◆ 1998年9月中旬 ◆

9/11〜20
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9/20(日)……リードミー!リードユー!

 ReadMe!Japanに参加してみることにした。と、自分で日記に書く前からすでに細田さんのところでチェックが入れられている。登録したのが20日の朝6時くらいで、上記の細田さんのページからの来訪者が来始めたのがアクセスログによると17時くらい。素早い。アクセス数を人と競うというのはイヤな感じもするのだが、参加している人たちを見ているとなんか楽しそうでねたましかったのだ。

 それはそうと、こういう統計を取るのって俺はかなり好きだ。数字でデータが出てくるのって非常に気持ちがいい。だから、野球なんか見てても数字がすごく気になる。そんなわけで選手名鑑も好き。「ああ、この選手の通算打率は3割を超えているのだな。安打数が1600ちょいだから、あと3年もやれば名球会行けそうだ」「このピッチャー、回数に比して奪三振の数がすごく多いな」とか、そういうことを考えるのって大好きだったりする。
 現在のプロ野球放送を見ていて、いつも思うのが「もっとたくさん数値データを出してほしい」ってことだ。ピッチャーとバッターが対決している場面だったら、まずはそのピッチャーの現在の勝ち負けの数、防御率、奪三振数、与四死球数くらいは欲しい。バッターでは打率、ホームラン、打点くらいまでは表示してくれるのだが、過去10試合の打撃成績、現在のヒット数、盗塁数、四死球数、出塁率も見たい。ランナーがいたら盗塁数、成功率。野手に関しても守備率、エラーの数、捕殺の数。それから各選手の生涯通算成績、出身校のデータ、生年月日も知りたい。できれば2軍のデータも。とまあ、こんだけ表示したらテレビの画面に収まるわけないよな。専用線でインターネットを見ながら(もちろん選手データなどはリアルタイムで書き換えられる)、テレビの野球中継を見るっていうのが普通な時代にならんものかな。知ってどうなるもんでもないけど、べらぼうな知識およびデータの羅列ってかっちょいい、っていうか俺はとにかく好きなんだよう。

【雑誌】快楽天星組 Vol.4 ワニマガジン B5平
 山文京伝「あしたのあたし」は、山文京伝とは思えないような愛情たっぷりのヌルい作品。たまにはこんなのもいいかな。ぢたま某「Super Love Potion」は最終回。本人は「未完だけど完」などと書いてはいるが、まあ幸せなラストだったし、こんなもんでいいんじゃない? 時坂夢戯「乳漫 Bonjour」。俺が星組で一番楽しみにしているのがコレ。ちょっとトロい巨乳娘に自分勝手な男が無体な要求をして(でも巨乳娘は要求に答えちゃう)、おもちゃにしまくって遊びまくる。投げ遣りで遊びまくった展開がすばらしい。
 嶋真介「愛の形」。非常にベタベタなオチなんだけど、脂っ気のないシリアスな画風と、そこまでの重い展開があって、完全に意表を衝かれた。この人の絵はなかなか個性的。ちょっとひぢりれい系。上連雀三平「飲尿女神」は、相変わらずの遊びまくった作風。「姉ポルノ規制法」という法案を登場させ、「児童ポルノ規制法」を巡る状況をパロディしている。ここに出てくる「かもなす先生」って、やっぱり「鎌やん」のパロディかなあ。久我山リカコ「プライマル」。漫画家を目指す青年の青春物語。星組掲載のこのシリーズ、かなり青臭い。そこが好きだ。うらまっく「Kiss me、Kiss me」はいつもながらに手堅い。
 あと、広告によると快楽天変玉が10月15日に発売らしい。予告によると、しろみかずひさ、戸隠イズミ(カシミイル)も掲載される。これはかなり楽しみ。

【雑誌】花とゆめ 10/5 No.20 白泉社 B5平
 今号は中条比紗也「花ざかりの君たちへ」と、山田南平「紅茶王子」が休載。きれいで上品な絵柄が気に入っていた、高尾滋「帝都南天隊」は最終回。でも単行本「人形芝居」が10月19日に発売とのことなので、ちょっと買ってみよーっと。次号は望月花梨「笑えない理由」が再登場で新連載とのこと。

【雑誌】エロトピア 10月号 ワニマガジン B5中
 リニューアルされたらしい。今までのエロトピアの印象がそんなにないので、どこがどう変わったか指摘するのは難しいけど、とりあえず前は誌名が「漫画エロトピア」だったような気がする。これがタダの「エロトピア」になった。あと、ロゴが変わって表紙が垢抜けた感じ。
 巻頭カラーはマーシーラビット「プリズム・フェイス」。七色の顔を持つAV女優って感じの話。この人は、お話自体はわりとどうでもいいのだが、乳がデカい女の人が、いとも簡単に感じまくる実用一直線な作品を描く人でわりと気に入っている。ただ、今回はエロシーンがちと短いかな。ほとんどのページにサービスカットを入れてくるあたりは、仕事してるな〜って感じ。中田ゆみ「Red」。この人の絵はなんか、しみだしてくるような色気があってけっこう好き。十六女十八女「にばんめの真実」。いつまで経っても変わらないぎこちなさ&ヘナヘナぶりだが、なんだかすごく楽しそう。うまくはないんだけど、とりあえず味はある。古きアニメ絵って感じで心が和みますな。

【単行本】「愛米」4巻 コージィ城倉 小学館 B6
 これで既刊分は全部揃い、次の5巻で最終巻。この回はラブのサドぶりと、清次のマゾぶりがクローズアップされるが、強引な展開とどうしようもない脇道への逸れっぷりが実にコージィ城倉らしい。

【単行本】「あぶない令子先生」2巻 桃山ジロウ 蒼竜社 B6
 底なしの淫乱女教師・令子先生がパワフルにやりまくる連載の第2巻め。やっていることはハードなんだけど、どことなくほんわかとしてて心が和む。身体の線とか柔らかくて、親しみの持てる描線がいい。それはそうと、桃山ジロウがいましろたかしのアシスタントだったというのは、ちょっとビックリ。そういえば男のキャラクターが、いましろたかしにちょっと似ているなーとは前から思っていたのだが(掲示板#599参照)。



9/19(土)……ジャンル黒ベエ

 一部で要望があったそうなので、今日から雑誌にも判型のデータを載っけることにする。「平」とあるのは平とじ(要するに本の背中が角ばってる奴。少年誌や少女漫画誌みたいなの)で、「中」とあるのは中とじ(本の背中がきゅっとすぼまって紡錘形になっている奴。青年誌に多い型)を指す。データで前から含めようかどうかと思っていつもやめているのが、ジャンルの表示。少女漫画雑誌は「少女」とか書いておいたほうがその本を探しやすかろうとは思うのだが、例えば少女漫画誌と青年女性誌といった境目を見極めるのは面倒だし、ジャンルを分け隔てするのも嫌いなのでたぶんこれからもやらない。
 で、ここからは余談。そもそもジャンルってある程度まで行くとわりとどうでも良くなるもんだと思う。本を分類するのとかには便利だけど、「アレはこっち、ソレはこっち」といった縄張り争い的なことになると死ぬほど不毛だし。便利に利用するのはいいんだが、それに振り回されるようでは本末転倒。それでなくても、現在ではジャンルってかなりボーダーレスになりつつあるんだし。

