つれづれなるマンガ感想文2月後半

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一気に下まで行きたい



【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」13号(2005、集英社)
・「オファード」(1) 小池一夫、池上遼一(2005、小池書院)
・「ドーベルマン刑事 加納錠治ドーベルマンと呼ばれる男!!編」 武論尊、平松伸二(2005、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
・「週刊漫画ゴラク」3月11日号(2005、日本文芸社)
<・「傷追い人」(5) 小池一夫、池上遼一(2002、2005、小学館)
【小説】・「人それを情死と呼ぶ 鬼貫警部事件簿」 鮎川哲也(1961、2001、光文社)
・「まいるど7 新装版」 永井豪(2005、リイド社)
・「キン肉マンII世」(27) ゆでたまご(2005、集英社)
・「刃(JIN)」 3/9増刊号 Vol.10(2005、小池書院)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」12号(2005、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)






【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」13号(2005、集英社)

松井優征「魔人探偵 脳噛ネウロ」が新連載第2回。
次週へのヒキが面白いことになってきたよ。次週が解決編なのかなあ。

大場つぐみ、小畑健「DEATHNOTE」。えーと、これで第1部完ということか。そして、数週休んで第2部の開始になるらしい。先週、「まさかこんな展開なのか!?」と思っていたら、本当にそういう展開だったんだねえ。何というか、これもある種の見識だよ。よくぞダラダラ続かずにここで仕切り直したなと。
それと「悪行をゲームのように描く」という、それのみの作品だとは私は本作のことを思っていなくて、ぜったい善の部分も受け継いでいく人がいるわけじゃない? それに、ジャンプ魂ってそういうもんだと思う。
ということで、第2部にも期待。

うすた京介「ピューと吹く! ジャガー」がとにかくものすごく面白かった。本当に面白い。電車の中で笑うの我慢するのが大変だった。で、いざこの号の回を読んでみると「新田さんってこういうの好きだねえ」ってところで終わっちゃうと思うんだけど、いいじゃねえかよ面白いんだから。

あと、投稿コーナーの「じゃんぷる」はたまにすごい面白いのがあるから、飛ばさずチェックしよう。何週か前にあった細木和子の「あんた死ぬわよ」ネタであった「雲のマシンで今日も飛ぶわよ」ってフレーズには爆笑してしまったよ。
(05.0228)


・「オファード」(1) 小池一夫、池上遼一(2005、小池書院) [amazon]

ノーカバーコミック。1989年から連載された作品。
陸上においてオリンピック候補となっていたユウ・タチカワは、謎の美女・パエッタに拉致され、自分がBC21世紀の王、ギルガメッシュの息子だと告げられる。ギルガメッシュが保存した精子が発見され、現代の女性に受精して生まれたのが自分だというのだ。つまり精子を提供されたもの=オファードである。
やがて、幻の国・アガルタを探し、もう一人のギルガメッシュの遺伝子を受け継ぐものと戦うという宿命に立ち向かっていくユウとその仲間たちの冒険を描く。

……うーむ、やっぱり「デュエット」や「傷追い人」などと同じで、どうも毎回が間延びした印象なんだが、まあ仕方がない。でも、主人公は70年代の小池一夫作品のような熱を失っていると思う。
今まで読んだかぎりでは、小池一夫の伝奇モノはどこか洗練されていて、伝奇ゆえのブッとんだ感じはなぜかしない。本作も、この1巻を読むかぎりではそんな感じ。
(05.0227)



・「ドーベルマン刑事 加納錠治ドーベルマンと呼ばれる男!!編」 武論尊、平松伸二(2005、集英社) [amazon]

週刊少年ジャンプ連載。凶悪犯専門の「特別犯罪課」に所属、ハーレーを駆り、ブラックホークをぶっぱなして悪を倒す型破り刑事・加納錠治の活躍を描く1話完結の刑事モノ。

ノーカバーコミックで548ページもある。単行本2冊ぶんはあるかな。
こうやって復刊されると、古い作品にも違和感なく言及できる。
1975年からの連載で、今読むとほとんど新味はないのだが、「ダーティハリー」(1971)、「ダーティハリー2」(1973)、「太陽にほえろ!」のジーパン刑事登場(1973)、そして「燃えよドラゴン」(1973)といった「男くささ」の時代に生まれた男くさい作品という印象はしみじみとする。
とくに「ダーティハリー」の影響は強いと思われる(巻末の武論尊インタビューでも言及)。実は「ダーティハリー」を後から見たのだが、「なんだ、ド刑事じゃん」という印象だったし、ダーティハリーも映画というよりは1話完結のドラマ的プロットだ。毎回、本筋に入る前に小さな事件を解決するところも、むしろ週刊連載の1エピソードにふさわしい。

