2002年9月上旬


9/10(火)……また勇むさいたま

▼実は現在メッセンジャーソフトとして、ICQとYahoo!メッセンジャーとMSN Messengerをすべて併用してるというぐちゃぐちゃな状態なのだけど、いい加減うっとうしくなってきたのでその三つを一つのソフトで使えるというTrillianを導入しようかと検討中。ただ、もともとは2バイト文字非対応ソフトなので問題がいくつかあるらしいし、ウチの環境では一度試してみてあんまりうまく動かなかった経験があるのでちと躊躇してたりする。まあそのうちヒマなときにでも試そう。

【雑誌】ガロ 10月号 青林堂 B5平

 杜川螺子と藤枝奈己絵がいい。まず杜川螺子「妄霊惑星」。世界中に精神が肉体から剥離してしまう「極楽病」が蔓延し、だんだんいろいろなものが体から抜けていって気持ち良くなっていく女の子の様子を描いたお話。ごちゃごちゃと細かい筆致で埋め尽くされた画面とか、体からぞるるっとぶよぶよしたヘンなものが出てくるシーンとか、なんだか読んでてとても気持ちが良い。これはかなりドラッギーな作品だ。絵柄も面白いし、この人はガロ系の新鋭の中ではかなり楽しみ。藤枝奈己絵はなんかすっかりガロに定着気味で今回は2本立て。妹や飼い犬の使えない動作がおかしくてたまらない女子高生二人の話「犬と妹」と、やたら変なモノばかり作る親を持つ女の子のお話「両親の手作り」が掲載。「犬と妹」はさりげなくけっこうブラックなような……。

 チ川ユポ「独楽」は、画家とそのモデルの女性のやたらテンション高いからみが印象的。大越孝太郎「ベルナデット」は、平成九年に発表された作品に加筆訂正をして再録したもの。あと今号のパルコ木下「漂流教師」は「さいたまさいたまさいたま〜」という感じでした。流行ってるなぁ、さいたま(参考リンク:さいたまスレ@2chモナー板)。

【雑誌】ヤングチャンピオン 9/24 No.19 秋田書店 B5中

 岡田和人「教科書にないッ!」が最終回で無事大団円。コンスタントでお色気もあって、かつ学園モノとしてもけっこう面白く読める作品だった。弥生先生はちょっとかわいそうだったけど。で、それに代わる新連載は……げげ、マジかよ……。というわけで立原あゆみ「本気!」が次号からヤングチャンピオンで復活。

【雑誌】ビッグコミック 9/25 No.18 小学館 B5中

 なかいま強「黄金のラフ〜草太のスタンス〜」がコンスタントにいい。多少ピンチになっても「また面白いことやってくれるんじゃないか」という期待が膨らんでくる。

【雑誌】漫画アクション 9/24 No.39 双葉社 B5中

 江口寿史の新連載「平成大江戸巷談イレギュラー」がスタート。すっかりさびれてしまい、若者は退屈しのぎに格闘に明け暮れているという商店街を舞台にした物語。タイトルからしてすでに「イレギュラー連載になってしまうのではないか……」との不安も漂うが、今回は原作に椿屋の源という人がついているので、ちゃんと連載されていくことに期待したい。そういえば江口寿史は、アクションがエロ方向へと転換したときに「キャラ者」を携えて他社の雑誌に移籍しちゃったはずだけど、今回連載始めたってことは復縁が成ったということなのかな。

【雑誌】漫画サンデー 9/24 No.37 実業之日本社 B5中

 作:勘崎順次+画:倉科遼「銀座女帝伝説 順子」は次号で最終回。けっこう楽しみにしてた作品なのでちと残念だが、まあ終わらせどきではあるかな。実際にママになってからのエピソードは意外と少なかったような。

【雑誌】まんがタイムきらら(まんがタイムオリジナル10月号増刊) 芳文社 B5中

 萌え系4コマ雑誌としてぶいぶい言わせ中のまんがタイムきららの最新号。えーとこれで3号目だったっけか。なんだかだいぶこなれてきているように思うし、案外面白い。4コマ雑誌ってけっこういまだに「課長のハゲ頭がピカーッとヒカって眩しい〜」みたいなネタの漫画がいけしゃあしゃあと載ってるというイメージがあって(というか実際にある)、この本はあんまり4コマずれしてる人がいないのでそういうステロタイプなネタはわりと少なめ。売り出し方さえちゃんとすれば4コマ誌的に新しい、安定した読者層をけっこう開拓できそうだし良いんではないでしょうか。

 個人的にわりと楽しみにしているのが、「とらのあなの美虎ちゃん」でおなじみ、むっく「眼鏡のお年頃」あたりだが、ロリロリなアキバのPCショップ店長さんが主役な刻田門大「てんちょおのワタナベさん」とか、学年漫画っぽいシンプルな絵柄のしおやてるこ「Pocket」あたりもけっこういい。愁☆一樹「1年777組」、ちんじゃおろおす「ふぁみりーちゃんねる」、ナントカ「影ムチャ姫」なども、4コマ的にいい具合のかわいい絵柄となってるように思う。

【雑誌】メガキューブ Volume19 コアマガジン B5平

 スギサンダーがメガキューブ初登場。「PARTY NIGHT」。まあタイトルから分かるとおり輪姦モノで、人妻と女子高生の二重奏。ここらへんと九龍城砦「開化の響」、琴義弓介「触乳」、山文京伝「砂の鎖」あたりが実用面で手堅い。で、今号は森永みるくイラストのマウスパッド付き。でもやっぱり880円は……。いまいち「これは!」って作品もないしねえ。次号はほしのふうたが登場するらしいのでそれは楽しみだけれども。

【単行本】「アルビレオ観測所からの監察」 しろみかずひさ 司書房 A5 [Amzn]

 「アルコールラムプの銀河鉄道編纂集」というサブタイトルがついていることからも分かるとおり、三和出版から出ていた「アルコールラムプの銀河鉄道」上下巻および「天気輪の丘で視た世界」から作品をより抜き、単行本初収録作品を加えた短編集。この人の作品は以前からとても好きで、このページでもしろみかずひさコーナーを作ろうと思いながらずるずる来ちゃってるわけなのだが、11月下旬に「なぶりっこ」上下巻が富士美出版から発売されるらしいので、そのときにでも……と考えてはいる。

 しろみかずひさの作風は実に独特。まず線からして均質で乱れがなく、ちょっと珍しい不思議な質感を持っている。お話のほうはそれ以上といっていいくらいにオリジナリティがあって、その物語はときに非常に激しくて読む者を驚かすほどだったりするのだが、いずれの作品も研ぎ澄まされた緊張感に満ちている。この人ほどに自らの愛を、真剣に狂おしくぶつけてくる作家というのも、エロ漫画において、というか漫画界においては非常にまれであろう。その愛は、しろみかずひさ自身の中に生まれた絶対的な何かでもある、「麻理果」と呼ばれる女性に向けられている。彼女はしろみかずひさ作品のほぼすべてに登場する人物で、作者自身の愛──それは信仰に近いまっすぐなものであったり、憎悪にも似た歪んだものであったりする──が捧げられている。その思いの切実さは余人には立ち入りようのない次元にあって、はたから見ていると崇高にさえ映る。

 この作品集ではとくに、くじら座の星τ(タウ)に向かう宇宙船内で二人で寄り添うように生きる少年と女性型ロボット麻理果の哀しい愛の物語「τ」と、生体実験用の少年と女性研究者の別れを描いた「Cygnus」がとてもいい。しろみかずひさ作品の多くは、失われていく、あるいは失われてしまった何かへの追憶が冴え冴えとした描写で描かれていて、センチメンタリズムを強く刺激される。作者は直球勝負できている。だからこちらとしても真っ向から受け止めたくなる。

