つれづれなるマンガ感想文6月後半

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一気に下まで行きたい



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第65話(2003、テレビ東京)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)
【雑記その6】・タトゥーその後、原稿流出事件
【雑記その5】・すーふりその後、タトゥー出演ドタキャン、ジャンクバイシクル(自転車)
【雑記その4】・ハロプロ新ユニット「ROMANS」、平田裕香
【雑記その3】・「卓●少女・愛ちゃん」
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第64話(2003、テレビ東京)
・「真説 佐々木小次郎伝!! 大江戸ジゴロ」(1) 鍋島雅治、檜垣憲朗(2003、日本文芸社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)
・「がじぇっと」(1) 衛藤ヒロユキ(2003、マッグガーデン)
・「ソニン物語」第4回 姫野かげまる(2003、ザッピィ7月号、メディアファクトリー)
・「YOUNG キュン!」7月号(2003、コスミックインターナショナル)

・「犬のジュース屋さん」(1) おおひなたごう(2002、集英社)
・「がんばれ酢めし疑獄!!」(4) 施川ユウキ(2003、秋田書店)
・「ピューと吹く! ジャガー」(5) うすた京介(2003、集英社)

【雑記その2】・「ふぬけ共和国・実在」 夢の着ぐるみ世界
【雑誌】・「週刊プレイボーイ」 27号(2003、集英社)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第63話(2003、テレビ東京)
・「パチスロ7Jr.」 7月号(2003、蒼竜社)
・「ウォーB組」7月号(2003、マガジンマガジン)
【雑記】・「W−SAYAKA」ついに始動
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)






【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第65話(2003、テレビ東京)

公式ページ。

第65話「とにかくすごい魔法(後篇)」(6月28日)

アクミの魔法にかかったミルモ、リルム、ムルモは、石にされてしまう。もとの姿にもどす方法を楓が探す間、エンマ先生ひきいる妖精学校の生徒たちが、アクミたちに戦いをいどむ。一方ヤシチは、ミルモを倒したいとは思っているが、人間を攻撃したいとは思っていない。ワルモ団の命令で仕方なく人間にいやがらせをするヤシチは、安純を攻撃しろと言われてついに……。

「とにかくすごい魔法」という投げやりなタイトルにひかれていたのだが、「すごい魔法」自体はそんなにすごくなかった。
アクミが勝利の記念にと石になったミルモと記念写真をとったりするところはかわいい。あいかわらずヤシチはおいしいところを持っていく。ワルモ団とパートナーである安純との板挟みになるところとか。しかし、やはり指摘しておいていいことだと思うが、安純とヤシチの絆がふだんからきちんと描かれていないのが惜しいところ。
現在70年代の作品「破裏拳ポリマー」を視聴中なんだが、「ポリマー」では「悪人はヒドい目にあう」という法則がものすごくきっちりしている。多少同情の余地はある悪人も、必ず最後には裁きを受ける。ポリマーが手を下さない場合でも、偶然死んでしまったりする。
「タイムボカン」では、悪役三人組が実質的な主役だけれど、キチンとヒーローにやっつけられるだけの悪いことをしている。「ここまでやっちゃマズいだろ」ということまでやって、反撃にあうパターンが多い。

その点、安純は本当に徹底していないと思う。OPのジトッとした目つきはかわいいけどね。
(03.0630)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)

公式ページ

6月29日放送分。
毎年恒例のシャッフルユニット、その3つのユニットがゲームで対決する。
なんか、かなり前からネットでPVを見れたらしいんだけど、そういうのってどこにどうやって流れてくんの? さっぱりわからん。ということで、今回テレビでそれぞれの楽曲とパフォーマンスを初めて堪能できましたよ。
以下、簡単な感想。

・7AIR「壊れない愛がほしいの」
石川梨華、高橋愛、メロン大谷、新垣、ミカ、里田まい、稲葉

昨年の「セクシー8」以上のセクシーな衣装。水着っぽい上着と短パン(あー名称不明)の上に、シースルーの衣装をまとっている。7人全員じゃないけどね。いかにもキカイでつくった感じのトラックがいいですな。それとだんだん高橋愛、エロくなってますね。保健体育で習う「女子は次第に体形に丸みをおび」……ってヤツですね。いいことだ。

・SALT5「GET UP! ラッパー」
・安倍なつみ、加護亜依、小川麻琴 、松浦亜弥、前田有紀

タイトルどおりのラップ。毎年いちばん少人数なのが本命らしいんだけど、このユニットもいかにも「本命」な感じが出ていてとてもよい。
まず、ラップが何て言うの? 声をひらべったくする歌唱法というか。なんだっけ……レゲエのスピードの速いやつ、これも名称わからんけど、そういうのに乗せるようなやり方なんだよね。で、個人的に女の子がこの声の出し方でラップやるのがすごく嫌いだったんだけど、今回全員かわいいからすべて許す。とくに加護の声がかわいい。松浦亜弥はこういう声は前から出していたんで、衝撃度としては一歩譲るかな。
安倍さんのラップは、スクーターのコマーシャルですごい好きだったので、今回も見られてよかったです。
そして、実質的に加護、安倍、松浦の激突という印象がある。これはすごいよ。「ごまっとう」より緊張感あるね。小川のダンスもがんばってる。前田という人はワリを食ってしまっているけど、逆にお披露目の意味があんのかな。

・11WATER「BE ALL RIGHT!」
飯田圭織、矢口真里、吉澤ひとみ、辻希美、紺野あさ美、藤本美貴、アヤカ、あさみ、村田めぐみ、斎藤瞳、柴田あゆみ

大人数グループとしては、昨年の「幸せきょうりゅう音頭」があまりにヒドかったのでどうなるかと思っていたら、ほぼ均等に歌うパートが割り振ってあって、次々に立ち位置の中央に割り振られたパートの人が登場する振り付けになっていて、とても楽しい。
それにしても、辻はあらためていつも割り当てられるパートが少なすぎると思うな。
今回わりとおいしいパートなんでなおさら。歌、けっこううまいのにね。
曲も、想像していたのよりは良かった。

……今回は3ユニットすべて、捨て曲ナシと個人的には思う。衣装も色モノな感じがあんまりしなくて、どのユニットもとてもかわいいです。世間的にはどうなのかな? 「11」>「5」>「7」という意見も複数目にしたけど。何にしろ、今回はどれもなんとなくオススメだ。

その他のコーナーについて。
「魁! 新垣塾」は、新垣が6期メンに「石川梨華についてどう思うか?」を問う。
アシスタントが安倍なつみ。この人、意外なほどこういうバラエティ的な仕切りができるなあ、と感じた。もう田中、亀井、道重と並んでいて道重がオチ、というのをキッチリ把握していたし。
安倍さんはツッコミもけっこう容赦なくて面白い。矢口とかとはまた違って、何というか「フジテレビ的ノリ」なんだよね。
(03.0630)



