つれづれなるマンガ感想文3月前半

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「つれづれなるマンガ感想文」3月後半
一気に下まで行きたい



・「ボボボーボ・ボーボボ」(12) 澤井啓夫(2004、集英社)
・「柔道放物線」(3) 今井智文(2004、秋田書店)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
【書籍】・「歌謡曲の快楽 雑誌『よい子の歌謡曲』とその時代」 宝泉薫+ファッシネイション(2002、彩流社)
・「週刊漫画ゴラク」2月13日号(2004、日本文芸社)
・「週刊漫画ゴラク」2月20日号(2004、日本文芸社)
・「恋する鯖吉」(3) 桜壱バーゲン(2004、双葉社)
【書籍】・「よい子の歌謡曲」 よい子の歌謡曲編集部:編(1983、冬樹社)
・「妄想戦士ヤマモト」(3) 小野寺浩二(2004、少年画報社)
・「フェイスガード虜」(3) おおひなたごう(2004、秋田書店)
・「CYBERブルー」全4巻 BOB、三井隆一、原哲夫(1989〜90、集英社)
【雑記その2】
【ドラマ】・「NHKドラマ愛の詩 ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」第6回(2004、NHK教育)
【ドラマ】・「NHKドラマ愛の詩 ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」第7回(2004、NHK教育)
【ドラマ】・「NHKドラマ愛の詩 ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」第8回(2004、NHK教育)

【ドラマ】・「乱歩R」 第7話「地獄の道化師」(2004、日本テレビ)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第20話「バラバラになった友情」(2004、テレビ東京)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
【雑記】ザ・めんどうマガジン2004
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第15話「恋する妖精」(2004、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第16話「超危うし! ミモモショップ」(2004、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第17話「大物妖精M、電撃婚約!?」(2004、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第18話「必見! 妖精が行く温泉の旅」(2004、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第19話「ドキッ! 沙織だらけのデート大会」(2004、テレビ東京)






【雑誌】・「漫画 時代劇ファン」03(2004、集英社)

時代劇専門劇画誌の第3号。毎月20日発売だから、この号はもう売ってないと思います。
連載ラインナップは、以下のとおり。

・「隠密剣士」 かわのいちろう、監修:村上もとか、協力:東弘企画
・「銭形平次捕物控」 石森章太郎プロ作品、シュガー佐藤、原作:野村胡堂、シナリオ:大石賢一
・「英雄三国志」 原作:柴田錬三郎、漫画:大島やすいち
・「新 徳川家康 竹千代の秋」 原作:久保田千太郎、漫画:幡地英明
・「極楽侍」 唯洋一郎
・「深川澪通り木戸番小屋」 原作:北原亞以子、漫画:あおきてつお
・「必殺!! 闇千家死末帖」 原作:白川晶、漫画:森田信吾

ここ数年、時代劇マンガ雑誌がぼちぼちと発行されている。再録や原作付きが多いためか、マンガ雑誌のトレンドとして無視されているような気もするが、「日本人は潜在的に時代劇が好きなんだ」ということは紛れもない事実だと思う。

さて、本誌だが3号まで読むかぎり、やはり原作に頼っている感じは否めない。個人的にいちばん読める作品は「英雄三国志」だが、コレは原作の大筋を知っているから、という点が大きく、三国志に新しい解釈を求めるようなものではないと思うし、エンターテインメントとしても横山光輝三国志の代わりになりうるかどうかも微妙なところ。でも読んじゃうんだけどね。

「銭形平次捕物控」は、おそらく原作に忠実にやっているのだろうが、やはり古さは否めない。さらに、石森章太郎の「佐武と市」と無意識のうちに比較してしまうという部分もある。シュガー佐藤作品の読みやすさは買うが、原作に忠実すぎるせいか少々ネームが多い。
「必殺!! 闇千家死末帖」は、必殺シリーズへのオマージュであると思われる。森田信吾だからあぶなげはないのだが、オリジナルの「必殺」を越える飛躍がない。

全体的にもうひとつぶっとんだ作品が欲しい気がする。伝奇的なものとかね。
(04.0316)


【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」15号(2004、集英社)

岡野剛「未確認少年ゲドー」が新連載。世界のあちこちに隠れている未確認生物を守り、病気を治療する医者である少年ゲドーと、美少女・結城讃良がなんたらかんたらあって冒険するような話になるらしい。
基本的には妖怪モノなんだけど、本作の場合「バケモノではなく、未確認生物も生き物の一種なんだ」というところが目新しい。この設定が活かせるかどうか(たぶん有名無実化するとは思うが)。
高橋和希「遊戯王」が最終回。そうですか、連載が始まったのは7年前ですか。なんだかものすごい昔のような気がするなあ。
(04.0316)


【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」16号(2004、集英社)

大亜門「無敵鉄姫スピンちゃん」が新連載。女の子ロボット・スピンちゃんの活躍を描いたギャグマンガになりそう。ポイントはスピンちゃんをつくったおじいちゃんがエロいロボット「エロボット」をつくるための初期段階としてスピンちゃんをつくったというところか。「エロボット」というネーミングだけで100点さしあげる。
「目からコミックビーム!!」には私も少々驚いてしまった。
昨今流行りの「いもうとネタ」も、やっぱりジャンプは黙っていなかったね。

千阪圭太郎「ヘンテコな」は読みきり。手塚賞佳作受賞作。簡単に言ってしまうと「ドラゴンボール」〜「ワンピース」、「HUNTERXHUNTER」ラインの作品。

つの丸「ごっちゃんです!!」が最終回。

(04.0316)


【雑誌】・「週刊少年チャンピオン」13号(2004、秋田書店)

読みきり作品、佐藤健悦「ローデッド・フィクション」が掲載。記憶を維持できず、外部からの暗示によって信じ込んだ「自分」により超人的な力を発揮する強化人間と少女が組織から脱走。少女は自分の両親を奪還するため、強化人間の少年に思いどおりの「自分」を植え付けて、逃げた組織に戦いを挑む。
これ、意外と言ってはナンだが面白かった。「自分とは何か?」の描き方にものすごいイマドキ感がある。かつての少年マンガでは、読みきりでこのテーマはなかったよなぁと少し考えさせられた。
(04.0316)


【雑誌】・「週刊少年チャンピオン」15号(2004、秋田書店)

にちゃんねるに文句を言っても仕方がないとは思うが、平田裕香のことを「ヘンな顔」とかゆうんじゃねえ!! おまえの方が千億倍ヘンな顔だ!!

