◆ 1998年3月前半 ◆

3/1〜15
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3/15(日)……花よスミレよ蝶々よ

 俺はNIFTY SERVE(以下NIFTY)の漫画系フォーラムの会議室でも発言しているし、ホームページも作っている。だが、最近俺的にはNIFTYの会議室に発言するのがおっくうになりつつある。要するに読んだ漫画についてはこっちにも書くので、二度手間になってしまうのだ。そんなわけで、NIFTYとインターネットの兼ね合いについて考えることが多くなってきた。これについてはいろいろといいたいこともあるので、一文をものしてもみたのだが、けっこうクドくなったのでボツにした。そんなわけでここでちょっと要旨を簡潔にまとめておくことにする。
 現在、NIFTYの会議室とインターネットのホームページを比べると状況的にはどっこいどっこいかなとも思うのだが、NIFTYで発言しても昔みたいにレスポンスがサクサク返ってこなくなったというのはちょっともの足りない。どっちがいいかはいろいろと見方があるけど、NIFTYよりもインターネットのほうが、「何かやってやろう」というやる気がある人が多いのはたしかだと思う。NIFTYで活動している人は、システムの閉塞性も重なってかやる気なさげな感じで、元気のなさが目立つ。まあ、これはフォーラムにもよるのだけど、俺のよく行く漫画フォーラム(FCOMICS)はそんな感じが強い。
 あと、絶対的な利用者の数が増えたとしても、パワーのある発言者がだいぶインターネットに流出してしまったというのがNIFTYにとっては大きい。ホームページ作りってたしかに何から何まで自分でコーディネイトしなくちゃならないから面倒だけど、パワーのある発言者はいずれ自分で解決してしまう問題なんだよね。そういったデメリットよりも自分の好き勝手できるというメリットのほうがデカい。
 最近のNIFTYを見てて気づいたのだが、有益な情報というのは、実はかなり数の限られた特定のパワーある発言者たちによって、そのほとんどが送り出されていたようだ。一見にぎわっているかに見えても、実は本当に役に立つ情報を発していたのは数人で、彼らがいなくなるととたんに内輪受け&馴れ合い的な発言が幅を利かせるようになってしまう。なんとなく寂しいことではある。

【雑誌】快楽天星組 Vol.2 ワニマガジン
 本当は16日発売だけど、早売りのお店でゲット。本誌で連載が始まったばかりのOKAMA「せんたくき」の番外編、「かいじゅうとあそぼう」が早くも掲載されている。本編と番外編の回数が同じという、なかなか奇妙な現象。「せんたくき」のほうがまだどんな感じになるのかつかめていないので、この番外編も評価しにくい。うまいことはたしかなんだけど。また、快楽天本誌連載のぢたま某「Super Love Potion」の第6話がなぜかこちらに掲載。コンビニ規制の影響のせいでエロ度が強い作品を書店売りの星組にまとめようとしたのか、はたまた星組の売り上げを強化するために本誌の人気連載を回してきたのか。たぶん両方なんだろうと俺は思う。全体的に本誌より、こっちのほうがHで元気な感じがする。
 星組前号からの続き、時坂夢戯「乳漫TURBO」は今回もバカバカしくて非常にいい。随所に埋め込まれたギャグ、デカ乳へのこだわり、くだらない展開。サイコー。RaTe「精なる薫り」は精液の臭いで欲情するお姉さんのお話。これまたくだらないけど、いやらしくて良かった。
 上連雀三平「飲尿女神」は相変わらずの開き直った展開で飛ばしている。おもしれえ。嶋真介「Family Talk」は「ARMS」「SPRRIGAN」の皆川亮二に似たタッチ。話も親子の絆を描いてなかなかの出来。うらまっく「悪魔っ娘」は悪魔になっちゃった、っていうかコスプレしているみたいな娘がなかなかかわいい。G=ヒコロウ「私とマタドールとこの部屋で」はテンポのいい、下らないギャグ漫画。読んでて楽しい。あとは、久我山リカコの「夜空のムコウガワ」がうまい。外聞を気にしてエロ漫画を描くかどうか迷っているアシスタントの青春ストーリー。外聞をとるか、漫画家として生きる道をとるか。なんか身につまされる話。その一歩が勇気がいるんだよね。前に進んだほうが後悔しないだろうということは分かっていても。

【雑誌】Zetuman4月号 笠倉出版
 咲香里「太陽が落ちてくる」が、少女の切ない心のうちを描いていてなかなか読める。単行本でまとめて読みたい作品。ZERRY藤尾「家に帰る道」はアングルとか映画的でなかなか気持ちいい画面作り。面白い。最後のオチはちょっと……って感じもするけど。この雑誌にもG=ヒコロウ。こっちもノリが良くて楽しい。

【単行本】「奇相天覚」全2巻 高山和雅 講談社 判型:A5
 古本屋でゲット。わりと見ない本なのですかさず保護する。内容は天覚という修験者のような主人公が、現代に復活した鬼と戦うという物語。鬼は地脈を操り日本、そして世界を我がものとしようとするという、ちょっと「帝都物語」っぽい展開。そして、これに役行者やら何やらの日本の神話に見られる、伝奇・オカルト的要素が組み込まれていき、スペクタクルに話は展開する。なかなか面白かった。

【単行本】「蝶々のキス」 片岡吉乃 集英社 判型:新書判
 OHP掲示板の常連である黒川さん、昨日お会いしたサークルの人といった信頼できる漫画読みの人たちのオススメだったので購入。実は出たときから気になっていて買おうかどうか迷っていたのだけど、ちょうどうまい具合に背中を押された感じ。
 で、これはたしかにいい。コマ割りや画面構成もうまくて気持ちよく読めるし、ストーリー、絵ともに上質。少女のサンチマンタリスムがうまく描けている。というわけで当たり。

【単行本】「ファイナルファンタジー」 海明寺裕 判型:A5
 いずれ海明寺裕のコミックスリストを作ろうと思って購入。あとは「ルナティック・ルナ」を買うだけだ。ここらへんは古本屋でわりとよく見かける本なのでそんなに苦労しないでも見つかるだろう。ちなみにこの漫画の内容自体は全然面白くない。海明寺裕は三和出版から出ている、SM系漫画4冊が今まで出た単行本の中で一番出来がいい。あと、読切でヤングパラダイスに掲載された「虚構列伝」という、「栄光なき天才たち」のうそんこ版みたいな短編がまた素晴らしかったりしたのだ。


3/14(土)……類は友を呼び、風は嵐を呼ぶ

 今日は、かなり濃いメンツで呑んですごくいい気分だった。今度、コミティアの常連のとあるサークルで漫画レビューのコーナーを執筆することになり、その打ち合わせに出かける。といっても実は呑んで話すというのがメイン目的だったりしたのだが。そのサークルの人、それから同コーナーで執筆予定のoutdexのムネカタさん、あと俺の兄貴プラス俺の4人で飲みながら漫画談義にふけりまくる。
 やっぱり濃い人と話すと際限なく濃い話題に突き進むので非常に楽しい。ネットやってるとこうして濃い人たちとひょんなことからお知り合いになれてうれしい。普通に仕事やって暮らしているぶんには、濃い人脈ってなかなか広がらないし、身の回りにそのレベルで話できる人ってまずめったにいないからなあ。

 ところで、山下博行という名前に心当たりがあるだろうか。俺が1/24の日記でベタボメした、アフタヌーンの四季賞を受賞した漫画家さんだ。この人がすごく意外なところに登場している。日経ベストPCというパソコン雑誌の4月号だ。p.96から始まる「春の新モデル46機種の実力」という記事の中でイラストを描いている。企画モノなので、山下博行の個性は全然出てないけれども、「まだ売れてない漫画家さんてこんなところでも仕事しているんだなあ」と感慨深いものがある。頑張れ、山下博行!

