つれづれなるマンガ感想文1月後半

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一気に下まで行きたい



・「魔神王ガロン」(1) 手塚治虫、永井豪(2004、KKベストセラーズ)
・「手塚治虫マガジン」2月号(2004、KKベストセラーズ)
・「手塚治虫マガジン」3月号(2004、KKベストセラーズ)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
・「手塚治虫マガジン」12月号(2004、KKベストセラーズ)
・「手塚治虫マガジン」1月号(2005、KKベストセラーズ)
・「傷追い人」(4) 小池一夫、池上遼一(2002、2005、小学館)
・「緋ざくら姐御伝」 沖渉二(2001、ソフトマジック)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」8号(2005、集英社)
・「刃(JIN)」 1/6増刊号 Vol.8(2004、小池書院)
・「刃(JIN)」 2/7増刊号 Vol.9(2004、小池書院)
【雑記】・「アーカムブックス」に寄稿
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
【CD】・「THE マンパワー!!!」 モーニング娘。(2005、zetima)
・「青春ラーメン」 ビッグ錠(「最新! 最強! 究極のラーメン2005」、2005、ぴあ)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」7号(2005、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)






・「魔神王ガロン」(1) 手塚治虫、永井豪(2004、KKベストセラーズ) [amazon]

手塚治虫マガジン連載。天文マニアの少年・明王真(みょうおう・まこと)は、近くの山に隕石が落ちるのを目撃。その落下場所に行ってみるとUFOがあり、宇宙人も目撃する。
そこにあった大量の部品のようなものに触れた真は、「魔神ガロン」に変身してしまった。巨大でものすごい力を発揮するガロン。真が「元の姿に戻りたい」と念じると中から出ることができ、謎の部品は固まって収縮し、1個の球になった。真はガロンに変身できる力を手に入れたのだ。

他に12個の隕石が落下、すなわち12個の球が地球に落ちてきたということだ。その球を手にした人々は、その力を使い、魔神となって善悪入り乱れて戦うことになったのだった。

ぎゃははははは。何がすごいといって、おそらくその12人全員が手塚キャラだということである。すでに何人かの魔神が登場してきているが、ハム・エッグ、アセチレン・ランプ(しかも女)、メルモ、リボンの騎士などである。この単行本には収録されていないが、ジャングル大帝のパンジャやビッグX、アトムや「三つ目がとおる」も出た。

元ネタは手塚作品「魔神ガロン」。本作はガロンのラストから40数年後、かつてガロン一体しかよこさなかった宇宙人が、魔神に変身できる13個もの「球」を地球に送りつけたという設定になっている。

回想シーンではむりやり手塚キャラを模写し、本編でもむりやりダイナミックプロの絵柄によって手塚キャラをアレンジして描いている。
しかも、前述のとおりアセチレン・ランプが女として出てきたり、アトムは元不良少年のプロレスラーという設定だったり、改編が大胆すぎる。しかも、その改編というのは「魔神王ガロンという物語の設定に、手塚キャラを出すにはどうしたらいいか」という問題設定の回答という意味での改編なのだ。

これはどこかで見た方法だなー、と思ったら、そうだ「バイオレンス・ジャック」だ! しかも、物語そのものより「次はどんな永井豪のキャラが『関東地獄地震』という設定に合わせて出てくるのだろう」という興味で読ませていたゴラク版のジャックである。
たとえば、どう考えたって設定上出せるはずがない「けっこう仮面」を、ストリップ・ショーの舞台上のシーンとしてムリヤリ出していた、あの感覚だ。

要するに、本作はあの「ゴラク版ジャック」の方法論を手塚キャラに当てはめた作品なのである。
他人の、しかもマンガの神様のキャラでそれをやってしまうとは、恐るべし永井豪&ダイナミックプロ。

「幼稚園児のメルモちゃんが、『大人になりたいなァ』と思って魔神の球で『巨大メルモちゃん』に変身して暴れ回る」なんて、読んでて目眩がした。

いやー面白い。「つれづれなるマンガ感想文」に書いておくが、「ぶっとびマンガ」として認定したい。
(05.0131)



・「手塚治虫マガジン」2月号(2004、KKベストセラーズ)

