2/29(金)……処理中どす鍛練具
▼再度宣伝。OHP月極アンケート、2008年3月分「時をかける漫画」実施中です。タイムスリップ系のネタを扱った漫画のオススメを挙げていったり、雑談していったりといったアンケートです。よろしくお願いします。
▼更新はぼちぼちスピードアップします。毎度サボりまくりですみません。
(2008/03/16)
【雑誌】ヤングキングアワーズ 4月号 少年画報社 B5平 [Amzn]
二宮ひかる「シュガーはお年頃♥」。アサミの過去を巡るエピソード。なんかけっこう鬼畜系なお話をやっててちょっとグッと来た。いやーこれでグッと来ちゃうってえのもどうかと思うんですが、あんまり細かく描かれなかった部分でアサミちゃんがどんな目に遭ってたのかなあとか想像するとなかなか。とはいえまあちゃんとオチはつくので、最後まで読めばそれなりに安心はできます。
石黒正数「それでも町は廻っている」はまったり安定。今回は歩鳥の意外な天才性が明らかになるけど、別に何かの役に立つような天才性ではなく。くだらなくてええ具合に力抜けてて良いです。大石まさる「水惑星年代記」は、月で生まれた「月娘」のエピソード。奔放な性格のヒロインさんがイキイキしてて魅力的。この家族というか一族のお話はけっこう引っ張りますね。
【雑誌】コミックバーズ 4月号 幻冬舎コミックス B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
山田穣の新連載「がらくたストリート」が開始。第1話を読んだ段階ではまだどういう作品になるか予想しづらい。とりあえず自然が近くにある町の腕白少年少女たちが、山の中で遊んでいる最中に、直径1メートルはあろうかという超巨大なクルミを発見。そこから謎の存在が出てくるか……といったあたりがほのめかされている。元気なお子様たちと不思議な存在によるドタバタコメディ、あるいはジュヴナイル、あるいはSFってな感じでしょうか。まずは明朗快活な雰囲気で、楽しくなりそうな感じではある。なお山田穣は、山田XとかZERRY藤尾とかいった人と同一人物であろうと思われる。
うめ(小沢高広+妹尾朝子)「大東京トイボックス」番外編は6話め。これが番外編はラストかな? 6月号からは本編が再開予定とのこと。それにしても産休でしばらく番外編ということだったけど、本編とあまり変わらんボリュームでやっておりましたな。
綾村切人「RED GARDEN」。女の子4人組が、自分たちがどういう状況に置かれているかを知って絶望する。ここらへんはアニメ版にもあった展開だけど、今回のラスト部分はアニメではなかった展開。ちょっと意外な方向に進んできました。どうなっちゃうのか先が気になる。この作品はアニメ版も良かったけど、漫画版もけっこう面白い。アニメ版よりも百合色が強かったり、お楽しみが多いです。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 3/14 No.10 日本文芸社 B5中
さだやす圭「サンキュウ辰」が最終回。かつて八百長事件の疑いで日本プロ野球を追放された主人公・佐渡島が、球界復帰を目指す物語。広島カープ的な弱小球団に入って、復帰後初登板で連載終了。野球漫画的にはこれからが本番というところなので、終わり方としてはちょっと物足りなかったかな。なかなか本格的に野球やるとこまで行かなかったし。
土山しげる「喰いしん坊!」。やっぱり「次は世界だ!」ネタで来ましたか。世界の強豪たちと対決するというのはもちろんありだけど、日本以外でこういうフードファイターを専門的にやってる選手っているもんなんでしょうか……。まあどうでもいいっちゃどうでもいいんですが。ラズウェル細木「酒のほそ道」。今回はモツとか内臓系の部位を使った焼肉の話。やっぱ内臓系はうまそうだなあ。自分もけっこう好きです。
【雑誌】コミックバンチ 3/14 No.13 新潮社 B5中
新連載、浅田有皆「ウッドストック」。タイトルからも分かるとおりロック漫画。インターネットのWebサイトで架空のバンドをでっち上げて、自分の作った曲を配信している男が主人公。彼がやがて日本ロックシーンを揺るがしていくって感じですかね。浅田有皆は以前「M.C.☆LAW」を描いていた人で、上條淳士っぽいテイストの絵柄。出だしとしてはまだピンと来てないけど、まあまあって感じかなあ。
それからもう1本新連載。若狭たけし「博士と助手高生」。大ボケ女子高生とインチキくさい博士が、エセ科学系のネタでアホなやりとりを繰り広げるという内容。ノリの良いドタバタ漫画となっていて気軽に楽しめる。スーパージャンプの「働け!メモリちゃん」以来、すっかりギャグの人として定着してきた感じですな。
【雑誌】コミックホットミルク VOL.04 コアマガジン B5中 [Amzn]
相変わらずの豪華なメンツで大したもんです。現在は隔月刊行だけど、そのうち月刊化という話も出てくるでしょうね。まあ現在のクオリティは隔月だから保てているって部分もあるだろうけど。
巻頭カラーは瀬浦沙悟「チョコとエプロンと幼馴染」。タイトルどおり、バレンタイン・デーに幼馴染カノジョが裸エプロンでチョコを作ってくれるというお話。この幼馴染みがかなりええ感じの巨乳っぷりでそそられる。その乳の中でも、とくに乳首をかなりアップで描いているのが目をひく。つんつんおっ立った乳首同士をこすり合わせたり、彼氏彼女の二人で一つの乳首を同時舐めするなど、なかなかええ感じのいじりっぷりで気持ち良さそう。
月野定規「夕刻の淫夢」。夫にほったらかしにされていた子持ち人妻さんが、少年のピチピチした肉体に溺れていくといったお話。最初は出来心だったのが、どんどん夢中になっていってしまう、ねっとり淫靡な雰囲気作りがとても良い。トロトロに煮詰まった人妻エロスといったところ。木静謙二「とりあえず生で!」も年上おねえさんの熟れた肉体が、むんむんエロっちい。表情も色っぽいです。
如月群真「舞FAVORITE」は消しが丁寧。ちんこの輪郭がしっかり分かるように白抜きにしたり、フェラチオで口内に先端部が隠れているときは、幹の部分に消しを入れなかったり。ちんこについては「コンビニ売りなのに大丈夫?」とか思ってしまうくらい見える。女性器のほうは消しをあまり入れなくていいよう、構図を工夫してますね。この人の場合は消しがキツいと厳しいので、いろいろ考えているんでしょう。
おりもとみまな「スモッグアラート!」。ヘヴィースモーカーの彼氏と、その彼女のお話。「今度タバコが吸いたくなったら代わりに私の乳首を吸いなさいよ!!!」という、彼女さんのセリフに勢いがあって良い。松本ドリル研究所「まマまま!」4話め。魔王を宿したカワイイ男の子であるゆう君が、クラスメイトの葉月さんをデートに誘う。ドタバタした展開はいつもどおりながら、今回はラブコメ度もけっこう濃厚で楽しかった。久川ちん「友達以下、恋人未満」。こちらもいい感じでラブコメ。影になってる部分とか顔を赤くしてる部分を表現する斜線の入れ方が、柔らかい雰囲気を醸し出してて惹かれます。あと快活でほのぼのしたお話作りも上々。
巻末カラーは石恵「くいしん棒!ハンザイ」。普段はグータラな男性記者について取材に行った後輩女性記者が、たくさんの大根=おちんちんに囲まれてシャッキリポンという感じの作品。ぶっちゃけた話、「美味しんぼ」パロ。4ページと短いけれどもつややかで華やかな塗り、ボリューム感のある肉体描写はやはりすごくキャッチー。軽いお話な分、淫靡さは少し薄いけれども絵の持つエロパワーは一級品。うまいですねえ。
【執筆陣】瀬浦沙悟、月野定規、鰻丸、山吹怜史、石恵、レオパルド、天太郎、うろたん、如月群真、山文京伝、おりもとみまな、木静謙二、久川ちん、松本ドリル研究所、A-10
【雑誌】快楽天 4月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]
鳴子ハナハル単行本「少女マテリアル」近日発売予定の告知が。わざわざピンナップにするあたり、売る気満々な様子。そして出たら間違いなく売れるでしょう。多少高くてもいいので、良い本にしてもらいたいところです。
SABE「ブルマー2008 逃げろアイーシャ」。アフタヌーンでの「世界の孫」の連載が終わったということで、今回はエロ系では久しぶりに16ページ、しかも珍しいことにセックスシーンもある。そして内容はいつもながらのブルマ漫画。外見はかっこいいのにブルマにこだわりまくる男2人の様子がアホらしくておかしいです。今後はまたこっち(アフタヌーンではなく快楽天、という意味)がメインになるんですかね? まあどこで描こうとSABEはSABEだということが「世界の孫」でよく分かったので、どっちでも良くはあるのですが。
いぬぶろ「はたらく!おねえさん」。巻頭カラー6ページ。スーパーで勤務中の若奥様が、夫の人にエッチなおねだり。ロリ顔で甘えん坊な奥さんがとてもキュート。甘ったるくて楽しい。かるま龍狼「モモクリ」。ベランダ越しにやってくる幼なじみツンデレ女子が、主人公少年にエロいイタズラを仕掛けてくる。作者としてはツンデレものを描こうとしたとのこと。ちょっとヘンな娘さんではあるが、これはこれでカワイイと思います。相変わらず芸達者。
北河トウタ「フェロモン」。緊張したり興奮したりするとフェロモンを出してしまうあんちゃんが、その悩みを相談した占師ねーちゃんとくっつくというお話。以前同じ設定の女の子バージョンをやってたけど、今回の主人公はその女の子の弟という設定。占師さんの机を使って、町中でプレイしちゃうってのがわりと面白い。あと占師ねーちゃんがけっこうカワイイというのも魅力。
【雑誌】エンジェル倶楽部 4月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan]
ドリル汁「生臭坊主は西へ西へ」。西遊記もののエロ漫画で現在6話め。明るめでデフォルメきいたかわいい絵だが、崩したときのタッチが独特。さらにエロシーンがテンション高くて濃い目なのがなかなかにいい感じ。とくにヨガリ顔は盛大。表情豊かなのが見てて面白いです。
DEN助「ヤニブシ」もちょっと気になる絵柄。パースのきいた構図取りがダイナミックで、線の強弱がきいたタッチは個性的。まだ荒削りだけどちょっと印象に残る。お話のほうは、部員減に悩まされる陸上部マネージャー女子と、その部に残った数少ない後輩男子部員のエロ物語。マネージャー先輩の威勢の良さとかが見てて楽しい。
【単行本】「MOON −昴ソリチュードスタンディング−」1巻 曽田正人 小学館 B6 [bk1][Amzn]
2000〜2002年にビッグコミックスピリッツで連載された「昴」が復活、単行本1巻が発売。ダンスに自らの全てを賭ける天才バレエダンサー・宮本すばるの生き様を、アツく激しく鮮烈に描いていく物語。無印「昴」のほうでは、すばるが「ボレロ」で人々に衝撃を与えるところあたりまでが展開されたけど、「MOON」はその後、昴がベルリンのバレエ団に移籍。そこで彼女は、盲目のダンサー・ニコと出会う。
1巻は、まだ「ボレロ」後の昴をめぐるゴタゴタなどが描かれていく段階なので、ダンスシーン自体はさほど多くない。お話的には助走段階といったところ。ただそれでも随所で昴は天才性を発揮しているし、これからの盛り上がりを予感・期待させるだけのものは示している。今後はニコとコンビを組んでのダンスシーンがどんどん増えていくはずで、昴がその中でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみ。
【単行本】「美咲ヶ丘ite」1巻 戸田誠二 小学館 B6 [bk1][Amzn]
平凡な人々の日常の中にあるドラマを描いていく連作短編シリーズ。戸田誠二はこれまでもしみじみ情感のある短編をいろいろ描いて来ている人だけど、この単行本でもそれは健在。垢抜けない素朴な絵だけれども、心温まり、ときにほろっとさせるような物語を描いている。過度にドラマチックにしたり、不自然にお話を展開させたりとかいったことはないんだけど、けっこう感動させられちゃったりする。うまい人だなあと思います。
【単行本】「めがねのひと」 日坂水柯 白泉社 A5 [bk1][Amzn]
めがね女子の恋やら愛やらエッチやらを、甘く楽しく描いた作品集。しっとりとした手触りのお話は、二宮ひかるにちょっと似た感じのテイスト。まあ二宮ひかるよりはちょい丸っこい感じだけれども。
