◆ 2000年1月下旬 ◆

1/21〜31
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1/31(月)……捕逸する

 2月の購入予定なり。目玉は砂「フェミニズムセックスマシーン」。

タイトル作者出版社
1犬狼伝説完結編画:藤原カムイ+作:押井守角川書店
3おやすみなさい。(3)小田原ドラゴン講談社
3超・学校法人スタア學園(16)すぎむらしんいち講談社
3ビッグコミック増刊号小学館
4同じ月を見ている(6)土田世紀小学館
4カケル(11)竹下堅次朗小学館
7うずまき伊藤潤二小学館
8カトゥル・カール三原ミツカズ祥伝社
8アフタヌーンシーズン増刊講談社
9春よ、来い(2)咲香里講談社
10零式リイド社
12おさなづま(2)作:森高夕次+画:あきやまひでき双葉社
12ビッグコミックオリジナル3月増刊号小学館
13MEAD GUNDAMシド・ミード講談社
15王子様といっしょ!谷川史子集英社
16考える侍・やぁ!山田芳裕小学館(文庫)
17悟空道(11)山口貴由秋田書店
17笑う吸血鬼(1)丸尾末広秋田書店
17ベック(1)ハロルド作石講談社
18アガルタ(4)松本嵩春集英社
18この愛のはてに小栗左多里集英社
21SEXドリフター(2)桃山ジロウ蒼竜社
21新マグナム増刊講談社
23ネオデビルマン(3)永井豪/田島昭宇講談社
23ぶっせん(1)三宅乱丈講談社
23EDEN(4)遠藤浩輝講談社
23ヨコハマ買い出し紀行(7)芦奈野ひとし講談社
24さんま目黒三吉シュベール出版
25しあわせのかたち愛蔵版(1/2)桜玉吉アスペクト
25近藤るるるファンブック近藤るるるアスペクト
25大人でよかった唐沢よしこ/唐沢なをきアスペクト
25BAMBi(4)カネコアツシアスペクト
25JOJO A GO!GO!荒木飛呂彦集英社
26今日のだいちゃん(5)太陽星太郎小学館
26俺たちに明日はないッスさそうあきら小学館
28トトの世界(2)さそうあきら双葉社
28軍鶏(5)作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫双葉社
28別冊ヤングサンデー小学館
29月下の棋士(27)能條純一小学館
29ダイヤモンド(8)青山広美小学館
29僕(1)山本康人小学館
29陰陽師(9)画:岡野玲子+作:夢枕獏白泉社
東海道みっちいスペシャル(仮)東海道みっちいフランス書院
フェミニズムセックスマシーン太田出版

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/14 No.9 小学館 B5平
 読切でやまもとかずや「いつき」が掲載。爽やかバスケ&兄弟の絆漫画。樋口大輔「ホイッスル!」。今回は個人対個人のやり合いが面白く読めた。最初のうちはイマイチかなと思っていたこの漫画だけど、続いているうちにけっこう面白くなってきた。作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」が小学館漫画賞を受賞した模様。妥当。

【雑誌】ヤングマガジン 2/14 No.9 講談社 B5中
 蓮古田二郎「しあわせ団地」。今回もいい。実にいい。赤ん坊に興味を持ち始めたダメ人間夫。扉ページもかなり最低にダメダメな図柄。人間のクズっぷりがかなりなレベルに達している。行動のレベルの低さとうざったい描写が、かなり絶妙だ。三谷裕希「なんでやねん」。第41回ちばてつや賞作品。陰のある画風で陰鬱っぽくお話が進みながら、実は下らないボケ&ツッコミ漫才夫婦の物語である。狙いは非常によく分かるが、分かりすぎるくらいであるあたりがちと弱いか。華倫変「デッド・トリック!」は今回で最終回。最後まであんまり盛り上がらなかった。微妙にハズす、のほほんとしたギャグはわりと面白かったんだけど、笑うべきところが太字になっているのがどうもなあ。ラストの2話は、本格ミステリをおちょくった下らないノリでそれなりに良かったけれども。この人、ミステリ嫌いなんだろうなあ。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。福引きで子だくさん家族のお父さんになる権利を引き当てた鉄郎は、今回も父親役をやらされている。鉄郎の人の良さがにじみ出ている展開。馬鹿馬鹿しくていいですなあ。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。今回もゲンさんたちは、下らない行動に命を賭ける。男だぜ。マネしたくはならないけど。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/14 No.9 小学館 B5中
 玉井幸雄「IWAMAL」は、牧草地を作るための環境破壊を呼ぶ家畜である牛をこの世から根絶しようとする過激な大金持ち女性が登場し、何やら大掛かりな話になる気配。テーマが重くて、なかなか期待できそう。高橋しん「最終兵器彼女」。これからもラブコメ路線でぜひ。曽田正人「昴」。喜ぶにしろ悲しむにしろ、曽田正人の描写はダイナミックで迫力がある。強い。伊藤潤二「うずまき」は、映画公開記念に特別編掲載。こういうのは単行本に入らないと思うので、好きな人は雑誌チェックしとくべし。江川達也「東京大学物語」。最近の言葉嬲りシリーズはなかなか面白い。セリフでずんずん進めていっているが、それに必然性があるし、見せ方やテンポもうまい。そして、柳沢きみお「SHOP自分」。最近、主人公チョクの人間的な浅さにかなりクラクラしている。素晴らしく面白い。今回はようやくビールキットでビール作りに挑戦。
 久しぶりにスピリッツのホームページを見たら、「相原コージのなにがオモロイの?」のインターネットご意見募集が復活していた。コーナー名は「相原コージのなにがオモロイの?2000」になっている。


1/30(日)……座椅子かずお

 愛用の座椅子がブッ壊れたので、新しい奴を購入。今までのは表面が合成皮革で、夏など汗をかくとヌラヌラしてちょっとイヤだったという経験を踏まえ、布張りの奴を選ぶ。
 そろそろ、もろもろの原稿を書き始めなくてはならない時期に差しかかってきた。週明けにはジャンキーズも始まっちゃうし。素晴らしい原稿を書けるほどの技量はないので、〆切くらいは守らないと編集さんに申しわけない。というわけでまずコミック・ファン8号用の原稿を書いてみる。あとモチベーションは現在最低ではあるが、本業のほうもいい加減ちゃんとやらねばなるまい。2月はコミティアもあるしいろいろ忙しくなりそうだ。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 3月号 少年画報社 B5中
 宇河弘樹「朝霧の巫女」が新連載で表紙&巻頭カラー。妖怪退治系の作品は数あるが、ことごとく俺ヨガリポインツを外しがち。さてこの作品はどうなるでありましょうか。小泉真理「ジンクホワイト」。絵がスキで、画塾に通ったりしている女の子の物語。地味な展開だが、なかなか読みごたえがあって面白い。成長物語……といった雰囲気ではあるけれど、一筋縄でホイホイ成長させるタイプではなさそう。それもまた趣ありだ。

