◆ 1998年7月下旬 ◆

7/21〜31
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7/31(金)……コイブミ学習デスク

 1998年7月も終わり、ハルマゲドンまであと1年を切ったらしい。となると漫画を読むしかないね。7月は雑誌102冊、単行本73冊、アンソロジー1冊、ミニコミ1冊。最近としてはわりと平均的。で、8月の購入予定単行本は以下のような感じ。一番の注目はなんといってもアスペクト勢。取り分け新谷明弘「未来さん」は前から出てほしい出てほしいと言い続けてきた初単行本。これを機に学園委員シリーズも単行本化してくれるとすごくうれしい。また、しりあがり寿「弥次喜多 in Deep」1巻も当然買いの1冊。すがわらくにゆきの初単行本もナイス。
 そのほかではまず、さつきのそのいちの初単行本。話的にはそれほどでもない面はあるんだけど、絵の雰囲気は抜群。輪郭が薄らいだはかなげな画風は注目。もりしげ「蹂躙」は児童ポルノがらみでヤバいということでの滑り込み発行かもしれないが、そのうち買えなくなってしまうと思われる本なので買っておいたほうがいいと思う。
 太陽星太郎「今日のだいちゃん」はようやく単行本化。最近パワーが落ち気味かなーって気もしないでもないけど。山本直樹「フラグメンツ」3巻も、雑誌で読んではいるもののやはり楽しみであることはたしか。

98年8月購入予定単行本
日付タイトル作者名価格出版社
0804I''s(6)桂正和390集英社
0805ザ・ワールド・イズ・マイン(5)新井英樹486小学館
0805SUNFLOWERさつきのそのいち505ワニマガジン
0805愛米(4)コージィ城倉486小学館
0805よいこの星!(5)柏木ハルコ486小学館
0806姫ごとくらぶじゃみんぐ司書房
0806零式東京三世社
0806プレジャー・パラダイスマーシーラビット司書房
0807蹂躙もりしげ924桜桃書房
08072人におまかせスーパーリミックス八神ひろき933講談社
0808からくりサーカス(4)藤田和日郎390小学館
0808A'DASH角川書店
0811オリジナル増刊号小学館
0817Jドリーム完全燃焼編(2)塀内夏子390講談社
0817モーニング新マグナム増刊講談社
0820Water魚喃キリコ980マガジンハウス
0820ねこぢるせんべいねこぢる680集英社
0820Comicアリスくらぶ(7)アンソロジー933コアマガジン
0821ヨリが跳ぶ(14)ヒラマツ・ミノル505講談社
0821バロン・ゴング・バトル(3)田口雅之390秋田書店
0821ブル田さん(5)きくち正太/高橋三千綱505講談社
0821変體累ケ淵NAKED(3)米餅昭彦/杉元伶一505講談社
0821ナイショのひみこさん(2)魚戸おさむ571講談社
0821反町くんには彼女がいない(6)有川祐505講談社
0821なるたる(1)鬼頭莫宏505講談社
0821蒼天航路曹操群雄&臥龍戦闘絵巻王欣太/李學仁未定講談社
0825バラ色の明日(3)いくえみ陵390集英社
0825未来さん新谷明弘未定アスペクト
0825弥次喜多 in Deep(1)しりあがり寿未定アスペクト
0825狩撫麻礼作品集(仮)狩撫麻礼未定アスペクト
0825魔術っ子!海堂くん!!すがわらくにゆき未定アスペクト
0826ベルセルク(16)三浦建太郎505白泉社
0826デビューマン(1)吉本蜂矢495少年画報社
0827フラグメンツ(3)山本直樹1200小学館
0828今日のだいちゃん(1)太陽星太郎714小学館
0828球鬼Z(1)藤澤勇希514秋田書店
0828神童(4)さそうあきら552双葉社
0829月下の棋士(21)能條純一486小学館
0829プロファイリング師朕集院犬清(1)石井達也486小学館
0829ダイヤモンド(1)青山広美486小学館
0829センチメントの季節(2)春の章榎本ナリコ876小学館
08下マンガの鬼AX Vol.4しり上がり寿/花輪和一他933青林工藝舎
08下カラフル萬福屋ビブロス

【雑誌】ピンクパンチ Skip1 宙出版
 A4版と普通の雑誌より一回りでかい。内容は女の子向けH雑誌という感じ。エルティーンcomicに近い。それほどハードじゃないが。ポップな女の子向けのそこそこベタベタなHというと、俺としては小野塚カホリというイメージがわりと強いのだが、表紙も巻中4色カラーも描いていた。4色原稿「DRIVE」は色鉛筆の淡白な配色で、画面構成もスッキリとしていて、なかなか気持ちよい画面作り。
 巻頭カラー「アンドゥ」(藤原くるみ)はシャープな画風がわりと好み。話的には少しもの足りないが、エロ的にはこの雑誌の中では一番ソソる。「髪を切る理由」(笹鳥香)。高河ゆん系のすっきりした絵柄。のんびりした雰囲気はわりと心地いい。
 全体的にはけっこう上品で、Hもそれなりに……って感じで悪くないと思う。ただ、バリバリのエロでもないし、漫画的完成度を追い求めたってタイプでもない作品が多いので、若干中途半端な印象はある。そんなわけで、ちょっとHでヌルいのが好きという人にはいいかな。

【雑誌】別冊きみとぼく 夏号 ソニー・マガジンズ
 出てからだいぶ時間が経っちゃっているけど……。コロコロコミックみたいなA5厚ぼったい系。少女漫画系ってなんでこの判型多いんだろうと前から不思議に思っていた。雑誌の場合、単行本に比べて紙質が悪いだけに判型くらいはデカくしてほしいのだが。小さくて厚ぼったいとページめくるのもやりにくいし。あんまりメリットないよなーと思っていたが、職場の同僚が「女の子のカバンって小さいからでは?」という意見を聞かせてくれた。ちょっとだけ納得。
 話がそれたが、この雑誌掲載作品では鵤いるか(いかるがいるか)「ラブファイターズ」が抜群。スタイリッシュでオシャレな絵柄、ハッピーでバカチンでラブラブな展開。着ぐるみとかのファッション面もかわいい。テンポよくコロコロと転がっていくお話で、一気に読ます。気に入った。今度単行本買ってみよーっと。橋本みつる「パーフェクト・ストレンジャー」。前見たときも思ったけど、絵の雰囲気は好き。パサパサした感じで。ただ、お話的にはなんとなく舌足らずかな。途中までわりといいと思ったのだが。でも途中まで楽しませてくれるだけでも良しとする。
 植木家朗「人造人間ツツイダー」。絵的になんとなくオタク系少年誌(エースとか)が似合いそうな気がする。藤原薫「甘い小指の夢を見た」。神経質な線がかっちょいい。ある日起きたら指がパンになっていた……という少年の話。少しSFチックで幻想的。なかなか面白い小品。テクノサマタ「これは王国のかぎ」。ショタ系のきれいな絵柄でとっつきやすい。
 雑誌全般的に見て、厚さに相応して読みどころもわりと多め。きみとぼくって、新人賞出身作家(植木家朗とか)がわりといい感じ。

【雑誌】きららセーズ 8月号 秋田書店
 これもA5の厚ぼったい系。この雑誌はもともとはB5版だったんだが、なんか新装刊でこの判型になったらしい。秋田書店なのに(といっては失礼だが)、コジャレた感じの絵柄の人が多かった。あと新装刊なので、新連載という作品もけっこうあり、継続して読んでいなかった俺にとっても入っていきやすかった。わりと面白いと思う。
 その新連載の一つ、藤井こぴる「カメラ!カメラ!カメラ!」。よしもとよしとも系な感じで、オシャレかつちょっと青臭い。なかなか面白いので、これからも期待できそう。東山むつき「極上天使」。上條淳士とか浅田弘幸が好きな人は、たぶん好きになるであろう、カッチリとしてコジャレた絵柄。
 藤弓郷「アヒルの行進」。入学早々交通事故で入院していて、学校に行っていなかった優等生の女の子が復学したが、その間に成績最低クラスに編入されてしまう。落ち込む彼女だが、バカやってるけど楽しそうなクラスの連中にだんだん惹かれていく……って感じのお話。微笑ましくて素直な作風がけっこう楽しい。

【単行本】「ラブレター」3巻 作:じんのひろあき+画:若狭たけし 小学館 判型:B6
 先日連載の終わった、怒濤の女子高生書道漫画。この巻はストーリー展開の中ではわりとインターバル的な展開。スピーディでパワフル、ドタバタな展開をしつつ、締めるべきところはビシッとかっちょいい字で締めるあたりがうまい。次の巻でたぶんラストだろう。


7/30(水)……オボン信仰

 おぼんしんこーっ!というわけでお盆進行。会社にお泊まり中なり。実のところ、昨日の日記も会社で書いた。漫画は読んでるけど、外出はコンビニ程度なので雑誌しか買ってない。これが明けたら、夏真っ盛り。夏だ!本屋だ!古本屋だ!冬と変わらんやんけーっ!

