つれづれなるマンガ感想文5月後半

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一気に下まで行きたい



・「トリックスター まじんポくん 別冊コロコロコミック 4月号」 石井達哉(2000、小学館)
・「COMICゲッチュ コミックび〜た7月増刊号」(2000、若生出版)
・「★みらくるミミKun」(3) うえだ未知(1990、小学館)
・「コミックボンボン6月号」
・「大道魔術師 少年ピエロ」(1) おぎのひとし(2000、小学館)
・「月刊コロコロコミック 6月号」(2000、小学館)
・「ショック・サイエンスR」(1)〜(2) あすかあきお(1998、99、アスペクト)
【同人誌】・「ぴあのno気持ち」(1)、(2)、(4)石川ひでゆき(1999〜2000、「みるく・きゃらめる」)
【同人誌】・「おもちゃの学校」(1)〜(3) カポカ(1999、「いろいろパピパピ」)
【同人誌】・「TEA TALK」 紅茶羊羹(2000、「大深海水淵亭」)
【同人誌】・「オブチといっしょ」 滝季山影一(2000、「滝季山影一国際騒動局」)
【同人誌】・「隔絶地帯」 粟岳高弘(2000、「あわたけ」)
【同人誌】・「GARDENERS」 南研一(2000、「PARIKING?」)





・「トリックスター まじんポくん 別冊コロコロコミック 4月号」 石井達哉(2000、小学館)

2カ月も前の雑誌を持ってきてその感想を書くのはインターネットの情報の即時性としてはまったく的ハズレだとは思うが、本作は連載だと思っていたら読みきりだったので仕方なく前号を取り上げることにする。

コロコロコミックはホビーものやスポーツものなどには一定のフォーマットがありコンスタントに面白い作品が出ているのだが、ギャグ作品については明らかに小さい子向けのもの(だから悪いと言っているのではない。ただどうしてもマセた子や大人にはゲラ笑いできにくいもの)の他には、藤子不二雄作品や「おぼっちゃまくん」以外に独自のフォーマットはないように思う(というより、小さい子向けの作品が主流ということだろう。「つるピカハゲ丸」のように)。

そんな中、異色ともいえるほどにすっとんだ展開を見せたのが本作だ。
トリックスターこと「真字田まじんポ」くんが転校してきて、マリコの家に起こった怪事件の謎を解くという本作、推理モノのパロディだと思うが、種明かしがちっとも種明かしになっていない発狂した不条理マンガになっている。
たとえばまじんポくんの登場シーン、巨大なカップめんを逆さにし、それに乗って登場するが、この「種明かし」が、「カップめんの入れ物を使ったホバークラフト」の工作の原理を教えてくれるだけで、「巨大なカップめんの入れ物が人体を支えるほどの強度をどう保つのか」という根本問題には何も触れてくれない。

同級生のマリコが遭遇した怪事件も、「勉強やめるべし!」と言いながら二宮金次郎が自宅に入ってきて、薪を投げつけながらドロドロと溶けていく、というまさに怪事件。だいたい、マリコが二宮金次郎を尊敬しているという設定も妙だし。
この種明かしも、「種明かしのトリックが解明されずに(ということは結局解明されていないということなのだが)」終わってしまい、みんなが納得してしまうという奇怪な結末となっている。

ギャグマンガを奇怪と表現するのもアホらしいが、おそらく「推理モノのパロディを」という基本コンセプトがあったにも関わらず、パロディでも何でもなくなった爆発した展開になっているところがミソなのだろう。もともとこの作者はものすごく大雑把に言えば吉田戦車とか和田ラヂオとかが好きそうな、すっとんだギャグマンガ家らしいのだが、プロットらしき芯が通っているために予想以上の不条理性が出てしまっている。

同誌の「つるピカハゲ丸21」(のむらしんぼ)にも推理モノのパロディが載っているが、こちらも破綻していてパロディでも何でもない(不条理というより志村けんのコント的)。さらに高野聖ーナの「コロコロ超常現象調査団 CCC」も「MMR」のパロディなのだろうが、破綻しきってメチャメチャ。
ピカチュウ星のカービィに何となく隠れてはいるが、この号はよくよく読むと非常に奇怪な作品が揃う結果となった。
(00.0531、滑川)



