◆ 1998年6月下旬 ◆

6/21〜30
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6/30(火)……クライング・フーリガン

 サッカーW杯アルゼンチン×イングランド。決勝トーナメント第1回戦屈指の好カード。試合内容も素晴らしかった。前半は両チームとも攻守の切り替えがメチャクチャ速く、スピーディでエキサイティングな展開。とくにイングランドの18歳、天才オーウェンが最高だった。オランダのオフェルマルスもかくやと思わせるスピードでバシバシ突破。しかも、オフェルマルスがサイドをぶっちぎるのに対し、オーウェンは中央をズバッと抜く。そのオーウェンの活躍で、イングランドが2-1とリードするも、前半終了間際にアルゼンチンが追いつく。
 そして後半。開始早々、イングランドのベッカムがおバカさんなレッドカード。それ以降、イングランドはフォーメーションをクルクルと変えつつ、守って守って守り抜く。FWの大黒柱、シアラーでさえ最後尾に戻ってディフェンスする姿には胸が熱くなった。とくにインスがアルゼンチンの攻めを要所要所でカット。インスは文句なしにこの試合のベストプレーヤーだと思う。アルゼンチンのサイドを使わない単調な攻めにも助けられた。イングランドはボロボロになりつつも、延長まで守り切りPK戦に突入。結果4-3でアルゼンチンが勝ったものの、イングランドの必死さが光った。
 俺は開幕前から優勝はアルゼンチンと予想しているのでちょっとだけホッとしたが、アルゼンチンの攻撃パターンだと、中央を固められるとこれから厳しいかもしれない。

 編集者・細田さんのページの98/06/30のお勧めサイトの中に、このホームページが入っていたのだが、紹介文で俺のことについて、「プロになれると思うけど、もうすでにプロなのかな?」という一文があり、ちょっと考えてしまった。ジャンキーズで書いている仕事を「プロの仕事」と認めてもらえるなら、俺もプロといえるのかもしれないが、俺としてはまだ「プロである」という意識はない。とある漫画家さんとメールを交わしたときに、「プロのライターの方だったんですね」とかいわれて、なんか非常に居心地悪く思ったこともある。
 何をもってプロと語るかは人によって違うと思う。例えば漫画家の場合、「雑誌に載ったらプロ」と考える人もいるだろうし、「単行本出したらプロ」とか「それでメシを食えるようになったらプロ」と思う人もいるかもしれない。逆に「10万部売れる単行本を出してもプロ意識のない人」ってのもいるだろうと思う。プロかプロでないかの境目なんてあいまいなものだが、俺としては「自分が自分のことをプロだと思った瞬間からその人はプロ」と思っている。たとえ別のバイトしながら漫画を描いていたとしても、「自分がプロである」という矜持を持っていたらその人はプロだ。
 もちろん原稿を書いているときはプロ意識も持たずに書いたら読者さんに失礼だし、自分の誇りにかけて一所懸命書くけど、プロかといわれるとうーんと思ってしまう。ここらへん、気持ちの整理をするのはなかなか難しい。

 話変わって、月末恒例、来月買う漫画。ちなみに6月に読んだ量は雑誌100、単行本72冊だった。この半年間では雑誌530、単行本433(立ち読み除く)。今年は雑誌は年1000冊はいけそうなペースだ。なんか見ててイヤになってくる数字ではある。雑誌530っていったら、週刊少年雑誌10年分だもんな。
 7月の注目はまずはなんといっても、町田ひらくの新刊。ひさびさの単行本なんですごくうれしい。田沼雄一郎「SEASON」はこの巻で完結だと思う。この人の場合、「PRINCESS OF DARKNESS」でもけっこう描き足しがあったので、雑誌掲載時との異同が気になるところ。それよりもスケジュールどおり出るかどうかのほうが問題だったりもするけど。スケジュールといえばSABE「BEAUTIFUL MONEY」も心配。
 あと、カネコアツシの単行本が一挙2冊。最初はカッコつけてるだけの人かと思ったが、かなりいい感じで育ってきた。「R」は俺は読んでない作品だと思うので、かなり期待。

98年7月
タイトル著者価格出版社
ゾンビマン日野日出志560角川書店
03ミウミウやまだないと1200ぶんか社
04おまかせ!ピース電器店(8)能田達規390秋田書店
04悟空道(3)山口貴由390秋田書店
04SEASON(2)田沼雄一郎1000コアマガジン
04デカスロン(18)山田芳裕486小学館
04the山田家(4)阿部潤876小学館
06カイジ(8)福本伸行505講談社
07狼になりたい!架月弥505ソニー・マガジンズ
08平次加藤礼次郎505ワニマガジン
08BEAUTIFUL MONEYSABE762ワニマガジン
09G-taste(2)八神ひろき1295講談社
ねこ神さま(2)ねこぢる562文藝春秋
15うらまっく作品集(仮)うらまっく857ふゅーじょんぷろだくと
15外はいい天気だよ谷川史子390集英社
16原獣辞典谷口ジロー952双葉社
16パイク(12)829ふゅーじょんぷろだくと
18俺たちのフィールド(30)村枝賢一390小学館
20ドッグスタイル米倉けんご司書房
23コミックジャンキーズコアマガジン
23蒼天航路(13)王欣太+李學仁505講談社
23ブル田さん(4)きくち正太+高橋三千綱505講談社
23変體累ヶ淵NAKED(2)米餅昭彦+杉元伶一505講談社
23無限の住人(8)沙村広明505講談社
23遠い国から諸星大二郎1000マガジンハウス
23G-taste実践的フェチの快楽八神ひろき+エピキュリアン未定講談社
23詩人ケン業田良家750マガジンハウス
23ディスコミュニケーション(12)植芝理一457講談社
24別冊YOUNG YOU集英社
24Rカネコアツシ876祥伝社
24TOKYO TRIBE2井上三太876祥伝社
23菫画報(3)小原愼司457講談社
25Bambi(1)カネコアツシ未定アスペクト
25敷居の住人(1)志村貴子未定アスペクト
28神童(3)さそうあきら552双葉社
28ぷりぷり県(4)吉田戦車950小学館
29Beast of East(1)山田章博857スコラ
29トリハダ日記中川いさみ857スコラ
30ラブレター(3)じんのひろあき+若狭たけし486小学館
30月下の棋士(21)能條純一486小学館
30シネマ(1)六田登486小学館
green out町田ひらく819一水社


【雑誌】ヤングアニマル 7/10 No.13 白泉社
 こういう隔週雑誌って、気を抜くと買い忘れてしまう。月2回発行にするなら、毎月何日と何日って形にしておいてくれると忘れにくいんだが。
 二宮ひかる「ナイーヴ」。いつもながら面白い。クールなようで、ほんわかとしていて。克・亜樹「ふたりエッチ」。こちらもいつもどおり。他愛なくてナイスっていうかグッド(どっちでもいいが)。次号以降の展開も読めちゃうところが素敵だ。
 次号の7月10日発売号では、ヤングジャンプで「ぼくのマリー」を描いていた竹内桜が登場。巻頭カラーで集中新連載スタート。タイトルは「特命高校生」。

【雑誌】YOUNG KING OURS 8月号 少年画報社
 独立創刊2号め。俺としてはいつもボール半個分だけ外されているっていうか、いいとこついている感じなんだが、なかなかジャストミートはしなかったりもする。
 平野耕太「HELLSING」。相変わらず黒々とした画面で大仰なノリがかっちょいい。ルパン三世的な細くて直線的な手足が特徴的。あと、ときどき出てくる崩した投げ遣りな絵も好きだ。
「うさぎちゃんでCue!!」(佐野タカシ)。「イケてる2人」と同様、めろんめろんな作風。これはきゅうとなりますなあ。大石まさる「夏色の銀輪」。この人の作品を読むのは3回めくらいだが、絵的にはかなり好きなタイプ。ジブリ系で清潔感があって、気持ちよくて。今回の話は幼馴染みの高校生カップルのお話。爽やかでわりと面白かった。

