2001年9月下旬


9/30(日)……荘園でんねん

 OHP月極アンケート10月のお題は「グルメマンガ」にしてみました。いくぶん範囲的に狭いかもしれないけれど、素直に美味しそうだったり面白かったり、はたまたゲテモノばかりで爆笑させられたりと、いろんな楽しみ方を持った作品があって愉快なジャンルかと思います。そんなわけで投票と併せて、そういったグルメマンガに対する想いを語っていただけるとありがたいです。また、9月の「女性向け漫画入門作」は投票締切。個人的にも「なるほど、アレとアレは読んでおかなきゃいかんのだな」という目星がいくつかつけられて収穫ありました。

 CGI関連ということで、ついでにまったりお絵かき掲示板「OHPエカキータ」にもちょっと手を加えてみました。今までの400×400ドットモードに加え、300×300ドット、200×200ドットモードを追加。おひまなときにでも落描きしてってやってください。

【雑誌】コミックガム 11月号 ワニブックス B5平

 今月号では、創作系同人誌サークルGRAILで秀作をコンスタントに発表し続けているきづきあきらが再登場している、と聞いて購入。川辺に座り込んでいるいいとこのお嬢さま学校の女の子に声をかけられた少年。彼女は彼に、公衆電話で迎えを呼んでくれないかと頼むが、一見ぶっきらぼうな頼み方に彼はムッとする。しかし、彼女には自分で電話ができないわけがあり……といったところから二人の物語が始まっていく。やりきれないエピソードから救い、恋愛感情の萌芽と至る過程を自然に描けていてしっかりまとまっている。この作品では、同人誌のほうで出ている長所がしっかり発揮されてるなーという感じ。ガムという雑誌に合っているかというと微妙なとこだけど。丸マリまてるの読切「Missing Ring」も気になるところ。図書館と恋愛。すごく好きな道具立てだ。絵柄が可愛らしいし読後感も爽やか。ときどきめがねっ娘なときもあるし。女の子が時折見せるはにかんだような表情がいいですな。

【単行本】「黒船」 黒田硫黄 イースト・プレス A5 [bk1]

 最新短編集。収録作品は「わたしのせんせい」「海に行く」「トゥー・ヤング」「鋼鉄クラーケン」「自動車フランケン」「年の離れた男」「ナイト フブ ザ リヴィングデッド」「課外授業」「肉じゃがやめろ!」「最近どうよ?」「象の股旅」「さらばユニヴァース」。

 まったくもう、どの作品読んでもすごく面白いよ〜。なんでもないシーンでも面白く見せてしまう描写力は定評のあるところだけど、それでさらにお話まで面白かったときは、もう最強というほかない。キャラクターもすごく魅力的だよね。視線の方向一つとってもいちいち理由があるし、一瞬の「いい表情」をすごーくうまく描写している。しかもそういう描写が決まりきったパターンとかじゃなくって、物語の要請に応じてバチッと決まったカットを描ける。これは強い。普通の作家さんだと「こういう類のシーンではこの表情」みたいなパターンがあるけど、この人はそこらへんが大ざっぱでなくて、シーンごとのニュアンスによって微妙な差異をつけることができる。こういう人がぼんぼん漫画を描く時代に生きていられて、ホントーに幸せだなあ。

【単行本】「よみきり♥もの」1巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1]

 いいなあこの漫画。読切連作シリーズなのだけど、ホントーにそのときどきで思い付いたネタを好きなように描いてる感じで、実にのびのびしてる。ネタ自体は、例えば「笑い方がすごくヘンな女の子」とかで、さほど大掛かりなもんじゃないんだけどこれがとてもいい。自然体でまったりほのぼの、しかもちょっと不思議なテイストも加えて、さらにラブコメ的なエッセンスも少々。ラブコメ要素についてはだいたい各話に入っているけれども、「好き好きー」となるんではなく、あくまで空気の中に漂っている感じ。さらに竹本泉オリジナルな間合いも健在で、世界全体が抜群に気持ちいい。個人的には、まんまじゃないけどマイナー漫画界のあだち充的作家と位置づけてます。どちらの作品にも独特の呼吸があって、なおかつ意外と似た作風の人がいない。ワンアンドオンリー、一人一ジャンルな人たちであります。

【単行本】「すべてがFになる」 作:森博嗣+画:浅田寅ヲ ソニー・マガジンズ B6 [bk1]

 森博嗣の同名ミステリ小説(→bk1:ノベルス/文庫)の漫画化。孤島の研究所で隔離された超天才女性博士の死の謎を、大学助教授・犀川創平とその教え子で昔なじみの女の子・西之園萌絵が追い求める。森博嗣のミステリデビュー作で、犀川・萌絵シリーズ第1弾となった作品。原作小説は、理知的で端整なミステリとして非常によくできた作品で、最近は全然追えてないけど呼んだ範囲では、シリーズ中この作品が一番面白かったと思う。

 で、漫画のほうなんだけど通しで読んでみたところ、なかなかうまくできている。急ぎ気味に話を進めているんで省略しちゃってるディティールもあるけれども、浅田寅ヲの作画は非常にうまいし、インパクトも十分ある。個人的にちょっと残念だった点としては、犀川・萌絵のキャラクターの描写がかなり省略されていたこと。小説のほうのこの後のシリーズで重みを増してくる犀川・萌絵のラブコメ構造を描くには、萌絵のお嬢さまっぷりの描写とかが足りなめかなーと。でもまあコレ1本で終わる分にはまったく問題ないし、原作小説読んでなくても楽しめる作品に仕上がっていると思う。そういえば原作小説が出たのももう5年くらい前。けっこう忘れちゃってる部分が多いんで、そのうちまた読み返してみようかなーという気になった。

【単行本】「田園少年」 紺野キタ 大洋図書 B6 [bk1]

 紺野キタのボーイズラブ系初単行本。ボーイズラブとはいっても、男同士の友情を情緒的に描いた感じのものがメインであり、直接的な肉体交渉どころか、性的な接触シーンもほとんどなし。恋愛感情の種子にはなるかもしれないなーというあたりのものを美しく描いてます。女性キャラがからんでくることも多いし、あんまりベタなボーイズラブにはあらず。実際のところ紺野キタの描写が綺麗すぎて、恋愛関係はおろか普通の友達付き合いでさえこんなふうにはならんだろーといいう感じではあるんだけど、この人の作風の場合はこれでいいと思う。ないものを描いてこそファンタジーなんだから。

【単行本】「ヘルシング」4巻 平野耕太 少年画報社 B6 [bk1]

 カッコイイ。男がカッコイイ。おっさんがカッコイイ。不遜な態度がカッコイイ。戦闘がカッコイイ。殺戮がカッコイイ。言葉がカッコイイ。少佐の演説がカッコイイ。そんなわけでビリビリしびれるくらいカッコイイですこの巻も。

【単行本】「薩摩義士伝」4巻 平田弘史 リイド社 A5 [bk1]

 この巻で完結。輪中の治水工事を命じられ、貧窮に歯を食いしばりつつ屈辱に耐える薩摩藩の武士たちの物語。といっても綺麗ごとばかりではなく、利己的な行動をとるものもいるのだけれど、しかし各所で薩摩藩の義士たちが見せつける気骨には圧倒される。何より平田弘史の筆力に圧倒される。絵柄はゴッツいけど、お話自体は読みやすいと思う。非常に明快。4巻まとめて読むと相当満腹になれることは間違いない。骨も実もある面白さ。読みごたえ抜群。

【単行本】「レンタルメイド」 うさぎのたまご 司書房 A5 [Amzn]

 司書房系のエロ漫画家さんの中でもかなり好きな人。単行本は2冊め。この人のいいところは、一見淡いタッチ、かつ明朗で楽しげな作風なのに、その楽しげなノリそのままで思い切ったことをしでかしてくれること。例えば表題作の「レンタルメイド」は、友達から借金した男がそのカタとして自分の彼女にメイド服を着せて1日奴隷として貸し出すなんてことをしている。普通に考えればとんでもないんだけど、この人の場合はまるで子供向け雑誌のコメディみたいに楽しそうにお話を展開する。絵柄も明るいし。けっこうSMチックなことも平気でやるし、なんかすごい天然っぽいノリがたまらない。あとお話自体はさりげなくイカれてるような気もするけど、実用度という点でも悪くない線だと、個人的には思います。


9/29(土)……フィルビー

 今ビール呑みつつコレ書いてるんだけど、昼ビールって素晴らしい。夜ビールよりも昼ビールのほうが段違いに気持ちいいと思う。もしかして別の液体なんじゃないかと思うくらい。

 それはそうと、今8頭身モナーに夢中です!! ダメだ〜面白すぎる〜。

▼未読物
【単行本】「黒船」 黒田硫黄 イースト・プレス A5 [bk1]
【単行本】「ギャラリーフェイク」23巻 細野不二彦 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「MOONLIGHT MILE」2巻 太田垣康男 小学館 B6 [bk1]

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI 11/1 No.6 小学館 B5平

 今号はCGでなく松本大洋のイラストが表紙に。美しいけど、書店ではあんまり目立ってなかったような。すごいメンツは相変わらず。なんだけどやっぱ雑誌読みだと、メンツが豪華すぎちゃってそれぞれの作品が埋もれちゃってる印象がなくもない。雑誌で読むよりも単行本で読んだほうがえらく面白そうな作品が多いな〜と思っていたところで、11月30日から単行本も出てくることになったみたいです。わーい。第1回配本分は、松本大洋「ナンバーファイブ」、日本橋ヨヲコ「G戦場ヘブンズドア」、黒田硫黄「セクシーボイスアンドロボ」、茶屋町勝呂「あざ」、小野塚カホリ「SHIMI」、森田信吾「−追儺伝−SEIJI」、稲光伸二「フランケンシュタイナー」の7冊。「ナンバーファイブ」についてはフィギュア(天地約70mm)付きの特装版が11月21日に先行発売されるらしい。今号のIKKIに予約注文票が付いてます。

