2001年12月下旬


12/31(月)……2001年鬱の旅

OHP月極アンケート
 12月「単行本収録希望作品2001」終了で、1月「ベスト漫画雑誌2001」が開始。「ベスト漫画雑誌」は2000年1月にもやったテーマだけど、まあこれはOHP的定番ってことで。

▼2001年は何かやったようなやらなかったような。会社辞めたとかは本当は大きなことだったはずなんだけど、どうもいまいちピンときていないというか、流れに身を任せているうちに1年が過ぎちゃった感じ。自分の意思で生きたという実感があまりない、動物的に動き続けた1年だったといえるかも。俺の背中は煤けっぱなしだ。でもいいのだ。人間が生きるのに意味なんかいらない。

▼2001年の読了実績は雑誌1549/単行本708/同人誌208/アンソロジー9/画集4の計2478アイテム。2000年は雑誌1274/単行本796/同人誌165/アンソロジー46/その他4の計2289アイテムだったので、雑誌がだいぶ増えたことになる。この年になって増えるとは思ってなかった。一度増やすとなかなか減らすという方向にはいかない。単行本は減ってるけど2000年はコミックジャンキーズがらみで月20冊くらいずつ読んでいたので、その分を差し引くと買った冊数自体は実質的には増えていると思う。なんか最近ネットで予約しちゃうから、ついつい安易にさほど欲しくないものまで買っちゃうし。年末だから2001年の漫画読書総まとめでもすればいいのかもしれないけれど、なんか3日も経つとずいぶん昔のことのようで、あまり振り返る気分になれない。まあこれはそのうちやりたくなったらやるってことで。

▼bk1ブリーダーズプログラム12月の売上は195件。過去最高を記録。「新世紀エヴァンゲリオン」7巻が20冊くらい出ててびっくり。

【雑誌】まんがくらぶ 2月号 竹書房 B5中

 小田扉「子供で雪の子」が目当て。ある正月の雪の日の、小学校6年生の女の子のひとときを描く。今回はギャグではなく、日常風景をしみじみ描いたもの。暖かでなかなか趣深い掌編。高橋しん「わたしたちは散歩する」は第4話めながら新連載。「最終兵器彼女」のシュウジとちせのような、っていうかそのまんまな二人の下校道。会話の内容としてはスレ違っているけれども恋心の芽生えをきちんと感じさせる。うまいですな。次号にはゲストでタイム涼介が登場するとのこと。また買わないといかんかな。

【単行本】「PEACH!」4巻 遊人 小学館 B6 [bk1]

 キャンプを通じて法師と生徒たちの絆は強まったけど、法師と桃香の仲を引き裂こうとする圧力もまた。この巻あたりは最初のころに見せた、爆発的に意味のないエロスが薄れて普通のラブストーリーになってしまってきているのでいまいち。最近雑誌連載のほうはまた強引さが出てきていい感じになってきているけれども。

【単行本】「龍」29巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1]

 甘粕がカッコイイ巻。表紙も甘粕。この巻はさほど大きな動きはなく、次の展開への助走段階といったところ。堂々としたストーリー運びはまさに大河ドラマって感じ。

【単行本】「聖」6巻 山本おさむ 小学館 B6 [bk1]

 努力家の井上との対戦を終えて、いよいよ羽生の姿が村山聖の前にくっきりと見えるようになってきた。一局一局、文字どおり命を削るような渾身の対局が続いてて、力が入る作品。

【単行本】「花園メリーゴーランド」2巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1]

 面白いなあ。純情少年の相浦くんが、最初は戸惑っていた柤ヶ沢の性にオープンな空気に、どんどん取り込まれていっている。今回は村の風習である性の手ほどきまで受けてしまい、いよいよ相浦くんも「まれびと」ではいられなくなってきている。甘美な底なし沼に引き込まれていっているような感じで、危険だけれども魅力的。

【単行本】「ヒミズ」2巻 古谷実 講談社 B6 [bk1]

 少年たちの人生はズーンと重く、閉塞感に満ち満ちている。誰かが圧迫してくるわけではない。けれども、少年である身には生活の重みを打破する力もなく。そして一線を越える。主人公の住田やその友達の夜野はまったく平凡な少年たちだし、物語の中で描かれることだってごく普通の日常の延長戦上にある。それだけに彼らがどんどん追い込まれて行き場を失っていく様子はひしひしと怖い。読むたびに「これからどうなってしまうんだぁ〜」と思う。

【単行本】「ちょびっツ」4巻 CLAMP 講談社 B6 [bk1]

 ちぃの秘密、パソコンの秘密に近づきつつあるようで、まだなかなか全貌は分からない。もう少しストーリー進行は早くてもいいような気はするけれども、手堅く面白いし、作画は美しく、ちぃたちパソコンはかわいい。

【単行本】「すべてに射矢ガール」3巻 ロクニシコージ 講談社 B6 [bk1]

 この巻にはロクニシコージのデビュー作「今、ニャン時ニャン分ニャン病?」(1996年ヤンマガ赤BUTA掲載)も収録。このころからちょっと不思議な味のあるラブコメテイストは健在だったのだなあ。絵はだいぶうまくなっている。この巻でも山田くんとあすみちゃんはいつもどおりといえばいつも通り。それぞれに勘違いしてスレ違っているけれども妙に波長は合っているような。すごい鼻毛の後輩編もあるが基本的には平和な世界。ときどき、例えばいつも謝ってばかりの自分の姿の滑稽さにあすみちゃんが気づいたりとか、ときどき不意にセンシティブな物事を切り出してくるのでドキッとさせられたりもする。


12/30(日)……ふぁんろどトリオ

▼前の会社を辞める人の送別会があったのでのこのこ顔を出してくる。なぜか飲み会というのはないときは全然ないけど、あるときは短期間に集中するもの。考えてみるとここ10日くらいで4回呑んでる。そろそろ胃を休めたほうがいいかな。まあ最近はわりとセーブ気味に呑んでるので大丈夫だとは思うけど。

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.12 太田出版 B5平 [bk1]

 やっぱり面白いですこの本。今回は漫画もいいんだけど、注目はなんといっても内山亜紀インタビュー。新作は描いてないものの「あんどろトリオ」の再録もあったりして、当時のチャンピオン発狂時代をありありと思い起こさせる。ちなみに「あんどろトリオ」は、昔週刊少年チャンピオンでなぜか連載された、つかさちゃんという少女にオムツはかせておしっこさせまくる、たいへんにクレイジーなロリ漫画。たぶんエロ漫画雑誌でやっても異様に感じられそうなノリだったが、それが週刊少年チャンピオンでやってたもんだから子供心にもかなり驚きだった。今回再録されてるお話でもつかさちゃんのおしっこをジュースにして売り出して、みんなが先を争って買い求めたりと、なんだか脳味噌が沸き立つようなお話が展開されている。今では入手しにくいんだろうけれども、未読の人は古本屋で見つけたら話の種に読んでみるといいかも。「エイケン」に先んじること約20年、日本にはこんなイカれた漫画があったのだ。千之ナイフ「くらくなって魔女」もいいYO!

 松本次郎の新連載「未開の惑星」がスタート。主人公の夢見がちな少年・コロは、幼なじみの不良少女・クッキーにいいようにパシリとして使われたりしながら、未開の惑星で平和に生活している。その様子がまず第一話で語られるが、まだイントロダクションといったところなので今後お話がどう展開するかはよく分からない。ともあれ楽しみ。駕籠真太郎「遠目塚先生の優雅な愉しみ」。このお話のメインとなっているのは、「六識転想アタラクシア」に出てきたエキセントリックな女教師・遠目塚先生。何気に美人だ。で、彼女が身体中をかぶれさせてその痒さを楽しむという趣味を極めていく。見ているほうまでかゆくなってくる描写の連続がとても刺激的。ああかゆかゆ。

 雁須磨子「あにいもと」。兄と妹の物語ではあるんだけど、雁須磨子らしくあんまり普通じゃない。別にお兄ちゃん好き好きにはなっていないし、全般に呑気。藤田直哉「刻印」は、上司に怒られた恨みの記録を自分の身体にカッターで傷をつけて忘れまいとしているOLと、彼女に欲情してしまった同僚のサラリーマンのお話。変態的なエピソードだけど、絵柄とかお話とかまったりとまとまりがいい。月森雅十「紅い路地」。とある男がぼんやり裏路地を歩いていたところ、不思議な遊郭に迷い込み、そこで人魚の娼婦と出会う。なかなか端整でお耽美。最近のエロティクスFはこういうニューフェース組で収穫が多くてうれしい。

【単行本】「陽気婢短篇集 身想心理」 陽気婢 講談社 B6 [bk1]