【単行本】「演歌の達」4巻 高田靖彦 小学館 判型:B6
 うーん、面白い。ナニワ節的で野暮ったく見られがちなんだけど、グイグイ読者を引き込んでくる力強さとうまさを持っている。オスマンのほうにISBNコードなどのデータを追加。

【単行本】「ギャラリーフェイク」13巻 細野不二彦 小学館 判型:B6
 最近は常に75〜85点くらいの面白さを持った作品をコンスタントに提供してくるが、この作品も毎度おなじみで変わりない面白さを持っている。さすがのうまさ。

【単行本】「龍」19巻 村上もとか 小学館 判型:B6
 こちらも堂々とした話作りで、いつもガッチリと面白い。こういう骨太な物語は雑誌で読んでドキドキするものいいし、単行本でまとめ読みするのも感慨がひとしお。


6/29(月)……THE END OF PURIPURIKEN

 最近俺の時間を圧迫するかなり大きな一因となっているサッカーW杯。それにしても決勝トーナメントはレベルが高くて面白い。こんな面白いのを見られるのなら、日本なんか負けたって正直どうでもいいやって気になってくる。
 今大会はあんまり番狂わせがなかったのだが、ナイジェリア×デンマークはまさかあんな結果になるとは。1-4でナイジェリアが敗れる。俺は後半25分くらいからしか見てなかったのだが、たしかにデンマークの組織的でスピードのあるサッカーがナイジェリアを圧倒していた。ハッキリいって、あんなの俺のスーパーイーグルスじゃねえ。ナイジェリアがベスト16止まりだったことで、たぶん監督のミルティノビッチは辞任だろう。俺としてはぜひ、日本代表の次の監督として狙ってほしいもんだと思う。
 次。ドイツ×メキシコ。後半10分くらいから見たところ、1-0でメキシコがリード。昼間のゲームなんで、「やっぱりジジイどもは暑いとダメかー?」などと思ったが、さすがドイツ。本当にイヤなサッカーをしやがる。残り10分くらいのところで、クリンスマンのゴールで追いつき、ビエルホフが頭でゴンというつまらないサッカーで逆転。いつもながらの鬼的サッカー。ドイツのサッカァアアはぁぁぁぁ世界イチィィィィイイイ。
 ユーゴ×オランダはかなり楽しみなカードだったのだが、ユーゴが予想に反してかなり消極的だったため、少々退屈。対してオランダは前半はとくに、ダービッツ、セードルフの「似たような体格の黒人コンビ」が走り回ってユーゴの動きを寸断。そしてベルカンプが先取点。ベルカンプは小さい足の振りでもすんごいボールを蹴ってくる。それからオフェルマルスはばかっ速い。ユーゴは後半、ストイコビッチをFWにしてからしばらく良く、ストイコビッチのフリーキックを頭で押し込んで同点。さらにPKも取ったのだが、これをミヤトビッチが外す。ミヤトビッチは得点王候補と俺は思っていたのだが、結局W杯ノーゴールで終わる。さらにストイコビッチ→サビチェビッチという不可解な選手交代以降、ユーゴに攻撃の形が見られず、ロスタイムでダービッツがミドルを決めてオランダの勝ち。オランダは次はアルゼンチン×イングランドの勝者との試合。ハードなゲームが続くなあ。
 漫画のページなんでサッカーの話なんかどうでもいいという人も多いかもしれないが、あと10日ほどでW杯も終わる。それまでまあお許しを。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/13 No.30 小学館
 なんといっても「ぷりぷり県」最終回。「前号までの荒筋」で「いろいろあったが、みんなイイ奴だった。」という言葉にちょっとジーンとくる。最終回はいきなり十数年後のつとむの家庭。つとむがハゲてたり、よし子先輩との子供が出てきたり、劣也がマッチョになってたりと、月日は矢のように過ぎていたらしい。最後のところ、ただの人情話っぽく終わらないハズしっぷりがさすが。この作品は、吉田戦車の「ない風習を考える」という趣味が爆発していて、静かながらもイカれてて俺は大好きだった。SF的な読み方をすることもできるかもしれない。何はともあれ面白かった。新連載は「ごく近いうち」とのこと。
 藤野美奈子が新連載。タイトルは「まちこSHINING」。可愛いけれどもどこかヘンな味のある少女、まちこが主人公。彼女がアイドルになっていくという話みたいだけど、いつもの藤野美奈子らしい身もフタもないマヌケさがある。というわけでこれからに期待。
 浦沢直樹「Happy!」。浦沢直樹のオリジナル系の作品が好きな人には評判悪いけど、ちゃんと読むとテニスやってるときは面白いと思う。原秀則「青空」。だいぶ話が動き始めてきた感じ。でも、どうせ原秀則のことだから、一筋縄にさわやか野球漫画になったりはしないんだろう。
 中川いさみ「大人袋」。今回のは「4時までやってる文房具屋」の話がええ感じだったと思う。最近コンスタントに来ている。「ちょんまげどん」(ほりのぶゆき)も、最近はどんどん話が明後日の方向に向かっちゃってて(というと本筋があるみたいだが)、良くなってきている。
 高橋しん「いいひと。」。言っていることは悪くないと思うんだけど、ちょっと語りすぎかなーという気がしなくもない。伊藤潤二「うずまき」。ぴょんぴょんハネる死体は一歩間違うとギャグだけど、きちんと怖い。
 で、次号と次々号では松本大洋「花」が前後編で掲載。楽しみなりー。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/13 No.31 集英社
「仏ゾーン」の武井宏之が新連載。今回のタイトルは「シャーマンキング」。転校してきた「自称シャーマン」の少年が主人公のお話。1回目を読んだ限りではわりとイケる感じ。そこそこウケるんじゃないだろうか。「Rookies」(森田まさのり)。毎度クッサイんだけど、青春をはずかしげもなく謳歌している姿には感動もする。そう、青春を謳歌するのは恥ずかしくもなんともないのだ。恥ずかしがることのほうがよっぽど恥ずかしい。「I''s」(桂正和)。ああん、もう。甘酸っぱいのう。いやー、桂先生最高。アザとすぎー。そこが好きー。
 あと、「河童レボリューション」(義山亭石鳥)は次号で終わりそう。最終回とは書いてないけど、タイトルは「さらば!」だし、連載20回めでキリもいいし。

【雑誌】LaLa 8月号 白泉社
 2号連続で登場、ひかわきょうこ「彼方から」前編。なんかロマンチックでいかにもな(つまり古風な)少女漫画って感じなのだが、女の子がわりと可愛いので良し。森生まさみ「おまけの小林クン」。こちらはごちゃごちゃとした微笑ましい楽しさ。なかじ有紀「BRAN-NEW」。小娘&小僧たちの可愛らしい恋愛モノでなかなか気持ちいい作風。清水玲子「輝夜姫」はそのうちまとめて読みたいな。



