2001年1月中旬


1/20(土)……恋愛ジャンキー三郎

 サムカタノデ、ソトニデズ、イクツカノサギョーヲシタ。

 昨日書き忘れておりましたが、コミック・ファン11号(雑草社) が発売になったようなのです。今回ぼくは、ハロルド作石インタビュー、単行本レビュー5冊、それからH漫画ピックアップの連載を書かせていただいているのです。あと前回コミティアのコミックビーム奥村編集長トークショーの模様が掲載されているのもこの号なのです。

【雑誌】コミック燃絵 Vol.6 松文館 B5平

 なんかイラスト陣に達者な人が揃ってるな、という印象。それぞれのイラストのところに作者名も欲しいところだが……。それにしても表紙に編集部のメールアドレスが書いてある雑誌ってのも珍しいですな。

 A・浪漫・我慢「くわがた」が毎回良い。細っこい女の子による小学生エロス。かわいそうなおんなのこ物語なのであろうか、やはり。しかしいい加減、この雑誌はこの人の作家名表記を統一してほしい。今回も「A・浪漫・我慢」「A・浪漫我慢」「A浪漫我慢」が混在。あじまるのねこみみ頭巾ロリ忍者娘シリーズ「忍者尻風録」は今回もかわいく楽しくエロもきちんと。頭身低くて丸っこくていいですわい。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 2月号 竹書房 B5中

 バレンタインネタでいっぱい。個人的には全然縁がなくすっぽり忘れてしまいがちなイベントなのだが(職場のほうもそういうことやるトコじゃないし)、漫画雑誌を読むと「ああそんなもんあったっけなあ」と思い出す。

 池部ハナコが読切「チョコレートの季節」で登場。前の男と別れてからまだ新しい男ができず、今年はチョコを渡す相手がいないままバレンタインデーを迎える女性のお話。前の男に対するもやもやを抱えていた彼女が、気持ちに決着をつけるまでを8ページでうまくまとめている。雑誌全体の雰囲気にも合ってるし、過不足ない良い仕事。あと、中島沙帆子「電脳やおい少女」はいつもの調子でいいですな。そのほかにも小本田絵舞、あっきう、みずしな孝之、青木光恵などなど、うまいことまとめてくる人が揃ってて4コマ漫画ラヴァーでない俺もけっこう楽しめる雑誌。

【単行本】「Naive」 月野定規 ビブロス A5

 待望の初単行本。最近のエロ漫画界ではなんだか気になる人である。この人の絵柄って、よくありそうで意外と今までなかったようなタッチという気がする。線はスッキリして抜けがいいんだけど、何やらゆったりとした柔らかさもあって。んでもってセンチメンタルなお話も、ちょいとギャグテイストなお気楽なお話も、印象的にまとめてくる。ストーリー構成的に珍しいものがあるわけでもないのだが、それでも気になってしまう人のはエロだけに頼らずきちんと一本一本ストーリーを作りあげていて、それが絵柄によくマッチしているからだろう。作品ごとに線をクッキリさせてみたり細くしてみたり、全体に淡いタッチにしてみたりと、作画も話に合わせて使い分けてるな、と単行本でまとめて読んで思った。総合力で勝負できるタイプ。

【単行本】「Boy Meets Girl」2巻 塀内夏子 講談社 新書判

 うーん、イマイチか。リトルリーグで活躍する男の子、女の子の物語で、だいぶ甘ずっぱい話となっている。塀内夏子作品だと萌えはあんまり強くないだけに、野球のほうをもっと掘り下げてほしかったような気がする。

【単行本】「僕らのプラトニックラブ」2巻 氷室芹夏 双葉社 B6

 1巻の発行が1年以上前なんですっかり内容忘れてしまっていたのだが、引っ張り出してきて読み返してみて思い出した。これが完結巻。

 主人公の隼人は打ち明けたことはないけれど、子供のころからの親友である浩秋のことが好きで、手を出さない代わりに浩秋に寄ってくる女の子を先に落とすことにより遠ざけることにしていた。そこにこれまた浩秋のことが好きな、浩秋の妹が登場し三角関係が完成。隼人、妹、それぞれ浩秋に手を出せないでいるうち似たような状況にある二人が肉体関係を持ってしまい、それを知った浩秋は不可解な行動に出る……といった感じのお話。線のきれいな完成度の高い絵柄は毎度しっかり。お話のほうだが、1巻の時点ではもの足りなく思ったけれど、最後まで読み通してみるとけっこう面白く読めた。青春三角関係モノはお得意という感じですな。登場人物それぞれが牽制しあう状況をうまくまとめあげている。

【単行本】「恋愛ジャンキー」3巻 葉月京 秋田書店 B6

 この巻はエイタローが帰省して、かつての同級生の女の子と再会する話あたりがメイン。かつてはデブだった女の子が、今ではすっかり美人になっていて、エイタローはドキドキ。華のある絵柄、健康的でサービスたっぷりなお色気シーン、後腐れのない読み心地などなど、メジャー誌のH系漫画として、とてもよくできていると思う。それにしてもエイタローはモテモテで羨ましい限り。なお、「恋愛ジャンキー」のサイドストーリー読切も2本収録。

【単行本】「からくりサーカス」16巻 藤田和日郎 小学館 新書判

 今回の巻における最大の見どころは、鳴海の拳法の師匠の潔いカッコ良さ。ゾナハ病の苦しみを抱えながら、すぐ飲めるところにある「生命の水」に頼らず、人間であることを貫いた生き様に読む者は惚れようというもの。もう16巻まで来たけれども、まだまだお話的には中間点ってところかな。先は長い。じっくりつき合うべし。

【単行本】「カステラショックre-mix!!」 おおひなたごう イースト・プレス A5

 1996年に白泉社から出た「カステラショック」の装丁および一部内容を変更してリミックス版として刊行したもの。作品の発表時期は1993〜1994年あたり。このころの作品はまだ絵的にも洗練されてないこともあって、キレは今と比べると劣るものの、すっとぼけたギャグはこのころから変わっていない。ツボに入って思わず笑ってしまったりもする。元の「カステラショック」が手に入らず悔しがっていたファン向けといったところか。


1/19(金)……幼虫

 座椅子+PCな環境で、ヘンな格好で文章を書くことが多いせいか、このところ腰が痛い。そんなわけで今号のサンデーGXに載っていた田巻久雄の腰痛漫画は他人事ではないなと感じてしまった。やはりちゃんとした椅子に座って文章を書くような環境も作らねばならない時期だ。っていうかその前に部屋の整理しないと。もうそろそろヤバいよ。

【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平

 Okama(いつもと表記が違いますな)「林檎時間」。かつて自分のことを天才だと思っていた男が、林檎をかじりながらかつての同級生だったシスターとの思い出に浸り、そして彼女がいた聖堂へと思いを走らすといったお話。短いながらも聖堂の荘厳なイメージとか、ビジュアル面が非常に美しくてうならされる。聖堂の天井の描き込みとかもいいけど、ラストシーンなどの自然でゆったりしたスタイルなんかもかっこいい。相変わらずスゲエうまい。高橋明「傀儡戲」。コミック・ピットでやっていたというここまでのお話は読んでいなかったが、今回読んでみた限りにおいては、いかにもピットとかクリムゾンとかで見られそうなシャープな絵柄はかなりうまいし、ストーリー的にもちゃんとしてそう。新宿を舞台にしたダークサイドバトルとあるが、オカルト方面の話とかもからんできそうでわりと刺激的。

【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平

 小野敏洋「ネコの王」が表紙だけどやってくれますな。買いにくいと思った人は定期購読にすると便利だよ。ちなみに中身のほうも、今回はブルマーブルマーいっててあやしい充実ぶりを示している。でもオチのアレに関しては、盗まれるような人、つまりあの衣装を持っている人はコスプレイヤーかオタクしかいないと思うぞ。島本和彦「吼えろペン」。巻頭カラーでニセ炎尾燃が登場。力いっぱい感があって、なおかつへなへなしたところもあるのがこの作品の良いところ。今回も持ち味は存分に出ていてて面白かった。

 花見沢Q太郎「銀の街ロマンティック」。おお骨抜きだ骨抜きだ。甘〜くラブをやっててとろけるような味わい。こりゃもうたまりません。いけだたかし「FADE OUT2」。第1話めは2000年12月号に掲載(そのときの感想は2000年11月18日の日記参照)。だいぶ今回はドタバタ色が強くなっているような。後味爽やかなのは前回と変わらずで、ひっかき回し系のキャラも出てきたので、連載向きの話になってきたなという印象。どうせなら連載にしちゃえー。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 2/1 No.016 講談社 B5中

