2005年11月中旬


11/19(土)11/20(日)……粉を吹くキツさ

▼これ書いてる時点でもう日付は23日なんですが、ようやく更新できる状態になりました。なんかもう日記の日付に意味がありませんなー。

▼アニメ「絶対少年[Amzn]最終回。なかなか評価に悩む作品。お話は、田舎町の田菜を舞台に語られる前半と、横浜を舞台に語られる後半でキッパリと分れ、主要登場人物も前後半でガラリと変わるが、前半はとても良かった。後半は失速。前半は田舎が舞台ということもあり、自然豊かな風景と、普段は人間の認知外にあったアイテムたちが神秘的に調和してたし、謎めいたストーリー運びにも説得力を与えていた。また、キュートな姉妹、謎の老猫オカカばばあを追いかけ続けている少年など、物語を賑やかす楽しいキャラもいた。徐々に盛り上げていったお話が、夏祭りの夜に一気にクライマックスへと向かう構成も良かった。

 しかし横浜編のほうは、陰鬱な展開が続く。まあ都会の生きにくさみたいなものも影響しているのだろうけど、主要キャラであった少年少女4人組がなんかずっとうじうじしてて苛立たせられるものがあったし、前半と後半をつないだ重要キャラ、ジャーナリストのスカワラさんの迷走ぶりも気になった。会話主体でお話が進んで理屈っぽいわりに、あんまり説明がつまびらかでなかったのもストレスがたまりがち。ただラストはそこまでわだかまっていたものがきれいに溶けていき、清々しさはあった。

 まあ後半については評価が分れるところだろうけど、全体的にはキャラや雰囲気作りが良好で、好きな作品ではあった。絵はきれいだったし、とくに田菜編の風景描写は美しかった。6点標準で前半は7.0点。後半は5.5〜5.0点で、総合6.5〜6.0といったところ。

【雑誌】ウルトラジャンプ 12月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社

 桜瀬琥姫の新連載「グランディーク・リール」が巻頭カラーでスタート。相変わらず美しい絵で、剣と魔法系ファンタジー。この手のネタは「ありふれてる」と思われがちなので、そこをクリアして独自色を出せるかどうかがカギかな。荒木飛呂彦「スティール・ボール・ラン」。ジャイロ・ツェペリが今回はだいぶ人間らしいところを出している。やはりツェペリ家の男はアツいですな。

【雑誌】月刊サンデーGX 12月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 かずといずみ「貧乏姉妹物語」。今回は金持ちだけど節約生活を目指している金持ち姉妹側のエピソード。こちらの姉妹もなんだかんだで仲良しさんで微笑ましい。イダタツヒコ「美女で野獣」。アカネが色っぽいようなそうでもないような展開になってて、ちょっと意外だった。いよいよリリカが今まで気づいてなかったことに気づき、さらに新展開もありそう。アカネのモテっぷりは激しいなあ。吉田蛇作「デス・プリ」。賑やかでほのぼので面白いんだけど、今号の最終ページの柱を見た感じでは次号で最終回なのかな。あと今号には永野のりこの娘さんがボーカルをつとめるバンド「Little Non」のインタビューが掲載。来年新春スタートのアニメ「落語天女おゆい」のOPをやるんだとか。なんだか精力的に活動してますなあ。

【雑誌】チャンピオンRED 1月号 秋田書店 B5平

 速野悠二「おキツネさまでChu♥」。うは、エマそっくりのメイドさんが登場してる……。名前も「絵真」だー。しかも脱ぐー。ムチャなことするなあ。見てるほうは楽しいけど。もう各所で取り上げられてますが、渡辺航「電車男」は、編集部側のミスで本来載るはずの原稿ではなく、来月号に掲載される予定だった原稿が間違えて掲載されてしまったとか。これはいろんな意味で痛いですな。まああんまり騒ぎ立ててもしょうがないので、コメントはそのくらいで。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/5 No.23 小学館 B5中

 村上もとか「龍−RON−」。物語は大詰め。いよいよ日本に原子爆弾が落とされ、龍と秘宝を巡る事態もさらに緊迫。ここまでずっと語り続けられてきたお話だけど、原爆の話が出て、歴史の重みみたいなものがズーンと来た。石坂啓+堀田あきお「ひみつの箱」は最終回。身体が子供のまままったく成長しない体質で、しかも余命1年と宣告されていたワケアリに最期の時が。しんみりとしていて切なく暖かいなかなか良いラストに仕上がった。石坂啓だけだとベタになりすぎな感はあるし、かといって堀田あきおだけだと淡々としすぎになりがち。本作はお互いをうまく補完しあえてて、良いコンビネーションだったといえるのでは。福本伸行「最強伝説黒沢」。ホームレスのおっちゃんたちをイジメる若者に、黒沢さんの怒りが爆発。今回はなんか黒沢さんがカッコ良く、その言葉に感動してしまったりもした。

【雑誌】花とゆめ 12/5 No.24 白泉社 B5平

 日高万里「V・B・ローズ」は、今回もラブコメムードが高まってて面白い。以前に続いてまたブライダルフェアであげはがドレスを着ることになりそう。そろそろお互いに告るとかあっても良さげな感じ。松月滉「幸福喫茶3丁目」。一郎の幼いころのことが語られる。家政夫のおじさんが「しばたさん」という名前だった。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 1月号 竹書房 B5中

 あっきう「おかえりっサクちゃん」。扉のところに「いよいよクライマックス」と書いてあってので最終回かと思ったが違った。でも内容的にはラストに近づきつつあるかな。母親が失踪した後、皮肉にも学校生活が正常化したサクちゃんだが、それとはうらはらに孤独感は募る。そんな彼女の心を溶かしたのは……というわけでハードに展開してきた思春期4コマも、ようやく大団円を迎えられるかなといったところ。三ツ森あきら「OLさんの履歴書」はクリスマス話。元風俗OLの人のあたりが身もふたもなくて笑った。あと主人公OLさんは最初はあんまりキャラがなかったが、最近は自虐・自堕落キャラが定着してきて良くなっている感じ。

【単行本】「美女で野獣」7巻 イダタツヒコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 毎回すごく作者が楽しんで描いている感じで面白い。女の子格闘漫画だけど、格闘という枠にも萌えという枠にもとらわれないで、好き勝手ハチャメチャやっているのが良い。格闘理論とかそういうのも適当っぽくて、自由奔放。読んでて気持ちがいいです。ただ単行本としてはもう1話分収録してくれたほうが良かったかなーという気もする。リリカvs.アカネの試合の途中のところで終わるんで、まあヒキが強いっちゃ強いんだけど、あのあたりの2話分の怒涛の展開は、間髪入れずにまとめて読んだほうがいいかなあという気が。しばらく間を置いて8巻を読むと、読者がテンションをそこまで盛り上げるのに、ちょっと時間を要するかも。それだけこの単行本またぎ分の2話はテンションが高いです。

【単行本】「ヴィンランド・サガ」2巻 幸村誠 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 トルフィンのお父ちゃん編が決着するところまでを収録。猛きヴァイキングたちの物語を骨太に描いていてカッコイイし、トルフィンとうちゃんもむちゃくちゃ強くてかっこよくて痛快なのだが、過去話がちと長かったので週刊連載ではちょっと焦らされたようなところがあった。まあとりあえずこれで、なんでトルフィンが親の仇にくっついてヴァイキング稼業をやってるのかということはすべて語られた。今後本作は、掲載誌を週刊少年マガジンからアフタヌーンに移すことになる。12月24日発売の2月号から連載再開なので、未読の人は1〜2巻をまとめ読んで、予習しておくといいのでは。

