2007年10月中旬


10/19(金)10/20(土)……湧いてる泥渦

【雑誌】別冊ヤングマガジン 11/1 No.24 講談社 B5中

 新連載、作:寺門ジモン+画:刃森尊「ネイチャージモン」が開始。お笑いグループ「ダチョウ倶楽部」の中で一番目立たない男・寺門ジモンと一緒に、自然のレポートをするといった感じの漫画。1回めはオオクワガタ獲りを通して、その生息域がだんだん失われていっていることについてなどを描く。笑いありだけどところどころマジという感じの内容でまあまあ。とりあえず刃森尊がいつものアレ以外にチャレンジするというのは、作家的には悪くないのでは。

 「みたむらくん」のえりちんが初登場。「巣喰う神様」。「ドリチンさん」として崇められている町の神様の像(ビリケンさんがモデル)から、お供えや賽銭をくすねて生活しているおっちゃんが、ドリチンさんの代わりに人々の願いをちょっとずつかなえてまわるというドタバタコメディ。ちょっとしたお色気あり、泥臭いギャグありで、ヤンマガ系でも違和感なし。まあすごい笑えるって感じではないけど、手堅くまとまってはいる。

 ぢたま(某)「Kiss×sis」。今回はお姉ちゃん同士をからませてきた。弟くんの部屋に入ってエロ本を発見した二人が欲情しちゃって……というお話。エロっちいシーンに関しては、回を重ねるごとにエスカレートしてますなあ。新井英樹「RIN」。立石との試合がいよいよ開始。ようやくボクシングシーンになった〜。これまでの調整期間はボロボロだったリンだけど、試合に入るとやはりスゴいしカッコイイ。それに対して立石のほうは泥仕合に持ち込むほか術なし。ベビーフェイスとヒールの役回りは逆だけど、内藤と亀田大毅の試合を思い出しましたな。

【雑誌】COMICリュウ 12月号 徳間書店 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 平とじにリニューアルして2冊めだけど、だいぶ良くなってきた感じがします。まあごく単純にいうと、絵の達者な新鋭の人が増えた。中とじから平とじに変えて、よりマニアックな方向に振ってきた分、雑誌全体の方向性が定まったかなという印象。アワーズとかに近いノリ。まあやっぱりこういう路線でやっていくほかないんじゃないですかねえ。

 それでまず新登場の読切、アントンシク「リチュアル」。子供のときはずっとベッタリだが、成長するとともに微妙な距離を置くようになった双子の姉弟の物語。お互い彼氏彼女は別にいるものの、他者との触れ合いは二人に違和感を感じさせる。アントンシクは幻冬舎コミックスのほうで「ガゴゼ」を出している新鋭作家だけれども、キレの良い描線が美しく、しっとりした雰囲気作りも良好。そして線に色気があるのがいい。官能的な味わいがお話の中で生きてます。この人は目の描き方がいいですねえ。

 横尾公敏「ロボット残党兵」は読切から連載に昇格。自らの体をロボットに改造した兵士たちのもの哀しい生き様を描いた物語。黒々としたタッチが力強く、お話のほうもしっかり読ませようという意欲が感じられる。なかなかの実力者という雰囲気が漂う。西川魯介も新連載。「ヴンダーカンマー」。軍隊において特殊な兵器を製造する部隊で展開されるドタバタギャグといったところ。西川魯介はしばらく雑誌では休んでたけど、最近またちょこちょこ活動するようになってきましたね。

 それからこの雑誌の中でとくに気に入っている坂木原レム「モンスターキネマトグラフ」。興奮すると巨大怪獣に変身してしまう女性・マミヤさんの日常を、ちょっと切なく、暖かく描いていく物語。設定は特異でぶっ飛んでいるけれども、それでいながらお話がしみじみしてて、情感細やかなのがとても良い。絵にも落ち着きがあり、読ませる作品となっている。釣巻和「くおんの森」、ナヲコ「なずなのねいろ」はともに連載2回め。釣巻和はシャープな線がカッコイイし、ナヲコのほうは三味線少女をかわいく描いててトキメキがある。

 あとこの号から、安彦良和「麗島夢譚」が掲載再開。間がかなり空いてしまったのでまだあんまりピンと来てないが、ビッグネームが部数を引っ張ってくれれば……と思う。ていうか表紙でもう少しデカデカと連載再開をうたっても良かったんじゃないですかねえ。

【雑誌】チャンピオンRED 12月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「ベクター・ケース・ファイル」。なんかことあるごとに裸シーンを入れてくるので油断がならない。今回は稲穂のおともだちが畳で寝っ転がるのが好きとかいってるシーンで、意味もなくイメージカットに裸を使用。こういうむりやりなお色気は、正直なところ好き。下手にお色気シーンに必然性を持たそうとしていないところが潔くていい。

 読切、FLIPFLOPs「大凶ちゃんとしあわせな世界」。すごくツイていない女の子が引っ越した先のアパートに、死神少女が住みついて、というドタバタコメディ読切。萌え系のかわいい絵柄で軽い内容。まずまず楽しい。二ノ瀬康徳「ヘクセン=リッター 魔女の騎士」は今回も無駄にエロっちいなあ。女装させられて魔女にいいようにこき使われている主人公騎士が、今回は海辺でエロい目に遭う。触手責めももりもりされてるし。絵的にはちょい未整理で垢抜けないところもあるけど、インパクトはあるんでええんでないでしょうか。

【雑誌】月刊サンデーGX 11月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 高橋慶太郎「ヨルムンガンド」が巻頭。アクションが激しく、キャラクターの喜怒哀楽が激しくて読んでて楽しい。この雑誌には、同じように武器をガンガン使いまくったアクションものとして「BLACK LAGOON」もあるけど、個人的には「ヨルムンガンド」のほうが好きだなあ。

 陽気婢「眠れる惑星」は最終回。ラストは静かで切なく甘い終わり方。世界中の人々が眠りについてしまい、主人公少年とエッチした女の子だけ眠りから覚めるという不思議な状況で展開される物語だったが、けっこう読みごたえもあったし面白かった。陽気婢はこれまで、長編はちょっと弱いところのある作家さんだったけど、これはかなりうまくまとまった部類じゃないでしょうか。

【雑誌】月刊ヤングキング 12月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 たまきちひろが初登場新連載「フールオンザロック」。ギターが大好きだけど、かつてのバンド仲間から外されたことがトラウマとなって、ギターを諦めかけていた少年・星野が主人公。ギターをやめるとともに周囲に心を閉ざすようになっていた星野だが、バイオリンを弾くクラスメートに刺激され、再び情熱を取り戻す……という第1話。まだどんな感じになるかは分からないけど、まず1話めは青臭いアツさがあって好印象。今後にも期待。

 本井広海+本澤友一郎「すてんばいみ〜!」。さくらが都会の学校でイジメられる原因となった、身体的な秘密がバレそうになって混迷の展開。お話的にはクライマックス直前で、次号が最終回なんだけど、ここに来て作画がちょい荒れ気味に見えるのは残念。

【雑誌】ウルトラジャンプ 11月号 集英社 B5平 [Amzn]

 シヒラ竜也「D-D」の2話めが掲載。四肢が切断された、いわゆる「ダルマ女」をめぐる物語を展開。流麗で達者な絵柄の持ち主で、色っぽさのある作画が印象的。エロ系でも描いていた人だけど、画力的には十分こっちでも通用するものがあるんで、お話さえ工夫すれば活躍できそう。

 読切、F4U「文化部をいくつか」。この人もコミックメガストアなどでときどき描いていて注目していた人。かわいい声で全校的に人気のある放送部の女の子をめぐるお話。その人気ぶりが気にくわない先輩女子が、生放送中の彼女に悪戯をしかけてくるが……という内容。百合系やエロ系のテイストを盛り込んで、混沌とした面白さがある。基本萌え系ながら、広すぎなおでことか、局所局所でデフォルメを強く効かせた画風が特徴的。なかなか面白い絵を描く人だし、エロさも十分。多少画面作りがゴチャゴチャした作風だが、ちょっとクセが強いところもこの人ならではの味だと思うんで、今後どういう方向に持っていくかはちょっと難しいかも。個人的にはあまりあっさりさせないで欲しいとこですが。

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 11/20 Vol.60 集英社 B5中

 武富智「この恋は実らない」の特別編が掲載。本誌のほうでは不完全燃焼気味な最終回だったけど、この特別編できれいに締めくくり。ここまで読んで、ようやくおしまいって感じですな。なお最終第3巻は11月19日発売予定[Amzn]。水無月すう「SEVEN OCEAN」。だいぶお話がこなれて楽しくなってきている。海洋冒険モノだけどドタバタギャグがけっこう楽しい。水着女子もしっかりかわいいし。

【雑誌】コミック電撃大王 12月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 あらきかなお「乙女はお姉さまに恋してる」。今回は由佳里を中心にハンバーグ作り。みんなで楽しくお料理やっててすごくほのぼの。あんまり恋愛方面は関係ない回だったけど、こういうのんびりしたのも良い。なおページ数は8Pと短め。高木信孝「でじぱら」。今回は薄型テレビのトレンド最前線をレポート。自分はパソコンのほうはそれなりにやってるけど、映像関係はAV関係はちょい疎いところがあるんで、なるほどなーとか思いつつ読んでます。まあ調べれば分かる話ではあるんだけど、いわれてみないと調べもしないですし。この前液晶テレビ買ったときは、その時点で32インチでフルスペックハイビジョンがAQUOSしかなかったんで、とくに細かいこと調べもせずに買っちゃったしなあ。