「バンパイヤ」が新連載。再読して初めて気づいたが、ロックの犯罪は変装の名人だったり警察の盲点をついたりと、古き良き「少年探偵」シリーズのような趣がある。

読みきり「雪野郎 〜ザ・クレーター〜」は、1969年の作品。何者かの思念が実体化してどうのこうのという話で、手塚治虫はホントこういうのが好きだな。

特別読みきり「ジャングル大帝」は、1966年に学年誌に掲載された作品。いじわるで乱暴者のサイとレオが戦う話で、かわいらしくまとまっているが、最初の方でサイが母鳥の卵を踏みつぶしちゃうシーンがすごく残酷。
手塚作品って自分はこの残酷さについていけなかったんだよなあ、と勝手に納得してしまった(笑)。
(05.0131)


・「手塚治虫マガジン」3月号(2004、KKベストセラーズ)

「鉄腕アトム 電光人間の巻」は1955年。個人的に「手塚残酷」(注:手塚治虫の残酷な部分の略。今思いついて勝手に命名)の好例なのでちょっと詳しく書いてみる。

「ロボット芸術博覧会」が開かれ、そこで完全に透明になる見えないガラスでつくられたロボット「電光」が公開される。
ところが、その電光は悪人・スカンクに盗まれてしまう。できたてで無邪気な電光は、善悪の区別がつかないためにスカンクの手先となって悪事をはたらく。アトムの説得も空しく、スカンクの元を離れられない電光は警察によって狙撃され、破壊される。スカンクは逮捕され、スカンクを操る巨悪も正体が突き止められる。

本作を最初に読んだのは小学校低学年くらいの頃だったが、何とも言えない後味の悪さを感じた。
その大きな理由のひとつは、「電光」がその姿を見せるのは4ページ目のひとコマだけで、最後まで(破壊される=死ぬ瞬間まで)透明のままだということがある。
もうひとつは、ほとんどの作品で「死」を描くときに使われる「死のまぎわの会話」とか「何かを言って死んでいく」といったシーンがまったくないということ。
第三に、電光はアトムによって「姿が見えるように」と下半身にペンキを塗られ、下半身だけが黒く見えた状態で後半が続くという何とも言えぬ中途半端な状態というのがある。

子供の頃、「いつ電光は完全に姿を現すのだろう」と思っていたら、最後まで顔を見せないのでひどくモヤモヤした気持ちになった。
では投げっぱなしかというとそうでもない。プロットとしては、スカンクを逮捕するために警察側で作戦を立てたり、ラストにどんでん返しがあったりとむしろしっかりしている。
ところが、通常このテの話にありそうなアトムと電光との別れのシーンがバッサリ切り捨てられているために、かなりの不全感を残すのだ。
さらに、「善と悪のはざまで悩むロボット」というテーマにも何の答えも与えられていない。この件に関しては投げっぱなしだと思う。電光は純粋に運が悪かったとしか思えない(まあ、この投げっぱなしそのものが狙いだったんだろうけど)。

手塚マンガの死は唐突なものが多い。しかも本編に関係のない死で。「バンパイヤ」では、バンパイヤの謎を探るために手塚治虫(作中に本人が出てくるのだ)が友人のオカルト学者を訪ねるシーンがある。この学者、いかにももったいぶった出方をしておいて、数ページ後にはオオカミに変身したトッペイに襲われて死んでしまう。
こういう脇役の唐突な死というのは、後続のトキワ荘世代にはなかったと思うし、その前でも横山光輝なんかは全体のトーンがドライなのであまり気にならないのだが、手塚マンガの場合キャラが立っているだけに「ええっ?」と思ってしまうのだった。

私の知るかぎり、ここまで突出して手塚治虫が「唐突な死」を描いてきたのはなぜなのかを教えてくれた人はいない。
まあ、どっかで書かれてるかもしれないけど。

読みきり中編「火の山」は1979年の作品。火山の観察を続けるきまじめな郵便局長・三松と、その火山の見える町に流れてきた手クセの悪い男・井上の生きざまを描く、というような感じ。
とにかくうまいんだよねェ。地味な題材を面白く読ませるし。ずっと後の作品「陽だまりの樹」や「アドルフに告ぐ」の頃に初めて絵柄を劇画っぽくしたのかと思ってたけど、この頃からじゅうぶん劇画っぽくなってる。

二人の男の生きざまを対比することで物語に動きを持たせるのも、手塚が好んでやる手法ですね。
(05.0131)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)

