2007年8月上旬


8/9(木)8/10(金)……to boy

【雑誌】モーニング・ツー 9/1 No.5 講談社 B5中 [Amzn]

 早くも、という感じで1周年。今号では24日発売の月刊IKKIとのコラボ企画で、2誌の表紙を並べると1枚の絵になる……というのをやっている。まあ最近どちらもヤオイ系っぽい色合いを強めていて、全体的な雰囲気はどことなく似た雑誌といえなくもないけど、この企画自体は効果あるんですかのう……。さすがに発売日が2週間もズレてるとあんまり意味ないような。とはいえ雑誌の売上が落ちている昨今、出版社の垣根を越えていろいろ試してみるってのはまあ悪くない試みかなと思います。

 中身のほうでは、西島大介の連載「世界の終わりの魔法使い〜小さな王子様〜」が開始。やがて世界を終わらせるであろう、悪魔の女の子に恋をしてしまった、何の力も持たない小さな王子様の物語。ってな感じかな。河出書房から出てた「世界の終わりの魔法使い」シリーズ読んでないんでよく知らんですが、まあシンプルかつカワイイ独特の絵柄はこの作品でも威力を発揮。予備知識なしで読んでいこうかと思います。

 オノ・ナツメ「Danza」は5話め。反発しながらも絆で結ばれた、素直になれない兄弟の物語といったところ。「さらい屋五葉」とかのときよりも頭身を縮めたタイプのオノ・ナツメ絵を使っているが、二人の兄弟の様子は素敵に描かれていて、しみじみとした味が出ている。相変わらずウマイですなー。

 小田扉の新連載「前夜祭」は、一応「百合モノ」という触れ込み。だけどストレートに女の子同士が引かれあったり、頬を赤らめるってふうではなく、とくに片方の女子が妙なノリでいかにも小田扉らしい個性が感じられる内容となっている。ベタベタしないサッパリした語り口が小気味よい。ここから二人の女子が恋仲になったりするのか、それともならないのか、先の展開が気になるところ。

【雑誌】ヤングアニマル 8/24 No.16 白泉社 B5中

 作:原田重光+画:萩尾ノブト「ユリア100式」。新ドールが登場したと思ったら、今度は洋ピンですか。洋モノポルノビデオノリのハードコアSEX系セリフ回しがとても馬鹿馬鹿しくて、なかなかええ感じのキャラ。外人さんは賑やかでええですのう。いやまあ実際の外人さんが、そういう人ばかりってわけでもないんでしょうが。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/24 No.17 小学館 B5中

 新井英樹「キーチVS」。ようやく連載再開。第1部がちょいとブツ切れ気味に終わってしまったので、続きがあるのか危惧していたが、無事復活したようで喜ばしい。今度は大人篇となる模様。今回はまだキーチ本人は登場してはいないが、子供のころの事件の後、キーチはすっかりカリスマ化している模様。成長した姿がどのようになっているか、興味がそそられる。今回の内容ではどうのこうのいえないので、これからの展開にまずは期待。

【雑誌】ビッグコミック 8/25 No.16 小学館 B5中

 能登おいしいよ能登、というわけで脚本:九和かずと+画:はしもとみつる「築地魚河岸三代目」は能登の海で獲れる魚についてのエピソードを展開。三代目も能登を訪問。能登の魚は確かにうまいけれども、現地で食べないと意味がない、築地には卸せない訳がある……という思わせぶりな内容。どんな状況になっているのか、またどんな魚介類が出てくるのか、続きを楽しみにしております。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 8/24 No.32 日本文芸社 B5中

 木村シュウジ「演歌の拳」の2話めが掲載。こぶしの利きまくったマッチョな演歌の歌い手・ケンさんが、歌の力で人々の心を動かす。その歌声はとにかく脂っこく、演歌歌えばすべてが解決という感じの実に大ざっぱな作品だがそこがいい。こういう強引そのものなノリはかなり好きだ。

 柳沢きみお「出張!大市民日記」。なんか読んでると、山形先生のお身体は大丈夫なのか、ちょいと心配になってくる。「夏は熱中症予防のために水分をとりましょう」、でもそれに対して「ビールでは逆効果なときもある」という研究結果にどうしても納得できず、「古代エジプトではピラミッド作ってた労働者にビールを与えていた」との説を盲信。しかも脂っこいモノもりもり食べてるし。これは絶対健康に悪いと思うんですがのう……。ちなみに「ビールが水分補給に役に立たない」ということについては「ビール 水分補給」で検索すれば、山ほど関連ページが出てきます。ビールメーカーでさえそういってるんで、まあ正しいんだろうなと思います。

【雑誌】コミックバンチ 8/24+31 No.37+38 新潮社 B5中

 創刊300号記念だそうで。もうそんなに経ちますかのう……。

 能田達規「オーレ!」。日を追うごとに、どんどん上総オーレの運営にのめり込んでいく中島は、レネの誘いに応じ、ドイツへ本場のサッカーを見学しに行くことを決意。中島がすっかりサポーターの間でカリスマ的存在になっている様子とか見るに、これはもう後戻りはできそうにないですな。まあその身の振り方はもちろんのこと、ドイツで中島がどのようなモノを学びとってくるか、そして成長を見せるかにも注目といったところ。

【雑誌】ヤングサンデー 8/23+30 No.36+37 小学館 B5中

 あだち充の不定期シリーズ「アイドルA」が久々に登場。まあいつものあだち充ぺースで変わらぬ手堅さ。高橋のぼる「土竜」では、ヒョウ柄男とプレスリーっぽい人との戦いが決着。両方とも濃すぎるくらい濃いキャラだが、今回はどちらも男気を感じさせてくれてなんだかカッコ良かった。それにしてもいつ見てもヒョウ柄男はいいキャラだ。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/30 No.36+37 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。斬野戦が終わったばかりだというのに、新キャラがまた登場。その登場の仕方がすごく激しくて良かった。とにかくインパクト抜群である。あと眼前でびっくらこくようなことが起きているのに、まったく箸を止めることなく焼肉を食い続ける受け師さんも見てて面白かった。