 で、今号。まずは松本次郎の新連載「フリージア」がスタート。内向的で社会と相容れないタイプの線の細い青年が主人公。家には頭のイカれた老母を抱え、自分にしか見えない女と会話しながら暮らしていた。そんな男に訪れた転機。それは何やら怪しげでいかがわしいもので……といった具合に始まる。ラフでありながら美しい、妖艶な描線はこの作品でも健在でこの先も楽しみ。そしても一つ、ヒロモト森一の新連載「命+紅」も掲載。現在428歳であると言い張る極悪野郎、不知火死郎が主人公。マジにクレイジーでデンジャランスな男の闘いに満ちた日々を描くという感じ。ヒロモト森一はこの前アフタヌーンでも連載が始まったばかりだが、精力的に仕事してるなあ。あと今回びっくりしたのは、天久聖一+長尾謙一郎という新旧ヘタウマ系作家が合作した「明治維新」が載っていること。

 既存の連載作品だと、雑誌形態で読む場合、今一番自分にとって面白く感じられるのは比古地朔弥「まひるの海」かなー。妖美だし読みやすいし。2ヶ月のスパンをあけても、すぐ物語に入っていけるところがいい。黒田硫黄「セクシーボイスアンドロボ」や、さそうあきら「富士山」あたりもいいけど。山本直樹「安住の地」、松本大洋「ナンバーファイブ」、林田球「ドロヘドロ」あたりは単行本のほうが良さげ。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 11月号 少年画報社 B5中

 「うさぎちゃんでCue!!」アニメ化記念ってことで佐野タカシの読切「IDOL」が掲載。女子高生スイーパーが主役のガンアクション。設定から考えて、もう少し長尺のほうが良かったような気が。小泉真理「ジンクホワイト」。真木さんが一つ開眼して、石膏像のデッサンができるように。それだけでは留まらない大事な何かに目覚めたということで大興奮。なんか見てるほうもうれしくなるようなハシャギっぷりがええ感じ。

【雑誌】阿ウン 11月号 ヒット出版社 B5平

 さてさて盛り上がりまくりな師走の翁の「シャイニング娘。」シリーズ。今回のタイトルは「サンマルツァーノ」。今回は最年少コンビ、槌&匣がデリヘルに挑戦〜。ミニシャイ。デリヘルでビンビンビン。なんかこれから3日で10人の客を獲らされるらしいですよ〜。キャー。楽しみィ。それから今号では、推理モノのパロディ仕立ての井上よしひろ「名探偵マリア」が好き勝手やっててオモシロかった。メイド姿で通勤電車に乗ったら、そりゃ痴漢の一つもされようというもの。

【雑誌】快楽天 11月号 ワニマガジン B5中

 巻頭カラーは三浦靖冬「ヨトギノクニ」。街角で売春している同級生と再会した少年。お互いに惹かれあいつつも、二人の間にはやりきれない想いが横たわるといったお話。痛々しいけれども、やっぱり作画は達者だし美しいと想う。陽気婢「内向エロス」は第二部スタート。といってもこれまでも好き勝手に読切描いているという感じだったので、感覚的には対して変わらない。相変わらず細っこくて滑らかな身体の線にハァハァ。OKAMA「華札」。お話とかどうでも良くなってしまうくらいに色が美しい。すごいなこりゃ。

【雑誌】ラッツ 11月号 司書房 B5中

 IDEA「西遊艶義」が最近この雑誌ではいい感じだなあと。現代モノなんだけど、法師が3人の女の子を引き連れ、同人即売会会場でエッチな商売をイッパツぶつというお話。姐御肌、お嬢さま系、めがねっ娘と、三つの味をしっかりカバー。

【雑誌】エンジェル倶楽部 11月号 エンジェル出版 B5平

 奴隷ジャッキーはいいなあ。「父の心娘しらず」。大好きなお兄さんとすぐにでも結婚したいんだけど、あんまりにも子供っぽいから父親に反対されてる女の子。で、まあこのお兄さんと女の子のエロシーンがメインとなるわけなんだけど、相変わらずセリフがテンション高くて素晴らしい。裸エプロンから乳をつかみ出して「愛天使エプポロリ〜ん♥」とか。描線も滑らかでじゅくじゅくとジューシィ。ミルフィーユ「純くん大歓迎」。今回のサブタイトルは「若妻バトル」。若妻二人が少年を取り合ってH三昧。甚だしく羨ましく、またエロい。吉良広義「筆おろし女教師冴島彩花」。転校生がクラスの女子全員に入れ替わり立ち替わりフェラチオされるシーンがたいへん気持ち良さそう。あとはきゃらめる堂の「六年おとな組」かな。ヘンな薬物入りの給食を食べて、女の子は身体全体が、男の子はちんちんのみ巨大化……という状況になった教室で逆レイプ。やったら元に戻るかと思いきや。異常な状況は興味深いし、オチもナイス。

【雑誌】絶空 Vol.3 笠倉出版社 B5中

 スバラシイ。何がスバラシイって、うるし原智志先生描くところの表紙。こんな感じ。オパーイ。絵柄がキャッチーで華やかであるだけに、レジに出したときの恥ずかしさではエロ漫画雑誌の中でも最強クラスだと思います。でも表紙だけじゃなく、今回はとくに中身も充実してます。

 まずはEB110SS「人形劇ドットコム」。ネット通販でうさみみの生きたダッチワイフ、身長90cm挿入可能を購入した男がその魅力にずぶずぶのめり込んでいってしまう。人間の幼女ではできないハードなファックもダッチワイフなら大丈夫。しかも生きてる。生モノ。いや〜パラダイスですなあ。作画も毎度非常にいい。かわいい。巻頭カラー、あうら聖児「若奥様は欲求不満」は手堅く、そして手っ取り早く抜ける実用的な一品。登山家のダンナと結婚したばかりの新妻女教師が主人公。タフな山男に毎晩ザーメンを注ぎ込まれ続けて奥様は、すっかりザーメンなしではいられない肉体に。でもダンナは登山のためずーっと山にこもってるから、ついつい生徒たちの力を借りてしまうようになってしまっているのです……というわけで今回はアマレス部の面々と激しく懇親。おっぱいもおちんちんも大きくゴージャス。明るくやっちゃってるけど、実はかなり淫猥な状況だよな。

 RaTe「P7」。この人のちんちん&ザーメン大好き小池さん的な作品はかなり開き直ってて面白いと思う。肉付きの良さ、もちもちとした質感も好ましい。猫玄「プラトニックにあこがれCHU」。こちらはロリロリ。かわいいしHもしっかりやってるし、最後はラブコメチックに締めくくってて後味も良く、いい仕事してるな〜という感じ。危険思想「千衣子ちゃん巨乳化計画」。計画するまでもなく巨乳ですが、さらに巨乳化は推進されております。この人の描く特殊な体型ながらもキュートな女の子には独特のものが。単行本出ないかな〜。あと巻末、榊原薫奈緒子「アナウメ絶望日記」もヤバげなネタがもりもりで楽しい。2冊めの単行本(仮題「アストロメイド)」)も出るらしいけど、時期は今のところ未定とのこと。

【雑誌】ヒメクリ 11月号 FOX出版 B5中

 読むたびに素晴らしいと思うパニックアタックのロリロリ妹溺愛系作品「大人になる呪文」。今回も実に素晴らしい。スクール水着で猫耳付きスイムキャップ、そしてマジカルスティックまで振り回された日にはもうたまらんですわい。しかもめがねっ娘なんだよ〜。この妹、良すぎですわい。持ち込みからデビューの小林王柱「残り火」。なかなか好ましい絵。たぶんEB110SSの影響は受けてると思うのだけれども。


9/28(金)……Oh yeah so do.

bk1の箱  元同僚の家を作業場にして編集仕事。早くちゃんとした基地が欲しいなあ。夜は某PC系の出版社に行って営業活動。結局呑みになだれ込み、けっこう酔っ払ってしまいました。

 家に帰るとbk1から本がもりもり到着していた。これまでbk1から届く本って、冊数が多い場合は紙袋に入れられてたんだけど、今度は写真のような段ボール製の入れ物に変更されたみたいです。これなら配送時に本が傷ついたり汚れたりしなさそう。でも俺はしょっちゅう送られてくるから、段ボールだとかさばって捨てにくいんであんまり好ましくないなーと思ったり。まあここらへんは善し悪しですな。

【単行本】「すべてがFになる」 作:森博嗣+画:浅田寅ヲ ソニー・マガジンズ B6 [bk1]
【単行本】「ハネムーンサラダ」4巻 二宮ひかる 白泉社 B6 [bk1]
【単行本】「リストラ軍師大前鷹山」 しりあがり寿 白泉社 A5 [bk1]
【単行本】「軍鶏」13巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 双葉社 B6 [bk1]
【単行本】「田園少年」 紺野キタ 大洋図書 B6 [bk1]
【単行本】「atomic?」 カネコアツシ エンターブレイン A5 [bk1]
【単行本】「ヘルシング」4巻 平野耕太 少年画報社 B6 [bk1]
【単行本】「純粋!デート倶楽部」1巻 石田敦子 少年画報社 B6 [bk1]

【雑誌】ヤングアニマル 10/12 No.19 白泉社 B5中

 ここのところのヤングアニマルで一番楽しみにしていたたくまる圭「吉浦大漁節」が最終回。美しく爽快感のあるペンタッチ、心優しい物語など、たいへんよい雰囲気を持った描き手さんだけに再登場を期待したいところ。とかいってたら次号で「吉浦大漁節 特別編」が掲載される予定らしい。ていうかまずは単行本単行本。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。面白い〜。二人の女の間で男はどうするか。先がすごーく気になる。文月晃「藍より青し」。なんと、またレギュラーメンバーを増やすつもりか。そのうち12人くらいになるかもしれぬ。

 林崎文博「VF」。これはすごい。なんでバトルシーン最高潮で、まったく必然性がなさそうで無駄にエロいあんなカットが入るんだ〜。ビックリ。破壊的だ。もう1本、作:出海まこと+画:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」は次号で最終回とのこと。この漫画のエロシーンの、過剰なサービスぶりも思い出深いです。デスエロ〜ス。