 けっこういろんなところで描いていた短編を集めた単行本。収録作品は「MY TURN」「あんぐる〜YOUR EYES ONLY〜」「Lonely Vamp」「おでこ」「ナンパオ」「カリソメ」「振り返れば僕がいる〜Personal Complex’95〜」「極限の愛」「SF恐怖のイソギンチャク人間」「永遠の少年」。古いモノから新しめのモノまでいろいろあって玉石混淆。正直ハズし気味な作品もある。でもやっぱり陽気婢作品はすごく好きだなあ。昔の暖かみのある太めな線もいいし、今のスッキリ洗練されてなおかつ柔らかい線もいい。収録作品の中ではとくに、両目の視力はないんだけど、精神感応力を持っていて他人の視覚情報を読み取ることでほかの人と同じように生活している少女のお話「あんぐる〜YOUR EYES ONLY〜」あたりがいい。着想も面白いし、ラブコメ的展開も心地よい。ごく自然な形で実に気持ち良く完成している絵柄と、スッキリとした甘味のあるお話に、いつもメロメロにされてしまう。いいねえ。

【単行本】「おやすみなさい。」6巻 小田原ドラゴン 講談社 B6 [bk1]

 今回とくに印象に残ったのは、鉄郎が制作しているゲリラ的ラジオ番組「鉄郎うんこラジオ」のエピソード。鉄郎の活動は地道で無益でかつ精力的で広範だ。偉大なり。

【単行本】「女王の百年密室」 画:スズキユカ+作:森博嗣 幻冬舎コミックス B6 [bk1]

 ああ、これ、面白いじゃないっすか。広大な大地を機械でできたロイディと共に旅している主人公サエバ・ミチルがたどりついたのは、女王が統治し、争いもなく人が「死ぬ」こともなく、壁で囲まれた町の中だけですべてを自給自足している「理想郷」のごとき町。しかし、ミチルはその「できすぎた町」に違和感を抱く。そして、ついに起こった殺人事件を通して、ミチルはこの町や女王たちの真の姿を見る。ちょいとSF風味、かつ多分にファンタジー的。不思議な雰囲気の中で、事件と世界に対する謎解きのミステリが、とても美しく展開されている。もしかして小説のほう(→bk1)を先に読んだほうが良かったのかもしれないけれど、これ単体でもかなり楽しめた。スズキユカの繊細で透明感のある作画もこの世界観によくマッチしてて、完成度の高い作品となっている。漫画化に当たってのスズキユカの起用は正解だったような気がする(原作読んでないんで断言はできないんだけど)。

【単行本】「空想科学エジソン」2巻 カサハラテツロー 幻冬舎コミックス B6 [bk1]

 素直にワクワクさせてくれる良い作品。キュートで伸びやかで健康的な作画、それからスピーディなアクション。そこに工房少女ミロと、不思議な球体であるエジソンが作り上げる、ユニークな機械のギミックがうまいことからみあって、オトコノコ的冒険心を満たしてくれる。とてもまっすぐにエンターテインメントしてて、読んでて気持ちいい。

【単行本】「おしゃれ手帖」3巻 長尾謙一郎 小学館 B6 [bk1]

 ヘタウマ系の伝統を守って健闘中の作品。回を重ねるごとに各キャラクターのヘンな個性が増幅されてるのが楽しい。最初はまともそうだった小石川さんも、Hな妄想をどんどん膨らませてトリップするヤバげな人と化してるし。ときどき非常にシュールなネタもあったりしていい味を出してる。


12/29(土)……Outlook取り

▼そろそろ今年の分の漫画新刊購入は打ち止めかな〜。まだあるかもしれないけど、とりあえず未読雑誌を一気にガガッと。

【雑誌】コーラス 2+3月号 集英社 B5平

 2月28日発売の4月号から大リニューアルが行われているということで、次の号はお休み、今回は合併号に。で、次号は新連載が一挙9本。一条ゆかり「有閑倶楽部」が復活するのを目玉に、伊藤理佐「結婚泥棒」、よしまさこ「地球のリズム」、堀内三佳「美人さんカレンダー」、やまじえびね「おやつの時間」、現代洋子「恋のふんころがし」、今井美保「美ステリーハンター」、尾形未紀「おとしごろ図鑑」、それから漫画家リレーエッセイなどが新登場。読切で小沢真理「優しくもないし冷たくもない」も掲載。1月28日にはコーラス本誌が出ない代わりに、別冊コーラスWinterが発行される。広告によれば「厚さ爆発1002p」だそうで。別に爆発せんでも……>厚さ

 それに伴い、今月号では最終回がわさわさと。一条ゆかり「天使のツラノカワ」、やまじえびね「お天気といっしょ」、千里唱子「旅行にいこーらす」、奈知未佐子+藤田真希子「ブルーベリーハウス」、堀内三佳「パクパク倶楽部」、もんでんあきこ「P.D.エージェンシーの報告書」、現代洋子「おしゃぶりマンボ」、萩岩睦美「たんぽぽ保育園カンタマン」、宮川匡代「アイガラゴー!」、聖千秋「メンタルガード」。あ、しまった。終わらないのを書いたほうが早かった。

【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平

 巻頭カラー、清水玲子「秘密 −トップ・シークレット2002−」は116ページあって読みごたえ抜群。他人の脳に記録された視覚情報を再現することで犯罪を捜査する、「MRI捜査」を唯一行っている「科学警察研究所法医第九研究室」(通称「第九」)の人々を描く作品。今回は実際に第九のメンバーに危害が及び、第九の一員である青木が苦悩する。「記憶のイメージ化」というSF的な要素を物語にしっかり生かしながら、上品な作画で、しかもハードな物語を描ききる筆力はかなり強力。なるほど美しい。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 2月号 少年画報社 B5中

 やはりこの雑誌では、いまいち僕の心は震えないィ! 大石まさる「くの一はおでこだせっ!」がいちおう終わったかと思ったら、今度は「泥棒猫」本編が帰ってくるらしい。さすが大石まさる。行動が読めない。ところでどうでもいいんだが、これってなんで「くの一」なんだっけか。「女」の字の分解だから「くノ一」でないと。とか思って単行本「泥棒猫」を確認してみたら、「くの一」編の第2話あたりのロゴではちゃんと「くノ一」になってますな。小泉真理「ジンクホワイト」。絵の話とラブコメがきちんと並行して進んでて楽しい。あと平野耕太「ヘルシング」は増刊のためのお休みで、代わりに2ページ「穴埋め宣伝ゆかいまんが 人情紙芝居バーニングフラッグ」が掲載。

【雑誌】ビジネスジャンプ 1/15 No.3 集英社 B5中

 なんか「BJオリジナル2002」年賀状ホルダーという厚紙が付いてるんだけど……これ使う人いるのかなあ。基本的に図柄はBJ魂とビジネスジャンプ本誌の表紙イラストの流用。三山のぼる「麗羅」がメインでSMファッションで仁王立ちしてて、その横に村生ミオギャルが片ひざ立てて座ってる図柄のはがきホルダーを、いったいどこで使えと。会社で使うと羞恥プレイとしていいかも。

 作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。今回はチェスをやるロボットの話なのだが、「王手ルーク取り」というセリフに思わず脱力。チェスでこういう言い方ってするんすか? 吉田ひろゆき「キャラクターバンク」。BJ初登場らしいけど、まあやってることは「Y氏の隣人」。三山のぼる「麗羅」。なんか最近すごいのだが、今回のSMプレイもやたらダイナミックでびっくり。

【雑誌】スーパージャンプ 1/9 No.2 集英社 B5中

 寺沢武一「コブラ」が復活して月イチ連載に。フルカラーCGコミック。なんかCGに無駄に力が入りすぎてるような気がする。ここまでやると画面にメリハリがなくなっちゃって、つい読みとばしちゃいがちだと思うんだけどなあ。作:矢島正雄+画:若狭たけし「どんまい!」は、パーキンソン病にかかり、筋力の急激な衰えを止めるための薬の副作用で、記憶をもなくしつつある男を介護したときの話。彼とその親友たちのエピソードなのだが、読みごたえがあって泣ける。ええお話です。まあそんな中、小谷憲一「DESIRE」はいつものごとくどうしようもなくて素晴らしい。デスエロ〜ス。

【雑誌】コミック伝説マガジン No.4 実業之日本社 B5中

 望月三起也「ワイルド7」の新エピソード「飛葉」がスタート。再録とかではなく新作である。もちろん主人公はあの飛葉。記憶は失ってて、まだお話としては序の口といったところ。画:原田久仁信「プロレスヒーロー列伝 力道山」(作:原康史+監修:百田光雄)は、力道山が空手チョップや黒タイツといった定番スタイルを獲得するあたりのお話。読んでて燃えるものはある。これが力道山の現役時代を知っている人ならなおさらなんだろうけど。