【雑誌】プレイコミック 8/23 No.16 秋田書店 B5中

 前号の時点では見逃してたんだけど、佐藤マコトの新連載が始まっていたようなんで購入。原作:伊月慶悟で「逃亡医F」という作品。指名手配中の外科医・藤木圭介が、逃亡の旅を続けながら、その先々で人々の命を救っていくという感じの物語。まあストーリーとしてはよくあるタイプだと思うけど、破綻なくきっちりまとめてあると思います。

 あと今号には浜岡賢次が初登場で「ジュンとヨーコのバラード」という作品を描いている。タイトルからすると「ジョン・レノンの話かいな」と思うかもしれないが、主人公はデブデブのメタボリックオヤジとその奥さんで、二人の掛け合いをドタバタ描いていくという内容。基本的には「旦那さんがデブであり、寝転がっているだけ」「それを奥さんが力づくでフォロー」というだけのお話なんだけど、ネタの転がし方が相変わらずうまいので楽しんで読める作品に仕上がっている。


8/8(水)……ツリバリーヘルス

【雑誌】スーパージャンプ 8/22 No.17 集英社 B5中

 ついに坂巻が名実ともに主人公昇格! というわけで作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人 きららの仕事」の番外編「渡職人残侠伝 慶太の味」が連載スタート。元々きららよりもはるかにキャラが濃い坂巻が主人公なだけに、お話もメリハリが利いてて良い感じ。あときららよりも、創意工夫に富んだ鮨を模索するキャラだけに、その点でも楽しそう。マッチョ好きにもよろしいかと思います。

【雑誌】週刊少年サンデー 8/22+29 No.36+37 小学館 B5平

 大塚志郎「マリンハンター」が新連載。以前短期集中で掲載された作品が本格連載に昇格。安西信行似の絵柄の海洋冒険活劇モノ。主人公は軍隊によってサメとの合成人間に改造された男で、「ツリバリ」と呼ばれる拘束具で、ヒロインの少女と見えない糸によって結ばれている。まずまずまとまってはいるんだけど、「どっかで見たような」世界観・設定・絵柄であることは否めないので、突出するには何かウリが欲しいところ。

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。ナギ&ハヤテと西沢さんが同じ喫茶店でバイトすることになって……というエピソードで続きモノ。狭いスペース内で三角関係ラブコメをやっており、その鞘当てがなかなか楽しい。女子2人の制服姿も新鮮で良いし、今後もけっこう楽しみ。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/22+29 No.36+37 講談社 B5平

 3回連続の短期集中掲載、作:笠井良樹+画:山根聖史「彼女とキスする50の方法」がスタート。「50の方法といいつつ3回ってのはどういうことか」という感じではあるものの、まあたぶんそれはどうでもいいことであろう。お話のほうは、異性とのファーストキスに憧れる主人公は、実は自分のことが好きだった女の子と……という甘酸っぱい系なラブストーリー。この手の作品としては、かつては河方かおる「もっとGOOD KISS!」なんかもあったが、まあ基本路線としては一緒といっていいでしょう。丸っこい人なつこそうな顔つきのキャラたちはまずまずかわいいので悪くないんじゃないすかね。この手の作品はいつの時代も必要とされるもんですし。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 9月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 大和田秀樹「ムダヅモ無き改革」シリーズが復活。小泉総理が熱血で麻雀をやるというギャグ漫画で、今回の「大海に響くは勝利の凱歌」では北朝鮮の将軍様と対峙。敵の卑劣なやり口に負けずに頑張る小泉さんがカッコイイが、今回一番おいしいところを持っていったのはアノ人だった……。次号に続くらしいので、どういう麻雀を見せてくれるのか楽しみ。キャラがやたら濃いのが見てて楽しいです。

【雑誌】FEEL YOUNG 9月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 南Q太の短期集中シリーズ「スロウ」がスタート。学校の後輩である小春とつき合って、レズとして目覚めてしまった女性・智明が主人公。どんどん相手への依存度を高める智明に対し、小春の態度はつれない。切なくも艶めかしい感じが出ていて、まずは心惹かれる滑り出し。続きも気になる。

 こちらも新シリーズ、ねむようこ「東京無印女子物語」(原案:なるせゆうせい)。「トーキョーに住むフツーな女の子の小さな小さなお話」とある。オムニバス形式かな? まず最初は今は東京に出て来ていて恋人もいるけれど、同窓会で出会ったかつての初恋の人に心揺らぐ女の子の姿を描いている。品の良いスッキリした絵柄が心地よく、女の子の心情描写もフレッシュな感触。ねむようこは何本か読切で作品を、個人的にはけっこう好感の持てる作風。うまく定着していってほしい。

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」。祖父の墓参りに来たりんたちが、りんの本当の母である漫画家の正子とニアミス。正子さんのほうにもいろいろと葛藤があるんだなあというのが伝わってきて、今まで不思議ちゃん的な存在だった正子さんにも奥行きが出てきた感じ。今回はお話に緊張感もあって新鮮な感触だった。ただほのぼのしてるばっかりでないってのは、お話が引き締まっていいですね。

【単行本】「舞-乙HiME嵐」 佐藤健悦(シナリオ:樋口達人+吉野弘幸) 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 佐藤健悦による漫画版「舞-乙HiME」の後日談的エピソード。本編のほうは、主人公がマシロ姫の替え玉としてガルデローベに派遣された男の子という、アニメとはまったく異なる設定だったが、マシロ=男の子という設定は「嵐」のほうにもそのまま受け継がれている。