【雑記その6】・タトゥーその後、原稿流出事件

お騒がせの「タトゥー」が会見 「罪の意識はない」

タトゥー暴挙にテレ朝キレた…

あーやっぱり見ておけばよかったと、私の中の野次馬根性が再びささやいている。続報を読んでも、「なんかタトゥー側にシナリオがあって、Mステが利用されたっぽい」という感想は変わらない。決めつけちゃいかんとも思うが。あるいは単に、プロモーターがいいかげんなヤツだというだけのことかもしれないし。
むしろタトゥーの曲をカヴァーするというジュエミリアの行く末の方が心配である。

「さくら出版原稿流出事件」については、「B館」--極私的マンガウォッチング--MANGA NEWS(掲示板)の030628(土)ですごく詳しくまとめられている。
生原稿を売り買いするという行為になじみはないが、「まんだらけ」の成長とともに生きてきたといっていい私にとっては、何とも言えぬ気持ちになっている。このあたりの法律に暗いというのも私の負い目だ。
この事件は、やや議論が拡散すると「そもそも盗品を盗品とわかって売っていいのか?」という問題に行き当たる。万引きがつかまって電車にひかれて死んだ少年が出てきたりということとも関連して論じられる。

この事件がらみで、すごく人間の倫理観が露わになるなあ、と思ったのは、通常、人間の倫理観というのは日々の生活とほぼ合致している。
たとえば、いきなり人を殴ったり、人のものを盗んだり、果ては殺したり、というようなことを、ごく普通の人はやらない。これを、自分自身は「倫理観にのっとっているからだ」と大半の人は思い込んでいるが実はそうではなく、「割に合わない」と感じるからやらないのだ、と思った。
逆に言えば「割に合えばやる」のであり、多くの犯罪を知って人が「バカだなあ」と思うのは、それがあまりに割に合わないと思えるからである。
もうひとつは、倫理的に正しくとも、自分に損なことを、多くの人間はしない。税金がキチンと支払われないのも、それが原因だ。当たり前だが。

で、思いきりぶっちゃけると、商人一般というのは、自分の利益になって非合法なことで、バレないと思われれば、やる。売ったり買ったりする。これは親戚一同に個人商店比率が異様に高い私が感じるところだ。
別に、非合法なことを親戚連中がやりまくっているわけでは決してないけどね。要は商人というのはそういううさんくさいところを持っていますよ、ということが言いたい。

「いい仕事してますね〜」という名セリフを産んだ中島誠之助の「ニセモノ師たち」 [amazon]は、骨董品業界の内幕がいろいろ書いてあって、アッサリしたタイトル、装丁からは想像がつかないエグい本であると思う。
この中で、中島誠之助は「かつての骨董業界は、ニセモノをつかまされたらだまされた方が悪い、という慣例だった。現に、義父はニセモノをつくって売っていた」と書いている。もちろん、その後に「自分はそんなことはしなかった」と続くのだが。

盗品売買については確か書いていなかったと記憶するが、他にも「テレビに出たためか、鑑定を依頼されることがあるが具体的な数字は絶対に出さない。恨まれるから」とか「骨董業界の結束は非常に堅く、ボスクラスの老舗が危機に陥るとヨソも全面協力する」というようなことが書いてある。
しかも、作者はすでに骨董業界の第一線からはひいているらしい。それだからこそ、かなりエグいところまで書いていて、「自分はきっちりした商売をした」、「自分は業界に貢献した」と書くことも忘れない、非常に計算された内容である。

何が言いたいかというと、中島誠之助は、盗品やニセモノは売らなかったにしろ、一般的な商慣習と比べればかなりエグい商売をしてきたのではないか、という疑念が本書を読んでわいてくる。
しかし、内情暴露みたいなことを書いても、作者は自身のスタンスを非常に巧妙に、かつ明確に表している。一読ズルいと思ってしまうのだが、同時に、業界内の商慣習が、一般のサラリーマンなどに通用しないことも見抜いた上での「タテマエ」の構築が絶妙であることには感心する。

現在のところ、「まんだらけ」の社長のコメントを読むかぎり、こうしたズルさがないように思う。
原稿の扱いに関しては、私はわからないのでノーコメントとするが、万民が納得できる「タテマエ」を用意しておかなかったことは、マズかったと思う。
「マンガ文化を盛り立てるため」とか書いてあったが、それは事実だとしても、それが目的ではないはず。あくまでも儲けることが商人の最大目的だ。

今回の原稿流出事件とはやや離れたことになってしまうが、まんだらけ社長のコメントに「出版契約をきちんとしない業界内慣習が悪い」という「おまえらだって責任あるだろ」的な開き直りが見られるところがどうかと思う。
よく「商人はそろばんで勝てばいい」と言うが、そのデンで言えばこうした対応は逆ギレともとられる。商人とは、法律に抵触しない範囲で、最大利益をあげるのが最終目的なのだから、逆ギレしてしまっては評判は落ちるが、あまりいいことはない。

そりゃだれだって、「現場は大変なんだよ。理想論ばっかり言ってんじゃねえよ」と他人に対して思うことはあるが、商人の場合はあまりはっきりそういうことを明言してしまうと、自分で自分の首をしめることになる。

たとえば、コロッケ屋で、床に落とした材料も拾ってぜんぶコロッケの具にしている店があったとしよう。
あまり推奨はできないが、まあそういうこともあるだろうなという気も一方でする。 しかし、そのコロッケ屋が得々として「実はウチのコロッケって、床に落とした具も混ぜて使ってんですよね、アハハ」とか言い出したら、そりゃちょっとマズいだろう。
開き直るのはマズいよ。頭は下げて下げて、それで最終的に最大利益が拾えればそれでいいんだから。
中島誠之助は、暴露的な本書いてもそれができてるからね。そうとう嫌味な人物だとは思うけど、逆に思慮深いとも言えると思った。

そんだけ。
(03.0629)



【雑記その5】・すーふりその後、タトゥー出演ドタキャン、ジャンクバイシクル(自転車)

・すーふりその後その1
「週刊文春」にまとまった記事が載っていたので読む。
ネットの情報消費速度はものすごいので、「文春」が週刊誌としての土性骨を見せるかどうかというのにも興味があった。
週刊誌として当たり前だが、本人の親たちや被害者などに直接取材しているところは読み応えがあった。ワダ容疑者だけ「和田さん」と「さん」づけになっていたのも嫌味っぽくてよろしい。
ただ、似たようなことをやっているらしい似たようなサークルについても調べてほしかったが。

・すーふりその後その2
ネットウロウロをしていたら、かなりとんでもなく悲観的なテキストに出くわす。
「人生のゴール地点は、RPGのようにラスボスとの決戦ではなく、薄暗い洞窟での強制労働だ(もちろん比喩)」と規定した上で、「ワダサンはそれを無意識に感じ取ってモラトリアムの道を進んだ。それ自体は責められない」とか書いてあった。
これはあまりにも悲観的すぎる。
若いのに、もう少ししっかりしてほしい。「(バイクは)ガソリンは消費されるけど、そのぶん前に進んでいく」とか書いてあったのは五十嵐浩一のマンガ「ペリカンロード」だが、たとえが古くて申し訳ないが、地位だとか名誉だとか金だとか以外に、トシをとっていく、若さを失うことで何を自分が得るのか、得たいのか、を考えるのが今やるべきことで、ワダサンをうらやましがるなんてかなりレベルが低いと思う。

