つれづれなるマンガ感想文10月後半

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「つれづれなるマンガ感想文」11月前半
一気に下まで行きたい



・「プレイコミック」21号(2000、秋田書店)
・「週刊ヤングジャンプ」48号(2000、集英社)
・「砂漠の勝負師 バード」(1) 青山広美(2000、竹書房)
・「赤点先生」(1)〜(2) 土光てつみ(1991〜92、日本文芸社)
・「狂ったいけにえ」 ゴブリン森口(1986、辰巳出版)
・「週刊少年サンデー」48号(2000、小学館)
・「週刊漫画アクション」45号(2000、双葉社)
・「公権力横領捜査官 中坊林太郎」全2巻(?) 原哲夫(1999〜2000、集英社)
・「女子アナ 今井良子の世界 3」 柳沢きみお(2000、別冊アサヒ芸能9月号、徳間書店)
【評論】・「マンガロン」 鶴岡法斎(2000、イースト・プレス)
・「どパンチ先生」 土光てつみ、原案/山形一之(1993、シュベール出版)
・「3年B組 金バッヂ先生」(1) 土光てつみ(2000、日本文芸社)

・「YOUNG キュン!」11月号(2000、コスミックインターナショナル)
・「ボンデージフェアリーズ」 昆童虫(1993、久保書店)
・「三国志艶義」(下)(2000、ヒット出版社)
・「週刊漫画アクション」44号(2000、双葉社)
・「週刊少年サンデー」47号(2000、小学館)
・「週刊ヤングマガジン」46号(2000、講談社)
・「G−taste」(4) 八神ひろき(2000、講談社)







・「プレイコミック」21号(2000、秋田書店)

もともと「なんとか刑事(デカ)」みたいのが好きでたまに「週刊漫画TIMES」とか「ゴラク」とか、本誌とかを読むんだけど、読んでないヒトには十年一日、同じモノが載っているだろうと思っているかもしれないけどとにかく最近バイオレンス色が薄まってきているようだ。
ホスト、ホステス、経済やくざ、詐欺師みたいな話が多い。それか人情ほのぼの系。
本誌はほとんどがほのぼの系で、後は土光てつみが「外道おとこ唄」というヤクザモノを描いているだけだ。

・「ナイトセンス」 山口都志馬、みね武

今週から新連載。元プロダンサー・神尾恭平がホストにスカウトされ、のしあがっていくような話らしい。みね武は、もっとバイオレンス路線を描いてほしいのだが最近はすっかりホストとかの話が多くなった。

・「天使のフェロモン」 粕谷秀夫、大地翔

看護婦・庭野葉菜を主人公にしたエロコメディー。今回は高級ダッチワイフ職人の親父と、彫刻家になるのをあきらめようとしている息子との親子ゲンカに葉菜がからむ。「ダッチワイフのモデルになってくれ」とか何とか言われる。

・「こころの花」 みやたけし

絵柄をスッカリほのぼの系に変えたみやたけしの作品。それでてっきり、内容も他愛ないほのぼの系かと思ったら、妻の実家でゴロゴロしている職も定まらない中年男が、妻の母親がタンスの中を眺めているのを見てさぞかし貯め込んでいるのだろうと思い込み、「早く死ねばいい」と願っていたら本当に死んでしまった、みたいなやるせねぇ話だった。
(00.1031、滑川)



・「週刊ヤングジャンプ」48号(2000、集英社)

今頃になって感想書きやがるぜおれ。巻頭グラビアの川村ひかる、座右の銘は「泣いた者勝ち」だってさあ〜。なんか今までの人生、透けて見えるよなぁ〜。

・「鈴木あみ物語 ami−going」(前編) 浜野雪江、森永茉裕

ムック風写真集が出るので、ソレに合わせた企画だと思う。他愛ないと言っちゃそれまでの、鈴木あみの半生(……っていうかまだ若いけど)を描いたモノ。

スポーツ選手はともかく、アイドルの場合努力が人気に直結しないので、伝記モノはむずかしいと思う。橋口たかし「ヒナに胸キュン!」という、雛形あきこ物語を描いたことがあったが、熱血モノの得意なこの作者でさえ苦しむようなヒナのシンデレラぶりであった。「舞台をムリヤリやらされ、そこで意外な演技力を発揮する」なんていうシーンはさすがに苦しすぎた。

本作ではヘタに熱血努力モノにしていないだけイイのかもしれない。親戚が集まったときに歌ったカラオケでウケることを覚え、中学に入ってから太りだしたので陸上部に入部、毎朝マラソンをし、歌手に憧れてオーディションを受ける。そして76万人もの人々の投票により、合格する。なんだこの最後の飛躍は。それがスターってモンか。スターって死語か。