1月30日放送分。

公式ページ

「私をデートに連れてって」 #1 冬の湘南デート

今週からリニューアル。「私をデートに連れてって」は、毎回いろんなところにゲストと行くロケものらしい。今回は、後藤真希、吉澤ひとみ、新垣里沙が柳沢慎吾と湘南へ行く。

まあ、今回から数回は様子見でしょう。後藤真希の顔色が戻っていて良かった。あのまま「メリーさん」みたいになっちゃうかと思ってたから。
観光スポットに行くのが番組的にはメインなんだろうけど、海岸でニセドラマを撮っていたところがいちばん面白かったなぁ。

柳沢慎吾は面白いよ。たぶん番組つくってる人がファンなんだろうな、と思わせるような感じでした。
柳沢慎吾のものまねって、まねはまねなんだけど、完全に「それを一生懸命やってる柳沢慎吾自身が面白い」という領域に達してる。いちばん有名になったのが例の「警視庁24時」みたいなやつのまねだけど、普通の話をしているときでも、情景描写が過剰なんだよね。「足が折り曲げられるタイプのテーブルをしまっている様子」とか。説明過剰が面白い。
「それをやってる状況」が面白いわけで、だからこそ絶対に滑らない。もし滑っても、「滑ってる状況」が面白くなるわけだから。「さすが慎吾ちゃん」でも「まだこんなことやってる慎吾ちゃん」でもどっちでも合うわけだし。すばらしいよなあ。

スタジオでは、VTRを見ながら他の娘。たちが湘南にまつわるクイズを解いていたんだけど、確かにいまだにボケ役が中澤と保田というのはマズいとは思いますね。だれかこっち方面で食ってやろうという意気込みの人はいないのであろうか。「人生至るところに青山あり」ですよ。

何となく、通して見て初期の頃に戻った感じかなあ。MCを後藤真希とかがやってた頃の。そもそも、もうハロモニ。が始まって5年も経つっつんだから。

スタジオライブはW(ダブルユー)、「恋のフーガ」。振り付けがかわいいです。

オーディション2005をやるらしい。まあ、頑張ってください。

前回の放送

(05.0130)


・「手塚治虫マガジン」12月号(2004、KKベストセラーズ)

手塚治虫って、個人的にほっとくと読まないので雑誌形式なら読めるだろうと思い、購読することにした。
この号は、去年出たやつですが通販もしてるし、確か新宿の紀伊国屋にはバックナンバーが置いてありました。

「三つ目がとおる」は新連載。まあ連載っつっても、全部やるのかな?
私の周辺では、和登サンが人気がある。ちょっとあばしり菊の助を思い出すんだよね。ボーイッシュで、荒っぽくて、でもすごいかわいい面があって。
こういう女の子は、どんな作家の作品としても、もう二度と新作のキャラクターとして登場することはないだろうな。いろんな意味で。菊の助もそうだけど、こういう荒っぽさというのは女の子のやさしさに対する憧れの屈折表現だから、そういうのが幻想だとわかっちゃうとそれにともなってこういうタイプのボーイッシュな女の子も消えてしまうんだよな。
で、バンソウコ貼った状態の写楽がカワイイのね。子供として。ピノコもそうだけど、子供らしい描写が活きてる。自分が子供の頃は子供がカワイイとかひとつも思わなかったけど、当たり前の話かもしれないが手塚系統の作家というのはみんな子供をかわいく描きますね。

短編三本。いずれも出来がいい。
「カタストロフ・イン・ザ・ダーク」は、マンホールに落ちてしまった女の子を見殺しにした人気ディスクジョッキーが罪の意識にさいなまれていく話。「ヒッチコック劇場」みたいな感じですごくいい。ただし、なんていうんですかページの端っこに書かれてる文句みたいなやつ。あれでどんでん返しの結末に「どんでん返し!」って書き入れるのは蛇足だろうと思った。

「最後はきみだ!」は、ある日突然隣国の兵士たちによって村が占拠される。少年たち3人が、その事実を外部に知らせに行こうとする話。
芝居がかっているけどそこがいいわけで、最後のコマのうなだれた兵士、現代のマンガならちょっとクサすぎて入れないだろう。

「緑の果て」は、SF。「ソラリス」の変奏曲みたいな感じですね。手塚には「他人の思考を読みとってしまう」というモチーフが多い。
それと「人間とは違うリクツで繁殖する生物」っていうのもよく描く。それのバリエですね。

「新選組」が、最終回。
(05.0130)