同じテキストでは「『努力することができる』ということはひとつの才能だというのは恐るべき事実だ」的なことも書いてあったが(ワダサンが外見に似合わず受験秀才だったことから来ているのか?)、そんなことは16歳の夏にみんな悟るべきこと。
「火の鳥 鳳凰編」とか読んで出直してほしい。

・すーふりその後その3
……んでまあ、ワダサンみたいなものを生み出した受験戦争を支えているシステムみたいなものに異を唱えるのはいいんだけど、「じゃあどうすればいいのか」については、答えなんてないんだよ。よく、けっこうな有名人が受験システムを否定するけれど、それはその人がそれに頼らないだけの才能を持ち合わせていたということだからな。
だから、ワダサン事件で「モラトリアム」という側面で考えるべきところがあるとすれば、受験システムが強固だから起こった事件ではなく、むしろ不徹底になりつつあるから起こった事件ではないかということと、受験システムに異を唱える人間が自分にとって「ハメルンの笛吹男(女)」かどうかをよく考えることだと思う。

・すーふりその後その4
なお、輪姦に関しては厳罰に処してほしいです。去勢しちゃえよこの際。
あと、この事件から逃れて、同じようなことをやって、陰で笑っているやつらが絶対いると思う。みんな死んじゃえばいいと思いました。

タトゥーMステドタキャン、過激衣装原因
タトゥー、興味ないから「Mステ」見なかったんだけど野次馬根性で見ておけばよかったと後悔した。
で、これは私はMステーション(とくに現場の人)は責められないと思うなあ。
「じゃあチクビ出されたときの責任をだれがとるのか?」ということでしょ結局。過激ったって、Mステーションで上だけビキニになるとか、Tバックのおねーちゃんがバックダンサーで踊るとかってことは今までもよくあったからね。PVなどに出てくるタトゥーの衣装でモメるというのはちょっと考えられない。
もし当日モメるとすれば、「チクビを出す出さない」ってことが原因の可能性が高い。

うまいぐあいに、タトゥーの伝説づくりに利用されたかたちになりましたね。
個人的には、タトゥーのゲリラ撮影なども含めた過激パフォーマンスはあまり好きではないですがね。中森明夫とか好きそうですね(うわーすごい突き放した書き方だ……)。

ジャンクバイシクルへのいざない
70年代から80年代前半の、グロテスクに進化し続け、消えていった少年向けのガジェット付き自転車を懐古するページ。
フラッシャー(方向指示器)、スピードメーター、リトラクタブルライト、フロアシフト形式の変速レバー、変速ボックスにスピードメーターを組み込み、25キロを超えると「注意速度」だとして、アラームまで鳴る……。

どんどんゴテゴテ何かがくっついていって、最後はバーストしたというか、シンプルなデザインが見直され、忘れ去られていった自転車。
私自身も当時小学生で、こういうのの直撃世代だったが、実は有名な(?)「フラッシャー」すら知らなかった。
「買ってもらえないものの広告を見ても仕方がないなぁ」とか思って、あまり見なかったんだよね。
でも、当時の時代の息吹は感じまくりだ。こうした「どんどん過激になっていって、最後はバーストしてしまう」ものが、70年代後半から80年代の少年文化はすごく多かった気がする。際限なく開く部分が増え、マグネット結合部分が増えていった筆箱、際限なく合体パーツが増えていったロボットが出てくるスーパーロボットアニメ。
「リングにかけろ」は、最終的には「名前を叫んだだけで必殺技の内容が提示されない」という、現在のRPG的魔法よりもシュールなことをやって前のめりに倒れたし、ピンクレディーや沢田研二も、巧妙なイメチェンなどしないまま前のめりに倒れた。「おニャン子クラブ」は、「アイドル」という概念を食いつぶしてバーストさせた存在だった。

見ている方も「このままじゃ済まないだろうな」と思いつつ、その激流に飲まれた気になったり、あるいは呆然と見ているしかなかったりした。歌手の「一発屋」が現在に比べ頻出したのも、巧妙な戦略などないことを思わせた。

こうした「ただどんどん過激に、ゴテゴテになっていく」文化というのは、きちんと調べたわけではないが70年代後半から80年代までの独特な感じがすごくよく出ている。なぜそうなったのかわからないが、だれもがみんな行くところまで行って、そこでバーストして前のめりに倒れた。
そういうものは、「飽きられる」瞬間にはものすごく悲惨だ。だが、時間が経つと、巧妙に先延ばしされたものよりも、無惨に散ったものの方が懐かしさは強い。

あまりカンケイないが、現在CDを出しているお笑い芸人が考えるべきことは「ヒップアップはなぜ消えてしまったのか」ということだと思う。
(03.0628)



【雑記その4】・ハロプロ新ユニット「ROMANS」、平田裕香

ハロプロ新ユニット「ROMANS」(サンスポ)

ハロプロ新ユニット「ROMANS」(ニッカンスポーツ)

テレビ番組「セクシー女塾」のメンバーで新ユニット結成。なんかすごいね。新プッチモニとか、どうするつもりなんだろう。
矢口が、「セクシー系」のROMANSと子供向けの「ZYX」を掛け持ちするのは完全に確信犯ですね。
「セクシー女塾」では今週総集編を放送していたが、その中で野球の応援に使うメガホンを矢口が腕にさして「サイコガン」って言っていたのがツボに入っちゃって笑ってしまったよ。

「週刊ヤングサンデー」のグラビアは平田裕香(水着)

「水着は卒業した」んじゃなかったのかよ! と、一部の人はつっこむと思うんですが、本当に、なかったかのように普通の水着でした。タイで撮影。
しかし予想がついたことでもあって、公式ページの本人の日記に、

>>Date:2003.3.1
>>えー明日から6日間、タイに行きます。
>>今の私の心の中の気持ちを素直に上手に表すには少しムズカシイ・・・。のですが、
>>とても素敵なスタッフの方達とのお仕事なので、ウン。
>>楽しんできますねっ!
>>でわ、行ってきます!

……と書いてあった。平田本人は「また水着かよ!!」と思っていたに違いない。それ以外、上記の含みの意味は考えられない。
しかし、シロウト考えだと19歳くらいの女の子はドラマでも使いにくいのではないかと思うし、キャラとしてギャル系でもないし、脱ぐには時期的に早すぎるし、かといって眞鍋かおりみたいに短パンはいたり中途半端な下着のような外出着のような服装でごまかしてグラビアに再登場するよりは、いさぎよくていい。こういう変節に文句を言う人間はあまりいないだろう。
(03.0626)



【雑記その3】・「卓●少女・愛ちゃん」

私は卓●少女・愛ちゃん、もっと広くとれば卓●少女・愛ちゃん的なものを愛でる人々の心性というのが気にくわないので、ついつい酒を飲んで「いかに『卓●少女・愛ちゃん』的なものを滅ぼすか」ということについて真剣に考えてしまった。

ふと思いついて、卓●少女・愛ちゃんを本名で検索すると、ミキハウスのつくった愛ちゃんのページが出てくる。卓●少女・愛ちゃんはミキハウスの所属だから。

>>●好きな食べ物は? スイカ・メロン・うどん …赤ちゃんみたいでしょ?