前半が普通なら普通なほど、鈴木あみにまといついているスター性はなんなのか、人間の差ってどこで決まるのかと思ってしまう。鈴木あみと一緒にオーディション受けた同級生はどうなったのかとか。なんかの雑誌によると、鈴木あみは中学時代からすごくカワイイと学校内でも評判で、デビュー前からファンクラブまであったという。そういうトコ描いた方がよほど納得のいく内容になったとは思うが、まあ感情移入はできんだろうな。生まれ自体がスターすぎて。

・「シリーズ連載 アンファン・テリブル」 相田公平、佐藤久文

第10話「僕は冷酷な殺人鬼」。引きこもりがちな少年が、ネット上で殺人予告をしてしまう。ギャラリーの期待は高まり、少年はそれに追いつめられていく。
最初は紋切り型な話かなと思ったが、チャットやメールをコマ割りで処理したりしていて、オチはせつなくもドス黒いほど暗くもなく、なかなかうまいと思いましたよ。
(00.1031、滑川)



・「砂漠の勝負師 バード」(1) 青山広美(2000、竹書房)

巨額の利益を賭け行われる裏麻雀の代打ちを引き受けることになったラスベガスの天才マジシャン・バード。彼の興味は金ではなく、裏麻雀界に君臨する無敗の代打ち「蛇」の存在であった。
要するに天才は天才を知る、ってヤツですか。バードは「蛇」と戦ってみたくなったということ。「蛇」は自動卓での一人天和というワザを持っている。これの正体を見破ったものはだれもいない。

マジシャンと絶対不可能なワザを持つ雀士。要するに天才同士のイカサマ合戦が展開されるという趣向がとてもおもしろい。麻雀の門外漢であったバードから見れば、麻雀はスキだらけのゲーム。彼にとっては「バレないようにイカサマし」、「勝つ」ことが最大の目的となる。
それは麻雀というゲームのルール、あり方を本質的に問い直す(私は麻雀についてはよくわからないので、「問い直すように見える」ということかもしれんが)ことである。

ほとんどのエンタテインメント作品は広義の「ゲーム」を描いていると言える。肉弾アクションで拳銃や兵器が出てこないとか、安楽椅子探偵モノで推理するための要素がぜんぶ出揃うとか、それに充分な説明があるかどうかは別として、どれも一種の「ゲーム」である。

本作が私にとっておもしろかったのは、この「ゲーム」のルールの問い直しを徹底的にやっている(あるいはやっているように見える)ことにある。本作では愚直な雀士にとって麻雀はルールやセオリーの中でいかに得点をあげるかのゲームであり、バードにとってはルールやセオリー「外」の方法論によって得点をあげるかのゲームとなる。

格闘技においてグレイシー柔術登場時に、ソレが既存の格闘技のルールやセオリー「外」のことであったことを思い起こさせる(別にグレイシーがイカサマだと言っているわけではないので念のため)。現実は知らんが、「空手バカ一代」の大山倍達も「実際に当てるカラテ」というルール・セオリー外のことをして勝ち続けていった。そして中国拳法に敗北したのは、(マンガ内の)大山カラテが中国拳法のルール・セオリー内のものであったから、ということもできる。

また、アクションものでは、頭脳と体力を絞り尽くして敵を倒した主人公が、まったく関係ないチンピラに刺されて最後に死んでしまう、というパターンがあるが、これも「ルール外のことが起こった場合、ヒーローでも無力だ」という解釈もできるのである。「人生はゲーム的ではあるが、ゲームそのものではない」ということだ。

おそらく今後は、本作は「麻雀のイカサマ合戦」というルール(登場人物にとっても、読者にとっても)ははずさない展開になるとは思うが、それはまた登場人物も、読者も、作者の「設定した」ルールによって縛られていくからである。
戦う者にとって、己の「ルール」を決定するものは何か。それは現状分析と、目的の設定だ。どちらも視点の設定の変化である。たとえば凡人より高見に立ったバードや蛇でさえ、イカサマにしろ「麻雀で勝つ」ということを目的にするかぎり、その目的に「縛られている」。

さらに連想させられるのは「バキ」(板垣恵介)の死刑囚編における「ルール設定」が、単純に「格闘者同士の暗黙の了解」で済まされていないところにあるのだが、それはまた別の話。

もっとも、的確な現状分析と目的の設定、そしてそれに従っての「実行」ということすべてが揃った人を「天才」と呼ぶ。本作はバードと蛇という2人の天才の物語。両者とも常人を見下しているような存在なので、今後、その「孤高の天才」がどのように描かれるかで読者の感情移入度も決まってきて、おもしろさの種類を決定づけていくことになるだろう。

さらに余談。青山広美は麻雀マンガ畑の人だと思うが、10年くらい前にリイド社の「ジャックポット」という月刊誌に「青山パセリ」という人が「パワーボムシアター」(タイトルうろ覚え)という、「世にも奇妙な物語」的というか、ホラSFみたいな1話完結読みきりシリーズを連載していた。よくも悪くも大味な作品が多かった同誌の中で、意外な設定とオチが楽しめた好短編連作だった。本作の作者と、たぶん同一人物だと思うがどうでしょうか。現物が手元にないので確かめられん。

