◆ 1998年9月下旬 ◆

9/21〜30
【トップページ】  【過去日記トップ】  【俺日記検索】

ご意見・ご感想はメール 掲示板でどうぞ

9/30(水)……ショドー、不始末だな(伯爵談)

 10月買う漫画はいちおう今のところ以下のような感じ。まずは、6日発売の永野数馬「劣等25%」がうれしい。前半アナーキーで、後半は煮詰まった青臭い展開がオモシロかった。単行本になるかどうか不安な作品だったので、きちんとまとまってくれて良かった。15日の快楽天増刊変玉は戸隠イズミとしろみかずひさがかなり楽しみ。19日「キララのキ」3巻。これでたぶん最後だと思うが、まとめて読むとちょっとは分かるだろうか。「変態累ヶ淵NAKED」で、米餅昭彦として活躍したなめぞうは、なめぞうとしてひさびさの単行本。青林工藝舎3冊はいずれもクセ者。

タイトル作者価格出版社
05殺し屋-1-(2)山本英夫505小学館
05よいこの星!(6)柏木ハルコ505小学館
05愛米(5)コージィ城倉505小学館
05ホタルロード七月鏡一+西沢一岐505小学館
05ベリィ・ベリィ・すとろべりぃ久我山リカコ1000コアマガジン
06超・学校法人スタア學園(13)すぎむらしんいち505講談社
06カイジ(9)福本伸行505講談社
06劣等25%永野数馬505講談社
07チョコの歌(1)架月弥505ソニー・マガジンズ
07LIZARD KING馬場康士505ワニマガジン
07メロドラマティック玉置勉強505ワニマガジン
08バロン・ゴング・バトル(4)田口雅之390秋田書店
08A'DASH角川書店
09王道の狗(2)安彦良和505講談社
09零式東京三世社
12軍鶏(1)橋本以蔵+たなか亜希夫533双葉社
12オリジナル増刊小学館
13ネムキ朝日ソノラマ
15変玉ワニマガジン
サーカスが来た伊藤潤二552朝日ソノラマ
Comic CUE Vol.5890イースト・プレス
16Jドリーム完全燃焼編(3)塀内夏子390講談社
17ゲイン(7)なかいま強390小学館
17からくりサーカス(5)藤田和日郎390小学館
19笑えない理由(1)望月花梨390白泉社
19キララのキ(3)岩館真理子505集英社
19くしゃみ3回(1)吉田まゆみ505集英社
19新マグナム増刊講談社
19人形芝居高尾滋白泉社
20ねこぢるまんじゅうねこぢる648文藝春秋
20元気でバカでまじめなのなめぞう505蒼竜社
20ウルトラジャンプ集英社
22EDEN(2)遠藤浩輝505講談社
22スカタン天国(2)北道正幸457講談社
22岸和田博士の科学的愛情(12)トニーたけざき533講談社
23静かの海一條裕子1500ぶんか社
25東京H一水社
26ヤンサン大漫王小学館
27大切な恋イラスト&コミック集田中ユタカ1500雄出版
27ぷりぷり県(5)吉田戦車950小学館
30ギャラリーフェイク(14)細野不二彦505小学館
30演歌の達(5)高田靖彦505小学館
30花男(1/2/3)松本大洋857小学館
COLORFUL萬福星ビブロス
アックスVol.5鈴木翁二/しりあがり寿他933青林工藝舎
中学生日記Q.B.B1400青林工藝舎
されどワタシの人生東陽片岡1000青林工藝舎
ドライエックやまむらはじめ800大洋図書
初体験白書SABE838久保書店
レンジで5分藤野美奈子700メディアファクトリー

【雑誌】週刊少年サンデー 10/14 No.44 B5平
 村枝賢一「俺たちのフィールド」。うお、もしかして勝っちゃうの?うーむ、力入るなあ。満田拓也「MAJOR」は、なんだかやけにあっさりと決着。これは意表を衝かれた。最後のオチもかなり。北崎拓「なぎさMe公認」。ラブコメだなあ。皆川亮二「ARMS」は、ジャバウォックが大ブレイク。これに釣り合うだけの敵を出すっていうのは、なかなかにたいへんなことだろうと思う。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/14 No.44 B5平
 原案:さいふうめい+画:星野泰視「勝負師伝説哲也」。ブー麻雀のルールはいまいちなじめないところはあるものの、駆け引きの面白さは十分描けていて面白い。塀内夏子「Jドリーム完全燃焼編」。北村と伊達のツートップが力強くてかっこいい。なんとなく空気が不穏な感じがしなくもないけど……。伊達の表情だと怒ってるんだか手応えを感じてるんだかよく分からん。作:イタバシマサヒロ+画:玉越博幸「BOYS BE…」。今回はバイアグラネタ。バイアグラの波は少年にまで。恐るべし、イタリア人のフェロモン。

【単行本】「ラブレター」4巻 作:じんのひろあき+画:若狭たけし 小学館 B6
 熱血書道漫画もこの巻で完結。だんだん若狭たけしの絵は線が細くきれいになっている。ストーリー的には途中で中だるみもあったけど、最後はそれなりにきれいに終わっていて爽やか。

【単行本】「国立博物館物語」2巻 岡崎二郎 小学館 B6
 いつも、手堅くキッチリ話をまとめてくる。一話一話、機転をきかせ、後味爽やかに読ませる。すでに熟練の味。

【単行本】「龍」20巻 村上もとか 小学館 B6
 龍が中国へ渡る。前途多難で激動の展開。さすがに大御所って感じ。だいぶ長くなって少し飽きてきたところはあるけど、堂々たるストーリー運びで常に読ませる。


9/29(火)……週刊巨乳ザウルス

 昔、週刊恐竜ザウルスという雑誌があったのだ。

 普段は絵柄だけで読む読まないを決めることはない俺だけど、少女漫画(というか女性向け漫画)を読むときは絵柄で決めているところがある。なんでかと考えてみたのだが、まず少女漫画はアクの強い絵柄が少なく少年漫画ほど節操なくハッタリを利かしたりしないので、よほどうまかったり個性的な絵じゃないとパッと見で目をひかない。これは画面全体が白っぽくて淡いから、パッと見のインパクトが弱いというのもある。俺の修行がまだ足りないため、「普通の人にはどんな羊も同じに見える状態」なのかもしれないけど、個々の作家の絵柄の差もほかのジャンルより小さいと思う。基本的に恋愛モノがメインなので、ストーリー面での差異も小さいから自然、絵に目が向いてしまう。ここらへんはエロ漫画にも通ずるところがある。
 あと、やっぱり女性向け漫画を読むときには、少年・青年漫画にはないような、キラキラしたきれいさ、美しさを求めているのだろう。よって、ストーリーも絵も、どちらもキレイでなきゃイヤっていう意識が働いているみたいだ。