【収録作品】「τ」「Secret Marriage」「TOILET2」「まりか32」「不協和音」「Cygnus・prologue・」「Cygnus・intermezzo・」「Cygnus・epilogue・」


9/9(月)……エキストラ・クツジョーカー

▼出先で雨に降られるたびに、駅に傘の自動販売機があったらいいのになーと思う。でも晴れてる日にはまったく用がないものだから、設置しても割に合わんかな。

▼未読物
【雑誌】まんがタイムきらら(まんがタイムオリジナル10月号増刊) 芳文社 B5中
【単行本】「シュガー」3巻 新井英樹 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ワイルドリーガー」5巻 渡辺保裕 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「夢の温度〜あき」 南Q太 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「夢の温度〜冬」 南Q太 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]
▼早売り
【雑誌】メガキューブ Volume19 コアマガジン B5平

【単行本】「屈辱er大河原上」1巻 坂本タクマ 新潮社 A5 [bk1][Amzn]

 非常に帯のデカい屈辱的第1巻。あまり単行本化を喜ぶと、「単行本も出ないような作品だと思われていたのか」と作者が屈辱を感じるかもしれないので、出て当たり前と受け止めるよう努めたいと思う。

 それはともかく大河原上だ。大河原上は断固として人の下につく屈辱を嫌う男。その姿勢は徹底していて、缶ジュースの自動販売機で身を屈めることさえ屈辱的としそれを避ける方法を探し求めるといった具合。はたまた他人の結婚式なのに、一番上座(つまり新郎の席)を強奪し満座の人間に説教をかますといった具合。とはいえ屈辱を嫌うだけで現実的な能力がそんなにあるわけではないので、苦杯をなめることもしばしば。とくに大家の婆さんと、使いたいときに限って出てこないアイテム筆頭であるホッチキスは天敵。そんな男の日常が綴られていくギャグ漫画であるというわけだ。

 で、これが屈辱的なことにたいへん面白い。大河原上の無法な振る舞いやヘンな顔、アクションに思わず笑わされてしまう屈辱。でもなんだかんだ平和な世界にまったりさせられてしまう屈辱。坂本タクマの柱コメントが面白く文才を羨望してしまう屈辱。大河原上の「屈……」といううめき声がつい伝染ってしまう屈辱。そして語尾に「屈辱」とつけてしまい、あらためて屈辱という感情を呼び起こされてしまう屈辱。皆さんもぜひ購入して、この屈辱を共にしていただきたいと思う。

【単行本】「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」2巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 暴虐な兄の後を継いで、応援団の団長となった女の子・団長ちゃん(名前は覚えてない)が大活躍。女の子がブカブカのガクランを着てさらにネコミミ型のリボンをしているという姿は、本来かなり萌え萌えだと思うのだが、意外と「萌え〜萌え〜」という方向には行かずお話の楽しさのほうがより印象に残るのは、小野寺浩二の持つ少年漫画的気質のおかげかもしれない。この巻は、応援団のほかのメンツの馬鹿っぷりも存分に発揮されてて面白い。あと応援という方向で素直にアツく盛り上がるシーンがあったりするのもいい。意外なくらいにスカッと爽快。学園モノとしてもいいんじゃないでしょうか。

【雑誌】エース桃組 2002 Autumn 角川書店 B5平

 うーん、今号はいまいちだなと感じた。面白いと思う作品はある。例えばしけたみがの「鋼鉄の少女たち」の少女たちによる戦車隊という華やかな設定とは裏腹な異様にヘヴィなドラマはガツンとくるものがあって、これは力作だなあとすごく思ったりした。それから竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」の本誌でもおなじみな下品ギャグは安定して面白いし、平野耕太「略。」のオタク的ダラダラ感もいい。でもここらへんはおそらくエース桃組という雑誌としては本流ではないわけで。本流と思われる可愛い女の子萌え萌え路線の作品が、いずれも物語的に薄いなと感じた。萌えについても意外とムンムン来ない。もっと暑苦しいくらい「萌え〜萌え〜」と来てくれるならいいのだけど、みんな適度なところでまとまっちゃってる感じ。2〜3本くらいは本流路線でズバッと突き抜けた作品が欲しい。あと話は変わるが今号は「もっとGOOD KISS!」の河方かおるが登場していたのは驚いた。あと巻末作者コメントでスギサキユキルが「月刊ASUKA誌上で重大発表があります」とかいうコメントを出しているので、興味のある人は要チェック。

【執筆陣】まりお金田、後藤なお、依澄れい、秋月亮、虎向ひゅうら、御機械屋+フロントウイング、みさくらなんこつ+すたじおみりす、あすか正太+剣康之、オダワラハコネ+フェアリーテール、竹内元紀、阿倍野ちゃこ、河方かおる+サーカス、SAA、スギサキユキル、宮下未紀、東雲水生、大和田秀樹、しけたみがの、門井亜矢、平野耕太、サムシング吉松

【雑誌】ヤングキング 10/7 No.19 少年画報社 B5中

 花見沢Q太郎「ももいろさんご」。たまにはただれてない生活も……ということでホッと一息、潮ちゃん編。今回は電車内で読んでもさほど恥ずかしくありません。かわいくて良いですな。あと次号で田中宏「グレアー」が最終回とのこと。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 10月号 竹書房 B5中

 おなじみ目次ページ4コマ、坂本タクマ「シンケン君」に大河原上が出てきて単行本の宣伝をしているという屈辱。本そういち「麻雀無限会社ザンク」(闘牌原作:安藤満)がけっこう面白い。雀荘麻雀とトーナメント麻雀で、それぞれ異なる勝ち方を描いているのが面白い。自分は麻雀についてはたいへんヘボではあるのだが、そういう人間にとって闘牌模様がなんとなくもっともらしく見えるのは大きい。

【雑誌】ヤングマガジン 9/23 No.41 講談社 B5中

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。やっぱり三郎はなかなか幸せになれず。難儀。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」では、鉄郎がまたしても地球の命運とかを握ってみたり。なんか彼は何気に大きなことをいろいろ成し遂げてますな。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/23 No.41 小学館 B5中

 増刊枠のほうでやっていた古屋兎丸「π」が本誌連載に。究極のおっぱいの秘密はπと黄金比にありという信念を持つに至った主人公が、それまでデブオタだったのを肉体改造しイケメンにモデルチェンジ。最上のおっぱいに巡りあうために奮闘するというコメディ。やはり巨乳はギャグとよくマッチする。ただ一つ気になるのが、主人公が乳首とおっぱいの正面からの位置関係にのみ目を向けている点である。個人的には横から見た場合のフォルムについての考察も欠かせないような気はするのだが。稲光伸二「ナイトクレイバー竜一」。ちょっとだけ麻雀を教えられた竜一が、いよいよその驚異的なすりかえテクニックを発揮。現状ではまだ微妙かなとも思うけど、だいぶ面白くなり始めた。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/23 No.41 集英社 B5平

 河下水希「いちご100%」。誘ってるなー東城さん。ダイナマイツバディ。大人しそうな顔してやるときゃやりますわい。森田まさのり「ルーキーズ」。ん? これって野球ルールの解釈間違ってないか……? というのは本塁クロスプレーでランナーが滑り込んで、守備側がボールを吹っ飛ばされてしまうというシーンがあってその吹っ飛ばされたボールを守備側がバウンドさせずに捕球したからアウトと審判が判定しているシーンがあるんだけど、タッチプレーだからボール放した時点でセーフだよね、アレ。最初にタッチした時点でアウトなら納得できるけど。少なくとも「バウンドさせずに捕球」というのは意味がないと思う。


