◆ 1998年5月上旬 ◆

5/1〜10
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5/10(日)……ちくわぶ伝説

 なんとなく「レビュー」という言葉が堅苦しいような気がしたので、「オススメ漫画レビュー」のページを「オススメ漫画」と改称。略称は「オスマン」

【単行本】「レグ・ラバ・ザ・ポチ」全3巻 岡田ユキオ 講談社 判型:B6
 面白いということは分かっていたのだが、なんとなく今まで買っていなかった。地元の古本屋で揃いであったので、ザクッと買っておく。非常に面白かった。岡田ユキオの中ではこれが一番じゃないかなあ。というわけでオスマンに追加。

【単行本】「青の時代」 外薗昌也 白泉社 判型:A5
【単行本】「雨の法則」 外薗昌也 白泉社 判型:A5
 もう15年くらい前の作品だけに髪型とかはやけにもこもこしていてやぼったい。でも、作品全般に流れるファンタジイな雰囲気はなかなかのもので、気持ちよく読めた。4/28に読んだ「優しい機械」と共通する、「ラグナ」というファンタジー世界を描いた一連のシリーズの中の一作。

【単行本】「伊駒一平NEXT!!人妻・女教師篇」 伊駒一平 二見書房 判型:A5
 伊駒一平漫画家生活10周年記念の第2弾。今回の収録作品は、そんなにアクの強いものはないけど、まあいつもの伊駒一平って感じで楽しめる。
 それよりも、巻末の永山薫とのインタビューが面白かった。さすが、永山さん。しっかりとエロ漫画の系譜をつかんだうえで話しているから読んでて面白い。伊駒一平が、「作品を作るとき女から作るのではなく男から作る」という話に納得。どうりでキャラの立った男が多いわけだ。エロ系のモノって、もちろん女の子の素材も重要なんだけど、俺としては男のキャラクターにも注目してしまう。っていうか男のキャラクターがうまくできているとすごく面白い。アダルトビデオも、同じ女優さんが出演してても男優によって出来が天と地ほど違うもんね。エロ漫画で男の絵を手を抜いてる作品を見るともったいないなーといつも思う。ここらへんは作品によって違うけどね。

【単行本】「Citygram <情報都市>」 高嶋清和 980企画社 判型:A5
 兄、本田健が知り合いからもらってきた本。
「高嶋清和追悼作品集」と銘打たれた作品集。発行は1981年。なんか非常に昔の実験漫画。古くさくて絵もうまくないし、全然おもしろくない。実験つっても別にそれが漫画の面白さにはつながってないし。ただ、そんな青臭さは嫌いじゃない。神経病みな感じの作品が並んでいて、これは自殺の一つもしますわなっていう作風。


5/9(土)……日通のカリペン便

 今日はきっちり休めたので、ボグッと寝る。朝の6時に寝て、起きたのが夜の6時。ちょっとボグッと行き過ぎたかもしらん。

【雑誌】ヤングサンデー増刊 猿 6/7 小学館
 グラビア中心の増刊。グラビアのほうにあんまり興味のない俺としては、そんなに面白くなかった。山本夜羽「コンド飛ンデミセロ!」。相変わらず説教臭くて人生語ってる。そこそこ面白いんだけど、うっとうしくもある。ロドリゲス井之介「高校武芸帳」。実はこの人けっこう好き。性欲にモンモンとする志の低い若者たちの、みみっちくも下らない日常を描いている。しかもキャラクターたちがヘンテコだ。山田たけひこ「それでも世界はまわり続けている」。この人も好き。キャラクターたちの顔つきはぎこちないんだけど、妙ないやらしさがあってセクシーダイナマイツ。中身が空っぽげなところがまた素晴らしい。あと巻末カラーはとがしやすたか「天然パーマくん」。とがしやすたかに4色ページを与えてどうしようというのだ……。色がついていようがついていまいが、とがしやすたかはいつもの漫画。そして、俺はこのいつものとがしやすたかが大好きだったりするのだ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 5/20 No.3 講談社
 まずは田中ユキ「PETS(前編)」。お話自体はまだ見えてなくて、後編に期待って感じだが、絵は相変わらず雰囲気があって非常にいい。だんだん掲載順が前になっているような気がするけど、ひょっとして人気上昇中?
 E-Oppers、咲香里「ルームメイト」。内容的にはどうでもいいんだけど、乳は好きだ。それにしても顔の主線が黒で、体の主線がピンクかフチなしだから、どうも顔と体で違和感あり。でも乳は好きだ。
「援助交際撲滅運動」(作:山本英夫+画:こしばてつや)。非常に濃いコンビの第2回。前回に比べるとだいぶ大人しめ。ただ、この二人のことだからこれからまたギリギリと濃くしていくんではないだろうか。楽しみ。片山まさゆき「まんちょくスナイパーとどめ」。電飾男、ファンタジックイルージョン中条がいい感じ。「俺中心の話をしようぜ」ってセリフに俺はけっこう感動した。
「恋人プレイ」(玉置勉強)。みんないうけど、背景真っ白ですな。そしてみんないうけど、これも味に見えちゃうあたり得だ。でも話を面白く見せるという点では、背景がないことがマイナスにはなってないんでいいんじゃないだろうか。それからやっぱりこの雑誌はサガノヘルマー「SATELLITEぢゅにゃ」。どうなるんだか分からないけど、どんどんいやになるほど濃くなっていくこと希望。

【雑誌】モーニング 5/21 No.23 講談社
 本宮ひろし「旅の途中」。うーん、おもしれえ。「実録たかされ」が手を抜いている感じがするぶん、こっちが面白くなっている。やっぱりこの人の面白さは太い。「クッキングパパ」(うえやまとち)。レモンステーキが果てしなくうまそう。これ見てレモーンステーキングした人も多いんじゃなかろうか。
 守村大「考える犬」。この漫画はわりと地味だがいつも面白い。幸せな感じで非常によろしい。「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)。ユリがついに復活!というわけでヨリとのすんごい勝負を期待したい。「えの素」(榎本俊二)。毎度毎度素晴らしい。グレートなスピード感。
 上野顕太郎「ひまあり」。今回は破壊力はちと弱め。「変體累ヶ淵NAKED」(米餅昭彦)。真一がさらに苦境に。これからどうなるんだろう。清田聡「染盛はまだか」。次号で最終回。もっと読みたいとこだけど……。そして、今号では岩下繁幸(そらみみくろすけ)が映画の試写会の告知ページを描いているのも気になる。