各エピソードは短いものがけっこう多いんだけれども、いずれも雰囲気がとても良くてそれぞれ楽しめる。基本的にはどれも恋人たちのエッチ含みのラブストーリーといった感じ。ラブラブな話が多めではあるが、ただイチャつくだけでなく、ちょっと心をざわつかせるような仕掛けがそれぞれ用意されているが良いところ。例えば、エッチをするとき眼鏡を外すか外さないかといった、眼鏡に関わる話題をエッセンスとして使ってみたり。恋人たちの何気ない日常の中から、お互いの感覚の違い、相手を求める気持ちを浮き彫りにしていくお話作りがなかなか巧み。飽きずに読めます。
あと線が太めなシンプルな絵柄なんだけど、独特の色気があるのも良い。なだらかな曲線を描く、ふっくらした感じのボディラインには人を惹きつける引力がある。そういうのはやっぱ「触ってみたい」というところから、「好き」と思う気持ちにもつながっていくんでしょう。なんだかとても気持ちの良い漫画です。
【単行本】「おねえちん」 RaTe 茜新社 A5 [Amzn]
コミックPOTや夢雅、TENMAなど、いろんな雑誌で描いた作品を収録した短編集。掲載誌、発表時期がバラついているだけあって、お話的にもいろいろと。まあ姉ものが多めなのは確かだけれども、人妻モノがあったり「P総研」シリーズがあったり。RaTeといえばおちんちん系、ふたなり系の話は多い人だけど、この単行本では割合は低め。基本的にあっけらかんと明るい作品が多いので、気楽に楽しめるのが良いところ。
収録作品の中では、お姉さんが酒に酔っ払っ(たふりをし)て弟に迫る「お姉ちゃん劇場」あたりがラブラブで個人的には好きかな。エロ度では「ためるなキケン−かんなの教訓−」に惹かれます。フタナリ少女たちがオナ禁にチャレンジするというお話。ためてためて出しまくる様子がたいへん気持ち良さそう。あとどの作品にも共通していえるのが、RaTe独特のもっちりした肉感。ぼてっとしたボリューム感があって、単純に触って気持ち良さそうに見えるのがいいです。
2/28(木)……デリートのN
【雑誌】モーニング 3/13 No.13 講談社 B5中
福満しげゆき「僕の小規模な生活」が連載再開。扉ページはなんと巻中カラー。ずいぶん扱いが良くなったものだなあとしみじみさせられる。昔と比べると、絵がふっくらして満ち足りた感じになっているのは、やっぱ環境のおかげとかあるんですかね。
MANGA OPENで奨励賞を受賞した林晴々「ニンジン」が掲載。妻の父親から、実家のすぐ隣に一戸建ての新居をプレゼントされたご夫婦の夫の人が主人公。妻の親御さんの親切さは承知しつつも、そのおせっかいさに圧迫感を感じる彼だったが……という新婚コメディ。きっちりまとまったかわいげのある絵柄で、お話のほうもまずまず楽しい。完成度の高い作風なんで、ネタがうまくハマればそれなりの活躍が望めそう。
【雑誌】ヤングサンデー 3/13 No.13 小学館 B5中
北崎拓「さくらんぼシンドローム クピドの悪戯II」。失恋のショックで情緒不安定になっていたれなだが、阿川の真摯な態度と言葉によって救われる。落ち着きを取り戻したれなだけど、これは完全に本気になってしまいましたかねえ。こうなってくると麻生さんを含めて、恋愛的にはさらにもつれていきかねないけれども。そういった今後の展開が楽しみだし、何より今回のれなの笑顔は良かった。
【雑誌】ヤングジャンプ 3/13 No.13 集英社 B5中
新連載、山本隆一郎「サムライソルジャー」がスタート。「渋谷ギャングスタ叙事詩」とあるように、渋谷の街を舞台にしたヤンキーものといった作品。まあ正確にはヤンキーじゃないけど、骨組みはまあ一緒。伝説の凄い男みたいな奴が渋谷に帰ってきて、根性と腕っぷしで活躍していくといった感じ。よくあるタイプの作品ではあるけれど、そのぶんこなれた作風でスムーズな出だし。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/13 No.13 秋田書店 B5平
板垣恵介「範馬刃牙」。扉ページが見開きで、刃牙とピクルが描いてあって「運命の輪廻が遂に交錯わるッッ!!!」とか書いてあるから、この二人の直接対決があるのかと思ったら、本編には刃牙は出てこなくてちょっと肩透かし。それにしてもこの烈海王vs.ピクルにおける、烈さんの扱いはかなり酷でしたな。
読切、とうじたつや「くろます姫」。ものすごく釣りがうまくて奔放な少女・黒咲もみじと、彼女の幼なじみである釣具屋の息子・大和のコンビが、大物狙って奮闘するという明朗快活な釣り漫画。少年チャンピオンはときどき釣り漫画が載るけれども、なかなか連載化、あるいはヒットするってとこまでは至っていない。この作品も元気良くて悪くはないけど、連載化とか考えるとなるともう一押し欲しいかなという気はする。
【雑誌】メロディ 4月号 白泉社 B5平 [Amzn]
勝田文の新連載「プリーズ、ジーヴス」が開始。20世紀前半のイギリスが舞台。ぼんくらな貴族の坊ちゃん・バーティーと、彼の生活をすべて取り仕切っている超有能執事のジーヴスの物語。バーティーは坊ちゃん育ちでおばかさんなので、ジーヴスがいないと本当に何もできない。スケジュールの管理から服の柄まで、すべてジーヴスに任せっぱなし。まあそんなわけで、まぬけな御主人様と、抜け目なさすぎなジーヴスのコンビを面白おかしく描いた作品になっている。
勝田文の描くキャラは脳天気な人物がけっこう多いが、このバーティーはその中でもかなりなもの。ジーヴスには内心小馬鹿にされてたりするのだが、そんなことはあまり気にせず、ジーヴスに完全依存。その呑気さ、間抜けさ加減が見ててとてもおかしい。ジーヴスの腹黒さもけっこう楽しい。ものすごい天然ボケな主人公と、ツッコミ役でありながらボケを助長させているかのごとき執事。なかなかに愉快な二人です。今回のシリーズはカラッと明るい作品になりそう。今後も楽しみでございます。
よしながふみ「大奥」。家光時代の話はこれにておしまい。「大奥」全体でかなりな長編になるという話だったので、家光編はもうちょっと続くかと思っていたので、最後のほうのスピーディな進行は意外だった。でもこのくらいサクサク進んでくれるほうが個人的にはありがたいところではある。
【雑誌】フラワーズ 4月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
読切登場、草間さかえ「本日はお日柄も良く」。死んでしまった兄の奥さんにずっと想いを寄せていた良平。そして子供のころから良平になついていた、兄の娘である春子。時が過ぎるとともに移り行く3人の人間関係を描いたストーリー。草間さかえについては全然詳しくないですが、作品自体は何度か見たことがあり、達者な人だなあと思ってました。この作品についてもスッキリと品が良く、暖かみや甘みのある絵柄が心地よく、恋心をほのかに漂わせる雰囲気作りも上々。なかなかに良い作品だった。6月号にも巻頭の2色コミックで登場予定だそうでそちらも楽しみ。フラワーズは今、小玉ユキや岩本ナオといった若手が伸びてきて充実してるけど、この人あたりもちょくちょく描くようになったら、さらにええ感じになってきそうですな。
清原なつの「カナリア姫とオウム王子」。24ページ読切。幼いころから歌うことだけしか教えられないで生きてきた少女が脱走。逃げ出した町で不思議な青年と出会うが……。甘く切ないファンタジーにまとめててまずまず。ただラストシーンのドクターの姿は、意図は分からないでもないけど唐突だなあと思った。
滝野マリ「春が来るまで」。第61回小学館新人コミック大賞入選作。風邪をこじらせて死んでしまった女子高生が、好きだった先輩男子に想いを込めた手紙を送る。なんか「シゴフミ」みたいな設定だけど、少女や先輩の気持ちが暖かで爽やかにまとまっている。絵のほうも整っていて、完成度は高い。ただきっちりしている反面、「この人ならでは」という印象に残るものには欠けているかなあという気もした。
小玉ユキ「坂道のアポロン」。千太郎が上級生の女子・百合香さんに恋してしまい、薫は律子への競争率を下げる目的もあって、千太郎の恋を取り持とうとするが……。恋に悩む千太郎の姿がたいへん微笑ましいし、薫のほうのちょっぴり複雑な心情描写も秀逸。いやー毎回面白いなあ。単行本1巻は4月下旬に発売決定だそうで。オススメです。
よしまさこ「横浜迷宮 Birds」後編。幼なじみの翔一との結婚を控えたヒロイン・萌々子だが、その周囲では奇妙なことが頻発。進まない時計、治療したはずなのに痛む奥歯などなど……。前編ではその不思議が語られ、後半で種明かし。シリアス展開を続けたが、最後はきれいに落としてまとめた。さすがベテラン、達者だし読ませます。
【雑誌】コーラス 4月号 集英社 B5平 [Amzn]
小冊子が付属。東村アキコ「ママはテンパリスト」をはじめとした、育児漫画を集めた1冊。それにしても、育児漫画を見かけることが最近増えたなあ。
それから本誌では、上野愛の新連載「HELP!」がスタート。自己流ではあるけれどクライアントとの信頼関係を築くのに長けた、駆け出しカウンセラーの女性が主人公の物語。初回は、母親のいうことをきかないのでカウンセラーに託された少年を巡るエピソードで、育児系のお話になっている。まあクライアントはそのときどきで変わるだろうから、育児オンリーな話では終わらないだろうけど。人間の心に分け入っていくお話なんで、絵はスタイリッシュだけど読みごたえはけっこうある。
渡辺ペコ「ラウンダバウト」。主人公・真とお母さんのエピソード。お母さんは真に「勉強しろ」とはいわず放任しているが……。なんだか奇しくもこの作品まで今回はお子様の教育に関わるお話ですな。年齢はだいぶ上だけど。真のお母さんはお子さんを縛り付けず、信頼のもとに育てていてなかなか頼もしい。素敵な方であります。読んでて爽やかな気分になりました。
【雑誌】阿ウン 4月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan]
あきやまけんたの短期集中新連載「メイドdeラプソディー」は、タイトルどおりのメイドさんもの。空腹で行き倒れていたメイドさんを拾った平凡な主人公が、彼女と愛欲生活を送っていくことになるも、そのメイドさんを狙う組織の者が現れて、といった感じ。まあエロ漫画誌ではありがちなタイプの作品だが、ドタバタした雰囲気はまずまず楽しく、エロシーンも悪くない。
師走の翁「平成性教育委員会」後編。セックスよりオナニーのほうがいいといいっていたお兄ちゃんが、妹たちがやってるセックス啓蒙集団「尚精会」によってめくるめくセックス体験をして、セックスの素晴らしさに目覚めるというお話。まあ要約するとそれだけでしかない話なんだけど、それを3話使ってみっちりやってたんでエロのボリューム感はバッチリ。またノリが良くスピード感があるのも良いところ。単行本でまとめて読むとより良さそう。
田倉まひろ「カスタムゾンビちゃん」。単行本にも収録された、ゾンビ娘とドクターによるドタバタエッチストーリー。ゾンビちゃんはなかなかかわいくて楽しいキャラだったので、続編やってくれるのはうれしい。今回はヴァンパイア娘が登場してそっちをゾンビちゃんの触手で犯すのがメインだけど、今後はドクターとゾンビちゃんの過去エピソードも出てきそう。田倉まひろは絵が瑞々しく、けっこう笑える楽しい話を作れる人なんで、続きにも期待です。
【雑誌】キャンドール 4/12 No.51 実業之日本社 B5中 [Amzn]
西野映一「ツンな彼女がデレるまで」。2話め。強引なマッドサイエンティスト的な先輩女子のせいで、エッチなことをさせられてしまった獅子丸君と姫乃さん。ツインテールなツンデレ女子の姫乃さんが、獅子丸君にちょっとトキメキつつある様子が微笑ましい。前作の「ひめゆら」もそうだったけど、わりとラブコメ力は強い人だなと思う。
小石川ふに「加納家の事情」も毎度ラブコメしてて良いです。とくに最近は、お兄ちゃん大好き妹のゆかちゃんが毎回かわいい。今回もお兄ちゃんを見つけてうれしそうに走ってくる表情がいいなあ。エロスはほとんどないけど、フレッシュなトキメキにあふれている。
すずきみら「放課後ヲトメ倶楽部」。隔月登場の新シリーズ連載。「放課後オトメ倶楽部」という、女の子たちが楽しく過ごすためのサークルみたいなのを通じて知り合った男女のラブラブストーリーといった内容。出会い系とかデートクラブっぽくはあるけど、ヒロインさんが遊び慣れた感じではなくて、初々しい様子なのが楽しい。まあやってること自体は大胆だったりしますけどね。クセがなく、安定してかわいい作品を描いてくる人なんで、この作品もコンスタントに楽しめそう。
【単行本】「鵺の砦」 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
