2008年3月上旬


3/9(日)3/10(月)……モテ部

▼漫画感想。ヤングキングは3/10、24発売分、ビッグコミックは3/10、25発売分です。

【雑誌】コミックエール! VOL.5 芳文社 B5平 [Amzn]

 新連載、山田J太「ぎふと」が開始。「感情」を理解することができ、人間から学習していくことができるロボット少女・ぎふこちゃんの日常を描いていく物語。喜びや悲しみ、恋などを日々学んでいく彼女の様子を見守っていくという感じでしょうか。とりあえず初回は「ぎふこちゃんはこんな感じの娘さんですよ」というところが描かれた段階。まだどういう方向に進むかは分からんですが、とりあえずちびっちゃくて天真爛漫なぎふこちゃんはかわいく描けているので、今後の展開に期待といったところ。

 秋★枝「純真ミラクル100%」。マネージャーの工藤がずっと所長さんに片想いしていることを知ったモクソン(木村さん)は、それが思った以上にショックで不調になっていく。これまではぽやぽやした天然系だったモクソンだけど、今回は恋に悩む乙女な側面を見せてて、これはこれで良いです。ほっぺたがぷにぷにしたどんくさそうなルックスが好み。

 瀬口たかひろはエール!初登場。読切「シスちぇん」。彼氏とのデートを前にウキウキだったヒロインの依奈だが、激突した拍子にガサツな姉と人格が入れ替わってしまう。そして依奈の身体を使って、姉が代役でデートに出かけてしまうが……というドタバタコメディ。かわいい女子キャラを出し、賑やかにお話を展開してきっちり落としてて、手堅い出来といえましょう。

【雑誌】ヤングキング 4/7 No.7 少年画報社 B5中

【雑誌】ヤングキング 4/21 No.8 少年画報社 B5中

 No.7で通算500号記念とのこと。そのわりにはプレゼント以外、特別なことやってなくて、いつもとあんまり変わらない印象。まあ仰々しいことをやらない気楽なスタイルは、この雑誌らしい気はします。漫画のほうも本当にいつものヤングキングで、平常通りの誌面。まあこの号ですごく盛り上がってるって感じの作品はないけど、自分としては佐野タカシ「イケてる2人」、宗我部としのり「ごてんばチアリーダーズ」、花見沢Q太郎「ももいろさんご」、森見明日「よみがえりんね♪」といった、女の子がかわいくてちょいエロい要素のある作品を中心に、気楽に読んでます。

 No.8では、一色登希彦「モーティヴ−原動機−」の新シリーズ、「機械仕掛けの神サマ」が掲載。「モーティヴ」シリーズの最初に出てきた、バイクによって心を通わせた高校生男女、崎谷くんと桜田さんのその後を描いた物語。崎谷くんは、桜田さんとの北海道でのツーリングを経てバイクにのめり込み、バイクのレストアをする塾みたいなものに入る。その活動を通じてバイクというものをより深く知ることになった崎谷だが、桜田さんとの仲はトラブル含みで……という感じ。このシリーズは青臭くて熱情的ですごく好き。まあ今号分の終盤部分はちともやもやした感じではあったけど、5/26発売のNo.12に続きが掲載されるそうなんで、続きでうまいこといくといいですね。

 No.8。佐野タカシ「イケてる2人」は急展開。実父の愛人の娘である小泉が、本妻と対面するが……。小泉を疎んじるかと思われていた本妻の人は、けっこう寛容な女性で、そちらのほうはとくに問題なさげな気配。しかし小泉に異変が起こり……ってな感じ。このアクシデントを乗り越えれば、いろいろ前に進めそうな感じではありますが。展開からいうと物語の締めくくり段階だとは思うけどどうしますかね。

 宗我部としのり「ごってんばチアリーダーズ」はチアリーディングの大会編が終了。このエピソードでは、ライバルキャラである珠里が目立った。主人公・克己と咲の間は鉄板ではあろうけれども、ラブコメ的にもう一人加わったのは大きい。ただ学校が違うと登場頻度が増やしにくそうなのが残念なところ。あと森見明日「よみがえりんね♪」は、主人公と幼なじみ娘との関係がだいぶ煮詰まってきてて先が気になるところです。

【雑誌】ビッグコミック 3/25 No.6 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中

 作:西ゆうじ+画:ひきの真二「華中華」。チャーハン娘・ハナちゃんと見合いして、そのまま彼女に恋してしまった農家の青年・康彦が、彼女への想いを抑えきれなくなり一念発起。彼とのお話はこれからずっと引っ張り続けるのかなあと思っていたんだけど、なんか一気にお話が動いてきて、ちょっと驚き。

 いわしげ孝「単身花日」は、桐野さんが自らの抱えていた事情をすべて告白。その事実は桜木の甘い初恋の思い出を吹っ飛ばしてしまう、重くて深刻なものだった。さすがにこれ以上の秘密はないと思うけど、桜木夫妻的には、こんなの聞かされてどう対処したらいいものやらって感じでしょうなあ。No.7では桜木・桐野の初恋に区切りをつけた感じなので、No.8で最終回かな。

【雑誌】コミック0EX vol.04 コアマガジン B5平 [Amzn]

 内々けやき「綾さんの正しい立ち位置」。コンビニ勤務の奥さんが、バイト先で若い男に迫られる。最初は無理やりだったが、回数を重ねるうちに奥さんは彼の若い肉体に溺れるようになっていき……という内容。まあベタではありますが、この手のお話は好物であります。とくにコンビニ店員という、いかにもありがちなシチュエーションに生っぽい感じがあって良い。あと肉付きの良い、むっちり熟れた身体も魅力。

 イコール「Harvest time」。幼い妹の見ている前で、お姉ちゃんと彼氏がエッチ。妹は姉たちが何をやってるか意味は分からないままだが、お姉ちゃんは見られてるっつーことで興奮。この人のむちむちぷにぷにした絵柄はフレッシュでなかなかいいですね。明るめなタッチだけどエロさも十分。けっこう好みな作風です。

 すえひろがりの新連載「雪の路」はお得意の学園露出モノ。学校(たぶん高校)の自由作文で、クラスメート女子の一人・花巻さんが、自分の露出願望をぶっちゃけたことがきっかでクラスの空気が変貌。花巻さんは自分の心の欲求に従って、クラスメートの前で全裸になり、オナニーまで披露する。今後はここからどんどん発展していき、より過激な露出や性行為に至っていくんでしょう。すえひろがりとしてはおなじみのテーマだけに、とくに問題なく進んでいきそう。

【雑誌】ヤングコミック 4月号 少年画報社 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 松山せいじ「おねがい♥アンナ先生」。今回もおそろしく胸がでけー。西瓜の1.5倍くらいありそうな物件をぶりゅんぶりゅんさせたセックスの様子は大迫力。四つん這いになってるシーンなんて、バランスボールにでも乗っかってるみたい。これでヌクかといわれると自分はないけど、やっぱ見てて愉快だなあとは思います。

 大見武士のローション連載シリーズ第3弾「ろ〜まじ 〜我が征くはぬめりの大海〜」がスタート。今回はローションを作ってる製薬会社の女性従業員さんたちが、モニターとなってローションプレイをするって感じみたいですね。「ろ〜てく」はヒロインが固定だったけど、今度はたぶん回ごとに変わる形式でしょう。自分もローション大好きなので、今回もぜひぬるぬる頑張っていただきたい。


3/8(土)……ミス味噌

▼漫画感想は、3月頭に4冊同時発売となった押切蓮介の単行本など。押切蓮介の精力的な仕事っぷりは凄いですね。あとエロティクスFは50号到達。こちらも頑張ってると思います。

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.50 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 創刊50号記念ということで記念大特集を掲載。「私たちのヰタ・セクスアリス」と題して、漫画家75人にアンケートを実施。アンケート内容は、『あなたが「ヰタ・セクスアリス」を感じた作品を教えてください』。ここでいう「ヰタ・セクスアリス」は、「性の目覚め」というほどの意味。つまり「これ読んで初めてムラムラしたものを感じたんじゃー」ってな作品を教えてくれというものです。それぞれ3作品挙げるという形式。参加作家の一覧は、エロティクスFのブログにリストがあります。それぞれの作家さんの嗜好が分かって、読み物としてけっこう面白いものになっているんではないでしょうか。

 新連載、阿仁谷ユイジ「DROPS」。第1話では、姉4人弟1人の沫野家の末っ子であり長男である雫少年の恋物語を描く。基本的には別マとかに載ってそうなテイストの絵柄だけど、それにちょいと色気を感じさせるツヤみたいなのが加わっているのが特徴。少年少女のうまくいってるようないってないような恋物語を楽しく描いてて、わりといい雰囲気だった。扉ページには「ラブリー・オムニバス」と書いてあるんで、今後は姉4人を一人一人取り上げていくって感じかな?