・「手塚治虫マガジン」1月号(2005、KKベストセラーズ)

短編が6本。
「舞踏会へきた悪魔」は1957年。たった7ページで、謎解きをやってる。舞踏会に、革命軍の親玉「ドナウの狐」がやってくるという。「ドナウの狐は何者か?」という興味で話を引っ張る。すごくよくできてる。

「ドオベルマン」は1970年。どこか遠い星の盛衰を感知して絵に描き続ける不思議な男の話。「ああ、70年代の日本SFだなあ」という感じがする。

「はなたれ浄土」は1983年、月刊少年ジャンプ。お地蔵さんの化身の少年がはなをかんだちり紙を燃やすとどんな願いでもかなう、という話。日本的ファンタジーというか寓話というか。昔はこういうのが月刊ジャンプでもスコンと載ったりしたんだねえ。

「つるの泉」は1956年。鶴女房の話。
「シルクハット物語」は1954年。小鳥が自分の巣にしようとしたシルクハットがめぐりめぐってドラマを生み出す、というコメディタッチの掌品。これもよくできてるんだ。まあこういうのが描けちゃうのなら、石森章太郎が(ゲイジュツ志向の)技巧に走ったことに文句を言ったとか言わないとかいうエピソードもうなずけるなあ。
逆に、この段階でマンガの表現方法はひとまず確立されてしまうから、手塚系統のものを発展させようと思ったら、石森的なちょっとわざとらしいほどのテクニックを使うより他無かったかな、とも思う。そんな石森章太郎が私はけっこう好き。

「母の眼ばなし」は1957年。民話風の作品。

「リボンの騎士」が最終回。
(05.0130)


・「傷追い人」(4) 小池一夫、池上遼一(2002、2005、小学館) [amazon]

前の巻まで、つまんないつまんないと書きましたが、「こういうもんだ」と割り切って読めば楽しめる。あと、今さらですが池上遼一は絵が上手い。

3巻の感想

(05.0130)



・「緋ざくら姐御伝」 沖渉二(2001、ソフトマジック) [amazon]

SM雑誌に連載された作品を集めたもの。「緋ざくら姐御伝」は、恩人の娘を人質にとられた女侠客がエロいことをされてしまう話。「屈辱の指定席」は、やくざとモメた男の恋人が捕まってエロいことをされてしまう話。
「黒縄魔人」は、世の不正をただすために女を緊縛してエロいことをするという、わけのわからない魔人の話。「モンドポルノ」と銘打ってあるが、まさしくそんな感じだ。

もともとがイラストレーターの作者なので、70年代前半という時期をかんがみても劇画表現としては、コマ運びなどにあまり変化がない。お話の結末がいずれもあっけないところも、普通の劇画ファンは物足りなく思うかもしれない。
ただし、一枚絵としては尋常でなく上手いし、SMイラストに南蛮ブロンド娘とか囚われの姫君といった現実離れした設定を取り入れた点などは、Hマンガ史をたどる上でも無視できない。

「バラグーダの秘宝 沖渉二作品集」 沖渉二(2000、ソフトマジック)感想

(05.0130)



【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」8号(2005、集英社)

大場つぐみ、小畑健「デスノート」は、月(ライト)がデスノートを手放す前に仕組んだトリックが明らかにされる。過去に伏線があったかなかったか忘れちゃったけど、「デスノートを放棄した後も、もう一度それを手にすれば記憶が蘇る」ってのが最大のネックというか重要事だね。
後は、今までキラの殺人が超自然的な手法でなされたという「可能性」でしか動いていなかったLが、ノートを手にしたことによって死神を見てそれを確信した部分。

ギャグ読みきり37ページ(2話分)は風間克弥「多摩川キングダム」。滅亡してしまった架空の国・ピョコターン王国の王子が、日本にやってきてお寺の少年と仲良くなり、騒動を起こす。簡単に言うと「ウメ星デンカ+ドラえもん」って感じかなあ。とぼけた味はあるので、もうひとギャグ欲しい。

岡野剛「未確認少年ゲドー」は、変なトーナメントものにならずにすごいオヤジギャグ(まあ、この人は若い頃からオヤジギャグ的なものばっかり描いてたけど)。コウモリ人間・上院を戦いで勝たせるためにエッチな秘策を……という話なんだが、表現が抽象化されててイライラする。
十代の頃は、少年誌のムダなHシーンにけっこうイライラしていたが、なかったらなかったでイライラする(笑)。
(05.0127)