【雑誌】コミックマーブル Vol.3 竹書房 B5中

 ちょっとだけエッチもありのヤングアニマル路線狙いの雑誌という印象だが、目玉作品が不在で、刊行ペースが遅いこともあってまだ印象は薄い。今回の巻頭カラーは、コミックバンチで「グ・ラ・メ!」を描いている大崎充の「KO-BANG!」。ハチャメチャ婦警コンビが逮捕しちゃうぞ的漫画。まあ手堅くはあるけど、既視感はあるかな。

 竹下けんじろう「あまガミ」は2話め。転校生少年の前に当然現れた女神様がそのままクラスメートとなり、さらに主人公の家(キャンピングカー)に転がりこんできて……というドタバタコメディ。軽いノリでラブコメとかもやってきそうでまずまず。とりあえず元気が良く雑誌の中では目立つ。888「お嬢様的な彼女」。バリバリのお嬢様が担任教師に夢中で、学校でもアタックをかけまくってくるというお話。ヒロインさんがかわいく、華やかな絵柄は見映えがする。

【雑誌】コミデジ+ Vol.10 SBCr B5平 [Amzn]

 コゲどんぼ「デ・ジ・キャラット」。リニューアルして4話めになり、ようやくうさだが登場してきた。やっぱみんな揃ってわいわいやってこそ「デ・ジ・キャラット」だなあという感じなんで、役者が揃ってだいぶ楽しくなってきた。征海未亜「恋きゅー♥」。これまでキューピッドとして頑張ってきたあいの秘密が明かされ、けっこうシリアスな展開。厳しい状況になりつつも、あいは頑張っており、しみじみさせるものはある。あとおまけ4コマの「みにきゅー★」も、なぜか16Pもあってやけに頑張ってる印象。

【雑誌】百合姫 VOL.10 一迅社 B5平 [Amzn]

 乙ひよりの新連載「クローバー」。お堅いお嬢様学校に転向してきた、ちょい派手めでマイペースな女の子・桜井さんと、学級委員の橘さんのお話から物語はスタート。クラスから浮きがちな桜井さんだが、橘さんとはなんだかウマが合い、じょじょに仲良くなっていく。その様子が微笑ましくてかわいらしい。この人の作風はゆったりしてて暖かで、毎回読んでて楽しい。なお扉のところには「四姉妹の恋と友情」がなんたらかんたらとか書いてある。桜井さんと橘さんは当然姉妹ではないので、どちらかの姉なり妹なりもこれから出てくるんでしょう。

 森島明子「20娘×30乙女」はタイトルどおりな内容。美大予備校講師をやってる30歳・圭子が、生徒である20歳笑美に告られてつき合い始める……という内容。明るめのお話でほのぼのかわいく、トキメキも十分。タカハシマコ「蜘蛛の糸」。8Pと短いながら、友人女子を想うヒロインの心が切なく描けていて、短編上手だなーとしみじみ。

 金田一蓮十郎「マーメイドライン」。性同一性障害で普段から女装している竜之介と、その理解者で恋人でもあるあゆみの物語。百合のお話を描くにしてもひとひねり入れてくるところがさすが。お話の転がし方も巧みで、しっかり面白いです。単行本は2008年2月18日発売予定とのこと。

【アンソロジー】百合姫Wildrose 一迅社 A5平 [bk1][Amzn]

 百合姫から派生した、ちょいエッチありのアンソロジー。執筆陣は宮下キツネ、水野透子、三国ハヂメ、CHI-RAN、森島明子、城之内寧々、時津風おとは、南崎いく、速瀬羽柴。まあそこそこではあるんだけど、百合姫本誌と比べるとヌルめでキレ味に欠ける印象。これは別に「エロありだから」というわけではなく、個々の作品の尖鋭度の問題かなあ。掲載陣の中で個人的にわりといいかなーと思ったのは森島明子「女の子合わせ」あたり。かわいく、ふわふわやらかそうな絵柄が魅力。


10/16(火)10/17(水)10/18(木)……ポッパッピー

▼10月開始のアニメ新番組の感想後半。今季は本数絞る方針と決めていたので、今回書いた分の作品については、けっこうバッサバッサ切りました。基本的に「原作の漫画を読んでればOK」と思えたものについてはわりと切っちゃってます。今はあんまり本数たくさんは追っかけられる余裕もないし。

ef - a tale of memories.[Amzn]
漫画のほうは読んでます。いくらか修羅場チックなところもある学園ラブストーリーといった感じの作品。作画的にはまずまずレベル。変則的な構図取りや画面構成はなかなか面白い。それが物語の面白さにつながるかというとそこはまだこれからだけど。二つの物語を並行して進めていく構成は、初見の人にはちょっととっつきづらいかも。とはいえ見せ方に工夫のある作品だし、とりあえずは継続。

みなみけ[Amzn]
3姉妹ドタバタコメディ。かわいい姉妹がアホなことやってる様子は目に楽しく、ほのぼのまったり感もある。作画的にも上々。安定感のある日常コメディって感じで、物語的な盛り上がりとかはなさそうなんで、まあ余裕があればという感じでいちおう継続。

逆境無頼カイジ
よくできてると思います。演出がうまくて緊張感がしっかり出ている。作画がどうのこうのいうタイプの作品じゃないし、問題なく行きそう。ただ前述のとおり、あまり時間的余裕がないので、惜しいとは思いつつも視聴中断しちゃいました。

魔人探偵脳噛ネウロ[Amzn]
こちらもけっこうよく出来てると思う。ヒロインの弥子もかわいく描けているし、安定感を感じさせる出来映え。ただこれも「カイジ」と同じ理由で視聴中断。

もやしもん[Amzn]
当初は「アニメ向きでないかな?」と思ったけど、そこかしこで動き回る菌をかなりかわいく描いてて面白い。でもまあこれも物語的にガッツンガッツン見せるってタイプでもないし原作読んでるから……という理由で中断。

ご愁傷さま二ノ宮くん[Amzn]
1話は見た。サキュバス娘と同居して、サービスシーンもりもりなハーレムラブコメといった印象。作品の雰囲気としては、ヒロインの髪型もあって「GIRLSブラボー」を想起。ただこの手の女の子もりもり型作品にしては、作画レベルがもう一つかなという感じもした。嫌いなタイプの作品ではないんだけど、本数を絞る方針もあって中断。

しおんの王[Amzn]
原作よりもずいぶんベッタリした感じの塗りにしてきたなあ……というのが最初の印象。原作の大きな魅力であった透明感のある雰囲気はなく、かなり違和感があった。「原作と違う」というのは抜きにしても、あまり作画レベルは高いほうじゃないし、期待薄かなと思って中断。

もっけ[Amzn]
こちらも絵作りが原作とだいぶ異なる雰囲気。悪いというほどではないが、なんだか平凡な出来に思えた。とくに追っかける必要もないかなと判断して1話でおしまいに。

PRISM ARK[Amzn]
ラブコメ+剣と魔法のファンタジーといった感じかな。1話めは、現在の話と過去の話がごちゃごちゃ入り混じる構成で、原作未読の人間にとっては分りづらかった。2話めからはもう少し分かりやすくなったけど。ラブコメとしてはまずまず楽しそうだし、キャラもそこそこ。ただやっぱり「ぜひとも見たい」っ感じにはならなかったので、これも視聴中断することに。

▼で、漫画の感想のほう。今日も前回の日記に続いて、10月購入分のエロ系雑誌をまとめて。発売日が日記の日付以降のものも含みます。

【雑誌】ヤングチャンピオン烈 11/25 Vol.9 秋田書店 B5中 [Amzn]

 16日分。裏次郎が初登場。タイトルは「おさなづま」ということで、この人お得意の題材。主人公の奥さんがとてもちっちゃいかわいい女の子で、ラブラブな毎日を送っているというお話。エッチシーンは描かれないけれども、設定としてはちゃんとやってることになっている。で、おさなづまな人はやっぱりとてもかわいい。また暖かくてほのぼのした雰囲気作りも良いです。この人はエッチがなくても全然いいなあ。

 みた森たつや「僕と彼女のホント」。おっぱい大好きな主人公・広樹を、幼なじみお姉さんと同級生、二人の巨乳娘が取り合うといった状況。みた森たつやらしく、相変わらずラブラブな雰囲気を濃厚にふりまいている作品だが、今回はなんかぶっとんだ展開を見せた。くだらない&思いきりの良い展開にちょっと笑った。なるほどなあ。こういう話だったのか。

 Cuvie「せかいはすべてきみのもの」。兄が妹を襲ってヤッてしまった一件以来、気まずくなってしまった二人の関係を描く。妹も実は兄が好きで……というヌルい話に持っていくかなと思ったら、けっこうシリアスでビターなままだった。さすがに兄妹ラブラブになっちゃうというのもまあ安易ではあるし(そういうのも好きですが)、たまにはこういうのもいいかな。

 あづまゆき「SCHOOLMATE」は兄にトキメキ、エッチな気分になっている妹さんの様子がなかなかエロかわいくてよろしいです。上のほうではビターなのもいいとかいってるくせに、こっちでは甘ったるい奴も好きという。我ながら実に節操がない。まあ節操があって得するわけでもないのでいいんだけど。東鉄神「夕陽の落ちる時間」。学校で主人公男子の持ち物や机などにぬるぬるした液体がつけられたり、筆記用具などが消えることが相次いでいたが、その犯人は実は……ってな内容。ヒロインの娘さんの、フェティッシュな喘ぎ顔が色っぽく、お話的にも手堅くまとめている。

 ほりほねさいぞう「鼠と竜のゲーム」。この人の作品としては大人しいほうだが、顔が少女な鼠や竜のキャの造形はやはり特異。これでごく普通と思っちゃうところがほりほねさいぞう。奴隷ジャッキー「危さん」は5話め。今回は髪の毛が盛大にロールしているろる子姫を、ロールミーロールユーとばかりにいじりまくり。相変わらず素っ頓狂でハイテンション。何を考えておるのやら……と思ってしまうムチャクチャさ加減がたまらない。あとRIKI「ププッピDO!」は相変わらずぶっ飛んでますな。4コマ漫画という意識さえほとんどないんじゃないかと思われる大胆すぎるコマ割り、強烈な中身のなさが素晴らしい。

