◆ 1999年5月下旬 ◆
5/21〜31
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5/31(月)……ゲットバックゲッタバッコ
最近生活に潤いがないのは、下駄箱の欠如が原因ではないかと思うに至った。至ってみた。ラヴレターといえば下駄箱である。しかしあろうことか、ウチの会社の入口には下駄箱がない。そのため、出社時に女生徒からのラヴレターに出会う機会はないに等しい。これでは仕事にも悪影響が出かねない。実際にラヴレターが仕込まれていなくても良い。そこに可能性があるということこそが、僕たちにとってはむしろ重要なのではあるまいか。そこで会社に対して下駄箱設置を要求することに決めた。決めてみた。
さて、6月のお買い物予定はこんな感じ。いろいろと楽しみなのはあるけど、中でも変玉改め秘宝館がとくに楽しみ。
日 | タイトル | 作者 | 出版社 |
1 | 犬狼伝説<赤> | 藤原カムイ+押井守 | 角川書店 |
4 | カイジ(11) | 福本伸行 | 講談社 |
4 | ギンザ小学校(1/2) | 地下沢中也 | 講談社 |
4 | アゴなしゲンとオレ物語(2) | 平本アキラ | 講談社 |
5 | 球魂(4) | 岩田やすてる | 小学館 |
5 | デカスロン(21) | 山田芳裕 | 小学館 |
7 | 秘宝館 | アンソロジー | ワニマガジン |
8 | 天井の下 | 南Q太 | 祥伝社 |
8 | らぶ2ルールブック | 松井雪子 | 祥伝社 |
9 | 軍鶏(4) | 橋本以蔵+たなか亜希夫 | 双葉社 |
11 | おまかせ!ピース電器店(13) | 能田達規 | 秋田書店 |
11 | エイリアン9(2) | 富沢ひとし | 秋田書店 |
11 | 夢のような | 朔ユキ蔵 | メディアックス |
14 | LOST | 天竺浪人 | 三和出版 |
17 | SPEED KING(4) | 間部正志 | 講談社 |
17 | Jドリーム完全燃焼編(6) | 塀内夏子 | 講談社 |
18 | 親愛なるMへ(2) | 六田登 | 集英社 |
19 | 1+1は? | さそうあきら | 文藝春秋 |
23 | キリコ(3) | 木葉功一 | 講談社 |
23 | 大使閣下の料理人(2) | かわすみひろし+西村ミツル | 講談社 |
23 | えの素(4) | 榎本俊二 | 講談社 |
23 | 無限の住人(9) | 沙村広明 | 講談社 |
23 | 菫画報(4) | 小原愼司 | 講談社 |
25 | エデンの最期に | 千之ナイフ | 秋田書店 |
25 | 松本嵩春作品集(仮) | 松本嵩春 | アスペクト |
25 | 失敗作品集(仮) | よしもとよしとも | KKベストセラーズ |
28 | どんぐりくん | 須藤真澄 | 竹書房 |
29 | エアマスター(7) | 柴田ヨクサル | 白泉社 |
29 | ナイーヴ(3) | 二宮ひかる | 白泉社 |
30 | シネマ(3) | 六田登 | 小学館 |
30 | 月下の棋士(24) | 能條純一 | 小学館 |
下 | バージン | 岡崎京子 | 河出書房新社 |
下 | 森へ | 谷口ジロー | 河出書房新社 |
下 | NICO SAYS(2)(仮) | 小野塚カホリ | 近代映画社 |
下 | アックス(9) | | 青林工藝舎 |
下 | 夢の温度(1) | 南Q太 | 宝島社 |
下 | たんぽぽ方程式 | あうら聖児 | フランス書院 |
下 | Sweet Pain(仮) | 小野塚カホリ | マガジン・マガジン |
【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/14 No.27 集英社 B5平
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鈴木央「ライジングインパクト」が再開。素直な作風で、頭身がコロコロ変わる描写もなんだかほのぼのと楽しく好きだったのでまずはめでたい。背景の描写など、ペンタッチが細かくて雰囲気があるのも好み。樋口大輔「ホイッスル」。試合は白熱してVゴール方式の延長戦に突入。で、主人公のチーム桜上水が得点するのだが、最後のページで相手選手がなぜか「まだだ!!」とか叫んでいる。Vゴールだからちゃんとゴールが認められていれば試合終了のはずだけど……。ひょっとしてオフサイドかなんかがあったとか? 森田まさのり「ROOKIES」。頑張る生徒たちに向かって、川藤先生大いに語る。たいへんにクサイのではあるが、真っ正面から語っていて気持ちがいい。青春ッて素晴らしいっ。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/14 No.26 小学館 B5中
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山本直樹「ビリーバーズ」。来た来たという感じ。孤島で修行する3人が追い詰められていくに従って、どんどん夢とうつつの境目があいまいにになってきている。今回の大波のシーンなどはそこらへんがハッキリ分かるあたりで、読者を幻惑するべく仕掛けてきてるなあという気がする。今後の展開がますます楽しみになってきた。作:小林信也+画:秋重学「宙舞」は次号で最終回。それぞれのキャラクターたちが何かをつかみ、自分の道を歩き出したようだが、その道はもう交わることはないのか。次号注目。それから伊藤潤二「うずまき」も次回最終回だが、こちらは月イチ連載なので6月28日発売号でラスト。人々のうずまき化現象はますますエスカレート。おぞましいのだけど、ユーモラスでもある。作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。クライマックスだが、太っちょ西浦は一人静かに競技場を去ろうとする。泣かせますなあ。
【雑誌】ヤングマガジン 6/14 No.26 講談社 B5中
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ばんがいち等でよく見かけるエロ系漫画家、船堀斉晃が読切で登場。タイトルは「リップス2」。2/1号(No.7)に掲載された「リップス」の続編である。エロ本の駆け出し編集者が旧知の間柄である現役看護婦さんを自分の担当ページのモデルとして起用する。さすがにエロ系でならした人だけに、エロシーンはうまい。とくに濡れて透けた白衣の描写はHくさい。まあ実用に供するというほどではないけど、雑誌の中での濡れ場的役割を果たす漫画としてはそれなりの出来。原田重光「イッパツ危機娘」。今回はクーニャンが主役で、友達のリンダ、ナジャも登場。政治家秘書マドカ編よりも、やっぱりこの3人が出てくる回のほうがそれぞれのキャラクターが立っていて好きだ。
5/30(日)……KID'S ART
そういえばペンギンクラブの長寿小学生ギャグ漫画連載、飼葉駿「きっず・とれいん」の単行本が蒼竜社から出てましたな。以前フランス書院から出てたのに続いて2冊め。
サッカーJFL、横浜FC vs.ソニー仙台を観戦。1-0で横浜FCの勝利。相手は守りを固めてカウンター狙いだったうえ、攻撃の軸であるパベルを温存していたのでなかなか得点が入らず。三ツ沢競技場自体は、横浜国際よりもフィールドと観客席の距離がだいぶ近くて観やすい。あとは、売り子さんが売ってるビールが冷えていればもっとうれしい。できれば横浜F・マリノスは横浜国際に行ってもらって、三ツ沢を横浜FCのホームグラウンドにさせてもらいたいところ。
【雑誌】花とゆめステップ増刊 7/1 白泉社 A5平
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まずは望月花梨の読切「傷あと」が注目。このお話の主人公は、無口で自分のいいたいことがうまくいえず、それがもとで自分の心にいくつもの傷をこしらえてきた。その傷あとは後から思い出してもやはり痛くて……という感じで、心の傷の思い出四編をオムニバス形式で語る作品。他人より繊細であるがゆえにうまく自分の気持ちがいえなくて自分や他人に傷つけられ、その痛みを忘れることもできない心を突き放すように描き出す。最近「花とゆめ」でやっている「笑えない理由」は、普通のラブコメになっていてだいぶヌルいのだが、この読切は切なくてチクチクして最初のころの短編集収録作品にも似た味わい。というわけでそこらへんの作品が好きだという人はぜひどうぞ。それから高尾滋「あじさいの庭」。こちらはちょっとファンタジックで心暖まるお話。完成度の高い爽やかですっきりとした気持ちの良い絵柄が最大の魅力。身体の弱い女の子も、素直にとてもかわいいし。
全般的に楽しく読めるラブコメ作品が多く、平均してクオリティが高かった。
【雑誌】コミック・ピット Vol.06 光文社 B5平
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こがわみさきが載らなくなってもの足りない感じはする。その中でわりと気になるのが松本花子「魂の治療法」。近未来とある研究生が自分の毒を子供に吸収させて出産し、自分は健康になるという治療法を確立するが……というお話。スッキリと涼しげな線で、お話はちょいとSF風味。も少しページ数多いとうれしい人。あと深谷かほる「ROSE」が掲載されているので、ファンはチェックって感じ。