・「刃(JIN)」 1/6増刊号 Vol.8(2004、小池書院)

小池一夫オンリーマガジン。先月号なんで、もう売ってません。
連載作品は、「魔像」(原作:林不忘)、「桃太郎侍」(原作:山手樹一郎)、「弐十手物語」、「赤い鳩−アピル−」、「牙走り」、「道中師」、「男弐」、「徳川家康」、「織田信長」(監修)、「修羅雪姫」。

前号の「修羅雪姫」に出てきたスリの特訓シーンとほぼ同じ着想のシーンが「道中師」に出てくるが、こっちはこっちでまた趣向が違ってて、いい。
(05.0127)

・「刃(JIN)」 2/7増刊号 Vol.9(2004、小池書院)

小池一夫オンリーマガジン。これは今月号なんで、まだ売ってます。
連載作品は、「魔像」(原作:林不忘)、「桃太郎侍」(原作:山手樹一郎)、「弐十手物語」、「赤い鳩−アピル−」、「牙走り」、「道中師」、「男弐」、「徳川家康」、「織田信長」(監修)、「修羅雪姫」。

すでに完結している長編を何号かに分載しているだけなんで雑誌としてのダイナミズムはほとんどないけど、まあでもやっぱり面白いよね小池一夫は。
(05.0127)


【雑記】・「アーカムブックス」に寄稿

中古マンガ・CDの店アーカムブックス2004年 ベストコミック ベスト本 ベスト音楽に寄稿させてもらいました。

それにしても圧倒的に自分の書いた文字数が足りなかった。もっと書けばよかった。後悔した。
まあ、ヒトに頼まれて書いた文章で満足したことって今までないんですがね……。

いちおうオススメは考えてチョイスしたんで、コンテンツをバラエティに富んだものにする役割は果たしてると思うんですがどうでしょうか。
(05.0125)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)

1月23日放送分。

公式ページ

地球戦士W(ダブルユー)。柴又に行って寅さんのものまねをする人とおみくじを引いたり、和菓子づくりにチャレンジしたり。
また出てきたよ、マッケンジョー!!
寅さんのものまねをする人が、マッケンジョーでした。
彼については以前ここにも書いたんですが、テレビで20年間くらい、私は見たことなかったんですよね。そしたら去年「いいとも」に出ていて驚いた。
去年は検索しても出てこなかったんだけど、今回検索したらご本人のHPが出てきた。
それでいろいろわかった(HPは、興味のある人は検索してください。以前「スベり倒してた」とか書いたんでリンクしにくい(笑))。

サラリーマンをしながらのアマチュア芸人として、もう25年くらい活動している人だったのだ。

プロフィールでは「ザ・テレビ演芸」の出演は抹消されてたけど(まあ、あんなに横山やすしにボロクソ言われたら書く気はせんわな)。

どういう人かのアウトラインだけ掴んでしまうと、なんだか急にヒドいこと書いて悪い気がしてきたが、40代からずいぶん精力的に活動しているように見える。
アマチュアの軌跡って、テレビや雑誌だけ追っていると急に40過ぎてから見えなくなってしまう部分がある。
バンドでもマンガでもそうだけど。

でも、こういうふうに地道に活動している人がいるんだなあ、と思って、考えさせられた。

自分もがんばろう、などと書けばいい結びなんだが、(私が)がんばった方がいいのかもうがんばるのをやめた方がいいのか(笑)。

ハロモニ。アカデミー「ステージマジック」

司会は中澤姐さん。「てじなーにゃ」の兄弟を講師に迎え、ステージマジックを見たり自分たちがやってみたりしていた。
私個人は彼らに限らず、最近テレビでやたらと見るマジシャン独特の胡散臭い言語センスに注目……もたいしてしてないんだけど、何でみんなマジシャンってトークがなんだか変なのかな。
あと、この兄弟はアシスタントのにいちゃんねえちゃんがものすごく面白くなさそうなところに注目。ある意味、狂言師の和泉ナントカの姉ちゃんたちの「面白くなさそうな感じ」に近い気がする。

それにしてもあの兄弟に関して娘。たちみんなが「かわいいかわいい」言ってたがホントにかわいいか? 中にはしょうがなく話を合わせている娘もいるに違いない。そこに自分は日本の将来への希望を託す。
あとこの話題に関連して、亜依国精神 1.24があまりにも面白かった。すばらしい。

