2008年5月上旬


5/10(土)……ソバンギャルド

OHP月極アンケート6月分は、「ホラー・オカルト系漫画」にしました。2003年11月にも「こわいまんが」というテーマでやったことがありますが、今回はこわくないものでもOK。笑えるものやアクションもの、泣かせ系などなど、ホラー・オカルトがらみだったらアリという方向で。まあ「オカルト」ってのをどこまで含めるかはちと難しいんですが、いちおう「ホラー・オカルト」でくくっているので、オカルト系に入れる場合は多少ホラーっぽい風味があるもののほうが望ましい……って感じですかね。まあこれについては、投票者の方の判断にある程度おまかせします。それでは6月もよろしくお願いします。

 5月分、「期待の新鋭作家2008」は締め切りました。5月も更新ぺースが不安定だったこと、それからこのテーマの場合は雑誌読んでないと投票が難しいというのもあり、いくぶん名前が挙がりにくかった面もあったかもしれません。1位の中年はポプリクラブで活躍中のエロ漫画家さんで、不安視されていた単行本は7月末発売が決定。でも正直この人が1位になったのは意外だったなー。というか今回は、2006年5月(1位:若杉公徳)、2004年6月(1位:森薫)の回と比べると、全般的にちと小粒な印象で一人の作家さんに票が集まりづらかった感があります。このテーマをまたやるとしたら次も2年後くらいになるだろうと思いますが、そのときまでに有望な新鋭作家がぼんぼこ出てきていてほしいもんです。

▼これ書いてるのが6月5日。さすがに1か月近く更新遅れてるのは完全にヤバい。最近いつもこんな調子ですが、本当にすみません。5月下旬から6月頭にかけて、とにかく仕事が詰まってる&自分的にも絶不調でメタメタでした。何かやろうという気力が致命的に不足している感じがします。まあ別に落ち込んでるとかじゃないんですけど、冷静に考えて本当に衰えましたなあ……。

【雑誌】ビッグコミック 5/25 No.10 小学館 B5中

 なかいま強「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」。ホールインワンで調子に乗る草太に引っ張られて日本人勢が絶好調。マイト竿崎も国内同様のふてぶてしさを見せるようになってきた。ジャンボ尾崎をモデルにしたキャラだけど、けっこう存在感あって好きです。最終日が日本人対決になったら面白そうだけど……。

【雑誌】ビッグコミック 6/10 No.11 小学館 B5中

 5/25発売分。ビッグコミック創刊40周年記念特別読切として、ちばてつや「赤い虫」が掲載。58Pとページ数も多め。かつて漫画ばかり描いてて外にも出ず、身体を壊しそうになっていた若き日のちばてつやを描いたエピソード。まあ要約しちゃうと「運動して元気になりましたー」ってことでしかないのだけど、それをしっかり読ませるお話に仕立てているのがさすがだなあ。「ここで本当に身体を壊していたら、名作の数々も生まれなかったんだろう」と素直に思えるし。ちばてつやという作家の人柄が現れた一作だった気と思います。

【雑誌】ビッグコミック 6.17増刊号 小学館 B5中 [s-book.com]

 5/17発売分。山本おさむの新連載「ニッポン蕎麦行脚 そばもん」が開始。凄腕のそば職人である主人公が、日本全国を回って美味しいそばを賞味していくという内容。この手の作品の場合、ネタの定番はラーメン。河合単「ラーメン発見伝」、やまだ浩一「ラーメン大百科」など、ラーメンものはいろいろとあるが、そば専門の漫画は自分の知る限り今までなかったように思うのでちょっと新鮮。しかもビッグコミックの読者層からいうと、脂っこいラーメンよりは、サッパリしたそばのほうが受けるのかもしれない。目のつけどころとしてはけっこういいかも。

 岡崎二郎「宇宙家族ノベヤマ」。これまではいくぶん活躍が控えめだったノベヤマ父が、コンタクトした宇宙人に対して、メッセンジャーである息子と同じように共感を覚えるようになる。息子のような感覚はないけど、理解力と思考力が高い大人ということで、これからの物語において重要性が増していきそう。アットホームな雰囲気ではありながら、異星の生命体同士の触れ合いという本格的なテーマに挑んでいて、毎度読ませます。

【雑誌】コミック0EX Vol.06 コアマガジン B5平 [Amzn]

 イコール「せんせいとやくそく」。巨乳でめがねっ娘な家庭教師のおねえさんと、生徒の少年が、テストの点が良かったごほうびということでエッチしちゃうという内容。少年は最初、彼女を露出度高めな格好で父親の前に出したり、机の下で愛撫したりといった行為を仕掛けるが、実はそれは彼の先生に対する好意の空回りで……。イコールの絵はぷにぷにした質感があるし、女の子にもロリ巨乳系の可憐さがあってなかなかいいです。ちんこもつるんとしたなかなかいいフォルムをしててエロっちいし。最近の0EXでは一番気に入ってる人かも。

 みたりゅうすけ(見田竜介)は0EX初登場。「みよちゃん」。田舎の町で主人公の少年が、寡黙な少女みよちゃんと出会い、彼女にイタズラをしてしまったのだが、なぜか彼女は少年になついてしまい……というお話。ロリ系のお話で、エッチの時以外はほとんどしゃべらないけど、少年の行為を進んで受け入れていくみよちゃんが、可憐かつエロティックに描かれていてなかなか。ぷにぷにしたほっぺたと、大きくてキラキラした目がかわいくて印象的。

【雑誌】ヤングコミック 6月号 少年画報社 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 北河トウタの表紙連動漫画「SWEET SKETCH」。姉の夫に恋していた少女が、姉がいない間に義兄に絵のモデルを頼まれたことで、封じ込めていた気持ちが抑えきれなくなってしまう……というお話。清楚なかわいい妹が、義兄に見つめられてだんだんエッチな気持ちになっていく様子がやらしくてなかなか良かった。それにしてもコンビニ売り雑誌では、この手の「表紙の続きが中で読める」モノが増えましたね。封印シールが貼られるようになって、コンビニ売りエロ雑誌が表紙に力を入れるようになった副産物ともいえる。まあ「表紙の絵はイイけど中には載ってねーじゃん」ってことがなくなったのはいいことなんでしょうな。

 ポン貴花田「天使のマシュマロ」。みさきがボンボンタレントのパーティーに連れていかれそうになるが、その身代わりとしてみさきファンのユウナが出て、ボンボンにエロいことをされてしまうという内容。結果として薬を盛られてヤラれちゃうわけだが、これがみさきだったら寝取られ感が強まってよりイヤらしかっただろうなあと思った。まあメインヒロインなんで、その分エロは寸止めかなんかになってただろうけど。


5/9(金)……歩く恵比寿

▼自分は飲み食いが好きな人間なもので、漫画とかアニメなどなどに出てくる食事シーンはけっこう気になります。ただ、作品内での食事シーンを見てて個人的にイライラするのが、登場人物たちがなかなか食い物に手をつけないとき。

 例えばすごい豪華なディナーが目の前に展開されているにも関わらず、「食事前にちょっと聞いてほしい」とかいって長々としたお話が始まる……といったシーンは気が気じゃない。「早く食べないと冷めちゃうよ……」とハラハラしてしまう。さらに「さあ食べよう」って場面で何か事件が起きたりすると、登場人物たちは食事そっちのけでどっか行っちゃったりするじゃないですか。アレも「せめて一口くらい食ってからにしようよ」とか思って、アクションシーンなどが始まってもも料理の行方が気になって仕方がない。

 昔はそんなに気にならなかったんですけど、最近になってそれがどんどん激しくなってきちゃったんですよね。とにかく自分としては、途中で席を外してもいいから、とりあえずまずおいしいうちに一口食べてほしい。それで「ンマーイ」とかいってくれたらなおうれしい。まあ緊急の場合に全部平らげろとはいわないんですけど、豪勢な料理のシーンが出てるのに、その料理がおいしいのかおいしくないのか分からないというのは、ムズムズして仕方がない。

 というわけで、ごはんはおいしいうちに食べましょう。思い出は最高のソースです。

【雑誌】ヤングアニマル 5/23 No.10 白泉社 B5中

 文月晃「海の御先」。一緒に暮らし始めた凪と3人娘だが、3人はそれぞれの得意分野で凪にアピール。料理・海女と特技のある二人と違って、めがねっ子の人は意外と得意分野がないのだなあ。それはさておき、争奪戦が激しくなってて、ラブコメ的にウハウハ感が増しておりますな。