・「COMICゲッチュ コミックび〜た7月増刊号」(2000、若生出版)

成年コミック雑誌。執筆者はマンガ家としては豹高ユキ、桜月マサル、寿ねね、小田先輩、蜜麻呂、若松智、梅村ゆず、萩月光、白石美玲、美女木ジャンクション、たねいち。

「写真MIX恋愛体験コミック」、「素人娘ナンパ生録りCOMIC」と扇情的な惹句が並ぶ表紙。素人娘をナンパしてHしてしまう「実録マンガ」というのは珍しくはないし、成田アキラなどが有名ではないかと思うが、「写真MIX恋愛体験」というのがミソ。つまり、いろいろな女の子と出会ってからHに至るまでの過程が、「マンガと写真の組み合わせ=写真MIX」によって構成されているという私の知るかぎりでは超画期的な手法を取り入れているのだ。

つまり、女の子が登場してくる、コレは写真。しかし同時に彼女の似顔絵……というか彼女をイメージさせる女の子をマンガ家が活写。そしてちょっと話をしたり、一緒にケーキを食べたり、そういうところも要所要所は実写で、それ以外はマンガで……というふうに実にクルクルと切り替わりながらお話は展開する。
中には写真の顔の目元の部分がすべて隠されている(投稿H写真風に)作品もあるので、マンガの絵から素顔を類推してみたりとか、そういう楽しみもあるわけだ(実際巻末に投稿風H写真アリ)。

しかし、読んでいくと「実写の女の子」と「マンガの女の子」、同一人物とはいえ違う顔が出てくることになるし、実写とマンガ、どこか「カワイイ」と思うツボが人間心理の中で違うとも思うので、やはり読んでいてとまどう。Hシーンも、実写のコ、マンガのコ双方が演じてくれているとなると、どちらを見ていいのやら? とも思ったりしてしまう。

ともあれ、今までこういうのもしないとしたら、「ナンパもの実録風マンガ」や「ナンパもの写真入り記事」、あるいは写真をマンガのコマ風にわりふった企画モノをすべてMIXしたという点でイカス実験作だと思う。

むかしから「写真を使ったマンガ」って妙に心に残っていた。久住昌之の「写真四コマ」(買っておけばよかった……)をはじめ、リカちゃん人形を使ったもの、中川いさみもやっていた。今関あきよし原作、アイドルの浅倉亜季を起用しての写真マンガ、そして寺沢武一のCGを駆使して主人公だけを本物の美女に設定した「GUNDRAGON Σ」、さらに「ガンプラ甲子園」ではCG技術の延長としてホンモノの改造キットをマンガと合成させるなど、「マンガと写真」っていうのは得も言われぬ不思議空間が構成される、マンガ界の忍者谷(なんだそりゃ!?)のような存在だと個人的には思ってます。
(00.0530、滑川)



・「★みらくるミミKun」(3) うえだ未知(1990、小学館)

小学館の学年誌連載。満月になると、ネコ耳と不思議なパワーが出る女の子・香月みみと、人間の少年日比野つとむ(トムくん)とのさわやか学園ラブストーリー。

カワイイ〜。心が洗われる〜。むかしは「少女マンガ」というとこういうのの連想をしていた私であった。作中本当に「ミミkun」と呼ばれているのもカワイイ。

そしてなぜコレを購入したかというと、数少ない「女子向け」ファミコンマンガ、「ファミコンまりクン」が収録されていたからなのだった!!(衝撃的事実)

同作は「ちゃお」の別冊ふろくだったため、収録単行本をゲットする以外読むことができないのでした。
(00.0529、滑川)




・「コミックボンボン6月号」

・「新世紀ロボ ヴァーズX」(あおきけい)
先月号から新連載。「アイディア対決ロボットコンテスト」的なロボットをモチーフにしたバンダイのおもちゃ、「VARSX」のマンガ。