ところで、マジックを見ているときの高橋愛のキョトンとした顔が衝撃的だった。この人のキョトンとした顔は、なんかあまりにもキョトンとしすぎてるというか、辻でさえ「テレビの中の自分」を認識しているのに対し、そんなこと何も考えていないように見える。

コント「公園通り三丁目」
だれもがそんなことどうでもいいと思っているだろうが、辻加護はこのコントコーナーにおいて壁にぶつかっていると思う。後藤真希扮する「回文二十面相」の子分として登場していたが、正直、あまり新鮮味がない。何をやっても「辻加護」になってしまうところに限界を感じる。
っていうか、二人揃って出すとかもうしなきゃいいのにと思うんだけど……ダブルユーで参加させてるとなると別々に出る台本書くのもメンドクサイですかね。

反面、二人細毛和子の吉澤・小川には可能性を感じる。まあそんな可能性、本人たちも含めだれもがどうでもいいと思ってるだろうけども。

HPH
今回が最終回ということで、歴代のレポーターが勢揃い。すなわちチャーミー石川、高橋ラブリー、ピーマコ小川、おじゃマルシェ紺野、エリザベスキャメイ。
チャーミーとピーマコの服装はわかるが、高橋のかっこうは何なんだ? なんか宮崎駿のアニメに出てきそうなかっこうだった。さらに、わりと身体の線を出す衣装が多い高橋だと思うんだが、なんだかダブッとした不思議なデザインのワンピース(でいいのか?)だった。

並んでいて一人だけ背が小さい高橋愛を見て、彼女がミニモニ。にいたことを思い出したりした。

本当に「最終回」と書いてあったがその後どうなるんでしょうか。

あと、「THE マンパワー!!!」を、スタジオライブにPVの映像を入れて流してた。

前回の放送

(05.0124)


【CD】・「THE マンパワー!!!」 モーニング娘。(2005、zetima) [amazon]

楽天なんとかイーグルスの応援歌。最近は娘。に限らず、CDの感想もめっきり書かなくなってしまったんだけど(だって音楽的なこととかわかんねーもん)、この間のハロモニ。の感想で、「スタジオライブではイマイチ」といったことを書いたので、整合性を持たせるためにもCDを聞いたときの感想を書いておく。

これねえ、CDで聞いた方がいい。もしくは、ライブでは映えるだろう。
まあどういうつくり方してるのか知らないけど、最初に曲があるとしたらこの曲をアレンジ(松原憲という人がやってるそうだが)で、かなりのところまで持ってっていると思う。
イントロの「デッデッデデデデデ……」っていう低音が、歌が始まってもバックでずっと続くんだよね。だから、私の「曲が単調」っていう印象は変わらないんだけど、この低音の割れたような音が曲に統一感を与えてる。
もうずーっと続くんだよ。それがカッコいいの。
ただし、これってテレビやモノラルのラジオでは伝わらないんじゃないかと思う。

あと、ヴォーカルでは高橋愛と吉澤ががんばってる。とくに、高橋にこんだけ、壊れる寸前くらいまで極端にして歌わせるというのは純粋に面白い。「す〜ばらすぅい〜」って言葉を崩すのも、かつて「ヅァイナマイト」って歌わせたつんく(だかだれだか知らないんだけど)の常套手段だし。
現状の娘。のヴォーカルをリードするのは、どうひっくり返っても藤本美貴と高橋しかいないと私は思ってるんだけど(だから、人気はともかく飯田&石川が抜けて七期が入らなくても、歌の基本的な編成が大胆に変わることはないと思う)、2、3回聞いた印象では高橋を前面に持ってきて、あと身体をシェイプアップした吉澤。藤本は後方に回ってる気がする。
これも印象にすぎないが、高橋と藤本の声は太いし声質も似てるから、とても合っている。「浪漫」[amazon]ではそれが最大限に活かされてたけど、そればっかりじゃつまらない、という送り手の意志は「涙が止まらない放課後」[amazon]と、この曲からも伝わってくる。

藤本に、この曲の高橋とおんなじ歌い方ができるかどうかはちょっと興味のあるところ。

カップリングの「ラブ&ピィ〜ス HEROがやってきたっ。」(編曲は鈴木俊介。) もイイ曲。ライブでやったら盛り上がるだろうな〜。

シングルVが欲しい。
(05.0121)