【雑誌】コーラス 11月号 集英社 B5平
 巻頭カラーでいくえみ綾が60ページの読切。タイトルは「ケチャップマヨネーズ」。お互いに連れ子のある男と女が再婚し、夫の邸宅に住まうことになったのだが、妻の連れ子である17歳のあつしにだけは、夫の前妻の幽霊が見える。ほかの人たちにはまったく存在を意識されない寂しい幽霊は、あつしにいろいろからんでくるが……という話。絵はうまいし、セリフの量も多すぎず少なすぎず、スッキリと読みやすい。それなりにシャレていて、ほんのり暖かく面白く読める。よしまさこ「うてなの結婚」は、うてなのおねーちゃん、制服好きなイラストレーターのイオナのお話。さらりと力の抜けた線がいい。
 くらもちふさこ「天然コケッコー」はコマ割りがえらくかっこいい。見開きの右ページは、8分割で大沢君とそよがバストアップで会話し、左ページは1ページぶちぬきというのが、ほぼ全編続く。こういう技巧を見せられるとうなってしまう。うーん、かっちょいいなあ。とりあえず「天然コケッコー」には興味のない人でも、一見の価値はあるコマ割りだ。余談だけど、少女漫画って大家といわれるような人のほうが実験的なことをしているように思う。新人はわりと誰かの模倣から入ってるパターンが多い。少年漫画、青年漫画よりも、時間をかけて作風を洗練させ、ていねいに磨きをかけ、独自の境地を築き上げていくタイプのジャンルって感じがする。
 奥田桃子の新連載「その花が夢見るものは」は、スタイル、顔などは完璧なのだが、腹部に子供のころにできた大きな傷跡があり、それがいつまで経ってもコンプレックスとなっていて周りに心を閉ざし続ける女子高生のお話。小野塚カホリのような華麗な絵柄で(小野塚カホリと奥田桃子のどっちがどっちに似たのかは知らない)、なんか息苦しい展開。面白くなりそう。

【雑誌】デラックスマーガレット 11月号 集英社 B5平
 片岡吉乃が描いているので購入してみた。タイトルは「学えん天ごく」。この人って美しいお話ばかり描く人なのかと「蝶々のキス」を読んで思っていたので、こういうギャグ仕立てのお話も描くのだなあとちょっとびっくり。ギャグはなかなかキレていて、楽しめる仕上がりだった。あとは、神田みらの「純愛ゲーム」がドタバタと楽しくて良かった。連れ子のある同士が再婚して、その連れ子の男の子が、連れ子の女の子に迫るというラブコメ。

【雑誌】ヤングキング 10/19 No.20 少年画報社 B5中
 吉本蜂矢「デビューマン」は非常にテンポ良く繰り出されてくるギャグがいい。最近のヤングキングではイチオシ。吉田聡「荒くれKNIGHT」。力強く安定した描写はさすがベテラン。一度まとめて読んでみたい作品。佐野タカシ「イケてる2人」。背のデカい巨乳さんの梅宮と、巨乳恐怖症の黒木がそろそろくっつく気配。巨乳さんは、身体はデカいけどいじらしくてかわいい。

【雑誌】快楽天 11月号 ワニマガジン B5中
 相変わらず、シャレててライトでポップ。ファミレスで読んでも恥ずかしくない感じ。実際にファミレスで読んでたけど、恥ずかしくなかった。実は電車内で読んだこともある。始発電車だったけど。
 巻頭カラー、OKAMA「きりかぶの芽」。ますます絵がうまくなっている。虹色のセロファンをかぶせたみたいな色彩はスゴイと思う。ただ、いまいちストーリーを追う気はしない。キャラクターの印象も薄いし。良くも悪くも全編イラストを見ているかのよう。見せる技術は相当のレベルにあるので、あとは読者を物語にぐいぐい引き込む技術がほしいところではある。このまま、眺めて楽しむ快楽を追求していってくれても、それはそれでかまわないけど。新鋭、トサケンジ「愛の生活」。キャラクターたちの魚みたいな目つきが印象的。コミッククリムゾンとか、そこらへんにでも描いていそうな非常に達者な絵柄。エロ漫画雑誌においてはかなり個性的な絵柄なので、これからに期待。
 YUG「FUNI FUNI」。さっぱりと可愛い絵柄で非常にいい。コマの枠線がすべて雲形定規で引いたみたいな曲線なのも特徴。話を追いかけるよりは、かわいい絵柄を愛でつつほのぼのと眺めるタイプ。鰹巻あさひ「HAPPY・LIFE」後編。丸顔の女の子の顔がさわやかでかわいい。EMYeMDMA「SANDY's SUNDAY」。なんか外国人が描いたかのような絵柄が特徴的。


9/28(月)……タイトルへの道

 毎日日記にタイトルを付けているのだが、ときどきどうしてもタイトルが思い浮かばないときがある。下手すると、日記本文を書くよりもタイトルのほうが時間がかかることもあるくらいだ。いいのが思い浮かぶとしてやったりなのだが、精神的に不調なときはあんまりいいのが出ない。だから今日のタイトルなんて死ぬほど安易だ。そして、こんなことで悩んでいるうちにもう朝の5時。

【雑誌】ヤングマガジン 10/12 No.43 講談社 B5中
 なんと、次号でタイム涼介「日直番長」と、古谷実「僕といっしょ」が最終回だそうだ。「僕といっしょ」はずいぶんあっさりって感じ。前から体調が悪かったみたいだし、そこらへんが原因かな。「日直番長」は非常に好きだが、最近は少しテンションが落ち気味だったので、仕方ないか。この穴は今週から週刊連載になった、平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」で埋めるぜ。「アゴなしゲンとオレ物語」は、ちょっと頭がおかしめで体毛が濃く死ぬほどムサ苦しいトラック野郎・アゴなしゲンと、ちいちゃんという女の子と同棲しているナヨっちいあんちゃん「オレ」の、うっとうしい日常の物語だ。ゲンがかなりアブなくて、さらに周りの人々の反応もなかなかにヒドくて大好きだ。
 小田原ドラゴン「おやすみなさい。」は、今回は妻子を犠牲にしてまで裏ビデオを通販で買い続け、今まで当たりを一度もつかんだことのないおっさんと、鉄郎の話。情けなさ抜群で、今回も面白かった。欄外の「今週の鉄郎アイドルランキング」(鉄郎の中で週一回作られるアイドルランキング)も、味があっていい。1位はエンクミだそうだ。
 前川かずお「DEI48」は、前回裏手の一つめを継承した破武男が早くも調子に乗りまくり。最終ページ、レコード盤を股にはさんでピアノの上で悶えている音楽教師がバカみたいでいい。山崎(沖)さやか、「HiKARi」の後編はなんだか非常にあっさり。まあとりあえずヤンマガ手慣らしって感じかな。新年1号からヤンマガ誌上で新連載開始とのこと。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/12 No.43 小学館 B5中
 青山広美「ダイヤモンド」は、打撃投手・山田が男の意地を見せててなかなか熱い。石井達哉「プロファイリング師 朕集院犬清」は今回で短期集中連載終了。コンスタントにオゲレツで馬鹿馬鹿しい。集中連載終了とはいっても、46号にまた載るようだけど。伊藤潤二「うずまき」。今回もなんとなくユーモラスな怖さ。安心して楽しめる。
 次号では作:小林信也+画:秋重学で新連載。秋重学は今週のヤングサンデーにも何か描くみたいだけど、やっと再始動したって感じかな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/12 No.44 集英社 B5平
 尾田栄一郎「ONE PIECE」。予想された展開ではあったけど、しっかり感動的に見せる演出力はさすがにうまい。富樫義博「HUNTER×HUNTER」。ヒソカが邪悪な本性を現しはじめ、面白げな展開になってきている。桂正和「I''s」。今週も甘酸っぱい。ところで、「I''s」って、ジャンプ j booksでノヴェライゼーションが出てるらしいのだが、「I''s」から桂正和の絵を取ったらどうなるのだろうって気がしなくもない。

