2008年5月下旬


5/29(木)5/31(土)……八回検死

【雑誌】ヤングキングアワーズ 7月号 少年画報社 B5平 [Amzn]

 新連載、竹山祐右「破戒剣師」が連載開始。古代中華を舞台にした剣劇アクションといった作品。主人公は法外な報酬がないと動かない、凄腕の雇われ剣士・ジンレン。彼が秘伝の剣技で、悪党どもをバッサバッサと討ち果たしていく。まずまずまとまってはいるが、まあこの手の作品としては普通の出来という感じかな〜という印象。剣劇の特徴は変則二刀流なんで、それをいかに見せつけられるかがカギってとこでしょうか。

 大石まさる「水惑星年代記」。月面生まれの月面育ちの「月娘(ルーニャン)」であるヨミコが、火星行きを目指すが、その前に地球に立ち寄る。だいぶお年を召したヨミコの両親、フィオナと文男の二人がいい味出している。フィオナさんは年食ってもおっぱい大きくてカッコイイ女性ですな。いい年の取り方をしておられる。

【雑誌】コミックバーズ 7月号 幻冬舎コミックス B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 山田穣「がらくたストリート」。宇宙人美少女キャラを出してきましたか。のんびりした田舎の日常生活の中に、宇宙人だのヤクザだの稗田礼二郎っぽい人だのいろいろ詰め込み、さらにオタク的うんちくもごたまぜにしてお話を飄々と展開中。なんかこのままのぺースで日常がのんべんだらりと展開されていきそうな雰囲気だけどどんなもんでしょう。まあいろいろクセモノな人なんで、あまりゴチャゴチャ予想せずに楽しもうかなあと思っておりますが、なんかいろいろ予想してそれを裏切られるのもそれはそれで気持ち良さそうではある。

 読切、町野マチコ「ラビットラブル」。エスパー3人娘の千夜、美妃、ヤエはそろって学園のアイドルとして扱いされているが、美妃のテレポート能力のおかげで、千夜のパンツが飛ばされちゃってノーパンパニックが巻き起こる……というドタバタコメディ。ちょっと線はこの絵柄ではこなれてなさげなところがあるけど、女の子連中はキュートでかわいげがある。軽快なお話作りでけっこう楽しめた。

【雑誌】BJ魂 7/1 No.41 集英社 B5中

 釋英勝「モンキーピープル」。23話め。ずっと話が振られてきた凶悪コオロギがいよいよ人間界に放たれるか……という展開。癌の治療のためにコオロギの成分を、自らの肉体に投与する研究員も現れる。ここまでは不穏な雰囲気をはらみながらも、大きな事件は起きないまま来ていたけど、今後はお話がどんどん動いていきそう。どんどんパニックになっていきそうで怖いですな。

 コミックガンボで林家木久扇の自伝漫画「昭和バカ囃子」を描いていたはまのらまがBJ魂初登場(まあ自分で漫画描いてるわけではなかったので、「自伝」とはちょっと違うかもしれませんが)。「ファッキン・リーマン・ブギ」。かつてはパンクバンドでボーカルをやっていたけど、現在は平凡なメタボサラリーマンなパパが、かつてのバンド仲間とバッタリ遭って、自分を見つめ直す。まあ派手ではないけどまとまった話に仕上がっている。手堅い作風で、富沢順作品をこざっぱりさせたような印象。青年誌系ではきっちり仕事をしていけそうなタイプだと思います。

【雑誌】快楽天 7月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 ぼっしぃ「お嬢様はお風呂がお好き」は、お嬢様と執事青年のラブラブHもの。お嬢様がほかの使用人に休暇を与え、二人っきり状態で執事くんを誘惑。まあツンデレお嬢様の定番的パターンではありますが、肉づきのむっちりしたお嬢様のボディはエロくて良かったです。とくにお風呂場なので、泡がぬるぬる〜って感じの質感にそそられます。

 てっちゃんは初登場。「上京物語」。田舎から出てきたばかりの世間知らずムスメが、マンション業者さんやお隣さんらと次々にエッチなことをしていくという内容。だまされてるって感じではなく、単純に流れでやっており、娘さんも楽しんでるので、ヒドいことやっる感じはなし。この人は丸顔なヒロインさんのくりっとした目つきと、瑞々しい描写がいいですね。あと今回の作品では、Tシャツ越しのおっぱいのラインが、ファスナーを開いたジャージによって強調されている構図にグッとくるものがありました。いかにも重たげかつ柔らかそうで、つい手を出したくなるなあと。

 田沼雄一郎「PRIVATE PLOT」は、演劇部の部長女子と後輩男子のラブラブH模様を描いた作品。部長さんは後輩男子をモデルにエロい脚本を描き、妄想をたくましくしていたのだが、それを後輩が発見しちゃって……というあたりからエッチになだれこむ。ちょっとマニアックだけどちびっちゃくて愛らしいめがねっ娘な部長さんがかわいらしく、ラストもたいへん甘ったるく締めくくられててニヤニヤさせられました。ペンタッチの強弱をしっかりした描線には独自の暖かみがあるし、やっぱりいいなあと思います。自分のエロ漫画読者キャリアの中でも、わりと早いうちに出会ったってのもありますが、今もなおしみじみ好きな作家さんです。

 ポン貴花田「母娘面談」。カラー8ページで熟女モノ。娘の内申のために、教師たちに肉体を捧げる奥さまのエロ模様。今回は人妻エロスをねっとり展開していて自分好み。短いながらも、最初はいやいや→性感をとろかされる→自ら積極奉仕と、人妻モノの定番パターンをしっかり満たしていて実用度十分。人妻モノはやっぱ、背徳感を出しつつエロまで手っ取り早く持っていけるのがいいです。

 かるま龍狼「あの時のひぃ君」。色っぽい熟女が、甘酸っぱい初体験の思い出を追憶する。今回はギャグ系のお話ではなく、わりと叙情的なしっとりしたお話。いつもと趣が大いに違った作品でも起用に仕上げてきますねえ。さすがの職人芸。