【雑誌】コミッククリムゾン 7/1 No.8 創美社 B5平
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松苗あけみの新連載「僕のプリンセスを探して」がスタート。外交官を目指しているが、実は王子様に迎えに来て欲しい的願望もある女の子の家に、どっかの国の王子様がホームステイでやってくる。だが、彼はかっこいい容貌とは裏腹に日本アニメのオタクで、さらに何者かに命を狙われていた……という感じのお話。手堅く楽しめそうなドタバタコメディ。TONO「ダスクストーリィ」。毎回コンスタントに読ませる。淡く上品な主線が魅力的。さいきなおこ「Thorn〜いばら〜」。ああ、なんかもう。線の細い少年が、周りのイジメっ子的少年たちに集団レイプされるのだ。4人くらいでよってたかって。お話も絵もなんだかアンバランスで、不安になってしまうところがたまらない。さいきなおこの作風も最初はなんじゃこりゃと思ったけど、慣れると楽しいもんですね。
5/29(土)……愛しのアイレーン
日ごろ「時間が足りない」とボヤきつつ、実際に時間があるときにはえてして何もしないもの。今日は家から出たのは本屋に行った30分くらいで、あとは新しく購入したHDDをマシンにセットアップした程度。俺は出不精な人間なので、ほっとくと一日中家から一歩も出ないこともある。とはいえ、時間があるときくらい無駄に遣うというのも精神衛生上よろしくもあり。無駄のない張り詰めた生活をしていると、どうにも行き詰まってきてダメになってしまうものだし。たぶん来月の今ごろはダメになっているであろう。使い物にならないであろう。それはそうとお腹空いたなあ。
まずは変玉の情報から。4月上旬発売が予告されていた変玉だが、なんだかいろんな事情があったらしくアンソロジー本に形態を変え、誌名も「秘宝KAN」となって6月7日に発売されることになった。執筆陣は邪琅明、しろみかずひさ、A-10、籬讒贓、MDM、戸隠イズミ、町野変丸、石川次郎、CHERRY、TAGRO、シャーク闇鍋、トレヴァー・ブラウン。変玉がなかなか出なくてやきもきしてた人もいるだろうが、というか俺がやきもきしていたのだけれど、形は変わるけどとりあえず出るということで一安心。
で、快楽天。かるま龍狼「ゴローダイナマイ!」では、「シノビノサクラ」にも出てきたくノ一女校医が登場。毎度エロシーンはサービスしてるしギャグもしっかり。ギャグがエロを損なわないところにセンスを感じる。絵ももちろん好きだが。朔ユキ蔵「せいきまつごっこ」。とても面白かった。シャープでかっちょいい絵のわりに「男根男根!!」と女の子が叫ぶ身もふたもなくて力強き言葉。シャレていてかつパワフル。SABE「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」。まずはちゃんと掲載されていることに安堵。でも内容はかなり内向的。板場広し「パツキン先生」は、パツキンの英会話学校教師が発音を教えつつエロエロ授業を繰り広げる。ノリが良くてかつH。教室のみんなでぶっかけるだけに液量多し。EMYeMDMAは久々登場。タイトルは「君の愛は僕の罪。」今回は前編「芸術家の死」。美術教師と肉体関係にある女の子、そして彼女に恋する同級生の少年の想いがからみ合うといった感じのお話。細くてくねくねした線で描かれた絵の質感はなかなか惹かれるものあり。
【雑誌】ヤングキングアワーズ 7月号 少年画報社 B5中
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宇河弘樹「龍門亭的姑娘」。腹を減らした中国旅行者が立ち寄った食堂は、かわいいけど物腰の荒っぽい姑娘のいる戦場のごとき食欲の場だった……というお話。きれいにまとまった絵柄や大衆食堂のがやがややかましい雰囲気がなかなかいい。ラストがもうちょっと決まるともっと良かった。平野耕太「ヘルシング」。男どもの縦に長い邪悪な顔つきがかっこいい。ぐりぐりとしたちょいとクレイジーな目つきも。やまむらはじめ「まつりの景色」は続き物。扉ページに「PART-I」とあり、ラストのページには「前編」とある。まあたぶん次号で決着がつくのであろう。次号予告にも「後編」とあるし。
【雑誌】ヤングアニマル 6/11 No.11 白泉社 B5中
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田中ユタカ「愛人[AI-REN]」。若いのに先が長くないと宣告されている少年が、「終末期の患者の精神的な救済を目的とした擬似的な配偶者、恋人のような役割をはたす人造遺伝子人間」である愛人(あいれん)の入手を申請し受理される。そして始まる人造人間少女あいと、少年の短くも美しき日々……といった出だし。非常に高いレベルでピュアな初恋のトキメキを描き出し、エロ漫画界ではすでにビッグネームな田中ユタカのメジャー進出作品であるわけだが、高い作画レベルはこちらでもまったく見劣りしない。とことん甘く、オタク男のココロを癒し炭酸飲料のようにスウッと消えていく後味。まさにオタク殺し。この作品で田中ユタカを初めて見て気に入ったという人は、ぜひエロ漫画系の単行本も漁ってみてほしい。いっぱい出ているのでわりと見つかりやすいはずだ。どれもコンスタントに品質が高いのできっと満足できるはず。初恋好きにオススメ。余談ではあるが、田中ユタカはオタク殺しであるとともにレビュワー殺しでもある。一冊レビューするだけなら特徴もあるし書きやすいのだけど、2冊3冊いっぺんに書くのはたいへんに辛い。どれもレベルが高いがあまりにも均質であるため、単行本ごとに違いをつけるのが難しいのだ。
柴田ヨクサル「エアマスター」。女子プロレス編が続く。今回は摩季の出番。空を舞い、相手を完膚なきまでに叩きのめすシーンのダイナミックさは痛快至極。馬場民雄「ご馳走さま!」。鬼気迫る表情でとんこつラーメンのスープ作りに没入する仲谷地のクレイジーっぷりがなかなかに迫力。汗だくな眼鏡娘も色っぽいし。
全体的にH多し。
木村千歌「カンベンしてちょ!」は2本立て。今回はヒロインのちーの彼氏が浮気しそうになる、というか半分している。コンドームがなかったので本番には至らなかったわけだが。ほのぼのあっさりした絵柄なのに、案外H。眼鏡娘の藤木さんの、顔の赤らめ方とか吐息の具合とかがええ感じ。あとは絵柄的に、はやしだちひろ「やさしい雨」が気になった。ちょっと片岡吉乃っぽくもあるキラキラした画風。片岡吉乃よりは多少子供っぽいけど。
【単行本】「しりあがり寿のお蔵出し」 しりあがり寿 イースト・プレス A5
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しりあがり寿のこまごまとしたナンセンス系の作品を集めた短編集。「流星課長」も3話ほど収録。さすがにお蔵入りしていただけあって、その程度の作品もちらほら。著者自身による作品解説を読んでも「こんなのもあったけか」的作品がけっこうある。最近のしりあがり寿には見られなくなってきた脱力系のギャグなので、気楽に読んで気楽に楽しむが吉。
【単行本】「あたしのすべて」 安彦麻理絵 アスペクト A5
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女として生きている生き物たちの、地味だったり泥臭かったりする日常に題材をとった作品集。おおむね男女の恋愛模様や、とくにきれいでもかわいくもない女性のコンプレックスなどを描いているが、その表現はサバサバしている。気取らずかっこつけない表現は、力が抜けていて味わいがある。「私はかっこつけてませんよ」と見せることによってかっこつけるようなイヤミもない。女の生活を生っぽく描いてはいるものの、生臭くまではならないバランス感覚が心地よい。ただ安彦麻理絵の場合、物語においてもキャラクターにおいても、全体に煮えきらぬ雰囲気がありも少しパンチがあるともっと面白く読めるだろうのにとはいつも感じる。過剰と平凡の境界線上にありながら、どっちにも行かぬ人という印象。
5/28(金)……男マウンテン
表向きは本の受け渡しとかいう名目はあったものの、むしろ「酒を呑みてえ!」「語り明かしてえ!」、そんな男たちのジャイアントな熱意が月下工房の掲示板にて高まり、池袋に集合して飲む。集いしは、月下サイトウさん、PARKING編集長ヒタカ氏、GAMSICのLZDさん、黄昏酒家のゆかさんプラス俺兄の本田健+俺。誰一人とってもワリカン負けしないストロングな飲み手。男6人飲みかつ食い、そして語る。前からサイトウさんとヒタカさんは話が合いそうだと思っていたのだが、案の定お話弾み気味だった。あとLZDさんの即興着メロメイキングの腕前にうなる。それにしても最近飲むときはたいてい池袋だというのに、またしても西口と東口を間違えてしまった俺はどうにもお馬鹿さんだなあと思っていたら、兄貴も間違えていやがり、俺たち兄弟のどうしようもなさをさりげなく露呈。いやあ、それにしても気の合う人たちと語りつつ飲む酒は格別ですな! 今度はさらに激しく。もっと自由に!