【雑誌】コミックビンゴ4月号 文藝春秋
 池上遼一が巻頭カラーでフルカラー漫画。タイトルは「クリスタル・アイ」。なんだかわけの分からない展開だが、美術面は非常に美しい。作:宮本輝+画:土田世紀「春の夢」は次号で最終回。行き場のない暗さがなかなかいい感じだったけど、意外とあっさりと終わりそう。
 そして比古地朔弥「神様ゆるして」も次号最終回。いつもながら読ませるなあ。絶対単行本にしてほしいぞ。こちらは今号で最終回。鴨川つばめの「塩味チーズ味」。全編大ゴマと年表というすごい作り。漫画であることをすでに放棄しているかのようでもある。もちろんいつもどおり痛々しい。だが、これはこれで一種奇妙に胸に迫るものはある。来月からこの痛々しさがなくなるというのはちょっとホッとする。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル新人コミック大賞増刊号 小学館
 毎年けっこう楽しみにしているこの増刊。やっぱり新人の作品を読めるのはうれしいやね。でも、今回のはちょっとレベル低めかな。武富健治の載った2年前の号はすごく良かったんだけど。
 巻頭は谷口ジローの新人時代の作品(昭和49年)を再掲載。今の線の細い脂っ気のない絵柄ではなく、なんとなく堂上まさ志とか加藤唯史みたいな感じの骨太なタッチ。谷口ジローにもこんな時代があったんだなあ。
 で、新人の漫画だが至高道紀「かみさん」は絵も話もまあまあ。中学校時代のクラスメートと再会し、少し心ときめきながらも淡々と過ぎていく、ヒロイン・りんの日常を描いている。あとは森直子「すず子go!」が素直な作風でそこそこ読めるって感じ。

【雑誌】モーニング 3/26 No.15 講談社
「天才柳沢教授の生活」(山下和美)が掲載。いつもながらきっちり見せてくる。素直に面白い。「変體累ヶ淵NAKED」(作:杉元伶一+画:米餅昭彦)は素子先生が真一の前に。妄執の強まりがいい感じ。水絵はなんか可愛くなってるけど、やっぱり呪い殺されてしまうんだろうか。
 フルカラーのCGコミック、「おしえてももん」(檜山晃一)はCGを使った漫画としてはなかなかいい出来なんじゃないかと思う。写真とCGをうまく織り混ぜて、漫画の中で生かされている。すごい面白いってほどじゃないけど、なかなか楽しめた。
 今週の「ブル田さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)は盛り上がった。ヒルトンが男を見せる。そして次号は白石の出番か。楽しみだ。

【雑誌】ヤングアニマル 3/27 No.6 白泉社
「ベルセルク」(三浦建太郎)はロスト・チルドレンの章が完結。気持ちいい終わり方だった。二宮ひかる「ナイーヴ」はなかなか好調。自然な感じでスルリスルリとすり抜けていく感じ。そんなにHな絵じゃないんだけど、静かな色っぽさがある。
 そして、「ふたりエッチ」(克・亜樹)はまたしてもなんにも考えていなさげで頭の軽いHな展開。下らなくって心が和む。「エアマスター」(柴田ヨクサル)はスピード感があってかっこいい。痛快アクション。「拳闘暗黒伝セスタス」(技来静也)はセスタスvs.ルスカの戦い。けっこう燃える展開だ。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/26 No.15 集英社
 いつもながら読むところが少ない雑誌だが、今回は「サムライガン」(熊谷カズヒロ)がいやらしい展開で良かった。女の子の描き方がいろっぽくていい。男のほうがもうちょっとって気もするけど。あとは「ゴルフ19」(みやすのんき)。毎度馬鹿馬鹿しい展開。「体温にふれて10分たつと蒸発し始めるドレス」……。うーん、「やるっきゃ騎士」とかを思い出してしまう都合のいい服であることよ。


3/13(金)……DANG KONG

【雑誌】少年チャンピオン 3/26 No.16 秋田書店
 なんとなく今号は全体的にテンション低めのような気がするけど、気のせいかな?
「オヤマ!菊之助」(瀬口たかひろ)は生徒会長編が終了。やってることはやってるんだけど、あんまりいやらしくないような。コメディベースだからかな。けっこう面白いのでちゃんと読んでいるが、そういえば日記ではあんまり触れたことなかったな。
「大介ゴール!」(馬場民雄)はサッカーは古いと思うんだけど、面白い。今や、「走らないゲームメーカー」って、世界的にも消えつつある。でもやっぱりいるとかっこいいんだよね。
「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。ネオ・ヒュームのゴードンもバロン・ゴングも、共に「男」って感じでかっこいい。この二人の対決は楽しみ。「東洋妖人伝 用心棒」(いとう杏六)は今回も面白かった。なんか単行本が欲しくなりつつある。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/1 No.7 小学館
 六田登「シネマ」はもっともっとダークな方向に進んで欲しかったんだけど、そうはなりそうにないなーって感じ。でもこれはこれで読めるので、まあ良し。これからの展開に期待。「演歌の達」(高田靖彦)はいつも面白い。わりと脂っこい人情モノなんだけど、気持ちよく読ませてくれて俺は好きだ。単行本1、2巻を買おうと思っているのだがなかなか見当たらない。やっぱり3巻発売時の増刷待ちかな。

【雑誌】漫画クリスティ 4月春号 光彩書房
 実はこの本を買うのは初めて。なかなか置いてあるところがないし、季刊ということでいつ出るのかよく分からないというのがその理由だった。で、読んでみたけどなかなか濃くていい。巻頭カラーの友永和は好きな作家なんだけど、今回はそれほど面白くなかった。そういえば「MOMONE」ってOVA化されていた。友永和がアニメになっちゃう時代なんだなあ。
 で、なんといっても良かったのがみかりん「アニキと私の事情」。足りない系の兄を妹がなぶるって感じの近親相姦もの。だらだらと口からヨダレをこぼして、「あーっ」「うーっ」とわけの分からないうなりをあげながら妹にSEXをねだる兄貴があぶなすぎ。しかも冒頭ではおもらしして、体育座りしながら泣いているのだ。うわー。
 DAPHNIA「リンク」もいい。この人の描く手足の細い少年少女は、ちょっととっつきにくい絵柄だけどすごくいい。フリルヒラヒラなところも偏執的なところがあって好き。沙村広明のイラストレーション3枚もかっちょいい。そしてヤベエ。沙村広明が描いていると聞くと、わりと普通の漫画ファンも欲しくなっちゃうだろうけど、エロ系の専門店に行かないとなかなか手に入らないと思う。俺はアキバのコミック虎の穴で手に入れた。

【雑誌】フラミンゴ 4月号 三和出版
 そして、クリスティよりもさらに濃い、開き直ったSM漫画誌フラミンゴ。「BONDAGE&DISCIPLINE COMIX」と表紙でうたっているだけあって、前からその濃さには圧倒されていたのだが今回は駕籠真太郎も描いているということで買い。でもしろみかずひさが載ってないのはちょっと残念。
 巻頭カラーでTAGROが多乳少女や単乳少女などを描いている。この人ってこんなのも描く人なんだねえ。海明寺裕「volunteer Breeding」は今回で最終回なのだが読むのはガマンした。これは単行本でまとめて読みたいのだ。
 1ROO「欲情変体乳子(前編)」はお腹の出っ張った、なんかものすごくヘンな体型をした少女が変質者に犯されるというものなのだけど、服の下にある身体がどんなのかは次号で明かされる。なんか次号も読みたくなってきちゃったじゃないか。
 白井薫範も単行本待ち。蜈蚣Melibe「狼になりたい」はなんだかキャラクター達が怖い。すごくヘンな表情している。駕籠真太郎「日本戦争後秘話」は、戦時中の勘違いのせいで住民のほとんどが食便愛好家になってしまった県について描いている。相変わらずのシニカルで底意地の悪い笑いがたまらない。ラストのオチもやられたーって感じ。さすが。
 そして北原武志「FRIEND」もかなりキている。主人公が親友とワンセットでイジメられまくるという話なのだが、同級生の陰湿なイジメがどんどんエスカレートしていきかなりくわーっとくる。毎日、メンソレータムの容器にいっぱい愛液を集めてくるという宿題を出され、2時間がかりくらいでようやく集めて持っていったら、今度はそれを親友の分と交換し、鼻の穴に塗り込め乳首にすりつけ悪臭にまみれたまま授業を受けさせられるなどなど。どんどん追い詰められていく少女たちがすごく悲惨。しかも、まだまだ続きがあるってのが恐ろしい。こえー。
 いやー、本当に隅から隅まで濃い。読み切るには精神力がけっこう必要。ある意味、H漫画雑誌ではNo.1のクオリティかもしれない。ここまで徹底していれば立派。毎回買うのはキツイんだけど、けっこう好きなんだこの雑誌。ここにしか行き場のない、ある意味「選ばれた」、まさに描くべき人が描いているって感じ。

【単行本】「UFO」 町野変丸 三和出版 判型:A5
 町野変丸のページを参照。

【単行本】「アナル・ジャスティス」 上連雀三平 フランス書院 判型:A5
 前から欲しいと思っていたのだが、やっと入手。やっぱりいいねえ。ああ、男根様男根様って感じ。ちんちんを描きたくてしょうがないんだろうなあ。
 俺は前から、エロ漫画では男根様をしっかり描かなければダメだと思っていた。いくら消されるとはいっても、描いておかなければお目こぼしの可能性もない。同じ性器でも女陰様が描かれていてもあんまりうれしくない。別に嫌いってわけじゃなくて、見ててあんまり面白くないのだ。なんてったって、へっこんでるものよりも出っ張ってるもののほうがキャラクターが立っている。それにあの邪悪な形状。いやらしく見せようと思ったら、これを利用しないのはもったいない。
 アダルトビデオとか見てても女陰様のほうはどうでもいいから、男根様のモザイクは外してほしい。あ、いちおういっておくけど俺は別にホモじゃないからね。女の人があの邪悪なものでつっつかれるのを見るのが好きなだけ。