【単行本】「カリクラ」2巻 華倫変 講談社 判型:B6
 漫画マニアはみんな買う!……かどうかは知らない華倫変。2巻はどの作品もわりとコンスタントにレベル高し。ギャグ系の話もイカれてていいし、泣かせ系も好き。独特の伏し目で斜め下のあらぬところを見ている女の子たちも、それぞれにヘンでいい。けだるげで、やる気なさげでありながら、なんかやらなくちゃいけないと思いつつ、なんとなく何かをやっちゃってるって感じの、屈折した物語が味わいがある。ダウン系の薬物のような、中毒性のある作風。大好きだ。

【単行本】「よいこの星!」4巻 柏木ハルコ 小学館 判型:B6
 いつもと同じ感想ではあるが、子供ならではの陰湿な人間関係が素晴らしい。コップの中の嵐ではあるが、子供たちにはコップの中しか世界はなかったりする。狭くて行き場のない社会。うーん、いたたまれない。

【単行本】「ザ・ワールド・イズ・マイン」4巻 新井英樹 小学館 判型:B6
 太くデッカく面白い作品。モンちゃんはいつもどおりかっこいいし、ちんぽ系記者の星野、それから超人的ハンター飯島、謎の老婆・初枝。もうみんなキャラ立ちまくり。非常にアクが強くてかっちょいい。すごくおもしれえ。


5/8(金)……かーんだのもりもりー

【雑誌】少年チャンピオン 5/21 No.24 秋田書店
 板垣恵介「グラップラー刃牙」が巻頭カラー。この展開ではさすがに刃牙が負けるわけねえよな、と思いつつもやっぱり面白い。「ドカベンプロ野球編」(水島新司)。里中が一試合奪三振のプロ野球記録。でも、このまま延長に行ったら、参考記録になっちゃうんじゃなかったっけ。ええ加減にせえや、と突っ込みたくなる漫画ではあるが、ええ加減にしたからといって別にどうなるわけでもないので、行き着くとこまで行ってほしいとも思う。
「鉄鍋のジャン!」(西条真二)。この黄って奴が百蘭王っぽくもあるんだけど、もっと伏兵が実は……ってケースがありそうな気がする。一番目立たない勝ち方をする奴が実は百蘭王で、黄はその右腕だった……とかいう展開を予想しちゃうんだけど、さてどうだろうか。「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。今回もシンディが色っぽい。くそバケモンどもも。なんというかものすごくボンバー感(ダイナマイト感でも可)あふれる漫画であることよ。

【単行本】「日向で昼寝」 ささだあすか 白泉社 判型:新書判
 なんかスタンダードな少女漫画って感じの面白さ。ぽかぽかした日だまりって感じの、のんびりした居心地の良さがあって和む。ごはん系って感じがする。肩の力を抜いて自然に楽しめた。あと、同時収録の短編「ひかりのかけら」もなかなか気持ちよく読める漫画。

【単行本】「怪奇カエル姫」 神田森莉 ぶんか社 判型:新書判
【単行本】「37564学園」 神田森莉 ぶんか社 判型:新書判
【単行本】「少女同盟」 神田森莉 ぶんか社 判型:新書判
 いやー、こりゃいいね。ズルズル血みどろのホラーなんだけど、天然な感じの間抜けなノリと、イっちゃった目つきのキャラクターたち。ものすごく過剰。とくに「怪奇カエル姫」収録の表題作は感動モノ。頭が弱くて、「カエル」といっていじめられていた少女が、完全に狂ってしまい、彼女に恋しかけていた少年と一緒に、イジメっ子たちをばっさばさとぶち殺していくという話。「オチコはカエル姫▽オチコはカエル姫▽」(▽はハートマーク)と叫びながら、至福の表情でぴょんぴょん飛び跳ねるオチコが危なすぎて素晴らしい。

【切り抜き】「子供の頃に見た空は.」 松本大洋
 松本大洋の初期作品。単行本未収録作品。コミックモエ No.3(昭和63年=1988年6/1発行)に掲載された作品で、知り合いの人に見せてもらった。少年が散歩道で高所恐怖症の雲に出会う。雲は「高いところを飛ぶのが怖い」というが、少年は「今すぐ飛ぶことはない」と慰める。二人は友達になり地上でしばし楽しいときを過ごすが、そのうちに雲もしだいに高く飛べるようになり、少年との別れが訪れる……といった感じのお話。主人公は「ストレート」に出てくる天草みたいな顔つき。わりと普通のファンタジーなお話。無理して探すほどの作品ではないけど、ちょっとした佳作ってところ。
 発行日から考えると、たぶん「ストレート」よりも古い作品。


5/7(木)……アークション・ハウス

【雑誌】ヤングサンデー 5/14・21 No.22・23 小学館
 山口かつみ「オーバーレブ!」。涼子が気持ちよく走ってて、読んでて爽快。この漫画って「頭文字D」のマネみたいにいわれていたけど、別にマネでも面白ければいいじゃん、とか思う。読者は両方楽しめばいいだけの話だし。「殺し屋イチ」(山本英夫)。若頭、絶好調。ブイブイいわせまくり。「花マル伝」(いわしげ孝)。木元はやっぱり柔道を選ぶ。こうでなくちゃ。で、次号はなんか「感動のクライマックス」らしいんだけど、ひょっとして最終回近し?
「太郎」(細野不二彦)。ボクシング編はいつもいうように面白い。ガルシアも太郎もかっこいいし。最近期待の新人、佐藤秀峰「キムラ!」。今回が後編。力強くて熱くて面白かった。曽田正人、新井英樹といった先人の影響は否定できないが、面白いのでオッケー。「コンデ・コマ」(作:鍋田吉郎+画:藤原芳秀)。嘉納の直弟子・剣城との勝負が決着。こちらはまだ少年時代なので、先が見えてないけど、これからも楽しみであることは間違いない。
「デカスロン」(山田芳裕)は連載再開。もうそろそろ決着つけてほしいけど、まだ5種目め。先は長そう。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。ああ、もう、この人ってばうますぎる。脇役の話でこれだけ見せてくるんだもんなあ。今号のヤンサンではこれがベスト。

