つれづれなるマンガ感想文7月前半

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一気に下まで行きたい



【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」20号(2004、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」21号(2004、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
【雑記その5】・「シブスタ」、同人誌
【雑記その4】・「シブスタ」水着オーディション
・「パチンカー奈美」(1) こやま拓(1991、白夜書房)
・「エイトマン」 平井和正、桑田二郎、末松正博(1995、徳間書店)
・「DEATH NOTE」(2) 大場つぐみ、小畑健(2004、集英社)
・「武装錬金」(2)〜(3) 和月伸宏(2004、集英社)
【CD】・「100 MAGIC WORDS」(CCCD) 杏さゆり(2004、フォーライフミュージックエンタテイメント)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
【雑誌】・「週刊少年チャンピオン」31号(2004、秋田書店)

【雑記その3】・「お笑いインディーズ」、「笑いの金メダル」、「バケルノ小学校」
【雑記その2】・園田三国志、角川映画、保坂
【雑記】・教えてやろう、真の更新というものを!






【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」20号(2004、集英社)

今頃、4月頃に出たジャンプの感想を書く。
なぜかというと、当HPは基本的にマンガ感想サイトなので、トップの一番上には常にマンガの感想が載っているのが望ましいと思うからだ。最近のマンガを読んでないので、どうしても古いのの感想を書くことになる。

ときどき「そんな縛り、どうでもいいや」と思うのだが、すぐに「いや、やっぱりダメだ」と思ってみる、そんなことの繰り返しです。

原作:二戸原太助、作画:叶恭弘「桐野佐亜子と仲間たち」の後編が掲載。前編は前号に掲載。
特殊能力を持った犯罪者に対抗する、同じルールにのっとった能力を持つ者の戦い、というまあジャンプの伝統的な設定とプロット。原作はストーリーキング・準キング受賞作ということで、筋立てはしっかりしていた。
それにしても桐野佐亜子のキャラ造形だが、これ作画の人の責任もあると思うけど今のマンガってみんなこんなか。ジャンプの女キャラヒーローものは、総じてヒーロー性が薄い。本作の場合、佐亜子が大きな組織に属さない理由がもっと読者に伝わってこないといけないと思う。

とはいえ、溜まってるジャンプを持ってないのも含め16号くらいから25号くらいまで読んだが、掲載された読みきり作品の中で、ギャグマンガは別としてストーリーマンガでいちばんよくできてると思ったのがコレだった。後はこういうことを新人の作品群に言うのは何だが、載る作品載る作品、すべてイマイチ感が漂う。
はっきり言って、これは指導する編集者が悪い。とにかく見にくい、読みにくい作品が多い。ジャンプ掲載で読みにくいなんて、少し前なら考えられないことだ。
これは、ネームの段階での指導が行き届いてないからだろう。偉そうでスイマセン。
私は少年マガジン(ジャンプではなく、マガジン)に掲載されるマンガのほとんどを読みにくいと思っている人間なんで、その点をさっぴいてご理解いただきたい。

あと、最近のジャンプの傾向として「Mr.FULLSWING」とか「銀魂」とか、ギャグともシリアスともつかないマンガが多くて、正直途中から読んでも意味がよくわからない。
(04.0714)


【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」21号(2004、集英社)

綴じ込み付録として、小畑健が「ボボボーボ・ボーボボ」、澤井啓夫が「デスノート」を描くという企画ものをやっている。これはすごく面白い。完全に企画の勝利。
ジャンプ的文脈をギリギリまで積み上げて言っているトランプの積み木のごとき「DEATHNOTE」と、ジャンプ的文脈を片っ端から壊して回っている「ボーボボ」との役割交替というのは考えてみたら深いのかもしれない(というか、他にも入れ替えたら面白い作家を考えてみるのも一興かと)。

そんなことより、4月頃に出た雑誌の感想を今頃描いている私が本当に酔狂のきわみだと思う。畜生、意味のあることなんかだれがやるか!! このままずっとトシとって、先行世代を呆れさせてやる!!

ちょっと原作「ボーボボ」の確認をしていないのだが、小畑健がツッコミ役のビュティをすべて後ろ姿で描いていたのは意外だった。もっときっちりビックリする顔とか描くと思ってた。「サイボーグじいちゃん」ではツッコミはどうしてたっけ。最近、コンビニ版で出たね確か。
(04.0714)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

7月11日放送分。

公式ページ

「納涼大喜利」。司会は矢口。ゲストは後藤真希。「あいうえお作文」とか「時間割を考える」とかね。「時間割」って昔「バカサイ」でやってましたね。

娘。の大喜利は、他メンバーへのいじりギャグがほとんどで、さすがにもう飽きたなと思っていたがわりと面白かったですよ。

ひとつには石川梨華いじりがほどよく成功していたこと。石川も慣れたもので、「いじられたお返し」、「ナルシスネタ」、「他の人へのツッコミ」、「単にかわいいポーズ」など、矢口に「同じにおいを感じる」と言わしめた「やりきる」芸を展開。最近の「バキ」並みの成長です。
「台の上に登って一言」というお題では、特定のメンバーに台に乗ってもらうように頼み、それに一言そえる。田中れいなが藤本美貴に台に乗ってもらって「空港の金属探査」という設定で「ナイフは持ち込めません」というのが面白かった。
すでに公式にも「藤本と田中はヤンキーキャラ」というのが認められているようなんだけど、それがいったいどの程度なのかということと、「ヤンキー=ナイフ」という田中れいなのストレートな、ある意味中学生らしい発想が良かったです。

この話をもっと広げると、後藤真希在籍時代は「後藤は実はヤンキー」というのがマンガなどのネタになり得ていたけれど、藤本&田中に関しては公式に認めた以上、もうそれだけではネタにはならないということです。まあBUBKAでやってるやつみたいに、見せ方はいくらでもあることはあるんですが。

後はおそらく唯一の公式カップリング(?)である「小川&吉澤」ネタがけっこうあった。吉澤やせたなぁ〜。

ゲストの後藤真希は、特別審査員みたいなかたちで面白いともらえるうちわ5枚ぶんに匹敵する「ごっつぁんうちわ」を進呈できるという立場にいた。「笑いの神」ということでうちわには「神」と書いてあったが、何となく2ちゃんねる的文脈の「神」であるように思った。
さらに、いい意味で何の着地点もない後藤真希が普通のことを言うはずがなく、時間割を書くネタでは「笑わん姫」の1日、として「ご飯」と「笑い」以外の時間をすべて「無」と設定。矢口が「今、姫はどこにいるんですか?」と聞いたら「お昼前だから、お昼前の『無』の微妙な時間じゃないかな〜」と適当きわまりないことを言っていた。それに対して矢口は、