 読切で作:朝田光+画:亜桜まる「24 ニジューシ」が掲載。「14 ジューシー」の学校の保健室の女医あおい先生をメインとしたお話。相変わらず明るくかわいい絵柄と、独特のリズムで読んでて楽しい。この前出た「14 ジューシー」の単行本2巻には収録されてなかったけど、そのうちどっかに収録されるといいなあ。

【雑誌】ヤングアニマル 6/13 No.11 白泉社 B5中

 5/23発売分。森恒二「ホーリーランド」がついに最終回。主要キャラたちの物語にそれぞれケリをつけて、爽やかな締めくくりだったんでは。ユウのその後についてはぼかした感じだけど、まあこれはこれでいいんじゃないでしょうか。それにしてもやたらとたのもしくなりましたねえ、この人。

 作品としては思った以上に長く続きましたが、少年の成長物語をしっかり展開していたし、路上格闘のウンチクも面白かったし、よく出来ていたと思います。強さのインフレがある程度で収まっていて、現実離れしすぎなかったのも良い点。格闘ウンチクが正しいかどうかは自分はよく分かりませんが、「知らない人に分かりやすく説明する」ってのはできてたと思うし、説得力はあった。引きこもりから強くなっていき、街に自分の居場所を作っていくというテーマは現代的で、ヤンキーもの・喧嘩ものには抵抗あるって人もうまく取り込めていたんじゃないでしょうか。まあ何はともあれ楽しませていただきました。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/23 No.11 小学館 B5中

 「電柱なんか見ないで!」の後編が掲載。前編のときにも書いたけど、以前コミックフラッパーで「すいむ。」などを描き、エロ漫画方面では別名義で活躍していた(と思われる)谷澤史紀の読切。電柱の写真をとって、それをホームページにアップするのが趣味のあんちゃんと、彼にベタボレしている彼女の青春ラブストーリー。彼氏が電柱に夢中なことにヤキモチ焼き気味の彼女がかわいく、締めくくりも愛情たっぷり、甘ったるくて良い感じでした。爽やかな味わいはスペリオールの中でもそんなに違和感はないと思うし、そのうちまた再登場してもらいたい。

 星里もちる「光速シスター」はシリーズ連載3回めが掲載。主人公・三谷の「妹」を名乗るハナの謎はますます深まって……というところで一段落。ラブコメもありで、けっこう気楽にちょい不思議ファンタジーをやっててわりと楽しい。次回は夏頃登場予定とのこと。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 6/13 No.12 小学館 B5中

 5/23発売分。新連載、作:倉科遼+画:岩下広美「星を食べる女」。今回は幸せな結婚がしたいという願望を子供のころから持っている、住宅販売会社勤務の女性が、合コンに出席して思わぬ人に出会う……というところからスタート。倉科遼作品にしては路線がもう一つ分かりにくいが、扉のところに「シリーズ十人十艶」と描いてあるところを見ると、何話かごとに主人公が変わるオムニバス形式の連載になるのかな? どうなるか分からないけど、最近は夜の女モノだけでなく、ホントに手広く商売してますねえ。

【雑誌】コミックバンチ 5/23 No.23 新潮社 B5中

 イワシタシゲユキ「女王様がいっぱい」。だいぶ男女関係がこじれてきましたな。泉佐野が、担当の新人女子高生作家の片瀬さんにキスしたのを目撃した葉月さんは……という感じでヒキの強い展開。三角関係は仕事とのバランスもあって、今後も泥沼化していきそうな気配。どうなるか気になる。

 渡辺保裕「OUT PITCH」は最終回。ちょっとアッサリした感じで終わっちゃったけど、まあ仕方ないかな……。「ワイルドリーガー」と比べると、キャラ、お話ともにいくぶん小粒だったか。野球への愛はすごく感じるけど、渡辺保裕は今だと「ドカコック」みたいな路線のほうが面白いもの描けそう。

【雑誌】コミックバンチ 5/30 No.24 新潮社 B5中

 5/14発売分。新連載、佐藤孝太「ARUQUEBUS」。犯罪者を射殺してしまった女性警察官・鍬野が、警察と官用銃の関係性を揺るがす事件に直面していくというハードボイルドなアクション。作者は23歳の新人で、絵柄的にはまだこなれてはいない。ただお話自体はけっこうしっかり作ろうとしている雰囲気があって、読みごたえはけっこうあった。銃器関連のディティールも細かい……っぽい。このあたりは自分は知識がないのであまりよく分かりませんが。

【雑誌】コミックバンチ 6/6 No.25 新潮社 B5中

 5/21発売分。作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」は相変わらず手堅い出来栄え。今回は、ヤクザの親分さんともしっかり接しているコンシェルジュ・城の様子が描かれる。クールなやり手系のコンシェルジュの城だけど、ちゃんと筋道をわきまえて行動している様子は見ていて頼もしい。この人もけっこういいキャラですな。

【雑誌】コミックバンチ 6/13 No.26 新潮社 B5中

 5/28発売分。作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。チベット問題に対する意見を表明して、五輪をボイコットした柔道家のエピソード。お話自体は、彼と決着をつけようとしたライバル選手との勝負を爽やかに展開しているけど、ボイコットの理由についてはけっこうビシッと描いちゃってますね。「コンシェルジュ」は、けっこうネットで話題になっているネタを敏感に取り入れてる漫画だけど、今回も「やってるやってる」という感じだった。

 イワシタシゲユキ「女王様がいっぱい」。資料撮りのため、女子高生作家・片瀬さんと一緒にラブホテルに入ってしまった泉佐野。そこで彼女のアプローチにクラクラきてしまうという展開。欲望ムンムンな感じで来てて、けっこう色っぽかった。エロエロな絵柄というわけではないのだけど、女の子の表情が魅力的でそそられるもんがあります。


5/8(木)……ワサビ田買ったな

OHP月極アンケート5月分「期待の新鋭作家2008」の締切は6/1いっぱいとします。投票やコメント等、どしどしお寄せください。

▼本日の漫画感想ですが、モーニング、ヤングサンデー、ヤングジャンプ、週刊少年チャンピオンは、8日、15日、22日、29日発売の4週分をまとめてお送りします。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 6月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 押川雲太朗の新連載「錆びた刀」が開始。若い頃に名人位を3連覇したが、現在は10年間無冠の日々が続くA級雀士の上泉。そんな彼に、フリー雀荘で挑戦してくる若きA級雀士が現れて……という出だし。タイトルの「錆びた刀」は、昔はキレ味抜群だったが、今は不調をかこっている上泉のことを指していると思われる。まだ始まったばかりでよく分からないけど、職業として麻雀プロをやっている人間の苦闘を描いていくって感じかなあ。まあ読ませる地力のある人なんで、これからの展開に期待。あと、阿部潤「ちんどんまん」は今月号で最終回となっている。

【雑誌】FEEL YOUNG 6月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」の第二部がスタート。祖父の隠し子・りんを引き取り、親子として暮らすようになったダイキチ。第一部ではりんの小学生時代が描かれたが、第二部は一気に10年後までジャンプ。かつてはこどもこどもしていたりんも高校1年生となり、すっかりかわいい女子になった。ダイキチは40歳になったけどあんまり変わらんですね。あと変化が大きかったのがコウキ。幼なじみでりんのことを好いているけれども……といった感じ。今後は、りんとコウキの関係を中心にお話は進んでいくんでしょうか。今回登場しなかったコウキママがどうなっているかも気になるところ。ダイキチと結婚するとかいう話はなかったんですかねえ。

 ねむようこ「午前3時の無法地帯」。パチンコ専門のデザイン会社に就職し、会社泊まりも当たり前になってきた女の子のお話。仕事は忙しいけど、どこかゆったりした雰囲気。ちょい恋愛ムードもあったりして、まあまあ楽しかった。

 比古地朔弥「日日是好日」は最終回。自然に囲まれた田舎の家で暮らし始めた元OL・紬のスローライフを描いた物語。ラストのほうでは、彼氏もでき、幸せいっぱいな感じで締めくくり。「こうやって暮らすのも楽しいでしょうなあ」と思える連載だった。単行本は出るんですかね?

