◆ 2000年6月中旬 ◆
6/11〜20
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6/20(火)……けだものが医者
CATVインターネット導入に向け、業者さんが工事前の下調べにくる。工事プランはだいたい決まった模様。混み合っているので実際の工事は1ヶ月くらい待つことになるそうだが、常時接続環境の実現が近づいてきた。といっても会社では専用線で夜もテレホでずっとつながってるし、ICQとかにはいつもいるじゃんよーとか思う人もいるかもしれないが。実際、「いつ寝てるんだ」とかときどきいわれるしなあ。
散髪。男はザクッとスポーツ刈り。
【雑誌】花とゆめ 7/5 No.14 白泉社 B5平
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安定した読み心地の雑誌。傑出した作品というのはないのだけど、どれもわりと高いレベルでコンスタントに読める。手堅い。今号で目立ったのは、岡崎呼人「朝のこと」。シンプルでさっぱりした絵柄で綴られる恋物語。まだ作画にしろお話にしろツメが甘いような気はするが、読後感は爽やか。あと日高万里「世界でいちばん大嫌い」が、このところとみにラブラブで楽しい雰囲気でお話が進んでいて心地よく読めている。
【雑誌】漫画アクション 7/4 No.27 双葉社 B5中
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六田登「CURA」。魔球連発でプロ野球界に旋風を巻き起こす木浦と、吸血鬼として目覚めた息子・隆。どちらもたいへんなことになっていて、物語はぐらぐらと揺れながらハイスピードに展開。盛り上がっている。さそうあきら「トトの世界」。このところかなりテンションが高いなーと思っていたら、次号で最終回となるらしい。ちょっと急な感じもするのだが、次回でどうまとめてくるのだろうか。注目。
【アンソロジー】「ミルクコミックさくら」vol.11 松文館 A5平
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おなじみロリ系アンソロジー。漫画を執筆しているのは、月角、あじまる、菊地広隆、豊川稲理、こけこっこ☆こま、彩木衛生、士崎月魚、黒崎まいり、う〜とむ。表紙に名前のあるほかの人は、イラストもしくはイラストエッセイ。それにしても大山田満月はうまいなあ。漫画読みたい。漫画では、あじまる「忍者尻風録」が良い。猫耳頭巾の少女忍者がえらくかわいい。楽しそうな雰囲気もマル。月角はいつもながらの手堅い仕事。イラストエッセイでは、A・浪漫・我慢の漫画仕立てのものを見て、やはり漫画描いてほしいなあとか思う。
【アンソロジー】「G:drive」vol.2 桜桃書房 A5平
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美少女PCゲーム系アンソロジー。美少女ゲーは全然知らないので元ネタが分からずピンと来ないのだが、海明寺裕「隷嬢キャスター真璃子」モノの漫画を描いているので購入。内容は美人キャスター3人による露出モノとなっており、いかがわしいことをしていてけっこうエロい。
部類の賭け事好きである大病院の一人娘が主人公。生きていくための力として賭けをし、重い運命をしょい込んでいく女傑の物語である。キリッとして線の太い主人公の姿が魅力たっぷりに描かれている。ドロドロした妄執や愛憎を包み込んで、混沌とした状態のままぐいぐい読ませていく力強さは実に六田登らしい。
小沢真理の短編集。短編3本を収録。上品で繊細な味わいの絵柄そのままな優しいお話だけでなく、けっこう大人向けの、ベタなお話も描く人なのだなあという印象。収録作品のなかでは、ワカメちゃんカットの女の子が出会った不思議な出来事を描いた「道草の日」が、ミステリアスな雰囲気と相まって面白く読める。小さい女の子の上品な可愛らしさは抜群。大人サイドのお話のほうはいまいち燃えない。
【単行本】「けだもの会社」2巻 唐沢なをき 集英社 A5
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けだものが中心になって運営されているけだもの会社。今日も、けだものならではのさまざまな能力をイカした「ユニークな」経営が続く。といってもまあさすがに唐沢なをきだけあって、その能力は、個性だけ豊かで役に立たないことが多く、それが楽しさの源の一つ。唐沢なをきにしては、ギャグは大人しめ。詳しくは唐沢なをきページのほうを参照。
6/19(月)……郷里で猟奇
本日購入で未読の物件。
【単行本】「千億の蟲」1巻 六田登 集英社 B6
【単行本】「道草の日」 小沢真理 集英社 A5
【単行本】「けだもの会社」2巻 唐沢なをき 集英社 A5
【小冊子】「新実録猟奇娘 オクトパスよ永遠に」記念プログラム 第三幻活
このうち「新実録猟奇娘 オクトパスよ永遠に」記念プログラムは、よく分からないのだが8mm映画にまつわるものらしい。多田由美が表紙で、川崎ゆきお「猟奇娘」の未発表作が掲載。B5平とじのオフセット印刷で、形式は同人誌に近い。限定400部で500円。渋谷のBOOK 1st.という書店に置いてあったので、欲しいという人は早いうちに行けば買えるかも。
【雑誌】モーニング新マグナム増刊 7/5 No.15 講談社 B5中
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安田弘之「ちひろ」。うーん、ちひろが実にクールで艶めかしい。底の知れぬ虚無と楽天性が同居している。非常に魅力的なキャラクターである。冒頭の、カタツムリを身体に這わせているシーンなんてゾクゾクするかっこよさだ。佐藤マコト「サトラレ」。今回のサトラレは、プロ棋士を目指す女の子。頭から思考が流れ出るサトラレだけに当然棋士には向いていないのだが。そんな苦難の道を選ぼうとする彼女のことを、暖かくそして厳しく、ハラハラドキドキしながら見つめる父。心暖まる人間模様が、スッキリと描かれている。今回は女の子の健気さと、父の想いの暖かさがとても心地よい読後感を残してくれた。キャラクター作りがうまいし、なんともしっかりした描き手さんだ。
加藤伸吉「バカとゴッホ」は今回で最終回。若者たちの力いっぱいで、泥臭いけどキラキラしている青春を、実に鮮やかに描いた作品。ラス前の盛り上がりのシーンなんて、必ずしもカッコよく決まるわけではないのにゾクゾクさせてくれるではないですか。かっこ悪さまでかっこいいのだ。爽やかに感動することができた。とてもいい作品だった。単行本は9月に上下巻同時発売予定とのこと。単行本が出ると決まってホッとした。良かった〜。八代富士男「女優ミドリ」も最終回。こちらは女優ミドリが、妖美で色っぽく描けていたのが魅力。毎回けっこう読ませるお話を描いていた。それから72Pの読切、東海林秀明「トンネル」はドッシリとした読みごたえのある佳作。トンネルを掘ることにとりつかれた男のど根性物語。垢抜けない絵柄だけど、オーソドックスであるがゆえの強さを持っている。
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 7月号 竹書房 B5中
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そういえばかたぎりわかなの連載は終わっちゃったんだなあと思ったら、ちゃんと今回も読切が。タイトルは「きくこの恋愛白書」。端々のセリフとか登場人物などが、投げ遣りで無意味だったりして味がある。唐突で噛み合わないけれどもやたら回転の早いギャグは、読んでて頭がグルグルしてくる感じ。中嶋沙帆子「電脳やおい少女」。インターネットとやおいにブチはまっている女子大生の女の子の日常。アクのない絵で、ちまちまほのぼのしていて、わりと楽しく読める。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/3 No.29 集英社 B5平
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鈴木央「ライジングインパクト」。少年ゴルフ漫画として、堂々とお話を進めていて面白く読める。もちろん年齢のわりに、ゴルフがうますぎとかいうのはあるけど。小栗かずまた「花さか天使テンテンくん」。だいぶクライマックス的な展開になってきている。次号あたり、かなり重要なエピソードになりそう。
【雑誌】ヤングマガジン 7/3 No.29 講談社 B5中
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ヤンマガ20周年読切。今回は古谷実「2人でできること」。イジメられっ子の二人が、イジメっ子を殺さんと夜道で待ち伏せ。と書くと、なんだか非常に物騒だが、実際は結局大したことのできない二人なのだ。ダサい奴らによる、ちょっぴり苦くて爽やかな読後感のある青春モノ。爆発的というより、じんわりとした面白みがある作品。地味め。阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。今回も河井の目つきがイッちゃってて良い。ヤンキーたちの正気とは思えぬ頭の悪い行動様式が煮詰まりまくってて素敵である。福本伸行「賭博破戒録カイジ」。労働の後のビールの激烈なうまさに、ズルズルと流されていくカイジ。そこにさらなる敵が現れる。……焼き鳥……。ざわざわ。このシリーズのカイジのカッコ悪さときたら相当なものだ。甘い言葉に乗せられ、誘惑に耐えきれず、ただ目の前の快楽に流されていくのみ。それでもいつかチャンスさえあればのし上がれるなどと思っている。ヌルい。ヌルすぎる。ゼロどもめ……。ざわざわ。心の弱い人間の、弱い部分弱い部分につけ込んで浮き彫りにしてくる演出。暗黒、ペリカ王国!