「今、『神』は『無』にいます」

とか言っていて、なんだか神テーマのSFみたいだなと思った。

・特別寄稿「高橋愛のトークについて考える」
最近私がテーマにしている「高橋愛トーク問題」であるが、高橋愛は今回の大喜利の「や・た・い」のあいうえお作文において「(や)矢口さん、(た)高橋愛って、(い)いつも変わってるって言われるんです」と書いた。
これ思うんだけど、もしネタとして提示するなら「(や)矢口さん、(た)高橋愛って、(い)いつも変わってるって言われているけど違いますよね?」と、ちゃんと問いかけの形式にしないといけないと思う。
おお、なんか早朝にやってる短歌の番組で添削をしている人みたいだ私って(←バカ)。

いや、最近本当に高橋愛のボキャブラリーの少なさについて考えることが多くて、「高橋愛を見きった」と思った後もまだ考えている。で、日常生活にもこういう人っているんだけど、言葉で表現することを自分の心情まででとどめてしまって、その解釈を行間にゆだねてしまうんだね。
この方法っていうのは、信頼関係のある友人知人などなら通用するんだけど、不特定多数に向けて情報を発信する場合はこれじゃいけないと思うんですよ。
「で、どうなの?」、「で、あなたはどう思ったの?」っていうところまで言わないといけない。

「トークに着地点がない」という点では後藤真希も近いんだけど、彼女の場合、こちらで解釈を多様化できるということがある。いい言い方で言えばコメントが多義的。悪い言い方で言うとテキトーなんだけど、とにかくなんかモヤモヤしたメッセージというのは感じる。まあそこが後藤真希の「華」のひとつなんだと思う。
高橋愛の場合は、メッセージそのものは単純なのに(「宝塚が好き!」とか)、その解釈を他人にゆだねてしまうような話し方をする傾向がある。それは、ともすれば相手をイラッとさせるし、悪い場合は聞いてくれない場合も出てくるかもしれない。と心配してしまうんですね。

本屋に行ったら、高橋愛が表紙の「UP TO ボーイ」が売ってて、高橋愛はビジュアルはかなりイケてると思う。ところが、トークは多分、ファンの人には悪いが娘。の中ではいちばんイケてない。この辺のギャップにヤキモキしてしまうから、高橋愛についていろいろ考えてしまうのだろうと思うね。自己分析すれば。

それともうひとつは、ミニモニ。時代に「うたばん」に出たとき、加護ちゃんと二人で「彼氏との手の握り方はどんなのがいい?」って話してて、「私はこう」って加護ちゃんが高橋の手を握ったら、「えっ、私はこう!」って真剣になって加護ちゃんの手を違うかたちで握り返すというシーンがあった。
おっさんの私にとっては中学生カップルの手の握り方ほどどうでもいいものはないんだけど、その高橋愛の真剣さはいいなあと思って、何でこういうのがコンスタントに出てこないんだろうと思ったりしています。

あ、あと亀井は大喜利では意外にもいいところなし。うーむ。
ツッコミのテロップは、いい仕事していたと思います。「うたばん」形式を超マイルドにした感じで。

前回の放送

(04.0714)


【雑記その5】・「シブスタ」、同人誌

シブスタについて、【雑記その3】において「森下千里が、(ネタで仮面ライダーのオーディション、というのがあった人に対し)『本当に仮面ライダーのオーディション受けたの?』と返答に困る質問をした」と書いたが、よく考えたら森下千里って自分自身が仮面ライダーに出てたんだよな。すっかり忘れてた。これを思い出したとき、私は「エウレカ!」と叫んで、砂漠で2時間泣いた後、家に帰った。

「水着オーディション」は、金曜日で終了しましたが、やっぱり週の終わりに司会がおぎやはぎってのは、彼ら自身のキャラなんでどうしようもないんだけど月〜金の通し企画としてはあんまり盛り上がらないなあ。たぶん盛り上げてくれるのはオーソドックスな司会のますだおかだ。

写真は集英社の「夏コミ2004」の小冊子の表4の小倉優子。「愛してるぜベイベ☆☆」のゆずゆちゃんのコスプレだそうだ(私は未読)。この小冊子では他にも「ナルト」や「GANTS」のコスプレをしている。

確か幼稚園児コスプレって、以前小倉優子は「BOMB」でやってた気がするが、忘れた。

こういう小冊子って、どれくらい広告効果あんのかなあ。

現在、夏コミケ用の同人誌をつくってまして、書いてて疑問点が出てきたので今日、マンガ図書館に行って来たけど目当ての本がなかった。だから時間をとって国会図書館に行かなければならない。それまで手が止まってしまうなあ……。
それと、本をたくさんコピーしなければならない。今までは、画像はぜんぶ取り込んでから打ち出して版下にする、という方法をとっていた。
こちらの方がずっと手間がかからないんだけど、印刷屋さんに持っていくたびにいちばんネックになるのが、「画像がきちんと印刷に出るかどうか」で、2冊くらいはうまく行っていたんだけど3冊目がどうもダメで、印刷にバラつきがあるのでやっぱりコピーしたものを切り張りした方がいいということで。

さらに、プリントアウトしたものを同人誌用のマンガ原稿用紙に貼り付けないといけない。文字の同人誌つくってる人が他にどうやっているのかは、知らない。さらに、画像の引用元を今度はワープロ打ちして張り込む。別にパソコンで打ってプリントアウトして切り張りしてもいいんだけど、オアシスの印字が好きなので。でも動かしてみて調子が悪かったらパソコンにするよりしょうがないんだけど。

その前に、机の上を片づけないといけない。もしかしたら、それが真っ先にやらなければいけないことかもしれない。あ、あとミスノンとメンディングテープを買ってこないといけないかな。
でもとにかく暑い。なんだこの暑さは。
以上、グチでした。
(04.0711)



【雑記その4】・「シブスタ」水着オーディション

マンガ感想サイトの中で、いちばんたくさんテレビ東京の月〜金、午後5時25分からの帯番組シブスタに対して言及しようと考えている私です(意味がない)。

今週は、ずっと通し企画として月〜金まで水着オーディションをやっていました。
「敗者復活オーディション」と題し、「ヨソのオーディションで惜しくも敗れたコたち」というのがミソで、各曜日で優勝者を決め、金曜日に決勝戦をやるとのこと。

例によってHDDレコーダーに録画して、いい感じで飛ばしながら見ています。毎日テーマが決まっていて、各曜日のレギュラーの女の子のイメージに合った子を選出しようという趣向。

