松本大洋

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■作家名:松本大洋(まつもと・たいよう)
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「ナンバーファイブ」 小学館 IKKIコミックス B5

「ナンバーファイブ」 クリックで拡大  地表の70%を砂漠が覆う星。その星の国際平和隊(国連軍みたいなものか)の幹部組織である「虹組」に所属していた「ナンバーファイブ」と呼ばれる男が、マトリョーシカという女性を伴って逃走を謀る。彼を追って虹組は刺客を送り込んでるが、射撃の名手であるナンバーファイブはそれを次々撃退していく。そんな状況のもと、ナンバーワンの野望やその他もろもろの政治的思惑が交錯して……といった感じのアクション作品。

 この作品世界自体は「日本の兄弟」に掲載された「闘」に近いかもしれない。未来っぽいけど砂ぼこりくさい、独自のファンタジー世界。その中で繰り広げられる「愛」をバックボーンとした逃走劇、それから戦闘シーンは、松本大洋の高い表現力に支えられてたいへんかっこよく描かれている。なんかもう一つ一つのコマがビシッと決まっていてまったくスキがない。そういえば虹組の面々9人には、それぞれ「ナンバーX」というふうに、番号がつけられていてそれに漢字が対応しているのだが、その対応のさせ方も気が利いている。

ナンバーワン=王→中国語読みのワン(one)
ナンバーツー=仁→読み「に」(2)
ナンバースリー=惨→読み「さん」(3)
ナンバーフォー=死→読み「し」(4)
ナンバーファイブ=吾→読み「ご」(5)+「われ」ということで主人公を指示
ナンバーシックス=岩→岩は英語でいうとrock(ロック)。つまり「ろく」(6)
ナンバーセブン=亡→字形が「七」に類似
ナンバーエイト=蜂→読み「はち」(8)
ナンバーナイン=苦→読み「苦」(9)

 妥協のない作画、画面構成、多彩なアングル、独自のリズムを刻むセリフ。どこを切っても松本大洋。久しぶりの雑誌連載作品だけにたいへんワクワクして見ている。

 なお、写真はフィギュア付き化粧箱入りで発売された第1巻の初回限定特装版である。
(2001/11/26)

ISBN初版年月日価格収録(初出)購入
14-09-188201-3 C99792002/01/01819円+税1〜4話(ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI 2000年No.1〜2001年No.4)[bk1][Amzn]
24-08-182202-1 C99792002/01/01819円+税5〜8話(ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI 2001年No.5〜2002年No.8)[bk1][Amzn]
34-08-182203-X C99792003/05/01819円+税9〜12話(ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI 2002年No.9〜2003年No.12)[bk1][Amzn]
44-09-188204-8 C99792003/10/01819円+税13〜16話(ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI 2003年No.13、月刊IKKI 2003年4〜6月号)[bk1][Amzn]
54-09-1882056 C99792004/03/01819円+税17〜21話(月刊IKKI 2003年7〜11月号)[bk1][Amzn]