 一族ずっとたたられまくりな少年の日々を描く押切蓮介「カースダイアリー」。ギョロリとした目のキャラばかり出てきて、でもテイストとしては軽くギャグやっててなかなか面白い作風。けっこうイキがいいし、そのうち本誌のほうに進出するかもとか思った。三ツ森あきら「キャバクラ学級」。小学校なんだけど、使われる言葉とかがなんだかキャバクラ的なクラスを舞台とした4コマギャグ。先生があてるのは「指名」、給食はかわきものでドリンクは男の子に頼んでボトル(牛乳)を入れさせるといった具合。細かい技がきいててけっこうイケる。「すべてに射矢ガール」のロクニシコージは、読切「アケミチャンネル」で登場。長年使ったテレビが女の子の姿をとって、主人公・真一のもとに現れて騒動を巻き起こすといったお話。射矢ガールほどの萌えがないので地味だが、まあまあ面白い。

 永野のりこ「NUMBER333」は、恋人たちの部屋に、なんだか迷惑でデンパな女がやってきてしっちゃかめっちゃかにする……というお話。まあわりといつもの調子だ。タイム涼介「権太山キーギャング」は、ラストシーンにタイム涼介らしいポエム心が出ていてちょっといい感じ。記伊孝「犯罪交渉人 峰岸英太郎」。なんかけっこう引っ張るなあ。絵は相変わらず伸びやかで見ていて気持ちがいい。それから前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」が、今回は壮絶なチンコバトルをやっていてまたしても非常に立派でござった。破武男はまた一皮ムケた。

【雑誌】ヤングサンデー 2/1 No.7 小学館 B5中

 山本英夫「殺し屋イチ」。サイコー! 垣原のマリオジャンプといい、ここまで凄絶で間抜けなクライマックスを描ける人が今までいただろうか。もう読むたびにうれしくてうれしくて。次はいったいどんなことやってくれるんだろう。ワクワクしまくりだ! 新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。トシモン現象が、世間をますます揺るがし始め、全国的にテロが続発。それにしてもタイヘンなことになってるなあ。アレってやっぱりホントにトシなんだろうか。遊人の恐るべきまんまギャルゲー漫画「PEACH!」は今回も恐るべし。なんでもいいからとにかくエロというその姿勢にいつもノックアウトされてしまう。

【雑誌】モーニング 2/1 No.7 講談社 B5中

 幸村誠「プラネテス」が掲載。いきなり1ページめの「忘れちまえ重力の存在なんて」「ありゃ世界をせまくする力だ」というセリフだけでゾクゾクーっと来てしまった。そして見開きのトビラページは地球をバックに宇宙空間で作業するハチマキと、新米のタナベの姿が描かれる。21世紀は宇宙。そうでなければならない。この新キャラのタナベは、「宇宙飛行士は孤独で宇宙のみを相棒とする」みたいな主義の持ち主であるハチマキに対し、でも愛がなければいけないと何かとつっかかってくる。また一つ、ハチマキの思想、それから物語全体をひっかき回して深みを与えてくれそうなキャラクターだ。それにしても幸村誠は、絵もうまいけれど、画面の使い方が素晴らしい。宇宙の広さを、狭い紙の中でしっかり描ける人だ。今月23日発売の単行本は、宇宙好きの人は全員買うべきであろう。

 弘兼憲史「部長島耕作」。高市さんが妙にかわいいこのごろ。でも報われていないこともあり、高市さん向けのちょっといい男も出してきた。高梨みどり「Order-Made」。う〜ん、とてもいいお話。今回は、父と花梨、それからお客さんであるラーメン屋店主とリストラされてその店で修行するため入ってきたおっさん店員という二つの「職人と弟子」のドラマがまずあり、さらに父と娘のドラマをからめている。このラーメン屋店主には子供がおらず、それもあって花梨のような娘を羨ましがり、また花梨パパもなんだかんだで花梨に期待を寄せている。職人弟子のドラマ、父娘のドラマそれぞれが二重構造になっていて、一話完結だけどとても読みごたえのあるお話になっている。三宅乱丈「ぶっせん」。章介が風邪をひいたと聞いたときの雲信の反応が、お約束ながら笑ってしまう。馬鹿馬鹿しくて非常に良い。木葉功一「ルビー・ザ・キッド」は中途半端に最終回。最初のころは鮮烈なインパクトを与えてくれてすげー面白かったが、結局は面白くない終わり方になってしまった。残念。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/1 No.7 集英社 B5中

 今号はヒロスエ号。

 ふなつ一輝のカレー漫画スタート。タイトルは「華麗なる食卓」。素晴らしいタイトルにちょっぴり悶絶。内容的には以前、集中連載でやっていた「黄金の食卓」と同様で、人情&カレー勝負なお話になりそう。こざっぱりした絵でいかにもヤンジャンっぽいテイスト。ラーメン漫画に対抗するには、やはりカレーなのか。それならばカレーラーメン漫画とかどうだろう。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/1 No.8 秋田書店 B5平

 藤澤勇希「BM ネクタール」。国産BMはなかなか可愛らしい奴らだと思うが、たくさん迫ってきていてハラハラドキドキ。しっかりと作品を構築していて手堅く面白いな〜。伯林「しゅーまっは」は今回も面白かった。ヒロインの彩がどんどん可愛く思えてきている。素直に笑えるし、ドタバタモノとしても良い調子。

【雑誌】純愛果実 2月号 光彩書房 B5平

 東京Hの後継誌で、今号も巻頭カラーのゼロの者や友永和、美女木ジャンクションらをはじめとしてボリューム感のあるエロを描ける実用路線を重視したメンツが揃う。ゼロの者「羊の皮」は優等生なんだけど最近いつもいつもHなことばかり考えてしまい、ソレで頭がいっぱいな女の子が、エロ漫画を描いているクラスの暗い奴にいいようにされてしまうというお話。ますます乳など女体が、ふよふよといい具合に熟してきている。何を着ていても乳首を透けさせるあたりは本当に乳が好きなのだなあと思わせるものがある。乳でいうとこの雑誌では天誅丸も楽しみな素材。今回の「新世紀彼女」も乳の量感が良い。重力による形の変化、それから押しつぶされたときの量感とかに見るべきものがある。今月下旬に単行本「ポルノ・バスト」が出るそうだ。司人形「猫被りの住人達」後編。鉛筆描きっぽいタッチで濃いエロスを描く人で、画力は相当なもの。女の子にゲロ吐かすまで凌辱しててかなり容赦なし。

 あと、「激しくて変」第3号の予告が出ていた。今度は2月下旬発売だそうな。


1/18(木)……新年新年団

 アキバをうろついてぽちょぽちょと買い物。その後、とあるCPU&チップセット等のメーカーさんの発表会に行ってきて、ちょっとだけ会社に戻ったあと、同僚2名とライターの森山和道さんとの呑みに出かける。あと、遅刻組でサイトウマサトクさん。そういえば森山さんとは1999年8月9〜10日のS田氏大暴れ呑み以来。あのときは自分では記憶にないけどここ数年ではまれに見る大爆発をしたときだったようなので、今回はあまり暴れないよう心がけてはいたんだが、なんだか話題はどんどんヘンなほうヘンなほうへ。なぜそんな話になったんだかよく分からないが「エロゲーにおけるエロの役割について」みたいなことで論点不確かな議論をしてみたり。でも今回は呑みのほうは大人しめにしといたので(といってもサイトウさんが来るまで、ほかの3人がほぼノンアルコールで一人だけぐいぐい行く状態ではあったのだが)、とくに記憶をなくすようなこともなかった模様。

 サイトウさんは最後の1時間くらいのみの参加できっと呑み足りなかろうとか都合のいい解釈をして、二人で洋酒系なお店へ。とりとめもない話をしつつアルコール度数75.5度のレモンハート151を呑めば、池袋の夜もちょっぴりくらいは暖かくなろうというものさ(たまにはMr.インターネット的モテ文体を駆使してみようかと思ったけど、難しいのでやめた)。ここでもとりあえず意識を失うようなこともなく、今回は比較的正常なうちに終われてホッとする(アレで正常なのかという関係者からのツッコミはしばし置いておくとして)。

 で、結局2時だか3時くらいだかまで呑んだ後、サイトウマサトク邸になだれこむ。エレベーターが壊れていて8階まで階段を登る作業は酔っ払いにとっては冬の鬼スラ。いや、そこまで厳しかあないけど。そのままお泊まりさせていただいてから会社に直行したので今日は漫画を全然読めなかったわけだー。それにしても皆さん年末は忙しいためか、俺の周囲では忘年会よりも新年会のほうがだいぶ盛んな模様。今回も呑みの途中でまた一件、お誘いがかかったがどうしようか思案中。


1/17(水)……少年ジェイツ

 とあるメーカーさんの発表会に行ってきたのだが、プレゼンに使われていたたいへん良さげな50インチのハイビジョン対応テレビジョンセット(100万円くらいする奴)に心揺さぶられるも、テレビ台の部分がスピーカーになっているためテレビ前にすぐコタツを置く俺ライフスタイルにはどう考えても合わないな、などと物欲に溺れそうになる自分を抑える合理的な理由を考えてみたりした。

