つれづれなるマンガ感想文6月後半

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一気に下まで行きたい



・「コロコロコミック7月号」
・「永井豪ギャグ傑作選2 お笑い仮面大進撃!」 永井豪(1999、集英社)
・「ヤングマガジン アッパーズ」7/7
・「東京魔悲夜」(1) 村上和彦(1994、竹書房)
・「それゆけ まりんちゃん」(1) 宮塢さなえ、野々村秀樹(1999、講談社)
・「まろ」 全2巻 永井豪(1971、1999、メディアファクトリー)









・「コロコロコミック7月号」

ビックリマン復活(ビックリマン2000)、ゾイド復活に伴いCGをふんだんに取り入れアニメ化、などがトピックスか。

・「スター・ウォーズ エピソード1」(麻宮騎亜)
麻宮騎亜とスター・ウォーズというのは、組み合わせ的には面白いと思ったが、実際読むとかなりわかりにくかった。映画がもともとわかりにくいシロモノなのか……。

・「幻のポケモン ルギア爆誕」(谷上俊夫)
別冊ふろく。映画のサワリだけをマンガにしたものだが月刊誌でのコミカライズなら上記の「スター・ウォーズ」のように前・後編か、本作のように1回こっきりの方がいい。というのは、月刊ペースで連載すると単なるダイジェストで終わるか、打ち切りっぽいまとめ方で終わってしまうことが多いような気がするから。
作者は週刊少年チャンピオンで「味狩り学園」なる料理マンガを描いていた人。
確かジャンプ出身。

・「デュエル・マスターズ」(松本しげのぶ、テクニカルアドバイザー:中村聡)
カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」のマンガ。「結局、偶然に左右されるゲームなのでは???」という素朴なギモンを、勢いではね飛ばしているところがヨイ。
(99.0629、滑川)



・「永井豪ギャグ傑作選2 お笑い仮面大進撃!」 永井豪(1999、集英社)

永井豪のギャグ読みきりの中でも、主にヒーローパロディを収録。
「日本語のれすらーと英語のマンをくっつけて」れすらマンとなったレスラー・ジャントニオ猪場の活躍(?)を描く「れすらマン」や、ノドからケツまで串が通っていて空を飛ぶ「ヤキトリ魔人」がインパクト強い「屋台王」などが入っている。

いろんな意味ですごいのが「大仮面」
なにしろオチがない。本当の意味でオチがないのである……。同人誌かと思った……。(99.0628、滑川)



・「ヤングマガジン アッパーズ」7/7

巻頭グラビアは藤岡麻美(チェキッ娘)。 いわゆる「泣き顔」ってヤツ。
「何を1.5リットル」などとクダラナイだじゃれを言って許されるのは、かわいくて若いからだなー。

この小悪魔!!

・「渡部譲吾物語」 平松伸二
3号連続100ページ特大掲載の第2回。
「渡部譲吾」は、格闘技団体「パンクラス」に所属する実在の格闘家。
今回は、パンクラスに入団してからの譲吾。
ラグビー部員だった譲吾が、社会人ラグビーの誘いを断ってパンクラスに入団するのだが、
その「勧誘してくれる某社会人ラグビー部監督」というのが「丹下弾平」という「あしたのジョー」のあの人ソックリのキャラクター。

ここ、「譲吾が社会人ラグビーを蹴ってパンクラスに入団するというエピソード入れたいな、
そうするとラグビー部の監督を登場させなきゃイカン。でも普通のキャラじゃつまらないな……」

じゃ、丹下弾平だ!!

……という平松マジックを見せられたっスよ。確かに、これだけでマンガ的記号としてあらゆることが語れるもんね。(99.0625、滑川)



・「東京魔悲夜」(1) 村上和彦(1994、竹書房)

「日本極道史 平成編」。過去にいろいろあったらしい矢吹銀也は、また歌舞伎町に舞い戻ってきた。愚連隊・魔悲夜を率いて……。幼なじみで兄弟分らしい山龍組若頭補佐・柴門翔は、銀也の帰還にきな臭いものを覚える。
案の定、「やくざからも警察からも狙われる」愚連隊である銀也は、さまざまな面で山龍組に攻撃をしかける。
暴対法以後の暴力団の動きをリアルに(……といっても本物の暴力団など私は知りませんが)描いている。とくにアジアへの古着の輸出や、臓器売買、鯨肉の密輸なんぞが「シノギ」になっているとは知りませんでした。以下続刊。(99.0621、滑川)



・「それゆけ まりんちゃん」(1) 宮塢さなえ、野々村秀樹(1999、講談社)

ミスターマガジン連載。「愛と奉仕の乙女まりんちゃん」「明るい日本の未来を築くため」「殿方(あなた)の御精子をいただきますわ(ハート)」……というキメ文句のまりんちゃん。
ふだんは聖マリアの園女学院に通うお嬢様だが、マッドサイエンティスト・鳴滝成美の開発した「呪いの指輪くん」「ナルの笛」により、セクシーメイドORフリフリウェイトレス系衣装に変身してしまう。「呪いの指輪くん」をはずすためには、100人の精子を集めてこなければならない。これぞ「強力絶倫精子」を保存または大量ばらまきを目的とした「日本人保存計画」の一端だったのだ。

しかしまりんちゃんはあまり深く考えない性格なので、今日も「強力絶倫精子」保持者に愛の奉仕を行うのだった。
とにかく絵がキレイ。そして毎回「ナルの笛」によるコスプレ変身。「スッポンロボットのポンちゃん」が精子は吸い取ってくれるので、ホンバンをやる必要はない(この辺に処女崇拝が見られますな(笑))。何も考えず、ヒーリングのためによむナイスなマンガである。

「まりんちゃんのアンドロイド」が少し出てくるが、エヴァ状の外部電源ケーブルが付いていたのには不覚にも笑ってしまいました。

「それゆけ まりんちゃん」(2)

(99.0621、滑川)



・「まろ」 全2巻 永井豪(1971、1999、メディアファクトリー)

「おじゃる丸」の元祖!? スイマセン、ウソです。豪ちゃん節炸裂の平安朝ギャグマンガ。少年サンデー連載。

平安貴族の藤原麻呂(まろ)と妻の卵の君、なぜかひどいブスとして描かれている紫式部、そして麻呂の父でケダモノのような野生味を持つ男・ 藤原道道などがドタバタするというもの。
むろん豪ちゃんですので、「まったり〜」な平安朝の生活が続くわけもない。「第4帖 ノミの掛け橋……の巻」では、麻呂が御所にもちかえってしまったノミが大量発生。パニックが起こり、ノミの元凶である、御所の周縁に住む「貧困で醜い人々」を討伐しようと貴族たちが攻め込む。飢えて醜く餓鬼のようになってしまった人々は「こんなんなったのはだれのせいじゃ!(大意)」と怨念の炎を燃やし激突する……などというハードな展開に。ただし、ギャグ的急転直下いい加減オチがついて終わるのだが。
最終回も形容のしようのないバッド・エンディングなのだが、豪ちゃんのギャグマンガを読み慣れてくると、そこにはただ「ナンセンスだけがある」潔さを感じることができると思う。(99.0619、滑川)

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