【雑誌】モーニング 5/22 No.23 講談社 B5中

 コミックビームで「無頼侍」を描いていた鈴木マサカズが新連載で登場してちょっとびっくり。連載のタイトルは「ラッキーマイン」。自販機の下から拾った500円玉を使ってスクラッチの宝くじを買い、100万円当てた男・カモツグナナオが、バーで出会った美人・アゲハに導かれ、これまで体験したことのないようなギャンブルの世界に足を踏み入れていく。命を賭けたギリギリの状況で、男が自分の運の強さを試されていく物語は、初回からハードに展開していて読みごたえがあった。この人は絵にクセはあるけど、読ませる力はかなりある人なんで、個人的には期待している。モーニングはこの手の泥臭いけど力のある作家さんを生かせる場だと思うので、うまいことやってブレイクしてほしいもの。

 弘兼憲史「専務島耕作」は最終回。島耕作シリーズとしては5回めの最終回だそうな。「社長島耕作」については、5月29日発売のNo.26から開始予定。それにしても島耕作の「このマンガの作者が生きている限り続けてみようかな」というセリフはちょっと衝撃を受けました。

【雑誌】モーニング 5/29 No.24 講談社 B5中

 たかぎ七彦「幕末*都市伝説 なまずランプ」は10話め。幕府の御金蔵破りの謎を追っていた町人の平次郎だが、今回はその種明かしがされる。さほど派手というタイプの作品ではないものの、じっくりお話を展開していてけっこう面白いと思う。お話としてはそろそろおしまいだと思うけど、どのようなラストを迎えるかは気になるところ。

【雑誌】モーニング 6/5 No.25 講談社 B5中

 作:田島孝+画:東風孝広「特上カバチ!!」はどんどん息苦しい展開になってきている。酒屋を経営する判断力の低下した老人をめぐって、いろいろな人の思惑が交差する。各人が別段悪いことをしようとしているわけではないのに、事態がどんどん悪い方向へ向かっているのがもの哀しい。老人の家族は彼につらく当たっているけど、心情的には無理もないと思うし。あと田村が動けば動くほど、事態が悪化している感があるのがいたたまれない。やはり「老い」をテーマにしたエピソードは身にこたえます。自分もどうやったって無関係ではいられない内容だし。それにしても、この作品って「うまくやった!」っていうカタルシスが意外とないような。

【雑誌】モーニング 6/12 No.26 講談社 B5中

 たかぎ七彦の集中連載「なまずランプ」が最終回。幕末の世で罪に問われた町人・平次郎が、幕府の御金蔵破りの謎に迫っていくという物語。ちょっと泥臭い作風ではあるが、一歩一歩お話を進めていって、きっちり種明かしもしてラストまで持っていった手腕はなかなか。通しで読むとけっこう読みごたえのありそうな内容だった。なお高木七彦は「なまずランプ」の維新編も構想中だそうで、今回の扉絵でもそんな感じのイラストが描かれている。

 山田芳裕「へうげもの」。着々と最期の時を迎えつつある利休の姿が物哀しく映る今回。伊織も師の暗黒面に絶句するが……。秀吉と利休、どちらとも密接な関係がある彼が今後どいう行動を取っていくのか気になるところ。また、利休が最期の時を迎えるに当たって、どうするかも気になる。ドラマチックな展開が見られそうです。

 あと、弘兼憲史「社長 島耕作」は今週からのスタート。まあいつもどおりではありますが、ちょっとめでたい……かなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 5/22 No.23 小学館 B5中

 森尾正博「ビーチスターズ」。最近けっこう白熱してて良いですね。ビーチバレーのマドンナカップという大会の神奈川県予選決勝戦。主人公の七瀬イルカが試合の中でどんどん成長していく様子がダイナミックに描かれていて面白い。この号はセットの間のインターバルだったが、顧問のポン太にイルカが誉めてもらおうと抱きついていくシーンは、試合中とは違ってかわいくてトキめくものもあって良かった。

【雑誌】ヤングサンデー 5/29 No.24 小学館 B5中

 北崎拓「さくらんぼシンドローム クピドの悪戯II」。麻生さんの会社のCMキャラクターREICOとして、活躍するようになったれな。一躍人気者となった彼女、それからそのマネージャーとして忙しい日々を送る阿川は順調そうだけど、邪魔者のせいで一波乱ありそうな雰囲気。ヒキが強いです。

 草葉道輝「LOSTMAN」。雇われサッカー選手のマツモトが、ブラジルの落ち目のクラブに売り込みをかけるが……。各地を転々としていくお話のようだが、今回はそのクラブの地元に住むおねえちゃんがなんとなく色っぽくていいなと思った。もうちょっとサービスシーンとかあっても良いかもしれない。

 あと今号には島本和彦「アオイホノオ」の9話めが掲載されている。

【雑誌】ヤングサンデー 6/5 No.25 小学館 B5中

 河合克敏「とめはねっ!」。大江くんに対して、バイトを通じて親しくなった鵠沼学園初動部員の女子・宮田さんがモーションをかけてきてるのが甘酸っぱくて良い具合。こうなると別に望月さんにこだわらなくてもいいんでは……って気もしてきてしまう。どっちもけっこう美人さんではありますし。

【雑誌】ヤングサンデー 6/12 No.26 小学館 B5中

 あだち充の単行本が累計2億冊突破したということ記念して、「みゆき」の第一話が復刻掲載されている。まあこれはこれで面白いことは面白いんだけど、あだち充の現在の主戦場は週刊少年サンデーだし、「なぜ今これをヤングサンデーで?」という気は正直してしまう。もちろんヤングサンデーは、「みゆき」の初出誌である少年ビッグの後継誌ではあるんだけど、今となっては覚えている人のほうが少ないでしょう。過去の名作を振り返るのは悪いことじゃないけれども、なんか雑誌全体の保守的な姿勢が現れてるなあなんて思ってしまったりもする。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/22 No.23 集英社 B5中

 甲斐谷忍「LIAR GAME」の新章がスタート。前回の勝負で4億円もの負債を背負ったナオたちが、今回挑むゲームの内容はロシアンルーレット。すでに実績のある作品ということで、序盤はスムーズにスタート。ちょっと最初の時点で覚えておかなければならないルールが多いのはいつもの通りだけど、まあこれまたいつも通り、それについては読み進めていくうちに理解が進んで慣れてくるんではないかと。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/29 No.24 集英社 B5中

 岡本倫「ノノノノ」。アナルショップこと尻屋先輩が、暴力だけでなく、本職のジャンプにおいても底知れぬ実力を見せつけててちょっとかっこいい。権力もある、実力もあるってことで、今後もその暴虐っぷりはガンガン発揮されていきそう。アクの強いキャラなんで見てて面白い。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/5 No.25 集英社 B5中

 森田まさのり「べしゃり暮らし」。このところの、主要キャラを死なせてしまうという展開は正直なところあんまり好きではないのだが、大胆なことをしただけあって、さすがに泣かせるお話に持っていっている。ちょっと力づくな感じではあるが、見せ方としてはやっぱりうまいと思いますよ。

 作:外薗昌也+画:別天荒人「明日泥棒」。主人公・享一と、ヒロイン・明日の学生時代のエピソードが語られる。明日の絵に描いたようなツンデレっぷりがかわいくてトキめきました。あと大人になってからの明日も、中身は変わってなくてこっちもいい感じ。やっぱりこのコンビはラブコメ描くのがうまい。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/12 No.26 集英社 B5中

 岡本倫「ノノノノ」。No.24の感想でも書いたとおり、尻屋先輩が今後もぶいぶいいわすのかと思っていたけど、意外な展開になってきていますな。ただ、非常にアクが強く、存在感のあるキャラなだけに、これで物語から退場となったら惜しい。なんとか復活してほしいものですが……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/22 No.23 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。今回のお嬢の泣き顔はちょっと色気があって良かった。花ちゃん・のりっぺの2人はわりと子供っぽいとこあるんで、その点はわりと対照的。レギュラーポジション争いの行方については、今のところまだ分からない。お嬢兄の海が、守備がまったくダメダメってのは困りもんですな。こうなったら抑え投手とかやらせてみるってのも手かも。球威はありそうだし。高校野球で、守備力が必要とされないポジションってほかにあんまりないですからのう。