 志村貴子「青い花」。ふみちゃんによる「初恋はあーちゃん」発言を受けて、あーちゃんがついにふみちゃんを恋愛がらみで意識し始める。もしかしたら両想いモード発動かってな感じで、気持ち的に盛り上がってくるものはあります。志村貴子の場合、サクッとくっつけちゃうパターン、焦らすパターン、くっつけないパターン、どれもありそうなんで先が読めませんなー。まあ両想いパターンを見てみたいという気はもちろんいたします。

 吾嬬竜孝「SHEEP」は最終回。ロックスターを兄に持つ少年と、その兄のファンである少女を二人に展開される青春模様は、兄の突然の死をきっかけに大きく動いた後、青臭く、ちょっとほろ苦く、そして爽やかなラストへと進んだ。登場人物たちはけっこう印象に残ったし、いい感じにまとまったと思います。あと青木光恵「パパイヤ軍団★」も最終回。こちらは気楽にサクッと締めくくり。軽やかでノリが良くて楽しい作品でした。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 4月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 井上行弘「ナナミちゃんをぬがさないで」が再登場。脱げば脱ぐほど強くなる、天才脱衣麻雀少女・ナナミちゃんが大活躍。ゲーセンの脱衣麻雀ゲームの、「もうちょっとというところで理不尽なまでに強くなる」という特性を、漫画のネタとして活用してるのが楽しい。つるぺた体型のナナミちゃんもけっこうかわいいしね。

 もりしげ「朱雀−SUZAKU−」。女の子麻雀漫画で、アガリのシーンになるといちいち裸になる(脱ぐわけではなく心情描写的に裸の絵が出る)演出は今回も1ページめから健在。「らめー」という、「らめぇ」よりも一段やる気なさげなセリフもいつもどおり。実に呑気に麻雀をやっており、たいへん気楽に読める。とにかくお色気サービスをすれば良いといった感じの姿勢は、照れがなくてむしろ清々しい。

【雑誌】FEEL YOUNG 4月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」が第一部完。りんの乳歯が抜ける頃合いになってきて、ダイキチはいろいろ右往左往。歯抜け顔になると女の子だから傷つくんじゃないかとか、心配しまくり。育児のタイヘンさや、家族一緒にいる暖かさなどを、楽しく、そしてしっかり描いていていつもながら面白いです。前歯がぬけたりんもなかなかカワイイですね。なお第二部は6月号から始まる予定とのこと。

 内田春菊「あなたも『奔放な女』と呼ばれよう」。ああ、またもや内田さんの御家庭がいっぱい波風を起こしまくりでタイヘンなことに……。「ワイルドハンズ」のころはわりとほのぼのしていたような感じだったけど(表面上だけかもしらんですが)、このシリーズになってから一気にぶっちゃけて来てますね。まあ人様の話なんで、どうでもいいといえばどうでもいいんだけど、これだから実録系の作品は怖い。

【単行本】「ミスミソウ 【三角草】」1巻 押切蓮介 ぶんか社 B6 [bk1][Amzn]

 押切蓮介といえばホラーギャグという印象が強いけれども、こちらは長編の本格ホラー。閉塞感漂う町に転居してきて以来、廃校が決まっている中学校で、ヒドいイジメを受け続けてきた少女・春花。卒業が間近に迫ってきてもイジメはエスカレートする一方。そしてそれが頂点に達したある日、惨劇が起こる。

 この作品は、読んでいるとかなり胸が締めつけられるものがあります。春花は陰湿なイジメを受けつつも健気に耐えており、学校生活における唯一の味方である男子生徒・相場も彼女の支えとなろうとするけれども、クラスメートたちの悪意は止まることを知らず。田舎町には不似合いな美少女である春花を、異物として退屈しのぎのためのターゲットとし、飽きることなく嫌がらせを続けていく様子にはゾッとさせられる。そして春花を襲う悪意がピークに達するあたりの緊張感には、びりびりシビれる。春花がいい娘さんだけにこたえるものがある。

 春花の容姿も印象的。押切蓮介の描く女の子はけっこうかわいいということで定評がある、かどうかは知らないけど少なくとも自分の中ではあるのだけど、悲劇性の加わった彼女の美貌は凄みさえ感じさせる。愛していた者を奪われた春花の瞳には、吸い込まれそうな虚無が宿る。この後、春花がどういう運命をたどるのか、そして彼女を虐げた者たちがどうなっていくのか。ゾクゾクしながら続きを待ちます。

【単行本】「ゆうやみ特攻隊」2巻 押切蓮介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 月刊少年シリウス連載の長編だが、こちらもかなりの読みごたえ。人間の首を生け贄に捧げる因習が残る孤島・黒首島。その島で人身御供に選ばれた女性からの手紙を受け取った心霊探偵部の3人が、黒首島に乗り込んでいくが……。まだお話のほうは途中の段階だけど、古く、そして血なまぐさい因習にとらわれた島の闇は深く、不気味な雰囲気に満ち満ちている。

 1巻の段階ではまだコミカルな展開もあったが、2巻は横溝正史的なおどろおどろしさに満ちていて、かなりゾクッとくるものがある。今後も島の暗部が見えてくるにつれて、もっと恐ろしさが増していきそう。これはかなり読みごたえあります。「ミスミソウ」もそうだけど、押切蓮介は軽いギャグだけでなく、こういう読みごたえのあるシリアスなものも描けるのだなあと感心させられる。なかなかに懐が深い作家さんだと思う。

【単行本】「プピポー!」1巻 押切蓮介 SBCr B6 [bk1][Amzn]

 寡黙な少女わかばが、ある日得体の知れない生物を拾ってきて、一緒に暮らし始めるところからお話はスタート。ピンク色で、巨大な卵に手足が生えたカービィみたいなその生き物・プピポーは、カタコトの日本語をしゃべり、得体の知れない力を持っている。霊的なモノが見える体質のおかげで心を閉ざしがちだったわかばは、プピポーに助けられ、友達にも心を開いていけるようになる。

 こちらは妖怪がらみのスリリングな展開もあるけど、かわいいおばけも出てくるし、心温まる友情ストーリーもあるし、「ミスミソウ」「ゆうやけ特攻隊」と比べるとだいぶ救われる感じのテイスト。これはこれで読みごたえはあるし、けっこう面白い。わかばがプピポーと共に、どのように成長していけるのか楽しみ。

【単行本】「でろでろ」12巻 押切蓮介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻では大きな動きがあり。これまでずっと寄り添って暮らしてきた耳雄と留渦の兄妹だったが、家族を大事にしていないように見える兄の態度に憤慨した留渦が家出を刊行。家出中の留渦と、彼女を捜索する耳雄の道中、それぞれを描いていく続きモノシリーズが掲載されている。そのシリーズの締めくくりがちょうど連載200回めという、なかなかいい感じの区切りをつけてます(もちろん連載はまだまだ続くけど)。耳雄と留渦の和解のあたりはちょっとジーンと来るものがあったし、そのほかのエピソードでのギャグはいつもどおり楽しく展開。回数を重ね、他の連載が増えても、枯れることなくちゃんと続けてて大したもんです。


3/7(金)……柳生非常勤

▼おた☆スケのレビュー連載 3/24分で、アサミ・マート「木造迷宮」[Amzn]を取り上げました。住み込み女中・ヤイさんの割烹着姿が実に良いです。

▼漫画感想。ヤングガンガンは3/7、21発売分、ゴラクとバンチは、3/7、14、21発売分の号です。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 4/1 No.4 白泉社 B5中 [Amzn]

 甘詰留太「ナナとカオル」。幼馴染みのナナとカオルの、初めてのボンデージファッション体験が終了。ともに欲情してドキドキしまくっている様子がなかなかエロかったです。ナナは今回の経験でだいぶ目覚めちゃったみたいなんで、これからはエスカレートしていきそうな気配。スケベ男と優等生は、SとMでなかなかいいコンビ。エロ重視の作品ではあるけど、恋愛的にもこのまま盛り上がっていくのかも。

 作:朝田光+画:亜桜まる「14 ジューシー」は最終回。部活少女たちの日常を、まったり楽しくかわいく展開したシリーズ。ほのぼのした内容で楽しうございました。これで連載は終わったけど、亜桜まるは「えこといっしょ」で週刊連載を回した実績もあるし、生産力はまだまだある人だろうと思う。次はぜひアニマル本誌でなんかやってほしい。

【雑誌】ヤングガンガン 3/21 No.6 スクウェア・エニックス B5中

【雑誌】ヤングガンガン 4/4 No.7 スクウェア・エニックス B5中

 小林立「咲 −Saki−」。のどっち快進撃が続く。そして相変わらずエロっちい構図取りが絶妙。のどっちモードに入った原村さんの、頬を赤らめた表情プラスぺんぎんぬいぐるみに乗っけた乳。それから原村さんと打ちたいとウズウズしている咲を描くさいに、意味なく股間のあたりにフォーカスを当てる。ホントにどんな隙も逃さずサービスを入れてきますね。見事です。

