◆ 1998年8月下旬 ◆

8/21〜31
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8/31(月)……アゴなし調律師とオレびんびん物語

 8月も終わりってことで、今月読んだ漫画冊数をカウント。雑誌96単行本38情報誌1画集1ムック1同人誌30。さすがにお盆休みが入っただけあって、いつもより少なめ。
 それから9月に買う予定の単行本。今月はちょっと少なめ。気になるのが白泉社の文庫で出る、吉田戦車「酢屋の銀次」。「鋼の人」の再版じゃないかと思われるのだが、詳細は知らない。町野変丸「少女カオス」もたぶんメディアックスで出していた単行本の再版だと思う。「少女カオス」は町野変丸の中でもわりとオススメ度が高い単行本なので、未読の人は読んでみるべし。

98年9月
タイトル著者価格出版社
ダークエートス(上)MARO857茜新社
小野塚カホリ作品集(仮)小野塚カホリ800近代映画社
04シノビノサクラかるま龍狼505ワニマガジン
04星に願いを(下)天竺浪人505ワニマガジン
04日直番長(3)タイム涼介未定講談社
05ネガティヴ才谷ウメタロウ1000コアマガジン
05カケル(5)竹下堅次朗486小学館
05マザー・ルーシー(4)沖さやか486小学館
11おまかせ!ピース電器店(9)能田達規390秋田書店
11酢屋の銀次吉田戦車581白泉社(文庫)
快楽天星組ワニマガジン
16黒船丸きくち正太667スコラ
17SPEED KING(2)間部正志390講談社
18天然コケッコー(9)くらもちふさこ505集英社
18ゲイン(6)なかいま強390小学館
18俺たちのフィールド(31)村枝賢一390小学館
18ARMS(5)皆川亮二486小学館
21ウルトラジャンプ集英社
21あぶない令子先生(2)桃山ジロウ505蒼竜社
22ブル田さん(6)きくち正太/高橋三千綱505講談社
22メロドラマ(2)村上もとか未定講談社
22犬神(5)外薗昌也505講談社
24別冊YOUNG YOU集英社
24HELLSING(1)平野耕太495少年画報社
24ショタキング(2) アンソロジー933コアマガジン
25のんきな父さん桜玉吉未定アスペクト
25恋する女神あうら聖児800富士美出版
25PRINCE STANDARD(1)別天荒人850ワニブックス
30龍−RON−(20)村上もとか486小学館
30ラブレター(4)じんのひろあき/若狭たけし486小学館
30国立博物館物語(2)岡崎二郎486小学館
少女カオス町野変丸924桜桃書房

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/14 No.40 集英社
 尾田栄一郎「ONE PIECE」はびよーんと長い手足がかっちょいい。赤マルジャンプに尾田栄一郎のデビュー作が掲載されるらしいが、いちおう立ち読みでもしておこう。桂正和「I''s」はかなりベタベタにお色気路線。そしてそれを上回るお色気ぶりなのが作:真倉翔+画:岡野剛「地獄先生ぬ〜べ〜」。ここ何週か脱がせまくり。岩村俊哉「爆裂給食当番ランチくん」は、いきなりなんだと思うような児童向けな感じの料理漫画。ゆでたまごの「グルマンくん」をちと思い出す。いまや少年ジャンプの最大のライバルはマガジンよりも、コロコロコミックなんじゃないかと思うが、そこらへんを意識した起用なのかな〜。どうでもいいんだけど。

【雑誌】ヤングマガジン 9/14 No.39 講談社
 ヤンマガらしい、アナーキーな絵柄のヤンキー漫画、山下ゆたか「ノイローゼダンシング」が新連載。みんなアンパンで脳がちょっと溶けてるって感じの顔つきがいい。面白くなってくれるといいな。イダタツヒコ「HeRaLD」は2回目。なかなか怖げでまずは出だし好調。タイム涼介「日直番長」。毎度のことだが、眼鏡娘の委員長は燃えるのだ。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。今回もスゲエ。ゲンさんの顔がアブなすぎる。ひでえ話。好きだ、大好きだ。福本伸行「カイジ」。なんだか手応えのある展開。一歩後退二歩前身。毎回素晴らしい小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。今回も実に馬鹿馬鹿しくて良かった。スゴイ世界だ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/14 No.39 小学館
 お、次号でおがわさとし「木の時間」が掲載。おがわさとしはコミティア系の作家で、センスオブワンダーにあふれるストイックな作品を描く人で俺は前からかなり注目している。スゲエ楽しみ。前にビッグコミックの増刊号で描いたときは、まあわりと普通の出来かなって感じだったのだが、同人誌の「パピリオ」「おがわさとし作品集」掲載作品はなかなかスゴイ作品だった。即売会で見かけたら買うべし。
 柴門ふみ「ブックエンド」。けっこうイケる。お得意のラブストーリーなんだけど、オトナの恋でないのでオシャレすぎないところがいい。伊藤潤二「うずまき」。フザケているだけの子供なのに、目つきとかがやけに邪悪でいいな。作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。雄介vs.黒田が走る前から鍔ぜりあい。うーん、アツくて燃える。本当にズッとテンションが高くて面白い。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 10月号 少年画報社
 9月24日に単行本が発売になる平野耕太の「HELLSING」。ルパン三世系の細くて長い足、黒々とした画面、大仰な展開。面白いなあ。脚本:田畑由秋+画:余湖裕輝「コミックマスターJ」は、ラスト、Jをも圧倒する相手役の力強い屈折ぶりがかっこいい。佐野タカシ「うさぎちゃんでCue!!」。今回もあほらしくてトロトロ。甘ったるくてサービス精神バツグン。素晴らしい。
 高港基資「絶対音感調律師」は、突如として現れ、どんな手を使ってでも他人の家のピアノを調律するナゾの調律師の話。暑苦しい迫力があってなかなか怖い。やまむらはじめ「最後の夏」。今回も暗くて青臭い。硬質で甘っちょろくない青春模様。閉じた作風ではあるが面白い。大石まさる「DIARY−日記−「彼について」」。この人はだんだん面白くなってきた気がする。絵はもともと好きなタイプ。背景がサラリと描かれていながら美しくていいと思う。



8/30(日)……ド蛆虫

 なんとか仕事を一段落させ(まだ片づいちゃいないけど)、コミティアに行く。今回は池袋での開催。サークル数がいつもより少なめだったので収穫は少ないかと思ったら、コミケ合わせで新刊を出していたところが多かったみたいで、けっこういっぱい買うものがあった。
 巡回後は、NIFTY SERVEのパティオでご一緒している濃い漫画人たちと飲みに行く。15時くらいから入ったピザ屋でビールを呑んだ後、場所を変えつつ22時ちょっと過ぎくらいまで(だと思う)ずっと呑みっぱなし。最初は8人でスタートし、最後は俺と兄貴で、月下工房#書評系のサイトウさんを吊るし上げ……いや、3人で仲よく呑んで帰る。酔っ払っていてなおかつ濃い話がいっぱいできてハイだったため、帰りの乗り換え駅のエスカレータですれ違った、何やら奇声をあげていた外国人に中指を立てた後、にこやかに手を振ったりなどする。
 日本酒やジン、ウイスキーなどをカパカパ呑んでいたので予想していたことだが、やっぱり電車を乗り過ごし、結局家に帰り着いたのが午前1時ちょっと過ぎ。その後、収穫物を読む。何も今日全部読まなくても良かろうにとか思わないでもないけど、目の前に面白そうなものがある状況で耐えることなんて俺にはできなかった。疲れているのを押して読む。意思が弱いんだか強いんだか分からない俺。
 以下、<>でくくっているのはサークル名。