【雑誌】ほんとうに怖い童話 VOL.2 ぶんか社 A5平
 月刊化したらしい。なんか全般に、エロシーンに力が入っている作品が多いような。あんまりよく知らないが、レディコミ系の流れにある雑誌っぽい。今回は、比古地朔弥が描いているので購入。タイトルは「タイムマシン」。何をやってもうまく行かない男が、競馬場で会った謎の男の「未来を見ることのできるタイムマシンがある」という言葉にそそのかされてタイムマシンを試してみるが……というお話。謎の男の家にいる、病気で頭の弱い娘がええ感じ。比古地朔弥は商業誌では、「神様ゆるして」以外だとちっちゃくまとまった作品を描きがちなのだが、これもわりとそういう作品。まあわりと面白いけど。そのほかだと、東雲水生「はだかの王様」は絵のまとまりが良くて好感触。

【単行本】「ギャラリーフェイク」18巻 細野不二彦 小学館 B6
 毎度うまくまとまっている。1巻からずーっと、80〜85点くらいのクオリティで安定飛行。このコンスタントさは、やはりスゴイと思う。いつも同じようなことをやっているようだが、読んでいる者を飽きさせない。


1/29(土)……死んじゃダメだ!

 書店でなんとなく日経サイエンスを買う。1400円と高くはあるがけっこう面白い。これから定期的に買おうかしらんとか思った。あと月刊ベイスターズが今号は新入団選手の特集号だったのでこちらも購入。

【雑誌】快楽天 3月号 ワニマガジン B5中
 陽気婢「ミスクローゼット」。久々の連載である。扉のキャッチ「生きていく事は辛いけど▽僕のお部屋はパラダーイス▽▽ だって僕専用仔猫ちゃんが待ってるんだもーん▽▽▽」(▽はハートマークの代用)がズバリ内容を表している。部屋の中で猫少女を飼っているイジメられッ子少年の物語である。陽気婢は、少年少女ドキドキ恋愛モノ以外はわりとハズしの多い人であり(とくにドタバタをやるとうまくない)、この作品もちと不吉な匂いは漂っているが……。いやいや、きっと面白くしてくれるものと期待しよう。朔ユキ蔵「そこにいた男」。ジョギング途中の少女の目の前で、自殺の名所から飛び降りた男。しかし、彼はなぜか死なないで少女の後ろからヌッと現れる。そして何やらわけの分からないことを口走りながら少女を犯し始める……といったところから始まる物語。高品位な絵柄と、グイグイ物語に読者を引き込んでくる筆力はすでにかなりのレベルに達している。いつメジャーから声がかかってもおかしくないと思うが。かるま龍狼「夢の中のキス」。今回は珍しく、ギャグ風味でないストレートな母子相姦モノ。普通のエロ描かせてもうまい器用さはさすが。OKAMA「スクール」。今まで好き放題ヤリまくっていた孝幸が、強烈なしっぺ返しを喰らう。オシャレな絵柄は相変わらずで、展開は実に容赦がない。面白い。OKAMA作品の中では一番好き。

【雑誌】MEN'Sドルフィン VOL,07 司書房 B5中
 火野聡司「女根」。最近の火野聡司は、線がくねくねと柔らかくなっていてなかなかいい。キュッと締まってにょいーんと長い手足とデカい乳が、不自然にならずに描けている。今回は女教師調教モノでわりとハード。KASHIみちのく「RAPE CLUB」。初期の馬鹿やりまくった作風は薄れ気味だが、イキの良いエロ描写は健在。豊満でユルい絵柄もなんか見ててホッとする。やってることは何気に激しいし。

【単行本】「ビリーバーズ」1〜2巻 山本直樹 小学館 A5
 1巻も発売日に買っていたのだが、2巻が出てから一気に読もうと思って今まで封印していたのだが、封印はすべて解けた。というわけで詳しくは山本直樹ページのほう参照。

【単行本】「NEKO2」2巻 岡崎二郎 小学館 B6
 この巻で完結。ネコ語の分かる少女が、ネコたちの姿を通してさまざなま物事を見ていく。ネコやその他の生き物に関するうんちくをサラリとうるさくなく織り交ぜながら、きっちり物語をまとめてくる技はやはり職人芸的。単行本データ等は、岡崎二郎ページのほうにまとめてあるのでそちらもどうぞ。

【単行本】「the山田家」7巻 阿部潤 小学館 A5
 単行本データはオスマンのほうに。
 長らく続いたアヴァンギャルドな家庭愛ギャグドタバタコメディもこれにて完結。母の花子の顔面変化、そしてヤケクソなまでのパワーに圧倒されつつも、子供であるみちるやそのガールフレンドの田中もそれぞれの道を見出していく。山田家式子育ては、これにてハッピーに任務完了。表現は突っ走っているが、そこには深い家族愛が感じられてラストは思わずホロリとしてしまう。見事な漫画でありました。未読の人は、完結を機会にぜひまとめ買いゴーゴー。

【単行本】「穢された制服」 Mumei FOX出版 A5
 6年生の学校を卒業して、新たなグレードの学校に入ったあたり(婉曲表現)の女の子をターゲットにしたロリ系凌辱本。同人サークル「新なんか堂」で執筆している人らしい。ちょいとぎこちないが、そのぶん少女の初々しさを感じさせる絵が特徴。絵のイメージとはちょっと違って、内容はかなり甘えのない殺伐とした凌辱。けっこう後味は悪め。その手の趣味の方は9年間にわたって女の子を監禁したりしないで、こういう本を読んで放出し、サッパリして我に返る程度にしておいていただけると何かと幸い。


1/28(金)……デジャビューへの道

 メーカーのセミナーを一件こなしてアキバをぶらついて帰社してから、そういえば榊原薫奈緒子「ちちばすと」を買ってなかったということに気づく。帰宅途中でどっか買えるところはないかなーとか思ったが、通勤ルートにあって夜9時くらいでも開いているエロ漫画の品揃えのいい書店なんてそうそうない。思案している途中でふと、田園都市線青葉台駅のすぐそばにけっこう本格的な成人コミック専門店があったことを思い出す。前に一回だけ行ったことがある店だったが(日記によれば1998年の7月19日)、そこらの漫画専門店のエロ漫画コーナーをしのぐくらいの充実ぶりだったという印象があった。そんなわけで記憶を頼りにのこのこ出向いてみたのだが、どうもその書店はなくなったみたいで、そのスペースは漫画&インターネット喫茶になっていた。うーむ残念。結局「ちちばすと」のほうは、地元の文教堂書店にて確保できたのでいいんだけど。

