つれづれなるマンガ感想文1月前半

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「つれづれなるマンガ感想文2002」12月後半
「つれづれなるマンガ感想文」1月後半
一気に下まで行きたい



・「パチスロ7Jr.」 2月号(2003、蒼竜社)
・「ヤングコミック」2月号(2003、少年画報社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング」(テレビ東京)
・「ヤングゴラク 特集ヤンキーズ」週刊漫画ゴラク増刊 7月31日号(2002、日本文芸社)
・「近代麻雀」6月1日号(2002、竹書房)
【アニメ】・「ななか6/17」 第1話「きりさとななか、6さい!」(2003、テレビ東京)
・「週刊漫画TIMES」11月22日号(2002、芳文社)
・雑記(ただの雑記)
・「ウォーB組」2月号(2003、マガジンマガジン)
・「POP-ZONE」Vol.1(2002、リイド社)
・雑記(藤本関連3)
・「ちゃお」1月号(2003、小学館)
・「パチスロ7Jr.」 11月号(2002、蒼竜社)
・「パチスロ7Jr.」 12月号(2002、蒼竜社)
・「パチスロ7Jr.」 1月号(2003、蒼竜社)
・雑記(藤本関連2)
【映画】・「AIKI」(監督・脚本:天願大介、2002、日活)
・雑記(藤本関連)
【記事】・「日本おっぱい選手権を開催す!」(2003、週刊現代 1月18日号)
・雑記
・「エルフェンリート」(2) 岡本倫(2002、集英社)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第40話
【同人誌】・「みるく☆きゃらめるのムスコ」 石川ひでゆき(漫画)、吉本松明(文章)(2002、みるく☆きゃらめる)
・「桃色乳(にゅう)タウン」 ながしま超助(2002、双葉社)
・「げんしけん」(1) 木尾士目(2002、講談社)
【テレビ】・「おはスタ年忘れスペシャル!」(2002、テレビ東京)
【コラム】・2002年 J−POPベストソング
【コラム】・特定の文化ジャンルにおける「説明」の価値について
・「魔法陣グルグル」(14) 衛藤ヒロユキ(2001、エニックス)
・「魔法陣グルグル」(15) 衛藤ヒロユキ(2002、エニックス)






・「パチスロ7Jr.」 2月号(2003、蒼竜社)

「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、仲間たちが実家に帰るなどそれぞれの年の瀬を過ごす中、帰るところもない堀田と飯塚が文句を言い合いながらも二人で正月を迎える。

何度も書いているが、本作は「等身大のアウトロー感」みたいなものがすごく出ている。堀田がパチスロ店内で人違いしてしまい、自分の孤独に気づく感じのところとか、しみじみする。
最近は、マンガ全般としてまっとうな道からはずれたキャラクターはスーパーヒーロー化するか、リアリティを出すためかなりえげつなくなるか、逆にとことんダメ人間になるか、という傾向があるような気がする。が、本作にはダンディズムがあるのでしみじみとした中にもカッコよさがあって、良い。

単行本第1集が、総合図書から2月27日発売。

「SLOCA(スロッカ)」押山雄一は、連載第3回。20××年、スロット・パチンコが撤廃された世界で、裏カジノにおいてスロットは生きていた……カードゲームにかたちを変えて。という、パチスロのマンガなのにパチスロの機体が実物としてはいっさい出てこない不思議なマンガ。
「スロットをカードゲーム化」したから「スロッカ」。しかも、ホログラム映像の自分ソックリのキャラクターが、出たカード通りの行動を示すというビジュアル面の装備も付いている。

前回からの続きで、主人公の相田翔がカードバトル。今回出たカードは「いつでも笑みを」、「機械が見る夢」、「熟年プロの成れの果て」など。カードのネーミングがなんか独特だ。 しかも、勝敗がカードの駆け引きではなく、パチスロの裏ワザにすり替えられてしまっていてよくわからない。しかしこの「スロッカ」という設定は実に画期的だと思う。

「バウンドYo! Hey!」萩原はっさく、原案:よーへいは、短期集中連載前編。「1日千円だけ打って、月のトータルをプラスにしていこう」という企画のマンガ化。このマンガのよーへいという人の顔はエレキコミックのモジャモジャ頭の方みたいだなと思った。写真も載ってるから見たら、ぜんぜん似てなかったけど。

「花と散れ!」マーチン角屋は、読みきり。現金輸送車から金を強奪した男がパチスロ店に入り……という話。う〜ん、オチはちょっと読めたような気が。
(03.0113)



・「ヤングコミック」2月号(2003、少年画報社)

かなりH寄りの雑誌。いや、Hマンガ誌と言っていいのかな? コンビニ売りだけど。エロなしのマンガを完全に除いた週刊漫画アクションみたいな感じ。
漫画アクションもさまざまな(むろんいい意味で)バカ度の高い作品を生みだしてきているが、本誌はまた角度の違ったバカテイスト漂う作品が多い。

「街角パンチラ図鑑」葉月京は、1ページもののカラーイラスト。八神ひろきや小谷憲一などと違って、この連載って本当に「パン『チラ』」だ。もうちょっと大胆に見せてもいいと思うが。

「エロキング −雨宮淳の無謀な挑戦−」あまみや淳子は、作者自身を主人公とするエロマンガになるらしい。あまみや淳子ってのは、雨宮淳自身だと思う。たぶん。
確か雨宮淳は、もう十何年も前に「漫画ブリッコ」かなんかで、自分を主人公にしてなんだっけなー、編集者だか知り合いのHマンガ家だかを包丁で刺して回るという妙なマンガを描いていた記憶があるが。あと、メジャー誌に行ったみやすのんきに誌上で「もっとエロマンガを描け!」と呼びかけたりしてなかったっけ。
もともとそういうメタ的な展開が好きなんだろう。
作者が現在45歳というのが本当だとすると、ここら辺の世代の人って作者自身が作品内に登場したり、作中の登場人物が自分たちのことをマンガのキャラクターと自覚していたりと行った手法をけっこう好んでいるような気がする。そういうのが過去にあんまり無かったということもあるし、あと筒井康隆の影響とかですかね。なんだろ。

こうしたメタ的な方法論以上に驚かされたのは、キャラクターの顔がますますロリ顔で目が大きくなってイマ風に「萌え」風になっているということ。とにかく最近の萌えキャラは目が大きい。

「透明社員」山田こうすけは、ひと言で言って「Oh! 透明人間」のサラリーマン版。しかし、透明になる方法が「左手でオナニーして射精寸前でガマンする」という究極的にクダラナイ方法。

「ファミレス戦士プリン」ひきの一志は、ウワサには聞いていたが聞きしにまさるクダラナイマンガ。今回は、美少女のプリンちゃんが店長のシュウタくんを家に招待するが、プリンちゃんソックリのお母さんがしゃしゃり出てきて……という話。
プリンちゃんは語尾に「なの」を付けるのだが、その付け方が「ちょっとー 何やってるなの」とか「恥ずかしいなの!」とか、「大丈夫ですかなの」とか「わーいなの」とか。めまいが……。

「純情少年まもる君」白虎丸は、文字どおりの純情少年まもる君が、「まもる君X」というドリンクを飲むと相手を自分の思いどおりにできるというマンガ。今どき「ビッグX」……。何でもありなドリンクの設定……。めまいが……。

「女子アナの王道」久寿川なるおは、個人的にけっこう気に入ってるマンガ。単行本第2巻、1月30日発売予定。
女子アナの王道茜(おうみち・あかね)は「無意識に男を喜ばせる女」。今回は、妹の渚が女子アナになりたい、というのでやめさせようとする(なぜかは過去のエピソードを知らないのでわからん……)。
「早口言葉ができなかったら服を一枚ずつ脱いでいく」という研修を見せて(もちろん自分がやる)、渚をあきらめさせようとする。
女子アナ主役のHものの中では、けっこういい方だと思う。ものすごくありえない話なんだが、ちゃんと女子アナという設定を活かしてるし。そして、久寿川なるおは小柄な女の子を描くのが得意。小柄といっても、おチビさんって感じじゃなくて、なんかかわいらしいタイプの。

「まりこと魔罹子〜痴ェンジしちゃおうかな〜」にわのまことは、読みきり。今回BOMBER GIRL CRUSH!はナシ。気弱なOL・まりこが、ツチノコのような妖精に助けられて美しい痴女に変身、好きな男とやりまくる。

「怪盗ブルマー」北河トウタは、ブルマーを履いた美少女怪盗が病院にナース姿で忍び込む。めまいが……。

「ギリギリズム」大見武士は、ギャグマンガ。10歳年下の従兄弟のオナニーを見てしまった色っぽいおねーちゃんが、どう対処していいかわからずドツボにはまってゆく。このおねーちゃん、スゴイいい人だなあ。

他にはかわもりみさき、タナカ☆コージ、群りゅうせい、チャーリーにしなか、谷村ひとしなど。
4コマではさんりょうこ、荻野眞弓、白虎丸(なぜ4コマも同じ雑誌で描いているのか?)、志田桂子、ヒデナリ。
(03.0113)



【テレビ】・「ハロー! モーニング」(テレビ東京)

公式ページ

私はやっぱり、「モー」に関して真のファンではないと思うんだな。だから、マジファンの人には警戒され、何の興味もない人にはファンだと思われているというコウモリのようなスタンスになってしまっている。

最近藤本のことばっかり書いてるが、これは藤本そのものよりも、それに対するネット上のファンの意見に対して思うところが多いからなのだった。

さて、今週から西洋のお姫様のかっこうをした後藤真希が、「賢者」に面白いことを言われてもちっとも笑わない「笑わん姫」に扮する「投稿! 笑わん姫」というコーナーがスタート。投稿されたハガキのネタを読んで、ゴマキが笑ったら投稿した視聴者にバッジをくれるというもの。
大臣みたいな役を安倍なつみがやっているのだが、個人的に現メンバーの中でいちばんコメディの才能があるのって安倍なつみだと思う。安倍が盛り上げるだけ盛り上げて、後藤がちっとも笑わない、というふうに落とすのだが、説明がむずかしいが安倍の盛り上げ方がしらじらしくて面白い。これ、狙っているのかまったくそうでないのか?
ずっと前、「なんでも鑑定団」でブリキのおもちゃがどうのとか話している北原某がこの「ハロモニ」に出て古いおもちゃの解説をしたとき、安倍なっちが「すばらしいですねー」みたいなことを言ったのだが、その心のこもっているようなこもっていないような微妙な感じ(しかし、明確に「心がこもっていない」方向にシフト)が北原某をカチンとさせていた。ベッキーとか中山えみりとかのときおり見せる「気のないリアクション」をいつでも引き出せるような感じである。

「ミニモニ。かっぱの花道!」では、ザリガニ役で紺野と新垣が登場。かっぱに対抗するのがザリガニという時点でかなりの(いい意味での)くだらなさである。この2人も、石川梨華とはまた違った意味で80年代的。「歌姫」とはかなり遠いところにあるし。紺野の歌唱力は、秋元康プロデュース的な開き直りがないだけに、浅田美代子的(80年代で言うと川田あつ子的)なヨレヨレアイドル歌謡の味がする。
80年代に今くらいの年齢で、モーニング娘。とは別個のアイドルとしてデビューしていればまた違った運命があっただろうにと思う。