 そういえば、以前にNIFTY SERVEのH漫画会議室でジャンルについての論争をしたことがある。「H漫画とは何か?」を一生懸命定義しようとしている人がいたのだが、その人の結論が「H漫画とはヌケる漫画である」というもので、それ以外は認めないというスタンスだったから、反発してしまったのだ。それでは出来が悪くてヌケない奴とか、Hが上品でヌケない漫画、何かを表現するためにHを利用している漫画はどうなのか、とかそういう具合。それよりも何よりも、そういう狭量な定義をすることに何の意味があるのかという疑問があった。
 その人は「ヌケない漫画はH漫画ではないから、そういう漫画の話はH漫画会議室ではすべきでない」みたいなこともいっていたのだが、それではそういった漫画の話題はどこでフォローするべきか。たいていの人はH漫画雑誌に載っている漫画については、話の通じる相手が多いからH漫画会議室で話題を振りたいと思うはずだが、そこから排除されてしまうとほかのところでは話が出しにくい。ほかの会議室で話を振っても、誰も反応してくれないとか、「それはH漫画雑誌掲載だからH漫画会議室でやってくれ」といわれるなんてことにもなりかねない。となると、面白い漫画の話題ではありながらどこでも話が出ず、結局いつのまにやら話が立ち消えになり、その作品について広い層にアピールされることもなく忘れ去られていってしまう。そんなの誰にとっても有益でない。俺は面白い漫画の話さえできればジャンルに対するこだわりってあんまりないんで、ジャンルの定義の枠をガチガチにハメて、作品をはじき出しちゃうっていうのがどうにも抵抗があった。

 ジャンルの縄張り争いは、最終的にはそのジャンルの定義問題に話が行きつくことになるが、厳密な定義をするのはかなりの大仕事だ。そして、たいていの場合は細部でコンセンサスの得られない部分が出てくる。そこらへんでモメていて、いつまで経っても作品の話ができないなんてことになったらそれこそ最悪だ。
 俺としては、ジャンルなんていうのは整理分類のために使えばいいものであって(というかそれ以外の使い途ってあんまり思い浮かばないのだが)、それだけに非常に大ざっぱに把握しておけばいいもんだと思う。というか、逆に大ざっぱな把握以上のことはしようとしないほうが無難だ。大ざっぱにくくって話をするのにはある程度使えるけど、例えばあるジャンルがある傾向にあったとしても、それですべての作品がそうだと決めつけちゃうのは傲慢な感じがするので嫌いだ。
 第一、本のジャンル分けを厳密にして便利な状況を作ろうと思ったら、全国の書店や出版社の間で「これこれこのジャンルは、これこれこういうモノを指す」などという合意を作らなければならず、そんなものを徹底するのは事実上不可能だ。さらにその本が「これこれこういうモノ」かどうかってのは、その本を読まなきゃ分からないが、本を扱う現場ですべての本に目を通す余裕なんてあるわけがない。本屋などでは、大きなハズレさえなければ大ざっぱに何となく「これはこれ、それはあれ」と分類しておくだけで事は足りる。逆に細かくやるといつまで経っても本を並べられないので、結局は意味がない。大ざっぱで何となくだからこそ役に立つものだってあるのだ。

 ……とまあ、偉そうなことを言っているけど、結局のところ、ここに書く漫画についてジャンルの表示をしないのは、自分でジャンル分けしてレッテルを貼るだけの手間と責任を引き受けるのがイヤなのだ。面倒くさいもん。というわけで俺はこれからもジャンルフリーで適当にやっていくつもり。

【雑誌】別冊マーガレット 10月号 集英社 B5平
 やっぱり全般的に面白く読める作品が多い。最初は慣れなかったけど、今では全然平気になった。この春以来、女性向け漫画雑誌にいろいろとトライしてみたが、気に入っている雑誌の一つ。あとはYOUNG YOU、プチフラワー、コミッククリムゾン、なくなっちゃったけどAmie、メロディ、きみとぼくあたりが、俺にはヒット率高めかな。花とゆめは最近、じょじょに面白く感じられるようになってきた。だいぶ少女漫画スキーマができてきたってことだろうか。
 多田かおる「イタズラなKiss」が巻頭カラー。アオリ文句に「毎月絶好調!」とあるけど、たしかに毎月手堅く面白く読める。俺は途中も途中、単行本が20巻以上もすでに出ているような状況から読み始めたわけだが、それでも絵も話もとっつきやすい。河原和音「先生!」。最初はゴチャゴチャした画面構成で音をあげたが、もうだいぶ慣れた。可愛らしい恋愛もので面白いと思う。藤井明美「明日もきっと恋してる。」もけっこう良かった。白っぽい絵で透明感がある。中原アヤ「ラブ!ラブ!ラブ!」。ドタバタしてて楽しい、幼馴染みの二人の恋愛モノ。けっこう好き。
 高梨みつば「微香ルート」はよく考えてみるとなんだかスゲエお話。女子高生が雪の降る校庭で掃除をして寒い思いをしていると、1枚のパーカーが校舎から降ってくる。それを拾った女の子は、「きっとこれを投げてくれた人は、絶対素敵で優しい人だ!」と決めつけ、パーカーに付いていた香水の香りを頼りにその人を探しだし好きになる……というお話。ううむ、なんだかものすごく強引で浮き世離れした展開。そして、実はその人とは両想いだったというオチも。なんかいいぞ。

【雑誌】メロディ 10月号 白泉社 B5平
 創刊1周年記念作品ってことで、和田慎二「スケバン刑事」が復活。タイトルは「スケバン刑事 2nd −prelude−」。今回は外伝というかエキシビジョン的な扱いの作品で、「スケバン刑事」からはキャラクターだけ使われている。作者自身が描いた、パロディ(といっても別にふざけたりしているわけではない)に近い。麻宮サキが「天宮佑希」という名前で、海槌麗巳が「氷室麗華」という名前で、それぞれ「スケバン刑事」のときと同じ容姿をした、別の人物みたいな感じで登場する。今回はこの二人を中心とした学園モノといった趣。いやー、それにしてもこの作品、なんだかヘンな感じのするところがけっこう多い。ユキ(サキ)が「援助交際(エンコー)」「PHS(ピッチ)」「うざったい」などといった言葉を使っているあたりがなんか浮いている。そして、一番スゲエと思ったのは麗華(麗巳)がユキを捕えて、自分の住んでいるお屋敷に閉じ込める。そして、天井からぶら下がってるヒモを引くと、幕がスルスルっと開いて、ドジャーンとばかりにぼろぼろのコインロッカーが出てくるのである。なんでコインロッカーが出てくるのかはネタバレになるので書かないけど、なんだか麗華のやることは非常に極端でけっこうおかしい。まあ、とりあえず前作ファンの人は話のタネにでも読んでみるといいだろう。
 メロディには初登場、那州雪絵の「Doggy days」は犬並に鼻が利く女性がその特殊能力を生かしてペット探偵の手伝いをするというドタバタコメディ。手堅く楽しめる作品。桑田乃梨子「男の華園」は毎回、チマチマとした楽しさがある。楽しんで描いている感じ。我孫子三和「楽園へ行こう!」はクセのちょっとある可愛い絵柄ながら、ハードな展開も見せる。全体的には幸せな雰囲気で楽しいけど。