二宮清純、井上正治「Athlete〜鈴木桂治アテネへの関門〜」の後編が掲載。

園田ともひろ「はぐヤン! とんじる」が最終回。
(04.0316)


【雑誌】・「よい子の歌謡曲16」(1984、よい子の歌謡曲)

1984年、すなわち今からちょうど20年前につくられた、歌謡曲やアイドルに関するミニコミ誌。
これは84年当時の「現物」であるため、あまりに懐かしすぎて「触れると死ぬ」並みの懐かしっぷり。表紙は河合奈保子で、「よい子大賞」のベストシングルが原田知代の「時をかける少女」、最優秀新人賞が徳丸純子、ベストアルバムが早見優、最優秀演歌が柳沢純子、特別賞がYMOってんだから、もう完全に押し入れの中をひっくり返したように記憶が蘇ってくる。
記憶だけではない、その当時の匂いというか空気感まで思い出されてきて、ほとんどタイム・スリップしているのと変わりないのである。

まあ懐かしさに浸るだけならわざわざこうしてテキストを書く必要もないので、現代から感想を書いていくと、まず何が書いてあるかわからないような文章が半分くらい、ある。
私はここに取り上げられている物件は懐かしいけれども、このテのサブカル文体にはあまりなじみがない。文体だけではなく、対談も何を言っているのかサッパリわからない。文体の場合はだれかの模倣だとか、わざとわからないものを放り出しているのだろうなというふうにも読めるが、対談で、どうして読んでいる側が意味がわからんのに話し合っている人はわかるんだろうという疑問は残る。

また、こちら側の「模造記憶」みたいなものもある。有頂天の「土俵王子」が紹介されていて「ふ〜ん」とか思ってたけど、「土俵王子」の頃にリアルタイムで有頂天、私は知らないからね。

この頃はアニメファンとアイドルファンは交錯しているようなしていないような微妙な状況であった。……というか、アニメオタクの方がアイドルオタクよりも先鋭的で、その辺が食い違いになっていたのだと思う。飯島真理が暴言吐いてアニメファンを引かせた、って事件があったけど今じゃ考えられないし。
でもアイドル側の、オタクへの明確なすりよりって千葉麗子あたりからやっと始まってきたことで、それまでは「サブカル」側から明確に「おまえらと一緒にするな」的なことを言われてきた。ということも合わせて思い出した。

【参考】
【書籍】・「よい子の歌謡曲」 よい子の歌謡曲編集部:編(1983、冬樹社)感想

【書籍】・「歌謡曲の快楽 雑誌『よい子の歌謡曲』とその時代」 宝泉薫+ファッシネイション(2002、彩流社)感想

(04.0316)



【テレビ】・「タモリ倶楽部 生誕41周年記念!“河合奈保子”振り付け祭りの特訓現場に潜入!!」(2004、テレビ朝日)

3月12日放送。「『河合奈保子振り付け祭り』の特訓が行われているらしい」という架空の設定(たぶん)のもと、タモリと石田靖と松村邦洋が「ソワレ」という人と「まあくん」という人の河合奈保子振り付けを堪能するという番組。

タモリ倶楽部の自由度はもはや地上波という雰囲気ではなくて、何となく治外法権的な感じもするのであまり騒ぎ立てるのもどうかと思うが、それでも「松田聖子ではなくて河合奈保子」であるところに拍手を送りたい。DVD発売かなんかのからみかもしんないけどね。

番組はただひたすらに河合奈保子マニアの二人の歌と踊り、および河合奈保子うんちくにタモリがあっけにとられるというもの。
しかし松村邦洋が「河合奈保子さんと言ったら松田聖子さん、松村和子さんといった同期がいて……」などと80年代芸能オタクであるところを見せつけてみれば、ゲスト(?)の二人は「レッツゴーヤングのセリに落ちてから復帰後、コルセットをしていて河合奈保子の動きがぎこちなかったがだんだんコルセットが小さくなってくると踊りが大きくなった」とか「カスタネットを持って歌っていたがそのカスタネットが適当だった」とか「松田聖子の歌の後がいちばん河合奈保子が熱心に歌っていた」など、まあ河合奈保子に興味のない人にはまったくありがたくないがわたし的には面白い話をいっぱいしていた。

ネットで調べたら「まあくん」は「おしえてアイドル」という80年代アイドル歌謡のコンピレーションを監修した人だった。どうりで詳しいわけだ。プロだもん。 ちなみにこの「おしえてアイドル」、私も何枚か買ったがあまりにもマニアックすぎて、あんまり懐かしくなかったという衝撃のシリーズだった。これを聞くと自分のアイドルに対するスタンスが見えるね。見えてどうだっていう話もあるが。
(04.0316)


【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第21話「おんがくさいがくさい〜」(2004、テレビ東京)

公式ページ

3月9日放送。
桐生先生のあやしい行動に疑問を感じた結木くんとリルムは、桐生先生が作り出した黒い空間の中に飲み込まれてしまう。それと時を同じくして、ヤマネの体に異変が起こっていた。
そして、ついに世界音楽祭当日。あのダアクがまた復活するのか!?

意外な展開に、かなり驚いた。どうせここまではやらないだろうと思ったら、けっこういろいろ伏線貼ってたねえ。ということで感心しました。
(04.0316)



【特撮】・「超星神グランセイザー」第21話「迫る! 地球最後の日」(2004、テレビ東京)

テレビ東京ページ

2月28日放送。
太陽系破壊をもくろむ宇宙人・インパクターの一人・ルシアをとらえたグランセイザーたち。「宇宙人でも心は通じ合えるはず」と、傷ついたルシアを直そうとするが名医・伝通院洸の能力でも無理であった。
ルシアの上官であるロギアしか直せるものはいないようだったが……。

すんません、細かいところ忘れました。安易に人情ものに流れたなあ、という感じ。
(04.0316)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第22話「見よ! 合体超星神」(2004、テレビ東京)

テレビ東京ページ

3月6日放送。
ルシアは戦闘能力が3倍になる「アクセラレーター」をつかい、上官であるロギアのためにグランセイザーに戦いを挑む。
復活した超星神たちが、それを迎え撃つ。