 お話のほうは、本編の後、アリカ、ニナ、エルスの3人娘に守られて超モテモテ状態なマシロ君だったが、ガルデローベがナギの双子であるアラシによって借金のカタに差し押さえられてしまってさあタイヘン……というところからスタート。その結果、ガルデローベのオトメたちは借金返済のためにキャバレー的なところで働かされたり、マシロ君はアラシの専属メイドにさせられたりとムチャクチャな状態に。そこからの復活を目指してみんなが頑張るという内容。

 というわけで、いきなりぶっとんだ始まり方をするこの作品だけど、すでにキャラができていることもあって、最初っからノリノリで面白かった。ニナはバイト先のキャバレーで、こぶしのこもった演歌を披露。意外と器用なところを見せつける。エルスの巨乳もぶるんぶるんと大活躍。アリカはいまいち影が薄いけど、マシロはメイドをソツなくこなしちゃったり、危機的状況なクセしてみんなそれぞれイキイキ動き回っている。それを眺めているだけでも楽しい。ラブコメとしても軽快でなかなか。

 あとこの単行本には、チャンピオンREDに掲載された乳首出し「舞-乙HiME SUPER H」シリーズも収録というサービスもあり。佐藤健悦版の「舞-乙HiME」は女の子連中もかわいかったし、賑やかで面白い作品だったので、機会があったらまた新シリーズも描いてほしいところ。

【単行本】「ペンギン娘」2巻 高橋てつや 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 とにかくキャッチーな絵柄で、ハチャメチャ女の子学園生活を展開。第1巻の時点では4コマと通常コマ割が混在するガチャガチャした構成で読みづらい部分もあったが、2巻では混在はなくなり、だいぶ読みやすくなった。「内容がない」といわれちゃいがちな作風ではあるけど、個人的にはこの勢いの良さはけっこう買っている。まあ実際ストーリーはどうでもいいところが多いんですけど、とりあえずエネルギッシュだし。まあ表層的な刺激に偏った作品ではあるものの、自分はそういうのも嫌いじゃないんで、これはこれで楽しく読んでます。


8/6(月)8/7(火)……八角形の恋

【雑誌】ヤングマガジン 8/20+27 No.36+37 講談社 B5中

 村田ひろゆき「好色哀歌 元バレーボーイズ」。最近は谷口がけっこうカッコイイです。家族想いだし友人想いでもあるし、体壊してて悲壮感もあるしで。今回も虎子のために病身を押して、宮本のところに忠告しに行く姿なんざ、立派にイイ男ではないですか。まあ体治ったら元に戻りそうな気も多少はしますが。

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。どうしてもハンバーガーをうまく食えない二人が悪戦苦闘するという話。なんかこれ読むと、ハンバーガー食いたくなるような、食いたくなくなるような……。ボトボト脂などの汁が垂れまくりなハンバーガーの描写がなんだか怖い。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/20+27 No.36+37 小学館 B5中

 曽田正人「昴」が復活新連載。タイトルも「MOON −昴 ソリチュード スタンディング−」となって装い新たに再始動。昴はニューヨークで「ボレロ」をやった後、ベルリンに行ってなんかしてるところ。行動はますます奔放で何者にもとらわれなくなって来ている感じだけど、どうなりますかのう。とりあえず出だしはインパクト十分。今後の展開に注目。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/20+27 No.36+37 集英社 B5平

 11月2日創刊のジャンプSQ.の陣容が掲載。この中で楽しみなのは、和月伸宏「エンバーミング」あたりかな。うまく週刊のほうと連携を取って作っていってほしい。うまく昨日すれば寡作・遅筆作家の受け皿としてもちょうど良いだろうし。

 読切、藍本松「MUDDY」が掲載。以前「ジャンプ the REVOLUTION!」で読んだことあるな(そのときの感想は2006/09/30日記参照)。土を食った分だけ体を変型させられるホムンクルスが活躍するアクションもの。線が整ってて、作画はかなり達者な部類。米原秀幸を大幅にこざっぱりさせたみたいな絵柄。お話についても読みやすい。技量レベルは確かなものがあるし、作風も健全で、連載もこなせそう。

【雑誌】漫画アクション 8/21 No.16 双葉社 B5中

 森下裕美の新連載「夜、海へ還るバス」が開始。「青年誌初の”レズビアンコミック”」をうたってるけど、今までなかったでしたっけか? まあそれはともかく、内容のほうは、結婚を前にして「自分は男の人とセックスする夢を見たことがない」というこが、拭えない心の引っかかりとなってきた女性・夏子が主人公。心残りがあったままでは結婚に踏み切れないということで、結婚相手に「一度女性とも試させてほしい」と頼み込んだ夏子だが……という出だし。今回の連載はけっこう生々しい内容となりそう。作者も気合い入ってる感じで期待大。

 武富健治「鈴木先生」は、中村さんのサバサバしたいい娘さんぶりが光る。この人は鈴木先生周辺の生徒の中では一番バランス取れてる感じだけど、どうなりますかのう。この娘さんまで突っ走ってしまったときに、鈴木先生がどう対処するのか楽しみなところではあります。

【雑誌】コミックチャージ 8/21 No.10 角川書店 B5中 [Amzn]

 作:大塚英志+画:森美夏「八雲百怪」が新連載。小泉八雲=ラフカディオ・ハーンを主役に、異端民俗学モノを展開していくという、このコンビではおなじみの作風。相変わらずおどろおどろしくもカッコ良い絵柄で、まずは順当な滑り出し。なお次号からは「多重人格探偵サイコ」もこっちに移籍してくるようで、大塚英志色が強まっている。月2のコンビニ売り雑誌に似合う作風かというと微妙なトコですが……。最近はエヴァ関連の付録をつけたりしてるけど、苦肉のテコ入れという印象を受ける。やっぱ新規参入ってのは難しいもんですなあ。

【雑誌】漫画サンデー 8/21+28 No.32 実業之日本社 B5中

 作:かわさき健+画:ふんわり「歯かけの恋」が連載に。以前短期集中で掲載された作品で、不器用にしか生きられないかませ犬ボクサー・八の恋物語を描いていくという人情モノ。暑苦しい作風ではあるけれども、まずまず読ませるし、嫌いではない作品です。

