つれづれなるマンガ感想文12月前半

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一気に下まで行きたい



・「狼くん突風」(1) 中垣慶(1983、少年画報社)
・「天馬の風」(1) 松葉博(1997、エニックス)
・「Let’s 武闘派」(1) 高嶋俊満、小林一雄(1994、集英社)
・「新空手三国志」(1)〜(2) 古山寛、峰岸とおる(1991、92、徳間書店)
・「武士沢レシーブ」全2巻 うすた京介(1999、集英社)
・「大地がゆく!」全2巻 柴山薫(1990、集英社)
・「熱拳! ムサシ」全2巻 細野不二彦(1992、93、徳間書店)
・「月刊マガジンZ」1月号(1999、講談社)
・「週刊少年チャンピオン」1+2号(1999、秋田書店)
・「東京ヌード学園」 ぐれいす(1999、エンジェル出版)



・「狼くん突風」(1) 中垣慶(1983、少年画報社)

少年KING連載。柔道の町道場に居候する14歳の少年・黒崎狼(くろさき・あきら)は、亡き父・健之介が研究していた体術「狼流」を完成させることを目標にしている。「狼流」とは、あらゆる拳法・武道・格闘技を超えた、忍法にも近い一撃必殺の体術。また格闘技以外のスポーツにも応用が可能である。
お話は、狼(アキラ)が未完成の狼流を使いいろんなスポーツに参加したり、狼流完成のための修行をしたり、道場の娘・美鶴(ミツル)とのラブコメがあったりなどして進んでゆく。

私が連載当時から疑問だったのは、「未完成の格闘技が役に立つのか?」「未完成の格闘技を一人の練習で完成させることができるのか?」「狼流とはいったいどんな体術なのか?」等々である。
今回、ひさしぶりに再読したら、なんと「狼流の基本は正統柔道」とある! いかにも打撃系格闘技のように見えて、実は「当て身のある柔術」、あるいは「古武道を現代風にアレンジしたもの」なのかもしれない。しかし謎であることには変わりない。
この「狼流は謎の拳法」というのは、「試合はやらない」アキラが、柔道の試合で見せた「狼流っぽい試合の展開」が、マンガ的表現としても「なんだかわからない」描写になっていたことからもわかるのであった。
……などと半可通的妄想に浸ってみたが、作者にそれほどの構想はなかったと思う。
だがムリに考えてみれば総合格闘技系の体術らしいところが、オタク的には面白いわけだ。

もちろん、本作の目的は拳法云々というよりも、「悩める、カワイイスポーツ万能少年」アキラくんを描くことにある。そしてアキラのガールフレンド、ミツルがもんのすごくカワイイので、くだらんツッコミはやめてそこに耽溺すべきであると考えるものである。
……にしても「中学生の少年が拳法を完成させる」とはなんと無謀な設定か、とも思う。せめてあらかじめ完成したものを会得する、ということにすればまだスッキリしたのではないかと思うし、実戦拳法を完成させようとすれば人間と戦うしかないと思うだのが、なぜか一人練習ばかりしている。でもそのおかげでさわやか学園ものになっているんだけどね。
夢枕獏の「獅子の門」じゃあるまいし、いきなり「犬を殺してこい」とか、そういうんじゃ困るしネ。
(99.1215、滑川)



・「天馬の風」(1) 松葉博(1997、エニックス)

ガンガンWING連載。日本古武道に天狗の能力を組み入れて誕生した武術、それが「神天扇流」である。その修行に邁進する14歳の少年扇天馬(おうぎ・てんま)、彼の練習仲間でガールフレンド?の七々緒(ななお)、フルコンタクト空手風の謎の拳法「鬼神覚真流」の使い手・結城硝(ゆうき・しょう)などが、必殺技を駆使しながら互いを鍛えあっていくストーリー。
絵柄はムリヤリ表現すると「キャプテン翼(古い?)のやおいとかやってそう」……す、すいません、いい表現が見つからなくて……。作者は女性で、かわいい男の子を描く人です。

さて、内容はというと、「両手で風を起こす」などの「神秘系の技」や、スタンディングでの駆け引きを必要とするわりとリアルな技とが混合しており、そうした中、なんでもありルールの「愛宕山戦神祭」がはじまってしまうなど、ごった煮的な印象。
……んで「バーリ・トゥード(なんでもあり)」という名称を使っていながら参加者のほとんどが打撃系の古武術という、作者の知識の偏りを示すことになっている。
が、あとがきで「格闘モノを、と編集部側から注文があったので、一生懸命勉強した」と描いてあって、勉強して描いたとしたらかなりよくできた内容になっていると思う。何より熱血スポーツモノのツボを心得ているから安心して読める。それすらもワカッテナイ人がたまにいるから困るんである!
(あとがきのあるなしで本編の印象はかなり変わったと思うが、あとがきだって作品の一部なのだからいいのである)