 マツリセイシロウ「マイティ・ハート」。舞島さんの乳を狙う不逞の輩が登場。と思ったらそれは女教師で……といった感じ。乳を揉んだりして気楽なエピソードかと思ってたら、マイティ・ハートも案外苦戦。珍しくマイティ・ハートの幼女バージョンとか見れたりして、けっこう楽しかったです。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/29 No.24 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」が相変わらずすごい。ここまでダルビッシュが奪三振のプロ野球記録に更新するかという話でお話を引っ張ってきたのに、今回の冒頭で「それにしても放送席は大きな勘違いをしていました…!! 奪三振記録の保持者は不知火で21個でした」ときた。水島先生が過去に不知火に奪三振記録を作らせたのを忘れて、里中の20個が記録だと思って話を進めちゃってたんですな。さすがに水島先生とはいえバツが悪そう。まあ水島先生が自分の描いたこと忘れてるなんてことはよくあることなんで、個人的には別にいいんですが。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/5 No.25 秋田書店 B5平

 安倍真弘「侵略!イカ娘」が表紙&2本立てで掲載。勢いありますな。お話のほうも1本がギャグで、1本がちょいとしんみり(+新キャラ登場?)となかなかの取り合わせ。屈託のない作風と、アクのない朗らかな絵柄で安定して楽しい。萌え方向に突っ走るわけでもない、適度なバランス感覚が良いですね。正直、イカだけでやってるとネタには不足しそうなのに、ここまでちゃんと続いてるってのはすごい。

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。ついに岩鬼と夏子はんの物語も決着。No.26では殿馬のほうも決着がついたので、残るは山田だけという状況に。山田は多少いいムードになった女性は何人かいるものの、継続的にネタを振っていたわけではないだけに、誰と結婚しても弱い感じはするなあ。そういえば不知火とか土門とかはそのへんどうなってるんですかね。まあどうでもいいといえばどうでもいいのですが……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/12 No.26 秋田書店 B5平

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。元阿鼻谷ゼミの2人がいい味を出している今回だが、それ以上に大活躍だったのが、追手として選ばれたグリーンベレーのヒゲオヤジ。ワイフへの愛を武器に、援交少女・蛭子ちゃんの前に立ちはだかる。とても使い捨てキャラとは思えないほどの存在感に、男は惚れ、女は濡れる。

 読切で伊藤正臣「東京Hocus Pocus」が掲載。とある学校に、「特技は手品」という女の子が転校してきて、クラスに騒動を巻き起こすってな感じのお話。絵柄はわりとかわいいけど、濃い漫画揃いのチャンピオンだともう一つインパクトは弱いかな〜。


5/7(水)……神のみぞいる市街

▼だいぶ休んじゃいましたが、ようやく更新できる状態に多少なりました。なんかもうゴチャゴチャで大変でした。つっても進行的にはまだかなりヤバいんですが……。

OHP月極アンケート5月分「期待の新鋭作家2008」は締切間近です。よろしくお願いします。

【雑誌】コミックフラッパー 6月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 カサハラテツローが連載を開始。タイトルは「スコペロ」。地球の学校ではハブにされていた感のある男性教諭が、まるごと女学園になっているというスペースコロニーに着任することになって、さまざまなトラブルに直面していく……という感じのお話。主人公の先生はラブコメのモテキャラタイプとかでは全然なく、自分のことを「小生」とかいっちゃうような、クセのある偏屈者。単純な女の子いっぱいでウハウハーってな感じにはならなそうだけど、どんなもんでしょうな。設定は面白げなのでまずは期待。

 春日旬「あねとむち」も新連載。奇行だらけのお姉ちゃんと、常識的な弟が繰り広げる日常ドタバタギャグ。弟が家に帰ると、いきなり裸エプロンの姉がムチをつかんで突っ込んで来る冒頭部はインパクトはある。絵もシャープなタッチで見映えはする。わりと楽しく読めました。

 読切、沙村広明「シズルキネマ」。ちょっと生意気だけどカワイイ妹と一緒に暮らしているお兄ちゃんの生活……という感じでお話は始まるけれども、途中から思わぬ展開に。いつもよりSFチックな味付けのお話だが、飄々とやっていてまずまず楽しめる。すごくズガーンと来るってほどでもないけど、読切としてはまとまっててキレもあるしなかなかなもんです。

 志水アキ「流れよ我が涙、と玉ネギは言った」。原作付き作品の多い人だが、今回はオリジナルで読切。平凡な女子高生と、モノをいう玉ネギの物語。落ち着いた雰囲気ながら、ちょっとファンタジーっぽいところのある作品でまあまあ。この人はけっこう達者な絵の持ち主だし、こういうオリジナル作品もどんどん描いていってほしい。絵柄が生きるようなスコーンと気持ちいい作品が読みたい。「雲のグラデュアーレ」はその点良かったんですが。

【雑誌】ビジネスジャンプ 5/21 No.11 集英社 B5中

 作:倉科遼+画:紅林直の「嬢王」コンビの新連載「SOLEIL〜ソレイユ〜」がスタート。地方に住む平凡な女子高生だったヒロイン・日野ひまわり。彼女がモデルとしての才能を見込まれ、その世界で活躍していくというお話になる模様。ひまわりは背が高く、手足もスラッとした抜群のプロポーションの持ち主。なかなかキレイな娘さんに描けてるな、と思いました。倉科遼漫画はとくに序盤は面白いのが多いので、期待は持てるかな。

 冬目景「イエスタデイをうたって」が掲載。最近リクオは仕事が忙しくて、ハルのことを微妙に避け気味。彼女もそれを感じ取り、リクオの生活に一歩踏み込むべきか躊躇する。。今回はハルがいつもと比べてしおらしく、乙女チックな感じでちょっと良かった。あとリクオのいぬ間になんとなく彼女に接近しそうな男も現れており、雲行き怪しって感じでしょうか。

 今号では、漫★画太郎「世にも奇妙な漫★画太郎」で「わらってごらん2008」をやっている。「そんなかおにあいませんよ×××さん さあわらって」というアレです。ただすごい顔を描くだけのギャグなのに、やっぱインパクトありますねえ。こういう印象的な顔を描けるってのは強い。

【雑誌】ビジネスジャンプ 6/4 No.12 集英社 B5中

 5/21発売分。山口譲司の新連載「くノ一魔宝伝」がスタート。わりとお気楽なお色気ギャグの印象が強い山口譲司だが、今回はシリアス&エロチックな路線で来るのかな。濡れ衣を着せられて忍者の里から追われた忍者の頭領の娘が、秘められた財宝の地図をその身に宿したくノ一たちを探すたびに出る。初回では、ヒロインの詩音が身体中を巨大なめくじに這い回られて、強制的に絶頂へ導かれる様子がねっちり描かれていて、なかなかいやらしかった。軽いノリでない分、淫猥さもいつもよりアップしている感あり。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/21 No.23 小学館 B5平

 5/7発売分。うーむ、まだ創刊50周年企画を続けるのか……。というわけで「MY SWEET SUNDAY」で、曽田正人と万乗大智が登場。「め組の大吾」や、デビューしたころの思い出をそれぞれ語っている。まあそれなりに楽しい企画ではあるのだが、あんまりやりすぎると「懐古に走ってる」みたいなイメージがしちゃってイマイチな気も。やっぱ雑誌ってのは前向いて進んでなんぼだと思うし。

 鹿賀ミツル「ギャンブルッ!」。今回も緊迫感がある勝負が続いていて面白い。マサルのギャンブラーとしての暗黒面がどんどんデッカく膨れ上がって来ている感じで、ゾッとする迫力がある。ものすごいテクニックを使ってるってわけじゃないけど、言葉やキャラの表情で盛り上げるのがうまい。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/28 No.24 小学館 B5平

 5/14発売分。若木民喜「神のみぞ知るセカイ」。元大金持ちのお嬢さま、青山美生攻略編がクライマックス。かつては親が大富豪だったが、今は零落して貧乏暮らしをしているお嬢さまの心に、ギャルゲー名人の主人公・桂木桂馬が入り込んでいく。なかなかええ感じでラブコメとして盛り上がりを見せていて良かった。ツンデレなヒロインさんもかわいいし。マルチヒロインで、その都度攻略対象が変わり、キスでリセットという構図は漫画版「キミキス」的で華やか。若木民喜のかわいい絵の魅力も出ているし、ここまではけっこう楽しく来ているのではないかと。あと、主人公・桂馬はギャルゲは得意だけど実際の女の子とはつき合ったことないという設定だったけど、今回のめかし込みぶりといい、素材的には悪くないのでは……という感じですな。普通にモテそう。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/4 No.25 小学館 B5平