本作以外にもダーティハリーに影響を受けた作品は数多くある。私は世代的にはド刑事よりも、ダーティハリーに影響を受けたド刑事に影響を受けたコロコロコミックの刑事もの「ザ・ゴリラ」なんかをよく覚えているのだが、なんでこんなに「ゴツい銃を持った一匹狼刑事(デカ)」が描かれたのかは、正直勉強不足でよくわからないんだよね。
ただ、一時期「ゴツい銃を持った一匹狼刑事(デカ)」は空気のような存在で、そういうジャンルがあること自体当たり前に思っていましたよ。
で、そういうヴァイオレンスの流れと、足を棒のようにして捜査にあたる地道系刑事との合体地点が「新宿鮫」(1990)なのかな……などと考えたけど、これもよくわかりませんね。
ただ、新宿鮫にはやっぱりミステリ寄りではあってもどこか劇画の匂いはしますね。恋人がロックシンガーだったりさ。平松伸二が喜んで描きそうですよ。

それにしても本作を読むとしみじみする。それは、巨悪を顔のある存在としてキッチリ規定している点や、組織にも顔が見えている点だ。加納の楯突く上司にも「顔」があり、犯罪者には犯罪に理由があり、加納が直談判するA国の要人・ダミンすら彼の男気に触れて協力する。
顔がある程度見えていれば「都会」、まったく人間同士の顔が見えないと「都市」だとだれかが言っていたけど、この頃の刑事モノってまだ「都会」の中で生きているという感じがすごくする。

やっぱり希望は過去にしかないね。本当は過去にもないんだけど、未来に荷担するのも過去に荷担するのも、まあ同じと言えば同じことだからなあ。などとしみじみした。

【参考】
【映画】・「ドーベルマン刑事」(1977)感想

(05.0228)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)

2月27日放送分。

公式ページ

「私をデートに連れてって」 #2 セレブなデート

石川梨華、高橋愛、小川麻琴の3人が、岡田真澄のエスコートで宝石店やらフランス料理店などを回る。
「セレブってどういうことだと思う?」という岡田真澄の問いに、高橋愛が「OL」と答える。
これは高橋愛をよく知らない人は単なる大ボケ発言だと思うだろうが、「高橋愛のコメントが3回転くらいして面白くなってきちゃってる」人にとってはたまらない発言だ!
それと、宝石店で解説する岡田真澄をまっすぐに見つめてる高橋愛の目。
あれほど「キョトンとした目」という表現に似つかわしいものもないだろう。

小川がオチになっちゃってて、なんか悲しかった。

石川はいつもの石川でした。

テーブルマナーを学ぶため、お行儀の先生が3人が間違ったことをするといちいち笛を吹いて注意するんですが、見ていて急にこの先生が憎くなってきたんで想像の世界で殴っていいですか?
ウソです。私はそんな残忍な人間じゃないですよ。
でも、だんだん「なんでこんな西洋人のつくったルールに従わなきゃいけないんだ。江田島平八である!」と思ってきましたよ。
まあ、でもふだん着物を着ている人は極端に少ないし、昭和三十年代以降はそれまでの日本となんかどっか違うんだよね。
だから、日本人がみんな西洋人みたいになっても仕方ないんですよ。
そのわりには、月刊プレイボーイ売れてないみたいですけど。
西洋文化を取り入れた日本人は日本人で勝手だよね。
男はみんな洋ピン以外見られないようにして、女はみんな脇毛をはやすべきだと思う。

もちろん、心にもないことをこうやってダラダラ書いているわけだけど……。

「エリック亀造の毎度ありぃ」。藤本美貴の写真集だのW(ダブルユー)のニューアルバムだのをPR。

石川梨華が「お肉スキスキ」の歌を歌っていた。

前回の放送

(05.0227)


・「週刊漫画ゴラク」3月11日号(2005、日本文芸社)