6/28(日)……バル・デラマ

 サッカーW杯決勝トーナメント、フランス×パラグアイ戦。0-0でゴールデンゴール(JリーグでいうVゴール方式)に突入し、フランスがリベロのブランの得点でなんとか勝利。それにしても両チームとも決め手がなく、タフな守り合いとなった。パラグアイの固いディフェンスからのカウンターも素晴らしかったが、それ以上にフランスの決定力のなさが目立った。FWがどうにもダメ。アンリがケガで交代してからは得点の予感が全然なかった。とくにトレゼゲとディオメドはかなりショボショボ。ジダンが出ていればジョルカエフがもっと前に行けるのだが、ジョルカエフもゲームメークで精いっぱい。ジダン、ジョルカエフで作る美しい中盤が見られなかったのはちょっと残念。

【雑誌】マンガの鬼AX Vol.3 青林工藝舎
 顔ぶれはいいんだけど、一本一本の漫画のページ数が少なすぎてちょっともの足りない。
 巻頭で「花輪和一刑期満了大復活祭」と称して、呉智英、根本敬、阿部幸弘らとの座談会が掲載されている。なんかベタベタに褒め合っている感じで生ヌルい。でも花輪和一の漫画「それじゃさま懲罰房」は淡々としていていい味。花輪和一がムショに入っているときに、さらに懲罰房に入れられたときのお話。
 西岡兄妹「ぼくの子供たちに」は、フキダシの区切り方とかがイカれてていい感じ。セリフの途中で脈絡もなく切れて、次のフキダシで続きが始まるというヘンなセリフ回し。作風や絵ももちろんヘンだ。河合克夫「靴の先」。静かな中に不気味さがあって面白い。靴の先っぽがなんかヘンだからということで、無視される転校生のお話。逆柱いみりの漫画はタイ語で描かれているので、タイトルを書けない。タイ語だっていうところが、最後でオチみたいになっているところがやるな、って感じ。
 Q.B.B「中学生お日記ちゃん」。相変わらずの恥ずかしい中学生ぶりで楽しい。キクチヒロノリ「クルクルキーキー」はいつものキクチヒロノリ。ちょっと大人しめではあるが。

【雑誌】快楽天 8月号 ワニマガジン
 ん〜、なんか最近俺的にはピンとこない。エロ漫画よりも、美少女漫画って感じを狙っているんだと思うんだけど、上品すぎて迫ってくるものがない。なんか窮屈っていうか、作家もその雑誌のコンセプトの縛られすぎで自縄自縛な感じ。どうも、絵はうまいんだけど話が頭に入ってこないってタイプの人が多いような気がする。
 巻頭カラーはOKAMA「はちうえのため」。またしても絵がうまくなっていやがる。すごい。でも、話はそこそこって感じかなあ。もうすぐ単行本発売(7/8)のSABE、「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」。久しぶりに理不尽なギャグでわりと面白かった。かるま龍狼「まなぶくん」。この人の漫画は非常に読みやすい。キャラクターも立ってるし。でも今回は乳輪がデカめなのがちょっと。
 センターカラーでさつきのそのいち「さよならの日」。この人の絵はすごく好き。淡くて粉っぽくて。ただ、この人の場合、ストーリーが追いにくいのが欠点。YUG「MOTIF」。全然エロじゃないけど、絵は整理されていて非常に気持ちがいい。まさに快楽天向けといえる。新人、松本耳子「Make Love!」。カエルみたいな顔をした造形のキャラクターが特徴。わりとうまい絵。なんか松下紺之助に絵が似ているような気がするんだけど……。松下紺之助ほど描線が黒々としてはいないんで別人だとは思うが。
 ところで今度ゲーセン用のゲームとして、なんと「対戦ホットギミック快楽天」という、快楽天の作家たちが原画のコミック×麻雀ゲームが登場するらしい。なんかよく分からん展開だが、出たらゲーセンに見物にでも行ってみよう。ちなみに出すメーカーは彩京

【雑誌】コーラス 8月号 集英社
 吉田まゆみの女演歌漫画、「くしゃみ3回」はいつもコンスタントに面白い。絵もうまいし、ストーリーもキッチリしている。もんでんあきこ「竜の結晶」。バーリ・トゥードを目指す女格闘家と、そのトレーニングに付き合う男格闘家のラブストーリーという、なんだかすごい設定なんだかけっこう読ます。美青年でない男の描き方がわりとしっかりしているので交換が持てる。
 やまじえびね「お天気といっしょ」。スカスカした画面がわりと気持ちいい。ラブラブカップルの淡々とした日常を描いた作品。そしていつも面白い「天然コケッコー」(くらもちふさこ)。単行本は古本屋でコツコツ買って、あと2冊という状況。揃ったらまとめ読み予定。

【雑誌】デラックスマーガレット 8月号 集英社
 青い恋愛てんこ盛り。その中ではやはり別マでもやっている、イカレ系のギャグ漫画「ウルフ物語」(岩田江利子)が目を引く。なんとなく今回は大人しめな感じもするけど。山田雨月「とあるはなし」は、日本人形みたいなちまちました女の子の絵が印象に残る。あとは正直なところ、わりとどの作品も似たような印象で、均質な出来。ほのぼのと恋愛物語を消費したいときにいいんじゃないだろうか。

【単行本】「WORK BOX」 犬上すくね ラポート 判型:B6
 犬上すくねの初期短編集。近所の古本屋で一冊100円コーナーで購入。ふぁんろーどなどに掲載された作品をまとめたもの。このころはまだあんまりうまくないけど、光るものは感じられる。俺的には手のひら大の小妖精の女の子が、人間大に育つまで見守るという話「掌の瑠璃」がいちばん面白かった。


6/27(土)……バカと号砲

 W杯サッカー決勝トーナメント、イタリア×ノルウェー戦。とにかくゴール前に背の高いFWを揃えておいて、単調に高いボールをポコポコあげてブチ込むという悪魔的サッカーを行うノルウェーだけに、イタリアもひょっとしたら、と思ったがやっぱりイタリアは強かった。1-0で勝利。それにしてもイタリアのサッカーは華麗で美しい。俺は、日本の目指すべきサッカーってコレだと思う(その点加茂周は正しかったのかも、俺的に)。日本の選手と体格はそんなに違うわけでもないのに、これほどの高みにあるサッカーはイタリアくらいのもんだろう。メキシコもいいのだが、アレはW杯でせいぜいベスト16のサッカーだと思う。どうせ目指すなら、ムリは承知で高いところ狙わないとね。

 今日は、原稿を書くために家のマシンにWindows 98のベータ版をインストールしようとしていたのだが、何度やってもなかなかうまく行かず、非常に困った。前に入れたときにはうまく行ったんだが、今回は何をやっても途中でエラーが出て止まってしまう。最後の最後に根性で成功させたが、結局4〜5時間はかかってしまった。う〜ん、笑ってお仕事。

【雑誌】ヤングマガジン 7/6 No.29 講談社
 巻頭カラーで「DEI48」(前川かずお)復活。第一回めからなんか濃い。イジメられっこの破武男(ハブオ)が心の中で力強く、「オレは童貞なんだ!!」と叫ぶ(背景は波打つ海)などマヌケなノリは健在。エグザクタ連載時のヘンテコさ加減をさらにエスカレートさせてほしい。
「ストッパー毒島」(ハロルド作石)。毒島が連投につぐ連投。それにしてもこの漫画、このシーズンでアスレチックスを優勝させてしまうつもりなんだろうか。そうすると連載終了もあり得るけどさて。ところでこのストッパーの連投を見ているとベイスターズを思い出すが、今日でベイスターズは貯金10。最近強すぎてちょっと気持ち悪い。こんなの俺のベイスターズじゃないっていうか。
 地下沢中也「デカちゃん」。今回はバニーガール姿で走り続ける凶悪犯罪者を、車にも乗らずこれまた走って追いかけるシャッター・デカのお話。オチのあたりとか非常に馬鹿馬鹿しくて良かった。あと、小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。今週もすばらしい。光るクツを履く鉄郎。つねにオドオド口ごもりながら、意味もなくトラブルに巻き込まれている鉄郎がサイコー。