【同人誌】「Gate」 きづきあきら <GRAIL>
【同人誌】「恋のたまご」 きづきあきら <GRAIL>
【同人誌】「少女楽園」 きづきあきらほか <GRAIL>
 最近のコミティア系作家では注目株。まるで切り絵みたいなかっちりした線で実にいいお話を描く人。とくに今回は「少女楽園」が良かった。主人公のエリコと、公園で出会った中国人の少女・シュアンが恋におちる同性愛モノ。シュアンは日本語が分からないのだが、言葉で意思が伝わらなくても通じていると信じて愛し合う二人の姿が非常にいい。絵もいいのだが、この人はストーリー作りの能力が抜群だと思う。

【同人誌】「名探偵大木槌壊美」 紅茶羊羹 <大深海水淵亭>
【同人誌】「3メガショック」 紅茶羊羹/夙川夏樹/平野俊幸 <クロックワークハーツ/大深海水淵亭/昼寝堂>
 紅茶羊羹の新刊は久しぶりな感じがする。でも今回はわりと普通の出来かな。もうちょっとブチ切れたギャグをやってくれるとうれしいのだが。とはいえ力を抜いてサラリと描いた感じの絵は好き。あと「3メガショック」のほうは、3人の作家がそれぞれ出した原案を交換して作画をしたという、ちょっと変わったコンセプトの本。

【同人誌】「たまご」VERSION 2.1/3.0/4.0 渋沢鋭樹 <FEMME ENFANT>
 凶悪に可愛らしい幼女の絵を描く渋沢鋭樹の本。コミティア後の漫画人たちの会合でお話したことでもあるのだが、幼女系の漫画で本当にアブナイのは、幼女を犯すって感じの直接的なものよりも、服を着ていて表現も問題ないのだけれど強烈に可愛いって奴だと思う。そういう点でいうと、ふくやまけいこの漫画なんて相当にアブナイ。そして、渋沢鋭樹の漫画もまたしかり。VERSION 2.1と3.0はイラスト集っぽい作りなのでもの足りないが、4.0には短いながらも漫画があるのがうれしい。

【同人誌】「プリズム」1〜5 果竜 <竜の子太郎>
 ひっじょーに絵が可愛らしい、キラキラとした小女系創作漫画。全5巻なのだが、まとめて読んでみたらすんごくよかった。登場人物は、天真爛漫な風子と、彼女の親友で恋愛感情的に風子を愛する藍、そして何かと彼女たちの世話を焼く時華の3人の女子高生。藍と、その想いになかなか気付かない風子を中心として物語は巡っていく。とくにラストのほう、卒業を迎えた藍が夜の学校に忍び込み、お気に入りの場所であった図書室で、風子が描いてくれた自分の肖像画を眺め、時華の弾いたピアノのテープを聞きながら、キラキラした学園生活の思い出に浸るシーンは感動的。ポロポロ涙がこぼれてくる。今回のコミティア最大の収穫。

【同人誌】「ミズタマ 山名沢湖作品集」 <COMITIA PERSONAL COMICS>
 Amieでも漫画を描いていた山名沢湖の作品集。ファンシーで可愛らしくって、そして時折見せるセンスオブワンダーが素敵な作品集。清涼感があって、肩の力が抜けた作風にセンスを感じる。

【同人誌】「太陽は笑わない」 かないくみ子 <Plain and Simple>
 女子高生二人のトラディショナルな友情モノ。スタンダードな少女漫画。それほど好みってわけでもない作風なのだが、なんで俺はこれを買っているのだろう。たしか、どこかのサークルでほかの本のついでに買ったような気がする。いや、別につまらないってわけではないんだけれども。

【同人誌】「セゾン」 西村竜 <ちくちくNET>
 白泉社系って感じのする少女漫画的絵柄。ドタバタしててわりと面白い。絵柄が涼しげでわりと好み。

【同人誌】「AUSTRALIAN FOOTBALL MATE」 小野夏芽 <KENEDDY U.S.M>
【同人誌】「YOUR SMILE LIKE THE CARTOON」 小野夏芽 <KENEDDY U.S.M>
 この人の、日本人離れしたイタリアっぽさは並じゃない。まずなんといっても絵柄が一見してイタリアン。そして、話のスカシっぷりがまたすごい。この2冊で共通して、なんとオーストラリアフットボールのプレイヤーたちが登場する。こんな「日本では誰が知ってるんだ?」って感じのスポーツをなぜ、とか思う。まあそのチームのプレイヤーたち一人ひとりの人間関係がメインでプレイはあんまり描かれないのだが、それにしても……。まあそれはともかく非常に個性的で力のある人だと思う。

【同人誌】「PARKING!03」 <PARKING>
 PARKINGも今回で3号目。今回のゲストは上記の小野夏芽。最近、すでにPARKINGの主力と化したヤマモトマサユキは、絵はぎこちない部分がまだ残っているものの、ストーリを語る能力はなかなかのもの。南研一は短めのショート。これはこれでポップでいいのだが、この人はこんなもんではないと信じているのでもっとすごいの描いていただきたい。漫画評論コーナーは俺も参加させてもらっている。今回は濃厚系エロ漫画についての原稿。俺は兄貴と違って、一つの作品を掘り下げるタイプの文章を書くのは苦手なので、広く概観するって感じの原稿にした。出来は読んだ人の評価に委ねる。不満な部分はいっぱいあるけど、言い訳はしないでおく。

【同人誌】「葬送旅行」 宮田真司 <宇宙卵>
【同人誌】「少女煉獄」 宮田真司 <宇宙卵>
 ちょっとおきつね様憑きっぽい少女を描く。「銀河鉄道の夜」をモチーフにした「葬送旅行」が、陰気な雰囲気でなかなか良かった。グロテスクな描写、全体的な雰囲気はなかなかいいと思うので、あとは人物のポーズや表情などがこなれてくるともっと良くなりそう。

【同人誌】「現場」 うらまっく <STUDIO PuZZLe>
 さすがプロだけに手堅い。商業誌で描いているのと大差ない感じ。同人誌ならではの新鮮味もなかったりするのだが、まあそういう作風なんだし仕方ないかな。漫画家の仕事場に転がり込んできた不思議ちゃん系少女が、作家やアシスタントどもを誘惑して骨抜きにしてしまうって感じのお話。