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/3 No.29 小学館 B5中
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山本康人「僕」。このところ、面白く来ている。ボクシングを通じて、僕が新たな僕になっていくさまを、強烈な読みごたえで見せていく。脂っこい絵が、食感を確かなものにしているのは確か。ストマックにドシッとくる。江川達也「東京大学物語」。なるほどそう来るか。けっこう意表を衝く展開。面白いときはとても面白い漫画であります。
aloha「TT」が非常に良い。完璧にプログラムされた軍人により操られた爆撃機からもたらされる、人間という器の影響による予想外の事態。主人公のチューリングは、人間の可能性と悲しみを感じさせる出来事を、やはりただ眺めるだけなのだ。研ぎ澄まされた表現は、凡百の予想を超えてはるか高みを行く。カァッコイイィ。花見沢Q太郎「BWH」。とても良い。女子寮というシチュエーションに萌え、女の子たちの可愛さにさらに萌え。甘い。とろけるように。伊藤悠「面影丸」。今回も作画がシャープかつダイナミックで目を惹く。
6/18(日)……ニューボーン
PS2導入に伴い、AV環境の配線状況を改善すべく新しいAVセレクターを買うが、よく考えるとあまり役に立たなそうな奴だった。しかも2種類。なんか意味もなく、AVセレクターが4個も余ってしまってなんともかんとも。
試合は観れなかったが、サッカーJFL、横浜FCが1stステージ第10節目を2-1でデンソー相手にVゴール勝ちで優勝に王手。といっても試合前の時点で勝ち点差が4あったので、本日90分勝ちすればその時点で優勝が決まっていたのだけど。今ステージは負けなしの10連勝。2位の本田技研とは勝ち点3、得失点7の差があるので、次の最終節、直接対決で4点差以上で負けなければ1stステージ制覇が決まる。たぶんよっぽどのことがない限り決まりであろう。また一歩、来年のJ2昇格に近づいた。次節は三ツ沢球技場なので、観客動員も多そうだし盛り上がると思う。今度は俺も三ツ沢に行くつもり。考えてみると、自分の応援しているスポーツチームの優勝シーンを観に行くのは初体験。楽しみだ。ワクワク。
【雑誌】ZetuMan 7月号 笠倉出版社 B5中
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珍しく榊原薫奈緒子とZERRY藤尾が揃って掲載。榊原薫奈緒子「アストロメイド」は、ちまっとした女の子たちが非常にプリっちく、毒入りかつへっぽこなお話も楽しい。ところで今号に掲載されている華咲'00「魔法少女メイド・ピーチ」が、わりと榊原薫奈緒子系かなーという作風。ZERRY藤尾「赤い糸」は8ページもの。腕やら足やらが身体から離れていって女の子たちとHなことして、そこから本体のほうも入れ食い状態……というお話。妙な物語で楽しいのだが、やはり8ページではちと読み足りない。もっとごろごろ転がせそうなお話であるだけに、オチもこれではもったいないなーとか思うのだけど。なお、作者のホームページによると「扉をコジ開けて」シリーズの単行本は8月末発売になった模様。
かんとりの巻頭カラー「MILK IMPACT」。とにかく巨乳な女の子の乳(房)から乳(液)を出すのが主眼な漫画。カラーできれいな塗りで、乳がボーン、乳がピュー。頭の悪そうなところがいいと思います。おなじく優実かづあき「ぷりちー!ういっちー!奈津実っち!!」もタイトルからして頭が悪そうな。女の子をドカーンとデッカく描くのはやはり基本でありましょうか。ALBERT COMPANY「馬鹿猫」。4ページもの。すごく可愛いんだけど、ちとイカレポンチな女の子が、ヒトの目など気にせず勝手にコスプレ。彼女に好かれた男は、それで恥ずかしい思いしまくりといった漫画。これもやはりつまりは女の子がカワイイというのは、それだけで強いなというお話。
【単行本】「悟空道」13巻 山口貴由 秋田書店 新書判
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最終巻。ということで三蔵御一行は天竺に到着。極太の文字がビシバシ繰り出される迫力ある画面と、三蔵の色っぽさが印象的だった。ただ、「覚悟のススメ」のときのような、最高のタイミングで最高の言葉がビシッビシッとハマる強烈なカタルシスは、最後まで得られず不完全燃焼な感もある。面白く読めたのだが、もう一つ押しが欲しかったというのが正直なところ。
【単行本】「からくりサーカス」13巻 藤田和日郎 小学館 新書判
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この巻は仲町サーカスのお話がメイン。しろがねや勝が中心となり、さらにいろいろな人の助けも借りて仲町サーカスは徐々に形を整えていく。それとは並行して、ナルミたちは厳しい闘いを強いられている。ダイナミックなアクションと緊迫感のある展開はさすが。クライマックスシーンの盛り上がりはたいへんにテンションが高くてクワーッとくるのだが、物語的には長くしすぎな感じがするのでもっとサクサク展開していってくれるといいなあとは思う。
6/17(土)……プレス鉄
思いもかけず、姉からモノをもらう。なんとプレステ2だ。結婚式の2次会だかなんだかのゲームで当てて、その後全然使ってなかったのでくれるという。ありがたやありがたや。で、さっそく試してみる。といってもプレステ2用のソフトは持ってないのでDVDだけ。今ちょうど家にあるのは「王立宇宙軍 オネアミスの翼」だけなので、これを挿入してスイッチョン。おお、ちゃんと見れている。と思ったが、画像が横に圧縮された状態のまま表示されてしまう。プレステ2の設定メニューとかいろいろいじってみたのだが、画面サイズが16:9のまま変更できない。プレステ2ってこんなもんなのかーとか思いかけていたときふと気づく。もしかして再生中は画面サイズが変更できないのでは、と。んで試してみると、うまくいきよった。なるほどなるほど。よく見ると、ユーティリティディスクの操作ガイドにも「停止しているときのみ変更できる」って書いてあるじゃん。やっぱりマニュアルはきちんと読まないとダメですな。
プレステ2の参入により、テレビ周りの機器がさらにごちゃごちゃしてさあどうしましょうという感じ。台湾みやげのVideoCD/MP3/CDプレイヤーなんてどこにつないでどこに置いたものやら。
【雑誌】コットンコミック 7月号 東京三世社 B5中
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コットンコミックでの注目は、毎度変わらず駕籠真太郎と渡辺ヒデユキ。変わり映えのしなコメントで申しわけないが、これはコットンコミックが毎度同じような調子であるためのような気もする。この変わらなさが大好きなんだよね。ホッとします。
というわけで、駕籠真太郎「駅前反射」。今回はいまいちダイナミックさが欠けていて、カタルシスが少ないかなーという印象。渡辺ヒデユキ「サセマンの旅路」はそろそろクライマックス。サセマンがイクか、うなぎだかなまずだかのバケモンがイクか。下らないギャグとかが妙に和む。なんか読んでてうれしくなっちゃうオトボケぶりだ。
【単行本】「球魂」8巻 岩田やすてる 小学館 B6
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スグル vs.彩華のアフロチャイナ・鄭の対決がヒートアップ。脂っこくてかつパワフル。白熱している。やはりこの巻では鄭のキャラが立ちまくっているのが大きい。やたら邪悪で濃厚な笑顔、すごいアフロぶりによる違和感を吹っ飛ばす激烈なプレーっぷりなど。
【単行本】「カケル」13巻 竹下堅次朗 小学館 B6
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未完。雑誌では第一部完結という形になっていたが、やはりこれが最終巻だったようだ。広げすぎた風呂敷をバタバタと畳んでしまったことで、違和感のある締めくくりになってしまったのは残念。いろいろと盛り上がるエピソードはあったが、もう少し圧縮して一番のメイン部分の話を推し進めていっていればという感じ。
