◆ 1998年7月上旬 ◆

7/1〜10
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7/10(金)……肉人

 アクセスカウンターが4万を突破。ご来訪者の皆様ありがとうございます。これからもごひいきに。
 知り合いのライターさんが、「小田急線の大和駅から車で10分くらい行ったところに、安くてすごく量が多い焼肉屋がある」というので一緒に食いに行く。飯を大盛りで頼んだら、普通のところの3倍くらいの量が出てくる。肉もむちゃくちゃ多い。肉よりも飯を食うのにヒイヒイいう。満腹するまで食ってお値段は一人頭1750円。たしかに安い。そんなわけで肉欲を満たしまくった俺。
 肉と飯といえば、吉田戦車の「ゴッドボンボン」で、「マザー2の『好きな食べ物』を何にするか」と問われて、周りの奴らがクレープだのナタデココだのいうのを尻目に、一人が「肉と飯」と勝ち誇って言い放つという漫画があったが、勝ち誇りたくなってしまうほどに肉と飯はすごいコンビネーションだと思う。

【雑誌】コミックビーム 8月号 アスペクト
 掲載作品リストはコミックビームのページ参照。
 今号と次号の応募券を集めた人に桜玉吉・須藤真澄・近藤るるる・竹本泉・馬頭ちーめい・梁慶一のポストカードを全員プレゼント。赤字覚悟、でもやるんだよ。男ですなあ、コミックビーム編集部。
 新連載、竹谷州史「PLANET 7」。前からカッチリとしてラフで肉太なペンタッチは好きだったけど、今回もそれは健在。作画が好きなんで安心して読める。あと話をどう盛り上げていくか。1回めはヒロインの女の子の笑顔がなかなか良かった。
 今月は最終回二つ。松本充代「眠る空」。うーん、イマイチ。なんかあっさり終わらせすぎな気がする。主人公がブッ壊れまくってるのはいいんだけど、もっともっと追い込んでも良かったのでは。鮪オーケストラ「裏刑事ブルース」はなんか謎めいた終わり方。こんなもんかな。次の作品に期待。
 作:平井和正+画:梁慶一「死霊狩り」。連載2回めにして早くも落ちる。国を越えた複雑なやり取りが原因らしいけど、まあどうでもいいや。羽生生純「恋の門」。二人のエゴと打算、執着が混じり合っていい感じ。濃くて素晴らしい。いましろたかし「釣れんボーイ」。淡々と盛り上がりなく話は進んでるけど面白い。好調。しりあがり寿「弥次喜多 in Deep」は毎度ジーンとさせてくれる。スゴイなあ。 あと金平守人。いつも遊んでるねえ。

【雑誌】ヤングアニマル 7/24 No.14 白泉社
 巻頭カラーで「僕のマリー」の竹内桜が集中連載をスタート。タイトルは「特命高校生」。退魔師の修行中で、幼馴染みの少年・少女が霊障バリバリの学校に退魔のため乗り込んでいく……という話。相変わらず絵は達者で気持ちいい。話的にはわりとありがちな気はするけど、これからの転がし方しだいだと思う。
 二宮ひかる「ナイーヴ」。今回も面白い。伏し目がちなヒロインが色っぽいなあ。高橋雄一郎「EKIDEN野郎!!」。熱血していてなにげにわりと面白いと思う。「なんだか走りたいんだ!」っていうアオリもいい。克・亜樹「ふたりエッチ」。いや〜、ベタベタな展開。素晴らしい!
 なお、今週は三浦建太郎「ベルセルク」は休載。特別編という、これまでのあらすじみたいなページは用意されている。こういうふうにときどき休みながらでいいから、クオリティを落とさずに続けていってくれるほうが俺としてはうれしい。

【単行本】「狼になりたい!」 架月弥 ソニー・マガジンズ 判型:B6
 絵はうまいし、話もそれなりに青臭くて面白い。ただ、とくにストーリーはあんまり大きな盛り上がりもなく、ちょっともの足らない。現在「きみとぼく」連載中の「チョコの歌」のほうがだいぶいいと思う。

【単行本】「ぢるぢる日記」 ねこぢる 二見書房 判型:B6
 濃い人の周りでは、引き寄せられるように濃い出来事が起こるものだなあ、って感じ。ねこぢるについての山野一のコメントもあるので、まあ興味がある人は読んでみるといいと思う。俺はそこらへんの事情には正直なところ、もうあんまり興味がない。俺は作家よりも作品を重視しちゃうタイプだし。

【単行本】「マラヤ」2巻 安彦良和 メディアワークス/主婦の友社 判型:B5
 オールカラーなんだけど、1冊90ページくらいなんで、読みごたえがない。話も面白くなるんだかならないんだか。安彦良和は当たり外れがけっこうあるので、あんまり期待はしないで見守るつもり。


7/9(木)……巨大な弾痕

 町野変丸の「スーパーゆみこちゃんZターボ」(太田出版)がカバーの絵柄が変わって再版された。持ってない人は今が購入のチャンス、なのだが、以前のバージョンに比べて値段が200円ほど上がって1200円になってる。なんか納得行かん。でも買っちゃった。前の持ってるのに。ちなみに内容は前のバージョンと変わってない模様。

【雑誌】FEEL YOUNG 8月号 祥伝社
 毎度巻頭カラーは安野モヨコ「ハッピー・マニア」。読むとやっぱり毎回面白かったりする。ダーッって感じのパワーがいいっす。桜沢エリカ「クラッシュ」。オシャレながらも、ただキレイなだけでなく汚ないこともやってくるあたりうまい。
 南Q太「天井の下」。若いうちに結婚してしまった奥さんが、家の外のことを知らずにここまできた生活に退屈しきってしまいダンナともギクシャクしはじめる……って感じのお話。コレって連載にしてもいい感じだけど、ここで終わりなんだろうか。三原ミツカズ「DOLL」。キッチリと仕掛けてきて、毎度読ます。うまいなあ。
 それとFEEL YOUNGの増刊の「Sing Sing Sing」が7月24日に発売になるらしい。安野モヨコ、南Q太、三原ミツカズ、二ノ宮友子、桜沢エリカ、堀内三佳、やまだないと、多田由美、藤臣柊子、井上三太、若林健児、カネコアツシ、鈴木みそ、中里りえ、小林ユミヲ、如月早癸という執筆陣。俺としては、カネコアツシ、井上三太、若林健児といった男性系の人たちがどういう作品を描くのかちょっと楽しみ。