【単行本】「幸福喫茶3丁目」2巻 松月滉 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 最近の「花とゆめ」ではかなり楽しみにしている作品。今号でも表紙を飾っている有望株。イケメン2人がきりもりしている喫茶店にバイトで入った元気はつらつ娘の高村潤(たかむら・うる)が、その笑顔とバイタリティでもって、人々をいやしていくというほんわか喫茶店コメディ。素直で暖かい作風は好感度が高く、潤の笑顔は幸福感にあふれていて心がパァッと暖まる。たぶん作者もキャラの笑顔が一番の武器だってことを分かってるんでしょう。見せ場の場面で効果的に使ってて、たいへん良い気持ちになれます。あんまりベタベタしないタイプの絵柄なんでなおさら。あと頭身縮めたギャグタッチの絵柄のときも、ちまちま賑やかで楽しくて良いです。


11/18(金)……刃鈍る幼稚園

【雑誌】ヤングガンガン 12/2 No.23 スクウェア・エニックス B5中

 新連載「FRONT MISSION 〜THE DRIVE〜」が巻頭カラーでスタート。作画はStudio SEEDというところが担当していて、精緻でダイナミックなロボット描写が目を惹く。原作担当は太田垣康男。人物作画も太田垣康男絵に似た部分が多々見られるけど、普段からやってる組み合わせなんですかね。最近こういうガチンコなメカものは少ないので、面白くなってくれると良いなと思う。

 勇人「はなまる幼稚園」は読切12Pでの掲載。保父のあんちゃんに恋する幼稚園児が、彼に何かとつきまといまくるという超年の差ラブコメ。幼女さんとかがかわいらしいし、その動きも見てて楽しい。金田一蓮十郎「ニコイチ」は毎度手堅く面白い。本来の男姿では嫌われ、女装姿ではモテモテな主人公が、どんどん墓穴を掘りまくっている様子が面白い。次の展開はさらに慌ただしそうで楽しみなところ。作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」。キクチさんの誘いでノムラくんがハッパを吸って新展開。スリの才能がさらに開花しそうではあるけど、今後もさらに常用してったりするんですかね。ヤケドしないと良いのですが。

【雑誌】コミックバンチ 12/2 No.51 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。クインシーホテルの面々が、新サービスをいろいろ考えて出した結論は……という回なんだけど、こんなオチでくるとは。あんまりオタク色を出さない作品だと思ってたけど、今回のはかなりベタだ。本当にやるとこあったら客層がオタク中心にシフトしそう。まあ1泊2日5万円も払うかどうかは微妙だけど。←いちおうネタバレは抑えて書きましたが、まあたぶんバレバレですな。

【雑誌】コミックメガストア 1月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 コミックメガストアってAmazonでも買えるようになったんですな。定期購読ではないけど。

 今月号ではマイノリティ「お嬢様と幼なじみと僕。」が面白かった。ツンデレお嬢さまパトラちゃんとその彼氏が登場するおなじみシリーズだが、回を重ねるごとにラブコメ度が高まってて面白い。絵は垢抜けない部分もあるが、それがかえって親しみやすい味になっているというか。今回は彼氏側の幼なじみ少女も登場して三角関係。パトラ(羽都良、本当は鳩子)ちゃんがけっこうどじっ娘なのが見てて面白い。米倉けんご「背徳のお庭」。今回はお母さんと息子ちゃんが一線を越えてずっぽりエロエロ関係に。お母さんのおっぱいが非常に豊かでエロっちいです。息子のちんこは年相応。

 和六里ハル「女の子 男の子」。お得意のカワイイ男の子を女装させるネタ。セックスさせてあげるというのをエサに、彼女が主人公に女装させて、町を引き回すという展開。顔を赤らめまくっている男の子がやたらかわいい。賑やかで楽しく、かつエッチな作品に仕上がっている。うまいですねえ。ゴージャス宝田「クラッシュ!」は3話め。天変地異により、閉鎖空間に閉じ込められた男性教師と女生徒5人。彼らがずぶずぶとセックスに溺れていくが……というパニックもの。ギリギリな環境でロリエロを展開しててヒキが強く、けっこう読ます。最近のゴージャス宝田の充実ぶりは素晴らしいものがあるし、今後どう展開していくかも楽しみ。野上武志「おねがい♥ダニエル」はコミックメガストア初登場。前作の掲載はカラフル萬福星だそうで……。なんか意外なものに出くわした感じ。

【雑誌】快楽天BEAST 12/15 Vol.5 B5中

 飛龍乱「Private Lesson」は、娘の家庭教師にこまされている奥さまのお話。オーソドックスな内容だが、それだけに手堅い出来。巨乳人妻さん好きにはよろしいかと。ISUTOSHI「サンタがマヂにやってくる」。タイトルどおり、お気楽なノリの女サンタもの。Cuvie「So Lucky Man」。逆ナンされて相手のおうちでエッチして一夜明け、帰ろうとした男がその妹に遭遇。ところが妹はバイト先の後輩で、実は彼のことを好いていたのでした……という姉妹丼な漫画。いつもながらの安定した仕事っぷりでソツがない。

【アンソロジー】「まるごとA・浪漫・我慢」 松文館 B5平

 最近は甘詰留太名義での活躍のほうが盛んなA・浪漫・我慢の作品を集めた総集編本。「くわがた」が1〜10話と、短編14本を収録。内容ほうは、単行本「少女絶頂体験」と「くわがた」収録作品をそのまま再録して、ちょっとだけコラムを付け加えただけなんで、両単行本を持っている人は買わなくてもいいかな〜という感じ。その2冊を持ってない人にとっては、価格が800円と2冊単行本を買うより安いし判型も多いのでお得かもしれない。

【単行本】「あいこら」1巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 「美鳥の日々」の井上和郎の最新作。「美鳥の日々」では「右手が恋人」というのをまんま漫画にして、なおかつ楽しくも爽やかな青春ラブコメに仕立てた井上和郎だけど、今回の作品も面白い。胸・脚・瞳・声と、女性のパーツ部分に極端にこだわるあまり、それまで恋もしてこなかった少年・前田ハチベエが主人公。彼が高校に進学し東京に出たところ、学校の女子寮には彼の好みにバッチリなパーツを持つ、3人の女生徒+1人の女教師がいて、なんだかパラダイス感あふれるドタバタ学園ライフが始まるのでした……といった設定。

 少年誌なのに「フェチ」を前面に押し出して、「こうくるかー」と思わせつつも、全体として見るとそんなにベタベタすることなく、快活なドタバタコメディに仕上げてある。このあたりの力加減が絶妙。趣味に走って暴走するところは暴走する、でも下品になったりはせず、バランスはしっかり取る。瞳担当のツンデレ娘、巨乳担当のめがねっ娘、声担当の不思議忍者娘、お色気&脚担当の女教師さんと、4人のヒロインもそれぞれかわいいし、まずは順調な滑り出しで面白い。今後の展開はツンデレ娘がラブコメ的には本命だろうけど、最初っから4人ヒロインがいる分、焦点がぼやけがちになる可能性もあるかな〜とは思うものの、まあ漫画はうまい人だしそこらへんはきっちりバランスを取ってくるでしょう。個人的には4人の中ではめがねっ娘の人がいいです。乳がデカいから(単純すぎ)。