【雑誌】コーラス 3月号 集英社 B5平
 くらもちふさこ「天然コケッコー」が休載。そして槇村さとる「イマジン29」が新連載。今号は芳成香名子「君と夜を泳ぐ」が面白かった。29歳独身で、親からも「結婚しろ」とせっつかれている祥。彼女の最近の秘かなお楽しみは、夜コンビニで働いている少年を見つめることだった……という感じのお話。絵柄がサラリとしていて気張ることなく、自然体なところが心地よい。あと、やまじえびね「お天気といっしょ」は、静止した空気に独特の存在感があって、いつもながらに印象的な作品。そのだつくし「産直!ローカリアン」は今回最終回。ノリが良いポジティブなストーリー運びで面白かった。

【雑誌】コミックピンキィ 3月号 オークラ出版 B5中
 舞登志郎「メジャーデビューへの道」が復活。ギャルゲー「エンジェリーズン」(3月17日発売。情報ページはhttp://www.galgame.ac/oakland/)の原画の仕事が終わったんだそうだ。舞登志郎といえば妹漫画の人というイメージが強いが(そしてその妹漫画がまたすごくいいんだが)、この作品も面白い。シャープでしっかりした、そして暑苦しい描線で繰り広げられる舞登まんが道。ガッチリ気合いの入った絵柄なのに脱力系。これからコンスタントに載ってくれるといいなあ。あ、それからこの雑誌に連載された「ふにく倶楽部」に大量の描き下ろしを加えた、佐川一政の漫画単行本「まんがサガワさん」が出るらしい。さすがオークラ出版、毒のある本出すなあ。しかも発売日が2月9日(肉の日)。人を喰(以下略)。

【雑誌】ヤングアニマル 2/11 No.3 白泉社 B5中
 田中ユタカ「愛人[AI-REN]」が再開。なんだかずいぶんお話が大きくなっていて、これから先どうなるのかなあという感じ。とにかく第1巻収録分までは非常に素晴らしかったので、その勢いでずっと突っ走っていってほしいもの。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。押しては引き、引いては押す男女の駆け引きの呼吸を描くのがやっぱりすごくうまい。それをしっとり、かつサラリと読ませる絵柄を持っているのも強い。こいずみまり「コイズミ学習ブック」。今回のテーマはおっぱい。おっぱいは素晴らしい。

【単行本】「ちちばすと」 榊原薫奈緒子 笠倉出版社 A5
 初単行本。榊原薫奈緒子は本当にうまい人だと改めて思う。プリプリとした非常にキュートな絵柄やら繊細な塗りとは裏腹に、ギャグのブラックなこと。そしてそのギャグを次々と繰り出すテンポの良さ。作品の隅々に、こっそり毒を仕込まずには気が済まぬといったイタズラ心がたまらない。それでいながら、エロシーンもけっこうヌラヌラとしてていやらしかったりするし。プリチーでスパイシーでリズミカル。ちょうどいい具合に脳汁の出る、いい漫画です。あとはもっと多作ならと思わないでもないけど、多作にしてこの味が薄まるくらいなら今のぺースで密度を濃くしていただいたほうがありがたく。

【単行本】「いじられてヌルヌル」 みかりん 一水社 A5
 確信犯的ロリ漫画。ファミレスの席で堂々とやっちゃったりとか、シチュエーション的にはかなりムチャなんだけど、みかりんの漫画は単なる妄想というには感触が生っぽすぎる。絶妙にユルくてだらしない描線が、また雰囲気があるのですな。「何やって暮らしているのかよく分からないけど、プレステのソフトとかいっぱい持ってて近所のこどもたちにトモダチ感覚で人気のあるお兄さん」的漫画。

【単行本】「イケてる2人」7巻 佐野タカシ 少年画報社 B6
 相変わらず妄想パワー全開で、パンチラなどサービスシーンの嵐。トロトロにミルキー。これだけコンスタントにテンションが高いというのは、かなりスゴイ。脳が腐れた漫画も、ここまでやれば実にご立派。1999年、最も弾けていた作家の一人だったと思う。なお、短編の「女子高生今時的放課後事情」も収録。


1/27(木)……こねこをこねこね

「どこでもいっしょ追加ディスク こねこもいっしょ」買いました!……といった言葉が、これからしばらくいろんな日記サイトや掲示板で見られるのだろう。名刺交換してニャ〜とか、今回はこねこからトロを育てられるんだニャ!とか、どこいつにデータを引き継げば合計で30日になるからうれしいニャ〜とか、でも30日も一緒に過ごすと別れがいっそうツラそうニャ……とか、こねこトロかわいすぎだニャ〜ゴロゴロとか。
 そんなわけで買いましたサ。さっそくダウンロードしましたサ、トロを。職場のみんなとお金を出し合って買った会社用プレステで。発売日にゲーム買ったのって、ひょっとしたら初めてかも。

 知らない人から以下のようなメールが届く。
「件名:まゆげ  本文:おまえ、いいかげんまゆげ剃れ」
……あー、えーと。ごめんなさい。ご要望にはお応えいたしかねます。

【雑誌】激漫 Vol.24 ワニマガジン B5平
 ゲゲッ。天竺浪人のエッセイ漫画「笹暮草」に、「Fミンゴ休刊」とあるけどマジ? 本当だとしたら、これはちょっとショックでかすぎ。2月発売の3月号が最後になるとあるのだけど……。とりあえずその号で行われるであろう編集部サイドのアナウンスを待ちたい。せめて何か受け皿的な雑誌なりアンソロジーなりが出てくれるといいのだが……というか、出てくれないと困る。日本の未来のためにも。この世の正義のためにも。エロ漫画雑誌の中では、本当に数少ない代替のきかない雑誌であるだけに。うーん、となるといよいよバックナンバー揃えにかかったほうがいいかなあ。A5平とじになって以降の号でどこらへんを持ってないか、きちんとチェックしとかなきゃ。
 ……と取り乱してしまったが、漫画のほうへ。今号はいつもより、全般に若干テンション低めな印象。天竺浪人「+α」。一枚上手な上司の奥さんと、別れた彼女の間で振り回される男のお話。人妻エロスもやり、若い美微乳もやり、妖美なシーンもコメディタッチも一話の中にギュッと盛り込む手際はさすが。もともとうまい人が、毎号これだけのページ数(今回は50P)やるんだからスゴイ。今回はちと大人しめだとは思うが。三部敬(=瓦敬助)「猟奇の城」。ホラー仕立てな作品。手堅くまとまっている。この人の描くキャラクターは肉付きや目つきとかが好き。十羽織ましゅまろ「血みどろっチャオちゃん」。力づくでドタバタ。ダイナミックでパワフルで勢いがある。そして下らないところがいいお味。MARO「ABILITY」は、今回もMARO節が炸裂。今回の巳月のターゲットは美人女流棋士。「今あんたのオッパイをつついてる駒は何て駒か言ってみな!」。さすがです。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/10 No.9 集英社 B5中
 きたがわ翔「HOTMAN」。なんかシリアスな展開になってきているが、それより何より、やっぱり女の子描くのがうまいなあと。