月曜日のテーマ:「キュート」=小倉優子
火曜日のテーマ:「癒し」=安田美沙子
水曜日のテーマ:「セクシー」=熊田曜子
木曜日のテーマ:「小悪魔」=山本梓

……というふうになっちょりました。
感動したのは熊田曜子[amazon]。熊田曜子は、もともとギャルっぽさの希薄なヒトでセクシーなグラビアとのギャップが面白かったんですが、ますだおかだに「セクシーの見本を見せてください」って言ったら、パッとできるのね。
「こんなところではできないですよー」とかほとんど言わない。「髪をかきあげてみてください」っていうのと合わせて2回やってた。3回目はさすがにギャグでオトしてたけど。
マジシャンに「ちょっとこの場で手品やって見せてください」って言って、すぐさまやって見せられて感動したりってのがテレビでありますが、それに近い感動がありましたよ。
この人、ふだんの仕草とかは別にセクシーでも何でもないヒトだと思うんだよね。でも、ふだんからグラビアを見てポーズの研究をしているだけあるなあと思った。

反対に、何もできないのが山本梓[amazon]。この人、写真を見てもぜんぶ同じニコニコ顔で写ってて、本人も悩んでるらしいんだけどほとんどニコパチモデルと言っていいような人。だけど、そこが小悪魔の小悪魔たるゆえんで、この人、会話の中ですぐさりげないボディタッチとかするんだよね。
番組内でも指摘されてたけど、別のテレビ見てたときもおんなじように男の人にボディタッチしてたもん。この人はふだんからエロさというかフェロモン出してると思う。
たぶん、現状は熊田曜子と山本梓はグラビアアイドルとしては同じくらいの位置にいると思うが、その資質の差に唸ったりする今日この頃なのであった。

もうひとつ、シブスタで注目すべきなのは、「女の子に萌えワードを言ってもらう」というコーナーが異様に増えたこと。1回の番組で2回、多くて3回そういうのがあるのね。
わかりやすいところでは「私と○○、どっちが好きなの?」って言わせてみたりとか。シュール系では「フェロモンがあると思う国の名前を言ってもらう」とかね。

こりゃーどう考えてもスタッフのシュミだろ(笑)。いちおう断っておきますが、セクハラっぽくエッチな単語を言ってもらうとかじゃないのね。ちょっとかわいい告白風の言葉か、シュール系。
古い話で恐縮ですが、80年代前半頃、「夕やけニャンニャン」以前に似たような帯番組で「アップルシティ500」という番組をやってまして、そこにはオールナイトフジでブレイクする前のとんねるずなどが出ていました。
この中で「伊代ちゃんに言わせたい言葉ベスト10」っていうのがあって。まあ松本伊代がゲストで出たときだけなんだけど。
それで、「紅茶きのこ」とか「くるぶし」っていう言葉をかわいく言ってください、とか石橋がいちいち注文して、それをまた素直に伊代ちゃんがやってたんだよねえ。
ちなみに、このコーナーは好評だったみたいで、その後堀ちえみがゲストのときもやったんだけど、堀ちえみはコーナーの主旨を理解していなくてダメだったんだよなぁ。

とにかく、そういう原体験をしてしまうとだね、こういうコーナーは愛おしい。「セクシー女塾」の冒頭コントで矢口が「あんたバカァ!?」って言ったのに近い、プチ感動があるわけですよ。

あと、熊田曜子はプロ。感動した。小倉優子はりんごももか姫。
(04.0708)



・「パチンカー奈美」(1) こやま拓(1991、白夜書房)

パチンコの得意な美人OL・奈美が、客寄せのためにと頼まれて挑戦者とパチンコ勝負。トラブルがあっても、街の顔役・河原崎の竜が奈美に惚れ込んで後見人になってくれるから大丈夫だ。そういうマンガ。

普通、このテの後見人的ヤクザ(竜は完全な本職ではないらしいが)って、マンガ的デフォルメがあって妙にいい人になってたりするけど、河原崎の竜ってヘタうったヤツはボコボコにしてキッチリけじめをつけ(それが奈美の弟であっても)、でも奈美に嫌われたくないからその辺の仕事はぜんぶ黙ってる、というところがリアリティあるようなないような。

で、河原崎の竜ってどう見ても顔が成田三樹夫だよなァ。青山知可子とか葉山レイコ主演でVシネ化されてて、ネットで調べたら竜役は木之元亮なのかもしれない。
(04.0707)


・「エイトマン」 平井和正、桑田二郎、末松正博(1995、徳間書店)

月刊マンガボーイズ連載。
人間の心を持ったアンドロイド・エイトマンは、数々のヒーロー伝説を残しながら姿を消した。
そして2095年。世界はエリートのみが感情を排して住んでいる「CITY」、感情を捨てることを拒んだ人間が住む「SLUM」に二分されていた。「CITY」は安全な理想社会の体現だったが、「SLUM」は犯罪が絶えることのない暴力都市であった。
CITYでは、「感情を疑似体験できる装置」、マインドブレードが開発され、流行しつつあった。しかし、そこには「SLUM」壊滅の陰謀が潜んでいた……。

エイトマンは100年の眠りから覚め、再び人々のために戦うことになる。

あまりにも微妙すぎる作品。「マンガボーイズ」という雑誌自体が早くに休刊してしまったと記憶しているので、そのアオリを食って打ち切りになってしまったのかもしれないが、それにしてもエイトマンの活躍が少なすぎる。
出渕裕デザインのエイトマンや、エイトマンの高速移動の表現など悪くないところもあるためどうにもこうにも評価しにくいが、本作が連載していた94年頃という時期をかんがみても、一種の階級社会化が進行している未来社会の描写や「1999年に起きた核戦争を期に、平和のために感情を排除する方向に人類が動いた」という設定などはどうにもこうにも古いと思う。映画「リベリオン」[amazon]みたいな設定だが、いやリベリオンはいいんですよ。でも本作は……どうしたものか。

ところで桑田二郎版の「8マン」だが、扶桑社文庫[amazon]で今でも読めるようだ。また、「エイトマン―新作2004年度版&絶対読めない幻の読み切り傑作選’69」[amazon]というのも刊行されている。
「アトム」、「鉄人」同様、「8マン」は復刻やリメイクにも根強いものがあるようである。

が、ある意味「8マン」がらみの企画で最も有名なのは、実写映画「8マン すべての寂しい夜のために」(1992)(参考:シネマキネビュラ/ユービック・ファクトリー東京竹の家)であろう。

