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「つれづれなるマンガ感想文」5月後半
「つれづれなるマンガ感想文」6月後半
一気に下まで行きたい
成年コミック雑誌。執筆者:みた森たつや、あろひろし、山本よし文、毛野楊太郎、ちんじゃおろぉす、あらきあきら、はりけんはんな、吉野小雪、島本晴海、天羽双一。
「さらくーる」みた森たつやは次号で最終回。うわ、なんかものすごく盛り上がってるよ。ああ、単行本で一気読みしたい!
「フンッ こっちは20世紀から21世紀にかけてオナニーする『世紀越えオナニー』だぜ!!
週刊漫画アクション連載のエロコメディ。ほぼ毎週、連載の感想を書いているのであらためて書くことはあまりない。しかし、他の人がどう思うかはわからないが、こうしたタイプの「やりまくりエロコメ」としては画期的に男根主義というかマッチョイズムからかけ離れていることに、個人的には注目している。
・「ぷるるんゼミナール」(1) ながしま超助(2001、双葉社)
(01.0615、滑川)
今週はまず「虹色ラーメン」馬場民雄がよかった。いくら流行りだからといって、ラーメン屋をメイド風ウエイトレス姿で手伝うひかりちゃん(頭部にナルトのマーク付き)。いちおう味もわかってるっぽいのがシブいっスよ。
攻略パチスロコミック連載。確率論をベースにパチスロを打ち、攻略法の記事を書くスロプロ・しのけんの日々を描く。1巻では人間ドラマも多少あったんだけど、この巻ではもっぱら攻略やパチスロ業界への提言といった内容が多く、まったく門外漢の私には少しキツかった。もしかしたら連載方針が変わったのかもしれん。
成年コミック。たぶん「夢雅」とかに載った読みきりを集めたものだと思う。
成年コミック雑誌。Hマンガ家のエッセイ「俺のエロ魂」がいつの間にか復活してた。
・「Oh! My DOG」 毛野楊太郎
国家が人間をランダムにさらっては、「犬」に改造して飼う(そして犯したりする)世界のマンガ。シリーズとしては3回目か。
・「ソニア ソニック!!」 果愁麻沙美
第2回。前回を読んでいないのでお話がいまいち見えなかったが、なんか女の子がペニスケースの付いたヒーロースーツみたいのを着て街中をウロウロしたり、股間から出るビームみたいので駅を破壊したりしていた。やっぱりこの人、天才かも。
・「去年、戦争が始まった」 山田一人
ある日突然宇宙人が襲来、人類と戦争になる。このため、男は戦闘要員、女は慰安要員にならなければならない。慰安要員に選ばれると、いつでもどこでもアナルを貸さなければならない……という悪夢マンガ。だが、なんだか飄々とした絵柄と、トボけた展開でほとんど陰惨な感じはしない。
「晒し妻」ふじいあきこ、原作/秋山道夫は、人妻が全裸にレインコートでコンビニに現れてエッチなことをする話。「フリークス ドミ」環望は、連載第5回目。厳格なミッション系の学園でさまざまな変わり者女学生が出てくるマンガらしい。シリアス路線。
「オヤジくさい」とか文句を言われたりもする本誌だけど、オヤジ対象なんだからオヤジ臭いのは当然だ。指摘されるべきは、むしろ誌面の自己啓発的アッパー系テイストだろう。今日は気分が落ち込んでいるので、落ち込み気分でそこら辺にポイントを置いて感想を書いてみる。
まず、タイトルは忘れたがマンガ家のインタビューが、なくなったらしい。なくなってよかった。以前から思っていたが、個人的に作家のインタビューにあまり魅力を感じない(謎の作家、幻の作家とかなら別だが)。あまりにも結果オーライすぎるからだ。インタビューの観点にもよるが、おそらくマンガを描く人にとって、メジャーマンガ家のインタビューはほとんど参考にならないのではないかと思う。正反対のことを言っても同じように成功している人がいるのが、作家やマンガ家だと思うから。
「蒼天の拳」原哲夫、監修/武論尊は、……思いかげないことに落ち込み気分を増幅させない。あまりにも浮世離れした話だからだろう。たとえ八極拳でも、北斗神拳には勝てっこないわけだし。
「株式会社大山田出版仮編集部員 山下たろーくん」こせきこうじを、私はフォローする者であるが西村編集長(少年ジャンプを大部数に持っていった偉い人)ソックリのキャラクターまで出てきてはウンザリしたくもなる。しかもタイトルまで変わってしまった。「バカバカしいの!」を描いたときの「ガモウひろ椎野」よりひどい。
「リプレイJ」今泉伸二、ケン・グリムウッド。ダメ中年が若返って若い頃にタイムスリップ、人生をやり直そうとする話。こんなことあるわけないので読んでて落ち込む。「炎の料理人 周富徳」はいったい何巻まで出てるのか。主人公の唇が厚いのが気になる。ケン・グリムウッドって、原作者のW・ウッドと何か関係があるのかと思ったら何も関係なかった。
「ワイルドリーガー」渡辺保裕と「眠 狂四郎」柴田練三郎、柳川喜弘は、面白く読める。まあ一種の超人の話だからなあ。
「貧民の食卓」おおつぼマキは読んでて意外に落ち込む。外食ばっかりで金がなくなってきたという個人的事情による。
「男たちの好日」城山三郎、ながいのりあきは、だんだん面白くなってきた。「○○をつくった男たち」のように、連載当初、明確な打ち出しがない理由がだんだん明らかになるような気がするから。
「TURKIEY JUNKIE」にわのまことは、読んでいてなんか落ち込む。プロレスそのものよりも、プロレスビジネスにおいて自分の主張を通していこうとする主人公が「サラリーマンマンガ」的だからだろう。もっとも、それが「リアルファイト」ではなくむしろ「エンターテインメント」なプロレスであるところがヒネリなんだけどね。