3/12(木)……未来寄ってく? いいねえ

【雑誌】コミックビーム 4月号 アスキー
 詳細な作品リストはコミックビームのページ参照。
 今月はなんといってもきなみなみ「15の夏のむこうがわ」。白血病で闘病生活を送っていた少年が、自らを助けてくれる存在として、ヒトの形をした想念のカタマリ「タルパ」を生み出してしまう。最初は救けとなっていたタルパだが、闘病が終わり少年が救けを必要としなくなった後も、少年を束縛し続けようとする……って感じのお話。均一な太さの、一筆描きみたいな描線がなんとも雰囲気があっていい。これからが楽しみ。
 金平守人は人を食った展開がステキ。「電波オデッセイ」はいつもながらいい。元気づけられるけど、世の中はそんなに甘くもないってことで。「弥次喜多in Deep」は先月あたりから飛ばし始めている。新谷明宏「未来さん」も毎度毎度いいなー。丁寧に仕掛けられたお話。単行本単行本単行本……。
「近代物怪録鬼姫様」は今回で最終回。個性的な絵柄で雰囲気はあったが、あんまり受けないだろうなーって感じだったので仕方ないか。それからすがわらくにゆきは今回は休載。で、2号連続で上野顕太郎が載っかってるのには因果関係があるのかな?それと上野顕太郎の単行本がアスペクトから発売になるとのこと。唐沢なをきの単行本は4/25発売。
 で、来月号では安井誠太郎が復活するらしい。「アマラの火」第2話。今度こそちゃんと載ってくれよー。

【雑誌】ヤングサンデー 3/26 No.15 小学館
 いわしげ孝「花マル伝」が新展開。これからはたぶん高校生編になるのだろう。花田にも木元にも名門校からのスカウトが。高校生編では花田vs.木元が見たい。「オーバーレブ!」(山口かつみ)は白熱した展開。面白い。「SOMEDAY」(原秀則)は相変わらずの職人芸。まだるっこしい人間関係をネチネチと描いている。
「the山田家」(阿部潤)は今回も怒濤の展開。いやー、面白いっす。ムチャクチャやってるんだけど、ちゃんと真ん中には家族愛がある。それがマイナス方向に働いたとしても。「アガペイズ」(山田玲司)は熱い展開になってきた。ここらへんからスパートか?怪しげな展開だけど面白いのでOK。

【雑誌】COMIC弥勒 4月号 平和出版
 もりしげのキャラを大きくしたみたいならーかいらむ。今回の「よさこうてやがて哀しき」は最後のオチがなかなかよろしい。身も蓋もなくて。きたる三月「かわせみの日々」は夢と回想をおりまぜ、なかなか技巧的な展開。絵もうまいしなかなかいい。これでさらに「整理された分かりにくさ」になるともっとかっこいいかな。
 伊駒一平「おやじの逆襲」シリーズが最終回。下らなくて投げ遣りな感じのラストが素晴らしい。あと、セルフツッコミなど細部でのワザも冴えている。

【雑誌】COMIC ZiP フランス書院
 巻頭カラー、愛澤鉄夫「かんろちゃんノーカット」はロリロリで達者な絵。話的にはどってことないけど、かわいいからいいやって感じ。上連雀三平「ANAL JUSTICE」は単行本買いのがしたままだ。欲しいんだけど。ちんこがびよんびよんしてて楽しいな。果愁麻沙美「笑えない日々のために」はいつもながら個性的な絵柄と作風。画面白いけどまあいいや。白いといえば「幼なじみは転校性(後編)」(霧風)も白い。絵はうまいだけに残念。しかも後編なのになんか「To Be continued…」だし。


3/11(水)……雀鬼出ず

 トップページのタイトル(ブラウザのウィンドウのバーとかに出る奴ね)をなんとなく「漫画部隊OHP」から「漫画に関するWebページOHP」に変えてみた。最初は「俺のホームページ」だったのだが、検索エンジンとかでひっかけたり、リンクを貼ってもらうときに「漫画」って言葉が入っていたほうがなんとなく良さそうな感じがしてたので「漫画部隊」などと書いていたのだが、なんだかダサいので前から変えたいなーと思っていたのだ。でも「漫画に関するWebページ」というのもあんまりCoolでないので、そのうち気が向いたらまた変えるかもしれない。なお、リンクを張ってくださってる方々は面倒でしょうし、直さなくっていいです。どうせそのうちまた変えると思いますので。
 関係ないけど、Webでよく使われる「Cool」って言葉はすごくダサイよなーと前から思っていた。あと「ネットサーフィン」、「ワールド・ワイド・ウェッブ」、「インターネットで世界に向かって情報発信」、「僕らの情報発信基地」などなど、インターネット周りにはかなり陳腐でサムくてダサい用語があふれてて俺はけっこう好きだ。
 インターネット関連でいうと、Netscape Navigatorを「ネスケ」という人がいるが、それに対抗して俺はInternet Explorerを「インエキ」と呼ぶことがあるが、この呼び方って一般的には使われていたりするのだろうか。
 俺が現在ホームページを開設しているAIRnetからメールが届く。このプロバイダでは、「ホームページで、ほかのユーザーに閲覧されたデータ量が3GBを超えると追加で課金」という制度がある。で、月々そのデータ転送量を教えてくれるのだが、俺のホームページの場合、2/17にこちらに移転してきて転送容量は80MBくらい。ひと月に換算してもせいぜい200MBくらいだろう。ということはまだ余裕がだいぶあるってことだ。ちょっとホッとする。

【情報誌】コミックジャンキーズVol.4 コアマガジン
 実はまだざっと目を通しただけでそんなに読み込んでないんだけど、前号よりも全体な出来はいいと思う。自分の書いたところに関しては言い訳したいことがなきにしもあらず。でも、もう世に出てしまったものなので今さら何もいうまい。美少女漫画にすっごーく詳しい人には単行本レビューなどで不満なところもあるとは思うが、それほどたくさん読んでない人にとってはやっぱり便利な雑誌だと思う。これからも続いてほしい。
 今回は前号よりも作家インタビューが多め。個人的には、実は作家さんのインタビューってあんまり興味がない。俺は「作品と作家は別物」と考えていて、作家よりも作品を重視している。あと、俺はなるべくまっさらな状態で漫画を読むように心がけているのだが、作家さんのインタビューとか読んじゃうと、そのインタビューの内容が先入観になって冷静に作品を読めなくなってしまうことがあるので、それがちょっといやだなーと思っている。もちろん読めば楽しめるんだけど、それを読むために本を買うかっていうとそれほどではない。俺はあくまでも作品がメインなのだ。ただ、漫画家さんがほかの漫画家について語っているのを見るのは好き。そんなわけで人気漫画家43人アンケート「これがSHOCK!!をうけた漫画家だっ」のコーナーはけっこう面白く読んだ。

【雑誌】少年サンデー 3/25 No.15 小学館
「め組の大吾」(曽田正人)は相変わらず面白い。だんだん大吾が人間離れしてきているような気がしないでもないけど、主人公はこのくらいやったっていい。「ガンバ!Fly High」(作:森末慎二+画:菊田洋之)もいつもながら読ませる。このヤクザ系コーチ、なかなかやり手だなって感じ。「犬夜叉」(高橋留美子)。きっちりとしたストーリー展開でいい。ああ、まとめ読みしたい。
「なぎさMe公認」(北崎拓)ではまーくん登場。涙流しながら走る宮里リエがいいなー。「俺たちのフィールド」(村枝賢一では久しぶりにサポーターの少年、コージが登場。そういえばこんなキャラクターもいたっけなーという感じ。それにしてもやっぱり日本代表は勝たなきゃならん。

【雑誌】少年マガジン 3/25 No.15 講談社
「はじめの一歩」(森川ジョージ)では、鷹村が逆襲。ダウンから立ち上がってきたポーズがかっこいい。そして攻めに転じるところも見せる。おもしれえ。「勝負師伝説哲也」(漫画:星野泰視+原案:さいふうめい)。リサとの決別。それにしても哲也の目って、定規で描いたみたいにビッとしてる。たぶん定規で描いてるんだろうけど。いつもきっちり盛り上げくれていい。そして今回、一番ナイスだったのが「真・中華一番」(小川悦司)。よだれをダラダラ流しながら鍋に向かって走っていく人々、スープを呑んだときのマオのヘンな顔。過剰な演出が素晴らしくて笑える。


3/10(火)……濃厚民族な俺

 地元の古本屋に行ったら、望月三起也の古めの単行本がわりとゴロゴロあった。「學園シャンプー」とかそこらへん。たぶんマニアが売りに来たんだろう。俺は「ワイルド7」さえ揃えていないような不心得者なので、とりあえず買わなかった。「ワイルド7」はいずれバクッとまとめ買いする予定なのだが。