【雑誌】コミックアルファ 5/22 No.4 メディアファクトリー
 なんだかんだでいちおう毎号買っているけど、イキの悪いことおびただしいことに変わりない。でも、これのお手本であるビッグコミックやオリジナルがイキがいいかっていうと別にそんなこともないので、これはこれで間違ってはいないのかもしれない。正しいとも思わないが。
 ちばてつやが巻頭カラーで新連載。タイトルは「ハネ太」。なんかファミリードラマらしいが、どうなるんだかはよく分からない。面白ければそれでよし。面白くなかったらほっとけばいいので、それはそれでまたよし。村野守美「翠寛堂四代目 青柳貫介」。どうでもいいけど、伊達政宗と織田信長って活躍年代違わないか? 「織田信長の宿敵・伊達政宗」っていうのはちょっとヘン。「薬膳仙女マダム明」(作:揚愛蓮+画:花小路小町)。この漫画は毎度けっこう面白い。薬膳とセックスで、お客の心を癒す中華料理店のマダム・明が主人公。絵もきれいだし、けっこういやらしいし、なかなか楽しめる。「−ASTRA−SPACE FAIRY」(永井豪とジェリー・ロビンソンの競作)。どんどんアップする馬鹿馬鹿しさ。本当に下らねえ。そんな豪先生が俺は好きだ。「シャイニング」(作:阿刀乱地巣+画:バロン吉元)。内容はどうってことないけど、本当に絵が濃い。ギトギト。ヒロインの女性は、素晴らしい心の持ち主という役どころなんだけど、悪いことたくらんでいるようにしか見えないあたりがバロン吉元だ。

【雑誌】アクション 5/12・19 No.19・20 双葉社
 新連載、作:高橋三千綱+画:内山まもる「純愛とセックス」。それにしても内山まもるの絵は古くさいなー。やまだないと「家族生活」は、久しぶりの続きで4週連続で掲載される模様。現在は第14話。何を描いてもやまだないとはやまだないとって感じがする。さそうあきら「神童」。うーん、気持ちいい。そして泣ける。そろそろ単行本1巻も発売されることだし、まとめ読みするのが楽しみだ。巻末は江口寿史「キャラ者」と相原コージ「漫歌」。江口寿史だからちゃんと載っているだけで良しとしよう……なんて甘いことは俺はいわねえぞ。つまらなかったらやっぱり無視だ。今回は欄外の落書きがなんかうるさくてイヤなのだが。内容的にはまだ始まったばかりだし、1ページだけなので、なんともいえず。相原コージはまあフツー。でも「この漫画に対する解釈をおよせください」ってのはさすがに勘弁してほしい。

【雑誌】アクション 6/7 初夏増刊 双葉社
 あんまりにも本誌と表紙が似すぎてないか、と思うのだがどうだろう。両方とも赤バックで劇画調の絵。コレ買ったコンビニの店員も間違えそうになってたぞ。
「Every Little Thing」(末松正博)。なかなかいやらしくて鮮やかに面白い。「M」(とみさわ千夏)。最後のオチでかなりやられた。略すのが大好きな俺としては、非常にガツンと来るものがあった。ネタはバラさないので、どういうことやってるかは実際に読んでみて確かめてほしい。深谷陽の短編「アジアの果実」。いつもながらに東南アジア的雰囲気が充満していて面白い。「アキオ紀行」ファンはとりあえずチェックすべし。たけくらヤマト=金平守人がまた登場。今度は「つっこめ!ひよりちゃん−ナース編−」。このシリーズはベタベタなギャグの嵐。最初のころはギャグが滑ってる感じもしたけど、最近は板についてきたように思える。洞沢由美子「蜘蛛を愛す」は、タイトルどおり、蜘蛛を愛する男の話。蜘蛛版「つるの恩返し」とでもいえるだろうか。端正な絵柄同様、端正なお話。わりと面白い。


5/6(水)……昭和40年の10才は今の43才

 昨日の日記で書き漏らしていたのだが、コミティアの会場ではA → Zのカサイ・ゴーさんにもお会いすることができた。そのさいに、俺が「すごいよ!マサルさん」に出てくる「めそ」に似ているらしいことまで確認されてしまっていたようだ。
 俺は八の字眉毛で目が細いという、非常に似顔絵に描きやすい顔つきをしている。ちなみにこんな顔だ(テーブルが使えるブラウザで見てね)。わりと似ていると思うのだが、こんな簡単な線で似てしまうところが情けなくもない。

 見事に八の字になっている眉毛のためか、実在の人物に「似ている」といわれたことはあんまりないんだけど、漫画の登場人物に似ているといわれることはわりとよくある。「めそ」とか、「伝染るんです。」のかわうそとかかっぱとか。よく考えてみたらどれも「人物」じゃねえな。


【雑誌】月刊少年マガジン 6月号 講談社
 あんまり読むとこねえ。全体的に少年誌にしては脂っこいかなーって感じがする。さだやす圭も描いてるし。過剰系三国志漫画、山原義人「龍狼伝」もポマードべたべたな感じ。
 新連載、風童じゅん「GUT'S」はテニス漫画。第一話を読んだところでは、話はほぼ塀内夏子の「フィフティーン・ラブ」。とにかく足が速くて動体視力がよくて、チビでパワーのある少年が主人公。とだ勝之「Mr.釣りどれん」。女の子がかわいいなあ。間部正志「SPEED KING」。「ノーホシTHEルーザー」を描いた人とは思えないような、本格的なスポーツもの。不良のエミがかわいいけど、まあわりと普通な面白さ。あとは、やっぱり「VIVA!CALCIO」(愛原司)。オタクなサッカー漫画だなあ。

【雑誌】少年サンデー 5/20 No.23 小学館
 今号で一番のニュースは、やっぱり「神聖モテモテ王国」(ながいけん)の復活。復活とかそんなことを感じさせないいつもどおりの情けないノリ。とりあえず安心。高橋留美子「犬夜叉」。いつも面白いなあ。今回も燃える展開。満田拓也「MAJOR」。熱血。やっぱり練習しないで才能だけでドカドカ行かれちゃうと、名門校の人に失礼だよな。というわけで吾郎にはこれから辛酸なめまくっていただきたいもの。
「モンキーターン」(河合克敏)。いつも安定して読める。だからといって競艇を見たくなるわけではないけど。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。次号からW杯編に突入。いよいよって感じ。それにしても、現実のサッカー日本代表は明日(っていうかコレ書いてるときはもう今日)、メンバーが発表。レッズの小野が騒がれているけど、今の段階だと中田、名波のバックアップとしてはマリノスの中村俊輔がいいと思うなー。この期に及んで、柱谷とかラモスとかいうのはカンベンだ。FWにはサンフレッチェの久保を推す。たぶん選ばれないけど。

【単行本】「アカギ」8巻 福本伸行 竹書房 判型:B6
 いつもどおりの福本伸行。ざわざわ。っていうか、昭和40年の1億は今の10億で、昭和40年の2億は今の20億で、昭和40年の3億は今の30億で、昭和40年の4億は今の40億で、昭和40年の5億は今の50億だ。そんなわけで昭和40年の3000万円くらい、いや1500万円くらいあったら俺は会社を辞める。


