2001年3月下旬


3/31(土)……レメキング

 寒かったので外に出ず。そのためエロティクスFとかは買えてません。

 OHP月極アンケートは3月のテーマが終わり4月のテーマに突入。3月「つい読み返してしまう漫画」は、

1位:佐々木倫子「動物のお医者さん」
2位:小原愼司「菫画報」
3位:あずまきよひこ「あずまんが大王」
4位:永野護「ファイブスター物語」
5位:荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」

の順。投票を見ているとおおむね、「気楽に読める」お手軽系、「元気が出る」「ヌル甘い」といったいわば癒し系、そして「通しで読まないと分からないから復習のため読み返すもの」 の3系統に票が集まったという感じがする。

 で、4月は「このスポーツ漫画が面白い!」で行くことに。実はプロ野球が開幕したということもあり、「野球漫画」オンリーでやってみるのもいいかなとも思ったんだけど、ちょっと考えた末スポーツ漫画全般に広げることにした。というのはいっぺん野球漫画でやっちゃうと、そのあとスポーツ全般でもう一回やっても盛り上がらなくなっちゃうだろうと思われたため。一口にスポーツ漫画といっても、モノによっていろいろ面白さは違うと思うので、そこらへんに関するコメントとかも入れつつ投票してみていただけるとありがたいです。

 4月の購入予定はいちおう以下のような感じ。「ねこぢるyうどん」2巻、「NieA_7」「漫画巷説百物語」は購入済み。定期購読雑誌も含めた予定は購入スケジュールCGIのほうを参照のこと。

タイトル著者名出版社
月内COMIC CUE Vol.10 イースト・プレス
月内ビッグコミックスペリオール増刊 小学館
「火宅」近藤ようこ青林工藝舎
「ねこぢるyうどん」2巻ねこぢるy青林堂
1「NieA_7」2巻安倍吉俊+gK角川書店
1「漫画巷説百物語」漫画:森野達弥+作:京極夏彦角川書店
2「砂の鎖」1巻山文京伝コアマガジン
4「純情パイン」1巻尾玉なみえ集英社
4「JIN−仁−」1巻村上もとか集英社
5「ななか6/17」1巻八神健秋田書店
5「バトル・ロワイアル」3巻作:高見広春+画:田口雅之秋田書店
5「殺し屋1」9巻山本英夫小学館
5「シーソーゲーム」2巻原秀則小学館
5「球魂」12巻岩田やすてる小学館
5「PEACH!」1巻遊人小学館
5「おしゃれ手帖」1巻長尾謙一郎小学館
5「恋愛ディストーション」2巻犬上すくね少年画報社
5「イケてる2人」10巻佐野タカシ少年画報社
6「おやすみなさい。」5巻小田原ドラゴン講談社
6「アゴなしゲンとオレ物語」6巻平本アキラ講談社
6「クーデタークラブ」2巻松本光司講談社
6「おやすみなさい。」5巻小田原ドラゴン講談社
6ヤングアニマル増刊 嵐 白泉社
7「藤原薫作品集」藤原薫ソニー・マガジンズ
9「ABILITY」3巻MAROワニマガジン社
9「魔法のプリンセス プリティー美沙」もっちーワニマガジン社
9「THE HAND」北方国明ワニマガジン社
10「死神交換イタシマス」福山庸治日本エディターズ
12ビッグコミックオリジナル 5月増刊号 小学館
13「やわらかい殻」おかざき真里集英社
13「女教師しおり」ペンネームは無い東京三世社
17オースーパージャンプ 集英社
18「からくりサーカス」17巻藤田和日郎小学館
19九龍 vol.1 河出書房新社
19「柳生十兵衛死す」1巻山田風太郎/石川賢集英社
19「千億の蟲」3巻六田登集英社
20「少女画報」西安桜桃書房
20「HEART SUGAR TOWN」桜瀬琥姫集英社
23「蒼天航路」22巻王欣太/李學仁講談社
23「ジャンゴ!」2巻せきやてつじ/木葉功一講談社
23「鉄腕ガール」5巻高橋ツトム講談社
23「天才柳沢教授の生活」17巻山下和美講談社
23「家族のそれから」ひぐちアサ講談社
23「雲のグラデュアーレ」1巻志水アキメディアファクトリー
23別冊ヤングサンデー No.9 小学館
25「朝がくる度」いくえみ綾集英社
25「一騎当千」2巻塩崎雄二ワニブックス
25「ボクらがここにいる不思議」流星ひかるワニブックス
26「しゅーまっは」1巻伯林秋田書店
26「美肉の蒐集」海明寺裕桜桃書房
27「マウス」4巻作:あかほりさとる+画:板場広志白泉社
28「ひねもす」甘夏真琴ヒット出版社
28「鷹月助教授の淫靡な日々」1巻艶々双葉社
「新・家族計画」1巻卯月妙子太田出版
「町野変丸作品集(仮)」町野変丸太田出版
「月にひらく襟」鳩山郁子青林工藝舎
「キッチョメン!石神井先生」泉昌之青林堂
「ぢるぢる旅行記完全版」ねこぢる青林堂
「敷居の住人」5巻志村貴子エンターブレイン

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI No.3 小学館 B5平

 『コミックは、未だ「黎明期」である』というキャッチがなかなかカッコイイ。誌面は今回も非常に読みごたえがあって、1冊読むと疲れちゃうほどの満腹感。もっと力抜いても読めるようなページが欲しいという気はするけれど、このままでもいいかなという気もしてきた。たくさんある漫画雑誌の一つくらい、ガシガシの硬派として攻めまくるというのも、ソレはソレで面白いと思うし。これからも注目していきたい。とか思っているうちに、もう次号で創刊から半年経ったことになっちゃうんだなあ。

 今号は、まず巻頭の松本大洋「ナンバーファイブ」がいい。さすがに1コマ1コマ、構図やセリフがビシッと決まっていて、今回アクションシーンとかは全然ないのだけどカッコイイ。ちなみに現在、FRANKENで松本大洋フェアが行われていて、「ナンバーファイブ」1〜2話が無料で読めたり、壁紙がダウンロードできたりするそうだ。期間は5月31日まで。黒田硫黄「SEXY Voice、 and Robo」も好調。キャラもだんだん立ってきているし、今回はドタバタしたコメディ風味を楽しませていただきました。この人は本当にハズレがないな。黒田硫黄に関しては、今までハズレな作品を読んだことがないような気がする。

 唐沢なをき「漫画家超残酷物語」。面白いなあ。今回は異形の漫画家の物語。どう異形なのかはネタバレの領域になるので、まあ読んでみてください。それから、比古地朔弥「まひるの海」。おお、面白くなってきている。狭い島という閉ざされた環境で、ミステリアスな少女・まひるの性に周りが振り回されはじめる。この作品、「神様ゆるして」や同人誌「けだもののように」など、比古地朔弥本来の持ち味が非常に色濃く出ていて引き込まれる。今回のラストの後味の苦さなんてもうたまらんといった感じ。コレ、作品が完結した後、まとめて読んだらまた改めて面白がれそう。

【雑誌】ビジネスジャンプ 4/15 No.9 集英社 B5中

 甲斐谷忍「ONE OUTS」がようやく連載再開。ピッチャーが投げた球がキャッチャーに届くよりも早く走るランナーという厄介な相手に対して、どう出るかということが注目されていたわけだが、いちおうの対策はコレでできたのかな? 実はそうやって球種を限定させ、守備位置などを崩させてからなら、盗塁に頼らなくても素直に打って点がとれそうな気はするので、もしかしてそういう手も使ってくるんだろうか。


3/30(金)……コミケッチ

 会社の同僚や後輩の人たちと呑んで、そのまま朝まで騒ぐ。でもまさか帰りがけに雪まで降ってきやがるたあ、お天道様でも思うめいて。

【雑誌】コミック.H VOL.3 ロッキング・オン B5変型平

 今号の目玉は、なんといってもよしともよしともの漫画が載っていることであろう。タイトルは「世界終末3分前」。巨乳コギャル女神さまに世界破滅装置をたくされた男がうだうだ語る8ページ。ええ具合に力が抜けている。それからあと目立つのは、山本直樹、安彦麻理絵あたり。ここらへんはプロとして長く活動しているだけあって、さすがにうまい。そのほか商業誌でプロとして活躍している人で目についたのは、間瀬元朗、真鍋昌平といったところ。あとは個性的でキュートな絵柄が面白いマサキノリゴも気になる存在。そのほか、松尾スズキ、小田島等、衿沢世衣子、青木京太郎、関根美有、滝沢麻耶、tsukao、村田江里、マツヤマアキオ、成田をと、三谷裕希が漫画を執筆。小池田マヤ、山田芳裕、天久聖一のインタビューもあり。

 3号めだが、じょじょに面白くなっているようには思う。ただ、やはりそれでも内容的には弱い。インタビューが一番面白く読めるコンテンツだったりするし。長くて読みごたえのある作品が二、三本入ってくるとかなり違うんじゃないかと思うのだけど、現状では実績のあるプロ作家はあくまでゲスト的な登場だし、それに代わるような柱もないし、いまいちパッとしない印象。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5中