それにしても、ヒタカさんに「しばたさんはWebギャルにモテモテだと思ってた」といわれたのは何やら新鮮な気持ち。本当にそうだったらいいのにニャ〜。モテ狙いでコジャレてみるかと思わぬでもないが、それよりむしろオオジャレてみたい。オオジャレってどんなのかよく分からないけど、俺のイメージでいうとダリって感じ。
【雑誌】コミックピンキイ 7月号 オークラ出版 B5中
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深田拓士「愁」。夫ある身でありながら、その担当医によって肉奴隷に堕とされた人妻が、羞恥プレイの一環としてノーブラノーパンで満員電車に乗車させられ痴漢につかまり、駅の便所でレイプされる。まんまエロ小説の世界を漫画として具現化している。最近のエロ漫画界には珍しいくらいステロタイプなエロっぷりは、逆に頼もしいくらい。この人の単行本はけっこう売れているんだとか。やっぱり実用は強い。それからこの雑誌では、インターネットの人気者、根森明氏がコラムを1ページ書いているのにも注目。それにしてもこの原稿のダメっぷりはどうか。要するに「俺はフランダースの犬のパトラッシュになり、ネロくんのちんちんにむしゃぶりつきたいなあ」という内容。ここまでクソ原稿だといっそ爽快。ほかの雑誌の悪口書いているよりは数段潔い。
よしまさこ「うてなの結婚」。うてなの旦那さん、大ちゃんが浮気の誘いを受けるが断固として拒否。夫婦善哉。よしまさこはエッセイ漫画の「1丁目の楽園」もなかなか楽しい。エッセイ漫画はそれほど好きでない俺だが、これはわりといつも楽しんで読んでいる。絵柄の軽さと呑気で明るい作風が楽しいのだ。くらもちふさこ「天然コケッコー」では、そよと大沢くんがちと倦怠期気味。このまま別れてしまうのも一つの手かと思う。そよって、かなりかわいい娘であるようなので、も少しいっぱい男を吟味できる立場にあるような気がするのだ。吉田まゆみ「艶姿イッパツ娘」は、「くしゃみ3回」のスペシャル編。80ページの長編で読みごたえバッチシ。おんな演歌歌手で主人公の三條ルルにそっくりのアイドルが出てきて、その流れでルルも一発当ててしまう。芯のしっかりした作画と、肩を凝らせず読ませる洒脱な話作り。毎回読ませる作品。「くしゃみ3回」は単行本は現在1巻だけ。未読の人はぜひ。
【単行本】「藍より青し」1巻 文月晃 白泉社 B6
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スゲエ、スゲエよ、この都合の良さ。都会で一人暮らしをしている男が、自分の目指す駅にどう行けばいいか分からずまごまごしている女の子に出会う。その女の子は、ある男を探していたのだが、実はそれが自分。その女の子は、昔同じ家でちょっと暮らしたことのある許婚だった。子供のころの想い出のみを根拠に、彼を想い続け、彼に尽すために修行を積んできた彼女は、なんの苦労もなく一途に自分を好いてくれる。それが料理がうまくて、和服姿でちょっとおっぱいがでかくてかわいくて、それでいて世間知らずで、自分のアパートに押しかけ女房してくる。男の本懐ここにあり。この都合良き世界に読者を巻き込み、はなはだくすぐったい思いをさせてくれる。ニヤニヤせずに読むことが難しい。これはこれで、非常に濃厚な作品である。参りました。
5/27(木)……でんたる、でーんたる
サッカーの欧州チャンピオンズリーグはマンチェスターユナイテッドが優勝。バイエルンは後半ロスタイムまで1-0でリードしてたのに、最後の最後に2点とられて負けてしまったそうだ。こりゃ悔しかろうなあ。トヨタカップはマンチェスターUが来るわけだ。ベッカムとギッグスが観てみたいナリ。
あと1ヶ月半くらいで27歳になる俺だが、この歳になるまで歯医者さんに行ったことがなかった。というとたいてい驚かれるけど本当である。そんな自慢ができるのも今日で最後。前歯の裏の歯石がざらざらして気持ち悪いのでとってもらおうと思って行ってきたのだ。今まで一度も治療したことがなかったので、ついでに歯全体の状況もチェックしてもらう。結果、虫歯は3本あることが分かり、どうせだから治療しておくことに。全然痛くはないんだけど、虫歯はないほうが気分的にスッキリするし。下の親不知が横向きに生えているとのことだったので、これまた抜くかもしれない。そっちも痛くはないんだけど、虫歯になりやすい状況にあるんだそうな。歯石のほうはさすが20何年もためただけあってもうこんもり。握りこぶし大の歯石を取った後は、顔の体積が3分の2くらいになった。そんな想像をした人には申しわけないが、実際にできていた歯石はほんのちょびっとレベルだったようで、歯医者さんの反応からすると「こんなもんいちいち治療しにきてんじゃねえよ」的規模だった模様。今まで歯の治療をしたことがなかったもんだから、治療に行くべきレベルなんだか違うんだかが見当つかなかった俺なのよ。
【雑誌】ヤングサンデー 6/10 No.26 小学館 B5中
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巻頭カラーは山田貴敏の読切「へなへな」。無医村だった離島にやってきた若い外科医が、島の人々の対話、それから死が近い老いた漁師とその家族を見つめることで、無機質な大学病院では得られないような貴重な体験をし人間的な成長を遂げる。その人間ドラマは若干安っぽくもあるが、きっちりまとまってはいる。あと山田貴敏の描く女の子キャラは、何度もいってるけどやはり好きなのだ。岩田やすてる「球魂」。今回もくだんね〜。脂っこく大げさなわりに腰砕けなところがなんともたまらない。山本英夫「殺し屋イチ」。ジジイどもの揺さぶりや、イチによるものすごい殺害現場の効果で垣原組はすっかり勢力縮小。いよいよ最終決戦が近づいてきた。期待高まりまくりであるが、垣原も殺すには惜しいもったいないキャラクターではある。せめて、この世のものとは思えない痛みを彼に。山田玲司「アガペイズ」は甲子園を前にずいぶんと切羽詰まった展開になってきた。野球のインチキくささは変わらないが、盛り上がっていることは確か。山田芳裕「デカスロン」と新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」は休載。
【雑誌】モーニング 6/10 No.26 講談社 B5中
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ヒラマツ・ミノル「ヨリが跳ぶ」。ヒロコに見た目はそっくりなスパイクを打つようになったヨリだが、まだヒロコには及ばず。国舞の壁にはね返されるが、まだまだ死んじゃいない。さらに一段階違う次元へレベルアップする糸口をつかむか、といったところ。本当にすごい試合になるのは、国舞とのプレーオフであろう。そのときが来るのが今から楽しみ。かわぐちかいじ「瑠璃の波風」は海江田四郎の初恋編。最近初恋づいている俺にはたまらないところだが、ちょっと大人びすぎてるような感じもする。も少しモジモジしてもらわないと。山下和美「天才柳沢教授の生活」。柳沢教授の少年時代、柳沢教授の父が恩師の息子を養子として迎え、柳沢教授に弟ができる。彼が本当の家族になれる日までの、受け容れる側の葛藤を描く。今回も鮮やか。安易な逃げは打たないが、ラストはキッチリしめる。さすが。最近ちょくちょく登場する新鋭、やまあき道屯「運命の人」。昭和36年のある海に近い町での、青春恋愛譚。きっちり描き込まれた画面。爽やかで読みごたえのあるドラマ。この人は毎回、なかなか読める作品を描いてくる。ちょっと楽しみな人。
【雑誌】ヤングジャンプ 6/10 No.26 集英社 B5中
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堀口純男「広末涼子物語<鉄道員編>」。映画「鉄道員(ぽっぽや)」に出演した広末涼子のお話。最近バッシングな気配の彼女だが、学校くらい行かなくたっていいじゃないかと思う。金は払ってるんだろうし。まあここまで休んだのなら、中途半端に今から授業を受けるよりも1年完全に休学して次の年にバリバリ勉強するほうが意味はあるんではと思う。大学の勉強は後からでもできるけど、芸能活動は年食ったらできなくなるんだし。まあどっちにしろ、本人が後悔しないようにやってもらいたいもの。漫画の出来はまあフツー。作:光風治+画:森永茉裕「聖職者」。絶妙のコンビネーションで男を悦ばす風俗双子姉妹のお話。お仕事感の漂うエロ系作品ではあるが、女の子たちの身体の描き方が柔らかくていいなあと思う。
