3/10(日)……スッタモンダー
▼本日はいろいろやることもあったので読んだのは「MONSTER」のみ。なにやら忙しくなりつつあり。
【単行本】「MONSTER」全18巻 浦沢直樹 小学館 B6 [bk1]
久しぶりに長編漫画を一気読みする快感を味わわせていただきました。Dr.テンマがヨハン少年の命を救ってしまうところから始まり、じょじょにヨハンの恐ろしさが明らかになっていき、最後までダレることなく物語が構築されてて読みごたえ抜群。この手の長い作品の場合、短い独立したエピソードを積み上げていくパターンが多いけれども、この作品の場合は、もちろんエピソードごとの区切りはあるものの終始一貫してヨハンの謎という大目標から外れることなく、一本ドーンと大きな本流に沿って物語が進んでいくのが気持ちいい。なんか自分ではどうしようもない大きな流れに乗っかっているという感覚に浸れる。キレのある短い話というのもいいけれど、たまにはこういう大河な作品もやっぱり読みたい。
ネタを小出しにして、真相をすこーしずつすこーしずつ明らかにしていくので、早く続きが読みたくなって飽きることがない。ここらへんのペース配分も絶妙。最初っからどこまで全体を見据えて作っていたのかは知らないけれども、長いのにすごくまとまりがいい。これだけの長さなのに破綻しているように思える箇所が全然ないというのはかなりすごいことだと思う。あと浦沢直樹って改めて絵がうまいなーとか思った。とくに表情のバリエーションの豊富さは素晴らしい。いかにも好人物そうな笑顔、猜疑心の強そうな卑屈な目つき、鉄仮面のごとき無表情、ヨハンの一見柔和だけれど底知れぬ虚無を抱えた笑顔などなど。欧米人描かせたら漫画界でもトップクラスだと思う。各場面場面で、そのシーンにピッタリの容貌を持ったキャラをきちんと登場させられるっていうのは強い。そんなわけで面白かった〜。満腹満腹。
3/9(土)……今宵の鋼鉄は一味違うぞ
▼未読物
【単行本】「痛快!!マイホーム」2巻 池沢さとし 新潮社 B6 [bk1]
【単行本】「眠狂四郎」3巻 柳川喜弘 新潮社 B6 [bk1]
【単行本】「自殺サークル」 古屋兎丸 ワンツーマガジン社 A5 [bk1]
監督・脚本:園子温の映画、「自殺サークル」を元に古屋兎丸が描き下ろした165ページの単行本。お話は女子高生が手をつないで電車に飛び込むという、ショッキングな集団自殺のシーンから始まる。その中でただ一人生き残った女の子・小夜と彼女を心配する親友の京子、そして小夜が強い畏敬の念を抱いていた自殺サークルの中心人物・光子にまつわる謎を巡って、お話は展開する。
とまあそういうお話なのだけど、これはかなり面白い。ストーリーは常に緊迫感があり、ミステリアスでヒキが強い。絵のほうもストーリーにマッチしてて現実っぽい肌触りを感じさせる。どんどん物語世界に引き込まれる。中心となる小夜と京子の二人の友情を描いた物語としても興味深い。なおこの作品で、古屋兎丸は1か月で165ページを描ききったらしい。デビュー当時は1日1コマ描くのが限度だったらしいけれども、それを考えるとずいぶんスピードアップしたものだなあと思う。
【単行本】「七人のナナ」1巻 作:今川泰宏+画:国広あづさ 秋田書店 新書判 [bk1]
アニメのほうはすんません、未チェックです。というわけでアニメとのタイアップ作品だが、設定とかお話とかは、アニメとはまた別のものを用意しているらしい。個人的にはけっこう気に入っている作品。魔法のクリスタルの力で、平凡な女の子・鈴木ナナが7人に分裂。それぞれのナナはちょっとずつ性格が違ってはいるものの、同じクラスの男子・神近くんが大好きなところは一緒。そんなわけで7人が入り乱れての賑やかな学園生活が展開していくのです……という感じ。
なんというか状況としては明らかにヘンなんだけど、やってることはとにかく平和。それぞれのナナたちもいい味出してて、ドタバタと楽しい。ナナは「ナナ」「ナナりん」「ナナぽん」「ナナっこ」「ナナっぺ」「ナナ様」「ナナっち」と呼び方がそれぞれあるのだが、この中ではのんびり屋のナナっこが最近いいかな〜とか思っているところ。絵柄的には、とにかくみんな丸顔でぷにぷにと、肉付きがしっかりしてて健康的なのが好み。パンチラをしっかりとバックアップするだけの、安産型のおしりの持ち主。
【単行本】「しゅーまっは」4巻 伯林 秋田書店 新書判 [bk1]
安定して面白いなー。かわいい女の子とグロいしゅーまっはたちが、わちゃわちゃとテンポ良く動き回り、ドタバタ劇を展開。そういえばこの作品、ラブはあんまりないな。そのせいか、女の子のかわいさによる甘味はしっかりキープしたまま、あまりしっとりしちゃわず常にカラッとしている。安心の一作。
【単行本】「イヌっネコっジャンプ!」5巻 はっとりみつる 講談社 B6 [bk1]
最終巻。お話としては、正直何が何やらというまま賑やかに最後まで持ってっちゃった感はある。しかし、それでも楽しい。抜群に楽しい。女の子のかわいさはもちろん、酒呑んでういういいって踊りまくったりといった一つ一つの出来事が、妙に良かった。そして時折ジャンプのシーンで、ズバッと気持ちよーい開放感を与えてくれる。絵も基本のトーンは同じながら、途中から一段と華やかになった。なんかわけは分からんけど、見ているだけで理屈抜きに楽しい作品でありました。
【単行本】「女の子は特別教」 タカハシマコ コアマガジン B6 [bk1]
きれいでかわいいなー。コアマガジン系のエロ漫画雑誌に掲載された、だいたい8ページ程度のショートストーリーを集めた単行本。そういえばこの人って美少女系では初単行本なのね(通常はボーイズ系)。とても繊細な線で描かれた少女や少年たちの姿形は、見ているだけで気持ちいいこと気持ちいいこと。お話のほうも、明るい話あり、ちょっと残酷でスリリングな話あり、いずれもきれーにまとまってて鮮やか軽やか。表紙なんか見てもすごくファンシーだし、男性向けエロ漫画雑誌掲載作の単行本とはとても思えない。きれいなお花みたいな単行本。
【単行本】「クーデタークラブ」6巻 松本光司 講談社 B6 [bk1]
これにて最終巻。革命部の内ゲバが行われている雪山の山荘に潤が潜入。絵以子を救いだそうとする彼と、ユウジの最終対決が行われる。作者自身初の週刊連載ということで、その感覚を掴むのに苦労したみたいなことが後書きで描かれているけれども、たしかにまとまりを欠いた面はあると思う。でも最初っから最後まで、ドラマの濃さを保ったまま突っ走ったのは好感が持てる。なんだかんだ面白い作品だったし、ここで一つ週刊連載での経験値を積んだというわけで今後にも期待してしまう。早く次回作が読みたいな。
【単行本】「NANASE」2巻 作:筒井康隆+画:山崎さやか 講談社 B6 [bk1]
読心能力者・七瀬の旅は続く。この巻では、七瀬と他の能力者との出会いが中心的なテーマとなる。物語はしっかり盛り上がっているし、緊迫感があって面白くできていると思う。超能力を持っていることのメリットよりもハンデのほうを主に描いているのは、「七瀬」シリーズが発表されてからかなりの年月が経つけれども、いまだに新鮮な読後感があるなあ。
【雑誌】エースネクスト 4月号 角川書店 B5平
何度見てもすごい表紙だ……。実写版「鋼鉄天使くるみ」の3人娘さんが表紙なんですけどね。こういうのは個人的にはアリだと思う。どうせこの手のマニア向け雑誌は固定客は表紙がなんであろうが買うわけだから、掲載作品を表紙にするのもいいけど、そうでないモノを表紙にしてまかり間違って買ってしまう一見さんを開拓するというのは悪い手じゃない。例えば読売ジャイアンツの上原浩二の写真を表紙にしてみたヤングアニマルみたいなパターン。でも今回のエースネクストはなんかもう、そういう次元を超越してすごいね。迫力ありまくり。要するにコスプレギャル3人なわけだからねえ。いちおう画像貼ってみたけど、これはもっとデカいサイズでないとその威力が十分伝わらないと思う。未見の人は書店でぜひ。
さて、漫画のほう。西島大介「東京キョンシーズ」。4コマなのに扉が見開き。かわいいけれどけっこうびっくり。スギサキユキル「りぜるまいん」は最終回。アニメ放送は4月からなんだけど放送前に終わっちゃうの? 珍しいメディアミックスだな。石田敦子「魔女レーナ マジョり〜な」。相変わらずきれいな絵柄なのに内容はシビアだ。単行本第1巻は4月10日発売予定。それにしてもこのタイトルを見ると、つい「欲シガリーノ★ネダリーナ」を思い出しちゃっていかん。読切、ハジメゼロイチ「モンスター・ジャム」は、萌えキャラの外見をコピーしてオタクの前に現れ、その魂を吸い取っちゃう化物を退治する〜というお話。本当にこんなのいたら、アキバなんか壊滅しちゃうね。伊藤ひろかつ「リモコン亜季ちゃん」は無駄にHくさいのがいい。「癒し系ぷるぷる劇場」というキャッチがなんだかいいなと思ったりした。