「ハロプロNEWS」では、キャスターに石川梨華ではなく高橋愛が登場。最近やっと気づいたのだが、「ハロモニ」では五期メンバーの中で高橋愛の出番が最も多い。力を入れられているのがありありとわかる。でもこの子、コントに本当に向いてないなあ。いつも苦手そうだ。まあ、今後石川みたいに変わるかもしれないけど。

(03.0113)



・「ヤングゴラク 特集ヤンキーズ」週刊漫画ゴラク増刊 7月31日号(2002、日本文芸社)

とうとう、私も雑誌をため込みすぎて、これは去年の7月頃に出たヤツですね。それを今頃読むようになってしまった。
まあずいぶん前に出た雑誌なんで、逆にぶっちゃけますが、柱となる作品が実に少ない。
どれも、月刊ペースで少しずつ読んでいけば面白くなってくるかもしれないが……という感じの作品だった。

あと、電車の中で読んでたら間に挟まってた克・亜紀のランジェリー姿のおねーちゃんのイラストが描かれた付録のマウスパッドが落ちてきて、ギョッとなった。

「2×3(フルカウント)」立原あゆみは、巻頭カラーだが前号を読んでいないので実によくわからない話。
地元ヤクザの若いもんが、サイコキネシスを使う少女と行動をともにして、親分の茶飲み友達だったばあさんを殺した人物を探す。しかし、容疑者はくるくる変わる。あと、タイトルは主人公が元高校球児だから。よくわからなかった。

「Go-ing」富田安紀良は、男のファッションモデルマンガ、しかもまったく素人だった男がモデルを目指す、という点では珍しい。

「まんげつ」旭凛太郎は、何にでもおせっかいを焼きたがる豪快ヤンキー「まんげつ」が、学校の勢力図を(自分でも意図しないままに)塗り替えるというマンガ。本誌の中ではいちばん読める作品だな、と思ったら週刊少年チャンピオンで「TWO(ツー)突風」を連載しているヒトだった。 この作者は「近代麻雀」に描いたマンガも読んだが、わりかし勢いがあって良い。

「ニギリの豪田」桑澤篤夫は、読みきり。「ニギる=賭けゴルフ」の得意な髪の逆立った男がアマ2位のいけすかないやつと対決。最初は苦戦するが、途中から「ニギリ」が成立して実力を発揮、最後に「これだからニギリゴルフはやめられねえ! マドカちゃんとハワイに行くぞォ!!」とか叫んでオワリ。

これ読んでて思い出したが、桑澤篤夫はビジネスジャンプかなんかに「占い刑事」っていうマンガを描いてて、読もうと思って買ったが部屋の中がゴチャゴチャになっているのでどこかへ消えた。
あと、現在発売中の「斬鬼」と「1971」という1971年のマンガを再録した雑誌を買うのを忘れていたことを思い出した。でも「1971」は書店でもまったく見かけない。という、日記風終わり方。
(03.0112)



・「近代麻雀」6月1日号(2002、竹書房)

去年の6月1日号だ。これのレビューを今さら書こうとは、我ながらヒドイ話だ。

「狂獣博徒 大帝」原作:東行一志、郷力也は、「古都の死神編」。シリーズ連載第2弾。42ページの読みきり。
「雀大帝」が憑依すると最強になる雀士・宮本力鬼(りき)が、京都の街で「顔が貧相だから」と妻に逃げられ職も失ったために死神に取り憑かれ、相手を呪う麻雀を打つようになった男と対決する。
麻雀のシーンは私の知識不足でサッパリわからないが、「ミナ帝」似の主人公が目を血走らせてバシバシ麻雀を打つむやみに壮大な話はやっぱりいいですな。あとタイトルがいい。「雀大帝」ってのが何かはシリーズ2回目で何の説明もなかった。
でもそう言ってるわりには「ミナミの帝王」を全部読んでるわけではナイところが私の弱いところ……。
(03.0112)



【アニメ】・「ななか6/17」 第1話「きりさとななか、6さい!」(2003、テレビ東京)

公式ページ

週刊少年チャンピオン連載中の、八神健原作のマンガのアニメ化。関東では水曜深夜の放送だが、他は知らん。

霧里七華(きりさとななか)は、勉学は優秀だったが周囲に溶け込まずいけすかない子と思われていた。一方、幼なじみの凪原稔二(なぎはらねんじ)は「怒髪の稔二」と言われて恐れられている不良少年。
ある日、ななかは倒れて頭を打ってしまい、そのショックで記憶も人格も6歳に退行してしまう。いわば6歳当時のななかが17歳の肉体をもって現在にタイムスリップしてきたような状況。元に戻ったとき、ごく普通の生活にすんなり戻してやりたいと思った稔二は、彼女の秘密を守り通してなんとかしていこうと決心するのだが……?

1話を見たかぎりでは、けっこうイイです。原作を読み返してないんでどうなっていたか忘れたけど、この第1話ではななかが6歳児になる前に、ななかも稔二も精神的に大人になりきれていないという部分が強調されてて、後の展開を考えると「なるほど〜」と思ったりした。
「幼なじみが別れて、高校生ぐらいになって再会」というラブコメにあるパターンを、ななかが6歳児に退行してしまったという現象を通してひねって描いているということも再確認できたし、そういう少女ものにおいて、男の子と女の子の間のキーアイテムになるものが、かつては絵本だったり、お守りだったり、オルゴールだったりといったロマンチックなものだったのが、本作では「まじかるドミ子」という魔法少女アニメになってるあたり、感慨深いものがある。

オープニングアニメも、ななかがドミ子の変身シーンをマネして変身スティックをふるが(当然)変身しなかったり、「ゴー!」ってキャラクターがいっせいに手を挙げている中で雨宮さんが一人だけ恥ずかしそうにうつむいていたり(でも画面中央にいる)、なかなかあなどれない内容になってますね。

アニメにウスい私としては、監督の桜井弘明って「アキハバラ電脳組」で、ものすごくテンポがよくて楽しい回を担当して何かをやった人(何かは忘れた)という印象があって、本作も楽しみにしてました。

原作は1話1話のメリハリがすごくきいているので、これつまんくなったらかなり悲しい。のでアニメのスタッフの人にはがんばってほしいです。
(03.0111)



・「週刊漫画TIMES」11月22日号(2002、芳文社)

いや〜去年の11月に出た雑誌なんだよね。それを今頃読んでる。参った参った。

今出ている号の情報については公式ページでね。

「映像影法師」笠原倫、シナリオ協力:横山アキラは、弱小製作会社の不良ディレクターが問題を起こしながらも取材対象の真実にせまっていく、というような話らしい。この回では、難病の子供に「日米野球でホームランを打つ」と約束したプロ野球選手の真相を暴く、というような内容。
これ1話しか読んでないけど、主人公の「乱暴で熱くて私情に流されやすいが、有能とされている」というキャラクターは笠原倫ならでは。

「マル秘捜査官・凍子」原作:天沢彰、阿宮美亜は、警視庁行動科学班の女捜査官・小田嶋凍子が事件を解決するような話らしい。阿宮美亜、雑誌の仕事はチラホラ見かけていたが、最近単行本出ないなぁと思っていたら、本作は昨年12月に1巻が出たらしい。

「牙犬(キバケン)」原作:西陽一、根本哲也は、ボディガード・十文字五郎を主人公としたサスペンスもの。根本哲也、絵が変わったなあ。いかんせん、絵に迫力がないなあ……。

「すばるの風」原作:西川つかさ、みね武は、元登山家の神矢大介が金融界の頂点を目指す話らしい。徒手空拳の若者が豪快に上を目指す、上昇志向もの。

「てっぺん!!」原作:滝上峻、木村知夫は「安売王成功物語」。バッタ屋修行をする若者が主人公。木村知夫は「レッツダチ公」の人。徒手空拳の若者が汗と努力で上を目指す、上昇志向もの。

「御曹司の掟」原作:井川公彦、堀戸けいは、第9回。巨大企業グループの御曹司が、跡目をめぐって兄弟争いするような話。雲の上の経営者上昇志向もの。

「しぶとい男(ヤツ)」原作:伊東恒久、田辺節雄は、万年平社員の主人公が、子会社の社長に命ぜられ、リストラしようとする上の方と対決する。田辺節雄、こんなに絵が荒れてたかなあ。熱血中間管理職もの。

「大阪天満悪ガキ時代」東元は、昭和40年代の子供たちの生態を描くようなマンガ。今回は、サラリーマンが隠したポルノ写真を大量に持ってきて売りさばき、母親に大目玉を食らう。広義の人情もの。

「蔵の宿」原作:西ゆうじ、田名俊信は、造り酒屋の宿繁盛記。単行本はすでに14巻を数えている。老舗の暖簾守りもの。

「恋文横町 人情酒場」原作:剣名舞、鎌田洋次は、居酒屋「をあしす」に出入りする人間を描く作品らしい。主人公・板前の半次郎は元お笑い芸人で、ウド鈴木ソックリの元相方・ブラのぼるとかいうのが表れて独立騒動に巻き込まれる。人情もの。

「茗荷谷なみだ坂診療所」原作:宇治谷順、向後次雄は、女医・織田鈴香を主人公とした人情ものらしい。作画は「おんな食い」の人。

「鈴木義司の週間絵日記」鈴木義司は、どこが面白いのかサッパリわからない1コママンガと4コママンガの組み合わせ。本当におとしどころがわからない。

以下は全部4コマ。

「サラリーマン金四郎」田中しょうは、名前からして脱力モノだが内容も脱力。
「デカかあちゃん」コジローは、意外に面白かった。クスッと笑う感じだけど。
「ぴんくギャル」宍倉ユキオは、この人のマンガを知っている人はすぐピンとくるだろうが、「いつもと同じ」。セックスにあけすけな女の子が主人公で、そのあけすけぶりにみんながあきれるというパターン。
「こにくらじいさん」かまちよしろうは、こにくらしいじいさんがこにくらしいことをする。あきれるまでにこにくらしかった。
(03.0111)



・雑記(ただの雑記)

・最近、トップページに最新のテキストが貼られているページが多くなった。ただでさえアクセス数がたいしたことない当ページなので、テキストを読んでもらう簡便性を追求するにこしたことはない。
しかし、当ページはマンガをジャンル分けしており、更新時には各部屋に割りふならなければならないので、現在のページ構成だとトップにテキストを持ってくることはむずかしいんですよね。
フレームを使えばいいんだろうけど、実はフレームのつくり方をいまだに知らないんだよね……。

私自身は、トップにテキストがないサイトでもあまり気にはならないんだけど(いざとなったらよく更新されてる部分だけ「はてなアンテナ」に登録してしまうし)、その辺どんなもんでしょうかね?