次々と傷ついていく超星神が、修理されて復活して勢揃い、という盛り上がる回。
人間のときのロギアは、「ハレルヤ」というお笑いコンビの「主任」に似ている。博士の助手になりすましていたときなどはまさに主任。いつ「カトゥー!!」って言うかと思ってました。立場的にもそんな感じだわな。
(04.0316)


・「ボボボーボ・ボーボボ」(12) 澤井啓夫(2004、集英社) [amazon]

週刊少年ジャンプ連載。
なんかビキニ着て化粧した田楽マンがかわいかった。全体的に面白かった(←小学生の感想か。)。

11巻の感想

(04.0312)


・「柔道放物線」(3) 今井智文(2004、秋田書店) [amazon]

週刊少年チャンピオン連載。
ぶっちゃけ「稲中」っぽいギャグマンガ。面白いし、雑誌で読んでいるとあまり気にならないけど、まとめて読むと殺伐としてるなあ。ひきこもりの少年とかフォローなしでそのまま「ひきこもり」っていうのがキャラクターの属性になってたりしてて。
コント番組の「はねトび」とかにも共通するものを感じるんだが、現代的ドライさがあるというか。主人公に彼女がいるのは、こういうマンガとしては珍しいのでは。
(04.0312)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

公式ページ

3月7日放送分。

ハロモニ。Award2004と題し、過去の映像の中から部門別に賞をあげようという一種の総集編。
審査員ゲストとして、中澤裕子、保田、後藤真希が登場。

・涙部門
こういう部門があることがハロプロの過去のアイドルとの最大の違いだろう。「焼きそばが食べられないから」といって涙を流すアイドルがかつていただろうか? そんなアイドルが辻。
また、辻は確かハロモニ。史上初めて涙を流したヒトでもある。

・お笑い部門
飯田の「ぱらそるぱらそる〜♪」がはや2年前だと知ってショックを受ける。

・パニック部門
これも辻が印象的。「5回早口言葉を唱えてからクイズに答える」という場面で、問題を忘れてしまう、ってやつね。この頃の辻加護はカンペキでしたなあ。

・初登場部門
わたし的には、少女が大人になっていくその落差を感じて衝撃を受けたり泣いたりしていた。高橋愛はまだまだきれいになるね。辻加護は、初登場時は完全に顔というか骨格がコドモ。加護ちゃんなんて頭蓋骨がまだ発展しきっていない感じだよなあ。

それと、「みんなハロモニ。初登場のときって覚えてる?」と聞かれ、「ハロモニ。に出る前に、一度スタジオで見学したことがあるんですよね」と言った新垣さん素晴らしい。隣の高橋愛なんてすっかり忘れていたみたいだよ。娘。の思い出話になるといつにない輝きを見せる新垣、さすが娘。加入後も娘。のトレカを買っていた娘ファン。

・卒業生部門
13歳の頃の後藤真希を見て現在と比べて、また少女が大人になっていく過程を見てショックを受けたりした。

Berryz工房のライブは、踊りがけっこうわやくちゃ。Mステのときとかなり落差が。こっちの方を先にとったのか。あややは谷村新司の曲。古くさくて懐かしくて、また泣いてしまった。

「ハロプロワイド」はおじゃマルがあややと「プリティポーズ対決」。前回のあややインタビューに続き、またしても初っぱなからプリティポーズが浮かばないおじゃマルに、あややが光の速さでツッコミ。1分間くらい大笑いしてしまいましたよ。
(04.0312)



【書籍】・「歌謡曲の快楽 雑誌『よい子の歌謡曲』とその時代」 宝泉薫+ファッシネイション(2002、彩流社) [amazon]

書籍「よい子の歌謡曲」(→感想)が同名のミニコミを同時代にまとめたものだとするならば、本書はすでに雑誌としては休刊して約10年後に、「80年代のアイドル歌謡とは何だったのか」という若干俯瞰的な視線も含めつつまとめたもの。

創刊当時から休刊時まで、トピックとなる原稿を抜粋して収録してある。解説めいたことはそんなに書いてないが、章ごとの前文やサブタイトル、キャプションなどが秀逸で、それ自体が現在から当時を見る「視点」を提供している。
原稿はさまざまな人が書いていて、玉石混淆。こっ恥ずかしいのはポエム的なおセンチ文体よりも、「サブカル」とか「現代思想」にかぶれて思い入れ充分だが何を言っているのかサッパリわからない文章だろうな。あと橋本治にソックリなのもあった。 「サブカル文体」でいちばん面白かったのは「松本伊代は家庭内暴力児のアイドルである。」という柴原安伴の文章で、柴原安伴というのはだれかというと中森明夫のことだった。

・新人類
「松本伊代は家庭内暴力児のアイドルである。」は、夕方の日比谷公園で、中年男性メンバーを暴力的に叱咤激励する松本伊代親衛隊員のみなさまを見て、そこに近未来SF的な「絵」を見出し、バックにはやっぱり伊代ちゃんの曲がかかるべきだ、と考えるという本当にわけのわからないテキストだ。ちなみに82年頃。

この短文には中森明夫が現在まで引き継いでいるエッセンスが詰まっている。松本伊代に関する情報がゼロに近く、読者に「何かが起きそうだ」とたきつけるためだけに松本伊代を引き合いに出したとしか思えず、それでいてしっかりとブラックで都市伝説的な「絵」を読む者に思い描かせてしまうという手腕は、この頃からすでに確立されてしまったことをしみじみと再認識させる。逆に言うと、この先はなかったなぁと。
まあ中森明夫をボロカスに言う人は多いし、私もものすごく好きだというわけでもないが、作風はこの頃から一貫していたということは事実。

これはどう考えても小説か、少なくとも物語向けの才能だと思う。フィクションにしてしまえば思想的にどうのこうの言われる確率も低まったと思うし。だけど、けっきょく中森明夫はそんなに小説は書かなかったな。
このテイストを引き継いでいるのって、マンガ家の井上三太だと思う。上記テキストだって、井上三太ならマンガに描けそうだ。