 平野耕太「ヘルシング」が掲載。うーん、少佐がカッコイイ〜。フツーにしてればオタクっぽい眼鏡の小男といった容姿なんだが、邪悪なオーラがぷんぷんしていてそんなことは感じさせない。読切で登場のいかみはじめ「濃縮還元ローテシールト」。元はイカツイ男が、コスプレ美少女戦士に変身するよう改造され、いいようにこき使われるというお話。女の子はカッコはヘンだけどかわいいし、ドタバタしたギャグもなかなか愉快。

【雑誌】GOTTA 5月号 小学館 B5平

 松本零士「新宇宙戦艦ヤマト」がやっぱりスゴイ。今回はヤマトの僚艦が登場するのだけど、その登場シーン。ただ宇宙船が登場してゆっくり近づいてくるというだけのシーンで、セリフもなんにもないページが10ページも続くのだ。こんだけ大胆なページの使い方ができるのは大御所ならでは。新人とかだったら絶対、編集者に「2ページで十分」とかいわれちゃいそう。手抜きといえば手抜きなのかもしれないけど、何か起こりそうって感じには素直にワクワクさせられるものがある。土田世紀「ルート77」は最終回。

【雑誌】ラッツ 5月号 司書房 B5中

 お、Benny’s「桃色西遊記」の単行本が出たみたい。買わねば。ドリルムラタ「ロマンチカ。」。さすがの巨乳ぶり。挟むのではなく、乳首を中心とした乳肉に男根を突き入れるようにする行為を指す、「オッパイファック」という言葉になんだかソソられる。実際にこんなふうにめり込むのは難しいと思うけど、そこはそれ男のファンタジーですし。森高たかし「2人プレイ」。この人の描くエロはけっこうソソる。元気が良くて、むっちりした質感があって。

【単行本】「空想科学エジソン」1巻 画:カサハラテツロー+立案:柳田理科雄 ソニー・マガジンズ A5

 メカっぽさとファンタジーっぽさがいい具合にミックスされたアクション漫画。「発明&冒険ロマン」というのは大人の少年ゴコロをくすぐるいいコンセプトだと思う。物語は、周囲が高い岩壁で囲まれて外界から隔離されている聖域「ノストラジア」から始まる。そこの工房でも屈指の腕利きだった少女・ミロが、ノストラジアの中心にある滝壺から発見された不思議な言葉をしゃべる球状の機械「エジソンシュタイン」に導かれて、外の世界へと飛び出していく。

 この作品でまず目につくのが、のびやかでダイナミックで気持ちがいいカサハラテツローの作画。それから敵が襲ってくるその場でエジソンシュタインが設計図をミロに示し、ミロがあっという間に機械を組み立てそれを使ってピンチをくぐり抜けるといった筋立ても楽しい。「なければ作っちゃえ」的な発想の転換にわくわくさせられる。またアクションにもスピード感があって、見ていて気持ちがいい。連載のほうは、今度から柳田理科雄が原作から外れるようだがカサハラテツローの作画には十分な魅力があるし引き続き期待。

【単行本】「SF/フェチ・スナッチャー」2巻 西川魯介 白泉社 A5

 いやはや、面白かった。これにて完結で、同人誌作品などの短編も併せて収録。「SF/フェチ・スナッチャー」の終盤、メイドやら巨乳めがねっ娘やら幼なじみやらとくるコンボは実に見事だった。オタク煩悩炸裂系美少女的エッセンスと、小技的ギャグを随所にちりばめる巧みさにうならされる。Hな描写も、くねくねとして滑らかでソソるし、隅から隅まで愉快。それにしても眼鏡型異星人刑事、そして地球を襲う異星人からの感染を防止するためにはつばで消毒せねばならないなどという、実に「無理のない」「強引な」設定なんて、この人でなければ考えつかないだろうなあ、というかやらないだろうなあ。ちなみに併録作品は「女子校メルヘン 死霊のプールびらき」「痛快百物語」「蜻蛉日記」「強襲ミドガルト蛇」「喜劇・ナチスオカルト局ロスト・アーネンエルベ」。


3/29(木)……うちでしやまむ

 先日インプレスダイレクトで注文していたナムコ「ビデオ・ゲーム・ミュージック」復刻版が届いた。わーい。しかも第2弾「スーパーゼビウス」、第3弾「ザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック」も復刻が予告されている。うれちい〜。でもその2本は発売日は予告されてないので、いつになるかはちょっと予想がつかない。そもそもこの「ビデオ・ゲーム・ミュージック」にしたところで、発売されるとの第一報が入ってから何年も待たされたわけだし。気長に待つので必ず出してくださいませ〜。

 そのほか本日購入未読分。「漫画巷説百物語」の漫画を担当している森野達弥は水木しげるに絵がそっくり……と思ったら、水木しげるの内弟子を長くやっていた人らしいです。

【単行本】「NieA_7」2巻 安倍吉俊+gK 角川書店 A5
【単行本】「空想科学エジソン」1巻 作:柳田理科雄+画:カサハラテツロー ソニー・マガジンズ A5
【単行本】「SF/フェチ・スナッチャー」2巻 西川魯介 白泉社 A5
【単行本】「Girl −氷室芹夏作品集−」 氷室芹夏 白泉社 B6
【単行本】「藍より青し」5巻 文月晃 白泉社 B6
【単行本】「漫画巷説百物語」 作:京極夏彦+漫画:森野達弥 角川書店 B6

【雑誌】ヤングサンデー 4/12 No.17 小学館 B5中

 山本英夫「殺し屋イチ」は次号で最終回とのこと。まあなかなか垣原以上の敵キャラを作るのは難しいだろうし、これは妥当かなという気がする。もし何かすごい新展開が作れるようなら、そのときにまた再開するも良かろうし。村川和宏「葉弥 HAYA」(原案:かくまつとむ)第2回め。この人の描く女の子は、表情とかイキイキしててなかなか目を惹くなあ。

【雑誌】モーニング 4/12 No.17 講談社 B5中

 ガーン!! 表紙を見てまずいきなり驚いた。あの「幸せの時間」などで知られる国友やすゆき先生が表紙ですよ〜。しかも女子アナ〜。というわけで新連載「コッコちゃん」。普段は眼鏡をかけてわざと冴えない容姿にしているけど、実はフェロモンばりばりな女の子、通称「コッコちゃん」がテレビ局に入って女子アナとして活躍するコメディって感じ。いきなり最初っから、ブラジャーに乳を入れるのに苦戦して遅刻したりと、ベタな展開を見せてくれるのが国友やすゆきらしい。「オッパイ大き過ぎてごめんなさ〜い!!」といったところだ。個人的には楽しみではあるのだが、なんというかどうかなあ。

 幸村誠「プラネテス」。2週連続で登場のまず前編。ハチマキは木星を目指し、デブリ回収業者を退職していよいよ選抜試験に臨む。しかし、その裏では木星探査計画に対してに反対する活動家も暗躍していて……という展開。お話の持っていき方、読ませ方はこれまで同様たいへん達者。あとは後編でどのような展開を見せてくれるかが今から楽しみ。それから永井豪とダイナミックプロのシリーズ連載「帝都女記者伝 写らく」がスタート。明治時代の女新聞記者を主人公とした人情モノといった風情。なんかまとまりが良くて、永井豪らしくないような気が。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/12 No.17 集英社 B5中

 和田ラヂヲの新連載「がんばれ! 和田ラヂヲ」がスタート。いつものペースでまったりと。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/12 No.18 秋田書店 B5平

 八神健「ななか6/17」が4月5日、伯林「しゅーまっは」が4月26日に、それぞれ単行本第1巻発売という萌え萌えなニュースが。そして藤澤勇希「BM −ネクタール−」は今回で第二部終了。USBM編もなかなか面白かった。なんか続きがありそうな感じだけどどうなんだろう。次はロシアからやってきた「ロシアンBM」とかどうか。砂漠に潜む「アラビアンBM」とか。いや、いっそ宇宙に舞台を移し「スペースBM」とか。

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中

 朔ユキ蔵の連載「少女、ギターを弾く」がスタート。町中で全裸になってバイブをマイクに演説したりしているエキセントリックな少女が主人公。その奇矯さについていけなくなった彼氏にフラれた後、彼女はギターに興味を示し出す……という感じの第一話。なんだかのっけから女の子さん、イカれてて大変にご立派。こんだけうまい絵で、こんだけヘンな話を描いているというのはスゴい。初の長編続きモノってことで期待はいやがうえにも高まる。なんかとても激しいことになりそうな気配だ。それから新連載としてはポヨ=ナマステの日常漫画「スーパー忍者村」がスタート。第一回めはSABE宅に遊びに行く編。今、阿佐ヶ谷でなくて北海道なんですなあ。しかも彼女もいるそうで。幸あれかし。

 米倉けんご「エヴァーグリーン」。煮詰まっているなーと思ったら、次号で最終回らしい。陽気婢「<6 SEIS>ViRGIN OiL 1/2」は、今回「内向エロス」でないのかなと思ったらいちおう「内向エロス」の中の一部のようだ。とはいっても物語的には独立して読める作品で、妹と知恵遅れ気味な美少年である兄の世界に、妹の親友が引き込まれていく……といった感じ。この親友さんの控えめな容姿とドキドキ感がソソる。

【単行本】「ぷるるんゼミナール」1巻 ながしま超助 双葉社 B6

 昨年、週刊エロ漫画雑誌にリニューアルされてどうなるかと思っていたら、なんだか独特な面白さを発揮しだした漫画アクション。そのアクションの妙な面白さを、山本よし文「オッパイファンド」と共に象徴しているのが本作である。