・ミニモニ。の月〜金の帯番組「ハローキッズ」(←ミニモニ。SDガンダム改)が、ついに今週からリニューアルされて、矢口真里とハロープロジェクトキッズの番組になるようだ。
もう、加護も辻もミカも出ない。
さようなら、ドラえもん。さようなら、サリーちゃん。

昨年末の改変前リリースラッシュから始まって、とうとう今度は徐々に旧ミニモニ。 は解体、YMO的には散開の方向へ向かい、あとはキッズたちが参入してくるのだろうね。
モーヲタテキストサイトでは、「ミニモニ。」を「モーニング娘。全体の方向性をお子さま向けにさせてしまった」として評価しない向きもあるけど、それは「キャラクター先行」の現状を肯定することと矛盾しないか? と個人的には思ってます。
その結果が「ハロープロジェクトキッズ」の誕生なんだろうけどね。
キッズは、今はどうでもええ存在だが、ここから思わぬ才能を持ったやつが出るかもしれない、とは思いますよ。

「子供向け」と「子供が出る」って、意味合いが違うんだけどね。仮面ライダーV3の「少年仮面ライダー隊」とか、本当に子供に支持受けてたんかね? 知り合いの力学(ちから・まなぶ)が「少年仮面ライダー隊」を異様に嫌ってて。ヤツは、「少年が変身ヒーローになる話」もみんな好きじゃなかったらしいからな。

ま、モー娘。でもエヴァでも何でもいいけど、ある種の「神学論争」に私自身が巻き込まれるのはまっぴらごめんなんで、今後はどんどんカネのかからない趣味に移行しようと思いますよ。ウチには一生かかっても読めないほどの本があるからね。「漫画読本」とか読んで暮らすよ。漫画読本、2冊くらいしかないけど。

・「いいとも」に東京プリンが出ていた。「笑う犬」はけっこう好きという人はいても、東京プリンを好きな人というのを見たことがない。でも「バブルアゲイン」っていう歌はちょっと聴いてみたいと思った。プリンの右は元「シャインズ」だけど、シャインズとかさー、もう許せないと思ってたよ。でもシャインズ的なものが結局勝利した。勝ちまくった。
それと、関係ないが「いいとも」の客、「豆知識ネタ」と「あんまり知名度はないが色っぽい女性タレント」に異様に冷たい。あと驚いたときの「おおーっ」っていう声が異様にむかつく。あと勝俣の中途半端さもむかつく。絶対酒の席で不満言ってそう。
勝俣で思い出したが、元チャチャの桃太郎と、石ノ森章太郎の息子の小野寺丈がサラリーマン役をやって、「マンション買おうと思うんだ。」「自分に気合いだよ!」とかいうCMがあるが、これほど不安になるCMもめずらしい。だって小野寺丈と桃太郎だもん。大丈夫なのかよ。そんな気合い入れて。

と、関係ないことをいろいろ書いてお・わ・り。
さようなら、ドラえもん。さようなら、サリーちゃん。

新生ミニモニ。の衣装、メチャメチャダサいですよ。

(03.0110)



・「ウォーB組」2月号(2003、マガジンマガジン)

公式ページ

グラビア&マンガ誌。表紙&巻頭は若槻千夏、あと佐藤麻紗、大城美和、七生奈央、星野加奈。
何度も書いているが「ウォー」はグラビアの質が高い。まあ予算がいっぱいありそうな「sabra」なんかと比較するとアレかもしれないが、わたし的には「質が高い」と思う。
むろんシュミによって意見が分かれるとは思うが、理由としては「ブレイク寸前、あるいはしそうでしない人を巻頭に持ってくる」、「写真が芸術性をあまり追求していないが、かといって下品でもない」ということがあげられる。

ところで最近読んでない「ザ・ベストマガジン」は、昔っから執拗に「盗撮風」の写真を演出することに、かなりメイン企画で凝っていた時期があると記憶している。これもひとつのポリシーではある。

さて本誌。
「痴婦(ちふ)」前編 前田千石は、満たされない性生活を送っていた主婦・世津子が、たまたま乗った電車でものすごくうまい痴漢の技に感じてしまい、セックスの虜になってしまうという話の前編。

ベッタベタな展開ながら、なかなかエロいです。

ところで(以下は作品そのものには関係ない話)、Hマンガは、それ以前の70年代エロ劇画とは違ったパラダイムを持っていたとは思う(むろん、中間形態みたいな人も80年代前半には存在した)。が、本作のように人妻モノとか、女教師モノとか、ナースものとか、わりと「美少女マンガ、ロリコンマンガ」の文脈でジャーナリスティックに語られる形式ではない、ベタなものを取り入れた作品もけっこうあるし、人気もあると思う。
むろん、絵柄はいわゆるアニメ絵でね。
その辺、昔から連綿と続いているのか、それとも順番として最初ロリコンマンガがいろいろなことをやりつくしたから先祖帰り的にこういうのが出てきたのか、ちょっと気になってます。
というか、私の勉強不足なんだけどね。

「ぼくとメス犬」野田ゆうじは、連載第13回。姉から人間の女の子ソックリのメス犬をプレゼントされたケンイチ。とまどっている矢先、姉がさらわれて拷問にかけられる。
姉のいない間にも、日常生活を送らざるをえないケンイチ。

……今回もお話はちょっとしか進んでない。でも読んじゃう。思うに、これって週刊か、もしくは隔週ペースのお話の進み方ですよね。

「御毒味番段十郎」杉友カヅヒロは、連載第7回。社長のお毒味番・段十郎が手コキの達人女と対決。

あとうらまっくが前編。
(03.0110)



・「POP-ZONE」Vol.1(2002、リイド社)

新創刊のマンガ雑誌。「癒し系マンガ誌、できました。」というのがキャッチコピーらしい。全部読んだ感想としては、「癒し系」というよりはエロゲーとかの「萌え」的な方法論を、もともとかつての「ボナンザ」とかにあったエロ劇画誌と美少女マンガの中間点にあったようなスタンスに取り入れた、という感じか。

先月の半ばには出ていたが、レビューが遅れました。すいません。
Vol.2は、今月16日発売予定。

公式ページリイド社)。

「お手伝いしちゃいます。」八月薫は、ハウスキーパーの派遣会社であるらしい「ヒューマン・ヘルプカンパニー」の事務職に面接に来た内山理加子が、「人手が足りない」という理由であれよあれよとメイド服を着せられて、どっかの家庭に行かされて、そこの主人とあれよあれよとHしてしまうというコメディタッチのHマンガ。
私、八月薫の絵って好きなんですよね。いわゆるロリ系とか「萌え」絵ってのは個人的にもういいんで。たぶん続く。

「温泉に行こう」ひろせみほは、主人公が田舎に帰って幼なじみの継いだ旅館でバイト。で、その幼なじみとH。たぶん読みきり。

「いっしょ?」綾野なおとは、主人公が年下の従姉妹んちに居候してて、その子に「私、厚兄が好き」とか言われてH。たぶん読みきり。

「WASTED TOWN」橘セブン、NAKADOは、原作とCGワークがNAKADO、作画が橘セブン。太陽の光も届かない、ちょいスチームパンクな世界の下層に住む少年少女が、上の方から降りてきた鳥型ロボットを修理してやる話。続く。

「内部 DOMESTIC」坂辺周一は、アパートに引っ越してきた貧乏親娘をつけねらう謎のストーカー、ってな話。サスペンスものらしい。たぶん続く。

「シーラント」矢野健太郎は、一人暮らしの青年・杉田慎二が、偶然ネットオークションで見かけたシリコンボディの高級ダッチワイフを、何らかの理由で別れた彼女にソックリ、という理由でつい購入してしまう。
等身大人形という、「コットンプレイ」(→私の感想)から引き継いだ題材、かな。
このダッチワイフが生命を持って動き出し……となるのかと思ったら、第1回ではそうはならなかった。まだSFかサスペンスなのかも不明。次号が気になる。

「君あるゆえに」黒河澪は、主人公が少女小説を読んでいたら、偶然それが会社のカワイイ先輩女子社員の作だった。自分の小説を読んでいると知った先輩女子社員は、実は主人公のことが好きだった……という、何とも言えぬ都合のいい作品。いやいいんだけどさ。読みきりシリーズみたいな感じで続くのか?

「雪蛍」竹村雪秀は、時は江戸時代らしい。雪で遭難しかかった五郎太が、雪女に助けられる。たぶん読みきり。

「ラブ☆ランジェリー」山崎あつしは、何をやってもドジなOLが、ランジェリーファミレスのウェイトレスにスカウトされる。で、あれよあれよという間に社長とHしてしまう。
女の子はかわいいし、下着に対する書き込みもちゃんとしてるが、とにかく出てくる男性の造形がいいかげんすぎるなあ……。続く。

「迷い猫」結城ひなせは、ある雨の日、青年が路上で子猫を抱いた美少女に出会い、家に連れていったらなんとなくHしてしまう。たぶん偶然だろうが、80年代前半のロリコンマンガのテイストを色濃く持っている。昔も今も、あまり変わりませんな。

「パワー・オブ・ライフ」湯河原あたみは、マンガ家を目指す女教師やなんかがドタバタするHコメディ……なんだが、あまりにめちゃくちゃすぎてよくわからない。オチも主役が女教師から別の女性とに変わっちゃってるし。続く。

「すいーと・ハウス」香月りおは、さえない青年が家に帰ったら、裸エプロンの女の子がいるが実はその子のカン違いで……という話。ちょっと拙いが、出てくる女の子も全体の雰囲気も悪くないと思う。
が、裸エプロンを描くわりには女の子のオシリがいいかげんすぎる。もうちょっと丁寧にオシリを描いてください。続く。

「SWEET」ぷーたろうは、サラリーマンの青年が通勤電車の中で、同じ会社のバイトの美少女とラブラブになる話。たぶん読みきり。

次号は、ちも、梢日向、睦月のぞみ、千葉哲太郎、小林亜由美、田中雅人、立沢直也が新たに描くらしいです。
(03.0109)



・雑記(藤本関連3)

あー。なんか、藤本美貴もモーニング娘。も、究極的にはど〜でもイイんですが、それをめぐる論争にはある程度興味ありますね。
「そういう姿勢は斜に構えてて好きじゃない」とも言われたけど、何かのファンである以上、どんなに解体し尽くしても「論争」的なものは残らざるを得ないんだよね。極論すれば、「嗜好」そのものが「言語化されていない思想」とも言えるわけだから。

団鬼六の「花と蛇」というSM小説をめぐって、連載当時から掲載誌で読者間で論争が行われていた、ということを詳しく書いたサイトを見つけたんですが、これもいろんな意味で滅法面白い。現在のオタク的論争と、その展開がほぼ相似形なんですよ。「花と蛇」を読んだことないのが私の辛いところですが。
団鬼六って、描写が粘着質で読みにくいんですよ。昔、読んで途中でやめちゃった。……と思ってたら、団氏は「いかに簡単に書くか」に苦労していたらしい。ガーン。
その辺のギャップも面白いんですけどね。それについては、思いついたら書きます。

で、あいかわらずアンテナしばたはてなアンテナ - 娘。アンテナ βなどのモーヲタテキスト系サイトを覗いていたんだけど、どっかに「藤本加入は、加護亜依人気に象徴される4期メン的キャラクター主義時代の終焉を意味する」って書いてあった。
そこに関しては、文中で否定も肯定もしていないものの、もともと書いている人がキャラクター主義ではない、ということが前提となっているとは思う。要するに、やや非・キャラクター主義であると解釈した。けれども、わたし的には「キャラクター主義でないアイドルなどあり得ない」というふうに思いますね。