ひさしぶりに読む。
天王寺大、郷力也「ミナミの帝王」は、今週から若き日の銀次郎を描く。バブル期に路上販売などのシノギをしていた頃。しょっぱなからすごい勢いだ。やっぱり郷力也は信用できる。
天王寺大、渡辺みちお「極道破戒神 不動」は、いつの間にか主人公が教師になっていた。
倉科遼、和気一作「女帝花舞」は、芸者が出てきて政治家の息子かなんかとの恋愛に悩んだりふりきっていろいろ決意したりする劇画(だと思う)。
村生ミオ「胸騒ぎのイヴ」が集中連載。あいかわらず、絵を追っているだけでは恋愛ものなのかサイコサスペンスなのかわからない。
来賀友志、嶺岸信明「天牌」は麻雀劇画。
梶研吾、叶精作「死星マリア」は、娘を取り戻すために女の人が戦う話らしい。人間ソックリの人形をつくるやつと戦ってた。
神保あつし「フィーバー課長」は、4コママンガ。
中崎タツヤ「悶悶サラリーMAN」は、何コマだ? 12コマくらいかな。あいかわらず面白い。
ラズウェル細木「酒のほそ道」は、酒うんちくマンガだと思う。
高橋よしひろ「銀牙伝説ウィード」は、しばらく見ない間に手に斧を持ったヒヒと戦っていた。「高橋よしひろは、『ウィード』においてジャンプとは違う自分なりのリアルを追及したがっている」という私の説はもろくも崩れた。「斧を持ったヒヒ」って何だよ。でもワクワクしてくるなあ(笑)。
落合裕介「てっかもん」は人情もの。
立原あゆみ「弱虫(チンピラ)」はやくざもの。
九十九森、さとう輝「江戸前の旬」は、どこかの料理人と対決してた。
剣名舞、檜垣憲朗「仮面の野望」は、だれかにだまされてマグロ漁船に乗せられ、つくった曲も奪われたシンガーソングライターが復讐する話らしい。今回は復讐を決意するところまで。
土山しげる「喰いしん坊!」は、大食い大会の話になるらしい。テレ東の大食い大会も復活するらしいし、いろいろ楽しみだ。
(05.0225)


・「傷追い人」(5) 小池一夫、池上遼一(2002、2005、小学館) [amazon]

えーと、これで完結なのかな? よくわかんねえな。「完結」って書いてないから。
まあ、ここで終わってもいい話だけど。やっと面白くなってきたところなんだが……。
小池一夫と言えば、70年代はものすごいフリーセックス感でゆきずりの女とやりまくるようなのをばっかり描いてたが、本作では一生一人の女と添い遂げるという話になってる(まあ、そういう話もそれまで描いてたけどね)。
このためか、違う女を出すにはそれまで愛し合っていた女が殺されるというヒドイ展開になってた。
終盤はミスティという十代の殺し屋少女が主人公の恋人になるが、こういう劇画調の美少女というのは今読むとめずらしい。池上遼一は少女を描くのも得意だけど。こういうのいいね。でも、どうせ今は萌え萌え〜とか言って、こういうのウケないんでしょ。面白くねえなあ現代という時代。

お話はクラシック・アーミィが出てきたあたりでドウデモの極致になっていったと思う。もちろん、「あれば読んじゃう」みたいな凄さを持っているんだけど……。80年代以降のぶっとびマンガの台頭(?)は、小池一夫が自作のテイストを薄めることでメジャーに君臨し続けたことと呼応しているという印象を強くした。小池一夫だけ普通になっていって、取り残された人たちがぶっとびにならざるを得なかったみたいな感じで。

梶原一騎の再評価なんかも、小池一夫にないロマンを死んだ梶原にみんなもとめたのかもしれん。

4巻の感想

(05.0225)



【小説】・「人それを情死と呼ぶ 鬼貫警部事件簿」 鮎川哲也(1961、2001、光文社) [amazon]

サラリーマンである河辺遼吉が津山久子という女性と心中。しかし、その妻・照子と妹・由美はこれが何者かに仕組まれた擬装心中ではないかと疑問を抱く。照子と由美は、久子の妹の夫・本田とともに真相を探ろうとする。
遼吉を殺したと思われる容疑者は二人挙がった。彼らのアリバイを調べるが、それは強固なものに思える。
鬼貫警部のアリバイ崩しもの。