【情報誌】Comnavi Vol.5 全研
 俺の読んでいる漫画に対する新刊単行本レビューをざーっと眺めてみた感じでは、評者の感想・意見よりもあらすじ中心になってきた感じで、そのおかげで的外れなコメントがすこーしだけ減っているように思える。もちろんこまごまと気にくわないところは山ほどある。例えば「どす恋ジゴロ」(平松伸二)に対するコメントで「ベテランマンガ家が無難に描いている」といっているが、「そういう文脈で読む漫画じゃねえだろ」と思ったりとか。でもいちいち指摘するのも面倒なのでしない。少女漫画は俺はほとんど読んでないので、コメントの適否は分からないが、このホームページを見てメールをくれた方によるとひどいものらしい。
 あらすじ紹介型のレビューだとその漫画のどこが魅力か分からず、文章的に平板で読む気があんまり起きないのもたしか。バイヤーズガイドには使えないなあ。どっちみち今までの号で俺的には、この雑誌での評価に対する信頼をなくしているので、そもそもバイヤーズガイドに使う気はないけど。かといって読み解き型の評論でもないのは辛い。
 星で点数はつけているが、これはあんまり気にしないほうがいいと思う。基準が分からないので。エロ漫画系に点数が異常に辛いようだが、ほかのジャンルと同じ土俵で比べちゃったら、ムリないかなって気もする。同じ基準で測ってもしょうがないんだけどね。
 今ある漫画を総ざらいしつつ、漫画関係のニュースをオタク系にかたよらずにレポートしていくという方針はいいと思う。ただ、記事があんまり面白くないので強いて買う気はしない。買っちゃったけど。南Q太とか井上三太、望月三起也のインタビューが載っているので、ファンの人は読んでみてもいいかも。それ以外の人にはとくにオススメはしない。「買うな」ともいわないけど。
 全般的にオタク系でないわりには情報が薄く、信頼性もない。中途半端な雑誌だと思う。ライターの質が上がらないと厳しい。今回、Comnaviを読んで役に立ったのはCUTIE comicが3月中旬発売ということを知ったことくらいかな。

【雑誌】ヤングキング 4/6 No.7 少年画報社
 いつも立ち読みはしているのだが、購入するのは久しぶり。吉田聡はいつもちゃんと物語を作っていてわりと好き。暴走族モノ自体はそんなに好きでないけどね。有村しのぶが新連載。タイトルは「HOPS」。野球馬鹿と生意気な女のコのラブコメらしいんだが、どうなるんだろうか。有村しのぶは上品な感じなんだけど、妙な色気のある絵で俺は昔からけっこう気に入っている。花見沢Q太郎「Honey Blue」は今号で最終回。相変わらずかわいくてうまい。

【雑誌】オースーパージャンプ3/10増刊 集英社
「親方」(作:荒仁+画:山下京子)が面白い。しっかりと話の作られた人情モノ。あとは新人の犬田間「思い水」 。第37回SJ漫画大賞佳作受賞作だそうだ。わりと雰囲気のある作画で、これを読んでみようかと思ってこの雑誌を買ってみた。江戸時代、母が間男と心中してしまった、馬子をやっている少年の話。しんしんとした感じでまあまあなんだけど、まだ完成度はそれほど高くない。

【雑誌】ヤングチャンピオン 3/10 No.6 秋田書店
 安彦麻理絵が巻頭カラーで新連載「スリーピース!!」。怠惰な感じでわりと面白くなりそう。「サークルゲーム」(村生ミオ)はいつ見ても濃い。最近の村生ミオは異常な脂ぎった濃さがあって、俺的にはわりと注目。単行本買うほどではないんだけど。
 それから作:カンパニー松尾+画:井浦秀夫「職業・AV監督」も面白かった。濃い世界の話はやっぱり濃い。そして柴田芳樹「サイコ宅配便F」シリーズ最終回。この人は昔、アフタヌーンで「れっどまん」、チャンピオンで「ジャイアンツ」という作品を描いていた人だが、絵はうまくないけどイカれた物語を描く。この「サイコ宅配便F」も過剰で面白かった。ラストシーンも救いがないし、面白かった。

【雑誌】コミックドルフィン4月号 司書房
 相変わらず実用性重視のB級な誌面が俺はけっこう気に入っている。紙の質がかなり悪いところもまたB級。全般的に乳がデカくて汁っ気の多い実用型の作品が多いが、その中で田嶋安恵、米倉けんご、井ノ本リカ子といったこぎれいな絵の人たちがアクセントになっている。田嶋安恵は絵がこぎれいとはいったものの、今回は乳もデカくハードでエロエロな展開。米倉けんご「DOG STYLE」は連載第2回め。おにいちゃんと妹の二人だけの世界を作っていたところに新たな登場人物出現。面白い。もうちょっと印刷がきれいな状態で読みたいので、単行本に早いとこ収録してほしいところ。井ノ本リカ子もおっぱい大きめ。絵がこぎれいでもやるこたやってるところがドルフィンらしい。
 デロデロ方面ではまずMGジョー「アブナイ飼育小屋」。なぜか学校の飼育小屋にOLが飼われているというシチュエーション。いやらしくていい。次にみやびつづる「冬ぬくし」。掘りゴタツで遊んでいたお姉ちゃんと少年が、親がいる前で隠れてお互いにいたずらし合うというもの。微笑ましいんだけどいやらしい。みやびつづるは最近ではけっこうお気に入り。「爆酔宣言。」(KASHIみちのく)は初登場。お兄さんと頭足りない系の妹との近親相姦モノ。ほのぼのしているけど、肉弾系で実用的。じゃみんぐ「姫ごと倶楽部」はたぶん最終回。都合のいい展開だけど、デロデロでヌラヌラで好き。なんとなく汗臭くてこ汚い感じがするのもまた魅力。
 こんだけオシャレでなく汗臭くて、ストーリーより実用重視っていう誌面も今のエロ漫画業界にあっては貴重。司書房にはこのまま独自の路線を突っ走っていってほしい。

【雑誌】阿口云 4月号 ヒット出版社
 甘夏真琴「PROPAGANDA」は少女漫画系の絵で、話もちゃんと作ってくるしテンポが良くてうまい。村正みかど「ポニィテイル」はデカ乳で体液バリバリのやりまくり系。今回の阿口云の中では一番実用的な作品だと思う。「幕末學園伝リョーコ参る!」(尾崎晶)は12回目。相も変わらずバカなノリ。今回はエロシーンがないということで遺憾に思ったのか、意味なくシャワーシーンがあるあたりがステキだ。
 全般的にライトなノリの作品が多い阿口云。最近パワーが落ちているという話もちらほらと聞くけど、俺は好調時はあんまり読んでないのでそこらへんのところはよく分からない。ただ、俺としては体液バリバリ系とかのデロデロに濃い作品が好きなので、時代の波には逆行しているといわれるかもしれないが、阿口云とかよりもドルフィンのほうが好みに合ったりする。


3/9(月)……買おう買おうジャンキーズ

 今日はコミックジャンキーズVol.4の発売日。前からいっているとおり俺も「我執院譲治」というペンネームでレビューを書いているので、ぜひとも買ってやってください。俺は永山薫さんからもらえるはずなのでまだ買ってないけど、いちおう今日本屋さんで自分の書いたところだけ立ち読みしてきた。今回はVol.3のときより若干辛口にしたつもり。我ながら、「相変わらずなんか文章硬いなー」という気がする。分かりやすい言葉を使って平明に説明しようと心がけてはいるのだが、反面、文章が平板になりがちなのが俺の欠点。
 こういうレビューの場合、「その漫画を必要とする読者の気持ちをできるだけ正確に推察し、その人たちに『こういう魅力のある漫画がここにありますよ』ということを的確に伝える」ということができるようになりたい。要するに「ある漫画に対するニーズを持っている読者が、その漫画を見落とすことなく買えるようにする」レビューがしたいんだけど、まだまだできているとはとてもいいがたい。もっと精進しないとなー。次号は「ここが魅力」「ここが欠点」というのをもうちょっと明確に分かるような書き方をしたい。
 あと昨日の日記に書いたとおり、今日は「世紀末リーダー伝たけし!」の1巻を買おうと思ったのだが、今日回った本屋さんでは見当たらなかった。初回配本時の分を買いのがしてしまったようで、こうなると意外とすぐには手に入らない。でもどうせ2巻が出るときには1巻も増刷がかかると思うので、のんびり探すとしよう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/23 No.14 小学館
 今週から榎本ナリ子「センチメントの季節」が復活。相変わらずかっこいい絵でいやらしくて面白い。もの足りないって人もいそうだけど、とりあえずこのくらい楽しませてくれればOK。もっと面白くなればなおOK。「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)。今週も面白い。奥田もかっこいいけど、本田もいい。男だぜ。
 今週は「七夕の国」(岩明均)が掲載。月イチなんでつい話を忘れそうになってしまうが、話的にはまだ序盤。面白くはなりそうだが、本格的に面白くなるところまでは行っていない。つい、「あの『寄生獣』の岩明均」という目で見てしまいがちだけど、まだ「面白い」というには早いって感じがする。
 読切・野本明照「蠅の穴」はわりと面白かった。年老いるまで生き延びてしまった殺し屋の話。しっかりしたストーリーとキャラクターできっちり読ませてくる。なかなかいい。
 で、次号から青山広美「ダイヤモンド」という野球漫画がスタートする。青山広美といえば、「トーキョー・ゲーム」という強烈な麻雀漫画を描いていた人だ。この漫画はなんていうか「北斗の拳」みたいな世界を、麻雀でのしていくみたいなストーリーで、わりと強烈にバカな漫画だった。最後なんて、麻雀の一局で何十億なんて点数がついたりする。予告を見る限り「ダイヤモンド」もかなり強烈な漫画になりそうで、けっこう楽しみ。