・「歌謡曲派」と「アイドル派」
書籍「よい子の歌謡曲」では82年までのことしか書いていない。だが本書にはその先のことが書いてある。82年以降のアイドル史で何が大きかったかというと、ひとつはおニャン子クラブの登場、もうひとつは岡田有希子の自殺である。ちなみにおニャン子のデビューが85年7月、岡田有希子の自殺が86年4月。
本書の巻末座談会の中で、「『よい子の歌謡曲』はなぜ終わったか?」という質問に対しだれかが「『よい子』には『歌謡曲派』と『アイドル派』があって、この2派の溝が大きくなりすぎたのだ」と言う。

「歌謡曲派」と「アイドル派」というのは、今で言えば「楽曲重視」か「萌え重視」かということになる。要するに、現在のアイドルオタク間の論争の火種のひとつは、基本的には変わっていないのだ。
単純に図式化してしまえば、80年代前半には「楽曲」と「萌え」が融合することによって魅力を出していたアイドル歌謡が、後半、両者の乖離が激しくなりすぎたということなのかもしれない。
おニャン子の登場が、「歌謡曲派」と「アイドル派」の考えの違いを顕在化させたという部分は、あると思う。ピンク・レディーや沢田研二の頃だって売るための「仕掛け」はあったが、秋元康一派のやり方はその「仕掛け」を仕掛けている状態を送り手にバラす、あるいはバラしているように見せることにあった。
むろん、もっとストレートな意味の、「あの子かわいい」とか「あの曲いいなあ」という「売り」はあったものの(それがなければ秋元だって今生き残ってはいないだろう)、秋元の「ギョーカイ」な売り出し方は、ちょっとヒネた受け手には何かしら警戒心のようなものを抱かせずにはおかなかった。

予想だけど、「歌謡曲派」が80年代後半まで「萌え」(当時そういう言葉はなかったけれど)を容認することで成り立たせていたバランスがどこかで崩れたのではないか。つまり楽曲重視の人が「こういうのもいいんじゃない?」とあえて受け入れていた傍流的な感覚が、制御しがたいものになっていったんじゃないかと。

いや、そう考えると各ジャンルのつじつまがかなり合ってくるんでそう考えてしまったんですけどね。ハードSFファンからアニメオタクが離れていったり、聖矢やキャプ翼の同人誌を出している人たちが、お互いの批評をし合う旧来の同人マンガサークルから分かれていったりという動きとシンクロしてくるんで。
あくまで「そうなら整合性があるな」と思っているだけなんだけど。

それでどんどんどんどんぐちゃぐちゃになっていって、宮崎勤事件で一度みんなリセットされたりされなかったりして、いろいろあって現在に至る、というような印象です。

・懐かし地獄
本書は82年までの文章をまとめた書籍「よい子の歌謡曲」以上に懐かしかった。まあ91年頃までの流れがわかるので当然なのだが。
82年から数年は続いたアイドルブームは、いわゆる「アイドル冬の時代」と言われた90年頃には失速していってしまう。何しろミニコミ「よい子の歌謡曲」の最後の特集がフリッパーズ・ギターだっていうんだからなあ。

ところで、この間は「東京フレンドパーク」に二児の母になった菊池桃子が出ていて、岡田有希子は死んじゃったしさあ。市井紗耶香が引退→妊娠、結婚というのもショックはショックだが、自殺されちゃあ二度と会えないからなあ。しかも今ネットで調べたら、一度自殺未遂していて、そこで一命を取りとめてもう一度自殺して死んじゃったっていうからやりきれない。

この間は「いいとも」に中島はるみが出ていて驚く。中島はるみといっても、エロくない方の、背のスラッと高い方の中島はるみ。「二年B組仙八先生」で、年下のやっくんが中島はるみに片思いした中島はるみだよ。で、今40くらいの中島はるみはまだキレイなんだけど、ノースリーヴの肩に予防接種の後があって、それでさらにシミジミしたりしたよ。
さらに中島はるみの相手役だった薬丸はもはやみのもんたの後釜を狙っているとしか思えないし。

よく考えたら菊池桃子が「ラ・ムー」とかやり出した時点で何もかも終わってんだよな。そんなことを思った。唐突に終わる。
(04.0312)



・「週刊漫画ゴラク」2月13日号(2004、日本文芸社)

とっくの昔に出た号です。すいません。完全に個人的なメモだねこりゃ。
作家ラインナップは、小池一夫/梶研吾/叶精作、天王寺大/渡辺みちお、高橋よしひろ、土山しげる、倉科遼/和気一作、来賀友志/嶺岸信明、沖圭一郎、中崎タツヤ、神保あつし、ラズウェル細木、鍋島雅治/檜垣憲朗、九十九森/さとう輝、立原あゆみ、浅倉達彦/花小路ゆみ、西塔紅一/山口正人、天王寺大/剛力也。

西塔紅一、山口正人「凶獣イーグル」が最終回。最後はきちんと飛行機ネタだった。このふざけた時代にアウトローの悪党でないヒーローを描いたことは立派。
(04.0312)



・「週刊漫画ゴラク」2月20日号(2004、日本文芸社)

シリーズ連載の古澤優「ゾク議員」が 面白かった。暴走族のあんちゃんが市議会議員か何かになる話。でもこの作品内の地域の苦情的なネタは、平日の午後6時半頃にやってるニュース内の「特集」である可能性はあるなァ。
(04.0312)


・「恋する鯖吉」(3) 桜壱バーゲン(2004、双葉社) [amazon]

「漫画大衆」連載。魚屋二代目の鯖吉は、三十過ぎてていまだに独身だが、スケベ心は人一倍。関わる美女は毎回わけありで、そのスケベ心からついつい助けてあげるがいつもイイ目も見るがヒドい目にもあってしまう。

この巻では「鯖吉が美女に相談を持ちかけられる」というフォーマットもかなりええかげんになってきてる。いい意味で。本当に出てくる人物が頭が悪いやつばっかりで、善人も悪人も頭が悪いので読者がしてやられた感覚は皆無。ゆえに憂さ晴らしには実に気持ちいい展開になっていると思います。

……とかなんとか言う前に、本作は絵を見るマンガだと思う。前にも書いたけど、とにかく絵のインパクトがすごいんですよ。

2巻の感想

(04.0308)



【書籍】・「よい子の歌謡曲」 よい子の歌謡曲編集部:編(1983、冬樹社)