見てもいない作品に文句を言ってはならないと思いつつ書くが、この映画の評判がさんざんであったことは事実である。そして、私がここで前触れもなく思い起こすのは、映画版「CASSHERN」(→感想)なのである。
繰り返すが「すべての寂しい夜のために」を見ずに比較してはならないとは思うのだが、どちらも批判者の論調が「アンチヒーローものだから」というところが共通していると思うのである。

それでかたや大コケ、かたや大ヒットしたわけだが、単に思い出して比較しているわけではない。平井和正はダークヒーローをかっこよく描く作家なのだ。それでみんな憧れるのだが、マネしようとしてできるものではなく失敗することも多い。
「CASSHERN」の紀里谷監督が平井和正を知らないとも思えないので、実写版「8マン」の不入りと「CASSHERN」のアンチヒーロー路線は、根が一緒だと思うのだ。
問題はなぜ「CASSHERN」がヒットしたかだが、コレは私も正直、いまだにわからない。
しかし、時代は確実に「すべての寂しい夜のために」が公開された頃よりも、アンチ・ヒーロー路線に行っているような気はする。平成ライダーやアニメ版の「鉄人」を見るとそう感じる(このため、両方とも見るのをやめてしまいました)。

余談だが「CASSHERN」と「8マン」はぜんぜんまったくの無関係ではなかったりする。「8マン」の脚本は当時同作を刊行し、映画製作にも関係していたリム出版の人(社長?)が書いていて、この人は後に宇多田ヒカルがダシにされた詐欺事件かなんかに巻き込まれていたりするので、検索で宇多田とこの脚本家の名前で絞り込み検索しても、記事が出るんである。
もっとも、この人はリム出版が倒産した後も、菅野美穂のヌード写真集を仕掛けたりとかなりのやり手らしいので、どんなタレントにもどっかしらつながりがある、ということだけなのかもしれないですけどね。
(04.0707)



・「DEATH NOTE」(2) 大場つぐみ、小畑健(2004、集英社) [amazon]

週刊少年ジャンプ連載。死神のリュークが人間界に落とした「顔を知っている人間の名前を書くと死ぬ」という「デスノート」を使って、自分の考える正義を行使しようとして殺人を繰り返す夜神月(やがみ・らいと)。彼は正体が知られないままに「キラ」と呼ばれ、世間から恐れられていた。
一方、キラを捉えようとする天才素人探偵・L。彼は今まで人の前に姿を現さず、「ワタリ」という謎の男とネットを介して事件捜査をしていたが、キラによるFBI捜査官大量殺人を期に、素顔を警察庁にさらして捜査協力をすることを決意する。

どこでもだれでも書いてるけど、おもしれーですよ。この頃はすでにジャンプ本誌でも読んでいるんだけど、やっぱり面白い。個人的にはレイ・ペンバーの異変に気づいた恋人の女性の名前を、一度偽名を聞いた状態でもう一度、5分くらいの間に聞き出さなければならないというシーンはハラハラしたね。
(単行本冒頭の登場人物紹介ページで、ワタリの顔とこの女性の名前がインクの染みが付いたみたいに見えなくなっているのはなかなかかっこいいです。)

Lは、1巻では謎の存在で、この巻で初めて顔とそのキャラが明らかになる。こういう思わせぶりな出方はむずかしいものだが、「つい推理ゲームに熱中してしまう、子供っぽいちょっと危ない探偵キャラ」というのはマンガが好きな人にも、ミステリが好きな人にもなじみやすいものだろう。「おいおい、ホントに正義感でやってんのかよ?」と食えないあたりもいいです。
そして、彼にイヤイヤ協力している刑事たちは純粋に正義感で動いているところもいいんだよな。ここをおさえているから、本作は少年マンガでいられる、という部分もあると思う。

ライトとリュークとのやりとりも面白い。死神も死神界ではいろいろ苦労しているらしい。

1巻の感想

(04.0707)



・「武装錬金」(2)〜(3) 和月伸宏(2004、集英社) [amazon]

善でも!
悪でも!

最後まで貫き通した信念に
偽りなどは何一つない!

もしキミが自分を偽善と疑うならば
戦い続けろ武藤カズキ!
次の戦いは
すぐに始まる

週刊少年ジャンプ連載。錬金術によってつくられた怪物・ホムンクルスを倒すため、錬金術の粋を集めてつくられた超常の合金・核鉄(かくがね)の力によって生み出される武器・武装錬金で立ち向かうカズキたちの戦い。

1巻の感想で、およそ本編そのものとはあまり関係ないことを書いたのにはワケがある。少年ジャンプの連載というのは、天下一武道会、あるいはジョジョ第3部的な戦いでもいいけど、とにかくバトルに突入する前でも、かなりバトルに関係のない設定を念入りに組む。逆に言うと、そうした基礎構造の構築こそが後の戦いの面白さにもつながっていくのである。

何もバトルものをやりたい作家ばかりではないだろうし、この辺の機微は知るよしもないのだが、本作の単行本1巻刊行当時、ジャンプ本誌ではすでにモンスター的なホムンクルスとのバトルは終了しており、その上のレベルの「人をベースとしたホムンクルス」との戦いに移行していた。このため、そこに至るまでの過程がわからないと作品評価がきちんとできないと思い、本作の設定とかキャラにはあまり触れないような、総論的なことを書いて誤魔化したのである。

しかし、1巻を読んだときのワクワク感はすばらしいものがあったので、私は週刊少年ジャンプを買い、そこの「武装錬金」の部分に単行本が追いつくまで読まないという措置をとった。このため、部屋にはどんどんジャンプが溜まり続けている!(ちなみに「ジャガー」とか「ボーボボ」などは毎週読んでいる)
そして第3巻。もうここら辺で、私が持っているジャンプ19号とリンクするかと思ったら……しねえんだよこれが! まだ私の持っているジャンプが追いついていないようである。溜まったジャンプを消化できないよ。もういっそのこと、国会図書館行っちゃおうかな〜。

以上、前置き終わり。
もうそろそろしびれを切らしてきたので、キャラだの設定だのに言及してもいいだろう。

注目すべきは、本作では宿敵・蝶野攻爵との戦いの中でカズキが「偽善者」と罵られるところである。正義のために戦おうとする者が、「偽善者」と批判されることは最近非常に多くなった。そのあたりのことは、当HPでは物語における偽善、もしくは「本性」問題というテキストでうだうだ書いたのだが、本作は「偽善者問題」をしっかり受け止めつつ、なお「正義とは何か」を追及しているところに感心した。

本作は、少なくとも単行本第3巻までは、戦士だけの世界へは移行せず、あくまでも日常の中で一般市民を守りながら戦う、ということを目指している。それが常にカズキは戦士としてどうあるべきか? を問うていることになるのだろう。