【雑誌】モーニング新マグナム増刊 7/8増刊 No.3 講談社
 今号の最高傑作は文句なく、加藤伸吉「バカとゴッホ」。こういう身体中に鳥肌が立つような作品を読むと、「漫画を読んでて本当に良かったなあ」と思う。仲間の抜けたバンド「ムーズムズ」に残された二人組と、イジメられっ子なんだけど服を作るとかそういう創作活動には異様な炎を燃やす女・通称「ゴッホ」との青春物語。ムーズムズの片割れ、バカ丸出しの堺の笑顔が素晴らしい。そして、ラストに近づくところ、ムーズムズのもう片方のメガネくんが、リアカーにゴッホと堺を乗せて走り出すシーンの熱さ、青春のほとばしり。素晴らしい。こういう漫画については、俺の言葉なんかいらない。まずは読んでみるべし。そして震えるべし。「最近の漫画はつまらない」などとほざくあなた!ブルー禁止!
 今回の「ネオデビルマン」は寺田克也。寺田克也が描くと、デビルマンも完全に寺田克也の世界になってしまう。やっぱうめえや。松田洋子「BAINT IT BLUE」。工場の跡継ぎが志の低い日常をうだうだと過ごすお話。こういう青臭い話好き。荒巻圭子「王国物語Sphinks」。何はともあれ今回も載っていたっていうのが一番うれしい。相変わらずうまい絵。
 で、次号の新マグナム増刊は8月17日発売。「ネオ・デビルマン」は御大・永井豪。そのほかでは冬目景、鶴田謙二、小椋冬美、松田洋子、黄美那、小田桐道明、田中政志というメンツ。加藤伸吉は描かないのかなあ。

【単行本】「染盛はまだか」 清田聡 講談社 判型:B6
 かつてない規模で繰り広げられる窓拭き漫画。かつて窓拭き漫画なんてものはさすがになかったと思うので当たり前だけど。
 筆ペンかなんかみたいな太くてのたくった描線で、うだうだと怠惰に明るく生きる窓拭き会社の雇われ男、染盛の生活を描いている。生ぬるくのんべんだらりと、そして無頓着な感じが気持ちいい。説明しにくいけど面白いのだ。

【単行本】「おさんぽ大王」2巻 須藤真澄 判型:A5
 いつもいうことなんだけど、昔みたいなファンタジい奴を読みたいなあ。コレはコレでチマチマした面白さはあるんだけど、やっぱり俺をこう、なんというか一気にぷわーっと高いところに放り投げてくれるような、そんなデッカい感動のある物語をよう。読みていのよう。


6/26(金)……ボクはいもうと

 う〜む、サッカー日本代表、また負けか。3試合見て思ったけど、やっぱり日本にとって3バックはイマイチな感じがする。攻撃の人数が足りなすぎる。中田、名波、山口の中盤はアジア最強だとは思うけど、その前、FWの後ろあたりでひっかき回したりシュートのこぼれ球に詰める人がどうしてもいない。中田は攻撃のセンスは素晴らしいんだけど、シュートまで持っていく人じゃないからなあ。
 次のW杯はぜひ4-4-2でいってほしい。それにしても小野ってやっばスゲエ。ノールックでアウトサイドにポンとボールを蹴り出す動作の素速さはタダモンじゃない。2002年は間違いなく、小野が中心になっていくんだろう。FWの強化はもちろんのこと、もっとマシなセンタリングを出せるサイドバックの育成も必須。ボランチとDFおよび中盤は人材豊富なんでなんとでもなると思う。
 というわけだが、まだW杯は終わっちゃいない。というか、俺としてはこれからのほうが楽しみ。決勝トーナメント、面白そうだ。それにしても今回のW杯は前評判通りのチームばかり勝つ感じで、番狂わせがほとんどない。スペインが決勝トーナメント行けなかったのが唯一って感じもするが、パラグアイだって別に弱いチームってわけじゃないので、それほど意外でもない。強いチームが勝つ。それがW杯だ。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 スコラ
 詳細な掲載作品リストはコミックバーズのページ参照。
 高口里純の新連載は、昔モーニングのオープン増刊で連載していたものだとのこと。そのときには読んでいなくて今回のをパラパラと見たけど、なんだかよくわからん。っていうかなんとなくあんまりマジメに読む気にならなかった。
 槻城ゆう子「素ッ裸の幸せ。」。最近非常にいいと思う。微笑ましくてラブラブで。頬の筋肉がゆるむ系の漫画。ともにフリーターの須磨子おねーさんとヒサ壱というイヌのような男が同棲して……というお話。
 冬目景「羊のうた」は和服姿で朝御飯を作る千砂の姿に燃えるでしょ、フツー。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/9 No.31 秋田書店
 浜岡賢次「浦安鉄筋家族」。新キャラの名探偵ゴロちゃん、なんかええツラしとるのお。天然な感じがいい。「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)。どうでもいいことだが、お約束どおりというかなんというか、広島カープはいつもどおり5月を過ぎるとヘナヘナになってしまった。ま、今年はベイスターズで決まりだな、っていうか決まれ。
 板垣恵介「グラップラー刃牙」。刃牙独壇場。虚空と戦っている刃牙の姿は遠目で見るとけっこうアブナイかもしらん。西条真二「鉄鍋のジャン!」。ちゃんと着がえのシーンとか、乳ユサユサシーンを入れてくるあたり、きちんと仕事してるな〜って感じがする。それにしてもデカいぞ、二人とも(キリコと楊)。

【雑誌】阿口云 8月号 ヒット出版社
 安宅篤「デカパイレーツ」。タイトルどおり(いいタイトルだなあ)、デカ乳系で海賊のお話。船全体が女の身体をしていて、男型の船とヤるとかのムチャな展開がいい。人間がやっているシーンもパワフルでなかなか。
 尾崎晶「幕末学園伝リョーコ参る!」。クライマックスが近いらしく、最近は最初のほうのバカバカしさが少し薄れてきているが、相変わらずこの人のノリはヘンでいい。しかもエロシーンはキッチリ実用的だし。

【雑誌】BE NEW 8月号 光彩書房
 漫画が残念ながらあんまり面白くない分、書評ページが目についてしまう。中山明宏+更科修一郎「アルティメットコミックレビュー」は、彼らが面白いと思った本をピックアップして感想を描くものなのだが、こういうふうにつまらないものを無視っていう姿勢は基本的に好き。ただ、なんとなく表現が全体に漠然としているように感じる。その漫画内でどんな行為が行われているかといったことについての説明があんまりないので、それがどんな本なのかイメージしにくい。ピックアップのわりには文章の温度が低いので、読者に紹介した本を手にとらせるには至らないんじゃないかと思う。そういう点から見て、バイヤーズガイドというよりも、自分の持っている本について読む「後読み型」のレビューって感じがした。
 あと永山薫「THE BEST 10」。単行本と同人誌の売り上げデータを見てなんかコメントする、というものみたいなんだけど、なんとなくやる気なさげ。順位を見て、各単行本についてのコメントをずらずら並べているだけに見えてしまう。もうちょっとレイアウトとか工夫すればいいのに。全般に単調。
 それでは話を漫画に移す。玉置勉強「交尾の日々」。怠惰にやって寝てやって寝てという二人のお話。やる気なさげな二人がなんか気持ちいい。井ノ本リカ子「MOOR POOR」。この人の絵はラフに見えるけど、自然な感じがいいなあ。ゼロの者「ふぃーる」。乳首がやたら敏感で、乳首だけでイケちゃう女の子の話。やたら感じまくっていていい。乳がデカくて柔らかそうなのも俺的には○。

