2005年2月中旬


2/20(日)……もしもΣ

コミティアに行ってきました。いつもどおり会場をぐるーりと回ってお買い物。今回は商業誌の出張編集部がやたらたくさん来ておりましたな。最近こうの史代や小田扉など、コミティアで出してた人たちがいろいろ出て来ているので、だいぶ草刈り場として認知されるようになってきたんだろうか。刈った後に、また新しい草が生えてくると良いのだけど。

コミティア購入本

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中

 なんか最終回が近い、および最終回な作品が多いですな。山野りんりん「はにーすぃーとティータイム」、みずしな孝之「チクチワワ」と、巻頭巻末カラーの指定席連載揃って次号で最終回。また女生徒のスカッとした馬鹿っぷりが楽しかった平岩功次「私立カルメン学園2の1組」は今号で最終回。あと谷澤みき「ついんえんじぇる」は双子OL姉妹の片方が結婚、梶原あや「もしもしぐま」は3匹こぐまが解散とかいってて、このあたりもラストが近そう。もしかして休刊か……とか思ったけど、今号からむんこ「がんばれ!メメ子ちゃん」、次号で松山花子「やさしくしないで!」と新連載が始まるようなのでリニューアルかなんかかな。とりあえず予告には「次号さらに重大発表あり!!」の文字が踊っています。

【単行本】「からくりサーカス」36巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻はフェイスレスとの最終決戦に向けて、少しずつ各キャラを動かしているという感じ。ナルミとギイのエレオノールに対するスタンスの違いが現われたほか、自動人形の最古の3人がエレオノールに出会ってびっくり。しろがねOのジョージ&阿紫花はコンビを結成。比較的地味な巻だけど今後の展開に向けての期待感はじょじょに高まりつつあり。ここまで続いた作品だしじっくりがっちり盛り上げていってほしい。

【単行本】「となりのメガネ君。」 ふじもとゆうき 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 血のつながらない同い年のきょうだいである秋山栗子さんと美波くん。この二人がお互いを好きだということを意識して、おつき合いを始めていく様子を描いた初々しいラブコメ。明るくのびのびした絵柄で、微笑ましい暖かいお話を描いてて気持ちいい。タイトルに「メガネ君」とあるのは美波くんのこと。彼は父親の形見であるメガネをかけている美少年で、学校内では「メガネ連」と呼ばれるファンクラブができちゃうほどの人気者。でもそんな周りの女の子には目もくれず、美波くんは栗子さん一筋。栗子さんのほうも最初はそういった雰囲気ではなかったんだけど、だんだん美波くんへの想いを意識するようになってくる。そこらへんの過程が、爽やかで甘ったるくてなんともええ感じなのですな。こっぱずかしいほどにラブな空気にあふれてて、しかも読み心地はフレッシュで。ぴちぴちとイキが良くて読んでて楽しい。あと(というか真っ先に挙げるべきポイントであろうかとは思いますが)メガネ君の美波くんも、かっこよくかつかわいくて、メガネ君好きな人にアッピールするところは大きいんじゃないでしょうか。メガネ君と、甘くて爽やかなラブコメが好きという人にオススメしたい作品。

 ところでこの単行本には花とゆめに短期集中で連載された分は収録されてないな〜。読切版のほうが出来自体は良かったと思うけれども、いずれ機会があったらそちらのほうもなんらかの形でまとめてもらいたい。

【単行本】「てるてる×少年」10巻 高尾滋 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 いよいよ御城の謎の中枢部に迫り、物語はクライマックスへ。次が最終巻かな。この巻は物語を一気に言葉で語る形になっちゃってるのがちともったいない気はする。

【単行本】「ちゅちゅ」 BENNY’S 松文館 B6 [bk1][Amzn]

 BENNY’Sのボーイズラブ系2冊め。かわいい男の子同士がいろいろからむ。裏表紙には「ハイパー・ギャグ」とあるけど、中身は別にそうでもないかな〜。コメディっぽいのもあるけど、マジなのもあるし。男性向けエロでもやってる人だけにちんこいじりの描写はきっちりやって、少年たちのラブラブエッチ模様を描写。まあ自分は男性向けの作品のほうが好きではあるけれども、さすがに実績ある人だけに手慣れててうまいなと思います。

【同人誌】「その少女ふしだらにつき」「先天性刹那症」 尾崎未来 <BEAT-POP>

 コミティアで買ったエロ同人。ほかの購入本を宅急便で送っちゃった後に、「やっぱり買おう」と思い返して購入したので、これだけ先に読む形に。コミティア購入本の感想はいつもは別ファイルにまとめているので、別ファイルを作ったらそっちに移します。

 で、この2冊は最近コミックメガプラスにちょこちょこ掲載されるようになった「The Great Escape」シリーズをまとめたもの。というか同人誌が先にあって、それが商業誌に進出したという形らしい。この作品の主人公である杉本あいちゃんは、彼氏はいるんだけど、すごく感じやすい身体をしててちょくちょくほかの男にヤラレそうになっちゃう(実際ヤラレちゃったりもする)、お尻の軽い女子高生。貞操観念は緩めで、口ではいやといいつつも刺激されるとすぐふにゃ〜となっちゃってエッチになだれ込む。そのいやよいやよも好きのうち的なノリがなかなかエロっちくて気に入っている。あくまで軽いノリで、罪悪感とか背徳感がないんだけど、そのふわふわした感じが楽しい。あといちおう形ばかりの抵抗くらいはするところはいいと思う。最初っから「さぁやったるで〜」って感じでヤラレちゃったら風情もへったくれもないが、いちおう「感じちゃったのでしょうがない」という言い訳はあるので、しっかりエロっぽく感じられる。彼女の感じっぷりが、とても気持ち良さげに描かれているのもいい。自分が巨乳派だというのも、もちろんあります。


2/19(土)……木葛籠

【雑誌】ウルトラジャンプ 集英社 B5平 [定期購読:出版社

 作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」。先月は休載だったが今月はちゃんと復活。当初2月とアナウンスされていた単行本1巻は3月18日発売に。で、今回のお話は新城引き入り剣虎兵たちが、敵の大隊に先制攻撃。手痛い打撃を喰らわせる。新城の鬼気迫る表情がカッコイイ。戦闘のほうは今後、どんどん激しさを増していきそうな気配。緊張感たっぷりで毎回面白い。鈴木舞人「薬櫻」は第8回ウルトラ漫画大賞佳作受賞作。江戸の町で薬師をやってい咲良という男が、インチキ芝居で庶民から金を吸い上げる教団の教祖と対決、というお話。絵柄は描線がシャープで女の子とかもかわいく見映えがする。ただページの使い方はもう一工夫あったほうがいいかな。重要なセリフが本のノドの部分に来てることが多くて、ちょっと読みづらくなっちゃってる感あり。