【雑誌】キャンドール 7/12 Vol.54 実業之日本社 B5中 [Amzn]

 ふうたまろ「アナよび」。主人公と親しいヒロイン2人が寝取られ状態になってて、個人的にはちょっとグッとくる展開。乳の感じとかの肉体描写自体はさほどツボではないものの、シチュエーション的にいいです。

 いわまよしき「イトシイ×イトオシイ」は新連載。男子高と合併したばっかりの高校で、2年生となたヒロインのゆかり。彼女が同じクラスになった男子に一目惚れするが、教室で欲情してるところを目撃されちゃってそのまま……という滑り出し。ツンデレ系のヒロインさんが、一目惚れでドキドキしまくってる様子がカワイイ。なめらかな絵柄でなかなか。

 小石川ふに「加納家の事情」。長女ゆかに自分の想いを告げた兄だが、今度は次女のちかも告白してきて困惑。これまではゆかのキュートさが目立ってきた作品だったが、こうやってみるとちかのほうもいい。ボーイッシュだけど巨乳だしね。

【雑誌】エンジェル倶楽部 7月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 舞原マツゲの新連載「悶々姉妹」。変装してアダルトショップにバイブを買いに来て、そこでオナニーまでしちゃってた主人公女子・晶は、その姿を店に居合わせた男の子に見られてしまう。しかしその少年は、引越先から何年ぶりかで戻ってきた幼なじみ・悠だった……というところから始まるエッチストーリー。まず今回は、晶の姉の楓のほうが先に悠君を食っちゃってますが、今後は3人が入り混じってエロエロ模様を展開していきそう。汁っ気、ボリューム感たっぷりなエロシーンは相変わらずパワフルでいやらしく、しっかりヌカせる内容となっている。濃い目の派手な絵柄で見映えもするし、頑張ってるな〜と思います。

 大波耀子「お嬢様と犬」。高飛車なお嬢様と執事少年のエッチ。普段は執事少年のご主人様として君臨しているため、なかなか素直になれないでいたお嬢様が、まだるっこしい手を使ってエッチしちゃうという内容が楽しかった。ツンデレなお嬢様がかわいくて良いです。杏二「マジカかるまじカルII」は、魔女っ娘というか悪魔っ娘がヒロイン。つやつやピチピチした肉体描写が目に鮮やか。

【雑誌】メンズヤング 7月号 双葉社 B5中 [Amzn]

 鰻丸とかが描いてるんだなーと思って、久しぶりに買いました。といっても鰻丸は巻頭4Pだけですが。あとは、今月号では艶々が新連載。「家政婦のミツコさん」。普通の主婦だったミツコさん(29)が、借金の肩代わりとして大金持ちの家でメイドをやることになり、当然のことながら夜のご奉仕もさせられるというもの。ドタバタコメディ調の作品ではあるけど、人妻エロスは好きなジャンルなので反応しました。艶々の描く人妻は体のラインがやらかそうなのと、欲情してたまらなくなってる表情がエエと思います。


5/27(火)5/28(水)……遊具レバーっす

OHP月極アンケート6月分「ホラー・オカルト系漫画」ですが、締切の告知をあんまりしてなかったので、7月2日いっぱいまでとします。7月3日から新テーマ始めますのでもうしばらくお待ちください。
(2008/07/01)

【雑誌】コミックアライブ 7月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn]

 新連載、草壁レイ「いいなり!!吸血鬼」が連載開始。「至高の血」を持つ者を求めて、日本にやってきた吸血鬼女のルクレツィア・アーヴィング。到着草々、ルクレツィアは至高の血の持ち主である女子高生・灰嶋さんに遭遇。しかし、灰嶋さんはけっこうシビアな性格で一筋縄ではいかず……というところからドタバタコメディがスタート。通常の吸血鬼モノだと吸血鬼が人間をいいように操るものだが、タイトルからするとこの作品はその逆かな。至高の血を持っているのをいいことに、灰嶋さんがルクレツィアをこき使っていくというドタバタ劇になりそうな気配。絵はけっこうかわいく華やか。メイン二人がどちらも女の子なんで、これから百合百合していってくれると楽しそう。

 いけだたかし「ささめきこと」。ガイジン空手少女・ロッテの登場で、村雨さんが空手を再開。道場でイキイキした表情を見せる村雨さんだが、一緒に過ごす時間が減ってしまった汐のほうはそれがご不満な様子。これまでは村雨さんが汐の態度に一喜一憂していたが、ここに来てだいぶそれが逆転気味。なんかひとヤマあれば、一気に両想いラブラブ状態になるかもしれませんなあ……って感じで胸がトキめきます。

 カネコマサルの読切「まるあば!」(○の中に暴の字)。クセモノ揃いの武道部の面々が、学園にはびこる悪を退治するため、「世直し部」として活動するドタバタコメディ。カラッと明るい絵柄で軽妙にお話を展開していてまあまあといったところ。

【雑誌】フラワーズ 7月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 草間さかえの読切「MONEY MONEY MONEY」が掲載。子供のころから小食な大学生男子・洋介はいつもお腹の中にぐるぐるもやもやするものを抱え込んでいた。彼はそれを「蛇」と読んでいたのだが、そのもやもやが彼の精神に暗い影を落としていた……。とかいった一見シリアスな感じのお話なんだけど、洋介の彼女である神成さんが、お話ののんびりした空気をもたらしてて、全体的には微笑ましいお話になっている。自分はときどきしか読んでない人ですが、ハズレなく面白いですね。

 小玉ユキ「坂道のアポロン」。なんかのっけから千太郎の上半身裸姿とかあって「いやーん」という感じ。その姿も良いけど、それを見てドギマギしちゃってる薫くんの様子もかわいいじゃありませんか。まあドギマギしてるのはヤオイ的理由じゃないんですけど、それを思わせちゃうあたりがキャラ作りの妙。薫がふざけて千太郎の耳に息吹きかけてるし、なんかもうBLしすぎです。とかいいつつも、今回の薫くんは、律子に対してだいぶ積極的になってて、こちらのほうもええ雰囲気ではある。BLっぽい雰囲気も、男女恋愛のほうもどっちも同時に盛り上げてってるところが大したもんですなあ。