【雑誌】ヤングマガジン 3/23 No.14 講談社
「ストッパー毒島」(ハロルド作石)は今週も好調。この人ってプロ野球の選手を描くのがうまいなーといつも思う。しかも意外とマイナーどころも押さえている。近鉄の鈴木貴久とか。シブイ。福本伸行「カイジ」は、新しいゲームへ。といってもまだどんな内容のゲームなのかは分からない。さてどうなる。
「日直番長」(タイム涼介)はなんだか新展開の予感。それにしても委員長がいいな。「僕といっしょ」(古谷実)が再開。この人の描く女の子ってけっこうかわいいなーと前から思っていたが、今回の子もけっこういい。「イッパツ危機娘」(原田重光)はまたしてもクーニャンがわけのわからない状況に。いつもヘンな展開で面白い。リンダのアメリカンジョークは今週もいい味だ。
「超・学校法人スタア學園」(すぎむらしんいち)は今週もどうしようもない展開。キューピー米津。すばらしー。先週から始まった「おやすみなさい。」(小田原ドラゴン)も面白い。獣の臭いを放つクマのぬいぐるみがナイスだ。あとはすさまじく絵がヘタで、すさまじくパワフルな造田英樹「サトルと兄ちゃん」がすごかった。この造田英樹は前にヤンマガ赤BUTAで、「鳥になった男」という半端じゃなくソウルフルな漫画を描いていた奴だ(1997年10月18日の日記参照)。今回のも異常なキャラクター、異常な展開。規格外なパワフルさ。こういうのを載っけちゃう懐の深さが、ヤンマガ系の魅力だ。

【雑誌】少年ジャンプ 3/23 No.15 集英社
「ONE PIECE」(尾田栄一郎)はいつもながら面白い。敵キャラクターも立っているし、テンポがいい。「COWA!」(鳥山明)はいつのまにやら最終回。でもまあ長く続けるような話でもないし、こんなもんでいいんじゃないだろうか。ジャンプ編集部からいえば、あんまり人気が盛り上がってくれなくて不本意だったかもしれないが、俺は読者だから関係のないことだ。

【単行本】「健太やります!」全26巻 小学館 判型:B6
 雑誌連載時もちゃんと読んでいたが、まとめて読むとさらに良かった。もう最後のほうは涙ボロボロ状態で読む。そんなわけでオススメ漫画レビューに追加。満田拓也は「MAJOR」も面白いし、少年漫画の王道を行ってるなーって気がする。


3/8(日)……なろうなろう明日なろう明日はぱんこちゃんになろうっ

 久しぶりに小学校以来の旧友と会う。昔っから変わり者として存在してきた俺だが、今でもやっぱり変わり者らしい。でも、自分を曲げるつもりはないから、このままどんどん強まっていきたい。人間、弱まっちゃダメだよな。薄いよりも濃いほうが絶対に面白い。

【単行本】「ぱんこちゃんになろうっ」 みぎわパン 青林堂 判型:A5
 みぎわパン最初の単行本。収録作品の発表時期は1985年あたりで、もうデビューしてから13年が経っているということになる。恐ろしきことばい。内容はいかにも青林堂というか、あぶない香りが漂っていてすごい。ブツ切れで脈絡なく展開されるストーリー、おかしなキャラクター、ヘンテコな絵。どこをとってもスゲエって感じ。ところで、今、トオジョオミホのホームページでみぎわパンの漫画がオンラインで読めるようになっている。好きな人はどうぞ。

【単行本】「ポケットの中の君」 冬野さほ 集英社 判型:新書判
 絵も画面構成もうまくてかっちょいい。ストーリーを追っかけるのはつらいコマ割りだけど、なんか眺めているだけで満足できてしまう。

【単行本】「日直番長」2巻 タイム涼介 講談社 判型:A5
 面白い。間の抜けた話の間に時折挿入される泣かせ系の話がまた味がある。タイム涼介のいいところは、なんといっても言語のセンスだ。非常に詩的で素晴らしい。ヘンなストーリー展開と絵、そしてポエジックなネーム。ああ、面白い。俺的にかなりオススメ。ぜひ読むべし。

【単行本】「世紀末リーダー外伝たけし!」 島袋光年 集英社 判型:新書判
 連載を読んでいても思うけどやっぱりリーダー的存在はいい。勇気づけられる。感動する。笑わせる。泣かせる。いい漫画だ。この単行本では「世紀末リーダー外伝たけし!」の「大好きな人…!」がすごくいい。「人を好きになるのは超すんばらしいことだから」。ああ、いい言葉だ。俺もリーダー的存在になりたいぜ。というわけで今まで買ってなかった単行本の1巻も明日買うことに決定。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」6巻 能田達規 秋田書店 判型:新書判
 いつもほのぼのとしてて楽しい。モモ子もかわいいし、アイちゃんもいい。微笑ましい漫画だ。コンスタントに面白くオススメ。


3/7(土)……1秒3ヶ月

 この日記には、ほとんど漫画と仕事のことしか書いてないけど、実は俺もゲームくらいやる。最も頻繁にやっているのがWindows付属のソリティアだ。といった時点で大したゲーマーでないことはバレバレだが、ソリティアの腕はかなりのものだと自負している。で、そのWindowsのソリティアで新記録を達成した。今までの記録は77秒だったのだが、75秒、点数も9971点に。1万点の大台も見えてきた。前回記録を出したのが去年の9月。ここまで来るのに半年かかった計算だ。

【雑誌】ガロ 4月号 青林堂
 復刊後のガロとしては、テンションは低いほうだと思う。それでもほかの雑誌に比べると、かなり面白い部類だ。表紙がキクチヒロノリなのはうれしかった。「コレを表紙にするかー?」と思わないでもないけど、好きだぜキクチヒロノリ。漫画「新世紀アダム好キーUFO解脱マン」も尋常でなくてとても面白い。
 松本充代「鏡の中の遺書」は前編。相変わらず松本充代は好調。津野裕子「Identical Twin's Garden」も良かった。いつも夢を見ているような、ゆらゆらとした幻想的なお話を描いている。そして、今回のガロの中で一番面白かったのが「馬馬虎虎」(逆柱いみり)。新連載というのがなんだかって感じだけど、これが毎回読めるかと思うとすごくうれしい。幻想的でなんだかのんびりした作風が素晴らしい。
 で、来月号は「反町くんには彼女がいない」の有川祐と町野変丸が登場とのこと。うひょー、これはスゴイ。有川祐&町野変丸ファンはぜひ読んでほしい。そして、ほかの漫画もちゃんと読むべし。今、ガロはかなり面白い漫画が多いので、これをきっかけにガロを読もう。

【雑誌】ヤングマガジン 3/16 No.13 講談社
「超・学校法人スタア學園」(すぎむらしんいち)がのっけからすごい展開。背中にガラスのテーブルを載っけている、男優のキューピー米津がすごい。「カイジ」(福本伸行)は橋を渡り切ったと思ったら、意表をつくどんでん返し。やられたーって感じ。しかし、また新たな勝負が。福本伸行って本当に連載を終わらさない漫画家だよな。「銀と金」「アカギ」「天」……。たぶん「ヒットしている限りは終わらせない」というのがポリシーなんだろう。
 この前、「万博シスターズ」(2/17の日記参照)を描いていた片桐若菜が再登場。今回の「メリー」も脈絡のないギャグが面白い。ちなみに3/16発売の15号でも登場予定らしい。要チェック。新連載、小田原ドラゴン「おやすみなさい」もなかなかトボけた味で良かった。絵はうまくないけど、情けないキャラクターとしみったれた展開がけっこういい。
 華倫変「カリクラ」は今回が集中連載のラスト。今回は女の子みたいな容姿をした男子学生と、筋金入りのホモ留学生スティーブの心暖まるお話……って、これで心暖まる奴もどんなもんだかと思わないでもない。すごくヘンテコでとても面白かった。やる気なさにあふれた作風ながら、ちゃんと作品を仕上げてしまうという、二律背反した感じが非常にステキ。やっぱり華倫変、いいわ。2巻も4月発売とのことだから、即ゲット。2個買いだー!(俺は兄貴が買うので買わないけど)。「イッパツ危機娘」(原田重光)は毎度毎度下らなくてけっこう楽しんでいる。今回はリンダのアメリカンジョークが最高。なんだか馬鹿でいい。
 ヤンマガはいつもソウルフルで面白いぜ。