【同人誌】「龍頭玩偶」壱 きいか <腐食金属>
【同人誌】「REVENGE」 犬神助清 <暗黒舞踏隊>
 このお二人は、前回のコミティアのときに厳しめの感想を書いたら妙に恐縮されてしまっちゃったようで、なんか申しわけなかった。というわけで今回は挨拶してきたのだが、そこで本もいただいてしまう。悪いのでこちらもPARKING!03を押しつけてきた。というわけでお話もしてきたのだが、だからといって感想のほうを甘めにしたりするのはお二人とも喜ばないだろうと思うので、いつものとおり行く。
 まずは「龍頭玩偶」壱。「壱」ってことなんで、まだ物語は序の口。シャープで硬質で綺麗な絵は魅力的だし、雰囲気のあるアイテムもいろいろと登場しているが、まだ話はどうなるか分からないんでなんとも判断のつかないところがある。あと、ちょっと思った点は個々のキャラクターが今のところまだ立ってない感じがする。まあそこらへんはこれから立てていけばいいとは思うけど。
「REVENGE」のほうは、コピー本ということで助清(松下紺之助)さんはやけに恐縮されていたのだが、俺はコピー本ってけっこう好きなので全然問題ない。こう書いてしまうと、一生懸命ペン入れしている作家さんに申しわけないのだが、俺としてはラフに描いているページのほうが、勢いと雰囲気あって絵柄的には好き。こちらも「龍頭玩偶」同様、まだ初めなのでお話とかはどうなるかよくわからん。

【同人誌】「8ビット小劇場−EPILOGUE−」 駿馬 <STUDIO MAILAND>
 スッキリとした絵柄が非常に魅力的な駿馬の新刊。前に買った「8ビット小劇場」の続編。自然な感じのお話もいいけど、この人の魅力はやっぱり絵かな。清涼感があって爽やか。

【同人誌】「銃劇」 鈴木ちょく <直立不動産>
 丹念に描かれた感じの端正な絵柄が特徴。今回は「SUKIYAKI WESTERN」というサブタイトルが示すとおり、ちょっぴり西部劇な感じのお話を集めている。目の描き方とかが美しくて好き。

【同人誌】「time」 <STEEL SHEEP>
 大野ツトム「ボルトと3人の巨人」が、カッチリとSFチックな描線でなかなか。端々の仕上げがきれいで好感が持てる。

【同人誌】「真紅の伝説」 山川黄予美 <YOIKO>
「赤ずきん」をベースにした作品。山川黄予美は山川直人の奥さんだが、トラディショナルな少女漫画から、幻想的な作品まできっちりこなす力量のある人。絵は非常にカッチリしていてちょっと古めかなーと思わないでもないけれども、面白いことはたしか。

【同人誌】「ふらふらふらり」1 藤本和也
 学研の学習や科学にでもでてきそうな、ノスタルジックな絵柄が特徴。小規模な事件を起こしつつ、淡々と進んでいく若者たちの日常を描いた作品。とくに大きな事件が起こるわけではないんだけど、ほっとする魅力があってかなりいい。この人は前は内山田車と名乗っていた人のはず。

【同人誌】「BORN TO BE BLUE」 小林麻希子 <MINIMAL LIFE>
 outdexのムネカタさんが売り子をやっていたサークルの本。ムネカタさんにいただいてしまう。絵は少しぎこちないところはあるけど、丁寧に作られている感じでわりと楽しめた。



8/29(土)……重いコングラ

 コンピュータグラフィックス、略してコングラ、さらに略してCG。
「ぷりぷり県」の4巻が出たので久しぶりに吉田戦車のページを更新する。このあたりのページは、俺のホームページ立ち上げ時からすでにあったコンテンツだったため、今から見るとHTMLの書き方とか表記とかでイマイチ納得いかない部分が多い。画像の縦横サイズの指定とかしてなかったし。あと、最初のころに作った奴って文章も淡白だったりして、読み返すとあんまり良くないなと思ってしまう。そのうち、納得いくように直したいのだがページ数が多いため面倒くさい。あとメイン環境がノートなんで、ノートだとたくさんのページをいろいろいじくるのって余計におっくう。まあそのうち折を見て徐々に直していくことにしたい。初期コンテンツのいくつかはすでにいじくってあるんだが、見栄えにはあんまり関係ない直しが主なので見ている人にとってはどこを直したんだかよく分からないかもしれないが、まあ自分の満足の問題なのだ。

【雑誌】COLORFUL萬福屋 VOL.01 ビブロス
 すべての作品がCGを使用というコンセプトを打ち出したエロ漫画雑誌。ホームページはhttp://www.colorful.co.jp/manpuku/。どうでもいいけど、表紙に書いてあるホームページのURLが間違っている。「www.colorful.co.jp」のあとにピリオドが入っているのだ。ちょっとかっこ悪い。
 で、中身だがCG系のかなりうまい人を集めていて、作画レベルは非常に高い。藤原カムイのインタビューがあったり、CG作家のCG講座があったりと記事も充実。漫画に関してはページ数が少ない作品が多くてちょっともの足りない。お話にのめり込んで行けないタイプの作品も多かった。作画に力を入れるあまり、ストーリー面で凝る余力がなくなっちゃうのだろうか。あと、CGだけにやっぱり全部カラーで見たいってのはあるけど、さすがにそれは難しかろうな。ただ、雑誌のコンセプトとしては面白いと思う。作画にとことんこだわるっていうのもまた一つの道だし。
 漫画では粟岳高弘「隣星1.3パーセク」がページ数もあり(16ページだけだが)、一番面白かった。ネットや同人誌ではわりとおなじみの粟岳高弘だけど、宮崎駿とか安井誠太郎っぽいテイストの、雰囲気のある絵柄でけっこう好きだ。おおしまひろゆき「SOS」はあくまでイラストっぽい漫画だけど、カラーなんで非常に美しい。咲香里「taster」。この人の絵はむちっとした肉感があって好き。読んでいるときの肌触りっていうかなんていうかがなめらかでしっとりしている。あと、こういう雑誌の中でも町野変丸「絶倫パパ」はいつもどおりだったりするのが微笑ましい。

【雑誌】コミックBomber 10月号 ダイアプレス
 A5判のエロ漫画雑誌。リニューアルされたらしいのだが、リニューアル前は買ってなかったのでどんなふうに変わったのかはよく分からない。ただ、見た感じ作画レベルの高い人は多いような気がする。そのわりには紙の質が悪いのが残念だけど。
 まずは鹿島田しき「海岸から」。非常にゴージャスなたて巻ロールのお嬢さまがヒロイン。細い線できっちり描かれていてなかなか美しい。エロシーンがみっちりいやらしいのも好みだ。男がヤルだけじゃなくって、お嬢さまに自分からちんちんをしごかせるようにするあたりがいいな。谷内和生「切迫純情」。この人って昔に比べて絵柄がすごく変わったなー。今のほうが売れセンだと思う。手慣れた感じで、ラブコメをきれいにまとめている。盛谷真人「顔にかける橋」。お金持ちのお嬢さんが突如零落し、今までの使用人どもにズブズブにされるという感じの話。こういう話って好きだ。