巻頭カラーで描いている三部敬って、ホットミルクで「菜々子さん的日常」を描いている瓦敬助ではないかと思うのだが。瓦敬助は最近けっこう注目していて、柔らかさと艶のある絵柄が気に入っている。グリグリとして垂れ目な感じの目線がいいなあと思う。あと下乳。今回の「化人幻戯」は、子供のころ住んでいた家に妻と娘を連れて戻ってきた男のお話。子供のころ、彼は屋根裏である時は男の子である時は女の子であった「ともだち」なる存在と遊んでいた。彼の帰還とともに、その「ともだち」はまた脈動を始める。妻が「ともだち」に奪われていく、チリチリした感じがたまらない。天竺浪人「眠り姫」。わりと素直に心暖まる。授業中いつも眠っている女の子と、朴訥な国語教師のオハナシ。ちょっぴりファンタジックで、ヒロインの女の子も奔放なようで健気でかわいい。馬場康士「リザードキング」。最近はヤンマガにも登場する馬場康士だが、この作品はそれよりも数段キレがいい。ガッチリと力強い絵柄で、暴力的かつ下らない力づくなギャグを見せてくる。雑魚キャラをポンポンぶっ殺すさまはたいへん愉快。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/10 No.27 秋田書店 B5平
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樋田和彦「京四郎」。気がつくと読むようになっており、毎週楽しみだったりもするのがこの漫画。今回は京四郎と緑川が、亜門の実家の酒屋で酒を飲みまくるというお話。絵から話から、もうどうにも無邪気。楽しそう。高橋葉介「学校怪談」は、雨に濡れる八千華がかわいい。
このころの山田芳裕は輝いていた……というと今がダメみたいに聞こえるが、「デカスロン」だってちゃんと面白い。でも、でも。このころの山田芳裕の輝きは鮮烈だった。間違いなく天才だった。一作ごとに俺の魂にビッグウェイヴ、起こしまくっていた。この単行本に収録されている作品は「木田」「変身男」「佐々霧兵吾 円錐剣」「ウルトラ伴」「泣く男」「河童の恋」。ヤングサンデーでなぜか新人賞を受賞してしまった「木田」は、異常なほどギターを愛し、その音なしには生きられぬ男、木田の物語。音に酔い、ギターとファックする。痛快なデフォルメ、異常なパワーとテンションの高さ。すんばらしえ。「佐々霧兵吾 円錐剣」は「考える侍」に近い侍モノ。「考える侍」で見せた、人間断面図的な刀による切断面が愉快痛快。なお、原作はなかいま強。さすがうまいな〜。それから芥川的作家と一人の女性の別れの図を描いた「河童の恋」もまたシブい。超グッド。激オススメ。近いうちに山田芳裕ページのほうに追加するので、しばしお待ちを。それから同時発売で「ザ・プライザー」の新装版も出た。こちらは前に出ていたバージョンとほぼ一緒だが、巻末の一作「ザ・プライザー」だけは今回が初めての収録。
5/26(水)……ビヤボーン現象
夏は嫌いだがビールは好きだ。困ったことにだんだん暑くなってきて、ビールがおいしい季節になりまくりである。最近どうにも毎日だ。このままじゃいけないので今日くらいはやめとこう。と書いているうちにどうにもたまらなくなってきた。やっぱ飲む。……………………うめい!たまらねい!
NIFTY SEVEを巡回していたら、FHPPC(Hewlett-Packerd PC user's Forum)というフォーラムのライブラリ(LIB16#142)に、成人向けソフトであるリーフ「痕」のHP 200LX移植版がアップされていた。とあるユーザーが独自に移植したものらしい。シナリオとCGは製品から抜き出して使うので製品を持っている必要がある。というわけで著作権的には恐らく大丈夫なのだろう。それにしても200LX系のユーザーはなんだかいつもながらにスゴイ。何も320×200ドット・4階調のモノクロ液晶でやらんでも。
今号も充実してて面白い。
巻頭カラーは神坂智子。「追想の色」シリーズの第一話「帯の緋色」。昔、祖父の妾と姉に虐待され、おしん的な苦しい幼女時代を送った女性が、そのころの思い出を娘に話して聞かすというお話。じわじわと家庭不和を描いていく物語は息苦しいが読みごたえはあり。西炯子「真夜中のMidnight」。絵はたいへんに完成度が高いが、お話的にはイマイチ盛り上がらぬまま最終回。それから今号では、第109回PFコミックスクール佳作受賞作の荒木淳子「魚」が良かった。「自分は将来何になりたいか」を発表する小学校3年生の授業で、ほかの生徒が先生だの大臣だのいうなか、一人だけ「さかな」と答える少年。彼、三澤優仁は万事そんな感じの浮き世離れした少年で、クラスメイトからもイジメられていたが、そんなことはまったく気にしない。彼の心はいつも海のほうを向いていたから。そして水のなかで泳いだり遊んだりしているとき、彼は別人のように楽しげに振る舞う。そんな優仁を、クラスの女の子カオリは妙に気になってしかたがないのだが……というお話。絵柄は上品で造形もしっかりしてて完成度が高い。ちょっと哀しいけど、フワリと夢を見るように終わるラストも秀逸。
達人→美少女達人と名を変えて4年半続いたこの雑誌だが、今号をもって休刊。編集後記によれば、司書房は7月から月刊誌を創刊するそうで、それを受けて雑誌リストラのような形で休刊したとのこと。
東海道みっちぃ「MAMAにおまかせ」。お話はわりとどうでもいい強引お気楽系なのだが、実用度は高い。キャラクターたちがやたらムチムチしててみっしりつまった感じ。デフォルメの利きまくった絵柄は抵抗ある人もいるかもしれないが。トウタ「LOVE JUNKIES」。まだ洗練されきってはいないけど、ちょっとにじんだ感じで収まりのいい絵柄はなかなか魅力的。
【雑誌】きみとぼく 7月号 ソニー・マガジンズ B5平
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巻頭カラーは藤枝とおる「レンアイアレルギー」。恋にやぶれて一重は精神状態ボロボロ。クッキリハッキリ、シャープな絵柄で目を引く漫画である。画面が整理されてて読みやすいのも吉。きみとぼくは1色ページでも色インクでの印刷が多いが、この漫画は作風の激しさもあって赤インクでの印刷がよく似合っている。みなと鈴「PEARLガーデン」は今回が最終回。行儀よくまとまった、まっすぐなかわいさのある絵柄はなかなか好ましかった。花樹いちや「Eve」。このお話はなかなかにイキがいい。興奮すると身体が液状化するという奇怪な体質を持った少女の学園ラブコメ。設定は奇抜なのだけど、キャラクターも生きているし展開も激しく面白い。絵もだいぶ洗練されてきた感じ。今度(6月7日)出るこの作品の第1巻が初単行本らしい。藤原薫「おまえが世界をこわしたいなら」。現代に生きる吸血鬼たちの悲哀。人間に極めて近い存在でありながら、人を殺して血を吸わなければならなず、世界から孤立したまま死ぬこともできず生きていく。背負った業は果てしなく重い。ピンと張り詰めた緊張感のある描写がなかなかにいい感じ。
まあそんなわけで。貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」(原作:GAINAX)が復活。今回は例の空からおっこってくる巨大な使徒を、チルドレン3人組がエヴァンゲで走っていって受け止めるお話。スピード感のあるヴァンゲリの疾走シーンと、受け止めたときの力感がかっちょよかった。吉崎観音「ケロロ軍曹」。女の子がかわいくていい。まるみのある健康的なフォルムが魅力的。御祗島千明「妖艶抜忍召喚師 魔姫」。話はそんなに追っかけていないが、やたらめったら裸が出てきて、その裸がやけに張りがあってツヤツヤと色っぽいのはいい感じだなあと思っていた。と思ったら次号最終回だそうだ。
【雑誌】週刊少年マガジン 6/9 No.26 講談社 B5平
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巻頭カラーで新連載、上條明峰「SAMURAI DEEPER KYO」がスタート。普段はへなへなした薬売りの京四郎だが、身に危険が迫ると「鬼眼の狂」と呼ばれる狂的な殺戮者へと変貌する。かわいいねーちゃんも出てくる、ちょっと軟派なサムライ剣劇もの。塀内夏子「Jドリーム飛翔編」では、鷹が奔放で予測しにくいプレイを連発。久しぶりにズルさとテクニックを発揮してて、なんだか楽しそう。今回はこれまでそんなに目立ってなかった柳木も活躍。