5/5(火)……眠さでムンムン

 今日は一日中眠くて眠くて仕方がなかった。ていうか、これを書いている今でも眠い。眠くて薄ぼんやりした頭のままコミティアへ。いつものごとく、くちゃくちゃと本を立ち読しては買い、買っては立ち読みする。眠かったせいか、前に買った奴とダブっていたのもいくつか。まあいいけど。
 コミティア会場の雰囲気はいつも通り。なんかコミケが肉食動物系とすれば、コミティアは草食動物系。俺は最近、同人誌即売会はコミティアしか行ってない。ただ、だからといって「創作 is No.1」なんていう青臭いことをいうつもりはない。別にコミティアでむちゃくちゃ収穫が多いってわけでもないし。アニメを見たりゲームをやったりしない俺は、パロディものはあんまり楽しめないことが多いので、同人誌を買うときはやっぱりパロディでないものを買ってしまう。で、そういうものを求めにコミケに行くっていうのも、人が多くてかったるいので、コミティアくらいがちょうどいい規模だったりする。
 わりと自ら創作主義の殻を設定してしまった、閉塞的な雰囲気を持った人が多い即売会って感じはある。居心地はいいけどね。ここから新しいものが出てくるということはそれほどないと思うが、それだけに煮詰められて濃縮された世界があるのもたしか。

 今回のコミティアでは、ヤングキングOURSの原画展のイベントも行われていたので、生原稿をしげしげと見つめてくる。平野耕太の黒い原稿が印象に残った。なんか、公開持ち込みというイベントもやってて、何人か編集者とお話してたみたいだけど、よく人前でそんなことする度胸があるなーとか思った。

 なんか今回は今までの知り合いとか、Webで知り合った方とかに出会うことが多かった。Ionisationの吉本松明さん、outdexのムネカタさんが来ているというのは知っていたけど、月下工房#書評系のサイトウさんにまで会えてしまったのにはびっくり(前から一度お会いしたいとは思っていたのだ)。さらに4コマ研究所のさんきさんにも。いつの間にか広がる濃い人脈。
 もともと、NIFTY SERVEでウチの兄貴のやっているパティオのメンバーとはコミティア終了後、茶でもしばく予定ではあったのだが、それも10人以上メンツがいたので、集まるとかなりすごい状態に。これだけの人数を収用できる喫茶店とか探すのは面倒臭かったのが、そのメンバーの中のある方の会社が休みだったのをいいことに、そのオフィスにズカズカと上がり込んで漫画に関する話をしまくって帰る。

 まあ、そんなわけで今日読んだもの。こういう即売会に行ったときには、ある程度サイフのヒモはゆるめにして、ちょっと気になったら買うようにしている。こういうところでは買わないよりも買うほうが絶対に後から面白いのだ。そんなわけで、ここで紹介する同人誌は数が多いうえに、すでにその本を手に入れるのは難しく、情報としてはあんまり役に立たないけど、まあそのへんはご勘弁を。

【同人誌】「PARIKING!02」 PARKING
 実はこの本で、俺と兄貴が漫画評の原稿を描いている。一本は、兄貴による「けだもののように」のレビュー。そして、もう一本が俺と兄貴で延々漫画について語り合う対談だ。兄弟で対談やってるのも馬鹿みたいだが、対談風景も馬鹿みたいだった。ノートPCに外付けキーボードとディスプレイをつないで、片方は外付けキーボードで入力して結果を外付けディスプレイで確認し、もう片方はノートPCのほうで入力するというもの。なんかすごくヘンな光景だった。やけにいっぱい書いちゃったので、編集担当のminamiさんは大変だったろうなー。まあ、俺たちのどうしようもない原稿はほっといて、と。ちなみにこの同人誌の漫画評コーナーは俺たちのほかに、minamiさん、三五千波、outdexムネカタさんも執筆している。
 今回はminamiさんの漫画はテンション低くてイマイチ。「THE METRO MARMAID BLUE」(山本ヒロユキ)は、地下鉄で出会った、知恵遅れ気味の少女と殺し屋の話。なかなかの力作。そしてこの本で一番良かったのは、三五千波「ポエムの森」。どこを見て喋ってるんだか分からないキャラクターたちが、絵空事的な自分たちだけの領域でたわむれるという話。かなりイカれている。

【同人誌】「FISH of LoVe サカナ男の冒険」 (白井弓子+秋元なおと)
 今回のコミティアで一番の収穫はこれかも。魔術によってサカナ男にされてしまった男が、自分の真の姿を思い出すために、想像したことを現実のものとするカードを用いてナゾの少女と勝負する、という話。めくるめく幻想世界、きっちりとした作画、たしかなストーリー運び。大したもの。でも、実は1991年初版作品。

【同人誌】「若さでムンムン」 東風社(山田参助)
 真性・ホモであるらしい山田参助描くところの極北世界。この作品は「さぶ」に連載された、全8話を一冊にまとめたもの。この人の描くホモは、別に美少年が出てくるわけじゃなくって、むさくるしいひげだるまの親父とか、ラグビーか柔道でもやってそうなもっさりとした男子校生がターゲットだったりする。それが野太いちんぽを咥えたりするのだから恐ろしい。ちんちんに急須をひっかけて後輩にお茶を勧める先輩なんてもう、あまりのバカバカしさに圧倒される。ナンセンスなんだけど、でも切なくて、そして間抜けで真剣。
 絵が非常にきっちりしていて、写実的なうまさがあるのも素晴らしい。俺はホモじゃない(と思う。身体の奥底にそういう性分が眠っているかもしれないが、できれば呼び起こさないつもり)のだが、この過剰さは迷わず(特殊な人は)買うことをオススメする。

【同人誌】「absolutely free 2」 HARVEST HOME
 コアマガジン系列とかで漫画を描いている、茅薙隆裕が主催するサークル。このサークルでの注目はなんといってもカシミイル。この人の作品は2タイプあって、力の抜けた絵の電波系と、硬質で細い描線の山本直樹系作品。両方ともすごく面白い。今回は電波系の話が掲載されていてやっぱり面白かった。この人はセンス抜群だと思う。ただ、非常にやる気なさげな感じのする人なので、商業誌に出てくるってことはたぶんないだろうなー。仕事などの現実世界から逃避して、漫画で食っていこうと決心でもすればともかく。

【同人誌】「カナリヤ」 ダリア(神竜知賀子)
 かわいいんだけど、すごくデフォルメのきいた独特の絵柄で、ちょっとイカれた感じのメルヘンチックでファンタジックなお話を展開する。ヘンテコなノリが面白い。