9/8(日)……軍手枕

▼買ったままほったらかしにしておいた「ハリー・ポッターと賢者の石」のDVD[Amzn]を観る。ポッター君やらハーマイオニーやらが可愛くてなかなか楽しかったんだけど、お話的にはちと物足らないかなという印象。おっきな目的があってそこにお話が収束してくってわけでなくて、断片的なエピソードを積み重ねるという感じだったので、いまいち軽いというか。でも1作めということで、この世界のイントロダクションとしてはいい出来だったと思う。映像自体はとてもよくできてたし。

【単行本】「天駆」4巻 作:大佛次郎+画:森秀樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。鞍馬天狗=倉田天膳は、江戸幕府を陰で牛耳ってきた御庭番(鬼刃番)との対決に挑む。わりと最後はあっさりしてたような気はするものの、全般的にはシブい時代モノとなってて読みごたえはあった。骨太な作画はさすがに森秀樹という感じ。

【単行本】「どす恋ジゴロ」3巻 平松伸二 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 3巻は買い忘れていたので……。この巻の後半くらいから恋吹雪の若いころ編になっちゃっていく「どす恋ジゴロ」だが、大関になってからのエピソードのほうが、得も言われぬ脂っこさがあって面白いと思う。この巻での注目は、恋吹雪がリッキー台風に頼まれていまいち華のない女子プロレスラーを抱く話かな。「ア〜どす恋どす恋」で締めるオリジナル相撲甚句も相変わらずのいい味。

【単行本】「死体処理請負人アマネ」 稲垣みさお ソフトマジック A5 [bk1][Amzn]

 死体処理に困っている人の依頼を受け付け、人知れず始末する「死体処理請負人」をやっている少年アマネの物語。とはいってもあんまり陰惨な風ではなくて、アマネはなんか妙に呑気で、始末した死体の幽霊が家に住みついちゃっているのをほったらかしにしてたりといった具合。わりと平和で軽く読める、ホラー調のドタバタコメディといったテイスト。個人的にはもう少しドギツい奴のほうが好みだけど、アマネやら幽霊たちはけっこう可愛げがあってそこらへんは楽しい。


9/7(土)……写せミー

▼土日は引きこもって暮らそうと思って、雑誌等はなるべく早売りで入手しておいたのだが、FEEL YOUNGのみ獲得に失敗。しょうがないから夜半に近所の夜10時までやってる本屋に出かけたらコレが大失敗。本屋にいる間に雨がじゃんじゃか降ってきちゃって、なかなかやみそうにないからそのまま帰ったらあっと言う間にじゅんっと来ちゃって猛烈にヌレスケ。買った本については書店がビニールの袋に入れてくれたため濡れなくて済んだのが不幸中の幸い。

【雑誌】YOUNG YOU 10月号 集英社 B5平

 榛野なな恵「パンテオン」。兄に彼女がいるのを目撃してしまった彰子ちゃんは激しくショック。その中で混乱のあまり、お兄ちゃんに自分の気持ちを訴えかけてしまう。うーん、だいぶ切なくて面白いですな。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。今回は巻中カラーの扉のはぐちゃんがファンシー。お話のほうはいつもより若干まとまりが悪いか。

【雑誌】FEEL YOUNG 10月号 祥伝社 B5平

 やまじえびね「インディゴ・ブルー」は最終回。まあ落ち着くべきところに落ち着いたという感じかな。「LOVE MY LIFE」に続く同性愛ものだったが、今回は内容的にも少し掘り下げが足らなかったような気がちょっとした。宇仁田ゆみ「マニマニ」。いい加減な男にできた子供の出産が近づき、イライラが募る女性が主人公。前半のイラつき具合と後半の開き直りっぷりは、やっぱり母になると強いってことなんかな。しっかり安定している。あと今号から内田春菊が、家を建てるまでのあれこれを描く実録漫画「ほんとに建つのかな」を開始。現在お子さんは4人おられるそうです。

【雑誌】comic天魔 10月号 茜新社 B5平

 今号もうるし原先生による表紙が絶好調で、ますますレジで出しにくい状態に。で、巻頭カラーはひぢりれい「空蝉」。相変わらず作画クオリティはたいへん高い。でもこれ殺伐とした話だなあ。ロリオタ3人組が小学生女子をさらってきて、「モエモエ〜」とかいいながら凌辱するという、ただそれだけのお話。みんな真似しちゃダメだぞ。それから水無月十三「デカチン」もひぢりれい原作作品だった。こちらはちんこがデカすぎて女の子とつき合えないでいた男子が、彼女にソレを打ち明け、受け入れてもらうというお話。こちらはけっこうラブラブ。まぐろ帝國「家庭の事情」は、姉弟母でくんずほぐれつHなことばかりしている仲の良いご家族のお話。この人はバカ系の話も面白いけど、意外と手堅くHな作品も描きますな。

 それから今度、9月19日に天魔の増刊「LO」というのが出るらしい。執筆陣は表紙がたかみち、そのほかRAITA、みなすきぽぷり、SHあRP、冴木高雄、EB110SS、完顔阿骨打、OKINA、KEPPI、大原久太郎、根雪れい、瀬峰正重、水無月露刃、片桐火華、真田X、いまいずみあつし、M-HIROが予告されている。

【雑誌】MUJIN 10月号 ティーアイネット B5平

 きらら萌「みどりせんせい」は、幼稚園の保母さんと児童のお父さんがHなことをするというお話。とくに斬新とかいうところはないのだけど、この人は手堅く実用的な作品を描いてるな〜と思う。女性キャラがわりと人が良さそう。ここらへんの感触は、多少THE SEIJIとかと通ずるところがあるかも。古事記王子「アネモネ」は最終回。相変わらず華麗な作画で激しくエロス。ハードなエロをやりつつもわりと愛もあり。小暮マリコ「大江炉商事24H」は、とある一流企業に潜り込んだ女性企業スパイが、その会社のエロエロな風習に巻き込まれていくというお話。今回は4色カラーもあり。小暮マリコはすっかりハードで汁っ気の多いエロを、安定して描く人になったなーと感心。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」10巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この作品ももう10巻かー。週刊連載ってぺースが早いなあ。内容については相も変わらず下品でムチャクチャ。ゲンもケンヂもどうしようもなくダメだが、まあなんだかんだいって平和なような。単行本だと、各話の間にあるゲンさん虐殺4コマとかカバー裏漫画も楽しい。

【単行本】「龍」31巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらの安定感。今回は息子と寄り添いながら、上海で生きていく覚悟を固めた小鈴の悲壮な決意と、それから小鈴に近づこうとする陸軍の将校のいやらしさとかが印象に残った。登場人物たちもそれぞれ年を重ね、大人のドラマになってきちょります。

【単行本】「ABILITY」4巻 MARO ワニマガジン B6 [bk1][Amzn]

 生まれついての悪党、巳月竜司先生大活躍の壮大なる叙事詩「ABILTY」もこれにて最終巻。いやー、最後までバカで面白かったなあ。最初はタダのSEX好きな借金取りの兄ちゃんにすぎなかった巳月竜司が、最後には兄弟喧嘩の果てにアメリカとかぶっつぶしちゃうしー。そのうちパワーアップして毒も祟りもきかない最強人類になっちゃうしー。ラストシーンのおめでたさも素晴らしい。よくわからんバイクに乗ったままSEXしつつ「俺の気筒の感じはどうだ?」と、最後までどうにもオヤジくさいセリフで締めてくれて満足。巻末になぜか時代劇編が収録されていたり、なぜか3コマずつしかない「4コマ劇場」が収録されていたりと脱力感抜群。この人絶対天然だ……。


9/6(金)……アガリスク園

▼夜半はだいぶ涼しくなりましたな。おかげで帰宅したら即眠っちゃって、またしても更新が遅れてしまい申した。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 9/20 No.19 小学館 B5中

