1/20(火)……チューチューTWAIN
▼今日も18日の日記で書いたMFC-8820Jで、漫画の切り抜きを何本かパソコンに取り込んでみる。ADFがあるのでだいたい自動で取り込んでくれるのはいいんだけど、Windows XP標準のスキャナドライバであるWIAのインタフェースがヘボくて慄然とする。前回取り込んだときの解像度や原稿読み取り方式の設定を記憶しておいてくれない。そのため取り込むたびにデフォルトが100dpiに原稿の読み取り方式がフラットベッドになっちゃうので、いちいち解像度を上げて読み取り方式をシートフィーダにして……とかやらなくちゃいけなくてウザい。TWAINドライバならそこらへんはできそうなんだが、メーカーに問い合わせてみたところMFC-8820JはWindows XP環境だとWIAドライバでしか使えないらしい。うーん、これなんとかならんかな。WIAに強制的に前回の設定を覚えさせるオンラインソフトとかないもんだろうか。探したんだけどどうも見当たらなかった。ていうかブラザーがちゃんとWindows XP用のTWAINドライバを作っておいてくれればそれで済むんだけど。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 2/3 No.3 講談社 B5中
咲香里「やまとの羽根」では、やまとが早坂先輩とアツイ勝負を繰り広げる。それにしても単行本の帯の陣内貴美子のことばにもあるように、やまとくんうまくなるの早すぎ。風間やんわり「たもっさんの時間」。今回はたもっさんがガンコ親父のラーメン屋にガツンといわせてしてやったり。たまにはこういうときもないとねー。堂高しげる「全日本妹選手権」では、再びたかしげ宙が原作を担当。しかも今回は前編で、2号連続合計61ページやるらしい。なんか内容のほうも意外にもマジメなアクションものとかやってるけど……。そう思わせておいて次号ではメチャクチャやりそうな気もする。
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中
新たな敵……っ! 黒沢さんの前に新たな敵……っ!! というわけで福本伸行「最強伝説黒沢」では、黒沢さんが中年の身体に眠っていた不屈のパワーを見せつけたかと思いきや、意外な不幸が彼に襲いかかる。周囲の人間の果てしない気楽さと、なんか戸惑ってる黒沢さんの様子が見てて面白い。深巳琳子「沈夫人の料理人」は巻中カラー。李三も黒沢さんと同様、見ててとても面白い。李三のおにいちゃんはロクでもないなー。李三にこの図太さがあったら、きっと沈夫人には嫌われていたでしょうな。
【雑誌】漫画サンデー 2/3 No.4 実業之日本社 B5中
作:新堂冬樹+画:千葉きよかず「炎と氷」が巻頭カラー。超武闘派のヤミ金業者・世羅のキャラが強烈でけっこう好き。今回も旧友との話し合いのときにビールを2杯頼んでおいて、「2杯ともオレのたい!」とのたまってゴキゴキ飲み干すあたり豪快であります。
【雑誌】花とゆめ 2/5 No.4 白泉社 B5平
今号はドラマCD付き。中条比紗也「花ざかりの君たちへ」、イチハ「女子妄想症候群」、樋口橘「学園アリス」、仲村佳樹「スキップ・ビート!」、日高万里「ひつじの涙」のオリジナルドラマ、全部で50分が収録されているとのこと。樋口橘「学園アリス」。今回は学園祭でみんなが劇。王子様の格好をした蜜柑がやけに可愛くて、ルカぴょんやら棗やらが秘かにトキめいちゃおうというお話だ。要するに可愛い少年少女が賑やかに動き回るさまを楽しむのがこの作品の本領なのだなあと改めて思った。高尾滋「てるてる×少年」は連載再開。大きくお話が動いているけど、そういうときは読みづらい。絵はうまい、叙情的な表現も抜群、でも今何が起きてどう展開しているかっていうのを整理して分かりやすく見せるのはいまいちうまくない。高尾滋作品を読んでて、その点はいつも惜しいと思う。
【雑誌】週刊わたしのおにいちゃん 1号 メディアワークス A5平 [Amzn]
萌えフィギュア同梱で話題となった例の本。フィギュアにはあんまり興味のない自分としては当初買うつもりはなかったのだけれども、kashmirさんが描いていると聞いたので悪鬼のごとき形相で購入。と思ったらkashmirさんは3コマだけなのかー。本のほうはこのほかに大嶋優木、YUG、ばらスィー、田中久仁彦、結城心一が描いていて全部で30ページちょい。絵がカワイイ人揃いなんで、パラパラ眺めてて楽しい。でもお話で読ますタイプの本ではないので、次号以降は買わないかなー。そういえばタイトルは「わたしのおにいちゃん」なわりに、実際の兄、妹という血縁関係がハッキリ示されたキャラってのはまったく出てきませんな。それはつまり、「あなたがこの娘さんたちのおにいちゃんなのですよ」という、読者ひとりひとりへのメッセージなのでしょう……。とか適当なことをいってみました。
【単行本】「先生が悪い!!」 高岡基文 ヒット出版社 A5 [Amzn]
いつもながらしっかり実用本位な作品を描いている。高岡基文の場合は絵柄的には劇画っぽくなくあくまでいわゆる「アニメ絵」タッチながら、そのピチピチした質感を生かした瑞々しいエロを描いている。美少女系らしい明るい絵柄の絵でヌキたいって人にはオススメできる作家さん。今回の単行本は、巨乳メガネッ娘女教師とその生徒である高橋くんがメインの全4話と短編が2本。その中ではみんなで遊びに行った海で、高橋くんがほかの女子にモテモテなのにふてくされたセンセイが、同行のザコ男子2人にヤラれちゃう「シューティングスター」がとくにヒット。そこまでの3話で高橋クンと先生がラブラブになっているだけにエロさひとしお。全体で見るとヒット出版社の単行本の常として収録話数は少ないけれども、しっかり使えます。とくに女教師さんの巨乳は、作者自身「描けば描くほどでかくなる」というようにタイヘン大きい。そして柔らかそう。巨乳スキーな人間としては嬉しい乳だ。
1/19(月)……している暴乱
▼第25期東京都青少年問題協議会答申及び都民意見の募集について(東京都)
AMI NewS 1/20の項でも取り上げましたが、東京都のホームページに第25回東京都青少年問題協議会答申の内容がアップされました。また「北の系2004」に、答申をHTML化したものが掲載されてます。上記の東京都のページでは意見募集も行われているようなので、今回の答申について思うことのある方は、いっちょ意見を直接ぶつけてみちゃあいかがでしょうか。募集の締切は2月2日だそうです。
▼20日売り
【単行本】「先生が悪い!!」 高岡基文 ヒット出版社 A5 [Amzn]
▼21日売り
【雑誌】COMIC LO 3月号 Vol.4 茜新社 B5平
COMIC LO Vol.4は発売が遅れたけど、編集後記によると、それは「漫画家さんのせいでも編集のせいでも」なく「昨年の児童略取多発のせい」とのこと。なるほど、いろいろあるんですな。
▼Exciteブックスに荒木飛呂彦新連載のニュースを送ったところ、やけにそのページからウチに飛んで来る人が多い。「やっぱり荒木飛呂彦は注目度が高いのだな」と最初は思っていたのだが、カトゆー家断絶からそのニュースにリンクが貼られていたのが原因だった模様。ほかからも貼られているかもしれないけど、ニュースサイトはほとんど見てないんで知りません。まあリンクが張られたのはタイトルに勢いがあったからでしょう。ネットのニュースはタイトルのつけ方しだいでアクセス数が全然違うらしいし。で、タイトルのわりにニュース自体に大したことが書いてなかったので、不完全燃焼となった閲覧者が情報を求めてこっちに流れてきたと。そんな感じでありましょう。いやー、こっちでも大したこと書いてなくてすみませんなー。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 2/2 No.8 集英社 B5平