【雑誌】モーニング 2/10 No.9 講談社 B5中
 太田垣康男「一生!」が突然最終回。相当に中途半端。これなら再開しなきゃよかったのにねえという感じ。まあいいんだけど。井上雄彦「バガボンド」は、宝蔵院胤舜と武蔵の再戦に向け盛り上がる。この前、池袋の芳林堂コミック・プラザをうろうろしてたら店員さんと講談社の営業らしき人が話していたんだけど、「バガボンド」の単行本は相当売れてるらしい。今は「GTO」より勢いがあるとか、6巻の初版が110万部とかなんとか……。まあ自分以外の人が何人読んでいようが、読者的にはどうでもいいことなんだけど。読むのは結局目の前にあるその1冊だけなんだし。会田ユウジ「右手は眠らない」。売れっ子ミステリ作家が主役。地位も名声も手に入れ順風満帆だったが、彼の書いた小説の通りの連続殺人事件が現実に起こり、犯人と疑われるようになる……というサスペンスもの。ちょっとカクカクしたクセのあるタッチが特徴的。絵柄には個性があるし、話もまとまっている。この作品についてはまとまりすぎな感じがしなくもないが、しっかりとした作品が描ける人だしすぐに連載してもそれなりのお話が描けそう。

【雑誌】ヤングサンデー 2/10 No.9 小学館 B5中
「ザ・ワールド・イズ・マイン」「殺し屋イチ」両方が休載というのは痛いですな。飛車角落ちというか。平松真「ブラッシュボール」。ちょっとお色気ありなお気楽野球漫画といった感じだが、サービスシーンが案外Hでけっこう読んでしまう。竹下堅次朗「カケル」。最近、女王玲子がとみにかわいそう。この人って、女の子を描くのがすごく好きそうなんだけど、けっこう過酷な目にも遭わすなあ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/10 No.10 秋田書店 B5平
 水島新司「ドカベンプロ野球編」。王監督は語る。「岩鬼6割打者 おれの夢」。ううむ。能田達規「おまかせ!ピース電器店」。今回は月影アイちゃんの登場シーンが多くてうれしいなー。西条真二「鉄鍋のジャン!!」。ジャンに炸裂するダチョウキックの嵐。いやなんだかもう。


1/26(水)……SNK

 コミックジャンキーズ執筆陣(永山薫さん、伊藤剛さん、DATゾイドさん、俺)で新年会というか呑み会。竹熊健太郎さんと、たまたま集合場所の池袋・芳林堂コミックプラザで遭遇したぐれいすさんも合流し、かずとらという飲み屋へ。楽しいお話を肴にいい酒呑ませていただきました。

 スーパージャンプで車田正美「リングにかけろ2」が始まったとか思ったら、ミスターマガジンが休刊。

【雑誌】LaLa 3月号 白泉社 B5平
 津田雅美「彼氏彼女の事情」は番外編「〜アクト・ゼロ〜」が掲載。ありまと雪乃の高校受験の模様を描く。各キャラクターが現在の本編で描かれているよりもちょっと幼くて可愛い。田中メカ「お迎えです。」が連載化。スッキリとした絵柄はけっこう魅力的。単行本が出ているので、今回のお話はそっちを読んでからのほうがいいかも。キャラクターをつかむまでちょっと戸惑うので。青月いちこ「小夜衣」。男にふられた女の子が、3歳年下のイトコに告白され、彼のおかげで元気を取り戻していく……というお話。こざっぱりした絵柄で、フレッシュな読感。なかなかいい。あと、ララDXのほうで連載されている筑波さくら「目隠しの国」が今回は本誌に登場。ここまでのお話は読んでないので知らないが、気持ち良い絵柄でお話も爽やかで良し。単行本が2月4日に出る模様。

【雑誌】プチフラワー 3月号 小学館 B5平
 今号もハイクオリティ。枯れてはいても、シャンと筋が通っていて充実した誌面。
 西炯子の新シリーズ開始。「光る南国の魚」。一話完結読切形式っぽい。今回は、田舎の温泉観光都市の少年と、ストリップ劇場で働く南国のお姉さんのお話。前にやっていた連載よりも、今回みたいな読切形式のほうが良い感触。キレがよく、非常に端整な絵柄がストレートに作品の出来に貢献している。倉田江美「お父さんは急がない」。淡々と枯れたノリが心地よく、読んでてホッと落ち着く。中村かなこ「ギフト」は、今までコンビを組んでいた相手が死んだことをズッと引きずり続けるアイスホッケー選手のお話。革新的なところはないけど、安心して読める手堅い作風。それから荒木淳子「モラトリアン」。この人はなかなか楽しみな人だ。絵にしろ話つくりにしろ、きっちりしているし繊細な描写をする力もある。今回も「モラトリアン」という血統にある3人、少年と、彼を引き取った男、そして彼と一緒に暮らす女性の物語を、実に丁寧に、悲哀をにじませつつファンタジックに仕上げている。名香智子「シャルトル公爵家シリーズ」も、浮き世離れした貴族ぶりに慣れてくると素直に楽しめる漫画。萩尾望都「残酷な神が支配する」や奈知未佐子も、いわずもがなで面白いし、読むところの多い漫画雑誌である。

【雑誌】少年エース 3月号 角川書店 B5平
 木崎ひろすけ「A・LI・CE」は、作者風邪のため休載。
 今号の目玉は、目黒三吉「私は貝に」。学校でも常にワイングラスを持ち、その中に貝を入れたまま行動しているヘンな貝マニア少女と、その子のぺースに巻き込まれていくお人よしの眼鏡娘……というお話。達者な絵ですっとぼけたギャグ。最近の目黒三吉はハズシがちな作品がけっこう多かったが、今回は面白かった。ギャグを押しつけてくるのでなく、じわじわと醸し出すような感じにしているあたりがいい味になっている。作:GAINAX+画:貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」。トウジ編。相変わらずハイクオリティだが、シンジの頭の後ろに発生した汗マークがいまいち。吉崎観音「ケロロ軍曹」は、バレンタイン・デー話。いやー、女の子たちがかわいくていいですな。ひな。「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」。今回もロリロリ。