 主人公・深瀬菜々美は哲学界の大物大学教授の一人娘で、現在は名門女子大の新入生。そんな彼女でしたが、実は巨乳だったのです……。頭より大きいのではなかろうかと思われる乳を二つ装備した彼女は、ちょっと刺激されるとすぐHな気分になっちゃって男をとっつかまえてヤラせちゃうという困った性癖を持っている。その厄介な性分を克服するため、女性問題の権威である田嶋教授のゼミに入るのだが。というのがまあ簡単なあらすじ。

 で、この作品のすごいところは全体からあふれるおめでたさ。女性問題とかいってはいるが、それはただのネタフリにすぎず、菜々美は盛大にヤラせまくりでもうこれ以上ないってくらい都合がいい。というか、別に男たちのほうが期待してないのに言い寄っていく始末で、ほとんど痴女レベルだ。田嶋ゼミの構成員が全員巨乳だったりそこかしこがどう考えてもヘンなのだが、この作品にはまったく悪びれることがなく実にあっけらかんとしている。そして深瀬菜々美の決めゼリフ「オッパイ大き過ぎてごめんなさ〜い!!」。ああおめでたい。いったい「この作品は何を狙っているのか〜?」と考えた次の瞬間、「きっと何も狙ってないんだろうなあ」と思ってしまう潔さ。「異様に面白い」というより「異様な面白さ」という感じ。読んだ後にまるっきり何も残らず、とても爽快な作品であります。


3/28(水)……モヘンジョ・ヤワ

 明日は早いんでもう寝ます。とかいいつつもう5時過ぎだ。ヤベー。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平

 やまじえびね「お天気といっしょ」。のんびりしてていいなあ。桜の舞い散る中、人が佇んでいる風景っていうのは、どうしてこうも魅力的なんだろう。静かな表現が威力を発揮している。くらもちふさこ「アルファ」。ファンタジーっぽい世界が舞台だった前回とは一転して、今度は現代日本が舞台。年齢には不相応なほどのクールな美人さん、だけど実はなかなか人に心を開けない不器用なカノジョが、とある男性との出会いによってしだいに心開いていくというお話。町の風景に矢印がぴんぴん立った出だしは一瞬何だろうと思うのだけど、ちゃんと読むとそれがとても気の利いた演出であったことに気づく。短いページ数の中にしっかりドラマを封じ込んでいて、まったく感心してしまううまさ。それから今号から、萩岩睦美「たんぽぽ保育園カンタマン」がスタート。ガチガチのスパルタ教育を施している保育園にやってきた一人の保父。彼の出現によって、独裁的で窮屈だった保育園の教育に風穴が開けられていく……といったお話。次回は7月号に登場。

【雑誌】ステンシル 5月号 エニックス B5平

 天野こずえ「AQUA」がいい。ツヤがあって華やかな作画でのんびりした物語運び。水の町を舞台にして時間がゆったり流れる感じがとても心地よい。女性キャラも端整で可愛いし。エノロッコ「ベイビートロン」。吉本蜂矢をちょっと思い起こさせるような感じのポップなギャグ。「ポップ」などというとたいへん陳腐に聞こえるけれど、漫画はちゃんと面白いです。アップダウンが激しくて良い感じかと。

【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「しょほぅせん」がすごくうまいなー。美少年・色クンの、朝から晩までヤリっぱなしな日常を描く。、十分に華やかなHを織り込みつつ、あくまでコミカルに、かつ一定のぺースでお話を進めていて実にうまい。絵は今さらいうまでもなくうまいし、大したものです。ジャム王子「地獄学園生徒会III」。この人はかなり絵柄的に特徴があって、パッと目を惹くのがまずいい。それから学園で、ザーメンじるじるな宴が頻繁に行われる異常な状況も刺激的。今号で実用方面でいいかなと思ったのは、牧部かたる「バスタイム★ラブタイム」。小学生ちんちん(といってもかなり雄々しい)4本くらいで入れ替わり立ち替わり。この雑誌では初登場のRT.「僕の母さん?」は、滑らかで柔軟なタッチのかわいい絵柄で気になる存在。細めたキツネ系な目つきがソソる。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/11 No.17 小学館 B5平

 お、お願い! ラミアどん! というわけでやってくれました、作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!! Xi」。なんとまあこんなあからさまに萌え萌えな手でくるとは……(;´Д`) いやー、参った。ラミアのラヴィアは手で隠し……いやー最低だ、俺。

 というわけですっかりラミアどんにしてやられているけれども、巻頭カラーでは作:武論尊+画:松浦聡彦「ライジング・サン」が掲載。前後編の前編。経済が崩壊、地震が直撃、完全に荒廃して「世界のゴミ箱」とまでいわれるようになった日本が舞台で、それでも意地を見せる男たちの物語を描く。アオリ文句は「日本はこのままでいいのか!?」。これ以上ないくらい煮詰まった状況設定で、テンションは高い。ググッと読ませる力強さあり。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/11 No.17 講談社 B5平

 松本英のギャグ漫画新連載「劇団鯨ごろし」がスタート。この人、昨年の夏に週刊少年チャンピオンで「アイアンメイド・アリス」を集中連載してた人だよね。4コマ系よりも、普通にコマ割ったギャグにしたほうが面白くなりそうな気はするんだけど、「アイアンメイド・アリス」はけっこうパワーがあって好きだったのでとりあえず期待。

【単行本】「妖魅変成夜話」2巻 岡野玲子 平凡社 A5

 中華風妖怪ファンタジー譚。岡野玲子の持ち味は、澄んだ美しい表現というのもあるのだけれど、やはり端整な絵なのに飄々とジョークを繰り出してくる懐の深さも見逃せないところ。この作品ではそちらの持ち味が強く発揮されている。岡野玲子の作風は、あくまでポーカーフェイスなのが素晴らしい。しみじみとしたおかしみがある。

【単行本】「go on、baby!」 片岡吉乃 集英社 新書判

 キレ味良く、うまいことまとまっている短編集。これは全体的に見て、ラブコメですな。とても。美しさのほうが先に立つ作品ばかりでなく、ユーモアが目立つ作品もうまいということはこれまでの単行本などで見せているとおりだけど、初期の繊細さとその後のリラックスした作風が、この単行本ではちょうどいい感じでミックスされているような気がする。その分、だいぶ落ち着いちゃってて、突出したという感じではなくなっているけれど。


3/27(火)……探れそうサ

【雑誌】リイドコミック爆 5月号 リイド社 B5中

 リイドコミックがリニューアル。オール新連載というんだからなかなか大きな誌面刷新だ。ところでリイドコミックって「LEED COMIC」なんだなあとか改めて思ったり。で、新執筆陣は中山昌亮、深谷陽、石山東吉、さとうしんまる、修生、八月薫、立沢直也、佐藤ヒロシ、藤波俊彦、岡村賢二、坂辺周一、古沢優、みたにひつじ、矢野健太郎、雅亜公、鈴木サトル。まだ全部第1回なんで、どの作品もどうなるか見えないのだが、この中で気になるのは「オフィス北極星」の中山昌亮、それから深谷陽、あとすごすぎる人・石山東吉、岡村賢二あたりかなあ。八月薫は改めてみると、岡崎つぐお+小谷憲一+石井まゆみって感じの絵柄になっているような。矢野健太郎「パート退魔 麗」はヒロインの女の子が眼鏡っ娘で巫女さん姿。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/10 No.8 秋田書店 B5中

 岡田和人「教科書にないッ!」。なんかここのところの展開は妙にH。五月先生が暗示などによってHな気分にさせられちゃって……というところ。きっと大したことにはならないんだと思うんだけど、でもこういう恋人のいる女性が卑劣漢によってピンチに、というエピソードは、すんません、すごく好きなんだよーん。あと、立川志加吾が4コマ漫画「しゃぶせん」で登場。

【雑誌】漫画アクション 4/10 No.15 双葉社 B5中

 山本貴嗣「Mr.ボーイ」が巻頭カラーで新連載。中学生くらいにしか見えないかわいい少年のような外見をしていながら、実は1970年代生まれ。その外見を利用して囮捜査要員として活躍する坊翔太郎、通称「ボーイ」を主人公とするポリス・アクション。面白くなりそうな気はするんだけど、この手の作品はけっこう中途半端に終わってしまうことも多い(ような気がする)山本貴嗣だけに、とりあえずは様子見。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。単行本1巻がいよいよ明日(これを書いている時点ではもう今日だ)発売。うれしい。これだけ陽気であけっぴろげな漫画って珍しい。リニューアルして妙な面白さを発揮しているアクションを象徴する作品だと思う。さつき優「しりけん」。こちらもあっけらかんとしてて、なんか見ててほっとする80年代的にベタなノリが楽しい。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。いよいよ優勝を決める一戦を迎えようという晩、キラリはなぜかヘンな格好で踊っております。こういう無意味さが素晴らしい。