荒木飛呂彦のォォ!新連載がァァァ!始まったァァァァッ!!……とExciteブックスで使ったフレーズをこっちでも使う芸のない私。タイトルは「スティール・ボール・ラン」。「ジョジョ」の最後のほうは、自分にはどうも読めなかったんだけど、これは面白かった。内容は荒木版「キャノン・ボール」。1890年のアメリカを舞台に、馬でもってアメリカ大陸を横断するサバイバル・レースに、数々の男たちが挑む!(女も出てくるかもしれないが……)という感じ。「ジョジョの奇妙な冒険」のパラレルワールドなんだそうで、あそこらへんの人たちと関係のありそうな人たちがぼんぼこ出てきて過酷なレースを繰り広げるという内容になる模様。初っぱなから強烈にハッタリが利いてるし、絵の迫力、キャラの魅力も十分。まずは引き込まれたのでこれからも期待したい。
画:小畑健+作:大場つぐみ「デスノート」。今回もうまい。きちんと理詰めで話を進めていく手応えが気持ちいい。河下水希「いちご100%」では、最近東城さんのウエートが高まってる。あとちょっと前までは西野さんも。やはりその他の人たちはだんだん整理されてきてる感じだなー。和月伸宏「武装錬金」は蝶野の核鉄ポジションが素敵。なんか遠赤外線とかいろいろ滋養強壮に良さそうだ。
【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平
表紙には六道神士の名前があるが掲載は間に合わず。また「BASTARD!!」もいつものごとく。そんなわけで今号は読切が多め。でもその読切も達者な作品が揃ってて、大手出版社ならではの層の厚さを感じさせる。まずは大野ツトム「エデン」。破滅した地球のただ一人の生き残りかと思われた男が、さまよっているうちに一人の女性と出会う。しかし彼女の正体は実は死神で……というお話。短くて軽く読めちゃう作品だが、大野ツトムのシャープな描線、ガッチリしたキャラ造形は目を引く。そのうち連載までこぎつけられるといいんだけど。厚子康洋「創造主は眠る」は、第6回21世紀ウルトラ漫画賞の佳作受賞作。とある殺し屋が、うさんくさい人々に世界の危機を救う仕事を依頼される。こちらも絵はかなり達者で、ちょっぴり皮肉なお話をきっちりまとめあげている。東知行「ディストラクション」もウルトラ漫画賞の佳作。超能力の持ち主である日本人が、アメリカの地でその能力をめぐる事件にまきこまれる。お話のテンポが軽快で、口が良く回る主人公のキャラ作りも悪くない。この人はわりとすぐ連載でやってけそうなタイプという気がした。
連載のほうでは脚本:倉田英之+画:okama「CLOTH ROAD」が好調。今回はファーガスとジェニファーのコンビが、コンピュータ服を使ったバトルにトライ。動きの描写にスピード感があってなかなか爽快。もう少しフィールド全体で何が起こっているかつかみやすいとなお良いけど。竹下堅次朗「Happy World!」では井ノ頭先生の見合い話が。まあ軽い日常話ではあるけど、ほのぼのしてよろし。
【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平
「ミニでお試しGX」という読切企画が掲載。ムラオミノル、かずといずみ、クリス直孝、瓦敬助、犬上すくねの5人がそれぞれ4ページで妹もしくは姉が出てくる萌え系な漫画を描くというもの。ちょこっとずつつまみ食いできるって感じがわりとお得。犬上すくねは「ラバーズ7」のほうも恋愛色が濃くなってて心が華やぎます。花見沢Q太郎「●Rec」は非常に良い感じでラブコメ中。ボクの彼女が声優で……というベタなネタをきれいに料理しております。さすがうまい。浅野いにお「素晴らしい世界」は、いつもながら日常に退屈しているやる気なさげな青年が主人公。しかし周囲のすべてに無関心であるかのような態度は、ちょっとした出来事がきっかけで崩れ去り、生々しい人間性が見えてくる。そこらへんの青臭さがイイ。
【雑誌】チャンピオンRED 3月号 秋田書店 B5平
麻宮騎亜の新連載「JUNK」がスタート。引きこもっていた少年が、ネットのモニター募集に応募したところ、得体の知れないスーツが送られてくる。それによって彼は巨大な力を手に入れ、闇を駆けるヒーローとなる……ってな感じかな。渡辺航「征服ぬいだら♪」。今回はみのりの妹である果実もぎたてがメインなお話。姉妹揃って頭のネジが外れまくっててほわーんとしている。「天然」もここらへんまでくるとぶっ飛んでて楽しい。
【雑誌】ヤングマガジン 2/2 No.8 講談社 B5中
ぢたま某がヤンマガ初登場。「KiSS×SiS」という読切を描いている。主人公の中学生男子には、血のつながらない姉が二人。両方とも主人公のことが大好きで、寝るときも弟の腕枕、起きたら起きたでベロチューをしてきたりする。というわけでうれしはずかしアツアツラブコメ。なんかもうベタに萌えで攻めてきててキューってな感じ。さすがツボを押さえていらっしゃる。福本伸行「賭博破戒録カイジ」が次回で完結とのこと。でもまた続きがありそうだな。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 2/2 No.8 小学館 B5中
小田扉「団地ともお」は、今回ケリ子ちゃんがメインのイイ話。ギャグだけではないいい味を出しててとても良い。週刊ペースになってもコンスタントに力を発揮できてる。まあ週刊漫画サンデーでも実績ある人だから意外ではないけど。玉井雪雄「オメガトライブ」。血をダラダラ流しつつも戦いを止めない小菅の姿が迫力あり。顔は気持ち悪いけど、それがだんだん凄みを帯びてきた。古屋兎丸「π」では、夢人のライバルとなる人物が登場。乳フェチの夢人に対して相手は尻フェチ。これもキャラがやたら濃い。変人ばっか出てきて楽しいです。花沢健吾「ルサンチマン」は4話めだが、なかなかいい感じで盛り上がっている。この人はなかなか漫画うまいと思う。今回は「現実を直視しろ。おれ達にはもう仮想現実しかないんだ。」というセリフに感動。
【雑誌】まんがくらぶオリジナル 3月号 竹書房 B5中
バレンタインデー話がてんこ盛り。最近の漫画雑誌は季節感のある作品がどんどん少なくなってきた。これは「×月号」「×月○日号」という表記と実際に雑誌が発売される日付がズレまくっていることも原因だろうけど、4コマ雑誌はわりとそこらへん律儀にやってると思う。それはきっと今後も続くだろう。4コマ雑誌にはそういう要素こそが求められているのだろうから。
で、今号はかたぎりわかなも「バレンタイン4コマ」というタイトルで読者ページの4コマを描いている。内容はバレンタインデーとはまったく関係ないが。いつもの連載陣では、あっきう「おかえりっサクちゃん」が注目。主人公のサクちゃんが変質者に襲われそうになって……という展開。今回はギャグなしでヒキも強く、今後の展開も気になるところ。中島沙帆子「電脳やおい少女」はもちろんバレンタイン話。やっぱり美月には玉垣くんのほうが良いと思う。そう考える背景には、オタク男の願望もちょっと入っているのであろう。でも越村くんは優等生すぎてちょっとキショい。
1/18(日)……動く蕗
▼わりと大きな買い物。ブラザー製レーザープリンタ/レーザーFAX/PCファックス/スキャナ/コピーの複合機である「MFC-8820J」[楽天]を購入。標準価格で12万円という製品だが、最近は価格がだいぶ下がってきて7万円ちょいになったこともあり購入を決意(参考:価格比較@BestGate)。けして安くはないものの、機能を考えるとお買い得ではあると思う。