【同人誌】「ホロニカウ」 ダリア(田中研治)
 なんだかイカれまくった本。大学ノートになぐり描きされた意味不明な、子供の落書き的漫画。その圧倒的な絵の雑さ、突拍子のない展開。やる気なさげで、かつ確信犯的悪意を感じる本。馬鹿馬鹿しくていい。

【同人誌】「YOIKO」 (山川黄予美)
【同人誌】「髪結いの恋人」 (山川黄予美)
 山川直人の奥さん。かっちりしたちょっと古い感じのする少女漫画絵なんだが、話はきっちりと組み立てられていて面白い。ときにファンタジック、ときにエッセイ風。どっちも味がある。

【同人誌】「すずしろ帖」 こうの史代
 こうの史代ということで買った。だけどインコ本なのでそんなに面白くない。前から思っているのだが、インコ本って何がいいんだかよく分からない。俺がインコ飼ってないからかもしれないけど、なんで数ある動物の中でよりにもよってインコなのだろう。

【同人誌】「きろぽすと VOL.IV」 年寄り工房舎(ともみ)
 いかにもコミティアっぽい、良心的な創作漫画。人物の絵は古くさくて、けしてうまくはないんだけど、背景なども含めて丁寧に描き込まれている。話も優しい心暖まるもので、いかにもって感じなんだが、ちゃんと読んでみるときちんと読めてしまう。なんとなく悔しいけど、面白いのだ。

【同人誌】「REVENGE」 (松下紺之助)
「黄昏幻燈館」(ラポート刊)の松下紺之助の個人誌。だけど、没設定救済とかそういう趣旨でページ数も少ないんで、パラパラと眺めておしまい。

【同人誌】「龍頭玩偶」 腐触金属(きいか)
 鋭いシャープな絵で人形みたい。松下紺之助にちょっと近い絵柄。この種の絵の完成形態って感じのする、非常に上手な絵。でもこれも眺めておしまい系。

【同人誌】「希望の泉」 突撃蝶々(山名沢湖)
【同人誌】「二つの天気」 突撃蝶々(山名沢湖)
 amieとかで描いている山名沢湖の個人誌。今まで力量がある程度想像がついているということもあり、なんとなく買ってなかったのだが、今回あたりから買うことにする。硬質な線のかわいい絵柄、メルヘンでハッピーな話、やっぱり面白いや。

【同人誌】「inkbottle viii」 インクボトル
 前からサークルカットとか見て気になってはいたのだが、行ってみると本が完売だったり、コミケの広い会場で見つけられなかったりで買ったことがなかったインクボトル。初めて買った。でも、ちょっとイマイチ。「WANTED」(志宇舞)は黒い画面で絵もシャープでけっこう好きだけど。

【同人誌】「きつねつき」 METAL ZIGZAG
 これはいい。とくに「Der kannivale verlor...」の作画を担当している無氏名(むじな)がすごくいい。鉛筆っぽい描線で、シャカシャカと描き込まれた絵柄。何かに憑かれたかのような、キャラクターたちの不吉で暗い目つき。かっちょいい。ばんがいちで漫画を描いている才谷梅太郎原作の漫画も一編収録されていたが、これはイマイチ。

【同人誌】「夢貉8」 夢貉
 少女漫画系。すっきりした涼しげな絵柄のKITAMU、片岡吉乃っぽい画風の皿屋うづきと、目に付く人もいるが、全体的な出来は今一歩。

【同人誌】「プリズム4」 竜の子太郎
 非常に完成度の高い、少女漫画系の絵柄。オタク男のハートもがっちりキャッチできそう。話はまだ続きがあるけど、楽しく読めるんじゃないだろうか。

【同人誌】「meR27」 漫画研究会meR
 実はここの主催者の「はちまき」って人、俺が作っている本でイラストを描いている人だったりする(イラスト描くときのペンネームは「長島泉」。担当は違うので俺の面は割れていない……と思う)。ちまちましたかわいい絵柄なのだが、この人は一枚イラストよりも漫画のほうが向いているって感じがするなー。

【同人誌】「WATER STORY」 石岡堂(石岡プレコ)
 少女漫画系のファンタジックなストーリー2本。目新しさはないけど、わりとよくできていて、安心して楽しめる作風。

【同人誌】「パーフェクトラブ」 ナゲチック(九谷イナゲ)
【同人誌】「A Likely Love」 ナゲチック(九谷イナゲ)
 こちらも少女漫画系。短いんだが、気持ちのいい絵柄ですがすがしい。もうちょっと長いの読んでみたいな。

【同人誌】「DNA幻想1」 (深沢夏月)
 絵空事のような、ファンタジックな学園で、主人公の少年が自分の本当にやりたいことを求めて勉強をしていく、って感じの話。作画もきれいで面白いんだけど、まだ続きがある。今度行ったら買っとかなきゃな(そのころには忘れてるかもしらんが)。

【同人誌】「LOVE LOVE SHOW」 (きづきあきら)
 前回のコミティアのときも読んでけっこう面白かった。今回はソフトSMをモチーフにした、暖かいショートストーリーを描いている。なんか切り絵みたいな描線だけど、丸っこい絵柄が特徴的。巻末の藤川毅の2ページだけのお話、「猫を隠す」は短いがうまいシーンを切り取っている感じ。

【同人誌】「ひとつ2号」 メタ・パラダイム
 原稿を募集して発行されてる、ちょっと雑誌的な本。いかにもコミティアらしい「創作するぞっ」って感じの青臭さがあふれている。志が高そうなことはたしか。そういうのは、ときに鼻についたりもするが面白ければOK。
 この中では古瀬秀美「見知らぬあなたに」が良かった。詩にのっかって雄大に力強く広がる「生きることの素晴らしさ」のイメージ。たった6ページだけど、言葉に力があってゾクゾクする。あとは「あいつ」(秋元なおと)。細くて乾燥した描線がいい感じ。

【同人誌】「ALL OR NOTHING」 ちくちくNET(西村竜)
 ちょっと稲光伸二系かなーって感じのすっきりとした絵柄。話はちんまりしてるので肩の力を抜いて気楽に読んで終わり。

【同人誌】「海からの風」 あびゅうきょ
 あびゅうきょ初期作品集。執拗なカケアミなど偏執狂的なものを感じる。いつものことだが。

【同人誌】「けだもののようにII-2」 ぐんたまカンパニー(渋蔵)
 この前ビンゴの連載「神様ゆるして」が終了した、比古地朔弥こと渋蔵の作品。ちょっと古めだけど、妖しい色気があって面白いシリーズ。早く先が読みたーい。