【雑誌】ラッツ 2月号 司書房 A5中

 今号から判型が変わるってこと忘れてて本屋さんでちょっと探してしまった。作家陣もけっこう入れ替わってて、BENNY’S、RYUJIN、天太郎、笹峰ひでとし、愛澤銀次、白駒らい、天野英美、温泉ビンゴ、IDEA、藤宮博士、瑞東航、宮本悠というメンツ。若手作家を増やしてきているものの、全般的な傾向としてはやっぱり司書房らしい鬼畜的なテイストにはならない肉弾系エロ中心。

 まず巻頭カラーBENNY’S「〜遠い音楽〜」。コオロギを擬人化した姉弟モノ。優しい目つきの姉が、しっとりしてていい感じ。あとおっぱい大きめで、たいへん女体が柔らかそう。本当はエンマコオロギであることを思い出すとなんですが。IDEA「西遊艶義」は最終回。この作品はなかなか面白かった。すっきりしたまとまりのいい絵柄で、Hなこともしっかりやってて、なおかつ明るくドタバタと楽しいコメディになっていた。

【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中

 陽気婢「内向エロス」シリーズ「ゴミ少女の逆襲」。人肌恋しい一人者男がある日、ゴミの山の中に座っていた女の子を拾って部屋に連れ込んで……というお話。とりあえず次号に続く模様。女の子は体型がスラーリとしていつつ出るとこは出てて、しかも陽気婢顔の可愛さ。ええですのう。SABE「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」。ああ、本当にどうしようもない。そして面白い。マンセー。綾瀬さとみ「喪服美人」。普通の未亡人エロエロ凌辱モノかと思ったら……。なんか快楽天で描く人はブチ切れなきゃいかんとかあるんだろうか。朔ユキ蔵といいSABEといい。月野定規「おませなプティ・アンジュ」。いやー最近すっかり麻耶タンがメインとなりつつありますな。今回は出番が多くて、麻耶好きにはうれしい限り。ていうかこれ「ナジカ」?……だよねえ。サブタイトルも「何故か電撃作戦」だし。松本耳子「原チャリらばぁーず」。今回もポップな絵柄で他愛ないことやってて楽しいっす。

【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号 エンジェル出版 B5平

 ドリルムラタの隔月連載「プッシー・ボックス」がスタート。主人公の大学生男子が独身者専門のマンションに引っ越してきたところ、そこにはかわいいねーちゃんたちがいっぱい住んでてエロエロやりまくりな日々がスタート!という感じのお話。大きくて丸いおっぱいを駆使したエロには定評のある人だけに、この作品も最初っからかなり実用的。雑誌のカラーにも合ってる。奴隷ジャッキー「ししまい2てんてこまい」。獅子舞の中に入った幼なじみの二人が、獅子舞やりつつHなこともしちゃう〜という作品。おめでてーな、という感じ。ぷりんぷりんとした肉感の奴隷ジャッキーキャラは今回もかわいい。紫川弓夜「X’mas Rose」。2月号でしかも発売日がクリスマス過ぎてるのはちとタイミングは悪いけど、この人は読むたびにうまいなーと思う。意外と雑誌の中では目立たないんだけど。きれいな絵柄でエッチもしっかりやって、なおかつお話としての完成度も高い。あと吉良広義「地獄のアマゾネス学園Z組」は、女の権力が強くておもちゃにされまくりな男子生徒たちの受難を描いたエロコメディ。濃いパンチの利いた絵柄と激しいファック、そしてノリの良さがグッド。


12/28(金)……予約 done.

▼いちおう仕事納め。まあそんなわけで、ザ・掲示板の#4388でかぜはるかさんに教わった、末広町にある非常にゴージャスでうまいという鳥料理屋さん「鳥つね自然洞」に行って、絶品であるらしい親子丼とか焼き鳥とかを食わんとす。しかし行ってみたらば、予約でいっぱいで入れなかったんです。もうね、アホかと。バカかと。昨日電話で年内の営業日を確認したときに予約入れときゃよかった……。俺の高まりきった親子丼欲は行き場をなくし、しょうがないから御徒町のほうまで歩いて、牛タン定食とかでお茶を濁す。その後、24時間やってる肉のハナマサに行って、冷凍豚タンとか買って正月の備え的食料品を購入。すごすご帰る。このリベンジは2002年に果たす。きっと果たす。

▼未読物
【雑誌】ビジネスジャンプ 1/15 No.3 集英社 B5中
【単行本】「おやすみなさい。」6巻 小田原ドラゴン 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「すべてに射矢ガール」3巻 ロクニシコージ 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「陽気婢短篇集 身想心理」 陽気婢 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「ヒミズ」2巻 古谷実 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「ちょびっツ」4巻 CLAMP 講談社 B6 [bk1]

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/17+22 No.4+5 集英社 B5平

 藤崎竜「サクラテツ対話篇」。今回はまたヘンなキャラが出てきた。アナルナルナルーっ。少年誌でもこういうネタをやるんですなあ。アヌスヌスヌスーっ。作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。ヒカルvsアキラが満を持して開始。序盤から両方ともビシビシ牽制し合っててかっこいい。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 1/15 No.2 講談社 B5中

 榎本俊二の「映画でにぎりっ屁」。今回は驚異のトム映画「バニラ・スカイ」を紹介。4分の3ページくらいなんだけど面白いなあ。これ読んだら、どうやってもトム映画として観ちゃうだろうなあ「バニラ・スカイ」。小田原ドラゴン「コギャル寿司」。漫才オヤジいく夫編完結。なんとなく名残惜しい。それにしても最近コギャルも寿司もどうでも良くなっているような。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」はついに次号で最終回。最後まで何がなんだか予想もつかない。何がなんだかよくわからんけど面白かった〜ということでよろしいのかな、と思う。新井英樹「SUGAR」。おお、動いてる動いてる。殴ってる殴ってる。面白い。

【雑誌】オールマン 1/16 No.2 集英社 B5中

 作:荒木飛呂彦+画:鬼窪浩久「変人偏屈列伝」のエピソード3が掲載。今回は「コリヤー兄弟」。なんだかずっと家から出ないで暮らした謎の兄弟のお話である。謎であるだけに、周囲の人の証言などを中心にお話は構成されている。今だったらネット通販とかあるから、こういう完全引きこもり生活も昔に比べてやりやすいだろうなあとか思ったりした。作:樫田正剛+画:七瀬あゆみ「2ndハウス」。いやはや今回も相手の女の子が理想の恋人状態で羨ましい。なんか非常にストレートに男の妄想を具現化してるような気がします。六田登「BOX」。面白くなってきている。主人公の一途も強さを発揮しつつありカッコヨイ。

【雑誌】近代麻雀 2/1 Vol.404 竹書房 B5中

 天獅子悦也「むこうぶち」。調子に乗った成金のおっさんを結果的に助けてやるのかと思ったら全然眼中にないのね。それにしてもこのおっさんが近代麻雀の表紙に載っかってくるとは思わなかった。神原則夫「西校ジャンバカ列伝かほりさん」。最終コマで下らないシャレをいってるバーコードおやじが、いかにも神原則夫らしいキャラでほんわかと嬉しい気分になった。バロン吉元「コンビニ軍艦コッテウシ」。何がどうコンビニなのかはいまだよく分からず。絶対便利じゃないよ〜この艦。扉ページのアオリ文句も良いね。「先生、日本全国コッテウシの話題でもちきりでございます!」だって。せきやてつじ「ラスベガス;キング」(原案:青山広美)は、なんの意味もなく勝ち続けるカジノの伝説的無敗ディーラーが主人公。もう少し強さに根拠があってもいいんではないかと。

【雑誌】ヤングアニマル 1/11 No.1 白泉社 B5中

 二宮ひかる「ハネムーンサラダ」はとうとう最終回。最後まで慌ただしく、そして非常に鮮やかだった。この変わった恋物語を、読者として疑似体験させていただけてとても幸せ。単行本でまとめ読みするのが楽しみだ〜。あと作:岩瀬孝文+画:井上美樹「スマイリング 〜原田雅彦物語〜」が連載開始。ノルディックスキー・ジャンプの原田雅彦の実録漫画。

【雑誌】LaLa 2月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」。最近どうにも有馬が、自分のダークな本性を自覚して煮詰まり切ってていい感じにスリリング。毎回どうなるんだろうと思う。しかもなんか厄介な新展開がありそうだし。いい加減単行本買わないとなあ。なかじ有紀「ビーナスは片想い」、森生まさみ「おまけの小林クン」は、どちらも今どきの漫画とは思えないほどに恋愛っぷりが初々しく、微笑ましきこと甚だし。そういえばすでにビーナスが両想いになってから久しい。