2巻(完結)の感想

(00.1030、滑川)



・「赤点先生」(1)〜(2) 土光てつみ(1991〜92、日本文芸社)

赤点先生

たぶん週刊漫画ゴラク連載。2巻を捕獲。1巻が売ってなかったので、現代マンガ図書館で借りて読んだが、別に設定的に読まなければならない部分はなかった。

私立乱川高校の教師・赤町点心こと赤点先生が、生徒や教師のトラブルを解決してやる1話完結もの。赤点先生は、ふた昔前の任侠映画風着流しで自転車で町内をウロウロ、飲む、打つ、買うばかり考えているが人情味に溢れ腕っぷしは滅法強い……と、基本的に同じ作者の「どパンチ先生」(1993、シュベール出版)、「3年B組 金バッヂ先生」(2000、日本文芸社)とほとんど変わらない。……っていうか、定期的にこういうの描いているらしい。記憶のみだが同じ作者で「NON STOP ティーチャー」というのがあり、こちらは主人公が女教師である以外、何も変わったところがない。

単行本の広告には牛次郎原作の「唐獅子教師」なるマンガが載っている。考えてみれば「ビッグマグナム黒岩先生」など、任侠の徒に先生をやらせるマンガってわりと多いですね(未読だけど「GTO」も結局そうか?)。「金八先生」については、「金八的教師」を望む心に対し教育評論家とかから説得力のある批判があって、それなりに一理あると思うけど、「金八教師」以外にも、「手荒なことをしてでも生徒を育てていく」という庶民感情があることはあまり取り沙汰されないスね。

まあ、フィクションの世界の場合、あんまり目くじら立てるのもはっきり言って野暮だと思うんで。
(00.1027、滑川)



・「狂ったいけにえ」 ゴブリン森口(1986、辰巳出版)

ゾイド穴ここここで見てから読んでみたくなり、現代マンガ図書館で読んだ短編集。

世紀の怪作にして、ゴブリン劇画のおそらく頂点とも言える「スラッシャー」については機会をあらためて書くとして、本書は前出の「ゾイド穴」によると、ゴブリン森口の初単行本だそうだ。

ほとんどすべての作品が、ヘビメタのジャケットに描かれているような鉄錨の打たれた革ジャンを着たゾンビとも悪魔ともつかぬ怪人が暴れ回り、男は殺し、女の子は犯すというもの。「スラッシャー」にも登場する、なんか「バイオハザード」みたいな武装警察「M・F・P」や、「スラッシャー」の原型と思われるプロレスラー調マスクマンが登場する話もある。

私はヘビメタのことはまったく不案内なので、ヘビメタと悪魔崇拝との関係についてもまったくわからないのだが、「ロッカーが悪魔に変身する」など非常にストレートな本書の作品群には「悪魔を象徴として出す」というような回りくどい方法は用いられていない。
少々、魔界の存在が示唆されるが結局ここに理屈は皆無で、悪魔が人をブチ殺したり女を犯したりする衝動があるだけだ。人間、オトナになるとこうした衝動に何かとリクツを付けてみたり、逆にこれらを押し殺すことで訳知り顔になったりするモンであるが、短編主体でヘタに余計なプロットがないぶん、ものすごくストレートな話が展開するモノが多い。というよりそれがすべてである。

かといって、たとえば現実の猟奇殺人を誘発してしまうような危険性、および無責任なテツガク的煽りのようなものもいっさい、ない。そういう思考過程自体が、一種のコリクツであることをわからせてくれる。たとえば山口貴由「サイバー桃太郎」は、後の代表作となる「覚悟のススメ」に比べると、設定の荒さは比べるべくもない。だが、ゴチャゴチャした説明がないだけ、ストレートだとも言える。本作にはそれと同質の「脊髄反射的怒り」が横溢している。
ちなみに師匠は前田俊夫らしい。登場する人物やクリーチャーが前田俊夫よりぎこちないだけに、何か訴えかけてクルものがある。
(00.1026、滑川)



・「週刊少年サンデー」48号(2000、小学館)

・「ナズミ@」 岸みきお

「キス」によって個人データを採取する、実体化したプログラム・美少女ナズミが引き起こす騒動。連載第3回。

おお、この展開はおれ的には好きです。ちゃんと、ナズミが物語を進行させる役になって、それがコメディーになってるもん。実はSFおしかけ女房モノには、シチュエーションコメディーとして機能しているものは大変に少ないのだ(実はそれ自体が重要な問題ではないところが、「SFおしかけ云々」を含めた少年・青年ラブコメのマカフシギなところなのだが)。