【雑誌】メガキューブ Vol.13 コアマガジン B5平
瓦敬助「菜々子さん的な日常」がついに最終回。だらだらと引きずることなく、美しく終わってくれた。いや〜いい漫画でした。単行本2巻は4月26日発売で、それを記念して次号にもちょっと菜々子さんが登場するらしい。金目鯛ぴんく「お兄ちゃんと一緒R」。妹でありさえすればなんでもいいんかっ、という漫画。華やかだし、オチも含めてけっこう楽しい。
あと、今号もメガキューブはマウスパッド付き。絵柄はMITAONSYA。価格はその分200円アップ。この手のマウスパッドについては、以前いた会社で作ってた雑誌のときに原価を聞いたことがあるけど、たしかそのときの見積もりでは1枚につき100円弱だったような気がする。そのころはこの手のペナペナマウスパッドが出始めのころだったので、今はもう少し値段は下がってるかもしれない。とはいえ、部数によって値段は変わるので少部数だとも少し高くつくだろうし、業者さんによってはさらに高く見積もってくるところもあるだろうから、200円アップもコアマガジンとしてはやむを得ない線なのかなーとは思う。でも、ウルトラジャンプとかがマウスパッド付けてもお値段据え置きだったことを考えると、やっぱり高いなと思う。せめてページ数がもっとあれば。実はMUJINとかの半分くらいしかないんだよね。
3/8(金)……寒遠く冬ときどき
▼応募したことをすっかり忘れていたのだが、アキハバラデパートフジヤマのオープン記念プレゼントの2等当選通知ハガキが。わーい。講談社オリジナルキャラクター図書カード500円分をくれるらしい。賞品との引き換えは3月18日から。なんの絵柄があるのかな〜。「コッコちゃん」とかだったらかなり微妙なところだが。
▼未読物
【単行本】「自殺サークル」 古屋兎丸 ワンツーマガジン社 A5 [bk1]
【単行本】「女の子は特別教」 タカハシマコ コアマガジン B6 [bk1]
【単行本】「七人のナナ」1巻 作:今川泰宏+画:国広あづさ 秋田書店 新書判 [bk1]
【単行本】「しゅーまっは」4巻 伯林 秋田書店 新書判 [bk1]
【単行本】「出張ボーイ いがりくん!」 ピロンタン ワニマガジン B6 [bk1]
▼早売り
【雑誌】エースネクスト 4月号 角川書店 B5平
【雑誌】メガキューブ Vol.13 コアマガジン B5平
【雑誌】エース桃組 Vol.6 角川書店 B5平
【雑誌】コミックバーズ 4月号 幻冬舎コミックス B5平
【雑誌】アイラ Vol.18 三和出版 B5平
【雑誌】零式 Vol.39 リイド社 B5平
【雑誌】カラフルBee 4月号 ビブロス B5平
カラフルBee(12日発売)は、前号での予告どおり表紙に「リニューアル・カウントダウン開始」の文字が。次号予告に「友よ、愛する読者諸兄よ、パクマンとのゴージャスなる『最後の晩餐』に堪能せよ!」とあるが、どのようなリニューアルが行われるのかはいまだ不明。なお次号の表紙は古賀亮一だそうな。ここで一区切りつけるとするなら、これ以上ないってくらいな人選だが。ただちょっと気になるのが、読者コーナーの宛先が「カラフルコミックPUREGIRL編集部」宛になっていることなんだけど……。ということはこれが新誌名? それにしてもカラフルユニットのWebは更新されてないなあ。
(注:次号も誌名はカラフルBeeのままです)
エースネクスト4月号は「鋼鉄天使くるみ」の実写版が表紙でかなりすごい雰囲気。それからエース桃組の漫画執筆陣は以下のとおり。ちなみに11日発売。
(エース桃組Vol.6執筆陣)秋月亮、天津冴、まりお金田、天王寺きつね+阿倍野ちゃこ、SAA、たなか友基、後藤なお、依澄れい、あすか正太、剣康之、介錯、ゴツボ♥リュウジ、虎向ひゅうら、みさくらなんこつ、竹内元紀、大和田秀樹、悠月魅夜+瀬之本久史、中山かつみ、西舘直樹、椎麻輝由、しけたみがの、平野耕太、サムシング吉松
【雑誌】FEEL YOUNG 4月号 祥伝社 B5平
安野モヨコが庵野カントクとの結婚生活を赤裸々に語り始めた! ってなわけで新連載がスタートしております。ちなみにタイトルはこんな感じ。三原ミツカズ「DOLL」は最終回。今まで出てきた印象的なドールたちのその後を追いつつ、きれいに締めくくり。ジーンときて泣ける、とてもいいラストだった。これは単行本最終巻でまとめて読み返すのが楽しみ。魚喃キリコ「strawberry shortcakes」は秋代編がおしまいで、次回からはZipper comicに移籍するとのこと。3月22日発売のZipper comic 4+5月号に鈴木編のプロローグが再録、6+7月号から新作掲載予定。南Q太「夢の温度」は連載再開。竹田兄と町子センセーの仲はどうなるのかー、というわけで以下次号。
【雑誌】YOUNG YOU 4月号 集英社 B5平
羽海野チカ「ハチミツとクローバー」が連載再開ってことで今月は表紙もコレ。これまでのあらすじも付いてる安心設計。それにしてもやっぱりうまいなー、この人。途中まで男子学生のバカなノリでドタバタとコメディを展開してツカミを入れて、途中から恋愛的展開でぐぐーっとハートをわしづかみ、そして終盤は柔らかくきれいな読後感を残しつつヒキも作るって感じで。一話ごとの起承転結がしっかりしててすごく読みやすいし面白い。榛野なな恵「パンテオン」はいい雰囲気なんだけど、主要キャラが最初っから4人というのはちと多すぎかなー。これは単行本まとめ読みのほうが良いかもしれない。
【雑誌】ヤングアニマル 3/22 No.6 白泉社 B5中
後藤羽矢子のペットの飼い主男女ラブコメ4コマ「パブロフの犬」が正式に連載化。第二のももシスになれるか? そこまでHな話題が多くはならなそうだけど。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回はワンとマウス、それぞれの休日。なんかいつもと違ってのんびりムード。両方ともモテモテで実は似たような状況だったのですな。なんか和んだ。読切の梅丸茶「小春日記」は、女の先輩が好きで好きでたまらなくなっちゃってしまった女の子のこいばな。ヤバいくらいなつきまといっぷりが面白い。スパッと目をひく萌え系な絵柄。なかなかよいものだ。田中ユタカ「愛人[AI-REN]」はあと4回で最終回。ああ、今回の展開は、分かってたことではあるけれどもズーンとくる。素直に泣けます。西条真二「リセット・ポイント」は今回で最終回。
【雑誌】ビッグコミック 3/25 No.6 小学館 B5中
さいとう・たかを「ゴルゴ13」。今回の敵はなんだかやたらデカいな。というわけでしばらく続き物になる模様。森秀樹「天駆」は、いよいよ倉田の正体が見えてきてなるほどといった感じ。骨太な読みごたえで安定して面白い。
【雑誌】MUJIN 4月号 ティーアイネット B5平
今号は甘詰留太が載ってなくて残念なのだが、6月7日に最新単行本「奥さまは少女♥」が出るというおしらせあり。斉藤佳素理「天彦さまを狙え!」。大財閥のおぼっちゃま専用、セクスのほうも専用なめがねっ娘メイドさんのお話。ヘンなシチュエーションではあるものの、これはこれでアツアツでもあり。小暮マリコ「みなこちゃんの机」。ヒロインみなこちゃんの机には、なぜかいつもバイブなどのグッズがイタズラで入れられている。そんなある日、抜き打ちの持ち物検査が行われることになり、アナルバイブを隠すためみなこちゃんがとった行動とは……という感じ。エロいことをやりつつコメディとしても楽しい。この人、最近安定して面白いなと思う。
【雑誌】コミック大我 4月号 桜桃書房 B5平
たちばなとしひろの新連載「恋はフリフラ」が良い。幼なじみの女の子が好きなんだけど、なかなか告白できない男子が悶々とした日々を送っている……というところから始まる学園ラブコメ。たちばなとしひろは、作画がとてもキャッチーだし、ラブコメ度が高いアッツアツなお話作りもいい。これからの展開にかなり期待。みさくらなんこつ「ひとでなしと雨」。ページ数は短いんだけど、最初のページのコスプレ、雨でヌレスケ、乳首ぴんぴんというシーンからしてかなりH。
THE SEIJI「法事」は、きちんとHをやりつつも微笑ましくてよい。なめぞうの透明人間シリーズ「夢食透明」は、透明な主人公がファミレスのウェイトレスにHなことを仕掛ける。店の真ん中でやってるけどみんな無視という状況はかなりシュール。毎回ヘンなもの描くなあ。きらら萌「研修生」。ヒロインの体つきの熟れた感じがけっこうソソる。柿ノ本歌麿「チャイドル天使ラ・リルクル」。「ああんっなのさっ 大問題なのさっ このままじゃダメッなのさっ」と、妙にテンションが高い魔女っ子がかわいいようなヘンなような。それでいながら、エロシーンでの白目むきっぷりとかは相変わらず凄かったりするのだが。