【単行本】「フラグメンツ」3巻 山本直樹 小学館 判型:A5
 感想や収録作品データは、山本直樹のページに追加しておいた。表紙がオシャレでスタイリッシュでかっこいいなあ。この人はお話の素晴らしさはもちろんだけど、絵だけ見ても一流。まさにone and onlyだ。一人で一ジャンルを構成できる、漫画界の一つの頂点ともいえる漫画家だ。
 CGの使い方も、省力化とコスト面、それから品質面において大きく貢献しているように見える。便所のタイルや建物の描写など、CGを使ってうまく手を抜いてるなーって気がする。使い回しも多そうだし。しかもそれによって、画面を自分のタッチで統一でき、そのうえお話作りに時間をさらに割けるんだから効果も大きい。こういう道具に使われるのではなく、使いこなしている人を見るとかっちょいいなーと思う。ただ、こういうことができるのは、山本直樹が特殊なポジションにいるからゆったりした製作ペースを守れるというのも大きな要因なのだろうけど。

【単行本】「ぷりぷり県」4巻 吉田戦車 小学館 判型:A5
 表紙などのデータは吉田戦車ページに追加。今回のメインはヒバゴンかな。表紙もかざっているくらいだし。ヒバゴンといい、ねぶたといい、セリフが非常にいい。言葉遣いのセンスが至るところに現れている。たぶん次の巻で完結だと思う。

【単行本】「今日のだいちゃん」1巻 太陽星太郎 判型:A5
 表紙のデータをオスマンに追加。一話一話きっちり作ってある感じがする。あと、この人ってエロシーンとかが何気にいやらしいなーと思う。太くてカクカクした線であるにも関わらず。だいちゃん自体は大したことをするわけでもないのに、存在感は抜群だ。



8/28(金)……さまよえる郵便物

 メールフォームで送られてきたメールに返事を出したところ、「そのメールはずっと前に送ったものだよーん」といわれる。ほほう、とか思ってメールのヘッダ情報を調べてみたら5月に出されたメールだった。今までいったいどこをさまよっていたのやら。そんなわけで急ぎで俺にメールを出すとか、おいしい話をいただける場合はメールフォームではなく、直接tshibata@picnic.toに送ってくれたほうが返事確実なり。ちなみにいやがらせのメールはメールフォームにしといてください、っていうか送らないでいただけるとありがたいっす。

【雑誌】きみとぼく 10月号 ソニー・マガジンズ
 藤枝とおる「レンアイアレルギー」。クッキリとシャープな描線がかっこいい。お話もパワフルにドタバタしてて面白い。架月弥「チョコの歌」は今回もいい。なんかいつのまにやらわけのわからんうちに、圭都が芸能界デビューを果たすことに。あれよあれよという間にヘンな方向に進んで行ってしまうあたりが楽しいなあ。キャラクターが抜け作でのほほんとしてていい感じだ。絵は相変わらずうまいし。

【雑誌】LaLa 10月号 白泉社
 津田雅美「彼氏彼女の事情」が再開。騒がしくて忙しくて無邪気で面白い。頭身を上げたり下げたり、ギャグっぽくしたかと思えばリリカルになったり、キャラクターの表情もクルクル変わって見てるだけで楽しめる。なかじ有紀「BRAN-NEW」は最終回。爽やかにラブコメしてて面白かった。ラストの1ページの表現はイマイチかなーと思わないでもないが。

【雑誌】デザート 10月号 講談社
 寄田みゆき「キレイになりたい!」は、メイクによって一晩だけ美人になった女の子(性格は良し)が、その間に好きだった人と夢のように楽しい一夜を過ごす。その夜の思い出が忘れられなくて、抜本的にキレイになるべく、メイクアッパーの人の助けも借りて地道に自己改造に挑む。一歩一歩ブスから脱却していくシンデレラ・ストーリーって感じで、さほど無理なさそうに変身をさせてるあたりがうまい。手が届くかもしれない範囲で夢を見せるってあたりが鮮やか。絵もわりと好き。
 若村京「抱きしめたい」は今月と来月で2号連続掲載の読切。デリカシーがなく理解もない父親が、実は昔はバンド少年で、バンドを始めた娘に妙な理解を示し出す。娘はそんな親父のハイテンションぶりが気持ち悪くてしかたがない。そんなある日、父親が入院。実は父親はガンだったことを知る。父親当人はそんなこととはつゆ知らず、テンション高いまま突っ走り、ついには娘に「一緒にバンドを組もう」などといいだす……というところで以下次号。親父さんの無邪気さがなんか気持ち悪くて微笑ましくていいぞ。木村千歌「カンベンしてちょ!」は、ちょっとHで甘甘なラブコメ。可愛らしくて楽しい。うまいなあ。



8/27(木)……舌切りヤングヘッド

 青林堂のガロは、次回は一回休みで10月発売号からリニューアルとのことだが、ホームページhttp://www.garo.co.jp/もしばらく休止になるとのこと。う〜ん、大丈夫なのかなあ? 次号は10月1日発売と本誌には書いてあったけど、Webには「9月号を最後に充電期間に入りました」とか書いてあるし。「最後に」ってのがなんかイヤな表現だよな〜。心配ではあるが、たぶんいらんお世話なのだろう。

【雑誌】ヤングサンデー 9/10 No.39 小学館
 山田芳裕「デカスロン」は連載再開&200回記念。円盤投げで万吉が3回転半の投擲にチャレンジ。力強い描写で面白かった。山口かつみ「オーバーレヴ!」は、無改造車にこだわる男が出現した新シリーズ。この漫画もけっこう好きだ。走りが楽しそうだし。山本英夫「殺し屋-1-」。落とし前として、自分の舌をドスでぶっちぎる若頭。うえー、これはものすごく痛そう。じりじりと切っていくさまを二見開き使ってじっくりと描写。読んでて顔が歪んでしまう。スゲエ。コージィ城倉「愛米」は今回が最終回。なんかなしくずしでボロボロと終わっていくあたりは実にコージィ城倉らしい。やっぱり単行本買っておこう、とは思うのだが、意外と新刊本屋さんに既刊が揃ってなくてまだ買ってない。

【雑誌】モーニング 9/10 No.39 講談社
 山本康人「鉄人ガンマ」が9週限定の新連載。相変わらず情けなくて、かつ濃くて力強いガンマ。今まで同様、好きな人は楽しめそう。今谷鉄柱「BLUE DOME」は海底洞窟の奥にある、天井から光が差し込む岩が空洞になり水で満たされた天然のドーム、ブルードームで命を落としたダイバーと、彼の死体を引き上げようとする主人公のお話。ラストで命を落としたダイバーが撮影したビデオを主人公が見つめるシーンがなかなか感動的で良かった。
 最近、モーニングはこの前の「ブル田さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)といい、ポンポン作品が終わっていく。「オフィス北極星」(作:真刈真二+画:中山昌亮)も来週で最終回とのこと。作:佐和みずえ+画:三山のぼる「古稀堂物語」も今回最終回。ここらへんはいろいろな事情があるだろうから部外者としてはなんともいえないが、問題は連載を終了させてリニューアルを行って面白い作品が掲載されるかどうかだ。今まであった作品が終わった代わりに、新しい面白い作品が掲載されてくれさえすればそれでOK。面白くない作品が掲載されたらされたで、また別の作品を探すだけのことだ。