▼ライター仕事の関係で、自宅で校正作業をすることはけっこうあるのだが、校正の場合は文字がにじんでつぶれたりすると困るのでファックスはインクジェットよりもレーザーのほうが好ましい。でも個人向けのレーザーFAXってあんまり出てなくて、自分の知る限りでは、価格を考えるとブラザーのレーザー複合機しか選択肢がないっぽい。そんなわけでこれまでは2001年3月15日の日記でも書いたとおり、同じブラザーのMFC-4350Jを使っていた。
▼MFC-4350Jは5年前の機種ながらも印刷機能はそこそこだし、レーザーFAXとしてちゃんと使えるので大きな不満はなかったのだが、今回買い換えを決意したのは自動給紙ができるスキャナが欲しかったから。自分の場合、2002年2月16日の日記で書いたとおり、読み終わった雑誌は単行本化されなさそうな作品のみ切り抜いて封筒に入れて保存し、残りは捨てるようにしてるんだけど、最近では切り抜きがだいぶたまってちょっと困った分量になってしまっている。具体的にいうと幅90cm×高さ180cmの本棚が一杯になるくらい。本棚には単行本も収納したいので、あんまり切り抜きで場所を占領するわけにも行かず、大きな社会問題となっていたのだ。
▼で、最初に導入を検討したのが富士通が出しているScanSnapシリーズ。これは書類を取り込み、その結果を自動でPDF化してまとめてくれるという機能を持ったスキャナ。とくにScanSnap fi-4110EOX3という機種なら紙の両面をスキャンできるので、漫画を取り込む場合には便利そう。ただネックとなったのがインタフェースがUSB1.1なので速度が遅い点。これは大量に取り込みを行うにはちとつらい。あとTWAINに非対応なので、スキャニングは独自ユーティリティで行わなければならず、汎用性が低い。価格もAdobe Acrobat6.0 Standardが付属していることもあり、安くて4万5000円程度とけっこう張る。そんなわけで躊躇した。次に検討したのが、普通のスキャナを購入し、自動給紙ユニット(ADF)をオプションで追加するというパターン。でもADFおよびADFを取り付けられるスキャナって案外高いし、ちゃんと取り揃えているショップも少なそうなんでこれもやめた。
▼そこで最終的に残ったのがADF付きのスキャナとして使える複合機という路線。MFC-8820JはScanSnapやADF付きスキャナと比べると高いことは高いんだけど、FAXやコピー機として使えるのでコストパフォーマンス的には悪くない。スキャナもUSB2.0接続。あと、これまで使っていたMFC-4350Jの数少ない不満点として、給紙がトレイ式というのがあった。トレイ式だと本体の後ろから紙がハミ出すので意外と場所を食うし、しばらく使ってないと紙の上にホコリがたまったり、紙がたわむなどの欠点がある。その点MFC-8820Jは、引き出し式の用紙カートリッジからの給紙なのでそういう心配はナッシング。あとMFC-4350JだとコピーやFAXの原稿もトレイで吸い込ませるタイプだから、例えば領収書をのりではっつけた用紙とかにも不向き。まあそんなわけで、ADF付きのスキャナと用紙カートリッジ式で原稿スキャン台のあるレーザーFAX/プリンタを別個に買うと思えば、7万円でも釣り合うかなと判断しちゃったわけだ。一度そう判断しちゃうと物欲が燃え上がって止まらなくなってしまうタチなので、そこからは一気呵成。ズバッと注文してしまった。
▼で、実際の使用感については、今日届いたばかりでまだ使い込んではいないけどまあまあ良好。ただ漫画の取り込みが大きな目的ではあったのだが、これを日常的にやるかというとどうかなあ。スキャニングするためにはまず自動給紙しやすくするために、雑誌の切り抜きを裁断機か何かで切って端を揃えるという作業を行う。MFC-8820Jは両面スキャンには対応していないので、取り込み時はまず奇数ページを取り込み、次に裏返して偶数ページの取り込みを行う。ファイル名をつけて保存する操作自体は、BTScanというオンラインソフトを使えば自動でやってくれるので手間はかからない。ただ、印刷がつぶれないレベルの解像度でスキャンすると、なんだかんだいってある程度の時間はかかる。16ページの作品1本を取り込むのにかかる作業時間はトータルでせいぜい5分くらいだろうけど、切り抜きの量から考えるとけっこう馬鹿にならない。なんせ1本の処理に5分かかるなら、1時間かかっても12本の作品しか取り込めないわけだから。それよりはその時間を使って、まず雑誌からの切り抜き作業を進めたほうが、スペース節約という意味では大きい。たまってる雑誌は山のようにあるのだから。
▼とはいえ、取り込み作業自体はそのうち進めていくつもり。とくにやっていきたいなと思っているのは、保存しようかすまいかちょっと考えちゃう微妙な作品。「絶対保存しておくべき!」という大事な作品については、紙も残しておきたいところだが、微妙な作品の場合は電子化しちゃえば紙のほうは捨てられるのでだいぶスッキリするはず。まあヒマを見てちょこちょこやっていくつもりではある。なんかいいノウハウが確立できたら、またなんか書くかもしれない。
▼やたら長くなってしまったが、これはつい物欲に負けて大きな出費をしてしまったことに対する自分への言い訳だったりする。そんなものに付き合わせてしまって申し訳ありません。でも今日は新刊漫画の感想もないんで、まあ許してつかあさい。で、以前買ったまま読んでなかったエロ漫画単行本を2冊ほど。
【単行本】「シリーピーチラヴ」 香愁 三和出版 A5 [Amzn]
2000年8月号をもって休刊したコミックフラミンゴ(三和出版)を中心に活躍した香愁の4冊めの単行本で、初期作品集。初版は1996年8月20日。フラミンゴはSM、スカトロなんでもありの非常に個性的な雑誌だったが、香愁もその中でユニークな作品を描いていた作家の一人。絵柄自体は女の子のおめめがキラキラしてて、内容もオトメチックではある。でもノリは独特。女の子がHをするときのポーズはがに股でやけにみっともないことが多く、スカトロっぽいシーンも多い。お話自体も、主人公の女の子の脳内妄想が炸裂してどんどんヘンな方向へ行っちゃう。例えばこの本に収録の「熱々ショコラマジェスティ」なんかでは、自分の彼氏とHをした妹に対しその姉が、妹の肛門内に溶けたチョコレートを流し込み、妹を絞り器として使ったチョコレートを彼氏に食わすなんてことをしてしまう。こう書くとたいへんサディスティックみたいだが、これがあくまでオトメ的衝動に基づいて行われたオトメ的な出来事として描かれるのだ。登場人物たちも抵抗は感じつつもそれなりに受け入れちゃってるから凄い。殺伐としたところはなく、なんか頭のネジが何本か外れてしまっているような、不思議な作品が揃っている。
今読んでみても風変わりで面白いのだが、最近はすっかり見かけなくなってしまった。最近のエロ漫画は、作画レベルは数年前に比べて数段上がっている。それはそれでタイヘンけっこうなことなんだけど、内容のほうは萌えか実用のどちらかばかりになっちゃって、ヘンな作品を描く人の行き場がすっかりなくなってしまった感がある。これはなんともさみしいことだなあと、2004年になって香愁の作品を改めて読んでみて思ったものです。
【単行本】「ハードポイント」 SOLID LUM K.K.コスミック A5 [Amzn]
1995年9月15日初版。2000年5月5日の日記で感想を書いた「調教中毒」[Amzn]のSOLID LUMの単行本。「調教中毒」はなんだかすごくヘンな本で、ふぬけ共和国・マンガの滑川ニュッピー氏の感想を見ても扱いに困惑している様子だった。で、この単行本はおそらく「調教中毒」のころよりもさらに前の作品群だと思われる。初出一覧は載っているのだが、掲載作品のタイトルがならべてあって「コミックロリポップ(笠倉出版)」としか記されていないので、正確な掲載年月は分からない。