まあ「言うだけ番長」の私としては、戦闘シーンで「なぜ●●をやらないのか!?」などの無責任なツッコミを入れてしまったのは大人げなかったか。
「古武術系バーリ・トゥード」というとどうしてもゲーム「ヴァーチャファイター」を連想してしまうのだが、掲載誌もゲーム系? だし、ごちゃごちゃ言うのはヤボかもしれない。
だがひとつだけ! やっぱり寝技系の選手を一人でも、雑魚でも入れた方がよかったのに……とは思った。それか、ルールを「立ち技のみのバーリトゥード」とするか……。今後出てくるかもしれないけど。半可通のくせにうるさくてゴメン、おれ。
(99.1215、滑川)



・「Let’s 武闘派」(1) 高嶋俊満、小林一雄(1994、集英社)

月刊少年ジャンプ連載。華園実業高校の1年・朝倉武は、いつもいつもいじめられているいじめられっ子。
だが公園で自殺しようとしているときに、拳法の達人である謎の坊さん・天海に出会う。彼の強さに心酔した武は、弟子入りを願い出る。
武の実家(風呂屋)に居候した天海と武の特訓が始まる。天海の教えるのは、ルールのある武道でもなく、虚勢の手段であるケンカでもない、ふたつの長所を取り入れた「武闘」であった!!

ひとことで言って「ハッタリではなく、実力で勝っていく『カメレオン』(マガジンでやってるマンガ)」。ケンカのやり方が少林寺拳法らしきテクニックにのっとっているところが面白い。ホント、実は最初あなどっていたがちょっと引き込まれちゃいました。
(99.1215、滑川)



・「新空手三国志」(1)〜(2) 古山寛、峰岸とおる(1991〜92、徳間書店)

実戦空手「骨法流」の使い手・土方俊郎が、戦国乱世の格闘技界に戻ってきた。「気の力で相手に触れずに倒す」という気功武術を使う麻生修一郎に、戦いを挑むために……。
最初はトリックだと思っていた麻生の「気功」に、おそるべき破壊力があることを知った土方に、策はあるのか!?

フルコンタクト空手、伝統派空手、そして日本古武道の流れを汲む骨法流の三つ巴の死闘を描いた「空手三国志」の続編。今回は、「気功武術」および戦場格闘技と土方との戦いを描いている。
以下続刊だが、売ってないのでまだ読んでない。

前作から6年の歳月を経て、現実の格闘技界も変わった。巻末では前作では付いていなかった「堀辺正史氏の骨法とは無関係」という但し書きもついているし、なんとなく梶原チックだった作品世界も、U系やシューティングがモデルの格闘技が出現。新時代の感触がする。
「ケンカ屋」土方の、さまざまな格闘技を取り入れていく戦いも、投げや関節技を使ったりと「総合格闘技」の影響が見られる。

作品年代的には「グレイシー柔術」や「アルティメット大会」出現の直前にあたるわけだが、土方と麻生の試合の中でも
「転ぶことや地面に手をつくことさえ敗北と考えてしまいやすい日本の武道家にとっては まったく意表をつかれる奇襲となるわけですな!」というセリフがあるなど、グラウンドからの攻撃や徹底した寝技は当時も(「見る側」の中で)無意識に考えからはずれがちだったことがわかる。つまり、寝技中心の柔術はマンガの中でも考慮の外だったのだ(UWFの影響こそあれ)。
麻生の使う「気」の扱いについても、この時期としては作品世界のリアリティの保持という意味でギリギリだったのではないかと思う。その点はウマイと思う。

なお2巻では、「どう考えてもあそこがモデル」という武道団体の、「どう考えてもあの人がモデル」な女性責任者が悪役格闘家にズコバコに姦られてしまうのだが、いいのだろうか……。まあ「実在の人物・団体とは関係ありません」って書いてあるからイイんだろうけど。
(99.1215、滑川)



・「武士沢レシーブ」全2巻 うすた京介(1999、集英社) [amazon]