【雑誌】快楽天 12月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 29日分。MGジョー「隣のみなの先生」。4年半にわたる長期連載だったがついに最終回。3姉妹とやりまくりでハーレム状態でずっと来て、途中その関係がいろいろもつれたりしながら、収まるところに収まって締めくくり。まあある意味、宙ぶらりんな状態なままとはいえるけれども、お話の流れからしてこうなるしかないという感じではある。何はともあれ長期連載おつかれさまでした。

 巻頭カラーは恩田チロ「ひとでなしラブ」。彼女が浮気をしてたと疑った彼氏が、おしおきに彼女をほかの男に抱かせるという人でなし行為に及ぶが……ってな話。まあやっちゃったこと自体は鬼畜といえば鬼畜なんだけど、軽いノリで後味もさっぱりした感じでまとめている。ほの甘さとむちむちしたエロスの共存する作画は相変わらず達者。エロシーン自体は尺的にはあっさりしてるけど、肉感的なんで個々のシーンは見映えがします。

 東鉄神「ずっとふたりでできるもん」。主人公の本命彼女はわりと純な感じでかわいいが、顔のわりにエロくておちんちん大好き。ぷにぷにむっちりしててエロっちい体つきでございます。宮内由香「お医者様でも草津の湯でも」。相変わらず爽やかな甘さのあるさっぱりした絵柄は好感度が高い。女友達にススんでると見られたくて、つい大口たたいちゃうけど、実はエッチ経験はないヒロインさんがけっこうかわいい。基本的に粗忽者であるところが見てて楽しいです。

 田沼雄一郎「らんなうぇいラバーズ」。同窓会で再会した二人が、大人になってからくっつくというお話。大人になってからのほろ苦さもちょいと感じさせる内容で、落ち着いた雰囲気のお話。さすがにベテランだけあってこなれた雰囲気を出してるし、漫画としても読みやすくて良かった。あと今号には、SABE「阿佐谷腐れ酢学園」の単行本化を記念して、特別編も掲載されてます。単行本未収録なんで、腐れ酢ファンは迷わずゲットだぜ。

【雑誌】COMIC LO 12月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 20日分。嶺本八美「宇宙ポリス シャバン」は第38話。といってもこれは宇宙警察モノのパロディという体裁で、初登場の前回が第37話(全39話中)から始まっていたので、漫画としては2回めとなる。宇宙警察シャバンの助手である少女エリーが、卑劣な罠によって陵辱されていく……という内容がけっこうエロっちくて良かった。10月号に掲載された前回も触手を使ったねちっこい陵辱を見せてて、個人的にもグッとくるものがあったし。ただこのシリーズはこれでおしまいで、第39話は描かれないっぽい。ちと残念。

 鬼束直「Hug Hug」。妹の友達が主人公のあんちゃんを誘惑。スッキリした絵柄ながら、膨らみかけの胸の谷間がバッチリな薄手の服が欲情をかきたてる。幼女肌のすべすべぷにぷにした感触が伝わってきそうな描き方も良いところ。かわいいけどエロさも十分あります。ねんど。「シスタードリラー」。エッチなことをさせる代わりに宿題やってと迫ってくる妹さんのお話。小悪魔っぽい感じの妹さんがかわいく、兄とのやりとりもドタバタユーモラスで読んでて楽しい。

 雨がっぱ少女群「ほたるのひかり」は、悪いことをした3人の少女に、先生が罰を与える光景を描いたもの。その3人を全裸にして目隠しをし、その前でほかの娘さんとエロ行為をして焦らすというシチュエーションがなかなかシュールで面白い。なお初単行本「小指でかきまぜて」は11月30日で発売決定[Amzn]

 裏次郎「お姉ちゃんは心配性」。かわいい弟とお姉ちゃんのエッチ。この人の作品はやはり暖かみがあっていいです。あとキャラクターの表情が豊かで、親しみが持てるのも素晴らしい点。お話的には他愛ないけど、その他愛なさが絵柄によくマッチしているし。あとはうさくん「マコちゃん絵日記」もいつもながらの和む味わいでほのぼの。

【雑誌】COMICパピポ 12月号 フランス書院 B5中 [Amzn]

 29日分。この号をもって休刊という告知がされていて、正直驚いた。1991年8月号で創刊という老舗雑誌だったけど、古株の中では健闘していたほうに思えたんで。わりと最近でもD.Pとか出てきたし、うろたんあたりもときどきしか載らないけどファンはけっこう多そうだし。休刊告知のページには「これからまた、何か新しい形でフランス書院から美少女漫画誌が刊行された時には、何卒よろしくお願い申し上げます」と書いてあるところを見ると、後継誌の予定はこの時点では決まってないっぽい。増刊のコミックレヴォリューションの扱いも気になるところだけど……。

 ここ1〜2年くらいで、パピポ、ドルフィン、ジャンボ、キャンティータイム、フラミンゴRなどが休刊、ペンギンクラブがリニューアル。自分的になじみ深かったエロ漫画雑誌が次々消えていく状況はちょいと寂しいものがあります。まあ時代の流れからすると仕方ないんでしょうけれども。とりあえずフランス書院が美少女漫画雑誌をなんも出してないという状況は物足りないので、何か新雑誌を立ち上げてもらいたいもんです。

 で、今号の内容のほう。うろたん「Newmanoid DAM」は久しぶりの登場で、第13話が掲載。今回はロリっ娘ニューマノイドのナムがエロい目に合うという内容。自分はあんまりロリでヌくほうじゃありませんが、うろたんのエロさはちんこ扱いのねちっこさ、おくち描写のうまさとかが大きな部分を占めているので、ロリでもけっこうグッと来ます。ぴとぴと貼り付くような舌使いのエロさは絶品。単行本未収録分はちゃんとまとまるんですかのう。あとお話のほうもまだ途中なんで、これもきちんとケリつけてほしいところですが。

 D.P「お金がないゆ!」は「ポコといっしょ」シリーズ。今回は10Pと短いのでエロシーンはあまりなし。ちびぽこは相変わらずかわいいですが。きみおたまこ「涙と傷みと哀しみと孤独」。にゅるにゅるした触手がいやらしい。よくあるタイプの1本1本が直径5cmくらいはありそうな触手ではなく、イソギンチャクみたいな感じの細めな触手が大量に、にょるにょる蠢いているさまがエロいなあと思った。

【雑誌】キャンドール 12/12 VOL.47 実業之日本社 B5中 [Amzn]

 29日分。中田ゆみ「奥さまは生徒会長」が最終回。ツンデレ生徒会長が、副会長である主人公の奥さまというお話。生徒会長さんがちんまりしててとてもかわいく、お話もラブラブ甘ったるくて楽しかった。西野映一「ひめゆら」は最終回の1話前。沈み行く島で繰り広げられる幼なじみたちの物語。甘ったるさと切なさの入り混じるお話がなかなか良かったけど、次号でどうまとめるかな。あとすえひろがり「花のいろ」も次号で最終回の予定。

 みこくのほまれ「とりぷるっ★」は、10年ぶりに海外から帰ってきた主人公が、以前おとなりに住んでいた幼なじみ3人と再会。そこから始まるラブラブHストーリーといった感じのお話。3号連続の続きものになる模様。きくぢん「ワスレタラ」。アクシデントによって一時的に一部の記憶を失ってしまった少年と、その彼女さんのラブラブ物語。元気の良いコミカルな絵柄で、ドタバタした展開が楽しい。彼女さんが元気良くていいですな。

 まだ子「現地集合で!?」は、「先輩熱」シリーズの5話め。一足先に合宿先の宿に着いてしまった先輩女子と後輩男子が、二人っきりの状況で結ばれちゃうというお話。エロ度はそんなでもないが、こなれたなめらかな感触の絵柄は毎回見てて心地良いものがある。小石川ふに「加納家の事情」はページ数は短く、エッチもないけどラブコメ成分が豊富で毎回楽しい。兄に片想いしている妹のゆかちゃんがかわいくて良い。

【雑誌】エンジェル倶楽部 12月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 30日分。銀欲スクリュー「キミだけに見てほしい」。幼なじみの女の子がグラビアアイドルになっちゃって、複雑な想いだった主人公が彼女と結ばれるラブラブエッチストーリー。濃い目の絵柄で甘ったるいラブコメをやってて、個人的には好印象。なお乳はかなりデカい。さすがにHG茶川ほどではないけど、双乳ともにヒロインの頭よりは大きい。

 杏二「御手紙」は巻中カラー。線のキレ味が良くて、カラーページの塗りも華やかでこの雑誌の中ではひときわ見映えのする絵柄。どちらかというと泥臭い絵柄の作品が多いエンジェル倶楽部だが、この中ではかなり今の売れセンっぽい。ドリル汁「生臭坊主は西へ西へ」は4話め。萌え系なテイストは強い絵柄だけど、エロシーンの描写のクドさはいかにもこの雑誌らしい。乳はデカすぎるくらいにデカいし、汁まみれのちんこの描写はかなりねっちょりしている。ドリル汁というペンネームにふさわしい。

 あと中華なると「女捜査官麻薬調教」は相変わらずの中華なると節って感じで面白かった。いつもながらヒヒじじいどもがええ味を出しまくり。今回はセクハラ弁護士がおねえちゃんに迫ってるシーンのセリフが最高だった。「あ゙〜結婚してくれや〜」と来た後に、「ワシゃあ事件を通じてあんたにひと目惚れしたンじゃあ」「おっぱい揉みたいから結婚してくれや な!」と来る。この照れも恥じらいもまったくない、率直すぎるほどのセリフに心打たれましたわい。