【雑誌】別冊きみとぼく 秋号 ソニー・マガジンズ A5平
 湖東美朋「たまごのまんなか」は、学校に一人のカリスマ君がいて、彼のおかげで周りの人たちが次々いい感じになっていくというお話。絵がきれいでわりと面白かった。とくにクリクリとした目の感じが好き。橋本みつる「パーフェクト・ストレンジャー」は、主人公の女の子が好きになった人は恋人を失い、さらに自分は利己的な心の動きまで読まれてしまって……って感じのわりとハードな展開。のっぺりとした人物の造形に特徴があって、クールな絵柄。植木家朗「自転車大王」は、なんとなく久米田康治っぽい感じのギャグ漫画。もちろん久米田康治ほど下品ではないけど、絵柄的にもノリ的にもなんとなく似て馬鹿馬鹿しくていい。鵤いるか「Fat Baby/Fat Brain」は淡白でオシャレな絵柄でわりと気に入っている。

【単行本】「天然コケッコー」9巻 くらもちふさこ 集英社 B6
 そよのGパン姿は足がすらーりと長くてカッコいいなあ。風景やら人間の描き方なんかは、単純な線なのだがそれでいて必要十分で、豊富な描画経験の中からすくい上げられたものだけに迷いがない。実際の高校生ってもっと生臭いというのは事実だと思うし、現実離れした絵空事の世界といえないこともない。でも、絵空事だからこそ憧れるっていうのもあるし、楽しめるのだからそれでいいのだ。
 Scene.37は一話まるまるセリフなしのサイレント劇。セリフなしのサイレント劇は、技巧派といわれるような人なら必ず一度はチャレンジしたことのあるものだと思うが、正直いってそれほど面白いと思ったことはない。だいたいにおいて、セリフもきちんとあるオーソドックスな作りの話のほうが面白いと思う。なんとなく「ほうら、俺はこんなこともできるのだぜ。気が利いているだろう。スゴイだろう」といわれてる感じがして、作意が鼻についてしまうのだ。だからこそ、そういう作意を見せないだけの高い技術を持った人がやらないと嫌味になってしまう。技術のある人、例えば松本大洋とかのやる奴はやっぱりいいと思えるものが多い。安易にセリフだけなくしたみたいな奴は、果てしなくダサい。で、このScene.37だが、さすがにくらもちふさこほどの技術でもってやっているのでちゃんと楽しめる。でも、やっぱりセリフのあるサイレントでない話のほうが好きだなあ。



9/18(金)……京極の夢

 6万アクセス突破。6万番めは誰だかは分からないが、なんとなく6万よりも66666のほうが珍しい数値のような気がしないでもない。1回しか出てこない数だというのはどっちも一緒なんだけど。

 会社の近くの本屋をぷらぷらしていたら、京極夏彦の新刊「塗仏の宴 宴の始末」があって、即ゲット。なんだかんだと発売が延びていたが、これでようやく解決編が読める。うれしーぜ! 京極夏彦といえば、第1作「姑獲鳥の夏」が文庫化されたので、京極夏彦作品をこれから読もうって人はそっちのほうがいいかも。とりあえずこれから読む場合は、発表された順番(「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「狂骨の夢」「鉄鼠の澱」「絡新婦の理」「塗仏の宴 宴の支度」「塗仏の宴 宴の始末」の順)に読み進めていって欲しい。こういうのって、やっぱり順番が大事なのだ。「嗤う伊右衛門」は独立した作品なので順番は気にしなくていいけど。

【雑誌】ヤングマガジン青BUTA 10/2 No.4 講談社
 小松大幹「薄情青年」が最終回。この漫画はかなりクサくて青いんだけど、その青臭さを上回る熱さを持っていて面白かった。この人は読ませる力を持っているので、次回作にも期待。単行本出ねえかな。三ッ橋望美「電撃BUG娘」は、ゲームジャンキーの少女の話。この少女の人生捨てっぷりがわりと面白い。天野明「少年スピン」は、学園ラブコメな感じだけど、なんとなくアナーキーな作風。こじんまりとまとまった絵はそこそこ好み。石川雅之「カタリベ」は紅潮にドラマが推移。骨太な展開で面白い。

【雑誌】漫画ばんがいち 10月号 コアマガジン
 ヌルい雑誌という印象がある。それなりにみんな絵はうまいんだけど、どれもみんなパワーが少し足りない。漫画の本数がもうちょっと多いといいんだが。コラムページがページ数のわりにあんまり面白くない(ほとんど読んでないけど)のもつらいところ。コンビニ売りだとあんまり濃くできないのかなあ。
 上月まんまるの新連載「GOGOヘヴン!!」は西遊記ネタどりもの。それにしても西遊記元ネタ漫画って多いなー。このタイトルで西遊記でコアマガジンというと、田沼雄一郎の「GO GO WEST」を思い出してしまう。上月まんまるは十羽織ましゅまろ系の絵柄。パワフルな感じがわりといい。あとはうらまっく「なつのはな」。ちょいとホラーめいたファンタジーでいつもながらにきっちりまとまっている。巻末4色カラーページで、鎌やん&マンガ防衛同盟の「児童ポルノ法案」報告漫画が掲載されている。興味のある人は読むべし。

【雑誌】コットンコミック 10月号 東京三世社
 みずたまうさぎ「若奥様はコスプレちゃん」。かなり玉置勉強の影響受けてるな〜。もちろん玉置勉強よりだいぶヘタだけど。でも背景を描かないってところまで、影響受けなくても……とか思う。渡辺ヒデユキ「忍者がいっぱい」のC級さ加減に心が和む。絵も古いし、ネタもベタベタなのだが、そこがいいのだ。そして、コットンコミックを買う理由である駕籠真太郎。今回の「駅前発条」は、身体のあちこちにバネをしかけまくる社会と、未亡人のお話。下らないギミックはいろいろと面白いが、いつもよりも完成度は低め。もっと濃い奴を読みたい。

【単行本】「ARMS」5巻 皆川亮二 小学館 判型:B6
 X-ARMY(エグザミィ)編決着。ARMSというすごい力がありながら、それに極力頼らないで話を進めていくあたりがうまいなーと思う。もちろん絵もうまい。こういう絵のうまい漫画はできればもうちょっとデカい判型で読みたいところ。