内容のほうは「調教中毒」のころよりはだいぶ普通。絵柄は土器手司テイストの80年代調。1995年といえばすでにうたたねひろゆきなんかも出てきた後だから、当時としても相当に古い絵柄だったと思う。表題作の「ハードポイント」は、タイムトラベルをお話にからめたハードSFチックな作品だ。最初は30世紀になって生殖能力の衰えた未来人が、より激しい絶頂を求めて、精力が強かった20世紀のご先祖さまとSEXしに行くというわりとお気楽な話。それがだんだん回を重ねるにつれてシリアスになっていく。ただお話全体としてはなんだか雑然としてて分かったような分からんような。あと欄外に几帳面な文字で設定を書き記してみたり、コマ内の「のたてて」という擬音に対して「のろのろもたもたてこてこの略(強制造語)。《ゆっくり急げ》のギャグ」などと注釈を振ってみたり、なんだか作者しか分からんような思い入れがあふれていて、不思議な読み心地。後の奇妙な作風に通じるモノは、すでにこのころからあったのだなあということが伺える。正直なところ今読んでみて面白いかといえば面白くないので、これからあえて買い求めるほどではないと思う。「調教中毒」を読んだ人で興味があったら……といったところ。
1/17(土)……泣きますーか?
▼19日売り
【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平
ウルトラジャンプは定期購読の奴が早めに到着。今月で1年分終わりとの紙が入ってたので、さっそく申し込みページに行ってもう1年分注文しておく。これも小学館の定期購読サービスと同様に送料無料。どちらもメール便なので家にいなくても郵便受けに入れといてくれるのがありがたい。まあサンデーGXとウルトラジャンプが同日に届くと郵便受けに入りきらないかもしらんけど。
【雑誌】オースーパージャンプ 2月号 集英社 B5中
本誌連載だった平松伸二「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルス」の最終回がこちらに掲載。いきなりホワイト・エンジェルスがアメリカ大統領バッシュを襲って慌ただしくおしまい。そういえば最近では漫画ゴラクで「どす恋ジゴロ」が復活したらしいけど、もしかしてスーパージャンプ系列から離れちゃったりするのかな? 作:武内伸+画:大泉孝之介「一杯の魂<伝説の御当地ラーメン編>」は今回の後「取材の為しばしの休業」とのこと。3月上旬に単行本化されるそうな。あと次号では、青木てつお「美咲の器−それからの緋が走る−」が最終回。このほか巻来功士「鬼哭忍伝 霊牙」は最終ページに「最後の決戦が始まる!!」とのアオリが。また、次号では江口寿史「エイジ2」が掲載。かつてベアーズクラブに掲載され、単行本未収録だった3話の再録とのこと。連載がバタバタと終わり、再録原稿が収録される……うーん、なんか動きがありますかね、これは。
【雑誌】コットンコミック 3月号 東京三世社 B5中
駕籠真太郎「要心無用」。おー、今回はスゴイ。とても実験的な構成。なんとも説明しにくい漫画。基本的には1ページに6コマのいつもの駕籠真太郎コマ割りなんだけど、そのコマの外側にも絵やセリフが書き込まれている、というかコマにまたがるように絵が描いてあって、コマの外と中で別の話が進行しているというパラレルな構成。セリフなんかもそう。例えばコマの中では「ウンきなさい」なのが、コマの外にある部分と一緒に読むと「ウン(コ我慢で)きな(い)さい(あく)」と意味が化けたりする(カッコ内の部分がコマ外に書かれた文字)。よくこんな漫画を思いつくよなーと感心した。最近の駕籠真太郎はまた調子が上がっていて冴えていると思う。渡辺ヒデユキ「マスカキの恋」シリーズ。今回は、キャプテンマスカキに惚れてしまった女の子が、マスカキのごときユニフォームを来て「クィーン・マスカキーナ」として登場。いつもながらとことんしょーもないお話に徹してて素晴らしい。
【雑誌】コミックメガストア 3月号 コアマガジン B5平
古事記王子「めろめろんさくら組」が巻頭カラー。この人は絵がうまいし、華があります。めがね君な少年が、Hなことに好奇心たっぷりな5人の娘さんと過ごす1日を描くって感じ。まだ実際にやってるのは1人だけで続きもあるようなんで、じっくり密度の濃いエロっちい作品になりそうな気配。鬼ノ陣「Be My Angel.」。兄妹モノでいつものことながらいい仕事。エロも恋愛色も濃厚で、しっかりヌカせて萌えさせる。玉置勉強「ひきこもりお姉さん」は、ツラいことがあって家にこもりっきりになってしまったお姉さんと、その弟のラブストーリー。身体いっぱいでお互いの愛をぶつけ合う二人の姿は痛々しくもあるが、切なく始まり暖かく締めくくられていて読後感は良好。なかなか良いお話に仕上がっていると思う。
和六里ハル「発電ぱんだくん!」は6回め。そうそう、ぱんだくんと同じクラスの女の子は小豆ちゃんというんだった。で、今回はぱんだくんと謎のHな女性・絹枝さんの影は薄く、小豆ちゃんがなぜか魔女っ子に変身してエロエロな目に遭うというもの。触手あり恥辱プレイありで、なかなかエッチい内容。でも基本的には明るく楽しくやってて、ノリノリな印象。ゴージャス宝田「妹ゴコロ」は2回め。今回もロリロリ妹ちゃんはかわいいです。ところでこの漫画内に「アルキメンデス」という言葉が出てきて、懐かしいな〜と思った。昔、大塚食品が出してたカップ麺で、ここらへんに写真が載ってます。
【単行本】「金色のガッシュ!!」14巻 雷句誠 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
2004年夏に映画化だそうです。で、本の内容のほうは石版編の戦いが続いている。この巻はあんまりヤマ場的なシーンはないかなー。あえていうならウォンレイ&リィエンのあたり。石版編に入ってからはやっぱ調子落ち気味な感じ。
1/16(金)……三つ星ツボ師
【雑誌】コミックバンチ 1/30 No.7 新潮社 B5中
坂本タクマ「屈辱er大河原上」の作者名のところに「今年中にコミックス2巻の発売なるか!?」とか書いてあるんだけど、今年中とかいわずとっとと出してほしい。念のために全部切り抜き保存はしてあるのだが、すでにけっこうたまってきちゃってるんで……。で、今回はお笑いコンビ「ヒゲ&ツボ師」がテレビデビュー。何気にスターダムのし上りつつあるなあ。日高建男「満腹ボクサー徳川。」は、ついに藤堂戦が決着。ヘヴィ級で世界を目指すことの厳しさと、徳川の天才性をしっかり描いてて面白かった。見せ場のシーンも痛快だし毎回しっかり作られている。
【雑誌】ラブマニ 2月号 平和出版 A5平
駕籠真太郎「近世農耕序史」。最近好調。今回は毛を使いこなす忍法の話から派生して、毛を育てる農業の様子が描かれ、さらには毛だけでなく歯やら目やらを大量生産。もうぶつぶつがいっぱいぶつぶつぶつぶつ……という感じで、グロ刺激たっぷり。奇想が冴え、お話のテンポも畳みかけてくるようですげー楽しい。加賀美ふみを「The Hard Core 002 ”starting from scrap”」。前回で「彼に自分の気持ちを子供みたいに素直に伝えたい」という想いのあまり、本当に子供体型になっちゃった女の子が、その彼氏とラブラブH。いやートロトロに甘くってかわいいです。で、その後お話はまた思わぬ方向へ。このシリーズは続き物として、けっこうヒキが強めな感じで展開させていくのかな?