【単行本】「妹の匂い」 舞登志郎 オークラ出版 判型:A5
 舞登志郎の初単行本。表紙とかカラーイラストがすごくかわいいなあ。寡黙なんだけど、鋭い目付きでしゅうねく妹を見つめる続ける兄のキャラクターがいい。ただ、この単行本の掲載作はまだ今みたいに絵はうまくない。最近のになればなるほど、シャープで濃い描線がかっこよくなっていていいと思う。


6/25(木)……我がランナー

 サッカーW杯、イラン×ドイツ戦を見てからこれを書いているので今、朝の7時。最近真剣に時間が足りない。仕事もそろそろ忙しくなってきているのに、ほかの雑誌の原稿も書かなくちゃならないし、読みたい漫画はいっぱいあるし、サッカーも見たいし。
 イラン×ドイツ戦は2-0でドイツの勝ち。それにしてもあのオヤジどもは強い。マテウスとクリンスマンがフル出場していたが、二人とも歳食っているくせに元気だ。マテウスはフル出場してかなりいい仕事してたし、クリンスマンは1点取るし。昼間のゲームでなく、気温が暑くなかったのも幸いしたのだろう。決勝トーナメントでのドイツの行方を握るのは、試合を昼間にやるか夜にやるかってことなのかもしれない。

【雑誌】アフタヌーン 8月号 講談社
 相変わらず厚くて重くてレベルが高い。ただ、停滞感は今月も感じられる。新人の読切もいいんだけど、そろそろ連載陣をある程度リニューアルしたほうがいいのかもしれない。個人的にはもうちょっと商売に徹したような、ごはん系が多くてもいいと思う。
芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」
今回は巻頭でオール4色カラー。気持ちいい絵なので、カラーがよく似合う。
藤島康介「ああっ女神さまっ」
10周年らしい。この漫画のことをマンネリだとかいう人はけっこういるが、ちゃんと読むとそれなりに面白い。こういう客寄せ漫画があるからこそ、ほかのマニア向け漫画も載っけられるわけだから、そういう意味も含めて俺はそれなりに評価している。
沙村広明「無限の住人」
そろそろ連載終わらせてもいいんじゃないかと思う。もっとチャンバラと血みどろシーンを見たい。
鬼頭莫宏「なるたる」
空を飛ぶ浮遊感と、墜落感が感じられて気持ちいい。そして痛そう。
小原愼司「菫画報」
安定してうまいなー。スミレはかわいくてかっちょいい。憧れるタイプ。
作:真刈真二+画:赤名修「勇午」
インド編は謎めいてて怪しくてかなり好き。異教徒の地っていう危なっかしさがいい。
植芝理一「ディスコミュニケーション」
最近非常にHだ(いやらしいというよりもHという言葉が似つかわしい)。戸川の胸(これも乳というより胸だな)がぽよんぽよんしてて燃える。
高橋ツトム「地雷震」
マーダーA事件完結。相変わらず終わり方はベタベタな感じだ。でも画面のシャープさ、緊迫感がそれを救っている部分が大きいと思う。
外薗昌也「犬神」
新型の犬神が邪悪で凶悪。空も飛ぶし。そして23が史樹と再び離れ離れになりそうな展開。面白いっす。
北道正幸「スカタン天国」
いつも変わらぬパワフルでコテコテなギャグ。いろいろと仕掛けてあって楽しい漫画。
トニーたけざき「岸和田博士の科学的愛情」
ついに最終回。科学とギャグの幸福で破壊的な出会いって感じで、最後も良かった。SFですな。
あさりよしとお「ワッハマン」
漂う寂寥感。今回はちょっとインターバルな感じだけど、最近の展開はかなりハードで好き。
ひぐちアーサー「ゆくところ」
四季賞受賞作。絵柄的にはなんか線の細い小手先で描いている感があってそんなに好きなタイプじゃないが(といっても嫌いなタイプってわけでもない)、ちゃんと読むと話はけっこう面白かった。ホモの少年が、小児マヒのため腕などがきちんと動かない身体が少し不自由な少年を好きになってしまうという話。お互いにコンプレックスを抱えながら、ストレートにその気持ちをぶつけ合っていく。最初はほのぼのとしているかと見せかけて、終盤に向けてじょじょにハードにしていっている。ただ心理描写のところの、抽象画みたいな絵はちょっと陳腐な感じがしなくもない。
【雑誌】モーニング 7/9 No.30 講談社
「オフィス北極星」(作:真刈真二+画:中山昌亮)は新シリーズがスタート。ハッタリを利かせつつ飄々と粋でいい感じ。「キリコ」(木葉功一)。今週も面白い。もっと激しく激しくヒートアップしていってほしい。こういう漫画はハッタリで押し通せるかどうかが勝負だ。
「サイコドクター」(作:亜樹直+画:的場健)。相変わらずベタベタな展開がたまらない。絵も何げに色っぽい。「山遊亭海彦」(作:立川談四楼+画:さだやす圭)。ちょっと中途半端な終わり方だなあ。まあ一応の区切りにはなっているけど。けっこう面白かったので残念。

【雑誌】ヤングサンデー 7/9 No.30 小学館
 細野不二彦「太郎」。ガルシア戦を前に、太郎の感覚が研ぎ澄まされつつあってかっこいい展開。サラリーマンやってる場合じゃねえ。土田世紀「同じ月を見ている」は、切ない展開が続いていて面白い。ツッチーは本気出すとやっぱりいい。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。総理大臣・ユリカンが貫禄があってかっちょいい。いいキャラクターしてると思う。
「よいこの星!」(柏木ハルコ)。すなおが追い詰められて逆ギレ。粛正の嵐が吹き荒れる。うーん、陰険で怖い。「愛米」(コージィ城倉)は最近、ラブとコメにアイドル二人が絡んで、人間関係が煮詰まりまくり。コージィ城倉の漫画は、展開に力強いベタベタ感があって好きだ。沖さやか「マザー・ルーシー」は最近ハードな展開が続いているが、ルーシーに少しだけ追い風の気配。

【雑誌】花とゆめ 7/5 No.14 白泉社
 羅川真理茂「ニューヨーク・ニューヨーク」最終回。深く愛し合うゲイの物語。なかなか感動的なラストだった。最後の2回くらいしか読んでないけど、それでも十分楽しめたので、全部読むとかなりいいんだと思う。美内すずえ「ガラスの仮面」。そうかー、やっぱり少女漫画でもタイマン張ったらダチなのだな。なんかポカポカ殴り合っておる。
 望月花梨「笑えない理由」は第2回。起承転結でいえば承。次回あたり転か。それとも結か。高尾滋「モナリザ」。予告を見たときから気になってはいたのだが、これはなかなか面白い。女の子のつり上がってクリクリした猫みたいな目がいい。絵がきれいでかわいらしく、お話も爽やか。どこかで見たことあるような気もするけど、この人って新人なんだろうか。

【雑誌】コミックアイズ 8月号 ホーム社
 正直なところ、あんまり面白くなかった。それなりにみんな絵はきれいなんだけど、グイグイお話に引っ張り込む力強さには欠けていると思う。絵的には、赤坂ありか「ベイビィテイル」、遠野麻紀「新世界交響楽」あたりかな。