「ガウガウわー太」梅川和美と「Restore Garage251」次原隆二は、両方とも一種の職人(「わー太」の方は超能力入ってるが)を描いたモノ。職人モノほど、ハマるときはハマるが落ち込むときほど落ち込むものはない。まあ私ゃ、右のモン左に動かすだけのような仕事しかしてないのが現状だから。
「熱血紅湖」ヤン ゼヒョン、ジョン グッジンは、新連載第二回。韓国のマンガらしい。おれ的には、もうこれはちょっと……。コレが韓国のマンガの最高水準とは思えないのだが……。絵柄の古くささがどうのなんてヤボなことは言わないが、1回で戦闘シーンがまったくなく、お話の流れにメリハリがない。
なんというのか、ぶっちゃけた話「GON!」とか「BUBKA」みたいな感じでややエッチ寄りな雑誌。なんでここで紹介するかというと、「アタックNO.まん」かわかずおという読みきりが載っているから。
あと町野変丸が「変丸NEWS」というのを連載している。これは毎回、時事ネタにひっかけたエロマンガというコンセプトらしい。今回のテーマは次世代移動通信サービス「FOMA」だったんだけど「フライングオマ●コの略」ってコトで、本当にオマ●コが空を飛んでる絵が描いてあるようなマンガでした。
記事部分には「コミックバウンド休刊の理由」とか、マンガのゴシップネタみたいのもときどき載っている(今月号は載ってないみたい)。グラビアモデルは、人気の出そうな人を早めに押さえているといった印象でレベル高いです。巻頭は岡田薫、あと藤川のぞみとか現ミニスカポリスの服部真由子とか。ゲームWAVE現アシスタントの森本さやかとかです。
ネットでチラホラ目にするので買ってみた。私は最近、なるべく「萌え」という言葉を遣わないようにしているのだがまあ簡単に言って「女の子萌え萌え系雑誌」。
雑誌はたいてい面白そうなモノから拾い読みしていく私であるが、今回は知らない作家ばかりということもあり1ページ目から読んでみた。……雑誌半ばくらいで自分は何をやっているのかと自問にかられた(笑)。いや作品のデキ云々の話ではなく、カワイイ女の子が出てきてほのかな恋愛やそこそこのパンチラが出てきて、絵柄は全体的にほぼ統一されていてまあ「萌え」系、というのが、なんだか……カルチャーショックなんだよな……。
ンでまあ「疾風! 幕末お助け少女隊Pフォース」高雄右京とか「魔砲少女四号ちゃん」丸山トモヒロとかいった作品は、「美少女アニメノリ」という言い方で、私と同世代の昔マンガ読んでたけど今読まない人にもわかっていただけるとは思う。しかし丸山トモヒロ「坂物語り」大倉らいた+たなか友基あたりは何と説明すればよいのか。
そんな中、最後の方に載っている「鋼鉄の少女たち」しけたみがのは、「萌え萌え」攻撃の中でなんだかふわふわしてきた不安な気分を落ち着かせてくれた。
その他「大魔法峠」大和田秀樹は、ベタにおちいりがちなネタをうまく料理している魔法少女パロディギャグ、「さるやの二人」佐伯淳一は「裸でコートをはおって人前に現れる(要するにヘンタイね)」という奇習の村というヘンな着想が面白い。「進むフリ。以下略。」平野耕太は、ただオタクが居酒屋でチンタラ文句を言っているだけという本誌全体を引き締めるスパイス的な作品。むかーし大塚英志とかがよくも悪くも眉間にシワを寄せて言っていたようなコトを、「ンなこと言ったってオレらはこういう生き方しかできねんだよッ」とブッ描いたことは、永遠に記憶されていい。
何度も繰り返し断ってはいるが、私はパチスロを含めギャンブルをあまりやらない。
本誌は、3月号くらいから読んでいるが個人的印象では「パチスロ7」より攻略部分などがわかりやすいような気がする。ドラマ部分もメリハリがきいてて、感想文書くのにはこっちの方がいいかもしれん。
「ドンキホーテのパチスロ漫遊記」谷村ひとしは、写真とイラストを組み合わせた、地方のパチスロ店レポート。
その他、マンガ&攻略記事たくさん、です。
「エイリアン9」アニメ化に合わせた増刊号。それと「花右京メイド隊」かな。対策係やメイド隊のコスプレ美少女グラビアなんかもあって、ファンは満足なんじゃないでしょうか。
他にもいろんな番外編とかタイアップとかが載っている。
・「エイリアン9 特別編」 富沢ひとし
時期的には主人公3人がエイリアン対策係になってから、1カ月後。プロット的には実によくあるお話(目立たない少年・竹田がエイリアンの力を借りて暴れ回る)なんだけど、なんつーかその突き放し具合と、矛盾するようだけど女の子の可愛さの描き方が絶妙。さすがの特別編。
コレはさあ、たとえば「忍者武芸帳」で無惨に殺されていく農民たちや、「バイオレンス・ジャック」でジャックに女の子が首をふっとばされるシーンからずいぶん遠いところに来て、また近い描写だと思うんスよ。
「花右京メイド隊」もりしげは、まあ番外編らしい番外編、「スプラッシュ・アイランド」葉月京は人魚の研究家と無人島にひとり住む謎の美少女との恋、「メグミックス」倉島圭はかけあいで笑わせる、若手お笑いコンビ的ギャグマンガ(けっこう面白い)、「オヤマ! 菊之助」瀬口たかひろは新撰組の時代にタイムスリップしちゃう特別編。
他に、SALADA、大藤玲一郎、大熊ジン、有希うさぎ、丸尾末広が描いている。
・「ヒッサツ!」 伊藤清順
「ぶかつどう」の伊藤清順の新連載、第3回(先月号で第1回、2回が同時掲載だったため)。サングラスをとった校長の正体が明らかに。おお、これは油ものりきって最高のデキだと思うなあ。ここに出てくる必殺技、あまりにも面白いんでぜひみんな読もう。