主人公・郭志の顔を知らないメル友・ウサギさんがクラスメートの宇崎さんであることはすでにバレバレだったが、いちおう郭志は「ドンくさい」と思われている宇崎さんを日常的に擁護しているところ(しかもそれを表すシーンを半ば強引に入れているところ)がこの作家の特徴でしょうか。
こうせず郭志が宇崎さんをバカにしている設定にしたら、宇崎さんをバカにしている→実は宇崎さんはめがねを取ったら美人→美人である宇崎さんの外見に惚れてしまう→それをイヤがる宇崎さん……と、かなりめんどくさくなるが、最初から擁護していればお話もまとまりやすくなるはずだし。

めがねのレンズの描き方に、特徴ありますね。

「かってに改蔵」「動物の亀ちゃん」「漢魂!!!」といったギャグ勢は、みんなそこそこ面白いと思いました。
(00.1026、滑川)



・「週刊漫画アクション」45号(2000、双葉社)

・「ぷるるんゼミナール」 ながしま超介

「男性が女性を支配したい欲望」は、合コンの「王様ゲーム」にも表れているとゼミで言われた深瀬菜々美は、実際に試してみようとプロジェクトの失敗で腐りきったサラリーマンの合コンに参加するが……という話。

・「オッパイファンド」 山本よし文

が、カリ子が処女であるというニセの情報を流していることを察知した本郷は、に危険すぎる技「泉ピンコ狙い」をしかけることを決意!

パソコンに入ってる女の子(銘柄)の身体の部位のところに、あの「モナー」っていうの? あれの顔がデータとして示されているとか、細かいところが面白い。「なんとか脳」、「なんとか足」っつって怪獣図鑑のパロディとして、各部位にその人物の名前を冠しただけ、っていうのが完全に図解の定番になっていただけに、新しいよねこういうの。
(00.1025、滑川)



・「公権力横領捜査官 中坊林太郎」全2巻(?) 原哲夫(1999〜2000、集英社)

公権力横領捜査官

Bert連載。アメリカの外圧によって、政財界の汚職を厳しく取り締まる「公権力横領罪法」が制定。対外的なカタチだけの法律で、ロクな予算も人材も割り当てられなかったが、そこには巨悪は絶対に許さない男・中坊林太郎がいた!!

……というわけで、ぶっとい葉巻に「親は関係ねえだろ、親は!」のキマリ文句とともに中坊林太郎が登場。ほとんど非合法なやり方で、政府の要人から金をかっぱぎまくる。

後半は、天下り組と政界の大物の財布がわりになっていた「東西銀行」の闇献金をすべて暴露し、なおかつ米国の銀行と合併させ存続させる、中坊林太郎の大仕事が描かれる。しかし……。いかんせん、私は金融のこととかよくわからなーい! だからどの程度荒唐無稽なのかの基準がわからなかったりする。おれみたいのがたくさんいるからきっと日本の政治はよくならないのであろう。スイマセン。

ただし「社畜」だった人々が、林太郎に追いつめられることによって人間性に目覚めていく過程(まあダサい、ベタだと言われればそれまでだが)や、ラスト近く、ダイナマイトで自らをふっとばし、盟友の政治家・松丸稲次郎逮捕への糸を断ち切った不動産会社社長・末野松政次郎なんかはまんま「北斗の拳」でよかったです。

それにしても、当の林太郎の親の正体が不明のままだったり、政界に野望を持つ松丸の腹心・沢田が何をたくらんでいるのかわからないままだったりと、伏線を始末しきれていない印象があるなあ。

・「公権力横領捜査官 中坊林太郎」総集編(1) 原哲夫(1999、集英社)

(00.1023、滑川)



・「女子アナ 今井良子の世界 3」 柳沢きみお(2000、別冊アサヒ芸能9月号、徳間書店)

今井良子の世界

ナンで今頃9月号を、と思われるだろうが私もそう思う。しかし、前回、連載ではなく読みきり、と書いてしまったものの、その後実質的連載となったので、そのことだけ書いておきたかった(作者のスケジュールを考えてのことか、他に理由があるかどうかはわからん)。

今回は、6時から始まる朝番組の担当になった今井アナ。慣れない生活でのストレスに悩まされるうえに、ストーカーまで出現。携帯に気持ちの悪い電話が入ってくるわ、最後にはストーカー本人が現れて……という展開。

……展開というか、「翔んだカップル」の初期を彷彿とさせるコメディ的展開。しかしひとつとして意外性がないのに最後まで読ませるというのは、筆力だと思います。皮肉でも何でもなしに。
(00.1023、滑川)





・「マンガロン」 鶴岡法斎(2000、イースト・プレス)

【評論】
「70年代生まれの極私的マンガ評論集」。「極私的」とあるように、自分の体験を軸にマンガを語った本。

取り上げられている作家は、水木しげる、日野日出志、少年ジャンプとキン肉マン、徳弘正也、江口寿史、少年サンデー、ゆうきまさみ、唐沢俊一、安永航一郎、吉田聡、根本敬、レモンピープル、六波羅芳一、プレイコミックとお元気クリニック、極私的エロ作家(北御牧慶、NeWMeN、1ROO)、じゃりん子チエ、吉田戦車。