【雑誌】ヤングキング 2/21 No.4 少年画報社 B5中
 小池田マヤ「聖★高校生」。お話は久しぶりに神保に戻る。一見かわいい絵柄で4コマなのに、展開はますますズーンと重苦しくなってきた。宮尾岳「並木橋通りアオバ自転車店」。自転車店のご主人と奥さんの昔の思い出が語られる。爽やかに心暖まる物語に仕上がっている。コンスタントにうまくまとめてきていてなかなか。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/9 No.9 講談社 B5平
 赤松健「ラブひな」。扉ページによると「祝!アニメ化決定 今回はサービスシーン満載のラブラブバージョンだよ!」とのこと。サービスシーン満載でラブラブでした。原案:さいふうめい+画:星野泰視「哲也」。なんとなく哲也の手が国士無双である気配がぷんぷん。寺沢大介「将太の寿司」。鮪料理がかなり豪快。次は鯨で同様のことをやってほしいところ。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/9 No.9 小学館 B5平
 あっ、三好雄己「デビデビ」が2色カラーだ。珍しい。田中モトユキ「リベロ革命!!」。ここまでの5話を読んだ限りでは、正統派バレーボール漫画という感じでそれなりに面白くなりそうな感触。


1/25(火)……俺のうまい棒

 入手済み未読物件。
【雑誌】LaLa 3月号 白泉社 B5平
【雑誌】ほんとうに怖い童話 VOL.2 ぶんか社 A5平
【単行本】「イケてる2人」7巻 佐野タカシ 少年画報社 B6
 「ほんとうに怖い童話」には比古地朔弥「タイムマシン」が掲載。

【雑誌】アフタヌーン 3月号 講談社 B5平
 博内和代「バナナチ○コ」。ひさびさの登場。ショーウィンドウだけあって、中は空っぽなお店に一人、椅子にくくりつけられている男。それが何の意味を持つのか、通行人には分からないし、誰も大して詮索せずに通りすぎている。退屈を持て余している女性が、彼に興味を持ち、店の中に入る。そしてだんだん、通りから丸見えのこの部屋で暮らすことに興味を見出していく彼女。衆人監視でありながら誰もが無関心であるスペースで繰り広げられていく奇妙な物語……といった感じ。ひねくれたお話作り、ガシガシと描き込まれた作画など、相変わらずのハイクオリティ。ただ今回は構造が込み入っている分、アフタヌーン掲載の前2作「チャックのある風景」「外環視点」ほどのインパクトではない。けれど、読者を落ち着かせない作風はやはり巧妙で、そして意地が悪い。あと、欄外の作者コメント、サッカーJリーグ、ジュビロ×エスパルスのチャンピオンシップに関するコメントがなんだかやたらアツイ。6ページ分の欄外を使ってたりするし。さらに「アメゾ」でも高校選手権の静学敗退について書いている。かなりサッカー好きな模様。
 巻頭カラーで「エイリアン9」の富沢ひとしが新連載。タイトルは「ミルククローゼット」。奇妙な世界へとワープしてしまう、不思議な体質の持ち主である少女が主人公。途中の動きのカットを大胆に省略し、突然そこに現れたかのような不安感、居心地の悪い雰囲気を効果的に作り出す。コマ割りももちろんだけど、キャラクターの表情のぎこちなさも落ちつかなさを作り出すのにけっこう貢献しているような気がする。物語はまだ始まったばかりだが、すでに富沢ひとしの特質は十分に現れている。この作品も、また「エイリアン9」みたいに論議を呼んだりするのだろうか。ともあれ今後も注目。鬼頭莫宏「なるたる」。今回は、ホウキ型の竜の子を操る新キャラクター登場。アキラの友達になりそうな気配だが。小田ひで次「クーの世界」。いよいよ夢(と思っている)世界と現実(と思っている)世界の境界線がぐちゃぐちゃになってきた。緻密な線で描かれた世界の、なんと存在感があることか。それにしても小田ひで次の作品が毎月読めるなんて幸せだなあ。四季賞'99冬・かわぐちかいじ特別賞受賞のテラナカ「斬神伝」は、刀などを使わずとも形而上的な切り口でモノを斬ってしまう男の物語。絵柄は正直いってまだラフで、語りたいことに技量がついていっていない。ただ、語る力と語るべきモノはけっこう持っている感じ。こういうタイプの人は、自分の語りたいことを表現するためになんだかんだで必要な画力は身につけていくものだと思う。ひぐちアサ「家族のそれから」は、わりと好調に来ている。急造家族の父親役をやることになった血縁的には赤の他人のケンジさんのいい人ぶりと、妹のメグのかわいさがいい感じ。

【雑誌】きみとぼく 3月号 ソニー・マガジンズ B5平
 最近わりとオススメな少女漫画雑誌。男が少女漫画に入門しようとする場合にもけっこう向いてそう。連載モノにイケる作品が多いので、一見さんをつかまえるためには読切が充実するといいかなあという感じ。そんなわけで今回は、読切で「ひみつの階段」の紺野キタが登場。「あかりをください」。若い義父、妹と一緒に暮らす女の子の物語。相変わらずの端整で上品、清潔な絵柄が素晴らしい。淡くてキラキラとして。連載モノでは、藤枝とおる「レンアイアレルギー」が最終回。シャッキリした絵柄、前向きな話作りで読みやすかった。藤原薫「おまえが世界をこわしたいなら」は、神経質な絵柄で今回もハイクオリティ。最終ページの柱に「次回クライマックス」とあり、次号でだいぶタネ明かしがされそうな気配。花樹いちや「Eve」もそんな感じ。

【雑誌】ヤングチャンピオン 2/8 No.4 秋田書店 B5中
 巻頭カラーでがぁさんの新連載「背後霊24時!」がスタート。死んだ後、天国もしくは地獄に行くか決まるまで背後霊をやることになった少年霊が主役のお話。村生ミオ「BLOOD RAIN」。弱みを握られたヒロインが卑劣な男によって性奴隷扱いに。最近の村生ミオ先生の脂っこさ、濃厚なベタベタぶりはすごいですな。木山道明「ヴィクトリー智之進」は最終回。文章コラムものでは、外国人投資家、M・R・LINKによるやたら威勢のいい金儲け講座「ゴールド・アップル」は次号で最終回。やたら威勢のいい文章がけっこう好きだったんだけど。というか最近、俺様もちとイー・トレードってみようかなあなどと思案中。あと次号から、作画:田口雅之で高見広春「バトル・ロワイアル」が始まるらしい。この作品、実写映画化するとかなり面白そうだと思っていたのだが、漫画化のほうが先とは。田口雅之ファンの人は当然チェックするだろうが、小説の「バトル・ロワイアル」も面白いのでぜひ。厚いけどたぶん5時間もあれば読み終わると思うので、連載開始前に押さえとくのも一興かと。