 勇人「はなまる幼稚園」。No.6は幼稚園のみんなで自然公園に行き飯盒炊爨(はんごうすいさん)。幼稚園児なのにここまでやるのかー。かしこいお子さんたちですなあ。自分は幼稚園時代はこういうのやった覚えないけど、普通やるもんなんでしょうか。No.7ではつっちーに恋するもう一人の女児・雛菊と、そのお父さんのエピソード。雛菊と、強面の組長であるパパのコントラストが楽しいし、雛菊の良い娘さんぶりにも癒される。で、はなまる園児たちはどちらの回でもかわいかった。まあすでに俺アイにははなまる補正がかかっているので、何やってもかわいく見えちゃうんですけどね。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 3/21 No.11 日本文芸社 B5中

【雑誌】週刊漫画ゴラク 3/28 No.12 日本文芸社 B5中

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/4 No.13 日本文芸社 B5中

 村生ミオ「SとM」。この期に及んで沙耶がツンデレ化してて爆笑。復讐が未遂に終わり、最後の最後に戸田の心に一撃を与えるべく、学校に火を放ち焼身自殺を図った沙耶。そんな彼女を見捨てておけず、救出に飛び込んだ戸田がついに沙耶の心を動かす。そして「ご…誤解しないでよね!!」と来た。いやー、もう村生先生なんでもアリですね。あとクライマックスシーンでも、戸田のちんこをネクタイで隠すといった演出は忘れない。さすがにそろそろ最終回が近そうだけど、最後まで楽しませてくれそうです。

 土山しげる「喰いしん坊!」。大食い世界大会「喰輪杯」に出場するため、台湾に乗り込んだ満太郎は、さっそく台湾の屋台で大食い。それから台湾のプロ大食い師と接触。台湾は自分も行ったことあるんですが、屋台系の食い物はやたら美味かったです。本作にもうまそうな料理はすでにいろいろ出てきており、大いに食欲をそそられました。また行ってメシ食い散らかしてきたいです。

 No.13。作:伊月慶悟+画:叶精作「堕悪」。カジノのオーナーさんのルックスが素晴らしい。ピエロを邪悪にしたみたいな感じのフェイスメイクを施したうえ、スキンヘッドに色とりどりの花を五輪ほど載っけているというカッコ良すぎるスタイル。子供が見たら泣き出しそうなご尊顔に惚れます。

【雑誌】コミックバンチ 3/21 No.14 新潮社 B5中

【雑誌】コミックバンチ 3/28 No.15 新潮社 B5中

【雑誌】コミックバンチ 4/4 No.16 新潮社 B5中

 No.14〜15では、作:隆慶一郎+脚本:田畑由秋+画:余湖裕輝「柳生非情剣 SAMON」の完結編が2号連続で掲載。将軍家光と衆道の関係にあった柳生左門。家光の寵愛を受け大名に取り立てられた左門は、「尻一つで十三万石」といわれ、周囲の嫉妬を受けることとなる。そしてそれを家門の恥とし、左門の兄、柳生十兵衛が彼を討たんとする。家光と左門の愛欲関係など刺激的な要素が多くて読みごたえがあったし、余湖裕輝の力強い作画も迫力があって良かった。田畑+余湖のコンビで時代劇というのは、また今後もやってくれるとうれしい。

 No.14。柏屋コッコ「離婚同居」が最終回。いったんは離婚した夫婦+娘×2が、再び同居するようになって家族の絆を取り戻していくという物語。ホームドラマをきれいにまとめてて、いい感じの締めだったんじゃないでしょうか。

 No.16。バンチとファミ通のコラボレーション企画で、松下進がバンチの表紙を描いている。ちなみにファミ通のほうでは、1000号記念で原哲夫が表紙を描いたとのこと。ファミ通側のイラストも掲載されてるけど、原哲夫が松下進キャラに似せて描いているせいで、パッと見た感じだと違う人が描いているという印象は意外と受けないかもしれない。実際に雑誌を手に取った人がどう思ったかは分からないですが。

 イワシタシゲユキ「女王様がいっぱい」はラブコメ度がどんどん高まっていて面白い。これまで泉佐野につらく当たっていた編プロねーちゃんが、家庭教師をやっていたころの教え子だったことが判明。彼女のアタックに泉佐野はタジタジ。最初はカタブツで憎らしげだった葉月さんが、どんどんかわいくなってきた。ヒキが強くて好調。


3/6(木)……裃

▼こういうサイトをやっているため、「ヘイボーイ、読んだ雑誌はどうしてるんだい?」と聞かれることがときどきあります。そんなときはだいたいいつも「単行本にならなそうな作品で気になるのだけ切り抜いて、あとは縛って捨てているのさ」「でも最近では整理が追いついてなくてだいぶたまっちゃっててヤバいんだよ」と答えています。

 まあそんなわけで本を縛る機会は多いのですが、縛るさいの必需品がひも。これまでひもはビニール製のものを用いていたのですが、ちょっと気が向いたので紙ひもを試してみました。紙ひもとはその名のとおり、紙でできたひも。この手の奴です。ビニールひもだと、紙を資源として再利用するときにジャマになるので取り分けなければいけないけど、紙ひもならばひもごと再利用可能なんで、処理する人たち的には良いものであるらしい。てなわけで良識ぶった俺は、「これからは紙ひもでぶいぶいいわすぜ〜。エコロロロ〜」とか考えたわけです。なんていけすかない奴でしょう!

 で、実際使ってみた感じですが、やっぱ使い勝手はビニールひものほうがいいですねえ。紙製ってことなんで柔軟性が低いので、ちと結びにくいし、結ぶときに力を入れると手に食い込む。あと力の入れどころが悪いと、まれに切れることもある模様。ていうか一回切った。使い勝手はビニールひものほうがだいぶイイです。

 とはいえ、それは使用前から予想できていたことなので、どうこういっても仕方がないこと。エコロだのロハスだのいうためには、そこらへんは我慢していくほかない。まあなんとかなるだろうとは思うんで、しばらく紙ひもを使い続けてみようかとは思います。なお「エコロとかいうんだったらそもそも雑誌買ったり捨てたりしてんじゃねーよ」などという意見は聞きませんのでいわないで下さい。

▼漫画感想。モーニング、ヤンサン、ヤンジャン、週刊少年チャンピオンはそれぞれ3/6、13、19発売分です。

【雑誌】モーニング 3/20 No.14 講談社 B5中

【雑誌】モーニング 3/27 No.15 講談社 B5中

【雑誌】モーニング 4/3 No.16 講談社 B5中

 No.14。すぎむらしんいち「ディアスポリス −異邦警察−」。アーさんが久保塚宛てに残した遺書代わりのテープがけっこう泣ける内容で、最後にしみじみとさせてくれた。味のあるいいキャラだったので、物語から退場してしまうのは残念。その後はネットで人を集め、人を殺させたりしている女の子のエピソードが始まる。手口が巧妙でなかなか手強そうだけど……。

 No.14からの新連載、たかぎ七彦「なまずランプ」は、幕末の江戸の町を舞台にした推理モノといった感じのお話。無実の罪で投獄された町人・平次郎が、極刑を免れるため、幕府に大きな動揺をもたらした大事件の犯人探しをさせられることになる。3日以内に下手人を見つけ出せなければ、身代わりで牢に入れられた妹が処刑されるという危機を、平次郎は抜け出すことができるのか。ちょっと泥臭い作風だが、お話としては分かりやすくできててけっこう読ませる力はある。どのような捕物劇を見せてくれるのか、まずは注目。

 作:田島隆+画:東風孝弘「特上カバチ!!」。最近の展開は切ないですね。現在田村が抱えている案件は、じょじょにボケが進みつつある酒屋の老店主の「任意後見人」を勤めるというものだが……。自分自身はしっかりしているつもりだが、だんだん行動が不確かになってきた老店主は、息子夫婦に迷惑をかけ疎んじられるようになる。原因は自身にあるとはいえ、身内からツラく当たられるようになった老人の姿がたいへん切ない。この手の老いにからんだ話はけっこう来ます。

 福満しげゆき「僕の小規模な生活」。ジャンプ・スクエアの編集者さんから接待されて調子に乗ったり、それを後悔したり、いろいろアップダウンが激しい。すごく細かく漫画家さんの日常がうかがい知れて面白い。あとこの作品では、打ち合わせ時の食い物の描写がなんか好きです。どんなモノ食ってるのかというディティールは描かれてないけど、普段食い慣れてない豪華なモノ食って、うまいと感動している様子になんか味がある。読んでいると無性に豪華メシが食いたくなったりもする。「俺も接待されたい」という気持ちがムラムラと湧いてくる。今後描かれるであろう、青林工藝舎10周年記念パーティの模様も楽しみ。