 5/21発売分。クリスタルな洋介「オニデレ」。みんなにナイショで主人公・正とつきあっているスケバンのサヤさんが今回もかわいい。正の言葉の一つ一つに一喜一憂して、顔を真っ赤にしまくる様子が賑やかだし、萌えゴコロをくすぐるものがある。鈴木央「金剛番長」ではバトル一休み。これまで倒した番長たちが仲間となって、金剛番長の学校に転校してくる。強いけれど意外とアホウな番長たちの振る舞いが笑える。けれん味があって面白いです。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/11 No.26 小学館 B5平

 5/28発売分。若木民喜「神のみぞ知るセカイ」。今度のヒロインはアイドルをやっている女子。人気アイドルをやっている女子が、主人公の桂馬と同じクラスにいるのだが、現実の女性にまったく興味なしな桂馬は彼女のことを知らず……というところからスタート。彼女は自分が他人に認知されていない状況にコンプレックスを持っていて、桂馬はそれを刺激してしまう。なんか初っぱなからフラグ立ちそうな要素満載ですな。この娘さんもかわいいし、今シリーズも楽しそう。

 大塚志郎「マリンハンター」は最終回。まあ面白いかなーと思う部分もあったけど、やはり全体的にちょっとずつ物足りなかった気がする。サービスシーンも多かったけど、わりとサラッと読み過ごしちゃう感じだったし。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/21 No.23 講談社 B5平

 5/7発売分。石垣ゆうきの復活「MMR」の後編。『「人類最期の日」の真実を暴け!!』と題されたシリーズだったが、今回は前後編だけあって、ちょっと急ぎ足だった感じはするかな。それにしても今回のMMRの皆さんの焦りっぷりはけっこう面白かった。なんだか「どうしても人類滅亡のシナリオを作っちゃるぜー」という意気込みさえ感じた。やはりああいうシナリオを、息でも吸うようかのようにポンポン作り上げていったキバヤシさんは偉大だったんだなあとかしみじみ。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/28 No.24 講談社 B5平

 5/14発売分。咲香里「スマッシュ!」。翔太はサウスポーの古賀大輔相手に大苦戦。しかしそんなピンチで、翔太に惚れてる先輩女子がなかなかいいところを見せる。声援で後押しってのは優飛にはできないことだし、先輩女子としてはアドバンテージ。まあ恋愛的には勝ち目はないだろうキャラだけど、わりと存在感ありますな。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/4 No.25 講談社 B5平

 5/21発売分。小林尽「スクールランブル」がえらく切ない。ついに天満が病床の烏丸の元を訪ねたが……。烏丸の抱えている病がどんなものかが明らかになった今回は、天満の問いかけのシーンでこれまでのさまざまなシーンが頭をよぎって、どんどん胸が締め付けられていく。最後のページの天満の表情も、普段との落差が大きいだけに心に響きます。今後の展開にますます目が離せなくなってきた。

 作・監修:石黒耀+シリーズ構成:外薗昌也+画:正吉良カラク「カグツチ」が新連載。「死都日本」という小説が原作。普通の人間には感知できないほどの音を聞くことができる少年を主人公にした、地震災害モノといった作品。原作小説は読んだことないけど「日本沈没」みたいな感じですかねえ。スタッフとしてクレジットされている名前の多い作品だが、外薗昌也が少年誌初登場だというのはちょっと意外。正吉良カラクの絵柄は、外薗昌也よりはだいぶ少年誌テイストで元気が良い。どういうふうになっていくかはこれからのお手並みを拝見ということで。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/11 No.26 講談社 B5平

 5/28発売分。「涼風」の瀬尾公治が新連載。「君のいる町」がスタート。田舎暮らしの少年、桐島青大(きりしまはると)の家に、都会からやってきた同い年の女の子・枝葉柚希が居候としてやってくる。青大は同級生の神咲七海さんのことが好きだが、柚希のことも気になって……てな感じでスタート。今号の表紙絵を見ると、主要女子はもう一人いるようで、その間で青大の心が揺れるといった感じのラブコメになっていきそう。まあいかにも瀬尾公治らしい感じで、この人のストーリー回し、キャラが好きな人にとっては期待できるんではないかと。自分としてもわりと楽しみです。


5/5(月)5/6(火)……坂無視

▼5/5は確かコミティアに行っていたはず。このところずっとコミティアで買った本の感想書けてなくてすみません……。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5/20 No.10 小学館 B5中

 弘兼憲史「黄昏流星群」。マジメな大学教授がメイド喫茶のツンデレメイドさんにハマっちゃう編が最終回。今回のエピソードは妙な生々しさと脂っこさ、おじさんが若者オタク文化を取り入れようとしている居心地悪さなどが相まって、個人的にはなんだか楽しかった。ラストシーンでメイドさんを迎える大学教授さんのセリフも、ベタでちょっと笑ってしまった。

 村上もとか「蠢太郎」は読切登場の後編が掲載。明治初期の激動の時代を生きた、歌舞伎役者の息子の蠢太郎の生き様を描いていくシリーズ。芸の道にどんどん踏み込んでいく姿はなかなか読みごたえがあり。いちおう読切ということになっているが、「またの登場にご期待ください」と書いてあるし、今後もときどき掲載されそうな雰囲気。

 水島新司「あぶさん」。サチ子が産婦人科に行ったことから、大虎でサチ子妊娠説が浮上。でもそれは勘違いで……というお話。発売からけっこう時間が経ってるから書いちゃうけど、あぶさんに初孫が、というお話でした。でもまああぶさんがこの年でさらにお子さんを作ったくらいじゃ別に驚きはしませんがのう。サチ子も、長年あの化物とつき合ってたくらいだから、そのくらいの力はありそうだし。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/5 No.11 小学館 B5中

 5/20発売分。安倍夜郎「深夜食堂」。泥酔して来店してはアサリの酒蒸しを頼んでいくばあさんと、その息子の、親子の絆を描いた回。飄々とした調子でお話を始めて、嫌味なく、ちょいとホロッとさせる展開に持っていく手際が絶妙。料理も細かく描いてあるわけじゃないけどうまそう。とくに食っている人の表情が実にいい。すごくうまいです。

【雑誌】花とゆめ 5/20 No.11 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」。危力系への転属を命じられ蜜柑に危機が迫ったそのとき、棗が駆けつけるが……。というわけでますますシリアスにお話は展開中。棗がサラッと告白してたりするけど、それでトキめいたりしているヒマはナッシングという状況。お話的にはだいぶヤマ場って感じだけど、明かされてない謎もまだけっこうあるので、しばらくはこのまま引っ張るかなー。

 日高万里の集中連載「ベリーベリー」。お互いの間でだけテレパシーで意志伝達できるふたご姉妹が、その能力を使って事件を解決していくという学園ストーリー。ふたご娘たちが快活でキュートで、パッと見ですごく華やか。けっこう楽しいお話に仕上がってると思う。「V・Bローズ」が一段落したら、こっちを本格連載に昇格するってのもいいかもしれません。

 松月滉「幸福喫茶3丁目」。いつもながらの幸せいっぱいの展開……と思いきや、ラストでこの後なんかシリアスな展開になりそうな前フリが。まあだいぶワンパターンになっていたので、ここらへんで一つ変化をつけてくってのはいいんじゃないでしょうか。

 ふじもとゆうき「キラメキ銀河町商店街」。前回のお話で、サトがクロへの恋心に決着をつけたかに見えたが、今回でまた揺り戻し。今度はクロののほうも今までのようではいられなくなりそうで、いろいろとありそう。それにしても今回の泣き濡れるサトはけっこうかわいかったなあ。

【雑誌】花とゆめ 6/5 No.12 白泉社 B5平

 5/20発売分。別冊付録「2008花とゆめ♥ フェティッシュStories」がついている。200ページ弱と厚手の小冊子で、モリエサトシ「白磁」、古都和子「ガクラン王子」、中村世子「プライベートアロマ」、空安宿「背中の君」、七瀬咲輝「てのひらサイズに恋してる」の、フェティシズムがらみの読切5作を掲載。