【雑誌】阿ウン 12月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 27日分。高岡基文の新連載「は〜れむ♥ちゅーん」が巻頭カラーで開始。男子校とお嬢様学校が合併することになり、その第一陣として転入してきた選りすぐりの女の子たちが、群がってくる男の子たちをはべらせてハーレム気分になってやりまくるというお話。いちおう女の子たちに主導権はあるものの、やってることは乱交というか輪姦というか。でもまあ女の子たちもみんなノリノリなんで、罪悪感とかはなく楽しめる。高岡基文はストーリー作りはうまい人じゃないけど、この設定ならお話のほうはあまり気にならないと思われる。ふんだんな巨乳、そしてたくさんのちんこがからみ合うエロシーンは相変わらずしっかりエロいので、けっこう楽しめそう。

 魔訶不思議「沙織−淫乱姉弟監禁授業」。たいへん思わせぶりなタイトルだが、中身のほうはけっこう軽いノリで他愛ない。美人だけどガサツな姉に振り回されちゃう弟さんの様子をユーモラスに描いており、コメディとしてけっこう面白い。あと森拓哉「ハニーズへようこそ!!」は、基本的にヌルめな雰囲気の絵柄ながら、ウェイトレスさんのエッチをねっちょりやっててわりとエロっちいと思った。

【雑誌】美少女的快活力 Vol.18 光彩書房 A5中 [Amzn]

 22日分。犬「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマンズ」6話め。記憶喪失になっていた深谷が記憶を取り戻し、再び藤乃とラブラブになってしまったのを目撃して、三田さんが嫉妬に胸を焦がすという展開。深谷とのつき合い自体は三田さんのほうが長いので、けっこう切ない雰囲気ではある。ただ三田さんとかを狙っている学校教師とは別に、また新キャラ登場かな?って感じなのは気がかりな点。キャラを増やしすぎると話が散漫になっちゃいそうな気が……。

 廣田眞胤「Queen In Love」。最近ちょっとクオリティ落ち気味で残念。メインの女の子絵は相変わらず独特のタッチで好きなんだけど(とくに目と眉毛の描き方とか)、エッチシーン意外の人物絵がモロに別の人が描いてるって感じになっちゃってて、全体的にすごくちぐはぐしてしまっている。好きな作家さんだけになので、完全な状態で読みたいとこですが……。あとそれとは別にそろそろ単行本も出てほしい。


10/14(日)10/15(月)……ドラ5の音

▼10月スタートアニメ新番組の感想を遅ればせながら。とりあえずまずは半分。次の日記でもう半分書きます。

BAMBOO BLADE[Amzn]
明朗快活剣道部アニメという感じで、ノリ良くまとめていてなかなか楽しい。自分は剣道は昔やっていたことがあるので、「竹刀の握り方がちょっとおかしいような……」とか、ディティールの部分が気になったりはしてしまうものの、あまり気にしないようにしてます。それを言い出すと、漫画にしろアニメにしろ剣道モノってたいてい見てらんなくなっちゃうので……。まあキャラクターが皆かわいいし、部活の様子もほのぼのしてるんでいいんじゃないでしょうか。視聴は継続で。

スケッチブック[Amzn]
こちらはまったり美術部アニメ。のんびりほわーんとしたムードが持ち味で、作画的にもそんな感じ。水彩風の風景描写にも暖かみがあるし、まずまずよくできてるんじゃないかと思います。いちおう基本的には視聴継続。「BAMBOO BLADE」と続き時間帯でもあるし。ただ、この手ののんびり系の作品はたまってくるとまとめて見るのが後回しになってしまいがちなんで、余裕がなくなってきたら諦めるかも?

キミキス pure rouge[Amzn]
ゲームはやったことがないけど東雲太郎の漫画版とかで親しんでおり、制作がJ.C.STAFFということもあって、けっこう期待していた作品。でも実際に見た感じでは可もなく不可もなくって感じかなあ。1本の物語で全部のヒロインを消化するため、男の子を複数に分散させたのがほかのバージョンと違う点。これが吉と出るか凶と出るか。あと作画が期待したよりは、もう一つヌルい出来。J.C.STAFFはけっこう作画クオリティの高いとこだけど、今季は「灼眼のシャナII」に人員を持ってかれちゃったかな? まあとりあえずラブコメとしてそこそこ楽しく華やかではあるので、視聴は継続。

素敵探偵ラビリンス
かわいい少年萌え萌えアニメといってよろしいでしょう。推理部分にはあんまり期待せず、天使的な美少年・繭樹くんのかわいさを堪能するのがよろしい。あとは彼に萌え萌えしている女の子連中の反応を楽しむと。お話的にはちと弱いところもあるし、「探偵」という要素については歯ごたえがない。とはいえショタっ子萌えで行くならさほど問題はないので視聴継続方針。

DRAGONAUT
自分はGONZO好きなので期待していた作品。ファーストインプレッションは「ウィッチブレイド」+「コードギアス」って感じですかねえ。主人公たちが、普段は人間姿で戦闘時は竜に変化する存在に乗っかって戦う。ドラスピを思い出したりもした。お話的には6話まで見たけど、なんとなくつかみづらいものがあり。設定は大きめだけど、何と何が戦ってるのかよく分らんというか……。ただ女性キャラのおっぱいは、うのまことキャラということで盛大。おっぱい成分摂取は自分にとって重要なので継続。

げんしけん2[Amzn]
第1期よりもだいぶ作画が良くなった。「くじびきアンバランス」のほうに近くなりましたね。お話のほうも、げんしけんで同人誌作ったり、大野さんが男とデキたり、荻上さんが登場したりと、第1期よりも面白めな部分が多い。第1期と同じような感じだったら見なくてもいいかなと思ってたけど、向上が見られるので今後の展開に期待して買いー。

灼眼のシャナII[Amzn]
第1期の内容を受けて、初っぱなからシャナは悠二にベタボレ状態。ツンデレは最初っからデレだともう一つになりがちなので、そこらへんはちと不安材料といえなくもないか。戦闘部分には正直興味薄だが、ラブコメ部に期待してまあとりあえずは見ます。

BLUE DROP 〜天使達の戯曲〜[Amzn]
これはけっこう面白いと思う。百合的成分をふんだんに振りまきつつ、SF的展開もやるって感じ。5話まで見た感じでは、SF分はおまけっぽい感じはしないでもないものの、女の子同士が仲良くしているさまには心華やぐものがあり。作画のほうもあまり乱れがなく、今後の展開に期待したい作品。

機動戦士ガンダム00[Amzn]
実はまだ2話までしか見てないんだけど、なんともいえぬ、という感じ。「コードギアス」的な風味でいわゆる腐女子ウケを貪欲に狙っているという印象は受ける。本筋部分については散漫とした感じではあるものの、狙い自体は分りやすいっちゃ分りやすい。芝居がかったセリフの数々が聴いててすごく気恥ずかしいが、これはこれで度重なってくると楽しくなってくるやもしれず。いちおう今のところ見続ける予定。

▼漫画感想については10月に読んだエロ漫画雑誌をまとめて。発売日は日記の日付以降のものも含みます。まずはこちらも半分ほど。

【雑誌】コミックホットミルク VOL.02 コアマガジン B5中 [Amzn]

 29日分。2号めも、前号と同様エロ漫画的には豪華なメンツで攻める。巻頭カラーは鬼ノ仁で、その後に続くカラーあり作品でけものの★「燃エロッ!!お嫁さんっ」の2話めが掲載。とにかくムチャ強だけど旦那さんにベタボレなお嫁さんが主役の、甘甘ラブラブ夫婦エッチコメディといった趣の作品。今回は二人の仲を認めようとしない、旦那のお母さんが出てきて、その目の前で子作りエッチというお話。やってるうちに母の目があるのを忘れて、エッチに没頭してしまう二人のバカップルぶりが見てて楽しい。表情の描き方も派手で華やか。やはり好みな作風です。

 松本ドリル研究所「まマまま!」。すごくかわいい美少年魔王様と、その姉である美少女魔法戦士、そして悪魔っ子が人間界で普通に生活してて、エロ行為を繰り返すドタバタ劇。元気良く、テンション高くヤリまくっていてお話として面白いし、キャラクターもよく動いてて楽しいものがある。エロもちゃんと濃い目だし。

 月野定規「真衣・リトルリトルラバー」は、嫁のいぬ間に年端も行かぬその妹さんとエッチするという内容。初々しい娘さんとのエロ模様をじっくり描写。久川ちん「面倒なんて言わないで!」は、居酒屋のトイレで先輩女子と後輩男子が結ばれる。キャラクターが顔を赤らめたときの斜線の入りっぷりがわりと特徴的な描き方。絵柄的に整っているし、最初はドタバタで始まって、ラブラブで締めるお話も好印象。

 石恵「こっちでもIROIRO」。色付きではなくモノクロ。最初は兄ぺースに乗せられてエッチしていた妹さんが、兄にメロメロになって自分からやり出すようになっちゃっている様子がなんだか微笑ましいものがあり。エロはがっつりやってるけど、ほのぼのした雰囲気もあるのが良いです。ヒヂリレイ「友ママLOVE♥」。少年が友達のお母さんとエッチ。いやー相変わらず絵はうまい。非エロ系でも描くようになって線も整理された。非エロ系では、シリウスの「魔法使いのたまごたち」、コミックアライブの「私立トアール学園2年☆組物語」が相次いで終わっちゃったけど、これは本格的にエロのほうに戻ってくるってことなんですかねえ。

