」と叫ぶと愛に満ちたレスポンスが帰ってくるロックバンドと変わりがなく、それを虚しいというのはあまりにカッコつけすぎてかえってカッコ悪いと思うのですね。

11月7日(火)

以前、朝見る番組をやじうまからTBSに乗り換えようかな〜とか書いたけど、やっぱりやめた。

今のTBS朝は、森川美穂が出ていたときよりずっと悪い。「年齢の近い若造たちがニュースについて勝手に語り合っている」という色が濃厚だ(たぶんわざとやっているのだろう)。
なんかの雑誌に「朝というより、深夜の延長みたい」と書かれていたがまさしくそうだ。

しかし、ただ「年齢の近い若造」であるならばまだいい。ずーっと前、コークのCMで、カッコいい男女が「おれたち仲間〜っ」って感じで仲良くコークを飲むものがあったが、アレについて小堺一機が「『おれも仲間に入れてくれよ!』って言ったら、『おまえは違うよ!』って言ってすごく冷たく拒否されそう」って言っていた。
私もそう思っていた。現在のTBS朝にはそれと似たようなものを感じる。
関係ないが、くだんのコークCMはそのCM以後、「カッコいい男女」をロコツには出さなくなり、何やらアットホームな演出を心がけるようになった。今から考えれば、あれは「上(マスコミあるいは広告代理店)から見下したオシャレ」の到達点だったのであろう。もちろん、ソレを超グロテスクにしたのが現在の「叶姉妹」である。

さて、この「カネも社会的地位もルックスもそこそこある」男女がニュースについて勝手に語り合う番組、社会学者の稲増龍夫が出てもなんだか「ゼミの先生」みたいだし、経済評論家かなんかの男もちょっとカッコよさげのおしゃれさんである。「湶尚子がイイ」と言ったが、何のことはない、コイツはダミーで、まあシーズンスポーツ系のサークルで言ったら新入生ならだれかれかまわずビラ配って部室に連れてきてしまうような役割だったのだ。

「なぜ少子化が進むか」なんてマジメに語られると「おまえらが産めや(男も含めて)」と思うし(また番組内で自己言及しているところがさらに小賢しい)、「40代独身男性をどう思うかを20〜30代OLにアンケート」なんて、まさに「そこそこ何でも持っているヤツが40代独身男性を嘲笑する」内容であった。

今日やっていたのは「あなたは人の秘密を持っているか」、「あなたは人に秘密を知られているか」というアンケートだが、「どういうときに秘密をバラすと思いますか?」という問いに対し、「(自分が秘密を握っている人が)幸せの絶頂にいるとき」(25才OL)なる答えがあった。
まあ少数意見だろうが、コレを見て納得が行った。
つまり、この番組は若い男女が番組内の登場人物に憧れつつ、彼らに自分を重ね合わせてそれ以外の人間を嘲笑する、という構造の番組だったのである(そうじゃない、とか言っても私はそう受け取らせていただいた)。
そう考えるとややオタクっぽい「世界一雑誌に詳しい男」とかいう人がしばらく前に番組からハズされたのにも納得が行く(勘ぐりだろうがそう勝手に受け取った)。
実にいやらしい構造である。

おそらく「(自分が秘密を握っている人が)幸せの絶頂にいるとき」に秘密をバラしてやると答えた25才のOLは、「私ってこんな残酷な一面があるのよ」と露悪的な、あるいは自分の中にある「悪」を確かめて喜びに浸っているのかも知れないが、最近こういうのが非常に多い。
こういう人は、おそらくもっと残酷なことを知らないに違いない。
もっともっと残酷になりなさい。でも、単に自分の理解の範囲だけで残酷ぶっていてはダメだ。

ここでどんな結論を持ってきても、呉智英か村崎百郎か根本敬かねこぢると似たようなトーンになってしまうからマルチエンディングとしておこう。

……非常にイライラした1日だった。なぜか火曜日はイライラDayなのである。
一緒に仕事している人間のイライラがうつるのかもしれない。
そしてまた、イライラした後罪悪感が沸くんだコレが。

同人誌の原稿を書こうと思ったら、なんだか歯が痛くなってきた。
だから書くのをヤメた。

11月5日(日)

私の周囲では何やら誤解している人がいるらしいのだが、私は「モテたい」と思ってますので。
……っていうか、現にモテてます(衝撃的発言)。
今、ワイングラス片手にコレ書いてますしね。

どっかのカルト教団では、「なん年なん月なん日に救世主が降臨します」と言って、そのときになっても何も起こらなかったときに、「現在、目に見えないカタチで救世主が降臨したから、大災害も起こらず現状が保たれている」的な言い訳をするらしい。「知らないうちに、救世主は降臨している」というわけだ。
つまり、そういった意味で、私はモテているという一休さん的な言い訳をしたいのである。
きっと知らないうちにモテてんだよ、私。