新連載は「ブリーチャーズ」鈴木ダイ、山口陽史。中空から飛来した謎の男・イオは、地球を無に帰すために冷凍睡眠から冷めてやってきた超古代人であった。彼は少女・神野琥珀とともに、超古代文明を利用しようとするヤツと戦い、与喜島に突如現れた円柱の建物を探るために旅立つ。
・「バキ」 板垣恵介
フ〜、ようやく本当に決着したドリアン戦。しかしだ、コレは言わせてもらいます(以下ネタバレあり)。
ドリアン編は、けっきょく「一度も負けたことがない」ことが「一度も勝ったことがない」という事実にドリアンが気づき、敗北を認めたところで終わる。これは私が読んだかぎり、自分の欲望を押し殺すことによって重ねてきた勝利が偽りだったと、ドリアンが認識したということだ。
新連載「生命のダイアリー」取材・原作:達山一歩、漫画:小山田いくは、若くして逝った女性の日記を元に構成されたノンフィクション。
「ラブひな」赤松健。他人のイチャイチャを見せつけられるほどアホらしいものはないのであって、「新婚さんいらっしゃい」がいまだに続いているのは出演者の顔がおうおうにして普通以下だったりして「別にうらやましくねえや」という気分にさせてくれるからだ。本作はそのような、いかなる意味においてもおれのような読者を仲間に入れてくれるような要素はなさそうだ。マガジンにおけるラブコメの歴史は長いが、しょせんはモテ男が嫌われないように自慢話を描く技術を磨いてきたにすぎない(……なんつうひでえ言い方だ)。
「コータローまかりとおる!L」蛭田達也。私は「コータロー」の熱心な読者とは言い難いが(でも20冊以上は読んでると思う)、この作品が好きだ。ここ10年で言えば、本誌の中で「途中から読んでもとりあえず面白いマンガ」ナンバーワンなのではないか。読みやすさ、入りやすさだけではなく、格闘技マンガとしてもけっこう面白いし。女の子の描き方はふたむかし前な感じというか、新連載当初からちょっと古くさい感じだったけどそこがまたイイんだよな〜。というわけで私は渡瀬麻由美は好きだし、「この頭はそっているだけだ!」っていうセリフを読んでても何かホッとする。
あっ、今週は私の好きな「ぷるるんゼミナール」と「魔獣狩り」が載ってない……。
「しりけん」さつき優は女の子の尻に異常に興味を示す少年の起こす騒動、って感じの作品。この人のマンガはどこかのんきでリラックスして読める。真の癒し系マンガ。反対に独特の緊張感を漂わせているのが読みきり「キレル奴」ZERRY藤尾。サラリーマン・天乃は決して優秀とは言えないが、周囲からも「にくめないヤツ」と思われている。だが上司の女性はなんとなく気を抜けないでいる。そして彼女の予想どおり、その正体は……という話。
「熱血紅湖」ヤン ゼヒョン、ジョン グッジンは、新連載の武侠マンガ。すいません、漢字出ないんで作者名をカタカナ表記にしました。韓国の人気マンガを翻訳して掲載。荒廃し乱世を迎えた「武林」という武侠世界で戦う韓飛光、淡花倫の運命を描くマンガらしい。左から右へ読む形式にまだこちらが慣れていないこともあり、ちょっと読みにくい。お話もまだ見えないので、様子見といったところです。
まだ鈴木その子氏が存命中、というか人気的には絶好調のときに出た、彼女の半生を描いたマンガ。しかし少々看板に偽りありで、コシマキにもある「美白の女王」になるまでの経緯は描かれず、もっぱら鈴木氏の本業(?)である「ダイエット料理研究家」の側面が描かれている。まあダイエットマンガの企画の一貫らしいので当然と言えば当然か。
マンガ的にも、まあ「ふつう」な展開。ただしあまりにもキレイゴトという感じでもなく、「悪」の対象が「ケチで不摂生な母親」、「自分のダイエット方を批判した医師」、「言うことを聞かないスタッフ」など、かなり明確に描かれてはいる。
「ふたりエッチ」は、エッチに不慣れな新婚夫婦がお互いをいたわりながらエッチを学んでいくというような話のマンガで、ものすごく売れているらしい。
コレがさらに関連作品となると、もっとわからなくなる。本書は、歌人の林あまりが「ふたりエッチ」と関連のある感じのセックスを詠んだ短歌に、克・亜紀のイラストを織り交ぜたという企画の本である。
おそらく、本書は愛し合う男性がいる女性が、その追体験をするための本なのでは、という予想はできたが、個人的に、知り合いでもないかぎり「仲のいい男女」を見ていることほどバカバカしいこともない(自分の心が狭いことはよくわかってます)。
ASUKA掲載。ネットオークションを題材にした少女マンガ。
作者はASUKAで、浮世離れした冒険モノとかミステリ、デニス・ホイートリー原作のオカルトモノなんかを描いているらしい。個人的にはいがらしゆみこの「おませなマーメイド」とか浮世離れした少女マンガは非常に好きだったんで、あっさりなじんでゆけた。
栗本くんの通う高校の桃原みよ子先生は、栗本くんには幼稚園児にしか見えない。しかし、そう見えているのはどうやら彼にだけで、彼以外にはみよ子先生はナイスバディの美人教師に見えている。そんな不条理世界で、次第に幼稚園児のみよ子先生にひかれていく栗本くんの葛藤の日々(?)を描く。
藤子不二雄のSF短編のような悪夢世界を、サラリとコメディとして描いている。ものすごく深読みすれば、自分の暗黒面も覗けちゃうような設定だと思うが、あまりに厳密な読み解きはヤボというもんだろう。もっとも、本作をコメディたらしめているのはここ20年で「遊びとしての」ロリコンに世間一般が寛容になってきたからということは確実に言える。この場合は現実のロリコン云々より、それが繰り返し描かれてきたことによる日常化というかベタ化というか。