【雑誌】コミック・ガンボ 8/7+14 No.30+31 デジマ B5中

 すがやみつる「ゲームセンターあらし」が、「サラリーマントレーダーあらし」として復活。大人になったあらしが、株での蓄財にチャレンジするという作品。大人になってもあらしがインベーターキャップかぶっていたり、さとるのモコモコヘアーが変わってなかったりするのはニヤリといったところではあるが、内容的にはちと大ざっぱかなあという気はする。ネットで株取引をするという作品では、最近では「坂本タクマの実戦株入門」(感想は2006/10/17日記参照)という秀作も出ているので、そこらへんと比べるともう一つヌルいかなと感じてしまう。まあとりあえずやる気起こさせるという面では、このくらいのほうがお手軽感があっていいのかなって気もしますが。

【雑誌】コミックヨシモト 8/21 No.4 ヨシモトブックス B5中 [Amzn]

 こちらもコミックチャージ同様、苦戦してる印象を受ける雑誌。永井豪「探偵事務所HG」とかは好きですけどねえ。それにしてもレイザーラモンHGは、なんだか元から永井豪キャラだったんじゃないかと思っちゃうくらい、永井豪の作風とマッチしてる気がする。

【雑誌】MUJIN 9月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 小暮マリコ「ちびすけ観察日記」。ちっこくてちょっとトロめなヒロインさんがなかなかかわいい。主人公はかなり自分勝手っぽいけど、ヒロインさんが引きこもり兄に虐待されるのを救出したり、わりといいところもあり。最後のほうはラブラブで後味も良かった。不破悟「ツンデレ×Smell」は、主人公である男性教師に対する好意を素直に表に出せず、ついツンツンしてしまう女生徒さんがわりとかわいい。カラー4Pありでエロ度もまずまず。


8/4(土)8/5(日)……ジャージとセレブ途端倦怠

【雑誌】チャンピオンREDいちご 9/15 VOL.3 秋田書店 B5平 [Amzn]

 この号もU-15美少女てんこ盛りで賑やかすぎるくらい賑やか。エロめのカラー画集もついており、サービス、ボリューム感は十分。

 掲載作品では、佐藤健悦作画、樋口達人+吉野弘幸が原作、駒都えーじがメカデザ+キャラ原案を担当する「VITAセクスアリス」が新連載。平凡っぽい少年・志楼と、元気者の少女・真央がVITAと呼ばれる特殊兵装によって合体してバトルを繰り広げるというアクションもの。佐藤健悦がからんでる作品らしく、サービスシーンはたっぷりでなかなか派手な出だし。面白くなると良いですな。

 おりもとみまな「メイドいんジャパン」。女装メイド少年とツンデレお嬢様がコンビを組んで頑張る。乳だし尻だし、たいへんエロっちくてけしからん作品です。とりあえずノリが良くて楽しい。作:藤見泰高+画:カミムラ晋作の「サイカチ」「ベクター・ケースファイル」コンビの新作「ジャージとセレブとたんけんたい」は、科学ヲタ系の天然お嬢様が、友達と一緒のオリエンテーリング中に起きたトラブルをスパッと解決ってな感じのおはなし。科学・雑学ネタをやりつつ、キャラを脱がせて乳やらぱんつやらを露出させていく手際が鮮やか。ウンチクやりーのエロやりーので、なかなかナイスな芸風であるなあと思う。

 高橋てつや「ペンギン娘ちょびっとH」は本誌からの出張版。本誌は少年誌ということでパンチラ程度に収まっているが、こちらでは乳首出しもあり。ペンギンやら択捉さんのモロ乳を拝みたいという人には眼福な作品。ただでさえキャッチーな絵柄にもう一押し加えたという感じ。あとFLIPFLOP「猫神やおよろず」も、猫耳巫女ファッションなキャラがかわいくてなかなか。絵的にはあずまきよひことかの影響がいくらか見受けられる。

【雑誌】コミックフラッパー 9月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 読切、鈴木和之「網棚に潜むモノ」。けっこう達者。生活に疲れたOLが、ある日乗った電車で、網棚で爆推しているヘンなオヤジを目撃するが、それはどうやら疲れた人だけが見る妖精みたいな存在だったみたいで……ってな感じの日常コメディ。絵は整っているしお話的にもちょっと変わっていて印象に残る。お話的にはあんまり大きくなく、きっちりまとめたという感じではあるけど、連載とかもこなせそうなタイプだと思う。

 もう1本読切、君塚祥「星の雨さやかに」は、宇宙から降ってきた優しい宇宙人青年と、彼を受け入れた地球の人々の物語。ちょっぴりセンチメンタルに、異星人同士の心の触れ合いを描いている。清潔感のある絵柄でお話のほうはハートフル。君塚祥はこれまでも何本か読切を描いてるけど、徐々に作風もこなれてきてるかなーという印象を受ける。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 8/20 No.16 小学館 B5中

 ビッグコミックオリジナル9月増刊号の宣伝漫画で、安倍夜郎「深夜食堂」が2ページ掲載。いちおうチェックしておく。石塚真一「岳」は、三歩が初めて山で人が命を落とすのを目にしたときのエピソードを展開。現在は超人的な三歩だが、最初の衝撃はやはり大きく。人に歴史ありと、しみじみした回だった。

【雑誌】花とゆめ 8/20 No.17 白泉社 B5平

 松月滉「幸福喫茶3丁目」。今回は潤の親友であり、潤を溺愛している蜜香と、彼女に恋する鈴木くんのエピソード。まあこっちも恋愛的に微笑ましい状況。いちおう「新章スタート」って書いてあるけど、今までとそんなに違った感じは受けませんでしたな。