【雑誌】漫画アクション 9/8 No.36 双葉社
「ルパン三世」(作・監修:モンキー・パンチ+画:山上正月)。山上正月のルパンはなかなかいい雰囲気。そして不二子が裸で吊るされていて色っぽい。ヒロインが屈辱的な目に遭うのって燃える。柳沢きみお「妖しい花」。最近の柳沢きみおは、スケベ方面に暴走しまくってて非常に馬鹿馬鹿しくて楽しい。しょーもない。高倉あつこ「中村橋動物病院の犬」は最終回。あんまり詳しく読んでなかったんでよく分からないが、まあこんなもんかなって感じ。あと、作:橋本以蔵+画:たなか亜喜夫「軍鶏」は描写に迫力があって、骨太に読ませる。まとめて読むとさらに面白そうな感じ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/10 No.40 秋田書店
 能田達規「おまかせ!ピース電器店」。ああアツアツ。アイちゃんもモモ子もかわいいぞ。っていうか萌え萌えじゃけえのお。おおひなたごう「おやつ」は、おやつくんの非常にアヴァンギャルドな家庭事情。このヒネリっぷり。すごいなー。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」は前回に引き続き、バロンのくそ出生のくそ秘密。くそ子供のころから異様に豪快でいやがる。伊達にヘンな髪型してねえな。

【単行本】「バラ色の明日」3巻 いくえみ綾 集英社 判型:新書判
 絵も話も美しくキラキラしていて面白い。短編集だけど、どのお話も読ませる粒揃いな1冊。うーん、うまいなあ。

【単行本】「ベルセルク」16巻 三浦建太郎 白泉社 判型:B6
 ガッツがかなり血塗れ&ヌルヌル液体まみれ。邪悪で気持ち悪くて恐くてかっちょいい。聖鉄鎖騎士団の話にも突入。だいぶ長い話になったけど、これだけのお話になっちゃうとそう簡単にはラストに向かわせるわけにはいかんだろうな。中途半端なところが残ったら、もったいなさすぎるし。いっそのことエンディングなしでもいいかなーと思ってしまう。



8/26(水)……吉本蜂矢真由美

【雑誌】コミックバーズ 10月号 スコラ
 掲載作品全リストはコミックバーズのページ参照。
 東城和実が新連載開始。タイトルは「ぐるぐるジャングる」。内容はジャングルに住む女の子と、人語を解するケモノたちがやりまくる……っていうのはウソ。それはたかしたたかしがホットミルクでやっていた「ぐるぐるジャングル!」。ホントは宇宙からおっこってきたヘンな宇宙人の、おかしな学園生活って感じ。ファンはチェックするべし。冬目景「羊のうた」は、かなり状況が煮詰まってきた。先の見えない薄暗さとそこにこもった宿命の哀しさがええ感じなり。ともち「愛をあげよう」は重い展開だけど、ラストはハッピーにしめくくるヌルさがともちらしくて好き。

【雑誌】週刊少年サンデー 9/9 No.39 小学館
 どの漫画も一定以上の水準に達していて読むところがかなり多い。少年誌の中では、俺としては現在一番に推す。大当たりとまでは行かなくても中当たりくらいのところは確実にモノにしてくるし、何よりハズレが少ない。少年誌ではチャンピオンもオタク筋では評価が高く、俺ももちろん好きだが、あちらは当たるとデカイがハズレ率が若干高いような気がする。もちろん少年サンデーも、長期連載が多すぎて一見さんお断りの敷居の高さが弱点としてあることはたしか。あと、軟派すぎるとかオタクっぽいとかいうのも、一見さんを遠ざける原因だとは思う。でも俺は楽しく読めてるから別にどーだっていいッス。
「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)では、弘平がアメリカに転校するかも……という展開。これはアメリカで武者修行した弘平が、後に強敵として登場という伏線もありそう。作:たかしげ宙+画:皆川亮二「スプリガン」の映画化記念読切はなんかわりとあっさりと終了。まあ、記念モノだからこんなもんかな。満田拓也「MAJOR」は5人vs.5人という変則ルールの元での試合が続く。勝負の駆け引きがなかなか面白い。「モンキーターン」(河合克敏)は桐生でのレースが終了。スピード感があってかっこいい。競艇を全然知らなくても面白く読める。

【雑誌】週刊少年マガジン 9/9 No.39 講談社
 大島司「シュート!熱き挑戦」は、なんかもったいぶった展開、演出が馬鹿っぽくていい。もっとやれー。塀内夏子「Jドリーム完全燃焼編」は相変わらずちょいともの足りないんだけど、今回は鷹に悪賢さが戻ってきた感じでちょっと良かった。W杯本番ではもっとズルいプレイを連発してほしい。寺沢大介「将太の寿司」はもうすでに、というかいつもだけど味がまったく想像できないレベル。料理漫画でもうえやまとち「クッキングパパ」とかは想像の範囲内ですごくうまそうなんだが、「将太の寿司」は完全に想像の及ばぬ領域。でも食ってみてえ〜。「これを食ったらさぞうまいに違いない」という概念を味わう感じ。武藤鶴栄が空を飛んでいるコマがマヌケてて笑えた。

【雑誌】スーパージャンプ 9/9 No.18 集英社
 高見まこ「ロマンス」が載ってなくてかなり残念だが、駅のゴミ箱から拾った身分で文句をいうのもどうかと思うので文句はいわない。徳弘昌也「狂四郎2030」。シリアスな展開の中でも、きちんとギャグは入れるあたりが仕事人。あとは作:伊藤昭+画:あおきてつおの読切「深海潮流」がちょっと気になるかな。

【雑誌】ドルフィン大将 Vol.8 司書房
 今回は品葉諸友=世棄犬=博内和代が描いてなくてちょっと残念。巻頭カラー、高円寺まりも「三姉妹物語」はきれいな絵柄だけど、わりといやらしくていい。変態系男が女の前でちんちんをこするあたりがいいと思う。先走り汁は若さのシルシ。鈴木験一「帰ってくるよ」。絵から判断するにこの人は高崎あきらのような気がするのだが……。この人の絵はむっちりとして体液も多めでいやらしくて好き。うさぎのたまご「おしゃべりなプレゼント」はちょっと稚拙っぽいけど、楽しくてほのぼのしてて、それでいながらデカめの乳が縦横無尽に揺れるあたりがHでいい。

【単行本】「デビューマン」1巻 吉本蜂矢 少年画報社 判型:B6
 高校生男3人組が同棲して、くだらないことをしながら暮らしていくお話。同棲っつってもホモとかそういう生臭いんではない。3人ともノーマル。こいつらが食欲・性欲に従って、馬鹿で下品な青春を送る。絵はおしゃれなんだけど、お下劣で勢いのあるギャグが笑える。かなり低能な感じが素敵。



8/25(火)……ミナバンドウ?