いや、4期メンバーが「キャラクター主義だった」という、その意味合い自体はわかっているつもり。しかし、じゃあそれまでが完全楽曲主義かというと、そうでもないでしょ。ASAYANだって、個々のメンバーのキャラを出すための番組だったわけでしょ。
松浦亜弥だって、「自分がいちばん好きです」って言って、だれにも反感を買わない、むしろカワイイと思うキャラがあってこそなのであって。

思うに、洋楽ファンの人って楽曲とキャラをものすごく厳密に分ける傾向があると思う。まあミュージシャンにも言えることだけど。デーモン小暮とか、最近だとGacktとかが顕著。Gacktなんて、明らかに「自分はしょうがないからこういうキャラ演じてるんだ」って感じでしょ。そのサービス精神をこっちがありがたがらなきゃならない雰囲気っていうんですか。
たぶん、ステージではまたちょっと違う感じでやってると思うんだよね。それが想像できる。
でも「テレビ」って「キャラ」しか映し出さないところはあるし、それがテレビから生まれたアイドルならなおさらですよ。……っていうか「ディーバ」系の人はちょっと違うかもしれないけど、モーニング娘。ってやっぱり初期からキャラ主動の部分はありましたよ。
だからコサキンで「2勝5敗」とか言われてた。「激烈バカ」で「モーニング女。の新曲は『2人美人で5人ブス』です」とか言われてたわけじゃないですか。
「TOKYO TRIBE」では、ゴマキを連想させるアイドルが好きだ、っていうヤツが出てきて「でもビッチかもしれないぜ」とか言われて怒るシーンが出てくる。

昔から「いい曲をつくってた、歌ってた」って主張することは大切だと思うけど、それと世評ってまったく別だからね。

あと「『萌え』と『ヒステリー』は表裏一体の感受性」って書いてあって、それはそのとおりなんだけども、そこまで突き放した言い方っていわゆる「オタク」系の、どんなに辛辣な評論家やライターからも出てこない書き方だなあと思った。
私も萌え萌え言うのはそんなに好きな方じゃないんだけどね。でも、「すべからく〜すべし」を使用するときの心理状態に対する決めつけじゃないが、こういう表現って無意識的に「洋楽ファン的スタンス」を特権化しているような気がする。

だって、後藤脱退であれ藤本加入であれ、それに対してヒステリックになるのって、ジョン・レノンの命日に学校休んだりするのと同じでしょ? どっちがいい悪いじゃなくて。
ヘンな言い方だが、萌えを特権化しすぎるのも問題があるけど、否定しすぎるのも問題あるんじゃないか。だってどんなジャンルも、「好き」っていう気持ちから最初入っていくわけだから。

んだからこういう「対立」というほどではないにしろ、「好き」という感性が萌え的なものとそうでないものとに分かれ、微妙なズレを生じさせてしまうのは、どんな分野にでもあるんだなあという感慨はありますね。

それと、長文ついでに書いておくと、本来の「萌え」の意味は「(対象物に対して)セックスしたいという感情ではあらわしきれない言いようのない何か」であると思っている。
そうでなければ「好き」という言葉でいいわけだから。「好き」という言葉で表現しきれないからこそ「萌え」という言葉が使用されているとすると、それは性的な意味合いとは多少ズレたところにある感情ということになる。

だから、エロス的な意味で好きなら「萌え」という表現は使わなくていいと思う。まあモー娘。の場合、その辺、ファン心理は微妙みたいですけどね。

「萌え」は、どんな関係性でも性関係に還元する「ボーイズラブ」とは対照的な概念である気はする。
もっとも、ボーイズラブも、厳密に性関係そのものかというとそうでもないのが「萌え」概念と非対照な面でもあるんだけど。ボーイズラブ的な「関係性に萌える」という表現は、むしろ本来の「萌え」概念に当てはまると思うし。この辺は、自分のものを考えるときの課題。

などと、尻切れトンボに終わる。どうも最近長文になってすいません。
(03.0109)



・「ちゃお」1月号(2003、小学館)

これは先月号。現在、2月号発売中。「何カ月も前に出た雑誌のレビューを、中途半端な時期に書く」ことでマンガ感想サイト界を震撼させた当HP(うそ。失笑は買っているかもしんない)。懲りずに感想書きます。

・「ミルモでポン!」篠塚ひろむ

第17回。恋の妖精と中学生男女が繰り広げるドタバタラブコメディ。
転校生の森下さんと、ヒロイン・楓の好きな結木くんがラブラブに……。悲嘆にくれる楓だったが、実は松竹くんの魔法のせいだと判明。魔法を解くためにいろいろする楓たち。
アニメよりも、きちんとラブコメしているようで。松竹へのお仕置きはあれでいいのか。松竹くん、ものすごくひどいことをしたような気がするが。

・「シンデレラコレクション」今井康絵

新連載。小学6年生の夏川ニーナは、おしゃれに興味があるのに自分に自信がなく、自己アピールできない。そんなニーナが、ひょんなことからファッションモデルをやることになるのだが……。
まあ100億万年繰り返されてきたパターンでございます。それが悪いとは言わないですが。
メイクかなんかされて、「これが…… ……私……!?」っていうセリフには思わず笑ってしまった……。いや、パターンなのでね。

実在するアイドル「ボーイスタイル」が出てきた。こういうタイアップ、効果あるんですかね?

・「エンジェル・ハント」おおばやしみゆき

連載途中でとびとびに読んでいるので、ストーリーがよくわかりません。すいません。おおざっぱに言えば、妖魔退治モノ? 絵がカワイイです。

・「とらたぬ算用塾」かがり淳子

最終回らしい。しょーもないことをいちいち計算で割り出すというギャグマンガらしい。 「布団から出られなくても電灯を消せるための延長ヒモ」は、だらしがないそうだ。
絶対同意できん!!
もう20年くらい、延長ヒモを使い続けているおれとしては。
絶対同意できん!!
こんなの、個々の家庭内ルールのレベルだと思う。もしそうでないとしても、納得できないし、永遠に納得することはないであろう。

・「ミニモニ。やるのだぴょん!」もりちかこ

第19回。ミニモニ。を主人公にした4コママンガ。今回は雪が降ったの降らないのでどーたらこーたら。

プチちゃおコミック(要するに別冊付録)で「ミニモニ。じゃムービー お菓子な大冒険!」もりちかこもあった。
映画の前半部分のコミカライズ。後半は、次号でのお楽しみ。

・「ふらいんぐ・人魚姫(マーメイド)」陣名まい

第2回。お調子者の春人に「人魚姫(マーメイド)」と言われてホレちゃった、水泳部の東子。しかし、春人は別の子も「人魚姫(マーメイド)」と呼んでいた。

軽々しく女の子を「人魚姫(マーメイド)」と呼ぶような男に、ロクなやつがいるわけないじゃん。東子はめがねっ子なので、そのスジの人は、どうぞ。

・「抱きしめて! ノアール」飯坂友佳子

第2回。カッコいい男の子に変身する猫が、ヒロイン・すずにまとわりついて「オレの子供を生んでくれ」と言い続けるという「SFおしかけダンナもの」

・「ブリリアントな魔法」宮脇ゆきの

最終回。ぶっちゃけ、2人の美男子から言い寄られてヒロインがよろめいたりするドラマ。これはオッサンの私にもわかりやすい物語展開でした。

・「てれぱり・きっす」中原杏

全3回の最終回。キスした相手の気持ちがわかる「てれぱり能力」を手に入れた望月あかりが、あこがれの男の子・航くんが自分をどう思っているか知るために、なんとかキスしようと奮闘する。

SFおしかけ女房ものとも言える「すき▼すき▼だいすきっ」(私の感想)の作者の、同系統のマンガ。要するに、恋に恋する女の子が勝手に暴走していくさまをコメディタッチで描く、というのがこの作者の持ち味らしい。

・「純愛激闘トライアングル」高宮智

31ページの読みきり。上杉梨花は、幼なじみの浅倉良にふられてしまう。良の友達・遠野は梨花に告白めいたことを言うが、まだ良をあきらめきれない梨花はとまどってしまう。

二人でコスプレ大会に出場することになり、天使と悪魔のかっこうでいい雰囲気になるのは面白い。
ただ、「好きだけど恋愛とは違う」と言う良がどんなキャラクターかの掘り下げがまったく足りない。最後までよくわからん人物。お話としてはけっこう読めるが。
上杉と浅倉というネーミングは、何かの冗談だろうか。偶然ではあるまい。

セックスを暗示させるセリフがかなり出てくるのはどうしてか。
「おれ いろいろ上手だから」
「なんか敏感そうだからいろいろ楽しみだなー」
……とか。どういうことザマス。教育委員会に訴えるザマス。
冗談はともかく、こうした意味深なセリフから、ヒロインのとまどいはセックスに対する恐れの暗喩ではないかと勘ぐりたくもなるし、またそれでいいんだと思う。

「未来▼Pureボイス」五十嵐かおる

最終回。おはガール見習いである「おはガールシスター」の未来は、現役おはガールの卒業式を演出することになる。それは、自分のおはガールオーディションも兼ねているというのだが……。

マンガとしてはまとまっているが、「おはスタ」とのタイアップという意味ではどういう役割を果たしたのか理解に苦しむ結果。今までいろいろグダグダ書いてきたことについては、下記参照。

・「未来(みく)▼(←ハートマークの代用)pureボイス」

・緊急補足!!「未来▼pureボイス」の元ネタである「おはスタ」の変質について

・「未来(みく)▼pureボイス」(1) 五十嵐かおる(2002、小学館)および番組との連動について

(03.0108)



・「パチスロ7Jr.」 11月号(2002、蒼竜社)

また大幅に遅れてしまった。すいません。しかも、雑誌が手元にない……。

「パチスロクイーン銀子」高島龍一、スタジオふ〜が、確か最終回でした。「確か」って何だよ。すいません……。
ついにぶっこわれたバイクを買い直し、旅立とうとする銀子。このマンガらしい、さわやかというか何というか、な終わり方でした。

「JUNK!」柴山薫が新連載。カネを求めて男たちが集う、パチスロだけで生き抜かなければならない島・斬竜島。そこにやってきた、ワンランク違う感じの男・惺(サトル)の活躍を描く。
「ライバル」、「爆骨少女ぎりぎりぷりん」などを描いた柴山薫の作品。第一印象としては「カイジ」をものすごくマイルドにした感じというか。同誌では比較的めずらしい荒唐無稽系な話なので、期待大。

「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、恋愛モノなエピソードでした。連載が長期化したからこそ、キャラクターの掘り下げができてこうした展開が読めたのではないかと思う。嬉しい感じ。
(03.0108)



・「パチスロ7Jr.」 12月号(2002、蒼竜社)

「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、加東との別れでなんとなく虚無感を感じる堀田が、ライバル・飯塚と飯塚の彼女・リサとの間柄にガラにもない感じで嫉妬を。
やっぱり堀田と飯塚の関係は、最近のマンガにはないいい感じ。大人の男の友情というかね。リサもいい子。小道具(レタスチャーハン)もいいなあ。