この巻では、最後までかわいそうなお嬢さまだった女王玲子のくだりが切ない。この娘もそうだけど、振り返ってみるとけっこう印象的で魅力的なキャラが、とくに女の子に多い作品だった。
潜水士となった大輔だが、またしても彼の前に、生死を賭けざるを得ない困難な任務が降りかかる。ギリギリの極限状況において、自分が何をするかを選択しなくてはならない。そんな過酷な任務の様子を、力強い筆で読む者をグイグイ引き込みながら力強く描いている。また、そういう厳しい過程を経て大輔は一歩一歩成長しており、青春物語としてもいい出来である。骨太で正々堂々とした、メインストリームな面白さを持った物語を描ける人で、最近では貴重な才能に思える。
【単行本】「アニマル・ファーム」 鎌やん コアマガジン A5
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考える幼児性愛者エロ漫画家・鎌やんが、漫画を通して大いに語る単行本。今回の単行本ではロリでエロを描くというよりも、オタク界、幼児性愛者界に身を置く者の、社会との関わり合い、ポジショニングのほうが主眼となっている。そういうわけで、そっち方面に多少足を突っ込んでいる人間としては、いろいろ身につまされたり考えたりする内容となっている。俺としては、ロリ系の作品は好きでよく読むが、実際のところ少女性愛者では全然ないので(ガキはむしろ嫌いだしね)、鎌やんらの痛みとか悩みとかは究極のところ体感的には理解できないんだけど、真摯に語られる想いはやはりこちらも真摯に受け止めたい。何かというと思考停止して安きに流れがちな自分としては、こうやって考え続け、かつ活動をしている人を見ると、大したもんだなあと思う。その行動が正しいかどうかはよく知らないが。
あと、今月の漫画ホットミルクのコミックジャンキーズにおけるインタビューが鎌やんなので、併読してみると面白いかもしれない。
6/16(金)……メルヘンブルグのジャバウォクさま
仕事で外人さんと会談&食事。終わったあとは、なんだかぐったり疲れる。慣れぬ英会話のせいかなーとか思ったのだが、それにしてはぐったりぶりがやけにヘヴィだ。これはどうやら夏風邪であると見た。そういえば、TINAMIX6/16号もアップされている。次回更新(7/1)からは第2クール突入なのだそうだ。クールだ。
司書房の新雑誌3号め。今回はいまいち顔ぶれ的にパンチが弱いような気がする。
そんななか、BENNY'S「学校の備品」が良い。普段は厳しいけど、放課後は生徒たちのオモチャな女先生のお話。短いながらも1ページめから最後までエロエロな展開。BENNY'Sは、柔らかい女性的なタッチの絵柄ながら、ぷりぷりと肉感的な女体描写を生かしてけっこう密度の高いエロも描ける人だ。井ノ本リカ子とキャラがカブる感じではあるけれども、どちらかといえばBENNY'Sのほうが実用度は高い。お話的には井ノ本リカ子のほうが繊細。どちらもそれぞれに味があって良い。あとこの雑誌では、祭野薙刀のビニール空気人形的ダッチワイフを思い出す、独特な絵柄も印象に残る。
作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」。真葛と晴明の仲にスポットライト。安っぽい恋愛にならず、無限を感じさせる広がりがあるのが実にこの漫画らしい。この作品については、とくに最近の展開を見るに単行本でまとめ読みするのが吉と思われる。魔夜峰央「パタリロ西遊記」。おなじみすぎるほどおなじみなパタリロなのだが、やはり面白い。キャラクターがしっかり立っているとやっぱり強い。軽妙なトークもナイスであるし。新鋭の沢野湯ウキ「トラックにのって」。作画は端整でなかなか達者。とくにおこさまがかわいく描けている。反面、大人についてはちとキャラが弱いようにも思える。基本的にはけっこううまくてまとまっているが、ちと行儀が良すぎる感もあり。もう一つパンチが欲しい。雁須磨子「どいつもこいつも」。今回は、朱野と乙犬のラブコメ度が強し。あんまり素直でない朱野がカワイイのだ。
【単行本】「BECK」3巻 ハロルド作石 講談社 B6
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月刊少年マガジン連載の、バンド少年物語。実に少年漫画らしく、物語の骨組みがしっかりしていて読んでいてすごくワクワクする漫画である。ヒキを作るのもうまいし、爽快感のある見せ場シーンもかっこいい。今回の巻はコユキが苦難の局面を迎えているので、カタルシスを感じるシーンは少ないが、やっぱり読者を期待させるだけの力がある。そして来月17日には4巻も発売されるのだ。今から楽しみである。
【単行本】「メルヘンブルグの若奥さま▽」 火野聡司 司書房 A5
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最近の司書房系エロ漫画雑誌でかなり気になっている人。スラリとした伸びやかで柔らかみのある女体の描写は、多少クセはあるものの瑞々しくしなやかでとてもうまい。ドタバタとコミカルなお話もイケるし、実用度もわりと高め。とくに表題作のバカ奥さまシリーズは、バカ奥様、そしてメイドとキャラがしっかり立っててノリが良くてかつエロいし、とても面白く仕上がっている。ここのところすごくうまくなっているなあと感じる伸び盛りさんである。
【単行本】「おさなづま」4巻 作:森高夕次+画:あきやまひでき 双葉社
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チョリイ渡辺を巡る騒動が終わったあと、今度は「めぐみのピアノ」アニメ化への話が盛り上がる。漫画に、アニメに賭ける男たちの情熱は感動的だが、一方でおさなづまハタイチコ先生は、わん子におしっこひっかけられたり、夫の産婦人科プレイのお相手をしたりしている。漫画家もしているおさなづまが主役ってことで、漫画読者としては特別な感情を刺激されることは確かだが、でもこの作品の面白さはそれだけが原因ではない。たぶん題材が漫画でなく、例えば小説であっても映画であっても、かなり面白い作品にはできただろう。それだけの語る力、読ませる力を持っている。熱さもあり、馬鹿馬鹿しさもあり、爽快感もあり、ベタベタさもある。野暮ったいけど誰もが受け入れやすい絵柄もあって、実に分かりやすいし読みやすい。そこらへんがこの作品の強さだ。
【単行本】「ユキポンのお仕事」2巻 東和広 講談社 B6
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猫のユキポンは、本日もご主人様に振り回されつつお仕事の日々。おかしな言い方ではあるが、なんというか「手描きっぽさ」を感じさせる温かみのある絵柄がほのぼのと和む。とくにまるくて凹凸が少なくてもこもこしているユキポンの姿は、思わず触ってみたいなーと感じさせる。なにげに脇役も変人揃いでいい味を出している。
6/15(木)……桃園亭
今月の月極アンケート「萌え萌え漫画アイドルランキング」(MMM→M3)折り返し点での順位はこんな感じ。
1位 / 9票 / 2% :ぺそみちゃん(桜玉吉「なあゲームをやろうじゃないか」)
2位 / 8票 / 2% :榊さん(あずまきよひこ「あずまんが大王」)
3位 / 7票 / 2% :八重樫 葉(冬目景「羊のうた」)
4位 / 6票 / 1% :キャスカ(三浦建太郎「ベルセルク」)
4位 / 6票 / 1% :葛原さん(榎本俊二「えの素」)
6位 / 5票 / 1% :星之スミレ(小原愼司「菫画報」)
6位 / 5票 / 1% :氷山一角(星里もちる「りびんぐゲーム」)
6位 / 5票 / 1% :堀口ユウキ(はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」)
冬目景勢か榊さんが走るのではないかと思っていたのだが、この点はある程度予想どおり(とか書くとここらへんに投票しにくくなるかもしれないけど、まあ気にしないでくださいな)。ぺそみちゃんがここまでくるとは予想外だった。まだ容易にひっくり返せるレベルの票数なんで、これからの票の動きしだいではあるが。そして票が動いたからといって、何か起きるわけでもないのだが。
本日増加の未読分は以下。一部早売り物件も含む。
【雑誌】コットンコミック 7月号 東京三世社 B5中
【雑誌】コミックオルカ 7月号 司書房 B5中