【雑誌】コミックオルカ 4月号 司書房 A5中
稲葉晃次「HEAVEN’S DOOR3」。色黒で金髪、めがねっ娘のシスターというヒロインキャラがいいですな。内容も十分Hだし。あと今号では、霞香うらら「白いばかんす」がラブラブな感じでよろしいかと。
【単行本】「いけない少女」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]
例のM、っていうか宮崎監督似のアニメ監督・宮脇直(みやわき・すなお)センセイが少女たちにいやらしいイタズラをしまくる「いつも何度でも」前後編のほか、「いけない子」「めたもるフォーゼ」「ジュリアは部屋で」「菜緒の日曜日」「小羊の涙」「天の羽衣」「夢みたものは」を収録。たいへんHなロリ系の単行本。おがわ甘藍はロリ系の中でも、幼女系ではなく少女系。ハードではあるけれども、あくまで少女たちを気持ちいくしてやろうという気概が見える。描く女の子には「可憐」という言葉がよく似合う。スカートの端をくわえて声がもれるのを押さえようとしたりする、恥じらいがしっかり描写されているのがとても好ましい。反らせた体のラインがとてもしなやかなのもグッド。あと、この人は手の表情の描き方がいいな〜と思う。恥ずかしがるように口にあててみたり、左右の手の指をからませ哀願するような仕草をしてみたり。そういう細やかな描写が、Hさを増幅させている感じ。
3/7(木)……確信帝国
▼ちょっと仕事関係の打ち合わせをした後、その次の用事まで空き時間があったので、今ちょっぴり話題のホットスポットって奴にいってみる。えーとつまりは無線LANを開放していて、利用者がモバイルなPCを持ち込んでインターネットを使い放題にできるスポットのことだ。今回行ってみたのはタリーズコーヒーの赤坂店。最初、メルコの無線LANカードでつながらなかったのでアクトンのUSBタイプの奴に切り替えたら、スパッと認識。もうもりもり使えた。いちおうブロードバンドスピードテストをやってみたところ、回線速度はいちおう1.3Mbpsくらいあったので、使用感はまあまあグッド。出先で自由にインターネットにアクセスして、タダでメールチェックとかできるというのは思いのほかリッチな気分になれるもの。ついつい知り合いにICQとか打ってみたくなったり。いやーもうね、喫茶店はすべからくホットスポット化すべし〜とか思っちまったですよ。
▼その打ち合わせとかの前に確定申告を済ませてきた。それなりにお金も戻ってくるみたいで一安心。やっぱり領収書はとっとかないとね〜。
▼てなわけで本当はあと2冊くらい読みたかったんだけど今日は5冊でやめときます。なぜなら酔っ払ってるから〜。あとちょっと体調も思わしくないから〜。風邪ひいたかなあ。
▼未読物
【単行本】「クーデタークラブ」6巻 松本光司 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「賭博破戒録カイジ」5巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「NANASE」2巻 作:筒井康隆+画:山崎さやか 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「エリートヤンキー三郎」9巻 阿部秀司 講談社 B6 [bk1]
【雑誌】ヤングサンデー 3/21 No.14 小学館 B5中
尾形圭士郎「ジャカジャカメン」。バンドを組んだ野郎二人の成り上がり物語ではあるんだけど、ドタバタギャグが基本。泥臭く馬鹿げたことやってて、何気にけっこう好き。あと、原秀則「レガッタ」が完全週刊連載化。
【雑誌】モーニング 3/21 No.14 講談社 B5中
山本康人「雷電関太郎」が掲載。20xx年、行司が生足を出したギャルになるなど、爛れきった相撲界に救世主登場。それが雷電の血を引く雷電関太郎。彼がビキニパンツみたいなマワシをつけた、邪悪な横綱と対決する模様を描く。そこはかとなくイカれた舞台設定が面白い。佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」は毎度いいな。どの程度現実を反映しているのかは正直知らないけれども、医療の現場の歪みをリアルっぽく見せつける熱のこもった描写はこの人ならでは。王欣太「蒼天航路」。今回は曹操が、今はなき合肥の刺史・劉フクの業績を目の当たりにする。直接は出てこないけどかっこいいじゃん、劉フク。田中政志「ゴン」は久々の登場。まだ23話しかいってなかったんだ、これ。ちょっと意外。それにしてもこの手のサイレントで自然界を描く漫画は数あれど、これだけ面白く見せられている作品はほかになかなかないような気がする。エコロジーくささがなく、あくまで痛快なりゆき漫画となっていてスカッとする。
【雑誌】ヤングジャンプ 3/21 No.14 集英社 B5中
清野とおる「青春ヒヒヒ」。体育担当のぎょうにんべん先生の開会の言葉が妙にツボにはまってしまう。やっぱりこの漫画のノリは好きだな。けっこうモブシーンとかの細かいところでも、ヘンなポーズしてる奴とか味のあるものが描いてあったりする。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/21 No.15 秋田書店 B5平
八神健「ななか6/17」。最近出てきたオヒョヒョヒョ笑うイカれお嬢さま・那由がとてもいい。なんかすっかり主役を食っちゃってるような。水島新司「ドカベンプロ野球編」は相変わらず衝撃的だ。2001年は日本シリーズの試合シーンが1コマもないよ……。
【雑誌】CRAFT Vol.12 大洋図書 A5中 [bk1][Amzn]
いつ出るんだか全然分からない本がやっと。今回はまず、巻頭の夢花李がいいなと思った。親友のハルとアキラ、そして二人を見つめるニーナ。何か懐に余裕がある感じの、スタイリッシュな作品。紺野キタ「SALVA ME.」。境界で見かけた美しい声の持ち主の少年と、主人公が学校で再会。しかしそのころには声変わりしていた彼に、何か妙にイラついてしまう主人公。その後、腐れ縁で大人になっても出会ってしまう二人。ボーイズラブ系の本の中で、少年時代から大人になるまでを順々に追っていく展開はなかなか新鮮。ラストの〆も美しい。作画はいつもながらに安定して美しい。河井英紀「ハートフィッシュ」。いいね、この人。少年型ロボットのピコがすごくかわいい。ときどき見せる無邪気な表情なんかとても素晴らしい。雁須磨子「のはらのはらの」は、相変わらずつかみどころがなくて面白い。回りくどいところをうろうろしてて、なかなかストレートにラブとならないところがいい。
3/6(水)……5本ゾーン
▼とらのあなでポイントカードを作ってもらった。ポイントがたまるとなんかオリジナルグッズをくれるらしい。とりあえずはっとりみつるテレカでも狙ってみるかな。
▼未読物
【単行本】「地上最強の男 平松伸二短編集1970-2000」 平松伸二 ソフトマジック B6 [bk1]
▼早売り
【雑誌】コミックオルカ 4月号 司書房 A5中
【雑誌】オールマン 3/20 No.6 集英社 B5中
読切、作:荒仁+画:坂本眞一「にらぎ鬼王丸」がなかなか良かった。元禄の世が舞台。出羽月山山中にて名刀工の許で修行中の鬼王丸という男が、町中に出てきてなまくら刀を振り回す傾奇者をこらしめるといったストーリー。刀、それから鬼王丸自身が力強く描けており、ぐぐっと読ます。それから江川達也「源氏物語」が新連載。というか以前やった「桐壺」に続いて連載再開というべきか。江川達也のインタビューも掲載されてて、「書き文字は絵の一部なので一緒に読まないでください」とあるけれども、やっぱり画面がごちゃごちゃしてしまうしうるさいとは思う。コマがもう少し大きければ、江川達也が推奨する「まず漫画だけ読んで後から文字のほうを読み返す」みたいなこともやりやすそうな気はするんだけど。
【雑誌】週刊少年サンデー3/20 No.14 小学館 B5平
読切、黒葉潤一「煩悩寺のヘン」。けっこういいかも。下着ドロをやって仲間ハズれになってしまった少年が、なんだか一念発起しちゃって寺に入ることにしたところ、そこにいたのはなんかちまっとしてかわいい女の子さん。それもそのはず、そこは代々くじで町の娘さんをご本尊にしているというヘンな寺だったのだーという感じ。絵柄的には垢抜けないけれども、このご本尊の女の子さんがかなり可愛くて良い。まったりと連載するのに向いてそうな設定、絵柄だと思う。雷句誠「金色のガッシュ!!」。新キャラのロバっぽいモンスター、なかなかいい味出してる。ギャグもやり、ちょっと泣きも入れて、最後はちゃんとギャグで締めくくる。うまいねえ。