週刊少年ジャンプ連載。「すごいよ!! マサルさん」の作者の作品。
牛乳学園ヒーロー部・国本ちはる、その兄ウミハルの前に現れた男・武士沢光沢。彼は非常に奇矯な個性の持ち主であった。ちはるは、廃部寸前のヒーロー部に武士沢を入れようと考える……。
いろいろあって後半、ヒーロー部秘密司令官・コマンダー矢吹(顔はホンモノの犬、「イヌーピー」なる小犬を5匹飼っている)やハワイから来た天才留学生、ピーター・ワッチメン、地球征服をもくろむ謎の怪生物「ゼリー」などが入り乱れ、話は混乱の様相を呈していくのであった。

……週刊ジャンプで全2巻、という長さや最終回のバタバタぐあいからいってたぶん打ち切りになってしまったんだと思う。どこかの書評で、「ギャグかシリアスかどっちつかずだった」って書いてあったけど、まぁそんなような感想を抱く。
主人公・武士沢は、「マサルさん」と同系列のキャラクター。マサルさんが非常に珍奇なパーソナリティでありながら「セクシーコマンドー部」をつくりたいんだな、ということはかろうじてわかったのに対し、武士沢は「ヒーローに憧れている」という設定はわかるが「どのようにしてヒーローになろうとしているのか」がさっぱりわからず、したがって現実世界に拠り所のないとことん珍奇な人物になってしまったように思う。
ヒーローに憧れてはいるが弱虫のウミハル、その妹でヒーロー部を建て直そうとするちはるも、本来なら武士沢のツッコミ役にまわるはずだが「ヒーロー部」という存在そのものがエキセントリックなため、「マサルさん」のフーミンやキャシャリンほどには常識人に見えない。これにくわえて「顔が犬」のコマンダー矢吹、ホンモノの怪生物などがくわわると、「めそ」のように本編には直接関係ないがゆえに多少突飛でもイイのと違い、突飛に突飛がかさなってどんどんわけがわからなくなる。

このため2巻に入り「ゼリーとの戦い」という方向性が見えはじめてから、「人気がないので路線変更したのでは?」と読者が感じた(らしい)のもムリないことだと思う。それに関しては2巻のあとがきで作者は否定しているので、最初からそうした構想だったということなのだが。

じゃあつまんないかというとそういうことはなく、やはり「マサルさん」とは違った試みをした作品、と言うべきなのだろう。「牛乳学園」や「おかゆ部(武士沢がスカウトされたマイナーなクラブ。マイナーながら揃いのTシャツもつくっている)」などの造語も絶妙だし、ジャイアン的悪者キャラクターの鬼嶋もすばらしい。

さて最終回は、いかにも「打ち切り」な感じをギャグに転換するために、「描けなかった部分を全部年表にする」というおおわざを披露してくれる。「ジャンプの打ち切りパターン」そのものをギャグにしたものとしては、かつて別の作者の「魔王(タイトル失念)」が確かそうだったし、「マサルさん」もトーナメント戦や「第1部、第2部」という分け方などをコケにしまくたところがあったが、本作は年表を用いたことで10年後まで描いているところがミソ。

後半まったく出なくなった鬼嶋の行く末まできちんと書いてあるところが激ナイスな作品であった。
(99.1214、滑川)



・「大地がゆく!」全2巻 柴山薫(1990、集英社)

月刊少年ジャンプ(88年)連載。「けっこう仮面」のオマージュではないかと思われる美少女プロレスマンガ「爆骨少女ぎりぎりぷりん」の作者の、熱血空手マンガ。
コレの内容に関しては何ともいいようがないが、2巻収録の読みきりが面白い。

「フォーカスBOY」はホビーズジャンプ(88年)掲載。パンチラ写真少年・一条写楽と、本格的に写真を学ぶ天才少年・神宮寺元との対決。
定番なんだけど、もって行き方もうまいし、つい引き込まれてしまう。決着の付け方もナイス。

「お返し人参上!!」は未発表作品。
19世紀ロンドンで、怪盗デュパン(実は貴族の息子ジム・ギルバート)の盗んできたモノを、知られないように「返してくる」、「お返し人」の活躍。日本人探偵・佐野周作、美少女エンジニア・ラナ、巨漢の人形師・フォンというキャラクター割り振りも面白いし、「返してくるように」と依頼された黄金像にも秘密がある。ラナの発明品もさりげなく複数出てきているし、何よりすごくまとまっている。全体的に宮崎駿っぽいけど。
残念なのは、フォンの人形師という設定がまったく活かされていないこと。
でも「お返し人」という設定が面白いんだから、シリーズ連載とかにすればよかったのに、と思わせる1作でした。
(99.1213、滑川)