錬金の戦士・津村斗貴子のカッコよさは当然として、2、3巻では敵役の蝶野攻爵が盛り上げる。単行本の作者解説によると筋肉少女帯や大槻ケンヂの小説の中の鬱屈したキャラクターをモデルにしたそうだ。綾波レイの造形がオーケンの描いた包帯少女を原型のひとつにしているということを聞いたが、こんなところにもオーケン的キャラが出てくるとは。
設定は高校生だが、実写化するならこれは及川光博しかないでしょう! というようなキャラなんですけどもね。アニメでの声の吹き替えでも化。

蝶野攻爵が悪に走った理由にはそれなりのことがあり、それをキチンと表現している。何十人と殺しまくっているヤツだが、動機をしっかり描いているからこそ、ややご都合主義的に蘇ってきても違和感はない。自分を殺したカズキに奇妙な親しみさえ感じるというのも、とてもよく描けている。

たぶん、ジャンプ的にイマドキ感のあるマンガといえば正義と悪の概念をシャッフルしている「DEATH NOTE」なのだろう。「DEATH NOTE」は、確かに面白い。
しかし、しっかりと旧タイプのジャンプバトルものに足を突っ込んでいて、なおかつ主人公のヒーロー性を真剣に考えている本作が、どこまで行けるのかということにも私は注目している。

1巻の感想

(04.0706)



【CD】・「100 MAGIC WORDS」(CCCD) 杏さゆり(2004、フォーライフミュージックエンタテイメント) [amazon]

グラビアアイドル・杏さゆりのデビュー曲。作詞作曲は元Cymbalsだそう。曲調としてはトミーフェブラリーを連想してもらえればいちばんわかりやすい。解説とか見ると「80年代風ダンスポップスを彷彿とさせる」と書いてある。嗚呼、また80年代に浸ってしまったぜ。

はっきり言って、グラドル出身者で大ヒット飛ばした人ってほとんどいないし、曲も中途半端なのかエイベックスの腐ったのみたいなのが多いんですが、本作はわりと考えていることが丁寧っぽいというか。ざっと見回しても、 J-POPの好きな人にはかなり評判がいいようです。

個人的には、あまりにもサビがループしすぎるなと。日本語ヴァージョンと英語ヴァージョンが入っているので繰り返し感がなおさらに。
ところで、さきほどエイベックスを悪く書いたような感じになってしまいましたが、私自身は決してキライではなく、こういうのにはCHOKKAKUとかGTSとか中田ヤスタカなどのダンスリミックスを是非入れてほしい。
もしそうだったらすごく評価上がったのに。
(04.0706)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

公式ページ

7月4日放送分。

今回は面白かったです。

「ハロモニ。健康ドック」と題し、「ココロ」と「カラダ」の専門家がモーニング娘。の健康状態をチェック!! という内容。冒頭、「白い巨塔」のパロディでなっちが登場。やっぱりパロディはいいよなぁ。

心の専門家っていうのは、よくテレビに出てくる富田たかしという人。心理ゲームブームのときによく出てました。
「海岸でおじいさんが水着の女性を見ている。身体のどこに目線が行く?」というテスト。「おませか、ねんねかを判定します」と先生が行ったら、みんな「ねんね」って言葉がわかんないのな……。「ねんね」の説明のときに辻を映していたのは正解、っていうかそこしか答えがないよね。

このテスト、「目線が胸から順に下へ行くほど、精神的におませ」ということだったのだが、なっちの無邪気なネタフリで「先生も(大人だから)脚に目が行くんですか?」的なことを言う。先生は少々照れて「私も還暦が近いので……」と言うと、矢口がそこで、

「すいません 今日ジャージで」

やっぱり矢口は期待を裏切らない。そして「微妙なエロ方面にコメントを軌道修正させる」いつもの矢口さん、来ました。
っていうのはですね、先生っていうのは生徒をエロい目で見ちゃいけないでしょ。娘。の場合、ファンとして見ちゃ行けないのと同じような意味で。その辺ケジメを付けないと、バラエティ的にも関係性がグダグダになってしまう。逆にメンバーの名前もわからないような人を連れてこられても困るんだけども。
それで、まあなっちのフリは無邪気に出ちゃったと思うんですよね。「先生はどうですか?」みたいに。問題はその後の矢口さんで、「すいません今日ジャージで」っていうことは、
(〜^◇^)<ハーフパンツとかミニスカートだったら、先生ウチらの脚を見るんですよね? コノコノー、コノスケベ!
と言っていることと同じなんですよ(笑)。いやコレは決して深読みじゃなくて、ここ数年のテレビでの矢口証言を追ってきた私の研究成果ですので間違いないんです!(なんかUFO探索みたいになってきましたが)
まあそんな矢口が好きです。

矢口さんは「もう21歳なんですけど、それで『おませ』判定ってどういうことですかね?」的なことも言ってましたが、ここもホントは深追いする必要はないところで、普通は「私って、年相応なのね」って自己診断して終わりの部分だと思うんですよね。20歳以上のメンバーは他に飯田さんとかもいるわけだし。なっちもいるし。
しかしあえて、そこにエロ的なものを引き出そうとするのが矢口節なんです。まあこのシチュエーションで、先生が「二十歳以上でおませ判定が出た人は、H好きです」とか言うわけないんですけどね。

もうひとつのメンタルチェック。「山のぼりをしていて、自分より先に登っていると思う人三人、自分より後に登っていると思う人三人を書いて」というもので、先に書いたのが自分の目標とする人、後に書いたのが自分がすでに越えた、と思っている人。
ファンが食いつくのはやっぱりこの問いでしょうね。こういうプチしのぎあいというのは見てて楽しいです。