【雑誌】ビッグコミック 2/10 No.3 小学館 B5中
 駅のゴミ箱からゲット。森秀樹「海鶴」が相変わらずの骨太な描写で面白そう。この人としては珍しく主人公が女性。単行本でまとめ読みするのが楽しみな作品。山本おさむ「聖」は、棋士・村山聖をモデルにした実録将棋モノ。キンキンにテンションを高めていく暑苦しい描写が、村山聖のキャラクターにもマッチしていい方向に作用してなかなか迫力あり。

【雑誌】漫画アクション 2/8 No.6 双葉社 B5中
 土田世紀「俺のマイボール」が新連載。ボウリングものである模様。作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」。今回はチョリイ★渡辺が主役。増長と「めぐみのピアノ」への感動を繰り返す二重人格的なチョリイ先生が魅力的。2月12日には2巻が発売予定。買うぜよ。かいともあき「白い少年」。「先生の恋」編完結。今回の見どころは見開きシャウト。血走り具合がステキ。


1/24(月)……マンボ好事家

 今さらではあるが職場の新年会。またも呑む。少しは内臓系のほうをいたわってやったほうがいいかもとか思って、初めてキャベ2なる薬物を服用してみたりもした。でも身体をいたわるつもりがあるなら、終電逃したからといって会社に泊まるとかそういうことをやめるほうが先なのでは、などと会社マシンで書いている俺、朝7時。

【雑誌】CUTiE comic 3月号 宝島社 B5平
 おかざき真里「雨の降る国(前編)」。巻末カラー73ページ。二話一挙掲載。うーむ面白い。不登校になった女の子・加也と、彼女の部屋にちょくちょく遊びに行くそのトモダチ・久美。加也にはカッコイイ兄がいる。加也も久美も彼に想いを寄せているといった具合。加也は隣室にいる兄の気を惹こうと、久美とからんでみたりするが……。前編は、兄が前から気になっていたと久美に告げ、二人が付き合うことにするところで終わる。小悪魔的な淫らさも織り交ぜつつ、少女たちの姿を瑞々しく描けている。センスにあふれた確かな描写。凜とした出来栄えで、後編にも期待してしまう。魚喃キリコの新連載「strawberry shortcakes」がスタート。男と別れ過食症になり、食っては吐き食っては吐きの生活を続けているイラストレーターの塔子が主人公。ストレスに押しつぶされそうな彼女の姿は、かなり痛々しい。初回からいきなりこうだが、さてこれからどう展開していくのか。海埜ゆうこ「蜜の味」。絵の完成度的には、そのほかの大御所的な作家さんたちに一歩譲るところはあるが、ピチピチした瑞々しさは新鮮に映る。あと今回は、岡崎京子「冷蔵庫女」が再録。また、やまだないとが「加賀マヒル」に改名。

【雑誌】ヤングマガジン 2/7 No.8 講談社 B5中
 蓮古田二郎「しあわせ団地」。5週連続掲載の第2回め。生き物を飼うことに目覚めた裸夫が、団地の上の階に住む超巨体肥満人妻を調教してダイエットさせる。ダメ人間の、程度の低い行動、腐れた日常を、ありのままに描く作風に惹かれてやまぬ。今のところハズシの回もない。そろそろ単行本が出てもいいくらいのストックはできたはず。日本橋ヨヲコ「極東学園天国」は新章スタート。五色台学園の次期総代候補が信号と利一に絞られるなか、新任の美人副教官も登場……といった感じ。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。今回はいつにも増して下劣で素晴らしい。ゲンさん、あんた最低だぜ。そこが最高だぜ。
 高田裕三「3×3EYES」はしばらく休載というお知らせが出ていたのだが、その文章がけっこう面白かった。「ヤングマガジン5・6合併号より作者取材のためとして休載しております『3×3EYES』ですが、高田裕三先生の急病が本当の休載理由であり、現在も療養中であることをご報告いたします」とのことで、その後に「早期復帰を想定していたため、読者の皆様にご心配をおかけしないよう、休載理由を偽りましたことをおわびいたします」と続く。「偽った」ということを明言しておわびするというのは、なかなか珍しいパターンだと思う。こういうふうにハッキリいってくれると清々しい。なお、症状は椎間板ヘルニアとのこと。「工業哀歌バレーボーイズ」の村田ひろゆきも入院してるし、最近災難続ですな。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/7 No.8 小学館 B5中
 作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。新シリーズスタート。江川達也「東京大学物語」は最近わりとビンビン。言葉嬲りに目覚めた村上が、英里ちゃんを実験台にする。落として上げて、落として上げてという言葉責めの過程が面白い。柳沢きみお「SHOP自分」。先週号で購入した「1万4000円くらいのビールキット」を前に、チョクがまたウダウダいっている。無益なあたりでウロウロしつつ、ときに安い説教を垂れたりする下らなさはさすが柳沢先生。チョクは安直のチョクって感じな主人公の性格が、見ていてなんとも馬鹿げで底が浅くていいではありませぬか。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/7 No.8 集英社 B5平
 荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン」。主人公ジョリーンと刑務所で同室になった女が、キャラクター的になかなか濃い。まあそんなこといったら、荒木キャラはみんな濃いめといえるのも確かだが。桂正和「I''s」。伊織と一貴がようやくデートなのだが、なんだか気持ちはすれ違うばかり。そういえば伊織ちゃんフィギュアとかがいろいろ入ってる「I''s BOX」って、完全予約制だと思ってたら案外書店でも売ってるんですな。この前、神保町・高岡書店で目撃。あんまり欲しいとは思わなかったけど。好事家はどうぞといったところか。


1/23(日)……Jのサイド

 小田中さん、南研一さん、メビウスさん、吉本松明さんを兄宅にご招待し、6人で鍋を囲む。この前の「クッキングパパ」で紹介されていた、牛タンまるまる使用のおでん「おだん」なんぞも食う。寒いので今回は七輪とは相成らなかったが、暖かくなったらまたなんか焼きたい。ぐいぐい酒を呑みながら、お話が弾むこと弾むこと。いやー楽しうございました。肝臓が悪かろうとなんだろうと、楽しい酒はやはり呑まずにはいられないノダ。宴の席上で小田中さんの「すきまページ」とも掲示板を共用することで合意。小田中さんはもともと掲示板を作る意向がなかったのだが、先方はリンクを張るだけで労力は増えないし、こちらとしても読切漫画についての書き込みが増えることを期待しているのでちょうどよいかと。それにしても和登さんは最高ですな。キミとボク!

