2004年11月上旬


11/10(水)……乗馬礼

【雑誌】ヤングアニマルあいらんど 12/24 No.2 白泉社 B5平

 アニマル本誌、アニマル嵐の連載作品の番外編的なものプラスちょっぴりHめな女の子メインな作品で固めた増刊誌。少年エースグループでいえば桃組って感じですか。文月晃「藍より青し」、宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」、甘詰留太「年上ノ彼女」、まつもと剛志「まじかるストロベリィ」、ももせたまみ「ももいろスウィ〜ティ〜」、西川魯介「あぶない!図書委員長」はいずれも番外編。また本誌でショート連載されていた高島知宏「カッパいじり」も掲載。この中では、甘詰留太「年上ノ彼女」が良かった。努と揚羽が遊園地デートするという内容で、たいへんラブラブで濃密に甘〜い内容。また宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」は、妹の恋する黒川水面さんのアニキがかなり変態的で思わず笑ってしまった。自分の彼女に妹の面影を重ねようと「眼鏡(コレ)かけてみてくんない?」とか頼むあたり、どうにもダメすぎる……。あと扉絵が意味なくエロい。

 作:AQUAPLUS+画:中島零「ToHeart2〜trial story〜」は、タイトルどおりゲーム「ToHeart2」の漫画化。えーとよく知らないんだけどマルチとかが出てきてどうのこうのというのとはまったくの別物語なんでしょうか。八神健「天海の定跡」は、名人を父に持つ天才将棋少年が、父の弟子であるらしい少女の天海と将棋を打っているうちに、無心で将棋を楽しめたころの気持ちを取り戻すという内容。まだラブには至ってないが、ラブコメ的風味もそこかしこに漂ってて楽しい作品。梅川和実のメイドさん育成学園漫画「スノーホワイト〜君に舞う雪〜」は、前号に引き続いて2回めが掲載。シリーズ化するのかな?

 田中ユタカ「もと子先生の恋人」。女性漫画家の先生と、その担当である青年。仕事のパートナーとして、そして恋人として、一つのことを成し遂げようとしている二人の物語。田中ユタカらしく愛情あふれる物語となっているし、これはおそらくは田中ユタカ自身の、担当編集者に対する感謝の念なども込めた作品なのだろう。いつもながらあらゆる意味で気恥ずかしくなるほどの直球勝負だが、それだけに作者の想いは伝わってくるし、納得

【雑誌】ビッグコミック 11/25 No.22 小学館 B5中

 柴門ふみ「小早川伸木の恋」。夫の愛をものすごく執拗に求めてくる、主人公・小早川伸木の妻が毎回怖い。かなりドロドロな展開をしてて読ませる。やっぱ面白いと思いますよ。作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。今回はホタテ貝のお話。ホタテは非常に便利な食材であるということが描かれてて、なるほどなーと思った。たしかに色んな食い方、使い方ができますな。煮ても焼いても干してもうまいし。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/24+12/1 No.50+51 小学館 B5平

 読切「MAXI」は、とある星にはるか昔から君臨し続けてきた巨神兵的な偉大な生物である「魔騎士」と、それらと友達になりたいと願う少年の物語。少年ジャンプ的な雰囲気の冒険活劇。うーん、大風呂敷気味なので連載ならあるいはとも思うけど、現時点では作画、作劇ともにちと物足りない。とくにこの手の巨大メカが出てくる作品は、作画力が印象を大きく左右するところがあるし。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/24 No.50 講談社 B5平

 コージィ城倉「おれはキャプテン」。アンダースローに転向して苦戦していた那巳川が、オーバースローに戻して自分のぺースを取り戻しかける。片や千船中のデレックは故障か。この試合は意外とねちねちした展開になるんかな。主人公チームが相手の故障をつつきまくるとかするのは、少年漫画としてはちょっと珍しいかも。

【雑誌】メガプラス Vol.14 コアマガジン B5平

 ゆきやなぎ「雨の日は家の中で」。休日に家で仕事中の姉に、弟がエロエロなイタズラをしかけてそのまま……という内容。メリハリの効いた絵柄で、安定感のあるエロさ。スタンダードだけど見映えがして手堅く使える作風は、エロ漫画雑誌だったらどこでも重宝しそう。すえひろがり「CAGE」は16話め。さんざん露出調教をされてきた女教師の真由子が、今度はクラスのみんなの前で全裸授業をさせられるハメに。実際の挿入シーンはおろか、彼女の身体に他人が手を触れることさえないのに、他人の視線、羞恥というアイテムを使って非常に淫靡に仕上げてくるあたりはさすが。片幹U-TOY「萌えよ体育祭」。度胸をつける訓練と称して、気弱な優等生の女の子にイタズラしまくりやりまくり〜ってな話。実際にこういうことする奴らがいたら不快ではあろうけれども、エロシーン自体はもりだくさん。肉のくびれ具合とかもねっちょりエロかった。

【雑誌】ヤングコミック 12月号 少年画報社 B5中

 ジェームスほたて「モモ色クリニック」。今回は、凡人先生のもとに、嫁入り希望とかいう女子が一人転がり込んで来たがこの娘さんがけっこう食わせ者で……という内容。けっこうかわいいんで、もしかしたらレギュラーキャラになるかも?とか思ったがチョイ役っぽい。モモ君のライバルキャラが一人いてもいいかなとは思ったんだけど。THE SEIJI「OL生態図鑑」。きっちりエロコメ。週刊連載もつつがなくこなしつつ、こういうのもちゃんとあげてくるあたり、相変わらず精力な仕事ぶりで感心させられる。

【単行本】「ジョバレ」1〜2巻 白井三ニ朗 講談社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻

 ヤングマガジンアッパーズで連載された女子バレーボール部漫画。ちっちゃくてどんくさかったバレー部女子のツバメは、男子バレー部のエース・ワシガヤ君に恋しており、体当たりなアタックもあって想いが通じようとしていた。しかしある日、ワシガヤはツバメを交通事故から救おうとして事故死。足の筋肉を断裂したツバメに彼の筋肉が移植され、驚異的なジャンプ力を身につけたツバメは、彼の想いも背負ってバレーボールに情熱を燃やすようになる。

 絵柄的には村枝賢一直系という感じで、こなれた絵柄でコミカルな描写も交えつつ、熱血な展開も見せつける。正直なところ、物語を盛り上げるために主人公の恋人を殺しちゃうやり口は少々強引すぎるように感じはする。でもまあこういった完成した絵柄によるスポ根モノというのは嫌いじゃない。雑誌の休刊とともに全10話で終わってしまったため、展開的に無理があったり、いろいろと気になる点はあるが、女子バレーボール部の仲間たちのキャラはそれぞれ愛敬があるし、物語を追っていて楽しいのは確か。それにしてもワシガヤ君は瞬殺されちゃってて、かえすがえすもかわいそう。