【雑誌】コミックピンキィ 11月号 オークラ出版 B5中
 舞登志郎「メジャーデビューへの道」がなんといっても面白い。たしかに、エロ漫画雑誌に載ってはいるけど、エロではない。でも面白い。そして、面白いってことが一番重要なことだ。「メジャーデビューへの道」は、青臭いエロ漫画描きの舞登志郎が、メジャーデビューをするべく、編集者らに焚き付けられて大手出版社に持ち込みをし、大手の厳しさを見せつけられる中で悩みもがく、という物語。今回は、少女漫画シーンでも活躍するロケット兄弟=阿部ゆたかに、「プライドを捨ててでもデビューが先だ」と諭されるが、それでも自分の納得するものだけを描きたい気持ちの間で揺れる。悩んで悩んで、原点に戻って、涙を流しながら漫画を描き続ける舞登志郎の姿がアツい。次号では、角川に持ち込みをして、さらにそのコンテを誌面に掲載してしまうらしい。ガッチリとした骨太な画風で、泥臭い青い漫画を描いている。俺は、青臭いのってすごく好きなのだ。俺自身、実はかなり青臭い奴であるだけに。
 深田拓士「愁-UREI-」は人妻凌辱モノ。ある日、人妻の夫が入院するのだが、病院の医師が夫に薬を盛って彼を意識不明にさせ、「助けてほしかったらいうことを聞け」と人妻を脅して凌辱しまくるというお話。あらすじを書いただけでも、かなり強引なストーリーって感じがするが、実際に強引だ。でも、けっこういやらしいのでいい。新連載のしょっぱなからドロドロのエロだったので、これからさらに凌辱が激しくなるのだろうと思われる。北原武志「Subject」。いつもと同じように、健気な女の子が性的イジメをされまくる。唾の臭そうさと、イジメの陰湿さがかなりウッときて素晴らしい。これだけツーンとくる漫画を描く人もそういないし、それだけでも一つの武器だ。もちろん、耐性のない人には受け容れがたいと思うが。毎度のように、ラスト1ページで降って湧くハッピーエンドのヌルさも味わいがある。

【雑誌】きみとぼく 11月号 ソニー・マガジンンズ B5平
 みなと鈴「PEARLガーデン」は、アイドルグループの女の子の恋愛モノ。絵柄も話も素直でとっつきやすかった。植木家朗「6時前30分!!」。きみとぼく(以下KMTBK)系の作家では最近気に入っている。サッパリとした絵柄で、かなり逸脱した展開のドタバタギャグを描く。ドタバタといえば、最近、架月弥「チョコの歌」もなにがなにやらって感じの怒濤の展開。キャラクターたちがそれぞれ、どうしようもない思い込みによって、予期せぬ展開に突っ走っていく無謀さが楽しい。藤原薫「Cups」。この人の硬質で、神経質そうな絵柄はけっこう気になる。危ういバランスの上に存在している絵って感じ。この人がガリガリのホラー描いたら、けっこう怖そう。



9/27(日)……「眠り狂」四郎

 いかん!……というのは、最近休みになるとものすごい勢いで寝てしまう。今日も気がついたら午後の3時半。実は昨日も同じくらいの時間まで寝ていて、PARKINGの打ち合わせに遅刻するところだった(兄からの電話がなかったらたぶん5時くらいまでは眠っていたことだろう)。といっても、最近床につく時間が朝の6時とか7時とかだったりするので、睡眠時間自体は10時間もいってないんだけど。通常は会社に行くので6時7時に寝ても午前中には起きるのだが、休みの日はそのタガが外れてしまう。おかげで、休みだっていうのに何もできないことが多い。どこかで生活サイクルを元に戻さないとヤバいなあ。

【雑誌】激漫 Vol.16 ワニマガジン B5中
 天竺浪人「たからもの(前編)」は、学校では鉄面皮で実務的な学級副委員長である少女・涼子が、家では家政婦である年上の女性・まゆみによって、淫乱に躾けられているという話。彫像のように貼り付いた学校での表情と、貪欲に性を貪る家での表情の対比がうまい。あと、最近の天竺浪人作品では非常に入念に描かれている、ちんちんとそれを咥える描写がいやらしくていい。後編も楽しみ。飛龍乱「MASUMI」。キャリアの長い人だけど、最近のほうが絵といい話といい俺好み。今回は、ちょっと頭が弱いものの純粋な少女と、平凡な男の、束の間の触れ合いを描いた物語。切なくていい。さすがにうまいなー。
 馬場康士「リザードキング」は相変わらずの暑苦しい作風。今回もHなし。やりたい放題である。単行本が10月7日発売とのこと。寺田克也の読切「ラクダが唄う」は、珍しく27ページもある。ホントーにうまい。十羽織ましゅまろ「血みどろっチャオちゃん」。ムダなくらい力を入れてボケ倒す。ギャグもいいうえに、エロシーンも力強い。絵もうまいし、面白い。氷室芹夏「水の誘惑」。碧がいよいよ情緒不安定な状態に。何とかしろ、かずやって感じ。でもあずみと碧のどちらをとっても、どちらかは心に傷を残すことになりそう。太田高弘「少女地獄」。均一な細さの、硬質な描線が特徴的。ちょっと、コマ割りが細かすぎてゴチャゴチャ詰め込みすぎな感じはなきにしもあらずだけど、わりと面白い。MARO「ABILITY」。今回の巳月竜司(扉のアオリは「強請の帝王」。ユスリっていうと、なんとなくタダのチンピラみたいだ)のターゲットは、スーパーモデル。「ある日俺は叔父からの遺産として莫大な貸し金の請求書を受け継いだ」「−という訳で今回のファッション界の華 スーパーモデル緋呂子・ラヴァンツア この女だ!」とのことだが、なにが「という訳」なんだろう。こういう死ぬほど強引なセリフ回しが大好きだ。

【雑誌】LaLa 11月号 白泉社 B5平
 今月は津田雅美2本立て。「彼氏彼女の事情」と異世界ファンタジー読み切り「夢の城」。両方とも面白かった。クルクル変わるキャラクターの表情と頭身。かわいらしい絵。ボケを作為的に見せず、天然ボケっぽく感じさせるテクニックも大したもの。読んでてすごく楽しい。やまざき貴子「っポイ!」。ラブコメ臭が非常に濃厚で良かった。実は今までやまさき貴子はピンと来ないことが多かったのだけど、これもまた面白く感じられるようになってきた。やっぱり、継続して読んでいるとだんだん良さが分かってくる感じ。ささだあすか「ラッキーゴ→!」。勢いがあって、楽しい作品。最後、それまで無口だった主人公が突如としてしゃべりまくり出すあたりが、なかなかカタルシスがある。八幡くみ「バスルームより愛をこめて」。男みたいにガサツな女に一目ぼれしてしまった男のコのお話。サッパリとした絵柄で爽やかに読めた。

【雑誌】プチフラワー 11月号 小学館 B5平
 由緒正しく揺るぎない少女漫画マインドにあふれた面白い作品が読める、いい雑誌だと思う。
 まずは巻頭カラーで竹宮恵子「平安浄瑠璃物語」がスタート。今回は「その壱 黒(木象)」。(木象)は本当は一文字(木へんに「象」)で「つるばみ」と読む。女のように美しく誇り高い若殿と、彼に仕える下男の話。若殿は、ホントは女なのではないかとも思うのだが、さてどんなもんか。なかなか骨太な話になりそうな気配。萩尾望都「残酷な神が支配する」は、またも重い展開に。イアンがジェルミに、グレッグのことを問い質す。次号あたり、さらにドロドロとしてきそう。今回一番いいと思ったのは、塩川桐子「杜若」。江戸時代の平凡で貧しい武家の家族ドラマを描いたお話なのだが、絵が非常に特徴的。浮世絵みたいな純日本風、というか江戸風のタッチなのだ。ストーリーも、丁寧に組み立てられていて、読後感もいい。西炯子「真夜中のMidnight」。絵がきれいでいい。いろいろなキャラクターをしっかり描き分けているところも好感。