【雑誌】週刊少年マガジン 3/20 No.14 講談社 B5平
巻頭の真島ヒロ「RAVE」は、全20ページが4色カラーというなかなか珍しいことをやっている。たしかに週刊少年誌としては新鮮な読み心地。木多康昭「平成義民伝説 代表人」。他漫画のネタ出しまくりでやりたい放題。怖いモノ知らずですのう。月山可也「SWISH!」は、バスケの名門校から転校してきた主人公が、すごいプレーヤーと勘違いされちゃうが努力しまくって信頼を得ていく……というちばあきお「キャプテン」パターンのお話。まあ絵柄がシャレててラブコメチックなところもあるのでだいぶ印象は違うけれども。
【雑誌】花とゆめ 3/20 No.7 白泉社 B5平
羅川真里茂「しゃにむにGO」は、伊出&滝田のダブルス戦クライマックス。故障を押して奮闘する伊出の様子に力が入る。素直に面白いよくできたテニス漫画。緒津時子「メロディレス」は、第26回アテナ新人大賞の優秀新人賞受賞作。普段は音楽の先生に刃向かってばかりの女生徒が、実は放課後、校舎の旧館でいつもその先生と秘密の時間を共有していたのだった……というお話。といっても別にHなことをするわけではなく、ピアノを真ん中に置いたゆったりした時間。バストアップが多めで背景描写がいまいちしっかりしてないので、いまいちお話があやふやな感じになっちゃっているのはちょっと残念だけど、お話全体の雰囲気はなかなか良い。古いピアノの蓋を開けるカギなんてアイテムも、ロマンチックじゃありませんか。
【雑誌】マンガBOOP 4月号 平和出版 B5中
昨日の日記で述べたとおり、本日創刊のエロ漫画雑誌。コンビニ売りということでエロは全般にかなり抑えめにしておあるのだが、その分個性的なメンツを集めて勝負といった具合。全般的にけっこう楽しめはしたが、ちょっと大人しめかなあという印象を受けた。創刊号なんでもう少し濃い目のインパクト勝負な作品も欲しかったような気はする。でも、とりあえずしばらく買い続けてみようかな〜と思った。
まずこの中でお目当てだったのが駕籠真太郎「愛はツンドラの彼方に」。ロシアの大地を舞台に繰り広げられる大ロシアン・ルーレット絵巻。内容的にはけっこう抑えめで手堅くまとめた印象。ロシア娘のスネグローチカは、真ん中分けとおさげがかなりかわいいと思った。マンガ・エロティクスFでときどき描いている横川真矢の「サンライト・ロード」は、年上のポリスマンを落とそうと思った女子高生が、パンツを脱いでバイクで街を行く。下らないけどなんか面白し。ちょっとした表情に色気がある作画も良い。松本耳子「Carbonated girl」は、サイダーの缶から女の子が出てきてジャジャジャジャーン、Hに突入というもの。相変わらずサバサバした楽しいノリ。加賀美ふみを「ごめんなさい」はちまちました女の子が初々しい。
(BOOP第1号執筆陣)山田タヒチ、ポヨ・ナマステ(作品の扉では「ポヨ=ナマステ」表記)、松本耳子、ピロンタン、加賀美ふみを、横川真矢、セキケン、宇内鉄郎、吉天レンゾー、みゆき朗、マイク蓑浦、早川守、よしみひろし、みかちん、駕籠真太郎、辛酸なめ子、佐藤村雨英太郎
【雑誌】ひまわり vol.1 松文館 A5平
たしか2月21日発売だったと思うのだけど、すっかり買いそびれていた「ミルクコミックさくら」の後継誌。誌名は変わったもののロリ系のアンソロジー本という位置づけには変更ない模様(といっても登場人物は全部18歳以上というお決まりのただし書きはついておりますが)。執筆陣もミルコクミックさくらのころと比べてさほど変わりなし。あじまるの耳つき頭巾がかわいい少女忍者モノ「忍者尻風録」も継続。そのほかではちんじゃろろおす「わたしのおにいちゃん。」が良かった。女装趣味があるお兄ちゃんと、その妹のH話。キュートな絵柄でわりと明るめなドタバタ。妹ちゃんにブカブカのガクランを着せたりするあたりがよろしいのではないかと。
(漫画執筆陣)あじまる、う〜とむ、ちんじゃおろおす、GRACE、中村みずも、りえちゃん14歳、翻田亜流、豊川稲理、栗東てしお、志崎月魚
【雑誌】ヤングヒップ 4月号 ワニマガジン B5中
草津てるにょのエロエロペットコメディ「ムーちゃんが来たよ」が連載再開。明るいムードだけど、端々の描写はけっこうH。河本ひろし「未亜ちゃんのブラさがし」。タイトルどおり、やたらお乳の大きな彼女のブラジャー探しに、その彼氏がつき合わされるというもの。いやー、確かにデカいしパツンパツン。この人の描くお乳は内側から押し返してくるような弾力を感じますな。天原孝「とりっくガールズ」。シンプルな絵柄であっけらかんとしていてけっこう好み。でも何気にヒドいこともしているような。
3/5(火)……さらばバサラ
▼未読物
【雑誌】花とゆめ 3/20 No.7 白泉社 B5平
▼早売り
【単行本】「いけない少女」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]
【雑誌】マンガBOOP 4月号 平和出版
【雑誌】MUJIN 4月号 ティーアイネット B5平
【雑誌】コミック大我 4月号 桜桃書房 B5平
「いけない少女」はホントは8日発売。収録作品は「いけない子」「めたもるフォーゼ」「ジュリアは部屋で」「菜緒の日曜日」「小羊の涙」「天の羽衣」「夢みたものは」、そしてMくん……いやM監督激似ということで話題になった「いつも何度でも」前後編が収録されてます。
BOOPは3月6日創刊の新雑誌で、発売日は毎月6日。SHOW GAKKOの後継だったっけか。コンビニ売りメインらしい。第1号の執筆陣は以下のとおり。駕籠真太郎とかエロティクスFで最近いい味出してる横山真矢とか、なかなか面白いメンツを集めてますな。
(BOOP第1号執筆陣)山田タヒチ、ポヨ・ナマステ、松本耳子、ピロンタン、加賀美ふみを、横川真矢、セキケン、宇内鉄郎、吉天レンゾー、みゆき朗、マイク蓑浦、早川守、よしみひろし、みかちん、駕籠真太郎、辛酸なめ子、佐藤村雨英太郎
【雑誌】コミックフラッパー 4月号 メディアファクトリー B5平
ありゃ、駕籠真太郎「パラノイアストリート」が終わっちゃった……。けっこうアッサリ。なお単行本最終巻は3月23日に発売(→bk1)。単行本といえばSABE「串やきP」って3巻が出てなかったような……。新居さとし「女神の鉄槌」。本当にこの漫画好き勝手やってるなー。カラーページだからって意味なく水着にしたかと思えば、次のページからまったく何にも関係ない話に突入するし、脈絡なくおまけ漫画的なものが入ってくるし。こんだけとっちらばってる漫画も珍しい。でもそれで面白いと思えちゃうんだからこれまた珍しい。佐々木泉「禁=素書=」は古代中国モノの読切。仙人の奥義書の竹簡の一部の力のおかげで180歳まで生きている老人と、それを手に入れようと企む3人の男女を描く。上品な作画と堅実なストーリー作りで、上質のファンタジーに仕上げている。そろそろこの人が描く続きモノも読みたくなってきた。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 3/19 No.6 講談社 B5中
作:さいふうめい+画:ミナミ新平「バサラ 〜破天の男〜」。爆笑の最終回。最後までナゾの漫画だった。炎上する船の上での天神とバサラの最終麻雀勝負。ツモるたびにあっちでドカン、こっちでドカン。そして最後は大爆発。海岸に流れつく牌、そして青空に顔。あまりのどうしようもなさに愕然。この漫画はいったいなんだったんだ……。それと山本康人が読切「杉作」で登場。ある朝、股間がマグナムになってしまった男の物語。馬鹿馬鹿しいネタではあるんだが、文字どおりの爆発力があってけっこう好き。堂高しげる「全日本妹選手権!!」はイベントの季節。ってなわけで次回は27ページで、漫研部員たちによるリレー漫画が掲載されるそうな。何をしでかすことやら。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/20 No.6 小学館 B5中
作:矢島正雄+画:中山昌亮「PS羅生門」。毎度きれいにまとまってるし、キレ味が良くて面白い。手堅く読ませる作品。魚戸おさむ「がんばるな!!!家康」はめでたく最終回。
【雑誌】漫画アクション 3/19 No.12 双葉社 B5中
えっ、ながしま超助「ぷるるんゼミナール」って次号で最終回なの? 名残惜しい。