 この中ではモリエサトシ「白磁」が良いです。引きこもって絵を描いている24歳の若き天才画家・明春が、ある日出会った女子高生・生花の透き通るように白い肌に魅了される。生花も明春の純粋な性格に引かれる。そしてあるとき、生花に絵のモデルを頼んだ明春は、対象の感触を知る目的で生花の肌に触れ、これまで体験したことがなかった感覚に戸惑うようになる。ちょっと艶めかしい描写を入れつつもトキメキのある恋愛ストーリーに仕上がっていて面白かった。絵のほうも端整でほの甘くて良い。花とゆめではギリギリラインのエッチさ加減かな? まあそれでも昨今の基準からすると十分上品だけど。

 本誌掲載の読切、豆ノ木悠「最高半径5m」は、かわいくて成績優秀だけどすごいドジっ娘なヒロインと、彼女を子供のころからずっとガードしてきた幼なじみ男子の物語。ヒロインさんはあまりにも過保護な彼から自立しようとしているが……。まだ描写がゴチャゴチャしてるかなという感じもあるけれど、元気の良い作風でまあまあ面白く読めた。

 壱春こま「つがりびと」は、人体兵器にする目的で設立された研究所から抜け出した少年と、彼を連れ戻すべく派遣されたハンター的な青年の心のつながりを描いたストーリー。かわいげのある絵柄にはまずまず好感が持てる。ただ読切でやるには設定が大きめな感じがするし、ファンタジーっぽすぎかなあって気もしないではない。

 絵夢羅「今日も明日も。」は安定して楽しい。少女漫画家をやってるあんちゃんと、彼の元で漫画家修行中の少女のほのぼのコメディ。今回は雨の中、突風でモノが飛ばされて来たときに漫画家にーちゃんがとっさに彼女をかばうシーンが、ラブコメテイストにあふれていて良かったです。まだ15歳であどけないヒロインさんがかわいい。

【雑誌】COMIC XO 6月号 オークス A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 あわじひめじが初登場。「MOTHER GOOSE」。銀行に立て籠もった強盗グループにより、子供を人質にされた女性が激しく強姦されるが……。奥さんがガッツンガッツンやられている様子はわりとエロっちい。ミリタリ系の描写についてはたぶんマニアックなのだろうなとは思うんですが、自分はその手のことにはまったく詳しくないのでどの程度なのかはよく分からんです。

 キイタカシ「ガーリィガーリィガーリィ!」。主人公・裕二が、アイドルたちを連れて合宿に行くが……。今回は普段はツンケンしているアイドルねーちゃんがわりとかわいかった。絵的にはエロ漫画としては異質だけど、これはこれでそれなりにかわいい。ただエロ漫画読者受けするかっていうとなかなか難しいかな……。


5/3(土)5/4(日)……騎馬駆りでアキバ狩り

【雑誌】ジャンプSQ. 6月号 集英社 B5平 [Amzn]

 内藤泰弘の読切「血界戦線」が掲載。人間の世界を脅かす吸血鬼を退治するべく、「牙狩り」を名乗る異能の戦士が戦うというアクションモノ。ハッタリを効かせ、キャラも立たせて派手なアクションを展開しており、きちんと楽しませてくれる。さすがにうまいですな。

 尾玉なみえも初登場。「ロボ合体バスコン3」というお話を描いている。3体のメカが合体することで完成する巨大ロボ、バスコン3の乗組員たちが、地球を襲う敵と戦っていく。もちろんそれだけだと普通のロボットものだが、尾玉なみえがそれで終わるはずもなく。バスコン3のメンツの行動はいちいちアホくさく、ねっちょりしているような淡々としているような独特のクセのあるセリフについ笑わされてしまう。バスコン3の合体のかけごえが「ゴーバスッキング」だったり、「イエッサー」が「バスッサー」だったりするゴロの悪さがヘンな味を出してて、個人的にはツボでした。ところで、掛け声が「ゴー ロボット名」だったり、三体合体の順番を変えると別の形態になるってのは、アクエリオンの影響ですかね。

【雑誌】月刊少年ライバル 6月号 講談社 B5平 [Amzn]

 2号目。週刊少年ジャンプでかつてヒットを飛ばした作家が豊富に控えていたジャンプ系列と違い、講談社のライバルはちと作家陣の層が薄いのではないか……という印象を受けたのが前号。それについては変わらないんだけど、「そういえばこの人がいたな!」と思ったのが、今号で登場した西山優里子。読切で「臆病者よギターを取れ」という作品を執筆。学校の同級生たちと組んでいるバンドで、技術はあるけど地味でパッとしないことから「地味のジミー」と呼ばれていた少年が主人公。彼はボーカルの女の子が好きで、彼女のためにも頑張ろうとするが、なかなかうまく行かずに思い悩む。そんなときジミーは、公園でエアギターでROCKしている男に出会い、彼によって多いに刺激を受ける。

 かっこ良さげな青春バンドストーリーをやっているのだが、クライマックスがエアギターという、なんだか見ようによってはマヌケな感じにも見えるお話をガチで構築しているのが西山優里子らしい。さすが「DRAGON VOICE」を描いただけのことはあるわーと、本気で感心してしまった。このダサカッコイイというか、カッコヨダサイというかな感じはこの人ならでは。いろんな意味で面白い。

 永吉たける「いますぐクリック!」。ロールプレイングゲームの勇者の行動が、実際の世界だったらどのように映るかというのを漫画にしたギャグ。全速力で走ってきてビシッと止まり「はなす」と呟いたり、民家を荒らしてタンスからゴールドを持っていったり、同じところをうろうろしてモンスターを虐殺しまくって経験値を稼いだり、ハタから見るとドン引きな異常者っぷりがかなり面白い。タンスを勝手に漁るとかいうネタは、まあこの手のギャグ漫画ではありがちといえばありがちなんだけど、勇者のキャラがかなり妙ちきりんに描かれているうえ、見せ方がうまいので笑える作品に仕上がっている。さすが。

 あと連載では、中邑天「ギャル男THE爆誕!」が今回も下らなかった。「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」系のアオリ文句をビシバシ駆使して、オタク男がカリスマギャル男として周囲を圧倒していくという内容がかなり下らない。まあこの芸風でどこまで行けるかはよく分からないし、メイン読者層にネタが通じてるのかはよく分かりませんが、とりあえず頑張ってほしい。

【雑誌】コミックメガストアH 6+7月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 今月は合併号。来月は1回休んで7月2日発売号からリニューアルが行われるらしい。そのリニューアルを備えているせいか、今号はいつもよりラインナップ的には若干小粒な印象。

 イシガキタカシ「おーえんシよ!」は、応援団の部員とチアガールの女の子のラブラブHを描いたお話。明るい絵柄で女の子の身体つきとかは健康的。パイズリシーンとかもまずまず実用度は高かった。10mo「同棲愛者」。幼なじみの女の子が、大学進学を機に主人公の家に転がりこんできて……というお話。主人公が奥手、幼なじみ娘が無口ということもあってなかなか想いが伝わらなかった二人だが、彼女の積極的な行動のおかげで一線を越えるというお話。こちらも甘ったるさが好印象。

 上乃龍也「はじめてなお嬢様」。クラスメートのすごいお嬢さまと、雨の日に同じ電車に乗り合わせてしまった主人公。電車の仲で密着してしまったのことで興奮して、エッチなことをしてしまう……という内容。雨でヌレヌレになり、下着がスケスケになっている様子がエロっちくて良い。あと絵柄のほうもスッと洗練されてきていて、なまめかしい。赤人「うちの魔王さま」。普段は無口な妹がオナニーしているのを目撃してしまった兄が、なんだか彼女に命令されてエッチなことをしてしまう。瑞々しいロリ絵でがキュートで、ツンデレ感あふれる妹もかわいい。

 SYU「YO・BA・I」。背がちっちゃくてすごくかわいい姉の部屋に夜な夜な忍び込んでオナニーしていた弟さんだが、姉がそのことを承知していたと知り、両想いHに突入。ちまちましたお姉ちゃんがかわいくて甘ったるい後味も良好。あおいにゃおこ「すたでぃー」、URAN「イキヌキ♥しようよ」」といったところは、女の子の体つきが豊満で目をひいた。とくにURANは勉強中の兄を誘惑している妹のボディーがぷりぷりつやつやしているのが良い。

