つれづれなるマンガ感想文12月後半

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一気に下まで行きたい



・「アイラ」 Vol.14(2001、三和出版)
・「アイラ」 Vol.15(2001、三和出版)
・「パチスロ7Jr.」パチスロ7 1月増刊号(2001、蒼竜社)
・「YOUNG キュン!」1月号(2001、コスミックインターナショナル)
【書籍】・「屁で空中ウクライナ」 ピエール瀧(2001、太田出版)






・「アイラ」 Vol.14(2001、三和出版)

「牧場の物語」海明寺 裕は、牧場で飼われている人間=家畜奴隷の話。ほんのちょっと、狂牛病対策の話題がネタになってるかなあと。
「女騎手・塔子」山田一人は、200×年、競馬界に新たな乗馬形式が導入される。すなわち、女性騎手を馬の下腹部に固定。女性器と馬の男性器を結合させたまま走る。この方式により、馬の潜在能力を引き出すことができるという一種の幻想譚。ストーリーそのものは、ヒロインと「お蝶夫人」的ライバルとの戦い。なんか眩暈を感じる……。
(01.1220)



・「アイラ」 Vol.15(2001、三和出版)

「年上の人妻(ひと)」近石まさしは、同級生のお母さんを好きになってしまった少年と好きになられた人妻とのセックスというオールドスクールな展開を、この人らしくねちっこく描いてます。
「Oh! my DOG」毛野楊太郎 は、表紙のみにタイトルがあって、中身は「FRAGILE〜こわれもの〜」という読みきり。また代原?(謎) 税関での抜き打ち検査で開かれた個人輸入品は、実物大・本物ソックリの高級ダッチワイフ。ここも試そう、あそこも試そうとしているうちにこの「ダッチワイフ」があえぎ始めて……。これ、もしかして密入国をしようとしてる人間なんじゃ……? 悪意とエロさが横溢した好短編。
「閉安所愛好会」第2話 ビーバー 堀骨砕三は、狭いところに潜り込んで心の平安を得る変わり者のための秘密クラブの話の第2話。「狭い」ってだけじゃなくて、なぜかウンコ頻度が高い。……というわけで、本作もウンコがやたら出てきました。この作者の場合、なんというか「スタイリッシュなウンコ」という感じ。
(01.1220)



・「パチスロ7Jr.」パチスロ7 1月増刊号(2001、蒼竜社)

「やんちゃ外伝」しのはら勉、監修/射駒タケシは、ホールでのチンピラとの確執の続編。予想どおりの展開だが、妙に臨場感がある。
「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、プロに徹しきれずに素人にレクチャーする主人公。カッコいい。こういうヒーロー像、個人的には非常に好き。
(01.1219)



・「YOUNG キュン!」1月号(2001、コスミックインターナショナル)

成年コミック雑誌。

「プリンセスハンターズ」IRIE YAMAZAKIは、続くのかと思ってたら今回は載ってなかった。次号に作者の名前があるから続くのか。わからん。

「哀しい課外授業」毛野楊太郎は、新連載の調教モノ。第1回では前回主役の久美先生が出ているが、「アナザー・レッスン」の「教授」や「みづき」も出てきそうな気配。要するに背後にある組織の話になるのかな。
初回だけに、まだどっちに転がるかわからない。
(01.1219)



【書籍】・「屁で空中ウクライナ」 ピエール瀧(2001、太田出版)

マンガじゃねえです。TVブロスに連載されていた、ピエール瀧がいろんなドヨ〜ンとした地方の寂れたテーマパークなどに行って、それをレポートするというような本。実は連載されていた2年半の間、ずっとブロス買ってたんだけど、この連載は写真がモノクロで読みづらかったので飛ばしてました(笑)。でも今回、単行本化にあたって写真もカラーになり、見やすくなった。

類書は他にもあると思うんだけど、ネタセレクトや独自のコメントなどは非常に面白い。私は車持ってないし一生行けない(あるいは運命の皮肉でずっとそこで暮らさなければならなくなるとか)場所が多いんで、ゲラゲラ笑って読めた。

さて、本書の中に「伊豆バイオパーク」っていうのが出てくる。なんかショボい動物園にカッコいい名前を付けてどうにかしようといったタグイの施設らしいんだけど、ここのダークさ加減がものすごい。写真を見ただけでも、狂気すら漂うドヨ〜ンとした感じがわかるような気がする。
で、このテーマパークのイラストをトータルで描いているのがマンガ家の秋竜山だってんだよ。秋竜山って、昔新聞や週刊誌の連載マンガを漠然と読んだことがあるけど、なんというか4コマ系の作家の中でも、いしいひさいちとも植田まさしとも、少し前だとはらたいらとか園山俊二とかサトウサンペイとも違った、なんとなくバタくさいというかヘンな感じのマンガを描く人。このヒトがこの「バイオパーク」に描いたイラストってのが、なんかもうすごいんだよな。

普通の遊園地の遊具とかでも、時間が経ってペンキとかはげちゃってくるとそうとう哀愁漂うものになるけど、秋竜山のイラストが古びてくると、そりゃ大変なことになると思うよ。まあそれがこの人の偉大さだと思うんだけどね。そりゃチンパンジーも狂うよ。
(01.1217)

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