11/17(木)……放っちゃいな

【雑誌】ビッグコミック 12/17増刊号 小学館 B5中

 作:西ゆうじ+画:ひきの真二「華中華」が巻頭カラー。今回はすごく良い卵を使って黄金チャーハンの話。いやまあヒロインのハナちゃんの恋愛がらみの話でもあるんだけど、やっぱり黄金チャーハンのほうが気になってしまって。黄金チャーハンの作り方自体は知ってるけど、今回出てきたような、卵で二度コーティングするやり方は知らなかったな。そのうち試してみるかー。

【雑誌】モーニング 12/1 No.51 講談社 B5中

 第48回ちばてつや大賞受賞作の門井元「すなおになれば」が面白かった。84ページとページ数はかなり多いが、それを意識させないスッキリとした読み口。お話のほうは、高校3年生の女の子と、高校1年生で働きながら夜学に通う自転車少年が出会って、その距離を少しずつ縮めていくという青春ラブストーリー。実にオーソドックスなボーイミーツガール(というかむしろガールミーツボーイかな)なお話で、絵柄もとても素直。小細工やヘンにヒネったところのないまっすぐな作風が清々しくて好感が持てた。なんか検索してみるとゲーム「MOTHER3」に作画メンバーとして参加している人だとか。

 弘兼憲史「常務島耕作」では中国人豪傑秘書の謝さんが今回も大活躍。すごい肝の据わったアクションぶり。かっちょいー。これは惚れる。アニキって感じだ。外薗正也「わたしはあい」。最初は萌え萌えロボット開発話かと思ってたけど、なんかずいぶんスケールが大きくなったなあ。ちょっとびっくり。

【雑誌】ヤングサンデー 12/1 No.51 小学館 B5中

 中井邦彦「ブンブンチューン」前編、ムロ・ゾノフスキー「フット猿」と、若手の読切を2本掲載してるけどインパクトはもう一つかなあ。中井邦彦は少年サンデーで「楽ガキFighter」を描いていた人。

【雑誌】ヤングジャンプ 12/1 No.51 集英社 B5中

 甲斐谷忍「LIAR GAME」。ゲームが最終盤。なんか一番怪しかったグラサンにーちゃんがいろいろ動いて最後の一波乱。単純だけどいろいろ頭を使わざるを得ない状況を作り上げててしっかり盛り上がってる。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/1 No.51 秋田書店 B5平

 佐藤健悦「舞-乙HiME」がノリノリで楽しい。エッチっぽいサービスがふんだんなのはもちろん、前作から引き継いですでにキャラを自分のものとしている感があるので、動かし方がいろいろ面白い。今回はなつきの短気さ加減とかも良かったし。キャラは基本的に良いシリーズだから強いっすね。作:手塚治虫+画:山本賢治「ブラック・ジャック 〜黒い医師〜」は、BJの邪悪っぷりが際立っててカッコ良かった。何気に最近のチャンピオンは、この手の企画モノ系とかメディアミックス系で収穫が多いような。あと水島新司「ドカベンvs.野球狂の詩」、板垣恵介「バキ」は次回で最終回。


11/16(水)……泥突っ伏す

▼更新が順調に遅れ中。漫画自体は買ってて、仕事の合間合間に息抜きでもそもそ読んでたりするのですが。

▼COMIC RINの裏表紙を見たら、「とらのあなの美虎ちゃん」が99回めだった。やっぱ100回めは何か仕掛けてくるのかな? 楽しみです。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/30 No.51 小学館 B5平

 あだち充「クロスゲーム」が連載再開。子供時代から始まったと思ったら、11話めにしてもう高校生編突入かー。このすっとばしぶりはちょっと驚く。その過程で死なされてしまった幼なじみ娘さんが改めて不憫だ。鈴木央「ブリザードアクセル」。六花と吹雪は引き続き激しくラブラブ。六花ちゃんはオチるまでが意外と早かったですな。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/30 No.51 講談社 B5平

 はっとりみつる「ウミショー」がむやみにエッチくさかった。女の子二人が、お互いのおっぱいを大きくするべく、乳のもみ合い特訓。「揉乳」と書いて「にゅうにゅう」。うーん、すばらしいネーミングだ。さいばーにゅうにゅう。

【雑誌】COMIC RIN 12月号 茜新社 B5平

 國津武士「蟲娘」。これはかわいいなあ。芋虫のかっこうをした女の子が、主人公である男子学生の背中におぶさって甘えたり困らせたりいろいろする漫画。なんといっても蟲娘さんのデザインがいい。むしゃむしゃキャベツ食ってる顔とか、主人公の背中をぺしぺしぶつ姿とか。あとそのわがまま極まる振る舞いも見てて楽しいし。オチも下らなくて笑えるし、たいへん良かったです。

 関谷あさみ「冬籠もり」。ふとんの中で丸まって出てこない妹に、お兄ちゃんがイタズラしているうちにエッチな気分に……という漫画。今回も妹成分が濃厚。かわいらしい絵柄で良い感じです。LEE「こすぷれしましょ」。こちらも妹もの。学芸会のためにねこみみコスプレした妹がにゃんにゃんいっててグッド。LEE独特のこねこちゃんっぽい口の描き方も萌える。あとこのほかでは巻田佳春「Kick up!」、糸杉柾宏の女装弟×姉な「お姉ちゃんのお願い」、草野紅壱「姉←→弟」、猫玄「四畳半のプリンセス」あたりが良かった。それにしても相変わらず姉&妹モノが花ざかりですなあ。

【雑誌】Colorful Drops Vol.001 ビブロス B5平

 紙媒体版とWeb版を同時に発売するというコンセプトの新雑誌。Web版のアドレスはhttp://www.colorful.co.jp/drops/。Web版の配布形式はPDF。紙媒体掲載作品に加え、Webオンンリーの作品もいろいろ取り揃えて500円なので、雑誌版よりもお買い得。ただ60日間の閲覧制限はある模様。個人的にはこういう、紙媒体とウェブで同じ作品を同時に販売するというビジネスモデルには前からちょっと興味がある。それについて書き始めたら長くなっちゃったんで、今日の日記の一番下のほうに、余談としてまとめてみました。

 で、こちらの掲載作品では、まずゴージャス宝田「のんびりオバケ」が良かった。幼なじみ系の近所のちっちゃい女の子が、おばけの衣装を着て大好きなおにいちゃんの家におどかしにやってきて、その後あま〜いエッチに突入という内容。そのラブラブっぷりがとても良くて女の子もかわいらしい。で、それだけでもけっこう満足する楽しい漫画なのだが、オチのほうもよく出来ていた。全体では楽しいお話に仕上げて、最後の最後でホロリとさせる。お話作りのほうも本当にうまくなったなあ。

 樹宮匡平「ましゅまろしすたぁ」。姉たちの爆乳を見慣れてたせいで彼女にフラれた弟を、お姉さんがなぐさめHというお話。柔らかい絵柄で姉モノらしい弟甘やかしっぷりがいい感じだった。姉が3人いるのに1人としかやらないけど、残り2人も今後出てきたりはするのかな? とりあえず次号予告には名前はないが。内々欅「名状しがたい生もの」は、ゴチャゴチャした画面作りだが、線の太さがまちまちなメリハリの利いた絵柄は面白い。あとこの雑誌では、後藤寿庵が描いててちょっと驚いた。「補習授業」というタイトルで、、わりと普通なかわいい男子生徒と女教師のエッチ漫画。まあかつてのようなギャグ系作品を望む人には物足りない部分もあるかもしれないけど、絵もかわいいいし、これはこれで良いのでは。後藤寿庵の作品っていわれなかったら、先入観なく普通に読むだろうし。