【雑誌】コーラス 11月号 集英社 B5平

 毎度鮮やかだなあと思うくらもちふさこ「α」。ボケたおばあさんと、その屋敷に仕えるメイドのゾウイ。ゾウイは自らの日記帳に、その屋敷が栄えていた日々だったら日常はこうであろうと思われるような日記を記述し続けている。実際の日常はそんな華麗じゃないのだが。淡々としたぺースで物語は進み、そして最後は美しく締めくくる。物語に身を任せているだけでたいへん気持ちいい。松田奈緒子「レタスバーガープリーズプリーズ.OK、OK!」。こちらは主人公が悩んでいるけれども、基本的にはカラッと嫌味のない読み口で面白い。あとよしまさこ「うてなの結婚」は柔らかく微笑ましくて毎回安定した楽しさ。

【雑誌】ステンシル 11月号 エニックス B5平

 最後通牒とかを読んでいる範囲でしか知らないんだけど、なんかエニックスもたいへんっぽいですな。いろいろスタッフやら作家さんが抜けちゃって大丈夫なんだろうか。こちらでも森永あい「僕と彼女の×××」、斎藤カズサ「南国動物園綺談」、天野こずえ「AQUA」、エノロッコ「ベイビートロン」が連載終了。正直、内紛とかは読者が関知すべき問題ではないと思うんで全然興味がないんだけど、とりあえず面白い漫画を読める機会が減らないことを祈ります。ステンシルに関しては楽しみにしていた連載がぽこぽこ終わっちゃったんで、今後購入し続けるかどうかはこがわみさきの動向しだいかな。とりあえずこがわみさきの最新単行本「しあわせインベーダー」は11月発売予定とのこと。

 そんななか、今号では読切の加藤理絵「眠る少女と起こす少年」がとてもいいです。タイトルどおりに、いつでもどこでも眠っちゃう女の子と、幼いころから彼女の面倒を見るよういいつけられた少年を追っかけた物語で、小学生時代から高校卒業まできちんと見守りいいお話に仕上げてます。のんびりした雰囲気、可愛げのある絵柄ともにいい感じ。ラブコメとしてもかなりいい出来。きちんと細かい部分まで背景を描き込んでいるあたりにも好感。この人の作品はもっと読んでみたいな〜と思うのだが、どうなんだろ、また載ることはあるんかなあ。


9/27(木)……銀河ですら

 コミック・ファン14号の仕事でインタビューに行ってきました。お相手は今までお会いした人の中でも一番のビッグネームだと思います、安彦良和さん。正直自分としては「雲の上の人」という感覚で「自分なんかでいいもんだろうか」と緊張していたんだけど、安彦さんはとても温和な方で、こんなぺーぺーの質問にも非常に丁寧に答えてくださり、ありがたくてもうホントしびれました。具体的な内容については11月下旬発売予定のコミック・ファンを読んでいただければと思います。いちおうガンダムについてはほかのとこでもいろいろやられていると思うので、漫画のほうにフォーカスした話にしてみたつもりです。


 その後、気が抜けてくにゃくにゃになって家に帰りついてメールチェックをしてみたら、なんか勝手にヘンなメーリングリストに登録されちゃってたらしく、読めないメールが50通くらい届いててびっくりする。どうやら中国系のとこらしいんだが、注意書きとかが中国語なもんだからどう対処したらいいもんやらよく分からず悪戦苦闘する。どうやらYahooGroupsを使ったMLのようだったので、以前、eGroupのMLを退会したときの方法を試してみたらいちおううまく退会できたみたい。なんか漫画系のサイトを狙って一括で登録しまくったぽいところがあり、知り合いでもほかに勝手に登録された人がいた模様。もしかしたらほかにも困ってる人がいるかもしれないので、俺が試した退会方法を記しておきます。

1)届いたメール内に退会用のメールアドレスが記入されているので、そこ宛にタイトル、本文ともに空白のメールを送る。今回の場合は宛先はxigui999-unsubscribe@yahoogroups.comでした。
2)そうすると退会確認のメールがconfirm-unsub-なんちゃらかんちゃら@yahoogroups.comから届くので(「なんちゃらかんちゃら」の部分はごちゃごちゃした英数字の羅列)、そのアドレス宛にタイトル&本文が空白のメールをもういっぺん送る。

 まあ要するに1回だけじゃなくて2回送るというのが大事。それにしても誰だよこういうことすんのは。まったく。

▼未読物
【単行本】「薩摩義士伝」4巻 平田弘史 リイド社 A5 [bk1]
【単行本】「丸尾地獄」 丸尾末広 青林堂 A5 [bk1]

【雑誌】リイドコミック爆 11月号 リイド社 B5中

 深谷陽「ガディスランギ」は次回で最終回である。悪夢が現実に漏れ出してきたかのような怪しさを、得意のアジアンテイストな世界の中でしっかりと描き出している力作。これちゃんと単行本になってくれるかなあ。途中読んでない回があるだけに心配。修生「潜航戦艦ブラッククロウ」。シュバリエ大佐がどうにもアズナブル。艦長はネモ(ふしぎの海のナディアの)+沖田艦長+ハーロック。なんだかすごい。

【雑誌】ヤングサンデー 10/11 No.43 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。今回はトリコロールの3人娘が女子プロレス団体を体当たりレポート。ていうか梨奈姉、ちと強すぎじゃろう。武村勇治「風娘」がいったん終了。高橋尚子がちょっと可愛すぎではあるが、それはまあしかたなしで、お話のほうはちゃんと面白かった。走っているシーンの表現とか気持ちいいし。

【雑誌】モーニング 10/11 No.43 講談社 B5中

 弘兼憲史「部長島耕作」。今野さんがかわいそうだ! 実は島耕作シリーズの中で最も好きなキャラ。山田芳裕「いよっおみっちゃん」は今回で最終回。単行本は11月20日に発売することが決定となった模様。やたー。これで安心。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/11 No.43 集英社 B5中

 ん? ヤングジャンプが創設した月例新人賞MANAGAグランプリで今回佳作を受賞している「LOVE&PEACE」のわごむって人、これ明らかにはらざきたくまだよなあ。はらざきたくまといえば以前、ビッグコミックスピリッツのバトルオブ大新人という企画に北沢末也原作で登場したことがあったけど(1998年 6/15 No.26)、絵柄的には確かにヤングジャンプのほうが合ってるような気がする。ちなみに編集部の講評は「絵はずば抜けて綺麗でプロレベルだが、女の子のキャラクターが掴みづらいのでもっとキャラをたたせる描写を!」とのこと。

 井上三太「TOKYO Graffiti」第2話の前編が掲載。けっこうラブだ。高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 2002」は相変わらずツッコミ所多し。今回はバイエルンミュンヘンの選手の登場シーンに間隙。5コマ横に並べて5人の選手。「世界レベルの選手達」との説明あり。武富智「キャラメラ」は今週も魅力的。亜子タン……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/11 No.44 秋田書店 B5

 八神健「ななか6/17」は今回雨宮さんが主役。念願かなって稔二とデート。うう、雨宮さん健気すぎ〜。うおおおおお。伯林「しゅーまっは」。今回は扉ページの、まは&彩のうさぎコスプレでしょう。松山せいじ「エイケン」。今回は扉ページだなー。この人の描く水は、なぜか肌に付着すると白く濁ってぬるぬるする性質があるようだ。

 作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。すごい展開なんだけど、何も展開していないようでもあり。すごい。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。森高夕次はSPA!で昔やったインタビューによるとコージィ城倉と同一人物らしいのだが、最近の展開は「なるほど確かに」と思わせるもの。なんだかショーバンが「かすらせない記録」を継続してます。もしかして「30はいったらしい……よ♥」とか言い出すんじゃないかとドキドキします(なんのことだか分からない人は「グラスブレス」を読もう。講談社ヤンマガKC全2巻)。

【単行本】「A・LI・CE」 画:木崎ひろすけ+作:吉本昌弘 角川書店 A5 [bk1]

【単行本】「グランドゼロ GOD-GUN世郎」 木崎ひろすけ 角川書店 A5 [bk1]

【単行本】「少女・ネム増補版」 作:カリブ・マーレイ+画:木崎ひろすけ エンターブレイン A5 [bk1]

 2001年3月28日に心不全で急逝した木崎ひろすけの単行本が3冊同時刊行。少年漫画的なテイストをしっかり残しながら、極限まで描線を洗練させていったかのような圧倒的な画力は、昔の作品を今見ても惚れ惚れしてしてしまう。その表現力は、漫画好きなら誰しも魅了されるであろう。異世界を舞台にしたダイナミックなガンアクション「グランドゼロ GOD-GUN世郎」、漫画家志望の少女の物語「少女・ネム」、唯一いちおうの完結を見たSF長編「A・LI・CE」。そのどれにも思い入れはある。「少女・ネム」はこれまで単行本未収録部分があり断腸の想いだったのだが、念願叶って未完ながら全話が収録された。でもこのような経緯であってほしくなかった。訃報を聞いたときは信じられない気持ちが強くて涙は出なかったけど、改めて発表された順番どおりに(世郎→ネム→A・LI・CE)3冊読み返してみて、この美しい線を紡ぎ出した希有の才能がもうこの世にはないんだと思ったら自然にぼろぼろ泣けてきた。たぶんこれから何度も何度も読み返すことになると思います。


9/26(水)……欲望で在野

 プロ野球パ・リーグは大阪近鉄バファローズが優勝。実のところ今年は春先に、セ・リーグ:巨横中広神ヤ、パ・リーグ:ダ西ロ日オ近という予想をしていたのだけど、両リーグとも最下位予想したチームが優勝チームになりそうなんでトホホーという感じである。でもまさか近鉄があの投手陣で優勝しちゃうとか、9月26日の時点でヤクルトの藤井が14、入来が10、前田が7で合計31も勝つなんて誰が予想できただろう。近鉄も今年は猛打だったけど昨年はパ・リーグで一番打点が少なかったチームなわけだし。で、予想を見返してみると最下位以外はわりといい線いってたかも。でもまさか北川とは。あ、そういえば「ドカベンプロ野球編」はどうするのかな。近鉄には坂田と牛虎、ヤクルトには中くらいしかいないぞ。巨人ならまだしも微笑がいるものの。水島新司は最近外国人選手をほぼ登場させないから、ローズも話題にならんかもしれないし。あぶさんは息子が近鉄だからいいんだけど。