【雑誌】月刊サンデーGX 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 CLAMP「こばと(仮)」3話め。扉ページがカラーで華やか。こばとちゃんは今回もかわいかった。こういういかにも純粋ですよ〜無垢ですよ〜って女の子を描くのは抜群にうまいですな。クリス直孝「はるのさくら」。主人公のハルに恋する後輩女子が同じ学校に入ってきて、ハルの前に現れたことで、サクラの心は穏やかならずといったところ。まだ絵的には洗練されてないものの、初々しさとほんのりした甘さをいい具合に出せていてちょっと気になる作品。

【雑誌】チャンピオンRED 4月号 秋田書店 B5平

 花山薫をメインにすえた「バキ外伝 疵面〜スカーフェイス〜」が本格連載開始。今回は板垣恵介が原作で、山内雪奈生が漫画を描くという形式なんだけど、絵柄はハッキリいってまんま板垣恵介で注意してないと見分けがつかないほど。弟子へののれん分けって感じだろうか。なお今号には「バキ」本編の花山vs.スペックの戦いを抜粋した小冊子がおまけとして付属。渡辺航が作画を担当する「電車男」は今回40ページ掲載。前回がページ数少なめだったのでこちらも本格連載開始といったところ。エルメスさんが普通にかわいいです。

【雑誌】マガジンSPECIAL 4月号 講談社 B5平

 コージィ城倉「おれはキャプテン」。高校生編の2回め。カズマサとデレックが入ろうとしている新設高校には公式野球部はないのだが、カズマサが学校の理事長さんをいいようにいいくるめまくり。理事長のみならず、軟式野球部の監督さん、それから蝦名まで、ズンズン自分のペースに巻き込んでいこうとする、その強引なノリが面白い。本島幸久「空の昴」はスパッと最終回。作:七三太朗+画:川三番地「Dreams」。今やってる相手校にはマサイ族出身の選手がいるのだが、そやつがかつて金属バットでライオンを仕留めたことがある……というエピソードに思わず笑ってしまった。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/5 No.5 小学館 B5中

 深巳琳子「沈夫人の料理人」では、李大と李三が奥様のいいつけで拉麺の麺打ち勝負をやることに。李三の兄の李大って本当に麺打ちうまかったんですなあ。いつもきれいにまとまってて面白い。水島新司「あぶさん」。前号に引き続き今号もホークス鳥越がメイン。なぜこんなに入れ込んでいるのだろう……。

【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平

 日高万里「V・B・ローズ」がラブコメしてて良かった。ブライダル・フェアのため、主人公のあげはと有坂が新郎新婦役をやることに。実際にはどのくらいあるもんなんだかよく分からないが、ラブコメではときどき見かけるエピソード。まあヒロインさんのウェディングドレス姿ってーのは華やかでええもんです。樋口橘「学園アリス」はだいぶシリアス。でももう1〜2話くらいで学園生活に戻れるかな。最近番外編以外ではシリアスな話が続いたので、そろそろユルめのお話も読みたいところ。そしてルカぴょんの恋の行方は?(おそらく本命であろう棗はわりとどーでもいい)

【雑誌】ギガロック Vol.6 幻冬舎コミックス B5中

 大波耀子「ベランダからはじめよう」。主人公のあんちゃんがマンションの下の階に住む女性と、ひょんなことからねんごろになっちゃうというお話。以前見たときも思ったけど、BENNY’Sにちょっと似た感じの絵。肉付きの良いお姉さんっぽさのあるヒロインさんがなかなか魅力的。あとはトウィ「恋人鬼」、まご「妄想研究所」あたりも絵が好み。。


2/18(金)……芸術はバクパツか

▼未読物
【雑誌】ウルトラジャンプ 集英社 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】月刊サンデーGX 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】チャンピオンRED 4月号 秋田書店 B5平
【雑誌】マガジンSPECIAL 4月号 講談社 B5平
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 4月号 竹書房 B5中
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/5 No.5 小学館 B5中
【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平
【雑誌】コミック・ワイドショー Vol.1 洋泉社 A5平
【雑誌】ギガロック Vol.6 幻冬舎コミックス B5中
【単行本】「ラバーズ7」3巻 犬上すくね 小学館 B6 [bk1][Amzn]
▼21日売り
【雑誌】COMIC LO VOL.14 茜新社 B5平

【雑誌】別冊ヤングマガジン 3/5 No.08 講談社 B5中

 今回は新鋭の読切作品がなかなか良かった。まずはオジロマコト「Don GRY」。医者に「もってあと3日」といわれた乱暴な兄ちゃんが、その3日間いいことをして回る様子を、彼に助けられた同じ学校の女子が観察する。お話的には他愛もない感じだけど、強弱がシッカリして気持ち良く抜ける描線が鮮やかだし、画面作りも印象的。オジロマコトは以前ヤンマガ本誌の2004年12/13 No.53(感想→20041129)で読切「マル食パクリ」が掲載。実力は高いと思うので、そのうちなんか連載もやってほしい。大羽たかひろ「夏休み」も良かった。ある日、音楽好きな小学校4年生の少年が、ゴミ捨て場でギターを発見。慌てて拾いに走るが、同じギターを欲しがっていた少女と取り合いになって、そこから二人の縁が始まる……という内容。こちらも作画はしっかりしてて見せ場のシーンもなかなかアツい。読後感も爽やかで面白く読めた。

 タテノカズヒロ「メイプルシロップ」。年とってるのに女子高生みたいな格好をしているファンキーな祖母・すみれちゃんに、「愛しい人のちんこはメイプルシロップの味がする」といわれ、それを信じ込んだまま成長した女の子が主人公。彼女が、カレシのちんこがメイプルの味がしないと思って悪戦苦闘する……というドタバタコメディ。オチが気が利いててわりと良かった。山下和美「ガールフレンド」でこのおばあちゃんみたいなキャラが出てきて、名前も同じ「すみれちゃん」かったのはちょっと気になったけど。足立和則「バックパッカー」は第51回ちばてつや賞で優秀新人賞を受賞した作品。子供サッカーチームでコンビを組んでいた、アキラ少年と女の子のそら。そらは交通事故でサッカーを諦めざるを得なくなるも、その想いはアキラが引き継ぐ。序盤はかわいらしくラブラブで、後半はジーンとさせるような展開に。爽やかで気持ち良く読める作品だった。絵柄的にははっとりみつるにちょっと似てるかな。