【雑誌】COMIC P-mate Vol.3 宙出版 B5平

 残念ながら休刊。エロゲーとエロ漫画のハイブリッドというコンセプト自体は悪くないとは思ったんだけど、ぶっちゃけた話、エロゲーにはあんまり詳しくないので、どれがエロゲーとリンクした作品なんだかよく分からなかった。というか表紙見る限りは「黒のウタヒメ」以外は今号はほとんどオリジナルものなのか。エロゲーものよりもむしろオリジナルもののほうが面白かったりして、もう一つ独自色は出せてなかったかな。

 まあそれはともかくとして、掲載漫画ではガビョ布「妹状ロボ!むらさき」が良かった。妹ロボな女の子が、おにいちゃんといっしょに山に行って遭難してそこで一仕事ってな感じの作品。丸っこいイタズラ心のきいたロリ絵がかわいいし、ドタバタギャグj展開も見てて楽しい。そういえばこの人の単行本買ってなかったな。そのうち買おう。狩野蒼穹「アンサンブル・いんさーと」。先輩女子が主人公を誘惑するも、主人公は極度のニブチンで気がつかない。でも実は彼がそのお姉ちゃんとエロエロな関係にあると知った先輩はブチキレて、実力行使に及んでしまうのでした……というお話。絵柄がかわいいし、ストーリーのほうもきっちりまとまってて楽しい作品。ロリ方面でもうまい人だけど、こちらもなかなか。

 峠比呂は休刊号だけど初登場。「愛のカタチ、色々」は、教師と肉体関係を持っている優等生女子がその愛を試され、1週間下着をかえないプレイとかをさせられるというソフトSM系な話。峠比呂は絵柄は萌え度はなかなか高いけど、けっこう変態チックな話とかいろいろ描きますね。nel「H☆MICO」は主人公が8人の姉妹巫女とやりまくりってな話だが、休刊のため幼なじみ娘1人しかこなせず。ラブコメ色が強く、エロシーンは悪くなかったと思うので、少しもったいないか。あと今号はカラーのショート漫画でRIKI、榊原薫奈緒子、大嶋亮が登場している。

【余談】雑誌+Webの並行販売の可能性

 上のほうのColorful Dropsの項でも書いたとおり、個人的には「雑誌掲載作品をその発売日にWebでも販売する」というビジネスモデルはこれからけっこう可能性があるかもしれないと思っている。なんでかといえば、最近漫画雑誌が売れなくなっているらしいから。紙の雑誌は売れないから儲からない、でも雑誌内にコンテンツはいっぱいある、そのコンテンツを使ってもっと利益を出せないか……と考えると、Web販売というのは悪くない手段だと思う。でも雑誌はナマモノだから、やっぱ雑誌が発売されて話題になっているうちにWebのほうでも売ったほうがいい。例えば漫画サイトや2ちゃんねるなどの掲示板で、掲載作品が話題になっていてその作品が読めるネットショップへのリンクが張られていたら、「ちょっと読んでみようかな」と思う人はそこそこいるはず。と考えるとそのタイムラグは小さいほうがいい。できれば、雑誌と同じ日にネットでも販売が始まるのが望ましい。

 ただ、Colorful Dropsの場合は、雑誌掲載作とWebオンリー作の両方を全部まとめて500円1パッケージで売るという形式だが、できれば作品1本1本を単体で買えるパッケージも用意されているほうが望ましい。上記のようなネットでの口コミ→販売という形式を想定した場合、雑誌の中の特定の作品だけ読みたいという人が、わざわざ雑誌1冊まるまる分の値段を払ってWeb版を買ってくれるかというと、個人的には望み薄かなーという気がしている。せっかく興味を持ってもらったのに、そこで販売機会を失っちゃうのはもったいない。だけど、これが例えば1話50円とかで売ってたら、「そのくらいなら買ったるかー」ってな感じで買う人もいるんじゃないかと思う。AppleのiTunes Music Storeは1曲100円だったっけか、あのレベルまで敷居は下げたほうがいい。

 Colorful Dropsはエロ漫画誌なので、雑誌媒体の読者はあまり多くないし、ネット上でも大きな話題にはなりにくいだろうから、上記のような波及効果は少ないと思う。でもこれがメジャー誌だったら、Webでの販売で意外とバカにならない利益を出せる可能性はあると思う。いったんデジタル化してしまえば、そこからの流通コストはかからないわけで、ダウンロード数が1本増えればその大半がまるまる利益になるわけだから。あとWeb版オリジナルの漫画はなくてもいいかなと思う。確かに付加価値にはなるけど、そこでは余分な経費を発生させないほうがいいと思う。

 もちろんWeb版で特定の作品だけ読んで、紙媒体は買わない人が増える可能性はある。ただ、個人的には現在紙で読んでてWeb版オンリーに切り替える人って心配するほどには多くなさそうな気がするんだよね。やっぱ画面で読むより紙のほうが読みやすいから。あと違法コピーの問題はあるけど、これはある程度諦めるしかないんじゃないかな。それを過度に気にしてたらiTunesみたいなのだって成り立たなかったわけだし。

 Web版を販売することで、単行本の売上が減少するのでは、という危惧もあるかと思うんだけど、これも個人的には大丈夫なんじゃないかと思う。それは先日倒産したぺんぎん書房のCOMIC SEED!が、Web雑誌のほうは無料で配布していたにも関わらず、単体では黒字を出していたらしいことからも分かる。Web雑誌でちょこちょこつまみ読みしたいというニーズと、紙の単行本でまとめ読みしたいっていうニーズは、やっぱ別物なんですよ。

 あとマンガ喫茶用のまとめ読みパッケージプランみたいなのを用意したら、そこそこ利用されるんじゃないかな。バンダイチャンネルの動画配信とかはすでにそういうことやってるけど、利用料のほうはマンガ喫茶が一括で払って、お客さんはマンガ喫茶の端末から読む場合は、そのWeb雑誌は読み放題という形式。いちおう現在のマンガ喫茶でも雑誌は取り揃えているけど、あれを毎週毎週買って、適宜捨てていくのはけっこう面倒な作業だと思う。それがパソコンでできるとなったら、マンガ喫茶側も雑誌を何冊も取り揃えておく必要がなくなる。利用者のほうもいちいち席を離れて雑誌を取りに行かなくても済むし、メリットはあるはず。

 このようにいくつか利点を書いてみたけど、これはハッキリいって素人考えに過ぎないので、プロの人から見れば穴だらけな意見ではあると思う。でもプロの人たちが考えて煮詰めていけばそこそこいけるんじゃないかな。iTunesとか見てると、まったくできない話でもないんじゃないかと思ってしまう。今もネット上でのマンガ販売自体は行われていて、成功したって話はあまり聞かない。成功してるのもあるかもしれないが、成功していなかったとしてもまあ当然かなと思う。ああいうところで販売されているのは過去の作品ばかりで、「今の読者が今読みたい作品」じゃないんだから。今雑誌に載っていて知名度も話題性もある作品が、すぐWebで読める。そういうことやってくのが重要なんだろうなと思う。