【雑誌】プチフラワー 11月号 小学館 B5平

 じっくり読むとどの作品も面白いなあ。典雅で。まずは波津彬子「クレア嬢のお相手」。変わり者なお嬢さまの婿選び。まわりくどさがかえって趣があって良い。それにしてもこの作品、「うるわしの英国シリーズ」なんだなあ。こういうシリーズが成立するところからして実にプチフラワー調。さいとうちほ「アナスタシア倶楽部」。美少女鑑定士様ががとても可憐。目の輝きにトキメキ。あと竹宮恵子のマンガ学会関連コミックエッセイ漫画「K子ちゃんの教授生活」も興味深い。「K子ちゃん」とか「ジルベール竹宮」と名乗ってしまうノリの良さもええ感じ。なお韓国は画材が安いんだそうな。

【雑誌】スーパージャンプ 10/10 No.20 集英社 B5中

 小谷憲一「DESIRE」。すごい……。今回は香川県のとある漁港が舞台なんだけど、主人公が魚河岸に出ていた大タコに助けを求められているような気がして1万円で購入したところ、実はそのタコはその地域の人たちが「龍宮城」と呼ぶ女性だらけの寺の少女の飼いダコだったのでしたーズガーン!という、なんといったらいいのか分からない展開。そしてタコを助けたお礼に寺に招かれた男は、女たちに囲まれて夢のような想いを、そりゃもうもちろんするんである。この女たちも別に髪剃ったりしてるわけじゃなくて、普通の若い女性ばかり。大ダコと少女のからみとかもあったりしていやはやなんとも。最近の小谷先生の発想力はすごすぎる。

 あと、次号から矢島正雄原作で作画が若狭たけしの新連載「どんまい!」がスタート予定。

【雑誌】少年エース 11月号 角川書店 B5平

 表紙は吉崎観音「ケロロ軍曹」。パーッと明るく目に映える。漫画のほうもしっかり面白い。ただ、お母さんの乳揺れが見たかった……。すごく見たかった……。CLAMP「ANGELIC LAYER」は最終回。やっぱうまいなー。竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」は萌え系でちょっとユルめな絵柄と、回転の速いギャグがなかなか楽しい作品。天津冴「がぁ〜でぃあんHearts♥」。いやはやなんとも、萌え萌えラブコメ。この世界に浸かってるとたいへんダメになっちゃいそうな雰囲気がとても良いです。ゴツボ×リュウジの連載もたせて漫画「少年エース的 ドラゴン!!連載への道」は、今回からなんかわたわたと始まってしまった。でもやっぱコレ自体どう見ても連載だよねー。コレで単行本まで行っちゃったらスゴイかも。そのほかではエンターブレインと合わせて単行本3冊同時発売の木崎ひろすけ特集記事、都築真紀体調不良による「G〜Destine for Fire〜」の連載終了のおしらせも。

【雑誌】週刊少年サンデー 小学館 B5平

 藤田和日郎「からくりサーカス」。真打ち登場といったところ。いよいよさらなる盛り上がり。さてここからどうするどうなる、とても楽しみ。あと作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!Xi」には新キャラ登場+新展開。ラミア〜。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/10 No.43 講談社 B5平

 赤松健「ラブひな」。ますますお話はクライマックスに近づいていっている。といってもこの作品の場合、普段の日常生活も小クライマックスといえないこともなかったような気がするけど、なんにせよ終わりはたぶん近い。

【雑誌】漫画サンデー 10/9 No.39 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:勘崎順次「銀座女帝伝説 順子」が読みごたえあっていい感じ。どうでもいいけど、一瞬「じゅんこ」でなく「ジュンツ」と読んでしまったり。小田扉「マル被警察24時」はますます力が抜けてきてまったり。今回はキレイなオチですな。

【雑誌】ビッグコミック 10/10 No.19 小学館 B5中

 山本おさむ「聖」。村山vs.羽生の一局がますますヒートアップ。村山劣勢だが果たして。ここからのギリギリのせめぎ合いは、山本おさむの真骨頂が現れそうなフィールド。さらに期待。国友やすゆきの短期集中連載「CONFIDENCE」は最終回。

【雑誌】コミックピンキィ 11月号 オークラ出版 B5中

 緋呂河とも「来訪者」。若夫婦の家に凶悪犯がたてこもり、奥様が夫の眼前で犯人に……。こういうシチュエーションに人妻好きな私が反応しないわけがあろうかと。うろたん「気ままにLovely Demon」(前編)。こちらはロリっ娘系。なんか魔法の本のおかげで悪魔っ娘になっちゃうけどそれはほぼコスプレ状態。ちんちん3本による責め〜。ぎこちなくぺろぺろしている感じがたまらん〜という感じ。森下双葉「こんなおかあさん好きですか」は、シンプルな線ながらふくよかな女体に惹かれる。霧隠鷹哉「女の子はじめて物語」。こちらもあっさりした絵柄でなかなかかわいい。初単行本「もぎたて半熟少女」が10月下旬に発売されるとのこと。魔道うに「わたしたちのないしょ」。こちらは前号からの続き物でロリ系。父兄妹の3人家族がいっぱいするのです。この人の描く少女は、ちんまりしててかなり良い。

 舞登志郎「メジャー漫画家への道」。コミック・ファンの編集の人が悪役っぽく登場してて思わず笑ってしまう。それからダーティ・松本による私説・エロマンガ激闘史「エロ魂!」は毎回すごいなー。若き日の松本先生、あまりにも激しすぎ。この爆発力には圧倒されるほかない。そのほかコミケでピンキィ編集部の人が暴行を受けた件に関する記事など、見どころの多い雑誌だ。なお、この犯人の情報には賞金がかけられています。最も有力な情報を寄せた人には賞金30万円らしいんで、ピンキィ編集部員に頭突き+裏拳を食らわせた覚えのある人は、申し出ると30万円もらえるかもしれないぞ!(賠償金をそれ以上に請求されるかもしらんけど)

【雑誌】プッチモエ vol.04 司書房 B5中

 巻頭カラーの霞香うらら「おっしおきぃ!」がエッチい。女二人で男一人をもみくちゃに。司書房系らしい肉弾パワーも十分。天太郎「籠の中の機械」。この人の描く女体は熟れっぷりが好み。火野聡司「スージーズLIVE!」は、公園で女の子二人組がHの嵐。片方はメガネっ娘。肉棒精液がもりもりたくさん。ノリも非常に軽快。KASHIみちのく「海の家のテロリスト」。女の子3人が魚型の潜水艦で浜辺に乗り付けて海の家開業〜というなんともおめでたい展開。いつもながらぶるんぶるんと景気がいい。羽田としのり「仙術師の華鈴」。ペンタッチがまろやかで、Hも充実。けっこう好みなタイプの絵柄。少し垢抜けない感じが良いところ。


9/25(火)……天誅虫のサンバ

 転職先の会社(未設立)の事務所をどうするかってことで打ち合わせ。パソコン関連の仕事がメインになると思うので、アキバの近くに事務所を借りようという話にはなっていて、そのあたりの物件を見て回る。本日回ったのは3件。そのうち岩本町駅から歩いて5分くらいのところの物件が、相当広くて安く、けっこう気に入った。でもあといくつか不動産屋さんを回ってみるつもりではある。こういうふうに仕事用の物件を探すというのは初めての経験だけど、実際の場所を見てみると「あそこに机置いてここに本棚置いて……」というふうに想像がふくらんでなかなか楽しい。でも歩き回るのでそれなりに疲れはする。本日は買うものが多く、かばんには雑誌13冊+単行本1冊が入ってたのでなおさら。どうでもいいんだけど25日に雑誌集中しすぎだよー。

 という事務所物件はまあ早くて11月くらいから契約ということになると思うのだけど(10月いっぱいは有給消化中だし)、ちょっと試しに受けてみた仕事のため、仮の仕事場も用意しなくちゃいけない。最初はツカサのワンワンオフィスでも使うかという話になってたんだが、どうも都合のいい空き部屋がなかったので別の手を考えなきゃならんかも。まあここらへんは、とくに大きな仕事ではないので自宅作業でもなんとかなるとは思うんだけど。

▼未読物
【雑誌】漫画サンデー 10/9 No.39 実業之日本社 B5中
【雑誌】ビッグコミック 10/10 No.19 小学館 B5中
【雑誌】コミックピンキィ 11月号 オークラ出版 B5中
【雑誌】プッチモエ vol.04 司書房 B5中
【単行本】「レンタルメイド」 うさぎのたまご 司書房 A5 [Amzn]

【雑誌】コミック天誅 Vol.1 ホーム社 B5中

コミック天誅  コミック特盛の11月増刊号扱いで新創刊。特盛のほうはジャンプ系作品の再録雑誌なんであんまり感心しなかったけど、こちらはなんだか面白そうなメンツも多く、ちょっと楽しそう。でも表紙はいまいちっぽいなー。

 創刊号の執筆陣は、えんどコイチ、あだちつよし、作:池上司+画:柴山薫、松本零士、泉昌之、ならやたかし、作:宮崎克+画:坂口いく、若林健次、ほりのぶゆき、作:東坂前二+画:桑澤篤夫、八潮路つとむ、ちばてつや、森雅之。やっぱり特盛同様、集英社系が多い……ってホーム社だから当たり前なんだけど。この中ではなんといっても、ならやたかし「帰ってきたケンペーくん」でしょう。あの痛快バッサバサぶったぎり漫画が、このご時世に復活するとは。あとほりのぶゆきの「痛快!スーツ侍」もいつものぺースでやっててけっこう好き。なんとなく微妙な感じのする雑誌ゆえ掲載作品が単行本化されるかどうか分からないので、何はともあれ気になる作品が一つでもあったら買っておくことをオススメしときます。