【単行本】「イケてる刑事」8巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 毎度おなじみの職人芸的安定感。ふんだんにHなサービスシーンを盛り込みながら、全体的にはサバサバした気持ちの良いドタバタ話を作ってくる手腕はさすが。くだらないんだけど好き。「イケてる2人」の佐次同様、この作品の主人公・近藤も、スケベだけれど憎めない、気性のサッパリしたイイ男じゃなあと思います。


11/9(火)……さ、蛹……

▼未読物
【単行本】「サムライダー」5巻 すぎむらしんいち 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ジョバレ」1〜2巻 白井三ニ朗 講談社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻
【単行本】「スクナヒコナ」2巻 南Q太 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]
▼10日売り
【雑誌】ヤングアニマルあいらんど 12/24 No.2 白泉社 B5平
【雑誌】ビッグコミック 11/25 No.22 小学館 B5中
【雑誌】週刊少年サンデー 11/24+12/1 No.50+51 小学館 B5平
【雑誌】週刊少年マガジン 11/24 No.50 講談社 B5平
【雑誌】メガプラス Vol.14 コアマガジン B5平
【雑誌】ヤングコミック 12月号 少年画報社 B5中
【単行本】「イケてる刑事」8巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】イブニング 11/23 No.23 講談社 B5中

 川畑聡一郎「S60チルドレン」は、前回に引き続き、照の初恋と自殺してしまったイジメられっ子の少女の物語を描く。ハードで重たいお話を続けたが、心の動きをしっかり正面から描いてて読みごたえはあった。寺沢大介「喰いタン」は久々の掲載。食いしん坊探偵・高野聖也は、デパートの試食コーナーで食い散らかしまくり。やっぱり「味っ子II」よりこっちのほうがノッて描いている気がするなあ。読切、サダカネアイコ「ママイウェイ」。東京に出て服飾の専門学校に行った娘の部屋に、ある日突然母親が押しかけてきて、ハワイに行くためにクイズ番組に出るといいだす。シャープなメリハリのきいた絵柄で、親子の絆をユーモラス、かつ暖かく描いた作品。あと今号からやぶうちゆうき「警察署長」が「警視正 椎名啓介」とタイトルを変えて新連載。田中政志「ゴンとゆかいななかまたち」は一旦終了。いずれまた再開予定らしい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/23 No.23 秋田書店 B5中

 「ブラック・ジャックALIVE」。今回はたがみよしひさが「命の連鎖」を執筆。線がとてもこなれた人であるせいか、なんか違和感がないな〜と思った。道家大輔の読切「マリアッチ〜奇術師放浪倚譚〜」は、表では奇術師、裏では怪盗をやっている義賊が、聖職者と愛し合っている少女の心を救うという内容。奇術というアイテムの使い方はもう一ひねり欲しかったような気もするけど、手堅くまとまってはいる。

【雑誌】漫画サンデー 11/23 No.45 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:東克美「Dreams」。フィリピンクラブのフィリピーナと、常連さんとのお別れパーティの模様を描く。なんだかけっこうドラマチック。作:末田雄一郎+画:本庄敬「蒼太の包丁」。今回出てきた鮭の皮をあぶって作るお茶漬けはなかなか美味そうだった。

【単行本】「SUGAR」8巻 新井英樹 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 いやー面白い面白い。デビュー戦では衝撃的な敗戦を喫したリンが2戦めに挑む。最初のころは敗戦の恐怖にすっかりちぢこまっていたが、試合が進むにつれてだんだんボクサーとしての感覚を取り戻していく。パンチが一発当たるごとに、ビリビリと手応えをつかんでいくあたりの描写はとてもカッコイイし、その後調子に乗ってからの連打連打連打は見ててやたらと気持ちいい。とにかくスピーディで、くねくねしたリンの動きは、数あるボクシング漫画の中でも出色のカッコよさ。アッパーズは休刊しちゃったけど、本作はヤンマガ本誌で続くらしいので、またビリビリしびれるような展開を期待してます。

【単行本】「でろでろ」3巻 押切連介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずまったりしてて楽しい。ホラーを日常ギャグのネタにして、まったりドタバタギャグを展開。その飄々としたギャグがなんとも楽しい。あとキャラクターも愛らしくて好き。主人公耳雄の妹の留渦はもちろんのこと、犬のサイトーさんがとても好き。サイトーさんを見ているとおなかを無性に触りたくなる。いい犬だ。

【単行本】「新撰組異聞 暴流愚」 芦田豊雄 ぺんぎん書房 A5 [bk1][Amzn]

 ヤングキングアワーズの休刊で中断していた作品に、大幅な加筆修正と描き下ろし150ページを加えた完全版。芦田豊雄といえば、「バイファム」など有名作品多数を手がけたアニメ界の大ベテラン。1944年生まれとのことだが漫画を本格的に執筆するのはこれが初挑戦。アワーズライト2000年11月号に読切版が掲載され、その後連載となった。その年齢で新たなことにチャレンジしてみようという姿勢は、何はともあれ大したものだと思う。

 お話は、新撰組の別動隊として活躍した邪な剣の持ち主である暴流愚(ボルグ)という男の生き様を描いていくというもの。カッチリとしたちょっとコミカルなところもある絵柄ながら、ストーリーはかなりハードボイルド。暴流愚のクールさ、新撰組や清水の次郎長一家らがからんで展開される激しい剣劇はなかなかかっこいい。とくに沖田総士が剣を振るって、斬られた相手の首がポーンと飛ぶシーンなんかはハッタリが効いてていい。まあ全体を通してみると、最後のほうはちと急ぎ気味で、消化不良に感じられる部分もけっこうある。ただ雰囲気的には捨てがたいものがあり、絵作りにも独自の味があるんで、また機会があったら何か描いてほしいもんです。

【単行本】「ササナキ」1巻 ゴツボ×リュウジ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 「ササメキ」の後日談みたいなお話で、サッカー部も解散しちゃって妙な状況になっちゃっている竹生島高校を舞台にした学園ドタバタギャグ。……なんだけど個人的にはいまいち。なんかギャグにしろストーリーにしろ、オシャレっぽくはあるものの、どうも小手先で作ってるなーという印象がある。無理にハシャいでいるようでもあり。ゴツボ×リュウジはセンスはあるっぽい感じがするのだけど、このままで続けていくと遠からず頭打ちなってしまうのでは。まだそんなにキャリアがあるわけでもないんだから、もっとしっかりストーリーやキャラを作ったりして、今しばらくはガチンコ勝負で行ってもいいんじゃないかなー。