【雑誌】桃姫 9月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 瀬奈陽太郎がついに復活。「萌えよペン ヒッキー脱出大作戦編」と称して、ネット中毒で引きこもりになってしまったエロ漫画家・瀬ニャヨータロー先生の日常を描くという内容。エロシーンについては、先生と恋仲にあるツンデレ女性編集者・堂島さんが担当。まあ描かれている内容がどこまでホントかは知らないけど(さすがにツンデレ女性編集者は実在しないと思う)、瀬奈陽太郎はうまいし、華もある人なんでこれからもちゃんと続けていってほしい。でないともったいない。

 田中エキス「ママちゃん」。父親の遺言により、主人公が母親とエッチすることになってドッキドキ〜というお話。血縁関係の愛欲肉欲がドロドロ、ってな感じではなくわりと軽いドタバタコメディノリ。お母さんのほうも十分かわいいし、お話もラブラブだしなかなか楽しかった。

 景えんじ「それでも僕らは…」は3話め。学校制度によって子作りのためにエッチする少年少女の物語。毎回モテモテな少年が違う女子とやってて、今回で3人め。それぞれ甘酸っぱくお話を作ってるし、ラブコメチックな雰囲気もいいし、好きな作品です。景えんじ作品は自分としては好みなんだけど、現在のエロ漫画業界の中では実用度が欠けるところがあるし、かといって一般誌向きな絵でもないし、立ち位置が微妙なんですよね。ポジション的にはくどうひさしとかに近いかもしれない。

【単行本】「バンビ〜ノ!」9巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 脇役キャラのエピソードをちょいとやった後、伴のデザート職人修行の様子をアツく展開。このあたりは伴とその師匠格である職人・織田がとにかくアッツアツ。お店のおねえちゃんにまでそのラブラブぶりを怪しまれてしまうほどで、とにかくムチャクチャな勢いでヤオっていた。まあ脇役エピソードのあたりは、主人公以外のキャラに深みを持たせられた反面、ちと寄り道気味で迷いがあるのかなあとも思ったけれども、デザート(ドルチェ)編がヒートアップしてからの展開はいつもながらの勢いはあって面白かった。

【単行本】「団地ともお」10巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 ついに10巻まで来ましたなあ。小田扉の週刊連載がこんなに長く続くとは……としみじみ。内容のほうも落ちることなく、相変わらずシュールだったり、スカッと笑わせたり、ちょっとホロッとさせたり味わい深かったりと実に多彩。味のある絵と味のある内容。そして安定感。いやはや大したもんでございます。


8/3(金)……わー、金がある

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 9/1 No.9 白泉社 B5中 [Amzn]

 作:原田重光+画:瀬口たかひろ「オレたま」が良いです。今回は小悪魔・エリスが、惚れてしまった相手である主人公・航太と契約することになるというお話。エリスが航太に命令してキスさせて、にやけ顔をしているシーンがとても良かった。脳味噌トロけたようなデレデレしまくりの表情を見ていると、読んでいるほうも思わずニヤけてきてしまう。ラブコメとしてかなりいい感じになってきてると思う。

 甘詰留太「年上ノ彼女」。みんなの後押しもあって、ついに努がアゲハの元へと帰還。待ち構えていたアゲハさんのいい女っぷり、腹の据わりっぷりが光る。物語はいよいよ次回で最終回。甘詰留太の一般誌での出世作となった作品だけに、良い形で締めくくってほしい。

 月子「しあわせなきょうだい」は、父母の離婚をきっかけにして想いが塞き止められなくなり、肉体関係を結ぶようになった姉と弟のラブラブストーリー。普段は奔放で明朗快活な姉が、弟に対しずっと温めてきた想いを伝えるシーンにしっとりした情感があって良かった。あと絵のほうもだいぶ青年誌向きに調整してきてる感じがします。

【雑誌】ヤングガンガン 8/17 No.16 スクウェア・エニックス B5中

 小林立「咲 −Saki−」。原村和嬢が立ってるだけでエロい。この乳。そしてこの太もも。セーラー服のリボンも胸の谷間の存在をより際立たせるように作用しているし。猥褻な女子高生だなあ。作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」はラス前。あと1回でちゃんとすべてにカタがつくのかなあ。とりあえずお手並み拝見といったところ。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 8/17 No.31 日本文芸社 B5中

 柳沢きみお「出張!大市民日記」。3回めの登場。今回の山形先生は「男の品格がどうのこうのいった話をしている。その一方で「駅のソバ屋の冷やしたぬきソバにゴマがかかってない」といって、ゴマ持参で店に乗り込むのだが、店内でゴマの袋を開けて素早くかけるという動作をきちんとこなせず狼狽しまくるといった姿もさらしている。「これで品格を云々されてもなー」という気もするけど、しょうもないことにあくせくする姿はちょっと微笑ましいな、とも思ったりはした。

【雑誌】コミックバンチ 8/17 No.36 新潮社 B5中

 古屋兎丸「彼女を守る51の方法」が最終回。ラストは大震災から5年経った日々を描写して締めくくり。震災直後はいろいろと悲惨なことも続いたけど、最後はめでたくおだやかに終了。古屋兎丸作品としてはあまりトンガったところがなく、普通のお話という感じもしたけど、内容は安定してたし、連載中は興味深く読ませてもらいました。

【雑誌】COMIC XO 9月号 オークス A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 この号はなんといってもゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」の最終回が目玉。最初のうちは、ロリロリ容姿だけどエロ漫画家をやってる少女と、ショボくれた貧乏エロ漫画家がヤリまくってるだけかな〜と思っていたら、中盤から漫画家青春ストーリーとしてガンガンヒートアップ。さらに終盤はエロ漫画に対するアツい想いを登場人物が叩きつけてきて、思わず知らず泣けてくるような物語に仕上がった。最終話も非常に良かった。主人公・貧太とキャノン先生が想いをぶつけ合って、ものすごく楽しそうにエロ漫画を描き続けるシーンはゾクゾクするものがあった。あとエロシーンもそのテンションそのままに盛り上がっていたし。これは単行本でまとめて読んだらまた泣いちゃうだろうなあ……と思うんだけど、単行本発売は12月予定だそうな。うーん、もっと早く読みたい!