【雑誌】ヤングサンデー 8/13 No.35 集英社
 なんつってもコージィ城倉「愛米」!最近の怒濤の展開はなんだかもう素晴らしい。こうやって一気呵成に、どうにも強引な展開をいけしゃあしゃあとやってのけるところがコージィ城倉の魅力の一つだ。「すくすく」しかり「ぬーやん」しかり「砂漠の野球部」しかり。遊人「桜通信」。なんだかまたしても受験とはまったく関係なさそうな新キャラ女の子登場。このどうしようもなさはかなり貴重だ。「新・花マル伝」(いわしげ孝)。木元も秘かに血をあつくたぎらせている。高校編になっても変わらず面白い。そして、大会とかで爆発すれば中学編よりもさらにいけそうな感じ。
 古谷兎丸「ショートカッツ」。今回も器用な作風を存分に発揮。「美少女ボール」。受けてみてえ。竹下堅次朗「カケル」。久しぶりにサトル登場。サトルと一緒にいる少女のキョウコ、ミステリアスでなかなかいいキャラクターだと思う。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)では残虐モンちゃん復活。やっぱりモンちゃんはガシガシ切り刻んでこそ。

【雑誌】モーニング 8/13 No.35 講談社
 木葉功一「キリコ」は巻頭カラー。キリコは冷酷でしなやかで色っぽい。好調。守村大「考える犬」。文ちゃんの昔のバイク仲間の話。別に奇をてらっているわけでも、新しいことをしているわけでもないんだけど、いい話で面白かった。いつもきっちり読める漫画だと思う。
 王欣太「蒼天航路」。徐晃登場だけど、これまた破天荒なキャラクターだねえ。こういうハッタリの連続がこの漫画のいいところ。うえやまとち「クッキングパパ」。うおー、豚足食いてぇーっ。この漫画に出てくる料理は本当にうまそう。そんなすさまじい材料使っているわけでもないし、むちゃくちゃな調理法でもないんだけど、料理の質感が抜群。あと食うのが楽しくてたまらなそうな人たちがまたいいのだ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/13 No.36 秋田書店
 田口雅之「バロン・ゴング・バトル」。今回のラストシーンはけっこう笑った。バロン髪の奴らが大挙してドドーンと並んでいる。いやーん、大ざっぱー。ステキ。おおひなたごう「おやつ」。この脈絡のなさ、裏返しぶり、いいなあ。山口貴由「悟空道」。チャンピオンの伝統どおり、タイマン張ったらダチだ。それが怪物であろうとも。


7/29(水)……ゲヘナベベ

【雑誌】週刊少年サンデー 8/12 No.35 小学館
 ありゃ、なかいま強「ゲイン」が最終回。終わり方はかなり中途半端。人気なかったんだろうなあ。地味だし、女の子もあか抜けなくて一般的に見てそれほどかわいくなかったし。俺は面白いと思ってたんで残念。
 巻頭カラーは「今日から俺は!!」の西森博之+春風邪三太の「スピンナウト」。絵は春風三太がメインなんだろうなって感じ。西森博之ピンのほうが面白いかもしれないと思うが、これからの展開しだいではある。高橋留美子「犬夜叉」。いつもながら面白い。主人公や敵にも、きっちり弱さを作っておくあたりうまい。
 村枝賢一「俺たちのフィールド」。インターバルの間に、和也と愛子が本音をさらけ出し合う。試合も人間関係も、ここまでの物語の中で作り上げてきたものを一気に出しつくさんとしている感じ。こうなると伊武も出ずばなるまい。椎名高志「GS美神極楽大作戦!!」もここんとこずっとハイテンション。それから「なぎさMe公認」も今回はかなり熱い。宮里vs.まーくんvs.仲田の800m走が決着。力強くてかっちょよかった。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/12 No.35 講談社
「Jドリーム完全燃焼編」(塀内夏子)。嶋が代表復活。それにしても今回の予選はペースがむちゃくちゃに早い。残りはあと2戦しかないもんな。それにしても早すぎて、ガケっぷちでなのにあんまりせっぱ詰まった感じがしない。完全燃焼編はW杯本大会のほうに期待だな。蛭田達也「新コータローまかりとおる!」。今回も試合が白熱していて面白い。さすが、コータロー描かせりゃ日本一。

【単行本】「GEHENA」 十羽織ましゅまろ メディアックス 判型:A5
 骨太な線で力強くいやらしい。この単行本では、座敷牢に監禁された未亡人が、格子越しに少年と濃密な性戯に耽る「甘露」がいい。ガパッと口を開けて、一滴たりとも精液を洩らすまじって感じでちんちんに貪りつく、ダイナミックさも買い。

【単行本】「WE ARE THE KINX」 岡田ユキオ 小学館 判型:B6
 SEX嫌いに見えて、実はその奥に巨大な欲望を隠した女性・花観と、彼女の欲望を真っ正面から受け止めて愛し抜こうとする男・タクの物語。ソウルフルで愛があっていいのだが、ボリューム的にちょっともの足りない。花観の母親がかなりおいしいキャラクターなので、もうちょっと彼女を中心に膨らましていってもよかったかな、って気がする。

【単行本】「ラグナ戦記」 外園昌也 白泉社 判型:A5
 初版は1986年。短編集だが、いつものラグナ世界を舞台にした戦記モノである表題作は、100ページ超の力作。出だしがなんとなく唐突かなーという気もするが、若さに任せた勢いがあって楽しめる。このころの外園昌也は藤原カムイの影響が強い。


7/28(火)……何をおふぃしゃるうさぎさん

 気が向いたので、今日からこのホームページを「しばたたかひろオフィシャルホームページ」にすることにした。別に深い理由はないのだが、俺みたいな有名人でもない一個人のページで「オフィシャル」などと冠を付けるのはなんかマヌケてるな〜と思ったので。飽きたら「オフィシャルなんだか違うんだか判然としないページ」にするつもり。

 今日、ホームページなどを含めた俺のパーソナルデータがごっちゃり詰まったPCカードを整理していたら、うっかり中身のデータを一部なくしてしまう。ホームページは、プロバイダのサーバーにアップしていたものをダウンロードしてきて復旧したものの、所蔵漫画リストが一部失われてしまった。バックアップはあったが、日付は1ヶ月前のもの。7月に買ったものの分のデータが消失。入力し直すのも面倒なんで、どうしようかなあと思っている。

【雑誌】コーラス 9月号 集英社
 この号で一番の驚きは現代洋子「ともだちなんにんなくすかな」。この前二ノ宮知子がと思っていたら、今度は……。この連載としては最高のハッピーなオチですな。よしまさこ「うてなの結婚」。微笑ましくてよろしい。幸せいっぱい、ああぼよよん。
 萩岩睦美「水玉模様のシンデレラ」。話的に大きな動きがあるわけではないけれど、コンスタントに面白い。そのだつくし「女の花道」は新連載。会社の総務課に配属された新入社員のOLさんのお話。ちょいと「ショムニ」を思い出す。サバサバした絵柄でカラッと楽しめる。くらもちふさこ「天然コケッコー」はいつも通り。何をか加えんって感じ。