何言ってんだ!!

>>●得意なことは?
>>水泳

卓球じゃないのかよ!!

>>●得意な科目は?
>>体育・音楽・美術・家庭科(大好き!)

なんかすごい媚びてる。

>>●練習がお休みのときは、何をしている?
>>年に3日しか、お休みはありません。

「赤ちゃんみたいでしょ?」とか媚びておきながら、日常生活の話になるととたんに真顔になるようなこの素っ気なさ、「いや、遊びじゃないんで。」みたいな感じ。これはある意味、卓●少女・愛ちゃんをよく表していると思う。

あ〜むかつく。

さて、卓●少女・愛ちゃん的なものを滅ぼすという計画も、なかなかうまくいっていない。
個人的にはオトコができれば早いと思うのだが。
卓●少女・愛ちゃんの理想のオトコってどんなだ? まあベッカムだとしよう。最近流行ってるから。
ベッカムがあらわれて、「卓球なんてやめて、マリオパーティやろうぜー。それで、負けた方が罰ゲームでドーナツ食べるのなー。なーなーなー、げへげへ」
……などと言えば、もう卓●少女・愛ちゃんはマリオパーティやりまくり、ドーナツ食べまくり、髪型までベッカムになって、髪型がベッカムになったことがいちばん問題になって、卓●少女・愛ちゃん的なものは滅びるのではないか。

「ないか」じゃないっつーの。ホントに。

でも、自分の卓●少女・愛ちゃんのイメージって、いちばん近いの「バキ」の死刑囚とかなんだよね。あの下がり眉毛の「何もかも面白くねっ」っていう顔で年上の選手を叩きのめすところとか。
でも、確かさんまの番組に出て卓球やったときとか、ホントにそんな感じだったね。

もうひとつ考えたのが、
「卓●少女・愛ちゃんを、高橋愛がホメ殺す」
っての。

テレビ番組の企画みたいので、「名前が同じ『愛』ですねー」とかって、最初は高橋愛が馴れ馴れしく近づいて来るんだけど、実はやんわりと「同じ名前でも私よりあなたの方が上よ」って言ってくる。
そして、卓●少女・愛ちゃんの欲しいものすべてを、高橋愛が入手していることが発覚。
実は多忙な高橋愛の方がよっぽど休みがあることを知ったりして(本当は知らんが)凹ませる。

で、家に帰って寝ると、卓●少女・愛ちゃんの夢に和歌山カレー事件の女が出てきて、一晩中うなされる。
和歌山カレー事件の女、ミキハウス着てたなーっていう連想なんですけどね。

あとは、宝くじの1等を3回くらい当てて、ミキハウスを買収して「卓●少女・愛ちゃんVS和歌山カレー事件の女」っていうSFX巨編をつくらせる。
卓●少女・愛ちゃんのファンを集めて先行試写会をやって、上映される直前まで「感動のドキュメンタリー」だと思わせておいて、フタを開けたら、キャストは森三中とネコ1匹(卓●少女・愛ちゃん役は森三中役のだれか)。あと二枚目役で志垣太郎やにしきのあきらが出てたりとかっていうB級な感じで。

場内騒然。

でも、サブリミナルテクニックがほどこされていて、見終わった後の卓●少女・愛ちゃんファンが売店でコーラ買いまくり、今話題のバニラコークじゃなくてジョルトコーラ買いまくり、ポップコーン食いまくり。

で、その後、高橋愛が出てきて、
「でもサブリミナル効果って、嘘らしいよ、嘘らしいでのっ(福井弁?)」

って言って、それ聞いたみんなが今までむさぼり飲んでいたコーラの紙コップとかそこらじゅう散らかして、立ち去って。

完。
(03.0625)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第64話(2003、テレビ東京)

公式ページ。

第64話「とにかくすごい魔法(前篇)」(6月21日)

楽器職人トプルの手により生まれ変わったミルモたちの楽器には、新たなる力がかくされていた。実はそれぞれ「モノをつくり出す」とか「モノを移動させる」、「人を操る」など、魔法に属性があったのだね。しかし、そんなことも知らないでのほほんとしているミルモたち。
そんなとき、アクミとワルモ団が楓たちの学校を襲撃! 苦戦を強いられる。ミルモは、彼らの魔の手から学校を守ることができるのか!?

今回は、バンクの魔法発動シーンが2回くらいずつ流れていた。それで今頃、それぞれの楽器によってBGMのアレンジが変わっていることに気づいた。遅いです自分。
アクミは、ボスのダアク様のミーハー的なファンという設定になっていて、それがカワイイね。ワルモ団の、あまりに徹底したマヌケぶりにも好感が持てる。
(03.0625)



・「真説 佐々木小次郎伝!! 大江戸ジゴロ」(1) 鍋島雅治、檜垣憲朗(2003、日本文芸社) [amazon]

この物語は、長い戦国の世が終わり、
世に太平が訪れようとしていた
江戸時代のはじめに、
歴史の裏で、延々と繰り広げられていた
「巌流島の決闘」以降の、
武蔵と小次郎の暗闘の物語である。
(本作の解説っぽい部分から引用)

週刊漫画ゴラク連載。なぜか色街・吉原の守護神として、女たちを悪いやつらから守っている美貌の剣士・佐々木小次郎。自由気ままにふるまっているように見える彼には、宿敵と言える男がいた。それがかつて小次郎に勝利した、宮本武蔵であった。
舞台を巌流島から色街・吉原に移し、二人の戦いの第二ラウンドが始まった。

「バガボンド」のヒット以来、宮本武蔵関連のマンガやドラマなどがぼちぼち出てきているが、逆にライバルの佐々木小次郎を主人公にするというのは常道のひとつのように思われる。確か「漫画サンデー」でも、佐々木小次郎を主人公にした劇画が連載されていた。
本作では、ホストマンガの雄というか老舗というか、そんな檜垣憲朗が小次郎を描く、というのがミソ。

プロットも、テキトーでもなく、マニアックに陥らず、史実を出してきたり飛躍したりでけっこう面白い。本来主役をはれるはずの柳生十兵衛がワキに回って小次郎を引き立てたりするのは、なかなか痛快である。
が、何といっても1巻で盛り上がりを見せるのは宮本武蔵登場以降で、宮本武蔵をリアリストであったとか策士であったと描く作品も多いが、こんな大悪人の武蔵は見たことがないというくらい豪快な悪っぷりである。対して小次郎は心優しい美貌の剣士として徹底して描かれており、この対比が話を盛り上げる。
巌流島の決闘のエピソードも、小次郎の正義っぷり、武蔵の悪っぷりが実に好対照で本作の実質的な発端にふさわしい話になっている。