【単行本】「サムライチャンプルー」2巻 作:manglobe+画:ゴツボ★マサル 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 「ササナキ」よりも、こちらのほうが個人的には面白く感じる。アニメ版を見ていたこともあるんだけど、キャラクターにおなじみ感があるし、ダラダラしたペースも悪くない。まあ気楽に読めます。


11/8(月)……エキゾチックジャンパー

▼未読物
【単行本】「バイオメガ」1巻 弐瓶勉 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「でろでろ」3巻 押切連介 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「資格救世主てつんど」3巻 高橋のぼる 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「探偵白書 −トラブルチェリー改訂版ー」 佐野タカシ 大都社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングキング 12/6 No.23 少年画報社 B5中

 「イケてる2人」を執筆している佐野タカシが新潟在住で、今回の中越地震で被災したこともあり、被災者および佐野タカシへの応援ページが掲載。佐野タカシも地震当日の夜はクルマの中で眠れぬ一夜を過ごし、当初は電気も通じてなかった状態の中、今回の原稿を執筆したとのこと。そんな状況でもしっかり仕事を全うする根性に感服。作者コメントに「震災5日目にして、ようやく熱いコーヒーが飲めました」などと書いている状況であるにも関わらず、作品やいつもとさほど変わらぬクオリティを維持している。プロだなあ。黒岩よしひろ「永遠の空」。学校で同級生たちに服をひんむかれたりとイジメられていた女の子・空が、ある日突然活発な少女に変身し、幼なじみの愁人はドギマギ……という出だし。ストレートに煩悩を発揮した、エッチ系のラブコメっていう感じか。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 12月号 竹書房 B5中

 DVDがついてるけど、やっぱ近代麻雀系で450円ってのは高く感じるなあ……。城埜ヨシロウ「ウラセン」。前回の対ヤクザ高レート麻雀の影響で、城埜ヨシロウが壊れ気味。今回も容赦なく作家をいじるなあ。いでえいじ「かっぱがれ」。編集部・秋氏を食い物にする朽葉狂介の鬼畜っぷりがちょっと面白かった。

【雑誌】ヤングマガジン 11/22 No.50 講談社 B5中

 蓮古田二郎「しあわせ団地」。ホットケーキをめぐり、はじめとさなえが喧嘩。そしてはじめが浮気に走るか……ってな話だが、そのうちまたヘンな展開に。はじめの自分勝手すぎるトークが身もふたもなくて面白い。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/22 No.50 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」。寒くなってきたこともあり、ともおの例のジャンパーが復活。このジャンパーのデザインはやはり良い。なお11月21日開催のコミティアでは、ティアズマガジン表紙登場記念として小田扉グッズ3種が販売されるらしい。そのうちTシャツの図柄がこのジャンパーと同じになる模様。品切れにならないうちに到着できたらぜひ買いたい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/22 No.50 集英社 B5平

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」。ライト&Lの掛け合いがなんか微笑ましい。ミサもギャルギャルしくてかわいいですな。お話的にはちょっとゴチャゴチャしてきたかなーという感じではあるけれども。読切、加地君也「ストライカー義経」は、サッカー部内でイジメられていた弁慶という名前の少年が、義経という名の元気者の転校生に引っ張られて変わっていくという内容。元気が良く、作画も少年漫画らしくて、きっちりとまとまった作品。

【雑誌】FEEL YOUNG 12月号 祥伝社 B5平 [定期購読:eSicon

 IKARING「しまいもん」。面白い。例の因果姉妹が合コンを終え、発した言葉は「ああ……キモかった……」。初っぱなから魑魅魍魎的な男たちに姉妹たち御一行がからまれてて阿鼻叫喚。まあユーコのほうはいつもながらマイペースだけど。しょうもなくて笑える。ジョージ朝倉「ピースオブケイク」は巻頭カラーだが、この後はちょっと休んで来年再開予定とのこと。安野モヨコ「監督不行届」は毎度ほのぼの。庵野監督の行動がいちいち面白く興味深い。

【雑誌】YOUNG YOU 12月号 集英社 B5平

 創刊18周年記念ということで読切特集。槇村さとる「月下美人」、石井まゆみ「ヨーヨーキルト・フラワーズ」、谷地恵美子「召しませ花を」、榛野なな恵「君と会う朝の広場」が掲載。榛野なな恵の作品は前段となる話があるけれど、まあいちおう読切形態。

 東村アキコ「ゑびす銀座天国」は最終回。軽やかかつしみじみとした雰囲気もある恋愛ストーリーになっていて、気持ち良く読めるお話だった。ただ、ストーリー的にはもうちょっと決着をつけてほしかった、というかもう少し続けてもよかったような、とは思う。三角関係が宙ぶらりんのままでもらしいといえばらしいんだけどね。作:金原ひとみ+画:渡辺ペコ「蛇にピアス」も最終回。緊張感があってなかなか面白く読めた。これは話題性があるのでもう少し引っ張るのかと思ったが意外とアッサリ。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。山田、竹本の片想い話がメインのときはやっぱいいですな。竹本自分探し編のあたりは迷走気味かな〜とも思ったが、彼が帰ってきてから調子が戻ってきた感じ。

【雑誌】MUJIN 12月号 ティーアイネット B5平 [定期購読:eSicon

 瀬菜モナコ「ソコは開けちゃダメ!」。受験勉強に集中するためにウィークリーマンションを借りた学生さんが、ひょんなことから隣の部屋に住む人妻さんとコスプレHというお話。コスプレ自体はそんなではないけど、好みな人妻モノということで……。高瀬七緒「音の姉妹」。自分の姉に恋する幼なじみの少年を、切なく見つめる少女が一人、ってな感じ。垢抜けないが暖かみのある絵柄はわりと好き。


11/7(日)……亡父右傾法

【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.30 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 今回の表紙は志村貴子。そして新連載「青い花」もスタート。高校に入学した初日に電車でバッタリ出会った二人の少女。学校は違うが印象的な出会いをした二人だが、実はそれは初対面ではなく、それをきっかけにして新たな関係が始まっていく……ってな出だし。黒髪でロングのストレートな万城目ふみさんは、キリッとした大人っぽい外見のわりに、実は内気で泣き虫。もう一人の奥平あきらさんはマイペースな元気者って感じか。まだこの二人がどうにかなったりはしていないものの、甘美な雰囲気は十分漂っており心トキめく予感に満ちている。今後の展開がまずは楽しみ。