9/26(土)……ヤンギュウ十兵衛

 11月23日のコミティア売りの、PARKINGという同人誌の打ち合わせ。PARKINGは今度ので4号めだが、今まで2号と3号で漫画評論系の原稿を書かせてもらっている。打ち合わせといっても、酒飲んでお話するというほうが主目的っぽいのだが、濃いメンツが集まるので俺としては非常に楽しい。集まったメンバーは、サークル主催者の南研一(ヒタカヒロフミ)さん、漫画班が山川直人の奥さんの山川黄予美さん、山本昌幸さん、評論班がすきまページの小田中さん、outdexのムネカタさん、本田健。あと俺。合計7人。
 漫画班のお二人にとって評論班の面々は、「コミティアの不特定多数のお客さんのうちの一人」として「なんとなく見覚えはある」レベルだったみたいだが、実質は初対面のようなもの。読者でしかない人間としては、普段から面白く読んでいる作品の作家さんと同席するのだから、普通少しは遠慮しそうなものなのだが、俺とか本田健とかは「作者と作品は別物」というのがわりと徹底してるのでこういう場面であんまり物怖じしない。逆に向こうのほうが気を遣ってくれちゃうことが多いので、俺たちの偉そうな態度、饒舌ぶりが際だつ。なんとも迷惑な連中だ。しかも、漫画を描く側の人って漫画をあまり読まない人がけっこう多く、マイナーな作品や作家の話題が機関銃のように出てくる俺たちと一緒にいると、きっとチンプンカンプンなのだろうな、とか思う。
 それにしても、こういうオタク系の人脈の人たちって、たいてい誰と会っても一人か二人の人間を介して「知り合いの知り合い」である。最近はとくに中継人数が一人というケースが圧倒的に多くなってきた。世界って狭い。

【雑誌】コミックバーズ 11月号 スコラ B5平
 掲載作品リストはコミックバーズのページ参照。今月から増ページらしいのだが(値段は据え置き)、あんまり増えた感じがしない。増ページって作ってるほうは大変だけど、読者はあんまり意識しないもんなんだよね。俺が作っている雑誌でも経験あり。
 奥瀬サキ「FLOWERS」。最初のページの柱に「最終話」と書いてあるんだけど、最後のページには「1月号につづく」とある。つまりこれは「最終章の途中の話」ってことなんだろうか?お話はなんだか非常に謎めいていて、まだどう転ぶのかよく分からない。雑誌だと隔月連載のため、前回の記憶が曖昧になりがちなので、こういう作品は単行本でまとめ読みしたいところ。ともち「愛をあげよう」。弥生が正午のことを好きだということを認めるが……。居心地が良くて、なんだかもどかしくて、くすぐったいところがたまらない。面白い。吉田戦車「スカートさん」は、男の玉に異様に興味のある女子マネージャーがけっこうかわいい。男の下半身が気になってしょうがない婦女子といえば、「くすぐり様」および「酢屋の銀次」収録の「思春期」を想起する。

【雑誌】別冊YOUNG YOU 10/30 集英社 B5平
 本誌に比べてクオリティがだいぶ落ちる。キラキラと硬質なガラスのような雰囲気のある本誌に比べて、ちょっとこっちは垢抜けない感じ。幸せな結婚話の連発。どれも少しずつもの足りない感じで、圧倒的に楽しいっていう作品は残念ながらなかった。
 長崎さゆり「となりのファウスト」は女性の造形がわりとスッキリとしていて、読みやすかった。お話も気楽に読める。あとは佐藤真樹「9月の雪」が、かなりベタベタな感じで面白かった。大学入試のときに出会った運命の人を、報われなくても4年間思い続けた男のお話。ちょいと馬鹿馬鹿しくなるほどのトキメキ系の作風が楽しかった。

【雑誌】コミッククリムゾン 11/1 No.4 創美社 B5平
 高河ゆん「恋愛」。相変わらずのなめらかな描線で、けっこう面白い。女の子もかわいいし。楠桂+大橋薫の姉妹合作長編新連載、「戦国月夜」はさすがに姉妹だけあって、どっちがどこを描いたのやらって感じ。なんとなく当たりは付けられるのだが。TONO「ダスクストーリィ」。キラキラと美しく、そして暖かでいいお話。池のほとりで幼馴染みの少年の霊を目撃した少女。彼女は霊能力が高いという噂の、日本から来た少年に相談するが……っていうお話。キャラクターたちは、うなじのあたりが美しい、ユニセクシャルな感じ。淡い線を集めて、やわらかな画面を作っている。見ていて非常に気持ちがいい。

【単行本】「体内発射」 ゴブリン 桜桃書房 A5
 うきー、ひっでえ話。楽しくなってくるねえ。ゴブリンの描く話は、どれを読んでも同じようにひどい。どこからか幼女をかっさらってきて、陰部にそこらへんにあるものなんでもつっこみまくる。年端もいかないガキンチョであっても、容赦なんてまったくなし。フィストファック、一升瓶挿入くらいなら当たり前。白目むくまでさんざんにいたぶって、最後は男がよってかって生で中出し。ゴールデンパターンといってもいい。絵がけしてうまくないあたりが、凶悪さをさらに引き立たせている。女の子も気持ちいいとか気持ちよくないとかを超えて、もう目がうつろでガクガクになっているあたりがものすごく業が深い。あと、今回の単行本では巻末に収録の「弁天巨人エンジェルハニー」が味わい深い。ウルトラマンの女性版みたいなのが異星人どもに犯されるって話なんだけど、センスなさげなダッサい容姿のエンジェルハニーと、身もフタもない終わり方が最高。



9/25(金)……のんきなトゥサン・ルーヴェルチュール

 トゥサン・ルーヴェルチュールは、山川出版社の世界史用語集によると、ハイチ独立の黒人指導者で「黒いジャコバン」と呼ばれた人だ。ナポレオンにだまされて獄死したとのこと。

【雑誌】アフタヌーン 11月号 講談社 B5平
 だいぶヌルい雑誌になってきた印象。ウルトラジャンプに近い雰囲気になりつつある。安定しているといえばしているのだが、冒険が少なくなってきた感じがする。せっかく、大講談社が出しているんだから、もっと利益度外視した作りでもいいのに……とは思うが、それは読者のワガママなので、とりあえず利益確保できる安定どころでお金稼ぎだけはして、コッソリ実験的な漫画も少しずつでいいから掲載していってくれるとうれしい。しかも、今号は小原愼司「菫画報」が休載でけっこう寂しい。
 作:真刈信二+画:赤名修「勇午」。インド編も非常に面白い。なんといってもインドには悠久の時が流れているのさ!桜玉吉「なぁゲームをやろうじゃないか!!」(愛称「なげやり」)。もうタイトルだけで笑わせてくれる。基本テイストは漫玉日記と同じ。箱に詰まっている担当編集者について理解したい人は、京極夏彦「魍魎の匣」を読むように。念のため、その前に「姑獲鳥の夏」も読んでおくように。「姑獲鳥の夏」は文庫落ちしたしね。
 沙村広明「無限の住人」。沙村広明の描く女の人は色っぽいな〜。というわけで、沙村広明の描くいやらしい女体を見たい人は、一水社刊「東京H」(B5平とじ。エロ漫画雑誌)を見るよろし。SMイラストが掲載されている。第1回ギャグパラ佳作受賞作、坂町熊苺「輝ける人々」。会社の辞典創造課という部署で、辞典に収録する言葉を何にするか会議し続ける人々の話。言葉いじりが好きな俺としては、まあそれなりに楽しい。四季賞98年夏のコンテスト、谷口ジロー特別賞受賞作、犬塚康生「カゲ切り男をめぐる冒険」。神経質そうな細い線だけど、絵にもっと力が出ればより面白くなりそうな気配はする。陰のある作風はわりといい。
 木尾士目「五年生」。今回は説教臭くもなく、けだるい雰囲気が良かった。とくにアダルトビデオを借りるときにいろいろごたくを並べて悩むあたりは共感。ただ、ちょっと思ったのはエロアニメのところ。「どうあがいても演技」とあるが、ここらへんはちと微妙。というのは、アニメの世界の中においては、アレは「本気であり、撮影を前提としていないSEX」であるというのが前提になっている。そして、例えば女教師が出てきたらその中の世界において彼女は「ホンモノの女教師」なわけだ。対するに普通のアダルトビデオの場合、女教師が出てきてもそれは「女教師のフリをしているAV女優」が「撮影ようにSEXをしている」にすぎないわけで(ホンモノ女教師出演モノを除く)、その意味では実写のほうが「演技である」ということもできる。だから想像で補完する能力のある人なら、エロアニメ、漫画、小説のほうがガチンコのSEXを再現できる可能性もある。あと、アニメなどだとマイナスな要素(例えば肌アレや、声が色っぽくないだとか、歯が汚いとか)が入ってこないって利点もある。そういう意味でのベストは妄想だ。ただ、もちろんアニメのほうは実物の人間がSEXしているわけではないし、さすがに声優さんが実際にSEXしながら声を吹き込んでいるわけでもないので、その点は「演技」というほかない。それと、やっぱりシナリオがあんまり淫靡でないので俺はイマイチ燃えない。ちなみに、俺は実写のアダルトビデオは乳が大きめで肌がきれいで、女優がヘラヘラ笑わない、ガチンコの奴が好きだっ!だからどうしたって感じだが。
 次号で四季賞秋のコンテスト結果発表。能勢邦子が1次選考を通過していので、今度こそ作品を読みたいもの。なぜか成人功も通過してたりする。山本昌幸も同人誌で面白い作品描いている人なだけに気になる。