短編集。シャープで乾いた絵柄で、個性的なストーリーを展開している作品集。読者に対してヌルいサービスとかする人ではないので、お話のほうはなかなか「スカッと面白い」というふうにはいかず、皮肉な感じの味わいの作品が多い。たぶん好き嫌いは分れるだろうなと思う。自分としても、福島聡の絵は好きだし惹かれるものは多分にあるものの、面白いかっていわれると、正直なんとも答えづらい作品が多い。いやつまらないってわけではないんだけど、どこそこが面白いっていいにくい。なんか「俺は分かってないんじゃないか?」とか思っちゃうし。
その中でわりととっつきやすいのは、福島聡が原作、作画を森薫が担当した「すみれの花」だろう。まあぶっちゃけた話、女性キャラは森薫絵のほうが一般受けしやすい華やかさはあるので。とはいえお話や画面構成なんかを見ると、「ああ、やっぱ福島聡だなあ」と濃厚に感じさせるものはある。ストーリーのほうは、派手めで遊んでそうに見える娘と、地味で無口で絵ばっかり描いている娘、対照的な二人の女子美術部員を描いた作品。ほろ苦いような感じの青春ストーリーだけど、女の子二人のキャラが個性的なおかげで、けっこう色気や潤いもある。この潤い成分については、森薫が作画を担当したことによって増幅された部分という感じがする。これは福島聡一人の作品で、同じように女子高生が2人出てくる「夜の鵺」と比較してみると、その差異が感じられて面白いかも。
【収録作品】「prologue」「鵺の砦」「揺らぐ大地」「溺れる者」「みかんスープ」「すみれの花」「epilogue」
【単行本】「機動旅団八福神」6〜7巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1:6巻/7巻][Amzn]
2巻分まとめて。中国に占領された日本で開発された、攻撃能力を持たないが核爆発にも耐えるやたら丈夫なパワードスーツ「福神」。その乗組員たちを中心にして描かれる国防戦記ストーリー。
お話のほうはだいぶ動き、大国の思惑もからんでくるようになってきて、福神の乗組員たちも安穏と訓練しているわけにはいかなくなってきた。そんな中、半井はアメリカによって囚われ、名取も世界中の注目を集めるようになっていく。お話のスケールはどんどん大きくなっているけれど、それと比例して一個人の意見の影響力も大きさを増してっている様子は興味深い。
まあ相変わらず戦争モノとしてはなんだかぬるぬるした得体が知れない感触で、なんかつかみどころがないことは確かなんだけれども。そこらへんは「鵺の砦」の後書きで「『機動旅団八福神』のある程度の失敗」という作者自身の言葉にもつながってるのかもしれません。
2/27(水)……絹布のふぁっぴ
▼3月の単行本購入予定。年度末ということもあってさすがに買うものが多いです。データはまんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。
▼2008年3月 単行本購入予定
3/6 「でろでろ」12巻 押切蓮介 講談社
3/6 「ゆうやみ特攻隊」2巻 押切蓮介 講談社
3/6 「ミスミソウ」1巻 押切蓮介 ぶんか社
3/6 「プピポー!」1巻 押切蓮介 フレックスコミックス
3/7 「ヤンキーフィギュア」2巻 ミッチェル田中 秋田書店
3/7 「侵略!イカ娘」1巻 安部真弘 秋田書店
3/7 「みつどもえ」4巻 桜井のりお 秋田書店
3/7 「サナギさん」5巻 施川ユウキ 秋田書店
3/7 「もずく、ウォーキング!」3巻 施川ユウキ 秋田書店
3/7 「大好きだよっ」 養酒オヘペ ティーアイネット
3/7 「びんちょうタン」3巻 江草天仁 マッグガーデン
3/8 「マイガール」2巻 佐原ミズ 新潮社
3/中 「幾百星霜」1巻 雁須磨子 太田出版
3/12 「つぶらら」3巻 山名沢湖 双葉社
3/13 「お兄ちゃんクチュクチュしすぎだよっ」 ゴージャス宝田 ヒット出版社
3/14 「Witchcraft」 大和川 茜新社
3/17 「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」8巻 はっとりみつる 講談社
3/17 「おれはキャプテン」16巻 コージィ城倉 講談社
3/17 「capeta」16巻 曽田正人 講談社
3/17 「夏のあらし!」3巻 小林尽 スクウェア・エニックス
3/17 「愛しのかな」2巻 田中ユタカ 竹書房
3/19 「BLUE DROP 天使の僕ら」2巻 吉富昭仁 秋田書店
3/19 「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日」3巻 戸田泰成 秋田書店
3/19 「コンビニん」 和六里ハル 秋田書店
3/19 「きんのたまご」 和六里ハル 秋田書店
3/19 「淫牝」 ヒヂリレイ コアマガジン
3/19 「テンタクル・ラバーズ」 無望菜志 コアマガジン
3/19 「The Great Escape」2巻 尾崎未来 コアマガジン
3/19 「それでも町は廻っている」4巻 石黒正数 少年画報社
3/19 「木造迷宮」 アサミ・マート 徳間書店
3/19 「騎崎サブゼロ作品集」 騎崎サブゼロ 徳間書店
3/19 「ネムルバカ」 石黒正数 徳間書店
3/19 「学園アリス」15巻 樋口橘 白泉社
3/下 「堀田 HOTTA」3巻 山本直樹 太田出版
3/下 「青い花」3巻 志村貴子 太田出版
3/下 「一角散」 津野裕子 青林工藝舎
3/下 「うすバカ昭和ブルース」 東陽片岡 青林工藝舎
3/下 「ぴたごらすびっち」 ポン貴花田 ワニマガジン社
3/下 「コミック版 もえたん」 高橋てつや 三才ブックス
3/21 「世界の孫」3巻 SABE 講談社
3/21 「へうげもの」6巻 山田芳裕 講談社
3/21 「喰いタン」10巻 寺沢大介 講談社
3/21 「パノラマデリュージョン」3巻 小原愼司 講談社
3/21 「宇宙兄弟」1巻 小山宙哉 講談社
3/21 「ZOOKEEPER」5巻 青木幸子 講談社
3/21 「呪街」2巻 惣本蒼 講談社
3/21 「宙のまにまに」4巻 柏原麻実 講談社
3/21 「カラスヤサトシ」3巻 カラスヤサトシ 講談社
3/21 「ミミア姫」2巻 田中ユタカ 講談社
3/21 「マコちゃんのリップクリーム」1巻 尾玉なみえ 講談社
3/21 「萌道」 カラスヤサトシ 竹書房
3/22 「モモタノハナ」 井ノ本リカコ メディアファクトリー
3/22 「ふたつのスピカ」14巻 柳沼行 メディアファクトリー
3/22 「神ぷろ。」3巻 國津武士 メディアファクトリー
3/24 「コーヒーもう一杯」4巻 山川直人 エンターブレイン
3/24 「地球の生活」 山川直人 エンターブレイン
3/24 「錆びた拳銃」 谷弘兒 エンターブレイン
3/24 「パソ犬モニ太」 唐沢なをき エンターブレイン
3/24 「ガゴゼ」4巻 アントンシク 幻冬舎コミックス
3/24 「Dark Seed 」3巻 紺野キタ 幻冬舎コミックス
3/24 「碧 水惑星年代記」 大石まさる 少年画報社
3/25 「PARTICIPET 吉永くん奔走する」 田沼雄一郎 コアマガジン
3/25 「君に届け」6巻 椎名軽穂 集英社
3/25 「潔く柔く」7巻 いくえみ綾 集英社
3/25 「ラブでれ」 尾野けぬじ 富士美出版
3/26 「夜は短し歩けよ乙女」1巻 琴音らんまる 角川書店
3/26 「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」5巻 高橋脩 角川書店
3/26 「探偵儀式」5巻 箸井地図 角川書店
3/28 「オトノハコ」 岩岡ヒサエ 講談社
3/28 「土星マンション」3巻 岩岡ヒサエ 小学館
3/28 「のらみみ」6巻 原一雄 小学館
3/28 「竹光侍」4巻 松本大洋 小学館
3/28 「冬の動物園」 谷口ジロー 小学館
3/28 「パギャル!」1巻 浜田ブリトニー 小学館
3/28 「夜長姫と耳男」 近藤ようこ 小学館
3/28 「デトロイト・メタル・シティ」5巻 若杉公徳 白泉社
3/28 「オレたま」2巻 作:原田重光+画:瀬口たかひろ 白泉社
3/28 「ユリア100式」6巻 作:原田重光+画:萩尾ノブト 白泉社
3/28 「マエストロ」3巻 さそうあきら 双葉社
3/28 「巷説百物語」1巻 作:京極夏彦+画:日高建男 リイド社
【雑誌】電撃コミックガオ! 4月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]
これが休刊号で、15年間の歴史に終止符。自分の場合、創刊からの10年くらいはときどきパラパラチェックする程度にしか読んでなくて、毎号継続的に読むようになったのは2003年後半くらいから。読み始めのころは、この手のオタク系月刊誌はあまり合わないかなーとか思ってたんだけど、最近ではずいぶんなじんでけっこう楽しんで読んでました。そのころからアニメの視聴本数がどんどん増えたってのも大きかったかな。好きな作品はいくつかあってそれらが終わるのは残念だけど、準備期間があったせいか最終回となった作品はそこそこまとまってて、こういってしまうのもなんだけどスムーズな休刊劇となった印象。電撃大王に移籍して続く作品もけっこうあるし、軟着陸って感じですかね。
電撃大王での継続作品は、「とらドラ!」「Venus Versus Virus」「ケメコデラックス!」「アリソン」「我が家のお稲荷さま。」「天元突破グレンラガン」「ef - a fairy tale of the two.」。そのほかの作品はおしまい。また作者体調不良のため休載が続いていたB.たろう「半分の月がのぼる空」は、復活断念で連載中止とのこと。「半分の月がのぼる空」についてはメディアミックスもだいたい終わって、旬は過ぎた感があるので仕方ないかな。
作:有沢まみず+画:松沢まり「いぬかみっ!」。大きなクライマックスは設けず、ほのぼのとした締めくくり。この作品はバトル展開もそれなりに面白かったけど、日常のほのぼの感のほうがより魅力的だったんで、この終わり方はまずまずホッとするものがあった。これはこれで「らしい」終わり方。
作:竹宮ゆゆこ+画:倉藤倖「わたしたちの田村くん」。途中からだいぶ盛り上がった作品だったけど、もう少しやってほしかった気もちょっとする。落ち着くべきところに落ち着きはしたけど、相馬さんの田村くんへの想いがかなりマジなものだっただけに、相馬さんとのラブラブ展開ももうちょっと欲しかった。ラブコメ脳全開で、おデートとかピクニックとかしてほしかったですね。
雅樹里「ef - a fairy tale of two.」は、電撃大王に移った後、アニメ版でやった景の妹・千尋のお話をやる模様。タイトルに「two」って入ってるから、第二部までやって終わりなのかなあと思ってたんでちょっと意外だった。読切、作:秋タカシ+画:アザミユウコ「桜ノ魔法」。来日したさいに脱走したお姫様が、幼いころに会ったことのある少年の家に転がり込んで、ラブラブしようとするも、少年のほうはその記憶を忘れていて……といったお話。オーソドックスなラブコメだけど、お話のまとまりは良く、整った絵柄でまずまず楽しめる。
【雑誌】コミックアライブ 4月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn]
新連載、橘由宇「けんぷファー」(作:築地俊彦)が開始。ある日突然現れた、虎のぬいぐるみ型の使者みたいなのによって女の子に変身させられてしまった主人公・瀬能ナツル。それまで平凡な高校生男子だった彼は、超能力みたいなもんを駆使する女戦士・ケンプファーとして戦っていくというアクション。……といった感じでしょうか。原作ラノベのほうは読んでないんでよく分かんないですが、性別転換+アクションバトル+ラブコメって感じ? アクションとラブコメはこの手の作品では珍しくはないので、性別転換の部分がカギですかね。そこそこまとまってる感じだけど、絵の萌え度に関してはもう一押し欲しいかな。
いけだたかし「ささめきこと」。今回は純夏が田舎にお泊まりに行くことになるが、なんだかんだでアクシデントが重なって汐に連絡できず。純夏の電話がないことに汐がやきもき……という内容。これまでは純夏が汐に振り回されたり、切ない想いをさせられることが多かったけど、今回は珍しく逆の形。ずいぶん両想い度が高まって参りました。第1話のイメージからいうと、純夏がずっと汐に片想いし続け、汐はそれに気づかないというのが基本スタイルかと思ってたんで、ここのところの展開は個人的にはちょっと意外な気もしている。まあこれはこれでラブラブしてて良いんですが。