鮎川哲也、何冊か読んだがそういえば当HPに感想は書かなかったかな。理由があって、名作・傑作と言われるものでも読んでないのがあって、それらのネタバレをされるのがイヤだったのと、あとなんか古い本の感想は書いちゃいけないっぽい昨今の感想サイトの雰囲気を感じてたので。
マンガなら開き直ってて気にしないんだけど、こうナイトキャップ変わりに読んでるようなものはね。1冊や2冊読んで感想を書いてもしかたないっていう部分はあるし。

3、4冊読んで、鮎川哲也って非常に精緻なというか、本当に精緻かどうかはわからないけどエロ・グロ・ヴァイオレンスを排除しているからそれらを取り除いたプロットがとてもよくできているように思える。
読むたびにその点は感心するのだけど(本作もラストにはけっこう驚かされて面白いです)、どうも作者は水商売だとかいわゆる女遊びが嫌いみたいで、でもどうしても現代を舞台に、ありそうな事件を構築すると水商売だとか浮気だとかいったことを題材として取り上げることになる。でも、そういう夜の商売の女の人とか、おめかけさんだとかに対する視線がものすごくキツいんだよね。
人間を「そういうことをする人」と「しない人」に分けてるみたいで。

で、さらにあとがきに「本書には、拳銃の射ちあいや撲ぐりっこのような、スリリングな場面はひとつもない。」とか書いてあるもんだから、まあやっぱりそういう下品系なものは嫌いなのねと少々息苦しくなる。
いわば、大学教授の気の利いた冗談をきかされているようで、いかにそのジョークがよくできているものであっても「この人、エログロナンセンスなことを言ったら怒りそうだなあ」と思って正座して読まなければならないような印象が、どの本を読んでもする。

あと、前半はほとんど残された妻と妹を主人公としてお話が進むのだが、こういうのはどうなんですか? 北村薫とかもそうだけど、どうも男が描く女主人公っていうのは読んでてこそばゆいですね。やっぱり男が女主人公を描くならマンガの方が大胆だよね。ふたなりなんて「私たち男は女のことはわかりませんので、チンチンをあえて付けてみました。」ということだと思うんですよね。

……と、ぜんぜん関係ない、あえて下品な方向で結んでみました。とにかく、こういう比較に意味があるかはわからないけど山田風太郎とは正反対だなあ、と読むたびに思う。
鮎川哲也の場合、恋愛描写でもマジメすぎて面白みに欠けるね。ぜったい、人生のある地点のどこかで女に裏切られてそれ以降、もう美しい恋愛とか描けないんだと思うこの人は。
(05.0225)



・「まいるど7 新装版」 永井豪(2005、リイド社) [amazon]

1981年に週刊少年チャンピオンで連載。傭兵でバイク乗りのまいるどドラェ門とその妻、そして子供たちがムチャクチャなことをやりまくるムチャクチャマンガが新装版で登場。

とにかく本当にむちゃくちゃすぎる。第一、なぜ81年当時基本設定が「ワイルド7」のパロディなんだ? あ、「家族が全員バイクに乗っている」ということからの思いつきか?
毎回、家族のだれかがピンチになって(主に長女のまいるど蜜子)、そこに武器を持ったまいるど一家が殴り込みに行ってムチャクチャにしてしまう。
基本的には「あばしり一家」でやっていたことをもう一度繰り返しているだけで、リアルタイムで覚えているが連載当時「今さら感」があったのは確か。
しかし、今読むと本当にめっちゃくちゃなんだよな〜。これを「当たり前」だと感じていたっていうのもちょっとオカシイよな。

まずいちばんオカシイのが、表紙にもなってる「ストリーキング・クイーンの巻」
蜜子は黒百合会の番長・姫野マヤと、学園の平和を守るためにタイマン勝負をすることになる。マヤの言い出したのは「日曜の歩行者天国を出発点とするストリーキング勝負」。警察をふりきってゴールまでたどりついた方の勝ち。
ストリーキングってアレね、全裸で外を走り回るパフォーマンスというか何というか……ってやつ。

こういう勝負をスケバン側から申し入れるのもおかしいが、受け入れる蜜子もおかしい。
「でも……でも学園の平和のためにはぜったいにさけられない勝負なのよ」「どんなに恥ずかしくたって学園のみんなのために勝負しなくちゃ!」