【雑誌】オールマン 7/5 No.14 集英社
 新連載「なんぼやねん」。御厨さと美の作画がいい(原作は美都原海)。ヒロインの葉緒理の表情がキリッと決まっててかっこいい。深谷陽「運び屋ケン」は新章開始。相変わらずのエスニックな絵柄がいいっす。話もキッチリ作られてるし。唐沢なをき「けだもの会社」。1ページが、6×7コマというものすごいコマ割りなんだけど、こんなことをやるのは珍しくないのがなをさんのなをさんたるゆえん。今回はカタツムリOLの話だが、オチがうまい。これ描きたくてそこまでの3ページで100コマくらい描いたんだろうなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 7/23 No.32 小学館
 いわしげ孝「新・花マル伝」。封印を解かれた、車門下の3人が大暴れ。描写に迫力があって、カタルシスばりばり。気持ちいい。
 土田世紀「同じ月を見ている」。いやー、これはいいわ。本当にいい。ドンちゃんの愚直な、そして汚れないまっすぐな思いが泣かせる。「シットより好き………………大事なこと。」。朴訥としているんだけど泣かせてくれる。「よいこの星!」(柏木ハルコ)。なんか強がっているすなおの姿が痛々しい。本当にチクチクとキツイとこ突いてくる。陰険。
 コージィ城倉「愛米」。荒れるラブと対照的に成長を見せ始めるコメ。そろそろ物語の核心に近づいてきたのかな。「ホタルロード」(画:西沢一岐+作:七月鏡一)。うーん、最後までイマイチだった。期待してただけに残念。まあ西沢一岐の絵がうまいということは確認できたんで、次はピンで何か描いて欲しい。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)は、ユリカンが絶好調。煮ても焼いても食えない、いい味出してる。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/22 No.32 小学館
 藤田和日郎「からくりサーカス」。今回はなんとなく作画が荒れ気味なような。「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)は、今度は流血。最後の最後まで絞り尽くすなあ。まさかプレーオフまでは行くまいが。
 満田拓也「MAJOR」。身もフタもないオチがうめえ。さすがの安定感。「め組の大吾」(曽田正人)では、大吾に炎への恐怖心が芽生えてしまう。これを乗り越えると五味にまた一歩近づくのだろうな。作:森末慎二+画:菊田洋之「ガンバ!Fly High」は今回で200回。藤巻がいきなり大舞台で新技を披露。体操やってるのが楽しそうで読んでて気持ちがいい。
「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。テンションがギッチギチに高まりっぱなしで燃えるなあ。そして今回は、和也を一生懸命マッサージする控え&リタイア組も泣かせる。いやー、面白いニャー。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/23 No.33 秋田書店
 板垣恵介「グラップラー刃牙」。刃牙覚醒。ってなわけで当然の如く、刃牙が勝つんだろうなあ。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」。バロンvs.ゴードンの戦いは持ち越しだけど、なんかアヤしい新キャラが。なんとなく味方っぽい感じもする。この漫画は大味で骨太でいつもいいなあ。

【単行本】「平次」1巻 加藤礼次朗 ワニマガジン 判型:B6
 全身が男根の形をした与力の「男根平次」が活躍する捕物帖。身体をこすると噴出するねばっこい汁にて賊を足止めし捕縛する。変態さんぞろぞろで面白いけど、俺としては「筋肉番長」のほうが突き抜けてて好き。
 それにしもこの人は脂っこくてギトギトな変質者を描くのがうまい。女の子も何げにかわいいし。

【単行本】「幕末学園伝リョーコ参る!」2巻 尾崎晶 ヒット出版社 判型:A5
 う〜ん、ちょっとシリアスに入ってきてしまったなあ。1巻みたいにクソバカなノリのほうが好きだったんだが。まあエロはそれなりに濃いし楽しめはするのでいいけど。


7/8(水)……すば!すば!すば!すばらしい、ま〜ねえ〜

 サッカーW杯の準決勝、フランス×クロアチア。試合はフランスが後半、チュラムの2点で逆転勝ち。でも、CBのブランがレッドカードで決勝戦に使えないのは痛い。FWが点取らないところが、実にフランス的だ。
 それにしてもクロアチアが勝たなくて良かった。クロアチアは守ってカウンターという、つまらんサッカーをするチームだったので決勝までは来てほしくなかったのだ。今さらブラジルが優勝しても面白くないし、かといってつまらんサッカーのクロアチアってのもイヤだった。もしブラジルが勝つにしても面白い試合が見たいので、フランスが出てきてくれるほうがありがたい。
 あと、どうでもいいことだが、フランスのジョルカエフってコソ泥系の顔してるよなー。 黒の全身タイツとかほっかむりとかがすごく似合いそう。ルパン4世とかではあるまいか。

 W杯見てて思うんだけど、今、代表監督を主人公としたサッカー漫画を描いたらけっこう面白いんじゃないだろうか。岡田監督以来、監督に対する注目は集まっているし、選手選考やチーム作りの苦しさを丁寧に描いたらイケるんじゃないかと思うんだが。秋月めぐるに描いてほしいぞ。あとは海外リーグを舞台にした、シビアなサッカー漫画も読みたい。「VIVA!CALCIO」(愛原司)もいいんだけど、描写自体は古いしねえ。

【雑誌】YOUNG YOU 8月号 集英社
 まずはなんといっても榛野なな恵「ピエタ」の後編。他人に対して心を閉ざしていた二人の女子高生が出会い、離れがたい存在になる。ガラスのように脆く硬質な美しさと、触れれば手が切れそうな鋭利さがあるハードで読みごたえのある作品。肉体的ではなく精神的なところで結ばれた二人。なんとなく浮き世離れしてはいるけど、すごく面白い。ただ、ラストシーンはもうちょっとインパクトが欲しかった。なんか尻切れな感じはなきにしもあらず。
 岩館真理子「キララのキ」は急展開で次号がラスト。それにしてもこれ、どうやって終わるんだろう。最後まで謎めいている。なんとなく、ラストは意外と拍子抜けになりそうな不安がなくもないが……。鴨居まさね「SWEETデリバリー」。吐きそうになるほどのラブラブさっていうのがパワフルで面白い。