・「スクライド」 原作:矢立肇+シナリオ:黒田洋介、戸田泰成
今週から新連載。まだきちんと説明されていない「ロスト・グラウンド(無法地帯)」に現れた「反逆者(トリーズナー)カズマ」が、悪と戦う話になるらしい。「異様に自由を主張する教師」などのカリカチュアライズされたワルモノ、「覚悟のススメ」とか「バロン・ゴング・バトル」みたいな主人公とかが出てきて、チャンピオンの伝統芸ともいえる「そういうタイプの話」になるらしい。
・「バキ」 板垣恵介
まァここまで来るともうどうでもいいというか、コレは苦しいでしょう〜さすがに。あまりに終わったか終わらないかわからないというのは、読者に対して不親切だと思う。
・「エイケン」 松山せいじ
主人公の少年が、あこがれの女の子に忘れていった筆箱を渡そうと、どういうわけか女装して更衣室に忍び込むハメになるという話。今回はある意味オーソドックスな展開だが、表紙の「人気大ぶぁく発!!」っていう惹句がスゴイかなと。
・「D」 国広あづさ
読みきり作品。アネキの子供(三歳・女)が、薬の作用でピチピチギャルに変身してしまい、主人公の少年にまつわりついたりするという話。あれ、今回の「ななか6/17」八神健とネタがかぶっちゃってますな。
休刊号だとあって、ひさしぶりに購入。
……でですねえ、私自身はマンガ雑誌の編集をしたこともないし、諸事情あっての休刊だと思うし、終わっていく雑誌に文句を言ってもしょうがないとは思うんですが、お金を払って読んだことだし、あえて言わせていただくと(前置きが長いな)、全体的にあまりにパンチが弱すぎ。
たぶん小学館としては、「コロコロコミック」と「少年サンデー」の中間的な読者層を狙ったのだと思うが、んん〜なんか食い足りないんだよ! 「阿弖流為II世」という怪作を送り出しただけということに、けっきょくなってしまった。他作家でも、「阿弖流為」の路線で、というわけにはいかなかったんだろうか?
・「YOUNG キュン!」7月号(2001、コスミックインターナショナル)
・「ぷるるんゼミナール」(2) ながしま超助(2001、双葉社)
・「週刊少年チャンピオン」29号(2001、秋田書店)
・「プロスロッターしのけん」(2) やまもとしゅうじ(2001、笠倉出版社)
・「Hな身本(カラダ)って言わないでっ」 THE SEIJI(2001、桜桃書房)
・「アイラ」Vol.9(2001、三和出版)
・「週刊漫画アクション」26号(2001、双葉社)
・「コミックバンチ」5号(2001、新潮社)
・「ウォー! B組」マガジン・ウォー!7月号増刊(2001、マガジンマガジン)
・「エース桃組」Vol.3(2001、角川書店)
・「パチスロ7Jr.」パチスロ7 7月増刊号(2001、蒼竜社)
・「チャンピオン.エア」(2001、秋田書店)
・「月刊少年チャンピオン」7月号(2001、秋田書店)
・「週刊少年チャンピオン」28号(2001、秋田書店)
・「週刊少年マガジン」27号(2001、講談社)
・「週刊漫画アクション」25号(2001、双葉社)
・「コミックバンチ」4号(2001、新潮社)
・「鈴木その子物語」 寄田みゆき(2000、講談社)
【書籍】・「歌集ふたりエッチ」 林あまり、絵:克亜紀(1999、白泉社)
・「オークションスタート!」 中貫えり(2001、角川書店)
・「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」 ひな。(2001、角川書店)
・「週刊少年チャンピオン」27号(2001、秋田書店)
・「コミックGOTTA」7月号(2001、小学館)
・「YOUNG キュン!」7月号(2001、コスミックインターナショナル)
「激しい課外授業」毛野楊太郎は、ひたすらに責め、責め、責め。「痛いのがイイらしい」村崎先生へのムチ打ち、武内先生との半強制レズ、浣腸。……こうして説明してると、自分がスゴイ鬼畜な気がしてきてナンか気がひける……。
「調教」天羽双一は、付き合ったカノジョが実はマゾで、マゾへの責め方を教わるふつーの青年の話。この青年の顔が本当に「ふつー」という感じでイイです。
(01.0615、滑川)
・「ぷるるんゼミナール」(2) ながしま超助(2001、双葉社)
こんなスケールのでけえ事を考えられるヤツはオレくらいだろうな!!」
(本編48ページ、第13話「世紀またぎに性器をまたぐ」より)
で、男根主義からかけ離れていく→バイセクシャルとか男女の機微を描くとかという方向があって、それはまったく否定しないんだけど、本作は飄々としたノリ、思いきって言えば独自の方法で、このテのマンガの陥りがちなパターンをすり抜けている。あたかも超人の域に達した拳法の老師のように。
コレはもしかして、本作の主人公である菜々美(あるいは田嶋先生)のような淫乱な女の子の描き方に秘密があるのかもしれん。まあノホホンとした淫乱娘が登場することはHマンガでは珍しいことではないが、登場する男のマヌケさとのコンビネーションで、独自ののんびり空間をつくり出していることは間違いない。
・「週刊少年チャンピオン」29号(2001、秋田書店)
「生命のダイアリー」取材・原作:達山一歩、漫画:小山田いくは、連載2回目のノンフィクション。難病モノに終わらず、「医療ミス問題」にどのように肉薄していくのかが個人的に興味がある。