【雑誌】週刊少年サンデー 6/9 No.26 小学館 B5平
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曽田正人「め組の大吾」。最近、大吾が全世界的にスーパーマン扱いされるようになっていて、この途方もなさは終わりも近いのか、と思っていたら案の定次回最終回。好きではあったが、もともと長く続けるタイプの作品ではないとも思っていたので、このくらいで幕を引くのが適当かと思う。個人的な好みでいうと、これでも長すぎたという印象はあるのだが。それが悪いってわけじゃなくって、もっと短くまとめたほうがより作品としての完成度は高かったのではないかということ。満田拓也「MAJOR」。吾郎が投手に戻って圧倒的な力を見せつける。これだけの力を身につけたのなら、もう高校生レベルでは楽勝で勝ち抜いていってほしい。そしてメジャーだ。
5/25(火)……イオー・アドベンチャー
物心ついたころから雑誌を読んでいるし実際雑誌作りにも関わっているが、いまだによく分からないのが雑誌の号数表記だ。月刊誌の「〜月号」というのはまだ分かるのだけど、「何月何日号」という表記のものは本当に訳が分からない。例えば今日読んだヤングキングとヤングチャンピオン。それぞれ第2第4の月曜と火曜に発売される雑誌なのだが、日付表記は6/21と6/8。号数はともにNo.12なのに、だ。これが合併号だとさらに分かりにくくなり、例えば「5月5日号+12日号 No.7+8」なんていうのが出てくる。日付が「+」になるのは分かるんだけど、なんで「No.いくつ」ってのまで「+」にしなくちゃならないのかが理解できない。それじゃあ、その年に何冊本を出したのか分かりにくいじゃないか、と思ってしまう。「〜月号」ってのも、月末発売の号だと二月後の表示になるし。さらに謎なのが単行本の初版発行日。講談社はおおむね発売日なのだが、小学館は発売日の1ヶ月後くらいの日付が書いてある。雑誌だと日付が先のほうになっていると「おっ新しいのだな」というハッタリが利かせられるというのは分かるのだが、単行本の発行日でウソついてどうしようというのだろう。発売が遅れちゃった場合に、実際の発売日とズレるのは仕方ないかもしれないが。
ここらへん、出版社同士でなんか取り決めして分かりやすい統一ルールを作ってくれるとうれしいのだけど。
なーんといっても。今回は黒田硫黄の読切「わたしのせんせい」。アフタヌーンは2年ぶりらしい。学校の先生と付き合っている女生徒が主人公。彼女の親は町長選挙に出馬予定なので、不祥事があるとヤバいのだが、そんなことはおかまいなしに彼女は突っ走る。先生は実は宇宙人だったのだが、そんなこともまたおかまいなし。まっすぐにぶんぶんぶつかっていく。それにしてもやはり、この描線一本一本からあふれでる混沌としていながら粋である、黒田硫黄にしか出せない雰囲気は素晴らしい。時に下から見上げ、またロングに引き、ここぞというときに寄る、自由自在に空間を切り出してくる構図の取り方にも感嘆する。黒田硫黄、かっこ良すぎる。
木村紺「神戸在住」が巻頭カラー。ゆったりしたお話、絵柄と淡い彩色がなかなか合っていて、ぽかぽかと懐かしい空気を作り出している。現代のお話ではあるが。旅行記モノ描くとうまそうな感じがする。若菜将平「仮面天使」。今回は加利奈が浩一の思いがけないセリフに顔を赤らめる表情がなかなかいいなと思った。通常の絵だと若干目の光と下側の線がくどくて、口がデカすぎな感じがしているのだが、そのコマではそのあたりがアッサリしててわりと俺好みだった。芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」。いつものつやつやしたアルファさんと違って、今回は土にまみれて汚れだらけ。これはまた違った味わいがあっていい感じであった。描線もいつもより細め。四季賞でうえやまとち特別賞を受賞した弦城影介「魚男」が掲載。遺伝子操作によって生み出された、直立歩行し人語を介する生物を、自分の部屋で飼い続ける研究員の女性。知能は発達しているが、人間の倫理感などはまったく解さない魚男は、彼女に人間の常識の中の欺瞞を問う。その主張はまあどうでも良かったりするのだが、魚の目、魚の表情で理屈をベラベラと並び立てる魚男の姿が滑稽でおかしみがある。作画もなかなか高いレベルにあるし。
ごはん系な手堅いおいしさのある雑誌。
津田雅美「彼氏彼女の事情」。台風に降りこめられて、有馬が宮沢のおうちに一泊する。家族全員有馬が大好きで、無邪気にまとわりつくさまがとても楽しい。頭身がくるくると変わるが、どの頭身もそれぞれに魅力あり。青月いちこは前号に引き続き登場の新人さん。今回のタイトルは「ハルといること」。飛び抜けてうまいというわけではないが、自然体な感じで爽やかな作風。とくにつきあっているってわけではないんだけど、いつも一緒にいる幼馴染みの男女のお話。読んでいてホッとする居心地の良さがある。
惜しまれつつも消えたAmieが久々にお目見え。なかよしの増刊枠での登場である。
たておか夏希「眺めのいい場所」は、親友だったけどケンカしてしまい、なかなか仲直りできないでいる女の子二人のお話。若干幼い感じだけどアクのないサッパリした絵柄がほのぼのと心暖まる。お話もかなり他愛なくて微笑ましかった。休刊前のAmieでは一番好きだった山名沢湖。今回のタイトルは「スイート・レイン」。お菓子マニアで雨の代わりにお菓子を降らせる、天上のお天気係の女の子のお話。キャラクターだけでなく、空から降ってくる包み紙にくるまれていたり棒付きだったりするあめがキュート。お気楽でチャアミングなファンジイなり。
【雑誌】CUTiE comic 7月号 宝島社 B5平
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安野モヨコ「ラブ・マスターX」は今回で最終回。ラストは「ウソつき探し」というか、「ウソをついてない奴探し」というか。「恋」なんてものは本当は何なのか誰もハッキリとはつかめず、つかめたと思うとスルリと逃げていくようなものだったりするが、「恋」という言葉があるがゆえに「恋がないという状態」が欠落として認識されてしまう。そんな恋というもののあやふやさを浮き彫りにして静かに終わっていく。結末としてのインパクトは弱いし、ほうり出されたような印象はなきにしもあらず。で、これが終わったと思ったら安野モヨコは次号からまた新連載を始めるらしい。パワフルじゃのう。南Q太「夢の温度」。生徒であるあき(はるの兄)に魅せられた女教師が、彼の魅力にズブズブとハマっていく。あきのキスに対して、一拍おいて改めて応える女教師の激情の描き方がなんともうまい。別れ際の上気した表情も。微妙な関係にある男女の距離感と、その間の空間を描く描写が抜群だ。オーツカヒロキ「愛ラブSHOCK!!【人情編】」。すごくかわいい女の子に見えるけど実は男なマオと、マオにまとわりつかれている男・カイジのドタバタコメディ。シャープな描線で瑞々しい絵柄。それからギャグもなかなかノリがいい。魚喃キリコ「南瓜とマヨネーズ」。ギクシャクしていた二人についに別れのときが。魚喃キリコの描く男女の間のクールな空間には、別れ話がよく似合う。何かいおうとするけど言葉が続かない。そんな居心地の悪さをも、クールに描き出してくる。この低温な表現のなんとかっこいいことか。
【雑誌】ヤングキング 6/21 No.12 少年画報社 B5中
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佐野タカシ「イケてる2人」。今日も今日とて初っぱなからサービス精神旺盛。しかも今回Hな様子を見せてくれるのは、美人秘書の麻宮さん。ぶっちゃけた話、今まであんまり印象のなかった脇役さんだ。ヒロインよりもむしろ脇役に惹かれてしまう人間としてはたまりませんな。有村しのぶ「HOPs」。主役二人の幸せな初体験ということで。ほんのり染まった感じの肌の質感がいいなあといつも思う。花見沢Q太郎「世紀頭居候伝説 白い月光」は最終回。実のところあんまりちゃんと読んでなかった。
【雑誌】ヤングチャンピオン 6/8 No.12 秋田書店 B5中