【雑誌】ビッグコミック 3月増刊号 3/17 小学館 B5中

 作:中川真+画:風狸ケン「江戸釣百景 ぶらり百竿」。自分は読んだことなかったけど扉ページには「釣りコミックの実力コンビ、本誌初登場!!」とあり。江戸前の海で釣法指南で知られる百竿が、江戸の海にて大物を釣る。釣りの話と江戸っぽい人情話をからめてきっちりお話を構築。絵のほうも藤原カムイチックな感じできっちりしててうまい。初登場だけどいかにもビッグコミック系らしい落ち着いた作風と見ました。

【雑誌】ヤングガンガン 3/4 No.5 スクウェア・エニックス B5中

 金田一蓮十郎「ニコイチ」。女装してお母さん、普段は男としてサラリーマンをやっている主人公・須田真琴が、女装時に痴漢から助けたちょっといいい感じの女の子が実は同じ会社の人だったと分かり……といった展開。女同士としての友情、男としての興味の間で主人公は板挟み。なかなかええ感じでラブコメしてきました。作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」にも美少女な新キャラ登場。絵柄がシャープでヒキも強く、ここまではけっこう面白い。はっとりみつるのフルカラーショートコミック「僕らのカタチ」は今回は巻末6Pでの掲載。あと楠桂「BITTER VIRGIN」が4号集中連載開始。そろそろ新顔攻勢も終わりかなと思ったら、次号でも読切で勇人、カサビヒロシ、ノセクニコが登場。ノセクニコってアフタヌーン1997年3月号に掲載された「フライングエイジ」を描いていた能勢邦子と同一人物かな? だとしたらうれしいんだけど。

【雑誌】コミックバンチ 3/4 No.12 新潮社 B5中

 こせきこうじも萌えキャラで勝負か〜という最近の「山下たろーくん −うみとそらの物語−」。ツンケンした感じのお嬢さんの名字が「白倉」なのは、やっぱ白倉由美からとってるんですかね。あと今号には羽生生純の3Pセンターカラー漫画「人間標本函」も掲載。

【雑誌】美熱Angel 3月号 平和出版 B5平

 田中エキス「となりの管理人」前編は、アパートの管理人であるバツイチ女性に好意を寄せられているんだけど、主人公には別に好きな人がいて、というところからスタート。今回はエッチシーンはないが、管理人さんが癒し系美人でわりといい雰囲気。カガミフミヲ「チョコレイト」もエッチなし。大好きな隣のおにいちゃんにバレンタインチョコを渡そうと、雪の降る中待ち構えているうちに尿意がこみ上げてきてしまったヒロインは……という話。恥ずかしいことだけさせて、ほのぼの甘く恋愛話に仕立てていて良い具合です。

 たこりーな画伯「美少女戦士えこのミン!」。主人公のつき合っている学校のアイドルでもある彼女は、実は普段は美少女戦士をやっていて、主人公は困ってしまっている、という内容。かわいい絵柄と馬鹿っぽい内容が楽しかった。中野区くろちゃん「LOVE LOVE SHOW」もいい。この人らしい、背がむちゃくちゃちっちゃくてぶかぶかのシャツを着ている妹ちゃんがかわいかった。つるんとした頭の形も良いです。

【単行本】「おれはキャプテン」7巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 現在は週刊少年マガジンからマガジンSPECIALに移籍して高校生編が始まっているが、その1話めを早くも収録。中学生編の終盤に登場したデレック&蝦名は、高校でもカズマサにもからんできそう。中学生編ではチームメートがカズマサに比べてアクが強くなかったので、彼らがどのように物語を盛り上げていくか楽しみ。すでに実力をつけているカズマサはますます好き勝手やって、腹黒いところを見せてくれそうだし。


2/17(木)……うそつきはきらいやー

▼未読物
【単行本】「おれはキャプテン」7巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ちゅちゅ」 BENNY’S 松文館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】モーニング 3/3 No.12 講談社 B5中

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。ポルトガルを舞台にしたシェフサミット編は今回でおしまい。本番での料理シーンは意外とあっさり。まあそこに至るまでの現地の人との触れ合いや、萌ちゃんの成長のほうが重要だったというわけですな。フクダ地蔵の読切「胴上げしようよ!」は、プロ野球で優勝して胴上げされる日をずっと夢見ていた監督さんが、その試合でアクシデントにより退場になってしまい、なんとか胴上げの瞬間にグラウンドに紛れ込もうと悪戦苦闘するドタバタギャグ。あまり派手というわけではないがドタバタものとしてはきっちりまとまっている。

【雑誌】ヤングサンデー 3/3 No.12 小学館 B5中

 秋重学の新連載「フライ、ダディ、フライ」がスタート。原作は「レヴォリューションNo.3」と同様、金城一紀。本作は7月に実写映画も公開される予定とのこと。内容としては、ボクシングの高校チャンピオンである少年に娘を乱暴され、幸せな家庭を壊されたお父さんが、復讐のために立ち上がる……といったところ。山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効く薬」は富野由悠季の後編。今回も富野氏はカッコイイです。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/3 No.12 集英社 B5中

 甲斐谷忍の新連載「LIAR GAME」がスタート。定められた相手と、お互いの1億円を取り合うというゲームに巻き込まれた女性が、天才詐欺師の力を借りてうそつきゲームを戦っていく……というだましだまされな駆け引きを描いていく作品。この手の悪知恵ネタは得意な人だけに手堅く読めそう。高橋陽一「キャプテン翼 25th ANNIVERSARY」はなんか展開がやたら早い。前半が終了したと思ったら、あっという間に残り5分。「なぜかそこにいる」あの人が相変わらずおいしいことをしでかして以下次号。あと今号では見ル野栄司が初登場して「スクール侍」というギャグ読切を描いてます。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/3 No.12 秋田書店 B5平