【雑誌】YOUNG Hip 8月号 ワニマガジン
 井荻寿一「霊能探偵ミコ」。同じ白い紙に印刷されていても、とくにキャラクターが色白に見えるタイプの絵柄があるが、この人の漫画もそう感じる(あと、山田貴敏の描く女の子は色白に見えるっす、俺的に)。ミコさん、可愛いッス。SABE「ブリード」は、SABEにしては珍しくシリアス。性的能力をほとんど失った未来人が出産施設の手を借りて子作りをするのだが……。なかなかハードで哀しいお話。こういうしんみりした作品も描くのだなあとちょとビックリ。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/22 No.32 講談社
 新連載「Big Waver」(関口裕之)はサーフィン漫画。まあ普通。あんまり期待はしない。「真・中華一番」(小川悦司)。でええええとよだれを垂らす見物人がバカっぽくて好き。「シュート!熱き挑戦」(大島司)。今ごろ「マリーシア」なんぞという言葉を、大仰に使ってくるところが実にこの漫画らしい。なんかスーパーサッカーあたりを情報源に漫画描いてるんじゃないかって感じがする。愛い漫画じゃ。

【雑誌】スーパージャンプ 7/22 No.15 集英社
 みやすのんき「ツアーGOGO!!−アタシを口説いて−」。話自体はどうでもいいんだけど、けっこういやらしくて好き。あえていうが、俺はローションが好きだ。余談だけど、こういうメジャー系雑誌に載っかるちょっとHな漫画って、エロ漫画専門誌に載る漫画とは別のいやらしさがある。一般雑誌のエロ漫画の場合、えてして最後までいかないことが多いんだけど、その分じらすあたりがいい。あと、エロ漫画雑誌のエロ漫画はヤルってことが分かりきっているため、こっちもそういうもんだと思ってるし、そんじょそこらのエロではソソらなかったりする。AV女優の人がヤっているところを見るより、映画女優のちょっとした濡れ場のほうが、かえって興奮しちゃうみたいなもんだろう。
 そして高見まこ「ロマンス」もHだ。上品な感じなんだけど、キャラクターたちがどうにも流されていってしまうって感じがいい。エロ系だとこの雑誌では徳弘昌也「狂四郎2030」もいいね。

【雑誌】Wooooo!B組 8月増刊号 マガジンマガジン
 グラビア系中心のエロ雑誌。蜈蚣Melibeのインタビューが載っかっているので購入。町野変丸もいつものような漫画を描いているが、まあそれ目当てで買うってほどでもないかな。蜈蚣Melibeのインタビューだけど、やっぱりこの人ってナチュラルであの世界が好きみたいだなー。好きこそものの上手なれ。怖いけどかっちょいいぞ。

【単行本】「BEAUTIFUL MONEY」1巻 SABE ワニマガジン 判型:B6
 久しぶりの単行本。SABEのページに追加しといたので、そちらのほうを参照してくだされい。それにしてもW社社長、「売れない単行本は出さない」とのことだが、俺が買うから出せ。そして売れない単行本にならないようみんな買え、っていうか買ってください。


7/7(火)……棚からバター

 この1ヶ月くらい、会社帰りに隣の駅から40分くらいテクテク歩いて帰るようにしているのだが、最近は忙しくてなかなかこの徒歩タイムがとれなかった(その前になかなか家に帰れなかったんだけど)。今日は久しぶりに歩いて帰れて一汗かいて気持ちよかったし、帰ってから飲んだビールも非常においしかった。ただ、その間ずっとかついでいたリュックサックには漫画の単行本が6冊、雑誌が5冊、さらにノートパソコンが1台入っていたのでなんか行商でもしてるかのごとき荷物。家に帰って服を脱いでみると、リュックの肩ひものあとがくっきりついていた。まあその分カロリーも消費するんでいいけど。

 サッカーW杯もいよいよ準決勝。この1ヶ月、俺を睡眠不足に陥れたW杯ももうすぐ終わりだ。ブラジル×オランダはさすがに実力拮抗。PK戦までもつれ込みブラジル勝利。俺としてはオランダが勝ってほしかったが、まあしょうがない。この試合で印象に残った選手はオランダのデブール兄弟。弟のR・デブールは最後PKをはずしちゃったけど、再三サイドからいいセンタリングしてたし、兄のF・デブールの落ち着いた守備も見事。ただ、オランダではベルカンプがいまいちボールにからめなかったのが残念。いいサッカーするんだけど、最後で何か一つ足りないチームなんだよな。

【雑誌】コミックアルファ 7/22 No.8 メディアファクトリー
「たぬきマン」の山上正月が登場したんだけど、なんか絵柄がむちゃくちゃコミカルになっててびっくり。タイトルは「鉄の都のステフ」。鋼鉄の都「アイアンシティ」で刑事として活躍するステフが主人公のコメディなんだけど、なんか全然もの足らない。正直なところ、山上正月の作品じゃなかったら目に留まらなかったと思う。
 巻頭カラー、六田登「たかこ」は最終回。ちょっと中途半端に片付けちゃった感じ。もう少し盛り上げてもよかったかもしれない。
 六田登も終わったことだし、そろそろ買うのやめるかも。山上正月がもうちょっと面白かったら買い続けるんだけどねえ……。

【雑誌】別冊ヤングジャンプ 8/15増刊 集英社
 相変わらず「増刊」「別冊」といった言葉には弱い俺。分厚くて重いのについ買ってしまう。
 中身はそんなに面白くないが、武富智「大丈夫か。」はなかなか。少しジブリ系のすっきりした清潔感のある絵柄。金をせびりに来た母親の弟の家に転がり込んだ、小学校を卒業したばかりの少女のお話。ラストなんかも爽やかでいいと思う。あとは気になった人はいないなあ。やっぱりヤンジャン系は俺とは相性が良くないみたい。

【雑誌】まんが4コマ丼 8月号 ぶんか社
 ふだんは4コマ誌って全然買ってないんだけど、今回は山川直人が掲載されているというんで購入。4コマ誌って同じページ数でも普通のコマ漫画に比べて時間がかかるので、専門誌とか読むとけっこう疲れてしまう。4コマ読みとしては非常にヨワヨワな俺としては、4コマ研究所を見るといつもスゴイなあって思う。それほど俺が得意でないジャンルをやってるところでも、愛を感じられる丁寧な作りのサイトにはリスペクト感じるっす。
 山川直人「恋する街角」は、ムシャクシャした気分でいた女性が、マイペースな男に引きずり回されているうちに気分がそれなりに晴れてくる……って話。山川直人らしい暖かいお話だけど、商業誌で描くとこんな感じかなって気がする。山川直人は同人誌のほうがはるかに面白い漫画描くなあ、って最近思う。なお、4コマ誌掲載だけど、4コマでない普通のコマ漫画。