 今回の星里もちる「本気のしるし」はけっこう笑った。途中まで浮世さん頼もしくなったなあとか思って見ていたんだけど、結局この人と関わるとロクなことにならんのね。なんか浮世さんには、裏目ばかり引き込む本能的なものがあるんではないかと思ってしまう。井浦秀夫「強欲弁護士 銭高守」。今回はなかなか面白かった。銭高が、浮気がバレた夫の離婚交渉を引き受けるというお話だけど、裏がいろいろ用意されてて見応えがあった。

【雑誌】コミックバンチ 9/20 No.40 新潮社 B5中

 渡辺保裕「ワイルドリーガー」。夏門とルーブの対決をよそに、不調を囲っていた羽根田に、夫人からの喝が届けられる。そろそろ復活して四文字熟語の嵐が吹き荒れるか。作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘「眠狂四郎」は女スリの文字若の姉御が珍しくめかし込んで美人ぶりを発揮。描写に艶があっていい具合。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9/20 No.18 小学館 B5中

 深海琳子「沈夫人の料理人」は今回も良い。ヒマを持て余した奥さんに「面白い顔をしろ」といいつけられた李三。いちおう夫人を興がらせはするが、その顛末は思いもよらぬことに。今回も李三はオドオドしたり涙ぐんだり、激しく振り回されっぱなし。奥様と李三のやり取りの描写が軽妙で実に楽しい。

【雑誌】ヤングヒップ 10月号 ワニマガジン B5中

 草津てるにょ「女神輿」が巻頭カラー4ページ。といってもその前にヌードグラビアがいっぱいあるので、「漫画パートの巻頭カラー」に過ぎないのだが。で「女神輿」は、なんか神輿を担ぎに来た女の人たちが男衆と乱交するような風習のある地方のお話、っていうか乱交シーンだけを軽く描いたもの。要するにその女性が人妻風なのがビビッときたと。井荻寿一「霊能探偵ミコ」は、風邪を惹いたカンロクが、メルの魂が宿っている少女のメグミちゃんをミコさんと間違えてやっちゃうというお話。この娘さんもけっこうかわいくていいな。井荻寿一の描く女性は好きだー。絵はシンプルなんだけど、唇の感じとか表情が色っぽい。

【雑誌】花とゆめ 9/20 No.19 白泉社 B5平

 樋口橘の新連載「学園アリス」が開始。親友の蛍が、東京にある天才しか入れない学校に転校することになり、主人公である女の子・蜜柑はパニック状態に。その学校では天才のことを「アリス」という名称で呼んでいて、何やらかなり厳正な選抜が行われている様子。蛍がいなくなって淋しさ募る蜜柑は東京まで彼女を追っかけていくが……というところまでが第1話。最初はこの学校は才色兼備の奴らばかり集めるっぽい感じだったので、「アリスってのは要するにアレですかい、セレブとかいうもんのことですかいのう」とか思ったのだが、どうも違うらしい。樋口橘らしいガチャガチャと忙しくコミカルな話になりそうだけど果たして。この人についてはけっこう絵も好きだしとりあえず楽しみに読み進めていきたい。

【単行本】「外道校長藤堂源三郎DC」 小野寺浩二 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 小野寺浩二って男らしいなあ。このお話は、自分の学校の生徒とかを見て、過剰に触発された萌えゴコロを持て余し続ける熱き校長の物語である。まあ要するにいつもこの人が描くようなダメ人間大行進という感じの作品。この人の場合、萌えを描くにしても「萌えの対象」のほうではなく「萌えの主体」のほうをメインに描く。そのせいか作品が妙に男くさく、ヘンにねじ曲がったところがない。なんというかノリがすごく少年漫画っぽい。オタクネタをやるにしても、個々の商品なり作品なりについてぶちぶち豆知識を入れていくみたいな細かい内向きの閉じたスタンスじゃなくて、ちっちゃいことはすっとばして外側に向かっているのがいいと思う。もしかしたらこの人は、パッと想像されるほどにはベタなオタクじゃないのかもしらんなーとか思っていたりするんだけどどんなもんだろうか。

【単行本】「ODD JOBS ART WORKS OF ATSUSHI KANEKO」 カネコアツシ エンターブレイン B5 [bk1][Amzn]

 「BAMBi」などでおなじみ、カネコアツシのイラスト集。独特の太くて力強いタッチによるアメリカンなタッチのイラストが集められていて、なかなかカッコイイ本となっている。「LAZREZ」の原作をやっているDJのTKDとの、非常に長い対談も収録。


9/5(木)……ぶらぶら印度旅行

【雑誌】コミックフラッパー 10月号 メディアファクトリー B5平

 「雲のグラデュアーレ」の作画を担当していた志水アキの新連載「怪・力・乱・神 クワン」が巻頭カラーでスタート。「三国志」の時代の中国で、旅の商人が妖怪を退治したりできる不思議な力を持った少年と出会ったところから始まる冒険譚といった感じの作品。そういえばこれって志水アキの初オリジナル連載なのね。新居さとし「女神の鉄槌」が今号からいきなりタイトル変わっててびっくり。内容も雰囲気は今までと変わらず好き放題な感じだが、なんか戦隊モノっぽい展開に、いちおうなるのかな……?といった具合。カラッと底抜けに明るくて面白い。

 「地球滅亡」をテーマとして新人4作家が競作するという企画あり。なんかやけにページ数が多いので、失礼だとは承知しつつも、もしかして原稿料抑制のためだったりしてなどと邪推してみてしまったり……。まあそれはともあくとして今回の企画では、石黒正数「カウントダウン」、大槻保彦「グリーンインフェルノ」、花果弥佳、奥田圭悟「オーバー・ゲーム」が掲載。この中では「人類滅亡」をテーマとして自分たちが撮る作品のアイデアを出し合う放送部の面々を描いた石黒正数「カウントダウン」が、わりといいかなという感じ。スッキリした絵柄も好みだしお話もヒネリが利いてて楽しく読める。奥田圭悟は男にフラレたのがショックだったお嬢さまが、彼に復讐するために周辺住民おかまいなしに地球規模なダイナミックな近所迷惑をしでかすというお話。こちらは手慣れた可愛げのあるタッチによるドタバタコメディとなっている。

【雑誌】モーニング 9/19 No.40 講談社 B5中

 巻頭カラーは井上雄彦「バガボンド」。剣に対して興味を示していく小次郎に対し、鐘巻自斎はあくまで伝授を拒む。復活してからの自斎は、元剣豪としての貫禄と小次郎を思いやる人間味が共存しててなかなか味わい深いカッコ良さを発揮していると思う。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。この人の描く女性はやっぱりいいな〜。大沢に弟子入りした青柳サンはもちろんのこと、全然物語に関係ない端役のスチュワーデスさんもちょっぴりいいとか思ってしまった。

【雑誌】ヤングサンデー 9/19 No.40 小学館 B5中

 巻頭カラー、いわしげ孝「新・花マル伝」は連載200回記念で巻頭カラー。ちょうど物語のほうも花田vs.木元の対決がクライマックスで盛り上がっている。コンスタントでありつつ見せ場での瞬発力もあってしっかり面白い。秋重学「學ビノ國」。試験の結果が出てさてこれからどうするといったところ。そろそろ終わりが近そう。現在38話めだから全40話ってとこかな?