 89「押入娘」は商業誌初登場とのことだけど、初っぱなから十分うまいなあ。主人公の部屋の押入から、突然現れた女の子。彼女はその隣に住んでる男性教師と関係があったのだが、安アパートの押入は板1枚外すと行き来できるようになっていて、それがきっかけで二人の関係が始まる。ボリューム感のある肉体描写と、黒目が大きめな女の子の表情が良好。またところどころにカケアミを使った、暖かみのある画面作りも良いなと思いました。

【執筆陣】鬼ノ仁、けものの★、木静謙二、おかのはじめ、おりもとみまな、松本ドリル研究所、月野定規、レオパルド、久川ちん、石恵、ヒヂリレイ、玄鉄絢、如月群真、天太郎、流一本、ぷよん、89

【雑誌】コミックメガストア 12月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 17日分。初登場、不透りょうこ「嘘ばっか」。好きだった幼なじみの葬式帰りで飲んだくれて道端で座り込んでいた男を、身勝手な彼氏の振る舞いにブルーな気持ちになっていた女生徒さんが癒すという短編。基本的にはすっきりした絵柄で、センチメンタルな雰囲気も出せる人だが、エロシーンもまずまず。線的にはゴリゴリ描き込むタイプじゃなく、いくらかアッサリした線だけど、肉の質感、接合部などからは艶めかしさを感じさせる。すごく実用的ってほどではないけど、お話も作れそうなタイプだし悪くないです。

 マイノリティ「ラブ・ハンディホン2」。ツンデレ生徒会長女子と、書記の後輩男子が生徒会質でみっちりラブラブエロス。相変わらずマイノリティの描くキャラはファッションが特殊。ニーソの一番上の部分にデッカいリボンがついてたり、上着の肩の部分に鋲打ちされたみたいな飾りが付いてたり。そのほかの描写も全体に装飾過剰でクドいのだが、それが甘ったるい濃厚なストーリーと絶妙にマッチ。やっぱ特異な作風だと思います。

 みた森たつや「わらって!桃子センセ」。好きな相手に対してつい怖い顔をしてしまう女教師さんと、彼女の片想い相手である男子生徒のラブラブエッチ漫画。愛情表現が濃密で、その高まりとともにエロシーンもクライマックスへと登り詰めていく作風はいつもながらの味わい。甘ったるくてエロくもあってきっちり。

 鰻丸「スタンプカード」。田舎町にある小さな商店の女店長さんは、スタンプカードがたまるとやらせてくれる、ちょいとエッチなお姉さん。線がハッキリした見映えのする絵柄でばいんばいんとエロ行為をキメる。お姉さんの艶めかしい目の光もよろし。トッド小山田「おもいっきりプリンセス」は、姉弟モノの作品。DISTANCEみたいな感じの派手さを感じさせる絵柄。まだどことなくこなれてない感じもするものの、顔を大きめに描いてるのがわりといいかなーと思った。キャラの表情が印象に残るので。

【雑誌】快楽天BEAST 11月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 13日分。むらろ「やった女は殺人犯」。クリーニング屋にいきなり入ってきた、血まみれの服を着て包丁を持った人妻風の女性。彼女がいきなり主人公にからんできて、そこから訳も分からずエッチになだれ込んでしまう……というお話。おどろおどろしい出だしのわりに、お話はけっこう軽いノリ。シャープな描線だけれども色っぽい絵柄で、きっちりまとまっている。

 ハ十八良「しんくろないず」。温泉宿で、双子兄弟と双子姉妹の兄姉、弟妹がそれぞれエッチしちゃうという内容。肉付きのいい明るい雰囲気の絵柄が魅力的。キャラクターの表情も親しみやすくてイイです。ねこまたなおみ「てのひらの上の未来」。部活の後輩女子が、先輩男子に迫っちゃう。可憐なルックスの後輩女子がなかなか。基本は品の良い絵柄だけれども、肉感はむっちり。

 久遠みちよし「初妹」。父母の再婚で兄妹になった二人のお話。大きなおめめで熱っぽい顔した妹さんが甘ったるい雰囲気を漂わせてるのが印象的。これもラブコメ的になかなかええ感じなんじゃないかと思います。

【雑誌】失楽天 11/15 ワニマガジン B5平

 17日分。いーむす・アキとMON-MONの再録系特集号。いーむす・アキについては、河童娘と人間のお兄ちゃんのラブラブHコメディである「妖怪発情記」を中心に掲載。つやつやぷにぷにしたいーむす・アキの絵柄は、甘やかでエロ度もちゃんとあって華やか。ガツガツ濃いエロスからしっとり艶めかしい奴、それからコメディもこなせるというわけで作風は幅広い。美少女系のエロならどの雑誌でもイケそうなタイプという感じがします。

 MON-MONについては、昔キャンディータイムの表紙を描いていたころの印象が個人的には根強いんだけど、今ではすっかり濃い劇画調の絵柄になっている。この変わりっぷりはけっこう凄いよなーと見るたびに思う。あとこの二人のほかには、ハ十八良、刻江尋人、フエタキシ、武零人の作品も1本ずつ掲載されている。

【雑誌】comic天魔 11月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 13日分。柚木’N「ロッテンマイヤーに夜露死苦」。不良も一目置くほどの硬派女子が、親のせいでメイド喫茶のバイトをやることに。で、そこにやってきた同じ学校のオタク男にバイトのことを言い触らされまいと、エッチで口止めに走る……という内容。別にオタク連中は言い触らしたりしそうにない無害な奴揃いだけど、勘違いして暴走しちゃうヒロインさんの様子が愉快。あとその後に恥ずかしがったりしてる様子はちょいとかわいくもあり。

 G・チョク「お嬢様にお・ま・か・せ!!」。天魔に初登場。勘違い系の天然ツンデレお嬢様が、クラスでは目立たなかった少年と勘違いエッチ。阿呆なお嬢様の様子はまずまず楽しい。湊谷俊作「あの頃のMを探して」も初登場。つやつや感のある絵柄は相変わらずキャッチーで、パッと目を引くものがある。あと大和川の連載「Witch craft」は7話めでだいぶ佳境を迎えてきたって感じ。あと2話くらいで決着つけて単行本化って感じかな?

【雑誌】COMIC RIN 11月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 16日分。草野紅壱「恋愛とセックスと僕と彼女」。ツンデレだなあ。告白してきた幼なじみ彼氏のことが大好きであることを認めたくないけど、完全にベタボレ状態なヒロインさんがかわいい。彼がほかの女子と話してるのを見て、ついヤキモチ焼いちゃったりするあたり、微笑ましいものがある。猫玄「保健室にて調教中♥」。保健室登校な小学生女子が、御主人様としてロリコンな保険医さんとエッチしてるという内容。頭におだんごを2個つけた、ロリロリ娘さんが生意気だけどしっかりカワイイ。安定感抜群の手堅い仕事。

 関谷あさみ「YOUR DOG」は9話め。お話としてはこれでおしまいかな。ロリもののエロビデオを撮影している兄ちゃんと、彼のことを慕っているそのモデルの女の子の物語。性的に搾取されつつも、お兄さんの優しさに惚れてしまう娘さんの想いがけっこう切なく描かれていたが、ラストはけっこう暖かく締めくくり。きれいにまとめたといえるんじゃないでしょうか。これは単行本でまとめて読み返したいところ。

【雑誌】少女天国 12月号 ヒット出版社 A5平 [Amzn]

 18日分。ゴージャス宝田「REC?」が巻頭カラー。エッチしているのが親バレしちゃって別居することになったけど、やはり会うのをやめられないでいる兄妹の物語。罪悪感に縛られているという感じはさほどなく、二人が甘ったるくラブラブしているのが心地よい作品。ゴージャス宝田にしては普通な部類の作品ではあるが、妹ちゃんはかわいいしきっちり読ます。

 犬星「魔法少女みんとII」。チャイナ系の悪魔っ娘のスゥがカワイイ。スク水ライクな衣装がなかなか。お話的にはまあそこそこって感じだけど、絵柄の完成度の高さは相変わらず。大川田ナン「仲良きことは?!」。兄妹モノ。女の子たちのキョロリとした感じのおめめの描き方に独特の風味があってわりと気になる絵柄。

【雑誌】メンズヤングスペシャル雷 Volume04 双葉社 B5中

 19日分。けろりん「ラブフール」。以前から片想いだった従姉妹とエッチした主人公が、それまでつき合っていた彼女と別れようとするも、彼女のほうは彼にぞっこんであり……という展開。キレが良くてしなやかな絵柄はいつもながら見ていて気持ちがイイ。カラーがうまい人だけどモノクロもこれはこれでいいですね。

 大朋めがね「Wednesday」。スッキリした品の良い絵柄は、エロちいことを描きつつも切ない雰囲気を醸し出す。とはいえお話のほうは後味がほんのり甘くて爽やか。実用的というわけではないけれども、達者で目を惹く作家さん。むつきつとむ「ひめごと姫」。学校ではガチガチの優等生な美少女が、実は夜の町ではビッチに変身してるのを主人公が目撃して、そこからエッチに移行。ビッチ姿のほうについてはあんまりそそられないものの、普段のめがねっ娘優等生バージョンはなかなかかわいい。

 ポニーR「正しいお金の稼ぎ方」は、金欠な彼女がエッチのたびに彼氏からお金を取るとか言い出して……というドタバタHコメディ。この人のぷにぷにむちむちした絵柄はけっこう好き。ちんこ描写とかは修正を意識してすごくのっぺり、粘土の棒みたいな感じだけど、舌づかいの描写とかがけっこうねちっこくていやらしいのが長所。おっぱいとかもやらかそうに描かれていてええです。