今号でゃ、江川達也「2・26事件における石原莞爾」後編が掲載。けっこう読みごたえがあっていい感じなのだが、最後はかなり詰め込んだ感あり。もう少し長尺で読みたかったな。この時代を扱った歴史漫画だといい味出してる脇役として石原莞爾はけっこうよく出てくるけど、彼がメインの長編作品って記憶にないので腰を据えて描いてみると面白そうな気がする。
【雑誌】コミックバンチ 3/19 No.14 新潮社 B5中
世界漫画愛読者大賞のノミネート作品は、何気にみんなけっこう読める。今回は大西しゅう「142cmのハングオン」が掲載。16歳にして142chという小柄さを見込まれて、高校の先輩がチューンしたバイクのライダーの役目を託された女の子が主人公。絵柄的にはまだ完成度は低いんだけど、ノリの良さ、スピード感、明るい作風はなかなか気持ちがいい。まだ荒削りなだけに、連載を続けていくとけっこううまくなっていきそうな気はする。原哲夫「蒼天の拳」はすっかりギャグ路線。カッパの田(でん)、スゲえ男だ。
【雑誌】漫画サンデー 3/19 No.11 実業之日本社 B5中
作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」。今回は元ふんどし男・松三がカラオケBOXで絶叫。「松三は褌と野良着を捨てて社会復帰を誓ったのだった」。なるほど、このうえなく堂々としていて文句のつけようがない。ジョージ秋山「生きなさいキキ」。今回の表紙は豚。どこから見ても豚。素晴らしい。
【雑誌】桃姫 4月号 富士美出版 B5平
ひぢりれい「BK(bad kids)」前編がいい。相変わらずの緻密な作画で、同級生の女の子にいいようにHなイタズラをされる細っこいメガネくんの様子を描いている。ナヨナヨしてるけど、自分フェラチオできるほどの巨根であるというミスマッチも刺激的。次号では女教師さんも登場する模様。松任知基「お兄ちゃんには惚れるなよ!」。学校の教師をやってるお兄ちゃんが大好きな妹さんのお話。この人の目がぱっちりした女の子の描き方はけっこう好き。今回はとくに口元がイタズラっぽくていいな。しろみかずひさ「なぶりっこ」。いきなりザー汁大放出。ドラマとしてもクライマックス近し。あと3回で終わるとのことだけど、どんな結末を迎えるのか今から楽しみ。
3/4(月)……無駄軍旗
【雑誌】キングダム 4月号 少年画報社 B5中
佐野タカシ「イケてる刑事」。今回はいきなりエロシーンからスタート。暗黒エロエロプロレス潜入捜査編という感じかな。たぶん近藤と新米の刑事がタッグを組んで、バトルするという展開になりそうな気配。法田恵「こんすとらくたーず」。暁、ハーレム状態。拒めない理央さんが今回は色っぽいな、と。
【雑誌】ヤングマガジン 3/18 No.14 講談社 B5中
山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」で、珍しく「頭文字D」みたいな公道バトルをやっている。くだらないオチも含めて楽しい。別冊ヤングマガジンで連載されている作:筒井康隆+画:山崎さやか「NANASE」が、今週から3号連続で本誌に登場。筒井康隆作品の他メディア移植モノとしてはかなりよくできていて読ませる。なお、単行本2巻は3月6日発売。森遊作「BANKERS」は第一部完。続きはあるのかな? けっこう読ませるギャンブル漫画だったので、再開してくれるとうれしいんだけれども。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/18 No.14 小学館 B5中
作:小倉和之+画:山本おさむ「さよならレフティ」が最終回。戦争で片腕をなくしつつも、野球にこだわった男の物語。なかなか読みごたえのあるドラマだった。小倉和之はスピリッツのミレニアム大賞から原作者としてデビューしたんだけど、賞で原作者を募っていくというのはけっこういいかも、と思った。絵+話の総合での評価よりも、選考はたぶんシビアになるだろうし、いいモノが出てきそうな気はする。のりつけ雅春「高校アフロ田中」が今回は巻頭カラー。頭悪い男子生徒風味がむんむん充満してて楽しい。けっこう好調。単行本出たらたぶん買う。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。東西新聞社局長・小泉と帝都新聞社局長・秀沢の両名が最低な人間性を露呈。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/18 No.14 集英社 B5平
作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。今号と次号で前後編64ページが掲載。パシリのイジメられっ子の思わぬ俊足を見抜いた二人のアメフト部員が、彼を部に勧誘。いきなり試合に出場させる……という前編。村田雄介は絵もしっかりしているし、けっこう気になっていたりする。
【雑誌】まんがくらぶ 4月号 竹書房 B5中
小田扉「マシンガンでぶっ放せ」が載っていると聞いてざくっと購入。2月号に掲載された「子供で雪の子」(そちらについては昨年大晦日の日記でも見てください)の続き、というか同じキャラでの別エピソード。右手を骨折してしまってソロバン大会に出られなくなってしまったクラスメートの少年を、主人公の女の子が憂慮したりするというお話。小田扉は、ギャグでないこういうしみじみした日常モノもうまいですな。それにしても、小田扉は最近かなりいろいろなところに出没しているけど、もちかしてプチ売れっ子? 秘かなブーム? 作品数が増えてもクオリティが落ちてないところを見ると、案外量産きくタイプなのかも。まあこの人の場合、一枚絵でも味がでるタイプだしね。あと、まんがくらぶオリジナル 4月号で強いヒキのまま「以下まんがくらぶ 4月号につづく」とかいわれて「くそー」と思った、みずしな孝之「幕張サボテンキャンパス」の続きを読んでちょっとスッキリ。
【雑誌】コミックガム 4月号 ワニブックス B5平
こちらはきづきあきらの読切「ココロSOS」が掲載されたとの報を聞き購入。心の弱い人に悩みごとがあると現れる人面疽みたいなデキモノ「ヌース」ができてしまった同級生の女の子・内田心さんの悩みを、主人公男子・高島くんが聞き、その悩みの解消につきあってあげるというお話。心の傷を優しく包むようなお話を展開しつつ、ちゃんとラブコメっぽい雰囲気も漂わせてきれいにまとめた読後感の良いお話。絵柄はちょっと変えつつあるのか、すこしバランスが崩れてるっぽいところもあるかな。すがわらくにゆき「快速!FREE NOTE Book!!」は、たった4ページなのにズーンとくる重い話をやっている。簡潔ながらインパクトあり。うまいなあ。
【単行本】「SS」5巻 東本昌平 小学館 B6 [bk1]
ダイブツ、クリハラ、山ちゃん、ブンブク……。若いころからクルマに情熱を注いできた男たちがトシをとり、それぞれに後悔や諦念、くすぶる情熱などいろいろなモノを抱えつつ生きていく姿を丹念に描いていて非常にシブい。このあたりは若いモンでは出ない味。俺も今年で30歳になるけれども、なんだかだんだんこういう人たちの気持ちにシンパシーを感じるようになってまいりました。
【単行本】「ざこ検マルチョウ」4巻 高田靖彦 小学館 B6 [bk1]
今回も手堅く読ませる。検事という立場にありながら機械的に事件を処理していくのではなく、人間としっかり向かい合い、自身悩みながら生きていく主人公・潮の姿をしっかりと描いている。ただ[事件発生]→[取り調べ]→[解決]という単位がきっちりできすぎちゃってるかな〜という感じもする。例えば「演歌の達」には、日本一の演歌プロデューサーになるぞーっていうデッカい目標が存在し、いろいろなエピソードがありつつも最終的にすべてがそれに向かっていたけれども、この作品の場合そういうモノが分かりやすくは見えてこない。そのぶん各エピソードの重みが、ちょっともの足りなく思えてしまうことがある。まあ「日本一の検事になって巨悪を退治しよう」なんていわれても困るのだが。あと、せっかく描いてキャラを作った被疑者を別エピソードに登場させることができないのは、仕方ないとはいえちょっともったいないかな。
3/3(日)……お新香揉む
▼浦沢直樹「MONSTER」全18巻(→bk1)を揃えようと思って買い物に出る。まずはBOOK OFFであらかた揃えてから……とか思ったら、たぶん似たようなことを考えていた人が何人もいたのだろう、なんと在庫が1冊もなし。そこでブチ切れた俺は、なんかこう獣欲に身を任せて新刊で買っちゃいましたよ。しかもボックスセット。で、現物なんだけどさすがに専用の箱だけあってピッタリ収まっているのは気持ちがいい。ストラップもおまけでついてるが、個人的には箱だけで十分満足。ちなみに写真では単行本の背表紙が見えてるけど、これはフタの部分を内側に折り畳むとこういう形態にできるようになっているから。ちゃんと閉じとくこともできる。作りはそんなに丈夫でない。