 作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」。ETUが圧倒的な攻撃力を誇る大阪ガンナーズと対決。相手が強いとあっては黙っちゃいられないのが達海監督。てなわけで強豪を迎え撃つということですごく楽しそう。その様子には見ているほうもワクワクさせられる。なんだかとても面白いサッカーをやる予定らしいので、今後の展開がすごく楽しみ。

 あと、こざき亜衣の短期集中連載「超♥秘密戦隊ムシャレンジャー」はNo.16で最終回となっている。大人になれないヒーロー好きの男の物語を、青臭く描いててまずまず面白かった。ちょっとボリュームが足りないので、単行本はちと難しいかな。それとNo.16では、うえやまとち「クッキング・パパ」の大手羽ローストがうまそうでした。デカい手羽先を使ってローストチキンを作るという内容。鶏肉好きなんで、この手の料理には弱いんです。

【雑誌】ヤングサンデー 3/20 No.14 小学館 B5中

【雑誌】ヤングサンデー 3/27 No.15 小学館 B5中

【雑誌】ヤングサンデー 4/3 No.16 小学館 B5中

 高橋のぼる「土竜の唄」。菊川が惚れた男、クレイジーパピヨン・日浦の壮絶な散り際を描いたここ数号の展開はアツかった。最後の最後までカッコよくキメた、日浦の姿にグッと涙腺が熱くなる。菊川のセリフも想いがこもっていて良かった。

 北崎拓「さくらんぼシンドローム クピドの悪戯II」。れなが故郷から戻り、阿川・麻生・れなの3人による新生活がスタート。前にも増して阿川にメロメロな麻生さんがかわいいし、腹を据えて新生活に溶け込もうとしているれなの姿もなかなか頼もしいものがある。麻生さんは新会社を立ち上げたりしてこれからタイヘンそうだけど、阿川・れなの存在がそれにどう影響してくるか。これからの展開も波瀾万丈っぽくて楽しみなところではある。皆さんが楽しく暮らせると良いのですが。

 No.15では、柏木ハルコ「ブラブラバンバン」が久々に復活。実写映画の公開に合わせて、特別番外編が掲載。お話の内容は、学校を卒業してしばらく経った後、芹生さんが久々に母校を訪れ、ブラスバンド部の指揮をすることになるが……といった感じ。ずいぶん久しぶりの新エピソードだが、美人だけど天然で、指揮を始めてしまうと我を忘れてエロい行動に走る芹生さんは相変わらずヘンな人であり、見てて楽しい。この番外編はどっかに収録されるのかなあ。やっぱ切り抜いて置いたほうがいいか。

 No.16。森尾正博「ビーチスターズ」が連載1周年で巻頭カラー。ビーチバレーがだいぶメジャーになってきたってのにも後押しされてるだろうけど、なかなか頑張ってると思います。とくに構図取りがダイナミックなのが良いですね。サービスという面もあるけれども、それだけじゃなくてビーチバレーというスポーツの激しさも感じさせてくれるし。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/20 No.14 集英社 B5中

【雑誌】ヤングジャンプ 3/27 No.15 集英社 B5中

【雑誌】ヤングジャンプ 4/3 No.16 集英社 B5中

 さんりようこ「B型H系」。二人でラブホに入った山田&小須田が、初Hに向けて盛り上がる。まずは二人でホテルのエロビデオを見て悶々。顔を赤くして身悶えてる山田さんがエロくかわいくて良いです。このところなかなかええ感じで盛り上がってますな。ここまで180話くらい回を重ね、散々焦らし続けてきたけど、ついにヤッちゃうのかな? それともまたはぐらかすのか。個人的にはそろそろいっぺんくらいヤッちゃうのも、それはそれでいろんな意味でスッキリして良いかも……とは思うのですが。

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。負けたら死ぬことになっている相手と、菅田のガチンコ勝負が続く。No.14では菅田が攻勢。逆にNo.15では相手のマムシが、文字通り命賭けの反撃を見せる。これ以上ないというくらい気合いのこもった相手に、菅田は止めを刺すことができるのか。ビシビシアツい将棋を指していて相変わらず面白い。

 No.16。袋とじでPEACH-PITが登場して、真紅のイラストを描いていて、「ヤンジャンでローゼンメイデン再開か?」と話題になった号。「ヤンジャンに合うのか?」という意見もあるだろうけど、ヤンジャンはもともといろいろごった煮な雑誌だし、意外となんとかなっちゃうんじゃないかなあという気はする。まあやり方しだいでしょうな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/20 No.14 秋田書店 B5平

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/27 No.15 秋田書店 B5平

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/3 No.16 秋田書店 B5平

 No.14から新連載、作:猪原賽+画:横島一「悪徒 −ACT−」が開始。「更生省」と呼ばれる全国の学校を力で押さえつける謎の組織に対して、乱暴だけれども実は心優しい男・港陽虎が反逆していく。主人公の陽虎は、いつも着ているスカジャンのジッパーを引き上げると、パワードスーツみたいなのを着用した戦士に変身。かなり力強くバイオレンスアクションを展開しているが、変身アイテムがジッパーだったり、妙にダサダサなところがあり、それがヘンな味わいを醸し出している。なかなかアクの強い作品で、うまく化けると面白くなるかも。

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。No.14で日本シリーズが決着したと思ったら、No.15では早くも2008年のシーズンが開幕。今年はすぐに忘れちゃうであろう新人の投入は避けたか。で、No.15では開幕戦でスーパースターズと、日本ハムファイターズが激突。中田翔が高卒新人ながら開幕4番。プロ野球を見ている人ならご存じだと思うけど、中田はオープン戦で絶不調で、開幕は2軍スタートとなった。「あぶさん」での日本シリーズ2年連続夢オチ同様、またしても大外しな内容となってしまった。やっぱ水島先生は、漫画を現実のプロ野球とリンクさせようとしないほうがいいのかも。

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。超お金持ちな留学生、エミリー・ドーンがやってくる。エミリーは阿鼻谷の親類だが、なぜか吐夢に一目惚れ。トムガールズの一員に加わるか……とか思ったら、セレブ魂が刺激されたのか、美華お嬢様の「お待ちなさいッ!!!!」が発動。日米セレブ決戦が始まろうかという気配。吐夢と外人ねーちゃんの戦いになるかと思ってたら、なんか意外な方向に話が転がってまいりました。

 ミッチェル田中「ヤンキーフィギュア」。No.14掲載のお話がラブコメ的に良かったです。まあ詳細はすっとばすとして、下水道に流されてしまった桜井さんを救けるべく、筆児が人工呼吸を施すシーンが印象的。やってることはあんまり衛生的とはいえないんですけどね。

 梅田阿比「フルセット!」はNo.15にて最終回。少年少女ともにやけにかわいくてヤバい作品だったが、残念ながら最後のほうはバタバタ畳んじゃった感じ。キャラはとても良かったんだけど、バレーボールの試合部分がちょっと単調になっちゃった感はあったかな。機会があれば次回作もなんとか頑張ってほしい。

 No.16では新連載、木村シュウジ「覇道」がスタート。やたら気合いの入ったゴッツい男、不動清正が喧嘩で全国を狙うという喧嘩番長漫画。最近の番長モノといえば、鈴木央の「金剛番長」があるけど、この作品はそれよりはだいぶ泥臭い。オーソドックスともいえる。ゴツい絵柄でぶっとい男を真っ正面から描こうとしている姿勢は、わりと清々しいものはある。「悪徒−ACT−」といい、最近はちょっと硬派路線を強化しようとしてるんですかね。

【雑誌】桃姫 4月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 Dr.P「鈴ねえちゃんの婚約者2」。前回のお話で、年上の幼馴染みお姉さんと両想いであることが判明し、しっかり結ばれた少年。今度はお休みの日にお姉さんが家にやってきて、思う存分いちゃいちゃしまくる。幸せいっぱいのお話に仕上がってて甘ったるい。またふくよかな体の描き方も魅力的で、エロ度も十分。最近レギュラーに定着してきた人だけど、安定して面白いです。

 尾野けぬじ「微妙な関係」は2話め。大学に入ってつきあい始めた二人だが、彼女のほうにはエッチな関係を持っている親友女子がいて……というのが前回。今回はその親友女子側の視点で、女の子二人がエロい行為に及ぶまでが描かれた。次回は3人くんずほぐれつかなあ。二人の間に挟まれているヒロインさんが、不器用ながらなかなかかわいくて、今後どういう反応を見せてくれるのか楽しみ。


3/5(水)……カムバック・サーモン

▼更新がまたも滞っておりますが、3/23までの既読雑誌については、ほぼ全部まとめてガーッと感想書きためました。まだ推敲とかWeb用の整形とかはしてないですが、それが終わりしだい、随時アップしていく予定です。それにしても何十冊もまとめて感想書くってのはやっぱ疲れますね。(2008/3/24)