【単行本】「栞と紙魚子の殺戮詩集」 諸星大二郎 朝日ソノラマ A5
 すでにおなじみのほのぼの怪異シリーズ第3集。怪異が何気なく、野良猫レベルの身近さ加減で存在する町内。肩の凝らない話作りで、ものすごく肌になじむ。奇妙なモノがいろいろ描かれているのに、読んでいるとなんだかホッと和むところがとてもいい。読んで気持ちのいい不思議ばなしである。

【単行本】「かねひらだもの」 金平守人 アスペクト B6
 コミックビームでいろいろやってておなじみの金平守人2冊め。表紙は女の子バリバリで、あざとくキャッチーに仕上げている。中身は毎度、いろいろ工夫してギャグをしかけてきている。金平守人のギャグは当たり外れがけっこうある。笑えないときは全然笑えないが、うまくいっているときはキラリと光るものを感じさせる。力づくで下らないことをやってくる作風は好きなのだが、もう一皮むけるとかなりイケそうな気はする。漫画アクション系列の雑誌に「たけくらヤマト」名義で掲載された「つっこめ!ひよりちゃん」が掲載されているのはうれしい。

【単行本】「新・河原崎超一郎」2巻 おおひなたごう 秋田書店 新書判
 この巻で完結……かな? 2002年までになんらかの形で戻ってくるかもしれないそうだが。しれっとした顔で何気なく、人を食ったようなギャグを連発するおおひなたごうのクールさには毎度うならされる。カッチョいいなあ。

【単行本】「えの素」5巻 榎本俊二 A5
 ペニセスト! というわけでペニス争奪戦の模様が、スペクタクルでリズミカルに繰り広げられる。このスピード感とブッ飛んだ展開を生み出すセンスは圧巻というほかない。榎本俊二の描く女性は、なにげにキュートでけっこうHである。それはともかくペニセストペニセスト。ワンダホー。


1/22(土)……黙示ロック

 吉本松明さんに貸していただいたCD「だまってジャガーについて来い!」を聴く。聞き取りにくいヴォーカル、奇妙な歌詞と、お仕事的にうまいやる気なさげなバックの演奏。ジャガーさんが歌ってるんでなければ一銭の価値もないであろう屑的楽曲の集大成。いや、素晴らしいですな。

【雑誌】ドルフィン 3月号 司書房 B5中
 今回は祭丘ヒデユキ「魔境伝 芳賀U太(25)」がまずやってくれた。「俺の名前は芳賀U太(25)」「俺は毎日一秒たりとも休むことなくちんこをいじり続けてる」「なぜならオレは台東区でも一・二を争うちんこ好きだから……」というセリフから始まる物語。ちんこの生えた女「ち女(ちにょ)」を探して10年余り、彼が最後にたどり着いたのが日本の暗部I県。そこは、女の子すべてにちんこの生えた人類最後のフロンティアであった。かなりすっとぼけて全編ヘンテコリン。下らなくて面白かった。北方国明「アレルギーの特効薬」が最終回。かなりハードな肉弾系の新鋭で実用度も高い人なのだが、ラストはイマイチ中途半端。腑抜けた結論になってしまいちょっと残念。もっと最後まで実用に徹してほしかったところ。

【雑誌】フラミンゴ 3月号 三和出版 A5平
 今号も特殊に充実。連載作品のテンションの高さが素晴らしい。そして今回はフラミンゴ漫画大賞の結果発表もされており、新たな特殊作家の発掘にも余念がない。なかでも「今回の作品は今まで投稿された中で一番面白かったです。面白かったんですけど、エロマンガというワクの中では特別賞にするぐらいにしか出来ません」と評された、新宿悪夢「おチンチン使いピュッピュッ」はかなりヤバげな作品みたいなのでぜひ読んでみたい。だが、このフラミンゴ漫画大賞は今回で最後という。残念至極。4月に発行予定の「フラミンゴ漫画大賞作品集」はぜひとも買わねば。これバックナンバー買い逃してるんだよなー。誰か売ってもいいって方がいらっしゃったらぜひお願いします。あ、あと3月にしろみかずひさ「アルコールラムプの銀河鉄道(下)」がついに出るらしい。こりゃ買わなきゃ死ぬでしょ。フツー。

 さて、巻頭カラーは鋭利菊「思い出の身体検査」。最近ノリノリですな。次号から始まる本格的な身体検査風景の予告編といった趣なのだが、マセガキ的エロいズム感覚が充満していてなんとも楽しそう。ホンモノの凄みを感じる。海明寺裕「puppy Love」。今回もお見事。イヌということが判明した個体の衣服は、すぐさまユニセフを通じて恵まれない国の人に送られる……といったちょっとした記述などから、イヌ(K9)と人間の、生物学的には微妙だけれども社会通念上は厳然とした差をさりげなく、しかもありありと描き出す。配慮の行き届いた演出が実に巧み。天竺浪人「便器」。いよいよ便器としての自分に本格的に目覚めていく少年。いやーエロティックだ。肉体的な面もそうだけど、精神的な面の描写が非常に高いレベルにある。単行本でまとめ読みする日が楽しみ。
 蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち −アノマロカリスの章−」。今回のサブタイトルは「世界の中心で愛を叫んだばけもの」。四肢を切断されていくバージェス博士と、見る影もなく改造されたアノマロカリス。アレを「美しい」と断言する業の深さ。ビリビリしびれた。蜈蚣Melibe先生はグレートだ!(余談だが、この雑誌は「先生」とお呼びしたくなるグレートな作家さんが多い) 上藤政樹「悪夢」。4色カラーで登場。相変わらずこの人はうまくない。でもなんか楽しそう。C級さ加減が愛しい。慈縛霊「禁断のアイテム」。なんとなく20年前の少女漫画って感じの絵柄で、描写がどうもネチッこく得も言われぬ迫力のある作品。妙に惹かれる作風だ。白井薫範「バースト・エラー」は、珍しくフツーなエロ漫画ノリ。プランパーなのはいつも通りだが。というかこれだけアクが強い作品を描いてもフツーに見えちゃうところがぐんぱん先生ならでは。