「極私的に語る」ということは、客観的に語るときのそらぞらしさや、対象をピンセットでつついているようなヨソヨソしさを回避することができる反面、題材であるマンガより話者が前面に出過ぎてしまったり、体験が特異すぎて読者が共感できないという危険性をはらんでいる。が、本書の場合は、うまく作用して73年生まれの作者の体験した時代(主に80年代か)を語ることができていると思う。

比較していいものかどうかわからないが、極私的に自分の体験してきた文化を語る、ということで私が連想するのが大槻ケンヂだ。彼の自伝的エッセイはおおかた「暗い青春時代に自分の暗さを救っていったモノは何か」という語り方になる。大槻ケンヂの語る青春時代はユーモアを交えつつも確かにドロドロしているけれど、「バンドとしての成功→それへの疑問」という広い意味での成功物語に裏打ちされているようにも思う。
それに「表現」についても、「いてもたってもいられない衝動にかられて表現する」ということに対しての疑問はない。それよりも「いかにその衝動をカタチにするか、できるのか」ということが問題になっている点においては他のミュージシャンや作家とそう変わらない。

しかし本書の作者は、マンガ家を目指していた昔の友人に対し「いつの日にか、自分が大作家になることを夢見て、一歩も進まなかった。明日は檜になろう、と思っているばかりで、すでに根も幹も腐っていた。」(本書P204、「六波羅芳一」)と、ズバリと書いてしまうのである。
何かを表現したい、と思っている若者が言われてキツいことと言えば「おまえには才能がない」なんてコトより、「おまえには本当は表現したいコトなんてないんだろう」ということではなかったか。そういう面では、ストレートに「表現者の苦悩」を吐露する大槻ケンヂより、数段、キツい。

また、「一緒にマンガやイラストを描く仲間たちがいつの日か、業界で活躍するようになって出版社のパーティだとか、それこそ吉祥寺の往来で再会することを夢見ていた。/みんなどこへ行ってしまったのだろう。/歯の抜けるように、消えた。/青臭い乳歯の夢は敗れ、堅実な永久歯が生えたのだろうか。/「実家に戻るよ」/こんな言葉を何度聞いたことだろうか。」(本書P112、「ゆうきまさみ」)なんてくだりも、イタイと思っている読者はいるんじゃないだろうか。

うろ覚えなんだが、何かの雑誌でみなもと太郎が「だれも有名にならなかった『トキワ荘』が全国にいくつもあった」みたいなことを言っていたけれど、たぶんそういうことなのだろうと思う。
ちなみに、本書の「ゆうきまさみ」の項での「作品のそこここにうかがえるゆうきまさみの業界での人脈が、『トキワ荘』以上に身近に感じられ『自分たちもそうなれるかもしれない』という幻想を抱かせた(大意)」という指摘は鋭い。
そこに同時期の秋元康人脈(「おニャン子クラブ」を「銀河計画」と呼び、番組内で視聴者側に自嘲してみせたり)と同様の意味があるのかもしれないというのは、滑川の私見。

もうひとつ熱いのは「吉田聡」の項。「ちょっとヨロシク」を取り上げているのだが、とにかく熱い。「ちょっとヨロシク」について、こんなに熱い語りを(口頭も含めて)聞いたことがない。青春時代に毎週読んだ者でないと、これは書けない。本書の中でも言及されているが、「究極超人あ〜る」がオタクの青春で、「ちょっとヨロシク」がヤンキーの青春、と、(当時のサンデー編集部側で)故意か偶然か対応しているのが興味深い。実は滑川は両方ともちゃんと読んだことがないのだが、読んでみたくなってくる。

他にも「ジャンプ早売りの店があった」とか「エロ本をよく拾った」とか「ジャンプはガキっぽいので小学校高学年になってサンデーに乗り換えた」とか、記録しておくべきと思われることがたくさん書かれているし、「キン肉マン」や「徳弘正也」など、ほとんど評論の対象になってこなかった作品に言及していたりなど、考えさせられるところは多い。

あと、「吉田戦車」についても熱い。
(00.1022、滑川)



・「どパンチ先生」 土光てつみ、原案/山形一之(1993、シュベール出版)
・「3年B組 金バッヂ先生」(1) 土光てつみ(2000、日本文芸社)

どパンチ先生

今回は合わせ技1本。どちらも「どチンピラ」など、コメディタッチの任侠モノやバイクアクションなどを多く手がける土光てつみの作品。

「どパンチ先生」は、A4判、成年コミックマークが付いているがエッチ度は普通の青年誌並み。別猪口下三(べっちょこ・したぞう)は、頭の中は飲む・打つ・買うしかない女子校の英語教師。「別猪口」という珍しい名字は、安土桃山時代から続く由緒ある家系、というどうでもいい設定がいちおうついている。
彼が、教え子やその親とネンゴロになりたいと思い、打算的でメチャクチャな行動をとるとそれが結果的に万事問題解決になる、というパターン。