【雑誌】ヤングアニマル 10/9 No.19 白泉社 B5中
 三浦建太郎「ベルセルク」。ついにキャスカがお話にからんできそう。ダークな展開が待っている雰囲気。期待が高まる。克・亜樹「ふたりエッチ」は今回も異様な馬鹿馬鹿しさ。なんと、コンドームの付け方まで解説してくれる。ためになるなあ(そうか?)。ゴブリンの漫画に出てくるキャラクターにも教えてあげたいね。高橋雄一郎「EKIDEN野郎!!」。熱血駅伝漫画。なかなか熱い展開で、ここまでは面白くきている。二宮ひかる「ナイーヴ」。いつもいい。読んでいて非常に気持ちイイ作品で、読者をトロットロの骨抜きにしてしまうものを持っている。骨抜かれてる人、けっこう多いはず。宇仁田ゆみ「ニンゲンをとろう」は、見習いカメラマン成長モノ。絵もうまいし、この人の作品はなかなかいい。絵が似ている人をあえて挙げると、三原ミツカズあたり。

【雑誌】エクストラビージャン 集英社 B5中
 塩崎雄二「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」。「Karen」の人だ。この人の絵は可愛いし、色っぽさも十分にあるし好きだ。話の内容はわりと他愛ないラブコメ。もう一押しあると、もっともっと面白くなるんだけどなあ。ストーリーの構成力がもう少しあがるとかなり良くなりそう。平松伸二「どす恋ジゴロ」。うーん、馬鹿馬鹿しい。今回は恋吹雪が勝負に勝つシーンの、実況中継の間抜けさがかなり腰に来る。は〜、どす恋どす恋。

【雑誌】Natural Hi Vol.39 富士美出版 B5中
 ひぢりれいの漫画が読みたくて購入。今回の「ANGELS CRY」は、罪を犯した天使が神の罰により、無数の異形の者たちに羽根をむしられ、肉を食われ、凌辱されるというダークな話。作画力がハンパでないだけに、グロテスクさ、悲惨さが圧倒的な力を持って訴えかけている。これはかなりクる。「ベルセルク」の魔物どもが出てくる恐ろしげなシーンが好きな人は、きっと気に入ると思う。ひぢりれいは表紙も描いているのだが、カラー映えはそれほどしない画風なので、あんまり向いてないような気がする。でも中身はスゴイので、ぜひ表紙をめくってみてほしい。小林少年「境界線上の卵(終)そして、その実体は…」。この人って、昔に比べて本当にうまくなったなーって気がする。昔のギクシャクした人形っぽい画風も好きだけど。

【単行本】「のんきな父さん」 桜玉吉 アスペクト B6
 イタズラ好きで、常軌を逸した父親が、息子や上司たちにイタズラしまくるというお話。予想をはるかに上回る、奇特な嫌がらせが絶妙。力の抜けたぞんざいな描線も雰囲気を作り出している。いや、もうとにかく素直に笑える。すごくいい。「のんきな父さん」は、白夜書房刊の「おやじの惑星」にも一部掲載されているが、ここに収録された作品のほとんどが単行本初収録。久々に爆笑した単行本。オススメ。



9/24(木)……Mの悦楽

 ついにベイスターズにマジック点灯。もうこれで優勝は時間の問題って感じになってきた。これから何が起こるか分からないので、うかつなことはいえないけど。そういううかつなことをやってしまいそうなチームでもあることだし。それにしても、最近のベイスターズの試合はテレビやラジオを視聴しているだけでも、その尋常でない盛り上がりっぷりが伺える。声援のボルテージがハンパでない。38年間優勝してないチームだけに、ファンのほうも力のセーブの仕方が分からないのかもしれない。あの雰囲気の中だと、ビジターのチームはさぞやりにくかろうなあ。ああ、生で観てみたい。そういえば、大手町のマルハ本社ビルではビルの窓の灯りを使って、「M9」というライティングをしたとか。これも引き続きやるんなら、見に行ったほうがいいかもしれぬ。

【雑誌】モーニング 10/8 No.43 講談社 B5中
 井上雄彦「バガボンド」は、描写が骨太で今週も面白い。ハッタリも十分利いている。山本康人「鉄人ガンマ」は、ついにさすらいのエッチマン、山根が登場。俺も一人のエッチマン。榎本俊二「えの素」は、今回巻中4色。ボインがいいのだ、ボインが。ボイン棒ショック。MANGA OPENのわたせせいぞう賞受賞作、吉田基巳「水と銀」。入選のカットを見たときから、気になっていた絵柄。ほのぼのとしているんだけど、透明感がある。女たらしのいい加減男、森がある日町の片隅で一人ぽつんと座っていた少女、星に恋をする。惹かれあっていく二人だが、愛されることに慣れていない星は、いったんは森を拒む……というお話。ゆったりとしていて、しみじみと読める作品。なかなか面白かった。作画、お話とも、読んでいてホッとする安らかな作風。まだ至らない面も細かい部分でいろいろあるし、伸びそうかといえば未知数ではあるのだが、次の作品を読んでみたくなったことは確かだ。上野顕太郎「ひまあり」は、サラリーマンをしたことのないうえけんが、会社の実態を適当に想像してみるという話。あんまり面白くないが、実際の会社も実はやっていることはこの程度の馬鹿馬鹿しいことなのかもしれないなーとか思ったりもする。