5/4(月)……奇声ラッシュ

 朝の9時すぎに、ようやく仕事が一段落。家に帰って倒れるように眠る。夜起きて飯を食った後、漫画読んでこれ書いて、またしばらくしたら眠る予定。ああ、素晴らしきかな、ゴールデンウィーク。まあとりあえず明日は休めるので、コミティアには行くつもり。

【雑誌】ガロ 6月号 青林堂
 今月も充実。前号の有川祐みたいな、意外なメンツはいないけど確実に読める。売れないとは思うが、続いてほしいなあ。
 またもやキクチヒロノリが表紙。すばらしい。そして「新世紀アダム好キーUFO解脱マン」は今回も面白かった。クッキリハッキリとしてイカれた絵柄、どこからわいてくるんだかよく分からない教科書みたいな反応を示す群衆。いやー、最高。
 松本充代「過ぎし日積みし日」は、松本充代としては標準レベルって感じ。平凡な日常を送りながらも、肥大した自我によるコンプレックスに悶々とすごす主婦の話。ねちっこい。逆柱いみり「マーマーフーフー」。毎度いいねえ。黒々とした画面と、淡々とした筋運び。ごく自然にそこにある奇妙さが気持ちいい。
 津野裕子「サンディッシュ・メモ」。今回も幻想的で美しい。Q.B.B「幼稚な大人」。このシリーズはなんか久住昌之らしい、下らないウンチクがつまってて、なおかつ間抜けてていい感じ。町野変丸「ミイラ君」はいつもいうけど、「いつもの町野変丸」。今回はスキップしながらちこくしちゃうあたり、工夫が見られる。女の子の描き方もいつもおんなじ。かわいさに磨きがかかってきたような。
「おかたづけ」(細川貂々)。静かで涼しげな画風でわりといい。「ゆれる空」(太宰ベベ)。露骨に魚喃キリコのフォロワーだけど、今回はまあまあ。

【雑誌】マンガの鬼AX Vol.2 青林工藝舎
 今回も漫画多し。コラムだの特集だのやりたければ、別に雑誌でも作ってそっちでやってくださいって感じ。
「星に願いを」(大越孝太郎)。前回の内容はあんまり覚えてないんだけど、作画および画面の雰囲気とかはかっちょいい。花輪和一「プクプク拘置所」。前回に続いてムショ話。静かでのどかな刑務所日記。なんか麦飯食いたくなっちゃうな。
 友沢ミミヨ「300ねん」。相変わらずのデブ専ぶりでヘンな話なんだけど、ファンタジイなものを感じてしまう作風は健在。清水おさむ「昭和へび女」。これは面白い。脂っこい過剰な絵柄で、ベタベタでそして間抜けな展開。覆面レスラー「へび仮面」は笑った。そして、最後の見世物大集合状態でヤクザと戦うあたり、素晴らしい。
 キクチヒロノリ「クルクルキーキー」。ガロでやってるのと基本ラインは一緒だけど、ページ数が多いぶんだけガロのほうが面白い。「むしんこ村」(秋山亜由子)。ちまちまさっぱりとした絵柄で、不思議なお話。面白い。東陽片岡「バーBONのババア」。いつも変わらぬ東陽片岡。しみったれた画面がかっちょええ。
 河合克夫「ドーナツ・ショップ」。淡々と進むかに見えたが、最後でいきなりダイナミックな展開。当たり前のごとき狂気がいい感じ。

【雑誌】ヤングマガジン 5/11・18 No.21・22 講談社
「ストッパー毒島」(ハロルド作石)。渋谷弟が力強くてかっこいい。「僕といっしょ」(古谷実)。イトキンの母(と思われる人登場)。アヤシイ。「日直番長」(タイム涼介)。委員長、いいよなっ。
 永野数馬「劣等25%」は連載2回目。最初っから最後まで、脈絡ない展開で突っ走る。パワフルで面白い。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。今回は鉄郎の妄想が素晴らしかった。鉄郎がSPEEDに加入したところから始まり、最後はみみっちい展開に。途中で妄想に照れたり、母親にごはんを急かしたりするあたりも小技がきいている。この漫画はかなりオススメ(一部の人に)。
「イッパツ危機娘」(原田重光)は力業で危機脱出。7月からの完全週間連載化までしばしお休みとのこと。「カイジ」(福本伸行)。俺はカイジの勝利に50ミリグラムほど賭ける。

【雑誌】モーニング新マグナム増刊 5/20 No.2 講談社
「ネオ・デビルマン」。永井豪も描いているけど、夢野一子が描いたほうが数段面白い。不動明に恋する同級生の視点から描かれていて、最後はデーモンになってしまうんだけど、心の片隅に明に対する思いが残っていて……って感じのお話。切なくて、かつ優しく消えるように終わっていくラストも感動的。デビルマンという圧倒的な存在を根幹として、その脇のちっぽけな存在の想いを非常に丁寧に描いている。面白かった。
「オフィス北極星」(作:真刈真二+画:中山昌亮)。鮮やかなお話で楽しく読める。「新 鉄人ガンマ」(山本康人)。久しぶりの復活だけど、変わらぬ過剰な展開。スゴイや。「お母さんといっそ」(松田洋子)。松田洋子らしい、悪意あふれるひねくれた作品。松田洋子としては普通の出来だけど、まあこんなもんだろう。こちらもひさびさ荒巻圭子「Sphinks」。アフタヌーンで「GENOMES」描いてた人ね。ゴージャスで気持ちいい。
「サイコドクター」(作:亜樹直+画:的場健)もひさびさ。こちらはまた前と同様ベタベタ。そこが魅力でもある。「洗濯日和」(雨宮智子)。オヤジの描き方とか、ちょっと絵のタッチが遠藤浩輝っぽいような気がする。話は下町人情もの。わりと面白かった。

【雑誌】ヤングサンデー大漫王 5/27 No.20 小学館
 巻頭カラー、山田玲司「カルマレイン」は、「アガペイズ」と「ストリッパー」両方の外伝。山田玲司らしい青臭さがいい感じかな。「柔らかい肌」(山田たけひこ)。相変わらず乳がデケエ。
 今回の大漫王でいちばん惹かれたのが藤原大吾「モンキーマン」。アフリカの部族の生き残りで、日本に留学してきたナホバくんが主人公。力強い絵柄で話もパワフル。なかなかいい新人だ。
 金井正幸「ペンは剣より強し」。なんか情けない展開でけっこう面白かった。あと、この雑誌でいつも一番楽しみなのがカイトモアキ「裸のふたり」。登場人物の目がいちいち血走っていて怖い。なんとも過剰な作風が素晴らしい。