「JUNK!」柴山薫は、連載第2回。初回に引き続き、凄さを見せつける惺(サトル)。子分みたいなヤツも付いて、斬竜島で快進撃。

「それいけ! ケモノーズ」市川ヒロシは、新連載。ライオン、ゴリラ、ダチョウなどのどうぶつたちがスロットをやるギャグマンガ。キャラはカワイイのに残酷なことする系。「sabra」の1ページマンガ「LSD」NAKAYAMA MASAYAみたいな。
……って「sabra」1月号を確かめたんだけど、今月号はそんなにザンコクでもなかったな。

「SLOCA(スロッカ)」押山雄一は、新連載。20××年、スロット・パチンコが撤廃された世界で、裏カジノにおいてスロットは生きていた! カードゲームにかたちを変えて!! という、荒唐無稽系の衝撃作。
新連載1ページ目から、18ページになるまでタイトルが伏せられている趣向といい(ホントは1ページ目にロゴが出ちゃってるけど)、気合いが感じられる。
「スロットをカードゲーム化」したから「スロッカ」。しかも、ホログラム映像の自分ソックリのキャラクターが、出たカード通りの行動を示すというビジュアル面の装備も付いている。
要するに、比喩としてカードバトルのマンガで龍のカードが出てくると主人公の背後に龍が出るというようなことを、マンガ内で明確に視覚化されているという趣向。

うわっ、これ気になるなあ。押山雄一は、むかし「まぁるまん」とかで読んでけっこう好きだし。
(03.0108)



・「パチスロ7Jr.」 1月号(2003、蒼竜社)

「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、リストラされてスロットに頼る子連れのオッサン。子供に場所はとらせるわ、怒鳴りつけるわでヒドイ態度をとったため、義憤にかられる飯塚(主人公・堀田のライバル)は説教するためにオッサンを呼び出す。
しかし、オッサンに「あんたらみたいに勝手気ままに生きている奴に俺の何がわかる……」みたいなことを言われる。

その後の展開がものすごくカッコいい。もう堀田も飯塚も、シブすぎる。堀田以上にいいかげんっぽい飯塚が、けっこう男気のあるところも好きだし(同時に女に食わせてもらったりするヘタレなところもある人間味がいいんだけど)、飯塚よりももうちょっと遠くを見ていそうな堀田も、主人公として本当にシブい。
同じことを何度も書くようだけど、こういう日常を舞台にしていて、キャラクターの渋さを見せるというか、スーパーマンではない人間のハードボイルドというか、そういうのを描いている作品って少ないので、私は好きです。堀田が飯塚を殴るところは、ハッとした。

「やんちゃ外伝」しのはら勉、監修/射駒タケシは、連載第23回。同作者の「やんちゃブギ」の主人公の高校時代を描いた番外編。おそらく、昔のヤンキーライフと、当時の懐かしいスロットを見せるのが主旨のマンガ。
今回は、行きつけの喫茶店でウェイトレスをやっているヨーコが妊娠したのではないか、と思い込んだタケシたちが、ヨーコの相手らしい男に中絶のカンパをするため、積極的に友人たちを回って金を無心する。いよいよ足りない、となったとき、「スロットで増やすしかない!」と思うところで次回に続く。

もちろんスロ知識ゼロに近い私なのだが、このマンガはつい何となく読んでしまう。
それは、以前にも書いたがヤンキーの生活がどこかリアルだから。しかもそこに典型的な人情をからませるので、引き込まれていく。
今回も、「好きな女がよその男の子供を身ごもったからといって、東奔西走して中絶費用を集めて回る」なんて……それこそ高校時代にしか浮かばない発想、一種の義侠心である。純だねえ〜。

「SLOCA(スロッカ)」押山雄一は、第2回。20××年、裏カジノでのスロットカードゲーム。父親の残したカードでコインを買い、勝負に挑む主人公・相田翔
出てくるカードもすごい。カード「A型気質」は「設定全台を打ち変え」という能力(?)が発揮される。カード「移り気な季節」は、3000円打つごとに台を移動。
「砂漠に落ちた一粒のダイヤ」は、1台を除き、すべての台に低設定を使用、1台だけ最高設定を入れる。「高速落ち穂拾い」は、小役の取りこぼしをせず高速で打つ。
カードの支持に従って、ホログラムの人形たちが動き出す。

とにかく、何かすごいことになってます。

「JUNK!」柴山薫は、面白くなりかけたところでなんと最終回! 惺(サトル)が斬竜島に入った理由は、ここで支配者の一人となっている兄・仁と対決するためだった! すべて設定0のフロアで5000枚、果たして惺は出すことができるのか?

……ここまで大風呂敷なマンガで、わずか3回で終了というのには驚いた。柴山薫公認ファンサイトの掲示板によると、人気以前に「編集部側の諸般の事情」ということで、まあそれだったら仕方ないかな、という感じ。また仕切り直して、再登場してもらいたい。
(03.0108)



・雑記(藤本関連2)

藤本美貴がモーニング娘。に加入という記事から1日経って、ファンサイトを観まくった私。反応が知りたいからね。要はやじうまなのだ。自分は。
で、最初は、言い方は悪いけど、面白がっていたわけさ。落ち込む人、ショックを受ける人、サイトを更新停止する人、「両者にとって、刺激になればいいんじゃ……」という消極的賛成の人、さまざまだった(積極的に盛り上がっている人は、ほとんど見なかった)。
「エヴァンゲリオン」があのびっくり最終回を放送した当時。東北だかどこだかのアニメ好きの学生たちが、放映地域ではないということで山の上の気象観測所に頼んで毎週山に登ってそこで「エヴァ」を見せてもらっていたら、最終回を観たショックで下山する気力がなくなり、山で一晩明かしてしまったとか、そういうイイ話あるじゃないですか(念のために書いておくが、ネタかもしんないけどね)。

何かに入れ込んでいる人が、一般人がどうでもいいことでショックを受けたり、落ち込んだりというのは共感できますよ。私自身は藤本美貴加入に関しては「まあいいんじゃねーのー」くらいの印象で、その温度差がまたマニアかそうでないかの基準たりえているんじゃないかというのも面白いんだけど別の話。

それでまあ実に客観的な気分でいたわけなんだが、ファンサイトを巡るうちに「刺激って刺激の意味が違うだろ」的肯定派っていうの? なんか斜に構えて肯定、みたいな。そういうのに多く出くわした。
「石川梨華は藤本美貴につぶされろ」とか「五期メンバーは『後輩』の藤本美貴にプレッシャーかけられろ」とか、あげくの果ては「藤本加入を小川脱退で帳尻を合わせろ」とかね。「小川脱退(こう書くと小川直也みたいだが)」に関しては、なんかゴシップサイトみたいのにたどり着いちゃって、かなりもっともらしい理由が書かれていた。
あと「従来のメンバーと絶対仲良くなれなそう」とか「楽屋でギクシャクしてほしい」とか。

で、加入の事実よりもファンの人の「そういう考え」の方が見ててイヤんなってきちゃって。まあファミレスとかでそういう会話しそうだけどね。嗚呼、自分はやっぱりASAYAN的なドラマを鑑賞するには向いていないんだな、と再認識させられた次第。

いくら予想しても不毛は不毛なんだけど、とりあえず「6期がたいしたことない」という前提で書くと、ファンの間では「スゴイ強豪加入!」って話になってるけど、寝っころがって「Mステーション」しか見ない程度の人にとっては「ふーん、またセットで売り出しか」程度のことですよね。

……というのはねえ、藤本美貴って、単体ではまだまだこれから、っていう人でしょう。既存の人をくっつける、ということで言ったら、ポジション的にもこの人しかいないんだよね。松浦亜弥との実力差ははっきりしてるし、メロン記念日の人とかはすでに「タンポポ」に入ってるし。ココナッツ娘二人もそれぞれ別ユニットに所属してるし。
だから、藤本美貴ファンもあまり面白く思ってないでしょ。「ソロとしての実力を評価されていない結果だ」と思ってる人、多いんじゃないですかね。

で、そういう実力面を除くと、言い方は悪いが、藤本のヤンキー性というかドキュン性というか、そういうのとモーニング娘。との衝突をキャラクター的に面白がってるだけ、という人がファンサイトで何人か見かけられた。
確かに「いじめキャラ、いじめられキャラ」というのはグループ内の役割のメリハリでもあるんだけど、藤本がヒールを演じつつ、おいしいところを持っていけるかっていうと、藤本のフリートーク能力とかそういうの考えてもちょっとわかんないですよね。
「ASAYAN」みたいな、完全に「ライバル対決」みたいなものを演出していけるメディアがあればそれなりに盛り上がっただろうけど、今はそれもないし。
「完全ヒール」って認識されたら、藤本の負けですよこの場合。「石川つぶせ」どころの話じゃないよ。まあ、その辺はプロデューサーとかえらい人がうまく調整するんだろうけど。

そこで客観的だった私の嗜好が初めて明確になるんだけど。
「ASAYAN」がない以上、表面的には「みんな仲良くやってます」という前提だった。そりゃ観客は見てますよ。「石川は成長した」とか「小川はイマイチだ」とか、「いや、歌とダンスはけっこうイイんだ」とか。でもそれは、たぶんジャニーズでも他の歌手でも同じだと思うんですよね。表面的には「仲がいい」ということでやってた。
そういう虚構性は崩してほしくないんですよ私は。だから、たぶん古参と新規のメンバーの対立をパフォーマンスとして扱っていた、後藤真希までの展開って、自分では興味がなかった。まったく。

「東京パフォーマンスドール」時代の話を暴露しまくってる穴井夕子とか、真剣に萎えるもの。TPDについては評価している人いると思うんだけど、あそこまで暴露されるってことは、TPDの世評がその程度なんだ、って証明して回ってるようなもの。
おニャン子でもSPEEDでもいいけど、ある程度いったグループって、それ自体が現実にどんなに困った存在であったとしても、現在でも影響を及ぼしているものであるから、心底ヒドい暴露ばなしって出ない。むしろ、過去はどうでもいいと思っている人ほど、暴露ばなしが出る。
穴井夕子発言みたいなものを引き出してほしくない、最後まで虚構でいてほしい、というのが私のアイドルに対する願いなんですけどね。

そういうゴシップ的側面とは別に、芸ごとの面でも「異質なものがぶつかりあって火花を散らす」みたいのは、もともとまったく期待してません。舞台裏で競い合えばいいことだし、出るのは結果のみ。
それをハロプロ関連において表出した出来事として考える人たちは多いし、全否定はしないけど、私個人はそこまで行っちゃうと違うもののように感じる。広義のシュート系格闘技で、八百長や試合以外の駆け引きまで頭を絞り尽くして予想するような展開は、まあマニア向けですね。
Mステーションだけ見てても、伝わらないでしょ。それはちょっと。
(03.0108)



【映画】・「AIKI」(監督・脚本:天願大介、2002、日活)

公式ページ。

ボクサー・芦原太一(加藤晴彦)は、バイク事故で脊髄損傷による下半身麻痺となってしまう。車イスの生活を余儀なくされた太一は、絶望のどん底に落ち込む。
入院中、姉・民子(原千晶)のなぐさめの言葉も受け付けず、恋人・チカ(木内晶子)も遠ざけた。友人とも縁を切った。
睡眠薬自殺を試みようとする太一に、同室であり太一よりも重い症状の男・常滑(火野正平)は、「あと1年だけ生きてみな」と言う。