 横浜FCソシオ・フリエスタの年会費を払い込んでくる。今年もマターリ応援しちゃうよ〜。それにしても横浜FCの観客動員増のため、浦和と札幌にはぜひJ2に残留していただきたかった……(その2チームのファンの方、ごめんなさい)。

 感想書いてないものでは以下のようなものを購入。

【雑誌】純愛果実 2月号 光彩書房 B5平
【雑誌】コミック燃絵 Vol.6 松文館 B5平
【単行本】「Boy Meets Girl」2巻 塀内夏子 講談社 新書判
【単行本】「僕らのプラトニックラブ」2巻 氷室芹夏 双葉社 B6
【単行本】「恋愛ジャンキー」3巻 葉月京 秋田書店 B6
【単行本】「からくりサーカス」16巻 藤田和日郎 小学館 新書判
【単行本】「カステラショックre-mix!!」 おおひなたごう イースト・プレス A5
【単行本】「Naive」 月野定規 ビブロス A5

【雑誌】週刊少年サンデー 1/31 No.7 小学館 B5平

 田中モトユキ「リベロ革命!!」。合宿編になってから女の子っ気を強めつつある。こういう展開もムズがゆくていいですわい。要を巡って、イコ、部長、そしてママさんバレーの奥様を巻き込んだラブバトルが繰り広げられるというのはどうだろうか。自分で書いといてなんだが、俺はやはり熱血バレー漫画のほうがいいです。このところちょっと当たり外れが激しくなりつつあるなという印象の久米田康治「かってに改蔵」。今回はアタリかな。ちなみにテーマは「予告編」。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/31 No.7 講談社 B5平

 西山優里子の新連載「DRAGON VOICE」は、歌って踊る男アイドル系な奴らの物語になりそう。主人公はビックリするくらいのしゃがれ声の持ち主の中坊なんだが、その彼が町で出くわした歌って踊る系4人組男グループのバックダンサーをやることになり、なぜかそのしゃがれ声が4人組の歌声と絶妙のハーモニーを奏でてしまう……とかいうあたりまでが第1話。なんだかうまくやらないとすごくイタイ作品になりそうな気配がするのだが、杞憂に終わらせていただきたいものだ。蛭田達也「新コータローまかりとおる!柔道編」最終回。きれいな締めくくりで面白うございました。そして次は、なんだか春くらいから「コータローまかりとおる!」の最終章を始める予定らしい。赤松健「ラブひな」。何やら妹モノ系ラブ度をどんどん強めている。もちろん話の展開はいつものノリだが、景太郎がいない分、カタルシスがまったくないままじりじりと煮詰まってきている。妹の次は、やはり今こそ純正なめがねっ娘がひなた荘に必要なんじゃないかなという気もする。成瀬川もかけるし景太郎もかけるがアレは偽だ。景太郎の中学・高校時代の同級生、しかも図書委員とかいうのはどうだろうか。

【雑誌】コミックきみとぼく Vol.3 ソニー・マガジンズ B5平

 この雑誌、昨年のうちに出てたらしいんだが、すーっかり買うのを忘れていた。で、掲載作品の中ではやはり紺野キタ「人魚の骨」。海辺の町に住む高校生男子・透の家に、冬の間だけ預かることになっているという「鈴木人魚」と名乗る女性がやってくる。実際に彼女は人魚であり、透のことを昔から知っているらしく……。しみじみ読ませる良いお話。紺野キタの清らかで暖かい絵が、物語全体をふんわり柔らかい空気で包み込んでいる。この人の作風は、本当に乱れない。完成していて隙がない。

【雑誌】コットンコミック 2月号 東京三世社 B5中

 なんとなく心のエロ漫画誌。場末のストリップ劇場的な生暖かい空気がたまらない。2色カラーのじゃじゃかなめやら、この雑誌の中での実用方面担当の雪見野ユキオとか、C調極まりなき渡辺ヒデユキ「サセマンシリーズ」とかを読んで、なんだかしみじみと楽しい気分になる。どこ見てもトンガっていないまろやかさ。こういう雑誌には末長く続いていてもらいたい。

【雑誌】ZetuMan 2月号 笠倉出版社 B5平

 今号はいまいちグッとくるものがない。途中まではいいんだけど、〆がいまいちかな〜と思える作品がぽつぽつ見られたせいかもしれない。例えばRaTe「P4」。高性能な肉棒を販売するセールスレディさんたちのお話なんだけど、「訪問販売法うんぬん」という説明文だけじゃなく、も少しキャラを動かしてオチを作ってほしかった。EB110SSの、超高性能でホンモノかと見間違うくらいのロリっ娘ダッチワイフにハマっていく男の話である「人形劇」も、キャラクターの造形は相変わらずものすごく好みなんだけど、ちと説明不足な感じがした。主人公の男が呑まされる薬の作用がいまいち分かりにくいように思える。その中で、猫玄「オトナの時間」は、優しいタッチでいいお話。ボーイミーツガールで芽生え立ての恋(うひょ)な感じの初々しさがよく出ている。ヒロインのめがねっ娘な委員長さんも三つ編みでとてもかわいいし。

【雑誌】ばんがいち 2月号 コアマガジン B5中

 ZERRY藤尾が巻頭カラー。あらまあ。タイトルは「IMMIGRANT SONG」。宇宙空間で繰り広げられるエロ&コメディ。ランニングにガラパンと、生活感丸出しで男一人、宇宙飛行中な船の中に、なぜだか裸の女の子がやってきて、そりゃもう当然やるでしょ。やったら普通増えるでしょ的展開を見せる……といっても何がなんだか分からないだろうが、要するにやると女の子が増えるんですな。地球外生命体なんでそれはまあ仕方のないところ。宇宙やってギャグやって、最後にはオチもパシッと決めてくれて面白いですなあ。おきた51「Hold On Me」。クラスメートにエンコーしているという噂のある女の子がいるのだが、主人公のメガネくんは彼女のことが、噂は抜きにして気になってしかたがない。そしてあれこれするうちに二人は……といったお話。なんだか和む柔らかみのある画風がちょっといい感じ。恋愛モノとしても爽やかなハッピー・エンドに仕上がってて気持ち良く読めた。

【雑誌】コミックメガストア 2月号 コアマガジン B5平

 今号も全般にレベルが高い。絵がうんまーい人が揃っていて、パラパラめくっているだけでも飽きない。エロゲー誌の出だけど、今はちゃんと漫画で勝負できている。んでもって次号からはカズマ・G-VERSION「エルフの若奥様」も本格スタートするらしい。再開することは知ってたけど、どこの雑誌かは知らなかったのでちょっぴり驚き。

 巻頭カラーは榊原薫奈緒子の新連載「ポップン・ラブ」。このやたら丁寧な描線、かわいすぎるくらいかわいい絵。すごいなあ。このお話は続きモノかつ魔女っ娘になるようだけど、カラーページからばしばしエロを入れまくってるし、中盤もこの人としてはわりと珍しいようなダイナミックさでHシーンを盛り上げている。これからの展開がとても楽しみ。新人、瀬浦沙悟「It Rains...」。幼なじみ恋愛模様が心地よく、エロもボリューム感があっていいんだけど、ラストのオチの部分はちょっと分かりにくいかな。分かることは分かるんだけど。身体(例えば乳首とか)のアップのコマをうまく差し挟み、エロシーンの見せ方はけっこううまいと思う。来鈍「越後の里のキノコ姫」。上杉謙伸の嫁となることが決まった忍者の姫君が、最後の別れを惜しんだ手下たちにHな気分になるキノコを盛られてエロエロなことをする、というお話。しっかりボリューム感のある乳がダイナミックに揺れてくれるところに惹かれる。乳の揺れ幅はかなり広い。

 たちばなとしひろ「ハッピー★トラップ」。ラブ、それからコメディが賑やかに展開されていてコンスタントに面白い。この人は毎回いい仕事しているなと思う。西安「魔の迂遠」。やっぱり絵がすごくうまい。シャープで美麗でキレ抜群。表情のバリエーションもちゃんと描けていて、惚れ惚れする技量。長谷円「欠損」。この人も特徴はやっぱり絵となるかな。目が細めな美人保健医さんがいい。勢いのある線による描画は黒が映える独特の質感があるし、エロも濃密でやることはしっかり。ちんちんはかなりゴツめ。


1/16(火)……査定法

 なんかべらぼうにうまいもん食いたいなあ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 2/6 No.3 講談社 B5中

 今号は全般的に落ち着いちゃってるかなあという印象。「鋼〜HAGANE」「黒竜の城」「グレゴリーホラーショー」「G-taste」「ピアノの森」と、豪華休載5本立てという状態だし。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」はいいのだが、ちょっといつもよりは大人しいか。やはりも少しゆ→きが見たい。でも、この新キャラのナオもクセがあっていいキャラではある。「おまかせキュート」。見たかったなあ。堂高しげる「iドーモ!」。妹選手権3部作最終回。ラストはもう少しほしかったなあ。今回のは義理だし。