今後は、二人の戦いだけで長編としてどれだけ引っ張れるかというところが見どころだと思う。
2〜3巻の感想

(03.0624)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)

公式ページ

6月22日放送分。
「中沢裕子 三十路SP」と題し、ゲストに磯野貴理子を迎えて「女は30からか? 若い方がいいのか?」についてみんなが討論するという企画。

うわー、今回本格的に書くことがない。磯野貴理子は面白かったけどな。あと一生懸命しゃべってるんだけど話にあんまり実がない石川梨華が良かった。
新垣は、クセなのかもしれないが変なしかめっ面をするのはやめた方がいいと思う。

あとは「ハロモニ。劇場」で歌われた「ケメ子の歌」の伴奏は何だったのかとか、そういうサマツなことが気になった。
(03.0623)

・追記
「ハロモニ。劇場」の「ケメ子の歌」のアレンジは、アルバム「FOLK SONGS 4」に収録されている「ケメ子の歌」のものらしい。なるほどね。
(03.0624)



・「がじぇっと」(1) 衛藤ヒロユキ(2003、マッグガーデン) [amazon]

ダメなんだ
キカイで人間を壊すなんて
それはともぐいなんだ
ああ オレなんかいいこと言ってる
でも 目がさめたら忘れてしまいそうだ

たぶん、月刊コミックブレイド連載。鳥賀周一は、機械いじりの得意な中学1年生。彼は「タレちゃん」と呼ばれている、クラスメートの多来真奈美が好きになった。周一、タレちゃん、クラス委員の赤峰由紀は、それぞれが別々の時間・場所で謎の浮遊物体を目撃する。それ以来、なんだかキカイに関する不思議な力が宿りはじめて……。

正直、この1巻はすばらしい。ツボにはまってしまった。最後まで読んでからもう一度しみじみ読み返してしまった。
周一や他のクラスメートたちの、思春期の頃のワクワクとか喜んだり悲しんだり、といった感情がすごくよく表れている。また、「機械と人間の交感」がおそらくテーマになっているところも、マンガとしては画期的。
「マトリックス」に顕著なように、「人間VS機械」というのが一般的に読者が安心する図式である。人間と機械は対立する方が、物語は展開しやすいようだ。SF小説では機械と人間の交感はよくテーマになるし、バイクものや車ものでもよく描かれるのだが、ファンタジー的なマンガ作品で描かれることは、私が知るかぎり少ない。
この辺、周一の独白などからかなり意識的であろうと思われる。

また、ちょっとしたキカイの描写がキャラクターの心理とつながっているところも実に感動的。「電子音が 多来の声に似ていた」なんてセリフ、いいねえ。周一と赤峰の、CDプレイヤーをめぐるエピソードも本当にいい。泣ける。
(03.0622)



・「ソニン物語」第4回 姫野かげまる(2003、ザッピィ7月号、メディアファクトリー)

ザッピィに先月号から連載されている、実在のアイドル・ソニンを主人公にしたマンガの第4回(全5回)。

ソロ活動をするにあたって、「走りながら考えれば何かを得られるのではないか」ということで「うたばん」の企画でマラソンをすることになるソニン。
自分の生まれ故郷の高知からおじいちゃんの生まれ故郷の韓国まで、その距離570キロ。悩み苦しみながら走るソニンは、そこから何かを得ることができるのか?

実際にテレビで放映された企画を、まるまる1話使ってダイジェストに仕上げているという感じ。内容のシリアス度から、心持ち絵柄もリアル調に。

で、実はテレビの方はきちんと見てない。もう、かわいそうすぎて正視に耐えなかったから。ただ、テレビの企画としてはすごいものだったと思う。「テレビは、本来ないところに感動をつくり出す」というようなことを書いていたのは故・ナンシー関だが、それはハロプロとかソニンとかにもそのまま当てはまる。で、問われるのはその是非ではなくそれをうまく展開できるかどうかであり、ハロプロおよびソニンは、これまで実にうまく展開してきている。
この「マラソン」も、本作を読むかぎりソニンが在日韓国人であるという(冷静に考えれば、別にポップスの歌手になるにあたってほとんどカンケイがないかと思われる)事実をギリギリまで感動に結びつけようとする。そして、テレビとしてはおそらく成功だったのだろう。

が、これは本作に限らず昨今の実在するアイドルのマンガ、ミュージシャンのマンガ全般に言えることだが、正直、マンガとしてはどうかと思う。
「理由のないところに理由をつくり、感動が発生する」のはテレビならではのマジックであり、マンガではそれは通用しない。もっとも、そもそも通用しないことをマンガにするにはムリがあるのだが……。
たとえば今回の場合、ソニンがマラソンで何かを掴むためには、彼女が徹底して「何もつかんでいない」前提を描かなければならなかった。それがあれば、「お手盛りの企画だったが、本当にソニンは何かをつかむことができた」という含みも生まれた。 だが今回、それはなかった。

こういうマンガ企画自体、私もオトナなので制約が多いだろうことは容易に想像できるが、ソニンが「苦労キャラ」で売っている以上、「おごっていたがこの経験で反省した」という展開ができなかったとは言えないと思う。
ちょっと八つ当たりだとは自分でも思うが、実在のアイドルマンガは意外に数は多いが、最低「これだけの条件は揃えてほしい」というところが達成できていないものが多すぎる。マンガでの最低レベルの「感動」の方法論は、そんなに複雑ではないはずだが。
ちょっとがまんできないので言わせてもらった。

・「ソニン物語」第3話感想

(03.0621)



・「YOUNG キュン!」7月号(2003、コスミックインターナショナル)

成年コミック誌。中綴じ。コンビニ売りもしている。

2カ月前に完結した毛野楊太郎の「麗しい課外授業」「淫らな課外事業」と改題して、単行本として刊行されているらしい。で、同作者の今月からの新連載が「陵辱遊戯」である。

父親が自殺、母親もおかしくなってしまった少女・碓氷希(うすい・のぞみ)は、叔父の家に引き取られる。が、従姉妹の美里は希に辛く当たる。美里は心底悪人ではなかったものの、希との関係はあるとき決定的に決裂し、美里はカネをとって希をクラスメイトに抱かせるという鬼畜な展開に……。

第1回を読むかぎり、希が徹底的に不幸な少女というよりは、そこに何か含みがある展開になりそうだ。伏線がいろいろバラまかれている。脇役をほとんど違う人が描いているっぽいのが気になった。美里も別の人が描いたような顔をしている。

執筆者は、他に高苗京鈴、鬼窪浩久、龍牙翔、断華ナオキ、水島空彦、氷純舞、IRIE YAMAZAKI、大波耀子、りゅうき夕海。
(03.0621)



・「犬のジュース屋さん」(1) おおひなたごう(2002、集英社)
・「がんばれ酢めし疑獄!!」(4) 施川ユウキ(2003、秋田書店)
・「ピューと吹く! ジャガー」(5) うすた京介(2003、集英社)