それと、「エイケン」松山せいじと「ななか6/17」八神健。
両方とも「非現実的なシチュエーションのラブコメ」ということでは共通している。「エイケン」は泳げない主人公に、発明好きの女の子がモーターを付けたら暴走して大騒ぎ、って話で、「ななか」はカゼをひいてしまった稔二を看病しようと、ナース姿のななか、同級生の雨宮さん、そして6歳児のくりこちゃんまで乱入してハチャメチャになるというもの。
「エイケン」も「ななか」も、アイディアとしてはよくある話なんだけど、「コメディ」としての面白さは断然「ななか」の方が上だと言わざるをえない。で、同じ観点で評価を下してはいけないんだけど、じゃあ「エイケン」の方がまるっきりぜんぜんダメかっていうとそんなことはないと思う。むしろ「エイケン」的なしょうもなさと展開が、ラブコメマンガの重要要素っていう気がする。ストーリーテリングという観点のみで見ると、このテのマンガって評価できないと思う。巻末コメントの「チャンピオン・エアは当然買った」というのもナイスであった。
(01.0615、滑川)
・「プロスロッターしのけん」(2) やまもとしゅうじ(2001、笠倉出版社)
ただし、コラムにあった「欠陥やプログラムミスを突いた攻略法」がどのように広まって、ホール側が対策して終息するかを調べたっつーのは情報の広がり方のケーススタディとして面白かったですね。
(01.0615、滑川)
・「Hな身本(カラダ)って言わないでっ」THE SEIJI(2001、桜桃書房) [amazon]
テイストとしては……作者のコメントにあるように、「男のエッチなわがままを許してくれる女の子」とか「女の子の性欲が溢れてくる様子」ってのが主眼として描かれているんじゃないスかね。シチュエーションとしてはレイプものとかもあるんだけど、どちらかというと鬼畜さを追求するというよりは、そういう描写に重点を置いているのでは。
作品としては、病気の父親のために全裸で野菜を売る八百屋の娘「弥生ちゃん奮闘記」、美少女が本屋で手にとった「受験マガジン」が、実は中身は露出系エッチ投稿雑誌で、それを見てモヤモヤしておさえきれなくなった少女が露出プレイに踏み込んでいく「罠」、コメディ調のモノでは「修行僧の禁欲がホンモノかどうか確かめるために」と頼み込まれて、美少女がお寺にハダカで住み込んでお坊さんを誘惑(?)する「禅寺」などが印象的でした。
どれもけっこう読ませます。
(01.0614、滑川)
・「アイラ」Vol.9(2001、三和出版)
「犬もの」をHマンガでワンジャンルとして確立したのが海明寺裕さん。単なる「犬責め」ってんじゃなくて、社会規範そのものが「犬」の存在を認めるというドラえもんの「もしもボックス」みたいな世界を描いてきた。まあ「尻尾」を付けたりもするんだけど、基本的には価値の転倒で人間が犬になるとうもの。私の個人的興味は、そういう「ジャンル」に毛野楊太郎が参戦してきたことにある。
毛野先生の場合、犬にされた人間は耳や尻尾、手足などを犬風に改造されてしまっている。記憶を消されたりもしているそうなので、価値の転倒だけではなく外的処置のウェートが高い。
さらに今回は、「犬」は寿命を縮めるために「テロメア短縮処置」というのを施されているという説明も付いている。「犬」の存在理由が法的に確立されているなど、世界観の構築はかなりカッチリとしていて、意図的に矛盾点をつくったり、世界観の全貌を語らないことで効果をねらう海明寺版犬世界とはその辺りが異なる。そんな中、両作家のSF世界の構築の特徴について思いをはせたりなんかもしてみるのであった。
ラストのSFっぽいオチがラブリー。
(01.0614、滑川)
まずカンケイない話だが、「月刊ヤングマン」って休刊してしまったようだ。数カ月前から突然いつものコンビニで見かけなくなり、休刊。夢枕獏原作の「ハイエナの夜」は単行本化している。永井豪の「どろろん淫靡ちゃん」は……1巻ぶんには足りないかなァ。もしかして、私が「波に乗った」と解釈したときには休刊が決定していたのかも……。残念。
「日本人」柳沢きみおは最終回だが、アッと驚くあまりに何も起こらない展開。いいのか。第一部完で、「第二部を含めた単行本化構想も進行中」って……もしかしてまだ第二部は1ページも描いてないのでは? いいんだろうか? 柳沢きみおっていつもこうなのか。驚嘆すべき投げっぱなし最終回であった。
「軍鶏」橋本以蔵、たなか亜希夫は第三部に突入。中国の打撃系格闘技「散打」がでてきましたな。格闘技マンガ的興味アリ。
「しりけん」さつき優はいつもながらもある意味癒し系。毎度のことだが出てくる女の子がカワイイ。
「魔獣狩り」夢枕獏、木戸嘉実は、早くも終盤戦。もうちょっと戦闘シーンに肉や骨がぶつかりあうような迫力が欲しいところ。でも蟠虎のデザインはなんかスゴイね。
(01.0614、滑川)
・「コミックバンチ」5号(2001、新潮社)
(01.0612、滑川)
・「ウォー! B組」マガジン・ウォー!7月号増刊(2001、マガジンマガジン)
コレは、鱒原もだえという鮎原こずえソックリの女の子が、クラスメイトとエッチしたりコーチとエッチな特訓をしたりという、由緒正しいエロパロマンガ。本誌では同じ作者がもう17回も「パチ漫」というシリーズとして毎回さまざまなマンガを題材にしてエロパロを描いている。私の知るかぎりでは「MMR」、「巨人の星」、「石森版仮面ライダー」、「少年アシベ」、「キテレツ大百科」、「スーパードクターK」、「キン肉マン」などが題材となっている。絵柄もコマ割りも極力似せていて、全部エロネタにひっかけるという単純にオモシロイマンガなので一読してみては如何。