 岩館真理子「夕暮れバス」。幼なじみの男子1人、女子2人が織り成す恋の物語。ほろ苦く、切なく美しくお話を作っていて非常に良かった。繊細で幻想的な雰囲気作りが素晴らしい。よしまさこ「横浜迷宮」3話め「肉まんと携帯電話」は、ちっちゃくて太めなヒロインの乃々子ちゃんがたいへんかわいくて良かった。肉まんを頬張ってる姿がなんだかとてもキュート。心温まる雰囲気の絵柄とお話がよくマッチしてていいです。

【雑誌】コーラス 7月号 集英社 B5平 [Amzn]

 別冊付録で宮脇明子「ヤヌスの鏡2008」。

 くらもちふさこ「駅から5分」は今回も面白いです。小学生のとき一緒のクラスだったちょっと怖い感じの男子・沢田君に、「タンツボ」という屈辱的なあだなをつけられて悩んでいた丹野さん。ところが沢田君が事故に遭って記憶喪失になり、今までとは豹変。優しくなった沢田君に丹野さんは恋心を抱くようになるのだが……。今回は中学生男女の感情の行き来を、初々しく描いてていい雰囲気でした。相変わらず話運びがとても達者で感心させられます。

【雑誌】阿ウン 7月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 ひょころー「シス☆コン」。新人賞作家デビューとのこと。タイトルどおり兄妹モノの作品で、連れ子同士なので地のつながりはなし。モテなくてサエない兄だけど、彼が大好きな妹がHしてと迫ってくるというお話。絵のタッチはちょっと独特な感じで、男キャラの目の描き方とかは「天元突破グレンラガン」をちと思い出した。エロシーンには勢いあるし、デビュー作としてはまずまず目を引くものがあった。

 春籠漸「自由研究発表会」。自由研究の発表で性器を研究してきたという、マジメそうな女子がその研究成果をみんなの前で淡々と発表。無表情で手コキの実演なんぞもやっちゃう、ヒロインのキャラがユニーク。そのままクラスのみんなの前でまな板ショーなんかも始まってしまって、乱交大突入となるんだけど、みんな入り混じってのぐっちょぐっちょなエロ模様はいかにもこの人らしくてエロい。今回はそれにヒロインのキャラの面白さも加わって、ただエロいだけでなく話としても楽しめた。


5/25(日)5/26(月)……公費維持官

▼また更新サボりまくり。すでに五十冊分くらいの感想は書きためてあったりするのですが、書きやすい順に書いてるので、うまいこと1回の更新分としてまとまらないことが多いんですよね。「この日分の日記には最低限これを入れよう」っていうのが書き上がらないとアップする気になれず。やはり日付にとらわれずにアップできるよう、更新スタイルを変えていくべきなんでしょうなあ。あと気力と集中力も足りてないので、いっぺん旅にでも出て、パーッとリフレッシュしたりすると良いのかもしらん。

【雑誌】アフタヌーン 7月号 講談社 B5平 [Amzn]

 四季賞ポータブルが付属。四季大賞の伊咲ウタ「帰っておいで」、四季賞の浅沼悠「アジサイ」、うえやまとち特別賞のほぎめ庭「糠床何処どかぬ」が掲載。今回は3作ともなかなか面白かったです。まず、伊咲ウタ「帰っておいで」は、母親が死んでから家出を繰り返すようになっていた兄・コーと、その妹のスウの絆を描いた物語。パッと見はサバサバしているようで、共依存的な関係にある二人をしっとりと描いていてなかなか印象的。切ないお話でもあるけれども、ラストは解放感も感じさせる。絵のほうも目の描き方とかがきれいで華やかさがある。

 浅沼悠「アジサイ」は、二重人格の男が、それぞれの人格で別の女性にプロポーズしてしまう……というところから始まる奇妙な結婚生活を描いた物語。愛憎入り混じる男女のドラマを、緊張感たっぷりに描いていてなかなか読みごたえがありました。ほぎめ庭「糠床何処どかぬ」は、糠漬けを始めた青年と、糠漬け名人のおばあさんのなかよし物語といった感じ。それこそ祖母と孫ほど年代の違う二人が、糠漬けという共通の趣味を通じて仲良くしている様子は微笑ましかった。自分でも糠床作ってみたくなりますね。

 本誌のほうでは新連載を一気に大量投入。まず、巻頭で木尾士目の新連載「ぢごぷり」が連載開始。なかよし双子姉妹の子育て日記といった感じの作品。沖浦みゆき(旧姓:日野)と、日野かなめの双子姉妹は共に18歳で、姉のみゆきが出産したばかり。みゆきの夫が出てきていないのはなんかワケありな感じだけど、たぶんそれは後日語られることなんでしょう。かなめはみゆきの子育てを手伝う気まんまん。今回の木尾士目はキャラの目をくりっと大きく描いて、萌え系強めで来ている。ここからどう転がしていくつもりなのかはまだ見えないけれど、1話めはほのぼの子育てコメディ1本で来ている。まあ今後どうなるかは現段階ではなんともいえないので、とりあえずお手並み拝見といったところ。ところでどうでもいいんだけど、沖浦かなめだったら、はっとりみつる「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」の主人公ですね。

 豊田徹也の新連載「珈琲時間」は、一杯のコーヒーのある風景を描いたオムニバス形式の連載……という感じかな。枠組みとしては山川直人の「コーヒーもう一杯」をちょっと思い起こさせるけど、まあ絵も雰囲気もあちらとはだいぶ違います。最初は喫茶店に入ったチェリストの女性が、やけに馴れ馴れしく語りかけてくる外人のおっさんに出会うが……。会話劇をユーモラスに進めており、まずは手堅い滑り出し。作画は相変わらず濁りがなくて達者。今後面白いドラマを見せてくれることを期待。