▼以下の漫画感想ですが、週刊少年サンデー、マガジンは3/5、12、19発売号をまとめて。オリジナル、花とゆめは3/5、20発売分をまとめてとなっております。

 感想を書いた中で、サンデーとマガジンのNo.16は、両誌の50周年記念として共同企画をいろいろやって、ニュースなどでも取り上げられていた号です。象徴的なのが、サンデーとマガジンを並べて置くと、「はじめの一歩」の一歩と、「名探偵コナン」のコナンが握手しているように見える表紙デザイン。

 このような協力体制をアピールすることについては、賛否両論あるだろうなーと思います。面白いと見る人もいれば、馴れ合ってんじゃねえよと思う人もいることでしょう。とりあえず表面上だけでもプロレス的にガチガチのライバルですよっていうふうに見せたほうが、読者としてはワクワクするかも……って気はしなくもないですが、実際の読者的にはちゃんと住み分けできてる感じはあるし、現実的にはあんまり意味ないかもしれない。まあとりあえずこういう試みをやることで、雑誌が活気づくと良いんですがのー。

【雑誌】コミックフラッパー 4月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 この号から新装刊で、3号連続特別企画を開始。読者プレゼントとか、新連載、読切をいろいろと投入。ページ数も増えて厚くなった。個人的には厚い雑誌は読んでて手が疲れるので以前くらいのほうがいいかなとは思うんですが、それで内容が良くなってくれれば。で、今回投入された新連載は、作:結城浩+画:日坂水柯「数学ガール」、多田乃伸明「70億の針」、読切では筆尾悟「トラミンVOR!」、神崎まさおみ「OH ゲ Let'S!!」。

 日坂水柯「数学ガール」は、数学の問題を解くのが趣味なメガネ少年が主人公。彼は入学したてのころに知り合った、同じく数学好きなメガネ女子ミルカさんに片想い中。それから主人公の後輩女子でテトラちゃんというのもいて、この娘さんも数学がわりと好きで、主人公のことはもっと好き状態。そんな3人を中心に描かれていく、数学と恋の学園ストーリーといった感じ。部活、というわけではないけどそれに近い雰囲気はあります。日坂水柯は、先日出た単行本「めがねのひと」(感想は2/29日記)でめがねっ娘を印象的に描いていたけど、今回の作品もミルカさんは、ちょっとミステリアスで魅力的。ほんのり甘い恋愛ムードも盛大で(ほんのりなのに盛大ってのも何ですが)、なかなか楽しくなりそうな気配ではある。

 多田乃伸明「70億の針」は、日頃退屈そうにしていた少女・高部さんが、空から落ちてきた隕石によって一度死亡。その後、宇宙からやってきたと思われる未知の存在と融合し、共棲生活を過ごしていく……ってな感じかな。スッキリとした端整な絵柄の持ち主で、雰囲気はまずまず。まとまった作風だと思うけど、爆発力がどのくらいあるかが気になるところ。まあわりと好感の持てる絵柄ではあるので、うまく伸びていってくれれば。

 読切2作、神崎まさおみと筆尾悟はどちらもドタバタしたお話を展開。こなれた作風で、それぞれの持ち味を発揮してると思います。びっくりするようなことはないけど、ここらへんは手堅く。作:富野由悠紀+画:中村嘉宏「オーバーマンキングゲイナー」は最終回。アニメがちょっと尻切れ気味に終わったんで、漫画のほうで補完してくれることを期待していたが、漫画版はアニメ版よりも前のところで終わってしまった。まあアニメ終わったのが2003年3月で、それから5年。なかなかぺースが上がらないのでそろそろ潮時だってのは分かるけど、漫画への期待度は高かったんで残念です。

【雑誌】週刊少年サンデー 3/19 No.14 小学館 B5平

【雑誌】週刊少年サンデー 3/26 No.15 小学館 B5平

【雑誌】週刊少年サンデー 4/2 No.16 小学館 B5平

 No.14。「あやかし堂のホウライ」の金田達也の読切、「GUN STRANGER」が掲載。少年少女をさらって連れていく妖精を、普段はボケた感じだけど実は凄腕な男・泉八雲が討つというアクション漫画。連載経験者だけあって作風はこなれていて、さすがに読ませる。女の子キャラもけっこうかわいいし。ただ、アクション漫画のわりに説明ゼリフが多くて、ゴチャゴチャした感じになっちゃってるのは惜しいところ。

 No.15の読切、東毅「チェンジボーイ」。主人公のミツルは、冴えないルックスのため女の子にフラれてばかりだった平凡な少年。そのミツルと今や人気スターである幼なじみ少年が、何年かぶりに再会するのだが、そこで一緒に交通事故に遭う。その現場に現れた天使の力で、ミツルの意識が幼なじみ少年の体に宿らされてしまう。意識は元のままなのに突如美形になったミツルはモテモテになり、その姿形で昔から大好きだった美少女アイドルとデートすることになるが……。絵的には華やかでラブコメとしてはまずまず楽しい。ツンデレ系の美少女アイドルさんもカワイイし。ただ、お話の都合でサクッと死なされてしまう幼馴染み少年が不憫ではあるし、ミツルくんのほうもこのままでええんかいなという気はしてしまう。まあそんなわけで、全体的には楽しいんだけど、ちょっぴりモヤモヤしたものも残るかなーといった感じ。

 このほかNo.15では、松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」が巻中カラーだったんだけど、着替えシーンの肌の塗りがやけにエロっぽくて眼福でした。まあ1ページだけですが。

 No.16は50周年記念ということで、楳図かずお、藤子不二雄A、小山ゆう、池上遼一といった大御所たちがミニ読切で登場。なんとなくこの中では池上遼一が一番若々しく感じる。小山ゆうの漫画はとくにおっさんくさいけど、まあこの人は前からこうだった気もする。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/19 No.14 講談社 B5平

【雑誌】週刊少年マガジン 3/26 No.15 講談社 B5平

【雑誌】週刊少年マガジン 4/2 No.16 講談社 B5平

 小林尽「スクールランブル」。烏丸との会話でショックを受けた天満は、そのうさばらしに女友達連中と騒ぐがそこに播磨が現れて……といった展開。腹を据えて天満に想いを伝えようとしている播磨の姿がなかなかかっこいい。こういう頭悪いけど一生懸命なキャラはだいたい好きです。

 No.15から新連載、大羽隆廣「スタンドバイミー」が開始。弾道ミサイルが打ち込まれるなど、一部の地域で戦争が行われている日本。主人公の友也、そして幼なじみ少女のユキは普通の高校生だったが、素行不良だった友也は前線に送られそうになる。それを知ったユキは、彼の身代わりとなろうとするが……というところから始まるお話。「近未来青春ラブストーリー」と銘打たれているところを見ると、この二人を中心に、戦火の中の恋愛物語が展開されていくんでしょう。絵柄はちょっと脂っ気があり、いかにもマガジンっぽい。とりあえず滑り出しとしてはまあまあってとこでしょうか。

 No.16。作:梶原一騎・川崎のぼる+画:村上よしゆき「花形」。身体の弱い幼女が出てきてちょっとかわいいなと思っていたら、あの方の妹御さんでしたか……。貧乏で弟妹がたくさんいなさるあの方の。で、あの方の登場シーンはすごくインパクトがあって、思わず笑ってしまった。原作キャラを大胆に改変することで定評のあるこの作品だけど、あの完成されたデザインはいじくりようがなかったのですね。出てきた瞬間、「ああ、これはしょうがない」と思いましたよ。やっぱ誰よりもインパクトありますもん。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/20 No.6 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 4/5 No.7 小学館 B5中

 No.6。浦沢直樹「PLUTO」。これまで一部分しか見せないできたプルートゥの全貌がついにあらわになる。これはなかなか怖そうな感じのお姿ですなあ。こうやって焦らして焦らして見せていく手管はさすがにうまい。とはいえ、もうちょっとサクサクお話を進めてほしいという気もしてきてはいる。

 No.7では弘兼憲史「黄昏流星群」が目をひいた。生活にお疲れなご様子の大学教授のおじさんが、秋葉原で普通の喫茶店だと思ってメイド喫茶に入ってしまう。そこで「ツンデレどえすコース」を体験して、最初は戸惑うものの、妙に楽しめてしまったのだが……。で、今回のエピソードでは、このおじさんと、メイド喫茶につとめるおねえちゃんのラブストーリーが展開されそうな気配。いやー、この脂ぎった生臭い展開、素晴らしいですな。いかにも「おっさんがメイド喫茶というものを描いてみました」的な空気がどうにもたまらんです。メイド娘がそんなにかわいくないところも味わい深い。