【単行本】「アニマル・ファーム」 鎌やん コアマガジン A5
【単行本】「メルヘンブルグの若奥さま▽」 火野聡司 司書房 A5
【雑誌】別冊ヤングマガジン 7/1 No.010 講談社 B5中
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今号は、ヤンマガ20周年を受けて、かつてのヒット作の復活祭。高倉あつこ「ハゲしいな!桜井くん」、もりやまつる「ファンキー・モンキー・ティーチャー」、まんひるめめおか「BE-BOP海賊版」、永野のりこ「GOD SAVE THEすげこまくん!」、みたにひつじ「さのばびっち」、地下沢中也「パパと踊ろう」、サマンサ三吉「ぞうさん家族」、水野トビオ「WORKING CLASS」といったところの新作が掲載。まあ企画モノってことで内容的にはそこそこレベルなんだけど、たまにはこういうのもいいでしょ。
松本剛の新作「二十歳の水母」は、一年に一度だけ、夏が過ぎたころに一緒に過ごす父と娘の物語。娘がくるたびに、父は彼女の姿をスケッチする。短いようでいて長いようでもある、当事者のみが分かる歳月の重みを、鮮やかに描写する一作。さりげない動作の描写、構図どりなど、しっかりした漫画である。何気なく、そして感慨深いエピソードを美しくまとめたいいお話でありました。前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」は、今回も力いっぱいお馬鹿さんでナイス。
【雑誌】ビジネスジャンプ 7/1 No.14 集英社 B5中
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作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。全然重要でない着がえシーンに2ページ。これだよこれ。作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。骨太でとても面白い。引き続き羽生にスポットライトが当たり、彼の登山家時代がクローズアップされる。山と羽生の因縁が今明らかに。どっしり読ませる本格派な面白さ。
【雑誌】ヤングサンデー 6/29 No.29 小学館 B5中
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山田貴敏「Dr.コトー診療所」が新連載。孤島に赴任してきた青年医師の物語という感じ。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」といい、なんか今ダジャレタイトルが流行中なのだろうか。「なんてっ探偵アイドル」は第2回め。とりあえず事件が一つ解決。どうにも全体的に頭軽げなところがとてもいいと思います。あまり意味なさそうな裸シーンが出てくるのもオツなもの。このお話では、やはり女の子をかわいく描くことに注力といった感じか。山本英夫「殺し屋イチ」が再開。待ってました。次のターゲットはどっちかな〜という展開。金子も三郎もおいしいキャラだしなあ。山田芳裕「度胸星」。やはりテセラックが出てくるとワクワクする。幾何学的形状と不可思議な性質。宇宙はやはりこうでないと。萌え萌え。
【雑誌】モーニング 6/29 No.29 講談社 B5中
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作:田島隆+画:東風孝広「カバチタレ!」(監修:青木雄二)。前号に続いてエグい。脇役どものあの手この手がエゲつなくて、かなり刺激的な展開になっている。読ませるじゃないですか。弘兼憲史「部長島耕作」。冒頭のニャッコのレコーディング風景でいきなり脱力。ホンネのトークを聞かせて欲しいぜ。上野顕太郎「うえの素」は、榎本俊二の代打。というわけでヒマゆえに下品してみた作品。いまいちうえけんには下品はあってないような。普段使い慣れていない武器だし。福島聡「DAY DREAM BELIEVER」。ヒロインのカスミの力が覚醒。しっかりした作画が冒頭から際立ち、思わせぶりな雰囲気もいい具合に読む者の興味をかきたてる。これからさらにズンズン面白くなっていきそうな気配。注目作品である。
【雑誌】ヤングジャンプ 6/29 No.29 集英社 B5中
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巻頭カラーで長友健篩「HOT MILK」が新連載。塩崎雄二系テイストで、なんでも屋のかわいい女の子が活躍するドタバタもの。塩崎雄二ほどに絵はうまくないけれども、それなりにキャッチーではある。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/29 No.30 秋田書店 B5中
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板垣恵介「バキ」。なるほどそうくるかスペック。格闘という枠さえもブチ破って物語を作っていく強力ぶりが痛快。おおひなたごう「おやつ」。今回もおやつのペットが「ベンベン」といいながら登場。オリキャラたちは、画面の中では浮いているようで、何の違和感もないようで。シュールだ。粋だ。
【雑誌】快楽天星組 Vol.12 ワニマガジン B5平
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快楽天本誌より若干エロめではあるが、今回はちともの足りないような気も。時坂夢戯「乳漫」が載らなくなったとか、上連雀三平「飲尿女神」が再録だったとかいうのもその一因。でもまあそれなりのメンツは揃っているしボリュームもあるし、手堅く読める増刊ではある。
今号は、マーシーラビット「ラブバイブレーション」、RaTe「りんごの木のように」、板場広し「Mrボブ」あたりが登場したのが目立つ。いずれも華やかな絵柄で、コミカルながらもエロをしっかりこなせる人たちである。それから、もっちー「魔界のプリンセスプリティー美沙」もわりとイケる作品。主婦になっても魔界のプリンセスとして魔女っ子を続けているプリティー美沙の物語。今回は、あのとても痛いコスプレ的変身シーンは出てこなかったけど、馬鹿馬鹿しく愉快な展開は健在。でんでんま「ほんのりAMAZING気分」は、丸みのある元気のいい描線でピチピチした印象。みうらたけひろ「咳をしてもひとり」。一人をエンジョイ中の女性と、彼女の妄想の物語。まとまりの良い線で、大人の色気を感じさせる絵柄が特徴。今回はわりと気楽に読めるお話で、ちょっと微笑ましかった。嶋真介「新世紀(秘)お兄さん倶楽部」。妹が好きな兄が、手を出すわけにも行かず悶々としているときに出会った怪しいクラブ。この人のパキパキした線と、ちょっと不思議な味わいのあるお話はけっこう好きだ。いくぶん地味めな作風なんだけど、毎回読める作品を描いている実力者である。あと、「真夏の夜のユキオンナ」の大山玲が「PEEK A BOO III」という作品で登場しているのもちょっと気になるところ。
6/14(水)……オリはキャラなんだよう
書評的な文章を書いていると、〆のところで「ぜひ読んでください」的な言葉をつい入れてしまいがちなのだが、読み返すと「我ながら安易な〆だなあ」とか思ってしまう。ぜひ読んでほしいからわざわざ文章を書いているんだから、本来は「読んでください」などというのはいわずもがな。書くだけ野暮なはずなのだ。他人の文章にそういう言葉があっても、文章を書く目的もスタンスも違うだろうから全然気にならないし悪いとも思わないが(むしろいい〆になっているパターンもあるし)、自分のはそういう〆が活きるスタンスじゃないと思うんでなんか気恥ずかしい。
〆として収まりがいいからついそういう一文を付け加えてしまいがちなんだけど、読めなどといわずとも読みたい気持ちにさせるような文章を書かなければ、本当はいけないのであろう。少なくとも、そういう文章を書こうという気構えだけは常に持っていなくてはいかんのだとは思う。ちゃんと実践できてはいないので大きなことはいえないが。
……というふうな文章も、実はいわずもがなで書くだけ野暮なような気もする。まあいいかたまには。
ここのところズンズン読んだので、雑誌はそろそろ未読がだいたい消化できたかなという感じ。ああでもビームとバーズの収録作品リストがまだ入力できてないや。などと言い訳するのもいかにも野暮な行為であるな。