 今井哲也「ハックス!」。これも新連載。高校に入って新入生歓迎会で見たショートアニメに魅せられた女の子が、学校のアニ研に入ろうと訪ねていくが……というところから始まる、青春アニメ作りストーリーといった作品。まだこなれていないところもあるが、清涼感のあるかわいい絵柄で、引かれるものはある。うまくハマれば部活モノとして面白くなりそう。

 さらに短期集中新連載。杉基イクラ「もえタイ」。16才だけどメタボまっしぐらな主人公・亀山太一が、妹によってボクシングジムに強制連行され、ボクササイズをやらされることになる……という出だし。絵はまずまずかわいいけど、面白くなるかは今後しだいかなー。

 市川春子の読切「ヴァイオライト」。乗っていた飛行機が空中でバラバラになる事故に遭い、偶然助かった学生二人の道行きを追う。しなやかな描線で、ふわりとした不思議な感触のあるお話作りをしていて、なかなかに美しい。描き込みすぎるでなく、パッと印象に残るような風景描写をしてくるあたりに作者独特のセンスを感じる。特異な才の持ち主だと思うし、このままちょくちょく作品を発表していってくれるとうれしい。

【雑誌】月刊IKKI 7月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 今月号は「オノ・ナツメ祭」と称して、オノ・ナツメのスペシャル読切「お弁当にまつわる3つの短編」が掲載。これはすでに最新単行本「テ・ゾーロ」[Amzn]にも収録されている。内容はタイトルどおり、お弁当にからんだ3本の短編ドラマを展開している。ほのぼのした夫婦のやりとりあり、親子のちょっとジーンとするドラマありで、短いながらもしっかり読ませる。うまいですね。

 相原コージ+竹熊健太郎「サルまん2.0」はバサッと最終回。竹熊、相原両氏の連載当初の構想、それからなぜ連載を断念することになったかが事細かく語られている。確かに初代「サルまん」と比べちゃうと熱量、勢いの面で劣ってたし、本人たちがやめたいのであれば仕方ないなという感じ。まあ「連載が終わるときはこういうもんなんだよ」という内幕を赤裸々に見せてくれたっていうのは、サルまん的ではあったと思う。今さらエヴァネタをやってるのはまあご愛敬ってとこでしょうか。

 青野春秋「俺はまだ本気出してないだけ」。ちょっとだけ漫画方面に進展があって、調子に乗るシズオ。状況的にはいまだにしょうもないのだけど、その意味もない絶好調ぶりが見てておかしい。シズオさんは案外ちゃんと身のほどをわきまえてはいると思うのだが、スネたりキレたりすることもなく、オヤジの面の皮の厚さを生かしながら、たくましく行動しているところがいいですな。「こういうオヤジになりたい」、とは思わないものの、ちょっと羨ましく感じられる人も少なくないでしょう。

 読切の黒背骨実角「引き摺られ」はちょっと代わった雰囲気の作品。新撰組が池田屋に踏み込む。その中で、沖田総司が宿の者に足を引っ張られて延々と引きずられていく。その最中の沖田の思考を描く。引きずられるという行為が何を意味しているのかは不可解なものの、沖田のぐるぐる回る思考、それから意味なくダイナミックな構図取りとかには見るべきものがある。絵的にはちょっと「バクネヤング」の松永豊和を思わせるところがあるかな? 不思議な雰囲気を持った個性派です。

【雑誌】少年エース 7月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 ついに作:谷川流+画:ぷよ「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」が巻頭カラーに。今回は4コマは4ページだけで、15ページ分がストーリー漫画仕立て(含扉絵2P)という構成。なんか好き勝手やってて楽しいですなあ。あと鶴屋さんは今回もやたらと大活躍でございます。

 桂明日香「花やしきの住人たち」。あやめ&杜若の痛々しい過去エピソードはいちおう今回でおしまいかな。これを踏まえちゃうと、なかなか脳天気なラブコメ展開もしづらいとは思うけどどう持っていくんでしょうか。この先の展開がますます気になるところです。

 水無月すう「そらのおとしもの」。今回の終盤のほうは良かったです。マスターからの追手によって壊されそうになるニンフだが……。いつもはスケベでしょうもない行動の多い智樹が、今回はカッコイイところ、優しいところを両方見せてて、なかなかジーンと来るものがありました。普段のドタバタはそれはそれで楽しいし、見せ場シーンでも盛り上がるし、なかなかいい感じであります。

【雑誌】ガンダムエース 7月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、シャリア・ブルさんが大活躍で、ニュータイプかっこいーという回。まあそれだけといえばそれだけなんですが、シャリア・ブルにやられてしまったっぽいダニーとジョブ・ジョンがどうなったかが気がかり。ジョブ・ジョンなしのホワイトベースなんて、足のないジオングみたいなもんでしょう。

 新連載、筒井旭「Gの食卓」。夫の影響で息子もガノタになってしまった、筒井旭本人の御家庭の模様を描いた日常エッセイ漫画。まあこの雑誌の中ではかなり薄味な部類だけど、箸休めにはいいのかもしらんですな。

【雑誌】コミックガム 7月号 ワニブックス B5平 [Amzn]

 今号の別冊付録は「一騎当千」のアンソロジー「一騎挑戦3!!」。けっこうなメンツが描いてて、わりと好き。今回は、赤井里実、大山玲、カツラギスズシ、タカムラマサヤ、あぼしまこ、みなづきふたご、珈楼羅淳、加藤礼二朗、連が登場。この中でとくにお気に入りなのは、あぼしまこ「ちびっこいっきとーせん」。筆ペン調の独特なタッチで、ミニキャラをかわいく楽しく描いててとても良い。現在はきららキャラットで連載しとるらしいですな。