【雑誌】ヤングサンデー 10/8 No.43 小学館 B5中
 遊人「桜通信」。相も変わらず、どうにも馬鹿馬鹿しい展開。ベタベタもここまでやれば常軌を逸していて立派。山本英夫「殺し屋-1-」。今回も痛そう。そして、垣原とイチがお互いを狩りあう立場に。直接対決が楽しみだ。佐藤秀峰「ハードタックル」は無闇な熱さ、力強さでなかなか。山田怜司「アガペイズ」は展開がますます混迷を深める。それにしても、やっぱり青龍はボークだよな。
 次号で秋重学が登場。タイトルは「僕の夏は泳げずじまい」。楽しみなり。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/8 No.44 秋田書店 B5平
 巻頭カラーで滝井寿紀「トップスピード」が新連載。馬場民雄「大介ゴール!」に次ぐサッカー漫画。なんとなく古くさい感じがするんだけど、どんなもんだろう。俺としては期待薄。「大介ゴール!」のほうは、相変わらず実に少年漫画らしいオーソドックスすぎるくらいの展開を堅持しているが、それにしても大介ってもうバリバリ走っちゃってもOKなの? おおひなたごう「おやつ」は、先週から始まった「パワーホライズン」という名の謎の競技での勝負が続いている。野球場にて、繰り広げられているのだが、例えばピッチャーがボールを投げようとする手がひっかかる位置にU字型の金具を置いておいて、それが飛んだ飛距離で得点が入ったりとかするわけのわからん展開。この意味不明ぶりがなかなか素晴らしい。クールだ。

【雑誌】CUTiE comic 11月号 宝島社 B5平
 粒揃いなんだけど、月イチだとちと食傷気味な感じもする。FEEL YOUNGも併読しているとなおさら。安野モヨコ「ラブ・マスターX」は相変わらず面白い。超能力変態ストーカー野郎のハミオがいいキャラクターである。藤末さくら「純情回路」。現実と妄想の入り混じるテンポのいい展開がなかなか。橋本ライカ「スラング」は、女の子のストレートさがいい感じだ。絵もかっこつけすぎないくらいでいいバランス。南Q太「ゆらゆら」は今回で最終回。さすがに南Q太らしく、それなりのレベルで鮮やかに締めくくっている。うめえなあ。

【単行本】「ヘルシング」1巻 平野耕太 少年画報社 B6
 自身吸血鬼でありながら、人間に従って吸血鬼を狩る「アルカード」が主人公。大仰で邪悪な描写、ルパン三世系の細長い手足、そして黒々とした画面がたまらなくかっちょいい。デフォルメの利かせっぷりが実に効果的。キャラクターの表情もまた良し。

【単行本】「恋する女神」 あうら聖児 富士美出版 A5
 乳がばいんばいんで実用向きな作品。展開とかはご都合主義的で強引なんだけど、使えればそれでいいやって感じ。乳の描き方とか好きなのだが、あと一歩淫靡さが加わればなあ。よくも悪くも健康的な作風なんだよね。



9/23(水)……素敵な塩奪い

 兄貴がコミティアおよびコミティアXで買った同人誌の残りを読む。これで、コミティアで俺たち兄弟が買った本に関してはいちおう全部読了。

【単行本】「ミス・マーベルの素敵な商売」 田中政志 講談社 B5ハードカバー
 兄貴が探していてなかなか見つからなかったのだが、知り合いの人が見つけたので譲ってもらう。発行は1987年。もう11年も前に出た単行本なのだが、全然古びていない。作画のクオリティは今見ても一流。ストーリーは、マーベル商会という武器商社のお話。必殺の武器を売り、それにもれなくSEXサービスがついてくる。売り子はかわいい女の子で、あらゆる時代に活躍している。で、そのサービスの秘技(「昇天 天女の花弁乱れ咲き」など)がまた味があって、平気で20発も30発も絞り出してしまう。執拗な描き込み、馬鹿馬鹿しいまでのSEXシーン。うーん、素晴らしい。

【単行本】「ブル田さん」6巻 作:高橋三千綱+画:きくち正太 講談社 B6
 これにて最終巻。打ち切りだけあって、伏線は全然収拾は付いてないんだけど、まあまあきれいな終わり方。第1巻が一番テンションが高く、じょじょに落ちてきてはいたので、まあしょうがないかな。

【単行本】「メロドラマ」2巻 村上もとか 講談社 B6
 こちらも最終巻。第二次世界大戦前のパリで出会った3人、慎太郎、ソフィ、そして今ヒロミの、キラキラと輝いた幸せな時は終わりを告げ、長い歳月の後また繰り返す。最終話の展開はちょっとびっくりしたが、ラストシーンは鳥肌が立った。こういう時代モノを描かせたときの村上もとかの描写力、骨太な展開力はさすが。

【単行本】「犬神」5巻 外薗昌也 講談社 B6
 人間を憎み殺戮する、新たな犬神の登場。暗雲がたちこめている。外薗昌也は犬の描き方がうまい。というのも、全国の犬好きから送られてくるという犬写真が役に立っているのだろう。それにしても、ペット好きの人のそういう行動力はものすごいよなー。今回の単行本にも、写真数百枚&ビデオを外薗昌也に送ってきたというペット野郎が出ているけど、自分の飼い犬の可愛さを人に見せたくてしょうがないのだろう。そういえばウチの職場にも、自分のペットのイタチの写真をぺたぺた貼りまくったホームページを作っている奴がいたりする。愛って強い。それが自己満足に過ぎなかったとしても、だ。

【同人誌】「全て水に孵る日まで」 つばめ・ろまん <つばめれーべる>
【同人誌】「瞬在・2」 <つばめれーべる>
「全て水に孵る日まで」はつばめ・ろまんの個人誌。うまくはないのだけど、丁寧に描いているあたりは好感。表紙のような、切り絵みたいな雰囲気で全編を描けばいいのでないかと思う。発行は93年。「瞬在・2」は94年発行。この中ではつばめ・ろまんの「遊芽」がわりといい感じ。夢と現実を行き来する女の子のお話。現実は夢の一部、ってあたりがなかなか面白い発想だと思う。

【同人誌】「季刊ぴろう」第1、2、7号 <ぴろう>
 武富健治が参加している、非常にマジメな創作同人誌。なんだかやたらと真剣にやっている。武富健治の漫画がやっぱり気になる。7号では小説。1号では「飛び女」という、人々にかつがれてびよーんとジャンプする裸女の物語「M」を描いている。飛ぶといっても空を舞うっていうほどでもなく、せいぜい10メートル程度。飛び女「M」が入院し、Mを飛ばした仲間たちは彼女のために千羽鶴を折り続ける。そもそも飛び女ってなんだって感じだが、それに関して何にも説明なしにあくまで青春ドラマ的に話を続けていくあたりがヘンで面白い。さらに2号掲載の「J」も怪作。現在のサッカーがすたれ、手を使う「ハンドサッカー」が主流になった世の中で、旧サッカー(「ハンドレスサッカー」などと呼ばれる)と新サッカー「ハンドサッカー」のチームが対決するというお話。

【同人誌】「夏の日のオーガズム」 <SUNDANCE・胡蝶社>
 こちらは、SUNDANCEの本田基と、胡蝶社の武富健治の合同本。幼馴染みをテーマとしたエロ系の本。本田基はまあそこそこうまいのだが、セリフ内に「(笑)」を入れるのはちょっとイヤ。書き文字で「ハハハ」とか書けばいいじゃん、とか思う。武富健治は、現在では痴漢くらいしか楽しみがないデブでオタクなサラリーマンが、昔自分を相手にしてくれた幼馴染みの少年に似た女子高生を見かけて後をつけるという話。ついつい人生の意味とかを問うてしまう、今となっては珍妙なくらいの真摯な作風が特異。やはりヘンな人だ。

【同人誌】「B(-)lanc」vol.2 <梟亭>
 志賀明の学園モノ「ざ・せっしょん」がイイ。筆ペンなかんかで描かれたかのような太い描線だが、なかなか爽やかな仕上がり。校舎の屋上でトランペットを吹き続ける男と、彼に触発されて音楽室でピアノを奏でる少女の一時のセッションを描いた無言劇。力強く読ませる力のある短編。柳沼行「SPRING CHERRY BLOSSOMS」は、甘酸っぱい恋愛モノ。こっぱずかしくていい。