【雑誌】週刊少年サンデー 3/12 No.13 小学館 B5平
「うえきの法則」の福地翼が読切で登場。「タッコク!!!」。幼いころに将来結婚しようと約束して離れ離れになった少年少女が、10年後に再会。しかしその間に日本では、「卓球で勝てたら告白してきた相手と付き合える」、逆にいえば「負けたら拒めない」という法律が成立していた。そして再会した2人も卓球告白(タッコク)をしなければいけなくなるが、女の子のほうが日本一卓球が強くなっちゃってて、なんか男の子のほうが彼女に勝たないと付き合えないというムードに……ってな感じで卓球+ラブのドタバタコメディが展開される。
主役の二人の頭の悪さ、おめでたさが見ていて楽しいし、ぶっ飛んだ設定と賑やかすぎる展開も面白い。キャラがかわいいってのもいいですね。「うえきの法則」もキャラクターは良かったけど、お話が短く、サクサク展開している分、個人的にはこの作品のほうがストレートに楽しく読めた。実力はある人だし、まあそのうちやるだろう新連載にも期待。
椎名高志「絶対可憐チルドレン」は過去エピソードがおしまい。皆本と三人娘が出会ったころのお話をしっかり展開してて面白かった。まだ彼・彼女らが打ち解ける前のお話なんで、ガチでやり合ってるのが読みごたえにつながっていたし。それにしてもこういうお話になると、皆本のいい大人っぷりが際立つ。
【雑誌】週刊少年マガジン 3/12 No.13 講談社 B5平
作:梶原一騎・川崎のぼる+画:村上よしゆき「花形」。誰も捕れなかった星の球を捕るべく、伴宙太が身体を張る。もちろん今回の締めはあの名セリフで。小難しい理屈とかなんもなしで、力づくで押してくるあたりが頼もしい。この調子で今後もいった場合、左門豊作がどういうふうに描かれるのかは、けっこう楽しみにしている。といっても、左門は花形とはあんまりからまないかな……。
【雑誌】スーパージャンプ 3/12 No.6 集英社 B5中
玉越博幸「ケ・セラ・セラ」。漫画家の兄・陸のとこでアシスタントやっててええ雰囲気になってる海ちゃんが、一人暮らしを始めるとともに、いよいよ積極的になってきて、妹の空がやきもきという展開。彼女からの宣戦布告もあって、ラブコメ的にはだいぶヒートアップといった感じ。陸の家には1部屋空きがあるらしいので、そこに海が転がり込んで来るってな展開もありそう。まあ兄妹ラブコメとしてはたいへんベタベタな作品ではあるんだけど、カラッとやってきてるんでわりと楽しく読んでます。
【雑誌】コミック激ヤバ! VOL,05 メディアックス A5平
うさぎのたまご「精飲姉妹」。以前と比べるとだいぶ絵柄がこぎれいになってきた。お話のほうは、かわいいタッチのわりにやはりちょっと変わった味がある。今回はタイトルにある姉妹の姉のほうが、学校で数人の男子たちと乱交。実はその目的は、病弱なために外出できない妹のために、精液をお持ち帰りすることだったのだ……というお話。わざわざコンドームに精液をたぷんたぷんとため込んで持ち帰り、それを身体にぶちまけながらプレイする姉妹の性癖が変わってて面白い。それを背徳的って感じではなく、明るく楽しくやってるのもユニーク。さほど作品数が多いくはないけど、面白いモノは持ってる人だなと思う。
仙台魔人「されるがママ」は5話め。若くて色っぽいママさんをみっちり犯し抜いていくって話ではあるが、最初は狡猾に見えた娘の恋人である主人公青年が、案外とセンチメンタルで甘ったるいメンタリティの持ち主であることが見えてきた。こうなってくるとちょっと背徳感が薄れてきちゃうかな?
【単行本】「とらドラ!」1巻 作:竹宮ゆゆこ+画:絶叫 メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
上記の電撃コミックガオ!の項で書いたとおり、掲載誌がガオから電撃大王へ変更。単行本化のタイミングとしてはちょうどいいかな。とりあえず新規読者も単行本1巻だけ押さえればなんとかなるし。
お話のほうは、不器用な男子・高須竜児と、極度のツンデレ女子・逢坂大河が、お互いの恋を実らせるためにコンビを組んで頑張っていくという学園ドタバタラブコメ。竜児は不良扱いされて周囲から恐れられているが、実はけっこう家庭的であり優しくもある好男子で、クラスメートの櫛枝さんに片想い中。大河のほうは身体は小さいけどすごい美人。しかし気性がやたら激しいことから、学校内では「手乗りタイガー」という異名で恐れられている。その大河もクラスメート男子の北村が好き。で、利害が一致した竜児と大河は、お互いの恋愛成就を目指して共同戦線を張ることになるが……。
てなわけで凸凹コンビによる恋愛奮戦記という感じで、お話は賑やかに展開。大河は凶暴で自分勝手ではあるが、家がすぐ近くということもあって、竜児が世話を焼いているうちに関係は密になる。それを周囲が勘違いしてカップルとみなされそうになり、そいつは困るぜエブリバディという展開になってきている。
まあそんな感じだけど、ラブコメとしてはなかなか楽しいです。絶叫の絵(「絶叫という名の作者の作画」という意味です。念のため)は華やかだし、女の子、とくに大河はかわいいし。こういう言い方すると失礼かもしらんですが、「ゼロの使い魔」のルイズみたいなキャラ。竜児のことを「バカ犬」と呼んだりするし。原作小説読んでないし発表時期も知らないので、どちらが本家本元の「相手をバカ犬呼ばわりする背の小さいツンデレ女子」なのかは存じませんが。あと竜児が料理うまかったり、わりと気は優しかったりするのも良い。やっぱラブコメは、男のほうが好かれるに値するところを見せてくれると、俄然好感度が増しますから。
竜児と大河のコンビは回を追うごとに板に着いてきているし、今後は二人がふらふらといいムードになっちゃったりとかもきっとあるんでしょう。いい若いモンが二人でいそしんでおったらそれも当然。最終的に誰とくっつくにせよ、甘ったるかったり微笑ましかったりするラブコメ模様で楽しませてくれることを期待。
2/26(火)……論より少女
▼おた☆スケで安部真弘「侵略!イカ娘」のレビュー書きました[bk1][Amzn]。書店を回ってみた感じでは、チャンピオンのこの手の作品らしく、1巻の刷り部数は少なそうな感じでしたが……。
(2008/03/07)
【雑誌】少年エース 4月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」(原作)の漫画が連載開始。作画はもちろん、よしづきくみち。……とかいってますが「もちろん」などといえるほど、熟知してる作品ではないんですが。魔法遣いになることを目指して学校に通い始めることになった少女・ソラの物語を描いていくお話。品が良く暖かみもある絵柄は、透明感があって美しく、爽やかな青春ストーリーによく似合う。見てて心地の良いシーンがけっこうあるし、まずは期待。
作:万城目学+画:渡会けいじ「鴨川ホルモー」も新連載。京都大学で「青竜会」というサークルに入った若者たちが繰り広げる青春ストーリーって感じでしょうか。原作小説は読んだことないけど、ラブコメありギャグありのドタバタ劇といった感じで始まってて、まずまずかなーという印象。絵は悪くないし今後の伸びしだいか。
水島空彦「そらのおとしもの」は、シリアスっぽくなったりギャグっぽくなったり、振れ幅が激しい。今回はイカロスが学校に編入してくることになって、主人公・智樹は彼女の一挙手一投足に大わらわ。けっこうなんでもこなせちゃうイカロスと、幼なじみ娘そはらの対比がしょうもなくて面白かった。あとちょいとラブコメっぽいシーンもあって、こちらもまた美味。
児玉樹「てるてる天神通り」。ツンデレお嬢さんが天志のところに怒鳴り込んできたことで、ラブコメ的に面白くなりそう。お話のほうも天志の過去がちょっと見えてきそうで、だいぶ動いてきてる。今後の展開が楽しみになってきた。作:谷川流+画:ぷよ「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」。かわいいキャラがわきゃわきゃ動き回ってて毎回面白い。正直なところ、ツガノガクがやってる漫画版「涼宮ハルヒ」本編よりこっちのほうが好きだなー。
【雑誌】ガンダムエース 4月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」はサイド6編の続き。カムランさんがホワイトベースのお見送りするといってミライさんにすがったり、スレッガーがミライさんをとりなしてフラグをちょっと立てちゃったりといったあたり。あとアムロの車が泥道で立ち往生して、シャアに助けられたりといったシーンも。戦闘はとくにない回ではあるけれど、人間ドラマは各所で展開されていて面白く読ませる。安彦版ガンダムは人物の内面描写を重視しているだけに、戦闘よりはむしろこういう回のほうが味わい深いような気もする。てか安彦良和の描く戦闘シーンって、意外と全体の状況がどうなってるのか分からなかったりするんですよね。
左菱虚空「ガンオタの女」は、ズーム物産と連邦物産のプレゼン合戦。プレゼンで追い詰められてテンパッた愛(あむる)さんのブチ切れっぷりが愉快。で、そのプレゼンの後、今度は賀ノ多さんが田舎に戻ることに。「次号より過去篇突入!?(笑)」とかあるけど、本当にやるのかな。女学生時代の賀ノ多さんのエピソードとかはけっこう面白そう。
【雑誌】コミックガム 4月号 ワニブックス B5平 [Amzn]
ぢたま(某)「ファイト一発!充電ちゃん」。ストーリー的には新展開。これまで、本来人間には見えないはずの充電ちゃんたちと普通に接してきた閃登だが、そんな彼が充電ちゃんたちの普段いる世界のほうに迷い込むことに。お話としてはけっこう動いてますね。あとお話の随所で、ぷらぐ、アレスタ、幼なじみ娘の依緒乃らがラブコメチックなムードをむんむんさせてるあたりが楽しくて良いです。ハーレム状態だけど、誰とくっついてもなんかしら問題ありそう。
かかし朝浩「暴れん坊少納言」。今回は珍しく、宰相さんが失態を犯してそれを清少納言らがフォローという展開。喧嘩するほど仲がいいというふうで、この二人のやりとりは毎度微笑ましい。則光とはまた違った感じでいいコンビ。宗我部としのり「あまえないでよっ!!MS」。しばらくずっと子ブタ化していた一希だけど、これでようやく復活かな。あのままでも良かったような気はしないでもないけど、ピチピチした娘っ子は一人でも多いほうが良いタイプの作品だし、そろそろ潮時でしょうか。ラブコメ的にもライバル役さんはいたほうが良かろうし。
【雑誌】月刊少年シリウス 4月号 講談社 B5平 [Amzn]
新連載、つじ要「論理少女」が開始。学園頭脳バトル漫画といった感じの作品。この作品の舞台とな学園では、勝ったほうが相手にいうことを聞かせることのできる「津隠問答」がすべてを支配している。要するに用意された設問を、論理的矛盾なしに解くことができればオッケーってな感じのとんち問答みたいなもの。この学園内で繰り広げられる問答合戦に、すごく頭の切れる生徒会長女子と、彼女に見込まれた転校生少年が挑んでいくという感じの作品。つじ要は第7回少年シリウス新人賞で、担当特別賞を受賞した新鋭作家。まだ絵的には洗練されてないけど、素直なタイプの絵柄で好感は持てる。とんちネタのほうも「なーんだ」って感じではあるけど、これはこれで分かりやすいし、少年漫画誌としては悪くないのでは。
水あさと「世界制服セキララ女学館」は3半裁め。お話のほうはまだドタバタしててとっちらかった感じだけど、絵のかわいさは毎度目をひく。目の真ん中部分に大きく白をいえる、くりっとした目の感じが良いと思います。あと瀬川サユイリ「橋姫プレイ専科」は今号で最終回となっている。
【雑誌】イブニング 3/11 No.6 講談社 B5中
竹本真「サンスパ」。技術畑一筋だった女性社員・花丸が、左遷されて産業スパイをやることになり、その現場で悪戦苦闘していくというお話。現在は8話め。そんなに派手な作品じゃないけど、個人的にはけっこう気に入っている。最初はイヤがってたけどなんだかんだでちゃんとスパイの仕事をしてしまう花丸さんの様子が見てて面白いし、技術畑出身らしいオタクっぽさが見てて楽しい。ちょっと垢抜けない絵柄も気に入ってたりします。同時期に始まった、久保保久「よんでますよアザゼルさん。」とともに味のある作品。
【雑誌】ヤングチャンピオン 3/11 No.6 秋田書店 B5中