 コナリミサト「ランドリー×ランドリー」。主人公の女性が、自分の中の空虚を埋められないでいた彼女の若いころを振り返るといったお話。スタイリッシュでキュートなギャルっぽい絵柄が特徴。まあちょっとオシャレすぎて青臭く感じられもするけれど、全体的な雰囲気としては嫌いじゃないかな。松本次郎の読切「ハードボイルド坂田」は、ターゲットを狙撃するために何年も何年も、とあるビルの窓からスコープをのぞき続けた殺し屋の人生を描く。見張りは常に続けながら、売春婦と関係を持ちその女との間に子供までできてしまうが、彼はその間もスコープを覗くのをやめない……といったシュールな状況を描いていく。全体的にはけっこうハートウォーミングなお話に仕上がっており、後味は良い。きっちりまとまった読切。

【雑誌】コミックPOT 12月号 メディアックス B5中

 今回は妹特集。この中ではイトウゆーじのカラー漫画「WaKE UP!」、乙「暴風警報はつれーちゅう」、まご「イエローチェリー」あたりが絵的に好み。妹特集以外では睦月のぞみ「僕の大嫌いなメイド」。自分の前ではいつも無表情で感情を出さないメイドさんに対して、つい意地悪してしまうけどそれは好意の裏返しなおぼっちゃまのお話。メイドさんの素っ気ない表情がけっこうカワイイ。EB110SS「てってけ子供祭」は第3話で最終回。子供乱交クラブの常連さんが、少女に告白したけど撃沈しちゃって……という展開。やってることはとんでもないけど、けっこうほのぼのした雰囲気なのが楽しい。

【雑誌】メンズヤング 12月号 双葉社 B5中

 読切で真田Xと東鉄神が載っているということで、ちょっと気になり購入。真田X「となり町クリニック肛門科」はカラー4Pで肛門科でめがねっ娘が触診されて悶えるというお話。塗りが鮮やかで達者な作画が目を引く。東鉄神「ほしがりないもうと」。実の兄妹のように育った隣同士の幼なじみ少年少女が、今の心地よい関係性が崩れるのを恐れて告白できず……ってな状態から一歩踏み出すというお話。Hシーンは肉感的でけっこうH。ラブコメとしても微笑ましい。熱に浮かされたような女の子のもどかしげな表情がソソられますな。このほか、法田恵、矢凪まさし、RaTe、艶々ら、安定感のある作家が多く、安心して読めます。


11/6(土)……ラビやん

▼ちょっと取材とか勉強会とか、外に出る用事が続いててバタバタしておりました。

▼未読物
【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.30 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]
【雑誌】コミックPOT 12月号 メディアックス B5中
【雑誌】メンズヤング 12月号 双葉社 B5中

【単行本】「デ・ジ・キャラット ラ・ビ・アン! 〜うさだの恋の物語〜」 花屋敷ぼたん ジャイブ B6 [bk1][Amzn]

 「デ・ジ・キャラット」シリーズでおなじみ、うさだひかる、またの名をラ・ビ・アン・ローズと、彼女が片想いする同級生の男の子・面茶きよし君の恋愛模様を描いていくラブコメ。世界観はアニメ「デ・ジ・キャラットにょ」に準拠しており、まねきねこ商店街が舞台。恋に思い悩むうさだはいつもより何割増しかでオトメチック。花屋敷ぼたんの作画は華やかで、なかなかかわいらしく描けてていいです。ラブコメとしても上出来。あと「デ・ジ・キャラットにょ」世界のほのぼの感もしっかり出ていて読んでるとけっこう和む。これは良いうさだだと思う。

【単行本】「デスノート」4巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻もしっかり面白い。第2のキラ、デスノートを持つ少女・ミサという不確定要素の登場で、ライトも窮地に立たされることに。理屈っぽいお話を、見やすい絵とハッタリを駆使して面白く読ませる手腕はさすがに一級品。キャラクターも、人の生き死にがどーのこーのやっているのにいずれも憎めない。リュークのマヌケ面、レムの不器用そうな振る舞いなどなど、死神二人も見てて楽しい。今後もどーゆーふうに持っていくのか楽しみ。

【単行本】「武装錬金」5巻 和月伸宏 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 カズキたちの学校にL・X・Eが攻めてきて、序盤のクライマックス的展開。命を賭けて戦うカズキ&斗貴子、それから二人を後押ししようと頑張る友達連中の姿がアツい。あと「ジョジョ」でいうサンタナみたいな新たな敵役も登場。バトルがメインながら、友達連中との触れ合いやらちょっとしたジョークやら、いろいろ美味しい要素を詰め込んでしっかりエンターテインメントしてると思う。この巻もきっちり楽しめた。

【単行本】「いちご100%」13巻 河下水希 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 全体の展開はわりとどうでも良くなってきているが、そのときどきで「この娘がかわいい、あの娘も捨てがたい」とか考えつつ、カワイイ女の子たちの姿を楽しみながら読んでいくのは依然として楽しい。真中もいい加減どうにかしろ、などといったことはあえて考えないようにしつつ、目先の快楽を追う。そんな読み方もよろしいのではないかと思います。

【単行本】「スティール・ボール・ラン」3〜4巻 荒木飛呂彦 集英社 新書判 [bk1][Amzn:3巻/4巻

 スタンドが登場してきてから、物語がちょっとシンプルでなくなり、読みにくくなってきちゃってるかな〜という気がする。1〜2巻の時点では、今までのジョジョ世界のしがらみをいったんリセットできたおかげでだいぶ読みやすかったんだけど。あとジャイロ・ツェペリとジョニイ・ジョースターが完全にメインになり、サンドマン、ポコロコ、ディオといった豪華キャストたちの出番が減っちゃってるのも惜しい。個人的には1エピソードはもう少しサクッと切り上げて、その分、たくさんのキャラ、たくさんの美味しさを詰め込んでいくような感じのほうがいいような気がする。でもまあ登場キャラはアクが強くて面白いことは面白いけれども。


11/5(金)……包皮自慢

【雑誌】コミックフラッパー 12月号 メディアファクトリー B5平 [定期購読:eSicon/Fujisan

 柳沼行「ふたつのスピカ」の府中野くんに相変わらず萌え萌え。アスミのことを昔から見守り、彼女への想いを抱きつつも、ほかの男子に会いに行こうとするアスミをアシストしてしまう不器用さが切ない。優しい男の子です。竹本泉「さくらの境」は2回め。ひょんなことから美少女姉妹(&猫10匹)と同居することになった主人公女子のさくら。ものすごくシッカリした非の打ち所のない美少女だと思っていた、同居人の上桜ニ子ちゃんが実は……。猫を描きたい、美少女を描きたい、これらがうにゃうにゃ転がってるところを描きたいという欲求が素直に現れてて素晴らしい。なんだか立派だ。