【単行本】「ワガランナァー」 羽生生純 アスペクト 判型:A5
 まとめて読むと、改めてスゲエ漫画だなーと感じいる。この3人組のパワフルさ、イカレっぷりなどなど。今日はちょっと疲れててできないが、明日あたりオスマンのほうのデータを改変しておくつもりなのでちょっとお待ちを。


6/24(水)……ザ・シュクリーマー

【雑誌】CUTiE comic 創刊号 宝島社
 独立創刊。これまでの増刊枠時代はA4で出ていたのだが、B5に縮まったのは残念な気もする。収納はしやすくなったけど。FEEL YOUNGと同じ編プロのシュークリームが製作している。いわゆる「シュークリーム系」の粋を集めた、バリバリ濃い本。読むたびに思うことなのだが、すごく面白いけど、全体的に似たような味わいの人が並んでいるので息が詰まるのも確か。もちろん読んでいる間はみっちり楽しめる。俺は一気に読むけど、そんなにたくさん漫画を読まない人は2〜3回に分けてほかの漫画を混ぜながら読むと、より気持ちいいかもしれない。
 今号のラインナップは冬野さほ、安野モヨコ、桜沢エリカ、橋本ライカ、朝倉世界一、やまだないと、三原ミツカズ、いわみえいこ、小野塚カホリ、魚喃キリコ、大久保ニュー、南Q太。ガッチリオシャレまくっていて、レベルはすごく高い。
 まずは巻頭カラー、冬野さほ「にじとこいびと」。いや〜、もうブッ飛んでいる。子供が描き殴ったときに、ものすごく稀に起こる奇跡を常にモノにしているという感じ。安野モヨコ「LOVE MASTER X」、桜沢エリカ「ラブリー!」、やまだないと「コーヒーアンドシガレッチョ」、三原ミツカズ「HAUNTED HOUSE」、魚喃キリコ「南瓜とマヨネーズ」、南Q太「丘をこえて」……ここらへんはもう「いつもどおりうまい」というほかない。このあたりの人々はいつ読んでも、ある一定の高いレベルの作品を描いてくる。そのコンスタントさは実に見事。ただ、それだけに一編一編の話について、違いをつけて語るというのは難しいんだよね。こういうのは単行本レビューとかすると苦労するのだ。
 橋本ライカ「空は晴れていて」。俺はこの人ってCUTiE comicで知ったのだが、いつもなかなかいいなーと思う。若い女の子たちがピーチクパーチクしてて楽しい。小野塚カホリ「釦」。この人の絵はシャープでかっちょいいねえ。ホモ系の話を読んだときはわりとエグいと思ったけど。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/8 No.30 講談社
「Jドリーム完全燃焼編」(塀内夏子)。今回は予選の厳しさが前面に押し出されててわりと良かった。あと「蒼き神話マルス」(本島幸久)の馬鹿馬鹿しさはなかなかすごい。雪山の野良馬って、あんたそりゃあんまりにもムリでないかい。そもそも日本に野良馬って存在するのかなあ。
 このごろの少年マガジンはいまいちピンと来ない。「はじめの一歩」(森川ジョージ)とかいい作品もあるんだが、全体的に見るとあんまり合わないのだ。新人のスゴイのとかも出てこないし。現在のように、雑誌数がたくさんある状況では、週刊少年誌というツラくて制約のキツい世界に飛びこんでくる新人さんって少なくなっているんじゃなかろうか。少年マガジンは、編集者主導で作品を作ることによって優秀な新人がいないのを補って部数を伸ばしてきたみたいだが、なんとなくそういう手法もそろそろ限界なんじゃなかろうかという気がしなくもない。凡人が協議して作り上げたものって、一人の天才によって容易にくつがえされちゃうものだから。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/8 No.30 小学館
 少年サンデーはマガジンとかと違って、閉塞することによって完成度を高めている。そんなわけで俺みたいなオタク読者には面白いと感じられる作品が多い。でもやっぱりこの布陣って、「一見さんお断り」に近いよなあ。
「MAJOR」(満田拓也)。海王学園のセレクション、三次試験の課題はなかなか意表を衝かれた。たしかにごはんって大事だよね。「犬夜叉」(高橋留美子)。こうやって盛り上げといて、最後ははぐらかすあたり、さすがだねえ。分かり切っている結論をぬるぬると先送りにしていくゴールデンパターン。
「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)。うーん、成長期でなくてロウソクのほうだったか。久米田康治「かってに改蔵」。どうでもいいことだが、現在だったらDeschute/400MHzは高いので、400MHzまでクロックアップの利くCerelon/266MHzを仕入れたほうがいいと思う。安いし。

【雑誌】ミスターマガジン 7/8 No.13 講談社
 やまあき和利「昭和のハッピーミセスびわこさん」。なんかちょっとよれよれっとした、涼しげな描線でノスタルジックな話を描いている。画面の雰囲気はけっこう好きなのだが、もう少しだけうまくなるとうれしい。絵の雰囲気的には、ヤンジャンなどで描いている水穂しゅうしとか鬼頭莫宏をちょっと思い出した。
 安彦良和「王道の狗」。なんかお得意の日本戦前史にからんできた、というより最初からからんではいるんだけど。このあたりの描写はやはり骨太。萩原玲二「グッドバッドママ」は最終回。あんまり継続的に読んでなかったので、内容はいまいちよく知らない。「地獄鳥」(犬木加奈子)。なんとなく最終回が近づいてきているような気がする。なお、単行本1巻は7月9日に発売延期されたみたい。

【雑誌】スーパージャンプ 7/8 No.14 集英社
 吉田聡「ジャイアンツ」。けっこう面白い。この人も手堅く盛り上げてくる。ごはん系。徳弘正也「狂四郎2030」。う〜ん、いやらしい。徳弘正也はギャグも好きだが、エロもうまいと思う。基本的にギャグをしっかり描ける人って、ほかのジャンルも強い。落語に人情噺があるみたいに。「ロマンス」(高見まこ)。こういう素朴な感じの人もソソる。この人は色っぽくてええ女描くのうまい。
 ところでこの雑誌、次号で10周年らしい。そんなに長いこと出てたっけ。といっても10年前ってことは1988年だから、そう考えるとたしかにそのくらい出ていたような気もする。


6/23(火)……フラミン業

 今日も朝7時くらいまでかけてジャンキーズの原稿を書く。これで今のところ渡されている分に関しては、いちおうすべて原稿アップ。やっぱり、ここの日記のコメントとかと違って、より多数の人にきっちり分かってもらえるように書かなきゃならんので、けっこう時間がかかった。最低でも1冊につき30分以上かかってしまう。もっとシャキシャキ書けるといいんだけど、つまらない本についてはいいとこ探すのに苦労するし、面白い本の場合は温度の高い読んだ人が手にとりたくなるような文章書きたいし、なかなか思うようにはいかず。まだまだ修行が足りん。ただ、こうやって毎日ホームページで、人に見せることを前提とした文章を書いている経験はそれなりに役立っているのは事実。フィードバックはあんまりないから、自分で自分を律しつつ書かないと修行にはならないけど。