あづまゆき「ママは同級生」は3話め。同級生の女子が父親の再婚相手で、一緒に住むことになった主人公はハラハラドキドキという、ちょっとエッチ系ラブコメ。その娘さんもおっぱい大きめでいいけど、それとは別の、主人公にベタボレな彼女さんもけっこう初々しくてかわいい。さすがにこの手のちょいエッチ系は手慣れているし、きっちりラブコメしてると思います。
【雑誌】漫画サンデー 3/11 No.10 実業之日本社 B5中
作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。今度はレズビアンばかりで客の男には全然サービスしないデリヘルとの対決編。せっかくデリヘルを呼んでみたのに、娘は携帯いじったり、ペニスに触ろうとしなかったりで全然やる気なし。でも菊之介は反撃してイカせちゃうよ〜んという、まあお約束な展開。対レズビアンというのはマジでやろうとすると、けっこうデリケートなネタではあると思うけど、この作品の場合はあんまり関係なさげですね。相手がどうあろうと問答無用でイカせちゃうだろうし。
【雑誌】COMICオレカノ! Vol.1 光彩書房 A5中 [Amzn]
「美少女的快活力」がリニューアルして新創刊。発売日はたぶん偶数月の25日。光彩書房のエロ漫画誌は、ちょくちょくリニューアルしたり誌名を変えたりはするものの、なんだかんだいって粘り腰。老舗出版社が美少女漫画業界から撤退するケースが増えてきた昨今、こうやって本を出し続けてくれていってるのは何はなくともありがたい。
犬「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマンズ」は8話め。新創刊早々ラス前で、次号が最終回。記憶を取り戻した深谷が藤乃を選んだことで自暴自棄になった三田さんだが、藤乃からの接触により再び自分を取り戻す。この調子だと、三田さんも深谷のことを諦めるってのはなさそう。中盤以降はメインヒロインの藤乃を食うくらいに存在感を強めたキャラだったので、両手に花状態のラストであったとしても、それはそれでいいと思う。
ゼロの者「りっぷす」。恋人ができるまでの練習ということでエッチな行為に耽っていた幼なじみが、その一線を越えてくっつくというお話。まあエロ漫画にはありがちっちゃありがちなお話だけど、ラブラブな締め括りは心地よかった。触覚ぴたいなアホ毛が2本ピンピン生えてるヒロインさんもむっちりしててけっこうかわいい。
シオマネキ「ウラハラスケッチ」。ともにエロ同人をやってる幼なじみ男女が、作画の参考にするということで見せっこしてるうちにムラムラきちゃうといった話。もわっとした感じの明部と暗部の境界線に独特の質感があって目を引く。作画はけっこう達者。いくぶんクセはあるけど悪くないです。
【執筆陣】犬、ゼロの者、ジャンキー、千草雀、葵ヒトリ、霧李孝徳、行方ふみあき、丹下スズキ、シオマネキ、廣田眞胤、はるるん、天馬ふぇみお
【単行本】「あねいもぉと」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]
相変わらず手足の細長い少女たちが、肢体をくねくねさせながら行為にふける様子がエロいです。エロ漫画を描き始めたころと比べると、だいぶ絵柄も明るめになり、ライトなタッチの絵柄も身についてきた。淫靡さという面では初期のほうが濃かったかなとは思うものの、これはこれで十分エロい。これだけ細身な女の子キャラを描きながら、しなやかさ、柔らかさがしっかり出せてるってのは大したもの。巨乳・肉弾ばかりが実用路線じゃないってことを感じさせてくれる。
あと今回の単行本では、百合系の話もちらほらと見受けられる。この人の可憐さを感じさせる絵柄は、百合系とはよくマッチしていると思う。あとおがわ甘藍の描く男は、昔ほどではないけどちょっと不気味なキャラが多い。そこが背徳的でいいって部分もあるけど、苦手って人もいるんじゃないかと思う。そういったユーザー向けに、百合系の話で1冊まとめてみるってのもいいかもしれないなーとか思った。
2/25(月)……硬筆字がある
【雑誌】アフタヌーン 4月号 講談社 B5平 [Amzn]
今月号には四季賞ポータブルが付属。四季大賞の和田依子「道」「海へ来る理由」、四季賞のナカモトユキ「ゲットーの太陽」、野村亮馬「WORKING ROBOTA」、かわぐちかいじ特別賞の高辺祐太「父がカツラを買ってきた」を収録。
この中では個人的にはナカモトユキ「ゲットーの太陽」がわりと良いかなと思った。最低なスラム街育ちだが非凡なダンスの才能を持つ黒人少年ジェシーが、彼を認めてくれる白人の少女と出会ったことで希望を抱き、前向きに進み始める。しかしギャングに属する兄はそんなジェシーの行動を認めようとしない。まだ荒削りだけど少年少女の描き方にフレッシュなものがあるし、物語のほうもドラマチック。まとまりの良い作品。
とよ田みのる「FLIP FLAP」は2話め。ピンボール好きな女の子・山田さんに惚れてしまったため、ピンボールの道に踏み込んでいくことになった主人公・深町。特訓の甲斐あってだんだん技術が向上。ダブルスにおいて山田さんのパートナーをつとめるまでに進歩する。ピンボールがうまくなればなるほど、彼女との距離も縮まるって感じで、ゲームの面白さとラブコメがええ具合にリンクしている。読んでるとピンボールやりたくなりますね。まあWindows付属の奴をやるって手もあるけど、実際の台とは球の重量感とかのフィーリングがだいぶ違いますしねえ。PCのも面白いんだけど、実際の台とはまた違った味という感じ。
植芝理一「謎の彼女X」。今回は卜部さんが「胸を触っていい」といい出して、椿君ドキドキ、そして卜部さんもドキドキな回。細身なわりにけっこう乳はデカい卜部さんんあだけに、その感触がどんなものやらたいへんに気になるところ。別にモロ乳とか出るわけじゃないけど十分エロうございました。ぴっちりしたセーターってのがまたエロっちいですね。
ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」。ついに美丞大狭山との試合が終了。まあ現在の西浦の力からいえば順当な結果でしょう。ただなんかこの試合については、不正がらみで引っ張っちゃう雰囲気もあり、まだどうなるかは分からない感じ。ところで余談だけど、今回の試合後に西浦のこれまでの試合のスコアが掲載されてたんですが、ちょっとデータ間違ってるような。桐青戦は9回表裏フルにやってて、西浦のスコアが28打数13安打4犠打。9回やってるんだから27アウトは取られてるわけだけど、凡打15+犠打4で19アウト。走塁死、盗塁死は8個もなかったはず……。と思ったらスコアをまとめてるサイトがちゃんとありました。33打数13安打4犠打併殺1で、走塁死2(2回表、8回表に1個ずつ)くらいっぽいですね。細かく見てくとほかにもありそう。いやー、重箱の隅つついちゃってすみませんが、記録好きなんでどうしても気になっちゃうんですよね。「28打数13安打とな? 打数少なすぎだろ」って。
秋山はる「オクターヴ」2話め。今回は元アイドルの主人公・雪乃が、大人びた雰囲気の節子さんに迫られてドキドキな状況。つるんとした大人しげな絵柄なのに、けっこう艶めかしくてエロっちいとこありますね。この先がどうなるのかけっこう気になります。柏原麻実「宙のまにまに」は、部長さんと近江さんのエピソード。普段は目立たない部長さんだけど、今回はかなりラブコメしててええ感じでした。微笑ましい。
【雑誌】月刊IKKI 4月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社]
新連載、神山幸治「旅人の時代」が開始。とある王国に生まれた王子・ジョセフは、外の世界に対する果てなき興味を持った少年。彼がその知識欲を満足させるため、世界中を見て回る旅に出るといったお話になりそう。作画はかなり欧米風なテイスト。描き込みはとても細かくて達者。ファンタジー風味もあって雰囲気のある絵柄で、技量はなかなかのものがある。バタくささが気になる人もいるかもしれないが、これからどんな世界を見せてくれるかはちょっと楽しみではある。
キタ菊子「コヒツジガール」。卒業を間近に控えた女の子が、片想い相手の男の子に「くせえよ」と罵ってもらいたくて、卒業までの1か月間風呂に入らないことを決意し実行に移す。なかなか珍しい乙女心を描いたストーリーがユニーク。絵のほうは漫画の絵としてはまだそんなうまくはないけど、ふわふわした描線、全体の雰囲気作りはシャレていてセンスは感じる。今の雰囲気を保ったまま伸びていけば面白そうな存在。
【雑誌】ヤングキング 3/17 No.6 少年画報社 B5中
ヤングマガジンUppersで連載されていた、風間やんわり「たもっさんの時間」がヤングキングで復活。タイトルは「たもっさん」となっているがやっていることは以前とまったく変わらない。説教くさくて暑苦しいが、金なし女なし情なしなたもっさんの日常を描いていく。あの馬鹿馬鹿しいノリは以前と同様。こっちでもいつものぺースでいきそうです。安心の読み心地。
塩野干支郎次「ブロッケンブラッドIII」。でっちあげのスキャンダルによって、芸能界の表舞台から姿を消したノイシュヴァンシュタイン桜子ちゃんは、現在地方でドサ回り営業中。4126体操みたいな踊りを踊る姿がアホらしいけどかわいくてええ感じです。乳女に挟まれて、モジモジする様子も楽しい。ノリが良くて気軽に楽しめる。あと、りゅうとひさし「にらたま」は今回が最終回かな。
【雑誌】ビッグコミック 3/10 No.5 小学館 B5中
山上たつひこ「中春こまわり君」。上司の頼みで、彼のライバルに引導を渡すことになたこまわり君だが、その過程で2人の男と1人の女をめぐる秘密を目撃していく。主役はこまわり君だが、けっこう大人な味わいのある、男と女のドラマを展開してて読ませる。ギャグももちろん忘れず随所に入れてくるし、熟練した描き手の芸が冴えてて、毎回面白いです。
岩重孝「単身花日」。ついに桐野・片山の口から、これまで桜木に対して隠されていた秘密の事情が語られていく。いやーまたしても話が重くなってきた。この作品が始まったときは、再会した初恋の人とのセカンドラブみたいな甘くてほろ苦いお話になっていくのかなーって感じだったが、ここまで重くなるとはちょっと予想外。これはいったいどう収拾つけていくんでしょうなあ。とにかくヒキが強くて先の展開がますます気になる。
【雑誌】ヤングマガジン 3/10 No.13 講談社 B5中
安達哲「バカ姉弟」が久しぶりに復活。ちょっと前の話では姉弟が大人になってて、とくに弟のほうがしおしおな展開だったが、今回は子供バージョンだったので安心した。お好み焼き屋でのデートの最中に、バカ姉弟の姿を見て勇気づけられる純朴青年の姿が微笑ましいです。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/10 No.13 小学館 B5中
朔ユキ蔵「ハクバノ王子サマ」。原先生に自分の気持ちを伝えるべきか悩む小津。そんな彼の家に、結婚を間近に控えた婚約者・カオリが訪ねてきて、小津はいよいよ自分の身の振り方、原先生のことをどうするかを決断することになる。まあこうやってカオリさんの幸せそうな顔を見ると、ここで捨てて原先生のもとに走るわけにもいくまいなあってな気分にはなる。どういう結論が出るのか気になるところ。今回はヒキが強いですな。
真鍋昌平「闇金ウシジマくん」」。小堀は家庭の状況がドン詰まり、板橋は借金地獄でずるずる泥沼。平凡なサラリーマン男二人がどんどんヤバい状況になっていく様子を見ていると、たいへんダークな気分になってくる。マジメな小堀が追い詰めらていくのはたいへんかわいそうだし、板橋の自分に都合良すぎな行動も「自分も追い詰められたらこうなるかもしれんなあ」ってな気持ちにさせられる。まあはたから見てる分にはスリリングなんですけど、自分や知人がこうなったらと考えると怖い。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/10 No.10 集英社 B5平
河下水希「初恋限定。」はバレンタイン・デー編終了。最後のほうはドタバタしつつも爽やかに締めくくり。まあ生殺しっちゃ生殺しだけど、今の段階ではこのくらいがちょうど良いでしょうな。