 新居さとし「ただ死んだだけの話」がまたも掲載。読切かと思ったらシリーズ化しそう。今回のラストも次回につながるヒキがあったし。なお内容は、死んだはずの彼女が幽霊になってずっとつきまとってて、彼氏の少年にとっては全然死んだ気がしねー、というドタバタラブコメ。なお新居さとしの初単行本「地球防衛OLいちご」[Amzn]は11月22日発売予定、なのだが「よりぬきいちごさん」という副題がついてて、全部が収録されるわけではない模様。でもまあ単行本が出るだけでも良しとせねばならんかな。作:夏秋のぞみ+画:谷澤史紀「すいむ。」。最近は主人公の直樹ちゃんに片想いする森野さんの存在感が増し、三角関係状態になって面白くなってきている。直樹と幼なじみのあいは恋愛モードには入ってないけど。気がつけばこれも連載19回め。フラッパーの作品はなかなか単行本にならないんだよなー。新人、君塚祥「ナジミ年代記」は、平凡な女子高生がいきなり勇者とやらに任命されて冒険の旅に出ろといわれるが、彼女はそんな将来に思い悩む。というとギャグっぽいが、硬質で品の良い描線による作画で、センチメンタルな青春ストーリーとしてお話は展開。ちょっと全体に硬いかなという気もするけど、ストーリー設定とかはなかなかユニークだし、絵も悪くない。もう少しこなれてくると良いかも。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11/20 No.22 小学館 B5中

 水島先生がまたやってくれました!! この前「あぶさん」でダイエー×中日の脳内日本シリーズをやらかしたと思ったら、なんとそれが本当に脳内日本シリーズだったとは……。いけしゃあしゃあとこういうことやってくるあたりはさすが。爆笑しちゃったよ。ちなみに西武の日本一についてはまるっきり無視です。スゴイ。でもパ・リーグがプレーオフを続ける限り、日本シリーズの直前までどこが進出してくるか決まらないわけだから、来年からは日本シリーズ開幕に間に合わせるとかいうのをやめないと、毎年こういうことが起こるぞー。まあパがいつまであるか分からないけど……。

 原秀則の読切「俺と親父のバラード」。母の葬式のおかげで、久々に再会した主人公とその父親。昔から反発し合っていた二人だが、久々の再会でお互いの思わぬ一面を見てちょっとだけ雪解け……ってなホームドラマ。さすがにベテランだけあって、きっちりお話をまとめているしよくできてる。

【雑誌】コミックバンチ 11/19 No.49 新潮社 B5中

 日高建男「満腹ボクサー徳川。」。徳川と東太平洋ヘビー級チャンピオン・イレワとの対決が迫る。だんだん盛り上がってきたが、自然を愛するイレワが日本の屋久杉を見たいと興奮しまくるあたりはちょっとユーモラス。この作品の登場人物はけっこうみんなクセがあって意外とチャーミングだと思う。

【雑誌】花とゆめ 11/20 No.23 白泉社 B5平

 山田南平の新連載「まなびや三人吉三」がスタート。「三人吉三(さんにんきちさ)」を名乗って学校を舞台に暗躍するナゾの三人組の正体をめぐって、新聞部の和み系な新入生の八百屋七々子、通称やぁやちゃんが頑張るというドタバタコメディ。このやぁやちゃんが関西から関東に引っ越してきた初々しい娘さんで、見ててなかなか微笑ましく楽しい。まずは順調な滑り出し。樋口橘「学園アリス」。今回は蜜柑と棗がちょっぴりいいムード。でもやっぱり恋する少年・るかぴょんがタイヘンかわいくてしょうがないのであった。アニメ版でもこのかわいさがちゃんと出るといいっすね。

 ふじもとゆうき「となりのメガネ君。」。ラブラブカップルとなった栗子さん、美波くんの姿を微笑ましく見つめる少年一人。今回は学園のスポーツ大会が行われ、そのさなかに二人のつながりを感じさせるエピソードもあって、いい感じで気持ちがほこほこあったまりました。嶋野響の読切「先生、それはヒミツです」もけっこう楽しく読める作品。女子校と男子校が統合されて、ヒロインの乃愛のクラス担任になったのは幼なじみのおにいちゃん。クラスのムードメーカーでもあるおにいちゃんは、乃愛が初恋の人だと公言してはばからず、乃愛のほうはむずがゆい気持ちに……というドタバタコメディ。明るく楽しくラブコメしてて好感の持てる作品。

【雑誌】桃姫 12月号 富士美出版 B5平

 東鉄神「ちんこの穴」は、「ちんぽ入れてください」と書いてあってそこにちんこを入れると中の人がフェラチオしてくれるという、謎の都市伝説的段ボールをめぐるお話。中の人は実は主人公に、学校ではつっかかってくる委員長女子で……ってな展開。この手の「壁の穴」系のネタは実はけっこう好き。絵のほうもピチピチしているし、フェラチオ描写もねちっこくて実用的です。島本晴海「ちゅ〜ぺっと」。前回でいろいろほのめかされた相澤さんを心配する主人公の藤川だが、今回は話はさほど進展せず、悩む藤川を心配するひいなちゃんとのエッチがメインに。このコもいい娘さんなのでうまいこと幸せになってくれるといいんですが。けっこう読ませるし、先が気になる作品。

【アンソロジー】「くノ一少女 卍秘宝」 司書房 B5平 [Amzn]

 司書房は本当にくノ一が好きなのだなあ……とこのシリーズを見るたびに思う。今回は新作だけじゃなくて再録も含んでるのかな? どれが再録だかよく分からないけど、とりあえず北河トウタ「忍恋」はそう。このほかにはばにー浦沢、北方国明、RAYMON、けんたろう、天野英美、御鏡せつな、あわじひめじ、花妻見枝豆丸、稲葉晃次、松林剣風、火野聡司が掲載。内容的には稲葉晃次「置屋物語」が「千と千尋」のパロディっぽい内容で、明るくかつエッチで良かった。


11/4(木)……挨拶仁者

▼ぬ〜。時間が足らんでござる。

▼未読物
【単行本】「いちご100%」13巻 河下水希 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「武装錬金」5巻 和月伸宏 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「デスノート」4巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「スティール・ボール・ラン」3〜4巻 荒木飛呂彦 集英社 新書判 [bk1][Amzn:3巻/4巻
【単行本】「JIN −仁−」4巻 村上もとか 集英社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】モーニング 11/18 No.49 講談社 B5中