【単行本】「まん○道」 町野変丸 一水社 判型:A5
 町野変丸のページ参照。それにしても最近、町野変丸はやたら単行本が出ている。今月の16日は「UFO」という単行本が三和出版から出るようだし。

【単行本】「ドラゴンヘッド」6巻 望月峯太郎 講談社 判型:B6
 連載だと掲載ペースがのろくて前の話を忘れてしまいがちなので、こうやって単行本でまとめ読みするほうがいい作品。相変わらずの緊迫した展開と、迫り来る恐怖。面白い。

【単行本】「超・学校法人スタア學園」11巻 すぎむらしんいち 講談社 判型:B6
 身もふたもない、ヤケクソでどうしようもない展開が素晴らしい。「ノーパンおでん」には笑った。

【単行本】「GOD SAVE THE すげこまくん!」12巻 永野のりこ 講談社 判型:A5
 ようやく完結。最後の巻は非常に切なくてもどかしくてむずがゆくて面白かった。やっぱり永野のりこは面白いわ。基本的には「みすてないでデイジー」とかと同じようなストーリーなんだけど、それでも面白いもんは面白いのだ。連載は途中で間延びした感じもあったけど、終わり良ければすべて良し。あー面白かった。


3/6(金)……えっちすけっちわんたっちーず

 今日でようやく今回の仕事が一段落。最近は忙しくて日記のページしか更新できなくて忸怩たる思いだったが、この土日でいろいろやれればなーと考えている。ゆえあって来週の火曜日は会社を休む予定なので、そのときにもなんかやりたい。

【雑誌】ヤングアニマル4/10増刊楽園 No.2 白泉社
 ほぼ美少女漫画雑誌。エロ漫画としては上品めだけど。鶴田謙二のピンナップがあるのでファンては要チェック。
 メインとなっているのはヤングアニマル本誌でも連載中の克・亜樹「ふたりエッチ」。開き直って完全にエロ漫画。しかも3本立て。克・亜樹ってこっちの路線のほうがイキイキしてるような気がしないでもない。
 田中ユタカはいつもの田中ユタカ節。甘ったるく、かつ後味がわりと爽やかな、そして男にとって非常に都合のいいファンタジーを展開している。読んでて気持ちいいからやっぱり読んでしまう。前に別のホームページのゲストブックでも書いたことがあるが、俺は田中ユタカの作品群は「エロ漫画界のハーレクインロマンス」と位置づけている。どれを読んでもそこそこに満足でき、読む側に都合のいいストーリーで読者の欲求を満たすが、どの作品を見ても同じような作りで、強烈に印象に残る作品がない。だけどついつい読んでしまう。そんなところがハーレクイン的なのだ。
 氷室芹夏「Change!」は、なかなか素直になれないけど実は好き合っている男の子と女の子が、廊下でぶつかった拍子に身体が入れ換わり、お互いの身体に入って行動していくうちにしだいに素直になれるようになってきて……というわりとありがちな話。
 あと気になったのは西川魯介「ニソフェットつかい」と、中田ゆみ「ゆびさきから媚薬」。西川魯介は女子高にまぎれこんだブルマ型やスクール水着型の宇宙人犯罪者を追手やって来た、これまた宇宙人で眼鏡型をした刑事に協力したためにレズ・フェチと誤解される女子高生の話。なかなか面白い。中田ゆみはちょっと池部ハナ子を思い出すような絵柄で話もけっこう読める。

【雑誌】月刊少年マガジン4月号 講談社
 職場の人にもらった本だけど、全般的に読むところはそんなにない。しかし、このボリュームで350円ってのはやっぱり安いよな。
「ミスター釣りどれん」(とだ勝之)で、主人公がルアーを作ろうと部屋で木にやすりがけしていたら、それをこっそりのぞき見た妹がオナニーしていると勘違いして……というのがなんか微笑ましかった。それにしても月刊少年誌でもオナニーがネタになってしまう時代なのだな。あと、川原正敏「海皇紀」でさらわれた女の子が剣をつきつけられておしっこをもらし、下半身をひんむかれそうになる……といったあたりで、川原正敏だけになんか「パラダイス学園」を思い出してしまった。いちおう念のためにいっておくけど、もちろん両方ともいやらしい漫画では全然ない。

【単行本】「えっちーず3」 陽気婢 ワニマガジン 判型:B6
 いつもどおりの手慣れたうまさだがいくぶんテンションが低いような気もする。最近はちょっと不調かなーと思わないでもないが、やっぱり読まされてしまうところはさすが。この人の場合、少年少女をモチーフにした胸トキめく話をやると圧倒的に強いが、ギャグはけっこうヘタ。コメディならOK。今回はかわいい未亡人が主役の「シャイなハートだけじゃ生きていけないのさBABY」、女装少年モノの「Secrete it together!」あたりが面白かった。

【単行本】「めぐりくるはる」 OKAMA ワニマガジン 判型:B6
 注目の新鋭ってことで楽しみにしてた人は多いんじゃないだろうか。新人とは思えないほど絵がうまくて、話ともども非常に独特の雰囲気がある。ただ、今はまだ雰囲気だけで読ませていてもOKって感じはするけど、ストーリー作りや演出技術とかはもうちょっと精進が必要かなと思う。「大型新人」みたいなことをいわれることが多いOKAMAだけど、俺が見るにまだそれほど大粒って感じはしない。ほかと違う雰囲気を明らかに持っているんだけど、まだその武器を生かしきれてないというか。
 この単行本のなかで良かったのを挙げるとすると、やっぱり「カナリア」かな。最も話がキッチリ作られていて読みごたえがある。まあ、何はともあれ今後の成長しだいで非常に楽しみな人であることには間違いない。

【単行本】「カケル」3巻 竹下堅次朗 小学館 判型:B6
 第3巻ではちょっと篠原ともえ系だけどきちんとすると美人な鶴田がかわいくていい。この人は、女の子の描き方とかどんどんうまくなってる。今回の巻から始まった「鶴田ストーカー編」(←勝手に俺がつけた名称)はわりと話も面白かった。


3/5(木)……かばんのなかには漫画が1冊、ポンと叩けば漫画が2冊

 今日は会社に行く前にいろいろと漫画などを購入。駅の売店でヤングサンデー、地元の本屋で「デカスロン」17巻(山田芳裕)、「マザー・ルーシー」2巻(沖さやか)を買った後、神保町に寄る。ヤングアニマルの増刊「楽園」、「カケル」3巻(竹下堅次朗)、「えっちーず3」(陽気婢)、「めぐりくるはる」(OKAMA)、「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)、「まん○道」(町野変丸)、「現代エロ漫画」(塩山芳明)を買い、その裏のすずらん堂で「島袋光年短編集 世紀末リーダー外伝たけし!」(島袋光年)を購入。で、会社に着いてから少年チャンピオンを人からもらう。そんなわけで、現在は計12冊の漫画(および関連書籍)が俺のかばんの中に入っていることになる。何しに会社に行ってるんだろう俺は(仕事してないわけじゃないけどね)。

【雑誌】ヤングサンデー 3/19 No.14 小学館
「オーバーレブ!」(山口かつみ)が巻頭カラーでバトルが過熱中。面白い。走ってるのが全部女の子ってあたりが実に山口かつみらしいといえばらしい。「花マル伝」(いわしげ孝)は予想通り、次号から新展開らしい。いろいろとやり方は考えられるけど、やっぱり海外の選手が相手なんだろうか。それとも高校生編かな。
「殺し屋イチ」(山本英夫)は今回も濃い展開。今回出てきたヤクザの若頭はなんか「サル漫」の相原をちょっと思い出した。そういえばヤンマガUPPERSのホームページで見たところによれば、山本英夫もUPPERSで描くらしい(創刊号ではないけど)。「愛米」(コージィ城倉)は野人・清次が相変わらずええ感じだ。ちんちんデカイし、野蛮だし。
「マザー・ルーシー」(沖さやか)はSEXできなくてたまりまくっているルーシーが、女版インポになってしまい全然濡れない状態に。パワフルでどうしようもない展開がステキ。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)は、何がどうなっているのやら。モンちゃんとトシはやられちゃったんじゃなかったのだろうか。何やら不思議な展開で次号も見逃せない。
 それにしてもヤングサンデーは今週もなんだか元気だ。