ギャグマンガのレビューはむずかしい。だから、3冊を比較してやってみようというのが、今回の私の試みです。

「犬のジュース屋さん」(1) おおひなたごう(2002、集英社) [amazon]は、ヤングジャンプなどに掲載。けっこう前に出ていたのを今頃購入。「犬のジュース屋さん」が、人間の友人「立体くん」とともに、何かにつけて商売のジャマをしようとする「クマのジュース屋さん」と戦うというような話。
何度も書いているが、おおひなたごう作品の多くは藤子・F・不二雄のオマージュになっている。本作もそんな感じ。だけれども、作品単体でもきちんとまとまっていて、藤子・F・不二雄をぜんぜん知らなくても当然楽しめる。日常の細かいところを描写した「あるあるネタ」などがよく出てくる。

「がんばれ酢めし疑獄!!」(4) 施川ユウキ(2003、秋田書店) [amazon]は、週刊少年チャンピオン連載の4コママンガ。「あるあるネタ」が多かったり、シュール系のネタがあったりというところはおおひなたごうと共通しているが、本作は「うまくまとめた」オチがほとんどない。もうほとんどすべて「あるある」かシュール勝負。

第4巻では、個人的には前半よく出てきた「日常のどうでもいいことをやたら悲しがる羊」ラムニー君と、「どうでもいい過去を思い出したりそこから予想されることで怒りを覚えては『殺シテヤルゥ!!』と絶叫する黒羊」オニムラが印象的。
全体的にものすごく細かいことやどうでもいいことに気がついてしまうという神経症的なネタが多いが、同時にどこか突き抜けていて、それほど病的な感じはしないのがいい。

それにしても、自分が以前書いた3巻の感想はヤケクソ気味で、自分で自分の文章を「なんかイヤだ」と思った。

「ピューと吹く! ジャガー」(5) うすた京介(2003、集英社) [amazon]は、週刊少年ジャンプ連載。
ガリクソンプロダクションの「ふえ科」の講師・ジャガーさん以下、ピヨ彦、ハマーなどのダメ人間の日常を描いたギャグマンガ。
「あるあるネタ」のような、日常に直結するネタがほとんどないのが特徴。
今まではそれぞれのキャラクターを立たせるために、わりとみんな「前へ前へ出ていく」という感じだったが、キャラが定着してきたためか5巻では「ダラダラしたダメっぷり」が心なしか強調されていて、そこら辺が面白い。
個人的にはネットアイドルを目指している女の子・高菜の地味だが変わり者っぽい行動がリアルだと思った。後は、かっこいいバンドのヴォーカルなのにジャガーさんと遊びたくてしょうがない男・ポギーが「レスラー仮面」に扮して大喜利みたいなことを挑戦しにくる「第101笛 レスラー仮面アップリケを替える」が死ぬほど面白かった。
ハマーさんの突出したダメっぷりも最高だ。しかし、急にみんな劇画調のキャラになってオトす、という15年くらい前にすでに古くなっている(と私は思う)ことをなぜいまだに執拗にやっているのかは謎。

4巻の感想はここ
(03.0621)



【雑記その2】・「ふぬけ共和国・実在」 夢の着ぐるみ世界

何とも言えない着ぐるみ販売カタログメガ喫茶.net

当HPは「共和国」などと銘打っていても、実情は帝国である。わたし帝国。実際にパノラマ島をつくれずとも、好きなもので周囲を埋め尽くしたいという欲望はだれにでもあると思う。それが単純なものではなく、また純粋な創作活動でも(才能がないため)満たすことができないから、「自分の趣向」を投影する断片をさまざまなところからかき集めてくるしかない。それが当HPといっていいだろう。

しかし、ごくたまに私の想像上の「おれワールド」を、奇しくもかなりのところまで体現してしまっている人やモノがある。それらに別にそういう意識があるわけではないが。
紹介した着ぐるみ販売ページをぜひ見てほしい。せいいっぱい「カワイイ」を装っているのになんかかわいくない、でもそこがいじらしい着ぐるみがところせましと並べられている。
「クマサン」の「クマサンデース」「テヘ」などは、どう考えても三流泥棒コメディで、主人公がとっさに化けた姿にしか見えない。この後、「あっ、そこにいた、何やってんですか、もうすぐ始まりますよ!」とか言われてショーにかり出されちゃったりするんだよね。

他にも、まんま「ピカチュウ」を「子ぎつね」と言い張っていたり、女の子が着用してかわいくキメている「うさぎスーツ」、「ねずみスーツ」が萌え度ゼロだったり。
「ハローキティ光るパーティハット」に至っては、写真が江戸川乱歩の「少年探偵」に出てくる魔法博士を連想させる。恐い。恐いよー。
売れないお笑い芸人風ポーズの、馬くん&カエルくんもいる。うわー。こいつらぜったいおれの夢の世界に住んでるわ。

SFファンにはスター・ウォーズキャラクターを。アナキンめちゃめちゃ情けねぇ〜。

着ぐるみを堪能された方々は、仮衣装販売メニューを見ていただきたい。ね! ここには確実に何かがあるでしょ! 「簡易かつら」なんて、簡易なだけですでに泣けるよ。なんかカン違いされたつげ義春か花輪和一の世界もあるな。

変装仮装衣装・洋風の部もウットリものの「狂」なラインナップ。うわー、女海賊、「フック」もセットなんだ。このトランプマンもすごいな。ルイス・キャロルが化けて出ちゃうよ。そして紅ばら。もう何も言うことはない。

きっと、こんな着ぐるみたちが生きている世界には、戦争も飢えもなく、みんなが楽しく暮らしているのだろう。
近所に「28歳の大学生が連日連夜、反道徳的なパーティを開催している国」や「パリ・コレがいちばん価値観として上の国」、「男はみんな筋肉ムキムキで、だれもが志願兵になる国」、「田嶋陽子が王女の国」などがあるかもしれないけど、着ぐるみたちは平和を乱されることはないだろう。

それは、そう、彼らにも武力があるからだ。「みんな集まれ〜!」くたびれた顔の妖精が、ビールのプラスチックのケースの上に乗って召集をかけると、縁日で買った数字合わせパズルに夢中になっていた「ぬいぐるみ軍」がさんさんごうごう集まってくる。みんな、景気づけのために「忍者ハットリくん」のエンディングテーマを歌っている。♪ハッハッ ハッとすりゃスタタのサッ♪

そして次々と名乗りをあげる百戦錬磨のつわものたち。カンフーの達人ゲリラの隊長忍者水戸黄門、そして、パーティ戦隊・エンカイダーが帝国を守るのだ!!!!!!
(03.0620)



【雑誌】・「週刊プレイボーイ」 27号(2003、集英社)