【雑誌】漫画アクション 1/30 No.5 双葉社 B5中

 国友やすゆき「幸せの時間」。ベタだベタだと思っていたら、今回はまた輪をかけるようにベタ。ストーカー女の耀子ちゃんがパパを刺そうとしたら、出てきたのはママに対するストーカー男。そして朝倉家、文字どおり崩壊。うーん、スペクタクル。ここまでやってくれるとうれしくなっちゃうな〜。何気にこの人の漫画、常に刺激の強いほうへ強いほうへと一直線に向かい続けてるよね。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。今回も、胸が重くて頭は軽い展開。田嶋教授はプルンプルンいわせながら、いったい何をしようというのだろうか。とかいいつつまあそんなんどうでもいいやと思っていたりもする。何があっても、「オッパイが大きくてごめんなさい」で問題はすべて解決するだろうし。

【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平

 青池保子の中世修道院物語な「修道士ファルコ」。なんだかんだで安定した面白さ。揺るぎようのない軽やかで落ち着いた間が心地良い。波津彬子「灰色の貴婦人」。読切。貴婦人が、自らの飼い猫がなついた者を遺産継承者とするという遺言を残して死去。その猫を巡り騒動が起こるも、主人公のデイヴはその喧騒に加わらず……といった具合でお話は展開し、謎めいた少女との出会いをからめて鮮やかに締めくくり。上品で暖かく、きちんと読める物語をしっかり作り上げていて実に手堅い。麻生みこと「GO!ヒロミGO!」。ヒロミが家庭教師を始めるも、派手な外見のため、親の警戒を受けて失敗続き。そんな中、唯一親チェックを通った家出はヒキコなボーイに手を焼くことになるが……。サバサバした性格のヒロミがハツラツとしてて魅力的。カケアミな目の描き方が印象的で、線もキレイですなあ。

 桑田乃梨子の読切「34」。このシャレ、俺も日記のタイトルで使ったことあるな。でも扉ページでシャレの説明しちゃダメだと思う。シャレというのは分からないくらいのほうが粋なのだ。で、それはともかく内容のほうだが、なかなかファンタジーしてて微笑ましいラブコメになってて面白かった。図書委員タイプの女の子がかわいいねえ。雁須磨子「どいつもこいつも」。ゆるゆるで楽しい。駐屯地に撮影のためアイドルがやってきて、なんかいろいろわきゃわきゃするというお話。まあ今回はいつもよりごちゃごちゃしてるかな〜という印象はあるけど、端々で天然系なノリが幅をきかせてて面白い。


1/15(月)……30娘にゃ幸がある

 通勤途中の乗り換え駅の近くにある夜12時までやってる古本屋さんに寄ってから帰ろうと思ったら、どうもつぶれてしまったようでへなへなする。ただ、その隣にあるコンビニが零式が入荷する店だったことが分かりちょっとだけ収穫。

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中

 作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」は引き続き面白い。羽生丈二の意地が、エヴェレスト、および陽の当たる人生を拒否する。自分を曲げることをけして肯んじない、その不器用さに惹かれてしまう。もちろん今回も山は美しく険しい。月イチシリーズ、冬目景「イエスタデイをうたって」が掲載。この人の現代青春モノはやはり面白い。今回は絵も荒れてないし話的にもまとまりがいい。このくらいのペースがちょうどいいのかな。とはいえ、そろそろ読切も読みたいところではある。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/29 No.7 集英社 B5平

 樋口大輔「ホイッスル!」。久しぶりに風祭がフィールドに投入され、中盤で動き回ってチームに活気を与える。現在の日本代表でいえば森島タイプのプレースタイルといえるだろう。この作品、最初のころは危なっかしいところがあったが正統派な少年スポーツ漫画としてだんだん面白くなって、今はかなり良くなっている。やはりこういう作品は長いスパンで見ないといけないっぽい。あとはもう一つ、チーム戦術でハッキリしたものを出してフォーメーションとか見せてくれるとうれしい。秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の、最近の巨乳ぶりはまったくすごい。

【雑誌】ヤングマガジン 1/29 No.7 講談社 B5中

 松本光司「クーデタークラブ」。今回もガシガシテンションを上げてて面白いけど、ラストのところは「そりゃいかんだろ」的展開に。そしてこれからどうするんだろうとまた気になったりして、ああ、この強いヒキを作りまくる展開にうまいこと乗っけられちゃっているなあ。次回もまた楽しみ。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。最近はゲンもケンヂも最低人間ぶりに差がない。すごい形相になったときの迫力ではゲンが一歩リードだが。蓮古田二郎「しあわせ団地」。今回も面白い。雪の降る野原でソリで遊んでいた二人が、またしても困ったハメに。そして愛があるところが微笑ましい。でも愛をも呑み込むほどに情けないところがまたいい。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。エロ貯金が貯まったので、念願のエログッズを買いにいく鉄郎。自分を盛り上げるための演出とかが、念が入ってて虚しくて味わい深い。でもそんな鉄郎と似たようなことをやっている人がほかにもいたりするあたりが生暖かくて、ええお話やなあと思わせる。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/29 No.7 小学館 B5中

 作:北沢未也+画:若狭たけしの短期集中連載「サーティガールズ」がスタート。共に30歳を迎えた美人コンビが、逆ナンで夢を捨てようとしている若僧を拾ってきて、どっちが先に落とすか勝負〜といったことをやっているのが第1回め。若狭たけしって、キレが良くて華やかな絵柄なんかとてもしっかりしていて正攻法で読ませることのできる人だなあと思う。イキが良くて、出だしとしてはけっこう面白かった。今後どんどん面白くなっていってくれるといいんだけど。山本康人「僕」。ひろしの、敗北を知らない、意外にもリング上では暴君的になる性格が発露しつつあって面白い。そのほかの面では普通であるだけに、そのギャップがより刺激的に映る。このところまた充実してきているなあ。「新世紀ギャグサバイバル」というコーナーが始まって、第1回は高野聖ーナと大畑朋魅が2ページずつで対決している。どっちもわりと地味に少し面白いって感じで、優劣つけてもしょうがない感じはする。

【単行本】「ミルオポン」全2巻 阿部潤 小学館 B6

 2巻分のボリュームがあるのかな?とか思っていたら、阿部潤の初連載作「スタミナ」が併録されている。「ミルオポン」は、硬派だけど実は同じ学校の坂本さんという女の子が好きで好きで坂本さん関連のモノをいろいろ集めまくったりと、意外と粘着気質なところもある男子・本城くんが、ミルオという少年に導かれてこの世界とは別の並行世界へ行き、ミルオの母親を助け出す旅に出るといった筋立て。といっても、その旅は身体を改造しまくった連中ばかり相手にせにゃならん風変わり極まりない道中で、何やらあまり急いでもいないようでもあり。この作品で一番笑っちゃうところは、やはり出てくる連中の奇矯なルックスとちと間抜けで突拍子もない行動。それでありながら、ラストまで読むとちゃんとした暖かい愛の物語となっていることが分かる。このハーモニーがなんといっても阿部潤の持ち味。この作品の場合はまとめて読んだほうが面白いと思うんで、やはり単行本を2巻同時に買って一気にいくのがいいんではないかと。

 ところで阿部潤ってプロフィールによると1972年生まれで1990年デビューとなっているのだが、ってことは俺と同い年ということになる。俺が大学でのんべんだらりとくだらん生活を送っているころには、すでにこの人は漫画をいろいろ描いていたのだ。鬱だ……。

【単行本】「球魂」11巻 岩田やすてる 小学館 B6

 玉磨高校 vs.明光の団体戦の模様が今回は描かれる。この巻の見どころはなんといっても、明光側の、突如起用された万年2軍であった妙井の活躍ぶり。目をギョロつかせ、1ポイントとっては奇声をあげ、1ポイント失ってはまた奇声をあげるテンションの高さに玉磨の面々は圧倒されるばかり。血沸き肉踊る卓球漫画でありつつ、こういうヘンなこともやってくるところが味。クセ球の剛腕投手って感じ。


1/14(日)……度胸星に、いこう。

 「度胸星」は↑の場合、「どうきょうせい」とかいう感じで読んでくれると幸いだ。本当は「どきょうぼし」だけど。

【単行本】「殺し屋イチ」8巻 山本英夫 小学館 B6

 今回はイチ大活躍。ついに例の兄弟との対決も行われ血しぶきびゅーびゅーなシーンも。そのズバッと相手を変形させてしまうほどの暴力は非常に痛快。そしてそれ以上にイイのが、迫るイチの影に恍惚となる垣原組長の表情。というか登場人物の表情は、全般的にすんごくいいのだが。この後の展開を思うと、もちろん雑誌連載で読んでどうなるかは知ってるわけだが、さらに良くなっていく物語にワクワクしてしまう。いや〜面白いなあ。ザッツエンターテインメント!