【雑誌】花とゆめ 3/20 No.7 白泉社 B5平

【雑誌】花とゆめ 4/5 No.8 白泉社 B5平

 No.7掲載の読切、木内たつや「海賊と人魚」。人魚の少年と、彼を拾った海賊船の船長さんのつながりを描いたお話。この世界での人魚は別に下半身が魚とかではなく、海水に浸かると美しく色が変わる髪を持つ美しい人たちのこと。主人公の人魚少年・緋水はその美しさが珍重されて金持ちの売り物にされてきたが、心優しい船長のイクタによって庇護された。まあそんなわけで、かわいい少年と、気がよくてちょいとカッコ良くもある船長の心の交流ってな感じで、ボーイズラブっぽい雰囲気がわりと強めな作品。いかにも花とゆめっぽいこぎれいな絵柄。コマ割りが変則気味な点は多少読みづらいけど、まずまずまとまってはいるんじゃないでしょうか。

 羅川真里茂「しゃにむにGO」。留宇以と佐世古の試合がアツく盛り上がっている。最初のころは二人ともクールなキャラだったが、最近は感情をあらわにする場面が多くなってきていて、試合もヒートアップ。試合の模様は一進一退。白熱してて面白いです。これが少年漫画だとテニスの技術的な部分の解説がもっと求められるところだろうけれども、この作品はそこらへんはいくぶん大ざっぱ。その分、人間関係のほうは細かく描かれていて、そこが魅力になってると思います。などと月2で170回以上もやってる長期連載に、今さら分かりきったこと書いてもしょうがないですが、まあいいじゃないですか。

 No.8掲載の読切、モリエサトシ「少女カンセン律」。他人の悲しみが感染してしまう体質の少女と、彼女に他人の悲しみがいたずらに感染するのを防ぐために神様から遣わされたあんちゃんの物語。作画的にはこぎれいでよろしいのですが、ごちゃごちゃしたコマ割りもあってちょっと読みづらい。あと設定の説明とかがちょっとくだくだしいかな。この人は「学校ホテル」のときも似たような印象を受けた。達者な絵で面白そうに見えるんだけど、もう一つお話が頭に入ってきにくい。雰囲気は良いのでもうちょっと整理してメリハリを利かせてくれると、だいぶ違うと思う。

 絵夢羅「今日も明日も」。少女漫画家をやってるあんちゃんの下で、漫画修行中の15歳少女・ちかちゃんが、なかなかまっすぐでかわいらしい。年の差ラブコメっぽいところもあるし、漫画入門的な内容もちょっとずつあるし。ペン先がどうのこうのといったあたりとか。まあ今どきだとデジタルから入っちゃうという手もあるんだろうけど。

【雑誌】MUJIN 4月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 世徒ゆうきが復活。新作「あるいはもののけ」前編が掲載。カワイイけど男をとっかえひっかえしている女の子と、彼女が学校でエッチしているときの監視役をしていた少年のお話。この娘さんはまるでフェラチオするために生まれてきたかのごとく、舌がやたら長い。それをちんこにからみつかせるフェラチオシーンはインパクトがある。

 しなま「H-H-H(トリプルエッチ)」第1話。カタブツな学級委員長が、男子の持ってたエロ本を没収してが、それに欲情してしまって勉強が手につかない状態に。そこでその男子に頼んでセックスをすることに……という内容。汁気の多い肉体描写と激しいセックスでしっかりエロい。この少年には、委員長とは別に幼馴染みのガールフレンドもいるので、次はその娘さんもからんでくるんじゃないですかね。タイトルが「トリプルエッチ」なだけに、やっぱ3Pになるだろうと思うし。

 くりつよしひろ「天才少女探偵 黒匣華恩の冒険」。こちらも第1話。天才少女探偵が、孤島の学園で起きる連続レイプ事件に挑む。少女探偵の人は頭はいい、らしいけどけっこう子供っぽいところもあって、見ている分にはけっこう楽しい。アホっぽいキャラがなかなかいい感じで、わりと面白くなりそう。


3/4(火)……魔道不帰

▼アクションとチャージは、3/4発売号と、3/18発売号の感想をまとめて。それから漫画サンデーについては、3/4、3/11、3/18発売号の感想です。

【雑誌】ジャンプSQ. 4月号 集英社 B5平 [Amzn]

 宇佐悠一郎「放課後ウインド・オーケストラ」が新連載。高校に入ってのんびり過ごそうと思っていた少年・平音佳敏が、クラスメートのかわいい女の子・藤本鈴菜と仲良くなったのをきっかけに、吹奏楽部の部員集め、あまつさえ1年生ながら部長までやることに……というお話。今後は学園で、吹奏楽部青春ストーリーが展開されていくんでしょう。すっきりとした絵柄で、女の子キャラとかもけっこうかわいく描けていて、まずはわりと面白そうな感じの出だし。健康的で好感の持てる作風で、まずまず期待できそう。

 村田雄介の読切「窓ふきパルク」。近未来の町でビルからビルへ、エアカーからエアカーへと飛びうつり、自由自在に窓ふきをやっている少年・パルクが主人公のドタバタアクション。生身の少年が、何十、何百メートルもあろうかという高さをぴょんぴょん飛び跳ねている様子は、元気が良くて爽快感がある。ただお話についてはそこまでって感じで、もう一つアツくはならないかなあ。

 「P2!」の江尻立真の読切「World 4u」。これまで何度か掲載された、都市伝説を巡る不思議な物語を描いた連作シリーズ。今回は夕闇時に現れて、子供に「足はいらんかね?」と尋ねてくる「足売りババア」をめぐるお話を展開。足売りババアは、「いらない」というと足をひっこぬかれ、「いる」というと足をもう1本くっつけてくる。それを逃れるにはどうしたらいいのか……。最初はちょっと後味の悪いホラーになるのかなと思ったけど、そこからヒネリをきかせて、ちょっとホロッとさせるいいお話にまとめてきた。週刊連載も経験してる人だけあって、きっちりお話を作っている。

【雑誌】漫画アクション 3/18 No.6 双葉社 B5中

【雑誌】漫画アクション 4/1 No.7 双葉社 B5中

 国友やすゆき「新・幸せの時間」。社長になった良介の調子ノリまくりっぷりが見てて面白い。妻のいぬ間におうちで小夜子とイッパツ決めて、さらに欲をかいた良介さん。しかし旅行に行っていた義父母が予定を早めて帰ってきそうであり……ってな感じでピンチ到来か。なんかやることがいちいち浅はかなところが微笑ましいです。義父の人はずっと体調悪そうなんで、良介と小夜子の関係を知ってショックを受けて死んじゃうとかいうのもあるかも。そういったいかにもでベタベタなことがサクッと起こりがちなのが国友ワールド。

 No.7では、作:末田雄一郎+画:吉本浩二「昭和の中房」が最終回。ついに中学卒業ということで、ニゴシはずっと片想いしていた女子・岩渕さんに告白しようとするが……。最後まで生臭い童貞臭をぷんぷんさせまくりで締めくくった。なおこのシリーズは、このあとWeb漫画アクションで「昭和の中坊 大学編(仮題)」として続くらしい。

【雑誌】コミックチャージ 3/18 No.6 角川書店 B5中 [Amzn]

【雑誌】コミックチャージ 4/1 No.7 角川書店 B5中 [Amzn]

 No.6では新連載、作:松本ひなつ+画:伊藤ひろかつ「ふゆみ♥裸舞」がスタート。原作者の松本ひなつは、「ホンマもんの現役女子大生ストリッパー」という触れ込み。大学ではなんか冴えない感じのめがねっ娘が、実はストリップ劇場で踊り子をやっており、しかも処女であるという設定。彼女は舞台に上がると豹変し、踊り子さんとして抜群のパフォーマンスを発揮する。原作者自身の体験を大いに踏まえた感じの内容。伊藤ひろかつは「処女作描き下ろし」とあるけど、ヤングコミック等で掲載実績はある人。雑誌を引っ張るといったタイプの作品ではないものの、エロ系としてはまずまずこなれた絵柄で、印象としては悪くないです。

 No.7では、山田貴敏の「PreCompleX」が掲載。本編である「CompleX」のプレ連載。ものすごく感覚が鋭敏で、直接モノに触るとそのものを触った人の思念が伝わってきてしまい、聞こえすぎるとことに悩まされている男が主人公。彼を警視庁の特別捜査係がスカウトする……というところから始まる物語。「第6感」を駆使して、さまざまな難事件を解決していくらしい。「CompleX」については次号予告に載ってないけど、いつ始まるんですかね。

 またNo.7では、作:山田タロウ+画:若林健次「ウチのネコが訴えられました!?」と、作:平井太郎+画:陽香「こちら がむしゅー探偵事務所!」が最終回となっている。