「VARSX」は有線式リモコンの、メカっぽいフォークリフトといった体裁のロボット。ロボット大好きの主人公大木リフトが、VARSXの試合に挑むという話だが、コレの製作者が「火星での作業用ロボットのパイロットを探すため」にそのミニチュアとしてヴァーズを開発したという設定が面白い。
第1話にはVARSXをバカにするRCマニアが登場、第2話では人気とりのためにVARSXを動かすアイドルが出てきて、リフト少年の熱さに感動する。
熱い。要注目。

・「激釣人(げきちょうじん) ランカれ! ボーズ」(まんが:はやさかゆう、原作:大和海人)
バス釣りマンガ
主人公・ボーズ(黒鱒坊主)、「メガヘボ」と言われるくらいバス釣りがヘタな連内(つれない)ユータ、5年生ナンバーワンの女の子ミノリの3人がケンカしながらもさまざまなギミックのある釣り場でバス釣りに挑む。「ルアーになったつもりになって水中をイメージして釣る「バーチャイン」というのが面白い。

しばらく読んでいなかったがたいへんに熱い物語になっていた。熱い、熱いぜ熱血だぜ!!

・「仰天人間 バトシーラー」(まんが:立迫文明、原案・設定:うえだ いたる)
ぶっちゃけた話、「ビックリマン2000」のような明治製菓のシール付きチョコ、仰天人間 バトシーラーのマンガ化。ぱちもんぽいが、「ゴルコギャル」という「妖怪ゴルゴンとコギャルが合体したキャラ」など出てきてなかなか面白いっス。

・「ミクロマンレッドパワーズ」(松本久志)
途中から読んで話が見えないが、多分面白いと思う。

・「格闘料理伝説ビストロレシピ」(原作:芦田俊太郎、まんが:津島直人)
ワンダースワンゲームボーイのゲームソフトのマンガ化。
ファンタジーっぽい世界で、「美味しいものを際限なく与えることで人の心を支配する」、「美食世界征服計画」をたくらむビショッカーを倒すため、優秀なビストラーとなるべく修行する少年ゼンの物語。

「フードン」という料理をマンガチックにしたポケモンみたいなキャラを使って戦うらしいが、ちゃんと料理対決もやっていて、ものすごく駆け足ながらきちんと料理のうまい不味いに理由付けがなされている。そしてまたその対決や友情の描き方も非常に熱い。こりゃ燃える。

女の子の描き方がナニゲにHなのもイイ。
(00.0529、滑川)



・「大道魔術師 少年ピエロ」(1) おぎのひとし(2000、小学館)

別冊コロコロコミック連載。「魔法のメイク」をした不思議な大道芸人・ピエロくん。彼は根性が悪いために人形になってしまったサイジョーさんとともに、旅をしながら大道芸を続けていく。
「魔法のメイク」をすると、だれでも芸がうまくなって人気ものになれる。ピエロくんはそんな「大道魔術」を使う一族の一人だった。あるときは芸で、あるときは魔法で、人々の心をなごませ去っていくピエロくん。

大爆笑を誘う「ギャグマンガ」も素晴らしいが、それ以外の「笑い」となると一挙に「おもしろくやがて悲しき」になったりとか、「泣かせ」というとまっすぐにタイトル忘れたが主人の見つからない犬の絵本になったりする昨今。「おじゃる丸」の「そこはかとない笑い」などを感じてなんとなくホッとしたりする。で、本作はもっと「笑い」も「涙」も抑えているというか、激しい感情は誘わないがどこかほのぼのとした気持ちにさせるマンガ。

各話の間には、西洋の大道芸についての解説が載っているところがちょっと面白い。ピーター・フランクルのやってる箱の芸、「シガーボックス」っていうんだな。

(00.0528、滑川)



・「月刊コロコロコミック 6月号」(2000、小学館)

