OHP月極アンケート 4月「このスポーツ漫画が面白い!」が終了。事前の予想としては「シャカリキ!」「SLAM DUNK」がガチガチの本命、ウチのサイトだけに「ピンポン」がからむかなーという感じだったんだけど、この3作品はすべて上位4位までに入ったし予想はおおむねアタリかな。2ちゃんねるからリンクが張られた効果で票が集中した作品がいくつかあったみたいで、「リベロ革命」「ファンタジスタ」あたりはそれで票が伸びたという側面もあった模様(もちろんそれだけじゃないけど)。
こういう組織票的なものはまああっても不思議ではないものだし、個人的にはさほど気にしてないです。お祭りみたいなもんだしあんまりケチくさいことはいいたくないし。ただし人によっては、納得いかない項目が理由も分からず上位に行ってしまったりすると、投票に対するモチベーションが下がってしまうことがあるかもしれないんで、その点のケアはなんとかしなくちゃなと考えてはいる。組織票をなくす方向で何かするよりは、全体の投票数を増やすことでちょっとやそっとの組織票では順位が変わらないくらいにできればいいんだけど……。というか、どうせ個人サイトでやる投票なんてそうそう動員力があるはずもないんで、むしろ「誰がどういうコメントをつけて投票しているか」を楽しんでいただく方向に持っていければとは思う。
そんなこんなで5月のテーマは「激しくショックを受けた漫画」。曖昧なテーマに思えるかもしれないけれど、「面白い」ではとどまらないインパクトを与えてくれた漫画というのは誰でも一つくらいは持っているだろうし、他人がインパクトを受けた作品について知るというのは、読書欲を掻き立ててくれるような気もするのだ。で、「コメントを楽しんでもらいたい」という立場から、アンケートにブックマークする場合「コメントを新しい順に一覧(fvoteedit.cgi)」のほうにすることをオススメいたします(リンクはfvote.cgiのほうでいいと思うけれども)。また、5月のアンケートから「コメントのみ投稿」の機能も本格稼働させたので、こちらのほうも利用していただけると幸い。投票された各項目ごとのページから投稿できますんで。票は入れたくないけど他人の投票に対してコメントしたいという場合に活用できるんじゃないかと。
5月の買い物予定は以下のとおり。定期購読雑誌も含めたリストは購入スケジュールCGIのほうを参照のこと。
日 | タイトル | 作者名 | 出版社 |
---|---|---|---|
1 | 「紺野さんと遊ぼう」1巻 | 安田弘之 | 太田出版 |
1 | 「BLOOD THE LAST VAMPIRE2000」 | 玉置勉強 | 角川書店 |
1 | 「エリートヤンキー三郎」5巻 | 阿部秀司 | 講談社 |
1 | 「ゴルディアス」2巻 | イダタツヒコ | 講談社 |
1 | 「海猿」10巻 | 佐藤秀峰 | 小学館 |
1 | 「ザ・ワールド・イズ・マイン」14巻 | 新井英樹 | 小学館 |
1 | ビッグコミックスピリッツ増刊 山田2号 | 小学館 | |
2 | ヤングジャンプ漫革 vol.23 | 集英社 | |
8 | 「DOLL」3巻 | 三原ミツカズ | 祥伝社 |
9 | 「イヌっネコっジャンプ!」3巻 | はっとりみつる | 講談社 |
9 | 「瓦礫の楽園」 | 吉川博尉 | ラポート |
9 | アワーズガール No.3 | 少年画報社 | |
10 | 「人妻姫」 | かるま龍狼 | ワニマガジン社 |
10 | 「みみチャンネル」 | 松本耳子 | ワニマガジン社 |
10 | 「病院行け!!」 | かかし朝浩 | ワニマガジン社 |
10 | アフタヌーンシーズン増刊 Summer No.7 | 講談社 | |
12 | 「爆射!弓道MEN(3)(完)」 | ながしま超助 | 双葉社 |
12 | 「独身寮空室あり」1巻 | 矢凪まさし | 双葉社 |
15 | 「ニナライカ」 | 作:川崎ぶら+画:秋重学 | 河出書房新社 |
中 | COMIC CUE Vol.10 | イースト・プレス | |
中 | 「17 じゅうなな」1巻 | 福山庸治 | 太田出版 |
中 | 「夜の童話」 | 紺野キタ | ポプラ社 |
中 | 「月にひらく襟」 | 鳩山郁子 | 青林工藝舎 |
16 | 純愛果実 6月号 | 光彩書房 | |
17 | 「おまかせ!ピース電器店」23巻 | 能田達規 | 秋田書店 |
17 | 「BECK」7巻 | ハロルド作石 | 講談社 |
17 | 銃漫 VOL.2 | 松文館 | |
18 | 「福神町綺譚」3巻 | 藤原カムイ | 集英社 |
23 | 「バガボンド」10巻 | 漫画:井上雄彦+作:吉川英治 | 講談社 |
23 | 「ぶっせん」5巻 | 三宅乱丈 | 講談社 |
24 | 「恋愛ジャンキー」4巻 | 葉月京 | 秋田書店 |
25 | 「恋の門」3巻 | 羽生生純 | エンターブレイン |
25 | 「不死身探偵オルロック(仮)」 | G=ヒコロウ | エンターブレイン |
25 | 「こんすとらくたーず」3巻 | 法田恵 | 少年画報社 |
25 | リトルピアス Vol.30 | 東京三世社 | |
28 | 「おさなづま」8巻 | 作:森高夕次+画:あきやまひでき | 双葉社 |
28 | 「軍鶏」12巻 | 橋本以蔵/たなか亜希夫 | 双葉社 |
29 | 「RHINO(ライノ)」 | 雨宮智子 | ソニー・マガジンズ |
29 | 「ベルセルク」21巻 | 三浦建太郎 | 白泉社 |
29 | 「陰陽師」10巻 | 岡野玲子/夢枕獏 | 白泉社 |
29 | Bstreet Vol.5 | ソニー・マガジンズ | |
29 | オースーパージャンプ 2001 DREAMING5 | 集英社 | |
30 | 「月下の棋士」32巻 | 能條純一 | 小学館 |
30 | 「MOONLIGHT MILE」1巻 | 太田垣康男 | 小学館 |
30 | 「昴」5巻 | 曽田正人 | 小学館 |
31 | ヒメクリ volume02 | FOX出版 | |
月内 | Zipper comic vol.3 | 祥伝社 |
【単行本】「犬・犬・犬」3巻 作:花村萬月+画:さそうあきら 小学館 B6 [bk1]
他人の、そして自らの痛みをまったく感じることのできない少年・マヒケンの物語。絵との出会いによってマヒケンが多少人間らしさを手に入れ始めたかと思ったら、職場の同僚である不良少年・鳥井を触媒にして、また底知れぬ虚無をまたまざまざと見せつける。マヒケンの死人のような光のない目つきは、吸い込まれそうで非常に恐ろしい。こういう「他人の痛みをまったく感じられない非人間的な恐ろしいヤツ」というキャラは、漫画にはわりとよく出てくるけれど、マヒケンはその中でも飛び抜けて実在感があって恐ろしさはトップレベル。ここまでシビれるような読感を保ったままコンスタントにきており、このまま行けば間違いなく傑作となるだろう。
【単行本】「ぢるぢる旅行記完全版」 ねこぢる 青林堂 A5 [bk1]
今まで単行本未収録だった「ネパール編」も収録して再登場。すべてのことがなんでもいーやと思えてくるインド的旅情を描く。読んでいるとぐるぐると目が回ってくるようで気持ちいい。とはいえ、第12話、2000年にねこぢる&山野夫妻が「ここ(インド)にいるのかな?」という問いに、ねこぢるが「なーんかその辺ウロウロしてるよーな気がするなー…」と答えるシーンは、今となってはとても切なかったりするのだけれども。
【単行本】「雲のグラデュアーレ」1巻 志水アキ メディアファクトリー B6 [bk1]
飛行船文化華やかなりし世界を舞台に、空賊「ザラストロ」が大活躍するアクション作品。この作品では、志水アキのシャープかつ伸びやかな絵柄がすごく気持ちいい。ザラストロの構成メンツは少女のコトを始めとしてみんなイキイキしてて魅力的だし、アクションシーンはダイナミックで痛快。ザラストロの目的は今のところあまり見えてないし、よく分からない部分はあるんだけど、とりあえず眺めてるだけでも楽しい。