【雑誌】ガンダムエース No.002 Autumn 角川書店 B5平

 例のガンダム本第2号。角川書店のガンダムエースのページによれば、第1号は30万部刷ってほぼ完売して3万部増刷だったとのこと。コレってかなりすごい数字のような。漫画アクションとかよりはたぶん売れてるんじゃなかろうか。恐るべしガンダム。で、今回の漫画執筆陣は安彦良和、北爪宏幸、徳光康之、大和田秀樹、さとうげん。やっぱり安彦ガンダム106ページはさすがに強力。ガンダム大地に立ってるし。それから徳光康之のガンダムとプロレスの融合「闘魂のMS-05」もむやみにアツくていいね。次号は12月18日発売。美樹本晴彦や山崎峰水が登場予定。そのうち吉崎観音とかにもご登場願いたいところ。あ、あと俺の買った本、安彦良和と寺田克也の対談のコーナーの第1見開きと第2見開きが入れ替わってたんだが、これって俺だけ?……のわけないとは思うんだが。

【雑誌】ビジネスジャンプ 11/1増刊 BJ魂 Vol.3 集英社 B5中

 巻頭4色カラー4ページで竹下堅次朗が登場。「なりきり奥さん」。なんか「奥さん」とあるわりに、表紙のカットにロリロリなおこさまが描いてあると思ったらなるほどそういうわけだったのかー。それにしてもこの人、「カケル」が終わった後、かなり好きそうなモノを楽しそうに漫画描いてるなー。大熊ジン「blue」。ちょっと気になるシャープな線による作画。佐藤丸美「こちょまん」は、なんだかおめでたくて楽しい。この人は何気にあんまり外すことのない、職人芸的なモノを持った人だと思う。あと今号は、第194回BJ一旗コミック新人賞で奨励賞を受賞した竹島未来の「雪が咲く」がなかなかいい。江戸時代(だと思う)、皆から慕われている尼さん、その実は飲み助な町娘のお雪ちゃんと、老指物師のエピソード。なかなか艶のある絵柄と鮮やかなストーリー回しに惹かれるものあり。

【雑誌】ヤングチャンピオン 10/9 No.20 秋田書店 B5中

 作:金城一紀+画:近藤佳文「GO」が新連載。直木賞を受賞した小説が原作。在日韓国人の杉原が主人公の青春物語。原作は読んでないのでよく分からないけど、漫画の第1回を読んだ限りでは不良喧嘩モノといった雰囲気。もちろん差別問題は出てくるんだろうが、今のところあまり嫌味に働くところがなくて主人公にも感情移入して読める。予告カットを見たとき、「鉄筋安坊」の近藤佳文にしては濃くてゴツめな絵柄にしてきたなとかちょっと思ったけど、実際に読んでみたらいつものペースかなって感じはする。けっこう面白そう。葉月京「恋愛ジャンキー」。オッパイ大き過ぎてごめんなさ〜いなめがねっ娘(といっても今回は眼鏡はつけてないけど)の姿子が今回も良い。もっと登場機会が増えてほしいキャラ。あと、こしばしげる「ぴかいち」と作:土田世紀+画:尾上龍太郎「サバス!」は最終回。

【雑誌】アフタヌーン 11月号 講談社 B5平

 ヒロモト森一、アフタヌーンでの久々の連載「STONe」がスタート。砂の海で覆われた地球に暮らす人々の物語。主人公は砂の海の中を見通すことができる少女・ジジ。砂の海には砂クジラやらジョーズ、それから海獣などが棲む危険な領域。なんか「砂の惑星」のよう。でもあちらは完全に砂漠だったのに対し、こちらの砂=「沙海」はも少し粒が滑らかでより水に近い感じかな。ヒロモト森一の激しい絵柄には大風呂敷がよく似合う。というわけでかなりスケールの大きそうなこの作品には期待してます。鶴田謙二「アベノ橋☆魔法商店街」(原案・設定:GAINAX)。載ってますちゃんと。載ってさえいればクオリティはもう言及するまでもなしというか、惚れ惚れするほどにうめー、って感じ。黒田硫黄「茄子」はキャッチボール男女のその後。うーんいいなあ。自然体だけどかっこいい。素晴らしい。でも荷宮和子的には星一つだなあ。俺的には星100個くらいなんだけど。

 岡崎二郎「緑の黙示録」第2話。さすがにきっちりまとまっている。けれどもアフタヌーンに載ってると、手堅さが逆にマイナスとなってるような気がしないでもない。この雑誌の場合、どこか過剰だったりぶっ壊れているところが求められている、というか俺が求めているのかもしれない。あと今号は、ギャグパラ系の作品もいくつか掲載。中でも近藤有史「Tonkathu Hazard」は美少女メカ彼女が萌え〜という感じでよろしいかと。あと遠藤圭介「大変そうな機械とか。」は絵が達者でセンス良さげ。でも大笑いってタイプのギャグではないかな。も一つギャグパラ入選作、大野正晶「だってやっぱりそこはそれ」も掲載。

【雑誌】漫画アクション 10/9 No.41 双葉社 B5中

 やっぱりながしま超助「ぷるるんゼミナール」は面白すぎるよっ! 引き続きダイエットスクール編なのだが「やせたい部分を使ってヌいてやるんだ〜ッ!」という分かりやすくも異常なアプローチに圧倒されます。倉上淳士「ぎゃるかん」。お話としてはとても歯ごたえがないのに、なんだか楽しい。女ばかりのギャルゲー会社という、非常に浮世離れした設定がかえって生きてる、ような気がする。

【雑誌】コミックバンチ 10/9 No.20 新潮社 B5中

 作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘「眠狂四郎」は、おっさんたちがシブい。作:ジョン・グッジン+画:ヤン・ジェヒョン「熱血江湖」。だいぶ慣れた。

【雑誌】ヤングキング 10/15 No.20 少年画報社 B5中

 最近注目のデスエロス漫画の中で、とりわけデスエロス度が高いと思っている中西やすひろ「愛DON’T恋」。今回はわりと普通にお話を進めているけど、この漫画の場合ちょっと目を離すと「え〜っ?」って感じになるからなあ。いきなりSMにハマってたりとか。中津賢也「妖怪仕置人」。今回はめがねっm吸う目の碓井さんがやけに色っぽくていい感じ。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。ああん。いいのか三悟〜。湊タン……。うは、うはははー。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 11月号 竹書房 B5中

 「海猿」の佐藤秀峰がなぜか登場。新連載「示談交渉人」。雀荘で負けっぱなしだった若者を拾って、修羅場に乗り込んだ示談交渉人。そしてなぜか二人はそのまま、ギリギリの状況での命のやり取りの座に着くことになる……といった感じ。いきなりシリアスな展開になだれ込んじゃって驚かされるけれども、息の詰まるシーンを繰り広げる展開は佐藤秀峰らしい力強さが初っぱなから発揮されている。どうなっちゃうんだろう、というところで以下次号、である。画:安達哲+作:有元美保「ギャル雀」は最終回。意外にもというか予想通りというか、けっこうあっさり終了。こういう終わらせ方にするならば途中はつまり「カオリさんがとにかく恥辱を受ける」という状態でありさえすればいいわけだから、もっともっとその部分をずるずる引き伸ばしちゃうって手もあったかな、とは思ったりした。でもそれやると完全に麻雀雑誌でなくてエロ雑誌ネタだよな。


9/24(月)……歯並びと

 目を閉じると眠ってしまう無為な一日。

【単行本】「ちひろ」 安田弘之 講談社 B6 [bk1]

 源氏名ちひろ、風俗嬢。カッコ良く人格の破綻したイイ女。イタズラっぽくも光のない目でジーッと人やモノを見つめて、自分の心を波打たせる出来事を待っている。そんなちひろの生きっぷりを鮮やかに描いた作品。最近の安田弘之作品の切れ味の鋭さはまったくすごい。ちひろの、こういったタイプに風変わりな人格は、これまで漫画ではあんまり見たことないな。安定する直前でそれを放棄し、自分が傷ついてるのを確認して喜ぶ。それが自暴自棄とかマゾヒズムに基づくものっぽくもなくて、すべてを受け入れてエンジョイしている感じ。そういうちひろの生き方はすごく刺激的だし、表現の冴えに思わず泣けてきたりもする。最初っから終わりまで、すこぶるしなやかできめ細かく、かっこいいです。

【単行本】「串やきP」2巻 SABE メディファクトリー A5 [bk1]

 クレイジー! ヴェリヴェリクレイジー!! まったくイカれてるよこの世界は。オオアリクイと串Pは激しくバトル、田中さんは人格破綻しまくってるし、春野兄も相変わらず馬鹿だし。なんでオオウミガラスは戦うのか。そんなこたあどうでもいい。あの黒光りする身体の中には、熱くたぎる血が脈々と流れているんだから。……とはいってもなあ。もうこうなったら際限なくお話をゴロゴロ転がしちゃってほしい。地球の一つくらい滅ぼしちゃっても全然かまわないので。

【単行本】「けだもの会社」3巻 唐沢なをき 集英社 A5  [bk1:1〜2巻/3巻

 これにて最終巻。最初のほうはさほどでもないかなって感じだったんだけど、回を重ねるごとに面白くなっていった印象。最後のほうは、ぷりぷり卵を産みまくるカエル社員とか、もうけだもの大行進でわやくちゃな世界になっててかなり良かった。

【単行本】「鼻兎」1巻 小林賢太郎 講談社 B6変形 [bk1]

 鼻のある兎。というか鼻に特徴のある兎。ずばり鼻兎の日常をのんびり描写。鼻兎の何かいいたげな瞳にクラクラ。なんかうまく魅力について書くのが難しいけれど、遠くから観察してる感じがいいです。何を思ってるのかよくわからんけど、この兎の行動はどこか無邪気でやけに楽しい。これ読んで鼻兎に惹かれた人は、ヤンマガUpperのWebの鼻兎のコーナーから一番下のほうにある「鼻兎手拭い体操」とかも見るといいでしょう。