【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン
 陽気婢「SHI・TA・TA・KA」は、みんなに慕われている女教師と、彼女のお気に入りのかわいい少年のお話。最近の陽気婢はちょっと不調気味だったが、今回は思春期の少年のドキドキが描かれていて、さわやか&ちょっぴりHでわりと良かった。OKAMA「透明なエのぐ」。いつもながらのハイクオリティな画面。それだけで満足してもいいけど、もうちょっと大きな物語を描いてほしい気もする。説明を省いて感性で読ませるっていうのは、この人には合っているんだけど、最初っからそれをやるんでなくてきっちり説明もできるようになってからやるともっとかっちょよくなると思う。
 板場広し「視線を感じて」。やたら人目のある野外でSEXしたがる女の子の話。俺は露出&羞恥モノって大好きなんでこれはなかなか良かった。今号の快楽天では一番チンピク度が高い(ほかの作品の実用度が非常に低いというのもあるけど)。大塚ぽてと「ウェルカムメルヘンワールド」。部屋中がテディベアで埋まっていて、骨の髄までメルヒェンな彼女の、あまりのほのぼのとした雰囲気になかなかヤレずにいる男の話。彼女の常軌を逸した脳天気ぶりがいい。かなり大幅に馬鹿っぽっくてナイス&グッド。
 うらまっく「妹よ」。タイトル見れば一目瞭然、おにーちゃん&妹モノである。おにーちゃんは東京でオカマをやってて、そこに田舎から妹が家出して転がり込んでくるという話。あざとくもあるんだけどおもしれえ。うまい。非常に絵がうまくて前から単行本出てほしいなーと思っていたさつきのそのいちだが、8月5日に初単行本「SUNFLOWER」が発売決定。当然買う。

【雑誌】YOUNG KING OURS 9月号 少年画報社
 内藤泰弘「トライガン・マキシマム」。刀vs.銃で丁々発止のやり合い。スピーディでかっちょいい。佐野タカシ「うさぎちゃんでCue!」。いつもながら、きゅう。やまむらはじめ「最後の夏」。足の負傷で全力で走れなくなった陸上部の先輩が、後輩の女の子を指導する、というお話。前回登場時はちょっと狙いすぎかって感じのトリッキーな話だったやまむらはじめだけど、今回は小細工なしのいいお話。言葉足らずな感じは相変わらずだが。
 犬上すくね「好きすきまほ先生」。可愛らしくて甘ったるくて微笑ましくてええぞ。あと大石まさる「Manta−マンタ−帰還」。涼しげな絵は変わらず。片言ながらも人間の言葉を話すマンタと、少年時代にそのマンタと知り合い後に学者になった男とのつながりを描いた作品。なかなかいいお話だと思う。とくに最後の海に潜るシーンは気持ちがいい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 8/11 No.16 秋田書店
 岡田和人「教科書にないッ!」。こういう一般誌系のじらしてじらしてなかなか最後までは行かない、ちょっとHで他愛ないお話ってけっこう好き。あっさりした絵柄も好みだ。富沢ひとし「エイリアン9」。ほのぼのしつつも伏線が見えてきた。可愛らしくて楽しい漫画。かなりええ感じ。
「サークルゲーム」)(村生ミオ)は次号で200回。よくもまあこんな濃いお話を200回も……。凶悪で強烈。すさまじい。藤澤勇希「球鬼Z」。えーと、たしかツーストライクめのファウルチップは、ミットに入ってもアウトではないんじゃなかったっけか。でもそんなこたあどうでもいいのだ。とにかくZとジーザスの戦いは決着。意味もなく過剰にパワフルで面白い。作:カンパニー松尾+画:井浦秀夫「職業AV監督」。今回はセンチメンタルなお話でなかなか読ます。男と女にはいろいろありますな。

【単行本】「情熱の奴隷」 北原武志 オークラ出版 判型:A5
 フラミンゴ連載の「FRIENDS」が最近お気に入りで注目していた、北原武志の初単行本。いや〜、濃い。絵はけっしてうまくないんだけど、一生懸命描いているな〜ということが伝わってくる。そして唾の匂いがツンとくる、陰湿ないじめっぷり。あせもや乾いた愛液のヒリツキで身体がかゆくなりそう。
 健気な女の子がその健気さにつけこまれて、いいようにいじめられる姿はかなりクる。でも最後はハッピーエンドでしめくくるあたりのヌルさも好き。上述のように特殊な作風ではあるんだけど、この人の場合、漫画とまっすぐに向かい合った結果、ナチュラルにそういうふうになっちゃんたんだなあって感じがする。汚いのも辞さずという人にオススメ。

【単行本】「ナイーヴ」1巻 二宮ひかる 白泉社 判型:B6
 ヤングアニマル連載時から面白いと思っていて、単行本も買ってしまう。ヒロインの藤沢麻衣子が、細身なんだけど妙に色っぽい。常に斜め下を向いて視線をそらしているな目、そっけなさげな目つき、かといって冷たくはなくつかまえどころのないところがすごくいい。安直な期待をヒラヒラと鮮やかにかわしつつながら、ストーリーを運んでいく手際が見事。


7/27(月)……ドンモヤイダに目がくらみ

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/10 No.35 集英社
 尾田栄一郎「ONE PIECE」。50回目。ゾロは狙っていた大敵に出会い勝負を挑んだかと思えば、ナミにも過去の影がちらほら。いつもキッチリと面白い。和月伸宏「るろうに剣心」。あんまり気合い入れて読んでなかったのだが、最近は比較的ちゃんと読んでいる。盛り上がっているときはやっぱり目が吸い寄せられるもの。「地獄先生ぬ〜べ〜」(画:岡野剛+作:真倉翔)。ぬ〜べ〜が突如死す?っていう展開だが、まあちゃんと生き返るだろう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/10 No.34 小学館
 柴門ふみ「ブックエンド」が新連載。この人の漫画っていけすかないところもけっこうあるのだが(文章はハナから読む気にならない)、雑誌連載中はなんだかんだいって読んでしまう。ラストの締めくくりはともかく、話をふらふらと振幅させて読者を引き込んでいくテクニックは大したもんだと思う。いけすかない人が描いている漫画でも面白ければ俺は読む。
 作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。今回は上原の腱が切れまくり。これは痛そうだ〜。無謀なまでの盛り上げっぷりがすごい。青山広美「ダイヤモンド」は、引退直前のベテラン投手が、主人公・種田の胸のすく打撃の前に魂を燃やし、全盛期の力を最後に取り戻す。力と力の勝負って感じで、力強くかっこいい。今号のスピリッツでは一番良かった。盛田賢司「しっぷうどとう」は最終回。まあこんなもんだろう。ここまで面白かったので満足。新人のウヒョ助「ちぇりぃい〜た〜」は童貞狩りを生きがいとするバケモノ老婆と、それから逃げようとする少年という構図のギャグ漫画。絵はなんとなく犬系。パワフルなのは買いだけど、アクが強いのであまり一般ウケはすまいな。

【雑誌】YOUNG KING 8/17 No.16 少年画報社
 吉田聡「荒くれKNIGHT」。シリーズ「花と蝶」最終話。ここまであんまりしっかり読んでなかったんだけど、面白そうだなあ、っていうかきっと面白いんだと思う。でも単行本買う気まではしないあたりがやはりごはん系って感じがする。有村しのぶ「HOPs」。女と男の絵に、露骨な力の入れ方の違いが見えるところが潔い。この人が描く女の子の絵は好きだ。佐野タカシ「イケてる2人」はいつもの通りトロトロで、いつもの通りいい。