 能條純一の新連載「愛の殺人者」がスタート。依頼者の身の上を聞き、それに泣くことができたら相手を殺してあげる、自殺代行請負人的な男が主人公の物語。「泣かせてくれたら、殺してあげる。」という決め文句があるのは、いかにも能條純一らしいノリ。作:五木寛之+画:いわしげ孝「青春の門」。いかにも心根の太い、九州男児らしい男たちを描いててけっこう面白いと思う。個人的には前作の種田山頭火よりも、こっちのほうがざっくりしてて好きだな。石川雅之の読切「ヘッドホンの男」は、常にヘッドホンをつけていて、滅多に外に出ることもなかった少年の心に、彼の実家である理髪店で従業員をやってる気さくなお姉さんが触れていくというお話。無理に心の扉をこじ開けようってんでなく、相手のぺースに合わせていく様子は穏やかな雰囲気はなかなか良い。でもなんか連載ものの第一話って感じでもあり、むしろ続きを見たいという感じがした。

【雑誌】ヤングサンデー 11/18 No.49 小学館 B5中

 北崎拓「クピドの悪戯」は、主人公の睦月と職場の女の子・怜子ちゃんの初デート。両方とも成人だがたいへん初々しい。痛い展開もけっこうあったりするお話だが、やっぱり女の子は魅力的に描けているし、ラブコメというかラブストーリーというかを、手堅く構築してるな〜と思います。なんだかんだいって北崎拓の安定感は好きだ。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/18 No.49 集英社 B5中

 中野純子「ちさ×ポン」。自分がポン太にとって足手まといになっているんではないかと危惧したちさは、またしても彼に別れを告げようとする。しかしポン太はそこからまた一歩踏み出そうとして……。恋愛をきっちり前向きな方向につなげていこうとする展開に、しっかりとした手応えがあって好感が持てた。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/18 No.49 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。急造キャッチャーの大瀧が、意外なキャッチャー適性を見せる今回。大瀧くんは投手としても活躍したり、ぽっちゃりした外見のわりに案外器用。けっこう好きなキャラ。これで涼山中の捕手問題にファイナルアンサーか?と思ったりもするけど、現代野球のキャッチャーって、肩と打力のほうが重視されがちだからなあ……。作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI「かりんと。」。ああ、ええですなあ。最近はラブコメ展開の中心が、花梨+大沢から委員長+修一のほうに移ってて、今回は4人が映画館でダブルデート状態。修一のいい人ぶりと、委員長の乙女チックな振る舞いがたいへん微笑ましい。花梨ちゃんは最近ボケキャラに定着してきましたな。


11/3(水)……一騎が通せんぼ

【単行本】「まほおつかいミミッチ」1巻 松田洋子 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 すごく貧乏でしみったれた考え方のしみついた魔法使い少女のミミッチとその母の、地味〜な暮らしをぶちぶち描いていくという内容のお話。松田洋子らしい重箱の隅をつつき回すようなノリは健在だけど、今回は主人公が子供ってことでわりとカワイイ系でまとまっている感じ。その分毒が少ないので、まとめて読んでるとちと飽きてきたりもするんだけど。あとミミッチのほかに「お母さんといっそ」2本も併録。

【単行本】「ピルグリム・イェーガー」4巻 伊藤真美 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 作画がカッコイイなあ。中世ヨーロッパ、キリスト教世界観、異端、魔術などなど、ミステリアスな要素がふんだんにちりばめられていて雰囲気は非常にいい。でも単行本が出るたびに「えーと、これまでの話はどんなだったっけ……」と思ってしまったりもする。読んでいるうちに思い出すんだけど。ストーリーの流れ的にもう少しズバッとした柱的なものがあるとインパクトが強くなるかも。

【単行本】「一騎当千」8巻 塩崎雄ニ ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 赤壁の戦いに一歩一歩近づいているという展開。パンモロやら胸モロやらがいつもながら盛大でサービス満点。バトルも激しさを増しててハッタリが利いている。読みやすいし、なんだかんだで毎度楽しめる。

【単行本】「ブラックジャックによろしく」10巻 佐藤秀峰 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 精神科医編が続く。答えの出しづらい問題に対して真っ向勝負で挑んでいく姿勢はこれまで同様で、力が入っている。ただちょっと佐藤秀峰パターンに慣れてきてしまった感も多少あり。

【単行本】「TOKYO TRIBE2」10巻 井上三太 祥伝社 変型判 [bk1][Amzn]

 東京は怖かところです。ヒトラーのような格好で暴走を続けるスカンクが率いる「Neo Wu」改め「スカンク帝国」と、生き残ったトライブたちの最後の戦いの火ぶたが切って落とされようとしている……という展開。町中で狩ったり狩られたり。現代版番長抗争モノとして、案外シンプルに面白くできてると個人的には思います。

【単行本】「にらぎ鬼王丸」3巻 作:荒仁+画:坂本眞一 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 宇宙から落ちてきた鉄である「星の鉄」を巡る、月山鍛冶の青年・鬼王丸の冒険の旅が続く。細部までしっかり描き込まれた気合いの入った力強い作画が相変わらずカッコイイ。それだけに連載が終わっちゃったのは惜しいなあ。ヤンジャン作品としてはちとシブすぎたか。レギュラーキャラに女の子一人もいないしねえ。

【単行本】「てるてる×少年」9巻 高尾滋 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 物語はずいぶん動いていて、しの姫と御城の家をめぐる秘密もだいぶ全貌が見えてきた。でもこういう事態が動く展開になってくると、どうもお話が頭に入ってきづらくなってしまう。高尾滋は恋愛など繊細な感情を描く叙情のキレは素晴らしいけれども、叙事はやっぱりあんまりうまくない気がします。


11/2(火)……ステイゴールドザウルス

▼未読物
【単行本】「ササナキ」1巻 ゴツボ×リュウジ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「サムライチャンプルー」2巻 作:manglobe+画:ゴツボ★マサル 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】週刊少年サンデー 11/17 No.49 小学館 B5平

 最近いまいち感が強い。保守的なのはサンデーらしさともいえるんだけど、井上和郎「美鳥の日々」、久米田康治「かってに改蔵」の2作の終了以降、個人的には読みどころが減った。福地翼「うえきの法則」や田中保佐奈「暗号名はBF」も終わっちゃったし。今号は連載陣も全体にまったりしててどうもパッとしない。「金色のガッシュ!!」が始まる前くらいのサンデーに戻っちゃったような感がある。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/17 No.49 講談社 B5平