【雑誌】週刊少年サンデー 6/28 No.29 小学館 B5平
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田中モトユキのバレーボール漫画、「リベロ革命!!」が面白い。正攻法で真っ正面から、努力・根性・勝利のスポ根していてとても清々しい。近年のルール変更で登場したばかりであるため、今までのバレーボール漫画では(当然のことながら)扱われてこなかったポジションである「リベロ」という題材も、お話に新鮮味を加えている。作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!」。いろいろあって、優香がダンドーの家に居候することに。そしてダンドーは、優香がお風呂に入っている間「ムフ」とかいってパンツを頭からかぶったり、はしない。ダンドーくんはそっち方面にはニブチンな少年なのであります。
【雑誌】週刊少年マガジン 6/28 No.29 講談社 B5平
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福本伸行「無頼伝 涯」。涯の生き様が、まだ小僧ながらもやたらハードボイルドでかっこいい。同級生たちを「ゼロども」と見下げ果てる姿なんぞはクラクラする。
【雑誌】花とゆめ 6/20 No.13 白泉社 B5平
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高尾滋「ディアマイン」。連載再開、というか今回から新連載となるらしい。端整で優しい、いい絵健在。物語的には弱いところがあるし、すでに完成された作風で伸びしろはそんなにないかな〜というタイプではあるんだけど、きれいにまとまった作風はパッと引きつけられる。
TONO「チキタGUGU」。最近はかなり良好な関係になっていたチキタとラー・ラム・デラルだったが、相手は自分の親をも食った化物である、忘れかけていたことがチキタに大きくのしかかるようになる。そして両者の間に不協和音が流れ出す。優しいだけでは終わらさず、こういうヘヴィなこともしっかり描くことで物語にさらに幅が出て、読みごたえが増している。諸星大二郎「栞と紙魚子」シリーズ「古本地獄屋敷」。家中をビッシリ古本が埋め尽くす屋敷の中をさまよい歩くうち、出口が分からなくなってしまった二人。古本の鬼どもの妄執が構築した迷宮の中で、いつものように奇想をふんだんに盛り込んだ飄々としたお話が展開する。ときどきおふざけが入ったりするあたりも、肩の力が抜けて良い。本山理咲「Mr.hoo・doo」。人間の幸せの味を覚えてしまった、心優しい疫病神のお話。シンプルな絵柄とファンタジー心あふれるストーリーで気持ち良い読後感。女の子とか、作画にも和む味わいあり。
【単行本】「puppy Love」 海明寺裕 三和出版 A5
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【単行本】「CROSS」 天竺浪人 ワニマガジン社 B6
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【単行本】「おやつ」3巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判
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この巻の目玉は、読者の考えたオリジナルキャラクター、通称「オリキャラ」がどんどん登場するようになったこと。これまでもオリジナルおやつである「オリ・おや」というものが存在していたが、ちと稚拙でさえある読者のオリジナル物件が、なんの説明もなく本編に飛び込んでくるシュールさは相当なインパクトがある。もちろんオリキャラが出てこないお話でも、おおひなたごうのクールで飄々としたギャグにはほとほと感心させられる。オスマンにも入れてあるとおりオススメなので、未読の方はまあ気が向いたら試してみると良いかと。最近のギャグ漫画の中でも、かなりナイスな一品であると思うので。ちなみに1巻よりも2巻以降のほうがズンと面白くなっていると思うので、単行本を買い続けるかどうかは2巻まで読んでから判断されたし。
【単行本】「女の子DEエトセトラ」 百済内創 コアマガジン B6
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単行本の帯に「青年誌で葉月京として活躍中の百済内創」の文字が踊っている。ヤングチャンピオンで活躍中の葉月京=百済内創のエロ方面の作品集。百済内創の描く女の子は、とてもキャッチーである。明るくて健康的で豊満で。ブレのない完成された描線による魅力的な女体。カラッとして後腐れなく楽しめるお話。エロがきちんとあって、しっかりエンターテインメントしている。ヤングチャンピオンで連載を始めるまではあんまり考えたことなかったけど、確かにメジャーでエロ方面を担当するのにこんなにピッタリな人もそういないように思われる。雑誌に一人こういう人がいると、雑誌全体が華やくいいアクセントにもなるし。お乳の形とか好みだし、この人の作風はけっこう好きだ。ヤングチャンピオン連載の「恋愛ジャンキー」(既刊1巻)も気楽に読めていいぞ。
6/13(火)……ボロクソシット
「ヒロイン」という言葉と同等の役割を果たす男側の言葉って何を使えば良いのだろう。つまりは主役が女の子における準主役的な男、もしくは男女が同等の位置づけであった場合の男。男が主人公で女が準主役の場合はあきらかに女は「ヒロイン」であろう。でも逆の場合「ヒーロー」というとどうもしっくりこない。広く使われている一般的な言葉で、なおかつしっくりくるものってなんかあったけかなあ。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7月増刊号 小学館 B5中
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花輪和一「和一怪奇おかし話」。今回は「ねずみ浄土」。例のぴかぴかした存在は出てこないが、ネズミの巣の様子がかなり細かくて良い。あと驚く童の顔がとてもええ表情である。業田良家「ゴーダ哲学堂」シリーズ「発見」は、記憶を失った代わりにいろいろなものを「美しい」と思う感性を得た熟年サラリーマンのお話。良いお話。あざとくはある。でもそれをひっくるめたうえで説得力がある。ラストの言葉など、ズンとくる重みがあって、とても響く。東陽片岡「冨子の復讐」。ええお話だなあ。せせこましさ、しみったれ具合、そして平和。東陽片岡の作品を読むと、なんだかとても気が楽になるのであります。
【雑誌】ヤングチャンピオン 6/27 No.13 秋田書店 B5中
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葉月京「恋愛ジャンキー」。今回はH度は低いけど、またかわいい感じの女の子が登場。華がある。作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」。田口雅之だけあって、やはりお話は激濃で展開中。今回あたりから桐山の恐ろしさが語られていくことになりそう。今回は桐山を隊長……いやボスとして仰ぐ不良の回想が中心。集中連載、細倉徹「不滅の力」は今回がラスト。とにかくダイナミックすぎるほどにダイナミック、パワフルすぎるほどにパワフルなアクションが痛快だった。見ていてうれしくなってしまうほどに。こういう過剰な作風の持ち主には、これからもどんどん出てきてもらいたいもの。
【雑誌】まんがタイムジャンボ 7月号 芳文社 B5平
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こうの史代「こっこさん」だなあ、やはり。やよいちゃんがかわいい。ラヴ。
いくえみ綾「ハニバニ!」。コメディっぽさをふりかけつつ巧みに展開中。キレ味鋭い短編も良いけれど、こういう連作もまた違った味わい。ごはん系的。あとは羽柴麻央「徒然な日々」が良かった。お互いが一番大事な存在であった双子の姉弟(兄妹)だが、それぞれに彼らに告白する人が出てきて……といった感じ。爽やかで暖かい読後感を残す気持ちの良い話。