ただ、これは俺が今まで1冊も単行本買ってなかったから買う気になれたのであって、これまで地道に連載を追っかけて1冊ずつ単行本買い続けてきた人にとっては釈然としないものがあるだろうな、と思う。ていうかこの箱だけ単体で売ってくれればいいのに。
ところでこの手の作品ごとの専用単行本収納ボックスって、グッズとしてはどんなもんなんだろう。かさばるわりには単価を高く設定しづらい種類のモノだから、商品として成立させるのはちょっと難しいかな。せいぜい出すとしても700〜800円くらいまでって気もするし。ただ単にキャラクターが印刷してあるってだけで高値つけてるマウスパッドだのなんだのよりは、ユーザー側から見ればありがたい商品だとは思うのだけれども。やるとしたらある程度形式を決めといて受注生産って感じかなー。
【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.14 太田出版 B5平 [bk1]
今度から発行ペースが月刊→隔月刊になり、次号は4月末発売。偶数月末ということになるようだ。といっても最近は、本屋に並ぶのが月初にズレ込むことがけっこう多かったが。最近は新人も伸びてきて非常に面白い誌面になっていただけに隔月になってしまうのは残念だけれども、クオリティ維持のためにはしかたないかもしれない。次号からは比古地朔弥、志村貴子の新連載も始まるし、山本直樹が毎号登場、三宅乱丈が初登場、南Q太連載再開で、小田扉もレギュラー化されるし。このラインナップなら隔月刊でも文句はいいまへん。
今号ではなんといっても華倫変「高速回線は、光うさぎの夢をみるか?」が注目。自分のホームページ上で、自殺するまでの100日を動画で公開する女の子のお話。ネット上の悪意、ひやかし、現実、妄想その他もろもろが矢継ぎ早に展開され、少女のぐっちゃぐちゃな頭の中をそのままにぶちまけたような内容となっている。最後の日に向かってどんどんお話が加速していく様子にはゾクゾクさせられる。これはちょっとすごいですよ。まさに劇薬。毒性ありまくり。
巻頭では志村貴子が読切「無毛信仰」で初登場。少女のころの、無毛好きな家庭教師のせいで、下の毛がどうにも気になるようになってしまった女の子のお話。復刊ドットコムに出ている単行本リクエストを見ても分かるとおり、志村貴子はもともとエロ系出なので、この雑誌あたりに出てくるのはもしかすると自然な流れなのかも。雁須磨子「テイメラレシシャ」。タイトル見てなんのことかと思ったが、なるほど〜という感じ。相変わらずつかみどころがない。そういえば作中に出てくる「http://www.hokei.com/」だけど、URLとしては存在しないものの「hokei.com」ドメインはすでに取得済みみたいですな。あと横川真矢「ハッピ〜エンドモンスタ〜」も面白い。巨大モンスターの唾液により観客みんなが裸になった、少年アイドルのコンサート会場。女の欲望がむんむん渦巻く不思議な空間。でもノリは軽やかで、気軽に楽しんで読める。なかなかヘンで気が利いたモノを描く面白い作家だと思う。
【雑誌】ステンシル 4月号 エニックス B5平
こがわみさき「セツナカナイカナ」が掲載されてたので購入。周囲の人が考えていることが分かっちゃう能力に悩まされている女の子・初美ちゃんが主人公。そんな彼女は、唯一他人の思考をキャッチしないでいられる、早朝の校庭を雪かきする時間を愛していた。その雪かきの最中に出会ったのが、なぜか彼女に読心能力を気にさせることのない不思議な男子・黒川くん。そこから二人の関係が始まっていくというお話。相変わらず絵が非常に上品でお話もかろやか。気持ちよーく読ませてくれる。ただ、なんというか、雪かきというアイテムがちと目立ちすぎなきらいがある。お話的には読心能力のほうが明らかに重要であるはずなのに、雪かきがそれと同じくらいの比重に感じられてしまう。短編なんだからここらへんはも少し抑えといたほうがスッキリしたんじゃないかなあ。こがわみさきって、わりとこういう枝葉の部分に力を入れすぎちゃってお話が散漫になってしまう傾向があるように思う。
【単行本】「サーティーガールズ」 画:若狭たけし+作:北沢末也 小学館 B6 [bk1]
白鳥蘭子、鷹村礼子。同じ部屋に住む二人の30歳独身女性が、凹んでいるイイ男を捕まえてきてはキッカケを与えて元気づける……というお話。と書くとHなことを想像しがちだけど、そういうのはいっさいなし。二人は男たちを見守り、息の合ったコンビネーションで彼らが自分の力で歩いていけるようキッカケを示すのみ。どちらもきっぷが良くて包容力があって魅力的。読後感の清々しいよくまとまった作品。全1巻で終わりだけどこれはもう少し長めのシリーズにしちゃっても良かったかも。
【単行本】「昴」8巻 曽田正人 小学館 B6 [bk1]
昴と、現役トップの天才バレリーナであるプリシラ・ロバーツが出会い、お互いに天才同士でしか分からないものを感じ合う。とはいえプリシラ・ロバーツに比べりゃまだまだ昴はひよっ子。相手の存在感に圧倒されるばかり。モチベーションをかき立てる高い壁が見えたことで、これからのお話の説得力が増してきそう。ところでプリシラ・ロバーツの天然で奔放な性格づけがなかなかいい感じ。面白い人間に描けている。
【単行本】「えの素」6巻 榎本俊二 講談社 A5 [bk1]
HAHAHA、こいつはハレンチだ! というわけでさりげなく2年ぶりの単行本。復活しても変わらぬ下ネタの嵐。およそペニスの膨張、伸長、硬直、弛緩によってできることは、片っ端からやっちゃってるという感じ。クールかつダイナミックなペニセストのアクションの連続は爆笑もんだし、よくこんなこと描けるもんだと感激さえしてしまう。立派な漫画です。無修正ですが成人コミックマークは付いておりませんので、お子様も安心してお求めいただけますね。
【単行本】「クロ號」3巻 杉作 講談社 A5 [bk1]
うまいなーと思う。ネコの視点を通して、ネコの生活、社会、それから人間を観察していくという感じの作品。とはいっても人間とペットの関わり合いとかはうるさくいうでなしに、あくまで淡々と近所のネコと人間を眺めているという風情がいい。絵の完成度もすごく高いなー。筆のタッチは、日本むかし話とかが似合いそうな風情。
【単行本】「THE END」2巻 真鍋昌平 講談社 B6 [bk1]
ガチンコに骨太で、ドスンとくる読みごたえ。謎の恋人ルーシーの姿を追い求めて、シロウの探索は続く。仲間はできるも敵も強大な姿を現してきている。この巻は、よく考えてみるとお話自体はそんなに大きく動いていない。それにも関わらず読後の満腹感はかなりのものがある。それはやっぱり見せ方がうまいからだと思う。ゴツゴツと骨張った作画、激しいバイオレンス描写、興味を先へとつなげてくれるミステリアスな展開。何が起こるかまだ全然分からないけど、すごい事件を起こしてくれそうなにおいがプンプン。引き続き要注目。
【単行本】「無限の住人」12巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1]
今回は凜と天津が二人連れで山越えをするという、今までの経緯からすると変わった展開。表紙に描かれているあの人の再登場も見せ場。それにしてももう12巻かー。長い話になったなあ。ここまでくると作品としての落とし所はけっこう難しいかもしれない。大ボスを設定しにくそう。単純に凜が仇討ちするというふうにはなりそうもないし、かといって公儀に戦いを挑むなんて方向に行くような気もしないし。
【単行本】「ゆみこ倶楽部」 町野変丸 久保書店 A5 [Amzn]
表紙には「ゆみこ&エロ専門!!」というアオリがついているけど、ヘンマラーにとっては何をいまさらという感じだろうか。そんなわけでいつもながらにゆみこちゃんは、極太いものなどを出し入れして底なしっぷりを見せつけているわけだけど、この単行本は内容的に比較的大人しめ。今回の収録作の中で個人的に一番インパクトが強かったのは「気持ちいいちんぽ♥(包茎編)」かな。ゆみこちゃんのMYちんぽの頭がまるでイクラ丼のようで、つぶつぶ好きの人にはうってつけ。ゆるぐことのないマイペースで仕事してるな〜という感じ。そういえば町野変丸は、初単行本の「ヌルえもん」が1991年2月初版だから、作家生活はすでに10年を超えている。この作風でこれだけ長持ちっていうのは、ちょっとすごいことだと思う。
3/2(土)……缶切り魔
【単行本】「おつきさまのかえりみち」 三浦靖冬 ワニマガジン社 A5 [bk1]