読切、神海英雄「Q部!!」。サッカー部でGKとして天才的な才能を示しながら、車にひかれそうになっている女の子を助けようとして、ヒザを故障してしまった少年・新瀬。不運な目に遭いながらももまったくメゲない彼は、新たな燃えられるものを求めて各部を回り、行き着いたのが「クイズ研究会」だった……という熱血部活ストーリー。展開には少々、ていうかかなり無理はあるのだけど、とりあえず勢いはあるし、絵も整ってるほう。いちおうクイズで勝つためのうんちく解説的な部分は用意されているので、荒唐無稽ながらもそこそこ読ませるものはある。まあ連載を意識する場合、このままだと主人公キャラの知識が偏りすぎててキツいとは思うし、クイズで勝つ方法のネタ探しには苦労しそうだけど、読切一発ネタとしては悪くないのでは。
【単行本】「パノラマ島綺譚」 作:江戸川乱歩+画:丸尾末広 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
江戸川乱歩の代表的作品を丸尾末広が漫画化。これは原作を読んだことがある人なら容易に想像できると思うけど、江戸川乱歩のストーリーと、丸尾末広の作画がマッチしすぎるぐらいマッチ。「パノラマ島を漫画化するなら作家は誰がいい?」」とアンケートでもとろうもんなら、真っ先に名前が挙がってくるのはこの人だろう。それほどまでに似つかわしい。
いちおう未読の人のためにあらすじ。貧乏な小説家の人見広介が、自分とそっくりの風貌を持つ大富豪である旧友・菰田が死亡したことを知り、一世一代の悪魔の計画を思いつく。それは菰田が生き返ったことにして彼と入れ替わってその財産を手中にし、地上に己の夢見ていた美の楽園を建設することだった。首尾よく入れ替わりを果たした彼は、孤島を買い取り、すべての財産を投じてそこに楽園を築き上げていく。
というわけでこの作品では、閉じた空間内に作られた、一人の男の幻想が気持ち悪いほどに詰め込まれたワンダーランドが描かれていく。それがどんなものなのかはやっぱり作品を読んでいただいたほうがいいと思うけど、豪華絢爛だが狂気に満ちた世界の模様は圧倒的。一人の人間の妄念で埋め尽くされた世界は、息苦しくなるほどに妖しさ美しさ。読んでいると乗物酔いでもしたかのような感覚に襲われる。
そんな世界を描き出すのに、丸尾末広の絵がまさにベストマッチ。あまりにも似合いすぎなので、原作の愛読者にとっては意外性はないかもしれないけど、やはりこの完成度は凄いし乱歩世界をこれでもかと満喫できる。原作も作画もやはりすごい。
【単行本】「姉るせっくす」 狩野蒼穹 富士美出版 A5 [Amzn]
相変わらず姉弟ものをかわいく展開。メインとなっているのは、「あたしが幽霊だった頃」全5話。死んでしまった姉が、妹の身体を借りて、弟(兄)とエッチするというお話。つまりとりついた姉にとっては主人公少年は弟、身体を貸してる妹にとっては兄。一つの身体で姉弟ものと、兄妹ものが同時に楽しめちゃうという、ちょっと面白い仕掛けになっている。
このほかは短編で、ツンデレ姉、めがねっ娘姉、天然姉、関西弁姉(正確には何弁なのかは知りませんが)と揃っていて、いろいろなタイプが楽しめる。とはいえお話の基本テイストは、ほのぼの楽しくかわいく姉と弟がエッチというのはどれも変わらず。シンプルで丸っこい絵柄がとてもキュート。最近では頭身縮めたコミカル描写なんかもかわいさ、楽しさに磨きがかかってきている。安心と信頼の狩野蒼穹ブランドって感じ。
2/24(日)……ぼく、ノラいおん
▼OHP月極アンケート、2008年3月分は「時をかける漫画」にしました。要するにタイムスリップやタイムトラベルをネタにした作品のオススメに投票し、語り合おうってな感じです。「時をかける少女」の映画公開時、あるいはDVDが出たあたりにでもやっときゃ良かったかなってな気もしますが、まあそれは今さらいってもしょうがないことで……。それこそ時をかけないと。てなわけで3月もよろしくお願いします。
2008年2月分「ひまつぶしに良い漫画」は締め切りました。1位は「カラスヤサトシ」。どこからでも読み始められて、どこで読み終えてもオッケー。しかも読むのにやたら時間がかかるということで、本当にひまつぶしには向いた作品だと思います。ただ読むのに時間がかかるので、忙しいとつい後回しにしちゃうんですよね……。実は自分も2巻を積んだままにしてたりします。
【単行本】「3月のライオン」1巻 羽海野チカ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
「ハチミツとクローバー」の羽海野チカの最新作。ヤングアニマルで連載ということで話題になった作品。
本作の主人公は、17歳のプロ棋士・桐山零。幼いころに父母を失って、将棋指しの養父に引き取られた彼だが、現在は東京の下町で一人暮らし中。高校には通っているが、学校に友達はナシ。そんな彼の唯一の安らぎともいえる場所が、あかり・ひなた・モモの三姉妹が暮らす家だった……。といったわけで将棋については天才的ではあるが、深い孤独を抱えた少年の姿、それから彼に向けられる三姉妹や、ライバル棋士らの想いを描いていく青春ストーリーといった趣の作品になっている。
零は若くて才能にあふれながらもひとりぼっち。家族を亡くし、養父の家ではその実子たちに疎まれる。そういった境遇から来る、しんしんとした寂しさを描いた物語はたいへんセンチメンタル。その寂しさが募れば募るほど、三姉妹やライバルらの気持ちがまた暖かく心に浸み込んで来るわけで、寂しさと暖かさの相乗効果が作品の肝。また、若いながらも一生懸命生きてる零、それから病気を抱えつつも元気に零に挑戦してくるぷよぷよ系ライバル棋士・二海堂くんあたりは、キャラとしてかわいらしく萌え心をくすぐってきたりするのも魅力。
ただ、将棋部分については明確な目標とかが示されてるわけではないので、青年誌連載の作品としては強さには欠けるかなあという印象。あとキャラに透明感がありすぎるせいか、もう一つつかみどころがないようにも思える。読んでて楽しくはあるんですけどね。なんか強烈なフックとなるものがまだ見えてきてないので、今後そういうものが出てきてほしいところ。
【単行本】「学園夢探偵 獏」 鹿島麻耶 講談社 B6 [bk1][Amzn]
「リンガフランカ」の滝沢摩耶が、ペンネームを変えて挑んだ新作。主人公である高校生男子・浅野修一郎は、毎晩義母を惨殺する夢にうなされていた。そして昼間にはなぜか淫夢を見てしまう。修一郎の夢には何の意味があるのか。保健室にいつもたむろっている謎の先輩女子・陸前獏が、その謎に迫っていく。
というわけでタイトルどおり、夢探偵モノのお話が展開されていくのがこの作品。獏はなんだか不思議な雰囲気を漂わせた、ちょっと妖艶な感じのするねーちゃんで、彼女のキャラが物語をぐんぐん引っ張る。修一郎の特異な性質や、彼の親友である順の想いにも分け入っていく展開はミステリアスで、けっこう緊張感がある。
「リンガフランカ」よりは混沌とした感じの作品ではあるけれども、ちょいと怪しいムード作りはなかなかなもんだし、押しもけっこう強くて読ませる力はある。まあ獏ねーちゃんが何者なのかよく分からなかったり、論理展開がちと強引な気もするけど、まずまず面白く読めはする。独自の味を持った人なんで、そのうちまたなんか連載をやってほしいものです。
【単行本】「まじもじるるも」1巻 渡辺航 講談社 B6 [bk1][Amzn]
かなりスケベな男子・柴木くんのところにやってきた、無口だけどかわいい魔女るるも。彼女は柴木に「おまえは2日後死ぬ」と告げるが……というところから始まるドタバタコメディ。まあそんなところから、スケベ男子とかわいい魔女のトラブルたっぷりな生活が展開されていく。お話のほうはパンツとかをちょいちょい出しつつ賑やかに進む。軽快にお話を進めていてまずまず楽しい。るるもも、無口ではあるけど愛敬はあってかわいくはあるし。この人の作品としては「制服ぬいだら♪」とかのほうがインパクトはあると思うけれども、これはこれでまとまってはいます。
【単行本】「らくしょー」 新居さとし 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]
魔法使い見習い3人娘が、魔王が蘇ったというのにやる気なさげで呑気な日常を過ごしていくギャグ漫画。魔王は魔王で、天然系の美少女型だったりして緊張感はなく、たいへんゆるゆる。力を抜いて読める。カラッと明るいアクのない絵柄なんだけど、独特の味はあり。4コマ漫画も器用にこなしてるし、案外汎用性は高そうな人だなあと思います。
【単行本】「あくはむ」3巻 新居さとし 講談社 B6 [bk1][Amzn]
新居さとしもういっちょ。こちらはこれが最終巻。黒魔術マニアの女子中学生つつじと、彼女が召喚したハムスター型悪魔のハムル・キンスキー、そして彼女たちを取り巻く愉快な仲間たちのしょうもない日々を面白楽しく描いた4コマ漫画。この巻では、つつじの恋のライバルとして魔界の姫も登場。基本的にはぼんくらな日常がのほほんと繰り広げられていって、まったりした味わい。でもラストのほうは、ラブコメっぽさも盛り込まれていてちょいトキめく感じも。新居さとしは最近はドタバタコメディ系の作品が多いけど、同人誌でやってたころは(今もやってますが)、ラブコメも得意としてた人だったんですよね。その持ち味がちゃんと出てたのはうれしかった。
【単行本】「まおうちゃんクロニクル」 猫橋俊雄 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]
100年ぶりに目覚めた魔王のまおうちゃんが、ごちゃごちゃになった世界をどうにかするべく旅をしていく物語。この作品の魅力は、なんといってもキャラがかわいいこと。まおうちゃんは魔王ではあるけれども、見た目はちんまりしたちっちゃな女の子。その仲間たちもだいたいそんな感じで、ぷにぷにしたかわいらしさを発揮。幼女のぷっくりおなか、ちんまりした手足、かぼちゃぱんつ系の下着などなど、いろいろ愛らしい。絵的には描き込みも細かく、ファンタジー世界の雰囲気をしっかり出せている。作画クオリティが高くて感心させられます。
【単行本】「EVILIVE」1巻 D.P 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
余命3か月といわれていた病床の少年・志貴が、エロ悪魔のベルフェゴウル、通称ベル子と魂の契約をして生き延びる。ベル子は彼の精力を狙ってくるが、とある事件をきっかけに立場が逆転。元は妖艶な美女だったベル子は、身体が縮んでちびっ子となり、志貴の家の犬小屋に居候する羽目になる……ってな感じのちょいエッチ系ドタバタコメディ。
エロ漫画でやってた「ポコといっしょ」シリーズ同様、あるときはグラマラスな美女、あるときはちんちくりんのマスコット的なキャラというキャラを駆使してコメディを展開していく。まあ賑やかでそこそこ楽しくはあるのだけれども、まだ文句なしに面白いってほどでもないかなあ。今後かわいい系のキャラが生きてくれば、ってところ。
【単行本】「陰からマモル!」4巻 作:阿智太郎+画:まだらさい メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
相変わらずのんきにやっとります。お話自体は進展らしき進展はないけど、忍者少年マモルと幼なじみのゆーな、それを取り巻く人々の生活をほのぼの楽しく展開。この巻は、マモルが愛里の家に忍び込んで、その防犯システムの前に苦戦する……というお話がメイン。個人的にはもう少しラブコメ色は強くしちゃっても良かったかなあという気はちょっとした。まだらさいの絵は相変わらず達者。キレがあって華やか。この人のほかの作品も読んでみたいところではあります。
【単行本】「クリスティハイテンション」2巻 新谷かおる メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
シャーロック・ホームズのめいであるクリスティが、さまざまな難事件を解決していくシリーズ。この巻では、環望「ダンス イン ザ ヴァンパイア バンド」とのコラボレーションもあって、吸血鬼のお姫様ミナも作中に登場。この吸血鬼がらみの話と、「踊る人形」のエピソードが収録されている。
で、この作品についても、才気あふれるクリスティがたいへんかわいくてええです。大人顔負けに頭は良く上品な立ち居振る舞いも身につけてはいるけれども、事件となるとつい突っ走りがち。可憐だけどハツラツとした彼女の姿がとても魅力的。あとクリスティをとりまく使用人女性たちも良くて、家庭教師でお姉さん的存在のグレース、はすっぱだけどクリスティへの忠誠心は篤いメイドのノーラ、それから心配性の口うるさ型メイド・アンヌマリーさんとのやりとりも、見てて心暖まるものがある。話作りや語り口はさすがベテランだけあってこなれてるし、安心して読める作品。