【雑誌】モーニング 3/19 No.14
 ヤングサンデーも面白いけど、こっちも面白い。
「OL進化論」(秋月りす)が連載400回で巻頭カラーを含む8ページ。ということはこの漫画ってもう8年くらいやってるんだな。実のところ最近この漫画はあんまりしっかり読んでない。別に面白くないというわけじゃないんだけど、いつ読んでも変わらず、ほどほどの面白さなので、つい流しちゃうのだ。俺はもっと過剰なもののほうが好みみたい。
 掲示板のほうでも話題になっていた、元「なめぞう」米持昭彦+杉元伶一「変體累ヶ淵NAKED」はおどろおどろしさが増し、怪談色が強くなってきた。こういう漫画だったんだなあ。最初のころは何を目指している漫画なんだかさっぱり分からず、「どうなってしまうんだああ」とか思っていたものだが。
「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)はヨリvs.ユリの戦いがヒートアップ。だんだんヨリのほうに勢いが出てきたみたいな感じ。で、今週は「メロドラマ (村上もとか)が掲載。やっぱこの漫画は面白いや。未亡人・小夜子が妖しく艶っぽい。MANGA OPENで大賞受賞の「やくざなビリカメノコ」(楠岡大悟)はまあまあ面白かった。絵はそれほどじゃないけど、テンポがあってなかなか読める話。「デビルマンレディー」(永井豪)はついにあの男が出てきちゃったらしい。あのシルエットで「あれは、誰だ!!」とかいわれちゃーなー。

【雑誌】少年チャンピオン 3/19 No.15
 で、木曜日といえばこの雑誌も出る。ヤンサン、モーニング、チャンピオン。考えてみれば木曜日って濃いな。
 このごろ「東洋妖人伝 用神坊」(いとう杏六)がなんだか面白い。わりと地味めなんだけど、一つ一つ話がしっかりできているし、見せ方もうまい。最近のチャンピオンではけっこうオススメ。あといつもどおり「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。迫力があって、力が入りつつもなんか抜けた感じがなくもないところがいい。「大助ゴール!」(馬場民雄)も「素直なサッカー漫画」って感じで面白い。ストレートに少年漫画してて読んでて気持ちがいい。「おやつ」(おおひなたごう)もヘンな話で楽しめる。と、ここに挙げた4作プラス高橋葉介「学校怪談」がチャンピオンの巻末に集まっている。やっぱり俺って売れセンを見抜く目がないのかも。

【単行本】「マザー・ルーシー」2巻 沖さやか 小学館 判型:B6
 前の巻を読んだときと感想はほぼ同じ。きっちり面白い。

【単行本】「デカスロン」17巻 山田芳裕 小学館 判型:B6
 こちらもいつもの通りの面白さ。そろそろ短編も描いてほしいところだけど、世界選手権にも決着つけてくれないと困る。というわけで今はそっちに集中したほうがいいのかも。


3/4(水)……MAnga No onI AX、略してマニアックス

【雑誌】マンガの鬼AX VOL.1 青林工藝舎
 旧ガロのスタッフが青林工藝舎に行って作った本。正直なところ、ガロの例の騒動に関してはどうでもいい。ようするに面白い漫画が発表される場があればそれでいいのだ。
 で、内容。メンツは以下のとおり。
 花輪和一、花くまゆうさく、しりあがり寿、近藤ようこ、河合克夫、キクチヒロノリ、菅野修、アヤ井アキコ、谷弘兒、Q.B.B.、逆柱いみり、井口真吾、白石ニコ、川崎ゆきお、安斎肇、本秀康、東陽片岡、根本敬、大越孝太郎
 見ての通り、見る人が見れば非常に豪華なメンツ。それぞれのページ数は少ないけどどれもけっこう面白かった。花輪和一の新作も久しぶりに読めたし。新人の白石ニコも良かった。
 復刊ガロも面白い漫画雑誌になったし、分裂は結果的に良かったのかもと思う。共倒れになりさえしなければ。いろいろとドロドロもあるんだろうけど、俺は部外者だし、漫画を楽しく読めればそれでOK。復刊ガロもマンガの鬼もそれぞれに頑張ってほしい。

【雑誌】少年サンデー 3/18 No.14 小学館
「MAJOR」(満田拓也)は三船東の反撃開始。この雰囲気だとたぶん勝ってしまうような気がするんだけど、負けたら負けたでまた話を組み立てられそう。「犬夜叉」(高橋留美子)はやっぱり面白い。いつもながらにしっかり演出してくるし。さすが。「LOVe」(石渡治)はラブがキレてかなりかっこいい。
「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。これは史実に基づいて、アルゼンチンとはW杯本大会の予選リーグでの対決に。ようやくダミアンvs.和也の対決が見れるというわけだ。でもまだまだ和也はレベルアップする必要があるんだろう。それ以上に周りも。「ARMS」(皆川亮二)も迫力があってえらくかっちょいい。そういえば単行本3巻は今月発売。当然買う。

【雑誌】少年マガジン 3/18 No.14 講談社
「はじめの一歩」(森川ジョージ)。先週に引き続き、ブライアン・ホークが圧倒的に強い。たぶん鷹村が勝つんだとは思うけど、ブライアン・ホークもかっちょいいなあ。あと塀内夏子「Jドリーム」の予告編ページが掲載されていた。「がんばれ中居くん編」という4コマ漫画で、中居がレッズ&日本代表の岡野に手紙を出す……というところまで。続きは18号に掲載される岡野インタビュー漫画で描かれるらしいんだけど、約1ヶ月後だからどんな内容か忘れちゃうかも。ちなみに「Jドリーム」は次のシリーズ、「完全燃焼編」が16号から始まるらしい。W杯予選の話になるんだろう。楽しみ。やっぱりサッカーはW杯の予選が、見てて一番チリチリして面白いし興奮する。

【単行本】「実ごろ花ごろさくら頃」2巻 まなべゆう 集英社 判型:A5
 母が死に、母の再婚相手である父と娘の父子家庭を舞台にしたラブコメ。娘がお父さん大好きで、お父さんも悪い気がしない、みたいな感じ。「猫とサボテン」(1/25の日記参照)よりもこっちのほうがだいぶいい。気持ちのいいスキッとした絵と、カラッとしたラブコメ的ストーリーがマッチしている。1ページのコマ数が多いというところはこの作品でも見られるけど、「猫とサボテン」よりはすっきりとした画面構成。この人の場合、短編だといろいろなものを少ないページ数に詰め込もうとしすぎちゃうのじゃないだろうか。あんまり急がずに描きたいことを何回にも分けて展開できる中長編のほうが力を発揮するタイプなのかも。


3/3(火)……コホンと来たらデオキシリボ拡散

 風邪をひいてるので早く寝たほうがいいんだけど、ついつい漫画を読んでしまう。やっぱり目の前に面白そうな本が積んであるのに我慢なんてできないよなー。

【雑誌】漫画ホットミルク4月号 コアマガジン
 リニューアル第2号&12年目突入。表紙に書いてあったにしき義統が載っていなかったのは残念だけど、それ以上に残念だったのは「雑誌事評」の連載が終わってしまったこと。このホームページを見ている人の中には、永山薫さんのページや中山明宏さん本人のページも見ている人も多いだろうから、その経緯についてはある程度知っている人もいると思う。まあ部外者の俺がどうこういう問題でもないしそのへんの事情に詳しいわけでもないので余計なことはいわないでおく。ただ読者としていわせてもらうなら、かなり楽しみにしていた連載だったんで終わってしまったのは非常に残念(読者アンケートは出してないが)。
 ちなみに中山明宏さんのところにはリンクを張らせていただいてないけど、行きたいって人は月野わぐまさんの「漫画・アニメの感想ナビ」からリンクされているのでそちらからどうぞ。ちなみに中山明宏さんのところからOHPへはいつのまにかリンクが張られていた。ありがたや。
 で、今月号の感想。先月よりも面白くなっている感じ。ほかの競合誌との差別化という点では、それほど違いは感じられないけど、面白ければそれでいいや。あとは、雑誌の柱といえるような人があんまり見当たらないのが少々つらいかなって感じはする。
 まず、巻頭カラー「NAKED MIND」(都筑真紀」。テレパシーを持っている男の子と、一般人の女の子のラブ・ストーリー。テレパシーを使って肉体の感覚を共有しながらSEXするというアイデアがなかなか面白い。話的にもよくまとまっている。たかしたたかし「ハーツナイフ!」はちんちんがいっぱい&汁っ気もたっぷりでナイス。ストーリーはそれほどでもないけど、デロデロにいやらしいので良し。
 百済内創「生ゴミプリンス」は乳の描き方に惹かれるものがある。やっぱりデカくて形のいいのは好きだ。梶本シアンは50ページの長編「花の降る町」。淫乱な女の子が身体の求めるままに、母の情夫と関係を持つようになるが、同年代の男も拒めず……といった話。内向的でけだるい雰囲気がなかなか良かった。

【単行本】「拡散」2巻 小田ひで次 講談社 判型:A5
 あらすじとかは俺の兄貴ページのほうを参照のこと。
 これはやっぱりすごい漫画だ。いやー、面白かった。自分と世界との境界線については俺もいろいろと考えたことがあるけど、境界があいまいになっていって自分が世界に「拡散」してしまうというのはすごい発想だと思う。執拗に描き込まれた迫力のある絵柄も素晴らしい。これは読んでおかないとダメだ、俺的に。ちょっととっつきにくい作品ではあるが、だまされたと思ってまずは読んでみるべし。