【単行本】「天使の声」 吉野朔実 集英社 判型:A5
 画面が美しくて面白かった。少年・青年漫画育ちの俺でも読みやすい。とくに表題作の「天使の声」が一番良かった。


5/3(日)……5月3日ゴミが午餐で誤算の日

 今日も会社に泊まり。家にはたまってる漫画もあるんだが読めない。悔しい。モーニングの新マグナム増刊とか大漫王とかそろそろこなしておきたいんだけど……。
 ちなみに今月は以下のようなものを買う予定。「おまかせ!ピース電器店」はもう買ってある。今月楽しみなのは、華倫変「カリクラ」2巻、羽生生純「ワガランナァー」、おおひなたごう「おやつ」あたり。

98年5月
タイトル著者価格出版社
ラブラブだもん田中ユタカ800富士美出版
ひぢり三昧ひぢりれい800富士美出版
01おまかせ!ピース電器店(7)能田達規390秋田書店
01I''s(5)桂正和390集英社
07まぼろし谷のねんねこ姫(4)ふくやまけいこ390講談社
07カリクラ(2)華倫変505講談社
08柔らかい肌(2)山田たけひこ486小学館
08ザ・ワールド・イズ・マイン(4)新井英樹486小学館
08よいこの星!(4)柏木ハルコ486小学館
15おやつ(1)おおひなたごう390秋田書店
15UNTITLED岡崎京子1000角川書店
15ハッピーファミリー(2)三原ミツカズ924祥伝社
15快楽天増刊「変玉」ワニマガジン
18俺たちのフィールド(29)村枝賢一390小学館
19天上天下(1)大暮維人590集英社
19急戦法まことスペシャル小杉あや+青木光恵648集英社
20春の夢宮本輝+土田世紀819文藝春秋
22ヨリが跳ぶ(13)ヒラマツ・ミノル505講談社
22のんちゃんノリ弁(4)入江喜和505講談社
22えの素(2)榎本俊二533講談社
22ヨガのプリンセスプリティーヨーガ(2)稲留正義未定講談社
22岸和田博士の科学的愛情(11)トニーたけざき未定講談社
25ワガランナァー羽生生純未定秋田書店
28神童(1)さそうあきら857双葉社
30奈緒子(16)坂田信弘+中原裕486小学館
富士山みかりん819一水社

【雑誌】ヤングジャンプ 5/14 No21・22 集英社
 それにしてもヒロスエな雑誌である。今号もグラビアはヒロスエ。前ほどではないと思うけどやっぱりかわいいや。メイクしてないだけあって、アップで見るとちょっとしみとか見えるが。
「サラリーマン金太郎」(本宮ひろし)。いつもの本宮節だとは分かっていても、やっぱり読まされてしまうのが本宮節。本宮ひろしには熱狂的なファンがけっこういるが、俺はそれほどでもない。それでも面白いときは面白い。いつもながら100万単位の読者を相手にできるだけの太い作風を持っていると思う。
「ホットマン」(きたがわ翔)。きたがわ翔のなかではわりといい線行っていると思う。きたがわ翔ってだけでばかにされがちではあるんだけど、読んでみるとまあまあ面白い。「天国にいちばん近いフィールド」(作:森田森魚+画:七瀬あゆむ)。やっぱり七瀬あゆむはラブコメのほうが合ってる。

【雑誌】ミスターマガジン 5/13 No.9 講談社
 うえやまとち「釣りパパゴローちゃん」。いつもながらうえやまとちの漫画は料理がうまそう。刺身食いてぇー!(会社に泊まってると、あんまり生ものは食えないっす)
「王道の狗」(安彦良和)。話は読めないけど、なんとなく面白くなりそうな気はする。でも安彦良和だから面白くならないで終わる可能性も大。「地獄鳥」(犬木加奈子)。いつもどおりで面白い。「処刑女王様 蓮花」(矢荻貴子)が妙にいやらしい。でも責めはちとぬるいかな。「毎日毎日何十本ものチンポしゃぶってお金かせいで…」という、ピンサロ嬢のセリフがいい感じである。


5/2(土)……GOLDEN BAD

 ゴールデンウィークだけど、今(5/3午前3時)は会社に泊まっている。ゴールデンとかいっても休めるわけじゃないし、休みだから漫画は発売されないし、なんとなく損した気分。でも、会社にあんまり人がいないので静かな環境で仕事ができるのはちょっとだけいい気分。まあ、考えてみればいつもどおり出社しているのに休日手当てがもらえるんだから、金銭的にはうれしいんだけど。でも時間は金じゃ買えないのだ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/1増刊 Manpuku! 小学館
 なんとなく中途半端で散漫な印象を受ける。ギャグをやりたいんだか、やりたくないんだか。個々の顔ぶれは豪華だけど、どうもイキが悪い。俺としてはスピリッツ21のほうが好みだった。
「一生懸命機械POWERED」(吉田戦車)。今回の主役は飲み屋のおしぼりあっため機。毎度毎度、ヘンな機械に目をつけるなあ。吉田戦車はこういう地味めの作品こそ本領って感じがする。「チャンス!」(作:木村和久+画:秋重学)。木村和久らしい、ギョーカイ入りを目指す男の話。秋重学の絵は好きだけど、話としてはイマイチかなー。
「FINE GIRL」(山本直樹)はいつもの山本直樹。今回のは驚くほどの作品ではないけど、それでもやっぱり読ませてくる。淡々とした展開と突き放した視点がかっこいい。絵も本当にうまいなーと思う。CGも比較的簡単なエフェクトしか使ってないように見えるんだけど、背景とか作品世界にマッチしていて効果的だと思う。
「怪奇版画男番外 メイキングオブ版画男」。これは単行本に入らないんだろうなあ。というわけで切り抜きしておくべし。それにしてもなをさんは立派である。松井雪子「モモコの朝」。これはギャグもの。巨乳がええ感じの他愛のないお話。
「BELL」(窪之内英策)。4色カラー8ページ。この人の絵はやっぱり非常に魅力的で、ヘタにギャグをやらないほうが面白いと思う。その意味でこの話はわりと良かった。いけだたかし「女子高生親父爆弾」。見るたびに高橋しんに似てきている。今回の話は、最初のほうはイマイチかなと思ったが、終わりのほうはわりと気持ちよく読めた。まあそこそこ。
 石井達哉「プロファイリング師 朕集院犬清」。いつもながらに下品で情けないお話。下らなくてわりと好き。古林仁史「EX.」。相変わらずの古くさい絵柄。「星に願いを」は面白かったのだが、これは普通の出来。そういえば「草かんむり」ってどうなったんだっけか?