【単行本】「まだ八月の美術館」 岩館真理子 集英社 新書判 [bk1]
新コミックスシリーズ「クイーンズコミックス」第1期分の中の1冊。YOUNG YOU掲載でこれまで単行本未収録だった作品を収録。収録作品は「まだ八月の美術館」「天気図」「春の国」「ホロホロ鳥」「美代子さんの日記」「ピーチとシナモン」「サヨナラの約束」。高貴な美しさと軽やかさをともに備えていて、どの作品も非常に面白い。ミステリアスな話、どこかユーモラスな話、ちょっと悲しげな話など、どれも冴えている。こういうふわふわと浮かぶような作品を描けるというのは、やっぱり天性のモノがあるんだろう。何か、日常的な努力の延長線上からは、こういう天然っぽい作品は出てこないように思える。
【単行本】「コレクション 〜美肉の蒐集〜」 海明寺裕 桜桃書房 A5
海明寺裕ページのほうに追加しときました。以下、そっちからのコピペ。
海明寺裕としては初の桜桃書房からの単行本。だいたいの作品は「夢雅」掲載で、残りは「G:drive」などのアンソロジーに掲載された作品。今回とくに目立つのは「調度品」シリーズ。今までの人間型ペット路線からさらに進んで、今度は人間家具も描いている。といっても「家畜人ヤプー」とかみたいに人間(的なもの)を無機的に扱うのではなく、あくまで人体的感触、生体反応は生かしてあるのだけれど。そんなわけでここで扱われる人間家具は、人間とモノの中間的存在といえるだろう。
表紙には「調度品に堕ちてゆく少女の悲嘆!!」とか書いてあるけど、実際のノリはもっとクール。「それはそういうモノだから裸なのであり、素材となる少女たちもそういうモノとして受け止めている」という感じ。なぜ彼女たちがそういうことになっているのかといった説明はとくにしない。もう動かしがたい前提についての説明はなく、前提に従って行われていくことについてはきっちり説明する。ここらへんは実に海明寺裕らしい、SFチックなアプローチといえる。あと、アンソロジー方面で描かれた作品は、海明寺裕にしては珍しく本番してます。まああんまり実用を期待して……という感じではないものの。
2001/5/1現在、bk1では取り扱いしてないようだけど、もしかしたらそのうち入荷するかもしれないんで、とりあえずISBNコードでリンクだけは張っときます。→[bk1]
【単行本】「マウス」4巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6 [bk1]
相変わらずの馬鹿馬鹿しさを誇る、怪盗マウスとゆかいな3人の肉奴隷女たちが繰り広げるドタバタ活劇。今回はとくに彼らや、マウスに仕える女人たちが総出で新春ばか騒ぎを繰り広げる「新春無音家隠し芸大会!”初春や キミの身体で 姫はじめ”」の回が最高!(最低ともいえる) 肉奴隷その1はご主人様に半ズボン履かせてセックスを迫るは、その2はいきなり全裸で町中に出ていって露出プレイを始めようとするは……。お色気がすべて馬鹿馬鹿しく機能しちゃってるというのは、なんだかものすごいありさま。まったくどんな原作書いてるんだか……。
【単行本】「鷹月助教授の淫靡な日々」1巻 艶々 双葉社 B6 [bk1]
アメリカ帰りで才色兼備、テレビでも引っ張りだこな美人助教授が、妖しい雰囲気を持った男子生徒によって、好色な本性を目覚めさせられていく……というお話。週刊漫画アクションにおいて、スタンダードでねっちりしたエロを安定して展開している作品である。この作品の見どころはなんといっても鷹月助教授の熟れた肉体。体型が崩れる一歩手前の、まろやかでボリューム感のあるボディを、じっくりじっくり責め立てていてストレートにいやらしい。表情とかもトロけるようで、人妻じゃないんだけど、熟女系が好きな人間にとってはたまらんものがある作品。こういうタイプのエロは個人的にも非常に好み。
……ではあるんだけど。もしかしたら読み違いかもしれないのだが、なぜかこの作品、俺のバカ漫画センサーに引っかかるところがある。別にぶっ飛んだことをしているわけでもないし、どこがどうとはうまくいえないんだけど。ねっちり密度の濃いエロスを展開していても、心根の部分が妙に陽気であるような。鷹月助教授が淫らな世界に転んでしまうあたりの、案外なお手軽さとかもあるかも。なんかそういうとこまで含めて好きな作品だったりするのだ。
新宿に呑みに行ってたのでなんも読んでないです。新宿NSビル30階にある串揚げ屋にて「愚民どもめ」もしくは「人がゴミのようだ」宴会。窓際だとよりうれしかったけど、それは贅沢か。2次会は途中からスカーッと寝ちゃったみたいで面目なし。その後、カラオケやったり朝までしゃべったりだったんだけど、普段の生活のおかげで夜が更けるほど元気が出てきてしまった感じ。
本日は飲む前にキャベ2、飲んだ後は液キャベと行ってみたんだけど、なかなか効きますな、アレ。そのほかにも小まめに吐くという戦略も駆使したので二日酔いまったくなし。イエー。
メイドさんブームにおける萌えは、メイドという職業に付随する「献身」だの「従順」だの「おっちょこちょい」だのといったイメージが密接に結びついているように思うのだけど、最近だいぶきたなと思っている巫女さんについてはファッションだけのような気がするなーと思ったりした。巫女に付随するイメージとしてあり得るのは「処女」というあたりだけど、エロ漫画を読んでてもそこらへんはあんまり重視されてなくてわりとほいほいやらせちゃってるような気がする。これは巫女さんっつても、初詣シーズンだけのパートタイム巫女が多いという実状を反映してのことなのかも。……などとヒマだったので考えたりしてみた。
【雑誌】ヤングキングアワーズ 6月号 少年画報社 B5中
平野耕太「ヘルシング」。ホントに男ばかりな漫画ですなあ。でも平野耕太の漫画はカッチョイイ男を見るのとカッチョイイセリフを読むのが楽しみなんで、問題まったくナッシング。こいずみまり「ジンクホワイト」は恋愛度が高まっているけれども、この後はどうするのかな? ストイックな絵画方面の話もけっこう楽しみなのだが。
【雑誌】GOTTA 6月号 小学館 B5平
阿弖流為さんがいなくなってからこっち勢いがどんどんなくなってる。一時期けっこう面白かったのになー。今だと橋口たかし「シザーズ」くらいかな、楽しみなのは。松本零士「新・宇宙戦艦ヤマト」も少しインパクトが弱まり気味。なお、今月は「ナズミ@」の岸みきおが読切「Walkers 〜時空ハンター」で登場してます。
【雑誌】コーラス 6月号 集英社 B5平
佐野未央子「君のいない楽園」が60ページほど掲載。ちっちゃいヒロイン、十萌ちゃんが掲載のたびに少しずつ成長していっているのを見るのが楽しい。この娘さんの、陰のないかわいさがやっぱ一番の魅力でありましょう! 「天然コケッコー」が終わっちゃって以来、コーラスはもう一つかなって感じがあるんだけど、次号はよしまさことくらもちふさこが登場するそうなんで楽しみ。あ、奈知未佐子の新連載も始まるのかー。
【雑誌】ステンシル 6月号 エニックス B5平
天野こずえ「AQUA」は今回も快調。可愛くて爽やかな絵柄はもちろんだけど、ほとんど同じコマ割りのページを2見開きで続けてその微妙な差異で見せるとか、演出面もうまくハマっている。松本花「一番少女」。非常にまとまりが良くて達者。幼稚園のころに仲睦まじかった男の子女の子が、高校生になって偶然同じ学校に……といったところから始まる微笑ましいラブストーリー。
【雑誌】阿ウン 6月号 ヒット出版社 B5平
巻頭カラーの、師走の翁の新連載「Olive」がすごくいい。ジャンルとしてはアイドル凌辱モノなのだが、そのネタが美少女アイドルユニット「シャイニング娘」(。はつかないのかな?)。矢内鞠(18)、匣アイ(12)、壱岐鞘華(17)、二翻巻(15)、椎田香檻(19)といったメンバーが、そりゃもうズッコンバッコンされるようです。今回はまず一人だけ。師走の翁は、ピチピチ瑞々しい美少女を非常に達者に描く人で、さらにそのボリューム感もハンパじゃない。ページ数がとても多く密度もぎっしり。ポップさと濃さを両立できているのが素晴らしい。これが連載でやるっていうんだからシャイニング娘の人たちがどうなってしまうのか、もう楽しみで仕方ないところ。実際、それぞれのメンツはかなり可愛いしエロもテンション高くなりそうだし。