【雑誌】激漫 Vol.15 ワニマガジン
 まずは天竺浪人「星に願いを」が最終回。少しもの足りないところもあるけど(謎の異生物がらみをもうちょっと引っ張っても良かったのではってあたり)、最後の〆の先生のお言葉も良かったしいいんじゃないだろうか。単行本下巻は9月4日発売。巻頭カラーは桐生知彦「TWIN SPARK GIRLS」。この人はますます絵が洗練されてうまくなってるなーって感じ。お話的には他愛ないんだけどね。飛龍乱「the SUMMER HOLIDAY」。さすがベテラン。職人芸できっちり読ます。
 MARO「ABILITY」。最近ちとマンネリ気味か。あの暴虐で馬鹿馬鹿しいセリフの数々が薄れつつあるような気がする。でも、ラストのナレーションのお言葉は相変わらずナイス。「巳月竜司 彼こそは獣の本能で女を狩る野獣!!」。「獣」が二つ重なってマンガーナ(「〜まんがな」もこうやってカタカナで書くとちょっとイタリアン……でもないか)。
 十羽織ましゅまろ「血みどろっチャオちゃん」、ISUTOSHI「高校星プラウラ」。両方とも線が太くてシンプルで力強い画風。ともに激漫らしくマッチョだ。馬場康士「LIZARD KING」もマッチョ。暑苦しくて馬鹿馬鹿しくてけっこう好き。氷室芹夏「水の誘惑」。碧に今度は親の再婚話まで出て……。かずや、情けないぞ。ここまでやられたらフツー碧でしょ。

【雑誌】Special別冊少女コミック 盛夏号 小学館
 田村由美の表紙はCGなんだけど、なんか色使いが毒々しい。CGは向いてないタイプの人なのかも。
 立ち読みしてみて西岡愛「熱日」が気になったので購入。シャープで硬質な線がなかなかいい。絵的には「はなしっぱなし」の五十嵐大介の線を少なくしたような感じを受けた。離れた位置にいるのに、別れた男と視覚がシンクロしてしまう女性(う〜ん、それにしても大学生〜20代前半くらいの女の人を表すいい言葉ってないかなあ。「女性」だとなんかおばさんくさいし、「少女」だと若すぎるし)が、シンクロした視覚(別れた男の視点)で女性が監禁されているのを目撃し、その居場所を突き止めるために奔走、別れた男と対峙する……というお話。スリリングでけっこう面白い。私屋カヲル「今年も夏が来るのだ」。微笑ましい展開とハッピーエンドがわりと楽しい。

【雑誌】プチフラワー 9月号 小学館
 むう。トラディショナル。伝統芸能って感じの格式がありますな。枯淡の境地というか。全体に読みごたえがあって好き。ちなみに今日のスピリッツの現代洋子「おごってジャンケン隊」は萩尾望都+プチフラワー編集長だ(次号がガチャピン&ムックってのがまたすごいね)。
 まずは奈知未佐子「忘れ草」。うん、面白い。ページ数は大したことないんだけど、この人の描くメルヘン世界は、美しくて暖かくて泣ける。とくに動物モノがいい。俺はイヌ好きなんで、イヌの話やられると弱い。今回もうるっときた。萩尾望都「残酷な神が支配する」。濃い世界だな〜。そのうちまとめて読みたい、といつもいっているような気がする。
 西炯子「真夜中のMidnight」(なんかすごいタイトルだな)は新連載。背が高くてボーイッシュな女の子が主役。普段はハキハキしてて心優しい彼女だが、その中には残忍な第二人格が眠っていて……という話みたい。第1回めは思わせぶりなラストで次へと続く。下村富美「仏師」。最近ちょっと注目している。写実的だけどうまく漫画的に省略を施した絵が見事。かっこいい男やかわいい女の子もいいんだが、老人や平凡な男なんかもきっちり描く力を持っているのがいい。背景は省略がちだが、必要最低限描かれる、木々や土くれ、虫なども美しい。単行本「首」(小学館・プチフラワーコミックス)で読んだ作品よりも、こちらのほうが面白いと思う。


7/26(日)……憧れの九十八里浜

 Windows 98を買ってきた。今までベータ3やそれよりもちょいと新しいリビジョンの奴も使ってたんで、今さら新鮮でもなんでもないんだけど。デスクトップマシンにさっそくインストールしたが、まったく問題もなくするする動く。今までベータもきっちり動いてたんだから当たり前といえば当たり前だが。で、ついでに製品版が出たってことで、俺のメインマシンたるLet's noteにも入れようと思ったのだが、こっちはうまく行かない。インストールは楽勝なんだが、どうもPCカードスロットの動作が怪しい。下のスロットはうまく動くが、上のほうはダメダメだとか。ホームページをPCカード上に作っていて、インターネットの接続もPCカードモデムでやっている俺としては、PCカードがきちんと認識されないのはけっこう致命的(ちなみに俺は自分の使うマシンにはすべてPCカードドライブを付けるようにしている)。
 しょうがないからとりあえずLet's noteのほうはWindows 95に戻す。こちらのほうは松下電機産業がドライバを供給してくれるのを待とう。
 ちなみに俺はWindows 98ってけっこう好き。少なくともWindows 95よりは俺に合っていると思う。アクティブデスクトップとか、アイコンが綺麗になったとか。Win95+IE4よりは全然安定してるし。インストールにはちょいとてこずることがあるけど、動いてしまえばそんなに落ちないし。少なくとも俺の使っている環境では。

【雑誌】別冊YOUNG YOU 8/30 集英社
 本誌のほうが全般的にとんがった感じでレベルは高いと思う。
 この中では坂井久仁江「ゲッシング・ゲーム」が圧倒的にいい。あざみという女性が、公園でヘンな男たちにからまれそうになったところを、山崎という男に助けられる。山崎は以前からあざみをつけ回していたらしき人物だったが、あざみにからんできた男たちにタコ殴りにされたときのショックが元で記憶喪失に。なぜつけられていたのかも分からないままでは気持ち悪いと感じたあざみは、記憶を失った山崎の世話を焼き始める。そのうち二人は惹かれ合うようになるが……ってな感じの話。猫の目みたいにクリクリした目つきのキャラクター、達者な絵、ミステリアスなお話でなかなかに面白い。何より絵が好みだ。
 中野純子「アタシに愛を!」もけっこう好きな絵。子供を作りたがらない妻を持つ男と、子供だけ欲しい女が、契約の元に身体を重ねる。最初は子供を作るためだけのドライな約束だったのだが、二人の間には愛が芽生え始めてしまうといった感じ。子供を欲しがる女のほうがかわいくてええ感じだった。

【雑誌】コミッククリムゾン 9/1 No.3 創美社
 今回は漫画は載ってないTONOだが、イラストカレンダーは付いている。ちなみに次号(9/22発売)は漫画も掲載される予定。
 くしの乱「マヨイガの夫」。昔、父親がした約束のため、アオサギの嫁に出された17歳の娘の話。鳥らしい、どこを見ているか分からない目つきがユーモラスでなかなかよろしい。奥瀬ちか「それはけして醒めない夢」は、第1回クリムゾン漫画スクール佳作受賞作品。地底にもぐったまま何千年も過ごしていた人類と、地上への門を開く鍵となっていた人形、そしてそこに宿っている魂を揺り起こす少女の物語。作画レベルはなかなか高いし、お話もファンタジックでもの悲しくて面白かった。まあまあ期待できそうな新人。

【雑誌】きみとぼく 9月号 ソニー・マガジンズ
 最近けっこうお気に入りの架月弥「チョコの歌」が巻頭カラー。俺としては第一話が一番好きだったのだが、最近の展開も、ヒロインの女の子・圭都のマヌケっぷりがかわいらしくてけっこういい。みなと鈴「PEARLガーデン」。こちらも女の子がかわいい。
 橋本みつる「イノセントワールド」。切れ長の目でのっぺりした顔つきのキャラクターの造形が印象的なのだが、話的にはいまいちまとまりが悪い感じもする。植木家朗「自転車大王」はけっこうおばかさんで面白かった。自転車を使って格闘する集団、「自転車格闘連合」(略してJKR→ジャッカル)に所属する少女のお話。なんとなく少年サンデー系ギャグ漫画の匂いを感じる。