 峠比呂「リボラバ!」も最終回。こちらはなかなか爽やかで、きれいな感じで締めくくってきた。相思相愛だった主人公とヒロインが、ラストになってやっと結ばれるという下りも心温まるものがあるし。けっこう楽しめました。

【雑誌】comic WG 9月号 Vol,0002 フロム出版 B5中

 書店に行ったら置いてあったので試しに購入。「働くお姉さん」をテーマにしたグラビア系のエロ漫画雑誌。執筆陣はベテラン作家が多く、安定した仕事をしてるんだけど、漫画としての面白みという面では正直いまいち。特筆するほど面白いと感じた作品は正直ないなあ。消しも大きく、現在の美少女漫画に慣れている人にとっては実用ツールとしてもちょっと厳しいか。

【執筆陣】月下冴喜、西高坂耕平、須藤くろす、おおぬまひろし、〜式、コバルト機、中島大佐衛門、銀杏樹、雪見野ユキオ、まよねーず。、みるく工房

【単行本】「Present for me」 石黒正数 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 石黒正数初の短編集。フラッパー掲載の「ススメ サイキック少年団」「Present for me」「なげなわマン」「カウントダウン」「バーバラ」、アフタヌーンシーズン増刊掲載の「ヒーロー」、雑誌未発表の「泰造のヘルメット」を収録。

 石黒正数については最初は主にフラッパー掲載の短編群で「達者な人がいるなあ」と注目していた。その後、フラッパーで「アガペ」の連載を始めて、これが原作者との相性も悪かったのがハチャメチャな出来で少々ガッカリしたのだが、「それでも町は廻っている」が成功して「よかったなあ」と一安心したしだい。

 短編のほうは今読んでみるとまだ肩に力が入っている感じで、うまくて気も効いてるけど少し空回り気味に思える作品もけっこうある。しかし作画はすでに完成されててうまいし、今につながるものも十分見せてくれている。この中では孤独な少女と打ち捨てられたロボットが出会うハートウォーミングなストーリーである「Present for me」、それから変身ヒーローと敵役の中の人の物語である「ヒーロー」あたりがよく出来ていると思う。両方ともさほどギャグっぽい話ではないけど、その分、小知恵が鼻につくところがなくてスッと読んでいくことができる。

 ギャグ系の話にもそれぞれキラッと光るものはある。「それ町」で石黒正数を知った人は、そのルーツを知るためにも読んでみてほしい。「アガペ」は……うーん、あんまりオススメはしないです。ぶっ壊れた作品を見たいという人はどうぞ。

【単行本】「それでも町は廻っている」3巻 石黒正数 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 というわけで石黒正数の最新作のほう。こちらは完全に安定飛行に入ってる感じでコンスタントに面白いです。ギャグのテンポが良いし、絵柄のほうも主人公の歩鳥を中心に愛敬がある。また会話のほうも軽快・軽妙。ボケとツッコミが絶妙で、時折ツボにハマって笑わせてくれる。作品全体がほのぼのしたムードに包まれているのも良い。てなわけで、適度に力が抜けてなおかつ脂も乗ってて、いい感じにうまくなってるなーと感心します。


8/2(木)……饕餮のガールフレンド

【雑誌】モーニング 8/16+23 No.35+36 講談社 B5中

 藤田和日郎「黒博物館スプリンガルド異聞 マザア・グウス」の後編。バネ足ジャックの物語の後日譚だが、ボーイ・ミーツ・ガールな冒険アクションに、過去のバネ足ジャックの物語をうまくからめてとてもキレイにまとめた。キャラがイキイキしていて良かったし、締めくくり方も痛快で面白かった。単行本のほうは9月に発売予定で、第二部はしばらく間を置いてから登場となる模様。

 福満しげゆき「僕の小規模な生活」。平凡そうな作者の日常だけど、周囲ではけっこう変わったことも起きたりしてたのだなあ……という回。それにしても福満妻の、よく分からないアクションは見てて面白いなあ。今回ものしのしと得体の知れない体操みたいなのをしてるシーンがいいなーと思った。

【雑誌】ヤングサンデー 8/16 No.35 小学館 B5中

 西森博之「ケーキ屋A子」。モヤモヤした気持ちをスカッと晴らす、豪快女子A子さんが主人公のドタバタコメディシリーズ。全10ページと短いけど、気楽に読めてまとまっていて、まあまあ楽しい。ただ本当は、不定期ではなくずっと継続して載っててなんぼってタイプの作品だとは思いますが。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/16 No.35 集英社 B5中

 本宮ひろ志の新連載「風のJIN」がスタート。この前に描いてた「まだ生きてる…」がおっさんの話でありすぎた反動か、今回は腕白少年が主人公のお話に仕立ててきた。風とたわむれるのが好きな少年がまず出てきたけれども、彼がヨットレースを志すって感じかなあ。まあとにかく明るく威勢よくやってほしいもの。柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。修行から復帰した菅田の強さに胸のすくものがあって痛快だった。力強くて鮮やかな指しっぷりにシビれる。あと勝負の後の受け師さんの焼肉食いっぷりも良い。よく食べるキャラは好きだ。

 それから今号には、読切で作:竹田雄介+画:Boichi「饕餮(TOUTETSU)」が掲載。原作は第1回YJ新原作大賞準入選作品。古代中国を舞台に、超絶的な力を持つ「まもり人」と呼ばれる男が、夏帝国の差し向けてきた精鋭軍と単身激闘を繰り広げるという物語。Boichiの力強い作画のおかげで、主人公の人外の強さが激しく描けていて、なかなかカッコ良く仕上がっている。原作のほうもまずまずじゃないでしょうか。古代中国という舞台設定だと、史実にあまりとらわれず好きなことがやれそうだし。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/16+23 No.36+37 秋田書店 B5平