高岡基文の新連載「最愛少女」は、兄いもうとモノになるのかな? この人もかなり華があって、なおかつプリプリで充実度の高いエロを描く人なんで期待。魔訶不思議「insider」も若奥さんが健気でいい仕事してるな〜。
【雑誌】快楽天 6月号 ワニマガジン B5中
陽気婢「内向エロス」。今回のこのエピソードもやっぱり漫画内漫画なのかな? 陽気婢は地味でかわいい女の子描くのがとてもうまい。月野定規「おませなプティ♥アンジュ」。Hなことばっかりやってる主人公たちに当てつけられてる悪魔っ娘ちゃんがかわいいぞー。バカ漫画もノリが良くてうまいっ。エロについても、感じちゃってもうどうしていいか分からない状態になっちゃう、崩れ方がかなりええ感じ。朔ユキ蔵「少女、ギターを弾く」。第2話。いやー、いいですなあ。今回はHシーンはあんまりないんだけど、変態少女がギターを弾いて脳内麻薬出しまくるシーンは見ててすんごく気持ちがいい。かなり爽快に頭のネジがぶっ飛んでいる感じ。これ、このまま続いて1冊にまとまるころにはすごい傑作になっていそう。
米倉けんご「エヴァーグリーン」は最終回。切実な想いがビンビン来て良かったのだけど、最後は若干消化不良な感じもした。でももしかするとまとめて読むと印象が変わるかもしれないんで、6月8日発売予定の単行本に期待。かるま龍狼「人妻姫」。かるま龍狼らしいうまさがよく出ている。基本的に同じ顔で、デブ、ヤセ、ロリ、その他を均等に描き分けられる芸達者さはさすがである。単行本も5月10日に出るそうで。TAGRO「ギュッデイギュッバイ」。Bug Bugとかチェックしてないんで久しぶりに漫画読んだような。今回は変態大学生シリーズの続編……なんだけど、も少し激しくやってほしかったというのが正直なところ。こう匂ってくるようなのをガツーンと。絵は文句なしにかわいいんだけど。
【単行本】「紺野さんと遊ぼう」 安田弘之 太田出版 A5 [bk1]
女子高生であるところの紺野さんの日常を、じーっと眺める連載。この紺野さんがなかなかに面白い娘さんだ。いつも素っ気ないようで無口、やる気なさそうなんだけど、手を使わないで西瓜のタネを舌でほじくるのに夢中になってみたり、よくわからんことを淡々と始めたりする。微妙な表情の変化が見てて楽しい。そんな紺野さんを、いじるでもなし触るでもなし(まったくというわけではないけれど)、とにかく観察し続けるというスタイルは非常にクール。紺野さんは足がスラッと長くてきれいなのだが、どうにも色っぽさが無駄っぽいのも味わい深し。「紺野さんの微妙にやる気のないコスプレ集」も中途半端さがステキ。安田弘之、キレてるなあ。
【単行本】「新・家族計画」1巻 卯月妙子 太田出版 A5 [bk1]
カルトAV女優として知られる卯月妙子の第2単行本。初単行本の「実録企画モノ」(→bk1)では、夫の自殺まで笑いのネタにしちゃうたくましさにビリビリしびれたもんだが、こちらもかなり面白い。「実録企画モノ」は生の迫力、「新・家族計画」はフィクションの面白みって感じだろうか。
「家族計画」とタイトルにあるとおり、中身はまさに家族モノ。といっても卯月妙子のこと、尋常な家族ではもちろんなくて、母親・トキコは24歳の風俗嬢、そして子供が一人。その母子家庭に、母親が町で引っかけたアダルトビデオ監督のオヤジが居つくようになる。鬼畜モノの監督もこなし海千山千、精神的にバランスのとれたオヤジとは対照的に、トキコは子供に依存、オヤジに依存、隠れたオタク趣味も持ち人格的にもかなりブッ壊れ気味。そんな彼らの日常を、ドギツい喧嘩(かーちゃんをアナル責めして肛門裂いちゃったりとか)とかさせつつも、カラッと明るく描いたりする。時折非常にディープなインパクトを与えるけれど、全体的には妙にほのぼのしていたりするのが特徴的。さすがに濃い人生を送ってきた人が描いてるだけに懐が深いというか。絵も前単行本よりこなれてきつつあるし、テンポもいい。この人、漫画家としてもけっこういいセンスしてるなーと思う。
bk1だけど、問題となるのはやっぱりマイナー出版社の本の在庫だなー。探しにくい、買いにくい本のほうがウチを通す場合は売れるんじゃないかと思うのだけど、そういう本に限って検索に引っかからないのが多かったりする。とくにエロ漫画なんてオンライン書店に対する需要は多いんじゃなかろうか。女性なんで書店で大っぴらに買うのは恥ずかしいとか、男性でも教師とかやってる人だと地元書店じゃ買えないとかあるだろうし。
【雑誌】ヤングアニマル 5/11 No.9 白泉社 B5中
文月晃「藍より青し」。葵と薫が引き離されそうになっているようで、一つの山場。作:出海まこと+画:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」。なんだか沙耶香さんが、スケベ親父の前で痴漢オトリ捜査のときの再現とかさせられているあたりがねちっこい。こういうエロさは好みだが、電車で読むのは恥ずかしいよね。読んだけど。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/11 No.10 小学館 B5中
もりやまつるの前後編読切「Rock'n Roll Bible」の前編が巻頭カラーで登場。ヤザワ系のルックスをした中年サラリーマンが久々にバイクに出会い、昔の情熱を爆発させ、ロケンロールな生き様を再び選択するって話だぜベイベ。前半の〆。上司、殴ります。後編、スパークします。そういってます。
【雑誌】ビジネスジャンプ 5/15 No.11 集英社 B5中
シリーズ連載の日韓サッカー実録漫画、作:大島裕史+画:高野洋「日韓サッカー激闘録!!」(脚本:杏桐匠)がスタート。うーん、ネタとしてはおいしいと思うけど、サッカーシーンの迫力があんまりないなー。いまいち。
【雑誌】コミックガム 6月号 ワニブックス B5平
きづきあきら「ぼくの幸せな生活」が掲載されているので購入。ほかの作品は今まで単行本でちゃんと読んでたのが「まほろまてぃっく」と「一騎当千」くらいなんで、途中からだとあんまりよく分からんです。きづきあきらのほうは、女ばかりのアパートでただ一人の男であるにーちゃんが、前の住人の残したほかの部屋で行われることが全部筒抜けな盗聴器を見つけてハマるけれども……というお話。全体としては微笑ましく罪のないラブコメという感じ。うまいことまとまってるけど、同人誌でやってる、苦みのある作品のほうがやはり好きだ。あとはこういう商業誌に入ると線が素人っぽく見えがちなんで、商業誌でバリバリやる場合は、何か工夫がいるかもとは思った。
【雑誌】COLORFUL萬福星 Vol.17 ビブロス B5中
今号もうまい人がそろってて充実感がある。その中で良かったのが、佐伯達也「初恋」。病弱な妹とその兄の近親相姦ものなのだが、それに兄の初恋の人であった母もからむ。ヤバげなネタでありながら、舞台はかなりな良家で、言葉遣いも「でもお兄様 そんなに動かれてはユリ子は突き抜けてしまいます」ってな感じで上品なのがソソる。絵もしっかりしてるし。ただ、ちと大人乳があまり形が良くないかな。あるまじろう「赤ちゃん教育」は、ちびっ子女教師が健気でかわいー。それからけろりんがちゃんと掲載。この人は絵もうまいし、カラーもいいので、そのうち長尺の話を描いてほしいなあ。せめて16ページ。粟岳高弘「屋敷」。おお、カラーだ。まるで弘岳粟高みたいにHな作品を描く人だ。今回はメイドさんだけど、垢抜けない感じがいいですな。何かいけないことをしているんだが、全体的にまったりしている感じ。
【雑誌】MEN’Sドルフィン VOL,22 司書房 B5平
今号は電動院「葉隠入門」がおめでたくていい。大学の忍者部だかなんだかで、先輩男忍者が後輩女忍者に忍の心得を伝授! 「心得その1 襲われてもジッと耐え忍ぶべし」ときて「このパイモミ忍んでみせい!」とくる。勢いがあるのがいいところ。そのほかでは、いつもマイペースなKASHIみちのく、火野聡司あたりはもちろんチェック。あとは山部海人「ヤーリーマンズエンジェル」は、女の子の表情に和む味わいがあっていいな。