【雑誌】Cookie 5月号 集英社 B5平

 買うか買わぬか微妙なラインにある雑誌なんだけど、最近いわみえいこの短編が載るので。というわけで「お月さまお願い」。お月さまとお話できる、ハモニカが得意な心優しい少年の物語。12ページと短いものの、心優しいファンタジーに仕上がっている。ちょっとお行儀が良すぎというか、も少しファンキーなところがあってもいいかと思いはするのだが、着実にいいお話は作れているのでこちらの路線もまた良し。たまにハメ外してくれるとなおうれしい。キャラクターの目が、おっきなガラス玉みたいで引き込まれるようなわたなべちひろ「海よりも山よりも」も面白く読めた。それから今月号にはおかざき真里「ハルヨル −春夜−」が掲載。

 あと水沢めぐみ「神様のオルゴール〜HAPPY BIRTHDAY〜」は最終回……でいいんだよね? お話的にはちゃんとしめくくられているし、最後のページには「おわり」と書いてあるんだけど、同時に「次回の掲載をお楽しみにね!」とも書いてあって、これじゃあもしかして次の回もあるのかと思ってしまう。少女漫画の最終回ってときどきこういうことがあるが(例えば最終回なのに扉ページには「クライマックス最高潮!」としか書いてなかったり)、「サヨナラするのは辛いけど」という気持ちは分かるもののもやもやするのは気持ち悪いんで、最終回なら最終回と、違うなら違うと、ハッキリ明記してほしいもんであります。

【雑誌】激漫 Vol.31 ワニマガジン B5中

 天竺浪人は連載「POSSESSION」のペースが上がっていく中、日常エッセイ漫画の「笹暮草」が最終回。まあ「笹暮草」のほうはボーナストラック的な存在だったので、あればうれしいしなくてもまあ仕方ないかといったところ。これで負担が減って本筋の連載のクオリティが上がるのならそちらのほうがありがたいな、とは思う。西安「秘書室無情」。やっぱりうまい。もちろん女秘書がHなことをするのだ。吉田蛇作「Dream Jumboかおりちゃん」。この人の描く女の子はいいなあ。顔がぷっくりしてて、身体もぽっちゃり系で。細すぎないところに何かほっとするものを感じる。池上竜矢「ラピスラズリ」。異能女探偵モノといった感じ。すっきりスタイリッシュな絵柄はなかなかにうまい。あとRYU-TMR「イッパイイッパイ封霊師マーコ」。ぴちっとまとまったかわいく達者な絵柄で、今回も下らないことやってて楽しい。

 で、次号(5月26日発売予定)は山田タヒチ、堀博昭、フジヤマタカシ、十羽織ましゅまろと、新(および再登場)メンツをいろいろ投入する予定のようだ。それから寺田克也もフルカラー漫画を描くらしい。楽しみ。

【雑誌】MEN’Sドルフィン VOL,21 司書房 B5平

 巻頭カラーは稲葉晃次「花さくや日ぬはれたる鳥の鳴く」は、戦後間もない田舎の豪農の屋敷が舞台で、一児の母でもある若き未亡人が誘惑されるというお話。いやよいやよという奥さんを焦らして焦らして……というあたりがいやらしくてソソる。絵柄的にも柔らかみがあって好み。KASHIみちのく「地獄へつづく村」。若い娘さんたちが山奥で迷って、たどり着いたおかしな村で、村の男たちのつちのことすっちょねっちょ〜という感じ。明るく元気よくやりまくってて楽しいなあ。それとやっぱり巫女さんって流行ってる? 宮本悠「困ったときの巫女だのみ」も巫女さんもの。

【単行本】「ねこぢるyうどん」2巻 ねこぢるy 青林堂 A5

 引き続きコロぺた号は破壊しまくってて、その間ににゃーことにゃったはコロぺた号を出した山の神様に再会。その後、いろいろあってコロぺた号の内部だかなんだかの怪しい世界に迷い込んでいく。フルカラーで描かれる混沌とした怪しい雰囲気の世界は、夢のような不思議さ。かつそれが当たり前のように存在していて、妙にまったりした居心地の良さもあったりする。物語はまだ途中なんだけど、とくに決着をつけずこのまま迷い歩いているだけでも良いような。


3/26(月)……雀豪黒兵衛

 志村貴子「敷居の住人」は、発売が4月末になった模様。

 で、本日の購入物件のうち未読物は以下のとおり。「ジャンゴ!」は2巻を入手してからまとめて読むつもり。なんだか漫画だけでなく読まなきゃならないものがもりもりあって、このところ忙しいでげす。

【雑誌】Cookie 5月号 集英社 B5平
【単行本】「ねこぢるyうどん」2巻 ねこぢるy 青林堂 A5
【単行本】「妖魅変成夜話」2巻 岡野玲子 平凡社 A5
【単行本】「橋無医院」3巻 林光黙 エンターブレイン B6
【単行本】「go on、baby!」 片岡吉乃 集英社 新書判
【単行本】「ジャンゴ!」1巻 せきやてつじ(原案:木葉功一) 講談社 B6

【雑誌】コミックきみとぼく Vol.4 ソニー・マガジンズ B5平

 今号には紺野キタが登場しております。なかなか単行本にはならないと思うので、ファンは要チェックですぞ。今回の読切「みあげてごらん」は、弟と一緒に、死んだ小鳥を庭に埋めようとしていた女の子が土に埋まっていたヘンな男を発掘してしまうところから始まる。彼は他星から来た宇宙人の船に乗っていたアンドロイドだという。この女の子も実は精神感応力(テレパシー)を持っているという変わった娘だったのだが、それゆえに受けた心の傷などを、しだいにこのアンドロイドの青年に話すようになる。今回もまた非常に上品で美しい絵柄でもって、後味の良いファンタジーを描いている。いいお話だけど、あえて難をあげるとするなら他星からのアンドロイドなどという突飛な設定を使わずとも良かったような。32ページだとその設定が存分に活かしきれていないような気がする。

 二ノ宮知子「天才ファミリー・カンパニー」が最終回。途中まで読んでなかったので、すんません、よくお話が分かっておりません。それから今回は松本花子の読切が2本立て。森蘭丸とお殿さまの楽しい日々「小姓のお仕事」、半年間限定で借りれる子供とその借り主である男のいいお話「おためし版の子供たち」。どっちも美少年が出てきて、かたやコメディ、かたやヒューマンドラマという感じでそれぞれ違った味わいを楽しめるのがうれしいところ。あと新人の九十九マナ「Q」。田島昭宇を思い起こさせるような画風で、かなり達者。新人らしからぬ腕前。

 ところで「きみとぼく」だけど、ここまで年4回刊行だったが、7月からKBコレクション・アンソロジー・シリーズとして隔月発売になるんだそうだ。うーん、なんかいまいいちよく分からん扱い。Bstreetみたいな感じになるんかな? でも「きみとぼく」だと特定テーマがあったわけでなし、アンソロジーというのもなんだか違うような気もするんだが。ともあれ、ここらへんの詳しい情報は、コミックバーズなどの出版物、およびソニー・マガジンズのオフィシャルページで案内されるとのこと。新シリーズの第1号は7月7日発売予定。

【雑誌】プチフラワー 5月号 小学館 B5平

 しっかり面白いなー。

 まずは巻頭カラーで新連載、さいとうちほ「アナスタシア倶楽部」がスタート。骨董屋の一人娘である美少女鑑定士のもとに、一人の美青年がやってくる。彼は、ロシアの皇女アナスタシアを名乗ったアンダーソン夫人のものであるとされる人骨を持ち込みその鑑定を依頼するが……といったところからお話はスタート。タイトルからいって当たり前だが、のっけから「アナスタシア」である。絢爛としているのである。浮き世離れしそうな感じなのである。浪漫があってとてもいい。期待。吉野朔実「栗林かなえの犯罪」後編。水族館で出会った口を利かない少女に恋をしてしまった男。しかし、その後彼はその少女に見えたコが、実は女装していた少年だったことを知る。というところまでが前編。後編では物語の主体は少年のほうとなり、彼の事情が語られていく。ページ数は多くないけれど、硬質な美しさのある読みごたえのあるお話だった。キレがいい。そのほかの作品も概して手堅く、しっかり読めばそれだけの手応えを返してくるものが多い。末長く続いてほしい雑誌だ。

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平

 連載入れ替わりの時期か。ひな。「1ねん3くみ桃ちゃん先生。」最終回。最後までかわいく、でも実はけっこうイカれたワールドを展開してくれてて楽しかった。作:吉本昌弘+画:木崎ひろすけ「A・LI・CE」も最終回。コレって、もしかして木崎ひろすけ初の完結作品では。最終回はも一つ、作:あかほりさとる+画:別天荒人「源平伝NEO」。それと入れ替わるように、巻頭カラーで大和田秀樹の新連載「警死庁24時」がスタート。普段は交通課、でも有事のさいには特殊部隊的な活動をする警察官たちが主役を張るポリスギャグアクションといったところ。あと都筑真紀「G〜Destine for Fire〜」が連載再開で、まりお金田「GIRLS・ブラボー」が本格連載開始。いろいろ入れ替わってて忙しい。

 読切も3本あって、女の子がかわいくて爽快感もある日常系ファンタジーな米倉静香「風あそび」、達者な絵柄でスッとぼけた味わいのギャグをかますゴツボ*リュウジ「JET!侍」、下着娘がかわいくていいなあ竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」。それぞれ楽しい持ち味があって、ユニークな存在。吉崎観音「ケロロ軍曹」、作:GAINAX+画:貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」、丸川トモヒロ「成恵の世界」など、高値安定の連載もあって読んでて充実感はある。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/9 No.17 集英社 B5平