9/22(火)……好きとか嫌いとか最初に言い出した奴ァ誰かのう

 京極夏彦の新刊「塗仏の宴〜宴の始末」を読了。う〜ん、今回ははっきりいってあんまり面白くなかった。もちろんそれなりには読めるのだけど、全体に冗長な気がする。半分くらいのボリュームに圧縮すればちょうどいい感じ。さすがに最後の200ページくらいはガンガン盛り上がるのだが、そこまでの1巻半くらいはいつものようなテンポの良さがなく、ともすれば活字を追うだけになってしまいがちだった。途中までは場面転換が非常に多く、さらに登場キャラクターも京極ワールドオールスターキャスト&新キャラボコボコなので、何がなんだか頭がこんがらがってくる。再読すれば印象は違ってくるかもしれないが、一読してあんまり面白く感じられなかったものを再読するってのもなあ。

 9/19の日記を受けて、掲示板の#715でSAI2COさんが、

日記のジャンルの話ですが、自分の好き嫌いの傾向を定義したがるのもちょっと似てますね。分析自体は面白かろうけど、出た結果が次のイイモノ摂取に役立つかというと、別に意味が無い辺りが。どちらかというと、枷になる事も多いんではないかなあ
と書き込んでいたのだけど、その件に関連して前から考えていたことなど。
 俺も自分の好き嫌いの傾向を、明文化してしまうのってあんまり好きでない。例えば、自分の好みというものを完全に分析しつくしてそれを98%まで正確に表現できる言葉を見出したとする。98%までの正確性を持つ言葉なんてめったにないから、それを見つけた人は恐らくその言葉は真実であると思い込み、飛びついてしまうだろう。しかし、あとの2%、その言葉に当てはまらないけれども実は自分好みであるものが現れたとき、どうなるか。なんとなく好感は持つ。でも「自分の好みである」と信じている言葉からすると、それは好みとは違うものだ。このとき、その言葉を修正して拡張するだけの能力を持っている人はいい。しかし、普通の人は得てして事実のほうをねじ曲げる。つまり「自分の好みはこれこれであり、この対象物はその好みからは外れている。よって好みではないのだ」となってしまうのである。もちろん、その言葉は完全だと思ってるから、2%のモレがあるなんてことは本人は意識していない。

 ジャンルについても同じことがいえて、あるジャンルを98%まで定義できる言葉を見つけたとする。そして、その言葉を信じ込んだ人は残りの2%を排斥してしまいがちだ。「俺はそんなことはしねえ」という人もいると思う。でも、言葉の呪縛力を侮っちゃいけない。いったん生まれてしまった言葉は、無意識のうちにそういうことをさせてしまうくらい強力なのだ。事物はするりと逃げる。言葉は留まる。そして人を縛る。なんか京極夏彦みたいなこといってるな、俺。
 ただ、明文化が悪いことかというと別にそんなことはない。ほかの人にそれを強制するのでなければ、誰に迷惑がかかるわけでもないからだ。誰かがなんらかの考えを持ち、それがその人にとって結果的に損になろうと、俺の知ったこっちゃないのだ。しかし、それを他人に押しつけようとすると面倒なことが起きる。

 また、これに関連して色眼鏡を通して作品を見るのも嫌いだ。これはネガティブな視点だけではない。好意的であるがゆえの色眼鏡だってある。いわゆる「ひいきの引き倒し」だ。強烈なファンであればあるだけ、無意識のうちにやっちゃいがちなことなんで、ネガティブな視点よりもある意味タチが悪い。自分の好きな作家が描いた作品を読むときに、「この人が描いたのだからきっと面白いはず」と信じて、たいして意味のない描写から「描かれていること以外のもの」を読み取ってしまうってのはありがちなパターンだ。面白くもないのに「やっぱりこの人の描く作品はいいよね」とかいっちゃったり。その作家が描いたって時点で、その読者にとっては自分内評価が+50点くらいされていたりするのである。ネガティブな視点はいうに及ばない。「この人が描いたからどうせつまらないだろう」と、読みもしないのに酷評する。読んでも認めない。どちらも俺としては避けたい。
 もちろん、こういったことも別にやっちゃいけないことではない。公平に作品を評価しなくてはいけない立場にある人ならともかく、普通の人にとってはそれで楽しみが増えるのなら万々歳だし、他人の楽しみが減ったからって俺にとってはどうでもいいことだ。ただし、自分がそんな見方をするのは許したくない。作品を読むときは先入観のないからっぽな状態で、描かれたことを自分なりのやり方で最大限楽しむべきだと思っている。まあそうはいっても、なかなかうまく集中できないこともあるんだけどね。

【雑誌】フラミンゴ 11月号 三和出版 A5平
 しろみかずひさ「球根栽培」がひさびさの登場。画面のクオリティが素晴らしく、一見して「モノが違う」と思う。この人はやはり彼にしか引けない線を持っている。ただ、都合によりしばらく休載とのこと。完結しないともったいない話ではあるのだが……。「アルコールラムプの銀河鉄道」の下巻もそろそろ出てくれるとうれしい。天竺浪人「便器」。急がずゆっくりと、ためてためて主人公を自分の嗜好に目覚めさせていく展開は見事。さすが。
 海明寺裕「girl Hunt」は着実に調教進行中。アノ手コノ手を使って、技師だねえ。蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」は、この人は本当にこの世界を愛しているのだなあという気がする。フリフリフリル&縦マスクのアノマロカリスファッションをした「アノラー」(このネーミングもたまらん)たちが、コンサート会場を埋め尽くしている様は感動モノ。スッゲェ〜。しかもデブも含んでいるあたりが、それらしくて非常にいい。ナトリウム内山「正義のために−世紀末外道外伝−」は、ウルトラマンのパロディでわりとよくあるタイプのネタなのだが、頭がちんぽ型をしたスペルマンの描写が妙にリアルで暑苦しいあたりはちょっと笑える。

【雑誌】コミックドルフィン 11月号 司書房 B5中
 巻頭カラー、みやびつづる「艶母」は今回も汁気たっぷり、実用一直線。ねっちょりと濃いエロの連続。好きだぜ。草津てるにょ「シリガルママVS問題セールスマン」はローション塗ったみたいな、テラテラした女体がいい。櫻見弘樹「幸せという彼女」。柔らかくてさっぱりとした絵だけど、やってることは案外ハード。絵柄の第一印象よりもだいぶ実用的。田嶋安恵「マーメイド・レイン〜君よ、我が珠玉の華…〜」。この人は、女の人が描きそうな線が細くて華やかな絵を描くけど、セックスシーンはわりとガチンコに描くのでいい。身体も豊満。絵を楽しむも良し、実用に使うも良し。
 KASHIみちのく「"HBK" ハートブレイクキッズ」は、相変わらずなんとも楽しそうな作風。いきなり現れて女の子の頭の上にねばねばしたザーメンをぶっかけていく「ぶっかけ隊D-X」という集団と、「ぶっかけられ隊」を名乗る女の子が、実に楽しそうにヤリまくるお話。KASHIみちのくはだいぶ作品もたまってきたし、そろそろ単行本出ないかなあ。売れないかもしれないけど。ドルフィンって、読者コーナーのところで毎月読者の人気投票結果を掲載しているのだが、そこを見てても5位以内に名前が出てくることはめったにないし。