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富沢ひとし「エイリアン9」。小学生少女3人組を巻き込んだエイリアン同士の縄張り争いがさらに激化。その争いは3人の間の感情のもつれにもつながり……という感じ。回を追うごとにエイリアンとの共生の度合いを強めていき変貌していく彼女たちの姿には毎度驚くばかり。取山忠治「ママ=サピエンス」は今回で最終回。この人のお気楽でちょっとHで情けない作風はわりと好きなのだが、なかなか単行本にまとまるほどには話が続かない。仕方ないとは思うけど。で、次号から丸尾末広「笑う吸血鬼」が再開!……の予定だ。
5/24(月)……ひとごと文句をいう前に
他人事っていうのは他人のことであるからして、自分のことではない。もっといろんな出来事を、他人事として受け流せるようになりたい。とは思いつつも、他人のふり見て我がふりは直したくもあり、また他者の意見は無視するでなく受け容れるべきは受け容れたくもあり。他人様の意見が自分と異なるときも怒るでなくけなすでなく、悪いものはなんの感情も起こさずスパリと受け流す。良いものは徹底的に楽しんだり参考にさせていただく。そういう人に、私はなりたい、のだろう、きっと。とりあえず、他人様の意見に怒りたくも文句をつけたくもない。相手の意見が自分と異なったって、そうそう自分が損するわけじゃない。ネガティヴな感情に支配されている俺は、なんだかとってもヨワヨワでかっこ悪い。自分の都合のいいように。自分は幸せであるように。かっちょいい俺様に、いつかなりたいものよなあ。自分に酔っ払えるようになりてえ! それって最高の美酒なのだぜ?
【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/7 No.26 集英社 B5平
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桂正和「I''s」連載100回。そして、伊織ちゃんフィギュア+イラスト集/コミックススペシャルカバー/テレーディングカード/ポストカードカレンダー/ピンズ/「I''s」登場券がセットになった「I''s BOX」というなんだかすごいモノが発売になるらしい。今号で予約の案内もやっているので欲しい人は急げ!お値段は1万4000円だ!俺はたぶん買わないとは思うのだが「I''s」の漫画に登場できる登場券はちょっと欲しいかも。フィギュアが森崎さんだったらなあ。秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。今回は少女漫画仕立て。誰でも一度は考えるようなネタではあるが、いつもとの落差がかなり大きくて楽しかった。「−蹴球伝− フィールドの狼FW陣!」。強力なGKの壁を破るために陣が考えた「タコヤキ作戦」。その中身は「GK以外のフィールドプレイヤーはすべておれの前では手も足も出ない丸いタコヤキであるから簡単にぶっちぎり、GKと一対一の態勢を作ってシュートを放つ」という素晴らしいものだった。
【雑誌】ヤングマガジン 6/7 No.25 講談社 B5中
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巻頭カラーでこしばてつやの新連載「LOVE GOD」がスタート。雑誌にも何度か写真が載った、人気者の美少年・刹那くんが主人公。華やかな容姿のわりに性格は意外と地味な刹那は、周囲の反応にとまどい続けているが……といった感じのでだし。彼が女の子の追い詰められるストーキングものになりそうな気配もあり。こしばてつやの脂っこい作風はけっこう好きなので楽しみではある。望月峯太郎「ドラゴンヘッド」が掲載されているが、この作品は展開が遅いので単行本で読むのが吉。というわけで飛ばしておく。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/7 No.25 小学館 B5中
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山本直樹「ビリーバーズ」。孤島で修行を続ける3人組。食料の配給が滞り憔悴気味だったのだが、配給の小麦粉により食欲が満たされた後は、一転して性欲が膨れ上がりそうな気配。雨に打たれる副議長さんの姿が、美しくかつエロチック。線自体はシンプルなのに、匂うような色気を感じる。うっまいなあ。作:小林信也+画:秋重学「宙舞」。「跳ぶ」といいながらなかなかに跳べず、さらに「跳ぶ」ということ自体に疑念を持ち始めた宙樹が、そのまま社会に組み込まれていくことに違和感を感じ旅に出る。青臭いといえば青臭いが、それでも自分と向き合い始めた宙樹の姿には成長の兆しが見られる。今回は変則的なコマ割りが多く(枠線が斜めなのはないが)、印象的なページが多かった。最近メキメキ面白い感じ。
「100」に次ぐ2冊目の画集である。松本大洋の絵のうまさは今さら語る必要もないくらいだ。扱う題材によってタッチは違うが(おそらく画材も変えるのだろう)、その線の一本一本からは一貫して「松本大洋」がビンビン感じられる。松本大洋の影響を受けた画風の人というのはよく見かけるが、その人たちはしょせん松本大洋のある一作品、一側面を切り出してきているに過ぎない。本家は一味も二味も違う。
というわけですごくうまくて見ていて惚れ惚れするのだが、一枚絵だとちょっともの足りなく感じてしまう。絵だけの人ではないだけに、コマ割り、演出、ストーリーといった面での技巧の冴えもやっぱり見たいのだ。次は漫画が読みたいな、と強く強く思う。
それにしてもリンクを張っておいた「100」の紹介ページ、あまりにもひどい出来なんで慄然とする思い。いやあ、もう最悪。よくこんなもんを人様の前に公開できたものだ。度胸あったなあ、昔の俺。「101」のデータをアップするときにでも書き直すとしよう。
【単行本】「なかよし」 ZERRY藤尾 笠倉出版社 A5
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2冊めの単行本「SMILE」以来2年半ぶりの3冊め。掲示板#1535では「4年ぶり」と書いちゃったが、4年前に発行されたのは初単行本「FUN,FUN,FUN」の間違いだった。すみませぬ。なお、上記2冊の版元はともに富士美出版(現在では絶版の模様)。
表紙がいつもとかなり違うタッチなのでちょっと驚いたが、裏表紙はだいたいいつもと同様のタッチ。「必ズ殺スマン」のようなブチキレ系ギャグもかませるし、「サブリミナル」みたいなラブコメもこなす。それでいながらエロもちゃんとやっているし、ときどき「家に帰る道」のようなしんみりとしたお話もあって、地力のある人だなあと思う。「家に帰る道」はロングのカットもきちんと入れ込むアングルの取り方や、背景も凝ってて通好み。キャラクターでは「恋のパラダイム・シフト」のコギャルな人がかわいくていいと思う。端々でさりげなくギャグを差し挟んでくるあたりも芸が細かい。常に読者を楽しませること(もしくは自分が楽しむこと)を意識しており、表現に対して自覚的な人だなあと感じる作家さんである。エロ漫画を主戦場にしている人としては、ちょっと毛色が変わっているといえるかもしれない。
タイトルを見れば分かるとおり「蠢動」の続編。といっても、お話は一話完結オムニバス形式なので直接的に続いてるわけじゃないが。COMIC CUEやビッグコミックスピリッツ21に掲載されたお話もちゃんと収録されているのがうれしい。それよりもうれしいのは、この単行本がきっちり刊行されたってことだが。
ジタバタ、のんびり、ホット、クール、嘘、絶望、ファンタジー、イラつき、ラブ、駆け引きなどなど、人が生きていくうえでの感情の揺れや、さまざまな生き様を、実に生な形でバシバシと叩きつけるように描き出す。その描きっぷりは実にガムシャラであるのだが、それでいながら実にキレがよく、鮮烈でかっこいい。作画もまた力強く、かつシャープで、そして美しい。オシャレともいえず、ジタバタのたうち回っているのに、これだけ
かっこいいっていうのはほかにはなかなか見ない。そしてこれだけ女ってものを強く感じさせる作風も。といっても、その「女」というのはどこにでもいるような存在ではなく、強烈な個性とエネルギーを持った「園山二美という女」なのだが。中の水勢が強すぎて暴れまくるゴムホースのように、なかなか手の中で落ち着いてくれない。このエネルギーが外に向かうときはいいのだが、内に向かうとさぞかししんどいことだろう。現在ビームの連載は休載中だが、早いところいい形で復活してほしいものだ。読者にとっても、彼女にとっても。
5/23(日)……笑えないりゆん!