【雑誌】漫画アクション 6/27 No.26 双葉社 B5中
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高橋のぼる「キラリが捕るッ」。特訓シーンの合間に、とくに意味もなくキラリが公園で犬とジョギングしているシーンがさりげなく挟まっていたりするあたりがグッドテイスト。キラリのモチベーションの源についてもちょっと語られる。国友やすゆき「幸せの時間」。すごいよこの漫画。ポマード的な匂いのする強烈な脂っこさ、クドさ。読んでいてとてもイヤな気分になれるのだが、すでに慣れてしまった身には、それがかえって魅力になっている。これだけベタベタぶりが徹底しているのはある意味ご立派。村生ミオといい勝負だ。かいともあき「白い少年」最終回。いまいち不完全燃焼。まだかいともあきには週刊連載はキツかったかも。六田登「CURA」。キュラ、そしてその息子ともにたいへんなことになってきていてお話は盛り上がっている。さすがの貫禄で、面白さが太い。さそうあきら「トトの世界」も前号に引き続き、緊張感を持ってお話が推移中。
【雑誌】FEEL YOUNG 7月号 祥伝社 B5平
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南Q太復活。「恋愛物語」。さっそく面白いのだ。彼氏が怒ると分かっていても止まれない情念の女のお話。恋人たちの微妙な距離感を描く腕前はいつもながらに鮮やか。揺るぎのない作風に感嘆。安野モヨコ「ハッピー・マニア」は、またしても思いもよらない方向にお話が。ノリの良さ、堂々とした語りっぷり、表現の強さ。どれをとってもお見事。素直に面白いです。それから雁須磨子「タオヤオ」。幼馴染みで高飛車で暴力的な女の犬として存在している男。それから彼に横恋慕中の女性。このあたりの3人の関係を中心にお話は進む。いつもながらに読者の先読みを許さない、ふらふらとしてストーリー展開でぐぐっと読ませられる。端々のセリフなどのセンスもバッチリ。不思議な魅力で驀進中。三原ミツカズ「DOLL」。毎回うまいことお話をまとめてくる。完成度の高い絵柄に、それからしっかりした構成力。ビシッと決まっていてステキである。柏屋コッコ「ラヴ・エスプレッソ」(原作:岡田ユキオ)は、超濃厚な顔のカップルのドタバタコメディ。得もいわれぬ力強さとノリの良さでけっこう楽しい。やまじえびね「LOVE MY LIFE」は今号からシリーズ化。同性を恋人とする女性が、親に彼女を紹介する。それぞれの登場人物の想いに深みがあって惹かれる。なかなか読みごたえのあるシリーズとなりそうだ。
【雑誌】コミックライズ 7月号 メディアックス B5中
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朔ユキ蔵「暴力喪失」は、カッコイイ描写力をまたしても見せつける作品。トイレに行く気力さえない女が、昔フッた男を呼びつけて身体をいじらせ、その衝動をもって肉体を動かさんとする。なぜ彼女はこうなのかという説明はとくにない落ち着かぬ状態のまま、物語は進む。物語にも、登場人物にも決定的な欠落があり、そこが全体の不可思議さを創り出していて読者を引き込む。絵のシャープさ、質感、演出力など、どれも高いレベルにある。猫玄「ちょこれいと」は、近所のおにいちゃん大好きっ娘がかわいい甘いお話。妹モノと同系統で、大の大人の根性を腐らせるのに十分。
6/12(月)……システムエムジニア
講談社漫画賞が以下のように決定。各部門一番上の太字で書いてあるのが受賞作で、残りが候補作。
- 少年部門:作:さいふうめい+画:星野泰視「勝負師伝説 哲也」
- 西本英雄「へなちょこ大作戦Z」
- 横内なおき「サイボーグクロちゃん」
- 少女部門:池沢理美「ぐるぐるポンちゃん」
- ももち麗子「問題提起シリーズ いたみ、ひみつ、めまい」
- 小池田マヤ「…すぎなレボリューション」
- 高屋なつき「フルーツバスケット」
- 永田正実「恋愛カタログ」
- 一般部門:井上雄彦「バガボンド」
- 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」
- 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」
- 作:国本果子+画:文月今日子「ミラノ▽これくしょん」
それにしても「アゴなしゲンとオレ物語」が候補作に入ってしまっているというのがなんかすごい。来年はぜひ「エリートヤンキー三郎」を。「ヨコハマ買い出し紀行」は候補に入れるのが2年くらい遅かったような気がしないでも。
なかなか未読本の消化が進まない。ついでに渋谷に立ち寄っていくつか買い逃し分もゲット。まだFEEL YOUNGもあるし明日はネムキも出るし、重いのがたまってくなあ。以下、今日増えた未読分。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7月増刊号 小学館 B5中
【単行本】「CROSS」 天竺浪人 ワニマガジン社 B6
【単行本】「球魂」8巻 岩田やすてる 小学館 B6
【単行本】「カケル」13巻 竹下堅次朗 小学館 B6
【単行本】「おさなづま」4巻 森高夕次/あきやまひでき 双葉社 B6
【雑誌】コミックビーム 7月号 エンターブレイン B5平
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深谷陽がビーム初登場。タイトルは「SAIGON DREAMS」。お得意の東南アジア系作品。日本人の男と現地の女性との恋を語る。あちら方面の暑い空気を感じさせる作画がこのお話でも効果的である。深谷陽は、掲載誌にいまいち恵まれてない感は受けるけど、実にしっかりした力量の持ち主で絵も話もハイレベル。これを機会にビームでコンスタントに描いてくれると、また層が暑くなりますな。志村貴子「敷居の住人」。相変わらず本田くんは翻弄されっぱなし。しゃれてはいるがハードなお話でもあり、読みごたえバッチリ。肉柱ミゲル「100万円ベガスくん」は新連載。100万円というブツに対するこだわりがストレートに。下らないノリがなかなかグッド。この人は最初そんなに面白く思わなかったが、じょじょに面白くなってきた感あり。作:TKD+画:竹谷州史「LAZREZ」。万尊のすっきりしない生き様が泥臭く、ビシバシ力強く描かれる。拳でぶん殴るような作風が潔くてかっこいい。上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」。今回はゲームブック形式。こりゃまた相当ヒマでないと読めなさそうな。
しりあがり寿「弥次喜多 in DEEP」。喜多さんはこのまま死んでしまうのか。現実と夢の境目、入り混じったエリアをゆらゆら進み、ときに両者の大断層を見せつける。ううむ深い。安井誠太郎「ミズトカゲのいる沼」が久しぶりに掲載。次いつ載るかは分からないけれども待ちますとも。安井誠太朗の線は、またしても両生類的なぬめりが増して独特の風味を醸し出している。光沢のなさが強く印象に残る。羽生生純「恋の門」。会社がつぶれたり漫画がウケなくなったり、恋乃に次々と不幸が。今までは生活力のない門を恋乃が補う形で二人の関係は推移してきたが、そのバックボーンがなくなってどう転んでいくのか。楽しみ。須田真太郎「やさしい女は何処にいる」。うーん、この人は本当にいいお話を描くなあ。絵柄は泥臭いけれども、読み口は爽やかでときに感動的だ。しみじみ読ませるお話を描くだけの力量がある。市橋俊介「テルオとマサル」。今回も眼鏡デブ・マサルの行動がとくに奇矯でおもしろおかしい。いましろたかし「釣れんボーイ」。ヒマシロ先生のダメっぷりますます加速中。絶句するほどの身もフタもなさがスパイシー。
あと、今月号から定期購読の振替用紙が付属した。便利。
【雑誌】バーズ 7月号 ソニー・マガジンズ B5平
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古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」。うーん、すごいなあ。カイの謎を通して、世界の形がじょじょに解きほぐされていく。緻密な描き込みの積み重ねによって創り出された圧倒的なイメージを持つ世界。機械、歯車の集まりの、複雑さと精密さが織り成す美しさに惚れ惚れしてしまう。これは単行本にするとしたら、できるだけ大きな判型でやってもらいたいもの。最低A5。希望はB5。冬目景「羊のうた」。病室に閉じ込められんとする千砂。囚われな感じが燃える。それゆえもう少し長期間、病室に幽閉されていてほしかった。