(01.0612、滑川)
・「エース桃組」Vol.3(2001、角川書店)
執筆者は、高尾右京、天津冴、七海史+下北沢鈴成、丸川トモヒロ、天王寺きつね、まりお金田、大倉らいた+たなか友基、天王寺きつね+阿倍野ちゃこ、SAA、林家志弦、桜沢いづみ、ひな。、奥瀬サキ、大和田秀樹、みずのまこと、佐伯淳一、しけたみがの、平野耕太、サムシング吉松。
なんというか、かつてはこのテのマンガにあった「てらい」というか「照れ」のようなものがまったくないのね。
要は男の子との思い出の「坂」を探す女の子たちの話で、同じように思い出の坂を探す男の子の別の恋愛話なんかがからんでいくというもので、小説のコミカライズらしい。……このてらいのない、全体を通しての古風ともいえるピュアさは、「乙女ちっく」などと言われていた少女マンガより昔の、70年代から80年代頃まであった少女小説のノリかもしれない。しかもこれを男の子が読むのだ! いや、メメしいなんてヤボなことはむろん言わないが、本誌のコンセプトも含めて、こうしたマンガが出てくることになった背景を思うと、思えば遠くへ来たもんだと言う感じがとてもするんである。
近未来というか架空世界で少女たちが戦車戦をするというアクションマンガだが、どうやらちゃんとしてるらしい(私はミリタリーには門外漢なのでわからん)戦車の描き込みや、役立たずと思われている部隊のがんばり、それを率いる中尉と軍曹の心のつながりなど、普通の戦記モノとしても読める。
むろん「少女ばかりの軍隊」というだけで通常の意味のリアリティはないが、その辺りは80年代を通過してきた者にとってはたいした問題ではない(それに、いちおう「なぜ少女ばかりなのか」の説明も作中なされている)。見開きを効果的に使って、戦車戦を盛り上げ、敵のライバル的存在もほのめかされる。ちょっと続きを読んでみたい作品だ。
(01.0611、滑川)
・「パチスロ7Jr.」パチスロ7 7月増刊号(2001、蒼竜社)
理由はお金と時間がないからという単純なもの(あと負けると悔しい)。だから、ギャンブルマンガ誌のマンガにどう評価を加えるかはむずかしいところなのだが、ボチボチと感想を書いているというわけです。
「やんちゃ外伝」しのはら勉、監修/射駒タケシは、「パチスロ7」連載中の「やんちゃブギ」の主人公の高校時代を描く。とにかく高校時代からパチスロ。パチスロマンガには「ゲームは1日1時間」のようなおためごかしは存在しない。今から10年以上前の、ヤンキーライフ&パチスロって感じ。
「ぶっちぎりスロッターMAX」岡村茂&TEAM紅、原案協力/高木MAXは、ほとんど毎号本誌の表紙を飾っている作品で、スロプロ・高木MAXの日常とパチスロ攻略を描いたアッパー系。
「マミヤックナイト」畠山耕太郎、リールアドバイザー/岡本コーイチは、片目の執事みたいのを連れた超大金持ちの主人公が、パチスロ店に訪れてはわけありの客に攻略法を教えるという妙なテイストの人情話。
「Theプロフェッショナル」藤沢ケイジは、新連載。「獣王を解析した男」前編。今回の主役はパチスロ雑誌の理系編集者。スロットのメインROMのプログラム解析をするという、ただでさえ私にとってわからんパチスロをさらにわからない方法で解析しようとする男の話。もしかしたら少年マガジンにたまに載る「ナントカをつくった男たち」調か。
「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、ギャンブルマンガに多いパターンである無根拠に明日を信じる超イケイケアッパー系、やくざな世界にわかっちゃいるけど浸かり込んでしまう自滅系、自分の情けなさを笑ってみせるギャグ系などとはちょっと異質。
主人公のスロプロ・堀田圭一は、ときおり自分のスロプロ生活に疑問を持ってしまう、いわば「素」に戻ってしまう26歳。本作は、あまりにもアチラ側の世界へ行ってしまっている筋金入りのプロとは違い、二十代後半の一般読者ならだれもがフッと感じるような「ダークな感じ」がよく出ている。
女友達・中島の髪の毛に混じった白髪を見て自分のトシを感じてしまったり、突如就職したくなり、友人・福田に頼み込んでまたやめてみたり、夢の中で幸運の女神に「あなたの人生は紙屑同然の人生ですね」と言われたり……。今回も、スロットやってる最中にふと感じる寂しさみたいのが出てて、シブい。他のキャラクターも良くて、堀田が毛嫌いしているパンクにいちゃん・飯塚(堀田をやたら挑発しまくる)とその彼女・リサとか、イイ味が出ている。
「ボンバーG」りゅうりゅうじは、ガテン系の岩(がん)さんが熱くスロットをしまくるが、そのわりには毎回トントンで満足、というアソビ方のマンガ。オカルト情報にはオカルトマークが付いている。
「パチスロクイーン銀子」高島龍一、スタジオふ〜は、オナニーが趣味のイケイケネーチャン・銀子が主人公。確かこの作者は「漫画アクション」で、大食いの女の子の読みきりマンガを描いていたと記憶するが、とにかく絵柄・展開ともにやたらとダイナミック。毎回、取り上げる台にちなんだ敵(たとえばバイク関係のだったら暴走族とか)と対決するのがミソ。
「スランプ・マン」野村直樹は、「スランプグラフ」とかいう統計でパチスロをやるサラリーマン・坂道ノボルの話。私は門外漢なもんでまったくわからないが、この「スランプグラフ」ってのは信憑性あるのだろうか???