あるいは「モテて見せるから、まずテレビの画面から深田恭子を出してみてください将軍さま。」
……ってなとこですかな。ハッハッハッ。

まあだいたい、「モテない」ってボヤキがギャグになるのは30までだよ。
後はそれぞれの道を歩むしかないのだ(ここで、「プロジェクトX」の中島みゆきのエンディングテーマが流れる)。

「ハロモニ」は、さすがにホントに飽きてきたなァ〜(あ、もうモテるモテないの話は終わりね)。今回は「ミニモニ」がカニを食う、というコーナーでホントにカニ食うだけだった。

11月4日(土)

「90年代ナイト」続き。
「つなげて大音量」の素晴らしさについては、「回す」こと自体が一種の批評になっていること、そんなむずかしいことを考えなくてもとにかく楽しいこと、なんかを指摘してご挨拶に変えるとして、午前5時にイベントが終了して店を出た私と吉田等は「コーヒーでも飲みてぇな」っつーことで明け方の渋谷をさまよった。

ホントはさまよいたくなかった。
だって、渋谷ってコワイから。

24時間開いている店って意外と少なく、かなりさまようハメになったのだけれど、店のシャッターのどこもかしこも、あの「グラフィティ」っていうの? ヒップホップのロゴみたいなヤツが書いてある。ほとんどすべてのシャッターに。 中には「東京●●会」と、毛色の違った暴走族風の落書きも。

そして、路上で「だるまさんが転んだ」をやるチーマー風(っていうかチーマー)の少年たち数人。
輪になってアヤシゲな会話を繰り広げるチーマー風(っていうかチーマー?)と、全体的に茶色くなった娘たち。
渋谷駅前(「ガメラ3」で破壊されたあの渋谷駅)には、hitomiの巨大なポスターが貼り付けられ、hitomiはそうした人々を睥睨し、私は一刻も早くどこかに入りたい状況であった。

で、「ポット&ポット」でカレー食って、さらに外で待つこと30分、「プロント」が開いたのでそこに入った。
隣には制服着てタバコ吸っている高校生。
我々は高田延彦の今後などについて話していたが、最近PRIDEもメジャー化しているので、隣にいる少年が高田ファンで突然怒りだしたりしないかと私はビクビクしていた(つまり私と吉田等の考えでは、少なくとも高田の今後のPRIDE戦については暗雲が立ちこめていたのだ。プロレスはまた別だが)。

……でも幸い何もなかった。

帰って寝た。

11月3日(金)

祭日でありながら何もすることがなく、ひたすらに妄想にひたっていたり「クイック・ジャパン」の特集「電気グルーヴのオールナイトニッポン」の記事を読んだりしていた。
驚くべきことに、電気のオールナイトが始まったのって91年なんだな。で、二部昇格が92年。
8年も前だよ……。あまりに昔のことなんで驚いたよ。これじゃおれの心も腐っていくわけさ。フフッ。

しかも、毎週まいしゅう欠かさず聞いていたという覚えもないんだよな。いつの間にか終わっていたという感じで。当時の自分自身がよくわからん。

この記事を読んで、電気のギャグセンスにはあらためて驚嘆する。あそこまで独自のギャグを徹底的にやっていたミュージシャンというのは今後もしばらくは出ないだろうし、電気以前にも以後にも「トークのうまいミュージシャン」はいたが、あそこまで奇怪な世界観を持っていた人々はまだ出てきていない。

電気のオールナイトニッポン終了に個人的に大きな感慨がなかったのは、おそらく彼らと感性を共有する人々・椎名基樹や天久聖一や、浅草キッドのその後の活躍があるからなんだろう。だが来年で10年、そろそろ電気のギャグ感覚やおもしろ行為を音楽にどう反映させていたかなどを、「バカサイ」などとは別に論じる(論じなくてもいいけど、思い出すというか)時期に来ているのかもしれんね。永井豪と石川賢がまったく違う作家であるように。

……などということを思いつつ、吉田等を誘ってテクノイベント「90年代ナイト」に行ってきた。
「90年代ナイト」とは、90年代のバブル期に中高生時代を送ったDJたちが、もう一度それらのバブリーな音楽(「薄っぺらい」と言うと語弊があるからか、「ひらたい音楽」っていう言葉を使ってたな)を楽しみなおそう、という企画。

「バブル期の音楽を現在から見る」という、なかなか考えさせられる(?)イベントですよ。

知らないイベントに行くというのは緊張するもので、とくに少人数のテクノ系というと、まだそういうのに当たったことはないけどイチゲンさんお断り的な、知り合いしかいないようなのだったらどうしようとか思ってた。