【雑誌】漫画アクション 7/21 No.29 双葉社
 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」。なかなかハードな感じでいいと思う。たなか亜希夫の骨太できっちりした絵柄がいいのはもちろんだが。西岸良平「鎌倉ものがたり」。この絵で血みどろの話をやるところが、西岸先生の味。初期のほうの短編集はけっこう凄いの多くて好き。人間を殺すだけのために作られ、ある程度殺すと自己増殖してさらに人間を殺しまくるというアナーキーな機械が出てくる「全自動人間屠殺機」とか。「地球最後の日」の身もフタもないラストにも打ちのめされた覚えがある(ともに双葉社「地球最後の日」に収録)。西岸先生は奥が深いぞ。

【雑誌】COMIC Zip 8月号 フランス書院
 巻頭カラー、ALBERT COMPANY「SISTER」。兄妹モノ。爽やかで雰囲気のある絵柄が気持ちいい。最近、兄妹漫画ってホント多いなー。あるまじろう「若草物語」も、兄妹ではないけど、兄と年下の従姉妹だから雰囲気的にはほぼ一緒。この人の絵はスッと描かれた感じなんだけど、きれいにバランスが取れていて好き。
 イラストも含めて、全体的に作画レベルが高いっす。表紙の、ロゴと蘭宮涼の絵はちょっと野暮ったくも感じるけど。

【単行本】「イッパツ危機娘」1巻 原田重光 講談社 判型:B6
 中国人留学生である女子大生・クーニャンが毎度、酒を飲んではわけの分からない危機的状況に陥っては、力づくで下品な方法によりなんとかかんとかそれを乗り切る、というお話。下らなくて馬鹿で面白い。クーニャンもいいけど、アメリカンジョークを飛ばしまくる下品なアメリカ人・リンダとS入ったドイツ人留学生・ナジャも、イカれてていい味出してる。

【単行本】「SEASON」2巻 田沼雄一郎 コアマガジン 判型:A5
 いやー、面白かった! 名作だと思う。そんなわけでオスマンに追加しちゃうぞ。
 余談だが、田沼雄一郎って、美少女漫画界では珍しい少年漫画的技法を持った漫画家だと思う。美少女漫画って、名前のとおり少女漫画と構造が似ていて親和性が高いと俺は前から思っているのだが、少年漫画的作品は意外と少ないしあんまり受けない。少年漫画的なダイナミックで力強い描線と展開を持った美少女漫画家って案外少ないのだ。


7/6(月)……泣きなさい笑いなさい

 最近のジャンプはかなりクオリティが上がっている感じがする。実に少年漫画らしい、まっすぐで健全でワクワクするような作品が増えてきたようだ。「もうジャンプはダメだ」などと思っている人もいるかもしれないが、そんなこたあないと俺は思う。「売り上げが落ちた」「クオリティが下がっている」「柱がない」など、いろいろな意見をいう人がいるかもしれない。でも、何度もいうようだけど、100万人の人が見捨てようと100万人の人が争って買い求めようと、自分が読むジャンプはいつも変わらず1冊だけだ。最終的に読むのはただ一人の自分である。499万9999人の人がつまらないといおうと、自分が面白いと思えばそれは面白いのだ。他人の意見なんぞにまどわされず、面白いか面白くないかは自分の目で確かめるが吉。
 誰かが誉めていたからって自分が誉めなきゃならんってことはないし、誰かがケナしていたからといって自分までそう思う必要なんか全然ない。自分が読むものは自分で決めるし、他の人の評価によって自分の評価をねじ曲げるのなんてまっぴらごめんだ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/20 No.32 集英社
 まずは鳥山明の新連載「カジカ」。意味なく殺したキツネの呪いで、キツネ人間にされた少年が、呪いを解くために1000の命を救う旅に出る……という話。鳥山明の絵はやっぱり、スタイリッシュで非常にかっちょいい。漫画的な楽しさがあふれている。この連載自体はどうなるか分からないけど、俺としては期待しちゃうよ。
「ONE PIECE」(尾田栄一郎)。「偉大なる航路(グランド・ライン)」の恐ろしさがチラリチラリと見え始める。健康的な絵と展開がいつもながらいいねえ。森田まさのり「Rookies」。青春まっしぐら。ベタベタだけど、きれいごとかもしれないけれど、面白いものはやっぱり面白い。
 富樫義博「HUNTER×HUNTER」。今回のオチは見せ方、ネタともにいい感じにできている。面白いじゃねえか。そして、桂正和「I''s」。くわぁ〜っ、アザといなあ。そこがいいんだけどさ。「早く結論出しちまえよ」とは思うんだけど、このあっちふらふらこっちふらふら状態を保っているところがもどかしくて気持ちいいッス。
「河童レボリューション」(義山亭石鳥)は予想通り、20回で終了。次号でたぶん樋口大輔「ホイッスル!」も終わるんだろう。それにしてもジャンプって、「スラムダンク」や「キャプテン翼」といったビッグタイトル以外は、ここ数年スポーツ漫画で成功してないなあ。中くらいのヒットってのがないような。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/20 No.31 小学館
 今週の最大の話題はなんといっても松本大洋「花」前編だろう。次号と連続掲載。相変わらず、圧倒的な作画レベルと画面構成。実にテクニカルな作品。この人は、話作り、ネームもそうだけど、コマ割りやフレーミングもすごい。とくに前編であり話がちょっと難解である分、そういった画面作りの技術が目立つ。食卓を同じ構図で描き、横長の長方形のコマを縦に画一的に並べて、人の出入りをずっと描くとか(これってたぶんロシアのアニメ「話の話」の影響を受けてるんじゃないかと思うが、俺は「話の話」を見たことないんでよく分からん)、ワク線がナナメのコマはスピード感を表すようなところでしか使わないだとか。
 ただ、話自体は今回だけでは分かりにくくてなんともいえない。松本大洋の作品だからといっても、分からないときは分からないし、面白くないときは面白くない。松本大洋ってかなりカリスマ的だけど、俺としてはなるべくほかの作品と同じような姿勢で味わいたいと思う。ひいきの引き倒しみたいなことはしたくないしな。次号が出たら、前後編まとめての感想を松本大洋ページに書くつもり。
「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)。今回も燃えるなー。すごく感動的。とくに雄介と吉崎、雄介と西浦監督が携帯電話で話すシーン、どんどん高まっていく悲壮感。かっこよすぎる。「まちこSHINING」(藤野美奈子)は連載2回め。風が吹けば桶屋がもうかるって感じで、何やらワケの分からないうちにあさっての方向に進んでいくキャラクターたち。藤野節健在。