【単行本】「ゲイン」6巻 なかいま強 小学館 判型:新書判
 地味ながら、毎度いい仕事をしていると思う。今回は大会(高校選手権だっけか?)を控えての合宿編。スポーツ漫画のには合宿のシーンってよく出てくるが、俺はけっこう好き。主人公たちが着実に力をつけていくのって見ていて楽しいので。

【単行本】「俺たちのフィールド」31巻 村枝賢一 判型:新書判
 青ベースの表紙が美しい。日本代表のユニフォームの色はちと違うけど、まあそれはオッケー。今回は日本がサウジ戦に勝利して、W杯出場を決定。和也がどんどんバケモノ的成長を遂げているが、それに説得力がある。ここらへんは描写力の勝利って感じ。



9/17(木)……ガッツ小鵜飼い団

 吉田戦車のページに「酢屋の銀次」のデータを追加するとともに、単行本の紹介文やレイアウト等を大幅に改訂した。吉田戦車のページは、このホームページの中でも最も初期のころからあるコンテンツの一つだが、作り始めのころはページ作りに慣れていなかったため、紹介文が非常に短かったり、画像サイズの指定をしてなかったりと、今見ると不満な点が多かった。「酢屋の銀次」のページを作成するに当たって、ほかのページも改訂したわけだが、この作業はかなり面倒だった。まあ、何はともあれ、これである程度納得行く状態になったので、少しだけスッキリした。

【雑誌】ヤングサンデー 10/1 No.42 小学館
 細野不二彦「太郎」は巻頭カラーで連載再開。最近の展開はなんか異様にベタベタで過剰だなあ。いわしげ孝「新・花マル伝」はvs.木元の前哨戦。花マルvs.亀山vs.不破の三つ巴で代表決定戦。3人とも強いだけに次号からの試合は熱くなりそう。山田芳裕「デカスロン」はかなり盛り上がっていていいのだが、最近休載が多いのは気になる。次号も休載らしい。大丈夫かねえ。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」は、意表を衝いてマリアに焦点がシフト。トシモン、マリア、ハンター、ヒグマドン。これらのキャラクターたちの道はいずれ一点に集束していくのではないかと思うが、そのときにどういう展開が待っているのかが楽しみ。

【雑誌】モーニング 10/1 No.42 講談社
 ん〜?今回のモーニングは後半はほとんど読切。最近連載をぼんぼん終わらせているモーニングだが、何を狙っているんだろうか。読切の質が高ければ、読切好きな俺としてはすごくうれしかったんだが、注目するほどの作品はほとんどなかった。
 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」は新連載としてスタート。かわすみひろしの前作「はまりんこ」はわりと好きだったのだが、今回のはなんとなくおっさんくさいのでどうなるんかのうって感じ。この人は、男の描き方がもっとうまくなるといいのになあ。井上雄彦「バガボンド」は連載3回め。早くもモーニングの柱になりつつある。柱とまではいわなくても、目玉であることは確か。さすがに画面は迫力があるし、かっちょよく面白い。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/1 No.43 秋田書店
 高橋葉介「学校怪談」が巻頭カラー。あな珍しや、と思ったらオリジナル実写ビデオ(「オリジナルアニメビデオ」が「OAV」なら、こちらは「OJV」だな)が9月25日に発売になるとのこと。板垣恵介「グラップラー刃牙」。大方の予想どおり、ジャック・ハンマー圧勝。それにしても今回の対戦は痛そうだ。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」は相変わらずのくそ豪快ぶり。くそ気概。

【単行本】「SPEED KING」2巻 間部正志 講談社 判型:新書判
「ノーホシTHEルーザー」の間部正志は今では月刊少年マガジンで描いているのだ……といっても知名度はかなり低いと思うが。熱血陸上漫画で、力強い展開。「ノーホシTHEルーザー」ほどの邪悪さはないのだが、正統派なスポーツ漫画として十分面白い。とくに注目は主人公の女友達で不良グループのエミ。不良時代の主人公が好きで戻ってきてほしいのに、陸上をやっているときのかっこよさにも惹かれてしまい、複雑な思い。素直になれないんだけど、なんだか健気でかわいくて非常にいいのだ。



9/16(水)……裏アンコ熊党術

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/28 No.42 集英社
「I''s」(桂正和)。ベタベタに甘酸っぱいですな。あこぎですな。そこがまたいいんですな。武井宏之「シャーマンキング」は、掲載順がだいぶ後ろになってきたし(後ろから2番目)、「シャーマンファイト」という、天下一武闘会みたいなものが出てきてしまった。なんとなくヤバ気なきざし。ジャンプパターン?

【雑誌】週刊少年マガジン 9/30 No.42 講談社
 森川ジョージ「はじめの一歩」。鴨川ジム会長の昔の話編に移ってから、最大の盛り上がりを見せようとしているところ。来週あたりからの展開はかなり燃えそう。「真・中華一番!」(小川悦司)はいつもながらに馬鹿っぽい。病身の知事が、料理食ったらいきなり走り回ったりするあたりアホくさくて楽しい。

【雑誌】週刊少年サンデー 9/30 No.42 小学館
 満田拓也「MAJOR」は、変則野球でついに吾郎登板。いつも手堅く面白い。曽田正人「め組の大吾」。こちらも相変わらずの充実。力ずくな救出ぶりが、いかにも曽田正人らしい。作:森末慎二+画:菊田洋之「ガンバ!Fly High」は、足を負傷しつつも藤巻が観客の声援に助けられて演技を続ける。うむ、爽やか。
 ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミンUP!」。ヌルい。ひじょーにヌルい。でもそこらへんの行ったり来たりが魅力だな。最近、わりと楽しく読んでいる。村枝賢一「俺たちのフィールド」。満身創痍であと3分。うーん、ギッチギチだあ。北崎拓「なぎさMe公認」は、まーくんの成長が著しい。男子800メートルのあたりはいつも熱い。この漫画、熱さとヌルさとベタベタさが抜き抜かれつしてかわりばんこに前に出てきて、いつも飽きさせない。久米田康治「棒の手紙」かー。うまい。三好雄己「デビデビ」。「裏」で「暗黒」で「魔」で「闘術」。