・「青春ラーメン」 ビッグ錠(「最新! 最強! 究極のラーメン2005」、2005、ぴあ) [amazon]

おいしいラーメン屋がたくさん載っているムック本。で、その中にビッグ錠のマンガ「青春ラーメン」が掲載されている。
これは同じムックの2003年度版に掲載された「激突ラーメンロボ」、2004年度版の「ラーメンの逆襲」に続くラーメンの達人・免馬麺平を主人公にした作品の第3弾。

昭和三十三年(1958年)の町並みを再現し、その中に人気ラーメン店を配した「ラーメンタウン33」をおとずれた麺平。
ふと紛れ込んだラーメン屋でラーメンを食べるが、これがちっとも美味しくない。しかし、それをつくった男にとっては特別な意味があった……。

前2作ほどインパクトはないけれど、グルメ本に「不味くても何でも、懐かしい味は懐かしい」っていうマンガが載っているのはイイなあと思った。強く共感できる。

「ラーメンの逆襲」 ビッグ錠(「最新! 最強! 究極のラーメン2004」、2004、ぴあ)感想

(05.0119)



【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」7号(2005、集英社)

読みきりギャグマンガが2本。ポンセ前田「オレたちのバカ殿」は、高校にとつぜん「バカ殿」が転校してくる話。主人公のバカ殿がひと言もしゃべらないという趣向は面白い。ただ、バカ殿が強いか弱いかはハッキリさせておいた方がいいと思う。

大石浩二「モグリ陰陽師SAYMAY!」は、平安時代、陰陽寮にはいないがたいした力を持っているモグリ陰陽師が主人公。
もともと安倍晴明自体が「独自のルールで生きているが人には必要とされている」という意味でツッコミがしやすく、ギャグにしやすいと思うので、いいんじゃないでしょうか。「意味なくケツを見せる」のがいい。
ただ、2話目の後半の展開は読めたなあ。

どちらも、自己紹介的なマンガが載っているが、編集者はいいかげん「担当編集者と自分とのやりとり」を新人マンガ家に描かせるのはやめた方がいい。
週刊連載でもしてる人なら、単行本のおまけマンガなどで身辺雑記も描くことがなくなって担当のことを描いてもいいとは思うけど、新人が与えられた少ないページ数で描くと非常に痛々しい。まさか編集の人は自分がマンガに出してもらって嬉しいとか思っているわけじゃないよね?

大場つぐみ、小畑健「DEATHNOTE」。ついに火口がつかまり、デスノートが回収される。デスノートを手にしたときの月(ライト)の顔! 実にすばらしい。

秋元治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、名前忘れたけどときどき出てくる関西人婦警のところで新年会をやることになって、「ギャグが受けないと料理が食べられない」ということで両津と中川が漫才をやることになるという展開。
コレはぜんぜんよくない。まず、「両津のやることが面白くない」という関西人のダメ出しがマンガとしてベタなものになってるし、「ウケる例」の婦警の漫才がぜんぜん面白くない。
ベタベタな漫才の良さにポリシーがあるならあるでいいから、どこかにスジを通してほしかった。2秒でお笑いブームに便乗したような話だった。

岡野剛「未確認少年ゲドー」は、とうとう往年のジャンプパターンである「対決もの」になってしまった。なんか痛々しいなあ。
(05.0118)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)

1月16日放送分。

公式ページ

ハロモニ。新春グルメバスツアー

中澤ガイドと後藤ガイドの2チームに分かれ、バスに乗ってグルメツアー。といっても、お店に入るたびにクイズをやって、当たった人だけが食べられる。
冒頭、中澤姐さんのゆる〜い感じの小芝居が最高。このユルさこそ「ハロモニ。」だ。
今回は、道重と田中が欠席。

「中澤旅行社」
まず最初に入った店は韓国料理屋。注文したのは石焼きビビンバ。飯田さんがこのチームに入っており、中澤がいることにより最年長じゃなくなっていたせいか、始終リラックスしているように見えた。大人っぽく見えるけど、まだすごく若いんだよねえこの人も本当は。
クイズを間違えて、さらにリアクションも間違えた亀井が良かった。