【単行本】「青春ビンタ!」1巻 私屋カヲル 少年画報社 B6 [bk1]
ヤングキング増刊のキングダムに連載されている作品なんだけど、けっこうイケます。スケベな主人公、そして想い人は背が小さくて乳がない、幼なじみの巨乳ちゃん、たっぴりのサービスシーンをテンポよくハイテンションで連続させる……。こういう構造はきっとヤングキング系の読者は何かほかのイケてる作品を思い出すに違いないです。でもまあそれはそれ。女の子は可愛いし、ラブも乳もいいし、陽気で単純に楽しくて何の不満があろうかっ! オレはやっぱり幼なじみの巨乳ちゃんが好きだにゃー。
【単行本】「一騎当千」2巻 塩崎雄二 ワニブックス A5 [bk1]
ア、アヤナミたん……(;´Д`) というわけで表紙はこの作品のメインキャラクターの一人、青い髪でショートカットの眼帯少女。その名は呂蒙子明……(;´Д`)
えーと、つまり美少女わんさか出まくりの番長系学園格闘バトル漫画であります。主人公の天然ボケ巨乳娘は孫策伯符だし、その幼なじみのにーちゃんは周瑜公瑾だったり、呂夫奉先がガングロのコギャルだったり。つまり、人名を入力するのが面倒くさいのです!……いやいや、みんな「三國志」関連なんですな。でもだからっつってゴツい奴らなわけじゃなくて、あくまでかわいいピチピチねーちゃんやら美少年だったりするわけなのだが。塩崎雄二の描く女の子が可愛くてナイスバディであることは、俺の中で定評のあるところだけれども、この作品の特徴は今月号のコミックガムの柱部分に載っていた読者のお便りにも見ることができる。つまり「孫策パンツ見せすぎ」。あときっとこの人は、下チチがすごく好きなんだと思う。
ここ数日、肩が凝ってるというか背中が張ってるというか。そろそろ漫画運搬が身体にこたえる歳になってきたってことだろうか。イヤだねえ。もうキャスター付きカバンを導入するしかないか(もっと根本的な手を打ったほうがいいような気も)。
【雑誌】ヤングサンデー 5/10+17 No.21+22(合併) 小学館 B5中
かわぐちかいじのシリーズ連載「バッテリー」が久々掲載。今度はプロ野球の怪物ルーキー・海部がオリンピックに挑戦するようだ。今週はモーニングも表紙は「ジパング」だし、かわぐちかいじ対決といった様相。長尾謙一郎「おしゃれ手帖」。今回の展開はまるで花くまゆうさくのようだ。岩田やすてる「球魂」。いやー、ライバルキャラがまためったやたらと濃いな。
【雑誌】モーニング 5/10+17 No.21+22(合併) 講談社 B5中
作:黒田修平+画:大島やすいち「風介がゆく」が新連載。やり手不動産屋である風介が主人公のナニワ人情モノになるのかな? スペリオールもモーニングも、最近マネー路線が強まってる感じがする。それはともかく、大島やすいちの線は練れてるなあ。高橋ツトム「鉄腕ガール」。うーむ、こうくるかー。このままではあんまりだが、どうするんかねえ。山下和美「不思議な少年」の第2話めが掲載。謎めいた少年が触媒となって引き起こされる人間ドラマを描くという、一話完結シリーズになるみたい。今回は19世紀イギリスを舞台に、同じ孤児院で育った二人の少女の、その後の実に対照的な生き様を描くといったお話。さすがに鮮やかだが、前回も思ったことなんだけどいまいち不思議な少年のキャラが生きてないような気はする。
【雑誌】ヤングジャンプ 5/17 No.21+22(合併) 集英社 B5中
かなりトンデモ感のあるジャイアンツ漫画、片山誠「ワルG」。最近ますますヘンなことになってて注目であります。今やすっかり聞かなくなった「F1セブン」が、どうやら活躍する……のかな? ところで最近、プロ野球漫画を見るたびに気になるのが元木の存在。たいてい下っ端悪役として主人公をイジメる役として描かれていて、かなりええポジションを得ているような気がする。どの作品でもわりとそうなんだよね。ON時代に彼がいたら、きっと星飛雄馬をイジメていたに違いないよ。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/10+17 No.22+23(合併) 秋田書店 B5平
新連載、松山せいじ「エイケン」。最近、萌え路線を強まりまくりのチャンピオンだが、こりゃまたすごいですな。かなりむちむちぷるるん、パンチラびしばし。サービスシーン山盛りの学園部活モノで、美少女がワラワラ登場してくるさまはまんま美少女ゲーっつー感じ。かなり仰山な漫画。絵的にはデッサン狂ってるっぽいところもいくつかあるんだが、そのアンバランスさがかえってお色気描写を際立たせているようにも思える。むちむち感は野々村秀樹に通ずるものが。漫画としての面白みはいまいちなんだが、インパクトはすごい。それにしても開き直ってるねえ。まったく、これをいったいどうしろと。
板垣恵介「バキ」。愚地独歩強し! 強さのインフレはすでに極まっているのに、それでも強引に読ませちゃうというのはすごい。けして説得力は失ってないのが素晴らしい。
【雑誌】少年エース 6月号 角川書店 B5平
吉崎観音「ケロロ軍曹」。相変わらず面白い。やはりドタバタコメディはテンポが命。いちいち描写に気が利いてて、センスいいなあと思う。ところどころギャグがいい感じにクッとツボにハマる。ゴツボ*リュウジ「青春のささめきキッカー」。この人もなかなか。非常に端整な絵柄なわりに、放り投げるような展開を見せるのが毎度気持ちいい。緩急の付け方に独特のリズムがある。
【雑誌】ビッグコミック 5/10 No.20 小学館 B5中
久しぶりに読んだ。これからしばらくは継続して買っていくつもり。
で、久々に読んでみてまずオモシロイと思ったのが、青柳裕介「まぐろ土佐船」。マグロ漁船の男たちが繰り広げる、海や他の船の漁師たちとの駆け引きは、非常に読みごたえがある。大仏次郎「鞍馬天狗」を森秀樹が漫画化した「天駆」も良さそう。読み続けるうちに、ここらへんはたぶんついていけるようになるだろう。ほかにもいくつか気になる作品はあったが、それはしばらく読み続けてからまたいずれ。やっぱり雑誌は継続して読んでないとダメだなあ。
【雑誌】LaLa 6月号 白泉社 B5平
マツモトトモの新連載「23:00」はストリートダンスもの。カッコヨイ男子たちが踊る模様。この人の絵柄は白っぽくて硬めなんで、激しい動きをちゃんと表現できるかどうかがちと気になるところ。なかじ有紀「ビーナスは片想い」。とても大学生同士とは思えない、微笑ましい恋愛っぷり。甘くて爽やか。楽しいです。これはまさに「ラブコメ」としかいいようがないですな。ラブそのものがコメであり、夾雑物もほとんどない。
【単行本】「仮面ライダーSPIRITS」1巻 作:石ノ森章太郎+画:村枝賢一 講談社 B6 [bk1]
ヤケドしそうなほどにアツく、くらくらするほどにハイテンションな漫画の描き手、村枝賢一が仮面ライダーを漫画化。これがもうシビれる出来だ。
大事なことはすべて漫画が教えてくれた、などというつもりはないけれど(ほかのものにもいろいろ教わってきたし)、漫画ほど臆面もなく真っ正面から「正義」をうたってきたメディアってほかにあんまりないと思う。少なくともエンターテインメント分野では。それがこのごろ、そう単純に正義と悪が割り切れないような世の中になってきてちと弱まりつつあるけれども、漫画から正義を学び男的魂を燃え上がらせてきた人間にとってはこの状況はいささか寂しいものがあった。そこにコレである。
『昔……仮面ライダーって男がいた……』。彼らは肉体を改造され、忌まわしき身体になりつつも、自らを犠牲にして悪と戦っていたのだ。いや、今も戦っているのだ。どこで? この漫画の中でだ!! 彼らは紛れもなくヒーロー。その一挙手一投足に、人々は狂喜し、励まされ、ハラハラドキドキする。仮面ライダーは身体を改造されてはいるけれども、基本的にキックやパンチなど、自らの肉体を駆使した攻撃しか出来ない。楽することなど許されぬ、あまりにも正々堂々とした戦いぶりに、血が騒ぎ肉が踊る。セリフの一つ一つに魂が震える。人類愛。とびきりカッコイイぜ!