田中エキス「お兄ちゃん、もうっ!」はタイトルどおり兄妹モノ。Hなビデオを二人で見てたらそういうことに……というお話。妹ちゃんのお尻がキュッと上がってて、心トキめくいい形。蛙子丁字「かわずこずこずこ」。人間の姿に変身した蛙が、仲間をおもちゃにした人間のところに復讐、っていうかHしにやってくるというお話。蛙のカブリモノをかぶったままHする女の子の姿がかわいく、見てて楽しい。
【単行本】「ORANGE」12巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
いよいよ南予オレンジがサッカー1部リーグ昇格を賭けて最後の戦いに挑む。最終節前のアヴァランチ仙台戦、そして最終節である幕張イーリス戦に突入。てなわけで負ければ昇格はなしという中で、両チームのイレブンが熱く燃え上がる。読んでいるほうとしても燃え上がらずにはおれない。選手たちとオレンジのサポーター、それからムサシとミカン、それぞれの絆を描いたエピソードもお話を盛り上げる。そんなわけで次巻がいよいよ最終巻。すでに連載は終わってて結末は知ってるけど、改めて読み返しても燃えます。
【単行本】「イケてる刑事」7巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
今回もしっかりサービス満点。「イケてる2人」に比べるとH度は高めだけど、主人公の近藤が気持ちの良いサッパリした性格の持ち主なんで、ほのぼの読める。まあいつも変わらぬといえばその通りなんだけど、これだけコンスタントに満足できる作品を描き続けているってのは大したもんだと思いますよ。
1/15(木)……碁、奪うと
▼仕事の帰りにちょっと飲み。最近は酒弱いんで、ビールをジョッキで3〜4杯飲んだ後は、その店に置いてあった低アルコール飲料のファインブリューに切り替えてみた。これまで「ノンアルコールビールなんて……」とか思ってたけど、飲んでみたら案外良かった。ウーロン茶とかソフトドリンクだと物足りないし、チューハイだと甘いうえに案外アルコールも入ってたりするんで、ビールに近い味わいのこういう飲み物を一つ揃えておいてくれるとけっこうありがたい。自宅でちょっと喉が乾いたとき用に常備しておくのもよかろうし、濃いめの酒を飲むときにチェイサー代わりに使うのもいいかも。今度試してみるかな。
【雑誌】エース特濃(少年エース2月号増刊) 角川書店 B5平
前号まで表紙に号数表記があったんだけど今回はないなー。でもまあweb KADOKAWAのほうにはちゃんとVol.6って書いてあるし、あまり気にしないでおこう。前号が500ページくらいあったのに今号は360ページちょいしかないけど、それも気にすまい。
で、今号は田丸浩史の特集号。といっても「最近のヒロシ。2」は4ページしか載ってないんだけど。あとそれにかこつけて、西川魯介と平野耕太が田丸浩史に関係ある漫画を、トニーたけざきがあまり関係ない漫画をゲストで寄稿しております。祭丘ヒデユキ「富士山頂学園」はドカッと最終回。ちんこもりもり、最期まで正々堂々と下品な漫画で面白かったー。やはり富士は日本一の山ですなあ。あとチワワン的存在がいい味出しているバド〜。木村ひかげ「HIKAGE'S SLOW COMIC」の6回め「スイートストレンジャー」は、二人ぼっちで宇宙を行く男の子&女の子が、水のある星に到着してゆったりするというお話。今回はけっこうコメディ色も強いが、女の子がいきいきと可愛く、ラストは微笑ましく締め。この作品と、あと「富士山頂学園」あたりはそこそこページ数もたまってると思うんで、なんか足して単行本にしてほしいもんです。
【雑誌】増刊ヤングジャンプ漫革 2/25 VOLUME-37 集英社 B5中
葉月京がヤンジャン系初登場。「うぐいすの君」。今回のお話は、政治家一家のグウタラ息子と、彼が兄の選挙活動のときに一目惚れしたおねえちゃんとのラブコメ。建設会社の一人娘である彼女は美人だがガテン系で、軟弱な主人公に対してヒジテツを喰らわすが……といった感じ。いつもながらに華のある絵柄で、きっちりサービスシーンも織り交ぜてお話をまとめている。いやー、この人は精力的に仕事してますなあ。エース特濃でも描いてるし、エロ漫画雑誌にもちょくちょく登場するし。あと品質もコンスタントだと思う。清野とおる「ホントのウソ」は「ハラハラドキドキ」の外伝漫画。なんかシュールなことをやっております。本誌での連載終了後、単行本2巻がなかなか出なくてH2D2(ハラハラドキドキ)していたが、2月に描き下ろし4本を加えて発売されるとのこと。良かった良かった。
【雑誌】近代麻雀 2/15 竹書房 B5中
作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」。権々会編がドラマチックに決着。こんなメンツを相手にしてるのにやたら無邪気な定恩が哀れでございました。ところでラストの鐘だけど、ああいう用途だと重すぎるし金属が厚すぎるしで使いにくいのではなかろうかと思った。作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「Mahjong King's Fighters 覇王」。今回は奥山vs.二階堂の女の戦い。扉ページのヤング奥山がやけに美少女。そして卓上の舞姫のやけに硬そうな巨乳は、いつ見ても新鮮な驚き。
【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中
尾玉なみえの新連載が開始。タイトルは「スパル・たかし」。古代ギリシャっぽい世界において、闘技場デビューしようとしている新米剣闘士・たかしが主人公。でもまあ尾玉なみえなので、もちろん普通に丁々発止の斬り合いをするはずもなく、妙なペースでお話は進行。どんどんあらぬ方向に行ってほしいもんです、ていうか行くでしょう。本宮ひろ志「俺の空’03」は巻頭カラーで最終回。24話と案外短かった。
読切、長浜敏海「ちゃぶだい」は、このまま家を継いじゃってもいいんだろうか、自分にはほかに何かできるんでは、みたいな悩みを抱えた豆腐屋の息子が主人公。といってもむちゃくちゃシビアに人生に悩むって感じではなく、ほのぼのしたホームコメディテイスト。絵柄はサッパリした愛敬のあるもので読後感はなかなか良好。あと今号には昌原光一の読切「ファンダメンタル・フィクション」が掲載。この人は以前何度か読切で掲載歴あり。自分の日記を検索してみたところ3件ほどヒット。今回は江戸の長屋で、とある男とご隠居さんが世間についてしみじみ話をするという内容。落ち着いたオリジナリティのある絵柄できっちりドラマを構築。今まではわりとハードな作品が多いイメージがあったけど、今回のは柔らかくて暖かみのある人情モノになっている。けっこう実力のある人だと思うので、またいろいろと登場してほしい。