 作:小森陽一+画:久保ミツロウ「トッキュー!!」は、漂流編の最終幕。次回からいよいよタイトルどおりの新展開となりそう。大島司「ステイゴールド」は最終回。テニスもの自体はけっこう好きなんだけど、意外と地味だったかな。もう一つのテニスもの、高岡永生「フルたま」のほうも苦戦気味な感じ。

【雑誌】漫画アクション 12/2 No.14 双葉社 B5中

 こうの史代の新連載「さんさん録」が開始。妻に先立たれ、息子の家で同居することとなったおとうさんの日常を描いていくという内容。ほのぼのホームドラマになるか、残された男の哀愁を描いていく感じになるか。まあそれはともかくして、今回は最終ページ前の、大ゴマが美しかった。やはり情景描写の一枚絵でしみじみ見せられるってのは、こうの史代の大きな武器だと思う。作:監修・蓮池透+画:本そういちの北朝鮮拉致問題実録ドキュメンタリー「奪還」が最終回。意外とあっさり終わったなと思ったら、次回から第2弾として横田恵さんについて扱った「めぐみ」がスタートするとのこと。あと今号には、カンヌ映画祭でグランプリを受賞した韓国映画「オールド・ボーイ」の原作である作:土屋ガロン(狩撫麻礼)+画:峰岸信明の漫画が再録掲載。

【雑誌】漫画サンデー 11/16 No.44 実業之日本社 B5中

 むつ利之「44歳のマウンド」。4号連続の特別ゲスト。ライバル企業に対抗して、プロ野球に参入するといいだした解散寸前の社会人野球部に、44歳の救世主が登場……という内容。タイトルとアオリ文句を見た瞬間に「ナックルボーラーなんだろうなあ」と思ったが、やっぱりそうだった。ベテランだし、フォーマットも決まってるし、手堅くまとめてきそう。

【雑誌】コミックメガストアH 12月号 コアマガジン B5平

 イソラシ「性欲全開娘」は第11回コミメガ漫画大賞から出た新人さん。作画はとても達者で明るく元気良し。エロのほうもしっかりちんことか描き込んでて、実用面でも悪くない。時間を止められる超能力を持った女の子が、みんなが固まっている間に男の子にイタズラしてエッチしまくるという内容は、イタズラ心が利いててなかなか面白かった。紺野あずれ「キャプテンのお仕事」。微妙にヌルめな感じの絵柄が見ててほんわか。でも内容的にはバレー部キャプテン女子のお尻にアナルバイブを入れて調教してたりして、やるこたーやってるって感じ。柔らかい作風でわりと好き。天竺浪人「はだか姫」。たまって悶々としている人には全裸にしか見えない、謎の天然娘、自称「かりん星からやってきたかりん姫」な女生徒が、末は犯罪者的な変態くんたちをスッキリさせて良い方向へ導いちゃうぞ〜というお話。今回は馬鹿っぽいギャグテイストな話で、カラッと楽しくやってて後腐れないところが良いです。

【単行本】「気持ちいい場所」 島本晴海 富士美出版 A5

 2003年8月初版発行だけど、なんとなく今ごろ。仲良し女の子4人組、それぞれの恋とエッチ、そして友情を描いた学園モノのラブコメエッチ漫画。メインとなるのは、年がら年中エッチはしている幼なじみの斎木晃に、なかなか「好き」という言葉が伝えられないでいるめがねっ娘の大河原彩。この二人をメインにしたり、ほかの娘さんたちをメインにしたりしながらお話は賑やかに展開。島本晴海の、甘く濃密なラブラブ感あふれる描写が読んでて気持ち良く、ラブコメとしても楽しい。なんかこういう愛にあふれる恋人たちが、ベタベタくっついて幸せそうにしている作品を読むと、妙にいやされちゃったりしてしまう今日このごろ。


11/1(月)……退魔師ネットワーク

▼11月購入スケジュールは以下のとおり。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成しています。あと、ちょっと試しにAmazonでのタイトル検索結果にリンクを張るJGAWKのスクリプトを作ってみました。自動生成なんで、まだAmazonのデータベースに登録されておらず該当物件が表示されないリンクも多々ありますが、その点はご了承ください。