イタリアサッカーリーグ、セリエAは、ラツィオはやはり一歩及ばず。ミラン、ラツィオ共に勝利でミランがスクデッド。ラツィオのサポーターは怒るだろうな、こりゃ。ペルージャは負けたけど、サレルニターナが引き分けだったので辛うじて残留。これで中田移籍に障害がなくなったかな? 今度はもっと上位チームに行ってほしい。なお得点王はアモローゾとバティストゥータ。サンプドリアB落ちは残念だなあ。横浜FCは5-2で国士舘大学に勝利。勝ったのはいいけど、2点取られたのはいかん。このくらいの相手なら完封しなくちゃ。
【雑誌】花とゆめ 6/5 No.12 白泉社 B5平
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中条比紗也「花ざかりの君たちへ」。主要キャラクターたちが写真のモデルになり、その写真があがってきたのを見てわいわい騒ぐといったお話なのだが、彼らのかっこよかったり可愛かったりするさまが思う存分描かれていて楽しい。「かっこいー、かわいー、きゃー」とかいいながら読むと楽しいのではないかと思う。伸びやかで上品な線の感じも好ましい。それから今回は日高万里「世界でいちばん大嫌い」が良かった。ヒロインの万葉が、久しぶりに彼氏の杉本とデートするのだが、両人の幸せいっぱいぶりが甘がゆくて可愛らしい。望月花梨「笑えない理由」が連載再開。何やら普通のラブコメではあるが、これはこれでヌルくて楽しくもあり。かな子のお姉さんに試練を課せられた瑛士くんは、無事かな子の誕生日までに告ることができるのかっ! なんだかどっちでもいい感じ! 高尾滋「素顔の風景」。このところやっていた、このショートストーリーのシリーズはこれで最終回。端整で淡く上品、軽やかな絵柄で読んでいて気持ち良かった。今回は結婚してしまう先生への恋心を隠し続けて、結婚式のときに優しく微笑む女生徒の表情がふわりとあたたかくていい感じであった。高尾滋の次の登場は、花とゆめステップ増刊(5月28日発売)の模様。ステップ増刊では望月花梨も読切を描くそうな。
【単行本】「ヨリが跳ぶ」17巻 ヒラマツ・ミノル 講談社 B6
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前の巻で国舞リップス、というよりヒロコにたたきのめされたオグリ、そしてヨリが、一段高みに上がるべくもがき苦しむのがこの17巻。ビッグゲームはないので、バッシンバッシンとボールをぶっ叩く描写の快感は今回はあまりない。というわけでまあこれからの展開に向け、力をためているといった感じ。「ヨリが跳ぶ」のいいところとして、こういうインターバル的な展開であっても、キャラクターの魅力で持たせることができる点。「REGGIE」なんかもそうだったが、脇役のキャラクターを立てるのが抜群にうまいと思う。
【単行本】「たとえばこんなラヴ・ソング」2巻 北崎拓 小学館 B6
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少年サンデーコミックスのワイド版。雑誌連載は、この巻収録分が平成2〜3年(1990年)あたり。高校生苦悩三角関係恋愛漫画。高校生で三角関係といえば、まつもと泉「きまぐれオレンジロード」とかの印象が強いが、「たとえばこんなラブ・ソング」はあのように甘っちょろくはいかず、ただただ息苦しい。主人公の龍と、その彼女・八木さん、それから昔の彼女・瞳の関係がメイン。現在の彼女でショートカット明朗快活型の八木さんが、まだ瞳への想いを断ち切れない彼氏の龍を失うまいと、どんどんイヤな女の子になっていくさまがとてもねちっこく描写される。根がいい娘であることは分かっているだけに、その狂おしさが引き立つ。さらに八木さんを応援している龍の妹までが一緒になって、瞳にいやがらせをする。龍の知らないところで。ハードで意地の悪いラヴ・ストーリーである。洗練された絵とは裏腹に、読み心地はハードでヘヴィでねちっこく、カタルシスはほとんどない。人によっては途中で投げ出してしまいかねない。つまりまあ、なんともいやったらしいお話なのだ。奥歯を噛み締めながら読む居心地の悪さが、俺にはたまんない刺激であって快感だったりもするのだが。
5/22(土)……クラオリン・ガール
周りで使っている人が何人かいて、そのスマートな感じがたいへんうらやましかったPDA、Data Slimを購入。PCカードサイズで機能もデータの閲覧に絞られていて、その割り切った思想がとてもかっこいい。今までPDAとしてはHP 200LXを使っていた。専用アプリケーションの使い勝手がすごくいいし、堅牢性、汎用性、電池の持ちと、抜群ではあったのだが、Windowsからデータを専用アプリにインポートするのがたいへん手間がかかるため、なんとかしたいと思っていたのだ。なんつっても専用アプリのDataBaseには、CSVのインポート/エクスポートの機能もないのじゃけん。また、最近ちょっとエミュとかかしょかしょいじくっている最中で、エミュが動くような携帯端末が欲しいという気分も高まってきた。個人的にはIBMのPC110あたりがなんとなく欲しくなりつつある。Librettoもいいのだが、俺の最近の荷物の量(80%くらいは漫画であるが)から考えると、正直500gを超えるとかなり重く感じてしまう。根性なしと思う人もいるかもしれないが、実にその通りである。もしリブを導入したとしても、例えば書店などでパッと取り出すにはちょっとかさばる。そういう場面でもっと小さい端末を併用すれば便利なのだが、200LXだと合計1kgを超えてしまう。ほかの端末との併用ということで考えると、Data Slimは最適であろうという見通しもあったわけだ。
Data Slimはアドレス帳と、漫画購入予定のリストを閲覧するのに使うつもりだ。これは200LXでもそうだったのだが、漫画購入予定などの管理はアドレス帳のアプリを使うとけっこう便利。アドレス帳の性質さえ知っておけば、ソフト側でソートをかけてくれるので見やすいのだ。ただ、Data Slimも素晴らしいのだが、汎用性は200LXのほうがはるかに高いし、操作感も200LXのほうが今のところ快適に思える。しばらく完全移行するか様子見を続けるつもり。
【雑誌】コミックドルフィン 7月号 司書房 B5中
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最近司書房系では、ドルフィン大将とラッツが充実してきた分、ドルフィンがちょっと弱くなってきたかな?という印象がなきにしもあらず。
みやびつづる「艶母」。息子のおちんちんを奪い合って、お母さんとその妹が熾烈なデッドヒート。目の前で妹がお情けを受けているのを見つめるお母さんがいじましくていい感じ。じゃみんぐ「鬼の杜」。絵柄は決してこぎれいってタイプじゃないのだが、このあふれるエロ魂は大したもの。乳の描き方とかなども泥臭いけど、そこらへんが生臭くてかえって良かったりする。ただ、今回はせっかくヒロインの女の子が恋人の目の前で犯されるのだから、合間合間に恋人の男が歯ぎしりするシーンとかを差し挟むとよりチリチリするいやらしさがあったのではないだろうか。
今号はちょっと軽め。
海明寺裕「歌はともだち」は今回後編。K9たちによるミュージカルのお稽古。K9世界の成熟ぶりはどんどん磨きがかかってきて頼もしい限り。古賀燕「カナリア」はじめじめして妄執漂う、劇画調のタッチがなかなか目を惹く。ただ、内容自体はその変質的な絵柄からすると案外普通の鬼畜モノだったりするので、もう少し濃厚にしてもいいのではと思う。黒犬干城「燃える!!輪姦部」。輪姦部の顧問の女先生が、特訓と称して生徒たちとやりまくる。輪姦が国民的なスポーツで、全国大会もあるという馬鹿馬鹿しい世界観は楽しい。やってることはハードだし、下らなくて面白いが、フラミンゴのわりにはなんだか普通なエロ漫画という雰囲気。こういう言い方は読者の思い込みを雑誌に押しつけているみたいで好きじゃないが、要するにフラミンゴ以外の雑誌でもこれならできるというレベル。それなりに面白かったのでいいんだけどね。