【雑誌】ヤングジャンプ 9/19 No.40 集英社 B5中

 「青春ヒヒヒ」の清野とおるの新作読切「妖怪カサじじい」が掲載。黒いコウモリ傘を武器に子供たちを見境なく襲いまくるカサジジイと呼ばれる怪人の謎に、4年3組ひみつ探偵団の3人が迫るというお話。いつもながらにクセ&アクの強い絵柄&ギャグで、不気味な笑いを提供。今回の展開はやけにスペクタクルで、イヤな感じのアクション多し。エグいけれども、慣れるとクセになる。こういう作風はとても好きだ。 新人の勝木利博「ノックアウト」もけっこう濃いめの絵柄で気になる作品。実力は全然ないのに、ヤンキー二人に親分として担がれてしまったあんちゃんが、ゲーセンのパンチゲームでヒドい目に遭うという8ページのショートギャグ作品。あと今号から、作:金成陽三郎+画:山口譲司「民族学者八雲樹」の新シリーズ「仮面の館殺人事件」がスタート。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/19 No.41 秋田書店 B5平

 今号の施川ユウキ「がんばれ酢めし疑獄!!」はいいなあ。なんかギャグ漫画にはあるまじきってくらいネームの量は多いのだけど、この人の場合は言語感覚が面白いし、ヘンなリズムもあってシュールな味が出てる。セリフの一つも引用したいところだが、それやるとネタバレになるからできない。恐ろしい。高橋陽一「ハングリーハート」ではSGGK的人物が登場。境・ジェファーソン・公司。略してSKJK。

【雑誌】桃姫 10月号 富士美出版 B5平

 手堅くはあるけどなんか一時期よりテンション落ち気味のような。

 今号では島本晴海「気持ちいい場所」が良い読後感。人のいいところを見つけるのが得意な女の子・通称ユッピーと、内気そうだけど優しい少年ノブ君の、気持ちいい恋愛模様を描写。愛し愛されてる〜ということがよく分かる、女の子の幸せそうな笑顔がとても魅力的。長谷円「はじめちゃんがんばる」は、生徒たちと多人数ファックな女教師の痛快教育模様といった趣の作品。Hシーンが盛大で実用度高めなのと、ラストに向けた展開の思いっ切りの良さに好感を持った。THE SEIJI「コネ」は、コネで会社に入った女の子が、オヤジたちに囲まれた会社の慰安旅行の道中でさんざんやられまくるというお話。相変わらずむっちりむんむんした女体によるHが充実。きらら萌「30年債」では、マイホームに越してきたばかりの奥さんが、引越業者さんにやられまくるというお話。人妻モノは好きなんでやっぱりヒット。

【単行本】「BLIND」 天竺浪人 ワニマガジン A5 [Amzn]

 激漫および商業誌未発表作品を収録した短中編集。これはかなりいい。一本一本のページ数が短編というには多めなのでかなりボリューム感があるし、内容も天竺浪人らしさが遺憾なく発揮されたダークなものとなっていてかなり楽しめた。

 例えば、さまざまな男とつき合って飽き果てた女が不細工な男とある日突然結婚し、その中で目隠しをした状態でのSEXの魔力にズルズルと引き込まれていく「BLIND」なんかは、視覚情報が閉ざされ周囲の状況が曖昧になっていく過程の描写がとても巧み。そして今描かれていることが現実なのか、主人公の女性の妄想なのか、彼女を抱いているのは果たして誰なのか、だんだん判然としなくなっていく様子はエロチックでもありミステリアスでもある。

 また自宅にクラスメートから送られてくるエロビデオにより、イジメられっ子が追い詰められていく様子を描いた「END」なんかも緊張感にあふれた秀作だ。最初はあまり彼に関係ないクラスメートの凌辱シーンから始まり、担任の先生、そして彼が好きだった女の子……とエスカレートしていく様子は真綿で首を絞めるようだし、輪姦している側もクラスメート男子であり彼はその仲間からは外されているという状況によりイジメられっ子の孤立感を際立たせていくという手法もねちっこい。しかもビデオの中で散々馬鹿にされながらも、それを見てヌイてしまうという屈辱。「無修正エロビデオ、しかも超ハードなものが送られてくる」という本来なら嬉しいはずの状況を、人間を追い詰めるためのアイテムとして使っちゃうという発想は面白いしそのアイデアの調理の仕方も非常にうまい。

 一本ごとのボリュームもあってお話としても読みごたえ十分だし、意外と高い実用性、ダークな読後感なども刺激があって良い。天竺浪人の技量の高さを再確認させてくれる1冊。


9/4(水)……もう自由に猛獣に盲従〜♥

▼9月1日コミティアの収穫物。いちおう打ち込み終わったので。読むのはまたそのうち。

【雑誌】キングダム 10月号 少年画報社 B5中

 次号から志村貴子による女子プロレスラー青春物語的な作品「チープスリル(仮題)」がスタートということでちとびっくり。

 で、今号は私屋カヲル「青春ビンタ!」が巻頭カラー。今回は男子みんながアミちゃんのアソコを見るべく決起し、パラダイス学園状態……という説明はちと古いですな。でもまあいいじゃないですか。相変わらずサービスたぷーりで楽しい作品。岡田正尚「温泉女将一直線」は、触手系な幽霊カーと女将が対決。被害者たちのトロけまくったヨガリ顔が幸せそうでいいな。法田恵「コンストラクターズ」。元さやというか、雨降って地固まるというか。そろそろクライマックスも近いかな〜。

【雑誌】週刊少年サンデー 9/18 No.40 小学館 B5平

 青山剛昌「名探偵コナン」。今回は高木&佐藤の両刑事が遊園地デート。それを警視庁の面々が監視……という珍しい構図。なんかラブコメみたい。松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」は、ケンイチの成長ぶりもさることながら園芸部のめがねっ娘部長が見どころ。恋は素晴らしいね。

【雑誌】週刊少年マガジン 9/18 No.40 講談社 B5平

 原案:さいふうめい+漫画:星野泰視「哲也」は、麻雀はまったくといっていいほど知らない初心者記者に気を取られて哲也がペースをまったくつかめず。なんか妙にのんびりした雰囲気。こういうのもたまにはいいな。

【雑誌】コミック爆乳天国 Vol.1 司書房 B5中

 8月の25日くらいに創刊されていたらしい。本屋でも見かけてはいて今までなんとなくスルーしていたのだが、本日はなんとなく気が向いたので購入。タイトルのわりにあんまり爆乳爆乳バクシーシとはいってなくて、むしろエンジェル倶楽部やMUJINとかのほうが乳度は高いかなーといった感じ。全般に今流行り〜という感じの作画の人は少なく、ラッツやオルカ同様、なんとなく泥臭い印象は受ける。最近の司書房系の雑誌は客寄せができるメイン作家を2〜3人ずつ配し、残りをちと力量的に差があるメンツで埋めるといった感じの雑誌の作りが目立つような気がする。もう少し全体の底上げをしてほしいところではある。

 その中でお目当ては主に北河トウタ「プリーズTEACH ME!」。音楽担当の女教師とめがね君な男子生徒が、放課後の教室でHなことを……という作品。相変わらず可愛さと実用性が共存した作風は好み。それからこの号では、実用面で天太郎「ヒーローの悩み」がわりと良かった。巨乳がジャマして失敗ばかりしている戦隊モノのアトラクションでピンク役をしている女の子が、レッドやブルーたちにいろいろされるというお話。乳の量感と景気のいい揺れっぷりが好み。

【執筆陣】北河トウタ、ドリルムラタ、マエダフトシ、笹峰ひでとし、天太郎、TAP、Ryujin、じゃんぬだっく、GUN、KASHIみちのく、横山ミチル、ひがあさと、KEI、香月りお、瑞東航