1年後、退院して車イスの生活を送る太一は、自殺しようという気は失せたものの、職探しもうまくいかず、酒びたりの自暴自棄の生活を送っていた。
ある日、太一はチンピラに叩きのめされたところをテキ屋の親分・権水(桑名正博)に助けられ、神社の露天商の仕事をすることになる。慣れない仕事で客を集めてくれたのは、謎めいた女・イカサマのサマ子(ともさかりえ)だった。

サマ子はこの神社で巫女のアルバイトをしているが、実は日本中を放浪している非合法カジノ専門のギャンブラーだという。
サマ子に会いに太一が神社を訪れたとき、境内で行なわれた古武術の奉納演武で、座ったまま、力を使わず門弟を投げ飛ばす平石師範(石橋凌)を見た太一は、その「AIKI=合気柔術」に入門を志願する。
生きる意味を失っていた太一に、自信が戻り始めた……。

監督・脚本の天願大介は、93年に「障害者プロレス」を扱ったドキュメンタリー映画「無敵のハンディキャップ」をつくっていて、それは見ていた。「無敵のハンディキャップ」は、安易に観客の同情をひくことはせず、かといって重い問題をバーンと投げ出すということもせず、物語のクライマックスが作中のプロレスのクライマックスとシンクロして、きっちり盛り上げる映画だった。
そういう点で、「車イス生活を余儀なくされた青年が、合気道をする」という設定を知ったときも、おそらく付け焼き刃な内容ではないだろうという期待をもって見た。

見終わった感想は、ひと言で言って「物語が太い」ということ。この場合「物語」って言葉を曖昧に使ってるんですが、それにしても「物語が太い」とあえて言いたい。
どういうことかというと、本作は物語の構造としては「挫折した青年があることをきっかけに立ち直っていく」というにすぎない。だが、そこに至るまでの過程が実にキッチリと描かれているのだ。
たとえば、太一が「合気」に出会うまで、映画の時間で30分以上が費やされている。この間、合気のアの字も出てこない。ひたすらに傷害を負ってしまった太一の悲しみ、絶望、リハビリ、やけくそ気味の行動などが丹念に描かれている。
おそらく、傷害を負った人をかなり取材したのではないかと思われる丹念さだ。
挫折と再生の物語を描く場合、挫折部分というのはそれ自体を観客にひきつけて見せるのはむずかしい。「あしたのジョー」で「ジョーが挫折してそこらをさまようようになるたびに人気がちょっと落ちる」とか聞いたことがある。カタルシスを得るための停滞部分というのは描かなければならないが、それ自体を「見せていく」ことはむずかしいのだ。

しかも、本作の場合象徴的な挫折ではなく、本当に身体の障害を負ってしまうというシビアな状況なのだから、安易に飛ばすことは許されない。
さらにむずかしいのは、現実の、かなりシビアな状況を、現実に即した描き方で、しかも観客に普遍性をもって訴えかけることができるか、ということだ。
それが、本作ではできている。
太一の絶望とか苛立ちが、シビアに描かれながら、なおかつ象徴性を持ったものとしてせまってくる。だから、「合気」に関してまったく伏線がなくても、始まってから30分以上、ひきこまれて見てしまう。

「合気」と出会ってからも、プロットとしてはそう複雑なものではない。
ぶっちゃけると「ロッキー」とかジャッキー・チェンの「蛇拳」とかと同じである。
が、その描き方で見てしまう。
「どうせそうなるんだろ」というところをそうはならないようにする。と思わせておいて、やっぱりそうなるようにする……というドラマの技術にも長けているし、権水(桑名正博)、サマ子(ともさかりえ)、そして平石師範(石橋凌)のキャラクターも立ちまくっている。
このキャラクターたちも、言ってしまえば「世の中の中心から少しはずれた人々こそが、ハンディを持っている太一を受け入れてくれる」という、「あしたのジョー」で言えばドヤ街の人々みたいな感じなのだが、キャラクターが立っている、その登場人物の一人ひとりの人生が見えてくる描き方のため、活き活きとしている。

さらに言えば、平石師範は世間的にはサラリーマン、つまり普通の人だが、(映画の中では)公民館でも空手や太極拳に人気の点で一歩譲っている武道の師範、という、ステロタイプなはずれものではないやや複雑なキャラクターであり、それが本作の魅力にもつながっているのである。
とにかく、石橋凌演じるこの人物はむちゃくちゃにカッコいい。

そして、おそらく非常に丹念に描かれた傷害をもった人のリハビリや生活の部分と、合気柔術の練習シーン、これらだけでもじゅうぶん映画には成り得たにも関わらず、あえてラスト近くになって「太一がカラテっぽい、荒っぽい日本古武術の師範と対決をする」というシーンを持ってきたことが重要である。
このシーン、テレビのCMや映画紹介などで見たことがある人がいるかもしれないが、かなり荒唐無稽である。
そもそも、作中では合気柔術は人を倒すための武術としては描かれていないし、平石師範もそれを否定する。日本古武術の師範(特撮ドラマのビルゴルディ役の人)が、ものすごい悪役づらで太一および平石師範を挑発するのだが、普通はこんな挑発には絶対乗らないはずである。だが、平石師範は太一に「戦ってみなさい」と言う。

映画をここまで見てきた観客にとっては、描かれたことはすべてわかっている。もう細かいエクスキューズは必要ない。その上での飛躍、荒唐無稽さなのである。このあたり、監督はものすごいわかっていると思う。
これだけシビアな、安易に逃げることを許されないテーマを選択しておきながら、最終的にはきっちり、映画的カタルシスのあるシーンでしめる。 それが、冒頭に「物語が太い」と書いた理由のひとつである。

マンガにおける「物語性」を考えるとき(なぜ考えるかというと当HPがマンガ感想サイトだから)、簡単に言うとパターンに肉付けすること、まわりくどい言い方をするとパターンをいったん解体し、もう一度編み上げていって活き活きとしたドラマなり、一人の生命を持ったキャラクターなりにすることが、いかに大切かをわからせてくれる映画でもある。

他にもいいシーンがいっぱいあるのだが、こればっかりは見てもらわないとわからないので書かなかった。
これはぜひ実際に観て確かめてほしいと思った、正統派ないい映画でした。
(03.0107)



・雑記(藤本関連)

松浦亜弥と藤本美貴が出ているテレビ東京の帯番組「美少女日記」がリニューアル、「燃えろ! マナー部」という若者にマナーを教えるコーナーが始まったのだが、それのコーチ役のイラストを島本和彦が描いている。

どういう経緯だか知らないが、スタッフに島本和彦ファンの人がいて、「島本和彦で行きたい」と言ったのだろうと推測する。たぶん、私と同世代がつくってんだもん。
社会に出て約10年、石の上にも十数年、と思っていた人が、ようやく自分の企画をばんばん通せる年齢になったということですよ(単なる想像)。「プロジェクトX」の主題歌に中島みゆき、ってのも同世代感(もしくはちょっと上)を感じたけども。
私がこの寒空の下、牛丼食べるために松屋の前で並んでいるときに、たぶん部下に灰皿投げて叱ったりしてますよ。カッコいい。何かおごって。

……などと書いていたら、電撃決定!ミキティがモー娘。に“編入”だ ということでした。

へええ、そうなの、ふーん。さっそくアンテナしばたはてなアンテナ - 娘。アンテナ βなどのモーヲタテキスト系サイトを覗いてみると、発表されたのが今日の深夜ということもあって、更新してないところもあるけどしてるところもあるよ! もうすでに「藤本加入」について、意見書いちゃってるところもある。
事前情報を聞いて、ZAKZAKに載るのをスタンバっていた人もいたそうで……。みんな会社とかどうしてんの? 寝ないの? 本当に不思議だ。

なんで急に私が更新してるかというと、そういうファンの行動の素早さに素朴に驚いたからであった。 あとネットを見てると、情報の伝わる速度が本当にすごくて驚くよ。

さて、つんく♂は藤本美貴が「モー娘。として歌っている姿を見たくなった」と説明したそうだが、どういう力関係があんのかとかそういうことは知らないよ。でも「王様感溢れるコメント」である。
それじゃ何か。つんく♂くらいになれば、「松たか子が女バトルコップをやるのを見たくなった」と言えば実現するのか。「ルパン三世 念力珍作戦」をタッキー主演でリメイクしろといったらできるのか。「鉄腕アトムは何でハダカなのか」に答えてくれるのか。「新宇宙戦艦ヤマト」は復活するのか。

個人的には、昨年8月の改変よりよっぽどいいんじゃないですかねえ。と思いましたよ。なんかもうイヤだもん。まったくの新人時代から見るの。疲れるし。だれがどうって言ってるわけじゃないけど、芸能人としての色が着いていない人が、だんだんプロになっていく過程というのは私は興味ない。プロがますますプロ化していくなら見るけど。
だいたい、私がデビュー前からテレビで見た新人って、たいてい消えてるんですよね。そういうジンクスがあるんです。……って、田村英里子と橋本美加子とルー・フィン・チャウのことを言ってるんですけどね。

ルー・フィン・チャウは、確かベトナム難民出身のアイドルということで話題になった子。この子のデビュー前密着ドキュメントというのを昔テレビで見たんだけど、デビュー曲の作詞・作曲が谷村新司で、「いろいろ大変な目にあった子だから、歌だけは普通に歌わせたいと思ってこの曲をつくった」って言ってたけど、タイトルが「スター誕生」っつって全然普通じゃないんだよ!
もうそういう話題性で売ろうとしているのがミエミエで、かわいそうだった。まあ谷村新司の責任じゃないんだろうが……。「これからスターが生まれます」って新人が自分で歌っちゃうっていうのは、キツいものがあった。

IDOL POPS '80sによると、ルー・フィン・チャウは82年12月のデビューで、82年組の勢いに押し流されてしまったような印象はありますね。

……本題に戻ると、吉澤ひとみが「新しいメンバーには問題児が入って欲しい」と言ったのが、ある意味実現化した結果になりましたな。まあでも、現在オーディションしてる他の新メンバーでもっとすごいのが入ってくるかもしれないし。まだわかんないよね。
(03.0107)



【記事】・「日本おっぱい選手権を開催す!」(2003、週刊現代 1月18日号)

週刊現代の企画記事。要するにタレントの中でいちばん美しい乳はだれか、を100位までランキングするというしょ〜もない企画なのだが、1位が高岡早紀だったのでここに記録しておく。おめでとう〜パチパチパチ。

ちなみに、2位が細川ふみえ、3位が青木裕子、4位乙葉、5位アグネス・ラム、6位かとうれいこ、7位小池栄子。
選考委員会にヌード評論家の井狩春男、「東京TOPLESS」の工藤隆男、杉作J太郎、岩佐陽一、松井修、同誌編集部員。
「美乳の5大新基準」を設け、かなり客観的に選考している。しかし、確か高岡早紀って写真集発売のときのパブリシティ用の写真を載せたのって週刊現代だけじゃなかったっけ? 細川ふみえも現代にセミヌードが載っていた記憶があるし。そういう関係? まあでもおめでとう〜パチパチパチ。