 佐藤健悦「舞-HiME」。アニメとはかなり違った役どころでキャラを投入してくるので意外性がある。詩帆が物語を引っ掻き回しそう。アリッサの使い方もへぇ〜という感じだった。山本賢治「ブラック・ジャック」(作:手塚治虫)。Dr.キリコの妹さんとおまけ一人が脱いでてちょっとエッチ。もちろん手塚治虫自身の絵も色っぽいのだけど、山本賢治版もこれはこれでまたよし。

【雑誌】コミックメガストア 4月号 コアマガジン B5平

 今回もしっかりエロくて読みどころ多し。層が厚いです。まず米倉けんご「淫笑う看護婦」前編は4色カラーあり。淫乱看護婦の美和子さんが、入院中のかわいい少年を襲ってずっぽりという内容。エロシーンたっぷりでボリューム感あり。ほかの入院患者さんがそれを目撃してムラムラしているので、後編はちんこ本数が増えそう。月野定規「プライベート・レッスン」。家庭教師のおねいさんが、生徒である優等生の男の子の激しいセックスに頭をトロかされてメロメロになっていくというお話。少年は覚えも早く精力も絶倫で、おねいさんはイキっぱなし。エロがストレートに愛情につながっている感じなので、甘みも十分。良いです。

 和六里ハル「さくらんぼ」。そっくりな顔の双子兄妹が、のべつまくなしエロ行為にふけりまくるというお話。お兄ちゃんはスカートとかはいて女装して、それを妹がいじりまくるというストーリーで、ぷにぷにした作画でエロ度もしっかり高い。草津てるにょ「光の家」は第4話。ヒカル少年がいとこのお母さんに続き、娘さんにも手を出し始めております。つやつやしたええ乳に相変わらずそそられる。チャーリーにしなか「たとえば僕が…」はだいぶシビアな展開になってきた。教師である兄と肉体関係にある妹さんのエロ画像が携帯メールで流出、その犯人にぶち当たった兄、そして妹とも計略にハマってしまう。妹さんがなかなかヒドい目に遭ってるヒキの強いところで終わってるので、続きが気になるところ。

 松本ドリル研究所「あらいめんとゆーゆー」は#1とあるから新連載かな。死んじゃった女の子が幽霊になって学校をさまよってたら、トイレの花子さん的なのに見つかって、そのおかげでヒドくてエロい目に……という内容。かわいい絵柄だけどやってることは激しくてテンションも高めでいいですな。天太郎「告白注意報」は、ヒロインのおんんあの子が胸たぷんたぷんでええですな。池上竜矢「恵くんにも気をつけて!」はドタバタとノリの良い展開が毎度楽しい。絵柄にも独自の味があるしパッと目を引きます。

【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd」4巻 林ふみの(原作:GAINAX) 角川書店 新書判 [bk1][Amzn]

 これで最終巻。というか第一部完。使徒たちが街に襲いかかってくる中、エヴァに乗って出撃したシンジたちだが、その戦闘の中でシンジは自分が一番守りたい人間は誰かということに気づいていく。戦闘自体は恋愛促進剤としてしか機能してなかった側面はあるものの、学園ラブコメものとしてはけっこう楽しめました。なんといってもアスカが乙女チックに描かれていたのが良かったですな。最後はしっかり報われたし。あとシンジくんはモテすぎ。で、今はASUKA誌上で第二部が連載中。ゲンドウ、ユイらが若かったころのお話で、そこにカヲルくんがからんでくるという感じなようです(見てないので詳しいことは分かりませんが)。


2/16(水)……裏WAREZ物語

【雑誌】週刊少年サンデー 3/2 No.12 小学館 B5平

 藤田和日郎「からくりサーカス」が面白かった。しろがねOのジョージが人間らしさを見せつつ激しくバトル。キーとなるセリフを繰り返しながら、畳みかけていく見せ方はさすがの力強さで心揺さぶる。あだち充「KATSU!」は予想外にサクッと最終回。ちょっとびっくり。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/2 No.12 講談社 B5平

 森川ジョージ「はじめの一歩」は沢村と間柴がハイレベルな攻防を繰り広げる。ちょっとでも隙を見せればやられるという緊張感に満ちていてとてもカッコイイ。山下てつお「浦和レッズ物語」(取材・原案:小斎秀樹+脚本:押村勇悟)はタイトルどおり、サッカーJリーグ浦和レッズのこれまでを描いた実録漫画。3号連続掲載で、まず1回めは福田正博にスポットライトを当てる。その次に田中達也を主役格に持ってくる模様。漫画としてはちょっと展開が急ぎ足すぎるかな。暗黒時代の描き込みはもう少し欲しかった。

【雑誌】COMIC RIN 3月号 茜新社 B5平

 東雲太郎「Swing Out Sisters」は4話め。二人の姉の片方と肉体関係を持つようになりラブラブ状態の主人公だが、もう片方の姉がそれを見て嫉妬し、主人公に迫ってくる……といった展開。シャープで滑らかな描線の作画がいつもながら気持ち良く、エロ描写も充実。次は3人でエッチになるんですかね。LEE「子猫の可愛いあっため方」はロリ系のこたつエッチ漫画。ぷにぷにした絵柄がかわいらしい。國津武士「幻術師」は今回も楽しい。ロリエロでいつもしっかりドタバタコメディしている。キャラクターのイタズラっ気に満ちた表情も見ていて面白い。

 やすいひろさと「HINANO」は、外では男数人を瞬殺でコテンパンにしちゃうような女の子が、幼なじみの彼氏の前では泣き虫で甘えん坊さん……というラブコメエッチ。アツアツぶりが快い。あとボリューム感があってぷにぷにした身体の描き方とかも好きー。上連雀三平「となりの精液さん」は5話めで、いつもながらサラッとノリノリでイカれたことやってて面白い。伊福部くんはすっかりクラスメート男子たちのザーメンアイドルと化しててたいへん淫乱です。まったくもって愉快愉快。

【雑誌】姫桜 VOL.003 富士美出版 B5平

 LINDA「meet again」。クリスマスの夜に町中でバッタリ出会ったかつての同級生だった二人。30歳になり二人ともバツイチで、そこから二人の新たな時が始まって……といった展開。今回は鬼畜系じゃなくてわりとラブラブしたお話。エロ描写はいつもどおり濃い目にやってて、エロいけれどもいい雰囲気でした。ichi「深淵に沈みゆく天女の宴」は、女生徒とレズ関係にある保健室の女医が、教頭先生に手込めにされるというお話。色白な肌がほんのり染まる感じのしんねりした絵柄が色っぽい。あとこの雑誌では芥川義澄も、ストーリー面では若干弱いものの、惹かれる絵柄をしている。