待望の初単行本。作家名は「みうら・やすと」と読み、活躍場所は主にワニマガジンの快楽天。表紙を見ただけで魂を抜かれてしまう人も恐らく多いのではなかろうか……と思われる、えらく美しい装丁。まずはなんといっても絵がいいよね。セピア調の色使い、細かく細部まで描き込まれた画面、健気だけど寂しそうな顔つきをした少女たち。何かふっと消えてしまいそうな雰囲気がある。
お話も作画に似つかわしくセンチメンタル。「萌え」とかそういう類の甘さはほとんどなく、苦みを抱えながら生きていく中での哀しみ、そしてほんのちょっとの希望を大事に大事に生きるはかなさを美しく紙面に映し出している。唯一、三話構成になっている「とおくしづかなうみのいろ」は、この人の作風を象徴するような作品。細胞を極端に浄化する薬を投与され外の世界では生きていけなくなり、施設に隔離されていた少年少女たちの悲しい姿を描く物語で、純粋すぎる者たちが穢れた世で必死に寄り添いながらそれでも生きていこうとするさまを丁寧に描いた力作。この人の作品は、人物はもちろんだけど、風景がすごくいい。自分の記憶ではないにも関わらず、今は戻れない、手の届かない昔といった風情がある。それがまたセンチメンタリズムを刺激して、作品全体が心にしみこんでくる。単行本が発売されたことでこれから注目度は上がってくるだろうけれども、この繊細な作風はいつまでも失わないでほしいもんです。
(収録作品)「ヨトギノクニ」「とおくしづかなうみのいろ」「群れなす青のように」「やめるはひるのつき」「夏ノ柩」「籠目籠女」
【単行本】「時の添乗員」1巻 岡崎二郎 小学館 B6 [bk1]
岡崎二郎作品はいいな、としみじみ思った。この作品は、自分が戻ってみたいと思う過去のある一点にお客さんを連れていくというツアーを提供している旅行代理店を訪れる人々の物語。過去に戻る理由は人によってさまざま。少年のころ恋していたひとの今は覚えていない一言を聞くためであったり、かつて親友と共に綴った交換日記を探すためだったり。過去を訪れることによって取り戻す記憶や新たに知る事実は、おおむねスケールとしてはちっちゃなものだ。それだけに忘れてしまいがちではあるが、それぞれの人間にとってはかけがえのないことだったりする。そしてそのドラマを丹念に追いかけて、一つの物語としてまとめる腕前は絶妙。改めて読んでみたら、どのお話もジーンとくるものばかりで感心してしまった。岡崎二郎といえばSFという言葉が思い浮かぶけれども、そこにはいつだって暖かい人情味がある。地味ではあるけれども粒揃い。本当に良心的だ。
【単行本】「犬・犬・犬」5巻 作:花村萬月+画:さそうあきら 小学館 B6 [bk1]
これにて最終巻。虚無に生きるマヒケンと、彼にハマり込んだ人々にそれぞれの決着が訪れる。マヒケンの存在をありのままに受け入れることで成長した鳥井、マヒケンを所有しようとして悲劇的な結末を迎えた道男と佐和子。ラストは収まるべきところに収まったなという気がした。マヒケンの心すでに空なり、空なるがゆえに無。その何もなさを描ききったさそうあきらの筆は最後まで冴えわたっていた。
【単行本】「ギョ」1巻 伊藤潤二 小学館 B6 [bk1]
ギョはいいなあ。この作品のあらすじを紹介するならば、ある日突然、足の生えた魚が日本に大量に上陸して死臭のごとき生臭いにおいをまきちらし人々をパニックに陥れるというもの。ホラーというよりはやはりパニックものでしょう、これは。とにかくやたら鋭い足でしゃかしゃか走り回る魚というヴィジュアルのインパクトは文句なしに強烈。これは怖いしオモロいよ。なんかいたら本当にイヤだなと思わせる迫力。回を重ねるごとに事態は深刻化していて、このままいったらどうなるんだろうという期待が高まる。「うずまき」の終盤は神々しいとまで思ったが、あのくらいスケールがデッカくなってもいいかも、とか思った。
【単行本】「黄金のラフ」6巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1]
手堅く面白いゴルフ漫画。軽く読ませるテンポの良さ、コミカルなネタ、それからちゃんと作品の屋台骨を支えるスポーツそのものの描写の迫力など、きちんとバランスが取れててごく自然にするする楽しめる。技術論とかこと細かにやるわけじゃないけど、ちゃんと絵で分かるという明快さが強み。
【単行本】「坂物語り」 作:大倉らいた+画:たなか友基 角川書店 B6 [bk1]
17歳の女子高生が、10年前に初恋の男の子と再会を約束した坂を探すまでの道のりを描いた物語。なんというか甚だしくロマンチックなお話であります。まず17歳であるにも関わらず、10年前に駆け落ち、しかもそれをずっと忘れず(でも場所は忘れている)、さらにはホームページで情報を募って探し求めるという設定からしてなんだかもうすごい。正直いうとかなり浮世離れしてるし、ツッコミどころも多い。「親に聞いてみればいいじゃん」とか「いくらなんでも住んでた県くらい覚えててもよかろうに」とか。そこらへんの理由については原作の小説ではちゃんと語ってあるのかもしれないけれど、漫画のほうではよく分からない。でもまあいいのだ。そういう細かいことには目をつぶったほうがたぶんお得だ。そうすると後味の良いラブストーリーとして楽しんで読める。絵も爽やかで華もあって、十二分にカワイイし。いやー、それにしても笑っちゃうほどにピュアですな。あとどうでもいいことだが、タイトルの「り」がいつもなんだか気になる。
【単行本】「カマキリン」 石山東吉 リイド社 B6 [bk1]
ヤベエ。石山東吉節全開だ。主人公がいきなり「大阪ヤンキー伝説の中でも最強のチーム 紅の日輪を背負った『麒麟』やァ!!」だし、その子分は木剣で50人斬りをやらかした伝説の男だったりするし。相手の大ボス「マゴス」は斬りかかってきた木刀を頭でへし折るわ、しまいには悪魔を召喚するわ。それにしてもカマキリンは、よく「悪魔召喚降臨図」を「デビルスサマンアドベント」と読むこととか、中世ヨーロッパで広まっていた伝説についてなんか知ってるなー(そういえば「伝説」は頻出キーワードだ)。まあそんなこんなでとにかく展開は豪快。ああっ、しかもラストはやけにあっけない。とか思ったら終わってない〜。すごい〜。
【単行本】「雲のグラデュアーレ」3巻 作:木原浩勝+画:志水アキ メディアファクトリー B6 [bk1]
やはり単行本読みのほうがいいかな、この作品は。空賊の物語だけど、空を飛ぶシーンをはじめとしてアクションシーンが非常に伸びやかでダイナミックで気持ちイイのが特徴。あとリシュはかわいいねえ。よく動く。
【単行本】「坂口尚短編集4 きずな」 坂口尚 チクマ秀版社 A5 [bk1]
この巻は短編13本を集めたもので、内容はバラエティに富む。坂口尚の作画は、洗練されてるけれど暖かみがあって素晴らしい。独特の品がありますな。風景の描き方とか見ても、すさまじく精密ってわけじゃなくてシャシャシャッと描いているようなんだけどすごく風情がある。とくに土や草なんかは絶品。ペンタッチの強弱など、最小限の表現で最大限の効果を発揮するこなれた描線がかっこいい。
【単行本】「樹海少年ZOO1」2巻 作:ピエール瀧+画:漫$画太郎 秋田書店 新書判 [bk1]
この作品、原作はいったいどういうふうになってるんだろうなあ。一度見てみたい。これほどストーリー展開が遅い作品ってのもそうないよ。今回はZOO1がホームレスの泰ちゃんをおいかけ、彼をさらったと思われるロボットの足跡をおっかけるというただそれだけのことを1巻かけてやっている。ほかの人だっからせいぜい1話くらいしか使うまい。いや人によっては数ページで済ましてしまうかもしれない。そんなことをずーっとやっている。でも全然つまらなくない。いや、面白い。テンポだっていいのだ、驚くべきことに。次の展開なんて全然読めない。何をやってくるか分からない。何をやってこようが構わない。器デカいよなあ。
【単行本】「BOX」1巻 六田登 集英社 B6 [bk1]
親に捨てられ姉に捨てられ、孤独に生きていた主人公・一途が、ボクサーとして生きていく物語。第一話の試合のシーンからして追い詰められて相手の耳を噛んだり、その戦いぶりは泥臭い。生きるため何かに必死でしがみつかんとする主人公の姿は、みっともなくて非常に人間くさい。スマートさのかけらもないところが実に六田登らしい。現在オールマンに掲載されている連載分もだいぶ盛り上がってきており、けっこう楽しみにしている作品。
3/1(金)……コーラ酢
▼自分探しをしていたら眠くなったので寝てしまう。さっき起きた。
▼未読物
【単行本】「樹海少年ZOO1」2巻 作:ピエール瀧+画:漫$画太郎 秋田書店 新書判 [bk1]