ここは鑑賞してるとキリがないですが、高橋愛の書いた「水さん」っていうのはホントにだれなんですか??? いじられもしなかったし。

メールでご指摘いただきました。宝塚の人のようです。やっぱりというか。

藤本の上三人「加護、矢口、石川」が興味深い。加護と石川は目標としているというより「ふ〜ん、こういう人が人気があるんだ……」という冷静な視線が見えるような気が。矢口はリーダーシップを見込んでのことと思う。いちばん下が高橋ってのはシャレになってないだろ。
メンバーだけで揃えたのは紺野と新垣。新垣は娘。オタクの面目躍如。ところで、新垣の「二人ゴト」では、「娘。に入れて良かった〜」的なことをまた言っていて、この一貫性というのは素晴らしいと思う。やっぱりこういうメンバーは大事にしないといけないと思いますよ。
矢口一番人気。さすが次期リーダー。
架空の人物を書いたのは、なっちとよっすぃ〜。よっすぃ〜、ホントねらってるかどうかわからない人だよな……。でも里田とアヤカが入ってるね。
飼い犬を書いたのが辻、加護、石川、なっち。自分より下に書いたのが加護となっちで、上に書いたのが辻と石川。しかし、愛犬・大五郎、と説明的に書いた加護にはサービス精神を見て、「体力順だと思ったから」という論理的説明で食い下がるところにも石川なりのこだわりを見るのだが、何の説明もなく「マロン」と放り出し、しかも2番目に書いた(ちなみに1番はよっすぃ〜)辻がぶっちぎりの突っ込まれ。
英語がまったくできないのに「お姉chan」という表記なのもいい意味でバカっぽい。
しかしボケ解答で最強だったのはなっちでしょう。「友だち」って二つ入ってるし、「山おやじ」って造語も入ってた。
架空の人物、全部メンバーなどの解答に対し、小川の解答は全員家族、というところがシブい。
亀井が「お兄ちゃん」を下に書いてたのは、「私はお兄ちゃんなんてもう越えたんだー」といういつもの満足げな顔が浮かぶようですな。
矢口の憧れはあややかあ。

体力測定の方は、まあこんなもんかなという感じです。体力の先生は、シロウトにしては仕切りがきちんと出来ていたと思うか、いわゆるひとつの「体育会系芸」だと思うかで評価がわかれるでしょう。
私は、この人のツッコミとか生徒いじりってたぶんテレビで培われてきたというよりは、日頃やってることなんじゃないかと思う。スポーツ選手には妙にテレビ慣れというかコメント慣れしている人が多いんですが、あれも「よくテレビに出るから」というよりは、出たがりでふだんそんなことばかり言っているんだろうな、という人が多くて私としてはあまり評価は高くないです。
ニュアンス的にはなんだっけ、「金がいいですぅ〜」って言っていた水泳のおねーちゃんみたいなノリが通底してるでしょ。

コント「公園通り三丁目」。よっすぃ〜の「ジョン・トラブルタ」が再登場。しかし、ここはニヤニヤしながら出て来るんじゃなくて、前回みたいな微妙な無表情の方がぜったいいいって!

「ハロプロアワー」。ムラ田さんに変わって「あさめ(あさみ)」が登場。
見どころは、ゲストとして出てきた後藤真希と亀井の噛み合ってなさに尽きる! 最初に塀のカドからちょこっとだけ顔を出す、という何の着地点もない登場をする後藤、もちろんそれにツッコミを入れない亀井、いつもどおり暴走する亀井にも中途半端なツッコミしかしない後藤、とわたし的には見どころ満載。他の人の場合はグダグダだと怒るところですが、後藤真希は完全に「こういう人」なんでいいんです。

前回の放送

(04.0705)



【雑誌】・「週刊少年チャンピオン」31号(2004、秋田書店)

月刊少年チャンピオンでやっている「B.M.N.」の番外編SP☆なかてま「B.M.N.外伝」が掲載。短期集中連載の第1回。

二宮清純、井上正治「Athlete〜武田大作 逆襲のアテネ五輪〜」の前編が掲載。ボートの話。

わたし的に最近好きなチャンピオンのマンガは「番長連合」、「かりんと」です。
THE SEIJIの描く女の子は、年寄りの私にもなじみやすい、暖かいやわらかい描線で描かれています。
「バキ」は、なんかもう笑うしかないですな。ぶっとび一歩手前だよ。勇次郎はどんどん人間くさくなってますね。最近では冷酷無比という設定の勇次郎がときどき見せる「あんた格闘技マニアじゃん」な顔がオカシイんだけど(オリバに「自分の持ち味で勝負しろ!」とか言ってみたり)、これがバキらしさであるとも言えると思います。
(04.0704)


【雑記その3】・「お笑いインディーズ」、「笑いの金メダル」、「バケルノ小学校」

・「お笑いインディーズ」
テレビ東京の月〜金、午後5時25分からの帯番組シブスタでの月〜金通してのネタバトル企画「お笑いインディーズ」が無事(?)終了。

最近、テレビでのお笑いネタモノが多いのでたまに見ますが(あ、「エンタの神様」は日本テレビがよく映らないので見てません)、テレビの場合は「見せ方込み」の面白さだなあと再認識。
出場者は勢いだけの人たちが集まってまして、それをいかにムリヤリ盛り上げるかの司会側の力量も問われます。

毎日、それぞれ司会者のスタンスが微妙に違ってて面白かったです。最初に出場者が外で一発芸を次々に見せていくんですが、その外に切り替わるときの瞬間を毎日日替わりで趣向を変えていたのはあらかじめ作家さんが考えていたのだろうか。

そして金曜日。月〜木の優勝者の中での決勝戦だったんですが、「おぎやはぎ」のおぎが盛り上げているのに対するやはぎの微妙っぷり! さらに追い打ちをかける森下千里。そっちのおぼつかなさにハラハラしましたよ。
やはぎの出場者に対するフォローが「面白いから売れるよきっと。面白い人って、聞くところによると売れるらしいから」って嫌味かよ! でもよく聞くと「司会としてどう言っていいかわからない」ニュアンスも含まれてましたね。
「内村P」でのやはぎを観たときに思ったけど、この人はテンパったときの独特な感じがありますので。そのタグイかなと。

森下千里も、「私、大学中退したんだよね」と聞いてもいないのに言ったり、「(ネタで仮面ライダーのオーディション、というのがあった人に対し)本当に仮面ライダーのオーディション受けたの?」と返答に困る質問をしたりと、大変でした。

モバイル投票で何かと順位が決定されるんですが、これどの程度ガチかわかりません。ただ、なんか「赤いプルトニウム」を盛り上げようという意図は番組側に明確にあるような気がします。
他には「5・7・5」というボケの人がオカマの漫才コンビ、あともう一人オカマの人が出てたし、女性も多かったのでお笑いももはや女性というかユニセックスの時代ですよ。ホントに。

それで、最近疑問に思うことがあるんですが。
何かクッション的なことを言ったりポーズをとったりして、間に一言でオトす、一行ネタみたいのを入れる形式の漫談が流行ってます(「赤いプルトニウム」もそのパターン)。専門用語を知らないのですが、たとえばダンディだったら「ゲッツ」、長井秀和だったら「間違いない」、ヒロシだったら「ヒロシです」となるわけです。