【単行本】「度胸星」4巻 山田芳裕 小学館 B6

 これにて最終巻。打ち切り劇はいろいろと物議をかもしたが、やはりここで終わってしまったのはすごく残念。いよいよ度胸たちが火星に向かおうかという重要な場面であったし、テセラックの謎も解かれないままだったし。ここに至るまで非常に面白かったし、このまま続いていれば宇宙モノの名作になっていただろうけれど、この作品はまだそこに行く途中だった。再開されることはたぶんないだろうと思うけど、やはり惜しい。

【単行本】「ザ・ワールド・イズ・マイン」13巻 新井英樹 小学館 B6

 トシ逮捕の会見→ヒグマドン捕獲→トシ尋問→トシモンの出会いの瞬間の回想という具合にこの巻は進む。それぞれのキャラの個性は強烈だが、やはり今回はトシモンの出会いのくだりが一番の見どころであろう。それまでコセコセと爆弾などを作ってみて破壊の力を得たという事実を弄んだりしていたトシの、それまでのちっぽけな世界がぶっこわれる瞬間。そのインパクト。それがそのまま読者にも伝わってきて、ぐらぐら揺さぶられるようだ。やはりこの作品、面白さが太い。

【単行本】「チマタのオマタ」 朔ユキ蔵 ワニマガジン社 B6

 待望の2冊め。美しいのに、力強く、かつ切れ味のある描線がとても鮮烈なだけでなく、ストーリー的にも面白い。淡々としたペースでタメにタメたエモーショナルなものを爆発させるような物語はダイナミックで痛快。何かたまりまくっているらしいレズの少女が、相方の少女とボートに乗り、その船上で男根が欲しくてしょうがない自分の気持ちを爆発させる「せいきまつごっこ」なんかはその一例。なんでこんなの考えつくんだろうって具合に物語は十分ひねられまくってるし、その語り口もかなり珍しいものだ。でもけしてスカシてはいないところがまたカッチョいい。美しくかつピシッと引き締まり女の子も文句なくかわいい絵、それから個性的なストーリーなどなど、今すぐメジャーに行っても必ずや注目を集めるであろう才能だと思う。なんかヤンマガUppersあたりがすごく似合いそうな気がする。

【単行本】「MASUMI」 飛龍乱 ワニマガジン社 B6

 この人はやっぱりうまいなあ。昔から活躍している人ながら、作画もしっかり今風なものに進化させているし、瑞々しい絵柄はしっかりH。しかも女の子はちゃんと可愛いし、ラブラブな甘い雰囲気もしっかり出せているし。もっちりとしたほっぺたがこの人のキャラ造形的には最も好きな部分なんだけど、艶やかでむちむち肉付きのいい身体つきとかもソソるものがある。いつもコンスタントに面白くて、すごくいい仕事しているなあと読むたびに思う。

【単行本】「メジャー漫画家への道」1巻 舞登志郎 オークラ出版 A5

 単行本化してくれて良かった。しみじみとそう思う。この作品は、コミックピンキィというエロ漫画雑誌連載ながらエロはなし。では何をやっているかというと、むさ苦しい男・マイナーエロ漫画家・舞登志郎(みんなのアイドル)が、いつの日かメジャーになることを目指して、怪しい編集者・伊藤に導かれつつ男一匹、漫画界をもがくのである。舞登志郎の画風はペンタッチが実にしっかりしていてガッチリしているのだが、そこから描かれるものは男の意地を賭けつつ、微妙に力も抜けた、馬鹿馬鹿しく男らしい物語なのである。悩んだり、失敗したり、いいようにあしらわれたりする舞登志郎の姿を見ながら、ガハハと笑ってみたり頷いてみたり。ただのど根性漫画道だけでは終わらない面白さがある。そして1冊通しで読んでみて、最後の舞登志郎の後書きのあたりで漫画家さんの熱い思いに触れて、ちょっと泣いた。

【単行本】「すねかじりエロス」 IKARING 近代映画社 B6

 Webの引越をされたばかりのすきまページの小田中さんが1/8の項で面白がっていたので、むらむらと欲しくなって買ってみる。確かにこれはかなりええ感じに馬鹿漫画である。もういつでもサカリつきまくってやりたがりなバカップルが、寸前まで行くも常に何かに邪魔をされ、寸止め状態で終わる〜の繰り返し。その過程も面白いんだけど、やれなかった二人がでも明日があるさって具合に、ぽえ〜んと明後日の方向にすっ飛んでいくような締めくくりが毎度毎度おかしくて、スカッとする。こういう人たちはいついつまでも、死が二人を分かつまでこういうことやってていただけると、世界に何か平和なエネルギーを振り撒いてくれそうでヨロシイのではないかと思うものであります。ユルめな絵柄も作風にマッチしている。


1/13(土)……独裁MEN

 めんどくさいから能書き省略。MENだと独裁じゃないね。

【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平

 きら「まっすぐにいこう。」。表紙とか目次とか、それから扉にも「クライマックス」としか書いてないけど最終回。なかなか暖かくていいラストでありました。この作品、個人的には犬に眉毛があるのが気になってしょうがなかったのだが(犬にも眉毛はあるけどああいうくっきりしたものじゃないんで)、それはともかく、ハードなしのぎ合いあり幸せな恋愛話ありで楽しんで読めた。ハルマチコ「チョコっとKISS」。この前「キャンディPOP'n ROLL!!―Whiteberry物語―」をやった人だけに、もしかしたらプッチモニ物語でもやらかすんか……とか思ったがちゃんとオリジナルな恋愛モノでした。Whiteberryだからイタイのかなーとか思っていたが、これを読んでわりとナチュラルな人であることを確認。男とかがやけに派手な顔の作りしてて。でも個性がある人だけについ読んじゃうし、実はけっこう刺激的で面白い。勢いがあってピチピチしている。

【雑誌】キャンディータイム 2月号 富士美出版 B5中

 この雑誌を買うのってかなり久しぶりかも。ちょっと最近、購読エロ漫画雑誌、作家が固定化してきてしまっているので少し枠を広げたいなとか思ってサンプリング中。昨日のカラフルBeeもそんな感じで買ってみた本。気が向いたときに、1〜2冊ずつ試し買いしていく予定。

 嶺本八美「ロンドン警察24時」。なぜか女の子の膣内に爆弾が仕掛けられ、それを取り出すには潮を噴かせるしかない、とロンドン警察大奮闘。ドタバタが楽しいエロコメディ。滑らかな絵柄も魅力的。ところでこのペンネームって「りょうもと・はつみ」って読むのね。今まで「みねもと・はちみ」だとばかり……。藤咲真「妖怪新考」は、キリッとしたおねえさまなヒロインが恥ずかしがってたり、ふえ〜んとかいってる顔がかわいらしくてグッド。NYAN「CLUBなんでも屋さん。」は絵柄に華があって賑やかでええ感じ。

【雑誌】鎖縛 VOL.14 松文館 A5平

 以下、ジャンキーズ用。今月はこれでジャンキーズ用エロ漫画読書は完了。

 まずはなんといっても第3話めで完結を迎えた近石まさし「ゴージャスプレイ」。例のゴージャス姉妹を元ネタに、ガンガン調教している。一発だけで終わらせるかと思いきや、ちゃんと三回も引っ張って徹底的にやるところが非常に素晴らしい。最後はゴージャス姉妹がエロ責めで頭ふっとんじゃってるあたりも壮絶。表紙も描いているLINDAの「クリスマスプレゼント」は、少年サンタをおねいさんたちがかわいがるというお話。この人はかなり絵が達者でエロもしっかりしている。人参・参「mother my love」は、けっこう激しいことをやってるわりにお気楽な母子相姦モノ。この人の絵柄は滑らかで可愛げがあっていい。正鬼真二「いぶし銀!! グッド・ジョブ」は、完成度はまだまだだけど下らなくて勢いがあるギャグエロもの。ラストは桃山ジロウが手堅く、ハード調教モノでドロドロにシメている。ハード系ななかに、ときどき息抜きな作品も入れて、濃いめながらも全体的なバランスはとれている。漫画執筆陣は、LINDA、近石まさし、TYPE90、カマキリ、人参・参、GRIFON、緋竜高弘、海原港、臓器林、正鬼真二、コミー、桃山ジロウ。