・「熱拳! ムサシ」 全2巻 細野不二彦(1992、93、徳間書店)

少年キャプテンコミックスだが、少年キャプテン連載かどうかは不明。
まむし谷に住む小学生・山田ムサシ(ムリに形容するなら初期ドラゴンボールの「悟空」っぽいキャラクター)は、伝説の秘拳「雷音打(ライオンダ)」を猛特訓の末会得する。ムサシには、ヌンチャク使いの宇治木や身体を高速回転させる技「紅風車」を操る美少女・リリなどのライバルが次々に挑戦してくる。
やがてムサシの秘技をめぐって謎の巨大組織が動き出し……という格闘技マンガだ。

細野不二彦だから手堅いし、ほとんど忍法か超能力のような秘技も面白い。話のもっていきかたもスムーズ。
で、本編にまーったく関係ないんだけど、ライバルの一人・リリ。彼女は「人に命令されるのが大っきらい」で、ムサシの「兄弟子」である猪のコジローが気にくわないからといって猟銃で撃ちまくる。それで激怒したムサシと戦うことになるんだが、なんかさー、むっちゃくちゃ性格悪いんだよ。ムサシに負けた後、自分が撃ったコジローの背中に乗せてもらってたりしてな。

前から思ってたけど、細野不二彦のマンガって「気位が高くて、小生意気な女の子」がよく出てこない? しかも「憎めない」んじゃなくて、ぜったい最後まで言うこときかないっていうか、口では「ごめん」って言っててもペロッと舌出してるような、そんな憎たらしい子。

リリは、猪を猟銃で撃とうとした後に、ムサシにも銃を向けている。これ、まともに考えれば「女は殴らない」と誓っているムサシと彼女との戦いを描くために展開上残酷なことをさせた、ということだけど、普通に考えたって人に銃口を向ける子供って、かなりマズイんじゃないかなあ。いや、つまらんチャチャ入れではなくて、キャラクター造形上マズくない?
たぶん、作者自身がそういう冷酷な女の子が好きなんじゃないかと私は思ってる。
あと前も書いたけど五十嵐浩一富樫義博も、憎たらしい女の子が好きなんだろうな。よく出てくるもん。それか、私がとくべつ憎たらしい女の子が嫌いかどちらかだ。つーか嫌いですけどね。それくらいいつも読んでてひっかかるんだよなー。

こういうひっかかりって、流して読んでいると気にならないけど、真剣にツジツマ合わせしようとするとすごく気になってくる。そういうところに、ぜったい作者のクセって出ると思う。
よくおかしいと思うのは手塚治虫で、作品数はそれほど読んだことないけど主人公がギョッとするほど冷酷なことがある。それも「正義のために」とか「叱咤激励するために」じゃなくて、ただ単に冷酷。「ブラックジャック」とか「七色いんこ」がときどき(しかも突如として)そうだし、マイナー作品だが「未来人カオス」は馬に変身してしまう奇病が蔓延した宇宙人のために、カオスが一人その星を脱出する。だが次の週からは、まったく違う物語が展開する。
それも、「みんなのために薬を探してきて!」と叫ぶ馬に変身しかけた女の子の次のコマで、「あばよ……おれは宇宙商人になるんだ!」ってカオスが決意してる。馬に変身する奇病のことなんて忘れちゃってる。もうホントにただ冷酷なヤツなのだ。

これは、お話自体が冷酷だとか残酷だとかいうのとはちょっと違うと思う。そこだけ作者が自分でヘンだと思わない、死角のような部分だ。なんだかすごく気になるんだけど。
(99.1213、滑川)



・「月刊マガジンZ」1月号(1999、講談社)

初めて読む。確か創刊時、大槻ケンヂ主演のテレビCMが流されていた雑誌。
アニメ、ゲーム、カードゲームなどのコミカライズを中心とする。目玉は何だろ?
「∀ガンダム」、「ビッグオー」、永井豪、デビルマンものあたりか?