スバラシイのはまず第2話「花見の宴に操散る!?」
「義父に犯されそうだ」と危機を訴える生徒・広瀬まりなの相談にのる美人教師・夏目。彼女の、広瀬宅への家庭訪問に、夏目とヤりたい一心でついていく別猪口。
なぜかその場で、建築現場の監督である義父とその部下の花見に「女っ気がないから」とまりなも夏目も誘われ、それにもついていく別猪口。
みんな酔いがいいかげん回ってきて、その中の荒くれ者がまりなに裸踊りを強要。それを止めようと夏目が身代わりになろうとする。それらを止めようとする義父。
そこにいきなり、酔いが醒めた別猪口が乱入。暴れだし、それを止めようとした義父と乱闘に。そのいきおいでプレハブが潰れてしまう!
義父は別猪口の怪力によって救われるが、死の危機に瀕した義父を見て、はじめて「お父さん」と呼ぶまりなであった。
え? 「犯されてしまう」という問題は?
義父はまりなを見て死んだ妻を思いだし、ついときどきムラムラしていた。しかし、
「お前も悪いんだぜ 俺の前で恥ずかし気もなく裸になって着替えたりして……俺も男だからな」
かわいく舌をペロリと出すまりな。問題解決……なのか?

さらにその後。
別猪口のたくましさに惚れた夏目先生。だが実はものすごい淫乱であった。スケベの別猪口もウンザリさせるほどの淫乱ぶりに、挙げ句の果てに膣ケレインになってオワリ。

もうひとつは第4話「パンティーは地獄の香り」
密かにパンティーを売る生徒・白鳥。その秘密を知った別猪口は、「退学だと脅せば骨までしゃぶれる」(おい……)と判断し、白鳥を調べる。実は彼氏・研一の借金を返すためであった。研一の整備工場へ来た借金取り田川夫妻と白鳥たちの修羅場に出くわしてしまった別猪口は、なぜかイキナリ田川のかみさんと車内ファック。怒った田川は、インポだったのが突然蘇り、夫婦は別猪口に感謝するのであった。そして感謝ついでに研一に最新の整備機械をプレゼントする。

さらにその後。
別猪口は女子高教師のメリットを利用し、自宅でパンティーを買うと宣言。すると生徒が来るわ来るわ、あっという間に膨大な数のパンティーが集まった。しかし、「851枚のパンティーに付着した生理分泌液・小便・糞の相乗効果による悪臭」で、別猪口が中毒症状を起こしてオワリ。

「コータローまかりとおる!」でコータローはパンティ集めをしているが、そのリアル版。

・「3年B組 金バッヂ先生」(1) 土光てつみ(2000、日本文芸社)は、前作と違ってホンモノのやくざの先生が主人公。

金バッヂ先生

貧困にあえぐ武闘派任侠集団・冥土組は、経済ヤクザになることを拒み、組員全員がカタギの職業で急場をしのぐことになった! 若頭の菅原金太は、教員免許を持っていたため縁故のある私立中学の教師に。「やくざであることをバラしてはいけない」、「堅気には手を出してはいけない」という組長からの命令を守りつつ、イマドキの扱いにくいガキどもを更正させていく金太であった。

フィクションの世界でも、暴対法や経済ヤクザの台頭によって昔っからのテーマであった「任侠道を通すやくざが外道をやっつける」ことが描きにくく、主役たる侠客もますます活躍できにくくなってきた。くわえて堅気のヤクザ化、チーマーの凶暴化、女子生徒の素行の悪化など、「どパンチ先生」から確実に時代は変わっている。そんな窮屈な中でおのれの任侠を通そうとする金太先生なのであった。

それが原因かどうかわからないが、「どパンチ……」よりすっとんだ話は多くはない。それと土光てつみってこんなに描く女の子凶暴な顔してたっけか……。

金バッヂ先生表4

女の子を主人公としたマンガだっていっぱい描いてたのになァ。……と、世の殺伐とした感じを表したマンガ(ホントか?)