 エロ漫画で活躍していた紺野あずれが一般誌に進出。新連載「こえでおしごと!」。平凡な女子高生だった主人公、青柳柑奈が、ゲーム会社勤務の姉の命令でゲームの声優をすることに。しかしその会社が作っているゲームはエロゲーだったのでした……という内容。ここから少女があふんうふんいいまくる、はずかし青春物語が始まっていくんでありましょう。紺野あずれは線はシンプルだけど柔らかみがあってかわいく、エロシーンでなくても独特の味があるんで、非エロでも十分やっていけるんじゃないですかね。エロではアナルとか多かったけど、接合部や局部のリアルさとかではなく、キャラのかわいさやシチュエーション、そして話で見せる人だっただけに期待できるんじゃないかと思います。

 泉ゆうじ「ぬいぐるみっくす♥」。公太の幼なじみの亜子を追っかけていた、百合っ子のニサが、だいぶ公太に引かれるようになってきた。もうあっちもこっちも入れ食い状態だけど、ハーレムラブコメ自体はけっこう好きなんでこれはこれでとくに文句ないです。

【雑誌】月刊少年シリウス 7月号 講談社 B5平 [Amzn]

 読切、高遠るい「MICRO BLACK GIRL」。とある田舎の村で起きた連続猟奇殺人を調査に来た軍人2人。その事件は実は、宇宙から時を超えてやってきた、人間を悪魔に変える覚醒剤が引き起こしたものであり、軍人に化けた「ミス・A」と名乗る女はその犯人を追っていた。高遠るいの品が良い作画が好印象。ミス・Aの滑らかなボディラインもちょっといい感じ。お話のほうはアクション激しく、最後はちょっと哀しい締めくくりでなかなか読ませる。

 田中ほさな「乱飛乱外」は、海賊姫編がおしまい。雷蔵が最後にカッコイイところを見せて、サクッと締めくくり。今回は姫がいつものような美少女タイプではなく、凜とした姐御肌の美女タイプだったのが印象的でしたね。


5/23(金)5/24(土)……歯に来ていました姉妹的には

【雑誌】LaLa 7月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 津田雅美の新連載「ちょっと江戸まで」が開始。江戸時代、遊び人の旗本の家に生まれた跡取り息子と、隠し子の娘さんがおりなすコメディといった感じ。おきらく時代劇系な作品だが、今後はラブコメ色が強まってくるのかな? まだなんとも分からないけど、とりあえずキャラクターはかわいいし、作者も達者な人なんで楽しく仕上げてきそうな感じではあります。

 藤原ヒロ「会長はメイド様!」。破天荒な転校生少年が登場!と思ったら、彼は生徒会長の小学校時代の同級生であり、なおかつ彼女のことが好きで……ということで、碓氷にライバル出現といった状況。まあさすがに本命はガチでゆるがないとは思うけど、これに刺激されて碓氷がもっと突っ込んだ攻勢をかけてきそうではあるので、ラブコメとしては加速するかな。楽しくやってて良いです。

 麻生まさみ「きゃらめるBOY」もライバル男登場で、恋愛面がどんどん進んでいる感じ。かなりベタに甘ったるく来ていて楽しい。9月号にもまた掲載されるとのこと。ちょくちょく載るので、本格連載にしちゃってもよいかなーという感じではある。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 6/6 No.22 日本文芸社 B5中

 5/23分。平松伸二「外道坊」が新展開に突入。銀座で無差別テロが起こり、その犯人が米軍を脱走したイカれた兵士だった……というところから始まる。アメリカ嫌いが出てくるところは平松先生がノッてきた証か。そして最近の平松作品ではおなじみの、あの総理大臣も登場。ってことはあの人やあの人も出てくるんでしょうか。となると話がどんどん大きくなりそうではありますが。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 6/13 No.23 日本文芸社 B5中

 5/30分。村生ミオ「SとM」。夫が浮気して自分たちを裏切っていると思い込んだ戸田妻・佐和子。そんな彼女の心の隙に、「ひまわり」こと沙耶の父が迫る……といった展開。佐和子の前では優しい顔をしつつ、見てないところではすげー邪悪な表情している沙耶パパがいいですなあ。なんかもうたいへん下品な悪党ヅラしててええ感じ。村生ミオキャラの品性下劣っぷりは本当に凄いですよね。

【雑誌】コミックマーブル Vol.6 竹書房 B5中

 888「姉妹的な彼女」後編。彼女がなかなかエッチなことをさせてくれないので、その妹の誘惑に揺らいでしまった主人公。しかし妹が彼に近づいた目的は……。まあ少年少女恋愛模様をハッピーエンドで締めくくってるし、絵もかわいいしで華やか。ただ主人公はいったん彼女を裏切ってるわけで、こんなお手軽にめでたしめでたしにしちゃってええもんかなあと思ってしまいはする。

【雑誌】コミック激ヤバ! VOL,08 メディアックス A5平

 巻頭カラーは大道いむた「いけないいもうと2」。お兄ちゃんのベッドで匂いをかぎながら、もぞもぞ欲情している妹さんがかわいいですなあ。甘えん坊でたいへんキュートです。うさぎのたまご「Sの彼女〜モンスターガール〜」。ナヨっちい少年と、いつも彼をイジメている幼なじみ少女のエッチ漫画。強引でガサツでエッチも好きな彼女さんが、イキイキ楽しく描けているのが良いところ。ドタバタゴチャゴチャしたノリが好き。

【雑誌】コミックメガGOLD Vol.7 コアマガジン B5平 [Amzn]

 今号で休刊とのこと。コアマガジン系はこのところ、雑誌を増やしすぎで戦力が分散してた感じがあったんで、いったん雑誌数を減らすくらいのほうがちょうどいいかもしれない。とくにホットミルクが復活してからは看板級の作家をそこに集中投下したので、コミックメガストア本誌あたりが弱まってる感じは受けていた。コミックメガストア、メガストアHもリニューアルなんで、まあここらへんで一回タガを締め直すってのもいいんじゃないですかね。