【アンソロジー】CRAFT Vol.13 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

 9月1日にVol.14を読んだばかりだが、今日はその前の号。5月発売だったが買い忘れていた分。この号では河井英紀「ハート♥フィッシュ」がいいと思った。自分を作った啓介の帰りを待ちこがれている少年型ロボットのピコだが、彼はいつまでも帰ってこず、その間に何かと彼にかまってくる朋也にだんだん心惹かれていってしまっている。硬質な線には優しく、かつちょっと寂しげな雰囲気があって何かたいへんトキめかされるものがある。ピコが顔を赤らめる姿は、いけない世界の入口といった趣。タカハシマコ「バーレル」。自分のことを好きな少年と二人きりでプール掃除というドキドキターイム。相変わらずきれいな絵で華がある。いいですのう。雁須磨子「のはらのはらの」。なるほど、Vol.14の展開の前にこういうお話があったのか。得心がいった。あとこの号では久しぶりに吉川博尉が登場し「骨董屋桔梗館」という作品を描いている。でもVol.14には載ってなかったなー。できれば毎号出てきてくれるとうれしい。

【執筆陣】高橋悠、天禅桃子、神楽坂はん子、樹要、河井英紀、タカハシマコ、夢花李、雁須磨子、吉川博尉

【単行本】「SS」6巻 東本昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 走り屋モノではあるが、主として描かれるのが青春時代の心残りを抱えたオヤジたちであるところがいい具合にシブい。今回はジャッキーと栗原の過去のエピソードもかなり描かれていて、現在の状況との対比も興味深い。もちろん車の走行シーンもいつもながらにクオリティが高くてカッコイイ。堅調に面白い良作。

【単行本】「MOON LIGHT MILE」4巻 太田垣康男 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 こちらも手堅い。この巻では吾郎が、アメリカの月面基地建設計画に遠征するメンバーに選ばれて、いよいよ宇宙での活動シーンが多くなってきた。これまでの地上でのドラマも豪快で良かったが、やはり宇宙モノは宇宙に行ってこそ。太陽フレア爆発による放射線を避けるため、吾郎たちが決死の作業を繰り広げるエピソードなんかはまさに宇宙ならではという感じで、手に汗握りつつワクワクもさせられる。今後はより宇宙開発がらみの話が本格化しそうで楽しみだ。骨太肉厚で頼もしい。

【単行本】「猛獣注意」 第六天魔王グレート 一水社 A5 [Amzn]

 「筋肉」。それがこの人の作品の特徴。エロ漫画作家は数あれど、これだけ筋骨隆々した女性ばかり描き続ける人は珍しい。ゴツゴツと鍛え上げられた筋が浮かび上がりまくった女体(および男体)の迫力は、初めて見るとけっこう驚かされる。ちなみに作画技術はかなり達者だと思う。線がしっかりしてて力強く、かつ洗練されてもいる。そしてお話もこれがけっこう面白い。男も女も基本的にマッチョなのだが、その心根は一本芯がビシッと入っている。一見怖そうな顔つきなのだが、基本的に善人揃いであるのがいい。暑苦しげな絵柄なのに、読後感は非常に爽やかなのだ。例えばこの単行本ではメイン的扱いである、ゴリゴリ筋肉でメイドやら看護婦やらの格好をする宇喜多彩美さんなんかは、行動も言葉遣いも粗暴だけれど妙に憎めない。これまたパワフルな男である忠勝にほれ込む様子は、ふとした拍子に可愛く思えてしまうほど。性格も豪快でサバサバしてて、ヒネたところが全然ないのがいい。特異ではあるけど、なんだかほのぼのしてもいる面白い作品。


9/3(火)……現チアリーダーの原チャリだー

▼最近、会社備蓄用食品として100円ショップでレトルトカレーを買うことが多い。秋葉原デパートフジヤマ内にある100円ショップは、その手の食品はわりと豊富なのでそこそこ使える。この前買った「ジョー&飛雄馬カレー」は、ガーリックがきいてて案外うまかった。でももう在庫がなさげだったのは残念。とか思って検索をかけたところ、明治製菓のページによれば、無許可の香料が含まれてて自主回収になった商品だったらしい。そうか、あれはブラックカレーだったのか……。あ、でも俺が買ったのは回収になった「明子の愛情カレー」じゃなくて、「丹下拳闘クラブ特製カレー」だったから大丈夫なのかな。まあなんでもいいけど。

【単行本】「シャイニング娘。」1.First Shining 師走の翁 ヒット出版社 A5 [Amzn]

【単行本】「シャイニング娘。」2.Second Paradise 師走の翁 ヒット出版社  A5 [Amzn]

 2巻が出たので、読まずにとっておいた1巻と合わせてまとめ読み〜。この作品については何度も紹介したが、国民的アイドルグループである「シャイニング娘。」の面々が次々と犯されていくという物語である。メンバーは矢内鞠をリーダーに、匣アイ、壱岐鞘華、二翻巻(ゴットー)、椎田香檻、槌ののみ、保陀刑、阿部なつみ……と、どこかで聞き覚えのあるような面々が勢ぞろい。多忙を極める彼女たちがストレスを解消するため「悪魔」を名乗るカウンセラーに依頼を持ち込んだところ、スタジオライヴで犯されたり、匣&槌でデリヘルをやらされたりと、もうぐっちょぐちょなタイヘンな目に遭わされていく。その激動の10日間を描いたものなのだが、これが本当にすごい。

 まず「シャイニング娘。」の面々がそれぞれに特徴がとらえられているばかりでなく、漫画的にきちんと可愛い。そして内容もかなりみっちりしていてエロい。しかも単行本2巻分使っていることからも分かるとおり、ボリュームもバッチシ。実のところ師走の翁については、この前の単行本「宴」より前は「うまい」とは思ってもすごく気になるというほどではなかったのだが、最近の充実ぶりは本当素晴らしいと思う。絵もうまくなったしエロく見せる技術もアップした。さらにエロの密度の高さ、汁っ気たっぷりのみずみずしさは特筆に値する。そしてこの人が何よりいいなと思うのは、サービス精神がすごく旺盛なところ。後書きでの遊びやカバー裏まですごく充実しているしトレカまで付いてるし、本編のほうも画面の端々までエロかったり可愛かったりするものを詰め込んでくる。おかげで画面的にはゴチャゴチャしてるんだけど、最近はそれでも読みにくくないレベルできていると思う。

 この作品を読んでいると「作者は娘。のみんながすごく好きなんだな〜」ということが伝わってくるので、単純なアイドルな凌辱モノみたいに殺伐とはしない。お話的にもいいねえ。さまざまなエロエロ体験を通じて娘。たちが一回り成長し、最後は前向きに「みんな頑張ろう!」って感じで締めくくられてて、正直ちょっと感動さえする。ここしばらくの間に読んだエロ漫画の中では、最も印象に残った作品の一つ。楽しませていただきました!