【単行本】「恋きゅー」3巻 征海未亜 SBCr B6 [bk1][Amzn]
新米キューピッドの、あい・こい・れんが、人間たちの想いを結んでいくハートフルストーリー。キューピッドたちはみな見ためは幼女。絵も砂糖菓子のような甘くかわいいものなんだけど、単にかわいいだけでは終わっていない。キューピッド娘れんたんの恋物語は、きゅーっと切ないものがあるし、あいの出生の秘密をめぐる物語もけっこうシリアスで読ませる。最初のうちはわりと気楽な感じで見てたんですが、だんだん緊張感が増してきて、ぐぐっと引き込まれるようになってきた。今コミデジ+では一番先が気になる作品。
2/23(土)……日記日
▼いや〜、どうもすみません。2/29に書いた2/22の日記で「ぼちぼちなんかやってきます」とか書いたのに、3/4まで更新遅らせてしまいました。2月下旬がすげー忙しく、それが終わった〜と思ったら気が抜けちゃったのか風邪ひいてしまいまして……。29日までの時点で咳はちょこちょこ出てたんですが、1日になって熱が出て2日になってから腹も下り出し、集中力が全然もたない状態だったもんで、薬飲んでぐーぐー寝てました。今はだいぶ復活しましたんで、停滞分を取り戻すべく頑張ろうとか考えている最中です。まあ考えているだけでは何にもならんのですが。
▼OHP月極アンケート3月分は5日朝までには開始できるようにしたいです。
【雑誌】LaLa 4月号 白泉社 B5平 [Amzn]
緑川ゆき「夏目友人帳」が出張してきて短期集中連載に。2008年TVアニメ化も決定ということで、だいぶプッシュしてきている。妖を見ることができる体質の少年・夏目が、祖母の遺品である妖怪との契約書「友人帳」を手に入れ、彼のもとにやってくる妖怪たちに名前を返していく。用心棒的な妖であるニャンコ先生と共に、夏目はトラブル多き日常を送っていく。自分はこれまで連載は追っかけてなかったですが、先日単行本はざっと読みました。端整で上品な絵柄が心地よく、人間側にも妖怪側にもドラマがあって読ませるお話作り。確かに話題になるだけあってちゃんと面白いなという印象。今回の出張版は普通の人間のふりをしている妖を巡る物語だけど、どのように転がしていくのか楽しみです。
なかじ有紀「ZIG★ZAG」。今回は諏訪くんと芽の遊園地での初デート話。なんかアホみたいにラブラブですのう。予定調和であることの気持ち良さを存分に味わわせてくれますわい。
【雑誌】アックス Vol.61 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]
今号は「劇画生誕50周年記念」特集。マンガ評論新人賞の結果発表もあり。それと今号でうれしかったのが、津野裕子の作品がすごくひさびさに掲載されていること。「救命一角散」という作品。お話は途中までだが、残りは3月下旬発売の単行本「一角散」[bk1]に収録される予定とのこと。そう、単行本が出るんですよ。これはとてもうれしい。
新連載、島田虎之介「ダニー・ボーイ」が開始。かつてアメリカで活躍した日本人俳優・伊藤幸男の生き様を描いていく物語……となるのかな? まず初回は彼が出演したとされるミュージカルについて語られている。といっても島田虎之介作品の場合、最後まで行ってみないと、後にどうつながっていくのか分からないのでなともいえないんですが。藤枝奈己絵「夢色お兄ちゃん」は最終回。一見ダメなようでいながら、お兄ちゃんは最後までポジティブでした。妹とB級アイドル広田さんはものすごい勢いでダメダメでしたな。ものすごく適当でゆるゆるなところが気持ちいい。リラックスして読める楽しい作品でした。
清水おさむ「Juku」は、自身がエロ漫画を描いていた時代のことを振り返る内容が続いている。興味深いのが、この人が自分のエロ漫画家時代を完全に汚点として切って捨ててるところですね。「ついにこんな最低本に描くに至り、落ちるところまで落ちた」「人間としての良心の呵責に悩みながら描いた」「このような恥ずべき作品を後々まで絶対に残したくない」など、本当にズタボロに語っている。現在のエロ漫画を描いている人でも、屈託はいろいろあるだろうけれども、この人がエロ漫画を描いていた昭和50年代とかだとエロ漫画家の地位なんて今よりもさらに低かっただろうし、世間的にもさぞかし軽蔑される職業だったんでしょう。まあ清水おさむくらい気にしていた人がどれだけいたのかは分からないけど、当時の実作者の言葉を聞ける、貴重な作品だと思います。
【雑誌】Comicモエマックス 4・5合併号 モエールパブリッシング A5平 [Amzn]
今回は合併号で、3月は一回休み。で、4月24日発売の6月号から判型がB5に変わって中身もリニューアルされるとのこと。これまではちょっと地味な印象だったけど、リニューアルで変わるかなあ。
舞登志郎「夢から覚めて」。夢の中でお互いを求め合っていた父娘がついにきちんと結ばれたかな……といった感じ。最初はわりと普通の話なのかと思っていたけど、なかなか一筋縄ではいかなかった。まあそれはそうと、舞登志郎独特の少女の描き方は、今風とはいえないかもしれないけどやっぱ惹かれます。ぶかぶかの服を着てる姿がかわいーっすね。
【単行本】「岳」6巻 石塚真一 小学館 B6 [bk1][Amzn]
この巻もコンスタントにいい。山と人間のドラマを、厳しく暖かく清々しく描く。この巻でとくに印象的だったのは、三歩もなじみにしている山小屋のおばちゃんに関わるエピソード。彼女とその夫の話、それから山小屋に預けられた少年院出の少年の話、どちらもジーンと感動させられるものだった。とくに少年の話のほうは、改めて読んでみても泣ける。あとは三歩の高校時代の恩師のエピソードとかも良かったですね。三歩に大きな影響を与えただけあって、強くて暖かいその人格に魅せられるものがある。これで6巻とけっこう長くなってきたけど、最初のころと変わることなくいいお話を作り続けている。さすが山男。スタミナという面でも大したもんであります。
【単行本】「放浪息子」7巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
いろいろ動いておりますねえ。かつては小学生だったニ鳥修一くんたちも、この巻では中学生になっていたりするわけですが、そうなると男も女も変わっていくのはしょうがないところ。とくに衝撃的だったのは、修一くんにニキビができてしまうというところでしょう。あのきれいな少年にそげなもんが……と考えると、「俺の大事なもんが汚れてしまった」というか、なんとももったいない気分になってしまう(ニキビでお悩みの方とかが気を悪くされたらすみません)。そしてこれは今後、どんどん押し寄せてくる成長期の前触れに過ぎないんだと思うとさらに切ない。修一君の背が伸び、声変わりが訪れ、喉仏が浮き出て……ぬおー。
なおニキビの件については、それがきっかけで新たな人間模様を生み出しており、上記のような切なさとは別に、お話としては面白いです。まあ単行本出てからしばらく経ってるので、今さらネタバレしちゃってもかまわないかなあとは思いますが、いちおうそこらへんは書かずにおくということで。とりあえずラブコメ的な動きには今後も注目。これから修一くんを取り巻く人間模様がどうなっていくのか、たいへん楽しみであります。
それにしても修一くんが「かわいい」ではなく「かっこいい」になってしまったら、女の子たちの反応はどう変わるんですかのう。興味深い。
【単行本】「潔く柔く」6巻 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
この巻もきっちり面白い。そんな特別な人たちのドラマってわけでもないんだけど、なんだかとても印象的に見せてしまう腕前は一級品。緊迫感のあるシーンもありながら、どこかゆとりも感じさせる話運びで、するする読めるのはいつも通り。惜しむらくは、連作ストーリーなわりに、単行本が1エピソードの途中で始まって、別エピソードの途中で終わるって構成になってること。「えーとこの話どういう話だったっけか」と思い出しているうちに、次の話が始まって「さあどうなるのか」と思ってるうちに終わっちゃうので、なんだか不完全燃焼な気分になってしまう。
【単行本】「溺れるナイフ」7巻 ジョージ朝倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
面白いです。いったんは離れた夏芽とコウだが、中学3年生で再び同じクラスになった二人は、やはりどうしようもなくお互いを意識してしまう。美しい少年少女の物語を緊張感たっぷりに描いてて、ぐぐっと読ませます。それにしても考えてみるとなんかすげー話ですね。夏芽は元アイドルであり、コウもかつては地元で無敵の存在として輝いていた少年。10台半ばでありながら、自分の全盛時は過去にあったということを自覚しており、その輝きに未練と諦めを抱きながら二人は生きているわけでしょう。なんだか若ぇのにハードな人生よのうと考えさせられてしまいます。
【単行本】「あまえないでよっ!!MS」2巻 宗我部としのり ワニブックス B6 [bk1][Amzn]
逸剛が一希とともに賽円寺に戻ってきたが、一希はなぜかブタ娘化、その他尼さんたちも未熟さを露呈して特訓モードに入るという2巻。まあ相変わらずストーリー的にはいまいち本筋がどう進むか分からない状態ながら、お色気サービスはふんだんで賑やかに進行中。目の栄養として、あまり深く考えず読んでいくのが吉でしょうな。まあ深く考えなきゃいけないときが来たら、そのときはそのときで。
2/22(金)……毒リス編
▼更新がまた遅れましたが(今29日昼)、2月の下旬はいろいろ忙しくしてました。ようやく仕事の大きなのは一段落したので、ぼちぼちなんかやってきます。
▼再度書いときますね。OHP月極アンケート、2008年2月分「ひまつぶしに良い漫画」の締切は2月いっぱいです。よろしくお願いします。
【雑誌】コミックハイ! 4月号 双葉社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan]
新連載、高嶋ひろみ「未満れんあい」。「南京ぐれ子みたいな絵の人だなー」と思って読んでたんだけど、扉絵のところに「南京ぐれ子改め高嶋ひろみ」ってちゃんと書いてありますね。見落としてたー。不覚。お話のほうはソフトハウス勤務の29歳ずぶずぶのオタク男・黒瀬が、ある日ファミレスでヘンな女子中学生と出会うところからスタート。主人公の黒瀬はつるぺたとかロリいのはあんまり好きなほうではないのだが、なぜかこの娘さんの笑顔にはトキめいてしまう。てなところから始まる恋愛ストーリー。ちょっと天然ボケでうっかり屋さんなヒロインがかわいらしいし、ほのぼのしてて賑やかな雰囲気も上々。この人のラブコメ作品はけっこう好きなんで期待してます。
かがみふみを「まちまち」。キスもするようになり、ちょっとエッチな雰囲気になった二人だが、いざ「そういうこと」になると怖くなってしまい……。生殺し感覚がたまらないけど、二人が恥じらう様子がたいへん初々しくて良い。次号が最終回だそうだけど、最後までフレッシュでかわいい恋愛模様を楽しめそうです。
桐原いづみ「ひとひら」は巻頭カラー。今回はずいぶんラブコメっている感じ。麦に対して武田君がアタックをかけており、ドキドキ感のある展開。近く合宿もあるようで、面白い状況になっていきそう。紺條夏生「妄想少女オタク系」。浅井さん、松井さんと、女の子2人がともに恋に悩む。腐女子どうこうは抜きにしても、恋愛ストーリーとして盛り上がっていて良い感じです。あと最近阿部くんにちょっかいを出している、ライバル女子の人の動向も気になるところ。
石田敦子「魔法少年マジョーリアン」。すげードロドロしてるなあ。イオリが姉の真由と付き合ってると誤解したマサルは暴走。その行為に傷ついたイオリ、後悔するマサルはともに自暴自棄になっていく。お子様で魔法少女(少年)な話なのに、どんどんキャラを追い詰めていくし、展開もダーク。今回も石田敦子の容赦のなさが強く印象に残った。
あと私屋カヲル「こどものじかん」もさらに生臭くなってきた。レイジがりんを狙ってるのではないかと疑念を深める青木先生の問いかけは直球すぎ。りんはレイジを信じ、疑うことをしない、というよりその気持ちを頑なに封じ込めているよう。でもレイジはかなりマジモンな人だけに、青木先生が心配するのもやむなし。登場人物たちの気持ちはそれぞれすれ違っており、一歩間違うとたいへんなことになりそうだけど……。デリケートな状況だけど、青木先生はけっこう無神経なところがありますしねえ。どうなるんでしょうか。
【雑誌】ヤングアニマル 3/14 No.5 白泉社 B5中