「誕生20周年・男ならオタクのように生きてみろ!」という記事
「と学会年鑑BLUE」[bk1]気楽院さんの記事によると、「これがギャルの嫌う『オタッキー』の実態だっ!!」という記事が同誌に書かれたのが1989年、ミヤザキ事件の半年前。
そのだいたい14年後、こんな記事が書かれるとは……しかもイラストは両方とも渡辺和博だ。同じ雑誌の中ですごい変節ぶりではあるが、週プレの歴史をひもとけばもっとヒドイのが他にも見つかるのだろう。
それに、一種の冗談だからいちいち目クジラ立てるのもどうかと思う。が、表紙にまでタイトルが載ってる記事だからまっちょうじきに感想を言わせてもらうと、なんかイマイチでした。

内容はタイトルどおり。でもざっと書かれた「オタク史」が、私から見ても案外適当だ。
私ですら、当事者ぶって「オタク史」について書くときにビクついているというのに、湾岸戦争のハイテクぶりとスーパーハイウェイ構想がオタクを復権させたとか、「ツインピークス」のブームでオタクが台頭したとか、う〜ん、なんだか微妙です。
「オタクがモテるかも」という論調は、広くとれば「SPA!」の専売特許だが、それをふまえているかのように「『SPA!世代』に捧ぐ(笑)!?」と冒頭に書いてある。が、内容を読むとこの惹句は別に挑戦状にも皮肉にもなっていないことがわかる。単なる照れ隠しなのだ。
そもそも、1983年に中森明夫が「おたく」と言い出したことを「おたくが生まれた瞬間」とすること自体、冗談記事だということをかんがみてもすでに古いと思う。

ササキバラ・ゴウ氏1978年論ノートでいろいろ書いているように、まあ「78年」が絶対的な数字だとは思わないけれど、70年代後半から80年代初頭あたりを起点にして広義のサブカルチャーをさらってみないと、「オタク」って見えてこないんですよね。
つーか、もうこういう「オタクが不景気な日本経済を支える」みたいな記事はいいよ、って感じ。実際の話、そんなんで儲かるのはごく一部だよどう考えても。大半はカネを使う側だもん。虚無だ。

マンガとしては「タッチでイクぜ! 竹田クン」若林健次谷村ひとし「新海物語」の秘密が丸裸にされた!「キン肉マンII世」などが載ってる。
「キン肉マンII世」は、面白い。今、バリアフリーマンが出てきて「タトゥーマン」というのと戦ってる。こういう元悪役が贖罪のために命を賭けて戦うみたいの描くと、ゆでたまごは天下一品だな。またバリアフリーマンの設定や造形のすごさね。このマンガが600万部出ている(らしい)という事実を、自分は忘れてはならない。
「ワーキンガールH。」もんでんあきこは月イチ連載らしい。いろんな職業の女性が出てくる1話完結のHものらしいんだけど、いまだにこういうレディースコミック的な絵柄のHマンガが「プレイボーイ」に載っていることに衝撃を受けた。こういうところは20年前からまったく変わっていない。
20年前も、少女マンガ風の絵柄のヒトや女性作家にHマンガを描かせることはあったが、単にHものができる作家不足か、当時台頭していたアニメ絵のHマンガを一般読者が受け付けないからという理由があると思っていた。が、いまだにこういうのが載ってた。別に悪いとは言わないが。

感想書くの疲れたので、これで終わり。
(03.0619)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン!」第63話(2003、テレビ東京)

公式ページ。

第63話「奥さん、カビですよ!」(6月14日)

いつものように大好物のチョコレート「くもっチョ」を食べようとするミルモだったが、カビがはえてしまい大ショック! そのころアクミは、人間界に「悪の花」をさかせるために行動を開始。カビに魔法をかけ、「カビラ」というモンスターを誕生させた。しかし、カビラはアクミの言うことを聞かずに暴れ出し、楓たちの町をあっという間にピンク色のカビでうめつくしてしまう。

  これだけ「ミルモ」の感想を書き続けているのに、「新田さんの影響で『ミルモ』を見始めました」というメールが一通も来ないのはなぜなんだ。そりゃ名作だとか「すんごい面白い」とかとは言いがたい作品かもしれないが、「ステルヴィア」ぐらいだったらタメはれるだろう。いや、はれる。
とにかく、何でもかんでもお約束的にカリカチュアライズされている本アニメ、なんとなく昔のタツノコギャグアニメを思い出す。そりゃお笑いのダウンタウンとか、ギャグアニメだったら「はれぶた」とか、そういう「ギャグとしてあらかじめ認識される」ものではないにせよ、こういうコメディ調のものは大事にしないといけないと思うなー。子供の情操教育には必要だよ。うん。
最近「破裏拳ポリマー」をDVDで見ているのだが、出てくる国の名前が「テーキット国」だよ。たぶん「適当」からもじってつけたのだろうが、本当に適当な国だ。「ロック・デナシス」とか。ロックフェラーからだな。「ズサンカーメン」とかね。最高だ。

今回のミルモでは、広大な庭のジャングルを使って、お付きの平井とともに猛獣狩りごっこをする松竹くんが面白い。「ジャングルはもっと蒸し暑くなくちゃ」とか言って、空調で思いっきり湿度をあげたため、「カビラ」は湿気を吸い取って巨大化してしまうのだ。そんな巨大化の仕方、あるか。それがすばらしいんだよ。
(03.0619)



・「パチスロ7Jr.」 7月号(2003、蒼竜社)

「ヤマアラシ」宮塚タケシ、原作/鶴岡法斎は、結婚した妹の妊娠をきっかけに、自分の半生を振り返る堀田。
スロプロへの道を歩むきっかけになったできごとを回想する。別に劇的な何かがあったわけではなく、ヒマな浪人中にパチンコで当たってから次第にハマりだしたということにすぎないのだが、それは堀田の人生を決定づけたし、実際の人生もこんなものなのだよねえ。リアル。

「SLOCA(スロッカ)」押山雄一は、連載第8回。スロットをカードゲームにしたという妙なマンガ。

大阪に来た翔は、ついに「スロッカ」をつくった父親に会えるのか? という回。今回出たカードは「しっかりとした土台作り」、「ここ一番での期待ハズレ」、「そのATキャンセルで」、「尊敬する人→オヤジ」。
スロットに詳しい人に聞いたら、どうやらスロットをカード化することにパチスロをマンガ化するうえでの必然性というのはまったくないらしい。すごいな。
それと、毎月お話の最後に「ワールドオブ・ザ・スロッカ」という1ページの解説が付いているんだけど、これの無意味っぷりも豪快。
他の作品にも1ページの解説が付いている場合があるが、それは原作者のスロプロの人の攻略日記だったり、作品内での機種の解説だったりしてそれなりに意味がある。

しかし「ワールドオブ・ザ・スロッカ」は、本当に「スロッカ」の作品世界の解説のみ。中でも「上小路サヤカのスロッカ日誌」は、作中ヒロイン・サヤカ自身が書いた(という設定の)展開についての感想という、本当に付いている意味がわからないオマケだ。アオシマの合体マシンが合体して、残ったパーツがまた合体して小さいマシンになるくらいあまりありがたみがない。しかしそこがすばらしい!
スロット業界のことはわからないが、やはり業界全体に広がりがないとこういう作品は生まれにくい。産業としての元気がないと、ぶっとんだものは生まれにくいという例ではないかと思う。