【単行本】「しゅーまっは」1巻 伯林 秋田書店 新書判 [bk1]
八神健「ななか6/17」とともに、週刊少年チャンピオンを一気に萌え萌え漫画雑誌化した張本人的作品。キュートな女子高生・彩とマッドサイエンティストなおじいちゃん、そしておじいちゃんの作りだしたグログロ改造人間「しゅーまっは」たちの、やたらめったら騒がしい日常を描いたドタバタコメディである。で、これがすごく面白い。グロいけれども愛敬のあるしゅーまっはを中心としたギャグの味付けのうまさ、回転の速さが非常に楽しく、さらに親しみやすい絵柄が作り出すヌルさがだいたいギャグと同じくらい、もしくはちょいと上回るくらいの濃度で充満しているのだ。この巻では全国を萌え萌え阿鼻叫喚地獄に突き落とした(んだかどうかは知らない)、反則的な萌えキャラである「妹型しゅーまっは」のまはは登場しないのだけれど、まずは主人公の彩、それからその友達の女の子たちで十分華やいだ気持ちにさせてくれます。ラブリーな表紙にピンときたら、とりあえず買うべし。
うきょー!その1。予約していた「カリオストロの城」のDVDが到着ゥ。特典ディスクも付いて2枚組ィ。そんなことせんでいいからハリウッドプライス並の価格にせんかい、と思うけれどもすでにお金はとっくに払っているから喉もと過ぎて熱さは忘れているなり。
うきょー!その2。1.5Mbps!! というわけで、ウチで利用しているCATVインターネットサービス(小田急ケーブルビジョン)の増速が実施された。今度は512Kbpsから1.5Mbpsへと速度アップ。通常の3倍。俺、LANケーブル赤い奴にする! というわけでこれでADSLにも負けないぜ〜。
昨日書いたbk1へのリンク。いくつか張ってみたが、リンクの張り方はこんな感じでええんかな? 「敷居の住人」と「アックス」については26日朝5時現在の時点ではまだ最新刊が入荷してないみたい。まあそのうち入荷するでしょう(その後、「敷居の住人」「アックス」も入荷されたようです)。とりあえず既刊全部まとめて買うとかできるみたいなんで、やってみると素晴らしいと思う。
【雑誌】アフタヌーン 6月号 講談社 B5平
四季賞春のコンテストの大賞受賞作「Marginal」が掲載。優等生で美人。だけど学校にパンツを履いてこない。そんな女の子と、彼女がそういう娘だと知ってしまった教師。彼女は実は露出癖があるようなのだが、そうなってしまったのにはどうも深い理由がある模様。こういう設定だからといって別にエロい話にはならず、少女は少女なりの、教師は教師なりの葛藤を抱えてそれを克服していく人間ドラマになっている。「ノーパンである」という思わず注意を喚起してしまう設定で物語に引き込み、破綻のないストーリー展開で読ませていく手際はなかなか鮮やか。斬新さはないけれども、作画もしっかりしていて、手堅い作風。確かに賞をとるだけの作品だとは思う。でもあんまり四季賞っぽくはないかなー。連載でコンスタントに描いていくタイプって感じがする。も少し線が太くなると、モーニングとか週刊青年誌でもオッケーかも。
切崎タケシ「LOVE REVOLUTION」は第6回、ギャグパラ大賞受賞作。ラブコメを全面的に禁止した独裁者に対し、男たちがトキメキを取り戻すべく立ち上がる! 絵柄や語り口はコマンドものなのに、マジメな顔で「ラブひな」などについて語る男どもの姿が馬鹿馬鹿しくてけっこう愉快な漫画だった。笑えサインを過剰に出しすぎないところがいい具合。桜玉吉「なぁゲームをやろうじゃないか!!」はかなり笑った。時折入る実写写真のコマでさりげなくネタをかましてくれているのがニクい。豆知識:亜鉛を飲むと精液の量が増えるらしい。
ISUTOSHIが初登場。タイトルは「てんでフリーズ!」。これまでエロ漫画のフィールドで活躍していた人だけど、ポップでしっかりした絵柄、ノリのいいお話の進め方など、その実力には定評があっただけにこの連載はけっこう楽しみ。第一話めは、髪を金髪に染めたりしてちょっとツッパッてるっぽいけど人は良さそうでちょいと小心者げな感じの少年と、周囲の者にごく近い未来に訪れるであろう不幸が見えてしまうという体質であるかなり美人でイケた女人が出会うところからスタート。街ですれ違ったところから関わり合いが始まったけれども、何やら二人には特別な因縁があるっぽい。クオリティ的にも安定感のある人だし、こちらでも自分のぺースは保てているようだ。今新刊で買える単行本は「高校星プラウラ」(→bk1)だけなのかな? そのほか単行本は「スラッと女」(富士美書房/1999年1月刊)がある。
北道正幸「ぽちょむきん」。かなり大事になってきたようでおおっと思ったのだった。鬼頭莫宏「なるたる」も、次の展開が楽しみになったのだった。次回は少女たちがまたズタズタにされちゃうのかな〜。うひょー。植芝理一「夢使い」。エロすぎだよ! このキャラでここまでやられちゃうともうたまりまへん。一度、本格的にエロ漫画を描いてみてはいかがか。竹下堅次朗のように。
【雑誌】アックス Vol.20 青林工藝舎 A5平 [bk1]
アックスマンガ新人賞とマンガ評論新人賞の結果発表が行われている。評論のほうは応募総数が18、二次審査に回る作品さえなく、かなり寒い状況であったようだ。やはり告知不足が大きいと思うけれど、あえて評論やろうなんて人材も減ってるだろうし仕方ないかなという気はする。アックスでは母体が小さすぎか。マンガ新人賞のほうは、佳作が二つ。河内遙「ひねもすワルツ」と若松綾乃「中西君」。「ひねもすワルツ」のほうは、日がな一日ずっと二人で行水するだけなどといったシュールな実験的遊戯をやっている男女のお話。途中で、狭い部屋の中の世界がぐるっと転換するあたりはなかなか面白いし、淡々とした語り口も気持ちいい。ヘンさをあんまり強調しないのが良し。「中西君」のほうは、身体中を細かい虫が這っているヘンな青年と、彼を巡る女友達の様子を描く。虫がワラワラしているシーンは、ヴィジュアル的なインパクトあり。そのわりにほのぼのとしてはいる。
そのほか今号の特集は「D」。頭文字ではなく、イラストやらマンガを描く、キュートなご婦人のDだ。作品のほうはファンシーかつグロで、キモカワイイ。福満しげゆき「おじさんの歌」。子育ても終わり、妻とは離婚間近、冴えないおじさんが趣味でやっているボクシングのリング上で意地を見せるという、なんだか普通にいいお話。どっかこの人の単行本出さんかねえ。
あと、鳩山郁子の単行本「月にひらく襟」は4月発売とアナウンスされていたが、5月中旬に延期とのこと(bk1:予約)。
【雑誌】CUTiE comic 6月号 宝島社 B5平
羽海野チカ「ハチミツとクローバー」が素晴らしい。山田萌え!という感じでかわいい絵柄で魅了するかと思えば、馬鹿馬鹿しいノリで笑わせ(今回は声出して笑いましたですばい)、さらにラストでは一転切なく迫る。それぞれのターンが、もういちいち気持ちよーくヒットする。テンポもいいし、コマを追い、ページをめくるのが楽しくて仕方がない。文句なくいい作品。キャラクター人気投票も開催しているじょ。松山花子「私が彼を選んだ理由」。先生が好きになってしまったおぜうさま。思わず気持ちがこもりまくった千羽鶴を折ってプレゼントしてしまうような愛の強さにみんな引く。おぜうさまの天然ぶりが筋金入ってて楽しい。モリ田マリ太「Cherry」。青い!とても青い恋愛模様。でもけっこうヌルい。そこらへんが魅力。
いわみえいこの単行本出てるのかー。買ってこなくちゃ。
【雑誌】スーパージャンプ 5/9 No.10 集英社 B5中
徳弘昌也「狂四郎2030」がやはり面白い。味つけが濃くて、展開も起伏に富んでる。愛あり狂気あり殺戮あり。村上もとか「JIN −仁−」。実にしっかりとしていて、ぐんぐん読ます。ストーリー作りもそうだし絵もそう。ベテラン作家は線が力強くて美しいなと最近よく思う。作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」。今回のネタはなんとニコラ・テスラ。テスラが残した最大最後の発明品の設計図。その肝腎な部分はすでに失われたものだったのだが、ゼロが末期のテスラの精神状態を再現することにより、それをイチから復元する……というお話。と説明しただけで、かなり電波入ってるなというのが伝わるのではないかと思う。いくらゼロでもさすがにそれは、ちと無理なんではないかと……。