(01.0609、滑川)
・「チャンピオン.エア」(2001、秋田書店)
個人的には「エイリアン9」って、陳腐な言い方をすれば個人の力ではどうにもならない、権力だと気づかれもしない権力構造を描くマンガだと思っている。しかも必ずしも批判的でなしに。
この「特別編」では、「目立たない男の子」竹田が対策係によって退治されて後、先生が「竹田君はちょっと後遺症が残っちゃうわね」とサラリと言う。そのことより、飼っていたエイリアンの死を残念に思い、その後「みんなにはもっと成長してもらわなくちゃね」と言うラストのザンコクさ。
で、「エイリアン9」という作品のすごいところは、たとえば圧制によるディストピアや、もうちょっとひねくれて映画「マトリックス」のように「住民には知られないようにつくられた世界」というのとも違って、完全に皮肉っているわけではなくて、「どうやら居心地はいいらしい」という妙にふわふわした世界を描くことに成功しているということだと思います。だから読者にとってすら、竹田は「秩序を破壊するなんとなくウザい存在」として見えてしまう側面もあるという。なんてコワイマンガなんでしょう。
好みにもよるだろうが、「草の扉」吉川うたたは24ページでよくまとまったヒロイックファンタジー的マンガ、「電気じかけのおやゆび姫」東雲水生はカノジョとケンカした少年が、育成型美少女機械人形「姫」を育てる話でけっこうよくできていると感じた。
「ドリーマーズ」柴田芳樹は、フロリダ州ホームスタッドにあるという「サンゴ城」について描いたノンフィクション(?)。1100トンものサンゴの岩を積み上げ家をつくった男の話。一人でつくった城としては「郵便配達夫シュヴァルの理想宮」を思い出すが、内容はこちらの方がオカルトじみている。岩を積み上げた方法がいまだに謎だというのだ。
ソレを成し遂げたのが33歳のときに16歳の少女にフラれた男だというのはなかなか泣かせる話なのだが、こういう話ってたいてい非常にトホホなオチがついているものだ。しかし、それでもなお面白い逸話だと予想できるのだから、単なる「謎の男」としないでもうちょっと突っ込んだ取材がほしかった。
(01.0608、滑川)
・「月刊少年チャンピオン」7月号(2001、秋田書店)
むちゃくちゃ大ざっぱに言って、「スプリガン」とかの、SF的設定がらみのアクションもの。原作の鈴木ダイは本誌で一貫してそのテの作品を描いてきた人だが、今回原作に回ったのはまた目新しくなってイイと思った。本誌では他にも笠原倫がゴルフマンガの原作(「タオの緑」)をやっているけど、基本的にはマンガ家が原作を手がけるって言うのは面白いんじゃないかと思う。まあそのヒトにシナリオを書くスキルがあるかどうかがネックになるんだろうけど。
「香取センパイ」秋好賢一は「ケンカは強いが人望がないバカな先輩」を描くヤンキーギャグマンガで好調、「未来人間GOGOGO」佐藤まさきは、昔は「幕張」っぽい感じが非常にしていたが、最近はそうでもなくなってきて面白いギャグマンガ。「BA−KU!」田辺真由美、桐坂真生は、古武道の達人やらカルト教団みたいのやらがからんで妖術は出るわ恐竜は出るわの宝探しモノ。だけど絵柄はどっちかというと女の子向けという妙なテイストだったが、今回が最終回。少年スケベマンガの「ためしたガール」山田こうすけも最終回。
(01.0608、滑川)
・「週刊少年チャンピオン」28号(2001、秋田書店)
しかしそこに気づく劇的瞬間というのが、作中で描かれていない。これはいちじるしく盛り上がりを欠くことになる。それが描けるチャンスは、もし以前から結末を想定しているのならこれまでにいくつもあったはずだ。だが、おそらく読者の予想を裏切るために、あるいは本当に結末を決めていなかったために、それができなかった。
「ドリアン編」は、あまりにも読者の予想を覆すことに腐心した結果、全体を通してまとまりを欠くことになってしまったと言わざるを得ないだろう。
「スクライド」原作:矢立肇+シナリオ:黒田洋介、戸田泰成ってアニメ化されんのね。
来週あたりから漫・画太郎の連載が始まると思っていたのだが告知がないな。いつだ?