【雑誌】漫画サンデー 3/18 No.11 実業之日本社 B5中

【雑誌】漫画サンデー 3/25 No.12 実業之日本社 B5中

【雑誌】漫画サンデー 4/1 No.13 実業之日本社 B5中

 No.11では法田恵の読切「アンドロイド・パニック!」が掲載。とあるメーカーの研究所で作られたロボットが、その会社で秘書をやってる女性とあまりにそっくり。自分そっくりのロボットが技術者の男性社員にいじくられていることにカチンと来た秘書さんが、「人間のほうがいいわよん」とばかりに迫っていく。軽いノリでちょいエッチなお話を展開。今回はエロシーンはそんな多くないけど、安定したクオリティで毎度手堅い。

 No.12。作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパーPARTIII」の4話めが掲載。いちおう月イチ連載となってはいるけど、掲載ぺースはけっこう不安定。載れば面白い作品なので惜しいところではあるけど、松森正の体調の問題もあるだろうので無理はいえない。まあぼちぼち続いていってくれれば。

 No.13。内田春菊とセンセイたちのコラボレーション漫画第3弾で、香山リカと組んだ「リカさんイン・ザ・ネーム・オブ・ドール」がおしまい。全5回。このシリーズはコラボとうたってはいるけど、取材してちょっと話してルポして……という感じで、内容的には軽め。せっかく精神科医とかに取材してるのだし、もう少し突っ込んでくれたらより面白そうなんだけど。

 あと作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」は、土佐でレズのデリヘルと対決するお話がおしまい。途中までグッと盛り上げながら、最後はきぬたであっさり解決っていうのはいつもどおり。水戸黄門の印籠みたいなもんですな。


3/3(月)……張り馬券

▼ヤンマガとスピリッツとジャンプは3週分(3/3、10、17発売分)をまとめて。

【雑誌】ヤングマガジン 3/17 No.14 講談社 B5中

【雑誌】ヤングマガジン 3/24 No.15 講談社 B5中

【雑誌】ヤングマガジン 3/31 No.16 講談社 B5中

 村田ひろゆき「好色哀歌元バレーボーイズ」はますます泥沼。虎子、ママ、小川さんと3人の女との間で、宮本が揺らぎまくり、その関係はさらにドロドロしてきた。そしてママさんには重大な変化が訪れ、いよいよシャレにならない状態に。「元バレーボーイズ」が始まって最初のころは、宮本は手に職をつけて比較的コツコツやっていたのに、今では3人の中で一番厄介な状態になっている。ちょっと前までは谷口だったけど、今は宮本が旬(というのも何ですが)。とか思ってたら谷口の彼女となりそうだったおなごが、粘着なオヤジに襲われそうになり……とこちらもまたしても不穏な状態に。いったいどうなってしまうんだー。

 オジロマコト「カテキン」。ナナ先生が辞めさせられて以来、ウジウジしていたサチの前に新たなヒロイン登場。顔はかわいいけれども、露出願望を内に抱えた女子・明日香は今後どういうふうにお話にからんでくるのか……と思ったら家庭教師になるのですか。まあタイトルからいって、家庭教師でありさえすればナナ先生にこだわる必要はないってわけか。とりあえず明日香はエッチい人だし、エロっぽいシーンはまた増えるかな。

 No.14では鈴木一世「ゲヘヘのヌベコ」。久々登場。凡人がヌベコにフェラチオされても勃たない状態に。栄養状態悪いのにヌカれすぎなのが災いした。とまあ下世話なことをやってはいるけど、今回はパッと見ラブいシーンもあったりしてそこはインパクトありました。No.15。村岡優「宇宙企画」は、10ページの読切ギャグ漫画。かつて世間を騒がせたミステリーサークルをネタにしている。まあ今さらというネタではあるが、分かりやすく、そこそこ味はある。

 No.16では望月峯太郎「万祝」が最終回。途中からのお話は単行本買うのを中断してたんであんまりよく覚えてないんだけど、完結を機にまとめて読んでみたいところ。気が向いたら買います。きらたかし「赤灯えれじぃ」。長いことギクシャクして離れ離れになっていたサトシとチーコが、ついに結論を出す。とりあえず前向きな方向に進めたようで安心しました。

 また、No.16では平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」が面白かった。Gジャンというアイテムのいじり方がシュールで面白い。それと安達哲「バカ姉弟」は、子供のころをやったり、成長してからをやったりいろいろだなあ。年をとるに従って姉との差が大きくなっていく、弟のイジケっぷりがたいへん印象的。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/17 No.14 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/24 No.15 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/31 No.16 小学館 B5中

 中原裕「ラストイニング」(作:神尾龍)。強打が自慢の相手との対戦となった準々決勝が決着。この試合は連投だった日高をギリギリまで温存して苦戦。鳩ヶ谷の戦術もうまくハマったりハマらなかったりだけど、試合の中でいろいろな駆け引きを見せてくれていてやはり面白い。

 朔ユキ蔵「ハクバノ王子サマ」。結婚式の日が近づいてきた小津が、ついに原先生に対するくすぶっていた気持ちをストレートにぶつける。なかなか思いきった行動に出ましたがその成否はいかに。じりじり盛り上げてきたお話が、ここにきてもう一段点火。どんどんヒキが強くなってきております。この先、二人がどういう結論を出していくのか気になる。

 No.16では冬目景のシリーズ連載「ももんち」が掲載。美術予備校に通う、ももの日常をのんびりした調子で描写。ちんまりとしたルックスのももがかわいらしく、恋愛方面に関しても初々しい雰囲気をかもしだしててほのぼの。なかなかいい雰囲気です。やっぱり冬目景は、ファンタジー系の話とかよりも、現代モノで、日常っぽいもののほうがいいと思います。とくに最近は。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/17 No.14 集英社 B5平

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/24 No.15 集英社 B5平

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/31 No.16 集英社 B5平

 No.14では、許斐剛「テニスの王子様」と、西義之「ムヒョとロージーの魔法律事務所」の長期連載2作が最終回。「テニスの王子様」は、なんか意外なくらいサクッと終わっちゃった感じで多少拍子抜け。ずいぶん長くやったなあとは思うものの、やっぱこの作品がなくなってしまうのはちと寂しい。それにしても許斐剛は次にどんなもの描くんでしょうね。同じような路線ってのもなかなか難しいような気はしますが。

 「ムヒョとロージー」のほうは途中からはすっかり話を終えなくなってましたが、作画は達者だったし、ジャンプの中堅層としては長く頑張り続けたなと思います。それにしてもジャンプで3年半も連載してて、アニメ化されなかったってのはちょっと珍しいかも。またこの号では、冨樫義博「HUNTER×HUNTER」が連載再開。作者コメントで、原稿執筆中にノロウイルスにやられたとか書いてあって、いきなり不安な感じではあるけど、まあこの人の場合、体調よりもやる気があるかどうかのほうが大きそうな気はする。

 No.15では、以前読切で掲載された椎橋寛「ぬらりひょんの孫」が連載としてスタート。一見普通の少年だけど、妖怪ぬらりひょんの孫であり、人間と妖怪のクォーターである少年・リクオが主人公。ぬらりひょんの跡を継ぎ、妖怪の総大将を任されることになったリクオだが……という感じで始まる妖怪アクション。整った絵柄ながら見せ場シーンではハッタリも利かせられるし、完成度の高い作風。キャラについても、カッコイイ男子、カワイイ女子両方描ける。うまくハマれば人気出るかも……という期待は持てる。滑り出しとしてはけっこう良かったんで、あとは今後の頑張りしだい。

 またNo.15では村瀬克俊「K.O.SEN」が最終回。元気があって嫌いではなかったけど、ちと地味だったか。最近ではちょっと前の格闘技ブームもあって、キックボクシングものも一時期よりは受け入れられやすくなってはいるものの、やっぱ成功しづらいジャンルではありますな。

 No.16では「Mr.FULLSWING」の鈴木信也が新連載。タイトルは「バリハケン」。本当はベタベタなオタクなんだけど、なんの因果か番長として祭り上げられてしまった少年・団吾が、訳も分からぬままさまざまな伝説を打ち立てていくというツッパリ系ギャグ漫画。団子は気が弱いので周囲の取り巻き連中の期待に応えざるを得なくなってしまい、オタクパワーがヘンな方向に働いて、なんやかんやで大活躍。「エリートヤンキー三郎」に似た感じではあり、取り巻きの反応は「デトロイト・メタル・シティ」に近いノリを感じる。ドタバタしたノリはけっこう楽しいし、力技で見せるギャグもまずまず面白いと思う。こういう分かりやすいギャグが1本あるってのはいいんじゃないでしょうか。

 河下水希「初恋限定。」。ここのところやっていた千倉さんの初恋を描いたエピソードは、No.16でちょっと切なく締めくくり。いつもの賑やかなノリとはまた違って、キュッと胸にしみこむものがあって良かったです。あと千倉さんが片想い相手だった先輩の絵を見つめるシーンで、教室に舞い込んで来た桜の花びらが乱舞する様子も美しかった。