ひさしぶりに読んだ月刊コロコロコミック。安定した人気のポケモンのほか、ビーダマン、マジック・ザ・ギャザリングなどのカードゲーム、ゾイドがホビーでは盛り上がっているか? ハイパーヨーヨーはどうなってんだろ。わからん。それ以外も、膨大な数のホビーが紹介されているが、私のトシのせいもあろうがソレがゲームなのかおもちゃなのかフィギュアなのかなどがパッと見よくわからないものが多い。
期待のニューホビーについては、マンガとからめて紹介。

・「デュエル・マスターズ」(松本しげのぶ、テクニカルアドバイザー:中村聡)
カードゲームマンガ。連載当初は最近のマンガには珍しく絵がおぼつかない印象だったが、現在は達者になってきている。なんというか「近頃のジャンプ系」な絵柄だ。
内容は、次々と敵を倒していく「死亡の塔」みたいな話になっている。

・「音速バスター DANGUN弾」(てしろぎたかし)
「グランダー武蔵」の作者が描いている。タミヤが売り出そうとしている車のおもちゃ「DANGUNレーサー」のマンガ。
しかしマンガ内では現実に人間が搭乗するマシンが存在し、さらにそれのバーチャルマシンに乗って子供たちがレースするというややこしい設定になっている。

・「爆球連発!! スーパービーダマン」(今賀俊)
あいかわらずめちゃくちゃに面白い。本作と「超速スピナー」がマンガとしては群を抜いて面白い。これらがタイアップのホビー製品の売り上げにどの程度貢献しているのかは知らないが、とにかく関連製品の人気がなくなってもまだまだ続けてほしい作品。

・「K−1ダイナマイト」(監修:石井和義、漫画:坂井孝行)
K−1にからめた空手マンガ。年端もいかない少年たちが肉弾戦を繰り広げるという時点でムリがあるというか「いいのかなー」と思わせ続ける作品。近頃読んでいなかったが、「仲間を攻撃しケガをさせ続けた少年が主人公と沈みゆく船の中で最後の決戦をする」というクライマックスはなかなか盛り上げる。でもやっぱりなぁ。こんだけ悪いことしてきたやつが、この程度で許されちゃうの? とか疑問に思うんだけど。

・「GET THE GOAL!! 4V4嵐」(こしたてつひろ)
「4V4」という、「おはスタ」でもやってる(んだっけ? 忘れた)4対4のミニサッカーのマンガ。「ヘンな球ほど蹴りやすい」という主人公がちょっと面白い。

・「超速スピナー」(橋口隆志)
読み出したらやめられない。しかし「ポルックス」という(途中から読んだからよくわからんが)超人みたいのとヨーヨー対決し、だれかが負けるたびに人質になっている女の子が電撃を食らわせられるというヒドい展開になってた。このマンガ、最初っからトバしてたが最近ますますすごいな。

(00.0526、滑川)



・「ショック・サイエンスR」(1)〜(2) あすかあきお(1998、99、アスペクト)

ワンダーライフ掲載。初出は1988年頃か。
マンガ家で超常現象研究家のあすかあきお(作者と同一人物?)が、弟子のサイ九郎とともに世界の謎を解くというもの。「ショック・サイエンス」(こちらは未読)が好評だったので、R(リターン)として復活したようだ。

「恐竜は全身に毛がはえていた!」とか「ムー大陸は沈んだのではなく、古代の巨大大陸パンゲアだった!」とか「ノアの大洪水は月の中の水分が引き寄せられて地球に落ちてきたから起こった!」などのトンデモ仮説を主人公のあすかあきお(しかし写真とぜんぜん似てないんだよな……体形そのものが違う)がブチあげるというパターン。この連載は「トンデモ本の世界」でも取り上げられている。

そのトンデモ仮説やエンタテインメントとしての総合評価は「トンデモ本の世界」に譲るとして、私個人としては本書はこのテのモノに定番の陰謀論的展開や、人類に対する警告と銘打っていたずらに小学生を驚かす要素は「マンガ的おもしろさ」の範囲内なので、「MMR」よりは好感が持てた。
2巻のあとがきには「怪獣図鑑」などで有名な編集者・大伴昌司へのリスペクトが綴られている。大伴昌司の編集者的手腕というよりは、彼の特集するモノの「胡散臭さ」に対する愛着のようなものが書かれており、マンガ家あすかあきおが大マジメな警鐘家ではなく「エンターティナー」を名乗っているのも納得が行く。
さらに「トンデモ本の世界」で「既存の仮説の組み合わせにあすかあきおの面白さがある」とあったのを意識したのかしないのか、自分のことを「特許から実用新案をつくるようなもの」と評しているのも面白かった。
(00.0519、滑川)