11/15(火)……超巨牛調教師

【雑誌】漫画アクション 12/6 No.24 双葉社 B5中

 最近は国友やすゆき「新・幸せの時間」が楽しくて仕方がない。ストーカーOLの遠藤に誘われるまま、一緒に飲みに行った主人公・牧原良介。その途中で遠藤さんがトイレに中座するが彼女がなかなか戻ってこないので様子を見にいった牧原だが、なんとびっくり、遠藤さんはトイレで全裸になって、牧原を待ち受けていたのでした……という素晴らしい展開を見せたのが前号。そして今回は、遠藤さんが牧原に迫る。遠藤さんの突飛すぎる行動とその後のベタベタなエロシーン、さらに帰宅後の牧原を待ち構えていた婿入り先家庭の冷たい応対などなど、たたみかけてくる展開がステキすぎる。国友やすゆきは常に期待を裏切らないが、この作品はとくに国友イズムが極まっていると思う。これだけ心酔しているのに単行本は買う気はちっとも起こらない。それが国友。ぼくたちの好きな国友。

 相原コージ「真・異種格闘対戦」。これもけっこう面白い。今回からハイイロオオカミvs.土佐犬の戦いに突入するわけだが、その冒頭で久しぶりに人間が登場。能條純一パロディをやってて笑ってしまった。コマ割りまでソレっぽくしてて、うまいなーと思った。湯浅ヒトシ「耳かきお蝶」は毎度いいです。今回は巻中カラー。扉絵のお蝶さんがとても色っぽい。シンプルでスゥッと抜けるような描線が粋で美しい。またお蝶さんと元侍で彫師の正吾さんの恋愛感情が深まるにつれて、お話にも艶っぽさが増している。ときどきしか載らないけど絶好調。次号も掲載なので楽しみ。あと次号から、コージィ城倉が野球漫画の新連載を開始するらしい。相変わらずパワフルですなあ。アオリ文句が「ヘンな野球漫画始まる!」とのことなので、期待も高まろうってもんです。

【雑誌】近代麻雀 12/15 竹書房 B5中

 青山広美「東風のカバ」。謎の雀師「黒蜥蜴」は、河馬山の師匠だった黒影なのか……といった疑惑を色濃くしていきながら、新たな対局に突入。その相手はこれまた意外な人だった、ってなわけで次から次へと仕掛けを用意してお話を盛り上げている。展開がスピーディで話作り、ハッタリも利いている。青山広美は漫画うまいなあといつも感心させられる。鈴木あつむ「ドラは抱いて死ね」。父親と同様に雀プロになった息子が、麻雀を通してけしてドラは捨てないという雀風を守り通した父を想いを知るというヒューマン・ストーリーといった感じの読切。まとまったお話なんだけど、最後のコマは逆効果だったかも。ドラ表示牌に息子の名前「道夫」とデカデカと書いてある絵に、ちょっと笑ってしまった。あと片山まさゆき「打姫オバカミーコ」が来春からスカイパーフェクTVのch.279「MONDO21」で連続ドラマ化されるとのこと。

【雑誌】ビジネスジャンプ 12/1 No.24 集英社 B5中

 やまさき巧味の新連載が開始。タイトルは「手騎 −テキ−」。今回もお得意の競馬モノで、主人公は元騎手である調教師の青年。昔、調教師は騎手が引退してなる人が多かったので「騎手」が転じて「手騎=テキ」と呼ばれるようになったのだとか。作:倉科遼+画:紅林直「嬢王」。展開がますます大がかりになってきて面白いです。キャバクラ嬢日本一を決めるバトル「Q-1グランプリ」を開催中のレジェンドに対し、挑戦してくる新たな勢力が登場。今度はホストまで巻き込んでの大バトルになりそうな感じ。ただ単に夜の世界を描くだけでなく、そこに格闘技的な対決要素も盛り込んで、ハッタリの利いたお話に仕立てている。バトルあり、人間ドラマありで飽きさせない作り。夜の世界の話ながら、少年誌漫画チックでもあり、とても面白いです。

【雑誌】漫画サンデー 11/29 No.46 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:和気一作「女優」は99話め。女優として返り咲いた瞳だが、そちらに専心するあまり、子供の世話がおろそかに。それが今後大きな問題に発展していくらしい。まだどういうふうになるか分からないけど、子供が成長してクスリとかやり始めたりするのかなーとか憶測。作:鍋島雅治+画:花小路ゆみ「名探偵マダム・ホームズ」。今回のホームズさんは色っぽくてええですね。チャイナドレスで胸元開いてる姿がグッとくる。


11/14(月)……載せ忘れの世話すれど

【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.36 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 志村貴子「青い花」がいいですね。百合系のラブラブストーリーを鮮やかに展開。恋人である女子先輩や初恋の人であったあーちゃんを思って胸をトキめかせたり悶々としたりするめがねっ娘のふみちゃんがすごくカワイイ。その初々しい様子は、見ているだけでたまらんものがあります。単行本1巻は12月中旬発売予定。まとめ読みするのがとても楽しみ。オノ・ナツメ「リストランテ・パラディーゾ」は、いつもながら老眼鏡おじさん好きが極まってて面白い。絵柄はオシャレでありながら、作者の萌え心もいかんなく発揮されていて素晴らしい。そのほかでは、松本次郎の読切「革命家の午後」と、沙村広明「ブラッドハーレーの馬車」3話めが掲載されてそれぞれの味を発揮。「ブラッドハーレーの馬車」は少女がたいへん悲惨な末路を迎えた前回で終わりかなと思ったら、さらにやってくるんですな。どんなシドいことをしてくれるのか、楽しみにしております。この人はヒドいことやればやるほど輝くところがあるからなあ。

 あと今号には、三宅乱丈「秘密の新選組」用の手描きPOP特集が。おがきちか、小田扉、小野塚カホリ、オノ・ナツメ、志村貴子、高口里純、高橋しん、田村マリオ、松田洋子、宮本福助、安田弘之、やまだないと、山本直樹、渡辺ペコの描いたPOPがカラーで掲載されている。作品本編のほうも、近藤が乳房を生やしたまま幕臣への道を爆進し始めたり、沖田の様子に狂的なモノがまじってきたりで、だんだん盛り上がってきた。

【雑誌】ヤングキング 12/5 No.23 少年画報社 B5中

 主人公がデカチン近藤から、女の子みたいな可愛い刑事・沖田祐に代替わりした佐野タカシ「イケてる刑事」が再登場。サービスシーンてんこ盛りでドタバタ劇を展開。女装ネタはもちろんあるし、パンチラもふんだんに用意。なお佐野タカシは今回は「イケてる2人」との2本立て。2作ともきっちり楽しく仕上げており、相変わらずの精力的な仕事っぷりに感心。宮尾岳「並木橋通りアオバ自転車店」。今回もまたアオバ自転車店のその昔のエピソード。アオバパパとママが高校生だったころ、どのようにして出会ったかを描いていく。初々しく爽やかなエピソードに仕上がっていて微笑ましいですな。

【雑誌】ヤングマガジン 11/28 No.50 講談社 B5中

 新井英樹「RIN」。世界タイトルを奪取した後、テレビ番組に出演することになったリンが、スタジオで大暴れ。傍若無人、無礼、奔放、常識ハズレのハチャメチャな行動で騒動を巻き起こす。いや〜本当にむっちゃくちゃ。不愉快だけどその拳の冴えや才能は見ていて痛快至極。すごいキャラです。面白い。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/28 No.50 小学館 B5中