【単行本】「昴」8巻 曽田正人 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「ギョ」1巻 伊藤潤二 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「SS」5巻 東本昌平 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「犬・犬・犬」5巻 作:花村萬月+画:さそうあきら 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「ざこ検マルチョウ」4巻 高田靖彦 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「黄金のラフ」6巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「時の添乗員」1巻 岡崎二郎 小学館 B6 [bk1]
【雑誌】コーラス 4月号 集英社 B5平
今号からリニューアル。「コーラス特製ポーチ」というものがついて390円。で、次号から300円に値下げされるそうな。表紙の雰囲気はどことなく泥臭くなった感じだが……。リニューアル第1号の目玉新連載が一条ゆかり「有閑倶楽部」なのはなんというか。新連載では、よしまさこ「地球のリズム」が楽しみ。親同士の反対に遭いつきあうことを許してもらえなかったカップルが東京にカケオチ。転がり込んだ先のお姉さんが担当している「睡眠リズム障害」の小説家と出会い、女の子のほうがポーッとなってしまい前途多難……といった様相。軽やかなタッチで読みやすい。旧コーラスからの生き残り組では、松田奈緒子「レタスバーガープリーズ. OK,OK!」は勢いアリ。ヒロインの昔なじみの詩礼ちゃんの、粘着質で、自分に都合よく、妙に人をイライラさせる態度に不吉さが漂っていてスリリング。なお今号の執筆陣は以下のとおり。リレーエッセイのコーナーでくらもちふさこも登場している。
(執筆陣)一条ゆかり、現代洋子、堀内三佳、よしまさこ、今井美保、やまじえびね、佐野未央子、芳成香名子、小沢真理、伊藤理佐、松田奈緒子、高田祐子、広田奈都美
【雑誌】メロディ 4月号 白泉社 B5平
わかつきめぐみの新連載「そらのひかり」がスタート。地元を離れ、おばあちゃんのうちに下宿して高校に通うことになっちゃった女の子が主人公。同じ中学から来た人もおらず心細い気持ちでいた彼女だが、隣の席の奴が何やら風変わりな人間であるらしくちょっと慌ただしくなってきて……といった具合。安孫子三和「みかん絵日記」。ねこ癒し系のコメディっぽい漫画なのに、ちゃんと猫の毛アレルギーとかそういう動物とつきあううえでの負の側面に踏み込んでいっているのがちょっと偉い。お話としてもけっこうよくできてる。武壱史穂「リリカルランチ」。なぜか主人公の女子高生に、ごはん作ってくれたり相似してくれたりと尽してくれる同級生の男の子。この二人の様子を描いたドタバタラブコメ。整った絵柄で完成度は高い。けっこうあたふたと忙しく楽しい。
【雑誌】ビジネスジャンプ 3/15 No.7 集英社 B5中
作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。羽生丈二が今回もまたカッコイイ。おそらくこれからしばらくシビれっぱなしになるんではないかと。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。あまりのどうしようもないストーリーに驚愕。なんか書くのも面倒くさいくらいなのだが、要するにアサミと原田がパチンコ屋にやってきたところ、原田が玉泥棒に遭って憤慨。公権力を発動して犯人を発見、しかし……というモノ。捜査の馬鹿馬鹿しさ、そしてラストのあまりのヘタレっぷりに激しく脱力。「僕ら警察はどんな微罪にも目をそむけるべきではなかったんです……」という原田のセリフが虚空に響きます。こんな奴らに給料払っちゃダメだー。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/15 No.6 小学館 B5中
こ、怖いよ。星里もちる「本気のしるし」。今回のラストページの峰内さんの魂抜かれた目つきにガビーンとショックを受ける。星里もちるっていつの間にかこういう生気のない顔を描くのがうまくなっちゃってる。すげー。そういえば昔はわりとほのぼのした絵柄だったけど、今はずいぶん脂っ気が抜けてますな。作:大西祥平+画:高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」。今回はなぜさくら子がタケちゃんマンみたいな格好で牛丼を食っているのかがどうにも気になるところ。さすがにこんなとこまで原作者が指定しているとは思わないのだが、となると高橋のぼるマンセー。新井英樹「キーチ!!」。最初のほうはわけのわからんキャラだったキーチが、ここのところの大事件により、素の部分が見えてきて非常に面白くなってる。「SUGAR」のほうも面白いし、やっぱり新井英樹はすごい作家だなあと改めて思う。
【雑誌】近代麻雀 4/1 Vol.408 竹書房 B5中
天獅子悦也「むこうぶち」。前号から引き続き、フィリピンパブのリンダがハマったイカサマ麻雀の謎を、スタパ斎藤的外見の男・安永が探る。ヒキが強くてどういうカラクリになってるのかかなり気になる。作:梶川良+画:佐々木ひさし「雨の日の小島武夫」は巻頭カラー。それでいいのかってツッコミの一つもいれたくなりますわな。
【雑誌】暗黒叙情 Vol.2 一水社 A5 [Amzn]
ひさびさに出ました。編集長による後書きによると激しく売れてないらしいんだけど、クオリティは激しく高いのでぜひ売れてほしい。そんで続きが出てほしい。まあいざとなったら誌名を変えて光彩書房から出すことも検討しているらしいけれども。
今回はなんといっても早見純。まず漫画のほう「一冊二冊惨殺」。編集者や漫画家が次々と変死する事件が起こる中、とある編集部に持ち込みにやってきた男・大前田。その原稿には製本指定紙や、タイトルのレタリングに関する「まさに大前田を感じさせる書体であること!!」などの指定が細かくつけられており、しかも200枚描き下ろし。陰湿で自尊心は過剰なその態度。勘繰り。それでいながら見れば見るほどイライラさせられる卑屈な目つき。その男が去ると、またしてもヤバ気な男が編集部を来訪……というところでお話はブチッと終わる。そういう偏執狂的な人間はいくらでもいて、変死事件なんかはいつでも起こりうるということを暗示しておしまい。考えてみればエロなんか全然ないな。でもすごく怖い。素晴らしい。そしてイラストエッセイ「ビバ!!東京砂漠」がまた素晴らしい。早見純の東京の雑踏に関する苛立ちを綴る。丹念に手書きされているのもいい。道を歩いていてすれ違うときに体を斜めにしてくれない人に関する腹立ちはかなり同感。俺は二人連れでも縦に並ぶぞ、そういうときは!とか思うんだけど、俺もそういう点で人に迷惑をかけているかもしれないので反省せねば……とか思っちゃうと損をするのだ、この世の中は。
町田ひらく「夫婦善罪」。途中までいい話のように見せて、最後すごく後味悪く終わるのがいい。しかも全体の雰囲気が美しかったりするのもまた。玉置勉強「サイレンス」。言葉の不自由な女とつきあう男のお話。こちらは愛があって読後感よろし。ほりほねさいぞう「棒手振り」。棒をかついでちんこを売る「ちんこ屋」の登場から始まる、めくるめく和風情緒の奇妙なエロチックワールド。かわいい絵柄なのにやってることはとんでもない。相変わらずお見事。華麗王女「風船少女」はやっぱり鼻フック。これはフツーの美少女漫画ではほんとうに描きにくいアイテムだよなー。こういうのがOKな雑誌だからこそ続いてほしいのだが。
(執筆陣)町田ひらく、早見純、明治カナ子、玉置勉強、ほりほねさいぞう、阿宮美亜、華麗王女、町野変丸、ゆうきあきら
【雑誌】ラッツ 4月号 司書房 A5中
BENNY’S「なな子のお仕事。」。長期療養所の看護婦さんと少年のHを描く。とくにカラーページは、白い肌がほんのりピンクに染まって色っぽい。あとはるりるり「姉さん。みたいな女性」のラブラブぶりが好ましい。1時間なめ続けたとかそういうあたりが初々しくてよろしい。
【雑誌】エンジェル倶楽部 4月号 エンジェル出版 B5平
山本よし文「美少女膣辱 淫絶の薔薇」。ギャハー。先月読んで「エースをねらえ!!」パロで行くのかと思ったら、今度は新たにもう一つ大作からネタを持ってきましたよ! ヒントは演劇部だー。なんかもう最初っからむちゃくちゃですな。面白い。奴隷ジャッキー「巴」第1話。今回のお話は「YAWARA系淫姦淫ストーリー」らしいです。まあ要するに柔道少女がシドい目に遭うってわけで。