「よい子の歌謡曲」とは、79年から91年まで発行された、主にアイドルソングを中心に扱った歌謡曲のミニコミ誌。本書はそれを83年に単行本化したもの。したがって掲載されているテキストは、松田聖子、河合奈保子、松本伊代、堀ちえみ、早見優などの83年時点で活躍中のアイドル、および岩崎宏美、太田裕美、大場久美子、キャンディーズ、石野真子、ピンク・レディーなどの70年代アイドルを扱っている。

懐古趣味の懐かし地獄に入ろうと思って読んだが、実はあまり懐かしくない要素もある。それは、リアルタイムでミニコミの「よい子の歌謡曲」をほとんど読んだことがないから。
アイドルソングはよく聴いていたけど、それらについて何かを語ろうとかだれかが語ったものを読もうとかいう発想が、当時はなぜかぜんぜんなかった。

それで思い出したのだが、私自身はアイドルを売れるか売れないか、あるいは何曲までもつか、ということをかなり真剣に予想していて、そこに余計な情報や私情を持ち込んではならないと自己規定していたらしいということ。
なぜ「売れるか売れないか」を真剣に予測していたかというと、ある程度分量が溜まっていかないと物事を評価できないという、私の性格的なものだろう。したがって、常に非常に短いスパンでモノを見て、それについて常に新しい意味づけを行うようなポストモダ〜ン的なというか「新人類的な」というか、そういう感性についてはリアルタイムでは永遠に口をぬぐっていなければならなかったのだった。
以上、自分語りでした。

本書には、たとえば現在のモーヲタ系テキストサイトなどにあるほとんどすべてのアプローチや文体が揃っていると言える。逆に、現在あまりない要素はといえば、特定のアイドルについて書いている文章の中で、不意にあまり関係のない外タレミュージシャンの歌の歌詞を引用してせつない思いを綴るという、おセンチな方法が散見されることか。
現在でも「ポエム系」とも言うべきアイドルファンテキストサイトはあるけど、80年代のこの独特なポエム感覚は、少女マンガやヤンキー文化や一部のアニメオタクにも通底するものだったように思う。その独特のこっ恥ずかしさには、懐かしさを感じずにはいられない。

内容として特筆すべきは70年代アイドルの項。私の勉強不足もあるがやっと現在のいわゆる「アイドル」の源流を辿ることができた。それは71年にデビューした天地真理である。細かく見ていけば異論はあるだろうが、大雑把な流れでは多分元祖は天地真理だと思う。
その理由は、本書にも書いてあるがそれまでの女性歌手の多くは年齢は少女の年齢であっても、大人の格好や大人の歌を求められていたのに対し、天地真理が初めて年相応の格好で年相応の歌を歌ったこと、「テレビ」という新時代のメディアを想定した振り付けや衣装であらかじめパッケージングして歌を売り出すスタイルを確立させたことなどがあげられる。
天地真理の後に南沙織、岡田奈々、林寛子、フィンガー5、アグネス・チャン、桜田淳子、山口百恵、榊原郁恵などがデビューし、一般的な「アイドル」イメージが固められていく。

面白いのは、70年代後半にはアイドル歌謡は失速するが、80年の松田聖子デビューでアイドル全体が爆発的に盛り上がるということ。といっても、77、8年から79年にかけてもピンク・レディー、榊原郁恵、高田みづえ、石野真子、倉田まり子などがいて、決して低迷していたわけではないと思う。しかし、これは私自身の反省であるが80年の松田聖子、河合奈保子、田原俊彦、近藤真彦、柏原よしえ、岩崎良美、81年の伊藤つかさ、松本伊代、そして82年組のデビューという未曾有のできごとに70年代後半のことが忘れ去られているということはある。

70年代アイドルと80年代アイドルを明確に区分するとしたら、それは「となりのミヨちゃん」(しかし見事なまでに死語だなこれは)的な親しみやすさが次第に強調されてくるということだといちおうは言える。
が、じゃあ80年代デビューの松田聖子や中森明菜が本当に親しみやすかったかというとちょっとどうかな〜と思うわけだし、逆に70年代デビューの榊原郁恵や石野真子なんていうのは親しみやすさ路線なわけで、グラデーションになっているのでは、とは思うのだ。
これには「歌唱力がかなり低くてもかまわない」という送り手の思いきり(あるいは受け手の無頓着)が関係していることは明白である。だが、浅田美代子、風吹ジュン、大場久美子などの相当歌唱力に不安のある人は70年代にすでに出てきている。そして、それでいて「のど自慢あらし」だとか「厳しいレッスンを積む」などの説得力が同時並行で生きていた。このあたりのことは記憶をたぐっても結論が出てこないから、調べると自分の中では面白いかなあとは思った。だれかがすでに調べているかもしれないけど。

話を戻すと、だれもが「歌謡曲」に親しんでいるのにそれについての共通した言葉がない、という状況に対するひとつのアプローチが本書だった。これは「となりのミヨちゃん」がアイドルになる、ということとほぼ並行して、評論家や専業ライターではない人たちが情報を発信し始めたという、70年代後半から80年代にかけての投稿誌ブームと重なっている。
なお、巻末の年表にはちゃんと「時代」のところに「宇宙戦艦ヤマト」も「ガンダム」も入っていてなぜかホッとした。
(04.0308)



・「妄想戦士ヤマモト」(3) 小野寺浩二(2004、少年画報社) [amazon]

アワーズライト、アワーズ増刊、アワーズなどに連載。「萌え」妄想の権化である怪人・ヤマモトとゆかいな仲間たちが繰り広げる明日なきオタクライフを描く。

我ながら、1巻の感想2巻の感想は良くないなあ。自分にダメ出し。
あらためてしきりなおすと、萌え妄想のバケモノ・ヤマモトと眼鏡っ娘大好きな「眼鏡っ娘教団」の南雲、美少女フィギュアしか愛せない渡辺たちが騒動を起こして、普通人・松下がヒドい目に遭うというようなパターンが多い。

で、オタクの自虐マンガというのも最近増えたけど、この「ヤマモト」が他作品と違うのは、普通人の松下や萌え妄想を禁じようとする黒崎堕美泥、六天灰夢(ロッテンハイム)クララなどのオタク外の人間のオタク要素を描いているところだろうなあ。あるいは、はからずもオタクに関わらざるを得なくなった人々というか。それによって深みを増しているというかね。
いやあもう全編捨てるところないね。笑いすぎて腹痛い。
(04.0308)



・「フェイスガード虜」(3) おおひなたごう(2004、秋田書店) [amazon]