 ミナバンドはサッカー・イラン代表の左ウィングバックだかなんだかの選手。スピードとテクニックと、ダーティさがお気に入りだった。アジアの代表チームでは、イランが一番好き。バゲリの展開力&キック力、マハダビキアのスピードはとくに。アリ・ダエイなんて、ブンデスリーガでバイエルン・ミュンヘンに移籍しちゃったもんなー。ガンバレ、アリ・ダエイ。

 で、話変わって、掲示板にも書いたしりあがり寿「弥次喜多 in Deep」のことだけど、コミックビーム編集部のメールサービスによるとどうやら発売日は8月31日になったみたい。そんなわけでそのころになったらまた探す。

【雑誌】アフタヌーン 10月号 講談社
 ん〜、最近なんかマンネリ気味。今号と次号で読者全員テレカプレゼント(といっても代金分の切手は要るけど)が実施される。俺が応募するとしたら、小原愼司「菫画報」、北道正幸「スカタン天国」、鬼頭莫宏「なるたる」、遠藤浩輝「EDEN」のうちのどれかかなー。「菫画報」「なるたる」が有力。
 小川雅史「風林火嶄」は、なんかウルトラジャンプっぽいテイストの学園格闘漫画の模様。読みやすくはあるけど、創作至上主義的読者の間では不評を呼びそう。作:真刈真二+画:赤名修「勇午」。最近ずっとコンスタントに面白くきている。スッラの少女が健気でいい感じだなあ。高橋ツトム「地雷震」。狩る側が狩られる側に。なかなかスリリングな展開。もうガンガン追い詰めちゃってほしいもの。鬼頭莫宏「なるたる」。シイナの股の下に刃が突きつけられ……ってところが、なんかHでいい。小原愼司「菫画報」。今回は部費獲得のために、スミレがアノ手コノ手の権謀術数を駆使。最近のアフタヌーンでは一番安定して面白いと俺は思うが、他人がそう思わなくても別にかまわない。
 四季賞受賞作、虎哉孝征「RENDEZVOUS POINT(ランデブー・ポイント)」はしっかりした線で、愁いのある画風。思春期の少女の揺れる心が丁寧に描かれていてなかなか良かった。ちょっと説明しすぎかなーって感じがしなくもないけど、このくらいの青臭さはOKだ。四季賞作家の場合、課題は作品を発表し続けるってことだと思う。また別の作品も読んでみたいのでまた描いてほしい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 9/8 No.18 秋田書店
 岡田和人「教科書にないッ!」は、女の子の身体の描き方が何気にいやらしくて最近ちょっと気に入っている。俺は実は、メジャー系(ヤングチャンピオンを「メジャー」というのはちとなんだが、ここでは「マイナー系でない」程度の意)のちょっぴりHな漫画って好きだ。ああ好きだとも。他愛ないし抜くまでには至らないけどな(妄想状態が好調なときにはかなりいいセンまで行くことあり)。村生ミオ「サークルゲーム」。窮地に追い込まれたありさが、ダイナミックな起死回生の一手。もう何がなんだか。すごい世界だなあ。富沢ひとし「エイリアン9」は先生を中心に、何やらアヤシゲなことが進行中。女の子もかわいいし、楽しげに学園SFしてるし面白いッス。

【雑誌】マンガの鬼AX Vol.4 青林工藝舎
 逆柱いみりのピンナップ付き。細部まできっちり描き込まれた背景がどことなく懐かしく、それでいて奇妙で美しい。漫画のほう(「立派な魚」)も、相変わらずの力の抜けた味わいがあっていい。「五匹の生活」(花輪和一)はいつものように、花輪和一の獄中生活を地道にミクロ的な視点で追っている。この漫画を読んでると、白飯とかが異様においしいものに感じられてくる。あと甘いものも無性に食いたくなるな。
 谷弘兒「イップ君の思い出」は、ノスタルジックで浪漫あふれる少年のころの物語。広がるイメージの世界。いい話だ。三本義治「富士を描く」は、銭湯の富士山を描くことに妄執を抱く男の物語。しみったれてて馬鹿馬鹿しくて面白い。

【単行本】「未来さん」 新谷明弘 アスペクト 判型:A5
 単行本が出るのをすごく楽しみにしていた新谷明弘。そんなわけで早速オスマンに追加。

【単行本】「魔術っ子!海堂くん!!」 すがわらくにゆき アスペクト 判型:B6
 力の抜けたチョコマカとした絵で、テンポ良く読ます。要約すると、魔法使いの修行中でエロ同人オタクでエロアニメオタクで声優オタクの海堂くんが、エロ同人を見たりしてちんこを破裂させそうになりジタバタするって感じ。投げ遣りな展開とどうしようもないキャラクターたちが見てて楽しい。あと、最後のほうに収録されている読切作品もけっこう好き。

【単行本】「みんなはどう?」 G=ヒコロウ 新声社 判型:A5
 コミックゲーメスト掲載の日記漫画を中心に、エロ漫画雑誌に描いた原稿なんかもひっかき集めてきて1冊の本にしたもの。日記漫画よりも、エロ漫画雑誌掲載作品のほうが、ギャグにキレがあって面白いと俺は思う。ハイスピードで繰り出されるセンスのいいギャグが楽しい。あと、絵もけっこうかわいくて好き。



8/24(月)……面白うてやがて楽しく気持ち良く

 というわけで、イヤなモノはなるべく無視して面白おかしく生きていきたいものデス。それを実現するための大事な資金源、サマージャンボ宝くじ。……買い忘れたッス!悔しいッス!1億5000万円(2本当たると考えれば3億円)、ドブに捨てたようなもんッス!買っていれば絶対に当たっていたはずッス!

【雑誌】ヤングマガジン 9/7 No.38 講談社
 イダタツヒコの新連載「HeRaLD」は「学校の階段+都市伝説」って感じのホラーもの。前にヤンマガ海賊版で連載していた「BLADE」は単行本を手に入れたのだが、そのころと比べて絵がだいぶ売れ線に化けている。けっこう期待できそう。毎回いうけど小田原ドラゴン「おやすみなさい。」はいい。端々まで神経の行き届いた情けない世界の構築は実に素晴らしい。この前、ウチの兄貴がプレゼントで鉄郎Tシャツを当てた。きっと10年後には超プレミア……つくまいな。前川かずお「DEI48」は毎度、無駄なくらいに力が入った絵柄が馬鹿馬鹿しさを引き立ている。この漫画、絶対ウケを狙ってるよなあ。村上真裕「チキン」は集中連載終了。大仰な演出で、読ませるだけの力は持っていると思うので、今度登場するときは違う話にチャレンジしてほしい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/7 No.38 小学館
 今週も「ぷりぷり県のことは戦車に訊け!」が掲載されている。力の抜けたコメントが相変わらずいい感じ。柴門ふみ「ブックエンド」は意外と正統派ラブコメな感じでここまではわりといいんではなかろうか。高橋しん「いいひと。」。この人がロリコン漫画を描いたら、かなり犯罪的だろうなーと思う。「いいひと。」はそんなに好きじゃないんだけど、絵はやっぱりいい。とくに女の子(男の絵はあんまり好かない)。

【雑誌】ヤングキング 9/21 No.18 少年画報社
 OURSも含めて最近好調な感じだと思っていたら、9月4日に新しく別冊を創刊するらしい。雑誌名は「キングダム」。東本昌平「キリン」はこっちに移籍。あと、佐野タカシ、五十嵐浩一、大石まさるあたりが注目株かな。毎月4日発行の月刊誌となるらしい。
 吉本蜂矢「デビューマン」が下品で勢いがあって楽しい。単行本は26日発売。実は早売りの書店でもう買ってある。感想は後日。佐野タカシ「イケてる2人」はいつもどおりちょいとHで可愛くて馬鹿馬鹿しくていい。