【アンソロジー】「COMIC G:drive」 vol.3 桜桃書房 A5

 D.O.製PCゲーム「加奈〜いもうと〜」をモチーフとしたアンソロジーで、「シスコン編Special」となっている。ちゃんとメーカーと組んで作られた本のようで広告も入っている。そんなわけで名前をちょっと変えるとかいう小細工は用いられていない。執筆陣はTHE SEIJI、あらきよう、浦島礼仁、宇佐美渉、かねことしあき、三田和夫、氷純舞。実際のゲームで原画を担当した米倉けんごはイラストと表紙のみ。元ネタのゲームがあにいもうとモノで、なおかつ妹が病床にあるという設定の「ええ話」系のもので、漫画も原作のイメージを壊さないような丁寧な作りの「ええ話」が多くなっている。ゲームをやってない人間(俺はそうなんだが)が読んでも、けっこうちゃんとしたゲームのあらすじ紹介ページもあって分かりやすい。作家さん目当てで読んでみた人でも、「それじゃゲームのほうもやってみるかな」という気になれるんじゃないだろうか。

【アンソロジー】「リトルピアス」その27 東京三世社 A5

 ロリ系のアンソロジー。執筆陣は、MANA-KO、奏亜希子、ほりほねさいぞう、となみむか、DASH、みみずしき、ほしのふうた、藤崎りえ、超電磁☆恋太郎、たまき聖。全般的に見どころのある作品が揃っていて、なかなかレベルが高い。継続して購読しちゃおうかと思わせる出来だった。MANA-KO「虫匣」の足首太めな少女の描写は瑞々しいし、ほりほねさいぞう「押し入れ」もかなり変態的にねちっこく少女調教の模様を描いている。表情の変化もダイナミックで良い。となみむか「売られたあきちゃん」の繊細な線による少女も可愛らしい。「〜だべさ」というしゃべり方は「最終兵器彼女」の影響がやはりあるんかな?

 ほしのふうた「夏休み 終章」は少女の身体のラインがくねくねしてて、相変わらずエロい。ロリ系でエロ心に訴えかけてくる作家としては、最近ではなんといってもこの人だ(もちろん俺の趣味では、だけど)。超電磁☆恋太郎「ふたたび利息いかがですか?」は自称「ミコミコ」な帽子少女がちょっと小悪魔っぽくかわいい。そしてたまき聖「Eroberung Geschlechtszelle」は、ズドンとくびれのない体型をした幼女がかなり独特な味。登場人物の年齢が「10万1才」とか「66699才」とかになってるのも面白いやね。だいたい1万分の1換算でちょうど良し。でも異星人らしいんで、そこらへんはまあそういうものらしい。で、何気にこの話、最後のほうではペニスをぶっちぎったりヒドイこともやってたりしてテンションは高い。なかなか面白いもの描く人だなあ。

【単行本】「み・だ・ら 処女天使」 つくしの真琴 桃園書房 A5

 「コミックジャンボ」「ヤングジャンボ」で「でんじゃらエンジェル」というタイトルで連載されていた作品。派手な美人でダイナマイトバディ、でも実はヴァージンであるところのレナのHな刺激いっぱいの大学生活を描く。レナはなんだかんだいいながら、他人をくっつけるキューピッド的な役割を果たしてしまうことが多く、自分はなかなか彼氏もできないまんまなのだが、そういったとこまで含めていい娘さんに描けている。絵柄は今としては古めな感じなんだけど、完成されてるし分かりやすい。

【単行本】「森の妖精のはなし」全2巻 富樫 蒼竜社 B6

 かつて富士美出版から出ていた単行本の復刻。最初は旅の少女とダークエルフのHというわけで、よくあるファンタジーもの的なのだけど、これが回を重ねていくごとにぐんぐん絵がうまくなっていって最後のほうはエロもかなりに充実してくる。ファンタジーテイストで細身な女の子にびきびきの男根が生えて……といったあたりで、現在では安森然あたりが直系の後継者って感じかな?

【単行本】「兄妹肉欲相姦」 ひんでんブルグ 松文館 A5

 メインとなっているのはあにいもうとモノである「兄と妹と」なんだけど、中出し&妊娠を望んでさえいる妹の覚悟の据わりっぷりが実にスゴい。エロエロなことをやりつつ、かなり覚悟完了した兄妹愛の物語にもなっているのだ。2000年は再録本含めて8冊(らしい)もの単行本を出す大ラッシュを見せたひんでんブルグだが、内容的にもかなり充実している。ショタ、近親相姦など、ヤバげなネタを相当なテンションで繰り出してくる。あまりハズレもないような。

【単行本】「部長より愛をこめて」1〜3巻 DISTANCE ヒット出版社 A5

 美人でナイスバディなんだけど、がさつで酒呑み、かつ童貞ハンターな映研の女部長の活躍を描くシリーズ。絵柄的にとてもキャッチーだし、デカい乳をゆさゆささせて展開されるエロシーンもダイナミックで濃密。かなり実用面での充実度が高い。しかもこの女部長さんのキャラがしっかり立っていて魅力的だし。ボリューム的にも満足感たっぷりで、かなり充実したシリーズとなっている。なお、現在は3巻までだが第4巻で完結予定とのこと。

【単行本】「淫獣紀」 瑞東航 司書房 A5

 この人って絵に独特のクセはあるんだけど、なかなかエロい作品を描く作家さんだ。表情、とくに口のあたりとか、身体つきとかが全体にねっとりとしてむんむん来ている。出始めのころは技量的にちょいとツラいかなとか思っていたのだが、作画技術とかだんだん進歩しているし、何より真っ向からエロエロな作品を描こうという姿勢が一貫していて好感が持てる。

【単行本】「×2」 唯登詩樹 蒼竜社 B6

 1993年に辰巳出版から発売された単行本の復刻版……なのだと思う。辰巳出版版を持っていないのでハッキリとはいえないのだが……。ここらへんの作品はSFっぽいというか、不思議な話が多くてけっこう好きだ。例えば「夜に抱かれて」あたりは、何か怪しげな雰囲気の漂う夜、目に見えない相手(夜そのもの?)に犯されるといったお話。そのほかの作品についても、現実なのか夢なのか分からないようなお話が多い。そしてこの単行本で一番好きなのが、エロまったくなし、女の子も一人も出てこない「京都魔界案内」である。これは雑誌の怪奇特集の取材で京都を訪れた記者が、地元の男性の案内で京都を回るというお話。ものすごく怪異なことが起こるってわけでもないけど、さりげなくそこかしこに魔界の入口がほの見えるという感じになっていて、その淡々とした語り口がとても魅力的な作品だった。この作品が漫画ホットミルクに初めて掲載されたとき、かなり夢中になった覚えがある。今読んでも絵はうまいし(今の水準で見てもかなりなもの)、一読の価値ありだと思う。今の唯登詩樹の作風しか知らない人は、かなり新鮮に思えるんじゃないだろうか。

【単行本】「強襲! おっぱい星人」 吉川かば夫 富士美出版 A5

 キャッチーなタイトルと表紙のおかげで気になっていた単行本。元気あふれる表紙絵同様、中身もハツラツとしていて楽しげ。メインとなっているのは、全3話の魔法学校の少女たちのドタバタコメディである「まじかるマジカ!」と、全2話のあにいもうとモノの「AYANEの季節」あたりだけど、そのほかの作品もわりと良い。初単行本のようだが、この時点でこれだけ描けているならかなり有望。女体の描き方とかだんだんうまくなってきているみたいだし。


1/12(金)……アゲハチョウ vs. ハゲカチョウ

 スタイルシートを導入して、マージンをとって行間をしっかり開けると、前よりブラウザで表示するときの縦が長くなるので文章いっぱい書いているようでちょっとトクした気分。それにしてもネスケ(使用バージョン4.7)とIE(使用バージョン5.0)における表示され方の違いは本当に困る。とくにTABLE使う場合は。この問題で悩むのって、Web作った当初以来だなあ。

【雑誌】コミックビーム 2月号 エンターブレイン B5平

 この前「てきぱきワーキン▽ラブFX」が終わったばかりの竹本泉が、今度は読切連作である「よみきり▽もの」をスタート。今回は、見分けがつかないほどそっくりな双子姉妹(どっちが姉やら妹だか分からなくなるので「姉妹」ってのもヘンな気はするんだが)と、彼女たちが気になって仕方ない男の子のお話。休むことなく、しかもしっかり楽しめるお話を作ってくるあたりはホントすごい。このコンスタントさ、揺るぎのない独自の間、まとまった絵柄と、ここまで見事に完成された人ってなかなかいないかも。あだち充に比肩しうるレベルといっていいかもしれない。志村貴子「敷居の住人」。うまーい。本当に。毎回毎回感心させられる。ポップな絵柄と、微妙な感情をザクリと掘り下げ、僅かな気持ちの揺れを逃さず映し出すその表現力はまったく大したもの。何度も書いてるけどいいもんはいい。