で、あんのじょう歩行者天国は大騒ぎになり、テレビ局のヘリが出動して「ストリーキング評論家」が二人を見ながら批評する。
行く先々にさまざまな難関(マヤが仕掛けたものもあり)が待ち受ける。頭の固い婦人団体、「一度その快楽を知ったら抜けられなくなる」という「チカンの森公園」、そして最終ラウンドは凶悪犯罪者が普通に生活しているという「多摩自然刑務所」。
要するに、美少女が全裸で凶悪犯が収監されてる刑務所を抜けてこいという……、まあ最近こういうタイプのムチャクチャってホントないよね。

最後はまいるど一家が出動して、多摩自然刑務所をぶっつぶして蜜子を救出してオワリ。でも120ページくらいあるんだよこのエピソード。

あと、生徒が全員獣人である「ビースト学園」で蜜子他テニス部の少女たちがノーパンテニスをやらされる「ノーパンテニスの巻」もかなりムチャクチャだ。
まず「ビースト学園が、教師もグルになって蜜子たちにノーパンテニスをやらせる」という理由がよくわからないし、その光景にコーフンした観客が「もうしんぼうたまらん」とかいって次々に石川賢風に獣人から獣へ変身、テニス部員二人が食われちゃったところに銀の弾丸を仕込んだライフルを持ったまいるど一家が乱入。
「『ハウリング』見ちゃったから弱点しってるもんね!」、 「日本でサファリができるたーごきげんだぜ!」と言いながら獣人を皆殺しにしてしまう。
一読、狂った人の妄想としか思えません(笑)。

こういうマンガが当たり前のようにしてあったのが80年代前半なんスが、時代はもっと具体的な狂騒へとシフトしていった感触はある。たとえばアニメの「ビューティフル・ドリーマー」的な感覚であるとか。わたせせいぞう系オシャレ軍のラグジュアリーなライフスタイルだとか。
それもこれも、経済が良かったからだよな、と今にして思う。今はとにかく経済悪すぎ。実際はどうかわからないけど、先行きの展望がなさすぎる。未来がないと、庶民の妄想力は確実にダウンすると思う。

正確に言うなら、日本人の妄想力というか。他の国は知らないけど。
あと、警察がものすごい極悪集団に描かれてるのも懐かしいと言えば懐かしいね。そんでまいるど7と重火器でドンパチするんだよ。マンガってのはこの勢いだよ。「システムが……」とか言ってんじゃねーよ。もう「システム」って言うの禁止。なんか日常のみみっちい共感を得させるのも禁止。本当に今だれも勢いないよね。心底悲しい。
(05.0224)



・「キン肉マンII世」(27) ゆでたまご(2005、集英社)

週刊プレイボーイ連載。ミートのボディパーツ奪還のための最終決戦、キン肉万太郎&ケビンマスク(ザ・坊ちゃんズ)VSボルトマン&アシュラマン(ザ・デモリッションズ)。

おお、なかなか盛り上がってる。このあたりになるともう安心して見れるというか……現実のプロレスと同じで、善玉も悪玉もそれぞれの見せ場をつくりつつ、大団円へ持っていこうとする意図が感じられるのでイイね。
それと、たぶんファンの感想をふまえて描いていると思う。アシュラマンが貫禄を見せつけているのはその結果だと思うし、老いさらばえたサンシャインがいまだに出ているのもそれが理由だろうと思うし。

そういうのがいい。

26巻の感想

(05.0224)


・「刃(JIN)」 3/9増刊号 Vol.10(2005、小池書院)

小池一夫オンリーマガジン。
連載作品は、「魔像」(原作:林不忘)、「桃太郎侍」(原作:山手樹一郎)、「弐十手物語」、「赤い鳩−アピル−」、「牙走り」、「道中師」、「男弐」、「徳川家康」、「織田信長」(監修)、「修羅雪姫」。

「牙走り」の、「水をめぐっての村同士の争いに巻き込まれ、意にそわぬ結婚を強要された娘とその恋人」のエピソードがハッピーエンドだったことに驚愕。今だったら確実に不幸なまま死んで終わったような気がする。