【雑誌】週刊少年サンデー 5/9+16 No.21+22(合併) 小学館 B5平
ゆうきまさみの新連載がスタート。巻頭カラー。タイトルは「パンゲアの娘KUNIE」。5年生男子、日向陽(ひなた・あきら)の、死んだと思われていたじいちゃんが30年ぶりに発見される。冒険家で博物学者だった彼は南太平洋で遭難、その後、どこだかの小島で長みたいなことをやっていたらしい。んでもって自分が日本に帰ってくる代わりに、南の島育ちの孫娘クニエを日本に派遣する。そこからクニエと陽たちを中心とした生活が始まるという感じか。まだ始まったばかりでなんともいえないんだけど、甘ったるいラブコメ臭がぷんぷん漂ってやがるぜえ。今のところ、むしろ陽のクラスメートの勝ち気な女の子、七星さんに萌え集中か。河合克敏「モンキーターン」。面白い。アクションもハデだし、駆け引きの妙も十分味わわせてくれるし。
【雑誌】週刊少年マガジン 5/9+16 No.21+22 講談社 B5平
むつ利之「龍馬へ」が最終回。なんかわりとドタバタ終わらせた感じ。なんとなくだが、坂本龍馬は若年層にはあんまり受けが良くないんじゃないかって気がする。せめて新撰組でも出しといたほうが。坂本龍馬だとおじさん向け雑誌のほうが良かったかも。
【単行本】「敷居の住人」5巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1]
いやーもう、おんもしろいなー。顔はカワイイもののたいへん冴えない状況にある少年少女たちのすれ違ってばかりな恋愛的日常といった感じで、実際に起きている事件はマクロなレベルで見ればまったく大したことがない。だけど、それがどうしてまあこんなに面白くなっちゃうんだろうかってくらいに面白い。ベタベタしない洗練された絵柄が達者だというのももちろんあるんだけど、セリフのリズム、発せられるタイミング、それから画面構成なんかがもう絶妙。登場人物たちに別に共感したりするわけではないのに、甘くない展開にゾクゾクさせられてしまう。志村貴子はホントにすごい描き手に成長したもんです。
オンライン書店bk1で、「bk1ブリーダーズプログラム」というものの募集が開始されたので申し込んでみる。コレは、自分の持ってるWebからbk1にリンクを張り、Webの利用者がそこからbk1に行って本が買われたらWebマスターに購入金額の3%のbk1ポイントがもらえるというもの。実のところ、たぶんコレって大した利益は出ないと思う。だってこれで1万円稼ごうと思ったら、30万円分も本を売らなくてはならないんだから。毎日毎日ISBNコードを入力してリンクを張り続ける手間に見合うかっていうとそうでもなさそうな気はする。でもまあモノは試し。しばらくやって様子を見てみることにしたい。それによって読まれるべき本が読むべき人の元に、1冊でも2冊でもスムースに流通してくれるようなら、それはそれでとてもうれしいことだし。今は眠いので、明日あたりからぽちぽちリンクを張っていくつもり。
ふと思い立って会社帰りに呑みに行って、家に戻ったらスカーッと寝ちゃったんで今日は2冊しか読んでません。買ったけど読んでないものは以下の4冊。
【雑誌】CUTiE comic 6月号 宝島社 B5平
【雑誌】LaLa 6月号 白泉社 B5平
【単行本】「一騎当千」2巻 塩崎雄二 ワニブックス A5
【単行本】「敷居の住人」5巻 志村貴子 エンターブレイン B6
【雑誌】ヤングチャンピオン 5/8 No.10(合併) 秋田書店 B5中
作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」。うーん濃いなあ。眉毛のぶっといアイドルオタの眼鏡っ娘の表情がかなり強烈でごんす。作:宮崎克+画:高岩よしひろ「ふりかえればアイツがいた! 松田優作物語」は第一部完。夏ごろから第二部がスタートするとのこと。面白いからいいんだけど、正直「まだやるんか」って感じでもある。
【雑誌】漫画アクション 5/8+15 No.19+20(合併) 双葉社 B5中
毎度馬鹿馬鹿しいお色気を……という感じのながしま超助「ぷるるんゼミナール」。今回、ヒロインの菜々美はセクハラの研究のため、とあるオフィスでバイトをすることに。そこはセクハラがかなり堂々と行われている、菜々美によれば「なんだか楽しそう」な職場であった……という感じで、オフィスセクハラ編スタート。っていうかコレ、セクハラどころでなく会社ぐるみの乱交なんですけど……。倉上淳士「ぎゃるかん」。ラブコメテイストが強まってて、なんかけっこう面白くなっている。友美イチロウ「ikiss」。かなりおめでたい健康的なエロス。馬鹿馬鹿しいノリはわりと好き。
買うだけ買ってほったらかしにしといたDVDの「アイアンジャイアント」を観る。あんまりにも面白いんでワクワクドキドキハラハラポロポロ。早いとこ観とけばよかったー。それにしてもこんなのが2000円で買えるなんて、ハリウッドプライスって奴は大したもんだ。国産のDVDももっと安くしてくんないもんすかね。
本日の未読分は以下。当初23日発売となっていたひぐちアサ「家族のそれから」の単行本は、講談社のWebページによれば延期になった模様。
【単行本】「蒼天航路」22巻 王欣太/李學仁 講談社 B6
【単行本】「ジャンゴ!」2巻 せきやてつじ/木葉功一 講談社 B6
【単行本】「鉄腕ガール」5巻 高橋ツトム 講談社 B6
【単行本】「雲のグラデュアーレ」1巻 志水アキ メディアファクトリー B6
【単行本】「まだ八月の美術館」 岩館真理子 集英社 新書判
【雑誌】モーニング新マグナム増刊 5/16 No.20 講談社 B5中
なんとこれが最終号。といっても8月20日に新月刊誌が創刊するからで、連載作品もけっこう引き継ぐようだし、リニューアルといっていいだろう。で、その雑誌のタイトルなんだけど、モーニング、アフタヌーンときたらもうこれしかない! シャイニング……いやいや「イブニング」。なんかこう、少年マンデーを卒業したフニャ子フニャ夫先生が青年誌初登場、とかいいそうな誌名であります。予告で名前が出ているのは弘兼憲史、田島孝&東風孝弘の「カバチタレ!」コンビ、きくち正太、さだやす圭、かわぐちかいじ、片山まさゆき、伊藤理佐、佐藤マコト、杉作、正木秀尚、郷田マモラ、高倉あつこ、安田弘之。ここまではずいぶん無難にまとめたなーという印象。
そのほか続々登場メンツとして、井上雄彦、山下和美、野中英次、やぶうちゆうき、水島新司、吉開寛二、木葉功一、吉田基已、所十三、惣領冬実、西村ミツル、やまあき道屯、鈴木あつむ、高橋のぼる、富田安紀良、幸村誠、安野モヨコ、三宅乱丈、秋月りすといった面々がアナウンスされている(洩れがあったらごめんなさい)。むしろこっちのほうが見どころは多そう。これまでに培った資産は残しつつより一般受けする方向に持っていくって具合なんだろうけど、とくに創刊当初の新マグナム増刊がやたら面白かっただけに、この看板が消えちゃうのはちと寂しい。イブニングが面白い雑誌に育ってくれれば文句はないんだけども。まあ刊行ペースがのろいと誌名もなかなか浸透しないので、月刊にしたほうが有利であるとは思う。あとはクオリティ。それが一番の問題だ。
そんなわけで最終号。漫画ではまず安田弘之「ちひろ」がとてもいい。心の痛みをもじっと見つめ、楽しむかのようであるちひろの女っぷりが見事。茶目っ気、色気、切なさなどなどを柔らかく、しかも適度な緊張感を保ちつつ包み込むように描き出すその語り口の巧みさにはうなりますわい。これまでの安田弘之作品の中でいちばん好きだ。佐藤マコト「サトラレ」。今回は、以前出てきた将棋指しを目指していた少女サトラレと、彼女のことを心配するオヤジさんのエピソード。それに無人島で孤独に暮らすサトラレもからんでくる、というかむしろそちらのほうがメインといってもいいかもしれない。長く誰とも触れ合わないで暮らしてきたサトラレの思念が、読者の心をも突き刺すようにビシビシと伝わってくる。締めくくりが暖かくて救われるけれども、今回は癒されることのないサトラレの孤独のほうが印象に残る。こういった悲痛な心の叫びも、暖かい思いやりも、ポジティブで健全な志も、それぞれきっちり描き出せるというのはやはり強い。