【雑誌】モーニング 1/29 No.7 講談社 B5中
うめ「ちゃぶだいケンタ」。波乱たっぷりだったサトチン転向編もいよいよ決着。ケンタ&オヤジが大活躍でめでたしめでたし。と思ったら次号で最終回だそうな。今回はサワもなるたる子ちゃんもいい顔してて良かった。まあそんなわけで名残り惜しくはあるけれど、まずはラストに期待。山崎さやか「はるか17」が表紙&巻頭カラー。はるかがいよいよ腹をくくってグラビアアイドルの道を歩むようになった。なんかいろいろ頑張ってる様子が魅力的。やっぱり山崎さやかは女性を描くのがとてもうまい。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/29 No.7 秋田書店 B5平
巻頭カラーで松本レオ「GO BOUT!」がスタート。えーと、えーと作者ホームページのPROFILE欄に、「以前のPNと併記しないようお願いします」と書いてあるのでそれについては書きません。まあ旧PNのほうの作品を知ってる人ならイッパツで分かるんじゃないでしょーか。内容は新宿の町に5年ぶりに戻ってきた空手少年・合屋豪が、新宿を舞台に繰り広げられているストリートファイトイベントに挑戦するというモノ。絵柄的にも内容的にも安定した人だし、出だしもまずはいい感じ。コンスタントに読める作品になっていきそう。水島新司「ドカベンスーパースターズ編」は、やっぱりなんだかんだ気になってしまう。こういう大家の人って、とくに序盤がうまいなーと思う。おおひなたごう「フェイスガード虜」。虜のお母さんが登場したけど、これはなかなかすごい容貌をしていらっしゃる。目は口ほどにモノをいうと申しますか……。
【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号増刊 激花 Vol.2 エンジェル出版 B5平
平野武士「妻いぢり」は、自分の妻が他人の男に犯されている状況を見ないと勃たない旦那さんのために、奥さんが身体を張るというお話。その状況をけっこう楽しんじゃってる奥さんの様子が、エロエロなことをやってるんだけどなんとなく愛敬あって良い。もちろん実用面もしっかり。奴隷ジャッキー「撮影会」は、オタク野郎に盗撮されて弱みを握られた学園のアイドルが、エロエロコスプレをして撮影会のモデルをやらされるというお話。ぶっとんだ内容の作品が多い奴隷ジャッキーだけど、今回はわりとスタンダードに普通のエロ漫画してます。MARO「花嫁奴隷 婚礼の儀」。タイトル通りの内容で、借金のカタに金持ちオヤジのところに嫁入りした女性が、結婚披露の場でその一族郎党に犯されまくるというお話。なんだか血吸いヒルが大活躍。最近のMARO先生は凌辱シーンにゆかいな生き物たちを利用することが多いような。
1/14(水)……画廊が漏電
【雑誌】スーパージャンプ 1/28 No.3 集英社 B5中
今回も平松伸二先生のアメリカ嫌いっぷりが炸裂してますのう、ウシャシャシャ……とか思いつつ「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ」を読んでいたら、次回で最終回との告知が。しかも最終号はスーパージャンプ本誌ではなく、1月17日発売のオースーパージャンプで掲載という変則的な形になるとのこと。なんなんでしょうなあ。徳弘正也「狂四郎2003」は今回も面白い。まほろばによるクーデター計画が進行し、いよいよさまざまな勢力の思惑が入り混じるヤマ場が近づきつつある感じ。いやー、いいかげん単行本買わないとね。寺沢武一「GUNDRAGON II」は、実写取り込みのCG漫画。この人に関してはCG覚えないほうが良かったのかもしれないなあ。CGに凝り出してからこっち、どうも読めない。
【雑誌】週刊少年サンデー 1/28 No.7 小学館 B5平
2003年7/9 No.30に読切で掲載された田中保左奈「暗号名はBF」が連載化。普段は恋に悩む多感な中学生、でも特殊な注射により77分7秒ずつだけ大人に変身する特殊能力を持った主人公・七海団が、その能力を生かしてスパイ活動をするというドタバタアクション。大人になった団はスゴい美青年で、女をたぶらかして重要な情報を入手といった筋立て。作画はかなり達者で、女の子キャラも色っぽかったりロリっぽかったりでなかなかいい感じ。下品にならない程度にHっぽい描写もあって、娯楽性は十分。まず1回めは楽しく読めた。スパイもの、怪盗ものは一話完結でマンネリ気味になりがちなんで、それをクリアできればコンスタントに読める作品になるんじゃないでしょうか。藤田和日郎「からくりサーカス」。また黒賀村に戻って、阿紫花姉妹の真ん中、れんげのエピソードが開始。この娘さんもまたかわいい。藤田ギャルは目がいいですな。そこでまたマサルのモテ系の血がうなりをあげるか。
【雑誌】週刊少年マガジン 1/28 No.7 講談社 B5平
新連載攻勢のおかげで、読める漫画がじょじょに増えて来ているような印象。これが今後も続いてくれるといいんだけど。それはともかくとして、今回から作:夢枕獏+画:板垣恵介「餓狼伝BOY」がスタート。「餓狼伝」の丹波文七が若いころの話である模様。初っぱなからハッタリが効いてて読者を引き込む。最近の「バキ」はかなりダレ気味だけど、「餓狼伝」シリーズは今もなお意気盛んなり。コージィ城倉「おれはキャプテン」。ようやくカズマサのキャプテンデビュー戦は終了かな。なかなかとんでもない試合になりました。大味といえば大味、でもそれを演出した論理の組み立ては細かい。実際にはあんなふうには行かないだろうと思われるハッタリの連続だけど、妙な説得力はあります。
【雑誌】ヤングコミック 2月号 少年画報社 B5中
ひのき一志「ファミレス戦士プリン」がなんとビックリ、アニメ&ゲーム化ということでそれについての巻頭カラー漫画が掲載。なんかこの人については素直に「おめでとう」っていいたいな。中田ゆみ「下町マドンナ食堂」は4回め。食堂を切り盛りする天然系の巨乳未亡人さんが色っぽくてたいへんいい。セックスシーンとかは全然ないんだけど、ソソられます。最後のほうまでヤラないで、焦らしに焦らしてくれると良さげ。ジェームスほたて「モモ色クリニック」。こっちでは患者さんが人妻。いやーむちむちですなあ。THE SEIJI「OL生態図鑑」。週刊少年チャンピオンでの連載が始まるためエロ系はお休みとのことだったけど、こっちではまだ描いているのですな。人の良さげなOLさんのキャラにほのぼの。この人のエロ漫画は読んでてホッとしますわい。
1/13(火)……御重文の位置