【雑誌】「新世紀エヴァンゲリオン」コミック総集編 貞本義行 角川書店 B5平
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貞本義行版エヴァンゲリオンの、ここまで連載された全29話を一挙収録。760ページと極厚の雑誌形式の本。実は単行本は買ってなかったので、まとめて読めたのはたいへんうれしかった。お値段も880円とリーズナブル。だが、単行本をすでに買っている人にとってはコンチクショウな感じでしょうな。単行本未収録分も載ってるし。いやはや、エヴァンゲリオンにはむしられてますなあ(俺はそれほどでもないが)。
この作品の場合、アニメ版があり、それがたいへんに面白かったものだからやはりどうしても比べてしまう。漫画作品は漫画作品として、アニメ作品はアニメ作品として独自に楽しめればいいのだけれど、そんな器用なことはなかなかできないのが実状である。まず一見して思うのは、作画レベルがすごく高い。アニメの場合は共同作業だから、ときに作画レベルを技量の低い人に合わせる必要も出てくるが、漫画ならば貞本義行一本に統一できる。これはやはりデカい。この美しいペンタッチもすごく好きだし。またアニメ版にはなかった漫画版独自のエピソードもよくできている。貞本義行の漫画力の高さを感じさせる。
逆にアニメ版のほうが良かったなあと思う点もいくつか。やはりなんといっても動き。例えばエヴァンゲリオンが地上に出てくるときの射出シーンなど、あのグオオオオとせり上がってくる過程がほぼ省略されている。アニメ版でエヴァンゲリオンががっしょんがっしょん動くさまは単純に「かっちょええ〜」と思って観ていたので、それがないのはちとさびしい。アニメの動きがよくできていたのでなおさら。あと、漫画版のほうがシンジがハキハキしている印象。彼をギリギリの淵まで追い詰める描写は、アニメ版のほうが容赦ないような気がした。そういった点もあって、全般に漫画版のほうはスッキリ淡々とした印象。アニメ版のほうには強い緊迫感・躍動感を感じた。
そんなわけで、両方で味わった人は誰もがいうことだろうが、どちらにもそれぞれの味わいがある。キャラクターの魅力もまた微妙に異なる。まあ要するに、この世界やらキャラクターが好きな人は両方鑑賞すればいいだけの話。面白い作品のためなら、そのくらいの時間はかけたって罰は当たらない。面白い思いをできるチャンスというのは、少なくはないけど、さりとてさほど多いわけでもないのだから。
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 5月号 竹書房 B5中
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昨日の日記に書いた、買い逃していたまんがくらぶオリジナルの先月号。パソ通系の知人に譲っていただく。かたぎりわかな「みちばたトライアングル」の第1話めを読めて満足。でも、この漫画、4コマ雑誌の読者には受けないだろうなあ。ほかの作品がほのぼのだったりして安心感があるのに、かたぎりわかなの作風は闇雲に不安をかき立てるので。だいいち4コマじゃないし。雑誌の全体の印象としては、みずしな孝之、青木光恵、梶原あや、本山理咲、日高トモキチなどなど、全般的に瑞々しい雰囲気があっていいんじゃないかと思う。ほかの4コマ誌をほとんど読んでないんで比較はできないけど、平ひさし、植田まさし的な手慣れたうっかり路線とは一線を画しているので、わりと飽きずに読めた。
初期短編やら単行本未収録分、単行本「変」加筆分などを集めた短編集。俺としては、イジメられっ子の少年が鼻っ柱の強い女の子を押し入れに監禁して飼育する、「観察日記」が収録されたのがうれしい。奥浩哉は作品ごとに、かわいい女の子(男の子)系の絵と、ハードで乾いた感じの絵柄を使い分けてて、そのどちらにも魅力がある。やはり上手な人だなあと感心。
5/21(金)……僕ハマチ買っていく
毎日文章を描いていると、自分の文章作成のスピードが、そのときの体調や精神状態によっていかに左右されているかがよく分かる。世の中にはストレスをエネルギーに変えてすごい文章を書く人もいると思うが、俺はストレスのあるときはどんどんダメになっていくタイプ。といっても、まあストレスがなかったからといって大した文章を書けるわけでもないんだけど。あまりよくない精神状態のときに書いて出来の悪い文章になってしまうというのはその作品に対して失礼だとは思うのだけど、なかなか自分という奴を御するのは難しい。酒を呑んでいるときはなおさらだ。そして今、俺は酔っ払っているのである。ぱらりらぷ〜のぷっぷくぷ〜。
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 6月号 竹書房 B5中
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お目当てはかたぎりわかな「みちばたトライアングル」。前号にも掲載されていたらしいのだが、その情報をつかむのが遅く買い逃していた。たいへんヌカリフルな出来事だったが、すでに前号を譲ってくれる知人を見つけたので若干ヌカリレスな感じになっている。今回の作品は、ヤンマガ掲載作品と比べると若干大人しいが、ツッコミなくボケ続ける作風は健在。あと絵柄的に気になったのが、本山理咲「南雲流インチキ両方ケセラセラピー」。グリグリした目の描き方、さっぱりと飾らぬ雰囲気がわりといい。みずしな孝之は「幕張サボテンキャンパス」「ササキ様に願いを」の2本立て。昔は月刊ベイスターズでちょりっとしか描いてなかった彼も、今やすっかり売れっ子だなあとしみじみ。
【単行本】「EDEN」3巻 遠藤浩輝 講談社 B6
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あまりに冷酷、悲惨であるというわけで話題になったらしい18話「僕は間違っていく(後編)」までを収録。回を重ねるごとにハードさ、甘えのなさが目立ってきてどんどん面白くなってきた。そしてこの作品は、一編一編よりも単行本でまとめて味わうほうがより楽しめる。で、この巻の一番の見どころはやっぱり問題の18話。ここまでお話を積み上げ、読者としても思い入れがあるだろうキャラクターを、むごたらしくバッサリと殺す。その容赦のなさにはビリビリとシビれるものがある。俺としてはその刺激的な表現は大好きだ。ただ、評価は分かれると思う。好きな人は好きだろうし、嫌いな人は目を背けたくなるかもしれない。それはまた、この物語の持つ力の証でもある。
【単行本】「蒼天航路」16巻 王欣太 講談社 B6
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曹操と袁紹の闘いは最終局面。この巻にて決着する。袁紹はその力のわりに軽んじられることが多いが、彼もまた一人の傑物として描かれているのに納得。曹操の激しさを呑み込むには少々ロマンチストすぎたけれど。とりあえず、これで三国志前半のクライマックスは完了。ここからどこらへんまでお話を引っ張るのかが気になるところ。
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