09 アメリカンセクシー田舎娘の謎

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※このコラムは「マンガとか、いろいろつれづれ」にあったものを若干の修正の上、移動させたものです。

・09 アメリカンセクシー田舎娘の謎

ええと、今アメリカンプロレスのWWEって日本に来てるんだっけ? もう帰ったんだっけ? わかんない。そんなことはよく知らず、アメプロの女子レスラーが下着ショーをしたり戦ったり、その素顔にせまったりする企画「WWE ディーバ アンドレスト」[amazon]を見ていたら、ある女子レスラーが「爆発! デューク」のデイジーのコスプレをしていた。

「爆発! デューク」は、私の記憶だと80年頃に日曜日の昼間っからやっていたアメリカのTVドラマ。ボー・デューク、デイジー・デューク、ルーク・デュークという従兄弟同士の3人が、ドアの開かないクルマに乗って年がら年中田舎でカーチェイスをしているような印象のドラマだった。
内容はサッパリ覚えていないが、追いかけっこが主眼らしく、しょっちゅう急いで窓からクルマに乗り込むシーンがあったことが漠然と記憶に残っている。デイジー・デューク(キャサリン・バック)はその中の紅一点だった。

で、20年前のテレビドラマのキャラクターのコスプレをいまだにやってる、というのが気になった。ちなみにキャサリン・バックというのはこんな人でした。↓

ネットで検索をかけてみると、「 爆発!デューク」は原題「The Dukes of Hazzard」、アメリカCBSで79年から放送。なかなかの人気ドラマだったらしい。
内容は調べたがよくわからなかった……。まあ「じゃじゃ馬億万長者」の流れを汲んだ田舎風コメディだそうなので、だいたい推してしるべしなのだが。主役の二人は日本語吹き替え版では神谷明と富山敬が演じていたそうだが、そこらへんも覚えがない。

しかし、デイジー・デュークには覚えがある。本当に人気だったらしく、彼女のポスターがアメリカで次々盗まれている、というニュースを当時見たのだ。さらに、フットボールだったか何かの音楽祭だったか、デイジー役の女性がそのポスターの姿、すなわちいつもの役柄とほぼ同じ服装で、手に花束を持った姿で登場したのを覚えているのであった。
若い衆にはわかんねーたとえだが、たぶんファラ・フォーセットがダイビングのスーツを着て海からあがってくるポスター、あれ的な扱いだったんじゃないかと思う。
ちなみに、盗まれるくらいだったはずなのに、なぜか検索をかけてもそのポスターは出てこなかった。

さて、WWEの女子レスラーがコスプレをしていたということは、現在でもデイジー・デュークがアメリカ人にとって「セクシー」イメージの代表のひとつであるということは言えると思う。たとえばナースとかミニスカポリスなどの制服系の中にカテゴライズされているということだ。
具体的には、上はタンクトップかシャツのボタンをかけずに裾を結び合わせたかたち、下はジーパンを股の付け根でちょんぎったような感じ。カットソージーンズってやつか。

番組放映当時、ポスターが盗まれるだのなんだのというのはまだわかるが、人気番組とはいえ20年以上経ってまだそれが「有り」であることは、やたらと再放送されてるんじゃないかと想像したうえでも興味深い。

で、さらに検索をかけてみると、セクシーランジェリーやコスプレ衣装などを通販しているショップで「デイジー・デューク」というのがちゃんとセットとしてあった。 ヘソが出るくらい裾が短いとか、アレンジはしてあるが基本的には田舎娘としてのデイジーのイメージである。ちなみに、こんな感じ

セクシー田舎娘というのは、どうも日本人にはイメージしづらい。ボーッと考えても、そんなイメージのキャラクターはついぞ思いつかない。日本ではカットソージーンズにこだわってる人というと、Hマンガ家の氏くらいしか思いつかないが、やはり「田舎娘」というのとはまた違うと思う。
しかし、コスプレのメジャー度としては、チアリーダーやバニーガールに比べると一歩も二歩も譲るが「カントリーガール」というカテゴリーがアメリカではちゃんとあるらしい。ちなみに髪型は、おさげや三つ編みの場合もあるし、麦わら帽子を被っている場合もある。
ここで「カントリーガール」の専門サイトなどを見つけられれば私の男も上がる、いややっぱり上がらねーかなのだが、そういうのは見つけられなかった。調査中、あるいは微妙。

微妙でありつつも、謎が解けた部分もあった。アニメ「パワーパフガールズ」のある回で、悪者のファジーが市長になってしまう話があった。ファジーというのは、田舎に住んでいていつもバンジョーをひいているモンスターである。で、こいつが市長になったとき、秘書のミス・ベラムも自分の気に入った田舎風のスタイルにさせるのだが、それがまさに「カントリーガール」の服装だったのである。
西洋人のセクシーコスプレの歴史は古いと思う。洋装していた時間が長かっただけ、妄想大国日本も及ばないところがある。あといかにも肉食人間の妄想というか。「カントリーガール」が何かアメリカ人の心の故郷的なものなのか、単にデイジー・デュークが植え付けたエロイメージなのかはわからん。もしかして日本人におけるウルトラセブンのアンヌ隊員的存在か? が、ふと「田舎からの脱却」と日本人のエロイメージってセットになってないか、などと考えてみた。「田舎エロス」って、パッと思いつくのって歌の「麦畑」とマンガの「まんだら屋の良太」くらいだし。わかんないけどな。なんかそういうのが好きな人が潜在的にいるのかもしれないし。
しかしアメリカ人のエロ妄想は何か全方向的ですな。それと、今まで書いてきたことってけっこう「映画秘宝」にぜんぶ書いてあったりするかもしれないとか思いましたけどね。

まあ国内で「属性」とか何とか言うのもいいが、そこら辺の欧米との違いを調べると面白いかも、と思った。

あ、それと、海外のコスプレ衣装通販のサイトと日本のと比べると、モデルのレベルがぜっんぜん海外の方が高い。もう勝負にならない。たぶんボブ・サップとつちやかおりがバーリ・トゥードで戦う結果くらい勝負がついてしまっている。なんでつちやかおりかというと、小さいタレントがパッと思いつかなかったんだよ。

よく戦時中のアメリカの文化的余裕みたいなものを「こんな国と戦争やって勝てるわけない」とか言うが、たぶん今やっても勝てないだろう。経済戦争でもIT革命でも勝てないだろう。それくらいモデルのレベルが違う。
それにしても、日本人モデルでちょっとランクが下がると、単にブスというのではなく「美人をイメージしたら違っちゃった」みたいになるのはなぜなんだろう。たとえば顔はまあまあでも看過できないくらい顔がデカいとか、足が短いとか。あれは不思議。不思議色ハピネス。おわり。
(03.0127)



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