 初登場の清暢「純情すとーきんぐ」は、後輩男子とつき合いたいために、イジメられがちな彼を守ろうと付け回していた先輩女子の願いが成就……という内容。初登場だが、明るめな絵柄はまずまずいい感じ。つるんとした質感の身体もエッチで良いと思います。

【雑誌】桃姫 6月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 尾野けぬじ「微妙な関係」は4話め。彼女が、親友女子とレズ関係にあったことが判明したが、今回はその親友女子もまじえてのエッチ。親友女子と主人公の間に恋愛感情が芽生えるってことはあまりないかもしれないけれども、3人でそれなりにうまくいくかなーという雰囲気にはなってきた。次回で事態をどうまとめるかってところ。

 天誅丸「正義のミカタ」。無口系でちょっとツンツンした感じのめがねっ娘なヒロインが、学校の準備室で二人っきりになった男の子に迫るという内容。いつもながら量感たっぷりでピチピチしたおっぱいがエロっちく、ヒロインさんもわりとかわいかった。

【雑誌】MUJIN 6月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 くりつよしひろ「天才少女探偵 黒匣華恩の冒険」2話め。わりと泥臭いタイプの絵柄だけど、けっこうはっちゃけた雰囲気を出してるのが楽しかったり。美少女探偵の黒匣華恩(くろばこかおん)が、捜査先の学校の生徒会長によって「黒バカニャオン」とあだ名をつけられたり……といったくだりがやけにほのぼの。でもやってることはレイプものだったりもする。けっこう先が読めなくて楽しみだったりします。

 ホリエ「寡黙な男と喧し女」。MUJINは初登場。口うるさくて他人の曲がったことは許せない女の子・三鷹さんと、その幼なじみである岡谷くんの物語。岡谷くんは身体がゴツくて人相も怖く、不器用、口下手なので誤解されがちだが、実はすごく優しい心の持ち主。普段は言葉には出さないけど好き合っている二人が結ばれる様子を描いたラブラブストーリー。初登場ということであんまり洗練されていない感じだけど、主人公少年の、純朴で不器用な姿にはけっこう好感が持てた。お話もきれいにまとまっており、なかなか良かったと思います。


5/2(金)……功夫お笑いカーニバル

【雑誌】別冊ヤングマガジン 5/23 No.27 講談社 B5中

 宮下英樹「センゴク外伝『桶狭間戦記』」が新章に突入。これまでは今川義元側から描かれてきたこの作品だが、今度は織田信長側からのお話となる。今回は主に信長9歳のころの人となりが描かれている。相変わらず力の入った作品作りで読みごたえあり。作:村生幸三+画:山本康人の新連載「右近左之介」。歌舞伎の名門・音村家の跡取りをめぐって、二人の男、右近と左之介がが火花を散らしていくという物語。山本康人らしい濃い作画で、こちらも力強い作品。

 ぢたま(某)「kiss×sis」。今回は圭太の受験が終わったということで、おつかれさまの温泉旅行。姉×2と3人だけの旅行ということで、エッチな予感がむんむん。今回はそんなにきわどいことはやってないけど、次回はかなりみっちり来そうな感じで楽しみ。

 作:寺門ジモン+画:刃森尊「ネイチャージモン」。これまではアウトドアな話がメインだったけど、今回は寺門ジモンが焼肉うんちくを語りまくるという内容。彼が名店と語る「スタミナ苑」で、うまい焼肉を堪能する。肉や焼き方について語りまくりすぎでちょっとウザいけど、焼肉自体はたいへんうまそう。焼肉食いたい欲をむらむら刺激された。自分はあんまり外食しないんで焼肉は滅多に行かないんですが、それだけにこういうのは刺激が強いといいますか。

 新井英樹「RIN」。リンと立石の試合がヒートアップ。試合が進むに連れて、リンがどんどん楽しそうになっていき、その天才性が余すところなく現れてくる。楽しそうにボコスカ殴りまくるリンの様子はすごくかっこいい。ただこのまますんなり終わるかというと、それはなんとも予想がつかない。試合後の因縁とかもまた出てきそうではあり、目が離せない。別冊での掲載なんで続きがすぐに読めないのがもどかしいところ。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 6/1 No.6 白泉社 B5中 [Amzn]

 高島知宏の新連載「パンダ漬け」が開始。平凡な親子3人によるホームコメディだが、お父さんはなぜかパンダ。一見かわいいパンダではあるけど、無職でブラブラしており、なおかつ娘が通う幼稚園の先生と不倫関係だったりしてけっこう不良。高島知宏は明るくてかわいい絵をしており、ちょっとヘンな話も描くのでわりと好き。

 甘詰留太「ナナとカオル」。ナナのストレス解消、カオルの趣味充足のためにソフトSMにチャレンジ中の二人。今回は首輪をつけて野外引き回しプレイに挑戦。といってもまあ四つん這いになるわけではないし、服も着たままではあるけど、ドキドキ感を盛り上げる演出は上々。直接的な露出は少なめでエロを盛り上げていこうという試みはわりと面白い。

【雑誌】ヤングガンガン 5/16 No.10 スクウェア・エニックス B5中

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。修行の甲斐あって、犬塚がちょっとたくましくなってきた。今後は武術もちゃんとできるようになっていきそう。次に登場するときは、ちゃんとカッコ良くなっているのではないかと思われ、今後の成長が楽しみ。たまには胸のすくような活躍もしてほしいもんです。

 小林立「咲−Saki−」は副将戦が終了。他人から自分の存在を消せる「ステルスモード」の使い手であるモモがもうちょっと頑張るかと思ったけど……。で、次はいよいよ大将戦で咲が登場。そしてこれまでさんざんその存在を煽ってきた天江衣も登場とあって、お話的にはだいぶ盛り上がりを見せている。彼女たちがどんな闘牌を見せるか楽しみ。あとどんなサービスシーンがあるかも当然のことながら。

【雑誌】ヤングガンガン 6/6 No.11 スクウェア・エニックス B5中

 勇人「はなまる幼稚園」。No.10では柊、No.11では小梅にスポットライトを当てて、それぞれの頑張りを描いた。そのため、つっちーや杏、山本先生らの存在感はあんまりなかったけど、柊&小梅もやっぱりかわいいのでこれはこれで良い。ほのぼのしたいい話を展開しており、やっぱ面白いです。

 金田一蓮十郎「ニコイチ」は新展開。菜摘さんの勧めもあって、いよいよ息子・崇くんに、お母さんがお母さんでないことをカミングアウトしてみよかーっていう話が浮上。この作品的には一番ネックになりそうな部分だっただけに、なかなか先は険しそう。とはいえけっこうサクサク事態を進行させていく作品なんで、わりとあっさりカミングアウトさせちゃうかもしれない。デリケートな問題だが、どう扱っていくか気になります。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/16 No.19 日本文芸社 B5中

 渡辺保裕「ドカコック」が掲載。相変わらずたいへん面白いです。今回ドカコックこと京橋建策は、土木現場ではなく、マグロ漁船に乗り込んで、漁師を奮い立たせる料理を作る。大ざっぱ極まる物語展開、無駄なくらいに豪快な料理風景、そしてそれを見ているギャラリーたちのノリのよさ、料理に土方や漁師の心象風景を重ね合わせる素晴らしい演出の数々など、たいへん見どころが多いです。渡辺保裕の力強い絵と、マヌケたストーリーが絶妙なマッチングを見るたびに、「ユーアーマーベラスドカ!!」といった称賛の言葉や、笑いがほとばしる。男の心を小刻みに揺さぶる作品です。現在は第4話。早く単行本にまとまるくらいの分量がたまるといいですなあ。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/23 No.20 日本文芸社 B5中

 スゴいぜ、巨大熊! 高橋よしひろ「銀牙伝説WEED」では、北アルプスの麓の沼で、何メートルもあろうかという巨大ワニと、さらに巨大な白熊が闘っております。いやー、日本も恐ろしい国になったもんですな。こんな怪物たちが大した脈絡もなしにぼこぼこいるとは。なんだか夢が広がります。

 あとこの号では、「薫風お笑いカーニバル!!」と題して、ショートギャグ漫画がいくつか掲載。小池田マヤ「ドMな極道姐さん〜性技なき日常〜」、風間やんわり「5月の正しい使い方」、こいずみまり「亀甲商店街未亡人八百屋 桃谷つゆ子」、ほおりゅう♥りき「ワシ流小田舎ぐらし」の4本立て。この中では、小池田マヤ、こいずみまりの女性作家二人の作品が良いです。ちょっとお色気系のネタを入れつつ、きちんとギャグもやってて楽しい。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 5/30 No.21 日本文芸社 B5中

 高橋よしひろ「銀牙伝説WEED」。前回、巨大白熊が倒して、食いかけのまま貯蔵しておいた巨大ワニを発見した犬たちが、「うめェーっ」と感動しながらもりもり食ってます。ワニの皮って犬がそんなにもりもり食えるほどやらかくないのでは……って気もするけど、きっと土に埋めたおかげでいい感じに柔らかくなったんだろうと推測。白熊さんは素材の生かし方がうまいですな。ユーアーマーベラスクマ!!