【同人誌】・「ぴあのno気持ち」(1)、(2)、(4)石川ひでゆき(1999〜2000、「みるく・きゃらめる」)

ひょんなことから悪魔の使いブクラフと、アーマーを身につけて戦わなければならなくなった美少女・ぴあのの活躍を描くちょっとHなコメディ。
毎回東映特撮のパロディっぽい展開で単純に楽しめるし、とにかく女の子がカワイイ。なぜウチに3巻がないのだろう……売り切れて買い逃したのかな???
(00.0517、滑川)

石川ひでゆき氏のホームページ



【同人誌】・「おもちゃの学校」(1)〜(3) カポカ(1999、「いろいろパピパピ」)

おもちゃのロボット(3巻までで名前が決まっていないというのはスゴイ)が小学生のつとむくんと遊んだり何だりする「ドラえもん」とか「オバQ」系のギャグマンガ(「ギャグマンガ」というよりは「ゆかいマンガ」といった方がいいかもしれない)。
過剰にかわいくしようとか、ほのぼのさせようとか、イイ話にしようとか、笑わせようとか、たぶんそういうことは作者は考えていないんだろうと思う。でもなんとなく楽しい気分になる、それが「ゆかいマンガ」(夏目房之介の本に書いてあった言葉だけど用法は違うかもしれん)。めちゃくちゃ達者ってわけじゃないが、それが味になっている。 (00.0516、滑川)



【同人誌】・「TEA TALK」 紅茶羊羹(2000、「大深海水淵亭」)

女の子の、日常のなんてことない会話とか行動から物語をつくっていく。しかも数ページで。そこにはおバカな話もあるし、なんつーか人生の機微みたいのもある。
線は柔らかくてマンガ自体も優しい感じでステキ。うーんすごいなあ。ぜったいまねできないなあ……。
(00.0516、滑川)



【同人誌】・「オブチといっしょ」 滝季山影一(2000、「滝季山影一国際騒動局」)

タイムリーすぎる政界パロディ。「どこでもいっしょ」やニュースステーションのパロディ? などを収録。この森総理の顔、凶悪だなあ(笑)。7月に加筆のうえ再発されると書いてある。いろいろ状況も変化すると思うのでそのアンサーがまた楽しみ。(00.0516、滑川)



【同人誌】・「隔絶地帯」 粟岳高弘(2000、「あわたけ」)

一見、典型的な地方都市が実はたった一人の超能力少女の存在のために抹殺も解放もされず、そこの住民ともども外部から隔離されている、という、「あわたけ節」とも言うべき世界を描いている。その超能力も「無限に増殖する分子機械、および微量の固定された反物質」を実体化できるというもの。

つまり先端科学から想像を膨らませたシミュレーション、というまっとうなSF的ワンダーを持ち合わせているということで出だしは盤石。話は途中まで。
ただしさすがにちょっとお話がわかりにくすぎるときがあるので、今後少しだけわかりやすくしてもらえるとありがたい。(00.0516、滑川)



【同人誌】・「GARDENERS」 南研一(2000、「PARIKING?」)

「庭」をイメージしたファンタジックな世界を描く。作者あとがきに「こういう漫画にはやっぱり迷いの無い、直球のギミックがあった方が楽しい」と書いてあるけれど、確かに象徴が少しぼやけすぎている感があり、もうちょっとはっきりした部分があればな、とは思いました。そここそがファンタジーやSFのむずかしいところだとは思うんですけれども。
最近私が買っているこの作者の作品とは多少が毛色が違っており、作風を変えながら作品を発表し続けるというのは素晴らしいと思うのだけれど。
基本的には好きです。
(00.0516、滑川)

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