・「濃爆おたく先生」 徳光康之

最近、復刊されたプロレスファンのマンガを描いていた作者の「ガンダムおたく」同士の戦いを描いたマンガ。
初見だが、今回は主人公の暴尾亜空(あばお・あくう)先生が、おたくの番長・難平邪武郎(なんべい・じゃぶろう)と「対決」する。
コレが、「ガンダムを通じて自分の妄想を語り、他人を感動させる」対決。
番長が「GM開発史」「常に戦場への一番乗りを自慢にしていた連邦軍エースパイロットの話」を語れば、先生は「ジオニック社の特許がなければッ ガンダムに黒い三連星は勝っていたのに!! 話」を語って対抗する。
要するにアニメの設定に矛盾なく、裏のストーリーを構築するということなのだが、ここまで徹底していれば感心するしかない。
それにしてもジオンのモビルスーツはジオニック社とツインマッド社の2社が開発していたというのは裏設定にしても本当なのか? まあ面白いからイイが……。

・「カスミ伝△」 唐沢なおき

むかし(今もあるのかな?)、番号順に点をつないでいくと絵になる、っていうゲームというかそういうのが子供雑誌についていたけど、それを使った忍法が出現。
同じ「点を結ぶ」ということで星座も出現(出現……ていうか出現)。
なんかスゴイ。

・「こねこねファンシア」 ぶるまほげろー

いわゆる「ぷに」系のネコ美少女が出てくるほのぼの?マンガ。そのテが好きな人に。

・「AMON デビルマン黙示録」 原作:永井豪、漫画:衣谷遊

「デビルマン」の番外編的な話。アモンカッコいい。

・「機神」 永井豪

アンドロイドというか機械獣みたいのがガッツンガッツンに戦うマンガ。

・「STAND☆BYみ〜ちぇ!!」 永野のりこ

ちょっとこの回読んだだけでは話が見えないが、ドタバタラブコメだと思う。
永野のりこって、生きざま自体が本当にすげぇと思う。新幻魔大戦風に言うなら、一種の超人であろう。別に新幻魔大戦風に言わなくてもいイイど。
(99.1212、滑川)



・「週刊少年チャンピオン」1+2号(1999、秋田書店)

「悟空道」、「バキ」などの看板作品は鉄板として、プッシュしたいのは「がんばれ酢めし疑獄!」(施川ユウキ)「ルーンマスターゆうき!」(雄雛愛覚)

「酢めし……」はものすごく大雑把に言って「不条理4コマ」。連載開始当初はギャグに対するリアクションが少し「マサルさん」風かなー、と思ったが読んでいくうちに相当オリジナリティあると感じてきた。
タイトル下の1コママンガ、相当むずかしい、はずすとその後の4コマも読みたくなくなるむずかしい場所だと思うが、毎週毎週けっこう面白い。もちろん本編の4コマも面白い。
4コマのタイトル「こんな高校は駄目だぁ!」での「校長が念力で運営している」というツカミ(これでもツカミ)は不条理的にもギリギリのセンではないのか。実にスバラシイ。

もう1作、「ルーンマスターゆうき!」は、次々と襲い来る「ルーンモンスター」を理科の実験好きの小学4年生女子・向日葵優希(ひまわり・ゆうき)が理科の実験知識を活かして倒していくという話らしい。
絵がすごくカワイイのと(マスコットキャラの犬の「ゴルビー」がカワイイ)、理科の実験とモンスターとの戦闘を結びつけるという着想もひっじょ〜に私ごのみだ。

知り合いからは「子どもにうける科学手品」が元ネタ、もしくはコンセプトのヒントになっているのではないか、という指摘を受けたが、なるほどそうかもしれない。
どちらにしろ「理科の実験という合理性とファンタジックなモンスターとの戦い」ってだけでワクワクしてこないか!? 私はしてくる。
私のウスウスなSF知識ではポール・アンダーソンの「魔界の紋章」ってのが確か科学知識でモンスターをやっつける話だったが、お話のムリヤリさかげんと絵のカワイサですでにそれを越えたね本作は。
心配なのは種切れだ。(99.1206、滑川)



・「東京ヌード学園」 ぐれいす(1999、エンジェル出版)

成年コミック。ちかは、死ぬほど勉強して名門女子校に入学。期待に胸をふくらませて入った学園は、「性技」を学ぶトコロだった……。というわけで、毎回まいかいセックスについて学ぶちかであった。
担任は美人教師のリサ・スティックマァイヤ〜〜ン、男子生徒も実はいるのだが容姿端麗・成績優秀な10名ばかり。好奇心いっぱいのちかは「この学園って 超サイコー……」と大喜びするのであった。脳天気なマンガ。
(99.1201、滑川)

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