【雑誌】CUTiE comic 10月号 宝島社
 例によってみっちりとつまったオシャレ感。頭からしっぽまであんこのつまったタイヤキって感じ。巻頭カラーかわかみじゅんこ「おなもみ」は、彩色が非常に美しい。扉とか見開きとかはとくに。安野モヨコ「ラブマスターX」。やっぱりうまいなー。主人公の女の子が、健気に突っ走ってあっちこっちに頭をブツけてるって感じでかわいい。オーツカヒロキ「PANIC KIDS」は勢いがあってバカっぽくて楽しい。魚喃キリコ「南瓜とマヨネーズ」。この人の、半拍ずらした感じの間のとり方って非常に独特だと思う。ほかの人にはないリズムがある。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/7 No.39 集英社
 少年漫画らしさが増してきて好感の持てる誌面。わりと品行方正に少年向け漫画を作っている印象がある。それだけに「少年らしさ」を求める大人にはいいかもしれないが、下品さやワイルドさを求める子供には意外とウケなくなってきているのかなーとも思う。なんにせよ、少年誌の中では一番真っ正面から「少年向け」で作っているので、少子化の影響を一番受ける雑誌って感じがする。少年マガジンが売上トップになったのは、ターゲット年齢層を上のほうに置いていて猥雑さのある誌面作りをしてるからのような気もする。とか書いているけど、正直いって読者でしかない俺にとってはそんなことどうでもいいんだよね。ジャンプが売れようがマガジンが売れようが、はたまたチャンピオンが売れようが、別に俺は損するわけでなし、どっちにしろ読んで面白ければそれでいいんだから。売れ行きとかは出版社の人たちが心配するべきことであって、読者が心配する必要なんざこれっぽっちもないのだ。
 樋口大輔「ホイッスル!」はかなり泣かせモードに入っているが、最終回近いのかなー。作:真倉翔+画:岡野剛「地獄先生ぬ〜べ〜」。ヤケクソな感じのお色気モード。岡野剛の絵ってけっこうHだなーと前から思っていたところではある。



8/23(日)……華と夢

 昨日の日記で書き忘れていたコミティア巡回予定サークル。

【雑誌】花とゆめ 9/5 No.18 白泉社
「華と夢」って書くと、なんかJUNE系かタカラヅカって感じがする。なんとなく。ホモ雑誌って感じもする。
 中条比沙也「花ざかりの君たちへ」。好きな人と一緒の学校に通いたいがため、男と偽って男子校に入学した女の子の話。現在は修学旅行編。女の子と好きな男が、露天風呂で鉢合わせちゃってドキドキーというシーンで素直にトキめく。可愛らしい絵で読んでて楽しい。新連載、高尾滋「帝都南天隊」。この人は前に見たとき(6/25に読んだ花とゆめにて)にも気になっていたのだが、やっぱりいい感じ。ヒロインの女の子の三つ編み姿がかわいい。

【雑誌】きららセーズ 9月号 秋田書店
 巻頭カラー、藤弓郷「あひるの行進」がのびのびした絵柄で楽しい。いしだわかこ「もんぜつナイン」はかなり他愛のない話なんだけど、なんか読んでしまう。野球のリトルリーグの弱小チームの監督を押しつけられた女子高生が、「このチームを試合に勝たせたら着がえをのぞかせてやる」という条件のもと、同級生の野球部員男子をコーチとして引きずり込むことに。「着がえをのぞかせる」っていうあたりがなんとも可愛らしいやね。上條淳士系、東山むつき「極上天使」はスタイリッシュでかっこいい。スミベタの部分が美しい。藤井こぴる「カメラ!カメラ!カメラ!」は安野モヨコもしくはよしもとよしとも系。二ノ宮知子系かもしれぬ。サッパリとした作風がキモチいい。

【単行本】「東京グッドバイ」 鈴木翁二 北冬書房 判型:A5
 主に70年代のガロに掲載された作品を集めたもの。この時代らしい、狭くてジメジメした薄暗い安アパートって雰囲気の大学生的青春譚と、それよりも前の少年時代のお話。実際に俺がその時代に青春を送ったわけではないのだが、朴訥な線がノスタルジーを醸し出す。正直なところ、現在の人にとって必読ってわけではないと思うけれど、この時代の鬱屈とした雰囲気に浸りたい人はどうぞって感じ。



8/22(土)……ログカタヤマノボレ

 コミティアカタログを買ってくる。っていうか兄貴に買ってきてもらう。正直なところ、今回はコミティアが8月30日、お座敷&展示中心イベントのコミティアXが9月6日と、俺の仕事が忙しい時期にかなりカブっているので行けるかどうか分からない。でも予定としては根性で行くつもり。とはいえ、今回のコミティアはコミケと時期的に近いせいか参加サークル数が少ないので収穫はいつもより少ないと思う。でも11月のコミティアは2000サークルとか言ってるのでちょっと戦々恐々。
 コミティアに参加するサークルの人で、このページをご覧いただいている人のうち、「こら、しばた。いつも好き勝手いいやがって。ちょっとツラ出せやオラ」という方がいらっしゃいましたら、掲示板かメールでサークルスペースとサークル名をご連絡下さい。無事コミティアに行けたら顔出しますんで。
 ちなみに、8月30日は以下のサークルは確実に本を買うと思われる。まあどっちみち、サークル数もそう多くないし、全部回ることは回るけど。

【雑誌】フラミンゴ 10月号 三和出版
 今回も凶悪だけど、中でもウサギの月「Bi.t.ch」がナンバーワン。さらってきた女の子をアイドルそっくりに整形手術し売春させていた組織を告発した女性アナウンサーが、ミイラ取りがミイラになって拉致される。そこで彼女が人体改造を施されるのだが、肥大して長大になったクリトリスに、カメレオンのように長く引き伸ばされた舌をからめさせられ、両手両足は切断という状態に。さらに彼女の先輩は切断された両手足の部分にロバのような足をつけられ、顔は肛門部分に移植された「ビッチ」という生物に改造されているという鬼畜ぶり。うえ〜って感じの素晴らしさ。これからもやってくれそうな新鋭。
 蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」は、乙女チックでセンチメンタルな展開。人体改造されたイカれたキャラなのに、こういう乙女チックなことをやるあたりのナチュラルさ、キャラクターに対する愛情が魅力の一つだ。駕籠真太郎「フィリピン大攻防戦」は、いつもの人体改造戦車モノ。一貫して無説明でこの世界観を作り上げていくところがさすがって感じ。三和出版でも東京三世社でもどこでもいいから、単行本出してくれないかなあ……っていつもいってることだけど、本当に切望してるのだ。
「おめでた」(町野変丸)。この人はどこで描いても全然変わらない。今回は見開きの右側が全部1ページブチ抜きという構成がずっと続く。町野変丸って、こういうページの使い方などの表現にはかなり自覚的な感じがする。北原武志「FRIENDS」は相変わらず唾臭くて陰湿でツーンとくる。いいなあ。この作品もぜひ単行本にまとまってほしい。それから白井薫範「笑ってぶたぱん」。毎度毎度、ホンットーに濃いっ。今回の作品は調教される主人公が最初っからイヤがってないもんなあ。すごすぎ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/3 No.39 秋田書店
「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。さらに明らかにされるバロン・ゴングの出生の秘密……なんだけど、今回はスゴイなあ。主人公がこんな形の胎児だったなんて……。かなり笑った。馬場民雄「大介ゴール!」。喧嘩してイレブン全員がかなり戦闘的に。次号以降反撃の予感。