 ガーン!! 岸本斉史「NARUTO」のサクラって、「泣き虫サクラ」だったのかー!! こりゃあもうグレート巽と戦っていただかないと(いちおう説明しとくと「餓狼伝」ネタ)。秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。今回はまた巨乳さんが。しかも洋ピン。これがデカさのインフレなのか……。うすた京介「ピューと吹く!ジャガー」。今回出てきた女の子さんがとてもいいと思った。この人の描く女人はいつもいい。

【雑誌】ヤングマガジン 4/9 No.17 講談社 B5中

 村上真裕「チキン」が本格連載に。かつてはハードパンチャーだったのだが、アマチュア最後の試合で相手を植物人間にしてしまい、それがトラウマとなって現在は極端なアウトボクサーになっている世界チャンピオンが主人公。彼のやり口は、相手のすべてのパンチを避け、合間合間でへなちょこパンチを当てることで判定勝ちするというもの。そのボクシングスタイルゆえ、ファンは極少。このシリーズ、以前読切でも集中連載でもやったことがあるのだが、3年間の沈黙の後、ついにヤンマガ本誌で巻頭カラーの座を得た。「そんなに何回もやらんでも……」とは思うものの、コンセプト自体は面白いし作者の思い入れも強いだろうので、こうなったらもう納得行くところまで突っ走ってほしい。クセの強い作風はわりと好みではある。

 CLAMP「ちぃ」……ではなく「ちょびっツ」。ちぃがなんか覗き部屋のバイトを! もっともっと。ほんほん。あと、今月は特別企画として「ヤンマガ麻雀最強位決定戦」というのが。天野明、綾坂みつね、イダタツヒコ、風間やんわり、片山まさゆき、恋緒みなと、こしばてつや、小林まこと、すぎむらしんいち、村田ひろゆき、弘兼憲史、ヤンマガの関編集長の顔写真も掲載。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/9 No.17 小学館 B5中

 曽田正人「昴」第二部スタート。今度はプロダンサーとしてバレエで食っていくべくアメリカ合衆国にわたる昴だけど、受け入れ先はなんだかまともに活動してないみたいで前途多難。青山広美「格闘太陽伝ガチ」。物語時間は3年後へ。主人公・太陽がたくましく成長していて、これからどういう戦いを見せてくれるか楽しみ。窪之内英策「ショコラ」。ああ、やっぱりこの人の描く女の子はカワイイなあ。ピチピチしててイキがいい。のぶみ「にじこしいいんちょう」。この作品、淡々と味わい深くてけっこう好き。にじこしいいんちょうの行動はかなりヘンだけど、ちとかわいそう。もしかしてにじこしいいんちょう萌え?

 作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」は、なんというか、まさに「きたきたきたー!!」という展開。主人公たちに思いっ切りハンデを背負わせちゃう坂田信弘節が存分に発揮されている。あと、古林仁史のホラー系読切「桜町交番綺談」前編が掲載。次号で後編。この人の「星に願いを」はかなりいい作品なんだけど、どうもそれ以降の作品はいまいちしっくり来ていない。ここらで一発ガツンといわせてほしいもの。

【雑誌】ヤングキング 4/16 No.8 少年画報社 B5中

 あふーん。花見沢Q太郎「ももいろさんご」がとてもいい。今回は猫目な娘、潮たんが……(;´Д`) もうたまらんのです。最近の花見沢Q太郎の、萌え心ピンポイント刺激パワーには素晴らしいものがある。「BWH」もいいし、これもまた。あと今号は、山本夜羽の読切「したっけ、吉本くん。」が掲載。北海道のとある高校を卒業し、それぞれ別の道を歩んでいこうとする若者たちのお話。青い恋ゴコロを、きっちりHをからませて描いていて安定感のあるお話作り。

【単行本】「乱らな交わり」 春龍漸 ヒット出版社 A5

 タイトルを見て「淫らじゃないの?」と思った人もいるだろうけど、これで正しい。タイトルどおり、乱交モノ多し。この人、絵もだいぶうまくなったなあ。なんだか肉が吸いついてくるようなエッチさがある実用的な作品を描く人だったが、その持ち味がますます強まっている。体液の量が多めで、じゅくじゅくした質感がエロい。物語のトーンはガチガチの鬼畜ではなく学園ものだったりすることが多いのだが、ヌルめのムード、激しいエロと、殺伐とせず安心して実用に供せるかなりおいしいところをついている。すごい巨乳というタイプでないけど十分なボリューム感のある女体とか、さりげなく汎用性高そう。そういえば消しも少ない。というわけでオカズ的即戦力。いわゆる「アニメ絵」といわれがちなタイプの絵柄なんで、そのあたりで好みが分かれるかもしれないけど、個人的には実用系として高く評価。乱交モノ好きだしー。


3/25(日)……げっ、どうしよう?

【単行本】「クロ號」1巻 杉作 講談社 A5

 幼いころに親と別れて妹とともにヒゲ男のもとに拾われてきて、「クロ」と名付けられた猫の視点で描く日常。筆系の丸みのあるタッチは完成度が高く、初単行本とは思えないくらいの安定感がある。お話のほうも落ち着いたムードで、無邪気な視点で、厳しかったり捨てたもんじゃなかったりする現実をとらえてて味わい深い。ときどきヒゲが報われたりすると妙にうれしかったりして、イヌ派の俺も、ネコも悪いもんじゃないなとか思わされたり。

【単行本】「BLAME!」6巻 弐瓶勉 講談社 B6

 たぶん新刊が出るたびに、既刊を全部読み返したほうがいいんだろうとは思いつつ6巻だけとりあえず。相変わらずすごくかっちょいいなあ。ハードコアなSF小説の表紙や挿絵をぜひ飾っていただきたいと思う作画。これだけの世界を作って、それを形にできるというのはまったく大したものだ。金属の壁で囲まれた空間が延々と続き読者にも覆いかぶさってくるよう。半機械的な敵やそれ以外がひょんひょん出てきては過ぎ去っていく。そういった雰囲気が好きな人なら物語をとくに追わずに眺めているだけでも楽しめちゃうはず。

【単行本】「ぽちょむきん」2巻 北道正幸 講談社 B6

 この作品は、単行本でまとめて読んだほうが面白いと思う。相変わらずすごくオシャレでうんまい作画はお見事。物語もけっこう読みごたえがあったりするし。ドタバタとやりつつも、なんだか怪人にも正義の味方にも哀愁を感じてしまうのは、正義も悪もはっきりしないこの時代ゆえなのでしょうか。爆笑というよりも、ほのぼの味わい深いコメディといった感じ。あとおまけであるねこまんがが、本編を食っちゃうほど面白いのもお買い得なところ。写真漫画はさぞかし作るのたいへんだったろうなあ。

【単行本】「永遠のなかまはずれの国」 永野のりこ 美術出版社 A5

 いろいろなところでの細かい仕事をいっぱい集めた単行本。いちいち拾っていくのがたいへんな領域だけに、こういう単行本を出してくれるのはありがたい。収録作品は「ドクターはかせとアイランド島 DOCTOR DOCTOR AND ISLAND ISLAND」「まんがってイイよな!!」「実録持ち込み秘話」「だんだんハハになってゆく」「急性スクランブル・ヘッド」「や・さ・し・いホームシミュレーション」および描き下ろしのものがいろいろ。物語的な面白さよりも、永野のりこのまんが好きっぷりや生っぽい声を楽しむといった感じ。

【単行本】「TOKYOTRIBE2」5巻 井上三太 祥伝社 変型判

 今回は謎のメチャ強チャイナ、ジャダキンスが登場。手刀で人間の胴体を真っ二つにしちゃうようなスゴイ奴だ。ンコイを失って復讐に燃えるブッバが雇い入れた怪人。彼らの登場もあって、渋谷、池袋、新宿を舞台としたチーム人たちの抗争は激化。ファッションとかは「イマドキの若い者」だけど、現代における番長モノって感じもあって、けっこう素直に楽しめる。なんとなく「熱笑!!花沢高校」を思い出したりもする。

【単行本】「アポロ」 朝倉世界一 イースト・プレス A5

 1992年に単行本になった「アポロ」が、新たに「アネモネ」を追加して復刻。町の片隅でのんびり暮らすロボくんと、その友達、それからロボくんを利用して世界征服を企む悪者たちの物語。ところどころでステキに癒されるようなシーンを入れつつ、物語は少しずつ展開。ラストは暖かくきれいに締めくくられ、ちょっと悲しいけれども優しい読後感を残してくれる。「アネモネ」は1994年漫画アクション増刊「ラボ」に読切として発表された作品で、「アポロ」と同じキャラによるお話。

 ところで帯に南Q太が「はじめて目にしたときから朝倉さんのまんがは最高にキュートでした」というコメントを寄せているのだが、俺としてはすごくキュートに「なった」という印象。初めて読んだのがたぶん「おさるでグラッチェ」の一番最初のほうだったんだけど、どこを見てるんだかよく分からないおさるが「キー」と叫びつつ意味不明な行動をとるって感じで、見ていてなんだか不安になったりしたものであります。もっとアナーキーな方向に進むのかと思ったら、「フラン県こわい城」あたりからずんずんキュートになっていき、CUTiE comicでも描くようになったのは驚きだった。好みとしてはヤバげな路線のほうなのだが、でも現在の路線も面白いのでよろしいかと。