で、前からおかしいと思っていたんだけど、そのクッション的な言葉とかポーズ、本来メインではない部分をダジャレとかにするのはぜったいおかしいと思う。
これねえ、文章で説明するとめんどくさいんだけど、たとえば具体的に言うと「笑いの金メダル」にときどき「マイケル」という人が出てます。で、この人がポーズをとって「マイケル!」って叫ぶのが一種のクッションになってるんですが、ときどき「お皿が一枚、二枚、三、マイケル!」とかやるんですよ。あれ、おかしくないですか。

だって「マイケル!」っていうのは単にキメポーズであって、そのポーズの必然性っていうのは演る側にしかないと思うから、とつぜんそれやられると「エッ!?」ってなります。なりませんか。

ダンディも「ゲッツ!」ってやるし、ゲッツにひっかけたダジャレも多少やってますが、たぶん「ゲッツ!」はクッションなんだということは自覚してると思う。あの人のネタのメインって、ホントは野菜とか花の名前をダジャレに織り込んで文章にするとかそういうヤツでしょ。
「お笑いインディーズ」でも、このクッション的なポーズをそのままオチにつなげている人がいて、あれ本当に理解できない。っていうかそれやっちゃダメだと思う。

・「笑いの金メダル」
「お笑いインディーズ」を堪能した後に、同じ日にやっていた「笑いの金メダル」の金メダリスト大会を見て、そのテイストの違いとレベルの高さに驚く(笑)。
「爆笑オンエアバトル」ではイマイチ感のあったインスタントジョンソンがこんなに喜ばれてる! やっぱりテレビの場合って見せ方とコミなんだよなあ。

「スピードワゴン」は、テレビで売れることを目指している人の中ではほとんど唯一、無意味系というか当然いい意味で「意味ねぇ〜」ことをやろうとしているので、地味に注目している。

・「ミルモでポン! わんだほう」
ネガティヴ思考の妖精「ガビン」の考えていることが、ふだん私が普通に思っていることなので考え込んでしまう。

・「バケルノ小学校 ヒュードロ組」
数年前の再放送だろうが、今まで午前中の教育テレビをぜんぜん見ていなかったのでほとんど初見の人形劇(コテングが生まれる前はたまに見てたけど)。とにかく毎回言うことないほどすばらしい。なんというか、藤子・F・不二雄っぽさがあるんだよなあ。
オバケのコンビニが「バケビニ」で、そこの店長さんがものすごくいい人なんだけど夜になると狼男になっちゃうとか。その辺のメリハリが実に藤子・F・不二雄。っていうかオバQっぽいんだよね。
(04.0704)


【雑記その2】・園田三国志、角川映画、保坂

園田・三国・リスペクターsawadaspecial.com

sawadaspecial.comを見てて思ったんですが、夏コミ向けに同人誌つくってる人は追い込みですよね。
私は7月13日が同人誌の印刷屋さんの夏コミまでの締切りなんです。
だから、この時点でできないと、オフセットはもうつくれません。だからがんばろうと思います。宣言しないとぜったいがんばらないので、ここに書いておきます。

で、リンク先ですが、園田光慶版の三国志マンガにツッコミを入れるサイトです。
こういうのは、正直「やられたー」と思いますね。
こういうのって、三国志の知識がないとわからないんですよね。私も、そりゃ多少は知ってますがもう忘れてる武将とかいますし。
園田光慶版三国志は、どうかなー、もう入手は困難じゃないかと思います。と言いつつ、ブックオフにゴロゴロしてたりして。わからん。
10年くらい前は、「まんだらけ」でゴロゴロしてたんですが、私はノーマークで、そういう経験をした後にツッコミサイトを見ると「やられたー」と思うわけです。

前にFRASHだかFRIDAYだかで、「新撰組マンガ」の特集をしてましたが、こういう歴史モノって、知識がベースになってないとツッコミしにくいんですよね。
同じことは戦記モノ、戦史モノにも言えますが。
まあ「ミニモニ。ラブインストール」が、ミニモニ。を知らないとほぼ理解できないのと同じですね。

とりあえずがんばります。同人誌。無事エアコンが直ったらがんばります(現在壊れているから)。

・「80年代にひたりたい!」〜角川映画編〜

昭和の日本映画界の風雲児・角川映画

80年代ブームとかいうウザい状況も終わったらしいんで、安心して80年代にひたることができます。
blogというかはてなダイアリーとかだと、「80年代」っていうカテゴリに分けられるのかもしんないですが、当サイトではメンドクサイからぜんぜんそういうカテゴリをつくってません。不親切っていうか、私が不便。

さて、角川映画。

年表を見ると、いわゆる「角川映画」は1976年の「犬神家の一族」から始まっていて、91年の「天河伝説殺人事件」で終わっています。
角川映画とは、「読んでから見るか、見てから読むか」というキャッチコピーが印象的なように、今でいうメディアミックスの先駆けであり、しかしリリースされる作品に微妙なものが多かったため、けっこう非難されていた、というのがまあ教科書的な、一般的な印象だと思います。

私自身は「角川映画」を80年代という時代と結びつけて考えたことはほとんどないんですが、これは76年という早い時期から始まっていたこと、また、宣伝のわりにはものすごい大ブームというか、社会現象にまで発展した作品がほとんどなかったことと関係していると思います。正直、宣伝の方が印象に残っている人というのも多いのではないでしょうか。
まあ横溝ブームと薬師丸ひろ子、原田知代を仕掛けて成功したというのがありますが、実は「セーラー服と機関銃」は私のキライな映画ベスト5には入るほどキライな映画で、そういう意味で自分で自分の心にフタをしてしまったのかも(そんな大げさなもんじゃない)。
なんでキライかというと、「セーラー服と機関銃」というタイトルとか「カイカン……」ということで連想する面白味のすべてを、映画自体が潰しているように感じているからです。
相米慎二を起用したこと自体が英断だったのかもしれませんが、そんなことは私の知ったことではないですし。好きな人には申し訳ないですけど。

うーん、ラインナップを見ても、全部見たわけではない(というか、見てないものの方が多い)ですが薬師丸映画以外はやっぱり微妙ですね。「時をかける少女」にしても「幻魔大戦」にしても「ボビーに首ったけ」にしても、まあ時代を表してるっちゃ表してますが、それがすごく大きな何かを代表しているかというと、どうしても傍流というか……。

どうも自分で書いててテンション低いですなあ。当時、ゆうきまさみとかが騒いでた原田知代にもほとんど興味がなかったし。

考えるに、「角川映画」ってメディアミックスという戦略的な面と、突然(としか言いようがない)「少年ケニヤ」を盛り上げてみたりする、たぶん角川春樹のワンマン性という矛盾した部分があって、それが全体像を見えにくくしていると思います。
まあ冷静に考えると、本数が少ないからそれほどポンポン傑作が出るわけがなかったとは思うんだけどね。