あと余談だけど、最近景気のいいらしいフィギュアとか食玩業界にも同じような傾向が。「サラリーマン金太郎」のフィギュアとか「一休さん」のフィギュアとか、どうするんだろう。そういうのの特集本があったら、まず買うね私は。ぜったいそういうのばっかり集めている人、いると思うんだけど。
(03.0618)



・「ウォーB組」7月号(2003、マガジンマガジン)

公式ページ

グラビア&マンガ誌。表紙&巻頭は井上和音、あと「J−フォン 父と娘編」CM出演中の池永亜美とか。

「ぼくとメス犬」野田ゆうじは、第17話「クーデター」。なんだか急展開だと思ったら、前回、読み逃してしまったよ。
全裸の女の子「すずな」は、メス犬として暮らしているが作品世界内でどういう位置づけなのかはナゾ。キモいオタク青年につかまって、ヤられそうになっている。 一方、すずなの飼い主・ケンイチの姉である麗美は、謎の組織につかまって拷問にかけられたあげく(その間の展開は読んでない)、卓抜したセックス能力で政府を陰で操ることを承諾する。

いきなりな急展開だが、「メス犬」の存在とオカルトがかった謎の組織の存在が連載17回目にもなっていまだに結びつかない(前回読み逃しているのかもしれないが)。「ぶっとび」的展開を感じて、わたし的には盛り上がってきている。

あと、杉友カヅヒロ児島未生おかクジラん

8月号は、7月9日発売。
(03.0618)



【雑記】・「W−SAYAKA」ついに始動

W-SAYAKAなるユニットが結成インサイター
内田さやか+沼尻沙弥香のユニット「W−SAYAKA」がついに始動。グラビア、トレカ、CD、デジタルフォトなどなど、03年大注目のふたりの最新情報がぎっしり。グラビア界の最強コンビの大活躍にご期待ください。

……だそうだ。唐突だが、「アイドルについて、もう何も書くのをやめよう」と、いつも思う。
アイドルはガンダムやあしたのジョーとは違う。虚構世界には、童心や、青春時代の心を持っていればいくつになってもアクセスできる。虚構世界には基本的に「時間」という概念がないから、我々はいつでも子供や高校生や大学生のままだ。「オトナ帝国の逆襲」で、子供に返ったしんちゃんのとうちゃんのように。

しかし、アイドルは違う。新しいアイドルが出るたびに、その子と自分のトシの差は確実に開いている。その差がぜったいに縮まることはない。年齢を確認してはいちいち驚く。さらに、その子の父親や母親の年齢を確認しては驚くようになる。
それは商品としてアイドルが提示されても、こちらが受け付けなくなっているということだ。
まるで、ものすごい勢いで地球から遠ざかっていくヴォイジャーのような心境だ。

私は、沼尻沙弥香にはフラットな印象しかないが、内田さやかには何か思うところがある。
私は、年齢的に「同級生がコギャル」という事態を経験していない世代である。
「コギャル」というのは、オッサンにとってはそういう種族、トライブのような感じだ。援交でも企てないかぎり、一生接点がない。
で、内田さやかというのは、オッサンが考え得るかぎりの「そこら辺のコギャル」をイメージして、それを最大限に美化し、セクシー化してアウトプットした存在のように思えてならない。ハイパー化したコギャル。

まあ、彼女の同世代のファンはそんなこと思ってもいないだろうけどね。
それと、内田さやか的なかわいさというのは、鮮度が短い。半年もすれば別人になっているような気がする。
たとえば、昔の広末涼子や、現在の15歳以下のアイドルたちに、「その瞬間しかないかわいさ、美しさ」を感じてはかなさを感じる人は多いだろうが、「内田さやか的かわいさ、セクシーさ」というのも、同じくらい命が短いのではないか。

内田さやかを見るたびに、花の命の短さを感じ、渋谷をうろつくコギャルを連想して、自分の頭の中では平成ガメラで渋谷に怪獣が落っこちてくるシーンがループされる。
(03.0616)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)

公式ページ

6月15日放送分。
舞台の演出家かなんかと俳優さんを呼んで、娘。たちに演技指導をするという企画。
最終的には「愚痴っているタマちゃん」とかそういうのをやらされるわけね。

完全に私のシュミの問題なんだけど、見ていてあまりの恥ずかしさに正視できず、ほとんど早送りしてしまった。「笑ってください」、「怒ってください」と言われて、どんなに周囲が冷たい目で見ていようが何だろうがそれをやりとおす役者さんというのはやっぱりプロだわ。
だけど、見てて恥ずかしいことには変わりない。
娘。たちがやっても同様。

なんでこんなに恥ずかしいのかと思って2秒くらい考えたのだが、「やってください」と言われたことが「面白くなりようがない」というふうに予想が付いてしまうからかもしれない。お笑い芸人なら、「やれ」と言われたことをはずしていこう、はずしていこう、というふうに持っていくだろう。予想外の着地が、面白さにつながる。
しかし「やれ」と言われたことを本当に「やる」だけでは、それは本当に恥ずかしい行為でしかないからなあ。

それと、演出家のおっさんはたいそういばっていそうな人だったが、こういう人は自分がやれと言われたらできるのだろうか。
「では、最後にやっていただきましょう! 『かき氷を食べて頭がキーンとなっている宇多田ヒカルが、クレヨンしんちゃんのものまねを自慢げにやっているシーン!』」
大まじめにやる白髪のおっさん(そりゃプロだから大まじめにやるだろうさ)。でも周囲はムリに盛り上げていて、ちっとも面白がっている様子はない。なっちや矢口が「すごーい」、「さすがプロですねー!」などと持ち上げているのも空々しい。
演出家のおっさんが、自分的にいちばん盛り上がっているところに画面がブチっとキレて、突然「かっぱの花道」が始まる……。しかも、ミカのアップ。

……とかいう演出だったら大爆笑だったんですけどね。

今週は個人的には「ハロプロワイド」も不発。それにしてもこのコーナーに出ていた矢口、加護、辻の「くのいち羅舞羅舞隊」は、旧ミニモニ。のすごさばかり見せつけていいんかいな? とか思う。本当にすばらしいよ。

あと、演技がヘタクソだろうがミスキャストだろうが、とにかくナボコフの「ロリータ」を紺野あさ美で撮るというのはどうだろうかと妄想。本来、ボキボキした感じの少女ファッション雑誌のモデルのような女の子が正統的洋モノロリータなのだろうが、紺野の丸顔、丸顔のわりに長い足、あれが日本的ロリータの一部であると思う(ここで言う「ロリータ」はアレね、これまた日本独自の幼女寄りの趣向とはまた別の)。
ハンバート役は、ベタだけど田口トモロヲでどうだ。

……などと書いていたらこんなことに。大事にならなきゃいいが。
(03.0616)

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