岩館真理子「月と雲の間」。最後までほわほわとボケ倒してて素晴らしいな。最後をメルヘンチックに締めくくっちゃうあたりも、いかにも天然っぽくて素晴らしいな、こりゃ。単行本は7月に発売になるらしい。買わないと。あと川畑聡一郎の小学生人間ドラマ「S60チルドレン」も、地味っぽくはあるけれども丁寧に子供の心の動きを追ってて面白かった。これはイブニングには引き継がれないのかなあ。だとしたら惜しい。
【雑誌】別冊ヤングサンデー 5/23 No.9 小学館 B5中
本誌でやってる作:七月鏡一+画:藤原芳秀「闇のイージス」の番外編、「ゼロ外伝」が掲載。ゼロがカッコイイのはもちろんのこと、今回はサブキャラの女の子がすごくいいなあ。ショートカットで爽やかな色気があって。イタズラっぽい表情もカワイイ。そのほかでは岩田やすてるのプロレス漫画「NO PAIN」が目立った。「痛みを感じないフランケンシュタイン的なヒール」という役を与えられてはいるが、実際は大人しい性格のプロレスラー・ラモンの物語。岩田やすてるの暑苦しく力強い絵柄に、プロレスは非常に合っていると思う。とがしやすたか「ぷるんぷるん道」。タイトルだけでかなり脱力モノだが、内容的にもそんな感じで面白かった。和太鼓のリズムに合わせてピストン運動して、いかに長持ちするかを競うという、たいへん馬鹿馬鹿しい大会を描く。とてもおめでたい。
【雑誌】ヤングキング 5/21 No.10 少年画報社 B5中
うひょー。花見沢Q太郎「ももいろさんご」がえっちい〜。再開してからこっち、エロ完全解禁となったのか、だいぶ直接的なことをやってくるようになった。甘ーい風味でトロトロにさせて、エッチなシーンでドギマギさせて。なんかいいようにやられている感じ。中西やすひろ「愛DON'T恋」が連載再開。肉欲愛欲ベタベタで非常に無軌道に進んでいる本作だけど、再開したらまた一段とベタになってた。これだけコテコテだとうれしいです。
【雑誌】ヤングマガジン 5/7+14 No.21+22 講談社 B5中
巻頭4ページで大友克洋「ORBITAL ERA」が掲載されてるけど、さすがに4ページじゃ食い足りないし、なんかどうでもいいやと思ってしまう。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。ここのところまたええ感じのお話が続いている。テレクラがらみの話は今回でおしまいなんだろうか。さよならジャッカル。ラストのコマの鉄郎のポーズがとても良い。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/7+14 No.21+22 小学館 B5中
江川達也の新連載「日露戦争物語 〜天気晴朗なれども波高し〜」がスタート。なんと日露戦争の日本海海戦において作戦参謀を務めた海軍中佐、秋山真之の物語である。日露戦争モノをやるという話は聞いてたけど、まさかこんなに直球勝負なモノになるとは。ストレートに面白そうだけど、まあそこはこれからの展開しだい。モーニングの「ジパング」といい、「強い日本」を連想させる軍国モノが今アツイっつーことなのかな。シリーズ連載の作:北沢未也+画:若狭たけし「サーティーガールズ」は第7話め。今回はちとあっけない感じがした。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/7+14 No.21+22 集英社 B5平
小栗かずまた「もののけにゃんタロー」が掲載。読切。今はツッパっているんだけど実は動物大好きなあんちゃん(中学生男子)が、自らを猫またであるという言葉をしゃべり刀も使うにゃんタローという生き物に出会う。そんでもって力を合わせて突如出現した動物の妖怪をやっつけるというお話。そんなに派手でもないんだけど、いかにも少年漫画らしい健全さがあって良い作品。それからジャンプの貴重な萌え部分であった河下水希「りりむキッス」が連載終了。これでジャンプのお色気は、ひょっとして巨乳化著しいこち亀が一手に引き受けることになるんだろうか。
【雑誌】近代麻雀ゴールド 6月号 竹書房 B5中
六田登の新連載が巻頭カラーでスタートしたのがまずはトピック。タイトルは「眠り玉三郎」。下着メーカー社長の三男坊で昼行灯といった感じの主人公。将来結婚も考えているお嬢さまもいて、ごくごく恵まれた環境にあったのだが、ある日、街で出くわしたヤクザに追われているらしき男女との出会いによって運命が急転、厄介事に巻き込まれる……といった出だし。主人公の坊ちゃんはボケてそうだけど、この雑誌の表紙を見るとけっこうギラギラした感じでもあるんで、これから本領発揮って感じになるのかもしれない。ベテラン実力作家だけに、ツカミはうまい。安達哲「ギャル雀」(原作:有元美保)。これ、ホントに有元美保原作なの? というくらい、いかにも安達哲的な生臭い展開になってきている。エロ写真でおどされ、カッコイイ美人雀士カオリさんが、別室で脱衣麻雀サービスをやらされたりしててたいそう陰湿ないやらしさを醸し出してきた。こういう展開はまったくもってけしからん……ウソです、大好きです。
ようやく2月11日のコミティアで買った同人誌を読了。といってもまだ兄貴の買った分は読み終えていないのであった。例によって同人誌のほうは別ファイルで。今回から取り入れた「即売会購入同人誌別ファイルまとめ方式」だが、たぶんこっちのほうが後から検索しやすいと思うのでわりといい感じ(自分にとって)。で、一応リストアップしとくと以下のものが本日読了分。
【同人誌+音楽CD】「浮かぶ島沈む島」 小田扉+弥生一八+FLOKEA <みりめとる/ねね>
【同人誌】「放送塔 / ロングT」 小田扉 <みりめとる>
【同人誌】「あした」 袴田めら <逆ギレ刑事>
【同人誌】「宇宙に飛んでいきてー」 袴田めら <逆ギレ刑事>
【同人誌】「Shirley Medison」1〜2 県文緒 <Lady Maid>
【同人誌】「GOOD NIGHT」 山名沢湖+卯月千尋 <突撃蝶々>
【雑誌】ファンタジーライズ 6月号 メディアックス B5中
新創刊の美少女漫画雑誌。けっこう好きな作家さんがぽちぽちと描いててけっこう満足。
まずは読むたびに「いい」といっているEB110SS。巻頭カラーの次に掲載なんで、主力級と位置づけられていると考えて良さそう。で、今回の「カムカム雲雀荘」。母親から管理人の役を受け継いだ息子さんが、黒人やらなんやらアブない人しか住んでないアパートを任される。まあそんなわけでやっかいな場所ともいえるのだけど、一つ大きな楽しみがある。それはこのアパートの一室に、親が自分の娘を使って裏ビデオを撮っている家というのがあって、そこの娘さんがとても可愛かったりする、ということ。で、この管理人のにーちゃんが、女の子とねんごろになってやりまくりな日々を送るようになる……というお話。あらすじだけ書くとちょっと痛々しい話なのかなと思うかもしれないけどそんなことはなく、ムード的にはけっこうゆったりのほほん。例によって顔が平べっためで和む雰囲気のある、EB110SS画の少女キャラがすごくいい。やってることもけっこうエッチいけど、それよりも何よりもこの女の子の表情だなあ。
そのほか黒い描線でダイナミックな絵柄が心地よい鳥莉蒸師(=戸田泰成。情報源:作者Web)「クラゲのいるお堂」も、不器用な恋&充実のHという感じでなかなかいい出来。山田タヒチの「20時の宴」は、レイプされている女の子を助けようとしたカップルが返り討ちにあって、チンピラどもの手で処女&童貞を同時に奪われてしまうという救いのないお話。長いクリトリスがひくんひくんしてなかなかいやらしい。でも良い子のみんなはマネしちゃダメだぞ。表紙に名前があって「オッ」と思った、ひぢりれいの「ご主人様のいる風景」は、相変わらず作画が非常に美しくていいんだがページ数は6ページ。もっといっぱい読みたいな。