で、吉田等と夜9時にハチ公前で待ち合わせて、開催場所のバー「シフティ」ってところに行ったら、これがむちゃくちゃ小さいところなんだよ。しかも地下にあって薄暗いし(後に最大キャパ100人と判明。でも実際には60〜70人くらいじゃないかな)。
二人ともビビって、私などは終電まだ間に合うし、近くにある24時間営業のビビンパ丼屋でメシ食って本気で帰ろうと思ったりしたが、大いにビビりつつも「そういうわけにもいかんだろう」と言う吉田等(さすが先輩)、それと私自身酒が入っていたこともあり、どんな客層かしばらく陰で見ていることにした(小心者)。

しかし開始時間の午後10時になっても人があまり集まらず、最初に来たのは出演者らしいこともわかり、「いったい何人客が来るのか……!?」など実に不安な数十分間を過ごした。

けっきょく意を決して入ったものの、「リハーサルが押してるのでもう少しお待ちください」と言われ、また外に出る。しかしそのときドレッドヘアーの一見恐そうな店員さんの目が優しかったので、おれと吉田等はホッとする。

10時半頃、始まるというので内部に入る。20人くらい入れる椅子とテーブルのあるところと、DJブースのあるフロアが壁で仕切られていて、背後にバーがある、そんな感じの店。わりとくつろげそうな感じでだんだんリラックスしてくる。

結論からいうと、たいへん面白いイベントであった。

詳細なレポートはDJ KEMCOのワキガ研究所に出演者が書いたモノがあるから見てもらうとして、ごく簡単にイベント構成を書くと、

バリサンド (DJ):「90年代ナイト」だから、ビーイング系とかコムロをバリバリにかけるのかと思ったら、最初の方でかけたのが平成おんな組「ビバ結婚」だよ。これで感動してしまい、一気に引き込まれる。あとコドモ時代の安達祐実が歌ってたニセラップみたいのはこの人がかけていたかどうか忘れたけど、シビれたね〜。
バブルB:Bzや小泉今日子(「あなたに会えてよかった」とか)、永ちゃんなどをかける。とくに関心のない曲も、つなげて大音量で聞くとカッコいいんだよな〜。
AV幼稚園:ライブ。「ライブがある」とは聞いていたが、人が2人くらいしか入れないDJブースがあるだけなのでどうするのだろうと思っていた。
そしたらその狭いDJブースに4人がギューギューに詰まって、DATのボタンを押して客を煽るというムチャクチャカッコいい形式でした。
「ロード」とか「恋のダンスサイト」などを激しい曲調(ジャンル名は勉強不足でわからん)にリミックスしたものをかける。あきらかにガバっぽいのもあった。
ガバに思い入れのない吉田等の反応が心配だったが、とにかくカッコいいのでいたく感動した様子であった。
ボタンを押すだけなのに、4人が狭いところでコントみたいなことやってたのが素晴らしかった。
DJレーザーメス:COMPLEX、鶴光、冠二郎、KOJI2000、グレートチキンパワーズ、スキャットマン・ジョン、ヤマザキ一番!などをあらかじめMIXしておき、そのCDをひたすらにかけながら踊って客をアオるという素晴らしい形式のDJ(?)。スキャットマン・ジョンはプッチンプリンの歌ね。で、実際にプッチンプリンを持ってきて客に誇示したりしてすごく楽しかった。
スマイルハンターズ:トークライブ。時間がなくなってはしょっちゃったけど、90〜99年までの出来事と当時のヒット曲を眺めてみるということだったから、ダンドリをきちっとすればイベント全体をシメる役になったと思うので残念。それと、彼らの曲も聞きたかった。
DJジャレコ:記憶モードだけど、テクノやヒップホップとMAXやスピードを混ぜてつなげていた。カッコいい。
バブルB(ライブ):「愛情よーし! 食べてくれる人なーし!」、「イマキタ加藤」などをしつこいくらい繰り返すネタ。いいよね、「イマキタ加藤」。この人は来た人全員にMIXテープをくれた。
Katsumi "MAXIMUM" Takano (DJ):レオパルドンの二人。韓国ダンスポップス連続かけまくり。たぶん向こうのヒップホップやアイドルも混ざってたと思う。それとイ・パクサの「宇宙のファンタジー」韓国語版とか。眠りながら聞いてた吉田等も、韓国ポップスとは知らず聞いていて「カッコいい」と言っていた。

やっぱり曲を「つなげて大音量」ってのはイイですな〜。こういうイベントってどうやってつくるのか知らないけど、一人ひとりがワザ持っていて頭から最後まで飽きないような構成もされていて、よかったです。