 今号では、要青豆「はばたけ!ふうりん♥」が面白かった。田舎の学校に転校してきた少女・風鈴初夏が、その地域の祭事の風習に従って、乱交祭りに参加するといった感じのお話。みんなで屈託なくエロ行為に耽っている様子が楽しそうで、ファンタジーな雰囲気。ちょっとゆるめな絵柄もストーリーによく合っていて、わりと楽しめた。

 天竺浪人「ハメドリ王子」。アイドルであるヒロインが、弟によって犯される様子をねっとりと描写。中出しではなくコンドームをつけてはいるものの、イボ付きコンドームというアイテムを効果的に使っているのが面白い。最近のエロ漫画は中出し主流なので、コンドームはあんまり描かれないアイテムだけど、極めてみれば面白いのかもしれない。

【雑誌】月刊コミックMOOG 7月号 ジーウォーク A5平 [Amzn]

 フラミンゴでガチな獣姦漫画を描いていた栗田勇午が登場しているのに気づいて購入。その栗田勇午の作品は「臭娘」というタイトル。ヒロインの娘さんは、カワイイ顔して臭いにおいが大好き。しかし女子中学生ということもあり、普段はそんな欲求を満足させることもできないでいた彼女だったが、浮浪者の集団と出会い、その欲望を爆発させる。においフェチを描いたエロ漫画はときどきあるけど、さすがに栗田勇午だけあって、恥垢の描写とかもりもりでなかなか強烈。そして悪臭まみれになって恍惚とした表情を見せる少女の姿はインパクト大。やっぱこの人は吹っ切れてて凄い。まあ、この程度のプレイだと栗田勇午にしてみると生ヌルいほうではあるんですけどね。

 Low「マセカノ」。アニメっぽいつるんとした質感の少女描写が特徴的。にょきっと長めの手足、ハッキリ分かりやすい表情、快活な絵柄などが見ててけっこう楽しい。わりと頭身が高いけど、女の子のほうはランドセル着用年代。エッチしまくりだけど、そのほかのときは無邪気にゲームなどに打ち興じている彼女さんがかわいらしいです。

【単行本】「YOUR DOG」 関谷あさみ 茜新社 A5 [Amzn]

 キュートかつ上品ながら、しっかりエロを描いてくる関谷あさみが長編(全9話)にチャレンジした作品。

 人付き合いが苦手で学校に溶け込めないでいた少女・歩と、アングラな少女エロビデオを売りさばいている男・マキの、最初は肉体から始まった関係を描いていく。歩は最初は流されるままにエッチしていただけだったが、しだいにマキに本気で惹かれていってしまう。歩は口数がたいへん少ないので、その真意はなかなかマキに伝わらない。しかし、本当に少しずつ心が通じ合っていく様子が丁寧に描かれていて読ませる。

 別に悲恋とかいうわけではないのだけど、歩が、いたいけで困ったような表情をしていることもあって、お話にはなんだか切なげなムードが常に漂っている。最近のエロ漫画は恋愛感情部分ではたいへん分かりやすく、即ツン→デレデレな作品が多いけど、この作品の場合は少女の真意が分かりづらい点が特徴となっている。そのおかげで「彼女の気持ちが知りたい」って感じで、歩のさびしげな様子にグッと引き込まれ、その後で彼女が浮かべるほのかな笑顔に胸がキュッとなる。

 関谷あさみの描く少女は相変わらずたいへんキュート。そして本作では、かわいいだけでは終わらない、なんだか気になる少女像を描けているのがいいですね。小犬みたいで放っておけないようなところが、この娘さんにはある。あとエロ漫画には珍しく、恋愛模様に奥床しさをきちんと感じさせてくれるのもいいです。

【単行本】「テカ☆ピタッ!」 岸里さとし 茜新社 A5 [Amzn]

 ストッキングなどを駆使したフェティッシュなエロや、コギャル系のキャラなど、ちょっとクセのあるエロが持ち味の岸里さとし。いくぶんクドいけどそこがエロいというタイプの作家さんだったが、この単行本では絵の萌え度もアップしてきているように見受けられます。

 とくに冒頭の「手コキ当番」に出てくるツンデレ娘の清水あびるちゃんはパッと見栄えがする。クラスの男子の性欲を処理するため、女子2人が「手コキ当番」というのをやっている……という設定。最初は消極的だったけど、だんだん欲情して積極的になっていく清水さんがカワイイ。ツインテールだし、髪に大きな星形の飾りとかつけてるし、作者的にもけっこう狙ったキャラだったのでは。エロ度も十分。

 そのほかの作品については、かなり岸里さとしらしい濃さが出てると思います。「熟れし恥ずかし…♥」では、ぽっちゃりオデブちゃん系の女の子をエロっちく描写。「〜ふたり〜」ではフタナリ美少女。あと「奴隷バニーー」シリーズ、「バニーな事務員さん」では、バニーさんものをやっている。この人はエナメル系のテカテカした衣装を描くのは得意な人だし、むっちりエロっちい味が出ている。

 まあ好き嫌いは分かれそうなタイプだけど、自分としては火野聡司名義のころから好きな作家さん。美少女漫画界ではそんなにメジャーな作家さんではないものの、着実に腕を上げてると思う。掲載誌が「ヤングコミック」「ちょいS!」「チョベコミ」「muku!」など、あまり一定しておらず、不定期掲載だったりするので余さずチェックしづらい人ではあるけれけど、活躍の場が広がってくるといいなと思います。

【単行本】「美少女しすたあ小悪魔系」 ねんど。 茜新社 A5 [Amzn]

 お人形さんのようなロリロリ少女のエッチを楽しく描いた作品集。ツンデレ、甘えん坊、妹、女生徒(主人公は先生)、年上(主人公が少年)と、ロリでもいろいろと属性に変化をつけてそれぞれきっちりまとめている。とくにタイトルにある通りの小悪魔系美少女や、妹系キャラなんかはかわいく描けていて良い。あと普通のおすまし顔とかもかわいいんだけど、頭身縮めたぷにキャラモードもちまちましてて楽しい。