【雑誌】月刊少年マガジン 8月号 講談社
 とだ勝之「Mr.釣りどれん」。いつもの面々がなぜやらグアムに集結&スレ違い続ける。なんかヒロスエもどきの女の子とかがかわいくて和む。「VIVA!CALCIO」(愛原司)。このサッカー漫画、渋い。渋すぎる。もう2年だか3年だか前のセリエAを扱っているんで、だいぶ選手とか古びてきているのを一生懸命描いているところもまたマニアック。さだやす圭「なんと孫六」。なんだかんだいってゴルフ編も盛り上がってきている。どんなの描いても、ちゃんとハッタリ利かせて読ませてくるところが、さすがの底力。

【単行本】「デカスロン」18巻 山田芳裕 講談社 判型:B6
 世界選手権、第1日めがクライマックス。走り高跳びは決着し、400メートル走に移る。激しいデフォルメとそれによって強調される、一瞬一瞬の力強さ。そろそろ終わってほしくもあるが、面白いことは間違いない。ISBNコードのデータ等を山田芳裕のページのほうに追加しておく。



7/5(日)……隙間のスキーマ

 俺の兄貴の本田健が本業の都合によりどっか遠く(つっても都内だが)に行くので、「本田健の植民地」の更新は今回のでしばらくお休み。OHP本体はいつもどおり更新していくので、これからもよろしく。

 昔、アスキーのログインで鹿野司が「オールザットウルトラ科学」というコラムを連載していた。科学について文系人にとっても分かりやすく解説してくれる連載で、俺はすごく好きだった(単行本は1巻だけ出てあとは出なかった。続巻出してくれないかなあ)。で、その中のある回で「スキーマ」というものについて紹介していた。
 例えば、コーラを初めて飲んだときというのは、コーラの味の情報が頭の中にまったくないので、うまくその味覚情報を処理できない。そんなわけで「ヘンな味」と感じてしまう。しかし、一回情報を処理した後もう一回飲むとすでにその情報が脳の中にあるため、今度はその味覚情報をうまく処理でき、「おいしい」と感じられるようになる。こういう経験ってけっこうみんなあると思う。俺の場合、アクエリアスを初めて飲んだときはそんな感じだった。で、このときの「1回味わったという経験」、要するに情報を判断するさいの下地となるもの、これを「スキーマ」と呼ぶ(昔読んだ文章なんでうろ覚えな部分もあるが、まあだいたいこんなもののはず)。

 で、こういうスキーマって、漫画読書にも関係があるなーと思ったのだ。俺の場合、少女漫画は今までそんなに読んでなかったわけだが、読めば読むほど、次の作品が読みやすくなってきている。雑誌を1回手当たり次第に読んでみたところ、頭の中になんとなく地図的なものが作れて、その後読み進めやすくなった。漫画フラミンゴのような強烈な雑誌でも、最初はただゲップが出るばかりだったのが、今では「もっともっと」って感じだ。
「漫画をそんなに読まなくても評価はできる」という意見がある。これはたしかにその通りなんだけど、いっぱい読んでいれば読んでいるだけ、いろいろな作風に対してスキーマができる。逆にいえば、よりたくさんのものを楽しみきろうというなら、それなりの量のスキーマが必要っていうのもたしかだと思うのだ。
 俺が単行本よりも雑誌を読むことを勧めるってのはそういうところもある。単行本では通常1冊につき一人の作風についてしかスキーマができない。雑誌だと1冊で20人くらいの作風に触れられる。俺は自分の読書時間、というよりも自由時間は楽しみで埋め尽くしたいと思っている。一つの楽しみに没頭するのもいいが、それではそのうち飽きてしまう。それならば、楽しめるものの幅を広げておいたほうが便利だ。
 そんなわけで、俺は量をたくさん読むことをオススメする。量を読めばいいってもんじゃないことはたしかだが、量読まないと見えてこないものがあるのもたしかなのだ。

【雑誌】ホットミルク 8月号 コアマガジン
 最近のエロ漫画雑誌って、なんかみんなピンナップついてるな。ホットミルクはいつもどおりおおしまひろゆき。
 にしき義統「終止符−後編−」。相変わらず絵がうまいし、描写もいやらしい。ちんちんの描き方が好きだ。船堀斉晃「淫縛学艶」。ストレートに実用に向かっていていい。設定は都合良すぎな感じだけど、実用エロはこのくらいやってもOKだと俺は思っている。山文京伝「Sollen」。昨年やっていた「Sein」の続編。美人アナウンサーが、謎の団体に連れ去られて犬とのSEXに溺れるよう調教されていくという話。今回は花嫁衣装で犬とつがい、オーディションで競り落とされるという状況。ねちっこいいやらしさが好き。
 たかしたたかし「ぐるぐる!ジャングル!!」。実用とエンターテインメントを兼ね備えてて立派。この人の漫画もちんちんしゃぶっているところがいい。男根崇拝な俺。TAGRO「BGM=XTC」。楽屋オチ的な話を確信犯で描いている。すっきりした絵とドタバタした展開が楽しい。描線的にはイデハルテル「ストロベリーナース」が圧倒的に好き。黒々とした画面作りで、白黒のコントラストがものすごくクッキリしている。なかなか個性的な絵柄だ。
 で、次号は砂が登場。この人って、前に同人誌で見たことあるが、かなり絵のうまい人だったので期待しちゃうよん。