10/13(土)……凜花ネーション

▼これ書いてるのは11月6日です。OHP月極アンケートの2007年11月分は季節外れな感じもしますが、「海に関連した漫画」にしてみました。ちょっと変わったテーマかもしれませんが、海洋冒険譚から漁師・釣りモノ、海の生物系など、海を舞台にした、あるいは関係の深い作品はさまざまあろうかと思います。まあ以前宇宙モノとかもやってるんで、「うみまんってのもアリじゃなかろうかー」とか思ってやってみることにしました。よろしくお願いします。

 あと10月分の「泣ける漫画」については締め切らせていただきました。1位はこうの史代「夕凪の街・桜の国」。これはけっこう納得行くんじゃないでしょうか。10月は更新が遅れっぱなしだったこともあって、サイトへのアクセス数も多くなく、全体の投票数が少なくなってしまったかなあというところもありまして、いろいろ反省してます。11月も更新遅れてますが、これからはもう少しちゃんとします。言い訳ばかり、そして有限不実行ばかりですみません。

▼11月の単行本購入予定。データはまんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

 11月では、かがみふみを「まちまち」、木村紺「巨娘」、左菱虚秋「ガンオタの女」あたりが楽しみ。あとエロでは、雨がっぱ少女群「小指でかきまぜて」が注目。それからゴージャス宝田「絶体絶命教室」が出るのはうれしい。たぶん「クラッシュ!」を収録してるんでしょうな。あとは以前フラッパーで描いていた谷澤史紀と同一人物じゃないかなあと思われる、葉雨たにしの初単行本も個人的には待望の1冊。

▼2007年11月単行本購入スケジュール
11/5 「お兄ちゃんと一緒」8巻 時計野はり 白泉社
11/7 「おたくの娘さん」3巻 すたひろ 富士見書房
11/8 「GAMBLE FISH」3巻 作:青山広美+画:山根和俊 秋田書店
11/8 「モテかわ★ハピネス」1巻 青木光恵 祥伝社
11/9 「オーレ!」5巻 能田達規 新潮社
11/10 「とある科学の超電磁砲」1巻 冬川基 メディアワークス
11/12 「まちまち」1巻 かがみふみを 双葉社
11/13 「おかめ日和」2巻 入江喜和 講談社
11/16 「化け猫あんずちゃん」 いましろたかし 講談社
11/16 「capeta」15巻 曽田正人 講談社
11/16 「ヤンキー君とメガネちゃん」5巻 吉河美希 講談社
11/16 「スマッシュ!」6巻 咲香里 講談社
11/16 「BECK」31巻 ハロルド作石 講談社
11/19 「駅から5分」1巻 くらもちふさこ 集英社
11/19 「この恋は実らない」3巻 武富智 集英社
11/19 「スピリチュアルぱらだいす」1巻 小野寺浩二 小学館
11/19 「オーディナリィ±」 高橋慶太郎 小学館
11/19 「悪魔とドルチェ」2巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社
11/19 「皇国の守護者」5巻 作:佐藤大輔+画:伊藤悠 集英社
11/19 「絶体絶命教室」 ゴージャス宝田 コアマガジン
11/19 「いつも君を感じてる」 葉雨たにし コアマガジン
11/下 「ENEMIGO」 谷口ジロー 光文社
11/下 「いとしのみゆ先生」 いーむす・アキ ワニマガジン社
11/20 「PLUTO 豪華版」5巻 浦沢直樹 小学館
11/20 「魔女の騎士 ヘクセン・リッター」 二ノ瀬泰徳 秋田書店
11/22 「巨娘」1巻 木村紺 講談社
11/22 「神戸在住」10巻 木村紺 講談社
11/22 「吉田家のちすじ」1巻 中島守男 講談社
11/22 「ディアスポリス−異邦警察−」6巻 すぎむらしんいち 講談社
11/22 「潔く柔く」6巻 いくえみ綾 集英社
11/22 「君に届け」5巻 椎名軽穂 集英社
11/22 「ぴんくぱんつぁー」 あかざわRED マックス
11/22 「福助」2巻 伊藤静 講談社
11/24 「Landreaall」11巻 おがきちか 一迅社
11/24 「咲 −Saki−」3巻 小林立 スクウェア・エニックス
11/24 「ルプ★さらだ」 竹本泉 幻冬舎コミックス
11/26 「吉田戦車作品集(仮)」 吉田戦車 エンターブレイン
11/26 「よみきりものの」3巻 竹本泉 エンターブレイン
11/26 「累−かさね−」2巻 田邊剛 エンターブレイン
11/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」16巻 安彦良和 角川書店
11/26 「パズル」下巻 作:山田悠介+画:三部けい 角川書店
11/26 「ガンオタの女」1巻 左菱虚秋 角川書店
11/26 「ごてんばチアリーダーズ」2巻 宗我部としのり 少年画報社
11/26 「よみがえりんね♪」1巻 森見明日 少年画報社
11/26 「ろーてく 輝くぬめりの宇宙へ」 大見武士 少年画報社
11/27 「スクールメイズDASH」 島本晴海。 松文館
11/27 「○本の住人」2巻 kashmir 芳文社
11/27 「魔界戦記ディスガイア2」3巻 へかとん メディアワークス
11/29 「バガボンド」27巻 井上雄彦 講談社
11/29 「リアル」7巻 井上雄彦 集英社
11/29 「二代目はこすぷれーやー」3巻 甘詰留太 白泉社
11/29 「ベルセルク」32巻 三浦建太郎 白泉社
11/29 「デトロイト・メタル・シティ」4巻 若杉公徳 白泉社
11/29 「ホーリーランド」19巻 森恒二 白泉社
11/30 「小指でかきまぜて」 雨がっぱ少女群 茜新社
11/30 「フロマンガ」2巻 吉田戦車 小学館
11/30 「スポーツポン」1巻 吉田戦車 小学館
11/30 「乙女ウイルス」3巻 鈴菌カリオ 小学館
11/30 「PLUTO 通常版」5巻 浦沢直樹 小学館
11/30 「医龍」15巻 乃木坂太郎 小学館
11/30 「刑務所の前」3巻 花輪和一 小学館

【雑誌】凜花 No.2 小学館 B5平

 1号めは買い逃してました。フラワーズの増刊で、やたら分厚い少女漫画誌。「少女向け」かどうかはともかく、表紙には「少女まんが」と書いてあるのでいちおう。収録作品はオール新作で、総ページ数は750。正直分厚すぎてページがめくりにくいとは思うけど、その分読みごたえもある。

 巻頭カラーは渡瀬悠宇「櫻狩り」。こりゃまた濃厚にヤオってますなあ……。華族の美青年・蒼麿と、彼に献身的に使える書生っぽの田神くんの物語を展開。基本的にはミステリアスなトーンなんだけど、田神くんが水浴びして裸でいるところに蒼麿が出くわして雰囲気出しちゃったり、夏祭りで花火でフラグ立ちまくったり、なんだかもうたいへんにベタベタでござる。濃厚な雰囲気にあふーんとなった。

 岩本ナオ「雨無村役場産業課兼観光係」。都会の大学を卒業した後、Uターンして地元で就職した主人公と、その幼なじみ女子、それから18歳のモテモテ美少年が織り成すほのぼのコメディ。のんびりした雰囲気とほのぼのしたラブコメテイストがとても楽しく、絵も相変わらず見てて気持ちがいい。登場キャラではちょっと太めな幼なじみ女子のメグミがかわいくていいなあ。ちょっと不器用でムスッとしているところも好ましいものがある。これは続きも楽しみ。

 やまざき貴子「秋祭り」も田舎の町が舞台の青春ラブストーリーといったところ。ラブ的な雰囲気の漂わせ方がさりげないながらも十分で好感触。江平洋巳「依姫綺譚」。戦後間もない世の中に現れた未来を予知する力を持つ少女と、彼女を崇拝する孤児たち、そして女性米兵が織り成す物語。姫と呼ばれている少女が妖しい魅力をたたえており、外人ねーちゃんとのやり取りはなかなか緊張感がある。作画もいつもながら達者で美しい。

【執筆陣】渡瀬悠宇、西炯子、岩本ナオ、大野潤子、大武サラ、星野正美、さいとうちほ、やまざき貴子、江平洋巳、赤石路代、田村由美、柘植かおる、諏訪緑、有留杏一、今井康絵、虹村かっこう、奈々巻かなこ、吉野阿貴、日下直子、太田真里子、奈知未佐子

【雑誌】ネムキ 11月号 朝日新聞社 A5平 [Amzn]

 今号から版元が朝日ソノラマから朝日新聞社に変更に。読んでみた感じ、誌面の全体的な雰囲気はとくに変化なし。とはいえ連載は大幅入れ替えに。かまたきみこ「空中飲茶飯店」、作:大槻ケンヂ+画:大橋薫「くるくる使い」、本橋馨子「黒孩子」、オオノサトシ「墨野ん家の事情」「山田の弁当」、吉沢ともこ「気楽なルパン」の6作品が一挙に最終回。榎本ナリコの短期集中連載「時間の歩き方」も一区切りで、3月号から新章スタートになる模様。次号予告を見る感じ、空いた分のページにすぐ新連載が入るわけではなく、当面は読切を入れ込んでいく模様。

 あと新連載もまず1本。TONO「コーラル −手のひらの海−」。長いこと続いた「チキタ★GUGU」の後の作品は、1話完結のオムニバススタイル。ちょっと不思議な雰囲気の女の子・珊瑚が語る、ファンタジーテイストなオリジナルストーリーといった感じ。語られる物語は1話ごとに独立しているようだけど、語り手の少女・珊瑚の物語も並行して進行していく感じかな? 何はともあれ実力のある作家さんだし、今後の展開が楽しみ。