 収録作品では、一度は離婚した両親が元サヤに収まって再婚して、久々に再会した兄妹のお話である「銀色の髪の杏奈」あたりが好き。お兄ちゃんに対して素直になれず、イジワルしてしまう妹さんの、ツンとデレの落差が激しくて印象に残る。あとは冒頭の「シスタードリラー」も、兄に宿題をやらせようと色仕掛けする妹の小悪魔っぷりがいい感じ。まあどの作品も楽しいんだけど、ヒロインのツンが強めな作品のほうが、キャラが印象に残るかな。


5/21(水)5/22(木)……猫神磨こーね

【雑誌】モーニング・ツー 7/2 No.10 講談社 B5中 [Amzn]

 新連載、堀尾正太「刻刻」。女が稼ぎ男はぐうたらだが、基本的にはおおむね平凡な家庭。その家の31歳無職兄・翼と、その甥っ子が誘拐された事件をきっかけに、家に秘められた不思議な力が明らかにされていく……という出だし。タイトルどおり、「時間」というものが大きくモノをいうSFっぽい感じの物語。デビュー作ながらいきなり巻頭カラーで連載開始となっているけど、絵柄は落ち着きがあるし、お話のほうもけっこう本格的な雰囲気。読みごたえはありそう。

 読切、余孟霖「FAIRY TALE」は、第2回国際新人漫画賞大賞受賞作。人々からさまざまな記憶や感覚などを消していく、黒い雪の降る世界を舞台にしたファンタジー。その世界に住む少女と不思議なお面をかぶった子供が、黒い雪によって消えたものを取り戻すため、「雪の源」と呼ばれる場所を求めてさまよう。独特の雰囲気のある達者な絵柄で、不思議な感触のあるお話によくマッチしており、なかなかかっこ良い。長めのセリフが多くて、ちょっと読みづらく感じるけど、絵本にしてもいいような美しい作画は魅力です。

【雑誌】コミック電撃大王 7月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 作:竹宮ゆゆこ+画:絶叫「とらドラ!」。クラスメートに竜児とつき合ってると誤解された手乗りタイガー・大河は、それがきっかけとなって北村への告白を決意。そこへ至るまでの経緯は山あり谷あり大暴れありといった感じだけど、一途に突っ走る彼女の様子は見てて微笑ましい。まあ実際にここまで暴れられたら迷惑でしょうが。とりあえず竜児と大河は、今はまだ恋愛じゃないけど信頼関係はあっていいムードですな。

 雅樹里「ef - a fairy tail of the two.」(原作:御影+鏡遊)は、蓮治と眼帯少女・千尋が初めての邂逅を果たすところからスタート。原作のゲームのほうはやったことないですが、アニメではこのエピソードが大いに盛り上がったので、漫画版のほうも期待してます。自分の場合、漫画から入って半分読んで、それでアニメで一通りの筋を楽しんで、さらに漫画で半分読むって感じになってて、考えてみるとなんとなく不思議な感じではあります。

 読切でうさくん「うさくんの脳味噌やわからい」が掲載。売れないゲーム会社が作った、チープだけどやけにマニアックな部分の多い車ゲームのお話。しょうもないギミックが多いゲームとなっていて、実にくだらない。思わず遊んでみたくなった。ゲームの内容ももちろん、漫画としても馬鹿馬鹿しくて愉快。

【雑誌】コミックハイ! 7月号 双葉社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 ひな。の新連載「野に咲く薔薇のように」が開始。いやいやながら合コンに出席した男の子・一馬が、その合コンで自分と顔がそっくりな女の子・右田川のばらと出会う。彼女は何が気に入らなかったのか、一馬にやたらとつっかかってくるが……。扉絵には小さくてかわいい女の子さんが登場してるけど、この娘さんがヒロインっぽい?(←この娘さんの正体自体は読めば分かるんですが、いちおうちょっぴりネタバレ防止でぼかし表現) ひな。は「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」とか、ちっこい娘さんが出てくる不思議なラブコメネタはうまいけど、この作品もそんな感じになるんでしょうか。ひな。のかわいくて華があって暖かい絵柄は好きなんで、今後楽しい作品になっていってくれるといいなーと思います。

 私屋カヲル「こどものじかん」は、どシリアスな展開についてはちょっとだけ小休止って感じかな。今回はメガネ女教師の白井先生がお見合いさせられることになるが……というエピソード。それもあって情緒不安定な気味な白井先生の心に、また青木先生がじわっと入り込んじゃいつつある様子にニヤニヤさせられる。一度オチたらすごくデレデレになりそうですね。

 森永みるく「GIRL FRIEND」。女の子→女の子の片想いストーリーだけど、たいへん甘酸っぱく切なくてコンスタントに良いです。ふとしたきっかけで揺れ動く乙女心を細かく描写していて、相変わらずうまい。

【雑誌】純愛果実 7月号 光彩書房 A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 犬「special door」。彼女のほうが恥ずかしがっててなかなか一線を越えられないでいたカップルが、なぜかクローゼットに潜んでいた彼女の姉のアシスト(?)により、初エッチしちゃうという内容。まあ他愛ないといえば他愛ないんだけど、ぶっきらぼうな姉のキャラが見てて楽しく、エロのほうもきっちり。

 吉田犬人「絶対純愛」。秘かにお互いでエロ妄想していた兄妹がふとしたきっかけでエッチしちゃうという内容。まあお話的には普通の兄妹エロだけど、ピチピチ感のあるラブラブエロ模様は悪くない。初巻頭カラーとのことだけど、まずまず健闘しているのではないかと。

【雑誌】COMIC LO 7月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 緋鍵龍彦「眠れる森のうさぎ」は、甘えん坊の妹とお兄ちゃんのラブラブエッチ物語。お兄ちゃんと一緒じゃないと眠れず、べたべたひっついてくる妹さんが、無邪気でとてもかわいらしい。ラブラブでエロくてかわいくて良いです。ねんど。「僕の友達」は幼なじみ少年少女ストーリー。小生意気でちょいがさつで乱暴なヒロインさんが、元気良くてかわいい。ラストでの変わりっぷりにも、ちょいとトキめくものがある。