【雑誌】ガロ 8月号 青林堂
 400号記念だそうだ。最近は毎月ガロが1日にきちんと出るのでうれしいなあ。
 永野のり子「Link」。今回はおセンチでファンタジイなお話。まあまあ。またしても登場、「反町くんには彼女がいない」の有川祐「GRAVE」。うーん、ページ数が少ない(6P)んでイマイチ読み足りない。
 津野裕子「水海」は続き物で、今回が第1話。津野裕子だけに、すごく期待しちゃうぞ。第1回は、世界は平面で海の水は大瀑布となって落ちていくということが信じられている世界が舞台。人魚の少女が主人公。幻想的なお話になりそうな雰囲気。松本充代「坂道」。平凡な家庭で、父が痴呆症になってしまう、って感じの滑り出し。今回も暗そうだ。
 福満しげゆき「みか月さん」。どことなくくにゃりと曲がったみたいで細かく描かれた描線が実にいいなあ。お話も不思議なノリで読んでて心地いい。キクチヒロノリ「新世紀アダム好キーUFO解脱マン」。さらなる奇想の世界に突入する、なんかワケの分からない新展開。といっても今までのが分かる展開だったかというと、そうでもないんだが。逆柱いみり「マーマーフーフー」。いつも本当に淡々と、ヘンなことやってるのが素晴らしい。和む。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」8巻 能田達規 秋田書店 判型:新書判
 コンスタントに心暖まる、ほのぼのとした世界を描いていて素晴らしい。アイちゃん萌え萌えーっ!そんなわけで、オスマンにISBNコードと初版年月日のデータを追加しておく。

【単行本】「the山田家」4巻 阿部潤 小学館 判型:A5
 こちらもコンスタント。常にテンションが高くて、どこか一本くらいプチッと切れてるんじゃないかって感じですごく面白い。そして、それでも感じられる家族愛。いい。こちらもオスマンにデータを追加。

【単行本】「わかりやすい自己破産」 著:宇都宮健児+画:山川直人 自由国民社 判型:A5
 実は俺、借金で困っているんだ……ってのはもちろんウソで、山川直人が漫画を描いてるんで買ってきた。きっと生活のために描いたのだろうと思われる作品なので、山川直人のオリジナリティはないに等しい。1993年初版で、今年改訂版が出されたみたいだ。内容はタイトルそのまんまで、自己破産に関わる法律の知識をマンガで解説って感じ。山川直人の絵を見たいって人と、自己破産しようかなーと思っている人はどうぞ。それ以外の人は買わなくていいと思う。この程度の作品で評価されたら、山川直人にとっても迷惑だろうしな。

【アンソロジー】プリン Vol.1 松文館 判型:A5
 表紙に大山田満月の名前があったので購入。といってもイラスト1ページだけだが。次号予定にも名前があった。ロオーリイと同じシリーズで、ここらへんの本は大山田満月とパイプがあるってことなんだろう。イラストは猫耳な女の子が光線銃を持っているという構図。月角「Toast」。おお、月角には珍しく胸が盛り上がっている。



7/4(土)……木材

 エロ漫画情報誌というかムックの、KKベストセラーズ「SEXYコミック大全」という本を買ってきた。判型はA5でピンク地の表紙に唯登詩樹の絵が目印。情報誌というよりもどちらかというと評論誌という色合いが強く、文字が多いので面倒くさいからまだほとんど読んでない。それほど俺にとっては新たな収穫はなさそうなので、パラパラとめくって終わりにすると思う。そんなわけで詳しいレポートはしないだろうが、いちおう情報としてここに書いておく。それにしても表紙のコピー「マンガで抜く時代がやってきた!」って、何をいまさら。

【雑誌】ヤングマガジン 7/13 No.30 講談社
 コミックスの広告を見たところ、原田重光「イッパツ危機娘」1巻が7月6日発売になるらしい。購入決定。
「カイジ」(福本伸行)。カイジが初めて精神的に優位に立つが、どうも調子にノリすぎな感じがする。ところで、このEカードって29ミリのところから、もう10ミリとかって賭けることできないんだろうか?どうせ鼓膜やぶれるなら9ミリくらい余分にいってもいいような気がしないでもないんだが。
 小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。今回は鉄郎が、書店でアルバイトを始めるのだが、お店の中で童貞であることを喧伝されてしまうハメに。それにしてもこのオドオドっぷりと情けなさは和む。前川かずお「DEI48」。パワフルでダイナミックにバカ。今回は扉の次のページにあるアオリ文句で笑った。「美女の脱衣により」「伝説の幕が開く!!」。はあ、そうですか。そして、またなんかイカれた感じの敵が登場したけど、さてどうなる。
 地下沢中也「デカちゃん」。今回は「間違った性知識殺人事件」。もうタイトルを見てお分かりのように、間違った性知識が殺人を呼ぶ。地下沢中也の作品って、どうしようもなくて素晴らしいなあ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 7/15 No.7 講談社
 今回のE-Oppers(おっぱいイラスト)は、「龍狼伝」の山原義人。形のいい、ええ乳。作:山本英夫+画:こしばてつや「援助交際撲滅運動」。エンボクの片割れ、善良なほうがコギャルにつかまってリンチに会う。最後はちんちん釘打ち。うえ〜、痛そう。濃くって面白いな。最近の俺は、なんか濃ければ濃いほどいい感じなので当然ヒットする作品。
 玉置勉強「恋人プレイ」。青春ナリ。最近玉置勉強の単行本って買ってないが、これは単行本出たら買っちゃうかも。池永なをみ「えきからとほ20分」。この女の子、なにげに身体ぷりんぷりんだし可愛いと思う。素の造形よりも、表情崩したときの描写が印象に残る。
 田中ユキ「egg」。絵はいつもどおり美しい。中学生の少年が夏休みの宿題用に野原でヘビの卵を拾ってくる。このとき近所に住んでいて少年のことを慕っている小学生の女の子が手伝ってくれるのだが、少女のちょっとした動作に欲情してしまった少年は「卵を温める」と称して、少女の膣に卵を押し込む。ここらへん非常にエロチックでいい。ラストはいまいち安易な感じがしなくもないが、そこまでがいいのでそれなりに楽しめる。あと、サガノヘルマー「SATELLITEぢゅにゃ」。バイオレンス度が上がってきている。

【雑誌】ヤングサンデー大漫王 7/29 No.21 小学館
 なんといってもカイトモアキ「裸のふたり」だ。バランスを欠き、しかも非常に濃い絵。登場人物の表情は目が血走ってて、なんか揃いも揃ってキレる寸前って感じで非常に危ない。尋常じゃないオーラをバリバリに出しまくっている。スゲエぜ。
 巻頭カラーは沖さやかの「ラブゾンビ」。すごく可愛いんだけど、自分では何も決めることのできない、超他力本願な女につかまった男の話。まあ普通に面白い。あとは巻末4色、阿部潤のマッドサイエンティスト漫画「プチ」が相変わらずいいかなーってところ。
 で、次号は8月11日発売。久しぶりに山口かつみ「モザイク」も載るみたいなんでうれしい。たしか中断前最後の話で「次回最終回」となっていたような気がするんだが。予告には最終回とはないけど、どうなるんだろう。