あとは単行本オビを「ジョーダンズの三又(金八のものまねをする方)が書いている」という事実と、オビの裏、
「バカチンパワー炸裂!!」と、オビに隠れて見えないけど表4の惹句「ワシらの熱中時代! 伝説の教師ギンギン物語!!」でお腹いっぱいの作品。
(00.1021、滑川)










・「YOUNG キュン!」11月号(2000、コスミックインターナショナル)

雑誌レビューは辛い辛い、と言いつつなんだかクセになってまだ中途半端に続けている。だいたい、マンガ読むのにとられる時間で、自分はどれほどの「まっとうな」ことができるのであろうか? とか考えるとヒヤヒヤ気分である。時間がもったいないのは受験生時代だけじゃなかったのだ。大人になってススムちゃん大ショック。

あ、あとこの雑誌、あろひろしも描いてる。連載なので話が見えずレビューはしなかったけど。ロリコンもの。

・「さらくーる」 みた森たつや

主人公の少年・ハルマキの過去が語られる回。まったく話が見えないが、けっこう読める。義妹との近親相姦。

・「視辱〜義姉〜」 こうのゆきよ

義姉との近親相姦。

・「秘密」 吉野小雪

義父の暴力を含めた度重なる不幸で、PTSDと解離性健忘になってしまった妹と彼女を守ろうとする兄の近親相姦。
この雑誌は近親相姦モノが多いね。

・「Chocolate Melancholy」 島本晴海

これも連載らしくて、話が見えないんだけど、いちおう最後まで読める。ちゃんとしたドラマがあるのかもしれん。

・「トリプル・ハート」 あらきあきら

実妹との近親相姦。お兄ちゃんを誘惑する妹ちゃんがカワイイね。それにしても本当に近親相姦多いな。

・「アナザー・レッスン」第3話 毛野楊太郎

「正しい課外授業」「楽しい課外授業」「恥しい課外授業」のアナザーストーリー。「課外授業」シリーズのもう一人の被害者、みずきを監禁して調教しようとする「教授」。暴力や薬物、マインドコントロールで「奴隷」をつくろうとしているらしい「教授」は、言いなりになるロボットではなく、みずきを意志を持った奴隷にするために秘策を思いつく。みずきの運命は!?

個人的に、こういうSM調教もので連載ってのは、続きがものすごく気になって気になってしょうがないので単行本にまとまってから読もうと思ってたんだけど(言ってみりゃSM調教って「全編これ次回へのヒキ」ってことだし)、毛野楊太郎って雑誌掲載時しかわからないことをやったり、単行本でもかなり描きかえたりしているらしい(単行本のあとがきとかを読むとそう思える)ので、だんだん気になってきて連載を雑誌掲載時に読んでみた。

……で、やっぱり続きがすごく気になった。「羞恥心がなく、心と身体を別だと思っている人間(みずきのコトね)の調教」というテーマはちょっとすごすぎる。
(00.1021、滑川)



・「ボンデージフェアリーズ」 昆童虫(1993、久保書店)

ボンデージフェアリーズ

レモンキッズ連載。A5判。妖精のプフィルは半人前の「ハンター」。しっかり者のパミラには依存心とコンプレックスを持っている。ある日、プフィルは一人で行方不明になったクワガタを探すことになる。パミラには「楽な仕事」と言われたが、「ハンター」になれなかったことを妬むサディスト三姉妹、オリガマーシャイリーナにとらわれてしまい、ミミズだのハサミムシだの、三姉妹だのに延々と犯されるプフィルなのであった。

羽のはえたかわいらしい妖精と昆虫たちのファック、という趣向は面白いし、絵柄もこじんまりとしてかわいらしい。犯す犯されるといってもそれほど陰惨な感じもしないし、何やら幻想的な感じのする長編作品。

ただし、個室でえんえんと責めが行われているという印象があり、キャラクターそれぞれの思惑やら伏線やらも、少しタルい気がする。また、陰惨な感じがしないと言ったが、内容自体はシリアスでいささか重苦しい(記憶を失ったまま、マーシャを愛する奴隷・マゾピックの末路など、哀しいものがある)。

……と思っていたら、漫画に関するWebページ「OHP」本作のレビューが載っていた。それによると本作には連作短編の続編があり、そちらの方がギャグ色が強く楽しめるとのこと。設定自体は非常に面白い作品なので、今度はそっちを読んでみようかな。
(00.1020、滑川)



・「三国志艶義」(下)(2000、ヒット出版社)

三国志艶義

B6判。成年コミック。中国の三国時代、覇権を争った英雄豪傑たちを描いたマンガ。ただし、劉備は調子の良さだけが取り柄、諸葛亮を従えつつもまったくウダツが上がらない。女である曹操関羽を欲しがっており、趙雲は武勇で名をあげたいと思っているがアソコの具合で敵を骨抜きにすることもできる。美少女と虎に変化できる張飛は、酒があればだいたいOKというカンジ。

お話は赤壁の戦いあたりでオワリ、上巻では劉備と同じく単なるお調子ものに描かれていた感のある関羽は、実は暗い過去があり、ある種のニヒリズムにとらわれていた男だった。後半は、関羽とそのニヒリズムにちょっとひかれた曹操との恋愛(?)中心となった。

関係ないが、造本がしっかりしててカキッとしててとてもイイ。

・「三国志艶義」(上) 清水清(1999、ヒット出版社)

(00.1020、滑川)



・「週刊漫画アクション」44号(2000、双葉社)