【単行本】「外道の書」 イダタツヒコ 河出書房新社 A5

 1991年に講談社から出たコミックスの復刻版。処女の血を媒介として、人間の男を一冊の書にした「外道の書」。これが12冊揃うと人間の能力をはるかに超えた知識が手に入る。この外道の書を巡って繰り広げられるオカルトアクションもの。帯には「禁断の大問題作」と書いてあるけれども、そこまでおどろおどろしいものはあまり感じず、むしろアクションものとして素直に楽しめた。このころの作風は昔の奥瀬サキに近いかな。「火炎魔人」あたりの。

【単行本】「少女縛戯」 狂一郎 久保書店 A5

 表紙の白い髪の女の子の絵がわりと良さげだったので。胸はまだ未発達な感じの少女によるエロがメイン。ストーリー的に「コレ!」という作品はあまりないのだけど、雰囲気作りはできてるし、絵もパッと見栄えがする。キャラの中では、野菜の無人販売所で客をとらされてる日焼けした女の子(「無人人身販売店」より)が良いな、と。現時点では若干食い足りないところがあるけれども、まだ2冊めの単行本だし、これからうまい具合に伸びてくれるとだいぶ良くなりそうという印象。


3/24(土)……彼方よりの便りかな

 サッカー、日本代表 vs.フランス代表の試合を見ていたんだけど、うーん、勝負になってないな。0-5で惨敗と、彼我のあまりにも大きすぎる差を改めて感じさせてくれる結果となった。中田はさすがにいいプレーを時折見せてくれたけど、中村俊輔あたりだと話にならん。というか中村俊輔については前から思っていたのだが、Jリーグでも密着マーカーを一人付けられるとたいてい持ち味が消されちゃっているような気がする。さすがにフランスあたりになるといつもみたいにちんたらプレーさせてはくれない。それにしてもフランス代表を見てるとガタイもデカいし技術も確かで、どうやったら日本でこういう選手が作れるかなあとか思ってしまう。

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平

 平田弘史「新首代引受人」が久々掲載。今回もまた「雄渾」という言葉がふさわしい。貧しき人々に施しを続けている商人たちと、首代引受人・首代半四郎。人の世の無常を思わせるいいお話だった。それにしても物語の進め方が力強い。沙村広明「無限の住人」。人を斬りつつ舞い、舞いつつ人を斬るって感じの乙橘槇絵がやっぱりカッコイイ。まさに斬り斬り舞。この人にだったら斬られても気持ちいいやもしらん、とか思わせるキレ味。ひぐちアサ「ヤサシイワタシ」。好調。ただのラブラブ話に終わらないけれども、ラブラブなシーンは甘く心地よく。抜いた感じの絵柄は楽しく、決めるときはピシッと厳しく決めている。

 読切、惣本巌「眠り姫」。ものすごく眠くてどこでも寝ちゃう女の子と、彼女に振り回されるその友達の姿を、サイレント劇で描くコメディ。四季賞2000年冬のコンテストでかわぐちかいじ特別賞受賞作品。ふわふわつかみどころのない作風がなかなか面白い。ただ、ちょっとトーン貼りすぎで見づらいような気も。黒田硫黄「茄子」。うーむ、さすがにうまい。光景としては本当になんでもないのになあ。なんて気が利いているのだろう。セリフ、表情の付け方の一つひとつがまったく絶妙だ。外薗昌也「犬神」。クライマックス近し。だいぶ長いお話になったけど、破綻することも停滞することもなく、着実にここまで来たという印象。残りはあとちょっと。いい締めくくりにしてほしい。桜玉吉「なぁゲームをやろうじゃないか!!」。今回のネタは「逮捕しちゃうぞ」。ページを開いた瞬間「やられた……」と思った。このシャレは意外と考えつかなかった。うまい。

【雑誌】CUTiE comic 5月号 宝島社 B5平

 羽海野チカの絵が表紙だとすごくキャッチー。というわけで「ハチミツとクローバー」。今回も面白い。大学生たちがわきゃわきゃ騒いでいるところはとても楽しいし、それでいて切ないところはピシッと締まるし。それから今号は特集「あなたに恋してる!」で、朔田浩美と梅沢はな(元「花樹いちや」)。どちらもうまくなってる。とくに梅沢はな。この人は、「きみとぼく」で描いていたときも、連載で回を追うごとにぐんぐんとうまくなっているのがハッキリと見て取れたのだがまたうまくなった印象。ところで「あなたに恋してる!」って、特集のテーマとしてはどうなんじゃろう。極論しちゃえば、たいていの少女漫画雑誌はみんないつもソレを特集してるような……。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平

 今号は、津田雅美「彼氏彼女の事情」が2本立て。2本とも面白い。1本めが仲間うちでは一番家庭的なりかちゃんにスポットライトを当てたお話。前半はメンバー紹介が楽しく、後半はずいぶんラブラブでトキメキ。どちらも読んでいて楽しく気持ちがいい。2本めのほうは一転してこのところずっと続いているつばさ&一馬のエピソード。こちらは息苦しく、緊張感のある展開。スウィートなのとビターなの、両方いっぺんにやってくれて満足感倍増。森生まさみ「おまけの小林クン」。顔を真っ赤にしてぽやーっとしている小林さんの姿が、とろっとろでかわいいですのう。

 それからやまざき貴子「っポイ!」は、トキメキいっぱいでピチピチしていて、こちらもとても面白かった。女装姿の天野くんがかわいすぎ。小松田わん「恋人は犯罪者」。第28回LMGゴールドデビュー賞受賞作品とのことで新人さんだが、なかなか気持ちのいい絵柄でうまいなあ。お話も微笑ましいし。見せ場の大ゴマのところで、トーン貼りすぎで画面が暗くなっちゃったとことかは気になるけど、こういうのはまあ慣れてくれば全然オッケーでありましょう。今後もガシガシ描いてほしいもの。

【雑誌】コミックピンキィ 5月号 オークラ出版 B5中

 今回はダーティ・松本の新連載「エロ魂!」が素晴らしかった。ダーティ・松本、中島史雄、小多魔雀史を中心とした、いまだエロ漫画雑誌が存在しなかったころから始まる、エロ漫画家一代記みたいなお話っぽい。「っぽい」と書いているのは、この作品の表現がどうにもぶっ飛んでて何をやらかしてくれるかまだ全然分からないからなのだ。ダーティ先生は、いきなり編集者に対して「ロックンロール!」とかぶちかましながら打ち合わせの机を刀でぶった切ったりするし。「まんがサガワさん」が終わった後、少し大人しくなったかと思ったこの雑誌だが、またアクの強いのをかましてくれそうでとても楽しみ。

 巻頭カラー、もりしげ「アナル舐め男」は4ページだけ。緋呂河とも「PUNISH!旗揚げ水兵ちゃん」。かわいくて巨乳な水兵ちゃんがHな目に。当たり前だがこれぞセーラー服。これもなかなか良いものだ。あと乳が、けっこう好きなタイプの大きさとフォルム。にしも「転・乳・生・F」。構図取りとかダイナミックでぱっと目を惹くタイプの絵柄。Hも充実しててなかなか良い。それから魔道うに「ふたりだけのないしょ」は、滑らかでまとまりのいいロリ系の作画がかわいらしい。麻田起奈「道程」。鉄道、そして眼鏡っ娘。ゆったりとしたムードで気持ちがいい作品。

【雑誌】リトルピアス その29 東京三世社 A5平

 ほしのふうた「人形館」。この人、うまくなってるなー。相変わらず絵はかわいいし、エロさも十分。カラッと明るい楽しそうなお話も好きなんだが、今回は妖しいムードで、こちらもいい仕上がり。ほりほねさいぞう「ドロシー 西の悪い魔女と対決する」。この人もやっぱりいい。滑らかでかわいい絵柄だけど、表情を崩すときはダイナミック。緩急の付け方がとてもうまい。ほりほね(掘骨)名義の単行本もそろそろ出てほしいところ。

【単行本】「こさめちゃん」 小田扉 講談社 A5

 発売だー! うれしいなー。めでたいなーってわけでオスマンに追加。

【単行本】「雪の峠・剣の舞」 岩明均 講談社 B6

 なかなか単行本にならなかった2作が1冊にまとまって単行本化。とくに「剣の舞」は、ヤングチャンピオン掲載だっただけにどうなるかと思っていたのだが、ちゃんと出てくれてうれしい。「雪の峠」は関ケ原の後、新たな道を模索していくことになった佐竹家のお家騒動を描くお話。それから「剣の舞」は、村を襲い家族を殺し自らを凌辱した武士たちに復讐するため上泉伊勢守の一番弟子・疋田文吾郎に押しかけ弟子入りした少女の物語。両作品とも、とてもしっかりした読みごたえがある。押さえ気味なトーンで着々と物語を進めているだけに、甘くないラストがより感慨深いものになっている。「匠の技」という言葉が似つかわしい一冊。