来月号から、小池一夫の完全オリジナル新作が連載開始するようだ。まあ、「桃太郎侍」もオリジナルみたいなもんだけどね。
今回の「桃太郎侍」は、「麻薬を密造して大勢の人が中毒になってしまった藩」を立て直すために、自分も麻薬中毒になって一緒に立ち直らねばならない、と意って麻薬吸いまくったあげくにその畑を焼き払う桃太郎。あいかわらず豪快でいいんだよな。
(05.0224)


【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」12号(2005、集英社)

むかし、パワーズというお笑い芸人コンビがいまして、けっこう人気が出始めたときに相方が「雨が降ると寒い」とか言いだしてやめてしまったとか解散してしまったとか。
今の私の心境は「とにかく寒い」。去年が暖冬だっただけに厳しいです。風邪も引いてるし、もう死にそう。あと、今の若手お笑いブームやホリエモンなどを見ていると、男の人生はつくづく三十五歳までだと思いますわ。みなさんは頑張って。ボクは、食パンをちぎった上に紅茶をかけて「洋風お茶漬け〜」などと言ってメイドカフェで気持ち悪がられる人に説教をしてはサンドイッチなどをご馳走になるという仕事につきたいと思います。

松井優征「魔人探偵 脳噛ネウロ」が新連載。父親があやしい死に方をした女の子に突如取り憑いた魔人・ネウロ。彼は「謎」を食べて生きている男だった。魔界の謎を食い尽くしてしまったために、人間界にやってきたのだ……という、奇妙な設定の推理もの。
基本設定は非常に面白いと思うが、一回読みきりのときにも読んだんだけどトリックが少々強引かなあ……。「謎が解けたら犯人の犯行の動機にはもう興味ない」といったネウロの描写など、雰囲気は印象に残るんだけど。

岡野剛「未確認少年ゲドー」が最終回。1年間の連載だから全4巻か5巻になるかな? 私はこの人の本質的にベタな感触が好きなんですけどねー。

うすた京介「ピューと吹く! ジャガー」は、まず前回の続きであることに驚いた。やっぱりビューティー田村は面白いなあ。今後、ハマーさんとからむのかなあ。
(05.0222)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)

2月13日放送分。

公式ページ

どうもどうもどうもー、鈴木タメ造です。えーえーえー。ウソです。今、風邪引いてまして、何もやる気が起きません。おれのサドルがありません(超オリジナルギャグ)。鈴木タメ造です。
昔、村上龍のエッセイの中で「一流の仕事をする人に、風邪引いてる人なんかいない」(大意)というのがありましたが、ネットなどを注意して見ていても、一流の仕事をしている人は風邪にかかりにくいか、かかっても相当我慢強い人が多い気がします。
すなわち、私こと鈴木タメ造は、3流、4流の人間だということです。

本来なら、私みたいな人間は国家で保護してくれていいのではないか? みんな「自由競争」の名のもとに、もらえもしない未来の見返りを信じて、「穴掘って埋めて」みたいな作業をやらされているだけではないのか?
いや、「みんな」ではなくて、どこかにあま〜いお菓子をほおばっている人間がいて、そいつらが「キミたちもがんばればお菓子がもらえるよ」っつってだましてるんですね。

簡単に言えば「ホリエモンのつんつん立った中途半端な髪型を何とかしろ! この際、Tシャツよりもむしろそっちだろ!」ということが言いたいわけです。

さて、今回は未公開&マル秘映像SP

結論からいうと、最近急速にトシとってきちゃって、二十代前半の子たちは全員コドモに感じます。ガキさんなんて、お年玉やってもいいくらいです。「ド根性ガエル」のお年玉袋に入れて(これは、ウチに「ド根性ガエル」終了後、十数年にわたってソレのお年玉袋が家にあったという、わたしマメ知識)。

ふじいあきらは「やりにくかった」的なことを告白してた。

未公開映像では、ハワイ編における高橋愛のトンチンカンぶりが面白かったです。まあ、ハタで見るぶんにはいいけどこういう人がいると疲れるよなきっと。

あとヨネスケが娘。に伝授した「おいしいものを食べたときの、首を回すリアクション」を編集したのが面白かった。

コント「公園通り三丁目」。あー、いちおう伏線の処理がされてたね。「だから何?」という内容ではあったけど。

今回の感想、終わり。
私の絶望は、続く。

前回の放送

(05.0116)

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