・「ぎゃるかん」 倉上淳士

新連載。先週号の予告の惹句に「エロゲーコメディー」となっていたら、本当にギャルゲーをつくる話だった。

・「ぷるるんゼミナール」 ながしま超介

電車内で「鬼畜ボーイズ」に「幻の大技『車内挿入』」をかまされてしまった菜々美は、あやうく「車内中出し」されてしまうところを「チカンキング」に助けられる。

チカンキングと奇妙に心が通じあう菜々美。ゼミで「痴漢は死刑にすべき!」という意見にも前面賛同できないのであった。チカンキングの件はもちろん、痴漢が気持ちよかったから……。

痴漢モノってフィクションの世界では根強い人気があるよなあ。まぁ私も現実の痴漢は死刑にするべきだと思ってます。絶対現実にするなよ痴漢。しかしまあ……この作品では「菜々美というズレまくった女の子がいる」ってコトで。それと痴漢の濡れ衣ってコワイよな〜。カンケイない話だけど。

・「オッパイファンド」 山本よし文

ついにオッパイ・おけつが同時公開。カリ子の「おしりプリプリ」に対抗し、も「オッパイダンス」を披露するが、両者の差は歴然としていた。本郷タケシに秘策はあるのか!?
(00.1019、滑川)



・「週刊少年サンデー」47号(2000、小学館)

・「ナズミ@」 岸みきお

河津郭志(かわづ・ひろし)は、ボクシングをやっているがちょっとウジウジした少年。ある日、パソコンから謎のプログラムが届き、それが美少女NAZUMIに実体化。彼女は、「キス」によって個人データを採取するプログラムであった……という話の、新連載第2回。

なかなか面白くなってきたっ。第1回で派手に登場したナズミの性格や能力(無邪気、好奇心旺盛、郭志をサポートしようとしている、プログラムを操る、電線を伝ってどこへでも移動できるなど)がより詳しく描かれ、郭志の顔も見たことがないメル友・ウサギさんへの彼の思慕、ナズミの能力を使ってウサギさんの正体をつきとめようと考える郭志、というところまでで、続く。

おれの中では完璧に「ちょびっツ」VS「ナズミ@」という対戦カードができあがっている。「ちょびっツ」はナンだ。キャリアと人気的には天内悠鎬紅葉か。「ナズミ@」は加藤だな。なんとなく。「だけどおれには……『入浴シーンがあるッッ』」ということで(ということでじゃないけど)、郭志と一緒に風呂に入ったりしてた。

マジメな話、ナズミは動いてくるとだんだんかわいくなってくる。コスチュームがちょっとなァ、とはまだ思っているんだけど。
決して難癖じゃなく、この人の絵の場合、上に伸びているというか人物が縦に細長く見えるタグイの絵柄なので、長いコートを着させるともっと背が高く見えちゃうんだよね。
(00.1019、滑川)



・「週刊ヤングマガジン」46号(2000、講談社)

・「ちょびっツ」 CLAMP

パソコンがカワイイ女の子型をしている世界、貧乏浪人生の本須和秀樹が、ゴミ捨て場に捨てられていた美少女型パソコンちぃを拾う。……で、OSがないのに起動してみてうんたらかんたら、みたいな話。

おお、だんだんお話が進んできた。まあ全部が全部ベタなんだけど、こういうのってベタがどう評価されるかって話だから、ある意味実力勝負だよな〜。

パソコンが擬人化されていることが、この世界でどのように受け止められているかは、とびとびに読んでいるからまだわからず。
(00.1019、滑川)



・「G−taste」(4) 八神ひろき(2000、講談社)

ミスターマガジン、ヤングマガジンアッパーズ掲載。今回は、「メイド特集」としてメイドを題材としたストーリーだけを1冊にまとめた。……ストーリーといってもたいした話ではないんだけど、ここでもまた作者のフェチ的こだわりが横溢した展開となっている。
本編も充分すごいが、驚きあきれたのは挟み込んであるチラシで、「水越沙耶香先生のメイド姿」がプリントしてあるという「G−tasteシーツ」
こういう2つの属性(教師とメイド)をブレンドするようになったら、コスプレ嗜好も相当に業が深いところに行ったと考えねばなるまいよ。しかもシーツ。んん〜。

「メイド」は、かつてはきわめて限定された人々のシュミだったが(いち早く「萌え」的観点でメイドを描いていた作家に柴田昌弘がいる)、同人誌に「メイド本」が溢れ、商業誌にまで載るようになった。本作での一連のメイドものが掲載されていた時期はブームがいちばん盛り上がっているときかちょっと下がったときくらいだろうが、八神ひろきのメイド参入は、アレクサンダー・ガーレンが最強トーナメント途中参加、くらいの意味があったとおれは思うね。

・「G−taste」(3) 八神ひろき(1999、講談社)

(00.1019、滑川)

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