【雑誌】阿ウン 2月号 ヒット出版社 B5平

 高岡基文の新連載がスタートしている。タイトルは「まゆマテリアル」。これけっこうスゴいお話になるかも。主人公がとある有名な教授に憧れてそのゼミに入ったところ、教授の一人娘・まゆを紹介されるというところからスタート。んでもって、この娘は服飾依存症の乖離性同一性障害を持っている。というとなんだが、簡単にいってしまえばなんかのコスチュームを着せられるとそのコスチュームに合った人格になってしまうということ。つまりメイドのコスプレさせれば、精神的にメイドになっちゃうっつーことなんす。しかも服に合わせて体型まで変化。巨乳になったりもできる。ワーオ。なんて便利なんだ! というわけでこれからいろんなコスによるいろんなプレイが展開されるんでしょうなあ。最近の高岡基文作品は、非常にキャッチーかつ実用度も高いので、毎回楽しませてくれそうな感じ。

 ジャム王子版「悟空道」であるところの(と勝手に思っている)「BAD SLAMMERS」第2回。今回出てくるキャラは最初透明なんだけど、途中で身体の一部しか透明できなくなり……という感じで、股間の中の部分まで丸見えということに。その状態でやってるシーンはなかなかユニークかついやらしい。面白い見せ方だと思う。牧部かたる「発熱する体」は、今回も手堅くエロエロに輪姦。赤坂かずひろ「ラブコメもの!」は、天然ボケなお姉さんのキャラがすごくイキイキしてて元気で楽しい作品。魔訶不思議「雛迷宮」は最終回。ロリロリで妹ものでしかもかなりいやらしかった。良か良か。


12/27(木)……御酒食様

▼えっうそ。ソニーがニフティを買収すんの? まだ交渉中らしいけどこりゃびっくり。実現したらSo-niftyとかになるんかな。やっぱりPS2向けの提携相手としてYahoo!BBじゃ不安だったとかだろうか。

▼仕事関係の人たちへ年賀状を送るべく名刺整理。入力が面倒くさいので、名刺管理ソフトと専用スキャナがパッケージングされたメディアドライブの「やさしく名刺ファイリング v.1.0」というのを購入して、それを利用してみた。ラオックス・ザ・コンピュータ館で1万800円。名刺管理専門ソフトのパッケージはほかにもいくつか出ていて、30枚連続で取り込める製品もあってそっちのほうが作業的には楽っぽかったのだが、値段が段違いだったため(3万5000円以上)、置いてあった中で一番安い奴にした。この手の製品を使うのは初めてだから過大な投資もしたくないし。んでもって使ってみたけど、こりゃなかなかいいですな。スパスパ取り込んで自動的にOCRをかけてくれるのでだいぶ手間が軽減される。まあ誤認識はそこそこあるけど、名刺の取り込み画像を見ながら修正してけるんでそれほど手間はかからない。結局150枚くらいの名刺を半日かからずに全部PCに取り込めた。便利便利。すでに投資の元はとった気分。ところで調べてみたら、Amazon.co.jpってこういうもんも売ってるんですな。しかもラオックスより若干安い。まあわりと急ぎで欲しかったからいいんだけど。

▼早売り
【雑誌】ヤングアニマル 1/11 No.1 白泉社 B5中
【雑誌】ヤングキングアワーズ 2月号 少年画報社 B5中
【雑誌】阿ウン 2月号 ヒット出版社 B5平
【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号 エンジェル出版 B5平

 阿ウン2月号に師走の翁が載ってないのは、例のシャイニング娘。増刊の作業のためでありましょう。で、その増刊は1月23日発売。1〜5話までを完全収録で、単行本連動特製トレカ2枚付き、表紙テレカ応募者全員サービス、執筆者インタビュー、シャイ娘。設定ラフ画公開という内容になるそーです。てーことは単行本も近いうちに出るんですな。390円でB5中とじ。まあ買っとけ〜。あと今月号では高岡基文の新連載もスタート。

【雑誌】モーニング 1/11+15 No.4+5 講談社 B5中

 山下和美「不思議な少年」が掲載。今回は90ページで、死ぬ間際のソクラテスの姿を追う。一般的なイメージと違うソクラテスの飄々と、泰然自若とした様子がかっこいい。いいお話だった。で、次号は諸星大二郎の「塔に飛ぶ鳥」が掲載されるとのこと。楽しみ。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/24 No.4+5 集英社 B5中

 なんだか乙葉のマウスパッドがついている。デカい。

 さて、今号は井上雄彦「REAL」が載っている。三者三様でそれぞれが一般的な形でバスケに関わる道を閉ざされている。それだけにバスケへの飢餓感が伝わってきて、読んでいてもググッと力が入る。面白いなあ。それにしても単行本1巻が110万部突破かー。すごいな。 高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 2002」。えーと、今回若林源三が「Z=SGGK」となってるけど、このZってなんのZだっけ。もしかして「絶好調」のZ?

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/14+17 No.4+5 秋田書店 B5平

 今号は正月ネタ中心というわけで、巫女がいつもより増量。八神健「ななか6/17」、伯林「しゅーまっは」、そして川島よしお「ナックルボンバー学園」。松山せいじ「エイケン」も、まあフォルム的には近い。これででじことナナも巫女装束着てたら、チャンピオン萌え漫画で巫女勢ぞろいだったのに。個人的には「しゅーまっは」のめがねっ娘・梨花ちゃんに一票。それにしても今回も「エイケン」は女教師が女陰を出し、白濁を浴びてビチョビチョグチョリンだあ。そして初デカ……とくる。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/18 No.2 小学館 B5中

 松田洋子「御愁職様」は今回で集中連載おしまい。せっかくなので単行本1巻にまとまるくらいまで続けてくれればよかったのにーと思う。集中連載ではロドリゲス井之介「彷徨する勤労」が入れ替わるように始まっている。いつものごとく、クドめな味の馬鹿馬鹿しいお話になりそう。星里もちる「本気のしるし」。浮世たん……。まだなんかあるんかよっ! まったくもって面倒なことこの上ない女だ。


12/26(水)……倶楽部訪問

▼年内の仕事はだいたい片づいたかなー。まあ年賀状の宛名入力とかの雑務は山のようにあるんだけど。

▼未読物
【雑誌】スーパージャンプ 1/9 No.2 集英社 B5中
【雑誌】コミック伝説マガジン No.4 実業之日本社 B5中
【雑誌】LaLa 2月号 白泉社 B5平

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/1増刊 新僧 Vol.4 小学館 A5平

 けっこう楽しみにしている新人競作増刊。今回のメンツはさいとうしげき、カイトモアキ、水上すずり、玉山大吾、須田新餓狼、石川貴子、内田健敬、稲垣理一郎、きむらともあき、若杉公徳、岩下博美、ツギノツギオ、信濃川日出雄、沖田次雄。今号は見ル野栄司とかいないし、若干大人しめかな。でもこの本はコンセプト的にクオリティが不安定になるのは仕方がないし、とにかく出し続けることに価値があると思うので全然OK。

 注目はまずカイトモアキが登場したこと。昔ヤングサンデー大漫王で連載していた「裸のふたり」(未単行本化)、アクションの「白い少年」(1巻だけ出て2巻は出ていない)などで一部に忘れ難いインパクトを与えた人である。今回の「母子」は、激情的な作風は健在ながら、お話としてもまとまっている。周囲からは奇異な目で見られている娼婦を母に持つ少年の物語。この少年は、執着の強すぎる母親の愛情を疎んじていた。妄執とともに愛情表現の哀しい形を垣間見る一作。とにかくこの人については、爆発的な作品を描く可能性を秘めた人だと思うので、今後も描き続けていってほしいもの。

 それからツギノツギオ「スッパニタータ」は相変わらずいやんなるほど濃い。主人公の仏教少年の様子が、異様にスパーム的な生臭さを放っている。なんだかんだいってこの作品はすでにもう7話にもなっている。個人的には絶対に単行本化してほしいところだが。須田信太郎「カーツの宅配便」。頼りなさげな男が、ヤバイもんでもなんでも運ぶ宅配便野郎のカーツに引きずり回されてスリリングな体験をし、男として成長するという青春物語。暑苦しくてソウルフルでいいお話。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 1/20 No.027 講談社 B5中

 なんか今号は大当たりという感じ。いい具合に面白い作品が多かった。

 まずは松本剛の新連載「甘い水」がスタート。公園で初めて出会った男子・戸田くんと転校生女子の沢俣さん。なんとなくいいムードなんだけど、どうも彼女のほうはヤバい家庭環境を持っているようで……という出だし。男子のほうが落とした小銭を、ブランコに乗っている女の子のほうがつい反射的に足を伸ばして止めてしまい、思わず出ちゃったちょっとお転婆な行為に顔を赤らめる……というシーンなんか、言葉は最小限なんだけどさりげなく二人の心理を描いててうまいなーと思った。坂井恵理の新連載「ラブホルモン」は、平凡な学生の達也が惚れちゃった女の子は、惚れ薬を使うことで一時的にお客さんに恋をしてウリをやってる、自由奔放でなかなか手に負えなさそうな娘さんだった……というところからスタート。純愛トキメキストーリーといったところかな。それにしてもこの人の絵柄は、昔と比べてずいぶんこなれちゃったなあ。