羽海野チカ「3月のライオン」が連載再開。単行本1巻掲載分の続きから始まるという形をとった。単行本のほうはもう読んではあるので、あとで感想書きます。東雲太郎「キミキス」。二見さんの態度がずいぶん軟化してラブコメ脳になってきた。今回は唇以外の部分にキスする実験とかいって首筋にキスとかしてるし、なかなかエロっちくおもある。次号は巻頭カラーで遊園地デートだそうな。
森恒二「ホーリーランド」。キングとの戦いが決着。お話としてもだいぶまとめに入ってきている。キング編のまとめってわけではなく、「ホーリーランド」全体のまとめという感じ。そろそろ最終回も近そうな気配。最後の相手はやっぱあの人ですかねー。それにしてもこの後ユウはいったいどうするんでしょうな。伊沢がプロボクサーになったりして、さらにユウも別の道を歩み出したら、街を守る人がいなくなっちゃうんじゃないかなーとか思ったりしますが。わりと頻繁に悪い人たちがやってくる街みたいなので、誰かいないと困りそうだけど。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/14 No.6 小学館 B5中
倉田よしみ「味いちもんめ」が新展開。今号から[独立編]として新連載に。いよいよ一つの店を任されることになった伊橋は、覚悟を決めて意気込むが、店長として雇われた店は彼の思い描いていたようなものとは違っていた……という出だし。これまでの修行時代とはまた違い、お店の経営の話なんぞも出てくるんでしょうな。とはいえ安定しまくりな作風なので、これからも今までとまったく変わらない調子で読んでいけそうではある。
【雑誌】週刊漫画ゴラク 3/7 No.9 日本文芸社 B5中
土山しげる「喰いしん坊!」は、食いワングランプリが終わった後の顛末。大食い新団体ができるとともに、フードファイターたちは新たな道を歩み始めるが……。大会のほうの経緯でその後が気になっていた西山が真っ先に登場してたんで、今後再勝負も期待できるかな、といった気配。ぜひちゃんと決着をつけてもらいたい。さだやす圭「サンキュウ辰」は、さまざまなゴタゴタを経て日本プロ野球に復帰した佐渡島がいよいよ実戦復帰。と思ったら、次号で最終回ですか。意外とあっさり終わるんですな。
【雑誌】コミックバンチ 3/7 No.12 新潮社 B5中
作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」。車泥棒の青年から始まり、子連れの女性、子供の祖父……といった具合にいろいろな人の「嘘」の連鎖を描く。といっても別に後味が悪くはなく、全体としては心温まりもする内容で、最後はお話を鮮やかにまとめている。いろんな人の思惑がからんだ物語を、テンポ良く進めて分かりやすく読ませて、うまいなーと思う。
イワシタシゲユキ「女王様がいっぱい」。大御所作家の担当を外されて傷ついた、編プロの女性編集・葉月が、酔っ払って泉佐野にからんでくる。いつもは強面な葉月が、今回はへろへろに錯乱しててけっこうかわいく見えた。わりといい感じでラブコメしそうな雰囲気。
2/21(木)……固ぇ才媛
▼最近はAmazonでもPV4[Amzn]買えるようになったんですねえ……。メジャーになったもんじゃ。
【雑誌】コミデジ+ Vol.12 SBCr B5平 [Amzn]
でじこ、ぷちこ、うさだの新声優が決定。というわけで、こげどんぼ「デ・ジ・キャラット」でも、新でじこと旧でじこが邂逅。これまでのアニメとかのように、前の話なんかなかったのごとく次のフェーズに行くかと思ったら、いちおうちゃんと代替わりの手続きは踏むんですね。ぷちことうさだも引き継ぎはやるんですかのう。新でじこは衣装が派手になって、これはこれでかわいいんだけど、崩したときの絵づらについては旧版のほうが好きかなー。スモックみたいでなんか愛敬があるし。
征海未亜「恋きゅー♥」。このところシリアスな展開がずっと続いているけれども、今回はさらにその度合いが強まった。あいちゃんとおともだちでいたい、悪魔っ子・リゼットの気持ちが事態をより悪化させてしまう。連載開始当初は、かわいくてほわほわした微笑ましいお話になるかと思っていたけど、意外なくらいハードでヒキが強い。すごく愛らしい娘さんに残酷な展開をつきつけている。面白いんだけど雑誌が隔月刊なのが惜しい。
【雑誌】コミック電撃大王 4月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]
作:キャラメルBOX+画:あらきかなお「乙女はお姉さまに恋してる」。学園祭での劇にキスシーンがあるということで、貴子が瑞穂を意識しまくる様子がたいへん微笑ましくてよろしいです。そしてまりやはまりやでこれまた大胆な行動に出る。一人の雄姉様をめぐって、女の子たちが猛烈に動き始めた! いや前から動いてるんだけどいってみたかっただけ……。それはともかくとして、あっちでもこっちでもラブコメしている様子は華やかでよろしい。あずまきよひこ「よつばと!」は毎回問題なく面白いので、重ねていうべきこともあらず。
【雑誌】モーニング 3/6 No.12 講談社 B5中
島耕作が白いスーツで白馬にまたがってる表紙に思わず笑ってしまう。弘兼憲史が描く島耕作表紙って、なんか妙なインパクトのあるのが多いんだよなあ。
今号から短期集中連載、こざき亜衣「超♥秘密戦隊 ムシャレンジャー」が5週連続で掲載。子供のころからヒーローモノの番組「ムシャレンジャー」が大好きで、大人になってもそこから脱け出せないでいた市役所職員・葉介が主人公。仕事はほったからかしでムシャレンジャーに耽溺する葉介は、職場の誰もが認めるダメ男。しかし彼が町中で、本当(?)のムシャレンジャーのレッドに出会い、自分の家に連れてきたことでその人生が変わってしまうらしい……ってなお話。大人になりきれない男が主人公のドタバタコメディといった感じだが、軽いノリでまずまずの滑り出し。女性誌でギャグを担当しそうなタイプの作家さんだが、こういう人をサクッと登用するところはいかにもモーニングらしい。
脚本:リチャード・ウー+画:すぎむらしんいち「ディアスポリス−異邦警察−」。うーむ、アーさんのその後が切ないなあ。なかなかいい味を出してるキャラだったのだけれども。
【雑誌】ヤングサンデー 3/6 No.12 小学館 B5中
間瀬元朗「イキガミ」の最新シリーズが開始。この作品についてはこれまでも「前提となる設定が不自然すぎて得心がいかない」と何度か書いていますが、シリーズが始まったり終わったりするたびに同じことを感じてしまいます。やっぱ「国民の中から無作為に選んだ人間を死刑にする」という制度は成立するほうが不自然だし、「最後の日をどう過ごすか」というドラマを描きたいがために無理やりひねりだした設定という感が常につきまとってしまう。いや、もちろん不自然な設定であっても、それをガツンと納得させるだけの説得力があればいいんですが。不自然な設定に基づく作品なんて山ほどあるし。「妹が1万人」とかいわれても、納得できればそれはそれで楽しめる。でも納得いかないと、どうしてもドラマが上滑りして軽く感じられちゃうんですよね……。この手の「人の生き死にをどうこうするドラマ」ってのは、自分にはやっぱ合わないなあ。今やってるアニメの「シゴフミ」も、どうも合わなくて途中で見るのやめちゃったし。
【雑誌】ヤングジャンプ 3/6 No.12 集英社 B5中
岡本倫「ノノノノ」。その暴虐ぶりでスキー部に「皇帝」として君臨する尻屋先輩が登場。この先輩のあだ名があまりにも身もふたもなくて、思わず笑ってしまった。やっぱ妙な味があるなあ。あと今号では、橘賢一「ラッキーセブンスター」が最終回となっている。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/6 No.12 秋田書店 B5平
渡辺航の新連載「弱虫ペダル」が開始。ドタバタコメディが多い作者だが、今回の作品は自転車モノ。学校帰りにアキバに通うのが目的で、学校のある山の急な坂道にもメゲず自転車通学しているオタク少年・小野田坂道。彼が自転車部に入ってその才能を発揮していくという感じかな? 主人公がオタクだっていうのはいかにもこの人らしいけど、自転車モノだけにやっぱり熱血になっていくんじゃないですかね。チャンピオンで自転車モノといえば「シャカリキ!」という名作があるけれども、連載終了が1995年だからすでに10年以上が経っている。アレと違ったものを描くのはなかなか難しいかもしれないけど、渡辺航ならではの感覚で、新しいモノを見せてほしい。
作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。前回で再登場した五木島だけど、なんかすごい使い方してるなあ。これなら別に五木島じゃなくてもいいじゃんってな感じだけど、今後もお話にからんでくるんでしょうか。吐夢パパについてはわりとどうでもいいです。
【雑誌】COMIC LO 4月号 茜新社 B5平 [Amzn]
雨がっぱ少女群「家庭菜園」。今回は鉛筆描きテイストなタッチの作画。父子家庭において、父親が娘の身体を貪るようになっていく様子を生々しく描いていくお話。途中までは唯々諾々と父親の行為を受け入れていた娘が、事後に見せるクールな表情、そしてセリフにちょっとゾクッとさせられる。ちいさくてもおなごは怖い、という感じのする作品。
いさわのーり「ボクは居候!」。居候中のおにいちゃんと、そこの娘さんの仲むつまじきさまを描いた作品。おにいちゃんのほうが小太りめがね君であまり冴えないルックスであるのに、おこさまがなついてエッチにまで至り、なおかつ親御さんもそれを認めているという様子がドリーミング。そんなことがあったら良いなあという願望を満たしてくれるタイプの作品ですな。
ほかまみつり「帰ってきたヨ♥お姫さマン」。海外へ転勤していた姉夫婦の娘さんが主人公にやたら甘えてくる。三年生なのにやたら乳がデカい娘っこさんがなかなかエロっちい。ロリ的にはつるぺたのほうが本道なんでしょうけど、「年は幼いのに乳はデカい」というアンバランスさも、これはこれでロリ的にも良いものなのではないか、とも思う。
鬼束直「WINGS FOR YOUR HEART」。クラスの中でも目立つ美人なのに、さえない男子の鈴木君が好きな莉奈ちゃんの恋心を描いたお話。そっきりした絵柄は相変わらず魅力的だし、ツンデレさんなヒロインもとてもかわいらしいです。微笑ましい。裏次郎「ちぃコロ日記」は最終回。ねこみみ娘たちがたいへんキュートな一作でした。単行本化にはもう少しページ数いるかな?
にまじ「となりの変質者」。COMIC LOの持ち込み大賞でレギュラー賞を受賞した作品。主人公である少女の兄は、重度のロリコンで、どうしても近所の女の子へのイタズラをやめられない変質者だった。彼の暴走を食い止めるために、妹が自分の身体を使わせているうちにその行為にのめり込んでいく。絵柄的には垢抜けないものがあるけど、やっていることはなかなか淫靡な雰囲気がある。最初は「兄を犯罪者にしない」ため、仕方なくという感じだったのが、快楽に溺れた妹がしだいにその大義名分を自分に対する言い訳としていく様子が生々しい。あとこの作品を読むと、この妹さんが成長した暁には、兄はきっと妹に飽きてまた別の娘さんを渉猟しだすはず。普通にファンタジーとしてロリ妹とやってる漫画ならそこまで考えないんだけど、こういう作品だとどうしても「その後」を考えてしまう。収まるべきところに収まっているように見えて、けして「めでたしめでたし」ではない。ゾクッとさせられる作品です。
うさくん「マコちゃん絵日記」。いつも面白いなあ。今回もオチで思わず笑ってしまった。あと最初の部分のギャグとかもくだらなくて良い。それと主人公・マコトちゃんのお父さんお母さんが案外枯れてなかったりするところにもニヤリ。
【単行本】「デトロイト・メタル・シティ」4巻 若杉公徳 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
ロックフェスにおけるデスメタルバンドたちとの死闘が続く。その対決の模様は、もう音楽勝負って感じではなくて罵詈雑言&パフォーマンス大会といった感じ。ギャグのキレや爆発力という面では、2巻あたりのころと比べるともう一つかなとは思う。ただ元々この人の作風は瞬発力勝負っていうよりは、だらだらまったり続けていくタイプの作風なんじゃないでしょうか。あれだけ爆発的な騒ぎになったことのほうがむしろ椿事だったというか。対決編とかよりは、日常編のほうが味が出るタイプの作品なのかもしれないです。