【単行本】「アフター0」3〜4巻 岡崎二郎 小学館 B6 [bk1][Amzn:3巻/4巻

 ビッグコミックスオーサーズ・セレクション版の3巻〜4巻は、「アフター0」の中でも最も人気があったと思われる「大いなる眠り子」シリーズを収録。若くして世を去ったサラリーマン・あきおの魂が、まだ赤ん坊である彼の息子に宿り、妻の由美子とコンビを組んで赤ん坊探偵的な活躍を見せていくというお話。丁寧に構築された気の利いたドラマはやっぱり面白いし、妻と夫、そして息子と、それぞれを思いやる家族愛にも満ちていて読後感の暖かい非常に優れた作品となっている。これでまでは「大いなる眠り子」シリーズは複数巻に飛び飛びで収録されていたので、まとめて読みにくかったけど、今回2冊でまとめてくれたことで一気に読めるようになったのはうれしい。収録作品などの細かいデータは岡崎二郎ページのほうを参照のこと。

【単行本】「昴」10巻 曽田正人 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 プリシラ・ロバーツと昴が同日に「ボレロ」を上演することとなり、それぞれの「ボレロ」が描かれる。ここに来て昴もようやく本領を発揮。観客を自分の領域まで引っ張り上げるような踊りの描写の熱量が素晴らしい。力技でグイグイと読者を物語世界に引き込む迫力がある。なんかこれ読んでると無性に「ボレロ」を聴きたくなるな。というわけで今CD引っ張り出してきて聴いてるところ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 9/17 No.18 講談社 B5中

 今号からロゴがカタカナに。一瞬違う雑誌かと思った。

 新井英樹「シュガー」が面白い。これまでプロボクサーを舐めきっていたリンが反撃に遭いあわてる。休みなく繰り出されるパンチの連続が、恐ろしく高速に感じられる。それにしてもこんなに落ち着かずに動き回る主人公というのも珍しい。なんか最近のヒーロー物ってすべて分かったような顔して「フッ……」とかいって、動くのは一瞬だけみたいな奴をよく見るが、そんな中これだけ動いてくれるとうるさいけど素直に楽しい。はっとりみつる「おとぎのまちのれな」。今回は珍しくれなのチアリーディング姿が見れてうれしかった。すぎむらしんいち「クローン5」もいい。思いもよらずクローン集団が登場して華やかなんだか不気味なんだか。

【雑誌】漫画アクション 9/17 No.38 双葉社 B5中

 ながしま超助「ジェット上司」は、巨乳ラーメン屋というコンセプトといい、現在ジェット上司が修行中のラーメン屋の親方の扱いといい、サラリーマンじゃなくなってからメチャクチャさ加減がアップしてきているような。新連載、作:大城一晃+画:渡辺敏「上海ラプソディー 男の純情」はちばてつや弟子系かな、という感じの作画のサラリーマンもの。とはいってもちばてつやみたいにうまくはないので、アナクロさ加減が目につく。最近のアクションは、北見けんいちの亜流的な作:高橋三千綱+画:近藤洋助「お金儲けのエンジェル」など、明らかにイマ風ではない路線で攻めて来ているけどこれはそういう編集方針にシフトしたってことなんだろうか。全体に萎え萎えな作品が増えてきてるんだけど……。

【雑誌】漫画サンデー 9/17 No.36 実業之日本社 B5中

 今週は「湯けむりスナイパー」がお休み。作:鍋田吉郎+画:原恵一郎「巌流小次郎」は2回め。前回、武蔵に敗れ九死に一生を得た小次郎だが、その後の状況は芳しくなさげな感じに。絵が濃い目でしっかりしてて、メリハリも利いているので読みやすい。


9/2(月)……純デストークライブ

【雑誌】ヤングマガジン 9/16 No.40 講談社 B5中

 望月峯太郎「万祝」は2回目。筋肉ムキムキすぎる異種格闘技部の元主将が登場。さっそくクセのあるキャラクターが増えてきたのはうれしい限り。「ドラゴンヘッド」とは打って変わって、今回の連載は気軽に読んでいけそう。阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。春菜ちゃんが意外とかわいい。この人はちゃんと女も描けるんだなあ。作:チャーリー☆正+画:木山道明「おっぱいジョッキー」は存在自体があまりにも脂っこくて、見るたびに得もいわれぬ気持ちが湧きあがってくるような気がするのだが、まあいいか。蓮古田二郎「しあわせ団地」。今回は一番湯を巡る夫婦の醜いやり取りが……。でもひとしきりレベルの低いことをやった後にはちゃんと愛が。珍しく裸でくんずほぐれつしているシーンもありますよ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/16 No.40 小学館 B5中

 のりつけ雅春「高校アフロ田中」が面白いなあ。最強の肉体労働者・加藤さんがからんでくる話はいつも笑える。今回はヤクザのベンツを巡って田中が窮地に陥るが、なんかあがけばあがくほど状況がダメになっていく様子が面白い。三宅乱丈「ペット」は今回も好調に面白い。記憶の「ヤマ」「タニ」といったあいまいなものについて、あまり語りすぎずにちゃんと説明できてきているあたりうまいなと感じる。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/16 No.40 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。ヒカルも塔矢も中学卒業の時期。そういう段になってもあかりちゃんは一顧だにされず。報われなさすぎ! たまにはデートくらいすれ、と思う。樋口大輔「ホイッスル!」は、厳しいパスを出し続ける水野と、より速く鋭いプレーをしようとする風祭のコンビネーションが面白い。少年漫画らしいアツい展開で面白かった。河下水希「いちご100%」。ようやく映画作るのか……。西野さんの揺り返しがあったかと思ったら、今度は東城さんと再接近というふうになりそうで。

【雑誌】近代麻雀 10/1 vol.412 竹書房 B5中

 画:堀田あきお&かよ+作:安部譲二の新連載「監獄ギャンブラー」がスタート。東京郊外の再犯刑務所の面々が、暇を持て余して自分たちでなんとか麻雀牌を作れないもんかと奮闘するみたいな話になりそう。堀田あきお&かよのサバサバ脂っ気のない絵柄はけっこう好きなんでちと期待。福本伸行「アカギ」。今回も引っ張る引っ張る。一手たりとも進んじゃいない。でも読ますんだから大したもんだ。

【雑誌】ポプリクラブ 10月号 晋遊舎 B5中

 へかとん「ないしょのさんかく」。双子の姉の彼氏が好きになってしまった妹と、姉がHなことを試しにしてみる……という姉妹もの。この人独特ののびのびとした線による、ほわーんとした感じのキャラクターが可愛い。意外とHシーンのテンションも高め。なぎさわゆう「陰陽探偵社にようこそ!」は最終回。途中からしか読んでないんで細かいことは分からないけど、大団円でハッピーエンドといった趣。滑らかな絵柄は見映えがしますな。星逢ひろ「夕暮れはひとりぼっち」。いつもながら柔らかくて暖かいいい絵をしているなあ。今回は、ちょっと疎遠になっていたおさななじみの二人が、想い出の林で出会ってそこからHに突入……というお話。この人の絵はかわいい系ではあるんだけど、案外実用にもイケちゃうことに気づく。おっぱいの描き方とかけっこう好き。

【単行本】「純粋!デート倶楽部」2巻 石田敦子 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 アワーズライト休刊に伴ってこれが最終巻となってしまうのだろうか。「トキメキにあふれたデート」を演出する倶楽部の面々の、それぞれの恋心を描いていくという物語だが、タイトルのぶっとびぶりとは裏腹に内容は真摯そのもの。とくにこの巻では元人気子役で今は女装して倶楽部に所属している真白、それから真白がほのかに好意を抱く主人公格の朱音、真白は好きだが男嫌いで無神経なところのある桃子の3人を中心として、「これからどうなっちゃうんだろ〜」というような緊迫感が出て来て盛り上がっていただけに、ここでの連載中断は非常に残念。生殺し状態。カラフルコミックピュアガールで連載継続という話もあったが、どうやらそっちも休刊になっちゃうようで、依然状況は混沌。でもどこの雑誌だったらマッチするかなーと考えると、設定が設定だけに意外と悩む。うまいこと続けられる場所が見つかるといいのだけど……。

【単行本】「聖」8巻 山本おさむ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 羽生に敗れ自らの存在意義に悩んだ村山は、一人傷心の旅に出る。その道中で数々の人に出会い、彼は一つ人間的な成長を遂げる。村山聖という一人の棋士の生き様を描いた物語であるが、彼を超人扱いすることなく、一人の悩める成人男子として「きれいでない」部分も含めつつ真摯に、しかもドラマチックに描写していく姿勢が素晴らしい。次の巻が確か最終巻のはずだけど、まとめて読むと感動がまたひとしおということになるだろう。というわけで楽しみ。