【単行本】「ディスコミュニケーション」12巻 植芝理一 講談社 判型:B6
 ここのところのちょっとHなノリはかなり好きだ。二人の戸川がからみ合うシーンとか、学校の主が戸川の胸をなめるところとか。空間恐怖症かと思うほど、白いスペースをこれでもかと埋めてくる落書きは楽しくもあるんだけど、ネタがなんとなく分かりやすすぎちゃって、読者に媚びている感じがしてしまうのはちょっといや。これもそろそろいったん終わらせたほうがいい作品かもしれない。っていうか植芝理一の新しい作品を読みたいってのがある。「ディスコミ」を終わらせるかどうかはともかく、なんか読切も一本描いてくんないかなあ。

【単行本】「蒼天航路」13巻 王欣太(原案:李學仁) 講談社 判型:B6
 いよいよ曹操vs.袁紹が始まろうとしている。劉備のハッタリぶりはなかなか痛快。この漫画ってやっぱり赤壁の戦いあたりで終わらせるんだろうか? それとも曹操が死ぬまで? 三国志全部をやるとも思えないんだけどどうだろう。

【単行本】「変體累ヶ淵NAKED」2巻 作:杉元伶一+画:米餅昭彦 講談社 判型:B6
 素子先生との出会いから死別まで。2巻で終わるのかと思ってたら、まだ続巻が出るみたい。俺としては1巻の展開が、かなりわけわかんなくて混沌としていて好きだったのだが、じょじょに絵も話も薄口になっていったような気はする。
 ともあれ、女の愛憎が執念深くてこの巻収録の話もけっこう好き。3巻は描き足しがあるといいなーと思う。

【単行本】「ブラックマーケット」 胃之上奇嘉郎 松文館 判型:A5
 エロ漫画。かなりいろいろな人の影響を受けている人だなーと感じる。表紙とかはちょっとだけひぢりれいっぽいし、中身の絵はほとんど桂正和「I''s」なのもあれば(伊織ちゃんが犯されまくるシーンを見たい人にはオススメだっ!)、登場人物が碇ゲンドウと綾波レイそのまんまなのもある(綾波が犯されるシーンを……以下略)。最近の絵柄と画面の感じはぺるそなに近い。
 全体的には黒の目立つ骨太な画風で、ちんちんが脈打っていてわりと好きな感じ。ただ、エロシーンはもう一押し欲しいなーって気がする。なんとなく実用には向かない。まあたぶん、最後まで女の子があんまり感じてなくてつらそうだからなんだろうと思う。あとキチクな話のわりには、やっていることがいまいちヌルくてボリュームが足りないってのもある。
 まあ何はともあれ、絵はうまいと思うので、このまま順調に行けばけっこう良くなるんではないかと思う。


7/25(土)……言葉よ今夜もありがとう

【雑誌】アフタヌーン 9月号 講談社
 今回のアフタヌーンはいまいちパッとしない印象。四季賞もそれほどじゃなかったし。最近毎月いっているような気がするけど、長期連載が多くなってきているので、そろそろ入れ換えが欲しいところ。
【雑誌】コミックバーズ 9月号 スコラ
 収録作品の一覧はコミックバーズのページ参照のこと。
 きくち正太のぶら雲先生の表紙がキレイでいい。新名あき「いのち短し恋せよおとめ」。今回はいつにも増して他愛ない。ちょっぴりHなことに憧れる女の子が可愛いぞ。冬目景「羊のうた」。一砂が江田夫妻に別れを告げるがいえることといえないことがある……ってな感じの展開。つらいところではある。奥瀬サキ「FLOWERS」は連載2回めだが、なんだかよく分からんお話。ここからどういう展開を呈示していくのだろうか。あとでまとめ読みしたほうがいいかもしれない。隔月連載なんで、前の話忘れちゃうし。
 中川いさみの新連載「ツンドラ・パンチ」は、中川いさみとしてはフツーかな。吉田戦車の4コマ漫画「スカートさん」。今回はわりとツボに入って笑えた。「インポ喫茶」という響きが実にいいな。こういうナイスな言葉を考えさせたらやっぱり日本一。

【雑誌】コミックピンキイ 9月号 オークラ出版
 百済内創「クセになっちゃう!」。双子の弟が女装して姉になりすまし、姉の親友とHするというお話。まあ他愛ないんだけど、素直にHなんでいいんじゃないかと。美女木ジャンクション「小麦色ベイジングスート」。メイドさんに着せた、乳と股間だけむき出しのラバーな水着がいい。エロシーンもけっこういやらしいし。
 あとはやっぱり舞登志郎「メジャーデビューへの道」。エロじゃねえのだが、アツっ苦しい作風が面白い。この人はもっと大きな舞台でもオッケーそうな気はするけど、なかなか難しいかな?

【単行本】守ってあげたい 山本直樹 太田出版 判型:A5
 単行本「フレイクス」と内容はほぼ同じで、未収録だった「家庭教師'94」を付け足したもの。詳しくは山本直樹ページの「フレイクス」&「守ってあげたい」の項参照のこと。

【単行本】「詩人ケン」 業田良家 マガジンハウス 判型:A5
「詩人ケン」と、そのほか短編を収めているが、「詩人ケン」が圧倒的にいい。とくに歳を取った詩人ケンが、盗作疑惑などで打ちのめされた息子に力強い言葉を送る最後の話なんか泣き泣きだ。「言葉よ今日一日ボクたちを励ましてください」。うおー、かっちょええ〜。ケン若き日のロック系詩人時代の、日々のさまざまなことに対する感謝のこもった力強い言葉もいい。読むとなんか叫び出したくなる作品だ。

【単行本】「TOKYO TRIBE2」1巻 井上三太 イースト・プレス 判型:A5変形
 渋谷、新宿、池袋にタムロする不良少年たちの闘争を描いたモノ。この人の作品って別にかっちょよくはないのに、なんだかオシャレに感じてしまうものを持っている。ダサかっこ良さとでもいおうか。今回のはすごい面白いかっていうとそうでもないんだけど、なんか読まされてしまう。

【単行本】「PURE TRANCE」 水野純子 イースト・プレス 判型:A5変形
 キャラクターグッズ系のラブリーでキュート、セルロイド製の人形のようなキャラクターでありながら、グロテスクさとエロチックさも併せ持つ。極端なまでにパターン化された絵柄が個性的。
 地上を滅ぼした世界大戦の後、地下に潜って暮らしていた人類は延命カプセル「ピュア・トランス」の効果で女性の過食症が社会問題となっていた……という世界観。影があってなかなかにダークでハードなお話。面白かった。


7/24(金)……無限敷居の住人

 ネガティブなのって大嫌いだ、と最近ますます強く思う。とくに漫画読書については。文句ばっかりいうなら読むんじゃねえとか、今の漫画がつまらないんならとっとと現役引退しちまえとか思う。自分の買っている漫画雑誌は自分好みの作品で塗り固められていなければならぬ、自分の嫌いなタイプの作品は存在してはいけない、みたいな心の狭いことをいってる輩も大嫌いだ。つまらねえこといっているヒマがあったら、新しいモノを探せ。俺は心が狭い奴に対しては心が狭い。
 でも、最近では面倒臭いのでネガティブな人たちに直接なんかいう気にならない。自分さえ良ければいいっていうか、見も知らぬ他人にかかずらわってケンカして疲れるなんてまっぴらゴメンだ。俺は自分だけはいい子ちゃんでいたい。下を見てもキリがない。自分自身ネガティブになっちゃうこともあるし、大したことはできないかもしれないが、志だけは高く持っていたい。他人なんざどうでもいい。俺だけは、ネガティブになんぞなってやるものか。