 スピリッツ25周年記念読切の第1弾、山本直樹「青空」が掲載。ヤク中の女のエロチックだけれども淡々とした日々を、淡々と描いていく。いかにも山本直樹らしい不思議な感触の作品。 花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。チンピラにボコボコにされて何もできなかった田西は深く落ち込む。でもそれをちはるちゃんが元気づける。いや〜今回もちはるちゃんはかわいいなあ。トキめきましたよ。表情もいいし。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。山岡たちがついに究極のメニューを完成に向かわせようと一歩踏み出すも、雄山はそれを一喝。これはすごく負けパターンっぽいけど、最近の傾向からして「意気込みを評価して」みたいな適当な理由で引き分けにしそうな気もする。このところ引き分け率高いよね。小田扉「団地ともお」。コンビニにーちゃんの素敵な兄2人のお話。最後のセリフとかクサいけどカッコイイですな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/28 No.50 集英社 B5平

 大亜門「太臓もて王サーガ」。太臓の妄想シーンではあるが、あいすが顔を赤らめて恥ずかしがるシーンは萌え度が高かった。ギャグの印象が強いけど、大亜門の描く女の子キャラって何気にけっこうかわいい。スピンちゃんとかも良かったし。

【単行本】「のせわすれ」 師走の翁 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 今回は短編集。「女教師中善寺綾乃の淫鬱なこれから」(2005年10〜11月号)、「巨根は商売なり!」(1999年4月号)、「捜査e係石原魅奈!!」(2003年11月号)、「ヨシモト!」(2003年1月号)、「しょほぅせん」(2001年5月号),「LOVERINTH(2000年2月号)、「PEACH家庭教師」(1999年11月号)を収録。初出誌はいずれも阿ウン。

 最近は続きモノの「シャイニング娘。」シリーズがずっと続いていたけど、短編のほうもしっかりエロい。とくに最新作の中善寺綾乃シリーズがイイ。キャラも立っててエロの内容もすこぶる濃い。お話のほうは、女生徒とラブラブレズカップル状態にある女教師の綾乃先生が、ちんこを生やす黒魔術があると聞きつけ、とある男子生徒に相談を持ちかける。しかしちんこを生やすためには、特殊な球根をアソコに埋め込み、100発の精液を吸収しなくちゃいけない。てなわけで綾乃先生は、恋人である女生徒に隠れて、その男子生徒と100発のエロ行為に挑むのでした……という内容。最初は強気でツンケンした感じもあった綾乃先生が、カノジョの誕生日までという短い間に100発をこなしていくうちに、だんだん頭がトロけていく様子がたいへんエッチ。エロシーンもいろいろ趣向が凝らされていて、コスプレしたり学校の教室やトイレ、屋上でしてみたり。綾乃先生のたいへんグラマラスなボディも実にエロっちいです。2話だけど、これだけで80ページくらいあるしボリュームもたっぷり。

 このほかの短編についても、発表時期がバラバラなんで絵にバラツキはあるものの、それぞれ楽しめる。師走の翁でいつも素晴らしいと思うのは、サービス精神にあふれていること。エロももりだくさんだし、お話や端々のギミックなどでもいろいろ読者を楽しませようとしている。あと作者自身も楽しんで描いているように見える。単行本でもガシガシ描き足しとかしてくるし、それが別に不具合修正とかじゃなくて、描きたいものがどんどん出てきちゃった結果であることが伝わってくる。エロエロでありエンターテインメントでもある。大したもんです。


11/13(日)……農産級

【単行本】「TOKYO DRIVE」1巻 井上三太 講談社 A5 [bk1][Amzn]

 「TOKYO TRIBE2」からバトルの要素だけ抜き取ったみたいな、現代の若者のダラダラ日常漫画。その漂うオシャレ感に反発を抱く人もいるかもしれないが、個人的にはこういうのけっこう好き。肩が凝らず、すごく気楽に読める。「あ〜、なんか楽しそうだなあ」という微笑ましさもある。ファミレスのドリンクバーのココアをおいしく飲む方法とか(エスプレッソを混ぜるのがコツなんだそうな)、細かなディティールがちゃんとしてるところも良いと思う。あとイイ男キャラの人はわりとどうでもいいんだけど、お調子モノでデカい乳倫が好きで鼻フェチな軽いあんちゃんは見てて面白い。登場人物は、なんか吉野家の豚丼をちょくちょく食ってそうな人ばかり。そういう気安さがいいです。

【単行本】「スティール・ボール・ラン」6巻 荒木飛呂彦 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 レースは怒涛の勢いを止めることなく3rdステージに突入。このステージではディオがいよいよ秘められていた力を発揮し、ジョニィやツェペリを窮地に陥れる。最初のころほどのワクワク感はなくなってきているものの、ハッタリは利いててまだまだ面白い。とにかくキャラが立っているのが強い。掲載誌が連載途中で週刊少年ジャンプからウルトラジャンプに変わったが、その分連載展開は早めにしてほしいかなという気はする。週刊だと12回やっても3か月だけど月刊だと1年になっちゃうんで、週刊ぺースでやられるといつまで経っても終わらない。あまり引っ張りすぎることなく、サクサク進めていってほしいところです。

【単行本】「ドロヘドロ」7巻 林田球 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 カイマンが魔法使いの世界のほうに行っちゃって冒険。ニカイドウを救い出すべく、いろいろ頑張る。事態はますます混沌としてきているけど、常に飄々とした雰囲気が漂ってて楽しく読める。あとこの作品に出てくる食い物は相変わらずうまそう。最近はギョーザはあんまり出てこないが、ここしばらくはうまいパイが頻出。たくさん食べると鼻がテカテカになりそうだなあとか思ったりはするものの、なんかああいうモサモサしたものをもりもり食いたいという欲求を駆り立ててくれる。自分は本当に食べ物ネタに弱いなあ。

【単行本】「ノーサンキューノーサンキュー」 土田世紀 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 「ノーサンキューノサンキュー」「バカ」「HOT MOON」「恋はどうだい」「キャット空中一時停止」の5本を収録した単演習。基本的に青春モノの作品が揃えられている。収録作品の中では「恋はどうだい」が好き。観光資源は全部どっかのマネっこばかり、民度も低くて非常に下品なはきだめのような町に住む少年が主人公。彼が都会からやってきた転校生の少女に恋したことで、ちょっと前向きなことをしてみるのだが……というお話。町の最低っぷりが極まってる様子が面白いし、スチャラカした展開も軽妙。そのほかの短編はわりと真面目っぽくてそちらはそちらでまとまっているけど、この作品はスコーンと抜けた味があって、どっちかといえばこちらのほうが好み。

【単行本】「真夜中のヒゲの弥次さん喜多さん」 しりあがり寿 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 「弥次さん喜多さん」シリーズのヒゲのあるバージョン。今回は黄門さまはおらず、二人がふらふらさまよい歩くのみ。その分目的とかはなくて、淡々とした印象は受けるかな。なお本の作りに関しては漫画のページの描線類は基本的に全部青で印刷されているが、ヒゲだけは全部黒というちょっと変わった2色印刷となっており、そのおかげでヒゲが目立つこと目立つこと。それも含めたトボけた味がポイントな作品。


11/12(土)……転移やー

▼気にされてる方もおられるもしれませんが、ここしばらく、コミックビーム/バーズの収録作品リスト、各作家の単行本リストなどを全然更新しておりません。最近日記の更新も遅れがちだし、「コイツはもうやる気がないのだろう」と見限られている方もいらっしゃることでしょう。ただ、いちおうやる気だけはまだありまして、更新未了分の単行本や雑誌は、今も机の周囲や足元に積んであります。いい加減作業エリアを圧迫するほどの冊数になってきたんで、なんとかしようとは思っているのですが、今の自分はどうにも気力不足。たまればたまるほどおっくうになっちゃっておりまして。そのうちやるのかやらねぇのか、白黒ハッキリつけるつもりではあります。