11月2日(木)

ずーっと雨。

今日はヤボ用で2日連続の2日目の「オタアミ」には行けなかったのであるが、唐沢俊一「一行知識」ホームページ裏モノ日記 2000年11月を読むと、知り合いがけっこう見に行っていたみたい。んじゃこの日は客層を「若い若い」と嘆く必要はなかったかもしれん……(いや、私の知り合いが必ずしもトシとってるという意味ではないんですが)。それにしても「聖ジェルノン」の作者のつくった人形アニメってのはぜひ見てみたかったぞ。

ぼちぼちと同人誌のネタ出しを始めるが、エラソーなことを言って大変に申し訳ないのだが、カンを取り戻すのに時間がかかりそう。感想文はほぼ毎日ウェブ上に書いているが、そういうのとはちょっと違うし、何よりコンビニに図版をコピーしにいくのがひと仕事。

夜中12過ぎに我慢できなくなって行ってみるが、やはり酔っぱらいや夢中になって立ち読みする人々が恐くてミスコピーを連発してしまった。

11月1日(水)

そぼふる細かい雨。
まず、現代マンガ図書館でまたマンガ購読。熱い、熱いぜ。

そして、急いでロフトプラスワンで「オタクアミーゴス」のトークライブを見に行く。
最後に見たのは、代々木アニメーションでやってたときだから……いつだろう? 3年くらい前か???
「オタクアミーゴス」は見に行けばとても面白いのはわかっているのだが、最近平日の公演が多かったりしてなかなか行けなかったのだ。その前は前売り券を買い逃しているし。
そのうえ、どういったらいいのか、「ロフトプラスワン」の周辺はたいへんに雰囲気がコワイ……(新宿歌舞伎町にある)。
読んでないけど「不夜城」とか「漂流街」などのイメージが脳裏に浮かんじゃって。

でも行った。6時半開場だったのだが5時からすでに整理券を出したという。人気イベントだということは知っていたのだが何時に行っていいかかわからず、6時頃行ったら整理券をくれた。
しかし、整理券をくれて店を出てもフラつくところが周辺にあまり、ないのである。所在なし。一人で来ていた女の子とか、すごい所在なげだった。ま、隣にコンビニがあるんですけどね。

知り合いの人と偶然に遭遇。顔を知っている人を見つけてなんだかホッとする。

ライブ自体は、「今までの総集編的な内容」ということで、ウワサでしか聞いていないものを見られてたいへんに嬉しかった。思い出すだけ出し物を書いていくと、「宍戸錠のブラックジャック(瞳の中の訪問者)」「国防挺身隊」(右翼のヒトがつくったという右翼パロディ自主製作映画)、「アニメ・カッタくん」(正式名称失念。山口県宇部市でつくった、ペリカンのカッタくんを主人公にしたアニメ。ほのぼの作品かと思ったら環境問題や反戦にまでテーマが拡大していく)、わからない技術・ない機材はすべてゼロからチャレンジした自主製作特撮ドラマ「聖ジェルノン」(これコミケで売ってるの見たよー……しかも「オタクアミーゴス絶賛!!」と書かれていた)、ポケモン事件をパロディ化した「レアモノモンスター」(こ、これはすごい、マジすごい)、ファミコンロッキーのパロディアニメ「コミケロッキー」などなど。

映画やアニメやビデオやマンガっていうのは、どんなに「ヘンなんだ」と力説しても、その場に現物がないと信じてもらえなかったり想像してもらえなかったりする。その点、「ビデオを見ながらのトーク」はその空間で「ヘンさ」を共感できてとても面白い。
むろんトーク部分も興味深く、もともと正確さ・精密さがウリのオタクが、「想像でありもしないストーリーをあると思ってしまってた」という話は楽しい。何かに詳しくなくても、自分が「こういうシーンを見たい」と思って頭でつくってしまうことはそれほど「濃い」人でなくてもそれぞれあるんじゃないかな。

あとビデオを交えてのトークライブでコワイのは、ビデオに映っていた女の子、「この人同人誌つくってそうですねえ」とか言われてて、見てみるとホントにそうなんだよね……。
ふだん、あんまり親しくない人同士で「あの人同人誌つくってそうだよね」とか言わないし。そこが共感できてしまうところがコワイ。

でも文章で読む場合とトークとでは、毒のあることを言っても聞く側の感触が違っていてその辺りの違いも面白い。同人誌買えた。通販しようと思ったのでコレも嬉しかった。

それにしても平日だったからかもしれないが、客層、若かったなあ。それとわりとかわいいおねーちゃんとかいるんだよな。なんか。
ちょっと取り残された気になった。
……というより、もう取り残されているんだよね、ボクね。



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