ミステリ映画が大好きな人には、もっと通史的に語れるのかもしれませんが、とにかく角川映画ってのはメジャー志向とわけのわかんない角川春樹の「推し」が錯綜してて、私には荷が重すぎました。80年代の邦画の状況を知ってないと語れない部分もあると思うんだが、「80年代の邦画」というくくりがまたむずかしい。っていうか調べてません。

保坂は面白いなあ。っていうか恐いなあ。でも初めてヤツの存在感を感じた記者会見だったなあ。そういえば「保坂が高岡早紀にDV説」を聞かされたこともありましたが、その辺はどうなんでしょうね。ワイドショーで「娘を弁護する父親の発言みたい」と言った城戸真亜子は、何かを見抜いているのかなあ。

テレビで少し記者会見を見ましたが、保坂は布袋に対する怒りを「早紀との仲を『火遊び』の一言で片づけたのが許せない。これがトム・クルーズだったら『おお〜っ』となるが……」とか「布袋は早紀のイメージを傷つけた」とか言い、「(不倫報道がされてから)早紀はふだんはイケイケねーちゃんなのに、体育座りして家でじっとしているのを見ると布袋がFAX一枚でコトをおさめようとしていることに怒りが沸いてきた」とか言ってた。
「イケイケなのが不倫報道で体育座り」って……この人は素で言っているのだとしたら、かなりのニューキャラクター見えた! 早紀のイメージ、あんたもしっかり傷つけてますよ(笑)。
(04.0702)


【雑記】・教えてやろう、真の更新というものを!

今熱中していることは、無生物の格闘ゲームを夢想することです。「おろしがね」VS「渋谷109」とか。おろしがねの武器は、召還魔法で二股ダイコンを出し、ソレがローリングソバットをキメることです。「渋谷109」は、「109」の「0」の部分からビームを発射します。
とにかく異種格闘技戦の夢想に1日の大半を費やしています。政治評論家の三宅ナンタラが偉そうなことを言っているところに、「水だし煎茶」のCMに出てくる嫁と姑が乱入してきて「さすまた」で突きまくったらどんなに面白いでしょうか。
でも三宅ナンタラも負けてはいません。ちなみに、私の脳内では三宅ナンタラは家で一人でいるとき、「食いしん坊バンザイ」ごっこをしているところを瀬戸カトリーヌにビデオに録られてしまったため、現在では瀬戸カトリーヌの犬状態になっているという設定です。
というわけで、三宅ナンタラがトゲトゲの付いたロードウォーリアーズみたいな鎧を着て、「水だし煎茶」の嫁と姑を両手に持った黒板消しでド突きまくります。

夢想、もう飽きた! 終わり。

今週の「シブスタ」、面白いからぜったい見た方がいいよ。でもまだ昨日の見てないんですけどね。あと実際に観てつまらなくても責任とらないよ。火曜日のがめちゃくちゃ面白くて。ホントに岩佐真悠子って性格悪いなーと思うと同時に、関東地獄地震で生き残るのってああいう子だろうなと思ってよけいに憎いです。
あ、顔はかわいいです。

その「シブスタ」の火曜日のゴングショー的展開で、ある小太りのお笑い芸人が電車のマネをして「シュッシュッ、ポッポッ」ってやって「次は、とうもろこし駅です」というのがオチなの。
で、もうぜんぜんオチてないし、わけがわからないから司会のロバートが「ねえ、それどういう意味なの?」みたいなことを言ったら、その芸人が、「いや、『シュッシュッポッポッ』ってやって、『次はとうもろこし駅です』って言ったら面白いかと思って」って言って。ぜんぜん説明になってないんだよ!
いやあ、最高でした。

でもねえ、こういうこと書くとすぐ言外に批判されるんですよ。面白くないことを面白いと言うのは知的退廃だみたいなことを言われるんだけど、そういう「つまらないもの」にもつまらないものと面白いものがあるんですよ。そこをわかってほしい。

たとえば、一時期のグレチキとかホントに嫌いでした。今は知らないけど。あと、極楽とんぼの山本は私がテレビで見た人の中で最もつまらないというか、期待はずれな人だと思います。

話は変わります。ネットをやっている人で客商売をしている人は多いと思うんですが、テキストサイトなんかでも気にくわない客の描写は少ないですね。あときらいな上司のこととかあまり書かれてない。仕事の愚痴自体があまり書かれてない。クールです。
仕事は家庭に持ち込まない、ネットに持ち込まない主義……。なんてクールなんだ。

でもまあ、仕事の愚痴って書いてしまうとある程度うさは晴れるが、後から読むとまた思い出して鬱になるっていうマヌケなことになりますからね。書かないのが正しいのかもしれない。
というような前置きをしつつ、お客でブタ人間そっくりの女がいます。すごい性格が悪いんで、たぶんショッカーの怪人だと思うんですよ。私は心の中で「ショッカーは何をしているんだろう? ブタ人間が逃げ出したというのに?」と思うんですが、ショッカーっていうのは世に騒乱を巻き起こすのが目的だから、きっとそういうタイプのフォローってあまりしないんでしょうね。

・その後、「ショッカーの目的」について、違うんではないか説が浮上。私が間違ったことを書いたのも、「ブタ人間」の陰謀なんだきっと!!

まあとにかくさあ、このブタ人間、スーパーでブロッコリーとかシャレたもの買いやがって、ブタ人間なんだからブタ人間用のエサ売ってるでしょ? 売ってるでしょガシャポンの機械の中に入って。化学工場の裏手にズラッと並んでるでしょう。あれ食べてればいいと思う。僕は思った。村上春樹風に言えば「やれやれ」と思いつつ思ったね。

「おまえブタ人間なんだろ! ブタの国へ帰れ!」
「『ブタの国』と『ブタ人間の国』は別なんだよ。これだから薄いオタクはイヤなんだ」

・「二人ゴト」の石川梨華編、1回しか見れなかった。ガキさんは2回しかないんですか? 悲惨すぎる。ガキさん、そんな扱いにもっと怒り狂っていいよ。本当の自分の必殺技は「まゆげビーム」なんかではなく、「紐切り」だということを教えてやった方がいい。だれに。えーと、名前忘れたけどテレビ朝日の朝の番組に出ているショートカットの女に(なんかお高く止まっているから)。



上記のテキストはすべて、ジャクソン5のいちばん有名な曲をBGMにして読んでください。

もう7月かよ! 時間戻せ! 星井七瀬、髪伸ばしたネ! でも「恋愛15シミュレーション」の奇跡はもう訪れないんでしょうな。(YellowTearDrops
(04.0701)

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