【単行本】「クロ號」2巻 杉作 講談社 A5 [bk1]

 町で暮らすネコたちの日常をときに厳しく、またユーモラスに描く。筆系のタッチが簡潔ながら趣があって良い。楽しいことばかりでなく、厳しいこともしっかり織り交ぜながら、猫、および人の社会を描いていく作風は落ち着きがあって鮮やか。安定感のあるいい作品。

【単行本】「ケロロ軍曹」4巻 吉崎観音 角川書店 B6 [bk11〜3巻/4巻

 この巻も楽しいな〜。なんといっても今回は節分の回でしょう。鬼娘(例のアレだーっ)のコスプレをさせられた夏美の柔肌に、熱くはぜた粒が弾け、白い肌がぽうっと赤く染まっていく……。いや、それにしてもこの人はセンスがいい。見ててパーッと気持ちが明るくなるようなキャッチーな絵、かわいいキャラ、テンポの良い展開、それから端々のオタクネタ……などなど随所でそれが感じられる。ガンプラが好きな人も、カエルが好きな人も、巨乳が好きな人も、その他もろもろな人も、等しく楽しめるんではないかと。

【単行本】「EDEN」6巻 遠藤浩輝 講談社 B6 [bk1]

 ふむふむ。まとめて読むとやっぱりとても面白い。今回は売春宿に拾われたエリヤが、薬漬けになっている娼婦、そしてその娘のために動くも逆効果。苦い現実を味わう。というかエリヤはもうずっと苦さを味わい続けているけれども。読者が感情移入するサイドのキャラにも容赦ない運命を与える遠藤浩輝の持ってき方は、たいへんシビアであるけれども、それでこそ平等って気もする。考えてみるとこのまま物語がどういう方向に向かっていくのかいまいち分からないんだけど、こうなったからにはさらにビックリさせ続けていってもらいたいと思う。

【単行本】「新しい変態」1巻 尾崎弘 白夜書房 B6 [bk1]

 尾崎弘の名前を単行本発売予定表の中に見つけたときはかなり驚いた。スピリッツの増刊(だったっけ)とかで、なんだか暑苦しくもユニークな作品(「情熱の人」とか)を描いてた個性派で、妙なノリが印象に残っていた。作風はといえば、「炭酸の抜けた小林まこと」とでもいった雰囲気。小林まこと作品の痛快な部分をなくして、ダルくて濃い部分を集めたような感じ。この作品でもヘンテコなノリは健在。ジャンルはパチスロ。堅実に小さく勝ちを拾っていくタイプの若者が、ヘンなおっさんに目をつけられる。そのオッサンは勝ちよりも出目の美しさにこだわるタイプで、いい目が出るたびにいちいち「エクセレント〜」「ビュ〜チフル〜」と、至福の声を挙げる。正直、俺はパチスロはまったく知らないんで、何が美しいんだか皆目分かりまへん。でも面白い。ダラダラと濃厚で珍妙な空気につい魅せられてしまう。広くオススメってわけじゃないけど好きです。

【単行本】「蒼天航路」23巻 王欣太 講談社 B6 [bk1]

 激しく敗れた曹操は、川辺の村に漂着。というわけで赤壁編まっただなか。とはいえ、この巻は激しい動きはさほどなくて仕込み段階といった感じ。

【単行本】「LOVEパワー2000」 ハルマチコ 集英社 新書判 [bk1]

 ハルマチコ先生といえば、Whiteberryのサクセスストーリー漫画であるところの「キャンディPOP’n ROLL」(感想は7月23日の日記のほうをどうぞ)のあまりのヘタレっぷりでごく一部の人に多大なインパクトを与えた作家さんであります。その最新作ということで、好奇心を押さえきれず買っちゃいました。しかも予約で。で、読んでみた。これ短編集なんだけど、その1本めの「LOVEパワー2000」の1ページめからしてこうだ。「私服高校なのに学ランでクールな集団がいる−」「応援部−」。ズガーン。「中でもビジュアル系カリスマ部長 末早光(18)に」「ワタクシ 桜田エリ(16)はヒトメボレした−」。ズガガガガーン。そんでもって桜田さん、思い余っていきなり応援部に押しかけ、ドタバタと入部しちゃうんだけど、応援した最初の試合で実にアッサリ「春町高校甲子園出場が決定しました」。えーっそんな簡単でいいの? 観客席全然人いないし。そして最終ページ。なんかもう。「ラブパワーフル充電(済)!!」じゃねえよっ。ハルマチコ、面白し。

 何か少女漫画的トキメキ要素がいろいろ盛り込まれているんだけど、それがことごとく調子っぱずれに作用しているあたり、たまらんです。この人、「キャンディPOP’n ROLL」とコレのほかにも、「オトコのコ オンナのコ」「ピチピチ★ピーチ」という単行本も出しているんだけど、なんか見つけたら買っちゃいそう。どうしよう。あ、でもこの単行本は短編集かつ恋愛ものということもあり案外違和感なく収まっていたりもするので、中編である「キャンディPOP’n ROLL」のほうがだいぶ破壊力がデカかった感はあります。


9/23(日)……クロレラ天国

 もしかしたら読売巨人軍によるミラクルアゲインも……?というご時世になってまいりましたが、アダルトビデオ板@2ちゃんねるでは「巨人不動の4番にしてAVマニア松井秀喜氏を招く」というスレッドが立ってます。地元に松井秀喜記念館を建てようという話が出たとき、「それより、松井秀喜AV記念館にしようかな…」と発言するなど、師匠の大らかさをこのスレッドを読んで再確認。感動いたしました。ちなみに私は大学生のころ、松井記念館行ったことあります。当時はわりとぼろっちい小屋でした。日本の4番にしてAVマスター、松井師匠マンセー。


 日曜日だというのにまた未読が増えた……。今月、というか今週は読むもの多すぎな感じ。

▼未読物件
【単行本】「BAMBi」6巻 カネコアツシ エンターブレイン A5 [bk1]
【単行本】「よみきりもの」1巻 竹本泉 エンターブレイン A5 [bk1]
【単行本】「ケロロ軍曹」4巻 吉崎観音 角川書店 B6 [bk1]
【単行本】「HIROSUKE KIZAKI MEMORIAL EDITION A・LI・CE」 画:木崎ひろすけ+作;吉本昌弘 角川書店 A5 [bk1]
【単行本】「HIROSUKE KIZAKI MEMORIAL EDITION グランドゼロ GOD-GUN世郎」 木崎ひろすけ 角川書店 A5 [bk1]
【単行本】「社会不適合者の穴」1巻 田村マリオ 太田出版 A5 [bk1]
【単行本】「鼻兎」1巻 小林賢太郎 講談社 B6変形 [bk1]
【単行本】「LOVEパワー2000」 ハルマチコ 集英社 新書判 [bk1]

【雑誌】CRAFT vol.10 大洋図書 A5平 [bk1]

 ボーイズ・ラブ系。アンソロジーといったほうがいいかもしれないけれど。今号の執筆陣は宮城とおこ、雁須磨子、河井英紀、高橋悠、紺野キタ、天禅桃子、すがはら竜、高屋未央、門地かおり。まず河井英紀「ハートフィッシュ」。触るとポキリと折れそうな硬質で繊細な線に惹かれる。紺野キタ「カエルの王子様」は、カエルとあだ名を付けられたメガネっ子(男子)の馨くんと、やんちゃな郁くん、二人のカオルくんのお話。いつもながらにきれいな絵で、心トキメくええ感じのお話を描いている。二人ともかわいらしい。それから雁須磨子「のはらのはらの」。第1回ということは続きものな感じ。応援部に入部させられそうな男子が、故障して野球部から応援部に入部させられそうな先輩にときめいているところ。なんだかまだボーイズ・ラブにずぶずぶ行ってないあたりな男子が、ドギマギしているところが楽しい。全般にゆるいところが楽しい。

【単行本】「魔女の手紙」 奈知未佐子 小学館 B6 [bk1]

 プチフラワーなどで心優しいおとぎ話を描いている奈知未佐子の新刊。この人の描く作品は、「今どきこんな漫画があるのかー」ってくらいのおとぎ話テイストなんだけど、それだけにときどき急所を直撃されてぼろぼろ泣けちゃう。けっこうこういうお話って、作り続けていくのは難しそうな気がする。それをいつも変わらずコンスタントに続けている奈知未佐子ってすごいなーと改めて思った。というわけで「風から聞いた話」そのほかの単行本もオススメしときます。ところでこの機会にeS!BOOKSとかで奈知未佐子の単行本リストを調べてみたんだけど、この人けっこう細かい仕事やってるんですな(詳細は「風から聞いた話」のページのほうを参照のこと)。

【単行本】「雲のグラデュアーレ」2巻 作:木原浩勝+画:志水アキ メディアファクトリー B6 [bk1]

 今回はザラストロの華とでも申しますか、リシュ=コトの過去が語られる。すごく達者で伸び伸びした絵が、すごく気持ちいい。志水アキは「夜刀の神つかい」の作画もやってるけど、こちらはまた違った雰囲気。どちらかといえば「雲のグラデュアーレ」のほうが好き。まあコトのかわいさにヤラれちゃってるところがあるのも事実なんだけど。

【単行本】「プロペラ天国」 富沢ひとし 集英社 B6 [bk1]

 「エイリアン9」の富沢ひとしの作品。雑誌で1ヶ月おきに読んでるときには目の前で何が起きているんだかいまいち呑み込めてなかったんだけど、こうやってまとめて読むとなるほどなるほど、非常に分かりやすい。普通人間と合成人間が存在する世界。恋や人間関係を解決する「恋愛探偵組」を作る姉妹。姉は合成人間、妹は普通人間。ころころ変わる二人の関係。「ミルククローゼット」は繰り返し読んでも何がなんだか分からなかったけど、「プロペラ天国」は種明かしがきちんとされてるし、1巻で物語がコンパクトにまとまっている。そしてお互いを思いやる姉と妹の、悲しいけれども美しい話にしっかりなってる。富沢ひとしの大胆な描写には毎度のことながら驚かされるし、刺激もたっぷり。良作。