【雑誌】エクストラ・ビージャン 8/30 集英社
「Karen」の塩崎雄二が巻頭カラーで読切。高校野球の伝令に命を賭ける「伝令王」の物語。アキレス腱を切りつつもマウンドに向かう伝令王がバカバカしくていい。ただ、この人の場合は女の子がかわいいのでもっと全身を出してほしかったなーとかも思う。平松伸二「どす恋ジゴロ」。今回も濃くてブッ壊れた感じのお話がいい。ア〜どす恋どす恋。
 長谷川哲也「ハデスゾーン」。高所恐怖症で高いところが怖くてしょうがないので、穴を掘ってより低いところに行こうとしていた少年。掘って掘って行き着いたのが巨大な空間。その空間の真下には今自分たちがいる街が見えていた……というSFなお話。地味な感じだけど、着想も面白いしけっこう良かった。常盤雅幸「夏の乳酸」。太くて黒々とした描線が特徴的。静かに進む不条理系のお話。雰囲気は、夏の暑苦しさもあいまってもうろうとした感じで悪くないが、ヒネリはもうちょっと欲しいかなと思う。東元「主演女優」。浪漫の香り漂う画風がかっちょええ。

【雑誌】CUTiE comic 9月号 宝島社
 いつものCUTiE comic。似たようなオシャレでステキなテイストの、レベルの高い人が凝り固まっていて一冊でかなりお腹いっぱいになれる。
 安野モヨコ「ラブ・マスターX」。なんの説明もなく超能力者で宙に浮かんでいるオタク男がかなりいい感じ。桜沢エリカ「ラブリー!」。オシャレでかわいく、他愛なくて楽しい作品。オッパイの盛り上げ方が参考になる。俺もいっちょやってみるか!(絶対やらない)
 新人の松島のぞみ「音痴のセミ」。なんか架月弥に、キャラクターの造形、線の感じが似ていると思う。話はなんとなく印象に残らない。これだけのレベルの中だとちと弱いか。魚喃キリコ「南瓜とマヨネーズ」。素っ気なげでスタイリッシュな絵がかっちょいい。いつものように。

【雑誌】FEEL YOUNG増刊 Sing Sing Sing 祥伝社
「ヒット曲をマンガで読む」がコンセプトの雑誌。各作品は流行りの歌に着想を得て描かれているらしい。俺はあんまり音楽聞かないので、それが歌詞とイメージが合うもんなのかはよく分からないけど。後ろのほうに各曲の歌詞が載っているが、それと見比べる気にもならないし。
 最初のほうはCUTiE comicを読んでいるかのような錯覚に陥るほど、似たような感じ。安野モヨコとか南Q太とか。
 巻頭カラー「瀬戸の花ムコ」(二ノ宮知子)。なんか二ノ宮知子ってば結婚するらしい。それにしても「つづく」って、どこで続けるんだろう。本誌?南Q太「さすらい」、安野モヨコ「そして風は吹く」。歌を元にしていようがやっぱりいつもの彼女らの世界になってしまう。相変わらずキレが良い。三原ミツカズ「WORLD'S END」。世界に二人っきりで残された、ゲイ男とレズ女の話。心理のアヤをうまく料理している。
 若林健児「ジェットコースター・ロマンス」。なんかすっかりオシャレな感じになっている。器用だなあ。カネコアツシ「COSMIC?」。こちらもやっぱりカネコアツシの世界。けっこう個性の強い人集めてるから、歌に触発されてはいるもののだいたいは漫画家さん各自の世界になっている感じがする。曲聞いてないんでよく分かんないけど。

【雑誌】ヤングアニマル 8/14 No.15 白泉社
 今回の「ベルセルク」(三浦建太郎)はかなり良かった。頭をよぎるキャスカの影と、怒り心頭のガッツ。悪鬼のような形相がかっこいい。「ふたりエッチ」(克・亜樹)。今回も馬鹿だ〜。なんか「カーマスートラ」から引用してきたりするところがヘンテコでナイス。
 二宮ひかる「ナイーヴ」。なかなか一筋縄では進まぬ男女の仲。このモヤモヤした感じが楽しい。伊藤伸平「エンジェル・アタック」。今回はなんか自称「天使」ユリエルに子供が。絵柄も話もほのぼのしてて面白かった。
 次号からこいずみまりの下品連載「コイズミ学習デスク」が完全連載化とのこと。身もフタもない奴期待。

【単行本】「BAMBi」1巻 カネコアツシ アスペクト 判型:A5
【単行本】「R」 カネコアツシ 祥伝社 判型:A5変形
 カネコアツシ2冊。と思ったら、それぞれの単行本で「同時発売××社の〜もよろしく」みたいなことが書いてあって、お互いに推奨しあっている。なぜ、祥伝社とアスペクトがツルんでいるんだろう?と思わなくもないが、別に俺は出版社の事情とか、編集者の人間関係なんかどうだっていいのであんまり気にしないことにする。とにかく本が出てくれればOK。
 「BAMBi」は長編の、「R」は短編の面白さがあってそれぞれ面白い。この人の絵は線に迷いがなくってガッチリオシャレっていうかポップっていうかって感じで描かれていて、完成度が高い。スケボーとかに描いてそうな絵柄。あと街の壁の落書きとか。話作りもだんだんとうまくなっている。両方とも面白いので買いだ(俺にとっては)。次はビームで「BAMBi」の前にやっていた「B.Q.」の単行本も出してほしい。

【単行本】「敷居の住人」1巻 志村貴子 アスペクト 判型:B6
 髪の毛を緑色に染めタバコも吸うフマジメな美少年・ちあきを中心に、彼のそっくりさん教師や、ちあきの失踪した父親がからんで、なんだかドタバタと過ぎていく日常を描いた作品。
 1巻掲載分はまだなんとなく低調。すっきりとオシャレないい絵なんだけど、まだ生きてない感じがする。今後の盛り上がりを期待して先行投資。

【単行本】「無限の住人」8巻 沙村広明 講談社 判型:B6
 今回は卍と百琳の血みどろの戦い、凜の関所抜け、天津のチャンバラシーンと見どころの多い巻。正直なところ、長く続けすぎかなーって気はしなくもないんだが、それでも圧倒的な絵のうまさ、構成力、演出力でやっぱり面白い。一枚絵でも十分に通用しそうなクオリティの高いコマが1話に何ページもあるんだから大したもの。


7/23(木)……バジェスティック12

 今日は会社に行く前に神保町に寄って漫画を買ってきた。講談社青年誌系の単行本の発売日だったため、収穫がやたらと多い。人からのもらいものの本とかも合わせて、今日の収穫はミニコミ1単行本11雑誌6。いちおう全部読みきったけど、感想全部書くほどの時間もないので、とりあえず書ける分だけ書いておく(などといいつつ、こうやってネタを小出しにして毎日更新にしてるってわけだね。キタネー)。

【ミニコミ】「福神町の歩き方」 福神町役場広報局 判型:A5
 ウルトラジャンプで連載中の藤原カムイ「福神町綺譚」の設定資料集みたいなもの。福神町のガイドブック形式をとって、パソコン通信上で出たアイデアをまとめている。福神町のパティオ(詳細は俺の呟き拡張版「福神町に関する覚え書き」参照)のメンバーの有志が執筆し、まとめたもの。128ページで製本もなかなかきれいでけっこういい感じ。神保町の高岡書店で今日発見したので買っておいた。なお、このほかにもまんがの森とかには来週あたりから置いてもらえるらしい。
 この本用に俺も原稿を書いたのだが、書いたのが2年くらい前なため、どこを、そしてどんなことを書いたんだか全然覚えてない。何はともあれめくってみるとけっこう面白いので、「福神町綺譚」に興味を持っている人は入手するべし。