▼11月購入スケジュール
11/1 「ササナキ」1巻 ゴツボ×リュウジ 角川書店
11/1 「サムライチャンプルー」2巻 作:manglobe+画:ゴツボ★マサル 角川書店
11/4 「いちご100%」13巻 河下水希 集英社
11/4 「武装錬金」5巻 和月伸宏 集英社
11/4 「デスノート」4巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社
11/4 「スティール・ボール・ラン」3〜4巻 荒木飛呂彦 集英社
11/4 「JIN −仁−」4巻 村上もとか 集英社
11/5 「賭博堕天録カイジ」1巻 福本伸行 講談社
11/5 「バイオメガ」1巻 弐瓶勉 講談社
11/5 「でろでろ」3巻 押切連介 講談社
11/5 「資格救世主てつんど」3巻 高橋のぼる 小学館
11/5 「探偵白書〜トラブル・チェリー〜」 佐野タカシ 大都社
11/7 「デ・ジ・キャラット ラ・ビ・アン! 〜うさだの恋の物語〜」 花屋敷ぼたん ジャイブ
11/8 「スクナヒコナ」2巻 南Q太 祥伝社
11/9 「SUGAR」8巻 新井英樹 講談社
11/9 「サムライダー」5巻 すぎむらしんいち 講談社
11/9 「ジョバレ」1〜2巻 白井三ニ朗 講談社
11/9 「フェアリー・クリニック」 昆童虫 久保書店
11/10 「悪い笛」 吉田戦車 フリースタイル
11/10 「イケてる刑事」8巻 佐野タカシ 少年画報社
11/11 「ロボこみ」2巻 やぎさわ景一 秋田書店
11/12 「新貝田鉄也郎大百科ファイナル」 新貝田鉄也郎 コアマガジン
11/13 「脳内測定」 真海 ヒット出版社
11/15 「The Hard Core」 加賀美ふみを 平和出版
11/17 「capeta」6巻 曽田正人 講談社
11/17 「凌辱奴隷劇場」 奴隷ジャッキー エンジェル出版
11/18 「SALVA ME」 紺野キタ 大洋図書
11/19 「REAL」4巻 井上雄彦 講談社
11/19 「寿町美女御殿」1巻 山下和美 集英社
11/19 「あいびき」 勝田文 集英社
11/19 「学園アリス」6巻 樋口橘 白泉社
11/20 「いっしょがいいな」 たちばなとしひろ 大都社
11/22 「ちえのわ」 小だまたけし ぺんぎん書房
11/22 「地球防衛OLいちご」 新居さとし メディファクトリー
11/22 「オーバーマンキングゲイナー」3巻 作:富野由悠季+画:中村嘉宏 メディファクトリー
11/22 「U-31」2巻 作:綱本将也+画:吉原基貴 講談社
11/22 「はるか17」4巻 山崎さやか 講談社
11/22 「ジャイアント」8巻 山田芳裕kお 講談社
11/22 「不思議な少年」3巻 山下和美 講談社
11/22 「大漁!まちこ船」 三宅乱丈 講談社
11/22 「ラブやん」4巻 田丸浩史 講談社
11/22 「無限の住人」17巻 沙村広明 講談社
11/22 「Qコちゃん THE 地球侵略少女」2巻 ウエダハジメ 講談社
11/22 「ヨコハマ買い出し紀行」12巻 芦奈野ひとし 講談社
11/25 「白のふわふわ」 山名沢湖 エンターブレイン
11/25 「スミレステッチ」 山名沢湖 エンターブレイン
11/25 「かりんと。」3巻 作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI 秋田書店
11/25 「潔く柔く」1巻 いくえみ綾 集英社
11/25 「はこにわ虫」 近藤聡乃 小学館
11/25 「Something Sweet」 横山葱 茜新社
11/25 「ヨイコノミライ!」2巻 きづきあきら ぺんぎん書房
11/26 「螺子とランタン」 桂明日香 角川書店
11/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」8巻 安彦良和k 角川書店
11/26 「NHKにようこそ!」2巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店
11/26 「竜宮戦記」 伯林 角川書店
11/26 「ファミレス戦士プリン」5巻 ひのき一志 少年画報社
11/26 「万華鏡」 草津てるにょ 司書房
11/27 「よつばと!」3巻 あずまきよひこ メディアワークス
11/27 「恋の山手線ゲーム」 ながしま超助 双葉社
11/27 「委員長お手をどうぞ」1巻 山名沢湖 双葉社
11/29 「ホーリーランド」8巻 森恒ニ 白泉社
11/30 「遥かな町へ」 谷口ジロー 小学館
11/30 「凍土の旅人」 谷口ジロー 小学館
11/30 「最強伝説黒沢」5巻 福本伸行 小学館
11/30 「花縄」2巻 作:小池一夫+画:森秀樹 小学館
11/30 「団地ともお」3巻 小田扉 小学館
11/30 「ルサンチマン」3巻 花沢健吾 小学館
11/30 「MOON LIGHT MILE」9巻 太田垣康男 小学館
11/30 「鬼虫」4巻 柏木ハルコ 小学館
11/30 「」37巻 村上もとか 小学館
11/30 「ナンバーファイブ」7巻 松本大洋 小学館
11/30 「ナツノクモ」3巻 篠房六郎 小学館
11/30 「しろいくも」 岩岡ヒサエ 小学館
11/30 「鉄子の旅」1〜2巻 菊池直恵(監修:横見浩彦) 小学館

【雑誌】近代麻雀 12/1 竹書房 B5中

 作:小池一夫+画:ふんわり「花引き−ヴォルガ竹之丞伝−」が最高。もう最高に最低。鬼引き昭和礼次郎との対決が終わったと思ったら、性転換した竹之丞の兄にして姉なベラヤ・ラヒーモフ・杉江という妙ちきりんな名前の御仁がまたしても因縁をつけてくる。白だからパイパンとかいうネタはまあいいとしても、その後も全員が奇行を連発。くだらなすぎる。さすがにこの対決が終わったら最終回だろうと思っていたが、なんと「次号、新展開」。こいつはワクワクしてきたぜ。作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」。時刻表トリックを駆使して麻雀列車に戻ってきた哲也が、鬼モードと化してドサ健イジメに走る。みんなやることがムチャで面白いですな。

【雑誌】ビジネスジャンプ 11/15 No.23 集英社 B5中

 甲斐谷忍「ONE OUTS」。見事リカオンズのオーナーとなった渡久地だが、ナベツネみたいな人が出てきて、球団保有が認められるかどうかという瀬戸際に。そこで渡久地が持ちかけた案とは……という回。これで野球シーンはまたドラマチックになりそうだけど、実際はこんな甘く行くほど野球界のトップたちは聞く耳持ってなさそうな気がしますなあ。

【雑誌】ヤングマガジン 11/15 N.49 講談社 B5中

 田中宏「莫逆家族」が最終回。あまりちゃんと読んではいなかったんだけど、「ここぞ」という場面での盛り上がりは大したもんで、なんだかんだいって目を引き寄せられるものはあった。ハッタリの利かせ方はやっぱ一級品だと思う。宮下英樹「センゴク」。浅井勢の裏切りによって窮地に立たされた織田軍だが、死を前にして将や兵たちの気持ちが一つにまとまり、逆に気勢をあげる。勢い良く荒ぶっててテンション高く面白い。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/15 No.49 小学館 B5中

 のりつけ雅春「中退アフロ田中」。道端に田中となんか縁があるらしいいんらんお姉さんがヘンな着ぐるみを着て落ちている、という回。なんか両人ともしょうもなくて、なかなかいいコンビだと思う。このお姉さんの行動はけっこう面白い。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」。ウシジマ社長に拾われて調子に乗っちゃった少年が墓穴を掘ってボコボコに。いやー怖いですなあ。とは思うものの、今回のエピソード自体はもう一押し欲しかったかなという気もする。このあんちゃんがちとストレートに考えなしすぎるんだよね。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/15 No.49 集英社 B5平

 河下水希「いちご100%」。東城さんパンツ丸出し。暗闇アクシデントで真中とキスか、ってな話。いつもながらに生殺しだが、眼福感はある。あと蔵人健吾の妖怪退治モノの読切「退魔師ネネと黒影」も掲載。まとまってはいるけど、ジャンプはこの手の作品多いので、なんかもう一味欲しい。

【雑誌】ポプリクラブ 12月号 晋遊舎 B5中

 鬼ノ仁がポプリクラブに再登場。「starlet」という学園モノのエロエロ話。最近メガストアとかでは描いてないけど、本格的にこっちに活動の場を移したかな? 井ノ本リカ子「LOVE STORE」、BENNY’S「ずっと一緒」はいつもながら女体がやーらかそうで良いです。とくに今回は「ずっと一緒」の主人公の義母の優しい笑顔がナイスでした。


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