▼いわゆる松文館裁判で一審判決。求刑通り懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が。AMI NewS 2004/01/13分に関連記事がまとめられてます。まだ詳しく目を通せてはいないんだけど、これは影響が大きそう。エロ漫画にとっては1990年代初頭の有害コミック問題以来の大波となるか。あのときはエロ漫画の単行本が月に2冊しか出ないといったものすごい状態になったけど、現在の状況だとそこまで行くことはちと考えづらいような気もする。ただ、しばらくは様子見で発行を見合わせる単行本が増えるかもしれない。ここ数年でインターネットの普及なども影響したのか、表現がより露骨、というか消しは飛躍的に薄くなっていった(参考:TM-Revolution)。今や一般に売られている日本のあらゆるメディアの中で、最も修正が薄いのが漫画だったのも間違いのないところであり、今回のような事態が早晩起こることは想像に難くなかった。各出版社がどのように対応していくのか注目したい。ニュースの入力を担当しているAMI NewSでも、関連記事は随時取り上げていきたいと思います。
【単行本】「少年少女ロマンス」3巻 ジョージ朝倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
おっもしろかったっ!←と、このように勢いをつけて語りたい作品。思い込みの激しすぎるバカ二人、蘭と右京の怒涛の恋愛物語もついに完結。いやーものすごく力強く、青春街道突っ走ってます。自分でもどうにも制御できないくらいの「好き」という感情に衝き動かされ振り回され、二人は反発したりラブラブになったり激突したり。その迷走っぷりが強力で、もう気持ちが良いくらい。このくらいやってくれたら清々しい。そしてこの巻では、蘭の側に常にあり彼女を見つめ続けた宗一の恋の決着もポイント。本編終了後に読切「少年ロマンス」「少女ロマンス」が収録されているが、とくに「少年ロマンス」で蘭と宗一が遊園地に行き、コーヒーカップに乗りながら会話する光景にはジーンときた。セリフも絵もビシッと決まってて感動した。ジョージ朝倉は本当に漫画うまい。少女漫画の単行本だけど性別を問わず訴えかけてくる力がある。何はともあれ堪能させてもらった。どうもありがとうございました!
【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平
中原アヤ「ラブ★コン」。ようやく小泉&大谷の二人がくっついたかと思ったら、今度は大谷の隣に住んでいる幼なじみの少女が出現。まあライバルではあるけど、すでに小泉&大谷は天下無敵のバカップルとして固まったので、この程度のイジワル系の新キャラでは太刀打ちできまいて。永田正実「恋愛カタログ」。今回は妄想ポエム少女の恋模様が描かれる。こういうキャラは、見ている分には好きだ。実際にそばにいたらウザいだろうけれども。この漫画もコンスタントに面白い。河原和音「高校デビュー」は、ようやく恋を見つけた晴菜だが一気に失意のどん底に。まあ晴奈とヨウがくっつくのは鉄板なので大局的に見れば無問題ではあろうけれども、ヨウの妹がからんで人間関係はけっこうドロドロと。それにしてもこの人の作品は読みやすくなったなー。読切では工藤郁弥「青春のドレミ」、ふるかわしおり「ファイブ」あたりがそこそこ楽しめた。それにしても「天然な女の子」というのはドリーミングで便利な設定だなあ。
【雑誌】イブニング 1/27 No.3 講談社 B5中
山本貴嗣の新連載「俊平1/50」がスタート。この作品は空想科学の人、柳田理科雄が監修についていることからも分かるとおり、科学的な考証を生かした話となっている。とある中学校のクラス一同が、社会見学の最中に奇妙な異変に巻き込まれる。気がついてみると何かがおかしくなっていて、それまでいた建物の周りが見たことのない土手に囲まれていたり、ペットボトル内の水がゲル状の粘性を持つ液体に変わっていたり。これはいったい何が起きたのか……というところで以下次号。まず不思議な状況をズバッと呈示して、読者を引き込んでいる。とりあえず第一話はけっこう読みごたえもあったし面白かった。島本和彦「ゲキトウ」は、熱血っぽい言葉が交わされているけどなんか微妙かつ決定的にヘンという島本和彦らしさがにじみ出た会話シーンがいい味。佐藤マコト「サトラレ」は、サトラレの大槻くんがボクシングの道を目指そうとするが、というお話。今回はちとまとまりが悪いかなという気はした。ただサトラレがスポーツをするというのは面白いネタだと思うので、また何か機会があったら再チャレンジしてほしいとは思った。
【雑誌】ヤングチャンピオン 1/27 No.3 秋田書店 B5中
富沢ひとし「BRII ブリッツ・ロワイアル」(原案:高見広春)。今回の内容はエグくて面白かった。富沢ひとしの絵柄がぷにぷにしてキュートなだけに、残酷なシーンがよりショッキングに映る。中学生っぽさがしっかり出ていて面白い。作:金城一紀+画:近藤佳文「GO」は最終回。在日韓国人少年を主人公とした青春ドラマ。ストーリー的にもいろいろと紆余曲折があったし、まとめ読みするとけっこう面白いんではないかと思います。
【雑誌】漫画サンデー 1/27 No.3 実業之日本社 B5中
画:本庄敬+作:末田雄一郎「蒼太の包丁」。親方が痛む腰を抱えつつ、巨大なアラをさばく。うーん食ってみたいなあ。アラ鍋は、一度どかーんと贅沢して思いっ切りすごいの食ってみたいという憧れの食品の一つ。まあそういうものは山ほどあるんすけどね。
【雑誌】comic天魔 2月号 茜新社 B5平
冒頭の件があるだけに、木村義浩withうるし原智志「凌辱の刻」番外編のちんこっぷりにうひょーと思います。最初のカラー4ページなんてやっぱりすごい破壊力。まあ局部を描かず乳だけであったとしても、このコンビの絵柄はズバッと目に入ってくるインパクトはあるんだけど。ひぢりれい「となりのHなお姉さん」は、かわいい中学生の男の子を隣に済む小説家のお姉さんが喰っちゃうというお話。いつもながらの美麗な絵柄。雰囲気的にもなかなか楽しい。ただラストの余韻がもう少しあるとより良かったかな。そうま竜也「岩川さん」は2回め。誰もいない山の中で、同じクラスの女の子岩川さんが何やらスペースノイド風の服を来て立っているのを、カメラの望遠レンズ越しの目撃してしまった主人公の島渡少年。第1話の感じからするともしかしてSFっぽい展開になるのかな……と思ってたんだけどそうでもなかった。岩川さんは引っ込み思案だけど肉付きが良くぷにぷにしててなかなか可愛い。お話にもほっとするような雰囲気があるし、今後の展開もけっこう楽しみ。
1/12(月)……立派でグー