【単行本】「MとNの肖像」3巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1]

 いやー、すごく楽しいわこの作品。毎度おなじみマゾヒストの安部みつるさん、ナルシストの天草夏彦くんというカップルのドタバタ学園生活を賑やかに展開。マゾヒストやナルシストの描き方は多分に大げさで、「そんなわきゃねー」という感じなんだけど、それはもう全然オッケー。そばにいたらはた迷惑かもしれないけど、見てる分にはすんごくいい。微笑ましいというか一生やってろというか、いやもうたぶんこういう人たちはほっといても一生やるんだろうけど。どうしたもんだかという恋愛空間を勝手に作っては、周囲を騒動の渦に巻き込んでる。トキメキ? そりゃもうバッチリさー。すんごく楽しく、こっぱずかしく、トキめくいいお話だと思います。何度も書いてるけどやっぱオススメ。

【単行本】「LOVE MY LIFE」 やまじえびね 祥伝社 A5 [bk1]

 いちことエリー。二人の女性が出会って恋をして生きていく、ストイックなレズビアンラブストーリー。いちこの父母も実はレズとゲイであったなど、設定的にはある種、都合のいい部分が多いし、同性愛者の苦悩についてはたぶんあまり深く突っ込めてはいないのだろうとは思う。何かオシャレすぎな気もする(いちこの父親が翻訳家であったり、エリーが選ぶ職業といったことについても)。でもこのいかにも真面目な雰囲気はいいと思う。捨象しちゃってる部分もあるとは思うけれども、その分物語世界は美しくなっている。何か主張するとかいうよりも、雰囲気に浸るというタイプの作品かなー。もしかするとわたせせいぞう世界に近いのかもしらんです。

【単行本】「ユキポンのお仕事」4巻 東和広 講談社 B6 [bk1]

 この巻もユキポンはいろいろお仕事。ユキポンの薫陶を受けて、着々と海女マニアに成長中のセイ太くんが気になるところ。それにしてもユキポンはむくむくしてていいなあ。

【単行本】「おしゃれ手帖」2巻 長尾謙一郎 小学館 B6 [bk1]

 先生二人。つまり担任の高嶋六平太とバブル崩壊という現実を受け入れようとしない寺見須初範。この二人がこの巻ではブイブイいわしている。というのは言いすぎかもしれないけど、俺の中で存在感を強めたのは確か。考えてみればこの作品、ヘタウマの系譜を今に伝える有力作品の一つだと思うんだけど、ヘタウマってのもバブル期前後が最盛期だったような気がしないでもない。ということは寺見須初範こそが、この漫画を象徴するキャラクターといえるのかもしれない……とかどうでもいいことを考えてみた。

【単行本】「真夜中の女神」 BENNY’S コアラブックス A5 [Amzn]

 このところBENNY’Sや井ノ本リカ子の単行本がちょこちょこ出るようになってきてうれしい。この人たちの描く柔らかな女体はすごく好き。BENNY’Sのほうはとくにエロシーンもみっちり充実してて実用向きでもあるし。むっちりもっちり、勢いのあるエロ。たいへんよろしいと思います。今回は表紙の色合いが井ノ本リカ子のような白っぽさだなーと思ってたら、CGでの彩色は井ノ本リカ子担当だったらしい。道理で。

【単行本】「楽しい家庭の教育」 飛龍乱 富士美出版 A5 [Amzn]

 飛龍乱はいい仕事してるなあと読むたびに思う。エロ漫画家歴10年以上のベテランなのに絵が全然古臭くなってないし、いまだに十分使えるレベルをキープ。むちむちぷにぷにした身体の描き方とかすごく好き。丈夫な子を産めそうな女性が多い。雑誌のほうでは追っかけてないんだけど、単行本はどれも楽しめるなあ。最近短編が主のようだけど、長編もまた読みたいところ。コミックジャンキーズがまだやってたころ、「飛龍乱のインタビューを読んでみたい」とずっと思っていた。こういうベテラン作家の仕事ぶり、モチベーションの持続の仕方には興味あります。


9/22(土)……スッポン出汁

 ちょっと前に知り合いから物々交換で手に入れたMaxtorの80GB HDDをマシンに導入。データ用のドライブとして使用するため、中身の移し替え作業を行う。このファイルのコピーにけっこうな時間がかかってしまいマシンが使えなくて困った。コピー元とコピー先のドライブをそれぞれセカンダリIDEのマスターとスレーブにしていたけど、プライマリIDEとセカンダリIDEにそれぞれ接続してIDEのチャンネルを分けたほうがちょっとはマシだったかも……とコピーが半分くらい進んだところで気づくも時すでに遅し。

 月曜日は振替休日なんで、月曜発売分の雑誌は本日売り。近代麻雀ゴールドとヤングキングは25日(火)になる模様。……間違えてヤングキングの前号をダブり買いしちったー。

▼未読物件
【単行本】「楽しい家庭の教育」 飛龍乱 富士美出版 A5 [Amzn]
【単行本】「EDEN」6巻 遠藤浩輝 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「ちひろ」 安田弘之 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「クロ號」2巻 杉作 講談社 A5 [bk1]
【単行本】「串やきP」2巻 SABE メディファクトリー A5 [bk1]
【単行本】「雲のグラデュアーレ」2巻 作:木原浩勝+画:志水アキ メディアファクトリー B6 [bk1]
【単行本】「新しい変態」1巻 尾崎弘 白夜書房 [bk1]
【単行本】「蒼天航路」23巻 王欣太 講談社 B6 [bk1]

【雑誌】ヤングマガジン 10/8 No.43 講談社 B5中

 古谷実「ヒミズ」。バイトの金を得た住田の覚悟はすでに揺らがぬところまできており、いよいよ時が満ちてしまったかのごとく。これから起こるできごとはたいへん恐ろしそうでゾクゾクする。住田の悟りきったような表情がかえって怖い。福本伸行「賭博破戒録カイジ」。今回はパチンコなのか。必勝法が見つかりにくそうなだけにキツいところだと思うけれども。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/8 No.43 小学館 B5中

 高橋しん「最終兵器彼女」。ちせとシュウ二人だけなんだけど、すごいクライマックスを見せてくれている。言葉の一つひとつが短くて美しいけどとても重い。佐藤一彦の読切「不滅園話 ネバー・ランド・ストーリー」。冷凍保存カプセルに入れられ、難病の治療方法が見つかる32世紀まで眠り続けていた女性。1000年以上も後の世界にいきなりほうり込まれた彼女の当惑、そこからの出発を描く……という今どき珍しいくらいステロタイプなSFショート。未来世界の風景もいかにも未来ぽい、曲線を主体としたビルとかあってレトロフューチャー。お話としてはあっさりしすぎな感じはあるけれど、懐かしい未来観にちょっとうれしくなってみたりもした。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/8 No.43 集英社 B5平

 新連載、山田和重「グラン・バガン」が巻頭カラーでスタート。16世紀末のヨーロッパが舞台。漂流していたところを拾われた日本人の少年・馬眼(バガン)が日本刀を携え大活躍〜といったところ。海を舞台にしたアクションロマンといった感じになりそう。作画作話ともきちんと整っているので、あとは何か突出した特徴が出てくれば。「ONE PIECE」とネタ的にカブりがちな点はとりあえず気にしないでおきたい。

【雑誌】別冊YOUNG YOU 10/30 集英社 B5平

 特集は「結婚するならこんなオトコ」。YOUNG YOUは本誌はオシャレなのに、別冊になるととたんにベタになるのがなんか不思議。で、今号は、佐藤真樹、松田シロ、架月弥、石井まゆみ、秋元尚美、露崎きよ、古川洋子、内田春菊が漫画を執筆。お目当ては架月弥「スッピンだし!」。25にもなって、主人公が複数の男にモテモテになっちゃう「ハーレムもの」の恋愛まんが大好きなねーちゃんが、結婚を前に悩んだりするというお話。なのだけど、架月弥作品らしくあんまり深刻になるでなく端々でゆるい。締めくくりも「それでいいんかー?」という感じだけど、そこらへんの肩の凝らなさが味。

【雑誌】LaLa 11月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」。本筋に戻って、有馬くんの完璧度&孤独度が進行してて、まったくどーなってしまうんでしょう的展開。静かに緊迫感がつのりつつあって面白い。なかじ有紀「ビーナスは片想い」。紗菜が無防備なせいで、ユッキーはどっきどきー。連載当初の三角関係が崩れた後の新たな三角関係(というほど新たじゃないけどね)。なんにせよ微笑ましいラブコメぶり。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 11月号 竹書房 B5中

 いつもどーりの安定した誌面。今回はゲストで私屋カヲル「ちびとぼく」が掲載。まんがくらぶ、まんがライフオリジナルで連載しているねこまんが。

【雑誌】ドルフィン 11月号 司書房 B5中

 このところ天崎かんながけっこうお気に入り。今号の「午後の校舎ストレート。」も女保険医のねーちゃんがばいんばいん。勢いのあるエロシーンを展開。久しぶりに再開、みやびつづる「肉嫁」第4話では奥様が若い肉棒の虜になってて、ずっぽり濃く、ぬっちょりエロい。熟れた女体による激しいセックスを描かせると、さすがの腕前。北河トウタ「OLフラストレーション3」。このシリーズ好きだー。巨乳めがねっ娘OLちゃんが、先輩にダマされていろいろHなことをさせられてしまうといういつものパターン。グラマラスで充実度の高いエロス、しかもキュート。ただ、せっかくのめがねっ娘なのに今回はコンタクトにしちゃってるところが惜しい。

【単行本】「からくりサーカス」19巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1]

 しろがねたちの自動人形たちの決戦がいよいよ最終局面……になるのかは分からないけど、とりあえず砂漠での一大決戦編はクライマックスに向かって盛り上がり続けている。鳴海は満身創痍。しろがねの数もどんどん減少。悲壮な状況の中で、ガンガンお話を盛り上げていく力強さはさすが。