【雑誌】フラミンゴ 8月号 三和出版
 今月も、海野やよい、1ROO、町野変丸、海明寺裕、しのざき嶺、竜門冬児、天竺浪人、駕籠真太郎、ウザギの月、白井薫範、蜈蚣Melibeと、一部の人には豪華な布陣。
 最近この味にも慣れてきてしまったかな〜とか思っていたが、やっぱりフラミンゴは凶悪だった。でも、最近は食事後とか読んでも全然平気。むしろそういうときに読んだほうがマゾヒスティックな楽しみがあっていいかも。
 まずなんといっても強烈でもの凄いのが、駕籠真太郎「還って来た男」。兵役から還ってきた夫は、巨大兵により全身の皮膚のほとんどを消化され薄皮一枚だけが残った状態。余分な肉や脂肪がまったくないので、身体中の水分がすぐ蒸発してしまう。さらに神経がほぼむき出しであるため、あらゆる刺激に対してものすごく敏感になっている。寝たきりの夫に対して妻は嗜虐的になり、夫の身体中にかたつむりやシデムシ(だと思う)を這わせるといった変態的な性行為を強要する。さらにあらゆる刺激に敏感で、ダイレクトに快感を味わっている夫に嫉妬して、自分の身体をナイフで切り中にウジなどを閉じ込め脂肪や余分な肉を食らわせることでより直接的な感覚を得ようとする……というお話。圧倒的に冷めた視点での突き放した描写が凄すぎる。一読すれば戦慄すること必至。やっぱ、駕籠真太郎は最強だ。そろそろまた単行本出ねえかなあ。

 それから1ROO「欲情変体乳子(後編)」もすごい出来。とにかく乳がデカすぎる。しまいには直径1メートルはありそうなくらいに膨らみ、それが乳より小さそうな身体にくっついているんだから。白井薫範「笑ってぶたぱん」も相変わらず凶悪。額に豚と書いて、身体には何もつけずゴム手袋とゴム長をつけただけの状態で庭に出る少女。すごい迫力がある。
 天竺浪人は「人間便器」を一回休んで、今回は短編「正直なからだ」。肉体と精神の欲求が完全に分離してしまったため、物理的に頭が肉体から外れてしまった女性の話。きっちりまとまっていて、うまい。それから蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」シリーズは新章に突入。今回は「アノマロカリスの章」。ところで、欄外の情報によると蜈蚣Melibeのインタビューが7月9日発売の「WOOO!B組」という本に載るらしい。出版社とか判型とかはよく分からないが、出たらチェックしてみよう。

【雑誌】漫画アクション 7/7 No.27 双葉社
 六田登の新連載「歌麿」がスタート。タイトルどおり、あの浮世絵で有名な「歌麿」の生涯を描くお話みたい。それから伊藤理佐「逆立ち幽霊」が最終回。なんかほのぼのと可愛くて面白かったのだがまあこんなところかな。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/7 No.14 秋田書店
 前号で始まった、富沢ひとし「エイリアン9」。近未来・少女ほのぼのSFファンタジーって感じで滑り出し順調。絵もかわいいし。藤澤勇希「球鬼Z」。ジーザスが絶好調っていうかなんというか、どんどん凶悪さを増す。ピッチャー返しの打球で、投手をぶっこわすのだが、大げさな描写が素晴らしい。五十嵐浩一「いつも心に太陽を」は第4話にして、第一部・完。ってこれ、第二部やるの?って感じがしなくもないけど。第一部・完は丸尾末広「笑う吸血鬼」も同様。こちらは秋に再開とあるが、なんか中途半端なところで中断って感じ。毛利少年の吸血鬼がどんどん進んできていい感じだったのに。まあ気長に待つ。

【単行本】「BLAME!」1巻 弐瓶勉 講談社 判型:B6
 話は何がなんだかよく分かりにくいのだが、この漫画はとにかく絵の迫力がすごい。緻密に描き込まれた背景、グロテスクな登場人物、無機的で乾燥した世界。かっちょいい〜。この邪悪な顔した珪素生物どもを見るだけでも一読の価値あり。

【単行本】「変體累ヶ淵NAKED」1巻 作:杉元伶一+画:米持昭彦 講談社 判型:B6
 最初のうちは、どうしようもなく濃くって無軌道ですごく面白かったということを再確認。この調子で最後まで、ギッチギチに濃い描写および展開で行ってくれると嬉しかったのだが。でも、最初のうち楽しませてくれただけでも良しとしよう。楽しめるっていうのはすごく貴重なことなんだし。


6/22(月)……終わるもの続くもの始まるもの

 朝8時までかかってジャンキーズ原稿を半分くらいアップ。その後11時くらいまで寝てから取材で秋葉原へ。それが終わって会社に戻っても、眠くて全然仕事にならんかった。さーて、このホームページ更新終わったら残りの分も書くか。
 おとといの日記で、「このホームページの名前が細田さんのところで出た」と書いたが、その途端今日のアクセス数激増。一日で339と、今までの最高記録を大幅更新。最近は一日230アクセスペースくらいだったのだが、やっぱり有名サイト効果はデカい。といっていたら細田さん関連で、ほつまつたえさんのところでも名前が出てるし。ちょっと雪だるま式。

 今日読んだ雑誌は5冊。なんか最終回、新連載がらみの話題多し。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/6 No.29 小学館
「ラブレター」(作:じんのひろあき+画:若狭たけし)がなんかいきなりな感じで最終回。まあ、ここらへんの展開はイマイチだったので潮時かな。ラストの展開はなんとなく塩崎雄二「Karen」の最終回を思い出したりもした(と、分かりにくいネタを振る)。
 さらに次号では吉田戦車「ぷりぷり県」が200回記念、と同時に最終回らしい。これはどこで終わっても話的にまとまらないってことはない作品なんでOKでしょ。っていうか俺としてはどの作品がいつ終わっても、ほかに面白い作品を探すだけなんで全然かまわないんだけど。
 それに代わって次号からは「友子の場合」の藤野美奈子が新連載。タイトルは「まちこSHINING」。なんかアイドルものらしいんだが、この人のことだからまたドタバタのギャグになるんだろうな。
「バトルオブ大新人」は第3ステージラスト。今回は田中豊子「ふぁ〜むれす」。ペンネームから分かるとおり実はこの人は田中ユタカで……もちろんウソだ。道に生き倒れていたのを拾われていた男が、結婚サギにだまされた女の婚約者のフリをして、偽装結婚のバイトをする……という話。最後のほうはわりと青臭いけど力のある気持ちのいい展開で楽しめた。あとラストシーンを見ると、なんか連載を意識してるんかなーって感じがした。

【雑誌】少年ジャンプ 7/6 No.30 集英社
 またしても次号から3週連続で新連載攻勢。第1弾は「仏ゾーン」の武井宏之、第2弾が鳥山明、第3弾がにわのまことというメンツ。今回は大ハズレはなさそうな布陣。それに合わせて終わる連載もあると思うが、たぶん義山亭石鳥「河童レボリューション」と樋口大輔「ホイッスル!」あたりだろう。両方ともまとめに入ってる感じあるし。
 宮田栄治「Be Happy」。話的にはわりと普通だが、女の子の絵は丸顔で目がくりくりしてけっこうかわいい。なんとなく樹崎聖を思い出すような。

【雑誌】コミックアルファ 7/7 No.7 メディアファクトリー
 山川直人が三たび登場。今回のタイトルは「プラットホーム」。キャリアウーマンで婚期を逃しかけていて「終わると分かっている恋はしない」と恋に臆病になっていた女性が、分かっていながらもかなり年下の同僚と恋におちてしまう……という話。山川直人にしては普通の出来でまあそこそこ。オヤジ向けの保守的な雑誌だから抑制しているってところがあるのかもしらん。といっても山川直人の作風自体はすごく保守的ではあるんだけど。
 六田登「たかこ」は次号で最終回。一つ読める作品が減ってしまうなあと思っていたら、次号(7/7発売)で「たぬきマン」の山上正月が新連載を開始というちょっとうれしいニュースも。予告によると「新鋭が描くネオショートコメディ」らしい。タイトルは「鉄の都のステブ」。楽しみだ。そろそろ買うのをやめようかといつも思う雑誌なのだが、こういう少数の作品のためについ買ってしまう。