 記伊孝「犯罪交渉人峰岸英太郎」は、カウンセラーの酒堂さんの様子になんだかほのぼのさせられる。普段はカッチョ良さげな美人。でも英太郎の言動にぽぅっとしちゃうおちゃめなところもあって、さらに元オタクであるという絶妙なキャラクターメイキング。これはけっこう来るでしょう。連載2回めの山本マサユキ「六本木リサイクルショップシーサー」も好調。リサイクルショップの全容がほの見えてきて、気楽〜に読めるコメディとなってる。トト子ちゃんかわいいなあ。ああ、そして唯登詩樹「YUI SHOP」ですよ。達者な作画とどうでもいいお話、そして必然性のないエロス。デスエロ〜ス。あと前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」は相変わらずバカチンで愉快だし、作:西澤保彦+画:太田まさのり「念力密室」もなんか線が滑らかで女の子がかわいかったり、藤枝奈巳絵「超能力者 鈴木文子」もヘナヘナで下らないギャグが楽しかったり。

【雑誌】少年エース 2月号 角川書店 B5平

 ゴツボ×リュウジ「ササメケ」2回め。出戻りサッカー留学少年と、喧嘩激強女の子の接触が増え、さらにサッカー方面にもまた引き戻されていきそうな気配。ちゃんとお話が着実に動いている。面白くなりそうな気配が今回も継続中。えーとそれからまた「機動戦士ガンダム 連邦VSジオンDX」のアレもやってます。どうせならガンダムエースで定期的にやっちゃえばいいのに。作:奥瀬サキ+画:目黒三吉「低俗霊DAYDREAM」は、今回本編もいいけど、おまけ漫画がなんだか下らなくていい感じ。竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」。この人のパンツ&お尻描写はいいねー。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/16 No.4+5 小学館 B5平

 橋口たかしのパン漫画「焼きたてジャぱん」が本格連載化。とりあえず手始めはフランスパンなり。大げさすぎな演出に勢いあり。久米田康治「かってに改蔵」。今回は自分の身に照らし合わせてみるだにドキリとするネタ。半可通ほど恥ずかしいものはない。初心忘るるべからず。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/10+17 No.4+5 講談社 B5平

 新連載、作:有森丈時+画:葵ろむ「アソボット五九」は、「西遊記」をモデルとしたキャラを中心に繰り広げられる未来系のバトルアクション冒険漫画といったところ。なんとなくマガジンでは成功しなさそうなタイプって感じがするんだけれども果たして。

【雑誌】ヤングサンデー 1/13+17 No.4+5 小学館 B5中

 作:阿部譲二+画:深山雪男「アプサラス」は連載終了。なんか最後までいまいちパッとしなかった印象。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」は、怪盗モノではよくあるネタをやりそうな予感。

【雑誌】COLORFUL萬福星 Vol.21 ビブロス B5中

 相変わらずうまい人が多い雑誌だなー。今回は藤岡タマヱ、田中浩人、A10、橘セブン&NAKADO、大山玲、とがわはなまる、けろりん、粟岳高弘、おかのはじめ、しけたみがの、大林森、篠房六郎、春沢一、前嶋重機、井上眞改が漫画を執筆。実用面でぐっと来たのが粟岳高弘「みのりちゃんジャンプ!」と、大林森「さわらせ屋さん」。「みのりちゃんジャンプ!」は実に「普通」って感じのする娘さんが意外と大胆なことやってるギャップが、「さわらせ屋さん」は汁気の多い肉質にソソられた。しけたみがの「マエストロ」は、女体楽器をやらされてる女の子とそのご主人様(マエストロ)のHな日々を描いたコメディ。なんかほのぼのしてて楽しい。篠房六郎「コテコテ」は、漫才ネタだけどテンポがとても良くて面白かった。けろりんについては早く単行本出せるくらいまで原稿たまらんかなー、といつも思う。


12/25(火)……おっさんショーを

▼先週末にキンコーズで発注した年賀状を受け取ってくる。このサイトはインターネットで申し込み可能で、なおかつ24時間仕上げが基本らしいのでなかなか便利。ほかのところも調べてみたけど、発注から受け渡しまで7〜10日かかるところが多かった。まあその分デザインとかは限定されちゃうが。宅急便での配送も可能だったが、職場からそう遠くない上野駅近辺に店舗があるらしいので、直接行って受け取ってくる。ついでにまんがの森と新宿書店の上野店の所在地を確認。

▼本日職場に泊まり込んで仕事を片付けておけば、これからのスケジュールを格段に立てやすくなるということに気づいて徹夜仕事。それにしても最近どうも、年がら年中気が散りっぱなしで困る。集中力がないほうじゃないと思うんだが、集中するまでにすごく時間がかかるようになってきた。経年変化。性能低下。皇帝陛下。ばんざーいばんざーい。

【雑誌】アフタヌーン 2月号 講談社 B5平

 木尾士目が登場。「クラカチットの街」前編。大学のセンセイの愛人をやってるちょいと太めな女の子。彼女を巡って、3人の男がハチ合わせ。そして真ん中には爆弾が。まさに一触即発、即爆発な状況下で繰り広げられる駆け引きを描くといった感じ。なんか腹にイチモツありげな作品なので、次回も見逃せない。一條裕子は初登場。「俺について来い。」は24ページで4本立て。ヒマそうな奥さんとその老義父が繰り広げる会社ごっこ遊び。本当に無益なことを本気でやってる様子がおかしいし、飄々とした語り口も小気味いい。一條裕子はホントにセンスいいよなーと思う。独自の芸があってかっこいい。

 ひぐちアサ「ヤサシイワタシ」は最終回。最後は後味良く締めくくったけど、途中でものすごい急転直下な展開をしただけに、もう少し落とし前がつくまで続けてほしかった気はする。せっかく妹萌え的感覚も高まりきったところであるし。小路啓之「イハーブの生活」も次号でいよいよ最終回。意外にも勤勉に続いている鶴田謙二版「アベノ橋魔法☆商店街」。今回は巻頭カラーであるうえに表紙。TV化決定記念3つ折りポスター付き。真右衛門「G組のG」は、単行本2巻発売記念ということでなんかヘンなことをやってます。まあいつもヘンなんだけどねー。北道正幸「ぽちょむきん」。今回はネタバレになっちゃうから詳しく書かないけど、トリッキーな構成で楽しかった。

 2001年四季賞秋のコンテストで四季賞を受賞した朝日有希「思春期雲」は、雲になりたいとかいってる少年と彼とよく喋ってる女の子のエピソード。ふわふわと腰のすわってない若者っぽい感覚、気怠さみたいなものをきれいに映し出している。すっきりとした絵柄もけっこう好み。高木晋「サムイヒ」。こっちは秋のコンテストの準入選。北国の雪の朝。テスト前の女学生さん二人の苦戦する様子を描く。こちらも涼やかでなかなかよろしげな作画。お話もきっちり楽しめる。ただ、両作品ともちとまとまりすぎてる感じはある。四季賞といわれると、ついつい「もっとびっくりさせてほしいなあ」とか思ってしまったりもするんだが、まあそれは贅沢ってもんなのかもしらん。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/8 No.2 秋田書店 B5中

 巻頭カラーでたがみよしひさ「軽井沢シンドロームSPROUT」が新連載スタート。まさかこんなものまで蘇ってくるとは。そういえばコミック伝説マガジンでは望月三起也の「ワイルド7」が復活してたりしたけど(タイトルは「飛葉」。雑誌のほうは買ってあるので感想は明日にでも)。葉月京「恋愛ジャンキー」。今回はアイドルさんと2回めの性交渉。おさかんで羨ましい。

【雑誌】ビッグコミック 1/10 No.1 小学館 B5中

 岡崎二郎の新連載が始まった。タイトルは「ファミリーペットSUNちゃん」。双子の姉妹が拾ってきた喋る大きな石。ところがそれは実は100年生きてるというフシギなオオサンショウウオだった……というところから始まるペットもののホームコメディ。オオサンショウウオの外見はなんだかモグタン風のサメといでもいった感じのユーモラスなもの。というわけでなんかほのぼのしたお話になりそう。

【雑誌】漫画アクション 1/8+15 No.2+3 双葉社 B5中

 巻頭カラーで内山まもるの新連載「ゴースト」がスタート。女殺し屋モノといったところ。ちょっと意外だったのは原作をあや秀夫が担当していること。この人って原作もやるんだー。とか思って著作リストをeS!BOOKSで調べてみたところ、絵本で文を書いてたりしてびっくり。しかも、あや秀夫の絵本「つるのおんがえし」では、「並木橋通りアオバ自転車店」の宮尾岳が挿絵を描いてたりしてまたびっくり。意外なところで意外な人同士がつながってるもんだなあ。世の中広いんだか狭いんだか。さらに宮尾岳で調べてみて、この人がかなりたくさんの絵本を手がけていたということを知る。なるほどーという感じ。