▼ちょっと握力でも鍛えてみようかなと思い立ち、ハンドグリッパーってんですか、握力を鍛えるためのハの字型をした器具を買ってきた。2個セットで1000円の奴。これまで踏台昇降は毎日しつつも、筋トレはお腹引き締め用の腹筋しかしてこなかった。やりだすとキリがなく、時間がかかるから。やっぱり筋肉は動かした部分にしかつかないので、全身を鍛えようと思ったらどうしても複数の運動が必要になる。ただでさえ毎日アニメ2話分の時間を運動に割いてるわけで、これ以上やるとほかのことにさしつかえてしまう。てなわけで何もしてこなかったわけだが、体脂肪を燃焼させる方向性はもう一段落したし、踏台昇降やりながらできる筋トレなら別に時間はとらないしいいかーと思ってやってみることにした。実は踏みながらできる筋トレとしてダンベルを手に持って腕振りするというのもやってみたことはあるんだけど、重いものを持ってると腕を振るぺースが遅くなってしまうので、足のリズムにも影響が出てしまいがち。というわけで、軽やかに踏むほうを重視してダンベルはやめた。その点、握力を鍛える運動なら足のリズムと連動させずに済むのでなんとかなるかなーというのが今回の目算。
▼で、ハンドグリッパーを使う前哨戦として、何も持たない状態で手をむすんでひらいてしながら踏台ってのも2日ほどやってみた。負荷はさほど大きくないと思うんだけど、握力は普段まったく鍛えてなかったので意外とキツかった。約30分くらいやったら腕がパンパン。それ以上に指に来た。今も第二関節あたりがギシギシいってて、キーボードを打っててもちょっと痛い。でもまあそのうち慣れるだろうから続けてみます。まずはハンドグリッパーは使わずある程度鍛えて、その後使い始める方針で。ただハンドグリッパーを使うようになるとぎちゃぎちゃ音がしてうるさいのは気になるところ。まあ仕方ないか……。
▼ところでこのハンドグリッパーというのにも、何やらスゴいものがあるらしい。「世界最強のグリッパー」と呼ばれる「キャプテンズ・オブ・クラッシュグリッパー」[楽天]というのがソレで、強度が5段階あり、最強の「ナンバー4」は閉じるのに必要とされる握力の目安がなんと166kg。このページによると、ナンバー4を閉じることができた人は世界で一人しかいないとか。あ、でも製造元のページを見ると2003年に二人達成して、達成者が三人に増えてる。まあなんにせよオソロシイもんでございますなー。ちなみに大人のチンパンジーの握力は約240kgとのこと(参考リンク:東部動物公園動物ふれあいクイズ)。サルハンターが必要となるわけです。
【雑誌】漫戦スピリッツ 2/10 小学館 B5中
新人競作増刊。今号の新人作品では、山崎秋人「穴」がいい。人生がなんもかんもつまらなく思えてしまったサラリーマンが、家の庭をいじっていたところ、「穴を掘る」という行為に奇妙な快感を覚える。やがて彼は穴掘りの魅力に見る見るのめりこんでいく。日々掘り続けていくうちに穴はどんどん深くなり、装備も本格化。そして彼は穴掘りを生涯の趣味とし、人生に張りを見出していく。穴を掘ることによってもたらされる、物理的に確かな手応えと精神的な充実感が読者にも伝わってくるし、人生のさまざまなイベントを穴掘りと重ね合わせて語っていく演出も秀逸。絵柄的には地味だし洗練されてはいないけれども、記憶に残るユニークな作品に仕上がっている。これ一作のためにでも、この雑誌を買う価値はあると思う。
そのほかでは、小学生の苦い恋物語を描いた「九十九ノムコウ。」も印象的。クラスではみんなにバカにされているような少女と、同じクラスで彼女と恋仲にある少年の物語。母親が娘に売春をさせるような劣悪な家庭環境にある少女の、唯一の心の支えが少年との恋愛。荒削りだが迫力のある作画が、大事なものに必死にすがろうとする少年少女の心を描いた悲痛な物語にマッチしている。
あと吉田戦車の「山田シリーズ」がついに最終回。金や不動産などの財産を利用して数々の敵を打ち倒してきた山田だが、数々の戦いは山田の財産を残り47円というところまで追い込んでいた! そんな弱りきった山田を狙って敵が出現。というお話。相変わらず山田の活躍ぶりは素晴らしい。そして単行本が3月に発売されると決まったようで、これまた素晴らしい。
1/11(日)……令弟堪能
▼先週はわりと勤勉に仕事をしたので今日はそこそこヒマ。で、3連休の真ん中ってことで出る本もないし、こういうときは買ったままでためこんでおいた本でも読もうとか思って本置き場を物色。すると「霊能探偵ミコ」が見つかったのでこれに決定。ところが購入時期が各巻バラバラだったため本が各所に分散してて、全部引っ張り出してくるだけで一苦労。そろそろちゃんと整理しないと……。
【単行本】「霊能探偵ミコ」1〜11巻 井荻寿一 ワニマガジン B6 [bk1][Amzn]
2003年の6月号をもって休刊したコンビニ売りエロ漫画雑誌の老舗、ヤングヒップで長らく連載された同誌を代表する作品。個人的には「ヒップといえばミコ」という存在だった。単行本1巻の発行が1994年で、エロ漫画界でも屈指の長寿連載だった。内容としては神宮寺ミコという美人霊能探偵とその助手・神田六郎(通称:カンロク)が、霊能力を屈指してさまざまな事件を解決していく、Hシーンもいろいろとある霊能ハンターもの。まあこの手の話だけに、物語全体を貫く大きなストーリーというのはなくて(一応ミコを付け狙うライバルキャラの大ボス的存在・華月はいるけれど)、基本的には1〜3話くらいで終わる短いエピソードが連続するという形式。
この作品の一番の魅力は、やっぱりミコさんの艶っぽさ。井荻寿一の絵柄自体はこざっぱりとしててさほど肉感的ってわけでもないのだけど、清楚な中にほのかな色気が匂い立つという感じがソソられる。あとカンロクとの恋愛関係は回を重ねるにつれて深まっていくのだが、そういうガッチリ決まった相手がいるだけに、時折そのほかの敵キャラがミコさんにエロいことをしたりすると、そんな激しいことしてるわけでもないのに燃えるというのがある。これは長期連載ならではの強み。あと、これだけの長期連載となると最初と最後で大きく絵が違ってるってことがよくあるけど、井荻寿一の場合はその違いはあんまり大きくはない。ただその間のちょっとした差っていうのが実はけけっこう重要。最後のほうの絵柄のほうは洗練の度合いが進んでて、気持ち良さはずいぶん増している。強烈に印象に残るっていう作品ではないけど、長らく続いた定番コンビニ雑誌に常に掲載されていて、コンスタントに読める安定した作品だった。きっちり仕事がされているという感じに好感を持っていた。
ところで改めて読んでみて思ったんだけど、この作品って最終回が収録されてないのね……。そうか、だから今まで単行本を読んでなかったんだ。最終巻が出たらまとめて読もうと思ってたんで。でも11巻が2002年12月発行だけにもう望み薄かなあ。せっかく11巻も出してるんだからなんとかあと一息、と思うんだけど。