【雑誌】オールマン 10/7 No.19 集英社
 六田登「親愛なるMへ」はかなり袋小路な展開でいい。やっぱり読ませるための確固たる力を持っている。末松正博「殿様ルーキー」は、あっけらかんとして、それでいてちょっとHで馬鹿馬鹿しくコンスタントに楽しめる。そういえば最近、「江口寿史に似ている」っていわれなくなったなあ。俺としては最近の作品は末松正博のほうが面白いと思うので、江口寿史より好きだ……と書いたそばから「でも、好き嫌いに順位なんかつけてもしょうがねえよなあ」とも思ったりもする。どっちみち、ちょっとでも面白ければ両方とも読むんだし。ジョージ秋山「弘法大師空海」。いやー、なんかすさまじい構図。正面を向いてまったく同じポーズ、表情の空海(まだ「真魚」という名前)が見開きで11体もぼんぼんぼんぼんと。そしてセリフが、ほんほんほんほんと連発される。実に異様。これがジョージだ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 10/7 No.12 講談社
「B級」という触れ込みでスタートした雑誌だが、最近あんまり面白くない。「Bクラス」とか「Bランク」という言葉が頭をよぎる。B級っていわれても何がB級かって定義はしにくいので、難しいところだと思うが、頑張ってほしい雑誌ではある。今回のおっぱいイラスト、E-Oppersはうるし原智史。通学路でなんかやたら服を脱ぎまくっている女子高生3人の図。羞恥プレイは好きだが、できればもうちょっと恥ずかしがっているふうがあるとうれしい。巻頭カラー、作:田原成貴+画:のだしげる「的中」は、本宮ひろし系っていうかまんま。たぶんアシスタントだろう。オールマンで「監査役野崎修平」を描いているのと同じ人。
 作:山本英夫+画:こしばてつや「援助交際撲滅運動」は今回が最終回。因果応報って感じの、濃くて痛そうなラスト。このコンビ、異常に濃くて良かったので、また組んでみてほしい。原作と作画を入れ換えるというのも手だが、どちらかっていうと山本英夫の凶悪な原作がこしばてつやの脂っこい絵で生きている感じなので、逆だと凶悪さが足りないかもしれない。相沢トモコ「花川ジンタ」が再開(どうでもいいけど、扉のところで「連載再会」となっているのはわざとかにゃー)。読むものが一本増えた。玉置勉強「恋人プレイ」。リンク張ってもらってるからいうわけじゃないけど、これは毎回きっちり面白いと思う。現在、俺のUppers読書の柱。サガノヘルマー「SATELLITEぢゅにゃ」は、よくわからん汁とぐねぐね感が増してきた。もっともっと。

【単行本】「RIOの黒船丸」 きくち正太 スコラ 判型:A5
 ああ、そういえばこんな作品もあったねえ。今はなきモーニングオープン増刊でさわりだけ連載され、雑誌休刊とともに中断されていた作品。
 おばあちゃんの家で作った美味しい米で育ち、今は格闘雑誌で仕事をしている女性編集者・麻子が世界一強い男のコメントを求めにブラジルに渡る。そこで、バーリトゥード界最強のチャンピオンを取材しようとするが、チャンピオンは乱入してきた謎の少年にぶっ飛ばされる。彼は実はブラジルの奥地で農業を営んでいる日本人だった。最強の格闘家を日本に連れていこうとする麻子だったが、少年・黒船丸には世界中の人たちを自分の作った米で腹いっぱいにしたいという野望があった。ストーリーは、麻子が黒船丸に日本行きを承諾させたところで中断。
 それまでの展開は、たきたてのご飯の美味しそうさと黒船丸のかっちょよさで順調だっただけに、中断はもったいない作品。まあ一応ひと区切りはついているといえなくもないので、読んでもそんなに後悔はないはず。サンバのリズムとお米の香りが漂っていて、収録分はきっちり面白いし。



9/15(火)……くっちゃねファッキンホリデイ

 休みだし、ちょっと町田まで出て本棚でも買わねばな〜とか思っていたのだが、昼飯で一回起きてまた寝て起きたらもう夜の7時半。最近休みとなるといつもこの調子で、起きるとナイターが始まっていたりする。かなり無為。今週はまだ一日しか会社に行っていないので身体だって疲れてなかろうもんなのに。

【雑誌】ZetuMan 10月号 笠倉出版社
 今号で2周年。本当は17日発売の本だけど、早売りでゲット。今号はなんとなく散漫な印象を受けた。続き物の作品がインターバルっぽかったのと、読切であんまり強烈なのがなかったからかなって気がする。絵は比較的うまい人が多いのだけど、ストーリーもしくは実用面でガツンとくる作品が少ないので、全体的に中途半端な印象を受けた。
 G=ヒコロウ「ロッカウェイナイト」はいつもの作風。女の子がなにげに可愛いと思うのだ。榊原薫奈緒子「魔法のススメ!」はかわいい絵でむやみに楽しそうなところがいい。ZERRY藤尾「扉をコジあけて」。最近のZERRY藤尾の作品はいやらしさが増してきた。前よりも身体の線が柔らかくなって脂がのってきた感じがする。見せ方は相変わらずうまいし。MDM「ゆああいず、おんりぃ!2」はラフな描線で白っぽい画面が少し手抜きっぽいけど逆に目立つ。描画技術的にはうまいし。

【雑誌】覇妃狗(パイク) 神無月 Vol.13 ふゅーじょんぷろだくと
 今回のパイクはイマイチ。夏コミ同人誌特集らしいんだが、うまい人が少ない。探せばもっとうまい人はいっぱいいそうな気がするんだけど。
 天真楼亮一「勝手にインタラプト」は、絵は古めだけど恋人のいる女の子が大勢の男に嬲られるという話は好きなので、俺としてはそこそこ実用的。TAGRO「Cold Medicine」。相変わらず絵はうまいが、話の分かりにくさも相変わらず。ちなみに初単行本「SO DANCO SAMBA」は発売がまた延びて9月中には、とのこと。まあふゅーじょんぷろだくとだから、そう簡単には出ないと思ってるので別にいいけど。うらまっく作品集も10月になった模様。3号あにき「ザ・コレクターズ」は絵は下手だが、病んでいてわりといい。あと、あめかすり「妊娠17箇月」は線が細くかすれたような少女漫画っぽい絵柄で、SFっぽい作品世界を作っていて、このまま話がうまく続けばいい作品になりそう。

【単行本】「白激!! SPERMA」 1ROO 三和出版 判型:A5
「1ROO」は「イチロー」と読む。すごくテンションが高い。デカい乳、ビッキビキにはりつめたちんちん、あふれ出す白い汁。終わらないハードSEX。三和出版というだけで分かる人もいるだろうが、やっぱり強烈に濃い。実用性は非常に高いと思うけど、アクが強すぎる絵でやっていることも強烈すぎるため、エグすぎて実用には使えないという人もいるかもしれない。でも、濃厚民族や体液軍人な方々には文句なくオススメ。中でも「欲情変体乳子」は、畸形といってもいいくらいのデカすぎる乳が圧巻。最後なんて乳以外の全肉体よりも乳のほうがデカいくらいになってるし。