【単行本】「電波オデッセイ」2巻 永野のりこ アスペクト 判型:B6
 これもすっごく面白い。永野のりこに期待することがいっぱい詰まっていて、さらに期待以上のものをビシバシと送りだしてくれている。中学生くらいの年齢ならではの、純粋な切なさ、哀しさ、心の中の大切なもの、憧れ。そんなものが山盛り。ハードでセンチメントな展開が俺の心をわしづかみ。メロメロ。

【単行本】「マザー・ルーシー」1巻 沖さやか 小学館 判型:B6
 煮詰まった話だった、前作「マイナス」とは対照的に、こちらは豪快痛快肉弾系娘・ルーシーが主役。これはこれでパワフルな面白さがある。

【単行本】「どす恋ジゴロ」1巻 平松伸二 集英社 判型:B6
「いずれ買わなければならない」と思っていたが、やっぱり買ってしまった。男芸者を自認するジゴロ関取、恋吹雪のお話。最後の相撲甚句といい、独特の脂っこさとズレっぷりが最高。同時収録の「ジェラシーTHE KILL」もヘンでいい。なんでわざわざギターにナイフやらマシンガンやら仕込んでるんだこいつって感じ。

【単行本】「黒鉄」3巻 冬目景 講談社 判型:B6
 冬目景の中では正直なところあんまり好きじゃない作品。キャラクターはそれぞれにうまいんだけど、どうもピンと来ない。迅鉄が鉄仮面であったり口がきけないという設定がイマイチ生きてないような気がする。冬目景の場合、ある程度絵だけでも見せられちゃうところがあるんだけど、「黒鉄」はなんか強烈に印象に残る話がないんだよね。


3/2(月)……ハクション大漫王

 今日はおうちに帰れた。仕事のヤマは乗り切った感じなので、サクサクと漫画を消化していこう。3月は欲しい漫画もいっぱい出るし。ちょっと風邪ひいちゃった感じ。やっぱり会社の床で寝ていたのが良くなかったか。

【雑誌】ヤングサンデー3/23増刊 大漫王 No.19 小学館
 巻頭カラーは「カケル」「Purple」の竹下堅次朗。この人は「Purple」のころから注目していたが、女の子描くのがどんどんうまくなっていくなーって感じ。今回は殺し屋が、偽装結婚した妻との間に生まれた娘と15年めにして初めて対面し、自分の身を犠牲にしつつ「生きろ」というメッセージを娘に伝えようとする……といった話。自分を父親と告げずに娘を見守る殺し屋の気持ちが切なくて、なかなか面白く読めた。
 本誌のほうでも掲載されたサイクロン猿橋のギャグ漫画「がんばれ個性的高校」は、個性だけを大切にするヘンな野球部の話。ヘンテコな話作りでなんだか楽しんでしまった。ちょっと狙いすぎかなという感じはしなくもないけど。「柔らかい肌」(山田たけひこ)は相変わらず絵はあんまりうまくないが、妙ないやらしさが漂っている。ヘンな味わいがあってけっこう好きだ。そしてこの雑誌の中でも一番の注目株、カイトモアキ「裸のふたり」。ものすごく煮詰まって暗い目つきをしたキャラクターたちの、過剰で異常な行動がすごく怖い。あぶねー。巻末の阿部潤「プチ」はマッドサイエンティストの話。こちらもアブナイ展開なんだけど、「裸のふたり」に比べると安心して読める。「裸のふたり」はパワーがすさまじいうえにアンバランスなもんだから、読んでいると不安になる。でもそこが好きなのだ。

【雑誌】ヤングアニマル 3/13 No.5 白泉社
「ベルセルク」(三浦建太郎)はこれで少し一区切りって感じだろうか。この作品はやっぱりまとめて単行本でぐわっーと読みたいところ。「ふたりエッチ」(克・亜樹)はエロ漫画度がさらに加速。開き直ってるなー。ところどころに挿入されているSEXに関するワンポイント豆知識がなんか間抜けでいいぞ。柴田ヨクサル「エアマスター」はアクションバリバリな展開。豪快な画面構成は健在。今回はちょっとタメの部分という感じ。

【雑誌】スピリッツ 3/16 No.13 小学館
 次号から榎本ナリ子「センチメントの季節」が復活。「山本直樹のマネだからダメだ」とかいう人もいるけど、俺はけっこう面白いく読めたんでいいと思う。問題はマネであるかマネでないかよりも、面白いか面白くないかだ。
 今週の「ぷりぷり県」は吉田戦車が想像で描いたソムリエが笑えた。赤ワインの赤さはやっぱり赤いよな。「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)はそろそろ単行本を買わないと。途中まで買って、その後買い忘れていたのだが、再開せねば。
「ラブレター」(作:じんのひろあき+画:若狭たけし)は御前崎薫がいい感じだ。俺は真琴より薫のほうが好き。鈴木マサカズ「マリカ64%」は今回で最終回。あっけない終わり方だった。なんとなくそのうち復活してきそうな気がしなくもない。わりと気になる作風ではある。あと新人の渡辺風流「半泣きの季節」は、とっつきにくい絵柄ではあるが、読んでみるとテンポが良くてわりと読めた。キャラクターの造形は、目の感じが「ハヤ子サケ道をゆく」の玉川敏秀っぽい。

【雑誌】少年ジャンプ 3/16 No.14 集英社
 ジャンプ5週連続新連載攻勢のしんがりにしてイチバンの目玉商品、富樫義博「HUNTER×HUNTER」がスタート。今回はまだ導入だけど、わりと面白くなりそう。「世紀末リーダー伝たけし!」は「へるスィー様編」が完了。なんかどうしようもない展開をしていると思っていたら、最後はちゃんと泣かせてきた。強烈で稚拙な感じの絵に目が行きがちだけど、話や見せ方もうまい。俺的には今のジャンプでは「I''s」(桂正和)と並んでイチ押し。
 少年ジャンプは最近売れ行きが落ちて、いろんなところでいろんなこといわれているけど、読者でしかない俺にとってはどうでもいいことだなーといつも思う。たとえ俺以外の499万9999人の読者がなんといおうと、俺が読むジャンプは1冊だけだ。ほかに何冊売れていようが売れていまいがかまわないわけだし、ほかの人がなんといおうと俺が面白いと思えばそれでいい。面白くなかったら別の雑誌を読めばいいだけの話だし。ジャンプがダメになったからといって、全体がダメになるほど漫画業界は底が浅くないと俺は信じる。

【単行本】「うしおととら外伝」 藤田和日郎 小学館 判型:B6
【単行本】「藤田和日郎短編集 夜の歌」 藤田和日郎 小学館 判型:B6
 この2冊は、実は先月のうちに読んでいたんだけど日記に書き忘れていた。「うしおととら外伝」のほうは「うしおととら」の各キャラクターのサイドストーリーって感じ。「うしおととら」を読んだ人には楽しめる。「夜の歌」のほうは「からくりサーカス」の原型ともいうべき「からくりの君」と、ちょっと「拳児」(藤原芳秀)を思い出す地味な拳法漫画「拳の歌」が面白かった。


3/1(日)……サラリマンまん

 土曜日から会社にいるので読むべき漫画が手元にない。今日は漫画は1冊だけ。家に帰ればまだ未読の漫画がいっぱいあるのに……。うーん、読みてー。大漫王もまだ読んでないし、「電波オデッセイ」(永野のり子)とか「拡散」(小田ひで次)とか……。でも、もうそろそろ仕事も一段落するので、そしたらバリバリと読もーっと。
 それにしてもこの日記を自分で読み返してみると、俺って本当に漫画読むのと仕事しかしてない気がする。実際してないんだけど。小説読んだり、映画観たり、漫画以外の方面でも強まらねばなあ。でも心のどこかで「まだ漫画を読み足りない」と思っているのも事実。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/15 No.7 集英社
 久しぶりに購入。相変わらず集英社の雑誌とはあんまり相性が良くないんだけど、ビージャンは比較的濃いのでわりと読めるほう。
 で、その中で圧倒的に濃いのが村生ミオ「Women」。ベタベタで濃厚で異常な世界。最近の村生ミオのこういうストーカー女系の作品は突っ走ってて好きだ。現在、ストーカー女の美沙が顔を整形して男の婚約者になりすまし、男に気づかれないようにつきまとい続けていて、それがついに男にバレて……という展開。キャラクターの目の光とか尋常じゃなくて怖い。
 あといつも面白いのが「甘い生活」(弓月光)。そろそろ終わらせてもいいころかなーと思わないでもないけど、のんびり続けるのも可。はた万次郎「ウッシーと日々」はいつもながらのやる気なさげな作風がいい。静かに面白い作品。

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