【雑誌】フラミンゴ 9月号 三和出版
 今回はいつもより薄口かな。そう感じるのは、俺が慣れてきたせいだけではあるまい。比較的普通のエロ漫画っぽいのが多かった。
 その中で目立つのはやっぱり「笑ってぶたぱん」(白井薫範)。自分で自分の額に「豚」と書き、庭で全裸で脱糞。それを口に加えて家の便所に持ち帰るという素晴らしいシーンあり。今回のヒロインはしょっぱなから調教されるまでもなくすごい行為に及んでいるだけに、これからエスカレートしたらどうなってしまうのだろうとワクワクしてしまう。体型的にはまだ「牛」度が足りないので、これから肥えさせていくんではないだろうか。
 蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」。相変わらずいいっ。こんだけ異常な世界を描きつつも、実にナチュラルにピュアな恋愛モノになっているあたりがすごい。登場人物に対する作者の愛を感じる。天竺浪人「便器」。今回出てきた女の子がかわいいなーとか思いつつ、コレにあんなことするんかーって感じ。これからも楽しみ。北原武志「FRIENDS」。最初のころの強烈なイカくささはなくなってきたのだが、相変わらず陰湿。女の子二人の性格がどんどんねじ曲げられていくところがいい。

【雑誌】ヤングサンデー 8/6 No.34 小学館
「バイソン」のカサギヒロシが短期集中連載「鉄壁電飾城」をスタート。ちょっとストーカーっぽいデパートの警備員が、憧れのデパガと夜の店内で二人きり。そこに何やらバイクに乗った謎の暴徒が闖入してきて……という感じの出だし。「バイソン」は女の子が色っぽくて、途中の展開がヘンテコで、それでもラストは爽やかでけっこう好きな作品だっただけに期待する。
 いわしげ孝「新・花マル伝」。花マルがかなり強くなっていて胸のすく試合っぷり。かっちょいい。遊人「桜通信」。トンマがおねーさんとの肉欲に溺れる。サイテーな展開がサイコー。この作品はかなりすごい馬鹿っぷりを見せていてなんか圧倒されてしまう。
 沖さやか「マザー・ルーシー」はなんか中途半端なラスト。お気楽な話はあんまり向いてないかな?それよりももっとすごいブツ切れラストが永福一成「OUT-SIDER」。かなり「なんじゃこりゃ?」って感じ。まあどうでもいいや。つまらなかったら無視だ、いつものとおり。
「愛米」(コージィ城倉)。いやはや、まさかこういう展開になるとは。コメとラブの立場が完全に逆転し、今度はコメがラブをボコボコに殴りまくり。3週前くらいには想像がつかなかったような急展開。このところかなり面白いと思うので、単行本を買おうと思う。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。説教のようでいて説教でないところがいい。適度に場面転換を入れたり間をとったり。この人は文字で語らせるにしても見せ方がうまい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/5 No.35 秋田書店
 板垣恵介「グラップラー刃牙」。このあとはジャック・ハンマーが勝って、範馬(はんま)vs.ハンマーかなあという予感がプンプン。水島新司「ドカベンプロ野球編」は次号からオールスター編に突入するとのこと。この人って前から思っていたけどオールスター、やたら好きだよなー。現状のオールスターって、現在のプロ野球の試合の中でもかなりつまらないので、俺としてはあんまり好きでないんだが。なんでこんなに燃えてるんだろう。まあいいけど。
 田口雅之「バロン・ゴング・バトル」。う〜ん、シンディがいい。バロンに可愛がって欲しくて身体を洗ってる姿がなんか呑気でいい。そしてバロン・ゴング。今回はゴリラと酒飲んでやがる。つくづく豪快な男だ。

【雑誌】モーニング 8/6 No.34 講談社
 ヒラマツ・ミノル「ヨリが跳ぶ」。ヒロコが絶好調で圧倒的パフォーマンスを見せつける。かっちょええ。作:亜樹直+画:的場健「サイコドクター」。ああベタベタ。このベタベタさ加減がこの漫画の魅力でもある。「はまりんこ」のかわすみひろしが読切で登場。「大使閣下の料理人」(原作:西村ミツル)。絵はかわすみひろしらしく柔らかくてなんとなく色気があっていいんだが、話的には普通な感じ。かわすみひろしはピンで勝負させたほうがいいんじゃないかなあ。木葉功一「キリコ」は、キリコがしなやかで強くて凶悪でかっこよかった。

【単行本】「ドッグスタイル」 米倉けんご 司書房 判型:A5
 米倉けんご、うまいわ。絵がきれいなのはもちろんなんだけど、ハードなお話を展開しつつ、エロシーンもけっこういやらしい(本人はカバー裏で「抜けない」とかいってるけど十分だと思う)。とくに表題作「ドッグスタイル」は途中からどんどん絵柄・話ともにハードになっていき、かなり暗くていい話。うだつのあがらない漫画家の兄と、兄を慕い彼を食わせるために身体を売る女子高生の妹。身体を寄せ合い、お互いに依存しながらダラダラと生きてきた彼らの間に、妹に一目ぼれした男が一石を投じる。漫画家として芽が出ず妹に食わせてもらいながら、優しい言葉の一つもかけてやれない自分に絶望した兄はこの世からドロップアウトする道を選ぶ……といった感じのお話。最後の展開はちょっと急な気がしないでもないが、しっかりとした描画力とストーリー構成はヨネケンの非凡さを感じさせる。

【単行本】「ブル田さん」4巻 作:高橋三千綱+画:きくち正太 講談社 判型:B6
 この巻は打撃投手・村上編とダメ外人・ヒルトン編。村上編のラストあたりが豪快にホームランぶっ放してて気持ちがいい。ISBNコードなどのデータをオスマンのほうに追加。

【単行本】「菫画報」3巻 小原愼司 講談社 判型:B6
 今回もスミレはステキだ。大ざっぱで乱暴でかっちょよくて、ちょっとポエティック。オトボケな感じで進みながら、ファンタジックに見せるべきところは見せる。その微妙な力の抜き加減が心地いい。ISBNコードと収録作品のリストをオスマンに追加しておく。


7/22(水)……πO2

 今日はコミックアルファの発売日……なのだが、立ち読みした限りでは全然面白くなさそうなんで買わなかった。この雑誌って駅売りしてるわりには、電車の網だなとか駅のゴミ箱に落ちているのを今のところ見たことがない。売れてないってことなんだろうなあ。

【雑誌】週刊少年サンデー 8/5 No.34 小学館
 サンデー充実してるなあ。どの作品も平均して面白い。ただ、やっぱり一見さんお断りって感じはあるけど。
 高橋留美子「犬夜叉」。かごめが健気でかわいくていい。サービスカットもきちんとあるし。さすが面白いっす。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。今回も「おいおい」といいたくなるような和也の超人ぶり。アルゼンチン戦だけで燃え尽きるか?それもまたよし。
 椎名高志「GS美神極楽大作戦!!」。今回はかなり泣き泣きな展開。ここのところどんどん悲愴感が増していって、盛り上がっていて面白いと思う。皆川亮二「ARMS」。ARMSたちが徐々に真の姿を見せてきている。かっちょええ〜。「なぎさMe公認」(北崎拓)。ここのところの熱血陸上ぶりもいい。ベタベタラブコメ話も両方好き。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/5 No.34 講談社
 塀内夏子のサッカーW杯観戦記「アレ!アレ!フランス」。この人のサッカーの見方って、愛は感じられるけど相変わらずけっこうシビア。感想としてはだいたい同感。日本のDFは大会を通じてかっこよかったと思う(ジャマイカ戦を除く)。蛭田達也「新コータローまかりとおる!」。柔道編はけっこういい。今回の帝vs.西郷もスピード感があってなかなかの迫力。

【雑誌】スーパージャンプ 8/12 No.16 集英社
 みやすのんき「ツアーGOGO」。他愛なくて御都合主義な展開だけど、わりといやらしくて良かった。対照的に中西やすひろ「温泉へゆこう!」はあんまりHじゃない。この人の漫画って前からそうなんだけど、裸は出てきてもあんまり色っぽく感じない。なんか肌が固そう。高見まこ「ロマンス」。こっちは大したことやってるわけでないのにいやらしい〜。吾郎って淫猥な男だなあ。
 巻末にオースーパージャンプの予告が出ていたが、「うめモモさくら」の鈴木祐美子が漫画を描くらしい。この人って「うめモモさくら」あたりまでは見るたびに絵がうまくなっていたんだけど、「ちょっとごめんネコ」あたりで一気に絵が崩れちゃって(実はストーリーも)かなり痛々しかった。で、今回の予告カットを見たのだが、どうもあんまり回復してないなーって感じがする。