9/14(月)……今日もどこかでデビウマン

【雑誌】漫画クリスティ 10月秋号 光彩書房
 東京Hに看板連載の「MOMONE」や、沙村広明のイラストページが吸収されたため心配していたら、案の定この号にて休刊。まあクリスティに関しては休刊は仕方ないところだと思う。なんつったって、これだけ取り扱い書店数が少なく、さらに発行日がいつだかわからんような本が売れるわけがない。しかも720円とA5サイズ雑誌としては値段高いし。最終号の読者コーナーに、読者のお便りがまったく来てなかったっていうあたりも苦しさを物語っている。友永和は東京Hに行ったからいいとして、気になるのはみかりんとDAPHNIAの行き先。両方ともロリ系だが、みかりんはいろいろ行き先はありそう。となるとDAPHNIAがやっぱり気になる。東京Hで描くような肉弾系ではないし、もともと多作でないし、ほかにも仕事ある人だし、と考えるとちょいとキツイところ。どこでもいいから作品を発表し続けていってほしいものだが。
 そのDAPHNIAは今回イラストのみ。う〜ん、漫画が読みてえ。ゴブリン「美穂ちゃんの性器」。今回もストレートにひどい。なんか暗澹たる気持ちになってくる非道さが大好き。突き抜けてるなあ。ワンパターンでもまったくかまわない作風。町野変丸「気持ちいいちんぽ(包茎編)」は超巨大だけど包茎で、それをむくと魚卵のように多数のクリトリスがびっしりと亀頭を埋め尽くす、おそろしげなちんちんを付けた女の子の話。ブツブツちんちんのインパクトがすごい。
 木工用ボンド「拘束」。このステロタイプな絵、安易な展開、それなりの実用性。まさに絵に描いたような美少女系エロ漫画って感じがする。ちょっと絵が古めなところもまた。実はけっこう好き。みかりん「みかりん日記チェックワン」。相変わらずの天然で確信犯的な作風。「みかりん日記」という開き直ったタイトルも素敵。この人の漫画は本当に生っぽい。愛媛イヨ「更衣室は行為質」。絵がものすごく古風なんだけど、ムチムチしていていやらしい。

【雑誌】ヤングマガジン 9/28 No.41 講談社
「カイジ」(福本伸行)。「やっぱりこの手で来たか〜」って感じ。5月22日の日記で、30ミリを超えて賭けるのはどうかみたいなことを書いていたのだが、やはり、って感じ。最後はこの手しかないよな。前川かずお「DEI48」は破武男(はぶお)が覚醒。やられた敵が「オオオヤビビビビビビビン」とかいってるのがなんだかおかしいぞ。そして手を筒状にしてシュッシュッとしながら去っていく女性ってのもまた。
 次号から沖さやか改め山崎さやか「HIKARI」の前編が掲載。講談社に移籍というか、主戦場を移しちゃうのかなあ。どっちにしろ作品が読めさえすれば、どこで描こうと構わないんだけど。それから次号は地下沢中也の新連載「ギンザ小学校」も始まる。地下沢中也のどうしようもないギャグは大好きなので、登場はうれしい限り。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 10/1 No.19 小学館
 細野不二彦「愛しのバットマンRETURNS」が久しぶりに掲載。いつもの細野節で手堅くまとまっている。岡崎二郎「国立博物館物語」はウンチクをうまいこと物語の中で生かしてくる。いい仕事している。作:矢口史靖+画:とみさわ千夏「プリーズ・フリーズ・Me」。健康なお色気って感じ。女の子がわりと可愛い。高田靖彦{演歌の達」は相変わらず骨太なドラマ。がっちり読ませる。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/28 No.41 小学館
 柴門ふみ「ブックエンド」。けっこう少女漫画していていい。柴門ふみってだけで毛嫌いする人もいるかもしれないが、案外読める。ただ、この人の漫画の場合ってラストが近づいてくるにつれてまとまりがなくなってくるような気がするので、そこらへんをうまくやってくれるといいのだが。石井達哉「プロファイリング師 朕集院犬清」。下品で強引で下らないのはいつもどおり。そこらへんが好きだ。作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。うおー、坂田信弘はとことん選手を痛めつけなくては気が済まないようだ。強引な盛り上げは好きだが、これで負傷を押して走るのは3人めなのでたまには違う盛り上げ方も欲しいところ。痛くなさそうな奴。

【雑誌】ヤングキング 10/5 No.19 少年画報社
 表紙を開くとその裏がアダルトアニメの広告だってあたりが読者層を物語っているのだろうか。吉本蜂矢「デビューマン」が掲載。相変わらず無謀で勢いがあってバカチンなハイスクールライフ。この漫画、けっこう下劣で笑えるので単行本購入をオススメする。カッチリとした線で、ポップでかっちょよくデザインされた作画もいい。「イケてる2人」(佐野タカシ)。どうにも馬鹿馬鹿しい展開とオチ。平和だ。有村しのぶ「HOPs」。なんかベタベタな「ちょっぴりHな展開」が待っていそう。こういう他愛のないのって楽しい。

【雑誌】ビジネスジャンプ 10/1 No.20 集英社
 村生ミオ「セックスレス」。最近の村生ミオは妄執バリバリ系のストーカー女モノの濃さ、そしてお気楽お色気系のくだらなさのコントラストがすごい。そしてどちらも共通して馬鹿馬鹿しい。なんか目が離せねえ。冬目景「イエスタディをうたって」は3回め。順調に来ていると思う。この人はやっぱり現代モノのほうが好き。
 広告を見たところエキストラビージャンが9月25日発売。「Karen」の塩崎雄二が描くみたいで少し楽しみ。平松伸二「どす恋ジゴロ」も。あとヤングジャンプの17日発売号江口寿史が12ページ掲載されるらしい。「悶絶GAG」とあるが、最近の江口寿史のギャグってハズし方が痛々しいのでどうなるものやら。COMIC P!で作画していた原作付きの女子高生漫画(ギャグなし)はわりと良かったので、ああいうのやってくれればいいのに、とか思う。



9/13(日)……理屈者

 お休みだったので、コミティアで兄が買った分の同人誌にも手をつける。まだ兄が買った本を全部俺の部屋に持ってきてないので、未読分もいくつかあるが。
 同人誌といえば、最近かなり収納に困ってきている。同人誌は一冊一冊が薄いから本棚に並べても背表紙でどれがどの本なのか分かりにくく、分類しにくい。もともとすでに本棚は飽和状態になっているので、置くところにも事欠いているし。そろそろ本棚買わなり、読まない本を売るなりしないとヤバい時期に差しかかってきている。

【単行本】「愛米」1〜3巻 コージィ城倉 小学館 判型:B6
 幼馴染みの愛(ラブ)と米夫(コメ)。ラブは女子高生となった現在ではプロポーション抜群、成績優秀の学園のスーパーアイドルだが、昔(小学校低学年くらいまで)は米夫が好きでたまらず、米夫にまとわりついてばかりいた。その米夫は現在ではアイドルオタクに。過去、米夫をおっかけまわしていた過去を汚点として持つラブは、米夫に殴る蹴るのイジメを加え続けるが……というお話。
 コージィ城倉の描く作品は下品なところもあるが、強引なネームと展開でグイグイ読ませてくる力強さがあって好きだ。1週後にはどうなるかまったく分からず、あまりにもあんまりな展開をすることもあるのだが、それでもなんとなく読者に有無をいわせない。現在4巻まで出ているのだが、4巻はまだ買ってない。そのうち買う。