 藍本松「MUDDY」はNo.16で最終回。全12話と短命に終わった。作画は達者だったし悪い作品ではなかったと思うけれども、ちょっとこぎれいに作りすぎてる感はあったし、キャラの魅力・インパクトという面ではもう一つだったかもしれない。実力はけっこうある人だと思うので、再度チャレンジを期待。

【雑誌】COMIC XO オークス A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 渚ミナミ「セーラー服とママとボイン」。メル友との初デートの日に風邪をひいちゃった娘の代わりに、お母さんがセーラー服着てかけつけたが……というお話。若作りだけど体は熟れきってるお母さんが、むちむちエロくてわりと良かったです。キイタカシ「ガーリィガーリィガーリィ!」2話め。今回は、カメラの前だとどうにも自然な顔ができなくなっちゃうジュニアアイドル娘さんのお話。まだエロ漫画は描き慣れていないせいか、ノリも画風も独特。まあ「犯罪交渉人峰岸英太郎」のときも、とくに崩した絵のときは不思議なノリのある人だったんで、変わってないといえば変わってないのかもしれないですが。


3/1(土)3/2(日)……おまえに知恵使うと

▼更新は相変わらず遅れておりますが、漫画感想についてはだいぶまとめて書きためましたので、これから少しずつアップしていきます。まだ全部は書き終わってないので、各日付分がまとまりしだいって感じになるとは思いますが……。あと同じ雑誌については複数号分の感想をまとめてアップしていく形にすることもあります。以下の日記だと、近代麻雀 4/15、ビジネスジャンプ 4/1号は、3月15日発売号です。
(2008/03/18)

【雑誌】近代麻雀 4/1 竹書房 B5中

【雑誌】近代麻雀 4/15 竹書房 B5中

 4/1号。新連載、山中健司「よこしゃも」が開始。相撲では芽が出ないが麻雀はやたら強い序二段力士が、相撲部屋の地下の麻雀部屋を舞台に豪快な打ちっぷりを見せる。泥臭くて脂っこい作風はまあ好き嫌い分かれるところだと思うけど、正直なところ、別に力士じゃなくても良さそうな気はする。主人公が力士という設定をどれだけ麻雀漫画に生かしていけるかってところでしょうか。

 押川雲太朗「リスキーエッジ」。強気に押し通す雀風で、実力で勝る青柳に食い下がってきた吉岡だが、青柳の圧力の前に心が折れる寸前まで追い詰められる。ピリピリした緊張感あふれる勝負を展開していて、しっかりした読みごたえ。ここまでは吉岡は押されっぱなしだったけど、どのように逆襲していくんでしょうかね。何か一つきっかけが掴めればガッと行けるんだろうけど。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/15 No.7 集英社 B5中

【雑誌】ビジネスジャンプ 4/1 No.8 集英社 B5中

 4月16日発売のNo.10から、毎月第1・第3水曜日に発売日変更との告知あり。これまでは1日15日発売だったので、月2というのは変わらない。スーパージャンプが第2・第4水曜日なので、集英社2誌合わせて週刊ぺースでの刊行という形になる。第5水曜日があるときはサポートされてないけど、そのタイミングでBJ魂とかオースーパージャンプを出してくれるとちょうど良さそう。

 No.7掲載読切、作:石田衣良+画:住屋昭博「ふたりの名前」。同棲しているけど、二人の間の線引きはすごくしっかり行っている大人なカップルの物語。二人はお互いの持ち物に、卵1個に至るまできっちりどっちのものであるかを書き記すようにして、お互いの領分を守っていた。しかし、二人の部屋で仔猫を飼い始めたのがきっかけとなって、二人は距離をさらに縮めていく。恋人同士のちょっといい話を、暖かみのある絵柄で展開していてまずまず読ませる。作画の住屋昭博は読切でときどき登場して叙情的な作品を描いており、ちょっと気になる人ではある。ただ連載とかを狙うには、もう一つ武器が欲しいかなとは思う。とくにビージャンは濃い目の作風の人が多いだけに、それなりのインパクトは必要だろうし。

 漫★画太郎「世にも奇妙な漫★画太郎」。この2号分についてはなんかエロめだった。画太郎先生の描く女子キャラは案外萌え度が高いことで知られているが、この2話は乳とか出している、いじったりもしている。乳の形も個人的にはわりとソソられるものがあります。

 弓月光「甘い生活」。ピクシーが新しいデザイナーを増やすことになって、人材をオーディションで選ぶことに。そのオーディションで、江戸を目標に自己流で頑張っていた新キャラ・双葉が登場。なかなか才能ある娘さんのようで、おそらく採用されると思われる。年は若いけど仕事はできそうな巨乳さんなので、これから活躍する機会が増えそうな気配。

【雑誌】ポプリクラブ 4月号 マックス B5中 [Amzn]

 中年「おまえにチェックアウト」。これはなかなか凄い初体験ストーリーで感心した。すごく怖がりな彼女さんが、ついに彼氏と初体験をオッケーする。しかし彼女さんは「初めての時はずっと慣れるまで入れっぱなしにして欲しい」と要望。つまり「感触に慣れるまで抜くな」と。そしてその慣れるまでの時間は、3日間と設定。つながった状態を維持したまま、丸3日生活するという奇矯な行動を、初体験で挑んでしまおうというチャレンジングな姿勢が面白い。それが怖がりな気持ちから出てるってのも、心理描写として面白い。絵のほうは相変わらず、ほろほろした独特な質感があって、これまたキュートで良い。この人は本当に個性的で面白いなあ。単行本が待ち望まれます。

 みやもとゆう「Hypnotism★」が巻頭カラー。お兄ちゃんと、彼に催眠術をかけられて猫耳コスプレさせられた妹さんがラブラブHするところから始まり。生意気な口をききつつも、お兄ちゃんにメロメロな妹さんがなかなかかわいいです。華やかでええですな。

 井ノ本リカ子「妄想スペシャル」。かわいいカノジョともう一歩踏み出したい彼氏が、エッチな妄想に耽る。妄想ネタとはいえ、初々しい彼女さんがエロい行為に耽る模様はかわいくてエロくて目を楽しませてくれる。BENNY’S「姉ちゃんメイド」。タイトルどおり、家に帰ったらお姉ちゃんがメイド服でお出迎え。当然エッチなこともすると。まあこちらも天然なお姉ちゃんがかわいく、甘ったるくて良かったです。

【雑誌】コミックメガストアH 4月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 ED「恋もよう 雨のち晴れ」。最近あまり見かけなかったのでどうしたのかなーと思っていたのだけど、久々に復活しててホッとした。この人のキレがいいけど華やかな作画はとても好きなので、もっとたくさん読みたい。今回は以前とはタッチがいくぶん変わってるけど、線はだいぶ細やかになったかな。内容のほうはお互いに引かれあっていたクラスメートの少年少女が、雨の降る日に結ばれるというもの。初恋のときめきにあふれた、フレッシュな読後感のある甘ったるいお話がなかなか。それにしても今回のヒロインさんは胴体が長いっすね。

 甚六「ふたりで放課後」。ゲーセンでゲームをやってる彼氏の指を見て欲情しちゃった彼女が、彼氏のスティックに指テクを浴びせる。エッチなことが好きそうな、快活な彼女さんが見てて楽しい。明るい作風なのがいいっすね。無望菜志「剣より強し」。親が転勤になり、やたら厳格な女の子をお目付け役につけられた主人公男子だが、そのガードを突き破って彼女とエッチ。いつもは日本刀を振り回したりして怖いけど、主人公の告白にドキンとしちゃうヒロインさんがけっこうかわいい。「テンタクル・ラバーズ」もそうだったけど、ラブコメパワーはけっこうある人ですな。

 野良黒ネロ「天使な管理人」。アパートの管理人をやってる女子高生さんと、その店子のあんちゃんがエッチ。おっとりした顔つきの娘さんがキュート。やらかめな絵柄だけど、エロはしっかりやってて実用度も十分高いと思います。とくに巨乳派にとっては。上乃龍也「ぞくへん」。目の真ん中に白く丸を入れる表情が最近増えてきましたね。表情のバリエーションが増して、なかなかいい感じだと思います。つやつやした照りのある肌の描き方も相変わらずエロ度が高いし。エロ度は高めにキープしてるし、お話もそれなりにまとめてくるし、コンスタントに仕事してるなあと思います。

 いとうえい「ぷりプロ」は最終回。幼馴染みおねえちゃんと、とある王国の姫様との間に挟まれた主人公だが、結局どっちともラブラブになっておしまい。賑やかにドタバタラブコメエッチを展開して、楽しい締めくくりだった。


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