2/15(火)……大家真似っこ

【雑誌】漫画アクション 3/15 No.6 双葉社 B5中

 作:土屋ガロン+画:ふんわり「快男子SANIWA」がスタート。年を取ったヤクザを救済するため、水商売の女たちが格安で整形手術を受けられるアクリル製の独自通貨を発行して流通させている男、人呼んでSANIWAが主人公……というなんだかトンデモ感たっぷりな設定の作品。ふんわりは本当にヘンな漫画ばかり描くなあ。本そういち「めぐみ」。またしてもめぐみで萌えさす作戦発動。今回は着物着せたりしてます。谷口ジロー「シートン」(原案:今泉義晴)は第2章に突入。シートンが少年だったころのお話で、「少年とオオヤマネコ」編。「狼王ロボ」編も面白かったけどこちらにも引き続き期待。まあ谷口ジローなのでクオリティ的には間違いのないところでしょう。

【雑誌】近代麻雀 3/15 竹書房 B5中

 天獅子悦也「むこうぶち」。安永が目をかけて育てている、なんだか華のない女子プロさんが登場。彼女が傀と対戦してどう変わるのか……というお話。「どす恋ジゴロ」みたく女に艶が出たりするんかな。はぁ〜どす恋……じゃなくて御無礼御無礼。作:嵐田武+画:玉置一平「ラストバイニン 切断」は、まんま谷口ジローで笑ってしまった。主人公の男の顔もそうだし、ラストは山だし。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/1 No.6 集英社 B5中

 栗原正尚「怨み屋本舗」。怨み屋たちがオタク狩りをしている奴らを撃退〜というお話。オタクだけど足は速い十二月田くんの活躍がおかしかった。あとオタク狩りしている人たちが、雑誌でエロゲーの発売日をチェックしてオタクが金を持ってうろうろするのを待ち構えているとかいうくだりが面白いと思った。意外ときっちりリサーチしてるのね。あと今号には特別読切KISE「HOW TO ガール」も掲載。ストレートな巨乳グラビア漫画。絵柄はちょっと「いちご100%」っぽい。

【雑誌】漫画サンデー 3/1 No.8 実業之日本社 B5中

 ロドリゲス井之助「ぴんちら」がシビアな展開を見せている。結婚して幸せになったかに見えた栗田の兄貴だが……。ギャグももちろんやるけど、意外と任侠系の話もしっかりやってて読ませる。手堅く面白いです。

【雑誌】コミックデ・ジ・キャラット Vol.3 ジャイブ B5平

 いつもながらデ・ジ・キャラット+GA+小春こころ(コゲどんぼ)「ヨキ、コト、キク」という構成。あと来多あかりの「プリンセスコンチェルト」漫画もあり。掲載作品の中では、ひな。「にゅ!」がやっぱりいいです。ほっけみりんがぴろぴろしてて見てて楽しい。もちろんぷちこもかわいいのですが。あとコゲどんぼはいつもながら安定。吹屋フロのGA漫画「極紅行進曲」も作画が特徴的でなかなか。


2/14(月)……あいてます、あなたのローション

▼トップページのレイアウトを微調整。しばらくはちょこちょこいじるかも。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3月増刊号 3/12 小学館 B5中

 沖田蛙の読切「PURE〜ピュア〜」。詩を書くのが趣味で、学生時代に仲良くしていた詩仲間の女の子との再会の約束を、10年間心待ちにしながら暮らしていた女性の物語。実際にかつての友に再会した彼女には苦い現実が突きつけられるものの、絶望して終わり……というふうにはならないところがいい。出だしの部分はロマンチックで百合テイストも十分で、パッと引き込まれるし、その後の展開も面白く読めた。絵のほうも味があるし気に入りました。

 また、この号ではさそうあきらの新連載「宇宙人スズキヨシコさん」もスタート。最愛の妻・ヨシコを失った男・スズキのもとに、宇宙から謎の生命体がやってきて、それが妻と同じ姿形をとり奇妙な共同生活が始まる、というお話。設定的には突飛といえば突飛だけど、それを切なく読ませるヒューマンドラマとしてしっかりまとめているあたりはさすがにうまい。石塚真一「岳 みんなの山」は安定して面白い。新鋭ながら、作画・作劇ともに安定感抜群。単行本第1巻が4月に発売するとのこと。めでたい。

【雑誌】ヤングキング 3/7 No.5 少年画報社 B5中

 一色登希彦「モーティヴ−原動機−」が連載2回めでしっかり面白い。一度は去ったサーキットに戻ってきた主人公・坪井が、久々にレースに出場。ブランクの長さを感じさせない走りを見せ、自身も大いに手応えを感じるが……。バイクでの疾走シーンは、一色登希彦独特の激しいペンタッチもあって熱気むんむん。この先も楽しみな1本。大見武士「ネコネコパンチ!」は、キャットファイトの選手となった主人公たちが、ローションぬるるんペアバトルに挑戦。なかなかエッチで良かった。ローションを浴びた女体のてらてら感ぷりぷり感がソソる。ローションっていいよね〜。

【雑誌】ヤングマガジン 2/28 No.11 講談社 B5中

 古谷実「シガテラ」。うーん谷脇くん死んじゃうのかなあ。最近荻野くんに対しては、多少いい奴っぽかったんだけど。でもまあ普通に考えると迷惑な人なんすけどね。宮下英樹「センゴク」。浅井攻めを前にして徳川家康登場。なるほど、こういう描き方をしてきますか。家康というとぷくぷくのらりくらりしたイメージがあるけど、この家康は豪快でけっこうカッコいい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/28 No.11 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。これで異種格闘技編は終わりなのかなあ。ギャグ展開に終始したけど、個人的には試合のほうもちゃんとやってほしかったところ。巻末のほうに掲載されている作品は、終わりが近そうな作品が多し。花沢健吾「ルサンチマン」は次号で最終回。古谷兎丸「π」と柏木ハルコ「鬼虫」もクライマックス。そろそろ誌面全体にテコ入れしてきますかね。あと次号から真鍋昌平「闇金ウシジマくん」が連載再開。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/28 No.11 集英社 B5平