【雑誌】コミックビーム 12月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 ついに創刊10周年! 何度も休刊の噂が出たりしつつも、少しずつアニメ化作品なども増え、最近では利益がそれなりに出るようになってきたとか。とにかく「面白い漫画を作ろう」というやる気が感じられるし、自分たちが正しいと思うやり方を貫いている姿はたいへん頼もしいし、眩しく映りさえする。あと今号には、ビームに関わった作家さんのおめでとうページもいっぱい掲載されてて、しみじみした気持ちになりました。連載漫画のほうで、10周年記念っぽいのはわりと少ないかな。金平守人がそういうのをやってるくらい。

 連載については、最近タイム涼介「あしたの弱音」がイチオシ。このところ、この作品のセリフの数々にはシビれることが多い。今回も「将来なんかとっくに始まってんだよ」という言葉がズンと来た。最近の弱音は本当にシブい。桜玉吉改め奥村勝彦「御緩漫勝日記」。編集長・奥村氏に勝手に姓名判断されておちょくられて激怒した、奥村勝彦(旧PN・桜玉吉)による怨念漫画。これだけ大人げないことを10周年号でやっちゃうのが素敵。新谷明弘「ペット脳」。タイトルどおり、脳みそをペットとして育成していく漫画。パッと見は地味だけど、ヘソの周りにクリームを塗って接続する飼育器とかその使い方とかがちまちま描写されてて楽しい。なんかカブトエビとかシーモンキーの飼育セットをいじってるような、手作り感覚がいいですなあ。これは自分でも一つ飼ってみたいという気になる。

 森薫「エマ」は、メルダース家に舞台が戻る。今回は、エマのお友達であるターシャさんがメイン。普段はドジッ娘だけど情に厚い、いい娘さんです。志村貴子「放浪息子」。ちょっとタッチをイジって来てるかな? カケアミ部分が増えて、ざっくりサバけた感じのテイストを出してきている。こちらもなかなか悪くない感触。入江アキ「群青学舎」。遊び人風な男子が、ツンケンした女の子につきまとって求愛。これはツンデレでしょうか。まあまだ「デレ」というほどでもないですが。けっこう萌えました。

 安永知澄の集中新連載「わたしたちの好きなもの」は、原作を河井克夫が担当。とある田舎町に住む少女が主人公。彼女はけっこうかわいい平凡な女子高生なのだが、彼女が好きになった男の子がどこへともなく失踪してしまうということが続き、恋をすることに臆病になっている。そのたいへん意外かつ不気味な真相が、1話めでは描かれる。端整な絵柄だけど、不穏な雰囲気を漂わせており、まずはインパクトのある出だし。河井克夫もユニークな作品を描く人だし、この二人のコラボでどんな作品が生まれてくるのか楽しみにしてます。

【雑誌】別冊マーガレット 12月号 集英社 B5平

 中原アヤ「ラブ★コン」。小泉のじいちゃんがフラリと現れて、大谷との交際に大反対、実力行使を始める……という展開。ヒドいじーちゃんだなあとは思うものの、ドタバタした内容できっちり楽しいです。あと映画化決定で、来年夏公開予定だとか。河原和音「高校デビュー」は連載再開。幸せ一杯でやたらテンションが高く、底抜けに明るい晴菜の様子が見てて面白い。お話のほうではヨウと昔関係があったっぽい女の子が出てきて、暗雲漂う感じではありますが。ラブコメとして申し分ない面白さを維持していると思います。

【雑誌】comic天魔 12月号 茜新社 B5平

 今号は新鋭の2人が良かった。まず、けものの★「鷹条学園おちんちん部」。お嬢さま学校で、おちんちんを愛しその魅力を探求するという部活をやっている、おちんちん部の3人娘が、楽しげにおちんちんをしゃぶりまくるというお話。風変わりな設定が面白いし、茶目っ気のある絵柄もフレッシュでいい感じ。おちんちんをねぶる表情がエロいし、さんざっぱらおちんちんを愛でておきながら、セックスだけはしないというのもなかなか面白い。それから初登場の廣田眞胤「Behind The Smile」は、かすれたような描線とスッキリした画風が特徴的。ちょっとゼロの者に近いタッチ。ヒロイン女子の誘うような悩ましい表情もグッド。

 えびふらい「突撃!隣のお姉さん」。隣に住んでる年上のお姉さんが、主人公に迫ってくるという内容。お姉さんのマイペースぶりが楽しいが、ちょっぴり切ない風味も漂わせてうまくまとめている。さすがにキャリア長いだけあってうまい。それにしても今月号は、表紙がうるし原先生のおっぱいがどどーんと出てて、裏表紙は「人妻逆ナンパ」という文字がデカデカと印刷された広告。そして背表紙もうるし原先生。どの向きで置いても放置しておきにくい雑誌ですなあ。

【アンソロジー】CRAFT vol.26 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]

 山本小鉄子「ドキドキレンアイ」が面白かった。おさななじみの少年2人が紆余曲折の末、カップルになるまでを描いた「晴れてボクたちは」の続き。周囲の目は気にしつつも、初デートしてみたり、少しずつステップアップしていく二人の様子が初々しくて微笑ましい。片方が背がデカくて片方がちびっちゃいせいか、なんとなくBL版の「ラブ★コン」みたいな雰囲気。

【単行本】「はるか17」9巻 山崎さやか 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 「TVドラマの最終回からの続きがだいたい読める」と帯に書いてあるけど、ドラマではどこらへんまでやったのかな? まあそれはともかくとして漫画のほうは堅調に面白いです。大手プロダクションにたてついたせいで、はるかおよび所属事務所が業界からホサれかける苦しい展開。でもそれがかえって自分の演技を見直すきっかけともなって……という感じで、禍転じて福となすような展開。ちょっとはるかが才能ありすぎかも、って感じがしなくもないけど、まあショウビズの世界のお話なんで、このくらい夢があってもいいでしょう。はるか自身は地味な性格かつ頑張り屋さんなので好感は持てるし。


11/11(金)……義父と剣

▼Amazonでポイント還元の11月いっぱいが期限のギフト券があったので、エロティクスFのVol.36[bk1][Amzn]を注文していたんだけど、「24時間」となってた奴が1〜2週間ほど遅れるというメールが来たのでキャンセル。bk1で注文し直す。やっぱ本だけ買うなら断然bk1だな……。Amazonだと送料無料の金額に届かないときに、CDやDVD、消耗品だのなんだので埋められるから、それはそれでいいんだけど。

▼日記の更新が、日付の2日遅れという状態がデフォルトになりつつあるのでなんとかしたいところではありますが……。アニメ視聴は手が回らなくなってきたので「アニマル横町」「かりん」「SHUFFLE!」「BLOOD+」の4作は視聴中断。「アニマル横町」は面白かったけど伸びはないかな?と思ったんで。「SHUFFLE!」は10話くらいためこんじゃってて、今から追いつくのもキツいかと判断。「BLOOD+」は盛り上がってこない。Production I.Gらしい真面目な作りが裏目に出ちゃってて退屈。なんか「B級アクション」というモノの輪郭だけをなぞっているような印象を受ける。キャラクターにもう少し魅力があれば継続してたかもしれないけど……。