そのほかの執筆陣は、うるし原智志、ジェームスほたて、みさわひろこ、ほんだくりお、伊沢慎壱、necoJET、水田魚零一、鈴木美蘭、仙台魔人。
夜までずーっと寝てて、あとはちょっと野球見て漫画読んだくらいなんでとくに書くことないです。とは思うんだけど、エッセイうまい人とかって、そういう日常の中からもなんかしら気の利いたことを見出してきたりするんですごい。まあそういう人たちがどういう生活を送ってるんだかしらないけれども、「いい目」「いい視点」、そしてその目に映ったことをうまーく文章にできる「いい手」の持ち主は確実にいるわけで、そんな人たちの文章に出会ったりするとひどく羨ましくなり、羨ましさのあまり鬱になったりもするのです。いい文章読んで鬱になるのもなんなんですが。
【雑誌】OURs LITE 6月号 少年画報社 B5中
なんといっても今号うれしかったのは、おがわさとしの読切「水窓」が掲載されていること。ある日、少女・鏡子は河童のことを夢に見る。そして目が覚めると、頭の上に水の皿が出来ていた、というところからお話は始まり。それをなんとかしようと幼なじみの青年・仙太郎らは手を尽くし続けるが……というストーリー。細部まできっちり描き込まれた丁寧な作品作り、ゆったりとした雰囲気。しみじみ面白いなあ。この人の同人誌はコミティアで何度か買ったことがあっていずれも面白かった。すごく丁寧ないいファンタジーの描き手。それからコミティアといえば、今回は山名沢湖が初登場。タイトルは「ハミング」。たいせつなものをなんでもくまさん型のバッグにしまっていく女の子のお話。途中まで幸せづくしな感じで来たと思ったら、ある一点を境に暗転。でもやはりファンタジーでファンシー。何気ないけれども深みもありげで面白かった。
そのほかでは犬上すくね「恋愛ディストーション」が抜群の出来。これまでつき合ってきた女の子が、どうしようもなく可愛く思えてしまうそんな時。チャームの魔法にとらわれた男の模様を中継する今回。いつにも増してラブラブパワー全開で、まったく今に見てろって感じでありました。くそー当てられるー。伊藤伸平「素敵なラブリーボーイ」は最終回。最後まで微笑ましく、独自のゆるやかな間が気持ち良くていい漫画でありました。単行本は夏の予定。ところでこの漫画の略称って「素ラブ(スーラブ)」っていうのね。どざむら「魔法少女本願寺美礼」。読切なんだか連載なんだかって感じ。コメディもエロもうまいですなあ。今回はコメディのほう。
【雑誌】ドルフィン 6月号 司書房 B5中
今回はみやびつづるとかじゃみんぐとかがいなくて、ちと弱いかなという印象。俺期待の森高たかしも載ってないし。そんな中、実用方面では天崎かんな「遭難!! 爆乳キャスター安西さん」が良い。タイトルから分かるとおり、爆乳女子アナさんがやられまくるといった主旨の作品。あとやっぱり絵がかわいい北河トウタ「Vamp of spin」あたり。この人はキュートでありつつ、エロも充実したのを描けている。
【単行本】「柳生十兵衛死す」1巻 作:山田風太郎+画:石川賢 集英社 B6 [bk1]
山田風太郎+石川賢という組み合わせは「魔界転生」と同様。並行して存在する時空からやってくる忍者たちと柳生十兵衛が戦い、さらに室町時代にいたという柳生の祖先、もう一人の柳生十兵衛がからむ壮大な忍法アクションロマン作品である。俺も一時期山田風太郎には凝っていたことがあって、これまでたぶん50冊くらいは読んでるはず(もちろんこれは山田風太郎マニアとしては少ないほう)。というわけでもちろんこの作品の原作(→bk1:小学館文庫版上巻/下巻)も読んでいるのだけど、小説のほうはスケールが大き過ぎてとっちらばった印象があって、あんまり面白いとは思わなかった。でも漫画版はけっこう面白く感じた。このくらいハッタリが利きまくっているほうが漫画としてはいいような気がするし、柳生十兵衛という強烈にカッコイイ人物がいるのも強い。今後、どの程度まで行けるかは分からないけれど、けっこう楽しみになってきた。
【単行本】「朝がくる度」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1]
「朝がくる度」「いちごの生活」「しつもんしよう。」を収録した作品集。このところのいくえみ綾作品は驚くほどにハズレがないんだけど、この単行本もまったく見事。顔はかわいいけれど優柔不断でなおかつ実はシスコンである啓久とその周りの人々の模様を描いた「朝がくる度」なんて、そんなものすごいドラマがあるわけではない。まあ元カノの妊娠騒ぎがあったり、実家に帰ったりはするんだけど、さほどおおごとにはならない。でも面白い。一つひとつのシーンが、微笑ましかったり切なかったり美しかったりで、どれも非常に鮮やか。その技のキレ味を眺めているだけで、もう果てしなく気持ち良くなってきちゃう。「いちごの生活」もまた素晴らしい。彼氏に別のオンナができてフラれようとしている女の子が、3人の共同生活というプランを出して追いすがろうとするも、でもやはりその恋はどうしようもなく終わったものなのでした……という感じのお話。ラストの着地の仕方とか、たまらなく気が利いている。素晴らしい。
ところで今回のコミックスだが、YOU、YOUNG YOU、コーラスを母体とする新コミックスシリーズの第1期分である。シリーズの名前は「クイーンズコミックス」。このほかにも池谷理香子「サムシング」1巻、岩館真理子「まだ八月の美術館」、深谷かほる「マリーゴールド」、谷地恵美子「かかってきなさい」1〜2巻、吉田まゆみ他「もっともっともっと感動したい!100P」が発売されている。シリーズ名とパッと見から判断するに「ハーレクインロマンス的なシリーズにしたいのかな?」と思った。細長めな判型もそんな感じだし。
【単行本】「千億の蟲」3巻 六田登 集英社 B6 [bk1]
最近の六田登作品の中ではかなり好きなほう。人間がもがきながら生きる、ぬるぬると汗ばむような空気が充満している。この人の作品内の空気は、冷房のきいてない夏の部屋のようだ。で、今回の巻だが主人公のQがお嬢さまとビリヤード勝負をするあたりが、浮かされるような熱がこもってていい。いびつな、家族ともいいがたい血のつながりのある者たちの愛憎劇は、どすんとくる読みごたえ。
【単行本】「少女画報」 西安 桜桃書房 B5
ゴー、カッ、タンッ、コッ、ボーン!! というわけで豪華単行本。判型デカくて1600円なり。その金額に恥じないくらい中身のクオリティも高い。西安といえばシャープで艶のある、カッコよく気持ちのいい線が持ち味。どの作品見ても惚れ惚れする。それでいながらちゃんとエロも汁気たっぷりに濃いめにやってて、大したもんだなあと思う。最初はロリ系のイメージが強かったんだけど、大人のほうも魅力的。この人の線は、なんか一つひとつがすごく大胆に思える。美しい曲線を、スウッと伸びやかに引く。あと基本的な造形も美しい。ちっちゃい女の子のお腹の描き方とか。幼女はやっぱりお腹です。
【単行本】「よせてあつめて」 玉置勉強 一水社 A5
タイトルどおり、あちこちで描いた作品を集めた単行本。というわけで内容は作品ごとにかなりバラつきがあり。でもそこがいいと思う。ラブコメチックな「下着」の後、自分の性欲処理のために近所のすぐやらせてくれるねーちゃんを利用してしまった少年が後味悪い思いをする「近所のお姉さん」ときて、ナプキン大好き変態オヤジが徘徊する「ナプキンマン」のようなバカ漫画に突入したりと、作品ごとの振れ幅が大きくて飽きない。どの作品を読んでもキレ味が良くて満足度が高い。青臭さあふれる話も良いし、ヌルいラブもいいし、バカも良し。いろいろあるので、エロ漫画に慣れてない人でも、たぶんどれかしらは面白く読めるんじゃなかろうか。
余談だけど竹易てあしって「TAKE IT EASY」だったんですね。