【単行本】「はるかリフレイン」 伊藤伸平 白泉社 判型:B6
 進研ゼミの「高一チャレンジ」という、普通はまず目にすることがなさそうな雑誌で連載されていた作品。目の前で起きた交通事故でボーイフレンドをなくした女の子・はるかが、なぜか起こるタイムスリップにより、その事故の直前直後の時間を何度も繰り返すループにハマってしまう。その中で、はるかがボーイフレンドを救わんと奮闘するという物語。ボーイフレンドは彼女の目の前で何度も何度も死んでいく。なかなか珍しい構造の物語。さっぱりとした絵で途中も楽しく、ラストのタイムスリップの輪がついに切れるあたりも、キャラクターを甘やかさず、それでいながらさわやかできれいに終わる。けっこう面白かった。

【同人誌】「けだもののように」II-3 渋蔵 <ぐんたまカンパニー>
 詳しい作品紹介は兄のページ参照(兄が作っているページだとこういうふうにリンク張っときゃいいから楽だ)。今回はヨリ子の親父の実家でのお話。怪しい色気とグイグイ引き込んでくる展開は健在。なお、「けだもののように」は98年5月から池袋・秋葉原の虎の穴で委託販売されるようになったらしいので、コミケにもコミティアにもいかない人は虎の穴(通販もやっているはず)に問い合わせてみるべし。なお、渋蔵(比古地朔弥)は現在のところ、商業誌では掲載の予定が立っていないとのこと。残念だなあ。でも気長に待つ。

【同人誌】「朝焼けの中で」 あびゅうきょ/ぽわそん・だぶりる
 執拗なまでの描き込みは相変わらず病的で執念深い。本人もそんな感じの人らしいと風の噂に聞いたことがある。達者な絵と、作品の中に潜む狂気がたまらない。

【同人誌】「hanakana」 池部ハナ子/望月かな
 池部ハナ子の作品は、ちょっとホラーっぽさが入った狂おしい愛のお話。昔は耽美色の強かった絵は、今ではだいぶポップになっていて、お話もわりと南Q太系になっている。手堅くまとめてきっちり読ませる。やっぱりうまい人だなーと思う。

【同人誌】「つくりものがたり」 三五千波 <つくりもの>
【同人誌】「きれいごとエレガンス」 三五千波 <つくりもの>
【同人誌】「邪悪なるひとさらい」 三五千波 <つくりもの>
【同人誌】「Marchen Kreis」 三五千波 <つくりもの>
 三五千波の作品集4冊。「Marchen Kreis」(メルヒェンクライス」の「a」は本当はウムラウト付き(ウムラウトっていうのは文字の上に二つ点を付ける記号。「‥」←こーゆー奴)。いや〜、この人はスゴイ! ホンモノというか天然って感じがする。向こう側の世界にいらっしゃる方という印象。ぎくしゃくした線で、不自然なポーズを取ったお嬢さまどもが、イカれたメルヒェンの世界を繰り広げる。とくに「メルヒェンクライス」はヤバい。神経症病みかと思うような、異様な背景やらセリフ回し。コマ内とかコマ外だとか、そんなことにこだわらずに配置される書き文字。読んでいて目の前がクラクラとしてくる怖さがある。スッゲェ〜。「メルヒェンクライス」が一番発行時期が古く、新しくなるにつれ、上手になり、アンバランスさは少々影を潜めてきているかのように思える。それでも、どの作品にも荒っぽい世界に対する悪意がほの見える。



9/12(土)……ロックマインド・トンカツ

 かつての同級生と酒を呑む。小学校が一緒だった奴が三人、そのうち二人は中学校も一緒だった。その三人とはなぜかその後、大学が一緒になってしまったのだが、そういうことになるとは神ならぬ小学生の俺では想像さえできないことだったのだ…… (つづく←ウソ)
 そんなわけで遅くまで呑んだり食ったり麻雀したりしていたので、今日は日記だけの更新。コミックビームの収録作品リストとか、吉田戦車「酢屋の銀次」のデータ補完とかはまた明日にでも。

【雑誌】コミックビーム 10月号 アスペクト
 近藤るるる「新ハイパーあんな」が最終回。ちともの足りない感じがしないでもないラストだが、まあこんなもんかな。コミックビームのメールサービス(単行本に付いている葉書で申請すると送ってくれるようになる)によれば、これで近藤るるるがビームから去ってしまうわけではなく、ちゃんと次回作も載る予定らしいんでファンの人はひとまず安心してもいいだろう。
 それから小池桂一が新連載。タイトルは「ウルトラヘヴン」。同じくビームのメールサービスによれば、現在4話分原稿があがっているのだが、その執筆にかかった期間が1年半とのこと。前回の登場以来ずっとかかりきりだったみたいだ。筆は遅いけど、さすがに画面のクオリティはすごい。読者の視点が登場人物の視点とシンクロするような圧倒的な構図、緻密に描き込まれた細部のディティール。さすがだ。次回以降、とりあえず4話分は読めるはずなので楽しみだ。竹谷州史「PLANET7」。バサバサとしたかすれたようなタッチで描く、黒々とした画面は迫力があってかっこいい。第3回目だが、今のところなかなかいい感じできている。
 羽生生純「恋の門」。かなり病みまくっていて業の深い世界。やっぱりいい。いましろたかし「釣れんボーイ」は死ぬほど淡々と日常を描写している。この、なんのクライマックスもなくカタルシスもない展開がたまらない。金平守人「FRUSTRATION」は、ある物語がスタートしたと思ったら、すぐさまその物語の脇役が主人公になり、その視点に移ったと思ったらまた違うものが主人公になる……というのを繰り返す構造の漫画。毎度いろいろと仕掛けをしてきて面白いなあ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 新人コミック大賞増刊号 小学館
 木村伸吾「とんかつ屋」が圧倒的にいい。俺の心にビンビン来た。作風が非常に濃い。トンカツ作りにムダなくらいの情熱というか妄執を持ち、トンカツに生きトンカツに死ぬトンカツ職人の話。理想のトンカツの味を求めて、今日も明日もトンカツを揚げ続ける。これを読んでトンカツが死ぬほど食いたくなった。そんなわけで明日食う。もう決めた。俺はトンカツが好きだ。ビバ!トンカツ!
「ポケットにナイフ」(武富健治)。この人は暗黒系で畸形で強烈な作品を同人誌で発表している人で前から注目している。作風の陰鬱さは並じゃない。今回はなんだか、ものすごくアナクロな学園モノ。なにやってるんだかって感じで妙な読後感。妙ちきりんな人だ。だから好きなんだけど。