 波津彬子「幻想綺帖」は、上流階級の人々の集うパーティで起きた不思議な出来事を鮮やかに描く。いつもながらの上品な雰囲気作りでしっかり楽しめるお話に仕上がっている。お話もミステリアスに進めて、最後はシャレた感じで締めくくっててうまいですのう。そのほか、出版社が変わっても諸星大二郎「栞と紙魚子」シリーズが継続するのはうれしいところです。

【雑誌】別冊マーガレット 11月号 集英社 B5平 [Amzn]

 「別スペAUTUMN 秋のLOVE特集」という読切3本掲載の別冊付録付き。永田正実「団地レンジャー」、小藤まつ「好きなんだバカやろう」、小沢花音「青空キラキラホール」の3作を収録して全196ページ。この中では永田正実が良かった。同じ団地で育った女1人男2人の3人組&もう一人幼なじみ女子プラス1。この4人が織り成すラブコメ。主人公の亜衣は、3人組の中では年上のヤマケンが大好き。もう一人の幼なじみ・万里は恋のライバルで、こちらもヤマケンが好き。そして男2人のうちのもう一人、章吾は亜衣が好きで……という構図。ほのぼのしつつも恋愛のトキメキをふんだんに盛り込んだお話作りは達者で楽しく読んでいける。3人組だけでもなんとかなる話ではあるものの、ライバル女子の万里の存在もいい刺激になっている。

 河原和音「高校デビュー」。城宝さんの嫌がらせによって、ギクシャクしてしまった晴菜とヨウだけど……というお話も今回で決着。ヨウとうまく行かず傷心の晴菜が、その反動でぷくぷく太ってしまう様子が下らなくて面白かった。城宝さんのキャラもアクが強くて見てて楽しかったし、相変わらず安定して読ませますね。

 中原アヤ「ときめき学園王子組」は連載2話め。今回はめがね王子と彼を観察する女の子の恋物語。カッコイイけど堅物すぎてなかなか皆近づけないでいるめがね王子の心を、ヒロインの天然な性格がほぐしていくといったお話。かわいらしくラブコメしてて面白かった。トキメキは感じさせつつもベタベタしないお話作り、キャラ作りが非常に達者。

 藤村真理の新連載「少女少年学級団」が連載開始。パッと見、男の子みたいに見える転校生女子・遥が主人公の小学生ほのぼのストーリー。遥はよく見ればけっこうカワイイ娘さんだけど、野球が大好きで遊ぶときも男の子たちに混じったほうが楽しいという性分。しかし転入したクラスは男女間の分裂が激しくて、男子と一緒に遊ぼうとする遥はちょい浮き気味。しかし野球を通じて新しい人間関係もできてきて……といった出だし。お子様キャラたちがかわいらしいし、まだ恋とかいったものを意識してない子供たちの心にほんのり芽生えかけの感情なんかも見てて微笑ましい。いい雰囲気の滑り出しで、今後も期待できそう。

【単行本】「さらい屋五葉」3巻 オノ・ナツメ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 だんだん良くなって来つつある。さらい屋一味「五葉」の各メンツのキャラがじょじょに立ってきて、味は出てきた。しっとりした雰囲気も心地よい。とはいえ、五葉という一味の活動内容、行動原理にもう一つピンと来てなかったりもして、オノ・ナツメ作品としては個人的にちと物足りないかなーという感じはある。いや別に面白くないというわけではなくて、それだけ作家への期待度が高いってことで。

【単行本】「闇金ウシジマくん」9巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 フリーター君編が完結。定職にもつかず親にパラサイトし、派遣仕事とパチスロで小遣い稼ぎ&浪費をし、「鬱ブログ」を作って自己満足している……そんな30台男・宇津野君の家庭の事情を描いていくエピソード。母親が株によって大きな借金をこさえ、家を手放さざるを得ない状況に陥り、宇津野もそれに伴って追い込まれていく。

 今回のお話は、なんだか身近なところで起こり得る事態ばかりだったので、どことなく宇津野には親近感が湧いた。フリーター君編後半はもっと宇津野を追い込むのかなあと思ったら、意外とウシジマは活躍せず。というか真鍋昌平にしては、珍しく債務者に対してヌルいというか、宇津野君に対して優しいほどであったのが意外だった。でも最後のほうになって、宇津野君がだんだん自立していく様子は心暖まるものがあったりもして、ちょっと感動もしてしまう。作者自身、けっこう好きなキャラなのかもしらんですね。

【単行本】「でろでろ」11巻 押切蓮介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 帯に書いてある安達哲のコメントが、この漫画の魅力を実によく現している。「あの妹はとてもかわいい」。というわけで留渦はこの巻でもかわいいです。ホラーネタについてのギャグほうも相変わらず。取り立てて付け加えて書くこともないけど、コンスタントに面白い。あと巻末のおまけ漫画の「蓮介漫画日記」もネガティブなようでいながら、たいへん馬鹿馬鹿しい味があって好き。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」26巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 単行本出るたびに、勢いの衰えなさに感心するばかり。作者本人がどう思ってるかは知らないし、ほかの読者はマンネリだと思ってるかもしれないけど、少なくとも自分にとってはすごく面白い。作画についてもますます良くなってきて、実にいい表情描く。第359話の最終ページでゲンたちが「オジちゃん生ビール三つ〜!!」といってる表情なんかとくに素晴らしいと思う。エエ顔を描けるってのはやっぱ漫画においてはすごく重要だと思いますよ。一番インパクトのある部分だし。

【単行本】「ラバーズ7」7巻 犬上すくね 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。いろいろと回り道もあった恋愛模様だけど、最後は収まるところに収まっておしまい。この人の作品としてはもう一つコンセプトがハッキリしないように感じられる部分があって、ふらつき気味だったかなあという気はしないでもない。とくに序盤はそんな感じだったけど、キャラが立ってきた中盤以降は、だいぶラブコメ的に楽しくなってきた。やはり局面局面でのトキメキに満ちた恋愛模様はうまい人だし。キャラについては、大人ぶってるけど微妙にヘタレていた、オーナーのムネノリが作者的には最萌えキャラなのかなーという印象。個人的には卓球部少女の岩永さんが良かったです。この娘さんは将来巨乳になると見る。

【単行本】「ういういdays」5巻 犬上すくね 竹書房 A5 [bk1][Amzn]

 これもなんかいつの間にか発売日から時間が立ってしまいました。少年少女の初々しい学園恋愛ストーリーを楽しく展開。日常の中での瑞々しいトキメキの瞬間をしっかり捉えた物語は、にやついちゃうような楽しさがあります。女の子たちはもちろんのこと、純な男の子たちもかわいいのがいいですな。


10/11(木)10/12(金)……逢魔さんぱかぱ

▼そろそろアニメの感想も少しずつ再開していきます。9月までの分については、かなりの作品が最終回まで見切れていなくて、今のところ見終わってるのが「天元突破グレンラガン」と「瀬戸の花嫁」だけという、なんとも弱っちい状態。漫画の感想が全然追いついていない&仕事遅れ気味&新番組優先という事情が重なっていて、たまった分まで見てられん〜という状態です。アニメは単純に時間食いますからのう。というわけでまずは見終わってる2番組の感想から。新番組についてはこれ以降の日記で触れていきます。

瀬戸の花嫁[Amzn]
 とても面白かった。個人的にはおおむねノー文句。最初から最後までドタバタ勢い良くお話を展開していたし、すごくノリの良い作品だった。こういう元気のいいギャグものはすごく好きです。それぞれのキャラの演技も良かったと思うし、力づくで笑わせてくれる回が多かった。あまりヘンな小細工に走らず、きちんとギャグで見せてくれた点も好印象。あとラブコメとしても、ハーレム状態ではありながらスジは通してて好感が持てる。4月スタート作品の中ではトップクラスの評価。

天元突破グレンラガン[Amzn]
 面白くて見どころの多い作品だった。キャラクターデザインはキャッチーで魅力的だったし、見せ場シーンのアクションは激しく、スカッとさせるものがあった。ドリルという男の子的アイテムとDNAの二重螺旋を重ね合わせるなど、個々のアイデアについても面白かった。ムチャなスケールアップを力づくなアクションで見せる演出も見事で、アツくて良い作品だったと思う。

 ただ途中からは、バトルがなんでもかんでも気合いと根性とドリルで解決するのが一本調子に感じられてしまったのは惜しい点。あとはキャラの深みがもう一つ足らなかったように思える。とくにシモン。昔地底で穴掘ってたころの貯金しか持ってない状態で、最初から最後まで勝負してた感がある。頑張りは見せてたけど、ずっと周囲の状況に流されていたようにも見え、少年漫画的ストーリーの主人公としてはキャラが薄めだった。なんかもう少し、彼が特訓を受けて強くなるとか、強固な信念に目覚めるとかあるともっとキャラに入れ込めたかなあとか思うんですが。

 ともあれ半年間楽しませてくれたし、気合いの入った一品ではあった。もやもやする部分も残りはするけれど、自分にとって面白い作品であったことは確かです。

【雑誌】コミックビーム 11月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 森薫「エマ 番外篇」。今回はキビキビした働き者のメイド・アデーレと、不真面目メイドのマリアを中心にお話を展開。片や超堅物、片や超マイペースって感じで対照的だけど、性格は違えどウマの合う悪友同士って感じで、けっこういいコンビな二人の様子が好ましい。

 志村貴子「放浪息子」。みんなでスキー合宿に行きます編。このところ学校をずっと休みがちだった千葉さんも参加ということで、皆さんちょい意識気味といったところ。あんまり主要なキャラじゃないけど、つい千葉さんやニ鳥君にちょっかいをかけてしまう岡君が、小憎らしいながら少しかわいく思えてきた。