 「ヒカルの碁」の原作をやっていたほったゆみの新連載「ユート」がスタート。作画は河野慶。北海道の北見から東京に転向してきた小学5年生男子・瀬尾雄斗くんを主人公とするスピードスケート漫画。スポーツものとしてはネタは異色だが、「よく知られている」けれども「漫画では他にやっている人が少ない」競技ということで、けっこうおいしいかも。河野慶の作画も清潔感があってかわいく好印象。主人公の少年が女の子みたいに見えるけど、まあそれはそれで一つの魅力にはなるでしょう。とくにスピードスケートの服はピッチリしてて体型が出ちゃうだけに、多少なよっちく見せておいたほうがソソられるものはあるし。これは期待できそう。

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」もいつものことながら面白い。ライトの、レムをも利用した周到な目論見が見えてきて読みごたえ十分。久保帯人「BLEACH」。井上さんがかわいーですね。読切、楽永ユキ「サムライ手芸部」は、タイトルどおりなことをやる学園コメディ。手芸が趣味のイジメられっ子な少年が、手芸を使った武道を追求している手芸部に勧誘されて……というドタバタ劇。手芸道具を面白く使いながら楽しく仕上げている。作画も上々。


2/13(日)……Comebitsu

▼連休を利用して、2月3日の日記に書いたマシンの組み替えを実行。これまでVideoGate1000用マシンとして使っていたmicroATXデスクトップの中身をAntecのキューブ型microATXケースAria[ツクモ]iconに移し替え。空いたデスクトップケースには、これまでキャプチャー&エンコ用に使っていたサブマシンの中身を移植。それに伴いmicroATXマザーを1枚、ヨドバシカメラで追加購入。これでサブエンコ機の熱対策がだいぶマシになるとともに、動作音もだいぶ静かになった。これでもう少し暖かい季節になってもまあ乗り切れるんじゃないかと思う。よかよか。

▼松田一輝のトンデモ野球漫画「愛星団徒」(参考:DATゾイドさんのレビュー)全6巻のうち、1巻だけ手許になかったので、古本で買おうかな〜と思ってAmazonで検索をかけてみた。そしたらとてもいいお値段だったのでびっくり[Amzn]。マーケットプレイスでの価格がなんと9円。その9円の奴は自分が買ったのでなくなっちゃったけど、現在も最安は10円。ネットの古本価格って1冊100円が最低ラインだと思ってたが、こんなのもあるんですな。ちなみにそのほかの巻については2巻が9円、3巻が125円、4巻が239円、5巻が248円と、巻数が上がるほど高くなっている。6巻については単品での出品はなかったがコミックセットのコレクター商品の項で6巻のみが500円で出てた(価格はいずれも2月14日9:30現在)。それにしても9円の本に340円の送料払うのはなんか馬鹿馬鹿しいな……。

【雑誌】Betsucomi 3月号 小学館 B5平

 小畑友紀「僕等がいた」、芦原妃名子「砂時計」が小学館漫画賞を同時受賞するなど、最近評判が良いようなので試し買いしてみた。が、さすがに連載モノはいきなり読んでもキャラとか把握してないのでよく分からない。こういう場合は、3号くらい続けて読むと、じょじょに作品の記憶が蓄積してって読めるようになってくるんだよね。そのときの気分にもよるけど、気が向いたら継続購入してみようかと思います。パッと初見で読みやすかったのは和泉かねよし「そんなんじゃねえよ」。ちょうど涼子ちゃんという人と真宮俊二くんという少年の恋の始まりから描いた話だったので。なんかあらすじを見ると、主人公たちの母親の高校時代のお話らしいですね。読切2本、桜小路かのこ「英国貴族御用達」と、菊地かまろ「悩殺ロック少年」はさすがに普通に読めた。

【雑誌】comic天魔 3月号 茜新社 B5平

 神楽雄隆丸「友達のママとの接し方」。友達のお母さんが若くて美人で、主人公が彼女に惚れてしまい……という内容。お母さんに露出癖的なものがあり、遊びに行ったときにいきなりセーラー服着てたりとか、エロ展開はちょっと唐突な感じはするけれど、お母さんはばいんばいんでなかなか。猿 山猿彦「男根ガリバー」。ペンタッチがシャープでこなれててちょっと面白い絵柄。雑誌全体でいうと、エロはあからさまで描写も過激ではあるけど、あんまり淫靡でなく、自分的にはやはり物足りなく感じてしまう。もう少し読ませるタイプの作品や、箸休め的な面白いショートとかがあるといいんだけど。


2/12(土)……メンコラリー

▼日曜朝に見たアニメだけど、「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)]がすごく面白かった。第44話「一方その頃、俺たちの旅」はここしばらくのシリアス展開から打って変わって、元ダークウィズカンパニーの火のサーガ、エドとその相棒レジェンズであるファイヤードジジャイアントをメインにしたギャグの回。本編でシロンやシュウたちが頑張っている間、彼らが何をやってたかということを追っていくという内容だったが、ここのところ抑え気味だったギャグがてんこ盛り。エドの人の演技も抜群で爆笑した。山本リンダが声優挑戦というニュースが以前出てて「なんだかな〜」と思っていたが、それもまったく違和感のないいい使い方をしてて気が利いてるなと感心。あとちょっとだけ英語のお勉強にもなる。いやー面白いっすよ。本筋のほうも前回、第43話「もう、どーにも止まらない!」がたいへん良かった。拉致されたメグたちを助けるため、シュウがダークウィズカンパニーに乗り込んでいくというお話だったが、キャラがぐんぐん動きスペクタクルで遊び心のあるアクションを展開。久しぶりにBBをはじめとした元DWC3人組も活躍しててすごく楽しかった。やっぱこの作品好きだわー。

▼BSフジでやってる「サムライチャンプルー」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)/(8)]は、さすがに第21話まで来ただけあって、お話がどんどん動いてシリアス展開。「無限の住人」の乙橘槇絵みたいな感じの、盲目の女刺客な人が出てきて、激しくアクションしててカッコ良かった。ただ暗い画面作りのため、動きが見えにくいのはちと残念。