【雑誌】漫画サンデー 1/8+15 No.2 実業之日本社 B5中

 今号も小田扉「マル被警察24時」は力が抜けてておもろいです。前号から出てきた新キャラの藤蜂子さんが光を放ってるね。まったく萌えとかいってる場合じゃねえよ(←あんま意味なし)。作:田中誠一+画:千葉きよかずの新連載「剛球少女」が巻頭でスタート。タイトルどおりの剛球を投げる少女が、かつて八百長事件のごたごたに巻き込まれた後、事故死した父親の遺志を継いで甲子園を目指すというお話。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 2月号 竹書房 B5中

 ありゃ。神田たけ志「伝説の雀鬼」が復活してるよ……。六田登「眠り玉三郎」はなんかいいペースで、着実に面白くなってきてる印象。御曹司だったはずの主人公も、見る見る勝負師っぽくなってきてるし。やっぱ読みやすい。

【単行本】「Marieの奏でる音楽」上巻 古屋兎丸 ソニー・マガジンズ A5 [bk1]

【単行本】「Marieの奏でる音楽」下巻 古屋兎丸 幻冬舎コミックス A5 [bk1]

 これまで下巻が出るまではと思って読まないでとっておいたのだけれど、下巻が出てくれたのでようやく読むことができた。それだけ大事に読みたい本であったのだ。

 この物語の舞台は、歯車や金づちなどを駆使して生活に役立つものを作る技術者たちが住まう島「ピリトの地」。この地では、大空から人々に慈愛をもたらす女神・マリィの加護を受けて、穏やかで争いのない生活が営まれている。特別な能力を持った少年・カイと、彼を慕う少女・ピピも、この地で平和に暮らしていた。カイはこの世界で唯一マリィの姿を直接その目で見、その奏でる音楽を聴くことができた。その能力を島の暮らしに役立てながら、カイはマリィへの信仰を強めていく。物語は前半、不吉な空気をはらみつつもおだやかに展開する。そして後半ではマリィの存在、カイの能力、そして神と世界の意味を探る、非常に大きな物語となっていく。

 描かれる世界のスケールの壮大さは圧倒されるばかりだが、細部の緻密さにも驚嘆させられる。古屋兎丸の作画力はすでに定評のあるところだが、この作品でもそれは遺憾なく発揮されている。大ゴマの使用やあえて描き込まないスペースを作るなどのメリハリが出てきた結果、これまでの作品以上に絵が漫画として生きている。物語は深甚で、かつダイナミックなうねりを見せる。ラストのほうなんかページをめくるたびに驚かされた。美しくて残酷で崇高で幸福で。ああ、なんかもう言葉が追っつかなくてもどかしい。本当にいろいろなスバラシイモノがこの作品には詰め込まれているのだ。まあ言葉でそう簡単に書けちゃうようなら漫画で読む必要はない。本当に「漫画で読む」価値のある作品だと思う。


12/24(月)……安定煉獄

▼ずーっと前に「漢字の文字数よりも読み仮名のほうが字数が少ない単語って何があったっけ」みたいなことを日記で書いたことがあった。そのときには「香具師=やし」「豆汁=ご」というのが出てきたのだが、本日Bstreetの桑田乃梨子の漫画を読んでいたら「七五三木さん=しめきさん」というキャラが出てきて、なるほど「七五三=しめ」なのかとポンと膝を打つ。だからどうしたって感じだけど。

▼bk1の年間売上ランキング発表。漫画部門のナンバーワンは……フィギュア付き「エヴァンゲリオン」7巻ですかい。しかもハリポタ、チーズに次ぐ3位。すげー。ちなみに漫画だけのランキングを見ると綾波バージョンのほうが売れた模様。なんだかんだで「ちょびっツ」の初回限定版も2〜4巻が揃ってランクインしてるし、「Heaven?」3巻も14位だし、やっぱりネット書店ではおまけ付きが強いんだろうか。

▼未読物
【単行本】「女王の百年密室」 画:スズキユカ+作:森博嗣 幻冬舎コミックス [bk1]
【単行本】「空想科学エジソン」2巻 カサハラテツロー 幻冬舎コミックス B6 [bk1]
【単行本】「Marieの奏でる音楽」下巻 古屋兎丸 幻冬舎コミックス A5 [bk1]
【単行本】「花園メリーゴーランド」2巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1:1巻/2巻
【単行本】「龍」29巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1:1〜28巻/29巻
【単行本】「聖」6巻 山本おさむ 小学館 B6 [bk1:1〜5巻/6巻

【雑誌】Bstreet Vol.7 幻冬舎コミックス A5平 [bk1]

 今回はけっこう良さげであったと思う。漫画の執筆陣は桑田乃梨子、羽海野チカ、浅田寅ヲ、木々、東城和実、Rage&Marr、雁須磨子、雨宮智子。

 まずは桑田乃梨子「888」は、探偵事務所を開いたばっかの呑気な3人組がストーカー事件の謎をなんとなく解くというお話。いつもまったく変わらないマイペースな桑田乃梨子テイスト。読んでて全然肩が凝らない楽しさ。安心感。羽海野チカ「はなのゆりかご」は、大発明家のセンセイと(ロボットだという噂のある)その奥さんの間柄を、暖かく描いた作品。端整でユーモアもあって、最後にはほろりとさせてもくれるいいお話。本当にうまいなあこの人は。雁須磨子「間抜けには向かない職業」。いつもながらに登場人物は間が抜けている。ぼけなす感が漂いまくりで面白い。雨宮智子「虹の彼方に」。憧れのセックスシンボル女優のブルーフィルム盗難騒動。気の利いたアメリカンテイスト。全般的に、各執筆陣が自分の持ち味を自在に発揮している印象。

【雑誌】ヤングキング 1/21 No.2 少年画報社 B5中

 まさかこんな連載が始まるとは……。新連載「花はにおえんど」。制作は「どおくまんプロ」だー。作・構成がどおくまんで、画はみわみわ+KOIKEYA+どおくまん。とある三流大学の野球部に顧問としてやってきた美人監督が、ダメダメ野球部を鍛え上げる……というお話になる模様。まあ例によって例のごとく、あのどおくまん節が炸裂してます。このすぐ後に「イケてる2人」があったりするのも、なかなかヘンな感じ。吉田聡「荒くれKNIGHT」。今回は植木屋のおっさんとのエピソード。爽やかに泣かせるいいお話。やっぱり地力がある人だけに、物語作りがうまい。小野寺浩二「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」は甲子園編クライマックス。今回は素直にアツい展開でした。ちょっと泣ける……と思ってしまった。小池田マヤ「聖★高校生」。うわーハードだなあ。つくづくキャラクターを甘やかさない漫画なり。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/12+15 No.4+5 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」が連載再開。第二部突入。今度はタッグ戦となるらしい。なんかまた一癖ありそうなキャラが出てきて面白くなりそう。村上かつら「サユリ1号」第2回め。サユリ=大橋ユキさんはちょっと魔性の女っぽいところがありますな。どんどん居心地の悪い状態になっていきそうで楽しみだ。柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」もいい具合に盛り上がっているというか混迷の度合いを深めているというか。相浦くんもやるようになったなあ。

【雑誌】COMIC天誅 Vol.4 ホーム社 B5中

 うーん、いまいちパッとしないかなー。今回から作:伊達一彦+画:武本サブロー(さいとう・プロ)による、人斬り以蔵の物語「以蔵が斬る」が始まったり、最終回を迎えた学生闘争回顧劇画「闘争遥かなり」(作:鏡丈二+画:影丸譲也)、それから今回もズバズバ斬りまくりのならやたかし「ケンペーくん」といった、面白く読める作品もあるのだけれど、全体の印象としてはどうもパッとしない感じ。

【雑誌】恋愛天国 VOL.1 竹書房 A5平

 大久保ニューと池部ハナ子目当てで買ってみたけど、それ以外にも面白い作品がけっこうあって思わぬ収穫という感じ。基本的にはセックスシーンあり少女漫画雑誌といった感じで、最近流行りの路線かな。まずはお目当てだったあたりから。大久保ニュー「東京アンアン娘」は、彼氏との初体験を控えてウキウキしている女の子のアパートに、突然実家からヤリマンな実の姉が引っ越してきて住みついてしまう。主人公はこの奔放な姉に困らせられっぱなし〜というドタバタコメディ。カラッと明るくてマイペース。気楽に読めるのがいい。それから池部ハナ子「クリームサンドビスケット」は、日常のさりげないアイテムに恋愛感情をからめる手際が非常に達者。絵柄も口当たりいいし、うまいことまとまってる。池部ハナ子もけっこういろんなところで読切描いてるよなー。そろそろ一つにまとめて単行本にしてくれるとうれしいんだけど。作品数は相当あるはず。ていうか追いかけきれてないと思うのでぜひ。