 タイム涼介「アベックパンチ」。ヒラマサとタッグを組むことになった外人女・コルビーナの様子を描写。全然打ち解けた感じは見せないけれども、いかにもマジメそうなコルビーナに、ヒラマサ&イサキが少しずつ引かれていく様子がなかなかいい。得体は知れないけどけっこういいねーちゃんっぽい。田邊剛「累」は、第一部「豊志賀の章 お久の章」がおしまい。迫力のある絵柄でゾクゾクする怖さのあるお話だった。第二部はどんな風にやるんですかね。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11月増刊号 11/12 小学館 B5中

 村上かつら「ラッキー」。そろそろ物語は終盤かな。主人公・祐太と、母親が遺した犬型ロボットのラッキーを中心としたホームドラマ。このところラッキーの調子がだんだん悪くなってきてて、切ない展開が待っていそうな気配だけど……。けっこうほろりとさせる良作なんで、ぜひ単行本にまとめてほしいもの。現在10話だから、もうちょっとやって全2巻くらいで出してくれるといいんですが。安倍夜郎「深夜食堂」は2本立てで掲載。本誌でも描くようになったけれども、どこで見ても変わらぬ安定した仕事ぶり。飄々としててうまい。

 たくまる圭の読切「お馬さんぱかぱ」。まじめだけどずっと変化のない生活を送ってきた中年サラリーマンパパが、家族には内緒で乗馬を始めたことで、今までにない充実した生活を送る。しかしその乗馬で怪我をしてしまったことで家族に迷惑をかけ、自責の念にかられるが……という筋立て。暖かみのある家族ドラマに仕上がってて手堅い出来。とはいえ、ちょっと作風が丸っこくなりすぎちゃったかな? ヤングアニマルで出始めたころのような鮮烈な味わいもまた見たいもんですが。

【雑誌】モーニング 11/8 No.47 講談社 B5中

 10/25発売分。福満しげゆき「僕の小規模な失敗」。仕事が忙しくなってきて、妻に漫画の手伝いをしてもらうようになった作者のお話。ときに不平不満をいいつつも、ちゃんと仕事をやってくれている妻の姿にちょいと萌える。最近は福満しげゆき漫画のベタとトーンはほぼ妻依存らしいので、このベタとトーンは妻なんだなあとしげしげと見る。というのはウソで、今思いついて適当なこと書きました。

 かわすみひろし「営業の牧田です。」。主人公の独身男・牧田が、駅でカワイイ女の子と知り合って仲良くなるが……といった展開。多少天然っぽいけどこの娘さんもかわいいですなあ。かわすみひろしの描く女性は横顔に色気があっていい。この作品は、いろいろな女性との出会いを描いていく作品っぽい感じがするので、今回の娘さんが本命かどうかはまだ分らないけど。あと牧田の営業先である酒屋のねーちゃんもツンデレっぽくて良いと思った。

【雑誌】ヤングサンデー 11/8 No.47 小学館 B5中

 10/25発売分。高橋のぼる「土竜の唄」がすごい絵ヅラだなあ。檻の中に全裸の刺青ヤクザ数人が閉じ込められ、足許は炎で熱せられた鉄板。そのうちの一人がヘリコプターで逃げようとする菊川の足を引っ張って、檻の天井の部分の鉄格子に金玉がめり込んだ状態にする。その状況を横目に見ながら、檻と炎を囲んで無数のヤクザがマイムマイム。何をやってるんだろう、この人たちは……。さすがは高橋のぼる漫画といいたくなるカオスっぷり。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/8 No.47 集英社 B5中

 10/25発売分。巻頭カラーで「エルフェンリート」の岡本倫が新連載をかいし。タイトルは「ノノノノ」。スキーのジャンプ競技をネタにした作品。低迷する日本ジャンプ界に、破格の才能を持った謎のジャンパーが現れる。小生意気で不敵な態度を見せるその無名中学生選手には、人にいえない秘密があって……という出だし。「エルフェンリート」はビックリ展開の多い作品だったが、今回はスポーツものということでストレートな努力・勝利系の話になるかな? とりあえず次号以降の展開を楽しみに待ちます。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/8 No.48 秋田書店 B5平

 10/25発売分。作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。阿鼻谷ゼミの第二の刺客が登場。なんだこのクラウザーさんみたいな人は……。そしてチーム白鷺のほうは、予想されていた感もあるあの人が登場することに。さすがにここで負けるわけには行かないけどどうするんでしょうなあ。まあ展開上、結果自体は見えてるといえば見えてるんだけど、そこまでどうやって持っていくかは楽しみ。

 桜井のりお「みつどもえ」。今回はわりと気になるキャラである杉崎さんのツンデレぶりが良い感じでござった。何かと長女・みつばを敵視する杉崎さんだが、そのツンツンした態度はデレの裏返しなのかーってな感じでほこほこした気分に。

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。お嬢の友達連中がアー坊にモーションをかけてくるも、アー坊はちゃんと断り、お嬢はそれを見て上機嫌。なんだかますますツンデレぶりがパワーアップ。いやー、アー坊はお兄ちゃんと違って凄い勢いでモテモテですなあ。それにしても野球漫画でありながら、27回もやってほとんど一度もまともに試合してないってのは凄い。まあ最初っから野球漫画の形を借りたラブコメにするつもりなのかもしれないけど……。

【雑誌】ヤングアニマル 10/26 No.20 白泉社 B5中

【雑誌】ヤングアニマル 11/9 No.21 白泉社 B5中

 No.20が10/12、No.21が10/27発売。No.21で重野なおき「のの美捜査中!」が最終回。ちびっ娘刑事が主役のほのぼの4コマギャグ漫画だったが、コンスタントにやっていてけっこう楽しく読んでいた。最後のほうはラブラブ度も強かったし、いろいろ楽しめました。

 東雲太郎「キミキス」では祇条さん編がクライマックス。光一が祇条さんの別荘に招かれ、ラブラブ状態になるものの、彼女にはいいなづけがいたということが明かされ……という展開。まあそんなわけでラブラブキスシーンについては、いつもながら鮮烈に甘ったるくて良い。ただNo.22掲載回でこのエピソードが締めくくりらしいけど、いいなづけがいる、家柄が違いすぎるなどの障害を乗り越えるってのは本来ならけっこうな難事のはずなんで、それをクリアするってのを考えるとちと尺が足りないかなあと思ったりもした。

 若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」では、クラウザーさんの豚の座を巡り、新旧の豚が激突。この前のフェスティバルのときもそうだったけど、最近は豚さんのエピソードを描くときはけっこうダイナミックでイキイキしてるなあ。お話的には初期のインパクトは薄れて、だいぶまったりしてきた感があるが、キャラは奇矯でも日常ギャグっぽい風味がこの人の本来の持ち味なんだろうなと思うんで、まあこれはこれでいいんじゃないでしょうか。

 No.22掲載の読切、花田哲也「天駆ける狗」。かつては人間を喰らうことで神通力を得て人々から畏敬されていたが、人食をやめたことで力を失い、迫害されるようになった少数民族「天狗」を巡る物語。人間に狩られて逃げ惑う天狗の少年少女たちの末路を悲劇的に描く。力強い絵柄でガチンコなお話を作っていて、読みごたえはけっこうあり。ストレートで真摯な姿勢を評価。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 10/26 No.21 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 11/9 No.22 小学館 B5中

 No.21が10/12、No.22が10/27発売。No.21で太田垣康男「MOONLIGHT MILE」の第一部が完結。家族に囲まれて幸せに包まれれる吾郎、それとは対照的に暴漢に襲われるロストマン。二人の姿をものすごく対照的に描いて、実にドラマチックだった。とくに見開きのシーンなんかはゾクゾクするような盛り上がり。いやー面白いです。第二部は12/28発売のNo.2から開始予定とのことで、こちらも楽しみ。

 No.22で倉田よしみ「新・味いちもんめ」が連載200回記念。普段あんまり触れてはいないけど、和食料理人の修行模様、人間ドラマを手堅く描いていてきっちり面白い。あとNo.22では、しりあがり寿「SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ」が最終回となっている。

 新井英樹「キーチ!」。成長し、宗教団体&政治結社的な組織の教祖としてまつり上げられているキーチの活躍ぶりを描いている。なかなか堂々としたカリスマぶりで颯爽としている。あとキーチの少年時代の仲間のその後も少しずつ。だいぶモデルチェンジした各人が今後どういう行動をとるのか気になるところ。

 乃木坂太郎「医龍」。病院を大きく動かした一つの手術が終わって、伊集院もようやく吹っ切れて今後の道を選ぶ。彼が成長していく様子が頼もしく感じられたエピソードだったが、オチの部分で伊集院が笑わせてくれたのも良かった。笑いで締めたおかげでサッパリした後味に。あと伊集院が霧島に対して、今の自分の想いを伝えるシーンがやけにヤオっぽかったのも印象的。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 11/9 No.43 日本文芸社 B5中

 作:天王寺大+画:郷力也「ミナミの帝王」。最近は博打狂いの若手お笑い芸人さんが取り立て対象となっているんだけど、このお笑いシーンはイマイチな感じが……。漫才シーンは漫画にするとあまり面白くない場合が多いけど、やはりこのくらいのベテラン作家にとっても難しいネタなんだろうなと思ったりした。

【雑誌】コミックバンチ 11/9 No.48 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」で総裁選をネタにしていたのだが、その中で「アベする」をネタにしててちょっと笑ってしまった。この作品はネットの話題を元ネタにしたお話がときどきあるし、雁屋哲批判やってたり、特撮ネタを盛り込んだり、ニヤリとさせられることがけっこうある。原作者がよくネット見てる人だったりするんですかね。とはいえ「アベする」(作中では「タナベする」)ネタは、ネットの話題をあまり追っかけてない人にとっては、なんだかピンと来ないかもしれないけど。まあそこらへんは、気づいた人はニヤリ、分らん人は何がなんだかって感じで両刃の剣ではありますな。


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