【雑誌】ドルフィン 8月号 司書房
 いつもながら実用に徹していて気持ちいい。男気を感じる。乳はバーンとデカくて汁がドバーッと出て、都合良く女の子が悶えまくる。ステキだ。
 巻頭は米倉けんご「ぼくらのれーこせんせい!」。女教師のれーこせんせいが、満員電車で自分の学校の生徒に痴漢されてヤラれまくるというのを妄想する……って話。妄想だけど、いやらしくっていいわ。絵もうまいし。それにしてもこの話、続くの?
 みやびつづる「艶母」。今回も加速度を付けて息子との性行為にハマっていく義母、っていうか人妻(俺は「義母」よりも「人妻」のほうが燃えるんじゃけえ)。汁気が多くてプレイもハード、脂の乗った人妻的肉体がいやらしー。しかもなんかこの人、エロ漫画描いてて楽しそう。
 そしてこれまた楽しそうなKASHIみちのく「妹」。妹が欲しくて欲しくてしょうがない男の前に現れた、謎のボランティア妹団体。登場人物がみんな頭悪そうでいい。なんか踊りながら現れる「妹シスターズ」がバカっぽくてかわいいぞ。あと身体のどこもかしこもがやわらかそうなのもグッド。
 草津てるにょ「三匹がイク!」。話はどってことないが、またしても頼もしい肉弾系が現れたなって感じ。乳デカいし、行為もストレート。肉弾系といえばいつもどおり、じゃみんぐ「姫ごと倶楽部」も固形度高そうな汁がドロドロでいやらしい。絵はそんなにうまくないんだけど、迫力がある。
 日野聡司「いじられっこ」。これまた乳デカい。絵も米倉けんごっぽくてけっこうきれいなんでいいんじゃなかろうか。

【雑誌】ドルフィン大将 Vol.7  司書房
 本誌同様実用性重視だけど、本誌のほうがコマが揃ってる感じがする。
 またしても世棄犬=薄内和代=品葉諸友が登場。しかも今回は世棄犬名義でも品葉諸友名義でも描いている(表紙だけ世棄犬名義)。さらに表紙と巻頭・巻末に4色カラー原稿を4ページずつというサービスぶり。俺としては巻末のほうの、前号から続きの(まさか続く話だとは思ってなかった)、宝くじの当たり番号をセックスで決めるという短編がプレイがハードでいやらしくて好き。それにしても世棄犬はやっぱりうめえ。
「M&M」(祭野薙刀)極端な丸顔で、やわらかそうな身体の描き方がけっこう好み。東航「THE PERVERSION TWO!!」。この人は絵はなんだかぎこちないんだが、一生懸命エロやろうとしてるところに好感が持てる。俺好みの多汁系だし。
 暴武R「MM」。目がデカくてデフォルメがかなり利いた絵柄。アニメ絵に抵抗がなければ、わりとやってることはハードだし実用性は高いんじゃないかな。


6/21(日)……みどりのバキトマドー

 ジャンキーズ用原稿執筆中……なんだけどその前に立ちはだかるのはW杯。おかげで時間がどんどん過ぎていく。今週はほかにもパソコン関連の原稿書かなくちゃならんのだが大丈夫かなあ。そんなわけで今日あたり、日記以外の部分を更新しようと思ってたのだが、どうもできそうにない。ま、その分兄貴のページが久しぶりに更新されたんで良しと……してくださいませ。

 W杯、今日はオランダ×韓国とドイツ×ユーゴを観る。うーん、韓国ボロボロ。5-0で負け。たしかにオランダは強いんだけど、それにしてもこれはねえ。観ていた感じでは中盤がスカスカだった。ボールをキープできる人が全然いない。FWは力強さも時折垣間見せるんだけど。オランダのオフェルマルスに引っかきまわされっぱなしだった。うーん、2002年はどうせなら日韓合同チームで出るなんてのはどうか。日本の中盤+ディフェンスと、韓国のFWとサイドアタッカーという組み合わせならけっこう強そう。
 次のドイツ×ユーゴ。ユーゴが後半30分くらいまで2-0とリードしてて「ドイツ負けか?」と思ったら、最後力づくで2点とって引き分けに持ち込む。さすがしぶとい。もしここで例えば2-0で負けていて、イランがアメリカに2点差つけて勝ちドイツ戦を引き分けに持ち込めば、なんとドイツが決勝トーナメントに行けないという番狂わせが起こり得たのだが。これでドイツは、アメリカがイラン、ユーゴに連勝しない限り、次は引き分けでOKになった。ドイツのサッカーってつまんないから嫌いなんだけど、悔しいけど強えなあ。

【単行本】「爆裂瞑想バキトマ道」 キクチヒロノリ 青林工藝舎 判型:A5
「バキトマド」とは、「バカ」「キチガイ」「トンマ」「マヌケ」「ドアホ」の略。ガロ掲載作品と、バーズ掲載の「極楽浄土ジャンボリー」を収録した作品集。
 それにしてもよくもまあこんなにイカれた作品を次々と……って感じ。脈絡なく続くアナーキーな展開。技量的には別にうまくないんだけど、妙に印刷映えするくっきりかっちりした線。ワラワラと湧いてくるバキトマドで異常な造形のキャラクターたちに圧倒される。キクチヒロノリは素晴らしい。ただ、これも読者を選ぶこと間違いなし。

【単行本】「イケてる2人」1〜3巻 佐野タカシ 少年画報社 判型:B6
 ちょっぴりHで、なおかつラブラブで他愛なくて、かわいくてもうメロメロ。トロットロに煮詰められた甘酸っぱく、もどかしい世界。サイッコーだ。。それにしても、「イケてる」って言葉はもうあんまりイケてないような気がする。

【単行本】「灰者」 木城ゆきと 集英社 判型:A5
 近未来、車輪とブースターを付けた鎧を付け、サーキットを爆走する競技「モーターボウル」が熱狂的な人気を集めていた。その選手であり、スピードに魅入られた男・スネブが主人公。彼は実力はあるが、スピードを出すとどうしようもなく、自爆への誘惑に駆られてしまい、レースに出るたびに自爆を繰り返していた……という感じのストーリー。
 現在ウルトラジャンプでやっている「水中騎士〜アクアナイト〜」は、俺としてはそんなに面白いとは思わないんだけど、これは面白かった。白と黒のコントラストがくっきした、精緻な画面が美しく迫力がある。

【単行本】「首」 下村富美 小学館 判型:B6
 前にプチフラワーで見て面白そうだなーと思った人。すごくシャープなペンタッチで、実に絵がうまい。少年少女だけでなく、老人、オヤジなんかもうまく描けているところは好感が持てる。話は主に日本の中世が舞台。おかしみのある話やちょっと悲しいお話など、それぞれなかなか楽しめた。けっこういい。

【単行本」「マラヤ」1巻 安彦良和 主婦と生活社 判型:B5
 人間が戦争を起こし、荒廃した世界が舞台。女は、戦争を起こした男(ゾド)を忌み嫌い対立関係にあった。そのなかで繁殖を司り子供を延々と生み続けることを任務とするエヴァに選ばれた女戦士・マラヤだったが、それを拒み役女(奴隷みたいなもの)に落とされる……という幕開け。
 オールカラーで100ページくらいの単行本。作品としては今のところイマイチ。安彦良和って絵はうまいんだけど、漫画はどうも、という印象がある。でも単行本は全部持ってたりするのだが。これからの展開次第だけど、あんまり面白くなりそうにない気配がする。

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