 短期集中新連載、那須信弘「多重人間バニシングツイン」。本当は気弱な性格なんだけど、目つきの悪さもあって周囲から恐れられている主人公・粟音琢馬。そんな彼の左手に女の子型の人面疽ができてしまって……という出だし。そこまでだと「美鳥の日々」みたいだが、実はその人面疽は彼の中に元々あったものが表に出てきただけであって、琢馬自身も凄い力を秘めていたのだった、ってな感じでドタバタ喧嘩もありのアクションが展開されていく。絵的には少々古めなテイストだけど、まあまあ読めはする。ただ現在のチャンピオンの中で突出するには、もう一つ何かウリは欲しい。

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。あー、なるほど、このタイトルはそういう意味だったのか……。なんか脱力。それにしてもこの野球部のマネージャー女子は腹黒くていいな〜。さすがコージィ城倉(森高夕次)キャラですな。

【雑誌】コミックメガストアH 9月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 和六里ハル「三姉妹物語」は、主人公男子がおとなりに住む幼なじみ三姉妹にモテモテで取り合いされるという内容。3人とそれぞれヤッて、最初に妊娠した娘さんを本妻に、残りの二人を愛人にしろと迫られる。まあ3姉妹はそれぞれタイプが異なり、巨乳も貧乳も楽しめるといった形。ゴージャス感もあるし楽しい作品になりそう。形のいい乳やかわいらしい女の子たちの表情など、絵のほうもさすがに華がある。

 甚六「あしたからなつやすみ」。つるんとした絵柄が目に心地よく、ボリューム感のあるおしりも見映えがする。いかにも素直で健気そうな娘さんがあんあんヨガりまくっている様子がかわいらしいですわい。ゆきみ「愛のままに わがままに」は、人に見られそうなところで好んでプレーしまくるカップルさんの様子がイタズラ心たっぷりでよろしい。描線も相変わらずのキレ味の良さでフレッシュな触感。

 てりてりお「愛は無軌道」。めがねでこ娘・高瀬ちゃんと、スケベな彼氏の高田くんを描いたシリーズ。毎回高瀬ちゃんが高田くんにダマされ、流されてエロっちい行為をしちゃう様子がとても楽しい。高瀬ちゃんのちびっちゃくて人が良さげ、ちまちま動く姿がキュートで良いです。無望菜志のお姫様&触手くんエロエロラブコメ「テンタクルラバーズ」は佳境。親が決めた婚約者の元に連れ戻されることになった姫様は覚悟を決めるが……。次号で最終回だろうけど、最後は普通に人間&人間に戻ってラブラブで終わるかな? 触手も出てきてほしいところではありますが。

 イソラシ「妄想スクランブル」は、親同士の再婚で一緒に住むことになった少年少女のラブラブストーリー。騒々しい性質の女の子がなかなかかわいい。あと、草津てるにょ「チヨリコキモノ」。やっぱりこの人の人妻モノはエロっちいですのう。熟れた人妻が若い男に迫られて、吸い寄せられるようにエロ行為に耽っていくさまがねちっこくていいですわい。

【単行本】「ぼくらの」7巻 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 コモ→アンコという順番。有名なTVキャスターを父に持つアンコ(黄色い髪の毛で毛先がふわふわした娘さん)がジアースを操って闘う模様は、TVカメラを通じて全国に放映されることに。このエピソードは悲痛だけれども、父とのつながりを求めて頑張るアンコのキャラが印象的で、読みごたえのあるくだり。ルックス的にも目立つ女子だっただけに、やはり盛り上がった。ジアースを世界の人々がどう受け止めていくのかといったことも含めて、今後が楽しみ。

【単行本】「REC」7巻 花見沢Q太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずお気楽な感じ。まあ松丸がアニメ映画に声優として出演させられたり、赤の母親が出てきて同棲を咎められたりといった展開なので、わりとお話的には動いてるけれども、どうせいつもどおりなんとかなっちゃうんだろーなーという安心感はあるし。現在は「すげー面白い」という状態ではないけど、とりあえず肩の力を抜いて、さらさらーっと読めます。

【単行本】「サニーサイドアップ」2巻 ジェームスほたて 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 町の喫茶店の、料理がうまいあんちゃん・光太郎が、看板娘・タマコをはじめとしたかわいいねーちゃんたちに囲まれて、エッチなトラブルに巻き込まれるといった感じのお話。ジェームスほたての、明るい絵柄だけれども、ジューシィで、ピチピチした女体描写はいいけど、お話としては少々とっちらかった印象。もう一つノレなかった。


8/1(水)……脆く濃霧ジェット

▼周回遅れ漫画感想シリーズ。書いているのは13日。いちおうお盆期間中には追いつくつもり。まあここから更新のインターバルが短くなるので、読みづらくはなるかと思いますがご勘弁を。

【雑誌】近代麻雀 9/1 竹書房 B5中

 前田治郎「ナグモ」。いちおうヤクザ男との対決編は一段落。といってもまあこのまあ相手が離してくれるわけはないけれど。それにしてもこの人でとくに感心するのが、絵がどんどんうまくなってること。最初は福本伸行っぽさが目立っていたが、最近はあんまり感じなくなってきた。ただナグモがかっこよくなりすぎな気もする。

【雑誌】ビジネスジャンプ 8/15 No.17 集英社 B5中

 熊谷カズヒロの新連載「モノクロームジェット」がスタート。異形の変身ヒーローが、弱者に変わって悪を討つ……といった勧善懲悪アクション。主人公の変身後のフォルムはのっぺりした、馬のような独特のデザイン。まず1話めは、主人公の顔見せ的に事件を一丁解決。今のビジネスジャンプの中では異色の存在だが、インパクトのある作品を描いてくる人なんで、今後の展開に期待したいところ。