 といったわけで現在残しているのは以下の16本。なんとか1日2本強ぺースに収まってきた。点数は6点標準で、「甲虫王者ムシキング」はちょっと未視聴分がたまっているので暫定評価。で、今季は今のところ「蟲師」が群を抜いてる感じ。映像のクオリティが高く、蟲が引き起こす現象や自然の風景を非常に美しく描けている。正直なところ「こんなにうまくアニメ化してくるとは」と驚いた。「ノエイン」はまだ物語的にはなんともいえないが、特徴のあるキャラデザで、絵のほうもしっかり動いている。「舞-乙HiME」は前作の終盤がかなり厳しかったのであんまり期待してなかったんだけど、ここまでは健闘。このまま「極上生徒会」みたいな楽しい学園モノ的な感じで行ってくれるといいんだけど……。「ローゼンメイデントロイメント」は、前作と比べるとちょっと作りが雑かなという印象を受けるが、まあキャラは完全に立ってるのでとりあえず安心して見ていられる。

 あとヘンな魅力があるのが「SoltyRei」と「ラムネ」。「SoltyRei」は、安くてヘタレた感触がいかにもGONZOくさい味で、妙な面白さを発揮中。さすが「スピードグラファー」の後番。この良くも悪くも印象に残る作品を作ってしまうGONZO風味は、Production I.Gとはなんだか対照的。「ラムネ」は、おさななじみカップルやその周辺の人々のラブコメ脳っぷりが驚異的。あまりのベタベタさ加減に虚を衝かれる。なかなかパンチ力のある作品だ。「交響詩篇エウレカセブン」は回を重ねるごとにどんどん評価を落としている。振り返ってみると、半年かけても謎がまるっきり明らかにされておらず、2クール分すべてを前振りに使った、ヘンな意味で豪勢な作品となっている。しかし絵は好きだしキャラも悪くないので、捨てるに捨てられない。鶏肋的作品。

7.5 「蟲師[Amzn]
6.5 「ノエイン もうひとりの君へ[Amzn]
6.5 「舞-乙HiME[Amzn]
6.5 「BLEACH[Amzn]
6.5 「ふしぎ星の☆ふたご姫[Amzn]
6.5 「ローゼンメイデン トロイメント[Amzn]
6.5* 「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説[Amzn]
6.0 「ガン×ソード[Amzn]
6.0 「ARIA The ANIMATION[Amzn]
6.0 「SoltyRei[Amzn]
6.0 「絶対少年[Amzn]
6.0 「はっぴぃセブン 〜ざ・テレビまんが〜
6.0 「交響詩篇エウレカセブン[Amzn]
6.0 「ラムネ
5.5 「Canvas2〜虹色のスケッチ〜[Amzn]
5.5 「灼眼のシャナ[Amzn]

OHP月極アンケートの11月分「宇宙モノ」。好きな人は非常に好きというテーマということもあり、最近のアンケートの中ではわりと好調。やはり「適度に好きな人がいて」「作品数が多すぎず少なすぎず」というテーマがアンケートとしては良いのだろうなあと思います。まあせっかく出だし好調なんで、ここらへんでロケットの2段めに点火したいなあとか思って話を出してみました。

【雑誌】ヤングアニマル 11/25 No.22 白泉社 B5中

 巻頭グラビアで、甘詰留太がデザインしたコスチュームを中川翔子が着るというのをやってて、ちょっと面白い。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。下らなくてけっこう好きな作品。素顔だとすごく弱気で内気、でも実はデスメタルなバンドでカリスマボーカリストをやってる男が主人公。メイクするや否や、むちゃくちゃ暴力的な言葉を連発するギャップの激しさが笑える。作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。アクシデントにより、川越のことが好きだということがバレてしまった管理人さん。二人がなんともいえない状態でテレテレしまくるあたりがたいへん微笑ましくて良いです。読切、郷間秀敏「必殺子連れ蹴球人」は、子連れの雇われストライカーが主人公のサッカー漫画。村枝賢一のアシであったと思われる人は、各所でけっこう見ますね。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 11/25 No.23 小学館 B5中

 作:桂望美+画:今谷鉄柱「県庁の星」が新連載。県庁ではエリートだったが、研修で民間企業に出向させられたエリート役人のお兄ちゃんが、研修先のスーパーマーケットでさまざまな体験をすることとなる、という作品。大和八重子「雨の判決」。こちらは短期集中連載。夢を抱いて裁判官を目指した青年が、実際になってみて、その現実に絶望するが……という法定ドラマ。どちらも専門職漫画としてはまあ手堅く行きそう。国友やすゆき「社買い人 岬悟」。あ〜、やっぱりやっちゃうんですか、岬さん。どんどんベタなほうへベタなほうへと進むストーリーが、国友ファンにはこたえられません。

【雑誌】コミックバンチ 11/25 No.50 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」が巻頭カラー。ホテルに新たなサービスを加えるべく、従業員の人たちが知恵をしぼり、アイデアを出し合うというお話。ただ今までのやり方を守ったり壊したりするってだけでなく、いろいろ考えている様子がけっこう面白い。

【単行本】「ユキポンのお仕事」10巻 東和広 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 毎回手堅い。ギャグに徹した回もあれば、ユキポンとあけみちゃんが出会ったころのエピソードとか心温まる話なんかもあり、いつも楽しく読める。また今回は、平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」とのコラボ作品も収録。ゲンさんと一緒でも、なんだかまったく違和感がない。両人ともけっこう器用なんですな。あと巻末の黒田硫黄テイストのおまけ漫画2Pも面白かった。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」20巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 こちらにもまた別の「ユキポンのお仕事」との合作漫画が掲載。下品なだけでなく、シュールなネタも多いし、ときどきハッとするようなキレのあるネタも仕込んで来る。シリアスな「俺と悪魔のブルーズ」も素晴らしいし、単行本ではおなじみのゲンさんがさまざまな方法で死ぬ、身もふたもない4コマ漫画も好き。その引き出しの多さにはいつも感心。あとどうでもいいことなんだけど、自分はゲンさんより年上なんだなあとか思った。

【単行本】「花縄」3巻 作:小池一夫+画:森秀樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もゴツくてシブいドラマを展開。不治の病にとりつかれた鬼平と、その手足となって働いている花太郎が、念願の石川島人足寄場を作るため奔走。そのために、田沼意次や、江戸の盗人の元締め的な存在である大泥棒・日本左ェ門らに迫っていく。男と男が命を張り、全身全霊をぶつけ合っていている様子が激しくてアツい。ガッシリしたお話作りでいつも読みごたえがあります。

【単行本】「闇金ウシジマくん」3巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も刺激的にお話を展開。ウシジマ(というかその金)を狙うチンピラのせいで、ウシジマの部下たちおよびその顧客リストが窮地に陥るが……といった感じで展開。人間の浅ましさを赤裸々に描いたドスの利いたお話は緊迫感あり。エグい取り立てとか、ドス黒い人間模様とかももっと見たいところではありますが。

【単行本】「ラバーズ7」4巻 犬上すくね 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 結局ラバーズ7に戻ったひろみ君を取り返すべくやってきた、卓球部の岩永さんがかわいいなあ。あとヤクザだけどヘタレてるムネノリのあんちゃんが萌え度高めなキャラといえましょうか。みんな奥手で恋愛模様の進展が遅くちともどかしくなったりはするんだけど、時折ラブコメ度が高まったりするシーンの近辺については甘ったるくて良い感じです。


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