 しりあがり寿「弥次喜多 in DEEP」。修羅のごとく、巨大化してお互いを破壊した弥次さん喜多さんの魂が、ついに壮絶に重なり合う。うーん、うまく書けない。こんなすごい漫画について書くには、俺の言葉はあまりにも貧弱すぎる。やはりこれは、自分で読んで感じていただくしかないだろう。揺さぶられる。作:TKD+画:竹谷州史「LAZREZ」もかなりタイヘンなことになっている。万尊、そしてヤマザキが出会ったころの話しが引き続き描かれているが、濃密極まりない画面、ドスンと腹にこたえる物語、画面に満ちた激しい叫び声など、いずれをとってもヘヴィでロックだ。どこに行くのか分からない混沌ぶりも非常に刺激的である。

 福耳ノボル(今度は単独らしい)「蟲酸」がひさびさ登場。あのムシズに惚れる男が強烈に出現。その愛の形は恐ろしいほどにストイック。突拍子もない行動といい、なんてワイルドなんだろう。市橋俊介「テルオとマサル」。今回もメガネデブでクレイジーなマサルのテンションはヤバいくらいに上がりっぱなし。なんてうっとうしい物体だ。素晴らしい。宝生幸「A・GE・HA」。イイ奴なのにぶかっこうでみんなからいつもイジメられていた青虫のアゲハくんと、彼にいつもかまっていた女の子のお話。作画は個性的でなかなかに達者。息苦しい空間で先を焦ってもがいているような物語から、一転して大胆な展開を見せてハッとさせてくる。まだ荒削りではあるけれどもどんどん突き詰めていけばスゴイもの描きそう。バランスをとるのは難しいかもしれないが。それからやはり今号も、いましろたかし「釣れんボーイ」は最高。「今年もなんとなく暮れてしまった」。この扉の言葉がなんと似つかわしいことか。

【雑誌】コミックバーズ 2月号 ソニー・マガジンズ B5平

 新名あきの新連載「デビルスマイル」がスタート。今どき珍しいほどに心の清い少年を巡り、なんか露出度の高い服(吸血鬼系なのかな?)を来た女と、少年のガールフレンドが張り合うという形になるんだろうか。今のところ、まだどういうふうに進むのか不明だけど、この人も手堅い人なんできっちり仕上げてきそう。古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」。今回はいつにも増して大ゴマが多用されていて、あの非常にクオリティの高い作画を思う存分堪能できる。カラーページも4ページあるし惚れ惚れする。1月29日には単行本の上巻が発売予定とのことで、まとめ読みする日が今から楽しみでならない。

 星野之宣「コドク・エクスペリメント」は最終回。これは単行本で一気に最初っから最後まで読むほうがいいタイプの作品だと思う。そのうちぜひ。深町ひちる「勝負の行方。」。幼なじみである学に対する想いが募る女子・いまりだが、学にはすでに彼女がいる。その想いに決着をつけるために、彼女はあえて学の誕生日に告白をする。作画の面ではもっともっと丁寧なほうが良かったと思うけれど可愛げのある絵柄は魅力だし、お話に勢いがあってラストも気持ちがいい。とりあえずどんどん描いて、どんどん登場してきてもらいたい。多少の欠点は、たぶん描いているうちに克服されることでありましょう。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/26 No.3 小学館 B5中

 最近小学館漫画雑誌のあちこちで見かけるような気がする松浦聡彦「パートマン」が巻頭カラーで新連載。人間の遺伝子情報を実用化し、それを利用して人材を適材適所に配置せんとする人材派遣会社のおっさんが、サポートセンターで働いていたお人よしなおねいさんをスカウトする。そして彼女に新たな道を示す……という感じで、ちょっと「笑ゥせぇるすまん」っぽいかな。けっこう手堅く作品を作ってくるし、わりと好きな人ではある。もりやまつる「親父」。デッカいなあ、親父。次号最終回というのは残念。東陽片岡「お三十路の町」。この作品に出てくるグチ聞き屋のおやじがすごく好きだ。将来はこういう人間になりたいな、とすごく思う。

【雑誌】ヤングアニマル 1/26 No.2 白泉社 B5中

 田中ユタカ「愛人[AI-REN]」。う、今回も泣かすなあ。あいが絵日記を眺めつつ、イクルと二人で過ごした日々を振り返る。あいが自我を持ち、乗り越えてきた葛藤が痛いほど伝わってくる。愛しさと切なさが、これほど純粋でダイレクトに伝わってくる漫画はそうあるもんじゃない。すごいなあ。ノックアウト。

 作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。うわー、こりゃまたなんとも。マウスファミリーの大新年会の模様なんだけど、酒呑んでやたら羞恥プレイとかやりたがりの弥生、そして……。ここまで徹頭徹尾馬鹿馬鹿しいと素晴らしいな。それから今号では、文月晃「藍より青し」にしてやられた。まさかこんな手でくるとは予想もできなかった。参った。立派。

【雑誌】カラフルBee 2月号 ビブロス B5平

 久しぶりに購入したが、まんべんなく作画レベルが高いし華もあるしバランスのとれたいい雑誌だなあと感じた。初登場のごまさとしや、綾瀬さとみといった今風のピチピチした瑞々しい絵の持ち主がいるかと思えば、春風サキあたりが泥臭い実用的な作品もしっかり描いている。それから滑らかなタッチでヌル甘さが心地よい琴の若子「召しませバニー星人」は、コメディとしてもホッとする味わいがある。バニー姿の異星人が地球を侵略するためにやってくるも、防衛軍の腕っこきにいいようにあしらわれ、そのままエッチなことされた挙げ句なついちゃうというお話。バニーだしめがねっ娘だし、「〜であります」という言葉遣いも楽しいし。それから、れお「わたしたちのあいだに」。これがまたうまい。絵のタッチとしてはOKAMAに近いだろうか。ほっぺや鼻が赤くテカっているあたりが。ヒロインの金持ちで強引なお嬢さまがいたずらっぽくて可愛く、あと甘くて爽やかな読後感も心地がいい。

 そしてなんといっても、ギャグ枠の「ゲノム」。本来古賀亮一の作品なんだけど、今回は漫画家46人が参加の大合作になっている。これ、巻末のあんまし目立たない位置でやってるけど、アフタヌーンみたいにもっと派手に展開しちゃってもいいんじゃないかな。お祭りだし。ちなみに参加者は……面倒くさいから書かない……というのはやめて書く。古賀亮一、宮下未紀、春風サキ、秋澤和彦、にしき義統、みさくらなんこつ、たちばなとしひろ、空鵺、故障少将、八雲剣豪、櫻見弘樹、MDC本舗、鳴瀬ひろふみ、加藤礼次朗、山桜桃、狂一郎、ロケット兄弟、とがわはなまる、納都花丸、巻田佳春、羽衣翔、鬼ノ仁、陽香、逸架すばる、長尾山彦、福岡きさら、ZOL、あかひらきりん、和猫、御堂明日香、琴の若子、おつむがパーティ!、西木史郎、篠房六郎、梨加夫、BLADE、松沢慧、来鈍、粟岳高弘、吉川かば夫、RYO、日向悠二、Maruto!、葉月かづひろ、鴻月まゆき。そして題字が平田弘史(なんでこの人が……。アフタヌーンの大合作と両方に登場した唯一の人だよね、たぶん)。

【雑誌】アイラ Vol.4 三和出版 B5平

 近石まさし「淫囚」が巻頭カラー。この人はやっぱりすごくいい仕事しているなあ。ちゃんとカラーページからガシガシとエロを盛り込んで、そのままテンションをまったく落とすことなく最終ページまで突っ走る。この作品は、女囚凌辱モノで続きモノらしい。第1回めから、刑務所の近くのその辺の草っぱらでとってきたすすきや、農場で栽培している大豆が大活躍。この人の小道具に対するこだわりは相当なもので、毎回かなり手の込んだことをしてくる。海明寺裕「下等科」。これも続きモノになるようだ。クラスメートが「家畜奴隷」を訓練するための学科である「下等科」に自らの意思で進んだことに刺激を受け、自らも下等科を志す少女のお話。今度は自らヒトでなくなり下等科を志すということで、今までとはまた微妙に違った観点から世界を描いてくれそう。

 慈縛霊「TOILET」。自らを縄で縛り、公園の男子トイレの個室にこもり倒錯的な快楽を得ていた変態女が、本当のS男に捕まってしまうというお話。ペンタッチに勢いがあって、なかなかに個性的な絵柄である。演出もかなり過剰な感じでインパクトがある。香愁麻沙美「まりのゲリラ」。個性的ということでいったらこの人はもう実に素晴らしい。今回はまりののお母さんが出てくるのだが、この人も元夫が入院している病院に乳丸出しのボンデージファッションで現れるなど、これまたかなりエキセントリックな人であるようだ。それにしてもこの作品は、いったいどういう方向に向かっているんだろうか。予想がつかない。その意外性がたまらない。ベギラマ嬢「乙女失格」。現役風俗嬢な漫画家さんで、そこらへんの日常風景を濃く描写。滲んだようなタッチが印象的で、作画力はかなり高い。珍しげな作風で、もっとたくさんのページ数読んでみたくなった。すごく面白いセンスの持ち主だと思う。