【雑誌】ドルフィン 9月号 司書房
 KASHIみちのくが巻頭カラー。ズバリいって、俺はKASHIみちのくの漫画が好きだ。楽しそうで、バカチンなところが最高。しかもけっこうエロいし。今回の「爆NEWスープレックス'98」はパワー的には今までよりも少し落ちるかなーと思うけど、「パイオーツだっちゅーの」というベタベタのギャグとか、乳が楽しげに揺れるところとか好きだ。
 富樫「よろず祟られ屋」。たしか、富樫義博の兄貴だっけか(←これ書いていったんアップした後に、掲示板の#623でいまいさんから弟であるとの情報あり)。なんか久しぶりに見た感じ。ストーリーはそれほどでもないんだけど、今回は女の子の乳がかなりデカくていい感じ。みやびつづる「艶母」。相変わらずエロエロ。人妻様が中学生さんズにやられまくり。いやー、いい。
 マーシーラビット「絹雨」。今回はねーちゃんの乳がいつもより小さめなのがちと不満。それでも標準よりはデカいけど。8月6日に単行本が出るらしいので、出たらたぶん買う。8月6日単行本発売はじゃみんぐ「姫ごと倶楽部」も。話は死ぬほど強引なんだけど、いつも体液ベトベトのパワフルなエロスで立派。けっこう好きだ。絵としてはMGジョー『「出世」の秘密』もいやらしくて好きなんだけど、今回はなんか2色ページで力尽きたみたいで後半の1色ページは鉛筆描きそのまんま。単行本収録時はちゃんとしてほしいもの。

【単行本】「ラグナ通信」 外園昌也 東京三世社 判型:A5
 1983年初版の本。このころは名字の表記が「外園」(現在は「外薗」)。外園昌也独特の、ラグナというファンタジー世界を舞台にした物語を中心とした短編集。古い本を今になって読むと、古く感じなくて面白い本、古く感じないがつまらない本、古くてつまらない本、古くても面白い本といった感じに分かれるが、これは古くても面白いといった類。なかなか良質のSFしていて、ファンタジーしている。このころの絵は今ほどの精密さはないものの、細部まできっちり描き込まれた心暖まる画風が気持ちいい。

【単行本】「湯の花親子」 山上たつひこ 読売新聞社 判型:B6
 温泉街の親子が主人公の、地味な一口ギャグ漫画。4コマ漫画に近い感じで、画面を縦に4、横に2の8等分し、一番上の二つのコマをくっつけた形式の7コマ漫画。ほんのりとしたおかしさはあるんだけど、すごく面白いってわけでもない。でも、食べ物の描写はなんかうまそうで、腹が減ってくる。山上たつひこの地味系漫画だと俺は「主婦の生活」(マガジンハウス)のほうが好き。これは平凡な主婦が、日常のささいなことを追求していっていろいろと考え込むという漫画。その中の「切れすぎるおろしがねの謎を探って、製造元の板金工場まで調査に出かける」話がかなり気に入っていた。


7/21(火)……バク、ガス爆発

【雑誌】コットンコミック 8月号 東京三世社
 例によって駕籠真太郎のために購入。今さらではあるけど、なかなか単行本になりそうもないので、これからは毎月購入することに決定。駕籠真太郎にはそれだけの価値があると思う。今回の作品「駅前切断」は、やたらめったらいたるところでノコギリでいろんなものが切られている世界のお話。といっても何がなんだかよく分からないだろうが、不条理世界なんで説明しにくいのだ。その不条理世界を舞台にまったく説明なしで、テンポ良くストーリーを進めていく作風はやっぱりたいしたもの。ただ、今回は駕籠真太郎としては普通の出来かな。破壊力では先月号掲載作品のほうがだいぶ上。

【雑誌】ウルトラジャンプ No.20 集英社
 松本嵩春「AGHARTA」。いやー、いつも面白い。非常にうまい絵はもちろんだけど、緊迫感のある画面作り、ハードなストーリーともに良し。藤原カムイ「福神町綺譚」(cf.俺の呟き拡張版「福神町に関する覚え書き」)は第3回目。ここまではなかなかいい雰囲気を作ってきていると思う。今回のお話は覗きからくりのように薄ぼんやりとした不思議な雰囲気の中、もの悲しい物語が進行する。からくり人形に夢を託した人々、傀儡師、そして人形たち。誰が操る者で誰が操られる者なのか?ラストシーンもなかなか哀しくていい。読者が好き勝手に作った曖昧模糊とした設定を、美しく昇華させてくるなあ。さすが藤原カムイってところか。こういうふうに具体像が呈示されてくると、インタラクティブもだいぶしやすくなってくると思う。
 イラ姫「シアワセの洪水」。今回はいつもの「最終シスター四方木田」との2本組。「シアワセの洪水」はファンタジックでなかなかいいお話。3年前のクリスマスイブの約束をすっぽかした彼氏を、彼女が自分の部屋だけの止まった時間の世界に閉じ込めるというお話。窓やドアから出ようとしても、必ず部屋に帰ってきてしまう。というとなんとなく怖い話みたいだが、柔らかくてあっさりとした絵、ライトな味付けなので気軽に楽しく読める。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/3 No.34 集英社
 桂正和「I''s」。なんとなく予想に反した展開。伊織が一貴をひっぱたく。さて、その真意は? それにしてもこの一貴って学生生活の中で、ほとんど恋愛しかしてねえ感じがするのだが気のせいか。このくらいの歳の場合はもっと趣味的なことに時間を使っておくべきだと俺としては思う。そりゃ恋愛もしたいけど。すまん、負け惜しみかもしれぬ。でも、やっぱり相手にどう思われるかよりも、自分が強まるのが先な感じがする。……などといいつつ26年。
 とまあそんなことを考えているときに、森田まさのり「Rookies」を読むとやっぱり学生のときは女より夢だ、とか思ってしまう。本当にビッグな奴は両方こなしちゃうのだろうが。どちらにしろ、夢も見ず恋愛もせず過ごす青春ってのが一番ダメダメだ。ハッ、とすると俺の学生時代ってばかなりダメダメじゃん。

【雑誌】ビジネスジャンプ 8/1 No.16 集英社
 表紙に「青年漫画誌No.1」とか書いてあって「何がどうNo.1?」とか思ってしまったがまあいいや。
 中島史雄「p.p.pickles」。最近の中島史雄ってかなりいい具合に狂ってて面白い。今回もなんか主人公・花梨がすっぱだかにされて逆さ吊りで市中引き回しだもんなあ。作:橘高寿+画:高野洋「AS IT LIES」。ゴルフ漫画ってなんだか濃いのが多いような。今回出てきた悪役なんて、ゴルフクラブでヘビの首をスパッと切り落として、空中にすっ飛んだヘビの頭をストンとそのクラブのフェイス面で受け止めるという登場の仕方。こういう馬鹿なのって好き。

【単行本】「バク!」全4巻 森秀樹 小学館 判型:新書判
 第1巻が1986年初版。森秀樹が少年ビッグ時代に連載した作品。このころの作品は今ほどの重厚さはないのだが、作画力も確かだし演出・構成の腕前も大したもの。10年以上たった今でも変わらず楽しく読めた。
 バクという平凡な少年が、大好きな女の子で不良の小雪を更正させるために一念発起するが、小雪を万引きで捕まえようとした刑事からピストルを奪ってしまい、その後はあれよあれよという間に「少年爆弾魔」としてマスコミにも大いに取り上げられる存在になる。逃亡生活の中でバクは人間的な成長を遂げ、逃亡しながら銀行強盗を退治したり、動物園から逃げ出したトラを捕まえたりと義賊的な大活躍をし、人気者となる……というストーリー。
 ダイナミックなアクションとスピード感、一話一話きっちり起承転結を作って読ませる構成力、ラストのさわやかさ、いずれも満足の出来。昔から漫画家として大事なものを持っていた人だったんだなあとあらためて痛感。

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