【単行本】「ナイショのひみこさん」全2巻 魚戸おさむ 講談社 判型:B6
 名古屋にあるナゾの名家、駄我家(だがや)家のひみこさんと、ひみこさんと結婚して婿養子となった是又福助さんの「ナイショですよ」な夫婦生活を描いたお話。駄我家家には代々女性が相続することになっていて、家長の女性は謎の蔵から謎のお役立ちアイテムを取り出してきては問題を解決する。ほのぼのとしていながら、非常に妙なノリが楽しい作品。謎のアイテムの出所も「ナイショですよ」、なぜ駄我家家にはヘンな風習があるのかも「ナイショですよ」。「巨乳ぅ〜」というヘンな擬音とか、すっ頓狂な展開とか、馬鹿馬鹿しいノリが最高。

【単行本】「変體累ヶ淵NAKED」3巻 作:杉元伶一+画:米餅昭彦 講談社 判型:B6
 最初のほうはとくに、異常なまでに濃くてわけの分からない展開がすごくよかったのだが、後半はまとめに入っちゃった感じで中途半端。前半は気に入っていただけにちょっと残念な作品。米餅昭彦(なめぞう)には期待しているので、これからもどこかで作品を発表し続けていってほしいもの。

【単行本】「ブル田さん」5巻 作:高橋三千綱+画:きくち正太 講談社 判型:B6
 つい先日、無念の打ち切りを迎えた「ブル田さん」。この巻はダメ外人といわれていたヒルトンの変身と、新キャラクターで未来の大器である高校生、宮本竜馬の登場。終わり方は中途半端になっちゃったけど、それでもここまで見せてくれた数々のホームランは印象深いかっちょよさがあった。「終わり良ければすべて良し」とはいうものの、終わりが良くないからといってすべてがダメってわけでもない。過程を楽しませてくれたというだけでも感謝したい。

【単行本】「ヨリが跳ぶ」14巻 ヒラマツ・ミノル 講談社 判型:B6
 ヨリが高校を卒業し、Vリーグ前最後の試合、モンテル戦に突入。この巻は決戦前のインターバル。次巻はかなり面白かったあたりのはずなので今から楽しみ。



8/21(金)……反町くんにも彼女がいない

【雑誌】Judy 8/25 No.14 小学館
 ちょっとオバサンくさげなレディス系。創刊15周年記念特別読切として、須藤真澄が描いていたので購入。今回の「椰子の木時計」は、最近よく見かける日記漫画でなくて、昔の短編みたいなファンタジックなお話。日記漫画もいいけど、俺はこういう須藤真澄を読みたかったんだよう。やっぱり日常よりも非日常っすよ。ほかでは本山理咲「Mr.hoo・doo」が絵的に好み。太くてのどかな感じの線が和む。それから池田さとみ「適齢期の歩き方」は均一な線を束ねた感じの、シンプルで雰囲気のある絵柄でわりといい。

【雑誌】コミックドルフィン 10月号 司書房
 今月も実用的。紙質の悪さとか、フーゾク系の露骨な広告とか、かなりのB級感が漂う。そういう猥雑な感じがけっこう好き。
 巻頭カラー、草津てるにょ「夏の終りに」。話はわりとどうでもいいんだが、オイルを塗ったみたいにテラテラしたおっぱいがぷるんぷるんと揺れていやらしい。ヌルヌルテラテラは大好きだ。田嶋安恵「お伽話の交響曲」。毎度、線が細くて美しい。それでいて豊満な感じで実用性はしっかり確保。実用系では最近お気に入り、みやびつづるの「艶母」。今回はついに息子が義母を堕として野望達成。で第一部・完。脂ののった身体つき、ねばっこい体液、う〜ん、いやらしい。それからこっちもお気に入り。KASHIみちのく「凄乳(カミカゼ)」。彼氏をつなぎとめるために乳を大きくしたい女の子が、なぜか気孔術の達人であるバイト先の店長の力で乳を大きくしてもらい、そのお礼に店長とやりまくるという話。ものすごく無邪気で楽しげな作風とねばねばした体液、馬鹿っぽいネーム。読んでて楽しいんだけど、実用性もある。

【単行本】「バロン・ゴング・バトル」3巻 田口雅之 秋田書店 判型:新書判
 オスマンでも紹介したが、豪快でダイナミックで、セクシーで面白い。とくに女刑事から転身したシンディが色っぽくて、それでいて健気で燃える。強くてかっこよくて、きっぷがよく、金もあり女にもモテモテ。男の夢ここにあり。コウイウ男ニ私はナリタイ。セリフもアツくていい。カバー見返しの部分の作者の言葉もよかった。以下引用。

漫画ばかりの生活を始めて8年。
学生の時に鍛えた身体は、日に日に貧弱になっていくのだ。
それでも残りの人生約40年、大好きな漫画に捧げていたいと思うのだ。

 う〜ん、アツいね!男だね!

【単行本】「東洋妖人伝 用神坊」5巻 いとう杏六 秋田書店 判型:新書判
 いつもキッチリとオチをつけて、鮮やかに読ませる。キャラクターたちの濃い表情がオーバーで楽しい。

【単行本】「なるたる」1巻 鬼頭莫宏 講談社 判型:B6
 現代を舞台に、「竜の子」と呼ばれるナゾの生命体をめぐって起こる戦いを描く作品……だと思う。これからの展開を見てみないと断言できない部分はあるけど。「ホシ丸」と呼ばれる、ちょっと愛敬のある竜の子に乗って、ヒロイン・シイナが空を飛ぶシーンの浮遊感がキモチいい。

【単行本】「反町くんには彼女がいない」6巻 有川祐 講談社 判型:B6
 最終巻。いやー、非常に面白かった。ただ、この漫画ってどのように面白いのかを説明するのが難しい。ちょっぴりヘンで、薄ら寒く、薄ら和やかに淡々と過ぎていく学生たちの生活を描いているのだが、どこが面白いのかというとすごく表現しにくい。どのエピソードも各所各所が、「そっけなくて退屈そうでつまらなそうな面白さ」とでもいうべきものに満ちている。実にさりげなく、キザでなく、格好悪くもなく、まるで当然のことであるかのようにミステリアスなことや、ファンタジックなことやロマンチックな出来事が小規模に起こっては終わっていく。笑わせるつもりでもないのに、真顔で妙に面白いことをいう人のような漫画。
 なお、この巻には未発表作品、藤先くん、剣人くん、セッちゃんの昔の話が収録されている。たぶん本連載より前に描かれたものだと思うけど、本連載よりも線がクッキリハッキリしててちょっとヘンな感じ。ノリは本編と変わらず。


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