(01.0608、滑川)
・「週刊少年マガジン」27号(2001、講談社)
(01.0607、滑川)
・「週刊漫画アクション」25号(2001、双葉社)
「男知らずのイヴ」中嶋マコトは、SF的な設定何もなしに「尻尾がはえている女の子」を主人公にしたエッチ読みきり。当然そのしっぽをつかってオナニーしたりしている。古代文明史の助教授とエッチするとき「発掘作業になぞらえると燃える」というのがバカバカしくておかしい。かなり好き。
「日本人」柳沢きみおは、心臓を患って会社をやめた男と、女を事故で殺したと思い逃げてきてしまった男との奇妙な旅の道行き、という設定。次から次へとふりかかる事件で先のまったく予想できないマンガとなったが、なんとわずか15回で次週最終回らしい。いったいどういう決着を付けるのか? それと、タイトルの意味がいまだにわからない。
(01.0606、滑川)
・「コミックバンチ」4号(2001、新潮社)
「現在大無職 再就職活動中 山下たろーくん」こせきこうじは、どうやらたろーは出版社に入り編集者になるらしい。私はこの作品、嫌いではないが、おそらく作者がいちばん身近なサラリーマンとして編集者を題材にするのはどうかと思う。今やアクションの「おさなづま」みたいなわりとリアルっぽい(いやじゅうぶんマンガ的アレンジはされてるでしょうが)編集者像が描かれてる昨今、なんか違うものにした方がよかったのでは? 第一、万が一雑誌が休刊したときに、ものすごく気まずい決着の付け方をしなきゃならなくなるよ。
あとベテラン勢は盤石、って感じ、「眠 狂四郎」柴田練三郎、柳川善弘と「ワイルドリーガー」渡辺保裕も面白い。
そろそろ連載ラインナップが揃ってきたと思うんで書きますが、やっぱりここはひとつものすごく目新しい新人というかイマドキ感のある作家を一人入れて欲しいところ。個人的に。
(01.0606、滑川)
・「鈴木その子物語」 寄田みゆき(2000、講談社)
それと、「鈴木その子物語」は100ページほどで、後は別の読みきりマンガが収録されている。
鈴木その子氏の死後、出版予定だった自伝は封印されてしまったようだが、ぜひとも読んで本作と付き合わせてみたかった。
(01.0606、滑川)
【書籍】・「歌集ふたりエッチ」 林あまり、絵:克・亜紀(1999、白泉社)
私みたいにイビイビと日々隅っこで生きていると、あまりにもメジャーなもの(例:宇田多ヒカルや浜崎あゆみのアルバムなど)はいったいだれが買っているのか、周囲に直接の消費者がいないままに、そのセールス記録だけが抽象的にイメージとして植え付けられてしまう。「ふたりエッチ」という作品もまさしくそのタグイというか、「どんな人が読んでいるのか」顔が見えないままにその売り上げだけを目の当たりにして、呆然とする。
ちょっとひねくれたマンガ漁りをしていると、一回転して超メジャー作品に行き着いたりする。そのような経緯でこの作品にもブチあたったのだが、読後、どんな人が主要読者なのかが最後まで見えないままだった。むろんそれは本作が悪いのではなく、私がひょんなことから紛れ込んでしまった場違いな客、ということなのだろう。
臥薪嘗胆という言葉が合っているかわからんが、モテない自分を律するための自己啓発の書として本書を読ませていただくこととする。
(01.0606、滑川)
・「オークションスタート!」 中貫えり(2001、角川書店)
ブランド好きの女の子がネットオークションにハマるが、詐欺にあってしまう。未成年なので警察に届けるわけにもいかず、いけすかないブランドマニアの青年(バイセクシャルだそうだ)に相談するが……という話。約60ページで、あとは女の子がカッコいい男の子2人と山に宝探しに行く「ざっくざっくホイッ!」収録。
(01.0605、滑川)
・「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」 ひな。(2001、角川書店)
あえて「萌え」という言い方を避けてみると、子供の「可愛さ」と成人女性に欲情も含めたかたちで感じる「可愛さ」の障壁がとっぱらわれることの自分に対する罪悪感、みたいなことが多く描かれるようになったということか。コレは「異性の他人」と「身内の可愛さ」をきわめてアイマイに描いている「妹萌えモノ」にも言えることなんだけど。
(01.0604、滑川)
・「週刊少年チャンピオン」27号(2001、秋田書店)
(01.0601、滑川)
・「コミックGOTTA」7月号(2001、小学館)
「新宇宙戦艦ヤマト」松本零士はひさしぶりに読んだが、CGの組み合わせと見開き大攻勢というとんでもないことになっていた。まあ私の視点はすでに「大御所がどこまでやるか」という、本来のマンガの楽しみ方とは少し離れたところにあるのだけど、……これもともとのファンが見たら泣いてんじゃないかなあ……。この間、「ぱふ」の1979年に出たやつを古本屋で買ったら「テヌキデス」っていうエメラルダスのパロディマンガが載ってた(あ、もちろんどっかの知らないやつが書いたモノね)。……やることは20年間変わらないんだよねえ……。
「シザーズ」橋口たかしは美容師という珍しい題材と少年マンガ的王道の展開で、たぶん本誌の看板だったであろう作品。途中読んでなかったのでよくわかんなかったが、なんか美容師専門学校で洗脳したりしてた的描写が。「超速スピナー」でも似たようなのがあったけど、好きなんだろうか。
「ナインハンドレッド」カサギヒロシはさわやかな感触のスケボーマンガ、「ClockClock」森田崇はアインシュタインの時代を描いたタイムスリップものらしい。アルセーヌ・ルパンが登場するなど、なかなかに楽しい展開。「Walkers」岸みきおは前後編の後編。やはりタイムスリップもので、「ポンペイ最後の日」に材をとる。このマンガ、金持ちの御曹司の名前が「オンゾーシ」で、奴隷娘の名前が「イレド」ていうだけでスゴイなと思った。いや冗談じゃなく、ときどきはこういうのもなくちゃいけない。
上記にあげた作品も決してつまらなくはないものの、どれも4番バッターとしてはイキオイが弱かったと思う。他の作品も合わせて全作通して共通の、よくない意味でのマッタリ感があるんで、どうしたもんかと思いました。
(01.0601、滑川)
「つれづれなるマンガ感想文」5月後半
「つれづれなるマンガ感想文」6月後半
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