「後藤トラベル」
ラーメン屋。気のせいかもしれないが、この間の警察の一日なんちゃらをやった頃あたりから、すっごい後藤真希の顔色が悪い気がするんだけど。化粧の仕方を変えたとか? まあどっちみち痩せすぎだと思う。
ラーメンを食べている子たちを見ながら、「そう言えば、80年代のアイドルがモノを食うところってあまり見たことないなあ」と思い至る。なぜかはわからん。「アイドルは焼き肉が好きとか言っちゃいけない」という不文律と、グルメ番組の数が今ほど多くはなかったのが理由だとは思うけど。

「中澤旅行社」
和菓子屋。和菓子ってたまに、むしょうに食いたくなるよね。まあたいていのものはとつぜんむしょうに食いたくなるんだけどね。
「ある・ないクイズ」なんだけども、これは自分語りですが、私はこの「ある・ないクイズ」が本当に苦手。おはスタでもときどきやってるが、難解すぎて一問もわからん。
ここで答えがわかった亀井の過剰すぎるリアクション、ありゃあ完全に「中二病」ですな(笑)。いやもうとっくに中二ではないんだろうけども。

「後藤トラベル」
青山のスウィーツ屋。私が日本を征服したあかつきには、真っ先に風呂に一カ月間入っていない男たちと、急造でつくりあげたハリボテのニセディズニーキャラクターで、腐った柿を戦車の上から通行人に投げつけるパレードをやろうと計画している街です。
でもケーキは美味そうでしたよ。

「中澤旅行社」
かに屋。かに屋って言っても、池袋にあるおむすびも食える飲み屋じゃないですよ(一部笑)。←いやーくだらねえこと書いちゃったな。っつーか今でも池袋のかに屋ってやってんのかな。
2つ連続で負けてた小川もかにが食べられて、めでたしめでたし。

「後藤トラベル」
焼き肉屋? しゃぶしゃぶ屋? 忘れた。ミキティーの「美貴から肉を取ったら何が残るの」発言。まあ厳密に言えば用法違いますけどね。おれは「声に出して読みたい日本語」の先生か。日本語が乱れたからって、おれには関係ないんだ!! 勉強できんのが、なんで悪いんじゃ!! 明日テストがあるんだよー!! 「高校大パニック」より抜粋でございます。伊集院光です。ウソです。ホントです。ウソです。これが虚実皮膜ってヤツです。オリバーくんって、どうしてんだろうね今頃。

HPW
ゲストは写真集を出したW(ダブルユー)。
あいかわらずのデタラメパワー。とくに辻。バカ田大学の学生っぽい。いい意味で。 かまぼこ早食い対決。鼻の頭に乗せたかまぼこを、手を使わないで食べる。 顔芸であいかわらず辻が笑わしてましたが、よく見ると画面奥の方で、おそらく鼻の頭にくっついてしまったかまぼこを何とかとろうとする地味なリアクションの亀井にも注目。

次週、大発表か。もしメンバー変更なら、どうなるんだろう。亀井にはもう少しやらせたい気もするけど。現時点ではハロモニ。にまったく田中れいなの居場所がないから、そっちを何とかしてほしい気もするし、むずかしいところだ。

新曲披露。「THE マンパワー」を初めてきちんと聞く。
「♪マンパワー、がなんとーかー」というサビが、一度聞いただけですぐに頭に入ってくるのに、その後のメロディが非常にわかりにくい。この曲、それでだいぶソンしてる。サビではないメロディがわかりにくいために、「♪マンパワー、がなんとーかー、マンパワー、がかんとーかー」という繰り返しがますます悪い意味でミニマルに聞こえ、すごく単調な印象を持った。
これは何度聞いても、たぶんそうだと思う。サビはいいと思うんだけどなあ。

あと、衣装がいい。女神みたいなやつ。ホラ、ああいう衣装が我々にはインプットされてるから。聖闘士聖矢? 違います。「サイボーグ009」の、オリュンポスの神々です。それと、テレ東で昼間放送してたヘラクレスとかアマゾネスの映画ね。

今回冬のロケということで娘。メンバーのいろいろなファッションが見ていて楽しかったですが、個人的には真冬に太股を出していた紺野さんに1万点さしあげる。
なんか、短パンみたいのに上はポンチョという衣装でした。ポンチョの下から太股がチラチラするというのはなかなかエロいですよ。
石川の毛糸の帽子もかわいかったね。矢口は似合いすぎて、わりと普通に見えちゃうんだけど、石川みたいな女の子っぽいタイプがああいうのかぶると目が行く。

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(05.0116)

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