週刊少年チャンピオン連載。消えないペンで顔に落書きされてしまった虜は、あやしい仕掛けのあるフェイスガードを着けてそれでいろいろ事件が起こるというギャグマンガ。
なんかフェイスガード絡みの話があんまりないなーと思って読んでいたら、どうも2巻をまだ読んでいないらしい私。この間間違えて1巻をダブリ買いしちゃったから、そのときに2巻と間違えて1巻を買ってしまったのだろう。

「アンビリーバボー体操部編」と「独身貴族エルフセロス編」を収録。「アンビリーバボー体操」というのは現実ではあり得ないむちゃくちゃな体操のことで、同じ作者の「おやつ」に出てくる「パワーホライズン」という架空のスポーツに似ていると思ったら、「パワーホライズン」が元になっているらしい。面白い面白い。

1巻の感想

(04.0308)


・「CYBERブルー」全4巻 BOB、三井隆一、原哲夫(1989〜90、集英社)

週刊少年ジャンプ連載。2305年、地球の殖民惑星・ティノスは荒廃していた。そこに住む少年・ブルーは悪人たちによってぼろくずのように殺されるが、300年生きたという自己進化するロボット・ファッツと合体し、「サイバー・ビーイング」として蘇った!
超人的な力を手に入れたブルーは、ティノス星府の巨悪、4人の大元老に戦いを挑む。

ずっと前に買って、積ん読状態だった。それは全3巻だと思っていたら全4巻だったから……。赤兜2月22日のところで紹介されていたので思い出し、気を取り直して最後まで読んだ。
私の記憶に間違いがなければ、本作は原哲夫の「北斗の拳」の次の作品にあたる。大ヒット作品の次作は、ジャンプの場合その多くが読者が前作のイメージから脱却できないためかあまりヒットしない傾向にある気がする。本作もその例に漏れず、全4巻という比較的短い連載期間で終了した。たとえば「華の慶次」などに比べるとあまり記憶にない、あるいは「知っているけど内容は記憶にない」という人が多いのではないだろうか。

時期的には「ニューロマンサー」や「スキズマトリックス」といった、「サイバーパンク」小説が日本にも紹介された86〜87年から約2年後。同時期には「電脳警察サイバーコップ」という特撮ドラマも放映していた。要するに「サイバー」という言葉が一般に浸透してるかしてないかぐらいのときだ。新しいものを取り入れようという意欲は感じられる。
しかし、連載当初の印象としてはあまりにガックシなものであった。とにかく「300年生きたロボットと人間が合体する」ということ自体がよくわからない。
300年かけて自己進化したわりには、ファッツはあまりにも古くさい外見をしていたし、道具立てはいちおう新しいものを揃えているが、内容的には西部劇でも時代劇でも置き換えが可能。
また、「ブルー」のキャラクターもケンシロウに近かったので「二番煎じ」の印象を抱いてしまった。展開も、罪もない弱い人々を救うとか、強敵を「友」と呼んだりしてお互いを尊敬し合うとか、ほぼ「北斗の拳」と同じである。

では面白くないかというと、なんだか面白い。揃えた道具立てがリアルタイムではあまりに微妙だったが、そういうことを忘れ去ってみれば肩の凝らないエンターテインメントである。実は最近見たり読んだりしたものの中ではいちばん感動してしまった。
「道具立てを置き換えが可能」だということは、逆に言えば「何を描いても原哲夫」だということでもある。これほどまでに爽快に悪人をぶっ飛ばすマンガは、実は原哲夫以外いないのではないかと思っている。
思えば「北斗の拳」登場時に、すでに善悪が混沌となった永井豪の「デビルマン」は連載を終えていたのであり、大人向けアクション劇画もそのほとんどが「正義なんてものはない」というところから出発していたのであった。

他に勧善懲悪マンガとしてパッと思いつくのは望月三起也だけど、悪人が暴虐の限りをつくしてから主人公が反撃するまでに時間がかかる。その点、原哲夫のマンガにはほとんどストレスがなく、それでいて悪人はどうしようもなく悪人で、ものすごい勢いでぶっ飛ばされる。こんな爽快なマンガは他にない。

ただ、本作は「北斗の拳」に比べると少々淡泊なところはある。仲間の死の哀しみも、巨悪の悪さも少しあっけない。「巨大な十字架でヒトをブン殴る牧師」とか「巨大な十字架でヒトをブン殴る神像型ロボット」とか「ものすごい悪人だと思ったらものすごいいいやつだった傭兵」とか「美女の身体を玉座にしている元老」などのツッコミどころを、軽くスルーしてしまうのだ。
また、あれほど名言の揃っていた「北斗」に比べると、全編を通じての主人公のキメぜりふが「ファーック!!」だったりして、まああまり「ファーック!!」っていうのは流行らないし流行っても困ったと思うんですよね。そんなマンガでした。

4巻目を買ったら、2001年の段階で18刷もしてるんですよね。だからたぶん、半端な雑誌の人気作よりも部数としてはこっちの方が出てる。ただ、わざわざみんな言及しないという感じなのかなあ。冒頭に書いたことと矛盾するけど。
(04.0305)


【雑記その2】

アイドルから局アナ…平井理央(スポニチアネックス)

なんですと! あの「おはガール」だった平井理央がもう就職!! それも局アナ!!
昔、「東京オリンピックを知っているか知らないか」で私に世代間ギャップを感じていた年上の人たちを見て「下の世代に壁をつくっているのはお前らなんだよ!!」と何かイラッとしていたものだが、伊藤かなのときは何とかして受け入れたけど元アイドルが女子アナなんて、その是非はどこかに言っちゃってとりあえず自分がトシとったなあと悲惨な気持ちになるだけだよ。
まあ、前例としては吹田明日香みたいな人はいるんですけどね。「スター誕生!」出身のキャスター。

・先日紹介した「ベルサイユの時事録」って一瞬にして消えたな。どっかの書き込みで「着想は面白いけど実際書かれた言葉がぜんぜん面白くない」って書いてあって、少なからずショックだった。そうか。あれを面白いと思っていたおれってセンスないんだなあ。ほんとに「サマワか」、「サマーワ」か、って悩んだもんなあ。