【単行本】「センチメントの季節」1巻 榎本ナリコ 小学館 判型:A5
 一話一話だともの足りないこともあるけど、まとめて読むとやっぱり充実している。きっちり作り込まれた絵、話。淫靡だけど、それでいて上品。この中で俺的に一番好きなのは第2話「反コギト」。自分を失うことが怖くてエクスタシーを拒む少女と、不能者であるエロ小説家の交わりを描いた作品。「我思うゆえに我あり」。エクスタシーによってモノを考えられなくなり、自分が自分でなくなってしまうことへの不安を抱える、少女の不安定なココロを描いている。どの話もスゥッと消えていくように終わっていく。鮮やか。もっとすごい話を作れそうな人ではあるけど、とりあえず面白いのでOK。後書きはかなり長め。面白いのだが、俺的には語りすぎって感じがしないでもない。
 あと単行本のカバー裏にちょっとしたお遊びがあるので、いちおうチェック。

【単行本】「ミシンとナイフ」 志村志保子 集英社 判型:新書判
 サイトウマサトクさんのWebページ、「月下工房」内、「月下工房の100冊'97」の中で取り上げられていて面白そうだったので購入。
 たしかに面白いと思う。好みが近めの漫画読みの言葉には、素直に従うと収穫が多い。硬質で透明感のある美しさの中に暖かさがあっていい感じ。この中では、とくに表題作の「ミシンとナイフ」が良かった。膝から血を流しながら、雪の降る校庭にポツンと立っている少女の姿は、清浄で、触ると消えてしまいそうな儚い美しさがあって印象的。「猫ノ夜ノ夏ノ」は主人公のおねーちゃんの表情が良かった。


5/1(金)……ちゃぐちゃぐ馬っ子

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/15 No.10 小学館
 今号の注目株は、第41回新人コミック大賞入選の至高道紀。タイトルは「つばき」。田舎のさびれかけた商店街にある、家業の酒屋を継いだ若者、竜が主人公。彼の住む町に、彼が昔付き合っていて今は東京に行ってしまった女性が帰ってくる。彼女を引き留めずに好きなように東京に行かせてしまったことについて、竜にも彼女にもわだかまりがあるのだが……って感じのストーリー。キャラクターたちはいろいろな葛藤を胸に秘めながらも前向きで、わりと面白く読めた。絵がスラッとしてて気になる。すごく面白いってほどではないけど佳作って感じ。
 で、スペリオールではやっぱり「演歌の達」。今度は病におかされたキャラクターも出てきて、いつもよりもさらにナニワ節的展開。いやー、面白い。六田登「シネマ」はビートたけし似のヘンなおやじが出てきてさてどうなるかってところ。岡崎二郎「国立博物館物語」はいつもどおり安定したストーリー運び。安心して読める。

【雑誌】ビッグコミック 5/30増刊号 小学館
 たかもちげん「やだね!」。ベタベタな感じはするけど、わりと面白い。ひねくれ者の日本人メジャーリーガーの話。「卓球社長」(島本和彦)。島本和彦にすると、テンション低いフツーの作品って感じがする。こっちでも岡崎二郎が掲載。「Neko2」。熟練の味。うまいな。勝川克志「少年時代」。この人のコテコテのノスタルジック世界はちょっと鼻につくところはあるのもの、絵はやっぱり和む。
 
【雑誌】ヤングキングアワーズ 5/31 No.39 少年画報社
「コミックマスターJ」(画:余湖裕輝+画:田畑由秋)。過剰な展開が面白い。ちなみにどうでもいいが、「漫画は日本が世界に誇れる文化」とかいうセリフがあるけど、俺はこういう言い方ってあんまり好きじゃない。別に誇らなくてもいいじゃん、とか思うのだ。別に誇ろうが誇るまいが、自分の楽しみは変わらないんだし、周りの国の人たちも意識しないと思う。本当に誇れるほどすごいものだったら、誇らなくたってそのうちみんな知るようになると俺は信じる。あと、そんなに読んでるわけでも描いてるわけでもない人に誇られてもねーとかも思う。加藤芳郎とかが誇ってたらイヤな思いをすることは間違いないだろう。
 平野耕太「HELLSING」。いつもながら大仰なポーズがかっちょいいねえ。大石まさる「WATER−水の惑星−」。まあまあ。やりたいことは分かる。基本ラインとしては悪くないけど、絵も話ももうちょっと磨くべし。やまむらはじめ「永遠のせつな」。二重人格モノ。シリアスな話でまあわりと面白め。あとは千葉治郎「Hag Hag だだっこ」。ほのぼのしていていい感じだ。

【雑誌】増刊ヤングジャンプ漫革 6/5 集英社
 この雑誌を買う目的の半分くらいは、俺としては駕籠真太郎「超伝脳パラタクシス」。ちょっとエヴァンゲリオン的な、精神を同調させて操る人間型兵器で気色悪い敵と戦う軍隊の話。駕籠真太郎にしては大人しめで毒も薄い。もっとカリカリにやって欲しいんだけど、ヤンジャンの増刊じゃ難しいかな。
 作:夢枕獏+画:くつぎけんいち+脚色:生田正「怪男児」は、やたら強いんだけど朴訥でむっつりスケベな男の話。悪役をドカーンとぶっ飛ばすあたりはわりと爽快。仙道ますみ「ICE」はちょっと怖い感じの話。本誌連載の「えっち」よりはこっちのほうが好き。絵柄もいつもとちょっと違って、トーンが少なめ。山本夜羽「新世紀無頼伝 侠子エクスプロージョン」。わざとやってるんだか何かしらないが、極太明朝でタイトルがフチに沿って配置されているのはちょっとダサい。話は必殺仕事人系の話で、まあ普通に楽しめる。戸田泰成「剣の鳳凰」。この人の絵はいつもなんだか気になる。画面が黒くて太いペンタッチで。でも、どうも話が好きなタイプじゃないんだよな。

【雑誌】リイドコミック 5/14 No.832 リイド社
 久しぶりに読む。わりとキトキトのオヤジ雑誌。
 巻頭カラーは新連載、作:高村薫+駕:久保田眞二「照柿」。刑事物でハードボイルド。なんとなく得体が知れない。持ってき方しだいだとは思う。絵はうえけん+土田世紀って感じ。「チョビヒゲ・パンプキン・バーガー」(藤波俊彦)。「キャバクラ大臣」の人だが、相変わらずヘンな絵で下らないなー。妙に心が和む。「リストラ代紋」(シナリオ:原麻紀夫+画:土光てつみ)。ギットギットの脂っこさ。最後のコマのすごいベタベタさも含めて、こってりテカテカ。

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