【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 しりあがり寿「真夜中のヒゲの弥次さん喜多さん」。映画化記念で特別集中新連載。今号は扉が志村貴子でかわい〜少年少女なのに、ページめくったら弥次さん喜多さんなので、「やられた〜」とか思った人もいるのではないでしょうか。その志村貴子「放浪息子」は、おねえちゃんがモデル少女たちを家に連れてきてぞんざいに扱われてしまった修一くんがイジケ節。でも安那ちゃんのフォローによっていい感じに。安那ちゃんにいいようにいじくられる修一くんとかいう図は、容易に想像できてグッときますね。エロ漫画なら間違いなくそのコースだ。

 羽生生純「青 オールー」は最終回。無軌道に駆け抜けた物語も、ついにラストを迎えた。差能の狂気に満ちた暴走、アクの強いキャラたち、そしてもの哀しいラストと、たいへん激しくて刺激的な作品だった。最後まで面白かったです。泉晴紀は「オトナの漫画」以来2年半ぶりの復活とのこと。そんなに経ってたっけか。今回は「夢の行方」前編。人気はあるが、苦悩している絵描きの青年の心象風景を妖しく描いていくという感じ。

 森薫「エマ」。エマに対する想いがやっぱり捨てられないウィリアムは思いきった行動に出ますが、イギリス貴族社会がそんなことを許すはずもなく。アオリ文句には「物語はいよいよ佳境へ」とあり、サブタイトルも「最悪の事態(第一幕)」。物語はこれからますますドラマチックに展開していきそうで楽しみ。竹本泉「よみきり♥もの なみだのむこうに」は、珍しく男の子のほうが主人公。目つきが悪くて怒ってると思われがちな男の子と、涙目の女の子のコントラストが良かった。同級生女子だけでなく、妹さんもかわいい。

 きなみなみは久々登場。読切「メランコリィ」。何のためかよく分からないままいつか来る女の子を待ち続ける門番の少年の物語。くねくねした感じの線による作画はなんだか見てて気持ちいい。お話のほうはかなり幻想的。悪くはないけど、考えオチっぽい感じもする。田邊剛「呪画之参」は、かつて大名の家中の毒見役として大きな罪を犯した男が、それによって悪夢にうなされるようになるが、僧の導きでその苦界から脱するというお話。シャープな絵柄がカッコ良く、今回はお話的にもまとまりが良かった。

【雑誌】ネムキ 3月号 朝日ソノラマ A5平

 TONO「チキタ★GUGU」。「百年」の持つ意味が明らかになってきて、さらにダムダム・グーグーもいよいよ登場して……と物語の根幹部分にだいぶ迫ってきた。もう人を食うことはできなくなってしまったラー・ラム・デラルの状況がたいへん切ない。今後の展開も気になるところ。オガツカヅオ「イカしたマスターのいる店」は、失恋してお通じが滞ってしまった乙女の悩みを、マスターがスッキリ解決してあげるというお話。マスターの大物っぷりがカッコいくてユニーク。この人はやっぱ漫画うまいと思います。どこか「いついたるねん」を単行本化してくれないもんすかねー。

【雑誌】別冊マーガレット 3月号 集英社 B5平

 永田正実「恋愛カタログ」。保育士というハッキリした目標ができた実果に対し、高田くんは目標が見出せずイライラ。しかし実果が幼稚園のおゆうぎのピアノの伴奏を彼に依頼したことをきっかけに二人の仲も……という展開。今までと別段大きな変化があるわけでもないけど、時間をかけてカップルの様子を追っていて、きっちり読ませる。いつまでもやれそうな作品だし、実際10年くらいやってるようだけど、ラブコメとしての芯の部分はきっちり保持しているのは偉いと思います。河原和音「高校デビュー」。ドラマチックなクリスマスの後、ヨウが好きすぎて恥ずかしくなって、まともに顔を合わせられなくなってしまった春菜。それがあまりに続いたのでヨウがブチ切れですよ、という展開。こちらもしっかり、安定して面白い。春菜の喜怒哀楽激しいキャラが見てて楽しい。

 読切組では、ミヤ「信じてよねえハニー」がけっこう良い。好きな男子に誘われてバスケ部のマネージャーになったが、彼はなかなか自分の気持ちに気づいてくれず、あまつさえ彼女とイケメン先輩男子との仲をとりもとうとさえしてしまう。端整な絵柄でラブコメしててなかなかいい感じでした。デラマで描いている人らしいけど、そっちは読んでないなー。そのうちチェックしてみようかどうしようか。少女漫画雑誌は厚いのが多いので、なかなか手を広げにくかったりはするんですが(運搬が面倒なので)。


2/11(金)……ふたりはプリズナー

▼アニメ「Sweet Valerian」のDVDが出る〜、と思ったら全4巻か……。テレビ放送は全18話×3.5分=63分。マッドハウスの公式サイトにあるように全26話になったとしても91分。多くても全2巻だろうと思ってたのでがっくし。それで5040×4=20160円だとしたら高いよなー。DVDオリジナルの映像がもりもりないとちょっとキツい。続報を待つ。しかしてオリジナル映像を希望します。

【単行本】「こっこさん」 こうの史代 宙出版 A5 [bk1][Amzn]

 あー、ようやく単行本化されましたなあ。本作品はまんがタイムジャンボにて1999年〜2001年にわたって連載されたもの。平凡な小学生の女の子やよいちゃんと、彼女が拾った目つきの悪いニワトリ「こっこさん」の生活をほのぼのと描いた作品。4コマ誌掲載だけど、この作品は非4コマ。まあ基本的になんてことのない日常生活を描いていく作品なので「夕凪の街」とかみたいな強いインパクトはないものの、こうの史代の暖かみのある美しい作画は、やはり見ててしみじみくるものがある。とくにいいのが、時折パッと入ってくる大ゴマ。印象的な構図取り、丁寧なカケアミを駆使した自然などの描写がなんとも美しい。ギッチギチにリアルに描き込んであるわけではないのだけど、とても良い絵です。こういうふうに一枚絵でパーンと魅せられる人ってやっぱりいいなあ。