【雑誌】ビッグコミック 9/25 No.18 小学館
 表紙が小渕総理で「既視感」という文字が踊っているのだが、「既視感」ってこの雑誌全体のことかいな、とか一瞬思ってしまう。それほどいつ読んでも印象がおんなじだ。というわけでいつもどおり「ムカデ戦旗」(森秀樹)と「遥かな町へ」(谷口ジロー)が面白い。あとはまあぼちぼちと。

【雑誌】COMIC Zip 10月号 フランス書院
 上連雀三平「ANAL JUSTICE」が最終回。最後までおちんちんにこだわった馬鹿げた展開が素敵だった。ああ、おちんちんって素晴らしい! 早く単行本2巻が出てほしいところ。あるまじろう「それは宇宙からやってきた」。この人の絵はなめらかな肌触りでさっぱりとしていて、それでいてHさもあって好きだ。

【単行本】「エノティック」 榎本俊二 双葉社 判型:A5
 衆目の一致するところだと思うが榎本俊二の描く女性はエロティックだ。そして、この単行本ではいやらしさがいつにも増して高い。これで抜くのも可能だと思う。それから実験的な作品もかっちょいい。縦からでも横からでも読める漫画なんてスゴイの一言。収録作品は近代麻雀系に掲載されたものを中心に、ヤンサン大漫王、COMIC Cue、ビンゴ、アクション2などの掲載作品をまとめたもの。



9/11(金)……酢屋銀事件

 白泉社文庫から吉田戦車「酢屋の銀次」が発売されたので買ってきたが、予想どおり再録本。「鋼の人」と「くすぐり様」を1冊にまとめたもの。そんなわけで両方ともすでに持っている人は買わなくてもいいと思う。判型も小さいし。
 漫画文庫って俺はどうもイマイチ好きになれない。漫画の原稿ってだいたいもとはB4程度のサイズだと思うが、それを文庫本サイズまで縮めてしてしまうっていうのはなんだかあまりに乱暴な気がする。やっぱり小さい判型だとその作品の持つ面白さを余さず味わえないと思うし、そんな状態で評価しては描いた人に失礼な気がしてしまう。例えていうなら、映画をビデオで借りてきて9インチのテレビで観るみたいな感じ。だから本当は新書判やB6もあんまり好きでない。最低でもA5にしてほしい。最近では遠藤浩輝の単行本を読んで強く思ったことなんだけど、ああいう作品は判型が大きければ大きいほど面白く感じる。遠藤浩輝の単行本が出たときに「なんだ、騒ぐわりにはそれほどでもないじゃん」という感想を述べていたのは、単行本で初見だった人に多かったような気がしないでもない。俺にしても、「雑誌で読んだときのほうが全然面白かった感じがする」と思ったくらいだし。
「俺は漫画文庫好き」っていう人もけっこう見かけるし、それはそれでおおいにけっこうだと思う。ほかの人が何を好こうがどうでもいいし。でも、俺に関してはあんまり好かん。「酢屋の銀次」にしたって、元の2冊をそのまま再版してくれるだけでもいいのになあ、とか思ってしまう。だから、ほかにその作品を読む手段がないとき以外は俺は漫画文庫ってまず買わない。できるだけ既刊でもっとデカい判型の奴を探す。一番困るのはおおむね再録でちょっとだけ既刊単行本に未収録だった作品が入っているってパターンだ。ちなみに小説は文庫のほうが圧倒的に好き。ハードカバーは開きにくいし。

【雑誌】ヤングアニマル 9/25 No.18 白泉社
 三浦建太郎「ベルセルク」の、ミッドランドに戻っての新章はさらに重苦しい感じで面白くなりそう。もうギッチギチに濃い展開を希望、っていうかたぶんそうなるんだろうと思う。克・亜樹「ふたりエッチ」はキャミソールの話。毎度ベッタベタで馬鹿馬鹿しい。最高。二宮ひかる「ナイーヴ」はいつもながら面白いが、今度は仕事の話に入ってしまうのだろうか。あんまりビジネスっぽくならずに痴話喧嘩に終始してくれると楽しいなあ。こいずみまり「コイズミ学習デスク」は今回もテンポ良く下品。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」9巻 能田達規 秋田書店 判型:新書判
 ものすごいまでの安定ぶり。常にほのぼのと心和ませ、女の子がラブリーで、お話も暖かくて読んでいてホッとするお話を常に作り出してくる。実に楽しくていいなあ。今回はショートパンツでピッチャーをやるアイちゃんと、ドレスを着た東麗子が非常にイイ!イイものはイイ。理屈をこねようと思えばこねられるが、ここはとりあえず理屈抜き。

【単行本】「神童」3〜4巻 さそうあきら 双葉社 判型:B6
 最後まで非常に面白かった。とくにラストのほう、うたが音を失ってからワオたちの助力もあって立ち直るあたりは実に良かった。最終話、うたが復活して、理想の音の世界を生み出していくシーンは感動的。さそうあきらは本当にいい仕事するなあ。

【単行本】「怪奇カンヅメ」 伊藤潤二 朝日ソノラマ 判型:A5
 ヤバイなあ……。手を出さないでいたのに、買い始めてしまった。この人って既刊単行本がすごくいっぱいあるので全部集めるとなるとつらいんだけど……。あんまり恐くはないが、繰り出されてくる奇想の数々、グロテスクな描写が面白い。この中では、謎の巨大生物が浜辺にうちあげられる「漂着物」がいちばん好き。

【同人誌】「MESSENGER総集編」上下巻 おさわゆき <COMITIA PERSONAL COMICS>
 この本は1992年発行だが、今まで買っていなかったのが悔やまれる逸品。  主人公はブティックでハウスマヌカン・オムをしているあと太という名前の男。彼は5年ほど前に交通事故に遭ったのだが、その後順調に回復してそれまでとなんら変わりない生活を営んでいる。通院自体はまだ続いていたのだが、ある日の検査で彼は事故のとき輸血に使われた血液からエイズに感染していたことが判明する。その事実が周囲にもれ、彼は仕事場をクビになり、マンションからも追い出される。失意の中にいたあと太だが、彼の親友であるなっちゃん、恋人であるマリ子はけして彼を見捨てるようなことはなかった。周囲の暖かい目に見守られながら、あと太は自分に残された時間を悩みつつも静かに暮らしていく……という物語。
 キャラクターたちは、目が顔の半分くらいあり、三頭身のコミカルな姿をしている。枠線はすべてフリーハンド。ちょっとかわいい感じの絵なのだ。しかし、内容はシリアス。冬の日の日だまりのようなやわらかな画面で、物語は静かに進んでいく。悲劇ぶるでもなく、かといって楽観的になるでもない。過剰な演出もない。実に透明な描写で、美しくそして暖かい空気が存在している。それだけに、清らかで純粋な悲しみが読む者の心にしっかりとしみわたってくるのだ。
 もう最初の数十ページくらいから、涙がにじんできたが、ラストに近づくにつれてそれがどんどん大粒になりポロポロこぼれてきた。まだ読んでない人は、コミティアで見かけたら絶対に買いだ。2分冊で、それぞれ約200ページ。判型はB6。


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