 朝木貴行「私たち。」は最終回。教師である兄をめぐり、妹の霞とその親友・麻衣子が関係が変化していくさまを描く。ラストは切なくほろ苦いけれども、甘さと暖かさもある締めくくりとなっていて、なかなか読ませるものがありました。東山翔「Gift」も最終回。小学5年生ながら高い知能を持って生まれた少女・亜紀の孤独な心を、変態だけど心暖かい義兄が癒していくという物語。こちらもちょっと切ないけれども、爽やかで優しい物語に仕上がってて後味は良かった。少女のつるんとした顔だちが魅力的でした。

 裏次郎「はるかちゃんちは貧乏だから」は巻中カラー。小4のはるかちゃんが、獣医志望の青年のエッチな診察を受けるという内容。相変わらずこの人の描くちっちゃい女の子はあどけなくってかわいいなあ。表情が変化に富んでいてイキイキしている。最新単行本「ちぃさな恋ゴコロ」は7月19日発売予定とのことで、まとめ読みするのが楽しみ。

 巻末はいつものお楽しみ、うさくん「マコちゃん絵日記」。今回はマコちゃんのお兄さんの淡い恋の物語。お兄さんが恋した相手は、図書館の職員である山川さん。ちょい太めでぽちゃっとした、なかなか人の良さそうなお姉さんであります。今回は甘酸っぱくてほろ苦くて、なんだかしみじみしました。あと端々のギャグも馬鹿馬鹿しく、かつ微笑ましくて毎度楽しいです。

【単行本】「猫神やおよろず」1巻 FLIPFLOPs 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 古美術店に居候してだらだら暮らしている猫神・繭と、その仲間たちの生活をのんびり楽しく描いていくドタバタコメディ。繭はパッと見は猫耳の生えたかわいい女の子。その周りに寄ってくる神様仲間たちも、だいたいが美少女型。まあそんなわけで賑やか、華やかな日常が展開される。

 この作品の特徴は、なんといってもキャラがかわいいこと。普通の萌え美少女系なタッチと、頭身縮めたぷにキャラタッチを自由に交えてきて、眺めているだけで楽しい。お話のほうは基本的にほのぼの系。トラブルはいろいろあるものの、まあ大きな事件とか筋があるっていう感じではなく、トラブルも楽しい日常のうちといった感じ。読み込ませるというタイプではないんだけどなんとなく楽しい。かわいキャラがわきわき動いている様子を見てほんわかしたい人はどうぞ。

【単行本】「僕と彼女のホント」 みた森たつや 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 おた☆スケのレビューでも紹介した、おっぱいラブコメ。まああらすじは、そっちのレビューのほうで詳しく書いてある通り。巨乳が好きで好きでしょうがない高校3年生・男子、狩谷広樹が、家庭教師をやってくれることになった隣家の幼なじみお姉さん・メグと、同級生の立花さん、二人の巨乳娘の間でたぷんたぷんと揺れるという物語。メグ姉と立花さんはいずれ劣らぬ巨乳の持ち主で、どちらもなぜか広樹に夢中……というわけで、ウハウハ感あふれるドタバタコメディに仕上がっている。

 チャンピオン烈連載で、乳がモロに出るシーンはいっぱいあるものの、本番シーンはなし。しかしたっぷりしたおっぱいがぶるんぶるん揺れまくる様子はまさに眼福って感じではあるし、エッチいシーンの盛り上げ方も達者なので十分色っぽさは漂っている。

 そしてラブコメとしてもしっかり楽しい。メグ姉は父親が外国人のハーフ。恥ずかしがり屋ではあるが、子供のころから好きだった広樹に対してはけっこう大胆なところもあり、その思いっ切りぶりが広樹に対するメロメロっぷりを強く感じさせる。それから立花さんも強力。頭の良いめがねっ娘さんでツンデレ気味。それが大胆な行動で広樹にグイグイ迫ってくる。まあどっちもかわいいところがあるし、広樹の前で真っ赤になっている様子はトキメキたっぷり。

 序盤中盤はドキドキエロラブコメでグングン引っ張って、終盤バカバカしいネタを炸裂させて、後味すっきり畳むあたりもうまい。おっぱいが特徴的な作品で、それ抜きには語れないけれども、甘ったるいラブコメ好きにとっても楽しめる作品に仕上がってるといえると思います。みた森たつやは、エロ系の中ではストーリー展開がうまい作家さんだし、描写に心地よさがあるんで再読性が高い。なんか手持ちぶさたなときとか、つい潤いを求めて読んじゃいがちなんですよね。この作品もそんな感じでした。

【単行本】「おっぱいパーティー」 オノメシン コアマガジン A5 [Amzn]

 こちらもおっぱい漫画で、オノメシンとしては初単行本。お話うんぬんよりも、その巨乳っぷりが特徴的な作家さんで、デカさはかなりなもの。乳のついているベース(要するに胴体ですが)もボリューム感のあるほう。絵柄的にはいくぶんクセがあって、垢抜けないところありますが、うしちち系が好きな人にはけっこう実用的なんではないかと。

 ストーリーについてはまあまあ。属性はお話によって様々で、姉、妹、同級生、母、メイド、ファンタジー系などなど。とくにこの属性、というこだわりはないけど、出てくるキャラはみんな基本的に爆乳。めがねっ娘はわりと多いほうかな。この人で印象に残るのは、パイズリなどのシーンで乳をゆっさりしつつ、上目がちに見つめてくるようなヒロインの表情。ちょっぴり困ったような目つきながらまんざらでもない様子で、おずおずとエッチなことをしている様子にそそられるものがあります。

 爆乳キャラが多いということで、パイズリ、フェラチオは多め。そこらへんが個人的にはツボにハマるところ。ストーリーを期待して読むタイプって感じではなく、ちょい太めの爆乳娘好きな人向けのオカズといった感じの1冊。


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