【単行本】「諸星大二郎自選短編集II 彼方より」 諸星大二郎 集英社 B5

 豪華本の傑作選第2弾。収録作品は「生物都市「海の中」「天神さま」「ぼくとフリオと校庭で」「ど次元世界物語」「ヨシコちゃんと首たち」「桃源記」「男たちの風景」「カオカオ様が通る」「砂の巨人」。今回のモチーフは「異界」ということで、いかにも諸星大二郎らしい作品群が集まっている。諸星大二郎の描く不思議は、なんだか自分も子供のころや思春期に、一度は思いを巡らしたことのあるようなモチーフが多くて、すごく奇抜でありながらも懐かしい手触りがあって、肌になじむ。読んでいるとほっとするような妖しくて甘い世界だ。この作品集に収録されているものは、たぶんほとんどは読んだことがあるはずなんだけど、改めて読んでみてもまた何か新しいものを発見したような気持ちにもなれる。末長く描いていてほしい人だ。

【単行本】「恋の発展途上」 あうら聖児 フランス書院 A5

 なんか妙に厚いなと思ったら、14本(うち読切6、全6話×1、全2話×1)も収録。最近はダークな凌辱モノも多くなっているけれど、今回はハッピー・エンドなものがほとんど。この人の芸風としてはいつも通りな巨乳ばいんばいんな作品が基調。最初のころはそんなに大きな乳描く人じゃなかったんだけど、本当にデカくなった。あとちんちんの消しが少ないのも特徴か。肉弾系なエロシーンが豪勢にどんどん出てきて、読後感もカラッとしているので、手っ取り早く実用に供せるタイプ。この人の場合、凌辱系だと男がウエヘヘヘと笑っているところとかのコピー切り貼りが異様に多かったりするのが難だが、この本の収録作品ではあまり気にならなかった。何はともあれ、いつも変わらず使えるエロ漫画を描こうとしている姿勢は評価したい。


3/23(金)……ROCK JUKE

ナムコ・ビデオ・ゲーム・ミュージック」が3月23日発売だったはずなので、会社の近くのCD屋に行ってみたけど見当たらず。手に入れずば気が収まらなかったのでインプレスダイレクトにて注文。これでいちおう落ち着く。

 今、コレ書いているのが土曜の18:30くらい。本を読みつつ意識を失ったのがたぶん2:00くらいで、それから今までずっと寝てました。寝ちゃったので以下の購入物件については読めず。

【単行本】「クロ號」1巻 杉作 講談社 A5
【単行本】「BLAME!」6巻 弐瓶勉 講談社 B6
【単行本】「ぽちょむきん」2巻 北道正幸 講談社 B6
【単行本】「こさめちゃん」 小田扉 講談社 A5
【単行本】「雪の峠・剣の舞」 岩明均 講談社 B6

【雑誌】ヤングアニマル 4/13 No.7 白泉社 B5中

 二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。行方をくらました遙子の元へ、夏川が出かける。元に戻るかに見えて、実は3人組の間でのパワーバランスはまた次の形へと進んでいるわけですな。一気に進めず、小出し小出しにしていくやり方に読む側としては焦らされたりするけどそれがま心地よかったりもして、うまいですなあ。こいずみまり「コイズミ学習ブック」は第69回。ということは。で、次号で最終回らしい。残念ではあるけれど、しかし70回分もこの手のネタを準備し続けたというだけでも大したものだという気もする。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 5月号 竹書房 B5中

 作:有元美保+画:安達哲「ギャル雀」。ガーン!! もっとネチっこい展開にするかと思ったら。せめて、このディレクターさんにいっぺん好き放題させてから、今回の展開に行ったほうがよりドロドロしてよかったような。秋重学「ヒドく澄んだ瞳」は今回で最終回。ちと消化不良気味かなー。で、それと入れ替わるように次号から六田登が連載開始。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/6 No.8 小学館 B5中

 魚柄仁之助のコラムも始まり、金もうけマガジン色が強まっている今号。

 小沢真理「チカちゃんハウス」最終話。うーむ、いまいちかなあ。ところで最終話にまで「新世紀ヒロイン新連載第2弾!」とキャッチを入れとかなくてもいいような。作:やまさき十三+画:幸野武史「沙堂やん」。渋みがあって面白い。(当時として)新しいモノが作られていく兆しにワクワクするし、ベテラン俳優の凄みなんかも垣間見えてカッコイイ。作:花村萬月+画:さそうあきら「犬・犬・犬」。今回はヤクザ道へ入った鳥井の話。すっかりいい男になり始めている。たぶんこれで鳥井のエピソードは最後になるんじゃないかと思うけど、ちょっと泣けるいいお話だった。マヒケンにこういうことが起きる日は、おそらくないんだろうな。


3/22(木)……くの一の苦悩

 今日感想書いたもの以外では、単行本「永遠のなかまはずれの国」(永野のりこ・美術出版社)を購入。まだ読んでないんで感想は後日。それにしても眠いですわい。春、ということか。ついでに脳味噌のほうも春らしくパーッと行きたいですな。なんかいいクスリないかなー。身体に悪くない奴。

【雑誌】ヤングサンデー 4/5 No.16 小学館 B5中

 新連載「葉弥」(原案:かくまつとむ)の作画は村川和宏。なんか見覚えあるなと思ったら、なるほど少年サンデーで「歩武の駒」をやってた人かー。内容的には釣り漫画の模様。少年誌っぽい絵柄だと思ってたけど、青年誌でもけっこう合ってる。意外と少年誌絵と青年誌絵って、サンデー系列だと差がないのかもしらん。ジャンプ系列はけっこうありそうだが。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。最近よく思うのだが、この作品における推理って、科学的捜査をしっかりやればかなりの部分いらないんじゃないかな〜。あ、それはいわない約束ですね。失敬失敬。

【雑誌】モーニング 4/5 No.16 講談社 B5中

 待ってましたー。というわけで、榎本俊二「えの素」復活祭。2本立て。相変らずペニスペニサーペニセストって感じで、スピード感あふれる下品なギャグを展開。この男根ぶりは見習いたいもの。弘兼憲史「部長島耕作」。おお! あの男が復活するのかー。俺、あの人好きなんだよなー。コンコン。きくち正太「おせん」。くっそー。ふざけやがって……。というのは、ここで出てくる親子丼がですな、あまりにも美味そうで俺は悔しくて悔しくて。俺は肉の中では鶏肉が、そして丼ものの中では親子丼が一番好きなので、読んでたらもう食いたくて仕方なくなってしまった。明日食う。決めた。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/5 No.16 集英社 B5中

 高橋ツトムの月イチ連載「スカイハイ」がスタート。幸せな家庭で子供を身ごもっている主婦が殺され、その葬式のシーンから物語はスタート。死んだこの女性は精神だけの存在となったが、その前に一人の少女が現れる。彼女は不慮の事故や殺された人たちがくる門の番人であり、彼女に、死を受け入れ天国へ行くか、霊となって現世をさまようか、それとも現世の人間を呪い殺すかの三つの道を指し示し選択を迫る……といった感じ。たぶんこのシリーズは、この少女が見たさまざまな未練を持った死者、そして現世の人々の姿を描くといったお話になりそう。第1話めの感想だが……うーん、お話がいまいち安い。高橋ツトムだけに絵はさすがにうまいんだけれど。

 今号ではみやすのんき「AVない奴ら」がすごく煩悩バリバリで良かった。身長145cm以下のAV女優グループ「チッチモミ」が大活躍なのだぴょ〜ん。3人ともメイド服を着てるんだぴょ〜ん。小さいけど全員19歳さんだぴょ〜ん。そのほかのコスプレもするんだぴょ〜ん。やってることといいネーミングといい、最高。そして最低。いいわ〜。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/5 No.17 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。ピッチャーとしての才能が認められ出したショーバンくんだが、制球が安定せず。試みに内野手投げしてみたところ、制球が定まるように。もしかしてこのままサイドスローになるんかな。変則投手好きとしてはうれしい展開だ。ただフォームとしてはグローブを着けている左手の使い方がまだまだ……ハッ、そんなことツッコんでどうする。

 以下余談。「ショー★バン」でもサイドスローにして若干球速が落ちてるという描写が出てくるんだけど、最近個人的にはサイドってそんなに球速落ちないフォームなんじゃないかなーとか思っている。西武のデニー友利やオリックスの戸叶なんか、サイドにしてかえって球速が上がったはず。昨年の横浜のドラフト2位木塚もプロに入って球速が上がり、MAX147km/hを出している。ヤクルトのドラフト1位平本なんかこの年のドラフトの中で体感的に最も速いっていわれている(逆にサイドのイメージとは裏腹にコントロールはこれまで見た投手の中でトップレベルといっていいほどにむちゃくちゃだ。2ちゃんねるの野球板ではヘンな感じにブレイクしていて注目投手)。身体の使い方的にも横のほうが向いている人ってけっこういるようだし、サイド=球速が落ちるという図式はそろそろ見直してもいいんじゃないだろうか。

【雑誌】ドルフィン 5月号 司書房 B5中

 メイド、巫女の次はもしかして忍者? というかくの一? そんなわけはたぶんないと思うのだが、今回は何の偶然かくの一さんモノが3本も。まずは北河トウタ「忍恋」。漫画家目指して忍者を抜けて上京しようとしているお兄ちゃんの身代わりになって、その妹ちゃんがみんなにやられちゃうというお話だにょ。当然のことながらお話としてはかなりお気楽。でもエロはけっこう充実してるなあ。北河トウタは、まとまりのある絵柄でなかなかかわいいし、キュート路線でちゃんとエロもできるので好き。それからくの一モノ2本め、御堂つかさ「黒百合影技!!」。エロが肉弾系で輪姦モノでもあり、実用度は高め。この人もコンスタントにエロい作品描いてるな〜。画面が白めなことが多いのはそういう作風なのかな。それからLAZYCLUB「修行の時間ですヨ▽」。こちらは彼女がくの一のコスプレをして……といった感じ。この人のオタ系なエロ魂を刺激する作品群は、狙い確かでいつもいい仕事してるなあと思う。たいてい序盤でパイズリ→顔射ときて、その後、顔に付着した液体をずっと付着したままにするところがナイス。