【雑誌】RPGマガジン 7月号 ホビージャパン
 ウチの職場イチ男らしいといわれる人物から拝領する。もう先月号になってしまっているのだが、アフタヌーンの四季賞とかで掲載された岩原裕二が登場しているので。あと、コミックバーズにときどき描いている槻城ゆう子も。ここらへん、俺としては守備範囲外な本なんで、なかなかチェックしてないんだが、こういう漫画が載ってしまうこともあるので油断できない。バックナンバーを探す人は、ギレンを目印にすべし。
 岩原裕二は力強くて荒っぽい線は相変わらずいいんだけど、今回の「鉄の世紀」は作品としてはわりと凡庸かなー。逆に槻城ゆう子「召喚の蛮名」はわりといいと思う。でも続き物なんでいまいち理解できないが。単行本になるまで続いてくれるとうれしい。



7/3(金)……チョコワの歌

 うおー、全然会社から帰れねえ。現在7月3日の朝9時。「あと1時間であがる」と話していたライターと連絡が取れなくなってから4時間くらいが経つ。風呂も入りてえし、漫画も買いてえし、W杯も見てえ。それよりも何よりも、早いとこ入稿を終わらせてスッキリしたいんじゃワレ。

【雑誌】きみとぼく 8月号 ソニー・マガジンズ
 架月弥「チョコの歌」。やっぱりええのう。よれよれとして乾いた描線の絵がいいし、キャラクターもいい。とくにウジウジネチネチとつまらんことで思い悩み続ける、ヒロインの圭都が他愛なくて可愛いらしい。7月7日発売の単行本「狼になりたい」も買う予定。
 巻頭カラーの新連載、藤田貴美「EXIT」はプロダクションとケンカし続けてフリーなロックバンドのメンバーたちが、みんなで自分たちの会社を作るって話。絵がシャープでかっこいいと思うが、全体的に画面がゴチャゴチャした感じは受ける。ストーリーもそのまんまで、ガチャガチャとうるさげな感じ。そこらへんがこの漫画の楽しさでもある。藤枝とおる「レンアイアレルギー」。これもシャープな絵柄だが、藤田貴美の絵はわりと白っぽくて線が細いのに対し、こちらは力強くてわりと画面全体が黒い。少年誌・青年誌系でいうと「魔殺ノート退魔針」の斎藤岬が近めかなーと思うが、俺としては藤枝とおるのほうが好き。
 藤原薫「imagination」は読み切り作品。線の細い神経質な絵柄。話としては美術系の学校に通っているが、なかなかオリジナリティのある絵を描けず悩んでいた少女が、なんか不思議な雰囲気を持った同級生のアドバイスにより、世界を広く見れるようになり才能を開花させるきっかけらしきものをつかむ、というもの。わりと気持ちよく読めて面白い。みなと鈴「PEARLガーデン」。微笑ましい三角関係もの。丸っこくてきっちりとした少女漫画らしい絵。話としてはなんてことないが、読んでてけっこう楽しい。

【単行本】「BARレモン・ハート」13巻 古谷三敏 双葉社 判型:B6
 この前、14巻を買ったときに13巻を買っていなかったことに気づいたので買っておく。すっかりオヤジ系エロ漫画雑誌と化したアクションピザッツの中では激しく浮いている、酒ウンチク漫画。いろいろと珍しいサケが紹介されていて、つい飲んでみたくなる。でもそう簡単には飲めないような珍しいサケばかりなんだよね。この漫画のスゴイなーと思うのは、サケの味に対する記述があんまりなく知識ばかりで押すのに、それでも飲みたくさせてしまうところだ。今回の巻の中では、幻の酒、75.5度のリキュール「ラッテ・リ・ソッチラ」がとくに飲んでみたいと思ったが、レモン・ハートのマスターが自力で見つけられなかったサケがそう簡単に飲めるわけねえよなあ。手軽そうなところでは自家製ビールってのも飲んでみたい。日本では個人でサケ作っちゃいけないらしいが、馬鹿馬鹿しい法律だよな。あと、お店がサケを取り扱うのに許可がいるってのも間抜けだと思う。



7/2(木)……ディエゴ・マラドロメ

 なんか仕事をサボりサボりしているツケがどんどん回ってきている。でもやっぱり面倒なものは面倒なので、ついつい目先のゲームとかインターネットとかにおぼれる日々。会社にずっといるのに、あんまり仕事やってねー。どんどん自分の首締めまくり。

【雑誌】ヤングサンデー 7/16 No.31 小学館
 山本英夫「殺し屋-1-」。暴力描写が濃くていい。ピンサロのねーちゃんがヒモにボコボコにされるあたり、かなり痛々しい。でも次号はお休み。土田世紀「同じ月を見ている」。ちょっと頭の弱いドンちゃんとエミがすれ違い続ける。切なくていい。愛だ。
 山田芳裕「デカスロン」。万吉が精神的にかなり好調。2日目はすべての競技で全開バリバリにならなきゃいけないだろうし、かなり熱い展開が待っていそうだ。古屋兎丸「ショートカッツ」。真ん中の見開きがスゲエ。漫画というか、非常に幻想的でごちゃごちゃとした、だまし絵のような不思議なイラストなのだが、古屋兎丸の持ち味が存分に発揮されている。ページ開いた瞬間に「おおう」(感嘆の声)と唸った。古屋兎丸はやっぱりうまい。そしてすごく器用だ。
「よいこの星!」(柏木ハルコ)。粛正を始めたすなおにたいして民ちゃんがキレる。次号以降の反撃はどうなるのか。歩み寄りはあるか。すんげえちっちゃいコップの中の、ドロドロとした争いを実に執拗に描いている。作:七月鏡一+画:西沢一岐「ホタルロード」。西沢一岐は前にコミティアで買った同人誌がなかなか良かったんで期待してたんだが、この作品はどうにもまとまりがない。しかも次号で最終回。どうやって落とし前をつけるんだか。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。何がどうなったのやらよく分からなかった、モン・トシvs.ヒグマドンの戦いについて、モンが記憶を取り戻しつつある。うーん、どうなるんだろう。目が離せない。ちなみにもし俺が今年の小学館漫画賞を選べといわれたら、たぶん間違いなくこの漫画を推す。