・某作家の某日記サイトを見ていて、あまりの暴論に「こりゃ人間同士が言葉でコミニュケーションをとろうとしても本気で無理だということの象徴かもしれん」と、ため息。
「だめだこりゃー!」みたいな感じ。「いばっているやつがむかつく」と書いてあったけど、そういう発言に拍手している人もいれば、逆に「いばっているやつがむかつくと言っている人間が偉そうなのでむかつく」と思っている人もいるわけで、ここまでくるともう何が正しくて何が正しくないのかわからなくなってくる。イラストとか小説とか、それ自体で何かを表現するのではなく、他の表現作品についてコメントしたりすることに本気で虚しさを感じるのは、そういうどうしようもないディスコミニュケーションを目の当たりにしたときだ。
まあそういうこと書いている人はディスコミニュケーションなんて思ってないんだろうけどね。
(04.0305)



【ドラマ】・「NHKドラマ愛の詩 ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」第6回(2004、NHK教育)
【ドラマ】・「NHKドラマ愛の詩 ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」第7回(2004、NHK教育)
【ドラマ】・「NHKドラマ愛の詩 ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」第8回(2004、NHK教育)


公式ページ

2月14日、21日、28日放送。
ミニモニ。のそれぞれを主役にした3部構成のドラマの、第2部第1回(全体で第5回)から第4回(全体で第8回)まで、まとめて感想を書きたいと思う。
時は第1部からさかのぼって1974年。黒田美音子・通称ネコ(辻希美)は、三人姉妹の末っ子で家族からはおミソ扱い。しかし、ある日フォークシンガーの女性(ミカ)が路上で井上陽水の「傘がない」を歌っているのを聞いて感動。学校にフォークソング部をつくろうと思い立つ。
ネコはウソつき少年・大神、「どうせ……どうせ……」が口グセの紺野をメンバーにして練習を開始。家では練習の音がうるさいと怒られたネコは、謎の西洋館(第1部でドンキーが住んでいたところ)で練習を始め、現れたハーモニカを吹く幽霊(第1部にも登場)をなんとバンドの一員に誘ってしまう。

第2部も、第1部と同じ4話構成で、第8話で完結。第1部と比較しても、次の話への橋渡しとしても非常によくできたドラマだった。第5話(第2部第1回)のはっちゃけぶりから、第1部とは正反対のしんみりしたエンディングという構成はニクい。
74年当時の風俗も、面白おかしくお話に混ぜ込んであった。カップヌードルを食べているところに「カップヌードルが初めて登場したのは○○年」と解説が入ったり、ユリ・ゲラーのスプーン曲げが流行ったことが意外な伏線になっていたり。
考えてみれば、こういう優れたジュブナイル・ドラマ(って言い方はおかしいかな?→ジュブナイルとヤングアダルトについて(狂乱西葛西日記 99年10月26日))をテレビで見られるっていうのは本当にありがたい。

ネコの上のお姉さんに自立心が芽生え、下のお姉さんも進路を決意するなど、脇役がキッチリ描かれていたところもいい。とくに結婚してダンナさまに幸せにしてもらうことに何の疑問も抱いていなかった上のお姉さんに自立心が芽生えるところは、通俗的なドラマでは74年という同時代で描かれることはあまりなかったと思う。
もし描かれても、もっとドラマ内においてエキセントリックな存在になっていたはずだ(そういう意味では、主役の「ネコ」は少女ものの主人公としては70年代から現在までの流れではスタンダードな存在である)。

当たり前の話だが、そういう意味では本作は74年を舞台にしてはいるがきっちり現代的なドラマなのである。

辻さんには、「史上最もオーバーオールが似合うアイドル」の称号を与えよう。

第5回感想

(04.0305)


【ドラマ】・「乱歩R」 第7話「地獄の道化師」(2004、日本テレビ)

公式ページ

2月23日放送。
今回の原作は「地獄の道化師」。道化師が人を襲う話。ゲストは石川梨華。道化師に襲われるヒトの役。

前の話も録画はしているんだけど、正直見るのがめんどくさくなってきて、2話(→感想)からすっとばしてこの7話を見た。

まあ石川梨華が好きな人以外は見なくていい感じですね、正直言って。こんな推理クイズみたいな内容だったっけ? 地獄の道化師。
石川梨華に関しては、55分のドラマの中で6、7回悲鳴をあげ、2回気絶し、ロープに縛られて猿ぐつわかまされて、というコントのような薄幸っぷり。猿ぐつわかまされてる人なんて、テレビでひさしぶりに見たよ。薄幸梨華LOVE!! という人はある意味必見かもしれない。
ドラマ全体としては、以前見たとおりのコント感は否めず。これは、藤井隆、大滝秀司、筧利夫、岸辺一徳、そしてゲストの和泉元彌も石川梨華も、ほとんどすべての人が血中に「コント体質」を持っているからなのではないかと思う。それを本上まなみが醒めた目で見つめているような図式。
(04.0305)


【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第20話「バラバラになった友情」(2004、テレビ東京)

公式ページ

3月2日放送。
桐生先生が沙織の目の前で楓に告白したことにより、沙織と楓の仲に亀裂が。変なウワサがまたたく間に学校中に広まり、結木くんにまで冷たくされてしまう。あやしい行動をくり返す桐生先生の真意は……。

ずーっと「ミルモ」を見続けているが、今までになかったイヤ〜な話。「世界の危機」よりも「友達に誤解される」方が、このアニメではリアル。
(04.0305)



【雑記】ザ・めんどうマガジン2004

「めんどくさい大会やろうよ」「よせよめんどくさい!」というのはけだし名言だ。
なぜなら、どんなに世の中が変わっても「なまけ者」の地位だけは向上しないだろうから。
哀しいことです。
なまけ者やめんどくさがり屋が大手を振って歩けるのは、ギャグの世界だけなのかもしれない。

だいたい、「若い頃ダメだった」という人で後年大成した人の中で「なまけ者だった」という人はたぶんいないはず。
たわけ者だった織田信長だって、たわけ者だったかもしれないけど野山をかけめぐっているイメージがあって、決してなまけ者ではない。
「三年寝太郎」がいるだろうって?
バカなこと言っちゃイカン。

やつぁ「三年寝ているフリをしていて、実はめまぐるしく頭脳を回転させていた男」であって、こういう言い方は心苦しいが「偽善者」である。
(以上、導入部終わり。)