【単行本】「監督不行届」 安野モヨコ 祥伝社 A5 [bk1:通常版/特装版][Amzn:通常版/特装版

 安野モヨコと庵野秀明というビッグオタクカップルの夫婦生活を描いていく日常エッセイ漫画。いかにも面白げな二人が主人公であるだけに、漫画のほうもとても良かった。何よりいいのは庵野カントクのキャラ。骨の髄までオタクなカントクの奇行は見てておかしいし、多少一般寄りだったヨメをずるずるとオタクワールドに引き込んでいく過程もユーモラス。そしてカントクがやたらかわいく愉快に描けている。天然な奇人っぷりを観察していくのはなんとも面白い。いやーオタクだったらこんな結婚してみてぇ〜と思うでしょうな。むしろ庵野カントクのヨメになりたいとさえ。でもまあ現物見てそう感じるとは思えませんが……。

 で、たいへん面白いのだが、この作品は1巻分でスパッと終わる。もうちょっと庵野&安野の日常を見ていたいという気持ちもあるけれども、個人的にはこのくらいの分量でちょうどいいかなとも思う。もし夫婦仲が今後悪くなったりするようなことがあったら見ててツラいし、あとなんといっても安野モヨコほどの才能を持った人が、いつまでも夫観察漫画を描いているというのももったいない気がするんで。もちろんそっちも面白いんだけど、安野モヨコはもっとデッカいフィクション作れる人だし、そういう人は貴重だから今はそっちのほうを優先したほうがええじゃろな〜と思います。

【単行本】「P.I.P プリズナー・イン・プノンペン」 作:沢井鯨+画:深谷陽 新潮社 A5 [bk1][Amzn]

 カンボジアの地で現地の人間にこっぴどくだまされ、冤罪により牢獄に入れられた日本人青年イザワが、その地獄のような牢獄から脱出するべく苦闘するという物語。この作品では、金さえあれば白いものでも黒にしてしまう警察、狡猾な現地の悪党らによって、どんどんイザワがどん底に突き落とされていくのだが、その過程の描写がいかにもリアリティがあって手に汗握るものがある(もちろんそういう場所や人ばかりではないということは承知してますが)。深谷陽自身、もともと東南アジアの現地の空気を感じさせる作品を描くのは抜群にうまい人だが、今回はさらに実際にプノンペンの拘置所に入れられた経験がある沢井鯨が原作を担当。よりハードで物語性の強い作品に仕上がっている。雑誌掲載時はちょっとバタバタ終わっちゃったかなという印象があったのだが、単行本化に当たって63ページの描き下ろしが加えられたこともあり、お話の説得力はより増したように思う。ラストの着地もきれいに決まった。なかなか読みごたえのある一作だった。

【単行本】「満腹ボクサー徳川。」11巻 日高建男 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。残念ながら世界までは行けず、東洋タイトル編を急ぎ足で決着をつけるという形でおしまい。改めてあらすじを記しておくと、元はウェルター級で圧倒的な強さを誇っていた主人公・徳川が、突然ヘヴィー級への転向を宣言し、ヘヴィー級の相手と戦うために肉体を鍛錬し足りない分は持ち前のテクニックでカバーしながら戦っていくというもの。

 この作品でユニークだったのは、「増量」を物語の大きな柱としていたこと。「あしたのジョー」の力石に代表されるように、これまでのボクシング漫画では、ボクサーの苦労といえば減量のほうがメインで描かれてきた。そこから生まれるハングリーさ、ストイックさがそれらの大きな魅力だったわけだが、この作品はそれとは完全に逆。徳川は、むだな贅肉をつけず身体のキレを損なわないまま、筋肉を増やしていくことで増量を目指していく。その過程には減量とはまた別の次元の苦しさがあるということを、ボディビルマニアであるらしき作者が、経験を踏まえつつしっかりと描いていた。といっても小難しいトレーニング理論とかを振りかざすでなく、徳川のふてぶてしいキャラを押し立てて、ストイックさと型破り感を同時に出していた。そのような感じでボクシング漫画の中ではユニークな存在だったし、漫画としてもコンスタントに面白かっただけに、中途半端な終わり方になってしまったのは残念。とはいえこの作品でちょっとマズい点もある。それは単行本の表紙のデザイン。これはちょっと地味で古臭く見えてしまうし、帯とかの飾りもちゃんとしてなくてインパクトに欠ける点があったのは否めない。バンチの単行本は、こういうところは全般にうまくないと思う。そういう点はもったいなかった。

【単行本】「子供学級」3巻 桜井のりお 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 幼女! 暴力! 女教師! 児童虐待!!(←間違いではない) というわけで見た目は小学生・中身は大人の暴力女教師・小島梅子が、学校を舞台に大暴れするドタバタギャグ連載も3巻め。この巻も相変わらず梅子はムチャクチャ。ギャグ展開のリズムがとても良くて、しっかり面白い。コミカルな絵柄もシンプルながらオリジナリティがあるし、内容のほうもコンスタントにイケる。梅子の暴虐ぶりに迷惑をさんざんかけられつつも、意外と順応している子供達の様子も楽しくて良い。チャンピオンショートギャグ勢は相変わらず充実してます。

【単行本】「天国にいちばん遠い家」 飛龍乱 ワニマガジン B6 [bk1][Amzn]

 ベテランならではの安定感。むっちりたっぷりした女体描写がエッチ。あとシチュエーション作りもうまいと思う。例えば表題作では、友達が席を外している間に主人公がそのお母さんをコマしてしまうという内容。ドア越しのやり取りで息子や夫が家に入ってこないようなんとかいいくるめていき、切迫感を高めていく様子が良かった。「GEMINI」は、上司の奥さんが双子の片方で、主人公がやっているのは姉のほうか妹のほうなのか……というラインをふらふらさせて淫靡さを醸し出す手際が巧み。各話ごとに一工夫凝らして、しっかりエロくて読ませる話を作ってくるあたり、達者だなあと思います。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.31 三和出版 A5平 [Amzn]

 栗田勇午「ソナちネ」第2話。畜産専攻の女生徒たちが、人里離れた山奥の校舎で、家畜たちとの行為に耽る。それを目にしたヒロインが、だんだんお犬さまの肉棒の放つ、強烈なエナジーに魅せられ、だんだんそれで頭がいっぱいになり……という展開。この人の特徴である「人間の女性が自らの意志で選ぶ犬との性交」を、じっくり描いていこうという感じが伺えてワクワクします。主人公が実際にパートナー犬と出会うのは次あたりかな? 氏賀Y太「鈴の音」。少女が拉致されて、調教の末に迎える末路。ガッチリひどいことをやってます。最後のオチの部分もヒネリが効いてて、ブラックさを一味プラス。今回は血を出さずにやるというのが肝だったのかな。


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