【雑誌】モーニング 7/16 No.31 講談社
 新連載。ひさびさの鄭問。今回は秦の始皇帝の話で、タイトルはそのものずばり「始皇」(シーファン)。相変わらず筆で描いたような、すごく精緻で豪快な画風。そしてものすごく妙ちきりんで濃いリアクション。激しい。
「オフィス北極星」(作:真刈真二+画:中山昌亮)。この神父のシリーズ、なんだかハードな展開になりそう。毎度きっちり面白い、よくできた漫画だと思う。村上もとか「メロドラマ」。うお、なんかいきなり太平洋戦争のあたりまで話が進んでいる。ちょっと展開を急ぎすぎなような気はするが、ソフィと離れ離れになっている期間はあんまりメロドラマでないのでしょうがないかも。そして榎本俊二「えの素」。今回はボイン&ダンス。リズミカルでファンキー。オチも最後までノリノリでものすごくテンポがいい。おもしれー。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/16 No.32 秋田書店
 板垣恵介「グラップラー刃牙」。相変わらず試合は烈海王ペースだけど、まあ刃牙が当然勝つんだろう。それにしても今回のはなんか痛そう。西条真二「鉄鍋のジャン!」。スグル坊ちゃんの執事の刈衣さん、若い頃はなかなかかわいかったんだねえ。「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。ベルラ戦決着。でも次から息つくヒマもなく、ゴードン戦が始まっちゃうんだろうか。ゴードンだから、バロン・ゴングが万全になるのを待ちそうな気もするけど。



7/1(水)……ビビデバビデビデビ

 6月28日の日記で、「松下紺之助と絵が似ている」と書いた快楽天掲載の松本耳子だが、掲示板のきいかさんの書き込みによると、やっぱり別人だったらしい。人物の表情とかの描き方がわりと似てるかなーと思ったのだが、描線の太さ、黒さが全然違うので俺も別人だとは思っていた。絵柄を説明するとき似ている作家さんの名前を出すのって楽なやり方なんだが、名前を出される作家さんにしても、比べられる作家さんにしてもあんまりうれしくないのかもしれないなーとか思ったりもする(やめないけど)。まあ、それで興味を持って読む人が増えてくれたら嬉しいし。

 今日はW杯がお休みなので、仕事に集中できる。ウソ。なんかWindows 98 Plus!に入っているゲーム、「スパイダーソリティア」にハマっちゃって全然仕事にならない。これ、前のソリティアよりも100倍くらい難しく感じる。現在256連敗中。勝率0割。くそう、ソリティアとかマインスイーパといい、笑ってお仕事用OSにこんなハマり系ゲームを付けるなんて、仕事のジャマをしようとしているとしか思えない。マイクロソフト、いや、ビル・ゲイツめ。俺がバリバリ働いて世界長者番付1位の座を奪うことを警戒してやがるな。許さん。まあ、巨万の冨のうち2〜3億円程度くれたら許してやらんでもないが。そうしたら俺は仕事をやめて隠居生活に入るので、きゃつの長者番付の座も安泰だ。いっちょどうよ、ゲイツ様。
 まあ、そんなわけで今は会社にお泊まり中。朝の6時半。さわやかな朝日と止まった空調と、掃除のおじさんの掃除機の轟音の中、今日も日記を書いている。どんどんたまっていく仕事を横目に見つつ。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/15 No.31 小学館
「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)。こんな子供を最後の最後まで絞り尽くすねえ。面白いから俺はいいけど。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。どうしても現実の日本代表がアルゼンチンに負けたことが頭をよぎってしまうが、物語は物語。そこらへんは頭から追い出して楽しむが吉。ダミアンと和也の勝負もどんどんヒートアップして面白い。実際のサッカーやってた人にとっては「こんなわきゃねーよ」と思えちゃうかもしれないが、そこもまた物語。面白くしたもんが勝ちだ。河合克敏「モンキーターン」。毎週コンスタントに面白い。なごませつつ熱くするあたりうまいねえ。
 三好雄己「デビデビ」。今回は八重歯が生えてて耳がとんがっててイカれた耳飾りを付けた悪魔の女の子が全裸で登場。さっすが「デビデビ」。頭腐ってるにゃーん。ラブリーだにゃーん。もうどうでもいいや。前からどうでもよかったけど。
 皆川亮二「ARMS」。ついに隼人のARMS「騎士」本格発動。かっこいいニャー。石渡治「LOVe」。前回、鯨岡洋平のガールフレンドが裸になって「イヤァ」とか叫んでいる思わせぶりなヒキをして、やきもきさせておいてちゃんと今回安心させるところがなんか実にごはん系な巧みさ。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/15 No.31 講談社
「サイコメトラーEIJI」(作:安藤夕馬+画:朝基まさし)。またしても警官コスプレ変態男登場。彼が出てくるとなんか和む。大島司「シュート!熱き挑戦」。いやー、相変わらずヘンなサッカー漫画だ。実況のアナウンサーがなぜか奥山のスコア予告を知っているとか、試合中にサイドバックにポジションチェンジした選手に、その試合中に「炎のサイドバック」などというあだ名がついているとか。そーゆー常軌を逸したところが好きなのだ、この漫画は。
「新コータローまかりとおる!柔道編」(蛭田達也)。最近けっこう面白いと思う。蛭田達也なりに、ちゃんと柔道漫画してて。山下てつお「小錦物語」。どうでもいいんだけど、引退を表明した小錦に千秋楽の相撲を取らせなかった相撲協会の無粋な措置について描かれてなかったのがちょっと気になった。「Jドリーム完全燃焼編」(塀内夏子)。今までごちゃごちゃ文句はいってきたが、予選が厳しくなり始めてからまあまあ面白くなってきたと思う。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/15 No.14 小学館
 作:矢口史靖+画:とみさわ千夏「プリーズ・フリーズ・Me」が新連載。この人の絵って、なんとなくセルロイドっていうかプラスティックみたいな質感があるなーっと思う。作:武論尊+画:池上遼一「ストレイン」。このスーパーデブ、祭ってすごくいいキャラクターしてると思う。俺の知り合いのライターさんで似たような姿形をしている人がいて、なんか見れば見るほど似ているので、この作品を読むたびに笑っちゃうのだが。
 高田靖彦「演歌の達」は進展かい。すぐキレてナイフを取り出す女の子登場。さて、これがどういう話になっていくんだろうか。楽しみ。六田登「シネマ」。単行本1巻は7月30日発売。サバニが自分の行動に疑問を持ち始め、北野武似のおっさんは映画への情熱が移り火してしまう。次号以降熱い展開が待っていそう。


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