【雑誌】ヤングチャンピオン 10/13 No.20 秋田書店 B5中
 村生ミオ「サークルゲーム」。相変わらず濃い。どうしようもなく。でも馬鹿っぽくもある。富沢ひとし「エイリアン9」。今回の扉はスパッツの股間のアップという、なんだかどうにも素晴らしい図案。しかし、内容はかなり殺戮な感じでハードな展開。うーん、これからどうなるんだろう。藤澤勇希「球鬼Z」は、今回も常軌を逸していて楽しい。今度は堕天使な感じの男がアメリカからやってきちゃうのだが、こんだけ破天荒だと立派というほかない。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/7 No.43 講談社 B5平
 森川ジョージ「はじめの一歩」が燃える展開。ただ、結局のところ「昔の話だから」っていう安心感はある。作:安童夕馬+画:朝基まさし「サイコメトラーEIJI」の最近の展開は、切羽詰まってて緊迫感があってわりと面白い。塀内夏子「Jドリーム完全燃焼編」は、最近予選の厳しさがだいぶ出てきた。

【雑誌】週刊少年サンデー 10/7 No.43 小学館 B5平
 どの作品もそれなりに面白く捨てどころがない。巻中2色ページでサッカーコーナーが4ページあるんだけど、真っ先に取り上げるのが中西永輔ってところがなかなかシブい。サンデーのサッカーコーナーってけっこう面白いと前から思っていた。
 作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!」は、タイでもロリ系女の子を登場させるあたりの心配りが素晴らしい。河合克敏「モンキーターン」は、波多野がフライング恐怖症に。こういったあたりの心理描写とかもうまい。村枝賢一「俺たちのフィールド」は、ダミアン×和也の文字どおりの1対1。テンション高い。燃える。かっちょいいなあ。北崎拓「なぎさMe公認」。まーくんがスッカリ成長。増長しなきゃいいけどって感じ。椎名高志「GS美神極楽大作戦!!」は闘いが終わったと思ったら、また一波乱。最近いい感じに面白いな。



9/21(月)……¥ショップ竹夫人

 うぎゃ、アクセスカウンターの記録ファイルが吹っ飛んだ。そんなわけで、アクセスカウント1を再び目にした人もいることと思う。たしか21日の10時くらいに確認したときには61250近く行っていたので、61250から再カウント。以前にもこういうことは何度かあったが、今回は久しぶりに食らった。というわけで、カウンターは若干正しくないけど、たぶん若干(せいぜい-50くらいまでの範囲だと思う)なので許してくださいませ。

【雑誌】ヤングマガジン 10/5 No.42 講談社 B5中
 地下沢中也が新連載。タイトルは「創立100年ギンザ小学校」。都会の真ん中にあるのだが、真ん中すぎるため子供が少なく、クラスに12人しか生徒のいない学校のお話。初回は、居眠りをするとき、必ず何かのカドに身体を密着させようとする教師の話。まだどんな話になるかは分からないけど、「チューリップティーズ」みたいな、クドくて人生捨てたような話になってくれることを期待。
 沖さやか改め山崎さやか「HIKARi」の前編が掲載。農村で親の手伝いをし、家の近くのさえないデブ女を彼女に持つ高2男子の話。わりと顔はいいんだけど、とくにやりたいこともなんもない彼は、自分がこのまま今の彼女と結婚して農業して生きていくことをなかば運命として諦めていた。しかし、そんなある日、彼女のいとこでかわいくて露出度の高いサリーが、夏休みを利用して東京から遊びに来る。今までは周りに女といえば、デブ子ちゃんしかいなかったためなんとなく諦めていた彼だったが、手近に上モノが現れたおかげでその生活が動き始める……とったところで前編はオワリ。評価は後編次第ではあるが、わりと軽いお話になりそう。タイム涼介「日直番長」。眼鏡をハズした委員長もなかなかいいなー、と思う。「想像生理」ってのはグッドだ。
 次号から平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」が週刊連載化。最近とみに危なくて、俺も大好きなこの作品を週刊にしてくれるとは。さすがヤンマガ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/5 No.42 小学館 B5中
 青山広美「ダイヤモンド」はここのところコンスタントに面白い。種田も成長してるし、バッティングピッチャーの人も意地を見せているし。細野不二彦「ギャラリーフェイク」の今回の話は、チェ・ゲバラがネタ。さすがごはん系の第一人者。流行ってるものはどんどん作品に取り込んで行って、それなりに料理してしまう。ホントに仕事人って感じ。石井達哉「プロファイリング師 朕集院犬清」。今回もバカバカしい。とくに、犬清が推理しているバックでずっと女の子が踊り続けているのがマヌケで良かった。ホイチョイ・プロダクションズ「気まぐれコンセプト」。今回は武富士踊りをネタにしていたが、あの踊りは俺も前からかなり気になっていた。前バージョンの怪しいマカレナバージョンはとくに。

【雑誌】ウルトラジャンプ No.22 集英社 B5平
 大暮維人「天上天下」。今回は女二人のバトルなのだが、もう全編パンチラ&乳ゆらしまくり。うん、大暮維人はコレだ! 松本嵩春「AGHARTA」は、ちょっと新しい展開。謎めいていてかっちょいい。みやすのんき「あした晴れたら」はなんともベタベタで下らねえ。いやー、いいわ。漫画家になる夢を抱いて上京した少女が、アシスタント先の先生が出ている即売会で売り子に狩り出されて、露出度の高いコスプレをさせられるというお話。
 藤原カムイ「福神町綺譚」はさすがの作画。これも昔、ニフティのホームパーティで出たアイデアからスタートしているんだけど、こうやって膨らませて見せられるとやっぱり違う。ただ、福神町のこれまでの流れを知らない人にとっては何がなんだか分からないところはあるだろうとは思う。福神町通信では、コミケで出ていた福神町本が紹介されていたけど、こんな感じでパロディとかがどんどん行われていって、読者の手で作品世界が広がっていくってのが理想的だなー。
 次号は10月20日発売。前は発売日が分かりにくかったが、最近は20日発売で月刊ペースになってきている。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/5 No.43 集英社 B5平
 巻頭カラーの新連載、ガモウひろし「ぼくは少年探偵ダン」は、こりゃまたずいぶん低年齢層向けって感じの作品。最近のジャンプは、メインターゲットが小学校低学年というのを再確認したんだろうか。読切でもそういった作品が増えているし。でも子供が少なくなってきた現在、損な方針のような気はするんだけど……。「ぼくは少年探偵ダン」だが、まともな推理モノはQでこりたのかギャグもの。といってもガモウひろしにまともな推理モノ描かせるわけもないと思うが。富樫義博「HUNTER×HUNTER」はいつもちゃんと面白い。秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」だけど、麗子って前からこんなに乳デカかったっけ? なんか最近すごいような。

【雑誌】きららセーズ 10月号 秋田書店 A5平
 巻頭ふろくに、人に聞けない男の子の「からだのひみつ」という袋とじが付いていることからも分かるように、ちょっとだけ性に興味を持ち始めた女の子向けって感じ。要するに男の子のからだを知らない人向けなわけだから、ちょっとHっつってもほんとにちょっぴり。爽やかで楽しいレベル。
 藤井こぴる「カメラ!カメラ!カメラ!」がコジャレた感じの恋愛モノでなかなかいい。安野モヨコとか、よしもとよしともとか、そこらへん好きな人は気に入ると思う。いしだわかこ「もんぜつナイン」は最終回。ちょっとだけHなベースボールラブコメ。ヒロインの女の子の乳を見て、相手の監督とエースが鼻血吹いて気絶ってあたりの他愛なさがたまらない。


【トップページ】  【過去日記トップ】  【俺日記検索】

ご意見・ご感想は→tshibata@picnic.to