1/11(木)……皮肉な藍色の狭い道に

 永山薫さんのお誘いで、ダーティ・松本先生作家生活30周年&画集発行記念パーティに参加させていただく。正直なところ「面識があるわけでもない俺が、自分が生まれる前から漫画を描いておられるスゴイ人の祝賀の席にいさせてもらっていいんだろうか」とかなり気後れしていたのだが、コミックジャンキーズのレビュワーの他の方たちも参加されるようだったので、新年のご挨拶も兼ねて末席を汚させていただくことにした。会場には谷口敬先生、早見純先生、中島史雄先生といった、自分にとっては偉人といってもいいような方々がいっぱいだったのでさらに気後れし、たぶん来ていた人の中でも最も格下クラスである俺は、隅っこのほうで縮こまっておりました。ああいう場に行っていろいろやっている人の話を聞かせていただくたびに、本当に自分は勉強・精進が足りないなと痛感する。頑張らなくては。

 帰りの電車の中で見た週刊宝石の社内吊り広告の見出し。「初夢キャバクラマンガ6作家競艶 とがしやすたか いしかわじゅん 花くまゆうさく 成田アキラ 高橋のぼる 藤波俊彦」。それぞれの作家さんは好きだけど、あんまり「艶」って感じでないような……。このメンツの中では、花くまゆうさくがかなり異彩を放っているような気がする。

 あと、まだ感想を書いていない本日入手物件は以下のとおり。早売り物件もいくつか含む。

【雑誌】コミックビーム 2月号 エンターブレイン B5平
【雑誌】コミックバーズ 2月号 ソニー・マガジンズ B5平
【雑誌】アイラ Vol.4 三和出版 B5平
【単行本】「チマタのオマタ」 朔ユキ蔵 ワニマガジン社 B6
【単行本】「MASUMI」 飛龍乱 ワニマガジン社 B6
【単行本】「メジャー漫画家への道」1巻 舞登志郎 オークラ出版 A5
【単行本】「すねかじりエロス」 IKARING 近代映画社 B6
【画集】「ダンシング・ボディ」 ダーティ・松本 久保書店 B5

【雑誌】コミック.H VOL.2 ロッキング・オン B5変形平

 第1号よりだいぶ面白くなっていると思った。腰を据えて読んでみようかなと思える漫画がだいぶ増えたという印象。個人的に一番楽しみにしていたのが長縄の作品。ただ今回の「もしもし。」は同人誌「走る空のように音楽あふれる言葉」(サークル名:数学とミシン)で読んだことのある作品だった。中学・高校と一人の女の子が好きで好きでたまらなくて、その娘のこと以外にあまり関心がなくなり、大学生になっても身もフタもない言動のため男と長続きしないでいる女の子のお話である。ストーリー的に面白いのももちろんだけど、スッと引かれたシャープで涼やかな線、キャラクターの造形の美しさ、それから白バックを大胆に使う画面構成の気持ち良さといった作画もこれまた非常に高いレベルにある。技量的にはすでに商業誌でバリバリやってけるレベルだと思う。

 衿沢世衣子「体が育つ」は、学校の体操服をブルマーでないものにせんとして運動中の女の子が、謎の組織だかなんだかによるブルマー廃止反対の嫌がらせに悩むというお話。絵は線がもっと細くなると、すごく見栄えがしそうなタイプ。読みやすくてちょっとくすぐりの入った面白げなお話が作れている。成田をと「しられぬひと」は、絵がとても面白い。細い、ちょっとカクカクした線をより集めて、独自の質感を持った絵を作り上げている。ストーリーのほうもユニーク。普通の家庭の様子が描かれているのだが、なぜか常にそこには頭から血をだらだらと流した女の子が突っ立っている。でも家族は誰一人気づかない。そのうち彼女は、誰も気づかないことにイラだってか、自らの体を破壊し始めるが、それでも誰も気づくことはないのだった。この女の子は、叫ぶ以外は終始無言。サイレント劇みたいな呼吸で進む物語運びが楽しい。マサキノリゴ「恋愛しましョ」は、冴えない女の子が成長していく中での、中学、高校、大学、そのときどきの恋愛模様を描く作品。クッキリして、人物の造形がキャラクターものの人形みたいなタッチが面白い。

 そのほかの執筆陣は小田島等、青木京太郎、真鍋昌平、近藤郷乃、村田江里、関根美有、マツヤマアキオ、三谷裕希。あと江口寿史、古屋兎丸、よしもとよしとものインタビューが掲載。よしもとよしともは本来作品が載るはずだったんだが。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/15増刊 漫革 集英社 B5中

 巻頭カラー4ページでヤンジャン系では初登場、こばやしひよこの「HIYOKO BRAND おくさまは女子高生」が掲載。タイトルどおりな境遇のかわいい女子高生の、ちょっとHな姿とかを描く。うまいけれども、やっぱりも少しページ数は欲しい。山口譲司「BOiNG番外編」が掲載。今回は恒例の「哀しいボイン」話が聞ける店シリーズ。ボイン、ボインと連発し、ずっと下らないことをやり続ける姿勢が相変わらず立派。単行本は1〜6巻を買ってあるので、最終巻が出たら一気読みする予定。

【雑誌】別冊ヤングサンデー 2/11 No.7 小学館 B5中

 秋重学「あいいろ」。成人式の日に、小学校のクラス会に出席した主人公だが、浪人ということもあってなんだかみんなから浮いてしまう。そんなときに遅れてやってきた、昔好きだった女子。そんな二人が、クラス会の途中で、昔校庭に埋めたタイムカプセルのことを思いだし、それを掘り返しに走る。そして出てきたものは、小学生のころの大切な気持ち。といった感じのお話。達者な絵、それから青臭く爽やかな物語をキッチリまとめてくる腕前など、やはりうまいな〜と思う。ただ、主人公のもやもやした気持ちの原因となってる部分があんまり重たいことに感じないので、チャラい印象も受けてしまいがちではある。

 田中圭一「乙女バズーカ」。普段はオドオドした目立たない女、でも張り型で精神注入することによってバリバリのオフィスレディーに変身する女性が主人公なギャグ漫画。短いながらも馬鹿馬鹿しくていい。描線の滑らかさと下ネタの軽やかさが魅力。あと長田光平「情熱の男」。第47回新人コミック大賞ヤング部門入選作。かつては日本チャンピオンになったこともあるが、今では負けてばっかりのおっさんボクサーの、不器用でカッコ悪い散り際を描くお話。ガッチリした絵で、時折ギャグっぽい描写も交えながら読ます作品。読みごたえがあって面白かった。

【雑誌】モーニング 1/25 No.6 講談社 B5中

 高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回もまた鼠レース編で、久々にインドまぐろ子が本領発揮。とても濃い。そしてマウスの、ズバッと人を切り捨てる身勝手さが素晴らしい。男はこういう風にありたい。ところでここのところのシリーズ、実は学歴コンプレックスがキーワードなのだろうか。それはさておき、弘兼憲史「部長島耕作」で一番イイ女は秘書の高市さんだと思う。理由はいいキャラだから。作:毛利甚八+画:吉開寛二「たぢからお」は今回で最終回。

【雑誌】零式 Vol.25 リイド社 B5平

 平とじになってから、コンビニであんまり見かけなくなったんで、すごく手に入りにくくなったような気がする。

 巻頭カラーは大島永遠「LOVE GAME」。街でナンパしてヤッちゃった女が、なぜか自分の名前を知っていて、実は同じ学校のコだった……というところから始まる恋愛模様。スッキリとしたタッチでかなりラブラブで甘めな空気が満ちているのがいい。安森然「流体機関」。相変わらずすっごくうまい絵だ。エロはまたしてもないが、クオリティ的には十分満足のいく出来。犯罪的にかわいい童顔な大人の女、小鳥さんの魅力が人々をクラクラさせているむつきつとむ「としうえの魔女たち」は今回も好調。今度は親同士の結婚のおかげで、清孝の家に美夏(清孝のセックスフレンド)も越してくることになり、清孝−小鳥さん−美夏の三角関係の緊張感が高まりそうな気配。小鳥さんにヤキモチを焼かせて、またしてもかわいいところを見せつけようというのだな!? またやられちゃいそうだ。

【雑誌】スーパージャンプ 1/24 No.3 B5中

 石川サブロウの新連載「ゆきのいろ」がスタート。画壇の偉い人の展覧会会場で、ほかの人が感心している絵を見て「なんかパッとしないの」と呟く少女。その娘に何か見出したらしいオッサン。オッサンはこの娘に絵を描くことを教えようとするが……といったあたりからお話は始まる。やはりこの人らしい、芸術家ロマンになっていくのだろう。女の子の作画とか、何かほっとする味を持っていて面白いお話を描く人だけに期待できそう。


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