最近見たネット日記で面白かったのは、むかーし「『ラ・ブーム』を見ようと思ったら『マッドマックス2』が上映された」という話。
あ、「ラ・ブーム」っていうのはソフィー・マルソー主演の恋愛映画。私は見てませんが。ソフィー・マルソーっていうのは、たぶん白人では昭和四十年代生まれ以降の男どもに最もアイドル的に愛された女優。

……要するに「間違って映画館に入っちゃった」ってだけの話なんですが、そのネット日記の主人公が映画館に入った後も「マッドマックス2」と「ラ・ブーム」の二本立てだと思っていて、「マッドマックス2」をガマンして見終わった後もまだ「さあ、『ラ・ブーム』が始まるぞー」ってずっと思っていてもう一度「マッドマックス2」を見ちゃった、というところでゲラゲラ笑いました。
(以上、ラ・ブームばなし終わり。)

それと、今さらテレビ人形劇「プリンプリン物語」をときどき見ているんですが、面白いです。
面白かったのは、

オサゲ「それ何? 時計?」
カセイジン「磁石です」(方位磁石のこと)

(場面が変わって)
プリンプリン「それ何? カセイジン」
オサゲ「磁石だよ」
プリンプリン「なんだかおかしいわ」
カセイジン「これは時計です」
オサゲ「まぎらわしいんだよ!」

……というところです。「時計と方位磁石を間違える」というところからして、もはやこういう発想を持ってなおかつアウトプットできる人は日本にはそういないように思われる。

皮肉で言っているのではまったくない。本当にすばらしい。このように、全編に渡ってムダとしか思えない会話の積み重ねで実に刺激になる。

「オープンセサミ大魔術団の団長さん!」、「あっ、オープンセサミ大魔術団の団長さんだ!」などの長ったらしい繰り返しもすばらしいです。浦沢義雄を思い出したけど、昔の台本ってみんなこんなだったのかな。違うか。

「ヴィーナスエンジェル」、見るの忘れた。惜しいような惜しくないような。
(04.0302)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

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2月29日放送分。

「ハロプロLIVE2004SP」。安倍なっち卒業式のあったハロプロライブの模様を1時間半の拡大版で放映。
「さくら組」での高橋愛が歌いながらなぜか泣いていた。なっち卒業に対する感極まっての涙?
モーニング娘。は、全員ベンジャミン伊藤みたいな衣装を着ていたのだが、いちおうみんなヘソが出るか出ないかくらいに裾が短いんだけど、石川梨華だけ普通の状態でもヘソが見えている状態だったのが気になった(どうでもいい)。

安倍なっち卒業に関しては、すでにちょこっと書いたので書くことナシ。
ZYXの「白いTOKYO」はCD買わなかったけど、ライブで見るとけっこうイイ。何より矢口がすごく気持ちよさそうに歌って踊っていたのが良かったね。

このライブは紺野は風邪のため欠席してしまったんだけど、まあそういうことは気にしないでがんばってほしいと思いましたよ。
(04.0302)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第15話「恋する妖精」(2004、テレビ東京)

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1月27日放送。
修行中、ヤマネに危ないところをすくわれたサスケは、なんとヤマネに恋をしてしまった! そんなとき、ヤマネのパートナー・桃はヤマネの好きな妖精がサスケであると勘違いしてしまう……。

「ミルモ」は恋愛ばなしにシフトすると、ワンパターンが悪い方向に行って若干面白くなくなるんだが、ヤマネの本心を知ったサスケが自分が落胆しているのを見せずにヤマネに接するシーンは泣けますなあ。
(04.0302)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第16話「超危うし! ミモモショップ」(2004、テレビ東京)

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2月3日放送。
ミモモショップにライバル店出現。商売上手の妖精カモモがひきいるチェーン店、「カモモショップ」である。カモモショップに妨害工作をしかけられたミモモショップは、絶体絶命のピンチに追い込まれるが……。

「カモモ」ってのは何? 「ドンキホーテ」がモデルなのかなあ? いやカモネギが語源なのは当然としてさ。
ミモモ(ファンシーショップ店長)が再登場して拍手喝采。しかもいつの間にか赤ん坊を連れて……。さらに本当はオスかメスかもわからないんだってさ。
(04.0302)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第17話「大物妖精M、電撃婚約!?」(2004、テレビ東京)

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2月10日放送。2連発スペシャル!! の第1弾。
ムルモのためにマフラーを編んだパピィ。しかし、それをプレゼントしようとしたとき、ムルモが別の妖精と婚約することを知ってしまう……。

ムルモとパピィの「好き同士なのに会えばケンカばかり」のパターンは繰り返し描かれてきたけど、あまりにも極端に描きすぎて今ひとつ感情移入できないんだよね。
でも、ムルモの「婚約式」のクライマックス、婚約相手の女の子妖精と小さいお菓子を食べるシーンで、いざムルモがお菓子を口に入れる瞬間に画面が切り替わり、土砂降りのお城の外を走っているパピィがうずくまって号泣するところはやはりちょっと泣けたね。

「婚約式」で、出席者全員変なひまわりみたいな頭巾のようなものをかぶらなければいけない、というのが良かった。こういうのをいちいち拾っていかないと、なんだかだれも継承していかない気がするし。
(04.0302)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第18話「必見! 妖精が行く温泉の旅」(2004、テレビ東京)

公式ページ

2月10日放送。2連発スペシャル!! の第2弾。
妖精学校の修学旅行で、ミルモたちは温泉に。その頃、人間界では、楓たちは自分たちにとって妖精がどれだけ大切な存在になっているのかを感じていた……。

妖精のはしゃぎっぷりと、人間界での楓たちの寂しいようすが交互に描かれるという演出はイイ。が、何といっても作画がひどすぎないか? そういうのあんまり気にしない方だけど、ちょっとどうかと思ったなあ。
(04.0302)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第19話「ドキッ! 沙織だらけのデート大会」(2004、テレビ東京)

公式ページ

2月24日放送。
最近体の調子がおかしいと沙織から打ち明けられた楓は、沙織が桐生先生に恋をしていることを知る。楓は、沙織を応援するためにオープンしたばかりの「松竹雪の祭典スタジアム」に沙織と桐生先生を誘い、さりげなく二人きりになるようにし向けるが……。

全編通してのんきな展開が続くが、ラストと予告編でイヤなヒキ。
(04.0302)

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