 巻頭カラー、藤堂はくる「ラブ☆エゴイスト」。予備校で出会った男女の恋愛物語。元気良くてフレッシュな読み心地。イキが良くてけっこう面白かった。山田可南「はなれてもあたためて」。スッキリとした絵柄で好感度が高い。あと笹鳥小町「キャンディー・ホリック」。ただ一人の合唱部員の女の子と、その練習につき合ってくれている優男な先生とのラブストーリー。白っぽくて軽やかな絵柄。ちょっと生意気そうな女の子が可愛い。あともう一つ、雛木しずか「恋をする」もなかなかいい感じ。兄好きだった妹さんが失恋して、新しい恋に乗りださんとする……みたいなお話。ほっぺたのあたりとか、目の泳がせ方とかにほのかな艶っぽさがあるのがええです。

 なお、2月20日発売の次号では東雲水生や中田ゆみも描くらしい。また買わなきゃならんなー。

【単行本】「アグネス仮面」1巻 ヒラマツ・ミノル 小学館 B6 [bk1]

 メキシコでの武者修行から帰国した若手プロレスラー・山本仁悟。しかし所属団体は武者修行期間中、彼の存在を忘れ果てていただけでなく、戻った途端にライバル団体へ道場破りに行かせる始末。そこで仁悟はあっけなくアントニオ猪木的な社長の返り討ちに遭い、今度はその団体所属の謎の覆面レスラー「アグネス仮面」として働かされることに。そこからアグネス仮面のアツいプロレス人生が始まっていくのだったーという漫画。

 すでに「REGGIE」や「ヨリが跳ぶ」でもおなじみだが、ヒラマツ・ミノルのスポーツ描写は非常にパワフル。しかもこの人らしいギャグテイストもプロレスというものと非常によくマッチしてて、えらく面白い作品になっている。なんというか丼勘定というか、大ざっぱな呼吸がすごくいい。しかもアクションシーンは一流。プロレス好きな人にもたぶん面白いだろうし、そうでない人でもイケると思う。でも単行本になって驚いたのは、第1巻に第一部が全部収録されてない点。ちょうどよさげな分量かと思っていたんだが。まあこれについては今週号のビッグコミックスピリッツから第2部が始まったので別にいいんだけれども。

【単行本】「れ・り・び」1巻 ともち 幻冬舎コミックス B6 [bk1]

 ともちの漫画は好きだ〜。このお話は、「もって半年」といわれていた祖母に一目嫁さんを見せてあげたいと願っていた男と、ずっと好きだった男が母親と再婚することになってしまって失意し家を出たがっていた女子高生が、1年限りという取り決めで結婚するところからスタート。最初は利害の一致からスタートした結婚生活だが、だんだんお互いに情が移っていき……というドタバタウェディングストーリー。甘くてむずがゆくて、なんかこうノロケ気分でトロトロにさせられてしまう。しかもほのぼのしていて嫌味にならないのが素晴らしい。下着姿とかのお色気シーンも健全。いい〜。

【単行本】「下町狂い咲きキネマ」 猪原大介+おおしまひろゆき 少年画報社 A5 [bk1]

 アワーズライトで描いた作品を収録した短編集。切ないラブストーリーだったり、ドタバタコメディだったり、くノ一少女のアクションだったり、ハードボイルドだったり、小説家青年の失恋青春物語だったり、お話の種類はバラエティに富んでいる。どの作品にも共通するのが絵柄の気持ち良さ。伸びやかで迷いなく自由闊達に引かれた線は、常に健全なバランスを保っている。達者な作画を楽しみながら、スルスルとテンポの良いお話を追いかけていくだけでも気持ちがいい。とはいえお話的にはちと断片的というか、もう少しバックボーンとなる設定部分まできっちり描写してったほうが面白かろうという気はする。現状に加えて、もっと深く読み込ませるような強いシナリオ、厚みのある作品世界が欲しい、と思っちゃうのは贅沢かなあ。

【単行本】「敷居の住人」6巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1]

 この巻もたいへんに面白い。基本的には美少年と美少女たちの恋愛含みの日常でしかないのだけれど、予定調和でいくならこうなるだろうっていう漫画読者的な無意識の思い込みを、軽やかにそして鮮やかに、気持ち良く裏切り続けてくれる。出来事としてはたぶん全然すごくない。ごく普通の日常としてよくある話かもしれない。しかしながら絶妙な間で繰り出される言葉や絵は、読者へのカウンターパンチとなり、クリーンヒットを食らわせ、ノックアウトしてしまう。一つ一つ登った恋愛漫画的階段が、最後のページで不意になくなり、すこーんと真下に落ちていくみたいな感じ。落ちていくのは全然怖くなくてむしろ快感。ここらへんは端整な作画もあるけど、やっぱり巧みな構成のたまものであると思う。ホントにうまいっす。


12/23(日)……円$マルク

 ゆっくり寝たー。というか寝てばかりいたー。

【単行本】「ア○ス」 しりあがり寿 ソフトマジック 四六判 [bk1]

 すごく怖い本だ。心打たれた。お話を要約するのはけっこう難しいかもしれない。トモダチを探してさまよう孤独な女性の物語、というのは簡単だけど、そう書いただけじゃおそらくなんにも伝わらない。トモダチがいないから狂女になったのか、狂女だったからトモダチができないのか。ここで描かれる世界は、ひどく居心地の悪い夢のよう。ゆらゆらとした幻みたいで、いいようのない孤独感に胸がかきむしられる。悲しみは心を鋭くえぐる。こういう夢幻的な世界を描くしりあがり寿のタッチは非常にラフだけれども、得体の知れない薄暗さ、不吉さ、侘びしさで読者をすっぽり包み込む。詩的でさえある言葉の数々もグサグサ突き刺さるよう。しりあがり寿はホント、すごい漫画を描く人になったなあ。

【単行本】「シープ」 画:山本英夫+作:鷹匠政彦 河出書房新社 A5 [bk1]

 ヤングサンデー1988年No.16〜24で連載された作品。生意気な日本の高校生男子が、夏休みを利用してレバノンに戦争をしに出かける。しかしそんな気楽さを軽く吹っ飛ばすかのごとく、目の前で人がバタバタと死んでいく現実は過酷、かつリアルだった。現在の作風と比べるとさすがに初々しいところがあるが、全9話ながら内容はみっちり詰まっててなかなか読みごたえはある。

【単行本】「エンゼルマーク」 松永豊和 小学館 四六判 [bk1]

 「バクネヤング」の松永豊和の新機軸。ビッグコミックスピリッツ増刊IKKIで連載された連作短編シリーズ。この中では、年老いた昆虫学者が、昔一度だけ見た女人型の昆虫を追ってアフリカの奥地へと赴く「幻蟲姫」がとくに印象に残った。虫の怪しい色気や彼女とコンタクトをとるために呑んだ液体によるトリップ描写など、非常に不思議な雰囲気に満ちている。あと第一話の買い物カートと押す老人たちと天使の大群のエピソードもヘンだけど面白い。全体に遊び心に満ちた気の利いた短編集。それにしてもこの人のペンタッチは面白いなあ。細かくて淀みがなくて、それでいてまろやかさもあって。

【単行本】「G組のG」2巻 真右衛門 講談社 A5 [bk1]

【単行本】「働き者がばかをみる」1巻 真右衛門 竹書房 A5 [bk1]

 真右衛門2冊同時発売。基本的にはどっちも同様なテイスト。すっとぼけてて非常にナンセンス。鋭いツッコミをしたかと思えばツッコミレスでヘンなことしたり。全般にイヤミがなくすごくスッキリしている。ギャグの着想は普通でないと思うんだけど、でもさりげない。テンポも軽やか。気持ちがいい。


12/22(土)……ガガガーガ・ガーガガ

▼アキバのラオックス・ザ・コンピュータ館でPHSの機種変更。機種は前にも書いたとおり松下電器産業のKX-HV200。でも困ったことにザ・コン館では電話帳のデータを移し替えてくれてなくて(頼めばしてくれたのかもしれない。迂闊)、待ち合わせを控えていたこともありちょっと困る。充電も一目盛り分くらいしかされてなかったし。まあこれは当然だけど。

▼その後、池袋で飲み会。このところ職場が男二人だけで話相手がお互いしかおらず外部の人との会話に餓え気味だったので、非常にうれしかったし楽しかった。メンツが濃かったせいもあるけれど。酒呑んでうひょうひょいいながら漫画とかの話をしていると、俺がWebページを作ってるのはこういうことをインターネット上でもやりたいからなんだろうなーと思う。飲み会の後は、横浜線の終電を逃し隣駅から歩いて帰る。最近は酒を呑んだ後に歩いて帰るときは、コンビニでカップのたまごスープを買い暖かい汁を呑みながらぶらぶら行くことが多いのだが、今回もそうした。ついでに液キャベも買って二日酔い防止。寒かったせいか、夜空の星がわりときれいに見えてちょっといい気分になる。