【単行本】「SPEED KING」6巻 間部正志 講談社 新書判
 完結。主人公の末藤弟が力強く成長して終了。間部正志のスポーツ漫画(100m走)ということで、どんな作品になるのかと最初は思ったが、熱血スポーツ漫画として予想以上にシッカリとできていた。こういう路線もけっこうイケる人なのですな。

【単行本】「日刊タチバナ」 塩崎雄二 集英社 A5
 塩崎雄二の描く女の子はぷりんぷりんだ。ぱっつんぱっつんだ。父の後妻が、主人公と大して年齢も変わらないすごいかわいい女の子で、そのうち父は失踪。無防備な母親に主人公はドッキドキ〜という他愛ないお話だが、女の子の魅力で読ませる。絵柄は手触り滑らか。充満するチラリズムにトキめいて、それでオッケーなお話。

【単行本】「AMON デビルマン黙示録」1巻 作:永井豪+画:衣谷遊 講談社 B6
「デビルマン」モノとしてはかなり高いレベルにある作品。シャープな線でガリガリ描き込まれた、リアルで細密な画風はカッコイイし、ヴィジュアル面でしっかり楽しませてくれる。邪悪なモノはより邪悪に、美しいモノはより美しく描けていて迫力満点。アモン、不動明、サタンといったメインキャラクターに加え、ドス六やメリケン錠といったサブキャラまできちんと立っている。長編なのでズッシリとした読みごたえもある。OVAにもなるらしい(5月21日発売)。


1/21(金)……デリバリ伝説

 会社の経費精算システムが変わって、イントラネットでJavaを利用したアプリケーションを使わなくちゃならなくなったのだが、その余りの使いにくさに愕然とする。ユーザーインタフェースもさることながら、山ほどあるバグとか、なんだかすさまじい状態。今どきあんなに使いにくいソフトがあるとは。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 2/1 No.006 講談社 B5中
 今号の目玉はずばり福満しげゆき3連発。「飼ってはいけない居候」。頼りないへのへのした絵柄がモヤシを連想させる。適度な脱力が気持ちいい。あと女の子描くのがうまくなったなあこの人。情けなく下らない、ほのぼのとしたノリ。これからもときどき登場してほしい。斉藤猛「デリバリー」。出張ホテトルの女の子と、彼女たちを送迎するマイクロバスの運転手のお話。不格好で背が低くて、赤くてデカい鼻の持ち主である運転手・トドロキがなかなかいいキャラクター。女の子たちの下らない話に、あいまいな表情で耳を傾けているところとか。地味な作風だけど、黒々と描き込みも細かくなかなか味がある。小松大幹「裸足の犬」。キックボクサーたちの青臭い青春物語。この人の描くお話は、とてもクサい。でも堂々としている。そこが気持ちいい。そろそろ単行本出せるくらいの作品数はたまっていると思うが、ちょっと難しいだろうなあ。前川かずお「DEI48」。今回もパワフルでおばかさん。快楽を拒むはげちゃびん、不鑑珍朴斎のリアクションが楽しい。天野明「ぷちぷちラビイ」。ちょっとイカれた作風は今回も健在だが、まだキレ方が甘いか。伊藤伸平が別冊ヤンマガ初登場。タイトルは「無法の人」。ヤリチンであり自分勝手で横暴な外道警察署長が好き放題やるお話。適度にヌルく適度にくすぐるという感じで程よい出来。あとサマンサ三吉「ぞうさん家族」がずいぶん久しぶりに復活したのもトピックだ。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 2月号 竹書房 B5中
 かたぎりわかな。今号は「みちばたトライアングル」だけでなく、巻末の読者コーナーにも4コマ描いてるのでファンは要チェック。こいずみまり「レイとルリのスイートライフ」。今回は2色あり。みずしな孝之。前号で「ササキ様に願いを」が終わったばかりだが、スペシャル番外編が4色カラー4ページで掲載。

【雑誌】花とゆめ 2/5 No.4 白泉社 B5平
 巻頭の「V.D.告白サクセス大作戦」をやってみた。いくつか質問があって、それに答えていくとAマスコットタイプ、Bフェロモンタイプ、Cあねごタイプ、D不思議少女タイプ、E風紀委員タイプに分類してくれる。俺は不思議少女タイプ。正攻法でいいくと成功率はダウンするそうだ。
 羅川真里茂「しゃにむにGO」。なかなか熱血テニス漫画している。もう少し技術論的なことが加わるとグッと厚みが出ると思うんだけど、それは少年漫画的読み方かもしらん。望月花梨「スイッチ」第2回。何を考えているか分からなくて大人からは扱いにくいとされている不器用な女の子が、自分のことを理解してくれる先生にどんどん惹かれていっている最中。今のところ正攻法な生徒→先生のラブモノといった感じ。

【雑誌】COMIC MUJIN 2月号 ティーアイネット B5平
 そういえばこの雑誌、立ち読みはしてるけどちゃんと買ったことってあんまないかも。ハードなエロがウリ。俺としてはもう少しねちっこかったり脂っこかったりしたほうが前立ポイント高めではあるが、コンセプトはしっかりしていて見どころ多い雑誌だと思う。
 MINE「公園にて」。キャッチの「肉人形、前も後ろも汁まみれ」が内容を象徴している。そのちんこたくさんぶりは素晴らしい。人間をどう配置するとこのように密集させられるのか、そのフォーメーションを知りたくなるほどにズラリと並ぶちんこ。トビラページのある見開きなんかは、コマ数は2ページで3コマなんだが、1ページぶち抜き扉に19本、2ページめは1コマめに16本、2コマめに11本。ちんぽう密度の高さは業界屈指。一人の女の子を60人以上からの男どもが公園で取り囲むのココロ。MINEに関しては、今回テレカプレゼントもあるんだが、それもまたすごい図案。古事記王子「ミルク飲み人形みこちゃん」は、汁気が多くて瑞々しい。特徴はあるけど整った絵柄でやることはハード。よろしいんではないでしょうか。堀川悟郎「転落」後編。メイドに身を落とした元令嬢が、雇い主のヒヒジジイにズブズブやられまくるというお話。トラディショナルなエロス。完成されているだけに実用度は高い。

【単行本】「バガボンド」5巻 井上雄彦 講談社 B6
 この巻は、武蔵 vs.宝蔵院胤舜の闘いがメイン。高い描画技術と演出力に支えられて次々と繰り出されるアクションシーンの連続は、ダイレクトに気持ちが良い。表現が圧倒的に強い。息つくひまもなく、あっという間に読み切れてしまう。テンポがすごくいいので、実に短時間で読めるのだ。もう少し長いこと楽しんでいたい、というかもうこの巻を読み終わってしまうのかと思うくらいにスパッと読めてしまう。どんどん次の話が読みたくなるぞ。


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