井狩春男は、このテの企画で必ず名前を見かける人。ヘアヌードバブルのときにいちいちヘアヌードを論評していたのを思い出すが、あまりに印象批評でちっとも参考にならず、個人的に「どうかなあ」と思っていた。が、なんかいい人っぽいし、こうした企画ではやはり名前が挙がらないと寂しい気すらする。

ひさしぶりに現代を買ったが、甘粕りり子という人のコラムでガレッジセールのゴリが「ワンナイ」という番組内コントで演じるキャラクター「ゴリエ」について「もし変わるのなら、エイコ(同じ番組内の小池栄子演じるキャラ)より、断然ゴリエのほうがいい」とか書いてるが、ホントか!?
ちなみに「ゴリエ」というのは、ゴリが女装して川ちゃんに身体を許すどころかそれ以上のことをするが、ちっとも報われないということがギャグになっているキャラクター。

サブタイトルも「最先端なのか? レトロか? 『ゴリエ』論」となっていて、まさかこんな観点から「ゴリエ」論が書かれるとは予想だにしていなかった(文中でも少しエクスキューズがあるが)。
なんだ「ゴリエ」論って。「ゴリエ」に「論」がつくとは思わなかった。
(03.0106)



・雑記

ぐえ。マンガ感想の更新ができない。

・モーニング娘。のバラエティ番組「ハロー! モーニング」が1時間番組に。正確には55分くらいか?
しかし第1回目は、1時間という意味があまりなかった気が。次回予告で、西洋のお姫様のかっこうをした後藤真希が、家来に面白いことを言われてもちっとも笑わない「笑わん姫」に扮する「投稿! 笑わん姫」というコーナーが始まるらしい。少なくとも、ゴマキの特性を理解したコーナーだと思った。
笑顔を振りまくより、笑いをガマンするところからにじみ出るかわいさの方が、ゴマキにはふさわしい(中澤がガマンする感じとはまた別)。

・いろんな端々から、高橋愛を本気で売り出すのだな、という雰囲気が伝わってくる。逆に新垣が不憫だ。

・ミニモニ。の番組「ハローキッズ」(←ミニモニ。SDガンダム改)はリニューアル。今日は矢口が出ていた。最近やっと気づいたが、この人、フリートークとかけっこうダメっぽい。司会とかはできるかもしれないけど、自分がつっこまれるといまひとつ面白さをはずしてしまう感じ。
将来、脱アイドルしたときに今の山田まりやみたいになったらイヤだなあと思っていたが、「トークがダメっぽい」という意味でああいうふうにはならない気がしてきた。

・録画してあった「バカ殿様」をものすごい早送りで見たが、いまどき珍しいくらいのシモネタ&くだらないネタで驚いた。シモネタもセクハラ系のとウンコ系のと両方。音楽もいつものやつ(ズンチャ、ズンチャ、ズンチャッチャ〜みたいな)。おそらく志村けんだからこそ許される展開。いしのようこ、トシとったなぁ。そして田代はいない。

・「M−1グランプリ」で、優勝候補はみな面白かったが、「笑い飯」というコンビ、気に入ってしまった。こういうこと書くの、最近勇気がいる。

・とつじょ「クローン人間問題」の話をしますが、クローン人間をつくった(真偽はどうなの?)ラエリ●ンもラ●リアンだが、テレビで報道する方もする方だ。いまだに「同じ顔の人間兵器を大量につくり出す」とか「フセインのクローンをつくって育てられたら」とかの批判レベルでしかない。最近はクローンの話題になるとチャンネルを変える。何も得るところがないから。

「クローンは、人工的な一卵性双生児をつくる行為」にすぎないというふうにいったんクールダウンさせないといかんのじゃないですかね。確かにカリスマ指導者のクローンをつくって「同じ人間なんだ」と言い張ったら、今のところは替え玉を立てるよりも支持は得られるかもしれない。しかし、それは「霊」とか「魂」の考え方であったり、親子、子孫に対する考えであったり、DNAに対する考え方であったりといった、「何をもって『つながりがあるとするか』」という文化人類学的な考えに属することだ。それを同じレベルで批判してどうする。
「同じ顔の人間兵器を大量につくり出す」に至ってはあきれてモノも言えない。今は何年だ。2003年だよ? そんなこと言ってていいのか。人間の子宮をつかってるかぎり、そんなにたくさんできるわけないだろうが。「虎の穴」みたいに、孤児をさらってきて特訓した方が、現時点では何千倍も効率がいいよ。

とにかく、ラエリ●ンもラ●リアンだが、報道する方もする方だ。いろいろな科学的なトピックに対し、私も含め一般庶民が過剰に期待したり恐れたりすることは今までも何度かあったが、これほどレベルの低い、あるいは恐いくらいの感情論が平気でまかりとおることも珍しい。
まず、世間の、クローンと同時に双生児に対する誤解に対して何か考えるべきだし(NHKの子供番組の歌における「二人はひとつ〜」という歌詞以上に重要)、もしクローニングが本当だとしたら、生まれた子供の人権問題についてもどうするかとか、軽々しい報道してる人、わかってんのかな?
あ、それと、送り手はぜんぶわかってるんだけど「お茶の間はわかってないだろう」ってタカをくくられているような気もするんですよね。本当はどうかわからないけど。

ちなみに、「ルパンVSクローン」というアニメ映画が公開されたとき、映画に注目を集めるためか「アメリカのだれそれがクローン人間の誕生に成功」というあやしい記事がどこかに載っていました。確か「ルパンVSクローン」のパンフレットにも載っていなかったっけ? 当時小学生だった私は、それを半ば信じました。
口裂け女の存在も信じてました。
(03.0106)



・「エルフェンリート」(2) 岡本倫(2002、集英社) [bk1] [amazon]

週刊ヤングジャンプ連載。研究所から逃げ出した新種の人類・ディクロニウスのにゅうをかくまうコウタユカ。コウタの幼い頃の記憶にも、「事件」の影が落ちているらしい。
一方、研究所の蔵間はにゅう捕獲のため、同じディクロニウスのナナを差し向けるが……という話。

あまりにもエキセントリックなマンガだと語られ過ぎているためもあり、1巻の感想では「普通に面白い」と書いたのだが、2巻はまあ……やっぱり変なテイストでした。
ただ、作者は読者の想像、予想の先を行こうと考えてプロットを練っている感触がすることは、付け加えておきたい。そこが「エイケン」と違うところだと思う。あっちは徹底的なベタ路線を狙っているからね。

「萌えとスプラッタの融合(あるいは融合していない)」と評される本作だが、個人的には女の子がブン殴られたりヒドイ目に合うのを見るのがだんだん辛くなってきた。同時収録の読みきり「デジトポリス」でもそうだが、この作者は普通は「残酷だから、読者が不愉快に思うからこういう描写はしないだろう、展開としてこうはならないだろう」というところをあえて描いてしまうところがある。それが、作者のリミッターがはずれているからなのか、読者の予想を裏切ろうとしてやっていることなのか、今のところわからない。

まあでも、今熱いマンガであることは間違いないんじゃないスかね。
(03.0104)



【同人誌】

・「みるく☆きゃらめるのムスコ」 石川ひでゆき(漫画)、吉本松明(文章)(2002、みるく☆きゃらめる)

Hマンガと評論のコラボレーション同人誌(……という表現でいいのだろうか?)。 マンガは「アイドルの条件」。あいかわらずファニーフェイスで身体はムチムチの女の子が出てきてエロいです(作者のHP)

評論は「無意識過剰のブレイクダンス」と題し、マンガにおける無意識について書いている。マンガで表出する「無意識」を分類整理するというのは、なかなか意欲作。 前作(私の感想)で提唱された「オーバーヴィジュアライズド」という概念とつながっている感じで。面白かったです。「新宇宙戦艦ヤマト」、「エルフェンリート」、「飲尿女神」、「Dr.リアンが診てあげる」などが取り上げられています。
(03.0104)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第40話

公式ページ

ひさしぶりの感想。いちおうぼちぼちと見続けているのだが、とにかく周囲に見ている人間がほとんどおらず、感想を書いても反響もなくムナシイのでほっぽらかしてあった。

第40話「雪山のチョコっと事件」(1月4日)
スキーを楽しむため、松竹くんの別荘がある雪山へとやって来たミルモたち一行。しかし、着いたとたんに猛吹雪におそわれ、別荘に閉じこめられてしまう。
落ちこむ一同だったが、そんなとき事件が発生。部屋にひとりでいたミルモがいきなり背後から襲われ、お気に入りのチョコ「クモッチョ」をうばわれてしまったのだ。これは伝説の雪女の呪いなのか? ミルモたちはこの怪事件の謎をとくため、妖精界から名探偵・テムズを呼び出すことに……。

推理小説における、いわゆる「吹雪の山荘もの」のパロディ。雪に閉ざされた別荘、名探偵、事件にからんでくる雪女の伝説、犯人として誤解される登場人物、細かいミスディレクション、間違った推理、脱力モノのオチと、いちおうそれらしき体裁をふまえているところが面白かった。オチは正直、ちょっと辛いかなと思うが、30分弱のアニメでひととおりのことをこなしていて脚本家のヒトはなかなか器用だ。
まあ、推理もののパロディとしては「ジェットマン」のエピソード「地獄行きバス」「廻せ命のルーレット」(←こっちは「ジョジョ」の「ダービー(兄)のような話)には及ばないけどね。あっちがバカバカしすぎるんだよないい意味で。

名探偵・テムズはむろんホームズを元にしたキャラクター。魔法を使うときにバイオリンを用いるのがカワイイ。
(03.0104)



・「桃色乳(にゅう)タウン」 ながしま超助(2002、双葉社) [bk1] [amazon]

2000年頃、メンズヤング連載。「ジェット上司」などの、いい意味でバカバカしい巨乳マンガを描き続けているながしま超助の作品。
淫乱人妻の泉さんは、爆乳で常に自分の疼く身体を持て余していて、夫も満足させることはできない。彼女の住む桃園町は、新しい駅ができたために急速に様変わりし、トラブルが絶えなくなっていた。そんな町の町内会長に選ばれた泉さんが、自分の欲望に忠実なるがゆえにさまざまな問題を解決していくHマンガ。

同作者の「ぷるるんゼミナール」のヒロインなどと同じく、泉さんは常に男のことばっかり考えているが、結果的にいい方に転んでものごとが丸く収まることの繰り返しである。
淫乱という一種の攻撃性とは裏腹に、ヒロイン自身は何も考えていないっぽいのが、この作者のマンガの特徴。
「何も考えなくていい」空間があるとすれば、それは温泉に浸かるか、本作のようなマンガを読む瞬間に生じる空想の世界しかないだろう。

読みきり作品「スイートビタミンゆん」同時収録。
(03.0102)



・「げんしけん」(1) 木尾士目(2002、講談社) [bk1] [amazon]

アフタヌーン連載。もともとオタクだった笹原完士が、大学に入学し「現代視覚文化研究会」なるオタクのサークルに入会する。
個性的なメンバーと、ゲームをやったり、同人ショップに行ったり、コミケに行ったりという日々。オタクらしくない変わり者の高坂と、彼にくっついてくる普通人の女の子・春日部も交えて、まったりとしながらもドタバタとした日常生活が続く。