 くの一以外。じゃみんぐ「学園制服・鈴龍」。眼鏡っ娘でチャイナ娘。この人のエロはベタなんだけど、確実にむんむんしていて実用度は高い。毎度これだけベタにできるというのはすごい。スタンス的に似た人を挙げるとするなら春風サキとか。みやびつづる「肉嫁」第2話。何度見てもいいタイトル。もちろんタイトルどおり嫁がねっちょりと。人妻モノの金字塔を建てるくらいの勢いで頑張っていただきたい。


3/21(水)……呪術かかるまで

 髪が縮んだ。というか散髪に行った。じょりっとスポ刈り。スポ根注入。

【雑誌】OURs LITE 5月号 少年画報社 B5中

 おおう。今回も捨てどころがなく、すごく面白かった。たぶんこれだけほとんどの作品が、一人の人間に対してもれなくヒットするということは、各作品ごとの振れ幅、ダイナミックレンジが狭いっていうことなんだろうと思う。というわけで合う人には徹底的に合うだろうし、合わない人には見事なまでに合わないに違いない。でもそれもまた潔し。ちょっと立ち読みすれば自分に合うか合わないかくらいはすぐ分かるだろうし。ともあれ、俺にはとても面白かったので俺にとって素晴らしいと思うのだー。

 まずは表紙&巻頭カラーのオオシマヒロユキ+猪原大介「なるとちゃん出前一丁!」。ラーメン屋さんの元気娘、みんなのアイドルなるとちゃんが、ラーメンと愛の力でふさぎ込みがちだった少年に元気を注入というお話。心暖まるいいお話ですなあ。爽やかでポジティブだし。そしてなんといっても絵。何も引けない何も足せないという感じの、高度に完成されたオシャレでかわいい画風に感嘆。でも実はちょっと思ったのだけど、絵柄の素晴らしいキャッチーさのわりに、本屋の本棚でこの表紙はけっこう目立ってなかったような。色使いが上品だからかなあ。

 あびゅうきょ「絶望男は希望羊の夢をみるか?」。相変わらず素晴らしい。執念深く細部まで描き込まれた、美しすぎるくらい美しい画面。そして突っ走る絶望&妄想。現代の、男が雄々しく生をまっとうすることが不可能と思われる日本に対する、激しい幻滅の念があまりにも色濃く漂っていて、その心根にピリピリと身が引き締まるかのようであります。清らかなる少女、存在することすら許されぬけれども生まれてしまった男たちの生きる道。どちらもあびゅうきょ的には現実に存在しないものであり、ここに描かれているものは徹頭徹尾幻想の産物だ。なんて甘美で刺激的なのだろう。

 犬上すくね「恋愛ディストーション」。年の離れた親戚同士カップルのお話なり。女の子のほうが歳下で、彼氏のことを、お、お、「お兄ちゃん」と呼ぶのだ。お、お兄たん……。いや、むしろ妹たん……。萌へー。おがきちか「ハニー♥クレイ♥マイハニー」は今回で最終回。読後感あったかでいい締めくくりでありました。石田敦子「純粋!デート倶楽部」は、たいへんきれいなおぜうさま、黄花の切ない、でもいつまでも続くと彼女は信じている(信じたがっている)トキメキを描く。愛にはならぬ、恋、そしてトキメキ段階で各キャラを押しとどめちゃうところが苦いなあ。このへんの甘えのなさが石田敦子らしい。伊東伸平「素敵なラブリーボーイ」。次回で最終回らしいのだが、今回もすごくいいなあ。セリフなきコマの中で、さまざまな想いが去来していて。甘酸っぱかったり切なかったりするいろいろなものが、ああ、胸にしんしん来ますよ。小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」は、今回も妄想走ってて立派。ダメ男。でも硬派。でもダメ。ひぐちきみこ「ひねもすヨメ日記」。皮をむくだけで売上があがりそうなもの……。花豆なんてどうじゃろう。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/4 No.16 小学館 B5平

 今号で大和八重子「JU-JUTSUカルマ伝 タケル道」(原案協力&監修:小川直也)が連載終了。今まであんまり気にしてなかったけど「JU-JTSUカルマ伝」というのはけっこう妙な響きだ。久米田康治「かってに改蔵」の今回のテーマは「武士の情」。ところでまったく関係ないんだが、社会人野球の東芝に鎌倉武士という名前の剛球投手がいるらしい。ドラフト候補。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/4 No.16 講談社 B5平

 山本航暉(山本晃が改名)の新連載「ゴッドハンド輝」がスタート。天才外科医さんが活躍する医療モノ。とりあえずハッタリは利いているけれど、かなり主人公の天才的患部発見能力に負う部分が大きく、なんとなく心霊治療っぽくもある。

【雑誌】漫画アクション 4/3 No.14 双葉社 B5中

 山本よし文「オッパイファンド」が最終回。何がなんだかという終わり方だけど、オッパイや尻が金融市場で売買されるというかなりシュールな世界を描いていただけに、このくらいでいいかなという気もする。あとは4月10日発売予定の単行本が楽しみだ〜(3月28日発売予定のながしま超助「ぷるるんゼミナール」1巻とともに)。巻頭カラーでは、さつき優「しりけん」がスタート。「Silly-Ken」というスペルとともに、「尻(スリ)リング新連載」というアオリがいい味。お尻のかわいい女の子・京子のクラスに転向してきたのは、かつての幼なじみで初恋の人・里見犬太郎だったのだが、久々に戻ってきた彼はすっかりエッチな男になっていて……というドタバタおしりコメディという感じ。この人の場合、個人的にはお尻の造形よりもむしろ、なんとなくほっとする味わいのある女の子たちの顔つき、表情とかに惹かれるものがある。あと、センター4色カラー4ページで遊人「楽園」が掲載。いやー、さすが遊人先生。たった4ページながら、エロをズバッとやって、かつ強引な展開で笑わせてくれる。「PEACH!」の単行本は買おうか買うまいか。とかいっているときはたいてい買ってしまう俺だ。

【雑誌】COMIC Tenma 4月号 茜新社 B5平

 とくにこれが、という作品はあまりないんだけどわりとまんべんなく楽しめた。ひよひよ「捨て猫バラッド」。猫むすめが可愛い。そういえば猫やら犬やらが恩返しに人間の姿をとって、ご主人様とスルというお話ってけっこう多いような。鈴木美蘭「悩む恋じゃないでしょ」。かわいい絵柄でラブコメムードがヌル甘い。彼氏に隠れてH本を買おうとする女の子の変装姿がかわいくていい。

【単行本】「REAL」1巻 井上雄彦 集英社 B6

 おーもーしろいなー。

 この作品は、学校でハブにされて退学になってバスケができなくなった男と、勝ちにこだわりすぎてこちらも仲間とたもとをわかった車椅子バスケマンが出会い、その青春を交錯させていくという物語である。それぞれに、自分の求めるものが周りと合わずバスケを取り上げられてしまっているが、そのバスケに賭ける想いはこのうえなくアツい。それが井上雄彦のハイクオリティで迫力満点の描写のおかげもあって、画面からビシッバシッ、伝わってくるのである。そしてときどきバスケをやったときの彼らの充実した表情にもゾクゾクする。今のところ、プロリーグでもないし、学校の部活でもない。でもバスケに対する渇望はそれらよりもはるかに激しく、ドラマティックである。これからの展開もすごーく楽しみ。

【単行本】「漂流教師」 パルコキノシタ 青林堂 A5

 小学校の臨時教員、木下先生が教師生活を重ねていく中で、さまざまな問題にぶち当たり懊悩する物語。これはかなり力の入った作品で、読みごたえがあるしとても面白い。コミカルなタッチの絵柄とは対照的に、学校と家庭、教師とは生徒にとってどういう存在であるべきかなどなど、扱われている問題の根は深くて思わず考えさせられてしまう。

 まあ実際のところ、結婚したり子供作ったりする予定も当分ないんで教育問題について自分から積極的に関わっていくつもりはしばらくないけれども、非常に総合的な問題であるだけに教育現場に携わったことのある人間の苦悩というのは興味深かった。この本では結論は出してはいないし、木下先生のやってることも当然万人にとっての正解ではない。たぶん間違いと出る場合もあるはずだし、教育論的にいっても小賢しい部分はあろうかと思う。でも現在教育部外者(なのかなー。まあ人生是教育みたいにいっちゃえば関係者になるのかもしらんけど)的に見て、これだけ赤裸々に語ってくれていて、しかも漫画として面白くなっているというのは貴重。

 そう、実は教育論がどうのこうのいうよりも、例えば後半の木下先生と生徒の母親の行き過ぎた親密ぶりとか、学芸会の模様とか、そういうドラマ的な部分が単純に面白かったりするというのが、俺がこの漫画を面白がっていることの重要な要因の一つなのだ。木下先生のやってることも、けっこう妙なとこがあったりして見てて飽きないし。


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