作:友野詳・安田均・グループSNE+画:田嶋安恵「アクア・ステップ・アップ」が新連載。ボードゲーム大好き少女の、小柄で健気なリボンちゃんというかなり戦略的な物件。田嶋安恵はエロのときから相当に達者な人だったけど、またしてもオタク受けしそうな絵柄にブラッシュアップされている。あまりにも戦略的でオタクライクな感じで、違和感は確かにあるんだけどまあいいや。細かいこたあいわねえ。面白い漫画にしてくださいな。それから新連載もいっちょ。竹美家らら「チョーク」。整った線でなかなか達者。華やかな絵柄で女の子もかわいい。ともち「愛をあげよう」は最終回。やさしくきれいにしめくくり。ちょっぴり切なくて、でもトータルではしあわせいっぱいな、優しい物語でありました。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/26 No.28 集英社 B5平
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鳥山明「SAND LAND」。やっぱりうまいなあ。お話も盛り上がり始めたし。渋いオッサン、奔放な主人公ときて、あとはかわいいヒロインが欲しいところか。樋口大輔「ホイッスル!」。最初はあんまりいくないかな〜と思っていたこの作品だけど、地道に続けているうちにけっこう面白くなってきた。オーソドックスに少年サッカーしていて正統派な面白さ。作:真倉翔+画:岡野剛「ツリッキーズ ピン太郎」。最近とみに飛ばしている。またしても色っぽいカエルが登場し、かなりベタな行動を。M字。
【雑誌】ヤングキング 7/3 No.13 少年画報社 B5中
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佐野タカシ「イケてる2人」。今回はとても甘〜い。小泉と佐次がいつになくラブラブ。たまにあるこういうボーナスステージ的な展開がまたたまらんのですな。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。女ばかりの洋館に下宿することになったストイックなメガネくん。彼にはバイト先に憧れのひとがいるのだが……。というわけで始まった新連載。かわゆい女の子たちに囲まれて、甘くむずがゆく寸止めな日々。根性が腐れておる。いかん。いや、いい。小池田マヤ「聖★高校生」。なかなか簡単には神保くんはしあわせになれないようで。たいへんチビシイ。市川智茂「ナデシコ平九郎」。なかなかいい感じにラブコメしていて良かったのだが、いったん終了で秋ごろに連載再開とのこと。ちと残念。
【雑誌】ヤングマガジン 6/26 No.28 講談社 B5中
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今号は福本伸行「賭博破戒録カイジ」はお休み。でも次号は「緊急ペリカカラー」だ! ペリカ資本主義のワナが迫るらしい。ペリカン便って感じか。たぶん違うような気がする。
村田ひろゆき「工業哀歌バレーボーイズ」。今回はみんなでチューベローズ。本当にヤルことしか考えていない頭の悪さ、進歩のなさがとても素晴らしいと思う漫画であります。なんかつい読んじゃうし、これがまた案外面白かったりする。鈴木由美子「亀戸中央公園一のウニ」。愛犬にメロメロになっている馬鹿っ飼い主たる鈴木由美子の日常。犬バカぶりがのどかで陽気でけっこう楽しい。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。大学ノートに描かれた自作ラブコメ漫画を毎日鉄郎に見せるじいさんのお話「おじいさんのマンガ」が、絶妙な生ぬるさと情けなさとしんみりした読後感があってよろしい感じでありました。鉄郎が部屋で一人うたっているヘンな歌も。山崎さやか「フローズン」。レオ編クライマックス。桃花の兄、レオは最初たいへんエキセントリックなヤツだったけど、結局はきれいに収まった。このエピソードの〆は、なかなか心打たれるいいシーンだった。面白いですわい。
平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。最近はケンヂの非道ぶりがゲンさんに匹敵するほどになっている。制止する者なく乱行はエスカレート。ダイナミックだ。それから阿部秀司「エリートヤンキー三郎」が今回も面白かった。河合の秘策の馬鹿っぷりに圧倒される。思わず吹き出してしまうクドいギャグが絶妙にヒットする。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/26 No.28 小学館 B5中
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曽田正人「昴」。昴にライバルげな女の子が登場。しっかりとした力負けすることのない強さと美しさを持った表現力、それから十分な間口の広さ。いつもポッポッと火照っていて、ビッと背筋の伸びたカッチョいい漫画である。窪之内栄策「ショコラ」。女の子の描き方がやはりいい。スッキリしたまとまりのいい描線で、印象的な決めカットを描いてくる。柳沢きみお「SHOP自分」。今回の自分ビールはとってもおいしかったらしいぞ。
【雑誌】YOUNG YOU 7月号 集英社 B5平
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山下和美の読切「ブルー・スパイス」が掲載。後輩の女の子に彼氏を奪われたかっこうで生活がすさんでいるところのOLに起きた、不思議な出来事。きれいにまとまっている。ただ、山下和美の素晴らしいときのスコーンと抜けた感覚は少なめ。鴨居まさね「雲の上のキスケさん」は今号から3号連続で登場。肩の力が抜けてほんわかしてて心地よい作品。読んでてリラックスする。
玉置勉強初登場。タイトルは「カレー屋」。とある男がアヤしげなカレー屋で出会った、頼りなさげな店番の女の子と、それから奇妙な体験。非常に達者な絵ながら、かなりに情けなさが漂っているのが好ましい。オチはかなりベタだったが、あまりにベタだったのでかえって意表を衝かれた感じ。むつきつとむ「としうえの魔女たち」。ラブコメ風味が濃厚に漂っていてとても良い。年上だけどロリ顔な小鳥さんがなんともかわいい。やきもちなんか焼いちゃってもう。あと、主人公にアタックをかけてくる女の子も好ましい。上月まんまる「競泳水着で苛められる僕」。タイトルそのまんまでかわいい男の子が、女の子用競泳水着を着させられておねえさんたちに弄ばれる。うっすい胸板と、股間に浮き出しすちんちんがとてもエロい。
で、次号は安森然、田沼雄一郎、りえちゃん14歳、目黒三吉とかが。ちゃんと揃えば豪華なメンバーだ。
6/11(日)……鰤がドーン
出張のため買えてなかった本を購入するため本屋さんへ。んでもってせっせと読む。天竺浪人の新刊とか零式とかは地元の本屋さんになかったので買えていない。現在手許にある未読物件は以下のような感じ。
【雑誌】YOUNG YOU 7月号 集英社 B5平
【雑誌】FEEL YOUNG 7月号 祥伝社 B5平
【雑誌】花とゆめ 6/20 No.13 白泉社 B5平
【雑誌】コミックライズ 7月号 メディアックス B5中
【単行本】「ユキポンのお仕事(2)」 東和広 講談社
【単行本】「おやつ(3)」 おおひなたごう 秋田書店
【単行本】「海猿(6)」 佐藤秀峰 小学館
今号はデビュー20周年を記念して泉昌之特集。こういう特集は歓迎。そして、名作「夜行」と同様のテイストの「天食」も掲載。いろいろ考えながら、旅先で定食を喰らうトレンチコート男。思わずてんぷら定食が食いたくなってくる。こういうのを読むと、影響されていろいろ考えつつ飯食っちゃうんだよね。駕籠真太郎「下町の太陽アイコ」。ガロに駕籠真太郎は似つかわしすぎる。初登場なのが意外なほどに。内容は、畸形児を出産すべくアイコさんが汚染物質を食したり、汚らわしい子種を採取してみたり。ヤバめなネタでも堂々できちゃうガロだけに、さすがに悪趣味でグロテスク、かつ知的な持ち味が十分出ている。津野裕子「身を横たえて」。今回も幻想的でステキである。