読んで、ふーん、そうなんだー、ふーん、と思った。ああ、もう世代がひと回りしてるよね完全に、という感じ。中に出てくるネームが「仲間と作るから同人誌っていうのを初めて知った」だもん。「肉筆回覧誌」とか、もうギャグのレベルでも出てこない世代の話。
本作に共感するか、まったく違う人種を描いた作品とみるか、感覚は読み手それぞれだと思うけど、私自身はなんだか大学の後輩にいろいろと今のオタク状況を聞いているみたいな感じがしたな。そういう意味でも面白い。

お話としても、単なるあるあるネタじゃなくてそこはかとなく面白い。変人・高坂を好きなあまり、げんしけんの連中に振り回される(自分も言いたいことはしっかり言っているが)春日部の存在も、なかなかマンガっぽくてイイ。

作者はいくつか知らないけど、本作はたぶん、今のオタクの雰囲気を表しているだろうと思う。それで、今までのオタク自己言及マンガといちばん違うのはルサンチマンがそんなにない、ってことかな。たぶん作者の資質によるところも大きいと思うが。
いちおう、主人公は大学に入るまで自分のシュミを隠してきたことになってるけど、げんしけんに入ってから「同じ仲間がいるんだ!」っていう気分の高揚というかスパークもそれほど感じないし、自分たちの存在を否定しかねない春日部や、漫研、アニ研などの連中も、現時点では強烈な対立概念としては立ち現れてきていない(これからどうなるかはわからないが)。もう少しまったりしている。

「自分から情報を発信しない、何も生み出さない」ことに対して批判めいたことを言うヤツが出てくるが、今後キャラクターたちが何かやり始めるのか、それともこのまままったり続くのかはなかなか興味のあるところではある。

ところで、「現視研」は「10年くらい前にマンガ・アニメ・ゲーム その垣根を越えた総合的なサークルとしてでき」、「逆にどうゆう活動をするかボヤケちゃった」そうだ。このあたりも90年代にありそうな話でなかなか面白いんだが、矢野健太郎(「アニメック」の小牧編集長が原案だという)の「プレハブラプソディ」は、新聞部、アニ研、SF研、マン研がモメて、その後マイナークラブとして外敵に対するため大同団結を果たす、というマンガであった。ちなみに86年の作品。
15年近く前のマンガだが、比較してみると、「げんしけん」はボーダーレス後のオタク状況を描いた作品として、考えさせられるものがある。
(03.0102)



【テレビ】・「おはスタ年忘れスペシャル!」(2002、テレビ東京)

「鳥人戦隊ジェットマン」を全面否定することは、石川賢版「ウルトラマンタロウ」を否定することと同じではないか? と重々しく考えている新田です。お屠蘇気分で。

さて、これから感想を書くのは12月29日(日)午後4時から放送された、毎年やっている、「おはスタ」の総集編。
えーと、一昨年はどんなだったかもう忘れたなァ。何年間か公開録画をやっていて、スペシャルだからってマジメに見ると、ミニモニ。のものまねをする素人さんの子供ばっかり出てきてガッカリした記憶はある。
今年は、新聞のテレビ欄によると「全部見せます ミニモニ。おはガールマル秘映像初公開、大流行ゲーム対決」となっていて、そのとおりでした。

基本的に、去年はおはガール フルーツポンチのデビューに至る茶番劇とミニモニ。およびゴジラなどの映画の宣伝に明け暮れた印象。でも、いろんなもののサワリを見せてくれるだけでもけっこう面白いんですよね。そういう意味では最初から最後までがコマーシャルのこの番組、やっぱりきらいじゃないです。
ただ、去年はイヤな意味でのセミドキュメンタリー的要素が強くなって、「慣れないことすんなよ」っていう感じはありましたね。フルポンデビューに力が入りすぎたか。まあこのスペシャルでは、そういう要素はそんなになかったけど。
でも、アシスタントのみおにボーリングのボールのおもちゃを本物と偽って投げつけたりするのは、なんかちょっとやりすぎという感じはしたけどね。KANAだったらリアクションできんかったでしょう、そういうの。
やまちゃんのしきりは、あいかわらず面白いですが。

あとは、コンちゃんが「トライアングル」を「トランポリン」と言い間違えたところが異様に笑えました。

……というように、書くこともない番組のような気もするんだけど、「ハムふぇすモーまちゅり」という、昨年9月に行われたハム太郎とゴジラとミニモニ。の映画の公開イベントが再度放送されて、その中の、おそらく初披露だったミニモニ。の新曲がもう一度流れました。
初披露のときは単に「面白い歌」だったんだけど、映画の内容と深い関連があることを後で知って、「ふーん」と思ったりとか。また、その後歌番組にまったく出なかったんで、PV以外での数少ない歌っている映像になったんだなぁ、とかそういうのはありました。

それにしても、ミニモニ。の公式ページのトップの写真がいまだに「ひなまちゅり」なのはいかがなものか。それと「おはスタ」ページ内にあるミニモニ。ジャンケンぴょん! ゲームで、ミカの名前が「ミカ トッド」になっているのが今回の発見でした。
(03.0102)



【コラム】・2002年 J−POPベストソング

J-POPDJが選ぶ2002年 J-POPDJ BESTDISCWAGONSTYLE)。

「J−POPのDJ」という、まだ一般的になじみのないことをやっている人たちが、個性溢れるセレクトをした。なかなか興味深いです。

審査員特別賞が、以下のメンツっていうのも面白い。
・BONBON BLANCO
・ソニン(EE JUMP)
・中島美嘉

「賛否両論あったから選ばれた」というんだけど。私は去年最後の「雑記」で、「J−POPについて書くことない」と言っておいて舌の根も乾かぬうちにナンだが、個人的にはボンブラとソニンはぜんぜんアリ、というか倉木麻衣や元ちとせや宇多田ヒカルよりもぜんぜんありなんですけどね。

ただ「クリスマスキャロルの頃には2002」が「最低賞」に選ばれたのにはまったく同感。パクリとかなんとか以前に、リリックもうまくないし、ラップもあんまし上手じゃない気がしたんで。とか書いたら、HIPHOPの人って恐いらしいから殺されたらどうしよう……。
それと平井堅の「大きな古時計」も私としてはワーストですな。この歌そのものは好きだけど。実は何であんなにヒットしたのかもわかんないんだよね。「大きな古時計」という歌から醸し出されるファミリー性みたいなものがゼロでしょ、平井堅。歌は「王様のレストラン」の頃からうまくなっていると思うけど。

まあ、もともと私は「歌姫」系の人と男性ヴォーカルはほとんど聞かない、という偏った人間なんでね。

ガレッジセールの「天下無敵のゴーヤーマン」は楽しい曲だった。

おわり。
(03.0102)



【コラム】・特定の文化ジャンルにおける「説明」の価値について

あのコラムの続きが帰ってきた! というほど大げさなものではなくて。ただ思いついたから書くんだけど。【コラム】・特定の文化ジャンルに外的な「説明」は必要かの続き。

前回は、「う〜ん、いろいろあるけど、マニアックなシュミには対外的な説明ができるようになっておいた方がいいんじゃないかな〜」というようなことを書いたんだけれども、今回は仲間内での情報交換も含めての説明能力の価値について。

で、最初から結論を書くとですね、今回は変態趣味じゃなくてオタクに限定するんだけど、外的な説明はできるべきだけれども、外的なもの、内的なもの含めて、説明の能力をオタクの価値のすべてとして決定づけるのは、早計のような気がするんですよね。
もちろん、そういう説明に長けている人というのは常に存在していて、尊敬されるべきだとは思う。そういう人を邪険にあつかってはいけない。この辺、バランスがむずかしいんだけど。

けれども、基本的には静かなる大衆だと思うんですよね、オタクっていうのは。
「何が『静かなる』だ」と思っている人もいると思うんですが。確かにねえ、ずうっと前、パソ通のオフ会で会った初対面の人が、アニソンのカラオケのテレビ画面に出る歌詞が違うってカラオケ屋の店員に文句言ってんだもん。あれは恥ずかしかったよ。

ですが、大半は「お客」の域を出ないわけです。オタクの最も最大公約数的な性質は何かというと「モノを買う」、あるいは「モノを買おうとする」ということであって、それについて語るか語らないかは、本人の資質と語りたいかどうかの意志で変わる。

「ものすごく濃いんだけど、語らない」とか「ものすごく詳しいんだけど、黙ってる」っていう人が、潜在的にたくさんいる。「よく語る人」が間違ったときに「それは違いますよ」とか指摘してくれるときがあって、そのときだけ一瞬浮上する。指摘すらしない人もいる。
別にそういう人が家に閉じこもっているわけではなくて、その人なりの情報交換はしているんだけど、表舞台には登場してこない。

マスコミに登場するオタクの人って「語る」人が多いから、「オタクはよくしゃべる」というイメージがあるけど、口ベタだったり文章書くのが苦手だったり、その気がなかったりして、「語らない人」というのもたくさんいますよね。

これは逆に言うと、「対象物について語ることと、オタク的行動、ひいては作品を『鑑賞する』行為とは別である」ということでもある。
ある作品、マンガでも映画でも小説でも、作品を「鑑賞する」ということと「語る」こととは違う。
「作品を楽しむ」だけだったら一人でもできるし、実際、ほとんどの「そんなに濃くない、映画とか小説を読んでる人」はそうだったりします。

このあたり、どういうことなのかと少し考えています。とりあえず、「鑑賞する」ことと「それについて語ること」は、切り離して考えた方がいいのではないかという気はしている。
どこに価値を置くかで、「鑑賞だけする人」と「語る人」の価値って変わってくると思う。

ただ、一緒くたにはすべきではない、ということは言えるんじゃないかと思う。

以上、覚え書き終わり(なんか盛り上がらなかったな)。
(03.0102)



・「魔法陣グルグル」(14) 衛藤ヒロユキ(2001、エニックス) [bk1] [amazon]

少年ガンガン連載。勇者のニケと魔法使いのククリが魔王ギリを倒すため、ミグミグ族の魔法「グルグル」の謎を解きながら冒険していくファンタジー。

このマンガ、単行本が1年に1冊出るか出ないかなんですな。13巻も読み返したけど、読んだの1年以上前か……と感慨にふけった。
じじい4人組の最強パーティ・爺ファンタジーがカッコいい。ニケの手に入れた「勇者の拳」がツッコミ(「ボケとツッコミ」のツッコミ)で力を発揮するというのは、ギャグめいてはいるが深いです。
かわいらしい絵、図案化された背景やアイテムなど、読んでいてホレボレします。

10〜12巻の感想

13巻の感想

(03.0102)



・「魔法陣グルグル」(15) 衛藤ヒロユキ(2002、エニックス) [bk1] [amazon]

少年ガンガン連載。魔王ギリを倒すために旅立った、ニケとククリとキタキタおやじの冒険ファンタジー。

ククリが魔法陣から出した怪物(?)は、実にサイケデリック。
ついに一行は、魔王ギリのいる城へ。それにしても、このマンガ本当に面白い。陳腐な言い回しだが夢と冒険のファンタジー。絵はかわいいし。ギャグも面白いし。やわらかい感じのキャラクターと対照的な、いろんなもののクールな(でもかわいい)デザインも楽しいし。
……と、何の技巧も使わずに感想を書いてみたが、本当にとても楽しい作品。
(03.0102)

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