まずはゲーム盤となる地図だが、これが気が遠くなるほどでかいのだ。
西ヨーロッパ諸国だけをあらわすのならたいした面積にはならないが、とにかく第二次大戦のヨーロッパ戦域の全てをカバーするのだ。それも、主な戦場になったところだけではなく、ほんの少しでも作戦の舞台になったところまで。ロンメルがもし北アフリカで勝利していたら…という可能性も考えられているので、ご丁寧にパレスチナやシリア、果てはその先のイラン、イラクまでカバーしている(イラクで親枢軸クーデタが起こったため。また、1941年にはイギリスとソ連が共同でイランを占領している)。北はノルウェーの最北端、ノール岬から、南はペルシャ湾、バスラまで、西はアイルランドから東はウラル山脈までと、まさに「ヨーロッパ州」の全て、物凄く広い地域をカバーしているのだ。
東西の経度は75度、距離にして8300キロメートル、南北の緯度は45度、距離にして5000キロメートルもの範囲をカバーしているのだ。全世界の面積(海を含む)の20分の1である。
B2サイズの地図25枚ほどで、ようやく全てが再現できるのだ(現在32枚の地図があるが、大きく重なる部分があるため)。計算してみたところ、6畳間には20枚ほどしか広げることができない。私はほとんどの地図を持っているが、いまだに全貌を見たことがない。物理的に連結して広げることが不可能なのだ。まさに体育館が必要なゲームなのだ。
それだけの広さを持っているのだから、当然、地図の中心付近にある駒には手が届かない。地図の上に乗らないと駒を動かすことさえできないのだ。日本の住宅事情に全くそぐわないゲームなのである。まさにアメリカ的といえよう。が、恐ろしいことに、これだけのスペースはアメリカの家でも用意することができないのだ。