▼bk1から、鈴木翁二「こくう物語」(青林工藝舎)、しりあがり寿「しりあがり寿作品集(仮)」(エンターブレイン)の発売日が未定となったため、予約をキャンセルしたとのメールが到着。……とか書いている途中で「COMIC CUE」Vol.200(イースト・プレス)の発売が来年1月になったとのお知らせが。年内に間に合わなかったか……。

【雑誌】ヤングマガジン 1/9+15 No.4+5 講談社 B5中

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。珍しく三郎がスキー場でどっきーんメモリアル。彼にもついに春が……来るとは思えず。山下ゆたか「ガガガガ」はしばらく休載となるそうな。理由は「諸事情により」とのこと。とりあえずここまでの分は単行本にまとまるようなので、それについては一安心。1月5日発売(→Amazon.co.jp予約)。なお巻末の著者コメントは「サラバイ。」だけという簡単なモノだった。

【単行本】「人魚姫殿」 水野純子 ぶんか社 A5 [bk1]

 タイトルは「にんぎょひめどの」ではなく「にんぎょひめでん」。殿は「宮殿」の殿。親や仲間たちを人間たちに殺され、それ以来、人間たちを海に引きずり込み彼らを喰らい続けてきた人魚の三姉妹の物語。最も人間を恨んでいたのが長女でその復讐の炎は燃えさかるばかり。しかし次女は人間と、しかも仇である一族の青年と恋におちてしまう。フルカラー144ページで描かれる、キュートで毒々しくも美しい数奇な物語。因果応報、それぞれの業を感じさせるお話だった。最初から最後まで作風に迷い、ゆらぎがなく読みごたえがある。とくにおしまいの長女人魚のエピソード。どこを切っても濃厚な水野純子世界って感じの本。

【単行本】「蒼天航路」24巻 王欣太 講談社 B6 [bk1]

 曹操復活……と書いてもネタバレにはならんよね。さすがに「三国志」読む人で曹操が23巻のままでいると思う人なんているわきゃないだろうし。赤壁編もそろそろクライマックス。意外とあっさりしていたような。

【単行本】「ベルセルク」22巻 三浦建太郎 白泉社 B6 [bk1]

 いよいよあの人がやって来る。この様子を見てると、なんだかガッツのほうが全然悪役っぽい。それだけにこれからガッツは、明らかに敵役なモンスターたちと、そうでない民衆たち両方を敵に回さなきゃいけないんだろうなあ。そうでなかったにせよ今まで以上に厳しいことは間違いない。あと今回はファルネーゼとセルピコの幼いころからのエピソードを綴った「雪と炎と」前後編も収録。不思議な主従関係の成り立ちの様子を伺わせる興味深いエピソード。

【単行本】「かってに改蔵」14巻 久米田康治 小学館 新書判 [bk1]

 いつも同じパターンであるだけに、そのときどきのネタのセレクションがすべてという感じがする。今回は「(笑)」ネタと「2Pキャラ」ネタがわりといいかな。


12/21(金)……おしぼり34枚

▼未読物
【単行本】「蒼天航路」24巻 王欣太 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「G組のG」2巻 真右衛門 講談社 A5 [bk1]
【単行本】「働き者はばかをみる」1巻 真右衛門 竹書房 [bk1]

【雑誌】OURs LITE 2月号 少年画報社 B5中

 巻頭カラー「ミャーコのラブレター大作戦」。ネコに取りつかれていてみんなに差別されてる女の子のお話。ものすごくかわいい絵柄で楽しいムードなわりに、意外とキツい状況ですな。犬上すくね「恋愛ディストーション」を読んで驚いたのは、SSMGの実在を信じられない人がこの世にいるらしいということだ。まあ俺が、小学生のころは魚介の図鑑を愛読書にしていたような人間だからだろうけれども。きっと世の中にはセマルハコガメの存在を信じることができない人もいるのだろうなあ。ワオキツネザルとか。ワーオ。渡瀬ひろこ「Sweet Lover」は他愛ないお話なんだけど、非常に幸せにラブラブしてて気持ちいい。

 騎崎サブゼロ「濁り天窓」。相変わらずすごくうまい絵だなー。でもお話の途中からの急展開はいまいち分かりにくい。意図的にやってるのかもしらんけど、この人はこれまでの作品でも説明不足なまま雰囲気で流しちゃうようなところが見られたので、克服すべき課題なのかもしらん。同じく分かりにくいという意味では中前英彦「春子・脱出」のほうがはるかに分かりにくいけど、こちらは納得できる。こちらは徹頭徹尾感覚的だから。本当に不思議な作品を描く人で面白い読み心地だ。

【雑誌】ファンタジーライズ 2月号 メディアックス B5中

 EB110SS「おしぼり3姉妹」。今回はロリ3重奏だ〜。いえーい。なんか冬コミでモー娘。本に2ページほど参加してるらしい。どこのサークルだかは知らないけど。ちょっと読みたいなー。やっぱりこの人だけにかごつじなんだろうか。九巴昭彦「トラブル!」。軽やかなタッチの絵柄が今回も好感度高い。伊沢慎壱「舞い降りていた天使」、あまあま「あなたはだあれ?」あたりは細すぎないヒロインたちがちょっと気に入った。

【雑誌】ドルフィン 2月号 司書房 B5中

 天崎かんな「CRIMINAL DRAGNET 〜CORE〜」が巻頭カラー。刑事物で続きモノ。この人のエロ描写は最近ねっとり感が増してきて、ずいぶんHになってきた。多少クセのある絵だけど好きなタイプ。井上眞改は久々の登場。「Tokyo Pop」。今回はちょっとHな描写もあってうれしい。この人の線は線が滑らかなんで、H描写も映える。御堂つかさ「アミューズメント★スター★」。今回も派手にやりまくってて実用度高い。作画はいつもどおり白っぽいけれど。吉田蛇作「日常的クリスマス」。ラブラブH。健康的でボリューム感があって明るくて、素直に読んでて楽しい。

【単行本】「恋愛ジャンキー」6巻 葉月京 秋田書店 B6 [bk1:1〜5巻/6巻

 この漫画は気楽に読めていいなあ。読みやすい絵柄でHで華やかでサービスたっぷり。今回はエイタローの妹あいちゃんを核とした恋愛レースなお話もいいけど、やっぱり巨乳めがねで天然ボケの地井さんですな……っていつもいってるけど。なんかもう絵夢ちゃんのほうには「LOVEじゃなくてLIKEなんだ」とかいっちゃうのだー。そりゃ逆か。

【単行本】「細腕三畳紀」 あさりよしとお 講談社 B6 [bk1]

 テーマは愛。そして三葉虫。つまりは三葉虫の出てくる漫画の連作シリーズである。無表情で足がわしゃわしゃ生えててどこかどんくさい、そんな容姿の三葉虫たちが活躍。というかけっこうかわいそうな目に遭う。お話のバリエーションは実に多様で変幻自在。ときにはプロレスだったり、ときには料理漫画だったり、ときには怪獣モノだったり。下らのうてやがて面白し。あさりよしとおのパロディ精神が濃厚に、しかもさりげなく出てて楽しい。読んでると無性に三葉虫を愛でたくなるけれども、なかなか手に入るものではないと思うのでここはカブトガニかなんかで我慢だ。そういえば2年くらい前に買ったカブトガニ飼育セット、まだ使ってないな〜。でもあれは乾燥卵なので大丈夫なはずだ。

【単行本】「嗜虐の絶頂」 柿ノ本歌麿 桜桃書房 A5 [Amzn]

 大凌辱系のニュースターとして注目している柿ノ本歌麿の2冊目。ちなみに1冊目は「崩壊の慟哭」(→Amazon.co.jp。感想は3月19日の日記参照のこと)。

 柿ノ本歌麿の何がすごいって、まあ読めば一目瞭然なんだけど、凌辱の規模がデカいこと。基本的には美人がよってたかって輪姦されるというお話がメインなんだが、その規模が百人、千人ときて、最終的に万人単位まで膨れ上がってしまうところが恐ろしい。ヒロインは白目をむいてほとんど人間としては用をなさなくなるまでズタボロにされるのだが、そうなってもまったくやめる気配さえない。「浅香は女として人として完全におわった しかし攻めはまだまだ果てしなく続いていた」。続くんだよ! すごいよ!! 「崩壊の慟哭」ではいったん心臓停止した主人公を、さらに電気ショックで蘇生させてまでやるというムチャなことをしていたけど、この単行本でもそのノリは健在。人類を救うため精液便所と化した女が、7年間のべ50万人に犯され続けたとかそんな素晴らしいのまである。絵はうまいとはいえないかもしれないけれども、刺激の強さは抜群。実用? そんな個人レベルのことは気にしてちゃダメだ! やっぱり凌辱で人類を救うくらいじゃないとね。


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