キクチヒロノリ「産院ミドリゴ」。今回もイカれたキャラクターメイキングがナイスすぎる。うんこおやじネンター・イットの底抜けにテンションの高い笑顔に圧倒される。みぎわパン「日曜大學校」。最近コンスタントに読めるのでうれしい。ぬったりとした描線と、風変わりな視点がなんともいえない魅力。逆柱いみり「恐怖博士の花嫁」。今回も良い。頭がクラクラするような、ドラッグ的漫画。やはり端々まで逆柱いみりのタッチが生きた絵が魅力なのだが、しかしアヤシサ漂う不可思議なお話であるから絵の魅力も引き立っている。
あ、それから中山蛙が「黄色いライカ」という2ページものの連載をスタートしてちょっとびっくり。今回は「I型ライカの使い方」。
【雑誌】ヤングジャンプ 6/22 No.28 集英社 B5中
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山本康人「打撃天使ルリ」。お話はだいぶクライマックスに近づいている。打撃少女として生きるルリと警察官が入り乱れ、予断を許さない状況になってきた。でも月イチだから、来月まで続きが読めないのであった。
【雑誌】モーニング 6/22 No.28 講談社 B5中
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作:田島隆+画:東風孝広「カバチタレ!」(監修:青木雄二)。今回の展開はこれまたエグいなあ。甘えたところなく現実の厳しさをつきつけるような話にグイグイと引き込んでくる。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回は元マウス妻がメインだけど、この漫画の登場人物たちは行動がなんとまあ濃厚なことか。元マウス妻の落ちぶれっぷりがとても強烈。そして女体盛りが封じられたインドまぐろ子の運命やいかに。脂っこくて珍妙でたいへん素晴らしい。福島聡「DAY DREAM BELIEVER」。お話はまだあんまり進んでないんだけど、作画や演出が実にしっかりしていて期待を抱かせる。この人って、日記を検索してもまったく名前が出てこないんだけど、新人さんなのだろうか。それにしちゃうますぎるのだが。
【雑誌】漫画アクション 6/20 No.25 双葉社 B5中
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高橋のぼる「キラリが捕るッ」。ハッタリの利いたお話や見せ方など、やはり非常に脂っこく仕上がっている。今回は外人さんのしゃべり方のインチキ臭さがいい味わいで、重要なポイントとなっている。作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」。今回は、ハタ▽イチコ先生とその幼馴染みにまつわるちょっといいお話。ときどきこういうお話が入っていると全体的にもいいアクセントになる。それから、かいともあき「白い少年」は次回最終回。ちと残念だけど、最近は連載当初のノリの良さがだいぶ失われつつあったので仕方ないところか。さそうあきら「トトの世界」。トトを犬として育てた田野井の暗黒に慄然とする。最初は、犬として育てられた少年が言葉を通して世界の姿を見出していくただのいいお話になるのかと思っていたが、そう一筋縄には行かずに深みのある作品にしてきている。盛り上がっている。面白い。
【雑誌】ヤングアニマル 6/23 No.12 白泉社 B5中
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田中ユタカ「愛人[AI-REN]」第二部が終了。輝かしくて切なくて、今回もいいお話だった。連載再開は9月22日発売号になる予定。待ち遠しい。それから二宮ひかる「ハネムーンサラダ」は今回特別篇が掲載。急病のため減ページしての掲載だが、これはこれでちゃんと一つのお話としてまとまっている。例の二人の昔が甘酸っぱく描かれていて良い感じ。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 6/23 No.13 小学館 B5中
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作:花村萬月+画:さそうあきら「犬・犬・犬」は、マヒケンのマヒケンたる部分がありありと描かれて、暗い深みを感じさせるお話になっている。さそうあきらといえば、「トトの世界」のほうも暗黒な展開が盛り上がってきているが、こちらもまた面白くなってきた。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 6/21 No.12 講談社 B5中
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咲香里「春よ、来い」。二股的状況がさらに進行。雰囲気は相変わらず華やかだが、どうお話をまとめてくるかがポイント。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。今回もぴちぴちとイキが良い。女の子がハツラツとして魅力的で、表現が全般に爽快。桑原真也「0(ラヴ)リー打越くん!!」。おお、なんだかちゃんとテニス漫画に戻ってきた。なるほどそういうふうに来るのか。
【雑誌】コミックフラッパー 7月号 メディアファクトリー B5平
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巻頭カラーで栗本薫の小説「グイン・サーガ」の漫画がスタート。作画者は「女神転生カーン」などの柳澤一明。でもどちらかというと、和六里ハルの新連載「魔法のエンジェル グリグリビューティー」のほうが楽しみ。年上のお姉さんたちもメロメロになっちゃうほどにカワイイ小学4年生男子ビューティー。彼のもとに突然降ってきたおっぱいの大きなおねえさん。彼女の力でビューティーは、魔法のエンジェルに変身できるようになる……といった感じのドタバタ系のお話。「ハイパーあんな」や「チベットちゃん」で萌えた人はきっとトロトロにとろかされてしまうであろう的な甘さがたまらない。線が細かくて丁寧なのはとても良い。
駕籠真太郎「パラノイアストリート」。今回はすべて逆さまに暮らす町をネタにして、ごろごろとお話を転がす。ページが進むに従って芸がどんどん細かくなってくる。今までの連載のなかでもかなり面白く読めたお話。こういう奇想が次々と湧いてくるあたり、駕籠真太郎はやはり凄い。SABE「串やきP」は、妹とかナゾの女とか、全般にキャラがだいぶ立ってきて面白くなっている。串Pに対する次なる刺客もなんかすごそうだ。守安啓行「口裂け女」。シンプルな描線で、小学生どもがなかなか魅力的に描かれている。それから新人の柳沼行「2015年の打ち上げ花火」がいいお話だった。この人は同人誌で「打ち上げ花火1999」(感想は1999年9月12日の日記参照)という作品を描いていたけど、宇宙飛行士、打上花火といったモチーフが好きなのかな。今回のお話は、失敗に終わったロケット打ち上げによって死亡した宇宙飛行士と民間人、それぞれの残された人たちの物語。切なくて爽やかで美しいお話でありました。丁寧で親しみやすい絵柄にも好感が持てた。
巻頭カラーの新連載、渡瀬のぞみ「BRIGADOON まりんとメラン」(原案:矢立肇+米たにヨシトモ)は早くもアニメ化が決定しているらしい。というか新連載時にすでに決まっているのって「アニメ化」っていうんかな。まあそれはともかく第1回めで印象に残るのは眼鏡娘のパンチラ。安倍吉俊+gK「NIEA_7」は、絵の力抜けっぷりがさらにアップ。投げ遣りな雰囲気が味になっている。そして最近はギャグのキレも良くなってきた。キャラと世界観がこなれてきたというのが大きい。カレー屋のおやじがとくにいい味。インドといえば、インドア競技会(スポーツの室内での競技会)って、昔は「印度亜共議会」のことだと思ってました。岩原裕二「クーデルカ」。お話がダイナミックに展開していていい感じだ。ハッタリの利いた、簡潔で効果的な画面作りなど、シッカリハッキリしている。
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