【単行本】「かってに改蔵」13巻 久米田康治 小学館 新書判 [bk1]

 この巻では、深夜のファミレスでの若者のくだらない会話、そしてそれとは無関係に背後で事件が淡々と起こり続ける「ガンガンミッドナイト」がシュールでヒット。マンネリであるとは思う。でもこういう作品の場合、それでオッケー。とにかくこういうタイプのギャグ漫画は、雑誌の中で常に存在していることが重要だし、いつも面白いし。

【単行本】「平成ときめき力士プニャリン」3巻 コージィ城倉 小学館 新書判 [bk1]

 この巻もプニャリンはむちゃくちゃだ〜。油田を壊滅させたり、パラパラ大会に出場したり、およそ相撲取りとは思えない活躍ぶり。11話掲載されているうち、相撲やってる回が2話しかない。このテキトーさ加減がたまりません。面白い〜。次が最終巻になるのかな。

【単行本】「なんてっ探偵アイドル」5巻 北崎拓 小学館 B6 [bk1]

 なんというかいつものとおりな感じです。トリコロールの3人組が事件に遭遇。アキラの知恵で解決……というパターン。この作品は深夜に実写アイドル番組とかにするといいんじゃないかと思います。

【単行本】「昴」6巻 曽田正人 小学館 B6 [bk1]

 アメリカにやってきた昴が弱小バレエ団に所属。このバレエ団は公演場所さえ確保できない状態で、昴の前途も多難に見えたが、それでもやはり輝く人間は輝いてしまうもの。バレエ団自体も昴に引っ張られてアグレッシブになっていく。新展開を迎えてこれからどうなるか楽しみという巻だけど、昴の実力をさらに上に引っ張っていくような存在がまだ見えていないのでそこらへんどう持っていくかが気になってくるところ。


9/21(金)……蛸の苦楽園

 ついに最終回を迎えた「リス顔の男」。ダメだ。面白すぎる。新田さんには一生勝てない。そう思った。
http://picnic.to/~funuke/diary01/diary0104.html:4月15日(日)「リス顔の男に絶望を託して」
http://picnic.to/~funuke/diary01/diary0105.html:5月3日(木)「リス顔の男2」
http://picnic.to/~funuke/diary01/diary01062.html:6月24日(日)「リス顔の男3」
http://picnic.to/~funuke/diary01/diary0109.html:9月20日(木)「リス顔の男(最終回)」


▼未読物
【雑誌】別冊YOUNG YOU 10/30 集英社 B5平
【単行本】「魔女の手紙」 奈知未佐子 小学館 B6 [bk1]

【雑誌】Zipper comic 10+11月号 祥伝社 B5平

 ありゃ、朝倉世界一「地獄のサラミちゃん」がZipper comicに移籍。CUTiE comicがなくなって残念に思ってた人はこっちも要チェックということに。藤原薫の新連載「楽園」は、かつて好きだった女の子に幻想を抱いていたがそれを壊され、その体験をひきずったまま中学校教師になってしまった男の物語。彼は自分の生徒たちが連れていってくれるかもしれぬ楽園を、今も探し求めている。淫行中学校教師というネタは、実にタイムリーだけど、実際の事件みたいにドロドロしてなくて、この漫画はたいへん美しいです。もしかしてこの作品はオムニバス形式で、次は違うエピソードになるのかもとちらりと思ったけど違うかもしれない。朔田浩美の実在女子サクセスストーリー漫画シリーズ、今回はキタキマユを題材にした「ナカナイデ」。このシリーズ、お話が陳腐になってないし、女の子も魅力的に描けててわりといい感じだと思う。

【雑誌】OURs LITE 11月号 少年画報社 B5中

 オオシマヒロユキ+猪原大介による読切シリーズが12月に単行本化予定。めでたい。どざむら「SING OUT!」。結婚目前のカップルの男のほうのところにいとこの女の子が転がりこんできてちょっと暗雲……といった感じでお話は展開。まあ結局は問題なくゴールインということで予定調和といえば予定調和なんだけど、それであるがゆえの心地よさというのはやっぱりあって、なんだかたいへん幸せな気分になれました。嶺本八美が登場。これが初だそうな。なんとなくすでに登場済みのような印象があったけれども。今回の「パラダイスロスト」は、飛び込み自殺に巻き込まれて大好きだったソフトボールの選手生命を失ってしまった女子と、その原因となった飛び降りた女子のお話。

 陽山明子「パチャラグリーン」。この人の作画は上品で好感度高い。物語のほうも優しい雰囲気。磯本つよし「トモエの駐在日誌」。田舎の町で暮らす29歳独身の女性駐在員・トモエさんの生活をゆったりと描く。背景がしっかり描写しているのが、気持ち良さを演出。「ヨコハマ買い出し紀行」的……というのはみんな感じるところだと思う。あめかすりであると思われる中前英彦の「こもりうたのおわりに」。こちらはバンド/フリーターの生活に見切りをつけんとする女性と、まだまだあきらめない男の空間をやわらかく描写。空気が穏やか。ふわりとどこか儚い不思議な画面作りはこの人独特のもの。もっともっといっぱいこの人の作品を読んでみたい。

【雑誌】花とゆめ 10/5 No.20 白泉社 B5平

 今回は羅川真里茂「しゃにむにGO」がいい話だなあ。3年間一度もダブルスで勝ったことのない脇役二人が今回のメイン。おしまいのところはけっこう泣ける。丁寧にキャラ作りをしていた成果。読切、比乃彩月「コノカミモオレノモノ」。幼なじみの女の子の髪の毛が気になってしょうがない小学6年生男子が主人公。なかなか初々しく恋愛してて微笑ましい。でも小学生のくせにラブラブしやがって……という気持ちも。

 あと、どうでもいいことだが、雑誌の真ん中へんに入っている日本テープライター教育協会による宣伝漫画「めざせテープライター!!の巻」が気になる。これがわりと可愛い絵で、ちゃんと4ページもありそれなりに楽しんでしまった。ちなみに内容は奥様3人の井戸端会議。そのうちの一人がテープライターをやってて、あとの二人にテープライターの魅力を語る。「60分テープ1本で2万円以上」「平均して月に6万くらいはラク」「私の稼いだお金で沖縄へ家族旅行に行く」と魅力的なワードがあちこちに。「なんか…それなら私にもできそう」と二人の奥様も納得。……正直いってテープ起こしはかなり疲れるし、たぶん60分テープ1本で2万円くれるところはあんまりなさそうな気がする(使ったことないから相場はよく分からんけど)。今適当にGoogleで引っかけたテープ起こし業者のサイトだと、基本コースの料金が60分テープ中1日で1万6800円だそうです。となるとテープライターさんの手取りは……。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 10/5 No.20 小学館 B5中

 いやー面白いわ。作:大西祥平+画:高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」が。さくら子はホントに何するかわからん。シ・ゲ・キ・テ・キーー。この珍奇なノリは、高橋のぼる以外ではできんなーと思う。素晴らしい。星里もちる「本気のしるし」。辻と浮世の相互依存がどんどん進行していってて、危なっかしいったらない。この漫画はホントに怖いものがある。えーとあとどうでもいいんだけど、最近、青木雄二のコラム「銭道」がますますムチャクチャいってて、かえって面白かったりします。「僕も君等も認めたくはないのだが、これはもう完全にマルクスの勝利やねー認めたくはないんやけどなー残念やなー」だそうです。絶対、認めたいんだろうな、このおっさんは。

【雑誌】ファンタジーライズ 11月号 メディアックス B5中

 やっぱりEB110SS。「子猫達の鳴き声」。コスプレしたちっちゃい娘にいろいろ。いやあこの人はホントにいい絵を描きます。その時点ですでにノックアウト状態。長谷円「ちはや」。こちらも少女モノ。艶と強さのある線がいい感じ。それから最近気に入っている木静謙二「とある日常の風景」が掲載されているのもうれしいところ。この人が桃姫でやってた「Find」は、早く単行本にまとまってほしいところ。今回は年上の女性の熟れっぷりにソソられた。九巴昭彦「犬」は作画が達者で目を惹かれる。エロいこともやってるけど、上品にスッと抜ける感じもあって。necoJET「テレパシーのおくりかた」は、人妻さんがエロっぽく、スタンダードにやりまくり。ちんちんが長く、噴出の勢いも良し。

【雑誌】純愛果実 11月号 光彩書房 B5平

 ゼロの者「トーン貼り」。エロ漫画家の手伝いをしていたショートカットの少女が、エロっちいシーンを見たりして悶々と。そしてそのままもちろん濃いHになだれこむ。Hなことに興味津々な女の子がなんかすごくかわいい。こんな娘がそばでうずうずしていたら、普通襲う。眉毛の濃さと、つぶらな瞳がいいんだよ〜う。華麗王女「TRANSFORMEN」。この人の描く女性は、相変わらず目つきが怖い。そしてカッコイイ。この人の描くSMシーンはエゲツなくていいなあ。数あるSMグッズの中でも、美少女漫画にはなかなか登場しないノーズフックを使うあたりイカしている。葛城ゆう「よりみち」。なんとなくセル画っぽくこなれた線でうまい人。お子様の鼻、口のラインのなだらかな曲線の描き方に惹かれる。

【雑誌】銃漫 VOL.4 松文館 B5平

 まずは琴義弓介「母隷契約」がいやらしーです。息子の肉奴隷にされてる女性が、公衆便所で放置プレイされて若者3人にやりまくられるというお話。巨乳もいいけど、ちんちんの消しも薄いです。ちんじゃろろおす「さ・ん・か・く」。は、丸い線が心地よくキャッチーな絵柄。A・浪漫・我慢「くわがた」。毎度うまい。満子ちゃんのいじらしさに胸がきゅうんとさせられる。毎回何カットか、メロメロにさせられてしまういい表情がある。あじまる「忍者尻風伝」。こちらはいつもかわいいです。丸顔がたまりませぬ。ねこみみずきんもね。中村みずも「EMPTY SKY」。鉛筆描きタッチがとても美しい。最近すごくいいなあ。


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