【雑誌】週刊少年サンデー 8/15 No.35 小学館 B5平

 玉越博幸が読切「LOVEオートメーション」で登場。この人はいろんなところに登場しますなー。お話としては、主人公少年が、突然送られて来た等身大の綾波っぽいルックスのロボットに焚き付けられて、ずっと素直になれずにいた幼なじみ女子とラブラブになるというもの。甘ったるくて爽やかなラブコメとして、きっちりまとめてきている。玉越博幸は、「BOYS BE...」のころとさほど変わってるわけではないけど、絵がちょっぴり爽やかになった印象で、今のほうが好きかなあ。

 鹿賀ミツル「ギャンブルッ!」。マサル少年の人の悪さが発揮されまくり。IT社長の人を翻弄しまくる姿は迫力あり。まあギャンブル理論としてはかなりムチャなことやってるとは思うんだけど、そこは押しの強さでカバーしているので良し。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/15 No.35 講談社 B5平

 咲香里「スマッシュ!」。故障からの復帰を目指す翔太が、猛特訓モードに突入。やはりスポ根漫画における特訓シーンはけっこう楽しい。鍛えれば鍛えるほど力がつく……というカタルシスがあるし。あと今号のラストからすると、これから例のコンビも練習に合流するのかな? それにしても諦めずにここまで設定を持ってきた咲香里の粘り腰には感心させられる。

【雑誌】ポプリクラブ 9月号 マックス B5中 [Amzn]

 あかざわRED「絶対少女ism」がノリノリでなかなか楽しい。女装が似合いすぎ名少年をめぐって、お嬢様二人が競り合いを繰り広げる。かわいい絵柄と勢いでダーッとたたみかけてくる作風がとても楽しい。明るいドタバタギャグノリのわりに、エロシーンもまずまず激しいし。いちおう次回、全3話で完結予定となっている。

 綾乃れな「なつみずっ!」は、ツンデレ娘さんが水着の試着中に欲情しちゃって、試着室内エッチという感じ。ぷにぷに豊満でやわらかそうな体つきが毎度エロす。BENNY’S「突撃家庭教師」は、爆乳家庭教師モノ。だっぷんだっぷん実ったお乳がいつもながらの見応え。体操着コスプレにはさほど興味はなかったりしますが、まあ相変わらず手堅くかわいくエロいです。

 De「雨の日の出来事」。いつもながらのちんまりまとまった絵柄が良い。今回の、ショートカットで髪の毛の片方だけひもみたいなので束ねている、無口少女なヒロインさんもなかなかキュートでよろしかった。お話もラブラブで甘ったるい。中年「わが家のオムツがはずれた日」もこれまた甘ったるし。スッキリ可憐でいい絵ですのう。

【単行本】「日本沈没」7巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻では、相次ぐ地震と大災害によって日本沈没の件が世間に知られ始める中、小野寺と阿部玲子が短い逢瀬の中で結ばれる……といった内容が中心。事情が事情だけに二人、とくに小野寺は性急にコトを進めるが、切なくも甘い恋人たちのやり取りはしみるものがある。ラブシーンの描写としては相当なもんでしょう。心に刻みつけられる。

 そしてこの巻のもう一方の主役は、日本の行く末を国民にどう伝えるかで、とんでもない苦悩を背負わされることになった緒形総理。彼の表情からどんどん魂が抜けていく様子は凄惨だし、単行本ラストのあたりのブチキレっぷりは迫力満点。恋人たちの様子、それから総理の苦悩、両方とも人間の心がぐらぐら揺さぶられる瞬間を描いているわけだが、その描写の激しさ、テンションの高さは一色登希彦ならではのものがある。これだけの力技が使える作家さんというのも珍しいんではなかろうか。自分としては、素直にスゴイ、と思う。

【単行本】「ナチュン」2巻 都留泰作 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ますます混沌としてきてるなー。究極の人工知能開発のために、イルカを観察しようと沖縄の海にやってきた主人公だが、現地の漁師や住民たちのぺースに巻き込まれるばかりで観察は一向に進まず。彼の面倒を見てくれた漁師のゲンさんと、ゲンさんに恋する口のきけない海女の少女の恋を取り持とうとしたり、若奥さんに誘惑されたり。

 そんなわけでだんだん何が本来の目的なんだか忘れそうになったりもするのだが、寄り道しまくりながらも物語進行のテンポは良いので読んでて何やら小気味良いものがある。絵のほうも独特の味で、ちょいと色気もあるし。今後お話が大きくなるか、それともグダグダしたままで行くのか、今だに予想がつかないところはあるものの、この「何かやってくれそう」感は貴重。興味深く読んでます。

【単行本】「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」3巻 作:ufotable+画:たあたんちぇっく メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 聖桜学園の学園祭編。漫画版の学園祭は、アニメ版よりもだいぶ工夫が凝らされていて、良かったと思う。アニメ版については3月27日の日記で厳しめの感想を書いたが、学園祭のくだりは、アニメ版では個人的には物足りなかったエピソードだった。アニメ版の学園祭の場合、生徒会の面々はその他の生徒側の意見を吸い上げることなく、「とにかく学園祭をやりたい!」という自分たちの都合だけで突っ走り続けた。しかも派手にぶちあげたわりに実際に行われたのはごく普通の学園祭だった……という感じで、拍子抜けしてしまった。

 その点、漫画版のほうは、学園祭の内容自体に創意工夫が感じられたし、生徒会が突っ走るも生徒はついてこず→生徒の意見を取り入れる→みんなの学園祭を作るという過程が描かれていたのでだいぶスッキリした。とはいえ漫画としては、絵がカワイイもののゴチャゴチャしてて、もう一つ押しが弱いかなあとも思う。汗臭さのない絵柄のおかげで、淡々とお話が進行しちゃってるというか。アニメ版で学園祭をこの内容でやってくれれば一番良かったんだろうけれども。


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