5/1(木)……寵児食う

▼ようやく5月分の日記に突入したんでいちおう。OHP月極アンケート5月分「期待の新鋭作家2008」やってます。よろしくお願いします。

▼更新遅れっぱなしですみませんが、5月15日くらいまでの雑誌感想はあらかた書き終わりましたので、これからずらずら放出していく予定です。もうちょっとお待ちください。

【雑誌】月刊ヤングジャンプ 6/6 6月号 集英社 B5中

 漫革がリニューアルし、「月刊ヤングジャンプ」となった。ヤングジャンプの増刊という扱いについては変わらず、基本的なテイストもまあ同様かな。

 野部利雄の新連載「タイムスリッパー YUKIの跳時空」がスタート。父親が忙しくしている間に、母娘の関係がギクシャクしていたご家庭が舞台。そこに高校生だったころの母親がタイムスリップしてきて……というところから始まる物語。少女時代の母が現れた代わりに、現代の母のほうは消えていて、奇妙な家族生活が始まるといったストーリー。とりあえず滑り出しはまあまあってとこですかねえ。

 作:橋本以蔵+画:壬生ロビン「アンダードッグ」。こちらも新連載。存在感が非常に薄くて、学生時代から「空気男」と呼ばれていた主人公。彼は定職にもつかず、盗撮などを趣味とする鬱々とした生活を送っていたが、ある日そんな彼に一人の美女が声をかけてきて、得体の知れない「トーナメント」への参加を促される。まだトーナメントというのがどんなものかは全然分からないんだけど、「LIAR GAME」とかそんな感じの話になるのかな〜といった気配。壬生ロビンはけっこうアツく激しい作品を描ける人なんで、まずは続きに期待。

 水無月すう「へ〜んしん!! 〜そなたバーディ・ラッシュ〜」も新連載。ものすごい巨乳の女子プロゴルファーそなたは、練習場ではものすごく正確なショットを連発するが、極端なアガリ性で、試合となるとまともなプレイができずにいた。そんな彼女を見込んだ謎のスポンサー男が、彼女にコスプレをさせてゴルフの大会に挑ませる……というお話。そのコスプレがちょっとスイングしただけでパンツの見える、こっぱずかしい魔法魔法少女姿であり、煩悩爆発な内容。水無月すうはサービスたっぷりのなかなか愉快な作品を描く人だし、女の子もかわいいしで、これはけっこう面白くなりそう。何より見ためがとても華やか。この雑誌の中でもパーッと目立つ。

 「花さか天使テンテンくん」の小栗かずまたはヤンジャン系初登場。地獄の閻魔さまがバリバリのギャル系であるという設定で、「ぎゃる♥エン」という作品を描いている。最初はドタバタギャグ調だったが、途中からけっこう読ませるいい話になっており、悪くない出来です。特徴はあるけど嫌味のない画風だし、ヤンジャン系にもけっこう合いそう。

【雑誌】近代麻雀 6/1 竹書房 B5中

 前田治郎「ナグモ」。博打島において幹部候補に潜り込んだナグモだが、その候補者の下級階層で陰湿なイジメがはびこっており、苦闘することとなる。一見シリアスっぽいのだが、イジメの内容がごはんにうんこを盛られるとか小学生レベルですごくしょうもなくて笑ってしまった。ガチガチのシリアスな勝負をやるかと思えば、アホらしい展開もちょくちょく見せていて、なんだか妙な味わいがある。

【雑誌】近代麻雀 6/15 竹書房 B5中

 5/15発売分。

 ゲストで武村勇治が登場。「卓上のホンネ」。よくできた彼女とつき合いはじめたが、彼女に自分を大きく見せようと虚勢を張る彼氏。つき合うまでは童貞だったのにさも経験豊富なように騙り、さらにデカい態度をとろうとする彼氏に彼女がブチ切れ、麻雀で逆襲する。軽くサクッと読める内容でまずまずといったところ。最初は清楚で可憐な感じで登場したが、途中から豹変するヒロインさんがわりと美人で魅力的。

 押川雲太朗「リスキーエッジ」。引き続き緊迫感があって面白い。劣勢に追い込まれた吉岡が、腹をくくって自爆覚悟の策で青柳をじりじり追い込んでいく様子は迫力たっぷり。チョンボ覚悟でノーテンリーチを連発する、通常ならば愚策といえる作戦が、じりじり相手を心理的に圧迫していく過程はなかなか読みごたえあり。面白いです。

【雑誌】ポプリクラブ 6月号 マックス B5中 [Amzn]

 ヤスイリオスケが新連載開始。タイトルは「ショッキングピンク!」で、三国志ネタの漫画。といっても舞台は現代。名前が「諸葛孝明(もろくず・たかあき)」であるせいで、昔からからかわれていた主人公あんちゃんの元に、「わたくしの軍師になってください!」という素っ頓狂なおねえちゃんが現れる。彼女は自身のことを劉備玄徳であると名乗り、軍師就任の要請を受諾しない孝明に色仕掛けで迫ってくるのだった……という第1話。まあ設定はぶっとんでいるものの、女の子は相変わらずかわいいし、この人の特徴であるピチピチした巨乳は健在。むっちりした乳がたいへんにおいしそうで、巨乳好きにはたまらんものがあります。お話は今後どうなるか分からないけど、まあ気楽に読めそうだし、エロもラブコメもちゃんとやってきそうなんで期待。

 De「体育倉庫でドッキリ」。体育倉庫に閉じ込められた二人がエッチ。小生意気なツンデレ系のヒロインさんがたいへんかわいい。いつもながらお尻がちっちゃくて、表情がキュートでよろしい。おっぱいは終始見せないものの、この人の作品の場合はあんまり関係ないかな。そういった個々のパーツよりも、ペンタッチも含めた全体的なかわいらしさが魅力な人だし。なお、Deの最新単行本「放課後♥まっどてぃーぱーてぃー」が6月27日発売決定とのこと。楽しみです。茶否「ねこみけ」は、人型の猫娘さんが、ご主人様と一緒に寝ているうちにエッチな気分になって……というもの。これもまたつるぺた系。生意気だけど甘えん坊な猫ちゃんがかわいくってええです。

 井ノ本リカ個「おもちかえりっこ」。酔っ払って記憶のないまま、チンピラにからまれていた女の子を助けちゃった主人公が、そのまま彼女をお持ち帰り。記憶があやふやなままにやっちゃった明くる朝、目覚めた二人がもういっぺん……というお話。ショートカットのヒロインさんが、子供っぽい顔だちでしっかりかわいい。でもおっぱいは大きくてふよふよです。きっかけはドタバタだけど、お話全体に甘ったるい雰囲気が漂っていて心地いい。BENNY’S「星占いキラ☆キラ」。主人公が学園祭のときにやったいい加減な星占いを信じちゃった年上女性が告白してくる……という、かなり棚ぼた系なお話。お姉さんの乳はばいんばいん。安定した味わい。

 中年「ホントウにあった小猥話」。幼なじみ少年・佑太と、ずっと「男同士の親友的な関係」を保ち続けていたいと意固地になっている女の子・冬香。しかし、いい加減娘を女の子らしくさせようとする親御さんの策略によって、冬香と佑太は二人っきりで夜を過ごすことになり、佑太も自分の気持ちを抑えられなくなってしまう。ほんのり甘い絵柄がやっぱり良いですね。ちょっとゴチャゴチャ詰め込み気味の描き方にも、独特の味があります。


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