9/1(日)……縛り吸音して胃炎

▼最近更新する時刻が不安定になっているのは、なんかつい寝ちゃうからです。昔は酒呑んで帰ってきて漫画読んで更新してから寝るみたいなこともしてたけど、最近はなんだかもう寝ちゃいますな。弱くなったもんです。キャベ2がうまい。

▼創作系同人誌即売会コミティアに出かける。今回は東京流通センターの1階で500サークル程度とこじんまりとした規模でいつものコミティア、それから2階で「コミティアX-II」という形式。コミティアXというのはサークルのスペースが畳敷きで、普通の即売会ではやんないような出し物をいろいろやってオッケーな感じのイベント。似顔絵描いたり、チンドン屋をやったり、バグパイプの演奏したりと、思い思いの出店をやるって具合でよくいわれるとおり学校の文化祭的なものとなっている。本を売ったり買ったりが主目的ではないので、みんなすごーくのんびり。まったりしてていい雰囲気。でも今回は、会場がきれいすぎちゃって文化祭っぽい手作り感が、前回のXほどには出てなかったかも……とか思った。そのほか出し物では佐藤丸美のサークルでキャットファイトの実演とかやってたんで、興味深く見物してまいりました。コミティアでの収穫本についてはまたそのうち。まだ入力作業してないんで。

▼コミティア後は飲み会に行くまでにちょっと空き時間があったので、モノレールの乗換駅である浜松町駅から見えたいい具合な公園でぼーっとしてくる。なんでも旧芝離宮恩賜庭園とかいうところだったらしくて、真ん中に池があって鯉とか亀とかいてなかなか典雅。入園料として150円とられるけど、けっこういいとこだったんで元はとれたなーと思った。そこでてくてく歩いて汗もかいたので、飲み会時のビールがたいへんうまかった。そのうちまた行こう。飲み会は18人ほど集まって池袋で賑やかに。飲み会トークなので何を話したかはあんまり記憶にないが、なぜかみんなかき氷をもりもり食っていたような覚えはある。

【雑誌】ビジネスジャンプ 9/15 No.19 集英社 B5中

 作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。すごく面白い。今回のサブタイトルが「頂へ(その1)」。これで面白くならないはずあがあろうかーと、この時点で期待を持たせてくれるし内容もそれを裏切らない。深町が羽生に発した一言が、ものすごく重要な意味を持ってくる。このあたりの演出はうまい。また酷寒の描写も迫力があって、エベレストという世界が、気軽に「挑戦」などという言葉を口に出せるものではないということも伝わってくる。

【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.17 太田出版 B5平 [Amzn]

 志村貴子「どうにかなる日々」。男と暮らしている女性が、彼が引き留めるのも聞かず見合いをし結婚することに……と思っていたら、なるほどなあと思わせるオチが待っていた。乱れなくうまいし鮮やか。比古地朔弥「しらゆり慕情」。明治の世になって城を明け渡して引退した殿様が、かつて自分に性の手ほどきをしてくれた女性の家を訪れるというお話。落ち着いた雰囲気、雅やかなムードがたいへん良好な佳作。お殿様の穏やかな表情が印象に残る。小田扉「私のおじさん含み笑い」。TVの録画に失敗した親にプチ反抗した娘さんが、家出と称して一人暮らしの親戚のおじさんの家へ駆け込む。常に歯を食いしばってクックックッと不気味な笑顔のおじさんのキャラが面白い。この人は本当に味のある表情描くなー。何気に背景のちょっとしたキャラとか犬の表情とかもすごく良かったり。

 雁須磨子「ものかげのこわいかお」。相変わらずふわふわとしたヘンな漫画描くな、この人は。今度10月下旬に短編集「時間はどんどん過ぎてゆきます」(仮題)が出るらしい。うれしい。堀祐輔「フィスト」。なんかすごくダイナミックだな。はちきれんばかりの股間を持つ男の欲望を、改造人間化された女子高生が代わりにかなえるという物語。ラストページの豪快な構図が素晴らしくカタルシスにあふれている。駕籠真太郎「あつめもの」。カードの札によって女を攻略していくというゲームに没頭する少年たちを描く。「肛門拡張」「肛門挿入」「ワセリン」のカードのコンボで攻略するとか、なんかいろいろなテクニックがあるようで面白そう。このカードゲームはちとやってみたいなと思った。

【アンソロジー】CRAFT Vol.14 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

 いつ出るんだかよく分からないボーイズ・ラブ系アンソロ本。実はVol.13が5月に出ていたらしいのだが気づかなくてすっかり買いそびれちゃってて、現在bk1でお取り寄せ中。今回は紺野キタ「告白」が巻頭で登場。なかなかクラスに打ち解けないでいた転校生が、つっかかってきた少年の手を振りほどいたところ、よろけたその少年は倒れたところにあった石で頭を打って死んでしまう。その場面に出くわした転校生と同じクラスの面々が、事件を隠蔽するよう取り計らうが……。ミステリっぽいお話の展開が巧みで、少年愛っぽいテイストもさりげなくからめている。うまいなーと感心した。

 雁須磨子「のはらのはらの」は5話め。野球部の先輩に憧れちゃってしまっている男子が主人公だったりするわけだが、両想いモードが発動しつつある? しまった。前号を読んでないのでどうしてこういう展開になっているのかいまいち掴めてない〜。さくや凜「TRICKY HONEY」。ちょいとコワモテな男子・紺野が自分の額に傷ができるきっかけとなった初恋のあの子に再会したら、実はその子は男で……というところから始まるお話。男とは知りつつもその可愛らしさについ魅入られちゃう紺野の様子が微笑ましく楽しい作品。

【執筆陣】紺野キタ、夢花李、天禅桃子、雁須磨子、樹要、高屋未央、さくや凜、高橋悠、茶屋町勝呂

【単行本】「恋愛ディストーション」3巻 犬上すくね 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 恋はいいね! 愛も素晴らしいよ!! というわけで毎回恋人たちの生活を見せつけられて当てられて、しかもいい心持ちにさせてくれる良作。突如彼女の何気ない仕草が妙にツボに入ってしまうようになる「チャームの魔法」状態、恋愛模様を潤滑にしてくれる酒パワーなどなど、わりと数ある恋愛漫画の中でもこれまで見なかったようなニューアイテムといいますか、そういうものをさりげなく的確に描いているあたりもけっこう新鮮。もの柔らかな絵柄とかもいいし。掲載誌のアワーズライトが休刊になったのでここらへんが最終巻かと思っていたら、もう1巻分あるらしい。なんかちょっと得した気分。

【単行本】「お三十路の町」1巻 東陽片岡 小学館 A5 [Amzn]

 どこで描いても変わらない、いつもどおりの東陽片岡。ボロアパートや安飲み屋や橋の下で繰り広げられる、ごくごく平凡な人間たちのドラマともいえないようなドラマ。ここに出てくる人たちは向上心とかないので、見ていてすごくホッとする。見栄を張ることもガムシャラになることもなく、激しくありのまんま。これほどまでに肩肘張ってない作風というのも珍しい。この人の作品はしみじみ好きだ。

【単行本】「鷹月助教授の淫靡な日々」6巻 艶々(原案:山咲まさと) 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。のべつまくなしやりまくりだった鷹月センセイだが、落ち着きどころも見つかったしまあハッピー・エンドといってもいいんじゃないかな。絵柄的には今さら新しいとかいうタイプじゃないんだけど、まろやかな絵柄とかあれよあれよと意外と簡単に堕ちていくストーリーとか、けっこう好きな作品だった。艶々の描く女性は、なんか見ていてほっとするような味があると思う。おかげでやってばかりな作品なんだけど、殺伐とした感じには全然ならない。


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